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2023年10月27日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第123回議事録

○日時

令和5年10月27日(水)総会終了後~

○場所

日比谷国際ビル コンファレンススクエア8F

○出席者

笠木映里部会長 永瀬伸子部会長代理 飯塚敏晃委員 安川文朗委員
松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員
茂松茂人委員 島弘志委員 林正純委員 森昌平委員
守田恭彦専門委員 前田桂専門委員 青木幸生専門委員

<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
萩原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他

○議題

○保険医療材料制度の見直しに関する検討(その2)について

○議事

○笠木部会長
 ただいまより、第123回「中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」を開催いたします。
 総会と同様、対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 本日は、末松委員、永瀬委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は「保険医療材料制度の見直しに関する検討(その2)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 医療技術評価推進室長でございます。
 それでは、資料材-1を用いまして御説明したいと思います。
 本日は「保険医療材料制度の見直しに関する検討(その2)」になります。
 2ページ目にございますとおり、本日はイノベーションの評価について2点と、市場拡大再算定について御議論いただきたいと考えております。
 また、事務局より前回御議論いただきました保険適用スケジュールについて、補足をさせていただきたいと考えております。
 少しページ進みまして、6ページからが、本日、御審議いただきたい内容になっております。
 まず、1点目、希少疾患に用いる体外診断用医薬品等に対する評価になります。
 7ページにお進みください。
 保険医療材料等専門組織からは、希少疾患等に用いる医療機器や体外診断用医薬品につきましては、臨床上有用なものであっても、採算性が確保しづらく、市場導入が困難となる場合があるため、その評価について検討してはどうかと御意見をいただいております。
 8ページ以降、こうした課題について、現状の御説明をしたいと思います。
 まず、8ページ目は令和4年度診療報酬改定の際に、学会から医療技術評価分科会に御提案いただいた新しい医療技術のうち、使用する医療機器等について、薬事承認が確認できなかったため、評価対象外となった医療技術の一覧になります。
 その多くが体外診断用医薬品の薬事承認が確認できなかったものであり、中でも希少疾患を対象とするものが多い傾向にございました。
 9ページ、10ページは、検査薬の中でもコンパニオン診断薬に係る状況になります。
 10ページ目にございますとおり、国立がん研究センターなどからは、希少がんを対象とする医薬品のコンパニオン診断薬や、希少がんでなくとも該当する患者の割合が低い遺伝子変異や、蛋白発現異常を標的とする医薬品のコンパニオン診断薬について、対象患者数が少ないことにより、開発が困難な状況があるという指摘をされているところでございます。
 11ページ、12ページは関係業界からの意見になります。
 体外診断用医薬品について、患者数が少ない場合の評価をすべきという御意見をいただいております。
 13ページ以降は、こうした希少疾患に対するものについて、医薬品や医療材料の場合の制度の紹介になります。
 まず、13ページのとおり、医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少なく、研究開発が進まない医薬品等については、希少疾病用医薬品として指定を受けることが可能であり、指定された場合には、試験研究費への助成金交付などがなされることとなっております。
 その上で14ページのとおり、特定保険医療材料については、こうしたものについて市場性加算などが設けられており、また、15ページ目のとおり、原価計算方式で評価された場合には、研究開発費を計上することが可能となっております。
 薬価制度におきましても原価計算の仕組みがあるほか、16ページのとおり、対象患者数が少ない場合の市場性加算が設けられております。
 一方で、17ページを御覧いただければと思いますが、検体検査に用いるものについては、常に技術料の準用によって評価がなされるため、対象患者数が少ないことによる原価の増分が反映されない場合がある状況となっております。
 18ページ以降は、体外診断用医薬品等と医療材料との違いです。
 医療材料においては、検体検査に対する評価と異なり、関連技術料と比較して相対的に高額なものについては、特定保険医療材料として評価され、市場性加算や原価計算方式を活用することが可能となっています。
 一方で、検体検査については、19ページ目のとおり、実際にかかる費用は、試薬費等が大きな割合を占めるという特徴がありますが、その評価は技術料の準用に限られています。また、検体検査の実施に係る費用の特徴としては、20ページにありますとおり、通常検体検査をまとめて実施するため、対象患者数が少ない等の理由で一度に測定する検体数が少ない場合には、患者1人当たりの試薬費や人件費が増大する傾向にあるということもございます。
 21ページにお進みください。
 検体検査に対する評価と技術料に包括して評価される医療機器に対する評価の違いになります。
 特定保険医療材料の償還価格や検体検査に対する評価は、診療報酬改定ごとに実勢価格に応じた見直しがされているのに対して、検体検査以外の技術については、こうした毎改定における見直しはなされていない状況にございます。
 22ページは、市場規模が小さいものに対して加算を行った場合のイメージとなります。
 加算率が一定であるとすると、市場規模が小さければ小さいほど、加算による収益の増分は小さいことをお示ししております。
 23ページ目に、ここまでの論点をまとめております。
 まず、1点目、検体検査に用いる医療機器等について、臨床的に重要であり、対象患者数が少ない場合の評価を検討してはどうか。
 2点目、技術料に包括して評価される医療機器等のうち、検体検査に用いるもの以外は高額である場合等は特定保険医療材料としての評価がなされるため、加算する場合の対象は検体検査に用いるものに限ってはどうか。
 3点目、一定の割合に基づいて加算を行った場合には、販売額の増分は市場規模が小さいほど少なくなるため、加算率は市場規模を反映したものとしてはどうかとさせていただいております。
 続きまして、24ページからイノベーションの評価に関するトピックの2つ目といたしまして、臨床的な有用性が同等以上であって、費用を削減するような医療機器に対する評価についてでございます。
 26ページにお進みください。事例を御紹介しております。
 パーキンソン病の治療に用いる電気刺激装置について、かつて両側に合計2つ必要となっていたところ、新たに1つで済むような医療機器が開発されております。
 その分、原価としては安くなっておりますので、現行の制度では、償還価格がそのまま低くなることもある中で、このようなより安価で済む医療機器を上市するメリットがないということが指摘されております。
 27ページ目に、有効性は同等以上で、より安価となるような医療機器等に対するこれまでの診療報酬の考え方を御紹介しております。
 費用対効果評価制度においては、こうしたものについて、患者1人当たりの費用削減額の2分の1に相当する額を上限といたしまして、価格の引上げが行われることとされております。
 28ページに論点をまとめております。
 ポツの1つ目でございますが、イノベーションの評価に加え、医療保険財政や患者負担の軽減の観点から、こうした医療機器に対する評価について検討してはどうか。
 また、削減される費用として評価を対象とする範囲は、1回の使用における当該医療機器と従来品との価格の差分に限ることとしてはどうか、としております。
 続きまして、29ページからは市場拡大再算定についてです。
 市場拡大再算定については、31ページまでお進みください。
 令和2年度診療報酬改定において導入され、特定保険医療材料については、市場規模が拡大した結果、年間販売額が100億円または150億円を超えたものが対象になると規定されております。
 33ページ目のとおり、技術料に包括して評価される医療機器についても、同じ時期に制度が導入されました。
 ただし、特定保険医療材料にあるような市場規模の基準額は規定されていないところでございます。
 35ページに、医薬品の場合の規定を紹介しております。こちらも特定保険医療材料と同様に100億または150億を超えるというところが、1つの基準となっております。
 続きまして、36ページです。
 令和6年度診療報酬改定におきまして、市場拡大再算定の対象となり得る品目についてです。
 特定保険医療材料については、対象となる品目は存在しなかったものの、悪性腫瘍遺伝子検査について、2つの技術料が、市場規模が保険収載時の予測の2倍以上となっており、結果として市場規模がそれぞれ11億円、4億円となっております。
 技術料につきましては、市場規模の大きさに関する基準がない中で、こうしたものについて再算定の対象とするかどうかということが課題と考えております。
 37ページに論点をまとめております。
 まず、市場拡大再算定が医療機器等の市場規模が拡大し、財政影響が無視できない範囲に及ぶ可能性がある観点から導入されたものであることを踏まえ、技術料に包括して評価される医療機器等を対象とする基準額についても、特定保険医療材料と同様の水準で定めてはどうか。つまり、100億または150億円としてはどうかということになります。
 2点目としましては、先ほど市場規模が小さいものに対する加算について御提案した関係でございますが、市場規模が小さいことを前提として加算等が設定されたものについては、基準額にかかわらず見直しを検討する対象としてはどうかとしております。
 最後に、38ページ目以降、前回の議論の補足になります。
 前回、改定時期の後ろ倒しを踏まえた保険適用のスケジュールについて、御確認をいただきました。
 その際、前回の資料にございます、39ページにある評価区分のうち、R、いわゆる再製造に当たりますが、その記載が漏れておりました。
 40ページ以降、Rを加えたもので、今一度御確認いただきたいと考えております。このR、再製造につきましては、新しい機能区分をつくるものでございますので、その取扱いに関しましては、C1やC2の区分と並びのスケジュールとなると考えております。前回の資料に漏れておりましたことをおわび申し上げます。
 事務局からの説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○笠木部会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に関して、御質問等がありましたら、お願いいたします。
 本日、私、オンラインでの参加となっておりまして、少し会場の様子が見えないこともあるかと思いますけれども。
○茂松委員
 茂松のほうから質問させていただきたいと思います。
○笠木部会長
 よろしくお願いいたします。失礼いたしました。
○茂松委員
 それでは、3つの論点についてコメントをさせていただきます。
 まず、23ページの論点につきましては、特に異論はございません。ただ、コンパニオン診断薬については、医薬品とセットで薬事承認を取得することが基本であろうと思いますし、特に両企業、きちんと協力されていることが大前提だと考えております。
 これにつきましては、業界ヒアリングの際に、両企業間のどのような実態があり、どういう課題があるのか、詳細に聞いておきたいと思います。
 また、今回御提案の検体検査が保険医療材料等専門組織で取り扱われる物の評価として、加算対象となる基準について、希少疾病であることに着目することは、概念的には理解できますが、実際に対象患者数が少ないことや、臨床的にどのように重要性があるのか、そういう定義としてどのように判断するのかということが課題になると思っております。
 続きまして、28ページの論点について、御説明を申し上げます。
 特に論点につきまして、おおむね異論はございません。
 ただ、どの程度の費用削減額効果が示されれば、加算の対象とし、どの程度の加算額とするのかについては、これは検討がさらに必要になるかと思っております。
 また、既存品と比べて同等以上の有効性を有し、費用が削減されるということであれば、市場において評価され、シェアが拡大することで十分な評価が得られることも考えられますし、一定の時期が到来すれば、既存品と機能区分を同一にしていくことも考えるべきですので、そうした点を含めて全体的な観点から評価の在り方を検討することも必要だと考えております。
 そして、37ページの論点でございます。
 あくまで検体検査のような物の評価そのものである点数について、論点に掲げられた方向性で議論を進めていくことは異論ございません。
 ただ、特にプログラム医療機器のところでも発言しましたが、技術と物については、原則的には評価を分けることが適切だと考えております。
 市場規模の大きくなるような、また、大きくなることを目指している場合には、ますます材料料としての評価を前提に議論すべきであるということは申し上げておきたいと思っております。
 私からは以上です。
○笠木部会長
 茂松委員、どうもありがとうございました。
 それでは、そのほかの委員からコメント、御質問等いかがでしょうか。
 それでは、松本委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 それでは、各テーマの論点に対して、コメントをさせていただきます。
 まず、23ページの希少疾患等に対する検査の評価についてでございますが、現状の取扱いに課題があるということは理解いたしました。
 評価の透明性、技術と物の分離という観点から、原価計算方式を導入することも考えられますので、仮に原価計算方式で評価した場合も含めて、加算で対応する妥当性について、もう少し検討を続けてはどうかと考えております。
 続きまして、28ページに費用を削減するような医療機器についてでございますが、26ページの事例にあるような機器について、保険財政的にも開発が進むことを期待しております。
 28ページにあります今回の御提案は、保険収載時の価格設定に費用対効果を反映させるという側面もあると受け止めております。
 費用削減の効果をどのように見込むのかという技術的な課題も含めて、また、妥当性の担保について検討する必要があると考えております。
 最後に、37ページの市場拡大再算定については、検討の方向性に異論はございません。
 私からは以上になります。
○笠木部会長
 松本委員、ありがとうございました。
 そのほかの点、いかがでしょうか。
 島委員、お願いいたします。
○島委員
 島でございます。
 本日の論点に関しましては、いずれもこの方向で検討するということは、今後のいろいろな問題点を含めて重要な話だろうと思っておりますので、そういう方向で進めていただければと思います。
 特に28ページのところ、費用が軽減したときにというところで、茂松委員からも言われましたように、実際そうなると、少し薬剤のドミナントのところで話をしましたけれども、それだけ流通するわけですから、それだけ企業としても収益はあると考えるので、この辺のバランスというか、考え方をもう少し整理する必要があるのではなかろうかと思います。
 以上でございます。
○笠木部会長
 どうもありがとうございました。
 そのほかの点、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、ほかに御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑は、このあたりといたしまして、今後事務局において本日いただいた御意見も踏まえて、御対応いただくようお願いいたします。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡をいただきます。
 それでは、本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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