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2018年3月15日 第69回先進医療技術審査部会

(了)


(1)日時:平成30年3月15日(木)16:00~18:00

(2)場所:新橋会議室 8E会議室

(3)出席者
山口座長、一色座長代理、石川構成員、伊藤構成員、松山構成員、真田構成員、柴田構成員、手良向構成員、大門構成員、田島構成員、藤原構成員、山中構成員、上村構成員、田代構成員、掛江構成員

(事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 企画官
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官
保険局医療課 課長補佐
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 課長補佐

議 題
1. 総括報告書の評価について
2. 申請医療機関からの各種報告について
3. 試験実施計画の変更について
4. 先進医療におけるがんゲノム医療技術の取扱い等に係る検討について
5. 協力医療機関の追加について
6. 先進医療の取下げについて
7. 先進医療会議の審査結果等について
8. その他

議事録
○山口座長 定刻となりましたので、第69回先進医療技術審査部会を始めさせていただきます。御多忙の折、お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日は、関原構成員、山本構成員より御欠席の御連絡を頂いております。17名の構成員のうち15名の構成員の皆様にお集まりいただいていることから、本会議が成立していることを申し添えます。それでは、事務局から配布資料と本日の審査案件の確認をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いいたします。傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願いいたします。配布資料について確認いたします。議事次第から座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。次に、「総括報告書の評価について」資料1-1から資料1-3。「申請医療機関からの報告について」資料2。「試験実施計画の変更について」資料3-1から資料3-10。「がん遺伝子パネル検査のプロトコールの必須項目及び基本的な要件(案)の「更新」版」資料4。「協力医療機関の追加について」資料5-1、資料5-2。「継続審議案件の申請の取下げについて」資料6。「臨床研究法施行に伴う先進医療に係る審議における認定臨床研究審査委員会の位置付けについて(報告事項)」資料7。会議資料の最終ページは112ページとなります。本資料については会議終了後、厚生労働省ホームページにて閲覧可能となりますことを申し添えさせていただきます。本日の資料は以上です。乱丁・落丁等ありましたら、事務局までお知らせください。
 続きまして、利益相反の御確認です。総括報告書について、申請医療機関との関係等について、事務局にて事前に確認させていただいております。今回、総括報告書の御評価を頂く告示番号34の技術について、真田構成員は御所属の医療機関ですので、当該技術の審議に際し、一時御退席いただきたく存じます。もし他に、何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いいたします。該当なしということで承知いたしました。
 また、今回もタブレットを使用いたします。届出書類等についてはタブレットより閲覧をお願いいたします。なお、会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ、又はタブレット資料の何番の何ページと、あらかじめ御発言いただけると議事の進行上、助かりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○山口座長 では、議事に入りたいと思います。まず、総括報告書の評価について、事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 総括報告書に関する御評価を頂くのは、告示番号34、ベペルミノゲンペルプラスミドによる血管新生療法です。
(真田構成員一時退席)
○医政局研究開発振興課専門官 真田構成員におかれましては、御退席いただき、誠にありがとうございます。本試験の審査担当構成員は、主担当が一色座長代理、副担当が柴田構成員です。本試験は、申請医療機関が大阪大学医学部附属病院。試験の概要ですが、15ページを御覧ください。こちらは代替治療が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症又はビュルガー病)患者に対して、ベペルミノゲンペルプラスミド(AMG0001)の筋肉内投与の有効性及び安全性を検討する試験です。主要評価項目は、(1)Fontaine分類3度の患者については安静時疼痛の改善です。また、Fontaine分類4度(潰瘍)の患者については潰瘍の改善です。多施設共同前向き非盲検単群試験で、予定登録症例数は6例です。
 16ページですが、有効性の評価結果では、主要評価項目の改善率は75%です。詳細については先生方からお願いしたいと存じます。以上です。
○山口座長 本技術の評価について、主担当の一色座長代理、説明をお願いいたします。
○一色座長代理 一色でございます。本研究は、HGF(hepatocyte growth factor)遺伝子治療薬であるベペルミノゲンペルプラスミドを重症下肢虚血の局所に注入して重症下肢虚血の改善効果を見たものです。資料1-3の概略図が示されておりますのでご参照ください。本研究は、薬事承認申請に当たりPMDAから海外データに加えて日本人を対象とした臨床研究を求められたことを受けて行われたといういきさつがあり、6例という少数例での検討となりました。なお、PMDAからはこれまでの成績と同等以上の結果を示すことが求められたという背景があります。総括報告書によれば結論として“本治療に有効性あり”と判断したと報告されておりますが、この判定について柴田構成員との間で判定が分かれる結果となっています。この点については柴田構成員のお考えを先に伺って、その後に私の意見を述べさせていただきます。柴田構成員、よろしくお願いいたします。
○柴田構成員 国立がん研究センターの柴田です。お手元の資料の18ページ、有効性の所、今、一色先生から御指摘のあった所ですが、私のほうではBではなくCと付けさせていただきました。同程度であるという積極的なデータがあるというよりも、Bと付けるにはちょっと躊躇があるという趣旨です。少数例であること自体は、もともと計画時から分かっていたことなので問題はありません。問題は、実際の事前に設定されたエンドポイントの改善の定義が妥当であるかどうかという話です。試験の計画、あるいは実行に当たって、適切に定義されたエンドポイントではありますが、エンドポイントで拾いきれていない部分で改善とはみなせない状況が起こっているように推察されるため、Bと付けるのにはちょっと躊躇して、Cにとどめたということです。
 内容については、19ページに書いてあります。まず、本試験は、ビュルガー病の患者さんに関しては、潰瘍の大きさで改善か非改善かを判断するというルールになっております。主要評価項目は観察期間12週後の安静時のVAS又は潰瘍の大きさの改善率となっており、安静時のVASについては主観的評価であるので、ちょっと評価が難しい部分があるかもしれませんが、潰瘍の大きさに関しては客観的な指標で評価できるので、後者について今回取り上げて、議論を記させていただいております。
 この4例中3例の改善した中の1人は、ビュルガー病の患者さん、つまり潰瘍の大きさで改善と判定されている人です。2の所ですが、確かに投与前に12.51mmであった病変が0mmに縮小しておりますので、この部分だけ取り上げると改善ということで、プロトコールの規定上、改善とされることは問題ないと思ったのですが、実際には患者さんの状態を見てみると、当該患者には残り3つ病変があり、治療前から存在するほかの2つの病変は、1つは81.1%の増大で12.45になっている。もう1つは、これはほとんど差がないのですが、1.9%の増大で5.81になっている。さらに、もう1病変は、前観察時に計測不能であった病変が14.70mmと、非常に大きくなっているので、1つの病変は確かに改善していますが、患者さん全体として見た場合には、治療開始前に比べ潰瘍は拡大しているという状況になるので、これを形式的に改善とするのは、プロトコールの規定としてはそのようなルールかもしれませんが、それに付随する、そのほかの状態の推移を見ると、必ずしも改善と言っていいかどうか分からないということだと考えております。
 3つ目の一番大きくなった病変ですが、前観察時に計測不能であったけれども、病変が存在すること自体は確認されていたので、プロトコールの規定の新規病変には当たらないために、これは非改善と判断するルールの適用にはならないと、医療機関の先生はおっしゃっています。確かにそのように判断することもできると思いますが、一方で新しい病変が出てくると、改善にするという規定を設けられたことは、評価対象になっている治療開始前に特定された一番大きな病変以外に病変の悪化が見られるのであれば、それは少し改善と判断するには躊躇させる状況であるという考えに基づいて、新規病変の発生に対する例外規定を設けられたのだと考えると、測定不能であったとしても非常に小さかったと考えられる病変が14.7mmまで大きくなったことは、新規病変とは判断されないけれども、新規病変が出てきて非改善と判断するに相当するようなものなのではないかと考えるとした次第です。
 ただし、ここのところについては無効であると判断するまでには至らないと思います。病変を選んで、これを注射することによって一定の効果が見られる可能性がある、POCの観点で言うと、それなりの効果が見られた病変が存在したというのは事実ですので、著しく有効であるということは言えないにせよ、何らかの有効性を示唆する状況であったということまでは言えるかもしれません。
 そういうこともありますが、安全性については余り問題なしとしております。技術的成熟度の所に、当時、この申請がなされたときの部会においても問題となりましたが、注射部位の選定方法が難しいのではないかという話がありました。恐らく注射の仕方によっては、改善する部位、改善しない部位などが変わってくる可能性もあるのではないかと思いますので、これはどのような先生でもすぐできるものではなく、かなりの経験を積んだ先生を中心とした体制をとっていないと実施できないのではないかと推察したところです。長くなってしまいましたが以上です。
○山口座長 ありがとうございました。一色先生のほうから追加をお願いします。
○一色座長代理 ただいま柴田構成員から非常に詳細に、かつ分かりやすく御説明いただいたので、状況はお分かりいただけたかと思います。柴田構成員のご判断は“有効とは考えにくい”とのことでしたが、私は基本的にプロトコールを優先すべきとの観点から、プロトコールに沿った基準による判定として有効性は示されたという報告書の結論は、表向きは受入れ可能と考えました。ただ、先ほどの柴田構成員のご指摘のように、当初判定不能とされた潰瘍の解釈が問題で、これを新規病変だと判定された場合には悪化と判断されて有効性のない症例ということになってしまいます。この1症例の判定が覆されることによって、有効率が6分の4か、6分の3かという話になりますので、極めてクリティカルな判定を余儀なくされる結果であったということが、大きな問題点と考えております。
 以上の考えにより、私はBと判定させていただきましたが、17ページのコメントにも書きましたように、「この有効性の評価の信頼性は高いとは考えにくい」という微妙なニュアンスの文章を総括的なコメントとして付与させていただきました。
 安全性については、中止に至る症例がなかったということで、余り問題なしと致しました。しかしながら、1例に胃がんの発生がありました。本薬剤はグロースファクターということで、がんとの関連性については従来危惧されているところですので、引き続き注視していく必要があるのではないかということを付記させていただいております。
 本手技は病変の周囲に薬剤を注入していくという作業が主体ですので、手技自体はそれほど難しいものではないと思いますが、この治療法の適応の判断等々を含めて、一定レベルの知識と経験のある医師がおられるところでの手技、治療法と考えて、技術的成熟度についてはCとさせていただいております。私からは以上です。
○山口座長 どうもありがとうございました。何か御質問、御意見等ありませんか。症例が少ないのはやむを得ないということです。これが例えば何百例もあるようなスタディでしたら、こういう例が1例、2例あっても全然効いてこないわけですが、この1例の解釈の仕方によって大きく変わってしまうというところは、ちょっと苦しいところです。一色先生がおっしゃるように、プロトコールに従えば、一応クリアしたということになりますが、そのバックグラウンドを勘案すると、なかなか諸手を挙げて、有効とは言えないというところは御理解いただけたのではないかと思いますが、何か御意見はありませんか。
○伊藤構成員 症例数が少ない、この例数で、やや有効であるという表現をするのは、相当勇気が要るような気はします。これだけ例数が少ない試験で判断するのであれば、保守的な評価をせざるを得ないのではないかと個人的に思って、資料を拝見しておりました。
○一色座長代理 伊藤構成員のご指摘のように、この症例の中で、これを有効だと言えと言われると、なかなか厳しいところがあることは認識しております。ただ、プロトコールに沿えば、それをクリアしたということを評価しないこともまた難しいと考えております。
○山口座長 ありがとうございました。ほかにありませんか。御意見も尽きたようですので、説明の難しいところもありますが、今、御審議いただいた結果を取りまとめて、先進医療会議に御報告したいと思います。真田構成員にお戻りいただくことといたします。
(真田構成員着席)
○山口座長 続きまして、申請医療機関からの報告について、事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料2、27ページを御覧ください。昨年7月の第60回先進医療技術審査部会において、告示番号16、NKT細胞を用いた免疫療法に関しての有害事象報告がありました。そのときにご指摘のありました問題点についてご対応いただいて、今回、御報告いただきましたので、その内容について御審議いただきたいと存じます。
 経過を説明いたします。平成28年11月26日に、試験中の患者様に急性呼吸不全が生じ、同12月18日に死亡されるという事案が発生いたしました。最終的な判断は翌6月に出て、因果関係不明の死に至る有害事象であったということで、プロトコールを変更することで試験の再開を希望されました。そしてプロトコールの変更届を受理したところ、以前のプロトコール変更が事務局に届け出られていないことが確認されて、それまでの新旧対応表などを御提出いただくようお願いしていたところです。そして今回それを踏まえて、計画変更に関しての報告が遅れた理由やその再発防止策、また重篤な有害事象発生に関する今後の取組についての資料が提出されました。
 今回は、報告された再発防止策の適否について御審議いただきたいと存じます。そして、重篤な有害事象発生に係る計画変更については、次回以降に御審議いただくこととして、本日は平成28年12月までの実施に係る計画変更の適否について御審議いただきたいと存じます。
 28ページから、今回の経緯や変更報告が遅れた理由、再発防止への取組などが記載されております。一番分かりやすいのが31ページの図ですので、御覧ください。下に平成29年10月以前の体制について記載があります。先進医療の各種届出は診療科が行うことになっていましたが、その診療科が、この届出は再生医療の手続と同時に、自分の所ではなくて、未来開拓センターなどで行われるものだと誤認識をしていたということです。そして届出されているのか否かをチェックする機能がなかったということです。
 そういった今回の事例を踏まえて、平成29年10月以降は、届出などは各診療科ではなく、臨床試験部が全て統括して一元的に管理する体制に改めるということです。また、未来開拓センターと臨床試験部などが別々に存在していますが、これをその上にある「臨床研究推進本部」を今回、新設して、こちらがその全ての部門の活動を統括することで、よりチェック体制をしっかりとしたということです。
 続いて32ページから、重篤な有害事象の発生に関わる経緯及び今後の対応について御報告いただいています。今後の対応について、32ページを御覧ください。「細胞治療効果安全性評価委員会」での検討が書かれています。キーオープンの必要性及び実施計画書の変更の必要性について審議が行われております。キーオープンについては、本試験におけるコントロール治療でも相応の侵襲があるため、本被験者がいずれの群に割り付けられていたとしても、本試験と急性間質性肺炎との因果関係がないとは言えないということで、キーオープンによって、どちらの治療がなされたのかが開示されたとしても、本試験の安全性を管理するための重要な情報は得られないと判断されるということで、キーオープンはしないということです。また、実施計画書の変更については、今回の事象を踏まえて、被験者の安全性をより高度に確保するために、受入基準の検査データを満たす症例に「SpO2(サチュレーション)93%以上」を追加する、スクリーニング検査時以外にもサチュレーションを追加する、除外基準にMRC dyspnea scaleのグレードを示す等、このような変更をすることで、再開を希望されております。
 続きまして、35ページを御覧ください。これまで事務局に届けられていなかった試験計画書の新旧対照表について、御報告いただきました。具体的な変更内容は36ページから記載があります。詳細に記載いただいておりますが、基本的には再生医療等安全性確保法に対応するための記載順等の記載整備が多くあり、試験デザインそのものに関わるような変更はありませんでしたということです。以上です。こちらについて、御審議をお願いいたします。
○山口座長 ありがとうございました。ちょっと複雑ですが、この報告とプロトコール変更のことについて、何か御意見はありますか。まず、有害事象が発生して、そのやり取りの中でプロトコールが変更されていたけれども、これが届けられていなかったという、新たな別な問題が出たので、ちょっとややこしくなりました。31ページの図にあるように、未来開拓センター、臨床研究開発推進センター、臨床試験部、がんゲノムセンター、メドテック・リンクセンターと並んでいて、これを統括する所がなくて、本来は未来開拓センターで検討すべきだったのが管理されていなかったという御説明です。これを見ると、未来開拓センターは再生医療等の推進であり、臨床研究開発推進センターは支援とか立案であり、臨床試験部は管理・支援で、がんゲノムセンターは、がんゲノム医療を統括すると、括りが内容であったり業務であったりして、その上に臨床試験推進本部というのを乗せてきたということなのです。本来であれば、臨床試験部が全体を管理していくような形だったのではないかなと思うのですが、一応こういう形でやりたいということを言ってきているわけです。
○藤原構成員 後から気付いたのですが、私はこの千葉大の病院監査委員会の委員なので、一応、COIはあるのですが、前回の監査委員会でも、この体制について複雑すぎるのではないかと問題になりまして、次の監査委員会で、千葉大病院から報告があると思いますが、更に体制変更がされると思います。
○山口座長 貴重な御意見をありがとうございました。ほかに何かありませんか。臨床試験をやるものの意識が低いかなと、ちょっと見ていて感じました。手続を疎かにしすぎているというか、組織の問題ももちろんあるわけですが、これはいくら立派な組織を作っても、当事者たちの意識が低かったら同じようなことが起きるのではないかと思います。是非それに対するきっちりした対策を今後、期待したいと思いますが、今回の御報告についてはいかがでしょうか。
○伊藤構成員 私達も常に意識するのですが、規制をする、若しくは審査をする部門と、モニタリングをする部分と、推進する部門が本来は分かれていなければいけないと思っています。この体制を見ると、それが分かれているように見えない。規制をする部門が、厚生局とか研究開発振興課とやり取りをする窓口と一本化すれば、どうかなという気がいたしました。
○山口座長 ありがとうございました。変更について、33ページの実施計画書の変更、この変更は実はもう既に行われているわけで、遡ってお認めするかどうかということを御議論いただきたいのです。適正な変更内容であれば、遡ってお認めしないと、にっちもさっちもいかなくなるという状況ではあるのですが、いかがでしょうか。これはやっていただくということで、よろしいでしょうか。それでは、これらの回答、再発防止策については、引き続き進めていただくこととして、変更については遡って認めるといたします。ありがとうございました。
 続いて、試験実施計画の変更について、事務局より説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いいたします。今回は、実施計画の変更について、10件、申請がありました。1件目は先ほどの千葉大学の件ですので、2件目について、資料3-2、41ページを御覧ください。埼玉医科大学国際医療センターからの申請で、告示番号28、放射線照射前に大量メトトレキサート療法を行った後のテモゾロミド内服投与及び放射線治療の併用療法並びにテモゾロミド内服投与の維持療法です。適応症は初発の中枢神経系原発悪性リンパ腫です。
 変更内容について、簡単に説明いたします。42ページを御覧ください。目標予定症例数130例で、現在89例です。主な変更内容について順に説明します。1適格基準の変更です。こちらはこれまでの症例の検討において、眼内リンパ腫の治療後、その再発として脳内リンパ腫を発生したという症例があったことが分かり、再発症例は予後が悪くて、本試験とは別の集団と考えられますので、そういった集団を明確に除外するために悪性リンパ腫の治療歴を有する患者を除外するということです。
 2摘出術又は生検後から一時登録までの日数変更です。これまでは生検後20日以内としておりましたが、他院からの紹介など、やむを得ない理由で20日以内に登録できない症例が1年で2、3例あったということで、したがって、その2、3例も登録できるようにするために35日以内まで変更させていただきたいということです。このような変更をしても、治療選択や予後への影響は変わらず、患者への不利益はないと考えるということです。
 3一次登録終了時の手続の補完です。試験実施期間が残り8か月となりましたが、まだ予定登録数の64%にとどまり、対象基準の年齢上限を引き上げることも検討しましたが、それは適切ではないという結論になり、それで2の変更で1名でも多くの登録につなげて完遂を目指したいということで、今後、一次登録の延長は行えないことを今回、明記したということです。
 4中間解析実施時期の延期です。必要なイベント数20に対して、まだイベントが全生存期間で1例、無増悪生存期間で5例と、不足しているために、中間解析の時期を延期したいということです。
 5MMSE非悪化割合についてスコアそれ自体からカテゴリー分類の判定に変更するということです。ほかは記載整備です。以上です。
○山口座長 本変更内容について、何か御意見はありますか。42ページの中段の所に、主な変更内容、その後に、その理由が書いてありますが、何か御意見はありませんか。それでは、告示番号28の変更については、お認めすることといたします。続きまして、次の実施計画の変更について、御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-3の45ページを御覧ください。国立国際医療研究センター病院からの申請です。告示番号29番、FDG-PET/CTを用いた不明熱の診断です。予定症例数は180例で、現在の登録状況は149例です。主な変更内容はモニタリング等の手順書の改定です。理由を伺うと、監査によって実際の手順と異なると指摘されたということでしたが、46ページを御覧ください。ただ、監査のほうから、手順を変更してもそれぞれCRFの真実性の確認に差はないと考えられると、監査時にコメントを頂いております。続いて「目標症例数に達しなかった原因について」と記載があります。こちらは、現在149例で目標が180例なのですが、期間延長をしていないことが分かりまして、その事情を問い合わせたところ、このように御説明を頂きました。47ページなどにあるように、149例で終了することによって当初の研究仮説を検証することがやや困難になったかもしれないというコメントがございます。以上です。
○山口座長 それでは、本変更内容について御意見はありませんでしょうか。僅かな症例で到達するのですが、お金がないからやめたということで、その結果、全く結果が出ないということになったら、もっと大きな無駄使いになるのではないかとも思います。しかし、研究費が取れなかったという事情もよく分かります。この辺りはいかがでしょうか。今までも、こういう止め方というのはあるのでしょうか。集まらないというのではなくて、お金が切れたのでできなかったというようなケースですね。
○医政局研究開発振興課専門官 昨年ですと、京都大学のDa Vinciの試験が20症例が目標で17例だったと思います。
○山口座長 これは到達が難しそうに見えたら、なるべく早目に元気付けて頑張るように言うとか、そういうことをしなければこれから減らないかもしれませんね。これは精一杯研究者が努力して取れなかったのだから、現在のルールの中ではやむを得ないけれども、残念だという感じがしました。御意見はございませんか。それでは、告示番号29の変更についてもお認めすることといたします。次の実施計画の変更をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-4の49ページを御覧ください。国立病院機構名古屋医療センターからの申請です。告示番号33番、NKT細胞を用いた免疫療法で、適応症は肺がんです。51ページを御覧ください。主な変更内容は、研究期間の6か月間の延長です。目標症例数が56例に対して、現在52症例まで集まっていますので、あと半年間で4例を目指したいということです。以上です。
○山口座長 それでは、この告示番号33について、何か御意見はございませんでしょうか。これは順調にいっているので、あと少し延ばせばできるということで、特に問題はないと思いますが、何かございますか。特にないようですので、告示番号33の変更についてお認めすることといたします。それでは、次の実際試験計画の変更についてお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-5の53ページを御覧ください。横浜市立大学附属病院からの申請です。告示番号46、LDLアフェレシス療法です。山中構成員におかれましては、御所属の医療機関ですので御退席いただいております。
(山中構成員一時退席)
○医政局研究開発振興課専門官 こちらの試験は目標症例数は35例で、現在は12例となっております。主な変更内容は、プロトコール治療の中止基準などを変更しております。54ページを御覧ください。1の(5)「登録後に血管内治療あるいは血管外科的治療による血行再建等、下肢閉塞性動脈硬化症に対する他の治療が優先的に必要と判断された場合」に中止できるように変更するということです。この理由については56ページにありますが、基本的にはこの試験では血行再建が困難であることが適格基準の1つになっておりますが、そういった状態であっても救肢・救命のために血行再建を試みる場合や、新たに血行再建の適応病変を発症した場合などに、そちらを優先するために中止できるようにしたということです。ほか記載整備などです。以上です。
○山口座長 たくさんありますが、何か御意見や御質問はございませんか。
○一色座長代理 研究期間が2020年の10月までで、目標症例数は35例で、約2年半、半分たって12例ということで、更に適応を絞ることになると目標に達するのは厳しい見込みかと思うのですが、その辺については、見込みについて何か提出されたものはありますか。
○医政局研究開発振興課専門官 確かに、時期と症例数を考えると、状況としては先生がおっしゃるとおりだと思います。こちらからそれについて具体的に何か対応策をということは、今のところ照会していないのですが、例えば協力医療機関を増やす予定があるのか等、そういったところを確認していきたいと思います。
○山口座長 これは実際にスタートしたのは遅くなっていて、割と短い期間に集まったとか、そういう事情があるわけではないのですか。これだけの時間がかかって、これしか出なかったということですか。
○医政局研究開発振興課専門官 最近、協力医療機関がどんどん増えてきたとか、この試験について、そういうことは特にありません。
○山口座長 一色先生がおっしゃることはごもっともだと思うので、後になってできないということよりも、もう半年しかありませんので、もし必要でしたら、そちらも後ほど併せて申請するようなアドバイスがいいのではないかと思います。
 ほかにごさいませんか。それでは、告示番号46の変更についてはお認めすることといたします。では、山中構成員にはお戻りいただいてください。
(山中構成員着席)
○山口座長 それでは、次の試験実施計画の変更について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-6の59ページを御覧ください。富山大学附属病院からの申請です。告示番号50番、ハイパードライヒト乾燥羊膜を用いた外科的再建術です。本試験の変更の概要は60ページからになります。1つは、本試験は先月のこちらの部会で試験期間の延長をお認めいただきました。そのときに、AMEDからの研究資金が得られたので、患者負担をゼロにするという変更もお認めいただきました。ただ、それについて、やはりAMED支援が得られなかったので、今回患者負担を元に戻すという変更を行いたいということです。
 それについては、最後の62ページに時間的な経緯があります。昨年の10月に採択があったということなのです。この研究費が企業等の合同で実施する場合に得られるものだということで、昨年の12月に企業が参加しない旨を表明されたということで、2月7日に、こちらの部会に変更届を頂いたのですが、そのときにAMEDへ資金を辞退するという御連絡をされたそうです。2月15日の部会で期間延長をお認めいただきましたが、そのときに先方のIRBのほうで患者負担の額を元に戻すということを決定されたということです。それで元に戻させていただきたいということです。
 それと同時に、試験計画の内容も幾つか変更されております。その変更申請する理由について、全てを申し上げるのは省略させていただきますが、6番目を御覧ください。ドナー(羊膜の提供者)の同意取得のタイミングですが、「1日たってから」となっているのを「1日たってからが好ましい」に変更したいということです。理由を伺うと、実際のところ、ドナー13人中全員で説明当日に同意を頂いていたということです。そこで、このように実態に即して変更したいということです。「羊膜取扱ガイドライン2014」に準拠して行うとしているということで、その中の言葉に「提供者の意思確認は、説明後一定期間(原則翌日以降)をおいてから行うこと」ということがありまして、それに近い意味なのではないかと解釈するということです。これにつきまして、詳細は分かり兼ねる部分はあるのかもしれませんが、御意見を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
○山口座長 何か御質問はございますか。
○田代構成員 先ほどの6)の所ですが、「羊膜取扱ガイドライン2014」に書かれている「説明後、一定期間置いてから行う」というのは、一般的な患者さんからではなくて、ドナーから同意を取得するので、熟慮期間を設けるということで作られているのだと思うのですが、これと「1日たってからが好ましい」というのは同じではないと思うのです。この辺りは実際に、どういう理由で変更して、このガイドラインと整合しているというところの理屈が分かりにくいと思います。なので、少なくとも、「原則翌日以降」と書かれているので、「このガイドラインに沿わない形でやらせてほしい」という申請だと意味は分かるのですが、このガイドラインに準拠すれば「1日たってからが好ましい」で、結局今までも時間は置かずに同意を取っているので、恐らくこれからも即日取りたいということだと思うので、議論の整理がよく分からないというところが1点あります。
○山口座長 貴重な御意見をありがとうございました。そのとおりだと思いますが、何か御意見はありますか。このガイドラインの精神としては、きっちり最低1日は置くようにという趣旨ですよね。
○田代構成員 角膜学会が作られているので、聞けばいいのだとは思うのですが、一般的には先ほど少しお話したように、基本的には自分のためにやる話ではないので、熟慮期間を置きましょうということで、恐らくこういう立て付けになっているのだと思います。それなので、これにはそぐわない形でやりたいということであれば、はっきりそう言っていただいたほうが分かりやすいと思います。それが妥当かどうかという問題はあると思うのですが、そう言っていただかないと理屈が合わないかなと思っています。
○山口座長 このことについて何か御意見はございますか。
○掛江構成員 私も同じ意見で、かつ確認をしていただきたいと思ったのは、ドナーの説明文書を見付けられなかったので、もし添付の参考資料があれば後で見せていただきたいのですが、このドナーが予定帝王切開の方なのであれば、田代先生が御指摘されたように事前にきちんとお話をして、帝王切開までの期間の間に1日以上時間を置いて、改めて意向を確認することができないわけがないのです。それをそもそもやってこなかったこと自体が、かなり大きな問題ではないかと。プロトコールに「こういったガイドラインを遵守する」と書いているにもかかわらず、それをしてこなかったというところが、まず1つ大きな問題であり、今後もこの方向でやりたいのであれば、田代先生が御提案されたとおり、「このガイドラインには準拠しないで、自分たちはこういう方法で同意の取得をしたいけれども、ドナーの任意性の担保に関しては別途配慮を何かされるのであれば、こういうことをしているのだ」という申請をしていただくのが筋かなと思います。
○山口座長 ありがとうございました。
○田島構成員 私もこの変更を認めるのは問題があると思っております。そもそも、今までプロトコール上、同意取得は説明後1日たってからとなっていたのを勝手に同日で取得しているというような運用をしていること自体、全く考え難いことではありますけれども、ガイドラインにあるように、ドナーにとっても感染症の検査とか、除外基準に当たらないかどうかを調べるためのチェックをされたり、個人情報の問題等もありますので、自己の治療のためでもないのに、そういう負担を負ってまで提供するかどうかということを判断するには、その場ですぐに結論を出すというのではなく、少なくとも1日置くべきであるという判断がなされてのことだと思います。
 本来、そういう形で、原則翌日以降で、当日でもいい場合というのは、医療従事者のように、そのようなことについては熟知していらっしゃる方の場合には、何も熟慮期間を置かなくてもいいでしょうというような例外的な場合についての記載だと思いますので、特にこういう場合は、ガイドラインの原則を重視して、これに沿ってやっていただくべきものであると考えております。
○山口座長 貴重な御意見をありがとうございました。ほかにございませんか。
○田代構成員 事情を知りたいということで、私も、この研究計画自体がうまく理解できていないのかもしれないのですが、6)の2文目からですが、説明当日に同意を頂いていて、「主治医が簡易に説明してから、我々が説明する日までを1日たってからに解釈しておりました」というように書かれていて、「我々」というのが、具体的にこの場合、過去13人の同意を、どなたが取得されているのかということが、プロトコールのほうを見ると、いわゆる試験を実際に主体としておられる方以外に、この富山大と高岡市民病院を基本的には受診して、帝王切開が適応となる妊婦の方から同意を頂くということになっていて、恐らくそれぞれの病院の羊膜採取医療従事者というものが指定はされているのですが、それがまた主治医とは別に設定されているのか、現実に、どういう運用がされていたのかがよく分からないところがあるので、主治医が簡易に説明して、我々が説明したという、実際の中身ですね。それは、実際には割と丁寧なことはされていたのか、それとも割とプロトコールには書いていないような形のことがされていたのかが、判断が尽き兼ねるところがあって、過去13名のときは、どういった感じでドナーの照会があって、最終的な同意書を誰がやって、試験が行われていたのかということを追加で聞いていただければと思いました。
○山口座長 ありがとうございました。ほかにございませんか。皆さんの一致した意見として、この原則は大事なものだということが1つです。もしも原則を変えるとしたら、それなりの理由がなければいけませんが、この同意まで1日置くことが、この研究を全く阻害するかというと、必ずしもそうではなくて、全然不可能なことではないのではないかということから考えると、この点に関して認めないとしても研究の進行は難しくないのではないかというように感じました。これは単に主治医がやりやすくなったというだけのことで、それを言ってしまうと、全て当事者の研究者の都合のいいほうにいってしまうのは大変よろしくないように思いますので、できましたら、これは全体としてはお認めしますが、この6)に関してはお認めできないというネガティブの返事をするべきだと思うのですが、いかがでしょうか。「考慮してくれ」ではなくて、もう駄目ですとお伝えする。それと、実際のICの運用については確認してもらいたい点があるということは、付け加えてお尋ねするということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。ありがとうございました。6)以外はお認めするということにいたします。次の実施試験計画につきまして、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-7、63ページを御覧ください。東京大学医学部附属病院からの申請です。告示番号64、ゲムシタビン静脈内投与、ナブ-パクリタキセル静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法です。適応症は腹膜播種を伴う膵臓がんです。
 本試験は予定症例数が導入相で6~18例、探索相で35例で、現在は1例です。主な変更内容は64ページを御覧ください。腹腔ポート感染やカテーテル閉塞などの有害事象が見られた場合には、腹腔内投与のみをスキップして、ポートの再留置後に再度投与することも可能とするということです。変更申請する理由として、正に現在進行中の患者さんで、この腹腔ポート閉塞という不具合があり、その発生に対応する形でプロトコール委員会で検討し、このような変更をお認めいただければということで、今回申請されたということです。以上です。
○山口座長 本変更内容について、御意見はありませんでしょうか。これは気持ちとしては、膵臓がんというのは亡くなるまでに1年とか2年という非常に早いタームの疾患ですので、僅かの期間でも、もし可能であれば治療を継続できればいいという考え方が基本だと思います。要するに、腹腔内の投与はしないけれども、IBのほうは可能にするということですよね。何か意見はございませんでしょうか。
○真田構成員 今、隣の柴田先生にお伺いして解決したことではあるのですが、私はがん領域の専門家ではないもので、これは複数の薬を投与しているうちの評価の対象になる重要な1つの経路がシャットダウンしたときに、そのシャットダウンしたままの治療を継続しつつ、その再開を試みて、再開したら全ての通期について、その治療が継続していることを認めることだと理解しました。今、柴田先生から「これは日常診療でもよく起こり得ることだ」ということを教えて頂いて私は理解したのですが、これを杓子定規に解釈すると、例えば1つのポートが閉じてしまった期間がずっと延びてしまって、1か月といったところが3か月になり半年になったりして、これを半年後に再開したとなったときに、その半年の間はずっと欠格になっている薬の評価を包括的に認めていいのかというところは、専門外の範囲からすると少し疑問に思ったというところです。
 例えば持続静注点滴でお薬を入れているときに、点滴が漏れたから入れ直したというのとは話が違う案件だと思っているので、そういう期間のところに関して、それが常識的に解釈できるものなのかどうかというところが気になりました。
○山口座長 この辺に関していかがでしょうか。藤原構成員から何かありますか。
○藤原構成員 私は違和感なく読めました。
○山口座長 例えばシスプラチンと何か、経口剤を併用していて腎機能が悪くなってきたときに、シスプラチンだけを止めるとか、減量するということはよく行われると思いますが。患者さんからしたら、自分の命が半年というときに、その間はそういうトラブルがあったので一切治療なしというのは、かなりつらい選択ではないかなという気もしますけれども。
○柴田構成員 ポートの閉塞が頻繁に起こり得るかどうかは別として、実際に、この治療を日常診療で行う場合には、そういうトラブルも起こり得るわけで、そういうトラブルで投与量やDose Intensityが下がってしまうということも込みにして治療法の評価をするということは全然変なことではないですし、逆にFull Dose、100%のドーズが入った、結果としてFull Doseが入った患者さんだけを抜き出して有効性の評価をするのは、実際に臨床現場でこれを使ったときに、例えば山口先生がおっしゃるように、副作用で減量するケースであるとか、そういうものを除いた有効性の評価というのは、臨床現場での評価から乖離してしまうので、基本的にはこの評価方法自体は著しく変なことではないかなと判断しました。
○山口座長 ありがとうございました。ほかにございませんか。それでは、これはお認めするということでよろしいでしょうか。それでは、告示番号54の変更についてはお認めするということにいたします。次の実施計画の変更をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-8、65ページを御覧ください。名古屋大学医学部附属病院からの申請です。告示番号74、S-1内服投与、シスプラチン静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法です。適応症は腹膜播種を伴う初発の胃がんです。
 本試験の変更内容です。予定症例数が50例で、現在は42例となっております。主な変更内容の1つは、登録期間の3か月の延長です。このグラフのように3か月で目標の50例を目指したいということです。もう1つは、実施計画書の変更と説明文書の変更です。こちらは有害事象発生に伴うものです。
 経緯は70ページにあります。「変更申請する理由」の2番を御覧ください。化学療法の奏功によって胃がん原発巣及び腹膜播種の縮小から穿孔が生じて、汎発性腹膜炎になって死亡するという事例が発生しました。効果安全性評価委員会の判定は、臨床研究の継続は可能、試験実施計画書の改訂が必要との判断でした。現在、試験中である被験者のうち、抗癌薬投与を中断できないと臨床的に判断される場合は本試験治療を中断した上で、一般診療としての治療継続を検討すべきとコメントされております。今はそのように治療継続中です。今回は、このプロトコール変更の内容等について御意見を頂き、このプロトコール治療の再開について御判断いただきたいと思います。
 68ページの2番に戻ります。プロトコールの変更は、「自覚症状・他覚所見の確認」という追記があります。また、説明文書については、69ページにありますように、本試験において消化管穿孔に伴う治療関連死が1例見られているなど、今回の事案の説明があります。以上です。
○山口座長 期間の延長と説明文書の変更ということですが、ただいまの変更内容について何か御質問、御意見はございませんか。期間の延長については、短い期間延長ですが、これでいけそうな感じではありますので、よろしいでしょうか。説明内容の変更についてはいかがでしょうか。これも特にありませんか。ないようですので、告示番号74の変更についてはお認めすることといたします。
 それでは、次の試験実施計画の変更について説明をお願いします。
(山中構成員一時退席)
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-9、73ページを御覧ください。横浜市立市民病院からの申請です。告示番号80番、ニボルマブ静脈内投与及びドセタキセル静脈内投与の併用療法です。山中構成員におかれましては、御所属の医療機関の関連病院とのことでしたので御退席いただいております。ありがとうございます。
 試験の変更概要ですが、74ページを御覧ください。予定症例数350症例で、現在は1例です。主な変更内容ですが、当直体制の変更で、変更前は内科当直が必須でしたが、今回、内科医による当直又はオンコール体制へと変更したいということです。変更申請する理由ですが、働き方改革の下、長時間労働の是正が進められており、内科医による毎日の当直体制の確保が困難である医療機関も出ている状況で、オンコール体制でも十分な緊急時対応が可能な体制で実施したいということです。以上です。
○山口座長 本変更内容について、何か御意見はありませんか。働き方改革で人手不足になったからというのは、余り言わないほうがいいような気がします。この程度でも安全であるからというのが大きな理由であって、働き方改革を押し付けられたから手を抜くのだというニュアンスになるとまずいと思うのです。オンコールで維持するということと、副作用に対しては、ある程度周知されてきたので、妥当な判断かと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、告示番号80の変更についてもお認めすることといたします。山中構成員、お戻りください。
(山中構成員着席)
○山口座長 続きまして、試験実施計画の変更について事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料3-10、77ページを御覧ください。放射線医学総合研究所病院からの申請です。整理番号83番、直腸癌術後骨盤内再発に対する重粒子線治療です。本技術は、先日、1月の第67会部会において「適」となりましたが、その後に変更申請が提出されましたので、こちらに出させていただいております。
 変更内容については、78、79ページを御覧ください。軽微な点も書いていただいておりますが、5で解析対象集団(FAS)の定義の修正をしております。変更申請する理由の5ですが、変更前は試験治療を全く実施しなかった症例も含まれる可能性があるので、それを不適切と判断して変更したということです。FASの定義の変更に伴い主要評価項目の分母が変わるということです。御審議お願いいたします。
○山口座長 ただいまの変更内容について、何か御意見はございますか。特に5ですが、これは妥当なものとしてお認めしてよろしいでしょうか。では、整理番号83の変更についてもお認めすることといたします。
 続きまして、がん遺伝子パネル検査のプロトコールの必須項目及び基本的な要件について事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料4、81ページを御覧ください。経緯ですが、昨年6月の第54回先進医療会議において、遺伝子パネルを用いた医療技術等を先進医療Bとして実施する際の取扱いについて、こちらの部会において検討を行うこととしてはどうかという提案がなされました。これを受けて、昨年検討を進め、9月の第57回先進医療会議においてその要件の案が了承されました。その後、別の会議体等により検討が進み、「がんゲノム医療中核拠点病院の整備に関する指針」に基づいて、がんゲノム中核拠点病院が選定されました。また、前回の案では、がんゲノム情報レポジトリー(仮称)となっておりましたが、「がんゲノム情報管理センター」という名称に決定しております。
 また先月の部会では、遺伝子パネル検査の試験の審議も始まっておりますので、これらの情報を更新した改定版(案)を作成しました。82、83ページを御覧ください。82ページが変更を反映した版で、変更部分のみを赤字で示したものが83ページです。少し御紹介しますと、5申請医療機関は、最近選定された「がんゲノム医療中核拠点病院」であることとする。協力医療機関は「がんゲノム医療中核病院」もしくは「がんゲノム医療連携病院」であることとするとあります。6ですが、3学会合同のガイダンスも発表されましたので、正式名称にしております。また、「がんゲノム情報センター」に名称が決定したので変えております。7ですが、「第三期がん対策推進基本計画」等が策定され、取得する具体的な情報については、臨床ゲノム情報統合データベース整備事業にて検討された形式等を踏まえ、近々、がんゲノム情報管理センターより示される予定ということです。現時点での変更は以上です。
○山口座長 ただいまの説明について、何か御質問等はありませんか。83ページの赤字の所が要点だろうと思いますが、いかがでしょうか。御存じの方も多いと思いますが、特に御意見がなければ、この案のとおり進めることといたします。
 次に、協力医療機関の追加について事務局より説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料5-1、85ページを御覧ください。これまでに大臣告示されている7つの技術について、協力医療機関から追加申請がありました。
 資料5-2、87~96ページを御覧ください。事務局において、いずれも先進医療を実施可能とする保健医療機関の要件を満たしていることを確認しました。協力医療機関の追加として御了承いただきたいと思います。特に御意見がなければ手続を進めさせていただきます。
○山口座長 それでは、次に継続審議案件の申請の取下げについて、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料6、97ページを御覧ください。整理番号037の技術について継続審議中でしたが、申請の取り下げがありました。取り下げ理由は、「当該技術が保険診療となったため」です。特に御意見がなければ、手続を進めさせていただきます。
○山口座長 よろしいでしょうか。
 それでは、次に先進医療の審議における認定臨床研究審査委員会の位置づけについて、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 資料7、99ページを御覧ください。こちらは、先日の先進医療会議からの報告事項です。背景として、この4月に臨床研究法が施行されます。臨床研究法上の臨床研究に該当するものは、この臨床研究法の遵守が必要となります。特定臨床研究とは、薬機法における未承認・適応外の医薬品等の臨床研究及び製薬企業等から資金提供を受けて実施される当該製薬企業等の医薬品等の臨床研究です。臨床研究法においては、特定臨床研究を実施する研究責任医師に対して、実施計画による実施の適否等について認定臨床研究審査委員会の意見を聴いた上で、厚生労働大臣に提出することを義務付けております。そこで、これらを踏まえ、先進医療に係る審議における認定臨床研究審査委員会の位置づけについて明確化する必要があります。
 対応方針として、現在は院内の倫理審査委員会(院内IRB)で審査を受け、承認された技術が先進医療として厚生労働省に申請され、申請受理後には、先進医療Aについては先進医療会議、先進医療Bについては先進医療技術審査部会及び先進医療会議で審議されております。次のページに図がありますが、臨床研究法の施行後は、臨床研究法の対象となる試験については、院内IRBではなく、認定臨床研究審査委員会において審査するものとし、引き続き、先進医療Aについては申請前と、修正があれば先進医療会議後、先進医療Bについては申請前と、修正があれば各会議後の審査を必要とすることとしてはどうかという案が提出され、承認されました。
 また、臨床研究法に基づく試験を実施する研究責任医師は、これら必要とされる全ての認定臨床研究審査委員会の審査を終えてから厚生労働大臣への実施計画の提出を行うこととするということです。以上です。
○山口座長 何か御質問はありませんか。この図にあるとおりですが、認定臨床研究審査委員会の審査が遅れるということはないのでしょうか。今までは院内でやっていたのでスムーズにいっていたのに、そこで時間が掛かると大変なことになるのではないかと思いますが、やってみないと分からないということでしょうか。
○医政局研究開発振興課長 御心配はあるとは思いますが、ただ、今回の臨床研究法の施行に伴い、この認定臨床研究審査委員会の役割は非常に大きいものがあります。ある程度、質を担保した形で運営していただきたいと思っておりますので、そういう意味で、質を担保するために、若干の時間が掛かるということであれば、そこはしょうがないかと。逆にここの委員会の先生方の負担が減ると、捉えていただければと思っております。
○山口座長 ほかに何かありますか。
○真田構成員 運用面で、少し細かい質問になるかもしれませんが、認定臨床研究審査委員会での審議が始まるということは、中央IRB化されるという観点で、いいと思っていますので、先進医療の申請医療機関と協力医療機関についても一束になって一括審査ができるという認識でいるのですが、そうなると、協力医療機関として追加される施設が同じプロトコールを使って参加される場合には、それはもう承認されている計画なので、いいということなのですか。それとも、追加することを、またそこで審議することになるのですか。
○医政局研究開発振興課長 それは、参加医療機関が増える場合に、どこで審査するかという御質問でしょうか。
○真田構成員 そうなりますが、そこは中央に申請すればそれでいいということで、参加する施設でやらないといけないのは、その施設の施設長がそれを承認することでいいということでしょうか。
○医政局研究開発振興課長 そうなります。ですので、中央で参加を認められれば、残りはプロトコールの審査ではありませんので、その施設の管理者に了承していただければスタートできることになります。
○真田構成員 分かりました、ありがとうございます。
○山口座長 ほかにありませんか。
○山中構成員 4月から認定臨床研究審査委員会が始まりますが、約50個のIRBでは捌ききれないという意見もちらほらあります、やってみないと分かりませんが。実際に、そのような事態が起こっていたとしても、この技術審査部会ですぐに知るスキームがないのです。方々から意見は聞こえてくるかもしれませんが、実態として本当に遅れているのか遅れていないのかは分からないのです。多分、しばらくしたら実際にどれぐらい平均でどのくらい審査に時間がかかったというデータが出てくると思います。特に先進医療に関しては、できるだけ迅速に認定審査委員会等も通過できるようにしてほしいので、審査が混んでいて遅れるというのはよろしくないので、開始からしかるべき時期、例えば1年後とか、そのぐらいに遅れているのか遅れていないのかの調査をしていただけないかなと思うのです。
○医政局研究開発振興課長 基本的には認定臨床研究審査委員会で認定されている数はすぐに報告できますし、それぞれの認定臨床研究審査委員会には大体、標準的にどのぐらい処理に掛かっているのかを公表していただくように、それぞれのホームページに書いておりますので、それは取りまとめて御報告することはできると思います。
○山中構成員 それを例えば1年後とかに、数字を見れば、実際の相場観が分かるので、よろしくお願いします。
○山口座長 ありがとうございました。大変重要な御指摘かと思います。
○上村構成員 確認ですが、多施設で走っているものが多いと思うのです。そうすると、今後は、この4月から認定臨床研究審査委員会が幾つかできてくれば、束ねて中央で審査するということで、それで1つ決着ができる。もう1つは、今、現時点で走っているものについて、平成30年の段階で、各施設のIRBで審査していたものが中央の審査に移るための移行期間があると思うのですが、ここに関しては、どの時点で、現時点で進行している多施設の試験が、これは100%いかなければいけないのですが、確実にいけるということで、予想としてはいっているのですか。確認なのですが。
○医政局研究開発振興課長 確実にいけるかどうかは、それぞれの研究班の頑張りになるかとは思いますが、1年の間に移し替えていただく。ただ私どもも、今実施中のものが止まることがないように、移し替えに当たって基本的に求めている項目については書いてあると思いますが、例えば研究計画書をもう1回新たに書き直さなければいけないとか、同意説明文書も全部、一からやり直さなければいけないとか、そういったことはしなくてもよいということは、通知なりで示しております。また、研究の段階によっては、患者の登録は終了して観察期間だけに入っているようなものについて全部、一からやり直すということは全く求めておりません。基本的には、もう一回認定臨床研究審査委員会に掛けていただくと、これは絶対やっていただくことになりますが、そこに非常に労力を掛けて全部、一からやり直すようなことがないようにしていただきたいということは、通知にもQA等にも出しておりますので、それを見ていただければいいのではないかと思っております。
○山口座長 よろしいですか。確かに、新しく始まったものと、今までの古いものがドサッと来て、同じようにやったらパンクするのは目に見えていますね。それは現実的な対応だと思いますので、よろしくお願いします。ほかにありませんか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議題は以上です。何か全体を通して御意見等はありますか。ないようでしたら、次回の日程について事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 翌4月の開催につきましては、4月20日(金)です。いつもは木曜日ですが、次回のみ金曜日ですので御注意ください。時間は16時から18時までの予定です。場所については別途御連絡いたします。また、本日の議事録につきましては、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開させていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。
○山口座長 それでは、第69回先進医療技術審査部会を終了いたします。どうもありがとうございました。

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