ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会)> 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第124回議事録(2023年11月17日)

 
 

2023年11月17日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第124回議事録

○日時

令和5年11月17日(金)総会終了後~

○場所

TKP新橋カンファレンスセンター12F

○出席者

笠木映里部会長 永瀬伸子部会長代理 飯塚敏晃委員 安川文朗委員
松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員
茂松茂人委員 太田圭洋委員 林正純委員 森昌平委員
守田恭彦専門委員 前田桂専門委員 青木幸生専門委員

<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
萩原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他

○議題

○保険医療材料制度の見直しに関する検討(その3)について

○議事

○笠木部会長
 ただいまより、第124回「中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」を開催いたします。
 総会と同様、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、本日の委員の出欠状況について報告します。
 本日は、末松委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は「保険医療材料制度の見直しに関する検討(その3)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局、医療技術評価推進室長でございます。
 まず、資料の2ページが目次になります。本日は、プログラム医療機器に対する評価、内外価格差、医療機器等の安定供給、保険適用の手続について御議論いただきたいと考えております。
 ページをしばらくお進みいただきまして、7ページになります。
 プログラム医療機器に対する評価になりまして、8ページに、現状の制度の概要として保険適用までの流れを掲載しております。
 9ページ以降、個別の論点になります。5つの部分に分けてお示ししております。
 まず、1点目でございますが、有用性の評価に関する基準についてです。
 10ページから13ページは、令和4年度診療報酬改定までに整理されたプログラム医療機器の評価に関する資料です。
 13ページにございますとおり、例えば、画像の読影補助を行うプログラムについては、既存技術よりも明らかに病変を検出する能力が高い場合は加算として評価すること。
 専門医と同等の読影を可能とするようなものについては、専門医を要件とする施設基準を緩和し得るとしております。
 14ページに、これまでの主な意見を記載しております。プログラム医療機器の評価については、用途や使用形態に応じた分類ごとに評価の在り方を検討すべきではないかとの意見や、個々のプログラム医療機器の性質に基づく一定の基準により、特定保険医療材料として評価されるか、もしくは技術料として評価されるかについて整理すべきではないかとの御意見をいただいております。
 15ページから、これまで薬事承認されたプログラム医療機器の概要になります。
 15ページに全体像、16ページ、17ページにAIを活用したプログラム医療機器について、それぞれ示しています。
 18ページに、薬事承認されたプログラム医療機器の現状を踏まえ、臨床上の用途に基づき、現時点で考えられる分類の整理を示しています。
 ここで大きく診断検査の中で用いるもの、治療で用いるもの、医学管理等のために患者自身が医療機関外で使用するものに分類しております。
 19ページは、保険医療材料のうち、どのようなものを特定保険医療材料として評価するかについて、平成5年から示されている原則になりますが、関連技術料と比較して高額なものは、特定保険医療材料として評価することとされております。
 20ページに、医学管理のために患者自身が医療機関外で使用するプログラム医療機器に対する現在の診療報酬の評価の例を挙げております。
 これらに設けられた技術料の加算は、関連技術料と比較して、相対的に高い評価となっているという事例としてお示ししております。
 21ページが、まず、評価基準に関する論点になります。
 プログラム医療機器の用途ごとの評価の考え方について、以下のとおり、整理、明確化してはどうかと考えております。
 内容につきましては、22ページ以降を御覧ください。
 22ページの上の四角で、まず、既存の検査や治療計画の策定、手術等の治療行為自体の支援を行うプログラム医療機器についての整理になります。
 特定保険医療材料への該当性については、通常当該プログラム医療機器が支援する対象の技術が限定的であることに加え、支援の対象とする関連技術の技術料を比較して高額ではないことが一般的と考えられるため、原則として特定保険医療材料ではなく、技術料に関する加算として評価することとしています。
 また、評価軸についてです。これまでの整理のとおり、当該プログラム医療機器の使用により既存技術の臨床上の有用性が明らかに向上する場合は加算として評価すること。
 次に、支援の対象とする既存技術について、人員配置の施設基準が設けられている場合であって、当該プログラム医療機関の使用により、少ない人員で同等の有効性が保たれるような場合には、施設基準の緩和による評価があり得ること。
 一方で、そもそも施設基準が求められていない場合においては、それのみでは、原則として加算としての評価を行わないこととしております。
 また、医療従事者の労働時間を短縮するようなものについては、材料部会におけるこれまでの議論も踏まえ、それのみでは加算としての評価を行わないこととしています。
 次に、22ページの下の四角に目的とする検査等の実施そのものに必要なプログラム医療機器に関する整理をまとめております。
 これは、当該技術の実施が当該プログラム医療機器の使用を前提としており、それなしでは、同様の原理による技術を実施することができないような場合を想定しています。
 この場合は、通常のC2申請と同様に評価することとしております。
 23ページにお進みください。上の四角になります。
 治療用医療機器の制御に用いるものになります。
 こちらは、制御の対象とする医療機器が、技術料に包括して評価されている場合は技術に対する加算として、対象の医療機器が特定保険医療材料として評価されている場合は、特定保険医療材料として評価してはどうかとしております。
 最後に下の四角になります。
 医学管理等のために、患者自身が医療機関外で使用するプログラム医療機器についてです。
 関連技術料を比較して相対的に高額になる傾向にあり、費用負担は一般的に患者ごとに発生すると考えられることから、原則として特定保険医療材料として評価するとしております。
 一度21ページにお戻りください。
 1つ目のポツは、今、御説明した内容になります。
 2つ目でございます。医学管理等のために、患者自身が医療機関外で使用するプログラム医療機器を特定保険医療材料として評価するに当たっては、これまで技術料に包括されていた医療機器の使用に係る指導管理に対する評価を別途設けることについて、中医協総会に検討を求めることとしてはどうかとしております。
 3つ目のポツになりますが、現在の保険適用手続においては、24ページ目の参考資料のとおり、A1、A2、B1申請は、専門組織における審議を経ずに保険適用しているところでございますが、今後、先ほどの評価軸に沿った評価がなされた結果、新たな機能区分や技術料が設けられた場合においては、その後に別のプログラム医療機器が、新たな機能区分等で保険適用されたいと希望があった場合には、別のプログラム医療機器の性能を個別に審査する必要性があると考えられるため、A1、A2、B1の申請であっても専門組織において、審議を行うこととしてはどうかとしております。
 25ページにお進みください。
 次に原価計算等の在り方についてです。
 27ページを御覧いただければと思いますが、医療機器の償還価格を原価計算方式にて計算する場合においては、原材料に一定の係数を掛けて、一般管理販売費や営業利益、流通経費を算出しています。
 これにつきまして28ページのとおり、関係業界からは、プログラム医療機器はコスト構造が異なるため、従来の医療機器と同様の係数を適用すべきではないとの御意見をいただいております。
 これらにつきまして、30ページまでお進みください。
 論点でございます。
 まず、プログラム医療機器の原価計算においては、一定の係数を現時点では適用せず、必要な費用について個別に判断することとした上で、事例を収集することにより、今後計算式の定型化について検討してはどうか。
 次に、原価計算の際に必要な経費として計上する範囲は、薬事承認によって認められた性能に基づく機能を提供するために必要な経費に限ることとし、性能向上に必要な費用は含めないこととしてはどうか。
 3つ目に、プログラム医療機器であっても該当し得ると考えられる補正加算の類型については、該当する場合には、適用されることを明確化してはどうかとしております。
 31ページからは、薬事承認における第一段階承認を取得したプログラム医療機器についてです。
 32ページのとおり、プログラム医療機器の特性としては、有体物である医療機器と比較し、一般的に侵襲性が低いこと、性能の持続的な向上が行いやすいことから、早期に市場導入し、データの収集を行うことが考えられるとされております。
 こうした中、プログラム医療機器の特性を踏まえた二段階承認の考え方が整理されており、通知の抜粋を32ページに掲載しております。
 第一段階承認の考え方としては、臨床的意義が確立していないものの、早期に市場導入し、データを収集し、その後、臨床的エビデンスが確立した段階で、第二段階承認を取得するものとされております。
 35ページにお進みください。
 35ページに、これまでいただいている意見をまとめております。
 第一段階承認を取得したプログラム医療機器については、保険外併用療養費制度の活用が考えられるのではないかとの指摘をいただいております。
 36ページは、現在の保険外併用療養費制度に関する資料です。
 先進医療や治験など、一定の枠組みに基づきまして、データを収集し、保険導入に向けた評価を行うものについては、評価療養として実施が可能となっております。
 以上を踏まえまして、37ページが論点になります。
 まず、第一段階承認を取得したプログラム医療機器について、一般的に侵襲性が低いプログラム医療機器の特性を踏まえ、イノベーションの促進の観点から、保険診療の中で活用可能となるよう、保険外併用療養費制度の見直しについて、中医協総会に検討を求めることとしてはどうか。
 また、第一段階承認を取得したプログラム医療機器について、A1またはA2区分で保険適用することが妨げられないことを明確化してはどうかとしております。
 続きまして、39ページへお進みください。
 プログラム医療機器が保険適用された後の再評価についてになります。
 40ページに課題を記載しております。
 アップデートにより性能が向上した場合の再評価の在り方や、チャレンジ申請を行う場合における保険外併用療養費制度の活用について、検討が必要ではないかと指摘をいただいております。
 42ページに参考として、薬事承認における考え方を示しております。
 プログラム医療機器がアップデートされる場合、それにより、臨床上の有効性に影響がある場合は、薬事承認事項の一部変更承認申請を行う必要があるとされております。
 43ページは、医療機器が保険適用された後に、再度保険適用希望書を出すことができる場合に関する現行の規定です。
 薬事上の一部変更承認等がなされた結果、使用目的または効果などが変更となる場合は、再度、保険適用希望書を提出することができる一方で、使用目的または効果などが変わらない場合は、保険適用希望書の提出が必ずしもできないこととなっております。
 次に44ページ、チャレンジ申請でございます。
 チャレンジ申請は、大きく2通りありまして、保険適用されている範囲の使用における有効性に関するチャレンジ申請であれば、保険診療の中でデータを収集することが可能である一方で、保険適用されていない範囲の使用における有効性に関するチャレンジ申請の場合は、保険診療の中で用いた場合は、混合診療になり得るところがデータの収集を行う上での課題と考えております。
 これらを踏まえまして、46ページが論点です。
 まず、保険適用されているプログラム医療機器が、アップデート等により性能向上した場合には、再度保険適用希望書を提出できることとしてはどうか。
 また、保険適用されていない範囲の使用に係るチャレンジ申請について、一般的に侵襲性が低いプログラム医療機器の特性も踏まえ、保険外併用療養費制度を活用できるよう、中医協総会に検討を求めることとしてはどうか。
 そのほか、チャレンジ権の付与の審議については、必要に応じて別途ワーキンググループにおいて検討を行ってはどうかとしております。
 続きまして、47ページからは、その他の項目になります。
 48ページにありますとおり、その他の課題としては、保険適用の期間が終了した後において、患者の希望に基づき、継続使用を行う場合における保険外併用療養費制度の活用や、医科向けプログラム医療機器であっても患者自身の健康管理に用いる場合など、医師による管理が必ずしも必要ないものの活用について、検討が必要ではないかとされております。
 49ページに、それぞれ考えられる課題を記載しております。
 保険適用期間終了後などに、患者の希望により継続使用する場合については、保険診療の中で実施した場合は、混合診療になり得る場合があるという課題。
 また、医師による診療の一環ではなく、患者が用いる場合については、そうしたプログラム医療機器を患者が利用する手段が明確になっていないという課題があると考えております。
 50ページのとおり、患者の希望に基づき、制限回数を超えて行われる医療機器については選定療養として実施可能となっております。
 また、51ページでございますが、医師による管理が必ずしも必要ではないものに関連して、医科向けプログラム医療機器を家庭向けとして薬事承認する場合の考え方について、今後、整理、公表することとされており、患者自身の判断で利用する場合の手段については、家庭用への転用の考え方を通じて、今後、明確になっていくものと考えられます。
 52ページに、課題、論点をまとめております。
 現行の選定療養の制度や侵襲性の低いプログラム医療機器の特性を踏まえ、保険適用期間が終了した後に、患者の選択によって患者が自ら使用するプログラム医療機器を用いた診療を継続する場合を、選定療養に位置づけることについて、中医協総会に検討を求めることとしてはどうかとしております。
 ここまでが、プログラム医療機器の話になります。
 続きまして、53ページから内外価格差についてです。
 ページを少しお進みいただきまして、56ページから新規収載品に係る価格調整になります。
 57ページ、58ページは、これまでのルールの説明になっております。
 59ページ、60ページは、最高価格であった国別の割合をお示ししております。近年、米国の割合が増加する傾向にあることが示されております。
 61ページから63ページは、内外格差の原因とする各国の流通形態の違いが影響している可能性について、これまで指摘されたことを紹介しております。
 64ページが、新規収載品における償還価格と外国平均価格の比です。
 左下の表を見ていただきますと、令和2年、3年と比較し、令和4年、5年におきましては、価格比は減少している傾向が見て取れます。
 上のグラフは、どの程度の品目が価格調整の適用となっているかを示したものでございますが、令和4年、5年につきましては、それ以前と同程度の品目数が対象となっております。
 65ページから68ページは、いわゆる外れ値ルールに関する最近の傾向についてまとめた資料なので、御参考にいただければと思います。
 以上を踏まえまして、69ページまでお進みいただければ、課題、論点になります。
 まず、新規の収載品についてですが、内外格差は減少傾向にある現状などを踏まえ、比較水準及び外国平均価格の算出方法について、どのように考えるかとまとめております。
 続きまして、70ページからは、既収載品に係る価格調整となります。
 71、72ページが、これまでのルールの資料、さらに73ページに、令和4年度改定における対応をお示ししております。
 74ページに、現行のルールについて関係業界から、市場実勢価格が高いほど、再算定の対象になりやすく、また、市場実勢価格が高いほど、再算定による償還価格の下がり幅が大きくなることについて、課題があるとの指摘をいただいております。
 75ページに、こうした課題に対応するための案を1から3までお示ししております。
 案①は、市場実勢価格が償還価格を上回っている機能区分については、再算定の対象から除くというもの。
 案②は、市場実勢価格ではなく、償還価格が外国平均価格の1.25倍を上回る場合に再算定の対象とするとともに、算定式については新規収載品と同様に、外国平均価格の1.25倍にするというもの。
 案③は、これら案①、案②どちらも行うものでございます。
 76ページが論点になります。
 これらを踏まえまして、既収載品の価格調整について、その比較水準や算定式について、どのように考えるかとしております。
 続きまして、また、テーマが変わりまして、77ページから安定供給についてでございます。
 まず、背景ですが、関係業界からは、医療機器に用いる原材料の価格が上昇しているとの指摘があり、79ページのとおり安定供給に支障がある医療機器として、厚生労働省に報告された件数は、令和3年以降大きく増加しているところです。
 また、供給が著しく十分に償還されていないものとして、償還価格の見直しを要望する件数についても、今年度は、例年を大きく超える数となっております。
 81ページ、82ページは、いわゆる2024年問題により、2024年以降、流通に係るコストが増加し、医療機器の供給に必要な費用が、さらに増加する可能性があるとの指摘に関する資料でございます。
 85ページのとおり、不採算の機能区分については、アからウの条件を満たした場合には、原価計算を行うことで価格を引き上げる制度があります。
 ただし、87ページのとおり、業界からは特にアの代替するものがないという規定について、明確でないとの指摘をされております。
 これに関して、88ページに考えられるパターンを紹介いたします。イメージ1のように、シェアが100%の材料が不採算だった場合は、代替するものがないということが分かりやすいですが、他方、イメージの2のように、シェア80%のA社のみが不採算である場合についても、B、C、D社が、A社がカバーしている分を補うことができなければ、代替するものがないとも言えるのではないかというイメージになります。
 89ページにお進みください。
 同じ機能区分に複数製品があり、そのうち特定の患者については、一部の製品しか対応していない場合には、その製品が供給停止となれば、使用できない患者が出てくるため、こういったものに、そうした特定の対象患者にとっては代替するものがないと考えられるのではないかというものをお示ししております。
 次に91ページ、92ページは、薬価制度の紹介になります。
 薬価制度においては、不採算で再算定された医薬品等について、基礎的医薬品として、その後、価格を一定程度維持する仕組みがございます。
 現状、医療機器には、こうした制度がないという状況でございます。
 94ページにお進みください。論点になります。
 まず1つ目、不採算品再算定の選定基準について、各社のシェアの状況との関係について、明確化を行いつつ、同一機能区分の中の一部の製品のみが適応加納な患者や疾患がある場合には、そういったものも代替するものがないとして対応してはどうか。
 2つ目、薬価制度においては、基礎的医薬品の仕組みがあることや、いわゆる2024年問題により、供給コストが今後さらに増大する可能性が指摘されていることを踏まえ、不採算品再算定の対象となった材料の価格を一定程度維持するような仕組みを導入することについて、どのように考えるかとしております。
 95ページからは、安定供給に支障が生じた場合における対応についてです。
 96ページのとおり、製造販売業者は、安定供給に支障が生じる場合には、厚生労働省に報告するものとされており、その後の対応についても、保険適用に関する注に定めているところです。
 101ページ、102ページに供給不安の報告が、今般増加していることを踏まえた改正案をお示ししています。
 供給不安や供給停止の場合には、製造販売業者は臨床現場への影響を評価することや、代替品を取り扱う製造販売業者との調整、医療機関等への情報提供をしなければならないことを追加しております。
 最後の項目になります。
 103ページから保険適用の手続についてです。
 105ページのとおり、製造販売業者は保険適用の際に、専門組織による審査を受けた場合、一度に限り不服を申し立てることができます。
 結果として、審議は最大2回受けることになります。
 一方で、一度目の審議が終了した後に、保険適用希望を取り下げた製品について、その後、改めて保険適用希望書を提出した場合に、審議を何度受けることが可能なのかについて、通知上、明確になっておらず、手続上の課題があると考えております。
 106ページを御覧ください。論点になります。
 一度目の審議後に、企業が申請の取り下げを行った後に、再度保険適用希望がある場合には、取下げ前の一度目の審議結果に基づき、保険適用を行うこととしてはどうか。
 ただし、既収載品と同様に、薬事承認の一変などがなされた場合には、新規に保険適用希望書を提出することを可能としてはどうかとしております。
 資料の説明は以上であります。よろしくお願いいたします。
○笠木部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関して、御質問等がありましたら、お願いいたします。
 茂松委員、御発言をお願いいたします。
○茂松委員
 それでは、論点のうち幾つかについて御意見を申し上げます。
 まず、プログラム医療機器について、1、2、3、4でございます。
 まず、21ページのプログラム医療機器に関する1つ目の論点です。これまでも技術に対する評価と、技術に用いる医療機器や医薬品自体への評価は分けて行うべきと意見を申し上げてまいりました。
 その点から、検査や治療計画、手術等に伴って用いられる医療機器はやむを得ないとして、治療用医療機器の制御に用いるプログラム医療機器の一部や、医療機関外で患者さん御自身が使用する今後のプログラム医療機器について、特定保険医療材料で評価していくという整理がされたことは、患者さんへの説明の観点からも、現場感覚として異論はございません。
 また、評価軸についても示されておりますが、こちらも、これまでの中医協の議論を踏まえているものと考えております。
 既に記載されていますが、あくまでも有効性について特筆すべきアウトカムが示されない場合には、既存の点数や機能区分において評価することも、他の医療機器同様に考えられますので、それを含めて表現されているということで、運用を進めていくこととしてよいと思っております。
 それから、3つ目の論点ですが、現在も医療機器の申請区分は、かなり複雑になっております。
 企業の申請誤りが、医療現場に大きな負荷がかからないよう、制度設計においては、これ以上複雑にならないよう、また、誤りが発生することができるだけ少なくなるように、簡素な形での運用となるよう求めたいと思います。
 次に、30ページの2つ目の論点についてです。
 現時点で、事例で不十分であることで、原価計算を一定のケースに当てはめて行うことは、難しいことは理解しますので、今後の事例を集積することで、適切な計算式について検討いただきたいと思っております。
 その上で、資料にも記載されていますが、必要な費用として計上する範囲は、保険償還された時点で認められている有効性を発揮するために、必要な範囲にとどめるべきで、性能を向上させるための費用は、企業自身が研究開発として負担すべきであるため、そこは明確に分けていただきたいと思います。
 また、あくまでもこれらについて透明性を高く開示されていることが前提となりますので、開示できない場合には、専門組織において、その妥当性を適切に確認いただきたいと思います。
 続いて、37ページ、論点3であります。
 1つ目の第一段階承認を得たプログラム医療機器に関する論点ですが、第一段階承認時点では、非臨床試験や少数例の探索的知見のデータのみが存在し、臨床的意義は明らかでないということかと思いますので、上乗せの有効性等について、診療報酬上評価することで困難であるというのは、当然かと思います。
 その上で、保険外療養費制度で実施可能とするのであれば、既に治験などで使用されている医療機器について、保険外併用療養制度を活用できることに照らし、二段階承認に向けて、データをきちんと収集して評価される場合のみとどめるなど、期限を個別に定めたり、むやみに保険外での使用が広がることのないよう、注意することが必要かと思います。
 また、この論点に関しまして、事務局に1つお尋ねをしたいのですが、2つ目のポツで、第一段階承認を得たものについて、A1またはA2で保険適用することは妨げられないとのことですが、二段階承認の考え方であっても、必要な医療について保険適用するという、これまでの原則は堅持されており、あくまでもA1やA2として評価される場合は、これまでどおりの点数体系において評価され、一方、今回御提案の保険外併用療養費制度を活用する場合は、例外的にその医療機器の使用部分が丸ごと保険外として扱われるという理解でよいのでしょうか。
 また、第一段階承認は資料にも記されているとおり、臨床的意義が明らかでないということであれば、その部分について、C1申請、また、C2申請があっても、そこが評価されることはないという理解でよいでしょうか、確認をさせていただきたいと思います。
 最後は46ページです。
 おおむね異論はございませんが、チャレンジ申請中のものについて、保険外併用療養費制度を活用するのは、患者さん自ら用いるようなプログラム領域の侵襲性が低いという性質を踏まえて検討することになったと理解しており、プログラム医療機器以外に、単純に適用できるものではないと考えております。
 また、保険医療材料等専門組織とワーキンググループとの関係については、制度が複雑にならないよう、詳細を今後提示いただければよいかと思います。
 それでは、内外格差について、76ページです。
 次に、内外格差につきまして、76の既収載品に関する論点について、コメントいたします。
 事務局からは、75ページに、案①から案③まで示されておりますが、案①と案③については、市場実勢価格が外国平均価格を大幅に上回っているという場合について、どのような原因で上回っているのか、続いて、その詳細な原因分析を行うべきであり、単純に市場実勢価格は償還価格を上回っているからだけで、再算定の対象から除外するのは、少し違和感があると考えております。
 また、安定供給について、94ページでございます。
 1つ目の論点に関して、安定供給、不採算再算定等につきましては、今回、多くの製品について、価格見直しの要望が製造販売業者より提出されていることが示されています。
 88ページ以降にまとめていただいているように、必ずしも一社供給となっているものではなく、複数社が供給している場合であっても、代替品がない場合もあるということは理解できました。
 現場としては、実際にかなり様々なバリエーションがあると考えており、これらは、あくまで例示であって、きちんと専門組織で議論していただき、専門的な見地からその必要性を見ていただくことが重要かと考えます。
 また、単に機能区分を増やすことは、本来の医療機器の償還の仕組みから考えると、そぐわないものと言えますので、むやみに機能区分数を増やさない視点も踏まえ、専門組織で技術的な検討をしっかり行っていただくよう、お願いしたいと思います。
 また、2つ目の論点について、基礎的な医療機器の必要性について、理解はしておりますが、客観的な立場での分析が現時点で存在するのでしょうか。その選定について、適切に行われることが必要と考えますので、事務局にお尋ねをしたいと思っております。
 その他の論点につきましては、事務局の提案に異論はございません。
 私からは以上です。
○笠木部会長
 どうもありがとうございました。
 ただいま、茂松委員より御質問が2点ございましたけれども、事務局のほうからお答えいただけますでしょうか。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 2点のお尋ねにつきまして、御回答したいと思います。
 まず、1点目の御指摘でございますが、御指摘のとおり、A1やA2として保険適用された場合は、既に保険適用されている医療技術について、当該プログラム医療機器を用いて実施することも差し支えないと考える場合において、既存の技術料に包括して評価するものですが、保険外併用療養費制度を活用する場合には、その医療技術の実施自体が保険適用外という扱いになると考えております。
 また、第一段階承認をされたプログラム医療機器のC1、C2申請についてですが、第一段階承認の段階では臨床的意義が確立しておらず、有効性の根拠が少数例の探索的治験などに基づくものに限られるため、そういったものをC1区分またはC2区分で評価することは想定しにくいと考えております。
 2点目の基礎的な医療機器の観点でございますが、価格の維持について配慮する必要性がある特定保険医療材料は、保険医療上の必要性が高いということと、価格を維持しなければ、安定供給に支障を来し得るということの両方が満たされているものと考えられます。
 例えば、不採算再算定の対象として選定された材料については、85ページにありますとおり、代替するものがなく、医療上の必要性が高いとして関係学会からも要望書が提出されているものでございますので、こうした条件を満たすことになるのではないかと考えております。
 事務局からは以上でございます。
○笠木部会長
 茂松委員、よろしいでしょうか。
○茂松委員 
 はい、ありがとうございました。
○笠木部会長
 それでは、そのほかの点、いかがでしょう。
 林委員、それでは、よろしくお願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 100ページの論点でございますが、事務局の見直し案には賛同したく思っております。
 その上で、歯科におきましても、必要な医療材料が安定的に確保を供給されることは重要でございます。
 国際情勢により、安定的に原材料が調達できずに、ストックに頼らざるを得ない状況もあると聞いております。
 安定供給に支障を来した製造販売業者による迅速な報告だけではなく、代替品を製造販売する業者の協力は必要で、しっかりと機能する仕組みになるよう、よろしくお願いしたく思います。
 私からは以上でございます。
○笠木部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 それでは、2ページにある項目別にコメントをいたします。
 まず、プログラム医療機器についてでございますけれども、資料に示されております、いずれの点についても事務局案に異論はございません。
 その上で、お願いが1点と質問が2点ございます。
 まず、お願いでございますが、30ページの論点2について、一般の医療機器と経費の構造が異なると思いますけれども、先ほど、ほかの委員からもございましたけれども、原価計算に用いる一般管理販売費や流通経費を個別に判断することは理解できます。
 ただ、費用の妥当性については、慎重に判断をお願いしたいということでございます。
 続きまして、22ページにあります評価軸のところなのですけれども、上の囲みにございますけれども、員数が施設基準にあるものということで、かなり上がっておりますけれども、これがどれぐらいのウエートを占めているのか、もし分かれば教えていただきたいということが1つ目の質問でございます。
 2つ目でございますが、48ページ以降に患者自身が用いるプログラム医療機器に関する記載がございます。
 例えば、血糖値を持続的に測定できるようになれば、患者自身による健康管理あるいは保険者が実施する保健事業には役立つものだと考えております。
 例えば、薬事承認を得ている血糖値の測定器について、患者や保険者が医療機器の販売業者から購入して使用することが可能なのか教えていただきたいというのが2つ目の質問でございます。
 続きまして、内外価格差に移りたいと思います。
 69ページの課題に示されているとおり、新規収載品については、価格差が縮小しているということでございますが、保険財政の持続可能性と患者負担の観点では、価格の上限を引き下げることが、まだ考えられると思います。
 一方で、63ページ以降に示されております、海外の流通システムの違いを考慮して、一定の価格差が安定供給のために必要ということであれば、外国価格の計算方法について、除外基準あるいは相加平均の基準を引き下げることも考えられると思います。
 続きまして、76ページ、償還価格を市場実勢価格が上回る既収載品については、74ページにありますような逆ざやの増大は望ましいとは言えませんけれども、内外価格差が生じていることも事実ですので、新たな仕組みを導入するとしても、一律に再算定の対象から除外する案①については慎重に検討すべきとコメントいたします。
 続きまして、医療機器の安定供給についてでございますが、94ページ以降に示されております保険償還価格が著しく低い製品の対応については、試行的に導入する余地があると考えております。
 100ページ以降に示されております、安定供給に支障が生じる場合の対応については、異論はございません。
 最後、保険適用の手続についてでございますが、106ページの論点に示されている案について、事務局案に賛同するものでございます。
 私からは以上になります。
○笠木部会長
 どうもありがとうございました。
 ただいま、松本委員からの2点の御質問について、事務局からできましたら、お答えをお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 まず、1点目の施設基準のあるものがどのぐらいのウエイトかということに関しまして、数を数えなくては分からないというところで、今、即答ができませんので、また、後日改めて整理の上、御回答をさせていただければと思います。
○中山医療機器審査管理課長
 それでは、2点目については、医療機器審査管理課長のほうからお答えいたしますが、基本的に承認を受けた医療機器につきまして、一般の方々への販売が可能かということについては、基本的には販売業の許可という仕組みがありまして、それの許可を得ること、届出とか、クラスに応じていろいろなタイプがあるのですけれども、その業の許可を得るということ、そして、そこに対して、管理者というものをしっかり置くということの条件を満たせば、可能という仕組みとなっています。
 以上です。
○笠木部会長
 ありがとうございました。
 松本委員、今の点、よろしいでしょうか。
○松本委員
 ありがとうございました。
○笠木部会長
 ほか、太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 全体の論点に関しましては、先ほど茂松先生からありましたように、基本的には同様の意見であります。
 1つだけ、76ページの、いわゆる内外格差の話、あと不採算品再算定の論点なのですが、この償還価格を市場実勢価格が上回る場合が増加しているとの指摘がある中で、今回少し、75ページの議論が提案されているわけですが、病院側からすると、大変な話でありまして、しかもそれが増加しているとの指摘がある。
 今、非常に物価が上昇局面にありまして、適正な医療を提供しようとして、必要な保険材料を使う場合、使えば使うほど、病院の負担が増えていくという状況が発生しつつあると受け止めます。
 ですので、ここの部分を、特に外国平均価格の算定方法等は少し検討していただくとして、実際のデータは、どれぐらい、今、逆ざやという状況が発生してきているのかというのが、もし資料として分かりましたら、御提示いただければと思います。
 以上でございます。
○笠木部会長
 ありがとうございます。
 ただいまの点につきまして、事務局のほうからいかがでしょうか。
○鶴田医療機器政策室長
 医療機器政策室長です。
 材料価格調査を用いることによって、集計すること自体は可能かと思いますけれども、今までやったことのないところでありますので、そこについては、十分に検討させていただき、公表できるかどうかも含めて、検討させていただきたいと思います。
 以上です。
○笠木部会長
 太田委員、お願いいたします。
○太田委員
 ありがとうございます。
 不採算品再算定の要件も、今回、議論されているわけですが、逆に言うと逆ざやになっているけれども、メーカーのほうから、不採算品の再算定の申請が上がらなければ、ずっと逆ざやになっている保険医療材料が存在しているということになるのかと思いますし、また、申請の基準が非常に厳しいということで、そういう状況に置かれて放置されている保険医療材料がどれぐらいあるのかというのは、やはり1回確認しておくべきだろうと思いますので、御検討をよろしくお願いいたします。
 以上です。
○笠木部会長
 ありがとうございます。
 そうしましたら、そのほかの点、いかがでしょうか。御発言ありますでしょうか。
 専門委員から、もし御意見等がありましたら、いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 前田委員、よろしくお願いいたします。
○前田専門委員
 ありがとうございます。
 保険外併用療養費制度の類型について、1点、専門的な観点から事務局のほうへ御質問をさせていただきたいと思います。
 50ページのプログラム医療機器のところで示されております、保険外併用療養費制度のうち、③選定療養におきましては、保険導入を前提としないものとされております。
 これを踏まえまして、52ページにおける保険適用期間を終了した後に、患者自ら健康管理等に用いるプログラム医療機器を使用すること、これを選定療養として実施可能としたらという論点がございますけれども、この場合、選定療養として実施されることになった範囲につきましては、将来的にも、そもそもの類型のところにありますとおり、保険導入、保険適用という可能性はなくなってしまうのでしょうか。少し追加で説明をいただけると幸いです。
○笠木部会長
 ありがとうございました。
 ただいまの点、事務局から、お答えをお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 最終的には、中医協総会での議論になるかと思っておりますが、今回チャレンジ申請中のプログラム医療機器を使用する場合について、評価療養として実施可能とすることも論点としておりますが、少なくともチャレンジ申請中のように、保険適用されることをまさに目指しているものについては、選定理由の対象とならないものと考えております。
 一方で、選定療養として位置づけられた医療行為につきまして、現時点においては医療の必要性が乏しいと判断されるものであっても、その後、知見の集積等によって新たな医学的知見が得られるなど、医療上の必要性が生じた場合には、保険適用を検討するということもあるのではないかと考えております。
 以上でございます。
○笠木部会長
 どうもありがとうございます。
 前田委員、今の点、いかがでしょうか。
○前田専門委員
 ありがとうございます。理解いたしました。
○笠木部会長
 どうもありがとうございました。
 その他、御発言、御質問等の希望はありますでしょうか。
 それでは、ほかに御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑は、このあたりといたしまして、今後、事務局において本日いただきました御意見も踏まえて、御対応をいただくようにお願いいたします。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡をいただきます。
 それでは、本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

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