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2017年9月21日 技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議(第18回) 議事要旨

人材開発統括官海外人材育成担当参事官室

○日時

平成29年9月21日(木)10:00~11:30


○場所

経済産業省別館1107共用会議室
東京都千代田区霞が関1-3-1


○出席者

大迫委員、岡野委員、黒田委員、椎根委員、下村委員
厚生労働省人材開発統括官海外人材育成担当参事官室、能力評価担当参事官室、法務省入国管理局入国在留課、外務省領事局外国人課、公益財団法人国際研修協力機構、中央職業能力開発協会
(機械加工関係)一般社団法人日本工作機械工業会
(溶接関係)一般財団法人日本海事協会、一般社団法人日本溶接協会
(食鳥処理関係)一般社団法人日本食鳥協会

○議題

1 議長選任について
2 機械加工職種の追加等について  
3 溶接職種に関する複数試験機関化について
4 技能実習評価試験職種の3号整備について
5 技能検定職種の3号整備について

○議事

1 座長選任について
○ 前座長の退任に伴い、新たに座長の選任を行った。委員の互選により、岡野委員が座長に選任された。

2 機械加工職種の追加等について
○ 機械加工職種について、事務局より数値制御旋盤作業及びマシニングセンタ作業の追加の趣旨について、概ね以下のとおり説明があった。
・ 現行、機械加工職種は旋盤作業、フライス盤作業の2種類となっている。その中で、この普通旋盤、普通フライス盤は、現場では、数値制御旋盤や数値制御フライス盤、ひいてはマシニングセンタと呼ばれる作業に置きかわってきていると聞いている。現在、技能実習生は旋盤、フライス盤作業で入って、数値制御旋盤や数値制御フライス盤作業もできる形としている。こうした中、業界から提案があり、より事態に即した形で職種を分類、分割という形で追加できないかという要望をいただいた。
・ 数値制御フライス盤は改めて検討することとし、今回は数値制御旋盤作業とマシニングセンタ作業の追加ということで議論いただきたい。
○ 業界団体より、数値制御旋盤作業について、概ね以下のとおり説明が行われた。
 ・ 国内の生産額について2016年、数値制御旋盤が2,280億円、マシニングセンタが約3,746億円。国内の労働生産者数については2016年は約2万6,000人である。
 ・ 機械加工職種は昭和34年創設の技能検定職種であり、中央職業能力開発協会が試験問題を作成し、都道府県の職業能力開発協会が試験を実施している。また、機械加工職種は普通旋盤作業、数値制御旋盤作業、マシニングセンタ作業、計24作業あり、数値制御旋盤とマシニングセンタ作業の受検者数は、ここ10年ほど、ほぼ横ばいである。
 ・ 数値制御旋盤による製品の例としては、丸物加工、平面の加工、ねじ、ミゾ、テーパというようなもの。工作物が回っていて、削る刃物はとまっているので、基本的に丸いものとなる。逆に後から出てくるマシニングセンタの場合だと工作物はとまっていて、刃物が回っており、そこが旋盤とマシニングセンタの違いである。加工物が回っているため、刃物が曲面で動けば曲面加工ができる。まっすぐ直角に曲がれば直角の加工ができる。斜めに動けばテーパの加工ができるという形で、段差加工であったり、ねじ切り加工、側面、端面を削ったり内径を削ったりというような加工を数値制御旋盤として行う。
   作業の流れとしては、図面をまず見て、図面の加工精度、どういった精度が要るのか、把握はどうしたらいいかというところを見て、仕上げ面はどういった形で仕上げるのかというところを図面から読み解くというところから、加工ができるかできないか。つかんだときにひずんでしまうだとか、いろいろそういうことがあるため、そういったところの検討をする中で工程はどういった工程をしたほうがいいのか。先にざっと削ってしまって、後から仕上げだけは違う工程にしたほうがいいのかというようなところの工程の分析を行う。
   その後、工程をつくってどういった加工をするかというところからプログラムを作成していく。各工程によってプログラミングをしていく、もしくは物をつかむというところからどういった加工条件で削るのか。切り込み量、送りといった言い方をするが、たくさんの量を一気に削って加工できるものであるのかどうか、前の工程で分析しているので、プログラミングをしていく。
   その後、段取りに入るが、工程分析をしたときに、段取りの検討として、普通はチャックという主軸のところがくるくる回るチャックに、生爪といって鉄の削れる爪をつかんで、それに品物をつかんで削るが、ひずんでしまうようなものであれば、冶具をつけたりというものの検討をしている。そういった段取りをとりつける。それで実際の加工をする。切子の出方であったり、切削水をかけたほうがいいとか見ながらやって、加工が終わったものを測定するというところで完成という手順を踏む。
   工程の概要の作業の流れだが、昨今は工程の検討というところでCAD/CAMを使う。図面上だけで検討される企業もある。加工準備だが、NCプログラムの作成、先ほどCAD/CAMでプログラムを作る場合と、ダイレクトに機械の制御装置に打ち込むところがある。CAD/CAMがなければ本当に機械の前で一つ一つ打ち込んでいくことになる。昨今、数値制御旋盤というところは、工具交換ができるような複合加工機がふえている。そういった複合加工機は機械で工具・刃具が測定できたりということがあるので、プリセッターで工具を測定するということが発生する。通常の検定でも複合加工機を使っていいかどうかということがあり、そういった工具交換がない機能の旋盤等の平等を図るために、検定ではこういった測定は機械ではしないように。工具は取りつけてもいいけれども、測定は機内で実際の品物を削って寸法を測定して値を入力するようにというようなことをしている。作業としては現状これも刃具の測定というところはあったりなかったりというところがある。
   その後、加工、でき上がったものを測定する。実際の図面に対して正しいものができているかどうかというところの測定を行う。
 ・ 技能実習1号、2号、3号で行う内容について、基本的に行うべきことについて、1号、2号、3号ともにまず数値制御旋盤、プログラムが入力・編集できないといけないというところで、どれも全てそういった一番最初にプログラムの入力、編集作業というものを入れている。CAD/CAMのところも先ほどあったりなかったりというところがあるため、機械で入力することを前提とする。検定もそうなので、それを前提とする。
   その後、1号に関しては単純に穴をあけたり、直線の切削作業ができればというところで外径の直線の切削作業であったり、先ほどのドリルを使った穴あけを基準として、こういったような加工ができればよいのではないかというところで記述している。
   技能実習2号については、先ほどと同様に、プログラムの入力・編集というところが最初にあり、その後、直線の切削作業から円弧、ちょっと丸みを帯びた加工をするにはどうしたらいいか。1号で穴をあけることはやったが、穴をくり広げるにはどうしたらいいか。こういった部分を2号でやっていく。形状をつくっていくところを入れていければと思っている。
   技能実習3号は、最初のプログラム入力、編集というところは同様であり、直線・テーパ切削、その後にミゾ・ねじというものを入れている。3号終了後、技能検定の2級実技試験に合格することを目的としているので、検定2級の加工をする対象としている工作物がミゾ・ねじというところとテーパの加工の合わせをするということがあるので、基本的にはそういった基本的な形状ができるようにしておくという部分があるので、こういった内容としている。
   最終的には寸法の測定に関しては、一般的な考査で、まずは1号、2号、3号ともにそれでよいのではないか。その後、2級の検定を受けるというところの部分ではめ合いであったり、組み合わせであったりというところの技術、技能を身につけていただければと思っている。
○ 業界団体から、マシニングセンタ作業の追加等について、概ね以下のとおり説明があった。  
 ・ マシニングセンタで加工する製品の例として、金型関係、部品関係、航空機部品関係と載せている。金型関係は特殊な加工になる。部品関係の中には自動車、量産部品と言われるもの、それから精密でミクロン台、ナノミクロン台のもの、それから一般部品というふうにあって、材料についても、鋳物、炭素鋼、ステンレス、アルミニウムといろいろある。航空機部品も特殊な加工になるが、大体はアルミとチタンとなる。
 ・ 作業の流れについて、大きくまとめると、数値制御旋盤作業と同様であるが、工程検討、加工準備、加工、品質確認がある。工程検討、加工準備がいわゆるエンジニアリングというところ。それから、加工、品質確認というところが生産というところにさらに大きく2つに分かれる。
 ・ 技能実習1号の目標・実習内容について、1号修了時にはマシニングセンタの取り扱い、プログラム入力・編集によるフライス加工ができることを目標とする。イメージ的には、今まで生産されていた機械があって、それを渡すと手順に従って製品がつくれる。製品が加工できて、品質確認ができるというところで、1号の場合にはワーク取りつけ、刃具交換で機械を動かしていって製品をつくる。機械操作に関しては製品をつくれるような技能ということで、具体的にそこにあるようにフライス加工ができる。細かな穴あけとかではなくて、面を削るというようなことができれば生産においての操作は十分だろうというところである。
   品質確認について、主に外観検査、出荷検査、出荷準備がある。測定に関しては決められた手順、決められたものに従ってノギスやマイクロメーターというごく一般的な測定器を用いてできるというところで、加工と品質確認に関してはほぼ一人で加工できるレベルというのが目標である。
 ・ 技能実習2号については、1号に加えて生産のところでは機械操作、それから、その前の段階、エンジニアリングの部分では図面とNCプログラムができること。できることというのは、工程設計に関しては指導のもとで工程設計ができる。それから、加工準備、NCプログラムを作成したり、ある程度決められた手順に従った取りつけ具とか、あるものを使った工具を準備するとか、どれを使ったらいいのかという選別については、指示にしたがってNCプログラム作成、それから、デバックというが、つくったプログラムが正しく動くかどうかの動作確認、加工確認ができるというところが2号の目標となる。
 ・ 技能実習3号については、工程設計、加工準備というエンジニアリング部分が1人でできる。もちろん生産と品質確認も1人でできる。これが目標となる。図面を検討して何で加工するのか。どういう取りつけにするのか。姿勢をどうするのか。決めたら加工準備としてNCプログラムを作成して取りつけ具を手配、準備などして、加工工具も新しいものも準備、こういうものを使うんだということができるというところが、いわゆるエンジニアリングの部分、ここが3号の目標になる。
   加工方法の検討に関しては、数値制御旋盤でも説明したが、今はCAD/CAMなどによって工程設計、プログラムが作成されていたりする企業もある。
   最後に送出国の実習ニーズについて、日本の機械加工の技能などは産業の発展とともに高度化しており、開発途上国などに対し優位性がある。海外の生産拡大に伴い、現地の人材育成の必要性が高まっており、インドネシア及びミャンマーからの実習ニーズが存在するということで、2カ国の要望書を添付している。
○ 事務局及び業界団体からの説明に対し、概ね以下のとおり質疑があった。
 質)旋盤作業もマシニングセンタ作業も、今まで手作業でやっていたところに数値制御が入ってくるということで、今後変えていきたいという趣旨でよいか。
 答) 海外に日本企業が行くという場合、現地の人をすぐ使いたいということになれば、普通旋盤であったりフライスということになると、機械を使って人がハンドルを回して削ってというのは技能が非常に必要になってくる。その技能を教えるには3年、4年かかるが、そういった面では数値制御のマシニングセンタであったり旋盤であったりというところに関してだと、加工するいわゆる加工条件だったり、機械の操作であったりというところが学べれば、すぐに機械が使えるので、進出されるメーカーであったり、受け入れる海外の国が要望を出していのは、すぐに工場を立ち上げられるだとか、そういったニーズがあるゆえ、こういう意見が出てきている。
 答) 上記に加え、実態上、余りもう汎用旋盤とかフライス盤というものがそこまで使われていないという実情と、海外でも数値制御とかマシニングセンタのほうがメジャーになってきていて、実習生もそういった技術が学べるほうが、実際の現地においての機械の占有率等もマシニングセンタや数値制御旋盤のほうが主流になってきているということだと思う。
 質) 技能実習2号と3号の差について、数値を入れていく作業、2号だと穴ぐり作業で、3号になるとミゾ加工・ねじ切り作業という、素人からするとNCでは数値を入れればよく、穴ぐりとミゾ切り加工・ねじ切りの差というのは2年もかけて学ばなければいけないのか。入力するのにミゾ切り加工、ねじ切り作業だと2年もかかってしまうのか。
 答) 基本的には2年もかからないが、複雑な形状になっていくという部分で、いろいろな加工をふやすというような意味合いでこういう工具がふえるようなイメージをしている。
 答) この作業においてのみだと2年かからないということだが、この試験自体は技能検定としてやっているところ、ここに書いてあるのは主なものであって、数値制御旋盤、フライス盤、マシニングセンタのほうも実際に2級として日本人も実際に学科試験、実技試験というのは、この作業をやらせるということでもって技能検定としている。あくまでここに書いてあるプログラムとか直線とかミゾ切り作業というのは一部であって、例えばプログラムでもJAVADA作成の試験問題を見ても、プログラムも高度であり、ミゾ切りとかミゾ加工、ねじ切りということだけではなくて、いろいろな作業というのが必要であり、日本人と同じ程度の技能を学べるという2級についても、試験として追加をしている。
○ 次回以降、試験内容や評価基準等について引き続き議論を行うこととなった。

3 溶接職種に関する複数試験機関化について 
○ 技能実習評価試験の試験実施機関の複数化について、事務局より概ね以下のとおり説明が行われた。
・ 資料として配布している「一の技能実習評価試験に複数の試験実施機関を認める場合のチェックリスト」について、ご説明する。新しい技能実習法に基づき、今後、旧制度では、任意受検であった専門級試験、上級試験について、受検が必須となる。このため、試験実施機関が行う随時試験についても、回数の増加が見込まれる。そういった中で試験実施機関において適切に試験を実施するために、一定の場合に、体制整備の一環として複数の試験実施機関が担うことを可能とし、適切な試験実施体制を担保していただくことが適当である。そこで、職種追加の事務取扱要領を改正し、全国型の技能実習評価試験について、試験機関の追加を認めることとする。
  内容として、まず試験実施機関追加の必要性について確認をし、次に追加する試験実施機関の要件として、1つの評価試験を複数の試験実施機関で行う場合に適切性、公平性を担保できるための項目を設け、担保されることが確認されれば、試験機関の追加を認める。
  その内容について、既存の試験実施機関の同意があること、学科試験及び実技試験は、既存の試験機関と共通の問題で実施すること、そのためにさまざまな試験の実施規程や試験の基準、問題の作成要領、合否判定等々の規定について、原則として共通のものを使用することとし、技能実習評価試験の公平・公正性が担保できること、採点の同等性を担保できる試験監督者の選任基準を設けること、これらの体制をずっと維持することができるという趣旨から、試験実施機関間において連絡協議会等を設けるなど、上記要件を確実に担保できるよう、必要な取り組みを行うこと。これらの事項が確認された場合に追加をするということで手続を進めていく。
  なお、職種追加の取り扱い要領においては、技能実習評価試験の変更に関して、試験実施機関に係る変更については軽微な場合を除き専門家会議に諮ることとしており、今回、議題としている。
 ○ 溶接職種について、新たな試験実施機関となることを申請する一般財団法人日本海事協会より、概ね以下のとおり説明があった。
・ 日本海事協会は一般財団法人として、NKもしくはClassNKという名前で通っている。業種は船級協会である。船級協会は船舶の安全性、環境性能について検査、審査、認証、承認等を行う中立的な第三者機関である。創立は1899年、職員数は約1,600人、これは全世界を合わせて1,600人である。船級協会は船舶の安全性をチェックして、それを業界関係者、関連団体、関係者に知らせていく。造船、船主のみならず荷主、銀行、保険会社にも第三者機関として検査した結果を通知していく。
  弊会の使命及び活動概要について、我々の使命、ビジョンは海の安全と環境保全ということが大きな使命である。このため、第三者機関として非営利の立場を貫き、船級サービス、船の等級化のサービスを提供している。そのために社内で構造規則や技術基準を開発し、それらの規則に適合しているかどうかというものを我々自身で検査をして実施をしていっている。当然、船舶は貿易に使うものであり、全世界を回るので、日本だけではなくて全世界的な活動を展開しているという団体である。
  検査業務概要について、その中で特に溶接について説明する。
  船の計画から設計、建造、最終的には観光まであるが、これについてNKは船舶検査員が建造中の全ての段階を検査する。図面承認はもちろん、ブロックの時の溶接施工であるとか、組み上がった場合、最終的にエンジンをつけて、そして船が海上講習を行い、全てNKの検査員が現場に行って検査している。この中で溶接関係の我々の要求事項というものは、溶接工事とはNKが承認した溶接方法である。材料とか開先の形、NKが承認した溶接材料を用いてNKの技量試験に合格した溶接工により行われているということを要求している。このようにNKは造船の溶接についても十分な技術的な知識、技術的な技量を持っているということが言える。
  日本海事協会を試験実施機関に追加する必要性については、受験生がふえることと、ふえていくことで試験実施体制の強化が必要である。その中で我々はこのように第三者機関として造船所において溶接技能の試験というものを今までずっと実施してきており、その知識と経験は十分に持っている。それから、第三者機関としての独立性がある。もちろん造船業界からもNKがやってくれると助かるというような要望もあった。また、日本海事協会は、船舶の検査のために綿密なネットワークを持っている。全国で19支部、北は函館から南は北九州あるいは長崎まで、多くの支部が存在し、検査員が常駐して毎日造船所へ行って船舶の製造中の検査をしている。このため、全国での試験実施が可能である。
  また、試験の同等性の確保について、日本溶接協会の試験と同等性を確保するために、筆記試験については日本溶接協会から筆記試験の実際の問題と模範解答の提供を受ける。実技試験については試験の問題は同一であるとともに、その基準はJIS規格によって試験を判定するが、同じ規格を採用することで同等性の試験を実現する。また、試験監督者についても全国の船舶検査員のうち、溶接技能評価の試験監督者となるための選任基準があるが、これをクリアした者の中から選任し、正しくJISの規格を実技試験に適用することで、同等性の確保ができる。試験監督者の選任のイメージだが、NKに入った技術職員が種々の研修あるいは試験を受けた後、会長が最終的に船舶検査員として選任する。船舶検査員になった者のうちから現場経験が1年以上、溶接士の技量試験に係るOJTの現場での訓練を経て、この基準をクリアする者の中から弊会の会長が選任する。この溶接士の技量試験は、受験生を確認し、溶接材料を確認し、実際に溶接の場に立ち会って溶接の様子を見ながら最終的には外観試験を行う。それをさらに曲げて折れないということを判定した上で、最終的には検査員が合否の判定を行う。こういう試験をやっており、このOJTもこの試験が同時にベテランの検査員とともに立ち会って行う訓練を修了した者から選任している。
  以上により日本海事協会を溶接職種の新しい次の試験機関としてお認めいただきたいというものである。
○ 事務局及び日本海事協会の説明に対し、概ね以下のとおり質疑があった。
 質) 溶接協会と海事協会との試験の同等性を確保するためということで、筆記試験については溶接協会から提供を受けるということで、同等とわかるが、試験監督者については、溶接協会とどのように同等なのかというところがわかりにくいので、説明いただきたい。
 答) 海事協会で検査員を雇っており、その中から試験監督者に選任していくが、実際の検査員の選任規則とか、OJTの課題というものを溶接協会と共有し、研修の内容も説明の上、同等性確保について協議を行い、溶接協会からこれだったらいいでしょうということでアドバイスをもらっている。
 質) 試験監督者は会長が選任するとあるが、この会長というのはどちらの会長か。  
 答) 海事協会である。
 質) 選任のされ方は違うけれども、レベルは合わせるように調整しているということでよいか。
 答) そうである。
○ 検討の結果、本会議として、日本海事協会の溶接技能評価試験に係る試験実施機関追加について了承された。

4 技能実習評価試験職種の3号整備について
○ 食鳥処理加工業職種(食鳥処理加工作業)について、上級試験及び審査基準を整備することについて、事務局から概ね以下のとおり説明があった。
 ・ 審査基準と試験基準等について、技能実習3号で、いわゆる技能の階段がどうなっているのかということを簡単に説明する。概要としては、基本的には6点ほどのポイントがあると聞いている。 
   1つ目は、一級品と等外品の選定とか判別というものをできるようにするということ。第1号、第2号のところまでは解体なり加工なりができればいい。ただ、3号になるとそういった売り物になる歩留まりとか、売り物になるものをどれだけ早くできるかといったことも非常に重要になってくる。その意味で一級品と等外品の選定とか判別がある。2点目は1点目と関連があるが、食肉自体の製品とか成分といったものの知識というものを得る。3点目は食鳥の解体作業の中で、実際に作業をする中ではレバー、ハツなどの可食内臓と呼ばれる部分の採取や処理が非常に難しいということで、これを3号の部分でやるということである。4点目がスピードを身につける。5点目が解体の品質、等外品とか一級品をどれだけ歩留まりよく加工ができるかというのが、食鳥だけではなくて食肉の重要な要素ということである。6点目が安全対策とか消毒液の調製等も4年目、5年目で学ぶということである。実習生が母国に帰国して消毒とか安全対策が自分でできるようなこと、こういったことを学んでもらう。
 ・ 試験については、上記の技能に対応した基準、問題として作成しているとのことである。
○ 試験実施機関(一般社団法人日本食鳥協会)より、概ね以下のとおり説明があった。
 ・ 今回の上級問題を作成するに当たり、母国に帰ったときに工場でリーダーとしてやれるようなレベルの人を養成したいという判断基準で試験問題をつくりたいということで、問題を作成した。この食鳥の解体処理作業というのは多岐にわたり、生きた鶏から食品として製品になるまでの間にさまざまな作業がある。それぞれの分野で当然専門の方がいるが、母国に帰ったら最初から最後まで全ての工程を理解してできる人間ということで作成している。特に、スキルをかなり磨かないといけない。食鳥処理というのは熟練度が必要なもので、何年もかかって、当然、経験の長い者がレベルが高いということになるが、5年そういう作業をしていれば、ほとんど製品として出せるようなレベルにはなってもらいたい。
 ・ 上記のスキルを測定できる試験問題、評価基準を検討している。
○ 事務局及び業界団体からの説明について、概ね以下のとおり議論が行われた。
 ・ 試験の出題方法、評価の仕方についてどのように公平性を担保しているかについて質問があり、試験実施機関より、業界内での一般的なルールに則った出題をしていること、試験官の事前の打ち合わせを実施している旨の回答があった。
 ・ 採点基準について、加点方式・減点方式の考え方等について指摘があり、試験実施機関より、検討する旨の回答があった。
 ・ 試験の出題内容について質問があり、試験実施機関より、指摘の部分についても出題している旨の回答があった。
○ 検討の結果、本会議として、当該職種の上級試験及び第3号審査基準の整備について了承された。

5 技能検定職種の3号整備について
○ 技能検定職種に係る3号審査基準の整備に関し、事務局より建具製作職種(木製建具手加工作業)、とび職種(とび作業)及び製本職種(製本作業)について、概ね以下のとおり説明があった。
 ・ (技能検定職種については、すでに2級の技能検定試験が整備されていることから、技能検定の実技の試験細目との整合を確認する必要があるところ)、審査基準案の必須業務と試験細目が異なる点として、とび職種・とび作業について、必須業務の第3号審査基準の中で、後ろに「必要に応じて行うこと」と記載している作業があり、具体的にはとび作業の中の仮設建設物の組み立て及び解体作業については、(1)から(6)まであるところ、(1)については必ず行う。それ以降の(2)(3)(4)(5)(6)については必要に応じて行うとしている。また、4の掘削、土止め及び地業作業、玉掛け作業の後ろにも「必要に応じて行うこと」が追記されている。その理由として、2級の試験においてこれらの項目の試験の出題がないこと及び現場においてこの作業がある現場とない現場があることから、このような記載としている。次の製本職種について、審査基準案と試験細目とが異なる点について、試験細目では、極めて簡便に「製本ができること」とのみ書いてあるところ、これだけでは審査基準に落とし込む際に中身が不明であるということで、技能検定の実技試験問題の内容、それから、1号、2号を整備したときの専門検討委員会における意見集約の内容から、1号、2号からの積み上げという形で3号の内容を試験細目よりも詳細に記載しているというものである。
○ 事務局の説明に対しては特段の指摘がなく、検討の結果、本会議として、当該職種の第3号審査基準の整備について、了承された。

6 その他
○ 事務局より、次回以降の会議について、改めて日程調整する旨の説明があった。 


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