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2023年12月20日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第126回議事録
○日時
令和5年12月20日(水)薬価専門部会終了後~
○場所
日比谷国際ビル コンファレンススクエア8F
○出席者
笠木映里部会長 永瀬伸子部会長代理 飯塚敏晃委員 安川文朗委員 |
松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員 |
茂松茂人委員 太田圭洋委員 林正純委員 森昌平委員 |
守田恭彦専門委員 前田桂専門委員 青木幸生専門委員 |
<事務局> |
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長 |
萩原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他 |
○議題
○令和6年度保険医療材料制度改革の骨子(案)について
○議事
○笠木部会長
ただいまより、第126回「中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は、末松委員が御欠席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
今回は「令和6年度保険医療材料制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
事務局、医療技術評価推進室長でございます。
資料中医協材-1を用いまして「令和6年度保険医療材料制度改革の骨子(案)」について、御説明させていただきます。
まず「第1 基本的な考え方」についてです。
医療技術が高度化・多様化する中で、革新的な医療機器等の開発も加速しており、それらに対する適切な評価が可能な制度について検討する必要があること。また、医療上必要な材料の安定供給のための配慮も求めることなどの背景を記載しております。
「第2 具体的内容」以降、これまで本部会で御議論いただいた個別の論点について、議論の内容を踏まえ、方向性を記載しております。
まず(1)のア、チャレンジ申請についてです。
チャレンジ申請については、新たに保険適用を希望する際に加えて、保険適用されてから一定期間チャレンジ権の付与に係る申請を行えるようにしてはどうかということで、御議論をいただいておりました。
ここでは、その一定期間につきまして、保険適用されてから1年としてはどうかということで、2ページに記載しております。
また、体外診断用医薬品についても、チャレンジ申請の対象とすること、再評価の希望を取り下げる場合においても、それまでの臨床成績等について報告を求めることについて、記載しています。
次に「イ 臨床的な有用性が既存品と同等以上であって費用を削減するような医療機器に対する評価について」です。
こうした医療機器に対する加算を新設することを記載しております。
また「ウ 希少疾病等の検査に用いる体外診断用医薬品等に対する評価について」では、こうした希少疾病用として指定された体外診断用医薬品や、想定される検査回数が少ないコンパニオン診断薬について特別な評価を行うこと。その際は、検査回数が少ないほど配慮する仕組みにすることについて、記載しております。
3ページからは、プログラム医療機器に対する評価についてです。
有用性の評価に関する基準、原価計算の在り方、第1段階承認を取得したプログラム医療機器、保険適用された後の再評価などの観点から、前回の材料部会で御議論いただいた内容をまとめております。
5ページの(2)からは「外国価格調整について」です。
ここでは、新規収載品に関する外国価格調整の比較水準や、外国平均価格の算出方法について、これまでと同様のルールで運用することを記載しております。
6ページの後半から「既存の機能区分等に係る事項」についてです。
(1)は、市場実勢価に基づく価格の見直しです。これにつきましては、これまでの改定と同様に対応することを記載しております。
次に、7ページの(2)になりますが「外国価格再算定について」です。
比較水準について、前回の材料部会で御提案させていただいたとおり、市場実勢価格が外国平均価格と比較して一定程度高い場合に、価格の見直しを行う方式から、保険償還価格が外国平均価格と比較して一定程度高い場合に、価格の見直しを行うルールとすることについて、記載しております。
その際の比較水準については1.3倍としております。
イの「外国平均価格の算出方法について」は、これまでと同様の取扱いとしております。
「(3)保険償還価格が著しく低いために供給が著しく困難となる特定保険医療材料への対応について」でございます。
不採算品再算定の要件のうち「ア 代替するものがない特定保険医療材料であること」について、要望する製造販売業者によるシェアが100%でない場合においても、当該製造販売業者による供給が困難となった場合に、他の製造販売業者が不足分を供給できないと考える場合には、対応することなどを記載しております。
また、その次の段落になりますが、不採算品再算定の対象となった機能区分については、その次の診療報酬改定時における外国価格再算定の対象から除くことで、価格が維持されやすくなる仕組みを設けることを記載しております。
(4)の市場拡大再算定は、技術料についても、薬価や特定保険医療材料と同様に、見直しの基準として100億円、150億円といった金額を設定することを記載しております。
(5)の機能区分の見直し、(6)の激変緩和措置につきましては、これまでの対応と同様の記載としております。
最後に、その他になります。
保険適用の手続について必要な見直しを行うとともに、医療機器の安定的な供給に関する製造販売業者等の対応についても、報告の様式の改正など、必要な見直しを行うことを記載しております。
説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関して、御質問等がありましたらお願いいたします。
茂松委員、よろしくお願いいたします。
○茂松委員
ありがとうございます。
事務局におかれましては、今回の保険医療材料制度改革の骨子案の取りまとめ、ありがとうございました。
これまで、主に医療機器におけるイノベーションの適切な評価や、保険収載の価格の見直しの在り方について、議論を積み重ねてきました。
今回提示されました骨子案におきましては、個別の論点につきまして、これまでの議論の結果を踏まえた方向性が示されていると認識しております。内容につきまして、幾つかコメントをさせていただきます。
まず、チャレンジ申請の見直しにつきましては、保険適用時点から1年を超えない期間であれば、チャレンジ権の取得に関わる申請を行うことができるということですが、今回収載の際には示されていなかった有用性について、評価される機会を拡充するということで、イノベーションの評価にもつながると考えます。
この1年という期間についても、保険適用後に追加で行う臨床試験のデザインの行う期間を考えますと、妥当な長さではないかと思います。
また、再評価の規模を取り下げる場合におきましても、それまでの臨床成績等におきまして、報告を求める対応については、以前から保険適用後の臨床成績が悪い場合でも、それに基づき評価を行うべきと申し上げてきましたので、これはしっかりと運用していただきたいと思います。
次に、プログラム医療機器についてです。
プログラム医療機器を使用することで、臨床成績が明確に改善する場合に評価をすることが重要であり、記載されている方向に異論はございません。
それから、既存の機能分化、機能区分等に関わる事項につきまして、これは質問になります。
外国価格再算定の式について、見直しが提案されております。しかし、以前に提案された案からは、見直しに関する係数も変更されていると思います。この見直しは、どのような考え方に基づくのかということを、事務局に確認をさせていただきたいと思います。
最後に、保険償還価格が著しく低いために、供給が著しく困難となる特定保険料材料への対応についてです。
医療上必要な材料が、安定的に供給されることは大変重要であり、価格の見直しについて必要な対応を行う方向性については賛同いたします。
ただし、個別の機能区分について、価格の見直しを行う必要があるかどうかにつきましては、個社や業界がきちんと情報を提出し、具体的に議論できるようにすることが重要だと思います。
私からは以上です。
○笠木部会長
ありがとうございました。
ただいま、1点、茂松委員から御質問がございましたけれども、事務局からお答えいただけますでしょうか。
○木下医療技術評価推進室長
事務局、医療技術評価推進室長でございます。
ただいま、外国価格再算定における見直しが、どのような考えに基づくのかという御質問をいただいたところでございます。
外国価格再算定における基準につきましては、これまで市場実勢価格が外国平均価格よりも一定以上高い場合に見直しの対象とするため、償還価格よりも実勢価が高いような場合に、償還価格がさらに下がってしまう可能性があり、また、見直す場合の算出式におきましても、実勢価格が高ければ高いほど、償還価格が下がってしまうというものであったために、先月11月の材料部会におきましては、保険償還価格は外国平均価格と比較して、一定程度高い場合に見直しの対象とするという大枠の方式の変更案を提出させていただいてございます。
今回、御質問いただいています、算出式に用いる係数が変更となっている点につきましては、前回の資料におきましては、これまでと同様に1.25倍ということで案を提示しておりました。
比較対象を市場実勢価格から保険償還価格に変更するに当たりまして、保険償還価格は平均すると、市場実勢価格と比較して一定程度高い傾向にあることを踏まえまして、比較水準を用いる係数を前回御提案いたしました1.25から1.3倍ということで、一定程度引き上げるということで、今回御提案をさせていただいたものになります。
御回答は以上となります。
○笠木部会長
茂松委員、今の点、よろしいでしょうか。
○茂松委員
了解いたしました。骨子案を了承いたします。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
そのほかに御発言ございますでしょうか。
それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、事務局にお示しいただきました骨子案に異論はございません。
今回プログラム医療機器の取扱いに関する考え方が整理されたことが、大きな前進だと受け止めております。
薬事制度の二段階承認への対応を含めまして、実際に運用しながら課題を検証することも必要だと考えております。
また、内外価格差や逆ざや、不採算といった課題につきましては、背景となっている要因を今後丁寧に分析する必要があると考えております。
事務局におかれましては、引き続き資料の準備など、よろしくお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。
○笠木部会長
ありがとうございました。
そのほか、御発言、御質問等ありますでしょうか。
それでは、専門委員の方から、もし御意見、御発言がありましたら、お願いいたします。
それでは、守田専門委員、お願いいたします。
○守田専門委員
専門委員の守田でございます。発言の機会をいただき、ありがとうございます。
これまでの御議論、取りまとめ、誠にありがとうございます。4点コメントをさせていただきます。
1つ目は、チャレンジ権申請までの猶予期間についてでございます。
先ほど、茂松委員からも御発言がございましたけれども、今回、本邦で臨床試験を実施する際の困難さに一定の御配慮をいただき、チャレンジ権申請までに1年間の猶予をつけていただきました。
私自身、業務で臨床開発、開発薬事等を担当している肌感といたしましては、1年間は、いささか短いようには感じております。
ただ、今後、実例が出てきた段階で、再検討などをしていただけましたらありがたいのですが、その実例には1年では足りず、断念した事案というのが含まれないということもありますので、実態を把握するのは難しい可能性もあるかなと考えております。
いずれにしましても、今後実例を基に、新たな問題提起がありました場合には、御検討をいただけましたら幸いでございます。
2つ目は、基礎的な医療機器による持続可能性についてでございます。
これまでの御議論の中で、業界から基礎的医薬品と同じような基礎的医療機器に関する提案が出ておりました。全国あまねく同等・同質の医療を提供する本邦の国民皆保険制度を維持する観点から、また、災害、パンデミックなどに備えるという観点からも、一部の基礎的な医療機器について、価格の下支えや医療機関で安定的に使用し続けられる仕組みの整備を行うことについて、今後、業界などから基礎的医療機器の提案があった場合には、御検討いただければと存じます。
3つ目は、いわゆる逆ざやについてでございます。
これまでの議論の中で、医療機関が償還価格よりも高い価格で購入されている場合があるという実態が明らかになってまいりました。
今後、物流の2024年問題もあり、医療機関にしわ寄せが及ぶ可能性が一層高まると推測しております。
実勢価格が償還価格を上回る部分についての議論は、今回の骨子の中に含まれていないと認識しておりますが、今後、改めて問題提起がありました際には、ぜひ御検討をいただけましたら幸いでございます。
最後、4つ目は予見性についてでございます。
議論の中で、償還価格取得の予見性についての議論がございました。本邦では、承認されたもののほぼ100%償還価格がついているという実態も示されました。
一方、企業の立場としては、果たして何点になるのか、どれぐらい加算がつくのかということを、今以上の確度で予見したいと感じているように思います。
これにつきましては、イノベーションを推進する企業の意思決定にも影響する部分でありますので、今後、論点が整理され、企業側から新たな意見陳述等があった場合には、御検討をいただけましたら幸いでございます。
私からは以上です。ありがとうございました。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
そのほかの点、いかがでしょうか。
前田専門委員、お願いいたします。
○前田専門委員
ありがとうございます。
私からも3点ほど、コメントをさせていただきたいと思います。
まず1点目、イノベーション評価の1つであります、臨床的な有用性が既存品と同等以上であって、費用を削減するような医療機器に対する評価、こちらを検討いただきましてありがとうございます。
医療機器は、今回の評価に該当するような製品開発は、以前からもなされてきましたし、むしろ、これは医療機器の、いわば本領発揮の分野ではないかと思っております。
今回、このような評価をいただいたことによって、さらに、医療機器業界が有効性を犠牲にせずに医療費を削減する、このような医療機器開発に、さらに活発に進めるようなインセンティブとなり、結果として、さらによい医療が国民に提供できるようになる、そんな機会として与えられたのではないかと感じております。
2点目は、外国平均価格の再算定についてです。
実勢価格が償還価格を上回る場合の問題を業界が指摘し、それについて、厚生労働省事務局におかれまして丁寧に御検討いただき、最終的に、この実勢価格が償還価格を上回る場合の問題というのは、解消されたものと考えております。
最後に全体を通してなのですけれども、今回の改定につきましては、全体的に業界意見、または専門委員の意見を丁寧に御検討いただきまして、医療機器の特性といったものに配慮をいただいた上で、結論を出していただいたように感じております。
改めまして、丁寧な御議論、御検討にお礼を申し上げます。
以上になります。
○笠木部会長
どうもありがとうございました。
そのほか、御発言、御質問等ありますでしょうか。
事務局からは、特に補足など、ありませんでしょうか。
○木下医療技術評価推進室長
特にございません。
○笠木部会長
ありがとうございます。
それでは、ほかに御質問等もないようですので、本件に関する質疑はこのあたりといたしまして、総会に報告させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○笠木部会長
ありがとうございました。
それでは、そのようにしたいと思います。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡をいただきます。
それでは、本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
<照会先>
保険局医療課企画法令第1係
代表: | 03-5253-1111(内線)3288 |
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