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2023年11月29日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第125回議事録

○日時

令和5年11月29日(水)8:30~

○場所

日比谷国際ビル コンファレンススクエア8F

○出席者

永瀬伸子部会長代理 飯塚敏晃委員 安川文朗委員
松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員
茂松茂人委員 太田圭洋委員 林正純委員 森昌平委員
守田恭彦専門委員 前田桂専門委員 青木幸生専門委員

<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
萩原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器業界からの意見聴取について

○議事

○永瀬部会長代理
 ただいまより、第125回「中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」を開催いたします。
 本日は、笠木部会長が所用により遅れて参加されるため、部会長代理である私、永瀬が司会進行をさせていただきます。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 本日は、末松委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 今回は、関係業界からの意見聴取を行いたいと思います。関係団体として「日本医療機器産業連合会」「米国医療機器・IVD工業会」「欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会」「日本臨床検査薬協会」より意見を聴取したいと考えております。
 それでは、早速、意見陳述に移りたいと思います。
 まず、関係団体の皆様より35分程度でまとめてプレゼンテーションをしていただき、その後に、質疑とフリーディスカッションを行いたいと思います。
 それでは、医療機器4団体より、プレゼンテーションをお願い申し上げます。
○山本医療機器産業連合会会長
 おはようございます。日本医療機器産業連合会会長の山本でございます。本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、産業界の立場から、特定保険医療材料、医療機器医療技術、体外診断用医薬品の3つの分野について、それぞれ意見を述べさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 早速ですけれども、まず、私のほうから特定保険医療材料に関してです。
 お手元の資料材-1を御覧ください。なお、本資料は、医機連、AMDD、EBC、MTJAPAN、AdvaMed合同の資料になっております。
 2ページを御覧ください。
 前回の意見陳述の提案項目と専門部会での検討状況を示しております。多くの提案に対して御検討いただき、感謝申し上げます。
 本日は、同じ項目にて専門部会からの御意見への回答を含めまして、業界の意見を申し述べます。
 3ページを御覧ください。
 前回御報告した物価、エネルギー、光熱費等の高騰状況を最新の情報に更新いたしました。
 図に示しますように、医療機器の原材料、部材の価格高騰は、一旦落ち着いたものの、高止まったままの状況でありまして、医療機器の安定供給において厳しい状況が続いております。
 これに加えまして、物流に関する2024年問題もクローズアップされておりまして、医療機器の安定供給への懸念材料となっております。
 4ページ目を御覧ください。
 前回御報告した不採算の状況を改めて提示しています。不採算製品のある企業は96社、不採算製品は395製品あり、安定供給に懸念のある製品は260製品に及んでいるとの結果でした。
 この状況を踏まえまして、安定供給に関する提案をさせていただきます。
 5ページを御覧ください。
 安定供給の1点目、不採算選定の基準の明確化についてです。こちらも前回提示した調査結果ですが、不採算に陥った395製品のうち、不採算要望を出す予定のあるものは84製品でした。
 この数値は、不採算要望が79機能区分から提出されたとの専門部会からの報告と合致する結果となっております。
 一方で、本調査において不採算であっても、不採算要望の予定がない製品が8割を占めていることから、これに対しての対応が必要と考えております。
 6ページを御覧ください。
 前回の陳述においては、業界より、こちらに示すような不採算選定のア、イ、ウそれぞれについて明確化案を提示させていただきました。詳細は割愛いたします。
 7ページを御覧ください。
 専門部会より、不採算品再算定の選定基準のアに当たる「代替するものがない特定保険医療材料であること」について、各社のシェアの状況との関係性について例示を行う等、より明確化したらどうかとの御意見をいただきました。業界としては賛同いたします。
 なお、アだけでなく、イの保健医療上の必要性が高いこと及びウ、材料価格が著しく低いことについても、引き続き実態を踏まえつつ、明確化することを検討いただけないでしょうか。
 また、もう一点、同一機能区分に属する医療機器のうち、対象患者や対象疾患が一致しないため、医学的に一部の製品のみが適用となることが考えられる場合については、機能区分の細分化を行った上で、価格の見直しを行うこととしてはどうかにつきましても賛同いたします。
 8ページを御覧ください。
 安定供給の2点目、安定確保が求められる医療機器への対応についてです。
 医療機器の安定供給のため、下支えの制度に関する提案となりますが、専門部会より医療上の必要性が高いにもかかわらず、供給が著しく困難で十分償還されていないとされたものについては、価格を一定程度維持するような仕組みを導入することを御指摘いただいております。
 業界としても、ぜひ安定供給のための仕組みの導入をお願いしたいと思います。
 その際には、医療機器の機能区分制度としての特徴を踏まえた仕組みとなるように御配慮をお願いしたいと思います。
 9ページを御覧ください。
 安定供給の3点目、原材料・部材価格等の高騰への対応についてです。前回提案した内容をまとめたものになります。
 特材の医療機関への販売価格は、償還価格が上限目安となるため、価格転嫁が難しいところですが、各値上げにより安定供給を確保したとしても、基準材料価格改定の原則により、改定前の価格を超えることができないため、結果的に価格への転嫁は十分に反映されない制度となっています。
 実勢価格調査による改定価格の算出結果が、改定前の償還価格を超える場合には、改定前の償還価格を超えた算出結果が改定後の基準材料価格となるよう、制度の変更を希望します。
○小川米国医療機器・IVD工業会会長
 米国医療機器・IVD工業会会長の小川でございます。
 それでは、10ページを御覧ください。
 安定供給の4点目、外国価格調整の見直しについてです。
 新規収載品に関わる外国価格調整の比較水準及び外国平均価格算出方法についての論点が、先日の材料専門部会にて示されました。
 製品の流通や供給状況等が海外と異なることなどを踏まえると、新規収載品を導入する際の比較水準である1.25倍を見直さないこと及び適切な価格比較となっていない外れ値除外ルールの廃止を希望いたします。
 続いて、11ページを御覧ください。
 償還価格を市場実勢価格が上回る、いわゆる逆ざやの問題に対する見直しが、11月の材料専門部会で提案されました。
 これは、逆ざやの場合に起こる計算上の問題を解決するために提案いただいたものと承知しております。
 ところが、見直し案の2は、逆ざやの区分については、適切な取扱いになると思われますが、逆ざやでない機能区分の再算定のインパクトがかえって大きくなる可能性や、その結果として、さらなる逆ざや区分の増加などが懸念されます。
 したがいまして、資料の中段にあるとおり、部会での委員からの御指摘も考慮して、本見直しは逆ざやの詳細の状況を十分に把握した後に、改めて制度を検討することを希望します。
 なお、仮に案②を採用するのであれば、消費税の取扱いを考慮して、比較水準を現在の1.25倍から1.44倍に変更すべきと考えております。
 現在の比較水準の算出には、消費税が含まれていないと理解しております。消費税が含まれている償還価格に変更するのであれば、比較水準も消費税分だけ引き上げる必要があると考えます。
 加えて、償還価格は市場実勢価格と平均乖離率分の金額差分があります。
 よって、償還価格を用いるのであれば、この差分を補正する必要があると考えており、ここでは、仮に過去3改定分の平均乖離率から算出した、4.6%という数字を用いて比較水準を算出しております。
 12ページを御覧ください。
 逆ざや問題の見直しに追加して、既収載品に対する外国価格による再算定は、継続して廃止を希望いたします。
 なお、速やかな廃止が難しい場合においては、比較水準の見直し、総価平均による外国価格比が1倍以下である場合の引下げは行わない、引下げ上限の緩和及び外れ値除外ルールの廃止を希望しております。
 13ページを御覧ください。
 安定供給の5点目、新規収載品の基準材料価格の算定ルール見直しについてです。
 外国平均価格比が0.5倍以下の場合に、原価計算方式で算定希望することができるルールに、海外未発売の製品は適用されませんので、相応の救済ルールを希望いたします。
 14ページを御覧ください。
 8月の材料専門部会において指摘された、提示以外の事例については、現時点では確認できておりません。
 製品開発段階で、類似機能区分での予想価格では、製造コストとは見合わないため、開発自体を諦めることがあると聞いているために、製品開発そのものも影響し得るというルールになっております。
 15ページを御覧ください。
 7月及び11月に開催されました材料専門部会における安定供給についての提案に対し、私ども医療機器業界としても安定供給の確保を目的とした、新たな仕組みの構築に協力したいと考えております。
 16ページを御覧ください。
 イノベーション評価の1点目、チャレンジ申請についてです。
 材料専門部会にて提案いただいたとおり、保険適用後の一定期間において、チャレンジ権を習得できる制度に賛同いたします。
 その上で、一定期間は3年間が適当だと考えております。次のページで期間についてのイメージを提示いたします。
 17ページを御覧ください。
 チャレンジ権を申請する際に必要な臨床研究計画のためには、プレリミナリーな臨床研究の実施やアカデミア等による研究からの臨床データが必要となり、これらの実施には、短く見積もっても3年程度は必要と考えています。
 なお、薬事の使用成績調査の期間は、原則3年とされていることから、チャレンジ権取得が可能な期間を3年とするのには、一定の合理性があると考えております。
 次に18ページを御覧ください。
 イノベーション評価の2点目、医療費削減効果による価格調整についてです。医療機器業界として、これらにお示しするとおり、効率性等の改善により、費用を削減するような画期的な医療機器の新たな評価を希望しておりました。
 19ページを御覧ください。
 10月の材料専門部会においてその在り方について検討することを提案いただいております。医療機器業界としても、本提案に賛同いたします。
 特材についての説明は、以上となります。ありがとうございます。
○永瀬部会長代理
 ありがとうございました。
 一通りの御説明をいただきましたので、これより質疑及びフリーディスカッションに移りたいと思います。
 それでは、いかがでしょうか。
 では、茂松委員、お願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 部会長、まだ、業界のほうからヒアリングが続きますので。
○永瀬部会長代理
 失礼しました。
 よろしくお願いいたします。
○山本日本医療機器産業連合会会長
 それでは、続きまして、医機連の山本より、医療機器、医療技術について、医機連、AMDD、EBC、3団体の合同意見を述べさせていただきます。
 お手元の資料材-2になります。2ページを御覧ください。
 本日は、プログラム医療機器等の保険上の評価を中心に、一部医療機器、医療技術のイノベーション評価との横断的な論点と併せまして、11月17日の材料部会の論点に対する業界の意見。
 8月30日の材料部会での御指摘いただいた点に対する回答を申し述べます。
 3ページを御覧ください。
 11月17日、材料部会の論点のうち、プログラム医療機器の評価に関する基準についてです。
 そのときの資料のページ22、23に挙げられました整理・明確化については、基本的に賛同いたしますが、一部御高配いただきたい点がございます。
 新規技術、または関連技術の技術料の加算として評価されるものについて、その評価方法、予見性のさらなる向上及び医療従事者の労働時間が短縮するようなものへの加算としての評価については、後ほど具体的に御説明いたします。
 特定保険医療材料として評価されるものについては、除外される新規技術と一体的である場合への該当性など、事例収集と類型化に御配慮をお願いします。
 特材として評価されるに当たり、使用に係る指導管理の評価を別途設けることについては賛同いたします。
 4ページを御覧ください。
 A1、A2、B1で申請されるものについて、当面の間、保材専で審議を行うことについては、基本的に賛同しますけれども、通常のA1、A2、B1の審査より時間がかかることで、患者アクセスが阻害されないよう、審査期間の短縮化に御配慮くださいますようお願いいたします。
 5ページを御覧ください。
 プログラム医療機器における原価計算等の在り方について、総じて賛同いたします。
 1点、中段の必要な費用として計上する範囲は、薬事承認によって認められた性能に基づく機能を提供するために必要な費用については、まさに整理をいただいたとおりで、OSやクラウド更新、サーバー保守費用、サイバーセキュリティ対応など、薬事承認上の性能機能を提供するために、継続的に必要になる費用が原価計算上含まれることに御留意をお願いいたします。
 6ページを御覧ください。
 二段階承認の考え方に基づく第一段階承認を取得したプログラム医療機器については、全て賛同いたします。
 7ページを御覧ください。
 保険適用されたプログラム医療機器の再評価について、薬事上の使用目的または効果や、機能区分が変更となる場合以外でも、再度保険適用希望書を提出できることについて、また、保険適用されていない範囲のチャレンジ申請を行う場合に、保険外併用療養費制度を活用できるよう、中医協総会に検討を求めることについて賛同いたします。
 下段のチャレンジ権の付与等について、別途ワーキンググループにおいて検討を行うことについても賛同いたしますけれども、早期の患者アクセスや企業の意見表明の機会などに御配慮くださいますよう、お願いいたします。
 8ページを御覧ください。
 保険適用期間が終了した後に、患者の選択によって、患者自ら使用するプログラム医療機器を用いた診療を継続する場合を選定療養に位置づけることについて、中医協総会に検討を求めることについて賛同いたします。
 9ページを御覧ください。
 新規技術、または関連技術の技術料に対する加算として評価されるプログラム医療機器について、評価方法(予見性)のさらなる向上に関する業界の意見を申し述べさせていただきます。
 背景・現状としまして、本件は7月26日の保材専からの意見でも重要性が指摘され、業界としても、前回改定より要望しているテーマです。
 医療機器のうち、特材については、平成26年の保材専提案があって、同年の厚労科研事業で、その評価軸や評価係数などが整理されております。
 提案として、医療機器のうち、新規技術または関連技術の技術料に対する加算として評価されるプログラム医療機器についても、特材での整理に準じ、評価軸や評価係数などを整理いただけないか御検討をお願いいたします。
 10ページは、特材の定量的評価に関する研究の事例を示しております。
 医薬品と比較して、医療機器は、使用者の技術と密接に関連しており、患者に対する直接的な有用性だけでなく、複雑な手技が簡単にできるようになるとか、時間が短縮化するなど、異なった観点での有用性があり得ることなどを背景に、研究班にて評価軸、評価係数などが整理されております。
 11ページを御覧ください。
 医療事業者の労働時間が短縮するようなものに関する加算としての評価について、11月17日の材料部会で、それのみでは原則として加算としての評価は行わないとの案についてですが、背景現状としまして、①、勤務医の働き方改革の推進について、タスクシフト等への技術料の新設・増点が進められてきたこと。
 ②、他方で、人員の配置困難など、いまだ課題は残ること。
 ③、特材としての評価されるプログラム医療機器では、通常の特材に準じ、時間短縮に関する評価軸が設定されていること。
 ④、諸外国の公的保険制度でも、医療者の負担軽減を評価軸に、制度的に後押しする動きがあることなどが挙げられます。
 提案としまして、人的配置による医師の負担軽減を補完する観点、患者へいち早くイノベーション技術をお届けする観点からも、技術包括のプログラム医療機器についても、技術料での加算とする評価軸を設定いただきたく存じます。
 12ページは、働き方改革への診療報酬での制度的後押しの例として、病棟薬剤師へのタスクシフティングに関する技術料の新設、増点の例を挙げております。
 左上、平成24年に新設され、左下、令和2年改定で増点されましたが、右上、直近の調査でも、人的配置が困難など、課題が残っている状況です。
 右下は、医師の働き方改革に関する検討会の資料からの引用で、手術に代表される医師でなければ行うことができず、タスクシフト等では削減できない時間とされている診療行為の時間削減に寄与するプログラム医療機器について、評価軸を設定いただきたいと考えているところです。
 13ページは、前述の特材の定量的評価に係る研究で整理された、特材では、時間短縮に関する評価軸等が設定されていることをお示ししたものです。
 14ページは、英国NICEが、AI技術を活用した輪郭描画の補助技術について、9種類のAI技術の使用を奨励するとする暫定ガイドラインを出した例を示したものです。
 左上の小さな表で恐縮ですけれども、評価項目の1つアンメットニーズと潜在的価値として、所要時間短縮、医療者の負担軽減が示されております。
 15ページは、患者様の不利益解消にも貢献し得るとして、8月30日の意見陳述でお示しした内容です。
 16ページから18ページは、医師の働き方改革への寄与の対象となり得る製品の例を3つほど挙げさせていただきました。
 19ページを御覧ください。
 ここからは、前回8月30日の意見陳述の際に、委員の方々から御指摘いただいた点に対する回答になります。
 1点目は、医療従事者の労働時間を短縮させるプログラム医療機器については、人件費削減や短縮された時間で別の診療行為を行える、まさに、医療機関にとってのメリットであり、なぜ保険点数として評価しなければならないのかという御指摘についてです。
 医師の働き方改革の推進に際し、タスクシフトなど、医療機関にとってのメリットである施策に対し、技術料の新設や増点といった保険点数の評価がなされており、猶予期間終了をめどに、いまだ人材配置の困難さなどの課題も残っているものと受け止めております。
 医療機器で特材として評価されるものについては、時間短縮への貢献に関する評価軸が設定されております。
 ついては、技術料包括のプログラム医療機器についても、時間短縮への貢献に係る保険点数の評価軸の設定をお願いするところです。
 20ページを御覧ください。
 技術料包括の医療機器の予見性向上に関して、技術そのものの評価と、機器自体の評価について分けた形で、可能な限り見えるようにデータを示せないかとの御指摘についてです。
 まず、アウトカムを評価する場合を考えると、技術と機器との関係が一体的であって、不可分の関係で生ずるアウトカムをそれぞれ切り分けて評価することは困難で、アウトカムの対価である技術料自体を評価する形がシンプルで分かりやすいのではないかと考えております。
 技術と機器のコストで評価する場合、特に機器のコストについては、個別企業の製品の価格構成など、企業秘密を含み得ることから、業界団体としましては、データを収集してお示しすることは難しい状況です。
 このコストに関する情報は、新技術に該当する医療機器の保険適用希望書で提出されることがありますので、行政または保材専に事例が集積されるものと受け止めております。
 21ページを御覧ください。
 プログラム医療機器の二段階承認に対応した保険制度への提案に対し、具体的にどのような製品のことを考えているのかとの御質問をいただいた件についてです。
 幾つかの個別製品の事例を挙げて、次のページ以降で御説明させていただきます。
 22ページは、第一段階承認を取得したタイミングで、保険外併用療養費制度を活用することも想定した事例として、鬱病の治療補助プログラムを参考に事例を挙げさせていただきました。
 二段階承認を取得するには、鬱病症状の改善、寛解状態の維持について、治療成功を示す臨床試験等の成績を提示する必要がありまして、それ以前の段階、例えば、鬱病に伴う一部の症状、睡眠障害や腰痛、肩こりなど、限定的な症状の改善を探索的試験の結果で示した場合などは、一次段階の承認を取得し得ると考えられます。
 この段階で、A1、A2区分で申請し、既収載の技術に包括して保険収載されること、もしくは保険外併用療養費制度の活用が可能になるものと考えております。
 23ページも同様に、第一段階承認のタイミングでの保険外併用療養費制度活用の想定事例で、CT画像を活用した放射線治療計画支援プログラムを挙げております。
 第二段階承認を取得するには、線量計算精度の向上について、臨床的エビデンス等を提示する必要があり、それ以前の段階、例えば臓器等の輪郭の作成機能について、機械的性能等の成績を示した場合などは、第一段階の承認を取得し得ると考えられます。
 この段階で、A1、A2区分で申請し、既収載の技術に包括して保険収載されること、もしくは、保険外併用療養費制度の活用が可能になるものと考えております。
 24ページは、保険適用期間満了後に、保険外併用療養費制度を活用することも想定した事例です。
 現在、保険適用されている高血圧治療アプリの場合、初回の使用日に属する月から起算して6か月を限度として保険適用されておりまして、その後も使用される場合に、保険外併用療養費制度の活用を想定し得ることをお示ししております。
 以上であります。よろしくお願いいたします。
○永瀬部会長代理
 ありがとうございました。
 それでは、引き続き、中医協材-3のほうの御説明をよろしくお願いいたします。
○小野日本臨床検査薬協会会長
 日本臨床検査協会の小野でございます。
 本日は、このような場をいただき、ありがとうございます。
 臨薬協、EBC、AMDDからの共同提案として発表いたします。
 材-3の資料の2ページ目を御覧ください。
 有用性の高い検査を持続的かつ安定的に患者、医療現場に提供し続けるため、AからCについての意見を述べます。
 3ページを御覧ください。
 体外診断用医薬品は保険適用希望書作成に当たり、積上げ方式にて点数計算を行っていますが、特材のような画期性加算等の仕組みがありません。
 答申書附帯意見でも言及されていましたとおり、検査の適切な評価の在り方を検討する時期に来ていると考えております。
 4ページを御覧ください。
 そこで、検査に対してもイノベーション評価システムを導入することを提案します。開発モチベーションを維持し、医療に貢献していくため、重要と考えています。
 5ページを御覧ください。
 その中でも特に医療的アンメットニーズである、検体が少ないことが想定される項目の開発・上市を推進するため、市場性評価を行うことを要望します。
 医療的に重要と思われる検査項目であっても、検体数が非常に少ない項目については、企業が開発をちゅうちょ、断念する場合があることから、それら製品開発を推進するため、市場性に対する加算の創設は非常に重要と考えます。
 6ページを御覧ください。
 これらは、実際に開発がちゅうちょ、断念されている事例となります。
 7ページを御覧ください。
 10月27の材料部会において、コンパニオン診断について製薬企業との連携など、実態や課題についての御質問をいただきましたので、それについて御説明いたします。
 まず、コンパニオン診断について説明させていただきます。
 コンパニオン診断は、医薬品の適用判定に必須の検査であり、現行の保険診療においては、薬事承認上規定されているコンパニオン診断と、薬剤の最適使用推進ガイドラインで指定された検査として運用されている、いわゆるコンプリメンタリー検査の2つがあります。
 コンパニオン診断は、原則患者1人当たり1回の検査であり、また、薬剤の適用患者に依存することから、検査対象が限定されるため、希少検査となりやすい傾向があります。
 8ページを御覧ください。
 コンパニオン診断の現状と課題です。コンパニオン診断の開発においては、契約ベースで製薬企業から開発支援を得られる場合が多いですが、上市後については、各国の償還制度の違いもあり、基本的に供給体制維持に関する支援を受けることはなく、診断や企業単独での収益体制が求められます。
 しかしながら、上市後も品質保証体制や検査実施体制を維持するなど、運用コストが必要であり、対象患者や測定回数が限定されるため、希少検査となってしまうコンパニオン診断については、製品の販売収益では、供給体制を維持するのが困難な状況となっております。
 もし、供給できなくなると、医薬品の投与機会の喪失、すなわち患者の不利益となってしまいます。
 このような現状を踏まえ、御検討をよろしくお願いいたします。
 9ページを御覧ください。
 現在、材料部会において議論いただいている市場性加算についての議論の方向性については、我々は賛同いたします。
 10ページ目を御覧ください。
 体外診断用医薬品においても、収載時には医療アウトカムに対するエビデンスが不十分であり、収載後にデータを集積することで、エビデンスを確立できる場合があります。
 そこで、医療機器のC2チャレンジに準ずる形で、技術料に包括される体外診断用医薬品においても、イノベーションを適切に評価し、よりよい検査の開発につなげる観点から、チャレンジ申請の制度を設けていただけないかという提案です。
 11ページを御覧ください。
 現在、材料部会において議論をいただいているチャレンジ申請についての議論の方向性については、賛同いたします。
 12ページを御覧ください。
 保険適用審査の適正化として保材専待ちの解消を要望いたします。
 現状診療報酬改定前の1月から3月は、保材専が開催されておりません。また、審査枠に限りがあるため、特に改定直後は非常に混み合い、数か月待たされることもあるという状況で、有用な検査が医療現場に届くのが遅れ、患者の不利益につながります。
 一方、開発企業においても保険適用時期が予見できないことから、事業性の見通しがつかめず、事業を断念するケースもあります。
 そこで、この保材専待ちの状況を緩和するための対策を検討いただけないかという御提案です。
 例えば、保材専での審議が必要な案件の整理により、審査機関の予見性を向上させていただきたい。
 具体的には、区分E2のうち、内容が軽微な変更にとどまる場合に実施されているE2軽微の明確化をお願いいたします。
 13ページ目に、E2軽微のフローをお示ししております。保険適用希望書の受理後、測定方法のみが新しい品目化などの該当性基準により、内容が軽微な変更にとどまると判断された場合には、医療課ヒアリングが省略され、保材専での報告により保険収載となります。
 14ページ目を御覧ください。
 現在、材料部会において議論いただいている本件に関する論点の方向性については、賛同いたします。
 15ページ目を御覧ください。
 その他、検査を取り巻く課題について記載しております。悪性腫瘍遺伝子検査に対する諸問題、今年改定された薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの実効性を高めるため、抗菌薬適正使用を目的とした、患者アウトカム向上に資する迅速な薬剤感受性試験や耐性試験などに関する提案。
 さらに、今後ますます需要が高まると考えられ、在宅医療学会臨床検査専門医会の先生方と協議・検討しております、POCT検査に対する提案等となります。
 参考資料の20ページ目以降に、詳細な内容を記載していますので、後ほど御一読のほど、よろしくお願いいたします。
 体診業界3団体からの要望は以上です。
 革新的な体外診断用医薬品を開発し、医療現場へ早期の導入を行い、さらに持続的、安定的に供給し続けるということは、診断薬業界の使命と考えております。
 そのための方策を、今後も継続的に御検討いただきますことを重ねてお願い申し上げます。
 以上でございます。
○永瀬部会長代理
 どうもありがとうございました。
 それでは、3つの資料に基づく説明を一通りいただきましたので、これより質疑応答及びフリーディスカッションに移りたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
 では、茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
 関係業界からの御意見、どうもありがとうございました。その上で幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、材-1の7ページでございます。
 医療機器の供給は、様々なパターンがあり得ることは理解いたしました。その意味で、これだけで全てが網羅されているとお考えでしょうか。また、例えば予期せぬ設備トラブルに新たな投資が必要になる場合、そもそもトラブルが起こらないように業界として取り組むことが重要だと思います。
 業界として、このようなトラブルが起こらないために、どのような取組を行っておられるのかを教えていただければと思います。
 その次は、11ページでございます。
 突然、これまでの議論の線上にない倍率が提示されております。消費税の問題ということがございますが、どのような趣旨、議論でこの提案に至ったのか、今一度確認をさせていただいてもよろしいでしょうか。
 また、今回の見直しにより、比較元を実勢価格から償還価格に変更した場合は、新規収載品の価格調整ルールに近づくものと思います。新規収載品の比較水準が1.25倍であるのに、既収載品だけで水準を上げる必要があるのか、その理由についても教えていただければと思います。
 また、14ページでございます。
 原価計算方式ではなく、類似機能区分比較方式で評価がなされるような医療機器につきまして、外国平均価格の0.5倍以下となる場合に限り、例外的に救済的なルールがあると理解しております。
 しかし、外国未発売のものについて、本来は、類似機能区分比較方式で値づけがされるものであるにもかかわらず、外国未発売であるというだけで、原価計算にするほどの価値があるというのは、その有効性等について、どのように担保されるとお考えでしょうか。お聞かせいただければと思います。
 また、チャレンジ申請でございます。17ページでございます。
 保険適用されてからチャレンジ権を取得するまでの期間について、使用成績調査の調査期間が3年程度あることから、臨床データの収集に必要な期間として3年を希望されておられます。
 9月の本部会の議論でもあったとおり、チャレンジ申請は、本来的には、開発の段階で追加的な有用性が想定されているものについて、チャレンジ権の獲得後にデータを収集して再評価するという趣旨と理解しております。
 データ収集に3年かかる、チャレンジ権の獲得に3年かかるというのは、趣旨が少し異なるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 25ページには、チャレンジ申請を行って、悪い結果が出た場合でも、結果の引下げを受け入れるという意見が書かれております。今回の御提案を踏まえますと、データを収集して、いい結果が出た場合のみチャレンジ申請を行えるようにしたいという内容に見えるのですが、この点はいかがでしょうか。
 それから、プログラム医療機器材-2でございます。3ページでございます。
 医療従事者の労働時間を短縮させるようなプログラム医療機器に対する評価につきましては、これまでも中医協で、その分の人件費を削減できることや、効率化により、多くの患者さんの診療ができることなど、医療機関側のメリットが既にあるのではないかという議論がなされました。
 一方で、販売側の実態として、そうしたメリットを十分に医療機関に打ち出されているのでしょうか。もし、そうしたことを医療機関にアピールできないとすれば、それはどういった理由からなのでしょうか、お聞かせをいただければと思います。
 最後に、市場性評価について、これは、体外診断用材-3でございます。8ページ前後でございますが、コンパニオン診断薬の開発から供給について詳細に教えていただきました。ありがとうございました。
 これを見ますと、価格の問題だけでなく、製薬企業との協力体制など多岐にわたっております。
 そこで、医薬局あるいは医政局の事務局にお聞きしたいのですが、価格以外のサポート体制はどのようになっているのでしょうか。その辺をお聞かせいただければと思います。
以上です。
○永瀬部会長代理
 ありがとうございました。
 非常にたくさん質問がありましたけれども、このまますぐに質問の回答をよろしいでしょうか。
 では、よろしくお願いいたします。
○山本日本医療機器産業連合会会長
 まず、最初の材-1の7ページ、先ほどは2つ御質問がございましたでしょうか、投資の話と、もう一つは、申し訳ありません。
○茂松委員
 トラブルの問題です。
○山本日本医療機器産業連合会会長
 トラブルの問題ですね、分かりました。
○茂松委員
 それと、いろいろなものが出てきておりますが、それで全てを網羅しているかと。
○山本日本医療機器産業連合会会長
 全てを網羅しているかということですね、分かりました。
 まず、設備トラブルの件なのですけれども、当然のことながら企業ですので、想定されるトラブルということに関しては、計画的に投資ということはやっています。
 特に、例えば、定期点検だとか、そういうことに関しては、いつもやっておりまして、なおかつ、それに対する予算みたいな話というのは立てながら進めているというのが実情であります。
 ここで予期せぬという言葉、これが多分問題になるかと思いますけれども、予期せぬというのは、あまりいい例かどうか分かりませんが、地震とかで、本当に全然使えなくなるようなケース、こういうことがあった場合にどうするかという話を想定していると思っていただければいいと思いますけれども、例えば、それは極端な例ですけれども、そういう場合に投資をするといったときに、現行の価格でそのまま大きな投資をしていくと、場合によっては、投資回収ができないという議論が企業の中で起こりまして、この場合に、例えば、株主に対して、そういう投資のことをやるわけですけれども、そこが投資できないということは、継続ができないという形まで持っていかないといけないケースが出てくるということまで想定して、書かせていただいております。
 ということで、通常のことに関しては、通常の機械が壊れてしまうとか、そういう話に関しては、予期せぬというつもりではなくて、そういうことで御理解をいただければと思っております。よろしいでしょうか。
 それから、もう一つは、全体的に、これで大丈夫かというか、これで全部挙げられているかということに関しては、ここに書いてあることで全部カバーしていると考えております。
 6ページ、7ページの辺りに関しては、以上であります。
○小川米国医療機器・IVD工業会会長
 御質問ありがとうございます。
 ページ11の倍率のお話だったと思うのですが、こちらは、現在の既収載品に対する償還価格改定の場合の計算式のものと比較して、今回御提示いただいたものは、かなり現行のものと差があるので、現行のものと同じにしていただきたいというのが基本的な希望の内容でございます。
 今、税込みである償還価格に対して、外国価格比で割り算をして1.25倍を掛けているので、ここで消費税が、現在の中では取り込まれておりますし、実際に比較されているのは償還価格ではなくて実勢価格ですので、乖離率がそこで抜けているので、その乖離率と補正を入れていただきたいというのが趣旨になっております。
 この新しい御提案ですと、より償還価格が下がるほうにドライブがかかるような計算式になっておりまして、逆ざやが発生する環境ができ上がってしまうので、医療機関に対する負担等が増えるリスクがあると考えているので、御提案している次第でございます。
 ページ13のところは、外国未発売プラス新規性と有用性がないと、これの対象にはならないと考えております。
 新規性、有用性については、通常のプロセスで行政の方あるいは保材専等で評価をいただくので、そちらの新規性、有用性があるもので、外国未発売のものは対象だと御理解いただけるとありがたいです。
 それから、ページ17のチャレンジ申請ですけれども、医療機器の場合は、承認を取るまでの間に、臨床研究等をやらずに承認が出る場合がかなりありますので、いわゆるデータを持たない状態で発売するケースがかなり多いです。
 それと、物によりましては、手術等で使ってすぐに結果が出るものではなくて、その後、経過をもって、有用性が証明できるような材料もかなり含まれておりますので、この3年間のチャレンジ申請の猶予期間というのを設定していただきたいという希望を挙げている次第でございます。
 以上、お答えになっていると思いますが、よろしいですか。
○須賀日本医療機器産業連合会機器保険副委員長
 続きまして、プログラム医療機器に関する御質問について、医機連の須賀から回答をさせていただきたいと思います。
 先ほど、3ページについて、先生から御質問をいただいたと思います。
 人件費の削減ですとか、効率化といったメリットのあることについて、販売のときに、そのメリットを打ち出しているかといった御質問と受け止めました。
 これにつきましては、あくまでも一般論ではありますが、当然製品の特徴として、各社アピールはさせていただいていると思われます。
 一方で、それを踏まえまして、例えば予算等を踏まえて、医療機関が御判断いただいているというのが実態だと受け止めております。
 以上でございます。
○永瀬部会長代理
 そうしますと、最後に、体外診断薬についての質問、コンパニオンについての質問があったと思いますけれども、これについても、お願いします。
○鶴田医療機器政策室長
 医療機器政策室長です。
 コンパニオン診断のところについて、様々な課題があり、国としてどのようなサポートをしているのかということについて、御質問をいただきました。
 医療機器政策室において、保険適用を希望する企業の事前相談を受ける仕組みを設けております。相談を受ける際に、保険の話だけではなく、薬事の話であるとか、安定供給の話であるとか、様々な相談を受けることがあります。
 その場合に、個別に担当する部署とも連携しながら、対応させていただいているのが、現状であります。
 以上です。
○永瀬部会長代理
 よろしいでしょうか。
○茂松委員
 ありがとうございました。納得をいたしました。
○永瀬部会長代理
 それでは、ほかに質問などございますでしょうか。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 各業界からの御説明、どうもありがとうございました。非常に勉強になりました。それを踏まえまして、何点かコメントと質問をさせていただきたいと思います。
 まず、資料の材-1、特定保険医療材料についてでございますけれども、安定供給の確保に向けて、不採算が課題であるということは御意見として承っております。
 それで、前回、この点についても質問いたしまして、調査をしていただきまして、資料の21ページ、22ページで御回答をいただいたことに関しては、感謝申し上げます。
 率直に申し上げまして、推計値であっても不採算製品の比率が10%というのは、想像よりも少し多いかなという印象を受けましたけれども、この10%に至った、単純に言うと、分母分子か、説明資料だと少し分かりにくいものですから、もう少し御説明をいただきたいというのが1つ目でございます。
 また、製品のカテゴリーとして、整形外科のインプラントや、カテーテルが多いということでございますけれども、こうしたことが起きるというのは、素材価格の影響を受けやすいということが原因なのか、あるいは単純に価格競争が厳しいということなのか、この辺の原因、背景等について御説明いただきたいということが、2つ目の要望でございます。
 この2つ目の要望をいたします理由でございますが、7ページにありますように、保険医療上の必要性が高い製品や、代替するものがない製品が供給できない状況は避けるべきとは考えておりますので、その場合、不採算品再算定の選定基準を明確化する観点からも、不採算に陥った要因を、もう少し細かく説明いただきたいということでございます。
 続きまして、資料の22ページに、価格転嫁ができた製品と、できなかった製品については、情報収集できていないということでございますけれども、もし何か追加で口頭説明がいただけるのであれば、お願いしたいということでございます。
 続きまして、資料の材-2、プログラム医療機器についてでございます。
 これは、先ほど茂松委員からもありましたけれども、特に19ページ、20ページ辺りの御回答によりますけれども、労働時間の短縮は、やはり医療機関のメリットですので、技術料で包括評価されている場合、企業にとっては価格交渉が有利になり、それに伴ってシェアの拡大、あるいは売上の拡大につながる側面もあると思います。
 15ページの御提案を含めて、保険財源を使って評価することについては、保険者としては、単純に賛同しかねることについては、御理解いただきたいと思います。
 また、20ページにございますが、技術の評価と製品の評価について、企業秘密を含み得ることを十分理解しますが、傾向のようなものでも何らか情報をいただけるように、引き続き、御検討を賜りたいと思います。
 それで、1つ質問でございますが、5ページの原価計算に関するところなのですけれども、賛同すると、下に必要なOS、クラウド更新等の費用については云々という表現があるのですけれども、これが、基本的なこの製品そのものに直接的に関わる費用ではなくて、多分、いろいろなものに付加されるものを配付するという基準があろうかと思うのですけれども、そういったものは、どこかの団体とか、算定ルールの中で決められているものなのか、それとも各社個別なのか、その辺について少し御説明をいただければと思います。
 続きまして、材-3でございますけれども、先ほど御質問もありましたけれども、コンパニオン診断のサポートについて、普通ペアで使うものは、片側だけサポートされて、片側だけされないというのは、若干理解ができないという感じがいたします。
 私も製造業に身を置いておりましたので、普通ペアで動くものであれば、企業が別であっても、その2つの企業体がペアリングを結んでやってくのが普通ではないかと思うのですけれども、それがなかなかならないという個別の事情があれば、教えていただきたいと思います。
 私からは以上になります。
○永瀬部会長代理
 ありがとうございました。
 それでは、早速、御回答をお願いいたします。
○山本日本医療機器産業連合会会長
 まず、質問をありがとうございます。
 材-1の21ページ、22ページの辺りの話でして、全体が分かりにくいという話だと思いますけれども、ここに示しましたとおり、まず、今回の件というのは、企業回答による総製品の数というのは入手しておりませんで、データベースがありますので、そこから一応我々で算出しているところであります。
 特材の総製品数というのは、データベースでいうと20万件あるというのですけれども、これは製品の、例えば同じものでも形が違うとか、そういうのを全部数えて20万なので、例えば、それを一つ一つのカテゴリーとするということで、手計算でやったのですが、それで大体6,000ぐらいあるというのが、まず、ここの全体の結果です。
 それに対しまして、先ほど言いました三百九十幾らかという数ということで、約10%ということになっていますけれども、そのうち半分ぐらいが逆ざやなので5%というのが、まず、我々として前回の御質問に対する回答として、つくらせていただいたというのが背景であります。
○小川米国医療機器・IVD工業会会長
 次の御質問にありました、機能区分として整形インプラントあるいはカテーテルのところに、どうしてこういうことが起きているのかという御質問ですが、整形インプラントについては、外国価格再算定の外れ値ルールで、結構償還価格が大きく下落しているのが原因になっていると考えております。特に、ヨーロッパでの整形のインプラントのビジネスのやり方と、日本、アメリカとのビジネスのやり方が違っておりますので、そこで大きな計算上の償還価格の下落が起きているのが、原因ではないかと考えています。
 血管カテーテルについては、機能別分類の中に新しい技術のものと、旧来の技術のものが混在していることによって、Rゾーンでの引下げが起こっているのではないかと、想定しております。
 私からは、その部分だけお答えさせていただきます。お戻しします。
○須賀日本医療機器産業連合会機器保険副委員長
 続きまして、プログラム医療機器に関連する御質問について、医機連の須賀のほうから回答させていただきます。御質問ありがとうございます。
 材-2の5ページ目に関連する御質問であったかと受け止めております。こちらについて、製品で薬事に関連する性能機能を提供するために、こういった付加的な費用がかかるといったことで、これらの費用については、どこかの団体で、例えば、まとめているのか、それとも各社個別の費用になるのかといった御質問だったかと受け止めました。
 これにつきましては、各社個別になると思います。と申しますのは、製品ごとに、価格も異なりますし、当然ながら原価の構成も異なってくると考えられますので、これは、どうしても各社個別になると思います。
 そういった意味も含めまして、事例の収集が進んで係数等をお決めいただくという形になるのかと受け止めております。
 以上でございます。
○松本委員
 すみません、今、私の質問がよくなかったかと思うのですけれども、こういったOSとかクラウドの更新というのは、単一の製品におのおのやるというよりも、多分どこかでまとめて、例えば、会社が全体で、個々の会社が購入されるとか、あるいはシステムの中に入れ込まれると思いますので、そうしたものを個々の製品に配付していくルールというのが、例えば、こういった製品の価格を算定するルールとして決められているのかという質問なのですけれども、個々であることは、そこに関しては、当然承知しております。
○山本日本医療機器産業連合会会長
 これも、多分、企業のそれぞれによって違うと思うのです。どれぐらい製品を持っているかとか、それによって、多分、企業としては配付でやっていくと思います。ただし、この配付が、製品の種類だとか、あれだとか、その会社の個別ルールが多分ありますので、それによって決まっていくと考えております。
 なかなかそこは、内部的には、各企業は、先ほど言いました秘密情報みたいなところも出てくるので、出してくれないのだろうなとは思っております。
 よろしいでしょうか。
○江田欧州ビジネス協会IVD部会担当副委員長
 体外診について御説明いただいたCompanion diag nosticsについての御質問につきまして、EBCでIVDを担当しております江田から返答させていただきます。
 御質問の点につきましては、材-3の8ページに記載しておりますけれども、まず、開発段階につきましては、医薬品の企業と診断薬の企業で契約を結んで、開発支援を得るということが一般的に行われておりますけれども、上市後につきましては、1つには、世界市場をターゲットとしているような製品が多い中で、グローバル展開の中で、各国の保険の状況が違う中で、なかなかその個々の国で支援についての契約が結びにくいというのが1点ございます。
 もう一点は、医薬品が最初1つ上市されるときに、コンパニオンも最初は1つで上市されることが多いかと思いますけれども、後々、医薬品1品目につきまして、幾つかの製品がCompanion diag nosticsとして上市、保険適用されるという状況もございまして、非常に1つの仕組みで議論するのが難しい状況に至っているという状況がございます。よろしいでしょうか。
○松本委員
 ありがとうございました。
 そうしますと、そういった専用性というのはあまりないということと、グローバルにビジネスをする際の規模的なものと2つの要素ということで、理解すればよろしいのですかね。
○江田欧州ビジネス協会IVD部会担当副委員長
 はい。とは言いましても、個々、専用性がないものもありますし、専用性があって、今回提案させていただいておりますように、1品目、診断薬も1つで、希少疾患で検査数が少ないというのになる場合もございますので、そこら辺は、個別に御判断をいただきたいと考えております。
○松本委員
 分かりました。ありがとうございました。
○永瀬部会長代理
 では、松本委員、よろしいでしょうか。
 では、ほかには御質問など、ございますでしょうか。
 飯塚委員、お願いいたします。
○飯塚委員
 ありがとうございます。
 材-2について質問があります。11ページのところで、医療従事者の労働時間を短縮するようなものに関するプログラム機器ということで、生産性を上げる機器というものが、我が国に多く導入されて、最終的には、医療の生産性の向上に結びつくということは、全ての人々にとってプラスだと思いますが、幾つかここに挙げていただいている中で、代表的なものがありましたら、少し手短に御紹介いただけますか。
○永瀬部会長代理
 よろしくお願いいたします。
○山本日本医療機器産業連合会会長
 お医者様の効率化、医療の効率化という観点でよろしいでしょうか。
○飯塚委員
 はい。
○山本日本医療機器産業連合会会長
 今、いろいろなところでやっているのは事実なのですけれども、例えば、私が割と専門分野というか、会社としてのあれで言うと、画像診断というのがございまして、画像診断の、例えば診断の機能、これをAIでやったりするようなことがどんどん出てきております。
 それで、今、実は日本は、その診断に対してセカンドリードといいまして、お医者さん1人、2人読まないといけない形になっているのですね。それを2人目のものを、人工知能を使いながら効率化していくという例が出てきていますけれども、最終的に、お医者様がもう一回見ないといけないという形になっているのです。
 それで、効率が図られていると思うのですけれども、まだそこまでで、例えば、これはドイツの例なのですけれども、ドイツの診断は、ファーストリードはお医者さん、セカンドリードは全部AIでやるということまでやっているそうでありまして、これは、お医者さんとの関係が出てきますので、必ずしも言えませんけれども、多分そういうところで、お医者様の負荷が減っていくような形になっていくのではないかと思います。
 また、逆に言うとできていないことを言いますと、例えば、健診などで言いますと、ある健診センターに私が何年も行っていたとしますね。それで、過去データとの比較というのが、やはりお医者さんはお忙しくてなかなかできなくて、今のデータだけを見ていると。でも、過去データまで見ると、変化が分かって、すごくいいのではないかというのが、お医者様からも出ておりまして、そういうところに対して、これは効率化というよりも、今までで埋もれていたデータを使う検討をされているということが出てきていまして、こういうところが、やはりお医者様とか医療のところに貢献していく形になっていくのではないかと思います。
 1つだけの例ですけれども、今は画像の話をしましたが、薬のデータだとか、何とかだと、いろいろなところでそれが出てくるのだと思います。
○飯塚委員
 ありがとうございます。
 先ほど御質問にありましたけれども、そういった生産性を向上すると思われるようなものというのは、業界のシェア的には、非常に伸ばしていると、そういう状況にあるのでしょうか。
○山本日本医療機器産業連合会会長
 日本は、まだまだそこに対しては、伸びてはいっていますけれども、まだ黎明期と言いますか、そういう状態にあります。
 ただ、どんどんそういうのを使っていただくお医者さんが増えていっているというのは事実です。
○飯塚委員
 分かりました。ありがとうございます。
○永瀬部会長代理
 ありがとうございました。
 ほかに質問などはございますか。
 茂松委員、お願いします。
○茂松委員
 ただいま、AI診断について御報告いただきましたが、やはり現場としましては、最後の診断、責任はどこにあるかというと医師にあります。ですから、AIというのは、本当に補完的な資料として我々は用いているということで、最後は、私どもがやはり診断をくださないといけないということがありますので、幾らそういうことが出てきても、最後は医師の責任になるということでありますから、なかなかその辺は、御理解をいただければと思います。
○山本日本医療機器産業連合会会長
 ありがとうございます。
 そこは重々承知しておりまして、やはり、医師法がございますので、そこに対して何らかの貢献が、やはりお医者さんが最終判断をするところに対して、何らかの貢献ができないかなということで取り組んでおります。
○永瀬部会長代理
 ほかにいかがでしょうか。
 松本委員。
○松本委員
 先ほど少し確認いたしました、不採算製品の比率なのですけれども、もう一度、分母分子を確認したいのですが、先ほど分母のほうは6,000だと確認いたしました。そうすると、分子の不採算製品の数というのは、資料の4ページにある395ではないのでしょうか、395だとすると、10%もいかないものですから、少し確認をしたいと思います。
○久保日本医療機器産業連合会材料保険委員会委員長
 御質問ありがとうございます。医機連の久保でございます。
 今の御質問につきましては、分母の母数は6,000品目ということにはなるのですけれども、MTJAPANでの回答数が、MTJAPANの参加企業258社ですかね、そのうちの8割ぐらいでしたので、6,000に対して0.8を掛けて5,000分の395みたいなところと、あとMTJAPAN以外の企業の分も含まれますので、おおよそ10%弱ぐらいかなという見積りをさせていただいております。よろしいでしょうか。
○松本委員
 推計方法は理解いたしましたが、率でミスリードをすると非常にいけないと思いますので、その辺、もう少し明解に書いていただいたほうがよかったかなという印象は受けました。ありがとうございました。
○永瀬部会長代理
 ほかにございますでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、関係業界からの意見陳述については、ここまでとさせていただきます。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
 それでは、本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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