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2021年7月1日 第11回年金広報検討会

年金局

○日時

令和3年7月1日(木)14:00~16:00

 

○場所

東京都千代田区平河町2-4-2
全国都市会館 3F 第1会議室(オンライン開催)

○出席者

板谷 英彦(オブザーバー)
上田 憲一郎(座長) 
太田 英利(構成員)
尾崎 俊雄(オブザーバー)
殿村 美樹(構成員)
富永 朋信(構成員)
野 口  尚(オブザーバー)         
原 佳奈子(構成員)  
森 浩太郎(構成員)
森下 郁恵(構成員)   
山口 真一(構成員)
横尾 良笑(構成員)       
 

○議事

○上田座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第11回「年金広報検討会」を開催いたします。
皆様、大変お忙しい中、御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
今回も前回同様、オンラインの開催とさせていただきます。
本日の出欠状況ですが、佐久間委員から御欠席の連絡をいただいております。
本日は、議題2の関係で、株式会社日立製作所の御担当者様に御出席いただいております。
また、金融庁の方がオンラインで傍聴されています。
それでは、議事に入る前に、事務局から資料の確認をさせていただきます。
○古川年金広報企画室長 本日の資料でございますが、
議事次第、
資料1 年金広報検討会開催要綱、
資料2-1 個々人の年金の「見える化」のための取組み、
資料2-2 年金の「見える化」Webサイト(仮称)デザイン説明資料です。
事務局からは以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、カメラの方がいらっしゃいましたら、ここで退出をお願いいたします。
これより、議事に入りたいと思います。
本日は「(1)年金広報検討会開催要綱の改正について」「(2)個々人の年金の『見える化』のための取組みについて」の2つを議題といたします。
それでは、議題1「年金広報検討会開催要綱の改正について」に入ります。
事務局から御説明をお願いいたします。
○古川年金広報企画室長 では、資料1を御覧ください。
年金広報検討会の開催要綱の改正でございますが、今回からオブザーバーが年金シニアプラン総合研究機構の専務理事の吉野隆之様から板谷英彦様に変更になりました。
つきましては、開催要綱の別紙の名簿を御覧のとおり、変更させていただきたいと思います。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、年金シニアプラン総合研究機構専務理事の板谷様から一言御挨拶を頂戴いたしたいと思います。
板谷様、お願いいたします。
○板谷オブザーバー ただいま御紹介いただきました、板谷でございます。
よろしくお願いいたします。
○上田座長 ありがとうございました。
続きまして、議題2「個々人の年金の『見える化』のための取組みについて」に入りたいと思います。
まずは、資料2-1について、事務局から御説明をお願いいたします。
○古川年金広報企画室長 御説明いたします。資料2-1を御覧ください。
資料1枚目ですが「年金簡易試算Web(案)」ということで、これまでの年金広報検討会において御説明させていただいた資料になります。
2ページ目ですが「見える化」の取組は、政府全体の方針の中に位置づけられており、デジタル社会の実現に向けた重点計画、令和3年6月18日に閣議決定されたものでございます。
(略)以降を読み上げさせていただきますが、公的年金、私的年金を通じて、個々人の現在の状況と将来の見通しを全体として「見える化」し、老後の生活設計をより具体的にイメージできるようにするための仕組みである年金簡易試算Webについて、令和4年4月の運用開始を目指し、令和3年度前半に開発、同年度後半にテストを行う。
このように位置づけられております。
コンセプト等につきましては、これまで御説明させていただいたとおりですが、改めて、政府全体の方針の中に明確に位置づけられているプロジェクトであるということを御説明させていただきました。
3ページ目ですが、1ページ目の説明の中で、ねんきん定期便にQRコードを付しまして、ウェブアプリが始動する際には、スマホ等のカメラで読み取ると、必要情報をわざわざ入力しなくても自動で入力できるような仕掛けを考えていると御説明させていただきました。3ページ目はねんきん定期便(50歳未満)のレイアウトですが、真ん中下のところのQRコードをスマホ等のカメラで読み取るというのが現在のイメージになります。
4ページ目ですが、先ほどのねんきん定期便のレイアウトの裏面になりますが、基本的には1、2、3とあります3番目のところを、QRコードで読み込むことを考えております。
1点、資料の補足させていただきたいと思います。
下の四角囲みのところに「ねんきん定期便の情報を利用しない場合でも、70歳までの期間について」とあります。こちらのウェブアプリは、来年4月からの運用開始を考えており、御案内のとおり、昨年の通常国会で成立しました令和2年の改正年金法の中で繰り下げられる年齢を70歳から75歳に引き上げることを予定しております。
こちらにつきましては、同タイミングでの施行ですので「75歳」までの繰り下げに対応する予定です。
5ページ目ですが、先ほどのねんきん定期便は50歳未満を対象としたものでしたが、こちらは50歳以上を対象としたレイアウトです。50歳未満のものとは若干様式が違うのですが、定期便にQRコードを付しまして、ウェブアプリと連携するということについては50歳未満のものと同様に考えてございます。
6ページ目も、四角囲みのところに「60歳から70歳までの期間について」とありますが、こちらも先ほどと同様の理由から、「75歳」までの繰り下げに対応する予定です。
駆け足でございましたが、私からの説明は以上とさせていただきます。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見や御質問などがございましたら、お願いいたします。皆さん特によろしゅうございますか。
それでは、御意見、御質問などはございませんでしたら、その次の資料2-2につきまして、委託事業者の皆様から御説明をお願いいたしたいと思います。
○株式会社日立製作所 ただいま御紹介にあずかりました、日立製作所の松下でございます。
本日は「年金の『見える化』Webサイト」のデザイン説明としまして、本サイトの目的であったりターゲットを弊社がどのように考え、それをどのようなコンセプト、デザインに落としているかを説明させていただきます。
よりよいサイトづくりに向けて、皆様から御意見を頂戴できればと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
では、次のページをお願いいたします。
本サイトの趣旨と目的の理解なのですけれども、こちらは先ほどの古川室長の御説明の中にも入った内容と同様となりますので、割愛させていただきます。
次のページをお願いします。
では、本サイトのポジションの理解と基本コンセプトについて、説明いたします。
一般に、様々な年金のシミュレーションサイトがある中で、弊社では、今回提案するウェブサイトの位置づけを整理するために「年金制度情報の正確性」と「操作性の難易度」を軸にセグメントしまして、類似のサービスを配置いたしました。
その中で、本サイトが目指すべきは、こちらの図の中の右上のポジションと考えております。
こちらのポジションのコンセプトとしては、まず、1つ目のコンセプトですが「年金制度情報の正確性」でございます。
こちらは、厚生労働省が提供するサービスとしまして「年金制度情報の正確性」という部分を担保した、年金制度に特化したシミュレーションサービスを提供すべしと考えております。
2点目になりますが「操作性の難易度」を簡単にするという点になります。
こちらは、広報活動として様々な方に利用していただくという点を考慮しまして、UXの原則に配慮した容易な操作性を備えたサービスを提供すべきと考えております。
次のページをお願いします。
続きまして、本サイトを起点とするユーザーの意識の変化の理解について、ユーザーがどのような体験をすべきかというところを整理した内容を説明いたします。
今回のスコープとして、本ウェブサイトの製作となっておりますので、そちらを起点として前後を整理しておりますが、主にこちらのシーン2の実際にウェブサイトを利用するところについての御説明をさせていただきます。
シーン2については、QRコードを使って、ユーザーがQRコードの読み込みから実際にウェブサイトにアクセスすることで、将来のイメージが具体的に変化するといったアクションを取る形となっております。
この動きの中で、ユーザーの考えやニーズとしては、試算を簡単に終わらせたいであったり、視覚的な理解を通じて将来の設計を考えたいといった内容になっております。
これらのニーズを満たすために、提供すべき体験としましては、手間なく効率的に計算結果を取得したり、将来のシミュレーションの内容を理解したり、興味を持ったりすることが必要と考えております。
これらの体験を実際に提供するために必要なアイデアとしまして、簡単に試算ができるシンプルな構成と、将来を見据えた計算ができるリアルな計算の提供が必要だと考えております。
次のページをお願いいたします。もう少しユーザーの理解を深めていきたいと思います。
今度は、想定するユーザーを「年金興味」と「スマートフォン活用度」という2軸を基にセグメントして、分析いたしました。
この図の右下のところがメインターゲットとなるのですけれども、こちらをもう少し具体的に御説明いたしますと、主な利用シーンとしましては、ねんきん定期便をトリガーとしたQRコードの読み取りからウェブでの検索という行動ができるユーザーを想定しておりまして、ふだんの調べ物でスマートフォンを活用したり、かつ、ふだん年金への興味という部分が低い方が気軽に調べるような形になるのかというところをメインターゲットとして置いております。
次をお願いいたします。
ここまでの理解を踏まえまして、弊社が提案するデザインのコンセプトは「Simple UI」でございます。
こちらのコンセプトは、大きく4点ございまして、1つ目なのですけれども、年金に興味のない方も簡単に試算ができる簡単なシミュレーションの実現でございます。
2点目ですが、スマートフォンの利用を前提とした、ユーザーのメンタルモデルに寄り添うデザインをコンセプトとして置きます。
3点目ですが、今回のサイトへの導入となりますねんきん定期便や年金ポータルなどのコンテンツとの高い親和性を維持することを考えております。
最後ですが、様々な利用者の方がいらっしゃるというところで、ユニバーサルデザインへの配慮も考慮いたします。
次をお願いいたします。
これらのコンセプトを踏まえまして、弊社が提案するデザインのテーマは「Simple & Usability」となっております。
今回の年金「見える化」ウェブの目的を達成する上で、可能な限りシンプルな構成にすることで、年金に興味を持つきっかけを与えられるようなデザインにできればと考えております。
次をお願いいたします。ここからは、具体的なデザインの施策となっております。
1つ目は「シンプルな結果表示」で、今回、年金の広報活動というところで、シミュレーション結果は、詳細なものよりも、ユーザーの方が容易に理解できる情報量がよいと考えております。
この点を踏まえまして、今回のシミュレーション結果は、必要最低限の情報量とシンプルな構成にすることを心がけております。
続いて、右側ですが「シンプルな入力方式」で、基本の入力項目については、デフォルトで値を設定して、入力の手間を省略いたします。
そして、具体的な数値入力の際は、もちろん、キーボードも利用可能なのですけれども、補助操作としまして、プラス・マイナスのボタンを設置して、操作の効率化を図る予定でございます。
次のページをお願いいたします。
続いて「入力内容と結果のインタラクティブな操作」となります。
こちらですが、画面の上部の結果を固定したまま、下の入力内容の部分をスクロールするようなつくりとなっております。
こちらによって、ユーザーは常に結果を見ながらシミュレーションをすることが可能になるので、入力内容と結果表示がインタラクションになることでよりよい洞察を得ることができるのではないかと考えております。
次をお願いいたします。続きまして「段階的な情報表示」でございます。
今回、入力で想定していますモバイル機器は、画面が小さいために、一度に多くの情報量を詰め込むのは得策ではないと考えております。
そのため、初期表示は少ない情報量から、段階的にオプションを表示することで、確実に情報に迫ることが可能なつくりとなっております。
そして「表示された選択肢での操作」になります。
こちらも同様に、小さなスマートデバイスにおいては、ドロップダウンでの操作よりも、選択肢が限られている場合におきましては、選択肢をボタンで表示しまして、シンプルなタップ操作で選択できるほうがよいと考え、そちらを提案いたします。
次のページをお願いいたします。続きまして「デザインイメージの踏襲」でございます。
本ウェブサイトの利用シーンとしては、ねんきん定期便からの導入以外にも、厚生労働省のホームページであったり、年金ポータル、そのほかの年金関連の団体のウェブページから遷移することを想定しております。
それらのページから遷移しても違和感なく、一つのサービスとしてスムーズな利用ができることを目的として、カラースキームを合わせ、デザインの一貫性を保持しております。
また、同様に、ヘッダー、フッターも踏襲することで、同様の印象を与えられるようにと考えております。
次をお願いいたします。
続きまして、先ほども話にあった、導入となる「『ねんきん定期便』との親和性配慮」でございます。
こちらも、ねんきん定期便で用いられる項目や項番を画面と合わせることで、親和性の配慮を行っております。
次をお願いいたします。
施策として御説明するのは最後になりますが「ユニバーサルデザインへの配慮」でございます。
本ウェブサイトで想定するターゲットユーザーから、こちらの例で出しているのは弱視のユーザーになりますけれども、様々な観点での配慮が必要と考えており、それらを検討いたします。
まず、例としまして、弱視のユーザーへの可読性の確保としまして、ウェブアクセシビリティーの規格を考慮した背景色と文字色のコントラスト比を4.5以上確保するといったカラースキームの設計をいたします。
また、こちらの右下の図に関しては、一部の例になりますけれども、色弱者が判別できないような色の組合せは用いないといったところを考慮いたします。
このほか、ユニバーサルデザインに関して、配慮を検討していこうと考えております。
配付資料としては、御説明は以上となりますが、本日、投影用に、実際の画面イメージをお持ちしていますので、そちらも投影をお願いできますでしょうか。
ありがとうございます。
こちらが、QRコード等で読み込んだ後に、最初に出てくる画面となっております。
検討中の部分がございますが、最初に入力の同意事項の合意の部分がございまして、こちらに同意していただいた上で、年金額を正確に表示するために、基本情報として生年月日と性別の入力をいたします。その結果、試算ボタンを押していただくと、実際の試算結果のページに移りますので、次のページをお願いします。
こちらは、試算の結果、最初に出てくるページとなっております。
先ほど御説明しているので、中の詳細は割愛いたしますが、試算結果が画面上部に出てまいりまして、受給開始年齢を変更できるものがこの画面の下部に表示されている状態となっております。
次のページをお願いいたします。
この下の画面のプラスが書いてある部分が、具体的な年金のシミュレーション等をするに当たって、入力が必要な項目となっておりまして、この状態では、まだ閉じた状態となりまして、ユーザーが具体的なシミュレーションをする際にプラスボタンを押して、開いていただく画面となります。
次をお願いいたします。
あのプラスボタンを開きますと、このようにQRコードの読み込みであったり、具体的な入力項目が出てくる形となります。
具体的な入力項目一つ一つの説明は、本日は割愛させていただきますので、このような画面が入力画面として、下に続くような形となっております。
駆け足になりましたが、弊社からの説明は以上となります。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明について、御意見を頂戴したいと思いますが、多分、今日の会議は重要な位置づけになる会議だと思います。
といいますのも、先ほど古川室長からの御説明にもありましたが、既に政府全体の方針の中の位置づけの性格が出ておりまして、そこで2022年4月スタートというエンドが決まっております。
全体のスケジュールが非常にタイトでございまして、これから恐らく1~2か月の間で相当程度進める必要がありますので、今日、皆様から御意見をいただく際には、二分割して御意見を頂戴できたらと思っています。
最初に、特に全体の仕様といいますか、構成といいますか、骨組みといいますか、ベースとなる設計に係るような重要な部分につきましては、これから先、作業を進めてまいりますと後からは変更不可能になりますので、まず、全体の枠組みとか仕様、構成等に係るところを皆様から要点を押さえる形で、御指摘を一巡で頂戴したいと思います。
その後で、追加でいろいろと御意見をいただき、特にディテールといいますか、表示とか、様々な表現といったところの細かい部分について御意見を頂戴するような形にしていきたいと思っております。
よろしゅうございましょうか。
それでは、まず、全体に係る部分につきまして、御意見を頂戴したいと思います。
もしよろしければ、名簿順で次々と御発言いただいても結構ですが、よろしゅうございますか。
では、まずは太田さんからお願いしてよろしゅうございますか。
○太田構成員 UIとかテクニカルなところはいろいろとコメントはあるかなと思うのですけれども、それは後ほどということなので、アウトラインというか、これも細かいのかもしれないですが、何を出すかということです。
シンプルな表示結果ということで出すところで、UIとは別のところでなのですけれども、1点気になったのは、円グラフで納付実績、予定に基づくということで表示されているのですが、これは要るかなという気がちょっとしました。
シンプルということで考えると、普通に年金の見込み額と総額がぱっと明示されたほうがよりシンプルになるし、感覚的にまだすごくいっぱい納付しなければいけないなというイメージになってしまうのかなという気もするので、デザイン的にシンプルにするところと情報量というところでいくと、まだ絞り込んでいいのかなという気はしました。
UIのところについては、また後ほどコメントいたします。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
確かに円グラフは、普通は資産構成のポートフォリオの表現ですね。
続きまして、殿村さん、お願いいたします。
○殿村構成員 殿村です。ありがとうございます。
PRが私のなりわいですので、個人的な意見になりますが、
設計の部分で入力項目が結構細かすぎると思います。例えば賞与金額とかそういうのを入れるような欄があったと思いますが、賞与のは、特に中小企業の場合、金額はもちろん、出せるかどうかも分からないのが現実だと思うのです。
年収だったら、大体設計もつくのですけれども、賞与金額まで細かく入れていくことになると、入力自体に嫌気がさし、計算もしづらいのではないかと思います。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
続きまして、富永さん、お願いいたします。
○富永構成員 大局的なことだけではなくなってしまうかもしれないのですけれども、不可分なので、今言ってしまいますが、メンタルモデルに整合的なというお言葉があったのですけれども、そこで整合したいメンタルモデルが何かということを企画書から読み取るのがちょっと難しくて、その辺のお考えはどうかなということを聞きたく思いました。
私だったら、非常にチャレンジングなのですけれども、年金はどういうパラメーターがあって、何をいじるとどう動くのかみたいなこととか、年金がどういうコンポーネントでできているのかみたいな年金の成り立ちみたいなことのメンタルモデルがユーザーと共有できれば非常にいいと思いますし、さらにもう一個言うなら、年金は何となく毎月天引きされている物すごく嫌なものというイメージがあると思うのだけれども、そのコンポーネントを理解した上で、たくさん払ったら、ちゃんとたくさんもらえるのだみたいなことが理解、体得されると、嫌なものではなくて、喜んで払うべきものなのだみたいな認識にもできると思うのです。
これであってもいいし、これでなくてもいいのですけれども、どんなメンタルモデルをユーザーとシェアしていきたいのかというところがもっとクリスプに言葉になって、それがサイトの構造に反映されるといいかなと思いました。
あと、シンプルということがよく言われているのですけれども、シンプルとはマジックワードだと思うのです。
作り手にとってシンプルなことと、ユーザーにとってシンプルなことは違うのではないかという感じがします。
使い手にとってシンプルなことは、直感的に使えることとかぱっと見て分かることという感じの話だと思うのです。あれこれややこしいことを考えなくても、直感的にぱっと見て分かるみたいな話です。
そういった観点から考えると、さっき御説明いただいたUIは、直感的というよりは、入力方法としてはシンプルなのだけれども、それが果たして本当にユーザーフレンドリーなのかというところは、ちょっと改善の余地があるのかなと思ったりしました。
あと、先ほど太田さんが要らないとおっしゃった、年齢と性別を入力して、ファーストビューで出てくる300万円というページがありましたけれども、その必要性の是非はちゃんと議論していただきたいのですが、もしあの種のページをつくるのだったら、最初に300万円で出てきた数字から減らないようなストーリーで見えたほうがいいと思うのです。最初に出てきた数字は、見る人にとってアンカリングというか、ある種の基準値になって、最終的にそれより減った金額が提示されると、最初に見せられた数字から値引きされてしまったような感覚になって、せっかくこのサイトをいじることが、年金に対してポジティブな態度を形成するいい機運になるのが乱されてしまうと思うのです。
これは大局というより、ディテールかもしれないのですけれども、そういったことにも配慮する。
今、私が言っていることは何かというと、いつも菊地さんが言っているナッジをちゃんと使ったユーザー定義をつくっていこうということになるわけですけれども、その人間の性質をちゃんと押さえて、嫌な感じが残らないような、ポジティブな感じしか残らないようなUXをつくっていっていただけたらと思いました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
御質問等は、後でまとめてお答えいただければと思います。
続きまして、原さん、お願いいたします。
○原構成員 私も今何を言えばいいのか区別がつきにくいのですが、取りあえず言いたかったことは言ってもいいですか。
それが大局なのか、細かいことなのかは分からないのですけれども。
○上田座長 では、できるだけ全体に係るような部分でお願いいたします。
○原構成員 全体に係るというのは、デザインとか。
○上田座長 設計や全体の構成とか。
もし区別がなかなかつきにくいようであれば、要点を絞って御発言いただいて構いません。
○原構成員 では、取りあえず言わせていただきます。
これは大局の話かもしれないのですけれども、定期便から読み込むということで、定期便の中を読み込んで、そのままのものもあれば、そぐものはそぐというふうにしたほうがいいかと思うのです。
定期便の中でも、これは要らない情報ではないかと疑問に思っているものもあるので、そういった意味では、その先は細かいことになると思います。
もう一つは、先ほどもありましたけれども、シンプルな中でも、公的年金の試算額なので、そういったことが伝わるようなデザインにしていただきたいと思っているのです。
そういった意味では「2.1 デザイン案」の中で、先ほどもありましたけれども、円グラフでぼんと300万円と出てくるところは、分かりやすいのですが、一時金のように見られてしまうので、公的年金は終身年金ですから、何か終身で続くイメージがあるといいなということがあるのと、7ページのところでも、50歳未満の人は、今時点の金額が定期便に載っているのですが、あれは要らなくはないのですが、分かりにくいわけです。
先ほどもありましたけれども、この円グラフの円の縁の色が違って、ここまでというのが分かりにくいので、それは要らなくて、年金見込み額は幾らという形で単純に出せば、今、こことか、何か月というのは後で出てくるので、何か月払ったというのは要るかもしれませんけれども、今の時点で幾らというのだとちょっと混乱するのではないかと思うので、私も将来の見込み額がどんと300万円など、出てくるのでいいと思います。
その右側の総額や今の保険料の納付額などは要らないと思います。
何千万単位の話は、いつまで生きるか分からない中で、公的年金は終身なのに、有期年金に見えてしまうので、要らないのかなと思いました。
細かくなってしまいますけれども、公的年金の終身制とかそういうことで、損得計算とかにならないような形にしてほしいと思っているので、そういう形でお願いしたいと思います。
あとは、転職とかそういうのも入れる工夫もいろいろとしていらっしゃいますが、あまりたくさん細かくやると、ねんきんネットと同じようになってしまうので、2~3回ぐらいか分からないですけれども、転職する回数もあまりに細か過ぎるのもどうかと思います。
また、先ほどのねんきん定期便からのというところで見ると、第1号被保険者とか第2号被保険者という専門用語を定期便から移したときに、そのまま使うかどうかというのもポイントだと思いますので、説明をつけるのか「会社員」とかに変えるのかなども検討すべきと思われます。
その辺は定期便のよさはあるのですが、そのままシンプルにするとすれば、もう少しそぐものはそぐとか、言葉を変えるものは変えるとか、分かりやすくするというふうに、定期便自体が分かりにくいと言われている部分もございますので、そういった意味では、そこら辺のところを工夫していただきたいと思います。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
続きまして、森下さん、お願いいたします。
○森下構成員 意見というよりは、質問なので、もし御意見があれば、後でお答えいただければと思うのですが「1.3 ユーザーの理解」のところになるのですけれども、スマートフォン活用度が中間より低いところから高いところまでというのは、結構幅が広いのかなと思っていて、ペルソナみたいなものでいったら、どのぐらいのユーザーの方を想定して、どこら辺に合わせてつくって考えていらっしゃるのかなというのがちょっと気になったりしました。
特に、生活のお金に関わることですので、例えば銀行のアプリを使っているとか、ネットバンキングを使っているとか、多分、そういうものの使い慣れ具合や家計に対するコミットとか、そういうものによってまた変わると思うのですけれども、何かそういうところをちょっとひもといていったときに、どのぐらいのリテラシーの方々で、どういう接触をする方々が使われる想定なのかなというのをもう少し皆さんで共有した上で考えていくと、その先の細かいところの検証とかが見えるのかなと思いました。
ただ、幅が広いので、上澄みを取ることにしかなりづらいとすごく感じるところなのですけれども、多分、次のところでもカスタマージャーニーみたいなものを考えてくださっていたとは思うのですが、ターゲットの方々の使用シーンとか、その辺をもう少し共有していくというのがプロセスとしてあってもいいのかなと思いました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
続きまして、山口先生、お願いいたします。
○山口構成員 御説明いただきまして、ありがとうございました。
私からは、全体に関わるところとして1点あります。
ほかの方もおっしゃっていたところではあるのですけれども、まず、最初の厚労省の御説明から今の説明を通じて、全体として結構情報を削って、必要最低限にするという方針があったと思うのですが、そちらは私もかなり賛成するところです。
その上で、正直、もっと削れるのではないかと思った次第でして、それは何かと申しますと、例えば今回、QRコードを使ってアクセスしたりということができるわけですが、既にねんきん定期便に載っている情報は要るのかなというのが疑問でして、最初の御説明のところで、青枠で囲った部分を載せると書かれていましたけれども、例えば今の支払っている金額に対する実支給額みたいなことが載っているわけです。
私は、あれを見て参考にしたことがないというか、そう言うと語弊があるのですけれども、正直、別にモチベも上がらないし、しかもこれから払う期間のほうが長いので、あの金額は結構当てにならない数字ですし、どうしようかなという感じなのです。
もちろん、あれが定期便に載っているのはいいのですけれども、今回のアプリは、とにかく、今後、こういう働き方をするとこのぐらいもらえるのですということがすごく分かりやすく表示されるところがメインだと思うのです。
そうすると、将来の設計の中で幾らもらえるかというのは一番重要な情報である。
これは数字が得意な人はいいかもしれないのですけれども、世の中にはいろいろなタイプの方がいて、中には数字が苦手な方もいらっしゃるというか、そっちのほうが多いのです。
私なんて、本とかを出すときに、数式が出ると売上げが半減するみたいなことをよく言われるのですけれども、そのぐらい苦手意識を持たれる方が結構多い。
そういった中で、一番混乱するのは何かというと、同じような数字が2つ並んでいて、全然違う値になっているということなのです。
今回のケースでいうと、明らかにそういうことが起こり得るので、今回は絞ってしまって、それこそもらえる金額がぽんと出るほうが分かりやすいと思うのです。
どうしても実支給額とかを載せたいのだったら、階層を分けて細かく見ていくと、実はこうなっていますみたいなことが分かるみたいなほうが読みやすいのではないのかなと。
特にQRコードで飛んできている方は、定期便を読めば全部書いてあるので、正直、そういう情報は削ってもいいのではないかと感じた次第です。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
最後に、横尾さん、お願いいたします。
○横尾構成員 横尾です。よろしくお願いします。
私からは、質問と意見を述べさせていただきます。
まず、質問です。「ねんきん定期便をトリガーに」と記載がありますが、ねんきん定期便のはがき上の記載、QRコードの横の説明の文字の部分は変更可能でしょうか。
なぜかというと、ねんきん定期便の葉書上の記載で改善されては如何かと感じる点があるからです。
次は意見です。このウェブページの名前とQRコードの横に書いてある名前が違うのは、統一したほうが良いと思うからです。
ウェブの仮称の名称は、これはシミュレーターだということがすごく明確に分かるように、改善され、非常にいい名前になったと私はすごく評価しているところなのですが、トリガーとなるはずのねんきん定期便上に記載のQRコードの名称と異なると、実際にQRコードからページを開いた時に違う名称のページが出てくることになり、使う人を不安にさせますし、まず、ここで挫折が多くなると思いますので、ここは必ず連動したほうがいいと私は思います。
また、書いてある記載内容も若干分かりにくいところもございますので、そこも改善の余地があると思います。
今度は、はがきのほうの改善点の続きに入る前に、関連する質問を先にさせていただきます。
本件のQRコードから読み込むデータは具体的には何なのか、という点について、今、どなたか分かる方がいたらご提示教えていただきたいと思います。つまり、QRコードを読み込んだ後、どれぐらい入力しなければいけない予定なのかということです。
現状のままいけばどうなるか。QRコードを読み込めば、操作なしで一発でシミュレーションが出てくる、例えば65歳まで納付した場合とかそういうのである程度設定された、一般的なケースで出てきて、それをちょっと調整するという話なのか、それとも、読み込むのは現在事項だけで、将来事項に関しては全部入れなければいけない話なのかというのは、かなり知りたいところかなと思うのです。
それによって私や皆さんのアドバイザリも変わる重要な点かと思いましたので、質問させていただきました。
特に、過去の部分で、初めの時期はアルバイトからスタートされているような方も多いと思うので、賞与だ何だとかいろいろと言われると難しくなってきて、挫折するというか、ドロップアウトする方もいらっしゃると思うので、まず、何を読み込んでいるのかというのは全体に関わると私は思っています。
次に、上記を踏まえ、はがきの改善点に対する意見です。
できればはがきのところに読み込まないデータも明記していただいたほうが、ユーザーの印象は非常にいいです。
例えば名前は読み込んでいませんなど、読み込まない情報はあると思います。
昨今は、その読み込まない情報も書いてあったほうが、ユーザーは安心し、利用率や満足度に大きく貢献する傾向があります。
はがきへの意見はここまでで、次に本件 ウェブサイトについて、意見と質問を述べさせていただきます。
まず、質問なのですが、これは老齢年金のシミュレーターなのでしょうかというのが私の質問です。
出てきているのが老齢年金だけなので、もし老齢年金のシミュレーターであれば、全て老齢年金の「老齢」をつけていただくほうがよろしいかと思いますし、それがきちんと分かるようにする必要があると思うのです。
老齢年金の試算ウェブであるということですね。
そこがすごく分かりにくいと思いました。
ただ、実は、この会議が始まるまでは、私は老齢年金だろうと思っていて、それをつけたほうが良いという意見を述べようと思っていたのですけれども、本日説明を聞いているうちに、これはもしかしたら、ねんきん定期便にひもづいたシミュレーターをつくろうという企画だったのかなと思い直しました。
つまり、特段、どの年金のことかについて限定していないのかなと。
もし特段、老齢年金に限定するという縛りがあるわけでないのであれば、私は全体を出していただいたほうがいいと思うのです。
若い人にとっては、現状までの納付額だと、老齢年金はちょっとしかもらえないかもしれないけれども、もし事故に遭って、両手両足が使えなくなるといった話になったときには、例えばこのような給付があるのだとか言ったことを理解する手助けになるものになる方が、より年金への理解度と信頼度に貢献すると思います。
老齢年金以外の年金の認知度が低いという点について、今まで広報検討会もポスターを作ったり、いろいろなことをされてきていて、若年者の人たちも、そうだったのか、こんなに年金は意味があるのかと認知が高まった上で、さらにそのような情報の記載のあるポータルサイトから来るわけです。
そして実際にポータルサイトからシミュレーターサイトに来たら、「あれ、やはり老齢年金しかなかったのかな」という話になってきてしまうと思うのです。
このシミュレーターは、もちろん、シミュレーションしたいというニーズに応えるという機能と、ターゲットになっている方は20~40代ということですから、このサイトを通じて、年金はこういうことだったのだと知る機会になるという機能があると思います。
今の私たちがやっている広報の内容を授与できなかった今の20~40代の人たちが知る機会になるわけだと思うのです。
なので、もし縛りがないのだったら、どこまで入れられるのかは分からないですけれども、年金全体の理解と信頼につながるように、入れていただいたほうがいいのではないかと私は思いました。
次に、シミュレーションサイトの全体に関わる件で、いろいろと皆さんからご意見があった円グラフですが、将来の給与と納める年金の金額が増えても、円の大きさは変わらないですね。
そうすると、金額が増えないという感じがしてしまうと思うので、直感的利用設計は、私たちが商標を持っている言葉なのですけれども、そういう視点でいうと、ちょっと見直し、要らなかったら、皆さんがおっしゃっているように、外すなりしたほうが良いのではないかと思いました。
次に、今御説明いただいた資料2の3ページにユーザー層のお話が出ていて、森下さんからユーザー層の話で御指摘があったかと思うのですけれども「Thinking」という一番重要なところで「簡単に終わらせたい」と書いてあるのですが、私ども利用者調査の経験上、これは本当のニーズではないと思います。
本件は強制ではなく自由意志によって、希望者のみが行う行為ですので、ニーズは「終わらせたい」という利用者の発言の意図は、「簡単に利用したい」だと思います。
場合によっては、集中して、いろいろなシミュレーションをしてみて、気がついたら時間が経っていた、簡単に終わらなかったからと言って、クレームや不満にはならないと思います。
厚労省様の狙いとしては、将来の設計に役立てていただき、パートから抜けて、正社員になろうかしらという検討などにも利用してもらうことを狙っている部分もきっとあるのではないかと私は思うのです。
なので、そうしたときに、私たちの言葉で言うと、内面的な負荷と物理的な負荷を分けて考えて、両方をよくしていただいたほうがいいと思うのです。
実際問題、ユーザーの方が操作をして、入力して、何かをされる、最終的に何か達成物が得られるようなシミュレーターも含めてなのですけれども、企業のものをいろいろと改善していくことが私たちの仕事であるのですが、そのときに、30分かかったのに「すごく簡単ですぐにできた」と利用者がおっしゃるケースと、5分だったのに「すごく難しくて大変だった、時間を取られた」とおっしゃるケースがあるのです。
内面的な負荷が低いと、集中して長時間使っていても、そんなに大変だったとか何だかんだという話にならないということがあるので、ここは何が本当にしたいのかというところを、厚労省も含めて定義を明確に考えられたほうがいいかなと思いました。
以上です。
ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、皆様から一巡、御意見や御質問を頂戴しましたので、事務局あるいは事業者の方からそれぞれお答えをお願いできればと思います。
○株式会社日立製作所 御質問ありがとうございます。
いただいた御意見の部分に関しては、どのように取り込んでいくかというところは、全体的に検討させていただければと思いますので、御意見いただき、ありがとうございます。
それ以外の質問をいただいた部分について、漏れている部分があったら、後でお伝えいただきたいと思うのですけれども、回答できるものは回答したいと思います。
まず、メンタルモデルとしてどういうものを考えているのですかというところを最初にいただいたと認識しているのですけれども、大きく2つで、今回のサイトの目的にもなっておりますが、簡単に使えるというところなので、ユーザー側も簡単にできると思って、思っているとおりにすぐに結果も表示されて、まずは漠とになるかもしれないのですけれども、情報が得られるというところが一つと、スマートフォンで利用するので、パソコンチックなというか、スマートフォンの操作に慣れているもので、今までの他のサイトとあまり差異がない形でスムーズに使えるというところを考慮する必要があると考えております。
ただ、おっしゃっていただいた年金のコンポーネントとか、そういった年金の仕組みが分かるようなというところは、おっしゃるとおりだなと思う部分もありまして、そういったところも取り込めないかというところは検討させていただければと考えております。
このような形で続けて回答していって大丈夫ですか。分かりました。
続きまして、利用者の想定のところですね。
スマートフォンを利用して、ITのリテラシーというところで、ユーザーがどの程度のITリテラシーを持っているかとか、ユーザーの利用シーンは、どのような許容をしていてというところの話になると思っています。
こちらに関しては、一旦広いユーザーを置いております。
というのは、今回、年金にまだ興味のないような方に対してでも、広報活動として、まず触れてもらうといったところをコンセプトにしている部分がございますので、まずはユーザーの利用シーンというところで、今度は広くなってしまっているのは事実としてお伝えしたいと思っております。
ここをさらに細かくというところでは、おっしゃるとおり、まだまだ見ていけるところはあるかと思いますので、その辺りも今後、他の項目と踏まえながら検討できればと考えております。
あと、定期便のQRコード回りの話は、状況が分かりかねる部分もあるので、割愛させていただくのですけれども、今回の対象としては老齢年金になっておりますので、そちらのほうは伝えさせていただきます。
あとは、質問だったり、御意見としていただいた円グラフの部分です。
こちらは、弊社としては、円グラフで割合が見えるようにしたかったという部分がございまして、今まで働いた部分とこれからの働き方に合わせて、金額がどのように積み上げられて、年金の合計が見えるかというところを割合で見せたかったというところで円グラフにしています。
ただ、おっしゃっていただいたとおり、働き方が増えたのに、年金が積み上がった分とかが見えないというお話であったり、今までとこれからの部分が必要どうこうという部分ではなくて、全体として幾らもらえるという情報が直感的に分かるほうが見やすいのではないかといったところは、御意見として参考になる部分になりますので、その辺りも考慮させてもらいながら、今後、見え方という部分でさらに検討を進めていければと考えております。
一旦、以上かと思いますが、よろしいでしょうか。
○古川年金広報企画室長 ありがとうございます。
全体に通じる部分として、まず、皆さんから御指摘をいただいて、私もそうだなと気がついた部分がありました。
構成員の皆様からの御指摘は、ユーザーが使いやすいようにするために、どの情報を入れる必要があるのか、もっと削れる情報があるのではないかという点がポイントであろうと思っておりますが、恐らく、現状、厚生年金保険法にどう書かれているのか、どう規定されているのかということが全ての出発点になっているので分かりづらいのだと思います。
法律の条文第何条第何項第何号にどのように規定されているかというのを全てベースにして設計しているところが、ユーザー目線からの乖離に繋がっているのだと思うのです。
まずはそういった考え方を変えていかなければいけないと思った次第であります。
この点は、これまでの加入実績に応じた年金額を表示する必要があるのかという話にもつながってくると思いますが、基本的には、これまでの加入実績がそのまま続いたら、65歳で月額・年額幾らなのかなというものを最初に表示したいというのが今回のコンセプトですので、それが一発目に出てくるようにしたいとは思っております。
それに加えまして、「年金を払ったら得なのだといったハッピーなシナリオが伝わるように」という御指摘は、まさにそのとおりだと思っておりまして、今のままでいくと幾らだったのが、例えば70歳からもらうようにしたら、さらにこんなに増えるといったストーリーがしっかりと伝わるようなものをつくっていきたいと思います。
試算機ではあるものの、皆さんに対して何かメッセージが送れるようにしたいと思っております。
定期便の記載情報との相互関係に関する御指摘についてですが、今後、年金のウェブサイトのほうの名前を決めたいと思っております。
以前の広報検討会の場でも、「コンセプトを打ち出すような名前にしたほうがいいのではないか」という御指摘もいただいているところでありまして、その名前を最終的にどうするかというのは、完成するタイミングまでには決めたいと思います。
その決まった名前と定期便の記載がうまく同調している形というか、当然同じものになっているようにしていきたいと思っております。
対象となるユーザーは、基本的に、年金をそろそろ受給するという人たちは、こういう簡易試算ではなく、ねんきんネットで確認するのではないかと考えているため、それよりは、少し若い層、具体的には20代~40代辺りをイメージしています。
年金に関心を持ってもらうという観点では、より幅広い年齢層に使ってもらいたいという気持ちもあるのですが、その一方でターゲティングしていかないと、コンセプトがぶれてしまうところもあるので、現時点では、20代~40代ぐらいをターゲットとしているところであります。
それに加えまして、横尾さんから障害年金、遺族年金の話も出てきたと思うのですけれども、それは将来の課題としては置いておきたいと思うのですが、この計算機自体は、まず老齢から始めていきたいと思っています。
また、全て老齢と書いたほうがいいのではないかという御指摘についてですが、世の中の年金に対しての理解は、年金イコール老齢だと思います。
そこがジレンマなのですけれども、老齢だけではなくて、障害も遺族もあるとアプローチしていこうとすると、逆に老齢年金というなじみのない言葉が出てきて、何か分かりづらくなってしまうというジレンマもあります。公的年金が3種類あるという訴求と今回のシミュレーターの訴求は、少し分けて考えさせていただきたいと思っております。
御指摘いただいた点について、ざっと御回答申し上げましたが、回答が抜けているとか、趣旨に反するなどがあれば、御指摘いただければ幸いです。
○上田座長 どうぞ。
○野口オブザーバー 定期便につきまして御質問いただいたかと思います。
資料2-1でお示しいただいたのは、あくまでもイメージ図でございまして、定期便は、私ども機構で作成しておりますが、今、調達手続の最中でございます。したがいまして、この表現につきましては、まだまだイメージ図でございますので、御意見も踏まえながら変更することは可能でございます。
それから、資料2-1では、先に試算ウェブのほうにアクセスして、その後QRコードを読むという説明があったのですが、むしろその後の事業者の方の御説明では、QRコードから直接遷移するというふうになっているのだと思うのですが、恐らく、今、そのように進めておられるのだと思います。
私どもは、定期便から直接試算ウェブに飛ぶということだと思うのですが、一方で、詳細なねんきんネットの試算もありますので、その辺をどのように使い分けるのか。
もちろん、新たな選択肢として御提案いただいている有力な手法だと思いますけれども、その遷移の在り方の具体的な細かいところにつきまして、また少し御相談もさせていただければと思っています。
それから、簡単にするという話とやや矛盾すると恐縮なのですが、私どもが提供する個人情報が入らない数字でございますが、その数字の中に付加年金の問題とかが入ってきますので、正確な試算を出すためには、その辺をどうするのかの問題もありますので、細かい話になりますが、その辺はまた事務的にも調整させていただければと思っています。
○上田座長 全体に係る構成等に係る部分について、今の御説明に対して、皆様からもし何か御意見がありましたら。よろしゅうございますか。
それでは、続いて、2番目のディテールといいますか、今、全体の中でまだ御意見を申し上げていない部分がありましたら、その部分について、これから皆様にお伺いしていきたいと思います。
これは順不同で、御意見のある方からお伺いしていきたいと思いますので、御発言がある方は挙手をお願いいたします。
太田さん、どうぞ。
○太田構成員 いきなりすごくミクロな話になってしまうのですけれども、入力方式のくだりのところですが、受給開始年齢はプラス・マイナスボタンでまだいいかなと思うのですけれども、例えば月給とか賞与のところだと、例えば月給が1000万の場合だと、プラスボタンを1,000回押さないといけないという感じになると。
実際は、実入力できると思うのですけれども、通常だとドラムロールとかを行って表示したほうが使いやすいのかなという気はしました。
となると、受給開始年齢だけプラス・マイナスボタンだとすごく違和感もあるので、いっそのこと全部直入力にするか、ドラムロールで選択できるような形のUIのほうが、一般的には使いやすいのではないのかなという気はしました。
あと、これはどうしても最初に生年月日を入れる必要があるのだとは思うのですけれども、本来であれば、QRコードを読んで、遷移はいきなり試算のページに飛んだほうが、ユーザー的には使いやすいというか、次に進もうという気になるのではないかなという気がするので、この辺は入力必須項目があるのでしょうけれども、遷移としては何か工夫したほうがいいのかなという気がしました。
いきなりすごく細かい話で恐縮なのですけれども、印象としてはそういうのを持ちました。
以上です。
○株式会社日立製作所 御意見ありがとうございます。
1点目の入力の部分に関してなのですけれども、こちらは左右にプラス・マイナスボタンと、間の部分は、スマートフォンで利用するときのいわゆるキーボードで選択して入力はできますので、おっしゃるとおり、年齢ではなくて、金額に関する部分は結構幅も大きいので、どのぐらいの幅でつくっていくかとか、そういったところは難しいと考えておりまして、直接入力できる部分と、あとは細かな調整の部分としてプラス・マイナスのボタンが使えるという形で現在、検討を進めております。
すみません。
2点目の質問を再度言っていただいても。
○上田座長 これは、多分、QRを。
○株式会社日立製作所 QRからの遷移のお話ですね。失礼いたしました。
こちらは、今回の施策として、簡単というところと、年金の制度を正確にという部分と相反する部分がありまして、ここをどこまで実現するかというところは、正直、すごく難しい部分だと思っております。
まずは、正しくというところで、最初に生年月日の部分だったり性別を入れるところをコンセプトとして入れさせていただきました。
その上で、直接遷移したほうがいいかというところは、今後、最初の試算結果を出す上での試算内容の同意部分とか、そういったところもあるので、この後、どのようにしていくのがいいかというところは、検討を進めながら詰めていきたいと考えております。御意見ありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
では、富永さん、お願いします。
○富永構成員 今の太田さんからの御指摘に対して、いろいろな方法があるみたいな話があったのですけれども、例えば年齢を入れるとか、年収を入れるみたいなUIを考えるときに、サイトによくありがちな、そういう選ぶとか、入力するみたいなものではなくて、例えばスマホの画面上に、年収のレンジがここからここまでみたいなものがあって、ぴゅっと指でなぞっていくと、好きなところで止められるみたいなUIも考えられると思うので、こだわりますけれども、直感的に入力できることにはこだわったほうが、使用感がいいサイトにはなるかなと思いました。
既存のよくあるやり方を超えて考えるのも一法かなと思いましたので、コメントします。
それから、これはそのままは使えないのですけれども、以前、私が使ったアプリというか、サイトで非常にいいなと思った例として、私から生年月日の情報を取りたいときに、占ってあげるから的な感じで生年月日を取って、それで実際に占いの結果を返してくれるみたいなものがあったのです。
そういう積極的に情報を入れたくなるようなコミュニケーションをUIに織り込んでいくというのも一法かと思うのです。
今回のこの話だと、年金のシミュレーションがもっと正確になるよみたいなモチベーションもあると思いますし、正確に入れてくれたら、もっと高い試算になるかもよみたいなこともいいと思いますし、それ以外でもいいのですけれども、何かやみくもに入力してくれみたいなものは、いずれどこかでユーザーは嫌になるので、UI的な工夫をしていただけたらと思いました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
○株式会社日立製作所 コメントありがとうございます。
まず、より直感的に操作できるようにというところで、例えば年収のところをレンジにしたりというところは、確かに考え方としてそういった部分を参考にさせていただければと考えております。
既存のサイトとかと比較してというところも踏まえたときに、どういったものがいいのかという部分もあると思いますので、その辺りをより直感的にする上で、どうしていくべきかといったところは検討していければと考えております。
また、生年月日とかの最初に入力する項目について、入力するモチベーションを上げるような、そういったコメントという部分があったほうがいいというところもおっしゃるとおりだと考えておりますので、そちらについても同様に検討させていただきたいと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
では、山口先生、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。山口です。
私からは、かなり小粒なものが5点あるのですけれども、1点目として、最初の同意画面について2点ありまして、主に資料としては資料2の3の1です。
これはもう出てきている話ですけれども、できるだけこの手間を省いて使用していただきたい、帰っていただきたくないということを考えると、生年月日と性別はかなりネックになると感じまして、正直、これは別に同意画面ではなくて、次のレイヤーでもいいのではないかなと思うのです。
だから、最初は同意だけにしておいて、ほかの入力する場面で一緒に入力させる。
そうすると、これは入力する画面だと思いながら自分の情報を入力することになるので、あまり抵抗感がないのですけれども、最初に入力となると、もう面倒くさいからいいやとなってもおかしくないと思うので、そこは変えてもいいのではないかと感じました。
これが1点目です。
2点目も、意見として出ていましたけれども、個人情報という話です。今回の設計だと、個人情報を一切保管しないと聞いております。
私は、データとかの話も結構やっているので、そこの消費者のセンシティブさも結構あるわけです。
不安を解消するという意味でいいますと、むしろ個人情報を保有しないということを前面に出してもいいのではないのと正直思うところでして、今どきのサービスにしては結構珍しくて、保管しないということはそれだけリスクも少ないものですので、そこを最初の同意画面とかに、入力されたデータは、これについて使うだけであって、保管しませんと書いたほうが不安を払拭できるのではないかと感じました。
3点目として、デザインなのですが、デザインの中で、ほかの年金関係のウェブサイトとかとの高い親和性を確保すると書かれているのですけれども、私は正直、親和性はそんなに要らないのではないのと感じるところがある。
これは完全に個人的な意見ですけれども、なぜかというと、多分、このアプリだけで完結する人は結構多いのです。
なので、親和性よりもスタイリッシュさやモダンさとかを追求したほうがいいと思っていて、官公庁のアプリやサービス、ウェブサイトとかは、シンプルにしようとすると、何年前のシステムだみたいに言われたり、ダサいと言われたり、常に結構炎上しがちなわけです。
シンプルでダサいだと、必ず炎上するような気がしているので、シンプルだけれども、スタイリッシュで、デザインが今風であるというところをとことん詰めるほうが、親和性よりも優先される事項なのではないかと感じております。
4点目として、円グラフについては、私も皆さんと同じ意見で、正直、最初に見たとき、私は一応、データ分析を専門にしているのですけれども、何で円グラフなのかと思ったぐらい、直感的に分かりにくかったのです。
なので、何かちょっと違う方法のほうがいいのではないかという感じはしました。
最後の5点目としては、これも複数出ているところですけれども、プラスとマイナスだけだと入力しづらいというところですので、私もスワイプとかでやったほうが、多分、直感的に分かりやすいのではないかなと感じた次第です。
以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
事業者の方、何かございますか。
○株式会社日立製作所 コメントありがとうございます。
いただいた部分は、今までの内容と重複する部分も含めまして、全体的に検討させていただきたいと思っておりますので、コメントをいただき、ありがとうございます。
○上田座長 私も、皆さんがおっしゃるように、円グラフは、最初に見た瞬間、円グラフはどちらかというと一定のものの割合を示すグラフではないですか。皆さんがおっしゃったように、数字を入れて増える面積で分かるような見せ方のほうがいいのではないかと、まさに直感的にこう思った次第です。私も山口先生や皆さんと全く同じ感想です。
ほかの皆様はいかがでしょうか。
殿村さん、どうぞ。
○殿村構成員 私は、先ほども申し上げたのですけれども、全体的に、大企業や公務員ならすぐに入力できると思うのですが、日本の企業の99.7%が中小企業である現実を考えると、先ほど申し上げた賞与などは入力できずに、だんだん入力に嫌気がさして、気分も落ち込んでいくように思います。
なので、全部入力できたら試算できるという、引き込むようなキャッチコピーを一言入れて気分を明るくしてもらえたら、今後、頑張ってこれだけ年収を上げようかなというきっかけになって、プラスに働くと思います。
例えば今、スマートフォンを使う影響で、人々には時間軸で考える傾向があるので、5分で将来設計といった引き込みの言葉で、やってみようかなと思わせる工夫が必要と思います。
また、自分は入力するところがほとんどなかった、どうしよう、でも、ちゃんともらえるのだったら、もうちょっと働こうかとか、そのような別のモチベーションを刺激できると思います。
しかし、先ほどの御説明では法律と現実が大分かけ離れているように思いました。そこを埋めるようなキャッチコピー的な言葉を一つ入れたほうが、持続可能性の観点で使いやすくなるのではないかと私は思います。
以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
何かコメントはございますか。
○株式会社日立製作所 コメントありがとうございます。
キャッチコピーの部分は、どういったものにしていくかというところをまさにこれから検討していく部分になりますので、いただいた意見を参考にできればと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 キャッチコピー等につきましては、もし使えるのであれば、広報・宣伝の専門家の皆様が集まっていらっしゃるので、キャッチコピーについて、こんな案があるとか、皆様からもいろいろと御提言いただいたら、きっといいと思います。
皆様は専門家でいらっしゃるので、ぜひ皆様、よろしくお願いいたします。
ほかの皆様はいかがでしょうか。
原さん、どうぞ。
○原構成員 2度目で申し訳ないのですけれども、キャッチコピーの話は、専門家の先生にお任せするとして、私は中身の確認というか、企業とかで50歳未満の年金ライフプランのセミナーをしていると、将来に向けたマネープランを書いてもらうことがよくありまして、そのときに西暦と自分の年齢というふうに、2025年は何歳だみたいな形で、エクセルでもできますけれども、手書きでもやってもらったりとかしているので、細かい話ですが、何歳で転職するとか、そういう予定を入れるときは、西暦よりは何歳とかそのようにしたほうがいいと思います。
先ほど西暦で出ているような投影資料があったと思うのですけれども、2030年は、私は何歳だろうという計算を頭の中でしなければいけないので、本当にそこら辺は細かいのですが、実際に研修をすると、皆さんそこでいきなり結構戸惑うところなので、そういう細かいところまで見ていただきたいと思います。
あと、ねんきん定期便からの読み取りということで考えると、配偶者でセミナーとかに参加される方は、もちろん、50歳以上のセミナーでも、配偶者の方が50歳未満ということで、ねんきん定期便の種類が違って、50歳未満の方のねんきん定期便は、加入実績に応じた年金額とか、月数のところも分かりにくいという声がどうしても多いわけですが。
それをここで読み取ると、投影資料にもあったのですけれども、第1号被保険者が120か月というふうにぱっと出ていましたが、割とシンプルにしてくれるというか、分かりやすくしてくれるという期待感があります。
法律用語で合算対象期間とか受給資格期間と書いてあるのは、ねんきん定期便のレベルまできちんと読み取ろうという方には大事なのですが、そこはなかなか難しいという声があるので。月数は大事だと思っているわけですが。
これまでの加入実績に応じた年金額は、こういうシンプルデザインにするときには別に要らないと思っています。
誤解が多いところなので、これしかもらえないのですかみたいになってしまいます。
あくまでも将来の金額を出すということですから、将来、例えば300万円ですというところで、ただ、40年なら、今、480か月のうちの何か月のところまで来ていますという部分で、ちゃんと480か月納めなければならないと伝わるのがよいかと思います。
特に、自営業の方とかも入ってくると思うので、天引きされる方ばかりではないと思うので、先ほども申し上げましたけれども、最初のところでその辺の見せ方をもう一回考えていただきたいと思います。
あとは、終身年金と分かるような形でお願いしたいです。
これまでの納付した保険料も要らないというか、定期便には載っていますから、ここでは要らないと思うので、そぐところはそぐということは先ほども申し上げました。
法律用語からいかに離れるか。
第1号被保険者と出てきても分からないので、そういった意味では、難しいかもしれませんけれども、ここで興味を持った方がねんきん定期便をもう一回見てみようというふうになるような、その違いも分かっていただけるような工夫をしていただけるといいのかなと思います。
もう一つ挙げれば、転職を何回もするという想定だとちょっと大変なので、まず、シンプルにぼんと1回で出るという形で、あとは自分で1回こうしてみようかなとやりたい人はどんどんやっていただいて構わないけれども、あまりたくさん追加、追加と長くなってしまうと非常に面倒くさい感じに見えてしまいます。
そういった意味では、あくまでも概算ということなので、多分ならないと思いますけれども、あまりねんきんネットと同じような感じにならないように、やりたい方はねんきんネットを御案内すればいいので、最低限の情報で明るい未来が描ける、そして、もっと働けばもっと年金額も増えるみたいなイメージが描けるようなものにしていただきたいと思います。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
事業者の方、コメントがあればどうぞ。
○株式会社日立製作所 コメントありがとうございます。
西暦を年齢にしたほうが分かりやすいといった部分とか、定期便の言葉そのままだと伝わりにくいとおっしゃっていただいた部分の辺りのコメントとかは、まさに意識していくべき部分、ユーザーの使い勝手という部分で大事なことになると考えますので、ほかのコメントをいただいた部分とかも踏まえながら検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○上田座長 あとの皆様、ディテールはいかがでしょうか。
横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 私からは、こういったスマホやウェブページを使って入力して、何か結果を得るようなものの実際の利用者のいろいろな調査をしてきた経験からの意見と、ユニバーサルデザインの視点からの意見の2点を述べたいと思います。
関連してくるところも一部あるのですけれども、2つの視点からコメントさせていただきます。
まず、皆さんからのご意見でシミュレーターの入力がプラスとマイナスになっている点への使い勝手の話があると思うのですけれども、私はこのようなデザインをご提案された背景がすごくよく分かっていて、これはウェブページのユニバーサルデザインの指針にそう書いてあるから、ユーザビリティーというか、そういうところに書いてあるやり方を入れてきていただいているから、こうなったのだと思います。
なぜかというと、障害者でクリックがうまくできないとか、高齢者で手が震えているという人でもできるように、ワンクリックでいくように、ダブルクリックしないとか、いろいろなことを配慮の中に入れているから、これになったのだということは、私は理解しています。
ただ、大前提として、日立さんだけではなくて、もちろん全ての方に知っていただきたいことではあるのですけれども、ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いの講義をここでするつもりは全くないのですが、ユニバーサルデザインに配慮するときに気をつけていただきたいことがあります。
それは、書いてある配慮を全部やるということを目標にしないでくださいということなのです。
それをやっても、まず、使いやすくもならないし、使えるようにもならない。
なぜユニバーサルができてきたかといったら、例えば全盲に使いやすくするためにこれをつけたら、車椅子の人がけがをするとか、そういうことがあるわけです。
だから、全部の配慮をすればいいというわけでもないということが一点。
では、何を目指すのですかといったら、ここを目指してくださいというのが明確にあるのです。
これを絶対に重要な指針の中に入れていただきたいのです。
それは何かというと、「このシミュレーターを使う全ての人が利用できるようにする」ということを目標にしてください。
「利用できるようにする」というのは、「利用者として想定してください」ということです。
「このシミュレーターを使う全ての人」であって、「世の中にいる全国民」ではないというのが、まず、すごく重要なポイントです。
まず、これは老齢年金でのシミュレーターであるという話も関係してきます。
「対象とする」というのは、老齢年金だから障害年金の人は対象にしない、ということではなく、このサイトを障害年金やこのサイトが網羅していいない年金で使いたいと思った方向けに、「このサイトは、これのシミュレーションができますが、これとこれのシミュレーションはできない仕様になっている」ということを、間違えてやってみる前に、わかるように提示するということなのです。
年金にはいろいろな種類があると聞いていますので、この年金とこの年金の方は対象ではないという方がもしいるのだったら、始める前に教えてあげてくださいということです。
つまり、「これを年金のシミュレーションをしたい、これを使いたいという全ての方をユーザーとして想定して頂く」ということが重要であり、本質的な意味でのユニバーサルデザイン対応であるということです。
使えない方にはきちんと御案内すれば別にいいわけだし、絶対に使えるようにしろということではないのです。
この点、勘違いの多い部分です。
障害年金は、ここではできませんということを書いていただいてもいいと思います。
「ここに来てこのサイトを使いたいと思った人全てを想定して使えるようにすること」を本サイト構築をする上でのユニバーサルデザインの目標にしてください。
そのための参考として、指標を使っていただくという順序で考えることが重要になってきます。
2点目は、皆さんに引き続きスライダーの話が長くなってしまって恐縮なのですが、ユニバーサルデザインの業界では、結構前にバリアフリー法が改正されまして、それによって、バリアフリー新法の指標に書いてある内容をやることをしなくても指標を満たせるようになっています。
具体的にいうと、既存の方法だけでなくイノベーションが認められるようになったところがありまして、スライダーは、指針を満たすことを目標に考えてしまうとユニバーサル的にはちょっと使いにくいような話にみえるかもしれないのですけれども、スライダーがNGと言われる背景であるキーボードだけで使えないという点について解消することは、皆さんのお知恵でできると思います。
そうやって今回のプロジェクトを通じて創意工夫を持って考えられた方法が浸透していけば、世界、日本国内で、「あのとき開発された日本の年金のシミュレーションウェブはすごく使いやすいね、こう動かすのか、ここを動かすのか、いろいろとやり方はあるけど、あれが今はシミュレーターソフトのスタンダードになったね」というように、一つのモデルとして業界で結構認められるようになっていくということがあります。
私たちは、ユニバーサルデザインの中でも、そういう業界を変えるようなイノベーティブな取り組みのサポートを仕事でしていますが、新しい法律では、こういったイノベーティブな事例も法律を体現する具体例としてホームページ等に掲載していくようになったというのが大きな変化だったのです。なので、ぜひそこを目指していただけたらなと思います。
日立製作所さんはすごくいい会社だと思っていますので、ぜひ本件においても何か一個みんながおっと思うような提案をいただけたらいいのではないかと思いました。
これが一つ目のユニバーサルの視点からの意見です。
2点目以降は簡単に。
2点目はすごく簡単なことで、男女の話があったのですが、男女の区分けは、年金の金額に影響するということを伺いましたので、必要だということは理解しております。
これは多分、戸籍に基づくものだと思うので、普通に戸籍上の性別と書かれてはいかがでしょうか。
いろいろな方がいらっしゃいますし、皆さんは多分、トランスジェンダーの方を思い浮かべるかもしれないのですけれども、もともと性別を持たない方も、たくさんではないですが、例えば生まれてきて、見た目は女性です、生理が来なくて調べてみたら、遺伝子上はXYで男性だったとか、そういう方もいらっしゃいますし、いろいろな方がいらっしゃいますから、戸籍上、どれに登録されているのかということでよろしいのではないかと思います。
ユニバーサルデザイン系の意見の最後ですが、カラーの話なのですけれども、多分、円グラフはなくなるので、きっとカラーの話は大丈夫になるのではないかと思っているのですが、カラーユニバーサルデザイン対応でカラーユニバーサルデザインに精通した企業の方々でもよく見落とされるポイントについてお話しします。
特に今回のようなカラーパレットを使って色を選択されるケース、そして、色指定をできる紙媒体ではなくスマホやパソコン画面で確認するようなケースで頻発する問題なのですが、何が一番問題になるかというと、色弱者の方々は私たちが見えない色が見えることにより、問題が発生する場合のほうが多いです。
カラーユニバーサルデザインでは、よく赤と緑の見分けがつかない色覚障がいの見え方が紹介されるのですが、赤と緑は、普通の方からすると、結構色が違いますね。
例えばこのような色覚障がいの方は、実は、逆に、私たちには見分けがつかない同じ色に見える色を見分ける能力が高く、具体的には、私たちからすると、青緑一色で全く同じ色の中に、私たちにとっての赤から緑と同じくらいの色のバリエーションが見える場合が多いです。
なので、私たちから見たら、青と青で色が合っているように見えても、全然違う色だから分からなかったという人は結構いて、男性の20人に1人いるわけです。
そういう話になってくると、人口としては300万人で結構多いので、色に頼った情報提供さえしなければ、色の組合せどうこうということは別に考えなくても大丈夫というところがあるので、その辺について本プロジェクトでデザインの担当をなさる方には、学習や理解を深めていただき、御配慮いただければと思います。
ユニバーサル関係は以上です。
最後に、ユーザビリティーの話で、皆様からも御意見があったかもしれないのですけれども、内面的な負荷と物理的な負荷というのは私たちの言葉の言い方なのですが、内面的負荷が軽減されたものを初めに設計していただくことからスタートして、その後に物理的な負荷を検討されたほうが、私たちの経験上、より良いものができる傾向があります。
そのためには、皆様からも御指摘があったように、シークエンスというか、どういうユーザーが、どういう目的で、どんなときに、どのように使うのだろうというのはすごく重要になってきますので、その点、さらに考えを深めて制作に取り掛かっていただければと思います。
そのヒントとして、今日の議論の中で、こうなのかなと私が個人的に感じたことを述べたいと思いますので、御参考にしていただければと思います。
まず、利用状況についてのペルソナの基軸です。
利用状況は2つのパターンに分けられる。
1つは、定期便から入って、パッとやったら、シミュレーションが見えた、と、納得するような、そこから微調整しようかなというタイプの人ですね。
あとは、いきなり試算ウェブに来る人という2点ということが今回の議論で明確になったのではないかと思いますので、それを前提にされたらいいのではないかと思います。
それの意味するところは、初めに入力がされているケースと、されていないケースがあって、「先に言ってくれればねんきん定期便を持ってきたのに!」と不満に思う人もいると思うので、その2パターンがあるのだということを前提に、ユーザーがどのような動きをするかというのをもう一回設計し直して、デザインし直していただくといいと思います。
そのときに、森下さんのおっしゃっていた、ユーザー像等はあまり明確ではないというお話が日立製作所からもございましたので、私がイメージしているペルソナ像の想定の事例をこの点の精度を上げていくためのヒントとして、お話ししますので、ご参考になさってください。
スマホの通販サイトを利用しているのはどんな人だろうということを大手のサイトとかで調べていったときに、何が分かったかというと、一番使用頻度が多かったのが20~40代の妊婦。
そこからスタートする人がすごく多かったという調査結果がありました。私が想像したペルソナ像の一つは、子育て中で家にいる、要は産休・育休中で多分、働いていないからこそお金のことがすごく心配なので見るなどの利用状況。
ねんきん定期便からそのような思考に結びついて入ったり、ふと思い立って、自分で試算してみて、どれぐらいもらえるのかな、将来大丈夫かなとアクセスする。
加えて、結婚を具体的に考えている方もきっと想定されているのだろうと思います。
そういう感じで見ていく、つまり、子供の相手をしながら片手に見ていっているので、途中で携帯が転がっていったり、子供が触ったりとか、いろいろな想定の状況で、もしかしたらページがぎゃっと動いてしまうとかしても戻ってこられるようなことを考えていただくといいのだろうと思います。
男性がやるとしても、仕事中にやっていたら、業務違反もいいところだという話になっていくかもしれないので、自宅でやるという話になってくると、多分、同じような状況はあり得るだろうと思います。
何を言っているかというと、そういう場合でも使いやすいように設計されたほうがいいと思います。
私の2点目の想定は、そこからどうなるかというと、20代から40代がメインターゲットになってくると、親から頼られるような状況も出てくる状況です。
ちょうど60ちょっと前ぐらいになって、これから年金をもらうだろうと漠然と思っていて、何か定期便が来ているのだけれど、よく分からないから、見てくれないかしら?と言われ、人のものを見たりするケース。
また、両親が年金暮らしになったと聞いて、自分が介護とかを具体的に考えるようになった、周囲の人の話を聞いて気になった、援助してほしいという話が出てきた、などのきっかけで、「あれ、お父さんとかお母さんは、年金は幾らもらっているのかしら?」と教えてもらっていないケースは結構あると思うのです。
ちなみに、私も教えてもらっていません。そう言った時に両親に聞きにくいケースもあると思います。
自分と経済的に影響し合う可能性のある親族の年金について知らないと、今後、自分がどれぐらい頑張っていかなければいけないのかとか、頑張らなくていいのかも分からないから、自分のこれからの将来設計といったときに、自分だけではなくて、例えば自分の夫、妻、両親もしくは夫、妻の両親をシミュレーションしてみたいというケースもきっとあるのだろうと思うのです。
なので、そのように時間があるときに、わっとやって、確認する。
そのうち、みんなが不安になった時に世間話で、私はこのサイトでシミュレーションしたよ!みたいな世間話があって、そこから、○○ちゃんが詳しいらしいよ!と、親族間で知れわたり、じゃあ、やってもらおうと、みんなから依頼が来て、多分みんなの分のシミュレーションをやってあげるケースもあるのだろうなという気が私はしています。
それが私の想定した利用状況なのですけれども、そんな感じで、ちょっと誰か、具体的にイメージしてペルソナを充実して頂くと良いのではないかと思いました。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
事業者の方、何かコメントがあれば。
○株式会社日立製作所 コメントありがとうございます。
ユニバーサルデザインの考え方とか、最後に言っていただきましたユーザーの想定といった部分は大変勉強になりました。
ありがとうございます。
その辺りを参考にさせていただきながら、全体的にどのようにつくっていくかというところを検討させてもらえればと考えておりますので、御意見を参考にさせていただきます。ありがとうございます。
○古川年金広報企画室長 皆さん、御意見ありがとうございます。
私たちの本日の資料の出し方がちょっと悪かったかなと思うのですけれども、ねんきん定期便の様式を4枚も紹介したので、何となくユースケースが、ねんきん定期便が誕生月に届いて、その誕生月に届いた定期便をQRコードで読み込んで、では、年金の試算を始めましょうというところしか見えなくなってしまったと思います。
それによって、私たちがやりたいことの全体の論点がぼやけてしまったいうところがあるのかなと思っています。
横尾さんがおっしゃったように、ねんきん定期便から入る人と、多分、もう一つが、それこそ自分の将来の年金額は一体幾らなのだろうかというので、ねんきん定期便をトリガーにしない関心層がいると思っています。
後者について具体的には、おそらく、就職とか転職、退職の辺りのタイミングなのかなと思っています。
特に公的年金制度は、働き方によって加入する年金が変わってきますので、それによって年金額が将来、どう変わるのかということを調べたい人たちを一つのモデルユースケースにしていきたいと思っています。
さらに具体的にいうと、例えば、横尾さんの話の例でいうと妊婦。
妊娠、出産をきっかけに、正社員だった働き方を少し変えて、正社員から短時間正社員に変える、一回会社を辞めて、まずは旦那さんの扶養に入る、またそこから先、復帰する、でも、短時間から始める、など、様々なパターンがあると思います。
そういう働き方を変えることを予定している層に一番関心を持ってもらえるのではないかと思っていますので、そういった方々が一番使いやすいようにしていきたいと考えています。
こういう視点で考えると、先ほど来、殿村さんがおっしゃったようなメッセージというのでしょうか、ユースケースが同定できれば、メッセージもターゲットしたユーザーに刺さりやすいような言葉遣いにできるのではないかと、このシミュレーターの伝えたいメッセージ、ストーリーが決まってくるのではないかと考えております。
なお、先ほど来、皆さんから御意見いただいています同意画面は、個人的には、本当に要るのか疑問に思っておりますので、その辺は、事業者の方々とも少し相談しながら検討したいと思っています。
どうもありがとうございます。
○上田座長 ありがとうございました。
森下さん、後半部分の御発言がもしあれば。
○森下構成員 どっちかというと質問になるかと思うのですけれども、今、先生方からこういう方向でしてみてはという御意見がいろいろとあったかと思うのですが、今後のスケジュールとして、今年度前半に開発、今年度後半に運用実験を行うというのが前提であったかと思うのですけれども、どの程度の範囲まで運用実験の中で改善していけるものだと考えていいのかがちょっと分からない。
改善がもう難しいレベルのものは、多分、今日である程度皆さんの意見を出し切るべきなのだと思うのですが、例えばキャッチコピーとかだったら、打ち直せば済むみたいな範囲なのかなという気もしていて、それはもしかしたらユーザーにたくさん調査をして、改善していける範囲なのかもしれないし、私の知識不足なのかもしれないけれども、その辺がイメージできていなくて、もし可能であれば、ここぐらいまではできるとか、この辺は後でも改善していけるという目安があれば、教えていただけるとありがたく思います。
○株式会社日立製作所 コメントありがとうございます。
今時点で開発の期間は決めていまして、運用実験に向けてつくらなければいけないというところで、デザイン部分とかの設計は、まず早々に決める必要とか、内部の処理という部分はあります。
おっしゃってもらったような細かな位置みたいな部分とかちょっと文言を変えるような部分は、もちろん、程度はありますけれども、その後でも変更できる部分もありますので、そこは都度都度開発の期間といったところを厚生労働省と相談しながら進めていければいいかと考えております。
○上田座長 ありがとうございました。
大分お時間もたってまいりましたが、このほかにまだ皆様から御指摘、御意見がございましたら。
まさに今の森下さんの御質問の趣旨にもありますけれども、今日のところで大分固まってくるところもありますので、その部分については、今日御意見を出し切っていただいたほうがよりよいと思いますので、もし何かありましたら。
では、横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 もしかしたら全体に関わるかもしれないなと気がついた点があったので、補足なのですけれども、皆様がおっしゃっていることと本当に同意見で、希望が持てるようにというか、シミュレーターであるという特性としての価値は、いろいろなものを検討できるということだと思うのです。
なので、検討できる楽しみというか、検討できるという機能のよさを、もう少し生かしていただいたらいいのではないかと思います。
私が見つけられなかっただけかもしれないのですけれども、何歳まで生きる予定かとは特に書いていないのかなと思ったのですが、100歳まで生きるとしたら、幾らぐらいもらえるのだと思って、では、ちょっと頑張って生きようかなと思うかどうかは分からないのですけれども、両親が120歳まで生きたら、ちょっときついかなとか、うちは長寿だからどうにかなということをいろいろと検討できるということだと思いますが、検討するための項目があまりない気がします。
古川さんからもいただいたように、多分、年金の用語に引きずられている点は結構あるのだと思うのですけれども、私は年金が専門ではないので、いろいろと御検討いただきたいのですが、結婚を考える時に「自分が28歳のときに結婚して、いつ扶養に入ったらこうなって、でも、これでも将来、何とかやっていけるかな?」とか、「転勤についていく必要のある職種の彼だけれども、結婚してもやっていけるかな?」とか、いろいろな方が、いろいろな人生設計の上で、本サイトを活用できるというのはすごくいいと思うのです。
やる気を持ってこのサイトを使うのを楽しみにサイトにきたのに、検討できると思ったら、全然できないぞという、名前倒れみたいなことにはならないように、シミュレーターとしての価値をもう少し出していただいたほうがいいのかなと思います。
見込み額に関しても、これは細かい話なのであれなのですけれども、文字数の問題もあるので、あれは見込み受取金額ですね。受取か支払かは絶対に書いていただいたほうがいいです。
これは企業の保険でも、すごく失敗しやすいポイントでして、その件は私たちも10年以上前から指導しているので、企業のパンフレット等はかなり改善されてきていますが、ユーザーの方が受取なのか、支払なのかを勘違いするケースはすごく多いです。
なので、こんなに払うのかと思ってしまう人もいたりするので、受取か支払かはちゃんと書いていただいたほうがいいとは思います。
あれだと300万もらえるのだと思う方もいるのですけれども、100歳までだったら幾らもらえるのだとか、そういう計算とかも出てきたらうれしいのかなとか、70歳まで頑張ろうかなとなるのかとか、そういうことです。なので、将来を夢見て検討できるようなシミュレーターとしての要素は、今の段階でしか入れられないのかなと思いました。
デンマークの年金のものなんかも、ちょっとずらしてみて、こんなにもらえるようになるのかとか、これぐらいだとちょっとあれかなとか、検討できるところがすごくいいなと思っていたので、いろいろと御参考に、御検討いただければと思います。
失礼します。
○株式会社日立製作所 コメントありがとうございます。
おっしゃってもらったように、シミュレーションできるためにというところで、何がよりよいのかというところは気にすべき部分かなと考えております。
現在だと、総額の部分とかを85歳を前提としてという形で出していまして、例えばそこを変更したらというところとかもあるのかなとは考えております。
あと、シンプルに、まず、欲しい情報は何なのだろうという皆様からいただいた御意見を踏まえてどうするのがいいのかというところは、今後、検討していければと思いますので、いただいた御意見を基に再度検討させていただきます。
○上田座長 ありがとうございました。
原さん、どうぞ。
○原構成員 最後に一言だけ。
公的年金については、保険になりますので、損得が見えるようなものにはしてほしくないと思ってます。幾ら払ったら幾らもらえる、85歳まで生きたら幾らもらえるみたいな、要は、年間300万なら300万が一生涯、死ぬまでというか、ずっと終身でもらえるということが伝わるのが重要だと思います。
遺族、障害だけではなくて、老齢という長生きリスクに備えるということで、それも一つの保険の機能になると思います。
長生きは、本当はおめでたいことなのですけれども、金銭的に貯蓄だけではお金が足りなくなってしまうということもあります。
介護になったときに、お金がどのぐらいかかるか分からないということもあるので、そういった意味では、そこは幾ら納付したらこれだけもらえるという民間の世界とは違うというところで、公的年金は社会保障であるというところはしっかりと根底に組み入れていただきたいと思います。
あと、今、お話がありましたけれども、これは本当に将来に向けた自分のライフイベントみたいなものを楽しく考えるもので、高校生でも使っていいかもしれないのですけれども、大体いつ頃働いて、いつ頃に独立してとか、そういう楽しいライフイベントを描くというのは、細かくは要らないと思いますけれども、その中で、1つのメッセージとしては、働き方は多様化していますので、細かく言えば、厚生年金、国民年金など種別はありますが、一般的には、長く働けば働くほど、例えば、60代でも働くと年金も増えるということを知っていただくことも必要だと思います。
1か所だけ細かいことを言うと、当日資料の働き方のところに、「会社員・公務員」「自営業」「パート・アルバイト」「専業主婦」「その他」の5か所しか押すところがなかったのです。
その辺は少しボタンを工夫していただいて、専業主婦は、今ちょっとどうなのかというのもありますので、そういった意味では、公的年金は保険であるということと、これは厚生年金の話になるのかもしれませんけれども、長く働くほど年金が増えることなど、そういうメッセージをプラスして楽しんでできるようなものを検討していただければと思います。
あまり言うと難しくなってしまうので、そういう意味では、考えてもらう第一歩やきっかけで、もっと試算をやりたい方はねんきんネットのほうでやっていただくとか、そのようにしていただければと思います。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
では、コメントがあれば。
○株式会社日立製作所 コメントいただき、ありがとうございます。
どういったメッセージを込めるかというところは、ほかの方の意見もありましたけれども、保険としてというところであったり、ライフイベントを見据えてというところであったり、今後、どのようなメッセージを踏まえてというところは、タイトルをつける部分に関しても関連すると思いますので、その辺りも含めて検討していければと思います。
ありがとうございます。
○上田座長 富永さん、どうぞ。
○富永構成員 今日、一貫して話題になっていることの一つに、デザインとかUXみたいなことがあると思うのですけれども、以前、厚生省の方から見せていただいたものに、デンマークの年金ネットのサイトがあったのです。
これは、今日のアジェンダになっているような機能のユーザーインターフェースとして非常に優れているのではないかと思ったのを覚えておりますので、もし差し支えなかったら、今後、サイトのデザインとかUIを議論していくに当たって、ベンチマークにするのも一法かなと思って、今、提言しました。
○上田座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○古川年金広報企画室長 ありがとうございます。
次回検討会の場で、デンマークのダッシュボードなど、諸外国の例についても皆さんに参考にお示しさせていただきながら御議論させていただければと思います。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、そろそろお時間も大分迫ってまいりましたので、ほかに御意見がなければ。よろしいでしょうか。
それでは、今日、皆様から大変多くの御意見、御指摘を頂戴いたしましたので、事業者の方におかれましては、さらに検討を進めまして、作業を進めていただければと思います。
次回の年金広報検討会において、いろいろといただいた御意見や御指摘に対して、改善点等をまたいろいろと御報告いただければと思います。
最後に、事務局から何かございますでしょうか。
○古川年金広報企画室長 次回は、8月下旬頃を予定しておりますが、具体的な日程につきましては、決定次第、後日、御連絡させていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、皆様、今日はお忙しい中、ありがとうございました。
大変多くの御意見、御指摘を出していただきまして、よりよい方向に進んでいけるのではないかと思っております。
それでは、本日の会合はこれで終了いたしたいと思います。
皆様、ありがとうございました。
 

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