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2023年8月30日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第121回議事録

○日時

令和5年8月30日(水)9:30~

○場所

日比谷国際ビル コンファレンススクエア8F

○出席者

笠木映里部会長 永瀬伸子部会長代理 飯塚敏晃委員 安川文朗委員 
松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員 
茂松茂人委員 島弘志委員 林正純委員 森昌平委員
守田恭彦専門委員 前田桂専門委員 青木幸生専門委員

<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
萩原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器業界からの意見聴取について

○議事

○笠木部会長
 それでは、ただいまより、第121回「中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、本日の委員の出欠状況について報告します。
 本日は、末松委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 今回は、関係業界からの意見聴取を行いたいと思います。
 関係団体として、日本医療機器産業連合会、米国医療機器・IVD工業会、欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会、日本臨床検査薬協会、日本医療機器販売業協会より意見を聴取したいと考えております。
 それでは、早速、意見陳述に移りたいと思います。
 まず、関係団体の皆様より45分程度でまとめてプレゼンテーションをしていただき、その後に、質疑とフリーディスカッションを行いたいと思います。
 それでは、医療機器業界5団体より、プレゼンテーションをお願いいたします。
○日本医療機器産業連合会
 皆さん、おはようございます。日本医療機器産業連合会会長の山本でございます。本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、産業界の立場から特定保険医療材料、医療機器・医療技術、医療機器流通、体外診断用医薬品の4つの分野について、それぞれ意見を述べさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 早速ですけれども、私から特定保険医療材料に関してお話しします。お手元の資料の材-1を御覧くださいませ。
 本資料は、医機連、AMDD、EBC、MTJAPAN、AdvaMed合同の資料になっております。
 3ページを御覧ください。
 近年の物価、エネルギー、光熱費等の高騰、これは各産業や国民生活に大きな影響を及ぼしておりまして、医療機器におきましても、原材料、部材の価格、輸送費の高騰等によりまして、医療機器の安定供給への懸念が生じる状態となっております。
 4ページを御覧ください。
 特定保険医療材料の安定供給懸念の実態把握のため、本年4月に実施した不採算に関する調査結果であります。
 MTJAPAN正会員企業258社のうち202社からの回答、回答率78%と非常に高いものでありました。
 不採算製品のある企業は96社、48%でした。また、不採算製品は395成品に及びまして、そのうち260製品で安定供給への懸念があり、償還価格より高く販売する製品、いわゆる逆ざや製品が177製品となっていました。
 図3は価格転嫁の状況ですが、価格に転嫁する予定が167製品、価格転嫁したいができないが191製品でした。
 原材料の高騰に対し、やむを得ず価格への転嫁、逆ざやとなる販売の状況が明らかとなりました。
 5ページを御覧ください。
 本日は実態調査結果も踏まえ、医療機器の安定供給の確保に向けた対応について6点、イノベーション評価の見直しについて2点御説明させていただきます。
 6ページを御覧ください。
 初めに「安定供給の確保に向けた対応」に関してですが、専門組織の御提案の不採算品に対する適切な価格の改定及び価格改定後に安定的な供給を維持するための、その後の価格の再算定に配慮する仕組みの検討について賛同するとともに、本件に関する具体的な提案を御説明させていただきます。
 7ページ目を御覧ください。
 安定供給の1点目「不採算選定の基準の明確化」についてです。
 図は、先ほどの不採算に関するアンケートの一部ですが、不採算に陥った395製品のうち、不採算要望を出す予定のあるものは84製品、21%にとどまっておりました。
 次回改定に向けて厚労省には、提出書類の書式見直しや学会への要望提出に対する協力を依頼いただいたことは、大変感謝しておりますけれども、不採算要望を提出する予定のある製品が21%にとどまっていることから、残る80%の製品へのさらなる対応が必要と考えています。
 8ページを御覧ください。
 表は、過去3回の改定における不採算製品の引上げの実施を示しています。不採算が認められた製品はかなり限定的なことから、現在の不採算要望の実態は、選定要件が厳しく運用され、採用実績が少ないため企業が提出しない、しにくい、不採算要望を提出しないため、採用実績が増えないという悪循環が起きていると考えられます。
 提案ですけれども、令和6年度改定では一定数の不採算要望が想定されることから、不採算算定の基準を9ページに示すように、明確化していただくことを希望します。
 また、企業の不採算要望をちゅうちょなく活用できるよう通知等への明示をお願いします。
 さらに、急激な物価高騰等の影響により、安定供給への懸念を生じさせないため、随時不採算要望の受け付けを希望いたします。
 10ページ目を御覧ください。
 安定供給の2点目であります。「安定確保が求められる医療機器への対応」についてです。
 専門組織から価格改定後も安定的な供給を維持できるよう、その後の価格の再算定においても配慮する仕組みについて、検討してはどうかという意見をいただいております。
 特材については、医薬品の最低薬価や基礎的医薬品のような価格を下支えする制度がなく、改定のたびに継続的に償還価格が下がるため、業界としても専門組織の意見に賛同し、医療機器の特性に応じた制度が必要と考えています。
 提案ですが、医療上必要な医療機器の安定供給を確保するために、不採算となり供給困難になる前に償還価格を下支えする制度を、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 11ページを御覧ください。
 安定供給の3点目「原材料・部材価格等の高騰への対応」についてです。
 特材の医療機関の販売価格は、償還価格が上限目安となるために、価格転嫁が難しいところですが、実態調査結果でお示ししたように、原価高騰分を価格に転嫁する製品が42%、逆ざやで販売されている製品が45%となっています。
 医療機関からも物価高騰等による影響が多く報告される中、価格への転嫁は医療機関の負担にもなっています。
 一方、値上げにより安定供給を確保したとしても、基準材料価格改定の原則により、改定前の価格を超えることができないため、結果的に価格への転嫁は十分に反映されず、医療機関の負担が継続する制度となっています。
 12ページ目を御覧ください。
 提案ですけれども、実勢価格調査による価格改定の算出結果が、改定前の償還価格を超える場合には、改定前の償還価格を超えた算出結果が改定後の基準材料価格となるよう、制度の変更を希望します。
 また、医療現場への影響を把握するために、実勢価格調査における逆ざやとなる機能区分の数等の公表をお願いいたします。
○米国医療機器・IVD工業会
 ありがとうございます。
 米国医療機器・IVD工業会副会長の玉井です。
 それでは、早速、13ページを御覧ください。
 安定供給の4点目「外国価格調整の見直し」についてです。
 専門組織からの意見に対し、業界の意見を述べさせていただきます。
 外国価格再算定については、その影響を十分に考慮し、廃止や改善を業界として要望しております。その観点から専門組織の御意見に対して、賛同は難しいと考えます。
 続いて、14ページを御覧ください。
 再算定制度は比較水準倍率の引下げなど、継続的に厳格化、価格の引下げにより不採算となる事例も報告されております。事例として、心臓機械弁の価格が大きく下落し、ある企業は不採算要望を提出、ほかの企業は採算がとれないことを理由に販売を終了いたしました。外国価格再算定による大幅な価格引下げは、製品供給に影響を与えます。
 15ページを御覧ください。
 再算定制度の外れ値除外ルールは、米国などの世界で販売数が多い国を除外することになりかねず、海外との状況を適正に比較していない可能性がございます。
 いわゆる逆ざやの状態は、償還価格や外国平均価格の変更がなくても、外国価格調整の対象になる可能性が高まり、企業のみならず、医療機関側の負担も高まると考えています。
 16ページを御覧ください。
 日本と欧州における製品提供コストには、図でも示したとおり大きな差がありますが、医療施設の集約化の違いも一つの理由であると考えています。
 右の図は、欧州の手術実施施設数を日本と比較したものになります。日本において医療施設の集約化が進んでいないことが見て取れると思います。
 17ページを御覧ください。
 流通に関する費用も、日本は比較的高いです。整形製品の短期貸出しのイメージ図です。
 日本では、在庫負担リスク及び物流に関する様々な費用負担があります。対して、欧州各国では、製品は医療機関への売り切りが中心で、物流関連費用は低く、また、在庫負担リスクは基本的にない状況です。
 18ページを御覧ください。
 以上を踏まえ、外国価格調整の見直しを要望いたします。
 まず、外国価格再算定制度は、その役割を一定程度済ませたことと考えていることから、廃止を要望いたします。
 廃止まで一定の時間が必要な場合は、次のことを要望いたします。
 まず、相加平均による外国平均価格比が1倍以下の場合、価格の引下げを行わない、及び現在の引下げ上限値の50%は緩和することを要望いたします。
 適切な価格比較とならない外れ値除外ルールは、速やかな廃止を要望します。
 逆ざやの状態である機能区分は安定供給懸念の観点から、外国価格再算定制度の対象区分から除外を希望いたします。
 最後に、為替変動や費用構造の違いなどを踏まえ、現在の比較水準である1.25倍の見直しは行わないことを要望いたします。
 続きまして、19ページを御覧ください。
 安定供給の5点目「新規収載品の基準材料価格の算定ルール見直し」についてです。
 外国平均価格比が0.5倍以下の場合に、原価計算方式で算定希望することができるルールに海外未発売の製品は適用されません。相応の救済ルールを希望いたします。
 20ページを御覧ください。
 安定供給の6点目「安定供給に関するその他の保険医療等専門組織からの意見」についてです。
 安定供給への協力に対し、新たな仕組みの在り方等の検討に協力してまいります。
 21ページ目です。
 イノベーション評価の1点目「チャレンジ申請について」です。
 提案につき賛同いたします。
 次の22ページにも示すとおり、保険申請時から一定期間チャレンジ権の希望を行うことができる制度へ変更を希望いたします。
 次に、23ページ目になります。
 イノベーションの評価の2点目「医療費削減効果による価格調整」についてです。
 効率性等の改善により、費用を削減するような画期的な医療機器の評価の在り方について検討することに関し、同意いたします。
 24ページです。
 イメージ図となります。使用数量削減等により、医療費削減となる場合、その削減費用の一部を加算することにより、製品導入を加速させる制度を要望いたします。
 25ページを御覧ください。
 医療費削減効果の事例となります。新製品は費用削減となりましたが、決定価格は企業の希望価格を大きく下回りました。
 26ページを御覧ください。
 日本未導入事例ですが、使用製品数が減少することから評価価格が下がる可能性があると考えます。革新的医療機器を速やかに導入できる経済的環境構築を要望します。
 次に27ページです。
 以降は、その他についてとなります。
 原価計算方式における研究開発費の取扱いについては、イノベーションの促進を阻害することのないよう、御配慮をよろしくお願いいたします。
 医療機器では、臨床試験の実施の有無で研究開発費も大きく増減いたします。医療機器の特性を十分配慮いただくことを要望いたします。
 28ページです。
 合理的な機能区分の見直しを否定するものではありません。ただし、実施する際は合理性を業界へ十分共有いただき、かつ実施の透明性や予見性の確保をいただくことを要望します。
 C区分で新規に設定された機能区分は、一定期間区分の見直しを行わないことを要望いたします。
 最後に、29ページになります。
 軽微な内容変更に関する保険適用希望は、専門組織への報告のみで、収載されるとの御提案に対し、業界としても賛同いたします。
 特材についての説明は以上となります。ありがとうございました。
○日本医療機器産業連合会
 医機連会長の山本でございます。
 続きまして、お手元の資料の材-2を御覧ください。
 医療機器(医療技術)に関する提案に関しまして、医機連、AMDD、EBC、3団体の合同意見を述べさせていただきます。
 2ページ目を御覧ください。
 本日提案させていただく内容は、こちらの医療機器(医療技術)イノベーション評価とプログラム医療機器等の保険上の評価の2つでございます。
 3ページを御覧ください。
 医療機器(医療技術)イノベーション評価について、(1)C2申請の予見性向上についてです。
 「背景・現状」です。革新的医療機器を早期に上市するために、企業にとって収益の予見性、投資回収の見込みは必要不可欠です。
 参考資料の6ページの医療機器基本計画の中でも、取り組むべき事項として記載されているところです。
 特材は、既存の機能区分の定義が示されており、新規機能区分への該当性判断をしやすく、また、価格改定、加算の考え方、定量的評価方法が明示され、予見性を立てやすいのが現状です。
 一方、技術料包括医療機器の場合、C2の妥当性や技術料の考え方が示されておらず、C2の申請の妥当性判断、価格の予見性が困難です。
 また、昨年度、保険適用に関するガイドブックを発行いただき、準用技術選定の考え方について記載していただきました。
 提案ですが、①、C2への妥当性について、どのような有用性ポイントが認められれば、C2新技術として評価されるか、考え方を通知等でお示しいただければと存じます。
 ②、保険適用ガイドブックでお示しいただいた考え方や、また、準用技術料への上乗せ評価基準に関し、通知で発出いただければと存じます。既存技術料に対し、上乗せ評価の可能性があることを明示していただければと存じます。
 ③、審査における知見を予見性向上に活かす観点から、過去のC2評価事例や有用性の評価方法等を基に、どういった点の有用性がどのように評価されるかなど、予見性向上に資する情報提供、情報開示を御検討いただければと存じます。
 8ページを御覧ください。
 「(2)技術料包括医療機器のニーズ検討会等に係る評価」です。
 「背景・現状」です。医療ニーズの高い医療機器は、小児を対象とした製品など、対象症例が少ないケースも多く、企業が開発に応じるには開発コストを回収でき、安定供給が可能となる技術料、償還価格の見込みが必要です。
 ニーズ品に関して、特材は採算性確保の措置がなされておりますけれども、技術料包括医療機器は、こうした措置がなされていないのが現状です。また、先駆的医療機器、特定用途医療機器も同様の状況かと思います。
 アンメットニーズに対応し、小児や症例数の少ないケースに対して、安定供給の観点、また、画期性の高い製品の適性評価の観点で、技術包括医療機器についても、加算等を明示いただければと存じます。
 提案ですが、①、ニーズ検討会の検討結果を踏まえ、厚労省の公募に応じて開発された技術料包括医療機器また同製造販売業者から一定条件で当該公募品目の次に保険適用希望書が提出されたもの。また、先駆的医療機器、特定用途医療機器の指定品目に関し、加算等の仕組みを構築いただければと存じます。
 ②、本評価が対象となる品目を、特定診療報酬算定医療機器の定義等の通知で明示、運用いただければと存じます。
 9ページを御覧ください。
 現在ニーズ品に指定されております品目の例となります。一連の手技で複数社の多種多様な特材、技術包括医療機器が使用され、同一のニーズ品であっても、対応製品や対応企業により採算性確保の措置にばらつきが生じる可能性があると存じます。
 11ページを御覧ください。
 (3)「保険適用希望内容のうち医療技術評価分科会での審議について」です。
 医療技術評価の審議を行う場の明確化として、保険適用希望内容の全部または一部が医療技術評価分科会で審議されることになりました。
 本制度は、審議を行う場の明確化との認識ですが、試行段階であり、どのような条件のものが医技評分科会での審議対象となるのか、また、従前の基準でA3、C2区分で処理いただいていたものの取扱いに変更が生じる可能性など、必ずしも明確になっておらず、12ページ以降にお示しするような懸念が出ている状況です。
 また、保材専は、企業意見陳述の場が設定されておりますが、医技評分科会では設定されないと伺っております。
 提案ですが、①、本制度の対象となる医技評分科会にて審議されるものの条件や基準に関し、申請前に企業が予見できるよう、通知で明確化していただければと存じます。
 ②、従前の基準でA3、C2区分で処理いただいていたものの取扱いに関し、保険適用時期等、患者イノベーション評価に遅延や不都合が生じないよう、制度設計をいただければと存じます。
 こちらの案でお示ししますように、準用技術の保険適用は年4回を維持し、当該医療技術を正規の技術料として評価する際、改定前に医技評の審議にかける制度としていただければと存じます。
 ③、医技評分科会の審議対象品は、企業から医療技術評価提案書を提出すると伺っており、審議体とのコミュニケーション機会を設けることで、建設的運用になると考えられますので、分科会での企業意見表明や不服時に再申請等の取扱いを御検討いただければと存じます。
 1番のイノベーション評価の説明は以上となります。
 続きまして、17ページを御覧ください。
 次に、プログラム医療機器等の保険上の評価について、御説明いたします。
 17ページのとおり、今回は7月26日の保材専の意見の論点のうち、5点について提案させていただきます。
 18ページを御覧ください。
 提案の1点目「技術料での評価:予見性の向上」についてです。
 「背景・現状」の①、②、前回改定で加算として評価し得る施設基準等に反映することもあり得るなどの評価の考え方をお示しいただいておりますけれども、具体的な評価軸や評価係数等は依然不透明な状況です。
 提案にお示しするとおり、革新度の高い機器開発では多額の投資が必要になることから、具体的な評価軸や評価係数を明確化いただくなど、さらなる予見性の向上が必要です。
 19ページから22ページは、前回の改定時に御提案した資料からの引用です。
 19ページは、技術料で加算として評価いただく際に、類似する既収載技術がある場合とない場合とに分けて、どのように加算として評価いただくか、たたき台をお示ししたものです。
 20ページは、同じ医療機器である特定保険医療材料の補正加算の評価軸を基に、プログラム医療機器の特性を踏まえた文言等を追加してお示しした評価軸のたたき台です。
 21ページは、特材の加算評価の判定シートをお示しし、技術料で加算として評価いただく際も、このような評価方法を試行的に準用いただけないかとお示ししたものです。
 22ページを御覧ください。
 提案の2点目「特定保険医療材料としての評価①:要件の明確化」についてです。
 「背景・現状」の①、②でお示しのとおり、治療用で患者が、主に自宅で自ら使用するプログラム医療機器を特定保険医療材料として評価することについて、意見が示されております。
 他方で、既に治療用で患者が主に自宅等で自ら使用するプログラム医療機器も考えられる製品でも、医師による患者の疾病管理に用いられ、技術料で評価されるものも存在するなど、これまでの特材の考え方との整合性も懸念されるところです。
 そこで、提案①にお示しのとおり、特材の個別の製品別ではなく機能区分別に評価が設定されますので、更新頻度の比較的頻繁なプログラム医療機器が、同一の機能区分内の更新されていない製品との同価格での評価について、革新性の評価が不十分とならないよう配慮をいただくとともに、提案②のように、技術料で評価されるプログラム医療機器との線引きについて、要件を明確にしていただきたいと存じます。
 23ページは、平成5年の中医協建議でお示しいただいた、医療機器の評価方法の考え方で、令和3年の厚労省資料より引用しております。
 24ページは、治療用で患者が主に自宅等で自ら使用するプログラム医療機器で、技術料で評価されている例をお示ししております。
 25ページを御覧ください。
 提案の3点目「特定保険医療材料としての評価②:原価計算等における扱い」についてです。
 「背景・現状」の①、保険診療において継続的に提供するための費用について、プログラム医療機器以外との違いを明らかにすべきとの御指摘があり、②でコスト構造の特徴を例示しました。
 提案としては、有体物とは明らかに異なる原価構成ということに加え、AI画像診断プログラムや、患者が利用する治療用プログラムをはじめ、今後、特徴や開発工数などが異なる様々な製品が予想されることから、有体物を前提として公表される原価計算方式の係数を当てはめるのではなくて、一定期間もしくは一定数の事例の集積の上、適切な係数や計上すべき項目を設定いただきたいとするものです。
 26ページは、高騰するSaaSコスト等、プログラム医療機器の開発や、継続提供に大きな影響を及ぼすコスト項目の実態や、プログラム医療機器に特徴的なコストの扱いに関する要望をお示ししております。
 お客様への引き渡しを伴わないが、インストール等の品質確保に必要なUSBメモリー等、原材料費に含まれるべき項目、SaMDの特性に合わせて研究開発費に含めるべき項目、一般管理販売費への計上項目など、一定期間もしくは一定数の事例を基に、適切に設定をいただきたいとする要望です。
 27ページを御覧ください。
 提案の4点目「医療従事者の労働時間を短縮させるプログラムの普及への制度的後押し」についてです。
 「背景・現状」、①、②でお示しのとおり、医療従事者の労働時間短縮に寄与する製品は、時間を短縮した分、別の診療報酬を得る機会を得るといった意見が示されております。
 他方で、3でお示ししましたとおり、現状、医師の過重労働に起因する患者の死亡例や健常な人とは異なり、痛い、苦しい、不安な状態の患者が長時間待たされている実態や、緊急搬送時の受入れ困難など、患者がお困りの状況が現に生じている状態にあることも重要な観点と受け止めております。
 続きまして、提案①、別の診療報酬を得る機会を得る前に、患者死亡例が出ている実態も勘案いただき、患者視点での働き方改革へ寄与するプログラム医療機器について、増点、加点評価による普及の後押しを御検討いただけないでしょうか。
 あわせて、働き方改革への寄与が、待ち時間短縮や救急搬送受入れなど、患者メリットにも直結し得ることを勘案いただけないでしょうか。
 28ページは、重要な患者不利益が生じている実態をお示ししております。
 29ページは、機械学習等による読影検出能の向上を、読影時間の短縮など、医師の過重労働で生じる病変見逃しなどの問題の解決に寄与し得るプログラム医療機器の事例です。
 30ページを御覧ください。
 提案の最後です。「保険外併用療養費制度の活用等」です。
 「背景・現状」①、②でお示しのとおり、二段階承認の一段階目は保険適用の期間が満了した後など、保険外併用療養費制度活用の検討が必要との意見が示されております。
 関連業界としても、基本的に賛同させていただき、提案で5点お示ししたとおり、柔軟な保険収載の制度運用を希望します。
 31ページは、第一段階承認から保険適用後までのイメージで、図中の黄色で示した点について、下段の表のとおり要望させていただきます。
 32ページ目以降は、参考資料として一般的な医療機器とプログラム医療機器の相違点及び保材専からの意見で挙げられた論点のおのおのに対する業界の意見を掲載させていただいております。
 以上、よろしくお願いいたします。
○日本医療機器販売業協会
 それでは、日本医療機器販売業協会の会長の山下尚登と申します。
 本日は、このような機会を賜りましてありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 我々販売業は、日頃から離島や僻地を含めまして、日本の津々浦々に医療機器等の安定供給を行っております。
 今回の物流の2024年問題、これは、目前に迫っている喫緊の課題だと認識しておりまして、この問題に円滑に対応できませんと、医療現場への医療機器の安定供給に支障を来すことになりますので、幾つかの論点について本日は皆様と認識を共有し、医療サービスを支え続けるための議論ができれば幸いと存じます。
 それでは、阿部部会長をより発表いたしますので、よろしくお願いします。
○日本医療機器販売業協会
 部会長の阿部でございます。医療機器流通の観点から要望を述べさせていただきます。
 スライド1は、本日の内容になります。
 スライド2を御覧ください。
 医療機器販売業の現状と今後の見通しについてです。
 下の模式図を御覧ください。
 先ほど医機連からの要望にも同じような図がありましたが、こちらは販売業の立場からの図になります。
 左側の2本の棒グラフの部分ですが、販売業は、医療機器流通の効率化を推進し、医療コストの低減をしてまいりました。
 しかし、近年、製造コスト、物流コスト等の上昇により、医療機器の仕入れ価格は既に上昇し、医療機関への販売価格は次第に上がってきております。
 現在は、図の左から3番目から4番目へ移行している途中ということになります。
 このような状況下で、特定保険医療材料の中には、償還価格を超えて販売せざるを得ないものも出てきております。この場合、医療機関は赤字での対応となり、経営状況に悪影響を及ぼすことになります。
 スライド3を御覧ください。
 スライド3は、近年のガソリン価格と電気料金の推移でございます。
 スライド4を御覧ください。
 スライド4は、製品価格の値上げの現状でございます。
 スライド5を御覧ください。
 物流の2024年問題についてです。
 物流の2024年問題とは、自動車運転業務についても、適用開始となる働き方関連法、時間外労働の上限規制に伴って発生する物流の課題のことですが、来年4月からドライバーにおいても、時間外の労働上限規制960時間が適用されることになり、あわせてトラックドライバーの離職や運送会社の倒産、廃業が増え、その結果、14%程度の輸送力が低下すると言われております。
 医療機器の物流においても大きな影響が考えられます。そのため、医療機器の安定供給を脅かす原因となることが懸念されております。
 スライド6を御覧ください。
 配送、納品に対する影響についてです。
 上の図の物の流れを見ていただきますと、メーカーと販売業者の配送に運送会社を使っておりますので、配送力の低下により、この部分で配送リードタイムが延びることとなります。
 下の表の医療機器流通への影響を見ていただきますと、安定供給の部分では、製品の到着が遅れることにより、患者の治療や診断が遅れたり、緊急対応が間に合わなくなるおそれがあります。
 運送に携わる人材不足により、品質が悪化し、製品の外装破損といったことが増えるかもしれません。
 医療機器特有の商習慣であります、短期貸出しといった製品循環型ビジネスモデルでは、往復で運送会社による配送があるために、さらに影響度合いが大きいと考えております。
 これにつきましては、スライド8の参考資料3を後ほど御参照いただければと思います。
 また、例えば、手術に必要だから明日持って来てほしいといった緊急時の対応も、今では何とか間に合っている場合でも、今後は運送会社の通常便では間に合わず、チャーター便を手配する必要が出てきます。今でもチャーター便を使うことがありますが、今後はその頻度が増えていくことが予想されます。
 スライド8の参考資料の下枠にありますように、チャーター便の運賃は非常に高額ですので、そのコストを医療機関に負担していただかざるを得なくなってくると思います。
 その結果、医療機器の価格高騰につながるおそれがあります。
 スライド7を御覧ください。
 コストに対する影響についてです。物流の2024年問題はもちろんですが、それ以外にも現在進行形で、エネルギー高騰や円安、インフレ、人件費の上昇といったコストを押し上げる様々な問題があります。
 上の図の物の流れを見ていただきますと、製造コスト、運送コスト、人件費などのコストが上昇することにより、販売業者の仕入れ価格は既に上昇しておりますし、今後も値上がりが続いてまいります。
 また、納品日が従来よりも延びることや、緊急手術、検査に備えて、メーカー、販売業者、医療機関がそれぞれの立場で在庫を増やす必要が出てきます。これにより、コスト負担も無視できません。
 下の表の医療機器流通への影響を見ていただきますと、先ほど申し上げた様々なコストが上がっており、販売業者としても、医療機関への販売価格を上げざるを得ない状況です。
 これは、特定保険医療材料でも例外ではなく、償還価格を超えて販売せざるを得ない事例も出てきており、このまま償還価格や、診療報酬が上がらなければ、メーカーや販売業者のみならず、医療機関の経営も大きく苦しくなっていきますし、医療機器の安定供給や医療の安全・安心といった面で影響が出てくるものと考えております。
 スライド9を御覧ください。
 冒頭御説明いたしました医療機器流通の現状と物流の2024年問題を踏まえて、その前に、スライド10の参考資料4にお示しするように、償還価格を超えて特定保険医療材料を販売している実態が多くあります。
 実勢価格の加重平均や償還価格を超えている、いわゆる逆ざやになっている機能区分が存在しており、その数は増えているのではないかとも考えます。
 その結果、償還価格を超えて特定保険医療材料を購入している医療機関は多数あり、経営を圧迫する一因になっているのではないかとも予想されます。
 これらを踏まえての要望ですが、先ほどの医機連さんからの要望と同じで、医療材料価格結果の公表に逆ざやとなっている機能区分の情報を公開してはどうかということと、実勢価格調査による改定価格の算出結果が、改定前の償還価格を超える場合は、その歳出結果を改定後の基準価格としていただきたいと要望させていただきます。
 また、物流の2024年問題を踏まえての要望ですが、この問題は、医療機器の安定供給を脅かす要因となり、医療機器の価格高騰につながる要因となるため、物流の2024年問題に焦点を当てた議論の場を設けるなど、医療機器の安定供給維持のための議論をお願いしたいと考えております。
 スライド11を御覧ください。
 医療機器流通DXの推進についてです。こちらの要望は中長期的にわたる要望ですので、今後の課題として捉えていただければと思います。
 医療機関と販売業者の受発注は、現在もファクスや電話が主流となっており、DX化は残念ながら進んでおりません。
 安定供給維持、安心・安全のための適正使用支援業務の効率化実施など、医療機器流通のさらなる効率化のために、医療機関、製造メーカー、販売業者全てのDX化の推進をお願いしたいと思っております。
 そのために、特に3次救急施設のような大規模医療機関には、医療材料を一元管理するような部署を創設していただきたいと考えております。
 緊急の発注や貸出しといった適正使用支援業務の窓口を行っていただきたいと思います。
 その上で、このような部署、例えば医療機器材料管理室を設置する医療機関に対しては、診療報酬上の加算をお願いしたいと考えております。
 医療機器流通の要望は以上でございます。ありがとうございました。
○日本臨床検査薬協会
 日本臨床検査薬協会の小野でございます。本日は、このような場をいただき、ありがとうございます。我々も3団体共同提案として発表いたします。
 2ページ目を御覧ください。
 有用性が高く革新的な検査を早期に患者、医療現場に導入するため、本日はAからDまで提案いたします。
 3ページ目を御覧ください。
 体外診断用医薬品は、保険適用希望書作成に当たり、積み上げ方式にて点数計算を行っていますが、特材のような画期性加算、有用性加算、改良加算、市場加算などの仕組みがありません。
 答申書附帯意見でも言及されていましたとおり、検査の適切な評価の在り方を検討する時期に来ていると考えます。
 4ページ目を御覧ください。
 そこで、検査に対してもイノベーション評価システムを確立することを提案いたします。開発モチベーションを維持し、患者や医療に貢献していくためにも、革新性、有用性の評価システムを導入することは重要と考えています。
 5ページを御覧ください。
 医療的アンメットニーズである検体数が少ないことが想定される項目の開発・上市を推進するため、市場性評価として加算することを要望します。
 医療的に重要と思われる検査項目であっても、検体数が非常に少ない項目については、企業は開発を躊躇、断念する場合があります。
 そういった項目の製品開発を推進するため、市場性に対する加算の創設は非常に重要と考えます。
 6ページに開発導入に躊躇、断念した項目について記載しています。各企業がどのような項目の製品開発を考えたかということは、秘匿性の高い情報になりますが、一部であっても本発表のために情報提供されたということは、市場性加算に対する期待が非常に大きいものと考えております。
 7ページを御覧ください。
 特材に続き、令和4年度に技術料に一体として包括して評価される医療機器に関しても、使用実績を踏まえて保険収載後に再度評価を行うことができる仕組みであるチャレンジ申請が導入されました。
 同様に、技術料である体外診断用医薬品においても、臨床使用、追加データを収集することにより、検査による患者への臨床的効果などが証明される項目も存在します。
 当該技術に関し、検査による臨床上の有用性が市販後に証明された際は、イノベーションを適切かつ迅速に評価する観点や、体外診断用医薬品に関する企業による保有情報、関連学会の技術取扱い状況を総合的に判断し、技術料の再評価を企業から申請するほうが望ましい場合もあります。
 8ページを御覧ください。
 体外診断用医薬品においても、収載時には医療アウトカムに対するエビデンスが不十分であり、収載後にデータを集積することでエビデンスを確立できる場合があります。
 そこで医療機器のC2チャレンジに準ずる形で、技術料に包括される体外診断用医薬品においても、イノベーションを適切に評価し、よりよい検査の開発につなげる観点からチャレンジ申請の制度を設けていただけないでしょうか。
 また、体外診の企業単体での大規模な試験が難しい場合もあることから、企業の臨床試験以外の多様なエビデンス(文献報告等)を用いたチャレンジ申請を認めていただきたいと考えております。
 体外診断用医薬品の「チャレンジ申請対象の案」を表に示しております。
 9ページを御覧ください。
 使用実績を踏まえた再評価が必要な事例として、心筋トロポニンI及びTについて説明します。
 2009年に高感度化した心筋トロポニンが薬事承認されましたが、その時点では臨床におけるエビデンスが十分ではなかったため、従来品と同様に発症後6時間での診断に有用であるとして、E1での保険適用となりました。
 その後、臨床的なエビデンスが蓄積し、2013年には、「発症後2時間以内の急性期の診断に有用であること」がガイドラインにも記載され、2014年には、経皮的冠動脈形成術や冠動脈ステント留置術の実施において、心筋トロポニンが高値であることが算定要件として規定され、さらに2018年にはガイドラインに、「搬入時のトロポニンの数値が高値であるほど死亡リスクが高い」旨も記載され、患者アウトカムとの関連性も確立されました。
 このように検査の高感度化により、追加的な有用性が見いだされた例があり、このような事例が、チャレンジ申請に該当するケースであると考えます。
 本事例は、検査の高感度化により、超急性期(発症後2時間以内)の診断にも有用であることが示され、従来品とは「別項目での算定」についてチャレンジ申請に該当するケースと考えております。
 このような事例について、チャレンジ申請を実施できるよう、体外診断用医薬品についても、ぜひ制度の導入をお願いします。
 11ページを御覧ください。
 保険適用審査の適正化として保材専待ちの解消を要望いたします。
 12ページに例示したとおり、現状、診療報酬改定前の1~3月は、保材専が開催されておりません。また、審査枠に限りがあるため、特に改定直後は非常に混み合い、数か月待たされることもあるという状況です。
 そこで、以下の2点を提案いたします。
 まず、例えば、保材専が開催されない期間前後の月の審査枠を追加するなどにより、保材専待ちの状況を緩和するための対策を御検討いただきたい。
 次に、「保材専での審議が必要な案件」の整理により、審査期間の予見性を向上させていただきたい。
 具体的には、区分E2のうち、内容が軽微な変更にとどまる場合に実施されている「E2軽微」について、フロー及び該当性基準、あわせて標準的な事務処理期間の明示をお願いいたします。
 13ページ目に、「E2軽微」のフローをお示ししています。
 保険適用希望書の受理後、測定方法のみが新しい品目かなどの該当性基準により、内容が軽微な変更にとどまると判断された場合には、医療課ヒアリングが省略され、保材専での報告により保険収載とする案です。
 また、14ページの業界調査結果にて、「E2軽微」の審査期間短縮が認められていることから、予見性の向上のため、「E2軽微」についても標準的な事務処理期間の明示をお願いいたします。
 15ページを御覧ください。
 悪性腫瘍遺伝子検査は、多項目同時検査や、がんパネル検査など、革新的な検査が臨床で実用化される期待の分野です。
 16ページにお示しした提案のように、革新的で有用な悪性腫瘍遺伝子検査を安定的に供給できるよう、適切な評価システムと下支え制度の導入の検討をお願いいたします。
 17ページ以降に、「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」及び「POCT検査による地域医療への貢献」を記載しています。
 また、各々説明させていただいた内容の詳細が参考資料に記載していますので、後ほど御確認をお願いいたします。
 ここで、IVD担当のEBC江田副委員長より、チャレンジ申請について補足いたします。
○欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会
 体外診のチャレンジ申請に関しましては、具体的な事例の提示が必要であると認識しておりまして、今回トロポニンの例を示しております。
 技術料に包括される医療機器のC2チャレンジと同様の取扱いを御検討いただきますよう、改めてお願いいたします。
○日本臨床検査薬協会
 最後に、私、小野から体診業界3団体の要望は、以上のとおりです。
 革新的な体外診断用医薬品の開発及び早期導入は、今後のヘルスケアシステムにおいて重要な核の1つとして大いに医療に貢献できるものと確信しております。
 その活躍の場と枠組み、そして、その推進について、今後も継続的に御検討をいただきますことを重ねてお願い申し上げます。
 以上でございます。
○笠木部会長
 どうもありがとうございました。
 ただいま関係団体の皆様より、一通りの御説明をいただきましたので、これより質疑及びフリーディスカッションに移りたいと思います。
 それでは、茂松委員、お願いいたします。
○茂松委員
 日本医師会の茂松でございます。
 本日は、業界からの御意見、どうもありがとうございました。
 御説明いただきました、材-1から材-4までにつきまして、幾つかの質問とコメントをさせていただきたいと思います。
 まず、材-1につきまして「1.安定供給の確保に向けた対応」「(1)不採算選定の基準の明確化」についてです。
 業界からの御提案は、9ページにまとめておられると思いますが、7ページの3つ目の黒四角でございます。学会要望の取得が困難であることの背景として、学会によっては、個社を支援することは学会としてできないと回答された事例があると書かれております。
 これにつきまして、私ども少し違和感を覚えております。つまり、学会に対しまして、医療保険上の必要性を問うことが求められているのに、個社に対する支援を求められたと受け取られたというのは、企業側のアプローチ、何か問題があったのではないかと危惧するところでありますが、それは、いかがだったでしょうかということが1つ目でございます。
 2つ目、10ページでございます。
 償還価格を下支えする制度についてです。
 医療保険財政の持続可能性の観点からは、市場でできるだけ適正化された価格で取引されることが望ましく、その上で実勢価格が低くなっている製品の保険償還価格を維持することの正当性がどこにあるのかは、よく整理して検討してからする必要があろうかと考えます。
 さもなければ、単に価格が硬直化することになり、目的は果たせないのではないかと考えます。
 次でございますが、1の「(4)外国価格調整の見直し」。AFPでございます。
 13ページから18ページで、様々な御提案をいただきましたが、特に14ページの例について、業界としては、外国価格調整の平均値算出方法の問題と考えておられるのか、それとも引下げの下限値の問題と考えておられるのか、どちらが問題と考えておられるのかを教えていただきたいということであります。
 そして、1の「(5)新規収載品の基準材料価格の算定ルール見直し」でございます。
 19ページでございますが、類似機能区分で算定されて、それほど新規性のないものを原価計算で算定するおそれにもつながるかと思います。
 制度化するとした場合に、19ページに示されました具体的例以外に、もう少し具体的なイメージがあるのでしょうかということでございます。これをお教えいただきたいと思います。
 それから「2.イノベーション評価の見直し」でございます。
 チャレンジ申請の21ページ、22ページのところでございます。
 最終的によい結果が出ても悪い結果が出ても、手を挙げた者については価格の見直しの対象にするというのが、フェアな制度ではないかと思います。これが重要な観点だと思いますが、その観点を堅持した上で、運用について検討していくことは構わないのではないかと思います。
 そして、2の「(2)医療費削減効果による価格調整」ということでございます。
 24ページの御提案について、革新的な医療機器であるがゆえに、対象患者が広がって市場が大きくなることについては、どのようにお考えかということであります。
 そして、医療機器(医療技術)、材-2の資料でございます。
 「1.医療機器(医療技術)イノベーション評価について」「(1)C2申請(新機能・新技術)の予見性向上」というところでございます。
 予見性、可能性については、4ページのガイドブックのような内容であれば理解できますが、ただし、技術料、これは診療報酬として医療者の医療技術の対価を医療機関が受け取るものだと、我々はその観点で認識すべきだと思っております。
 我々診療側としましても、日々進歩する中で悩みながら技術料点数について、この場で議論しているところであり、企業にとっての収益予見性や投資回収見込みを確保するという観点から、医師の技術料としての評価方法を検討し、固定化していくことには、少し違和感を感じております。
 2番目「プログラム医療機器等の保険上の評価について」でございます。
 27ページの医療従事者の負担軽減について、エビデンスをつくる際には、業界として診療に携わる側が協力していかないと、臨床の現場に即したデータとはならないのではないかと思っております。その点をどのようにお考えであるのかということをお聞きしたいと思います。
 また、31ページの段階承認対応ですが、具体的にどのような製品のことを考えておられるのかということもお聞きしたいと思っております。
 そして、材-3でございます。
 これは、最近、物流の問題で非常に困難を来しているところであり、大変御苦労をかけているところかと思いますが、具体的にどのような改善策を講じておられるのかということを、実例を教えていただければなということを、一点だけ御質問をさせていただきたいと思います。
 最後は、材-4、体外診断用の医薬でございます。
 5ページ、6ページの市場性評価ですが、検査は医療において診断から治療に至る一連の中で重要な役割を占めております。
 その意味から、開発促進するために、一定の診療領域に係る検査について準用技術料を単に検査だけではなく、もう少し診療全体を踏まえたものとして捉えるというのは意味があると思います。
 したがって、新興感染症、希少疾患というくくりではなくて、もう少し具体的に疾患や診断、治療についてイメージがあるかということを教えていただきたいと思います。
 また、19ページのPOCT検査についてですが、こういった検査をサポートする体制の観点から、診療側の学会、団体とどのような意見交換をされているのかということを御紹介いただければと思います。
 以上でございます。よろしくお願いします。
○笠木部会長
 茂松委員、ありがとうございました。
 資料材-1から4について、それぞれコメント等、全部で10点ほど御質問がありましたけれども、この段階でお答えできるところから、お答えをお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○日本医療機器産業連合会
 医機連、材料保険委員会の久保でございます。特材につきまして、何点か私のから回答申し上げます。
 まず、初めの安定供給に関しての基準の明確化につきましての学会対応でございます。全ての状況を私たちが把握できているわけではないと思いますが、最大限企業からアプローチさせていただく中で御指摘のようにうまくいっていないところがあるかもしれませんので、その辺りについて引き続き、企業でも努力したいと思っております。
 2点目でございますけれども、下支えする制度につきましては、まだまだ、これから下支えが必要な領域というものをしっかりと整理したいところですが、やはりある程度長期間にわたり、機能区分制度ということで、ある程度償還価格が下げ止まりのような状況になっている製品も多々ございます。えてして、そのようなものは、患者さんにとって、大変必要な医療機器になっていると思いますので、その辺りについての整理を進めてまいりたいと思っております。
 もう一点、少し飛びますけれども、1の(5)の具体的な事例につきまして皆様に公開できるものといいますか、こういった資料に出すものの一つの事例としてですが、ほかの事例があるかどうかについては、改めて業界で調査したいと思います。
 私からは以上でございます。
○笠木部会長
 ありがとうございます。
 そのほかの点について、いかがでしょうか。
○米国医療機器・IVD工業会
 茂松委員、御質問ありがとうございます。
 では、私のほうから1の(4)、外国価格調整再算定について、幾つかまとめて御質問をいただいたと思うのですけれども、50%と外れ値除外ルールということに関しては、両方問題だとは考えておるのですけれども、昨今の円安の状況、様々な事例を考えますと、やはり外れ値除外ルールを速やかに廃止していただくことは、本当に重要なことかなと思っています。
 補足情報になりますけれども、昨今の円安により、AMDD企業の情報によるのですけれども、昨年の定期意見交換会でもお示しさせていただいたのですけれども、大体、輸入コストの様々なものを考えると、1兆円の米国からの輸入に対して、3300億円程度のコスト増という形になっておりますが、その中で価格が継続的に下がるルールというのが非常に厳しいことがあり、また、物流の説明でさせていただきましたが、特に特定のところ、整形外科等々によりましては、医療機関の施設の集約化が大分違うものですから、どうしても物流費、在庫負担費というものが、日本においてはコストが違うということで、そこがかなり厳しいということで、業界として申し上げたいと思います。
 また、6番、22ページのところについては、再算定ルールを申し上げた後に、適切に判断をいただくべきではないかということに関しては、御理解を感謝するとともに、我々としても、そのように思っております。
 7番のイノベーション評価、医療費削減効果によって、市場が広がる可能性もあるのではないかという御指摘をいただきました。
 確かにそのようなケースもあるかと存じますが、特に25ページでお示ししているようなケースにおきましては、そのような広がりの部分はかなり限られておりまして、実際のデータといたしましても、新製品15%の加算が得られたのですけれども、既存製品より、その当時の原価計算等々によりますと、8万円程度の利益の減少につながることになりまして、新規製品によりますと、トレーニング等々の追加的費用も発生するものですから、その観点で、非常に企業として厳しい状況に置かれたという事例があると考えております。
 私のほうからは、以上、お答えさせていただきます。
○笠木部会長
 ありがとうございます。
 医療機器(医療技術)関係について、お願いいたします。
○日本医療機器産業連合会
 ありがとうございます。
 プログラム医療機器に関連しまして、医機連の機器保険委員会の須賀のほうから回答をさせていただきます。
 茂松先生の御質問は、2点だったかと受け止めております。
 1点目が27ページでございまして、医療従事者の労働時間を短縮させるプログラムに関連して、このようなエビデンスを取るには、診療側の協力が不可欠ではないか、業界はどう考えているかという御質問だったと受け止めました。
 もちろん、これはそのとおりでございます。まさに御指摘のとおりです。医療機関、それから学会の先生方に、ぜひ御指導が必要になりますので、御指導をぜひともよろしくお願いしたいと考えております。
 それから、2点目の御質問でございます。
 これは31ページでございまして、第一段階承認、第二段階承認、保険適用といった流れがある中で、どのような商品をイメージしているかといったような御質問であったかと受け止めております。
 こちらにつきましては、申し訳ございません、現状、具体的にどういった商品の第一段階承認、それから第二段階承認で保険適用を受けられる、受けられないといったようなこと、それで受けられた後が、どういう形で保険外併用療養といったものを、1つの商品で御説明することは非常に難しいということでございまして、今後いろいろな製品が出る中で、様々なケースが出てくるに当たって、柔軟な制度をぜひ御検討いただけないかという御提案にさせていただいているところでございます。具体的な製品を、今、この場で御紹介できずに申し訳ございません。
 以上でございます。
○日本医療機器販売業協会
 それでは、材-3の医療機器の流通のほうから申し上げたいと思います。
 茂松委員の御質問は、物流において、現在、どのような取組をして努力をしているのかと受け取りました。
 我々と販売業とメーカーの間では、DX化、EDI発注などがかなり進んでおりまして、間違いによるものを少なくしているということは、一つ言えるのかなと思います。
 そして、確固たる統計データはないのですけれども、各社で行っている流通の効率化というものがあるのではないかと。2拠点あるところを1つにまとめて効率化をしているといったようなことも各社ではやっているのではないかと思います。
 それと、当然、品薄で物が入ってこない、コロナ禍ということもあったので、なおさらなのですけれども、在庫が入ってこないという中では、在庫の積み増しをして安定供給に寄与しているのではないかと。こういう努力を、まだ、様々あるかもしれないのですけれども、大きい観点からいうと、この辺で現在やっているのではないかと。
 これから、さらに物流の2024年問題が入ってくると、何をお願いしたいかというと、例えば、1日早い発注をお願いしたいと、これは医療サイド側から発注をお願いしたいと。明日やるからねという手術を1日前に言っていただきたいというような要望が今後の要望でございますので、その辺も御考慮いただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございます。
○日本臨床検査薬協会
 ④の臨床検査でございます。茂松先生から御指摘が3点だったと思います。
 まず1点目、POCT学会との関わりでございますが、現在、在宅医療学会並びに日本臨床検査専門医会の先生方と、このことについてディスカッションを進めているという状況でございます。
 診断的なもので、アンメットニーズである製品の開発についてはどうだということなのですけれども、業界のほうに確認したところ、6ページに示した新興感染症、感染症以外という、この数値が開発を断念した項目として、我々協会のほうに上げられたものなのですけれども、先生御指摘のとおり、新興感染症、感染症以外というものについては、日本臨床検査振興協議会加盟の専門医の先生方にいろいろニーズを確認した上で、アンメットニーズにある製品について、どのように検査を進めていったらよいのか検討したいと思っております。
 技術料に対する考え方なのですけれども、我々は試薬部分についての加算をイメージしておるのですが、迅速性や簡易性の観点から我々が臨床検査を、どのような形で医療機関に提案できるのか、その辺を踏まえまして、包括的な提案を病院、医療機関のほうにさせていただきたいと考えております。
 以上です。
○笠木部会長
 どうもありがとうございました。
 今、一通りお答えいただいたかと思いますけれども、茂松委員、いかがでしょうか。
○茂松委員
 ありがとうございます。
 我々も本当に、この皆保険制度の中で頑張っているわけで、いかに効率よく、患者さんに安全・安心な医療技術を与えていくかということなので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
○笠木部会長
 その他の点、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会
 茂松先生から御指摘がありました、プログラム医療機器の二段階承認に関して、少し追加でコメントをさせてください。
 欧州ビジネス協会、EBCの森でございます。
 既に医機連から御説明がありましたけれども、柔軟な制度とすることで、将来の様々な可能性に対応できると思うのですが、例えば、あえて例を申し上げるとすると、AIを用いた様々なソフトウエアがあると思います。例えば、内視鏡を使ったときに、自動的にリアルタイムにがんを描出、そして、ピックアップして指摘するソフトですとか、あるいは複雑な様々な臓器がある胸部CT画像から、様々なリスクを自動的に拾い上げて診断の質を上げるとか、そういったソフトウエアが例えば挙げられると思いますが、本当に無限に可能性は考えられると思います。
 既にEBCでは、先駆的なプログラム医療機器の審査保険制度をいろいろやっています。ドイツのディーガと様々な勉強会も重ねてきまして、こういった二段階承認、二段階保険制度というものを御提案差し上げています。
 スピード感を持って導入して、患者アウトカムに貢献するために、評価療養あるいは選定療養ということも組み込んだ枠組みとなっております。
 これは、保険者あるいは医療機関、患者様、そして、今、非常に採算で苦しんでいる様々なDXスタートアップ企業、そういった全てのステークホルダーにメリットはありますし、そして永続的に活用いただける、世界に先駆けた制度となる可能性があると思っております。
 ぜひとも導入に向けて、前向きに御検討いただければと思います。ありがとうございます。
○笠木部会長
 どうもありがとうございます。よろしいでしょうか。
 その他の点について、コメント、御質問等いかがでしょうか。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 まず、医機連をはじめ、各団体からの御説明に関して、お礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
 それでは、資料に従いまして、質問とコメント等を差し上げたいと思います。
 まず、資料の材-1でございますけれども、資料の2ページあるいは4ページのところに、不採算に関する実態調査についての御説明がございます。
 その中で、不採算製品のある会社が96社で395製品という表現がございますけれども、例えば、回答した202社の全製品がどれぐらいあるのか、多分相当な桁数だと思うのですけれども、それがどれぐらいかと。
 したがって、そのうち395製品が、例えばどれぐらいのウエートを占めているのかというのを、まず教えていただきたいと思います。
 また、こういったものについては、機能区分というのがございますけれども、例えば、全体でどの程度の差になっているのか、あるいはある特定の機能区分で、こういった不採算が偏っているとか、そういうことがあるのか、そういった傾向が分かるものを示していただけないかということがお願いになります。
 また、この395製品がどういった理由で不採算になったのかも示しいただかないと、今の物価高騰とか、それだけなのか、例えば、例を挙げますと、最初の値決めの段階で、例えば、非常に利幅が薄くて、少しの変動ですぐなってしまう場合もあると思いますし、そういったことの判断をしかねているというのが、これに関する素直な私の感想でございます。
 さらに、価格転嫁について4ページにございますけれども、42%ができていて、できないものが48%あるというのがグラフ化されておりますけれども、それなりに価格転嫁できているもの、できていないもので、どういった違いがあるのかということも教えていただきたいと思います。
 続きまして、材-2に行きたいと思うのですが、先ほども言及がありました、27ページでございます。
 プログラム医療機器等の評価について御提案にもありますけれども、患者視点での医師の働き方改革対策への評価や、患者メリットの評価とありますけれども、そもそもなぜ、これを保険点数として増点なり評価しなくてはいけないのか、私どもの立場からですと、非常に理解が難しいということが素直にございます。
 さらに、医療従事者の労働時間を短縮するプログラム医療機器については、短縮した時間分の人件費が減少し、その分、別の診療行為に費やすことができるといった、まさに医療機関にとってのメリットであることを踏まえれば、技術料に包括されている医療機器の評価については、医療機関との価格交渉の中で対応すべきではないかということを主張させていただきます。
 また、プログラム医療機器を含めまして、技術料に評価を包括されているものについては、従来から申し上げておりますけれども、技術そのものの評価と、この機器自体の評価について、全体の傾向でも結構ですので、我々に何か分けた形で、かつ可能な限り見えるようにデータを示していただけないかということがお願いになります。
 次に、材-3でございますけれども、5ページに物流の2024年問題ということで、医療機器の安定供給を脅かす要因として挙げられておりますけれども、まずは、企業側の意識改革、マネジメント改革による効率化、合理化というのが大前提になるということは、しっかり認識していただいているとは思いますけれども、改めて述べたいと思います。
 特に9ページのところに、現状と要望という形で仮説を立てていただいているのですけれども、この仮説に対して、アンケートの結果のみならず、ある程度数字の形でお示しいただかないと、これに関して、どう進めるべきものかということについては、少し悩ましいところでございます。
 特に、例えば、11ページにDXの推進についても触れていただいておりますけれども、正直あまり進んでいるという印象を私自身は受けませんでしたので、ほかの業界等で非常にこういったものが進んでいる業界もあるかと思いますので、そういったものもベンチマークにしながら、ぜひこれについては推進をいただきたいということでございます。
 私からは以上になります。
○笠木部会長
 松本委員、どうもありがとうございました。
 資料材-1と材-3について、御質問、コメント等ありましたけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
○日本医療機器産業連合会
 医機連材料保険委員会の久保でございます。
 まず、材料の不採算のアンケート、実態調査についての回答を4点させていただきます。
 まず、1点目、回答した企業の全製品の数というところでございますが、全製品の数という集約はできておりません。
 一方で、不採算要望等を踏まえた償還価格という観点でいきますと、資料にも提示していますが、過去3回の不採算要望が通った製品の数は、9製品、4製品、8製品という実績でございました。毎年10製品以下の状況です。
 私たちの実態調査につきまして、次回令和6年度改定に向けたMTJAPANでの調査の結果からしますと、7ページにもお示ししているとおり、あくまでもアンケートの時点のものですが、84製品で不採算要望を想定しているということでした。
 すなわち、先ほど申し上げた10製品以下のところから80製品に増えているということです。例年の10倍近くになってくるような状況に、今、なっているかと考えております。
 2点目でございますけれども、機能区分の偏りというところで御指摘があったかと思いますが、こちらにつきましては、アンケートを実施する際に非常に悩んだところでございましたが、機能区分という観点で調査をし過ぎてしまうと、個社を特定するようなことにもなってしまうこともありまして、調査の中ではカテゴリーという形で、大きな分類の中で情報をいただいているものでございます。
 そちらで見る限り、大きな偏りがあるという観点では、あくまでアンケートのレベル感かもしれませんが、整形のインプラントに当たるようなものでしたり、血管系カテーテル、カテーテル汎用品といったところが多いような分類に見て取れています。
 3点目の、不採算となった理由でございますが、こちらにつきましては、やはりアンケートで取っておりますが、395製品のうち原材料、構成部品等の価格高騰によるものが300製品、それから償還価格の下落が265製品、為替の変動が209製品と、複数回等の選択になっておりますので、数が多くなっておりますが、そのような状況でございました。
 最後に4点目でございますが、価格転嫁のできたもの、できないものといったところについての理由につきまして、まだ、私たちも分析ができておりませんので、また今後考えていきたいと思っております。
 以上でございます。
○日本医療機器販売業協会
 それでは、医療機器販売業協会から御質問にお答えしたいと思います。
 今のどういうものが価格転嫁できていて、どういうものができていないのかと、我々は末端で医療施設さんといろいろ交渉を行っている立場としては、償還価格以外のもの、例えばPPE製品なるものが、割と価格転嫁ができているように感じます。
 償還価格のものが、それがあるために、それ以上駄目ということで拒否されているというか、受け入れていただいていないことが多いと思います。分類で言うと、そんなところかなと考えております。
 もう一つ、2024年問題の仮説について、物を申しているのではないかということについては、おっしゃるとおりでございます。まだ始まっていないので、どうなるかは分かりませんけれども、そういった懸念されるということをお示ししたかったということと、間違いなくコストは、もう既に上がってきておりますので、何らかの手を、先ほどに追加して言わせてもらうと、在庫をメーカー、販売業、医療施設さんなどもしていただかなくてはいけないのではないかとか、そういうことは考えられます。
 運輸業界がしっかりと、どこのエリアがどうなるということ、どれぐらい具体的に低下するのだということが分からないと、我々も仮説でしか言いようがなくて、今の段階では申し訳ございませんが、そのようなことでございます。
 DXについてということですが、進んでいないという印象をお持ちだということについては、先ほども言いましたように、病院と我々のDX化は全く進んでおりませんという意味です。
 進んでいるほうは、メーカー様と我々販売業の間では、EDIを通しての受発注が大分進んできていると、そういう御理解でよろしいのかと思います。ありがとうございます。
○笠木部会長
 どうもありがとうございました。
 松本委員、以上の御回答でよろしいですか。
○松本委員 はい、ありがとうございました。
 なかなか実態が厳しいことは、私どもも承知しておりますけれども、やはりこういった場で議論を進める意味では、より具体性であるとか、どうしても数字とかは要るかと思いますので、それについては、また今後ともお示ししいただきたいと思います。ありがとうございました。
○笠木部会長
 それでは、眞田委員、よろしくお願いいたします。
○眞田委員
 ありがとうございます。
 一点、確認の質問をさせていただきたいのですけれども、材-1の資料の4ページに、先ほど松本委員から質問がありましたが、2023年不採算に関する調査結果が示されています。不採算品については、約半数の企業があるという回答でありますが、その製品の状況というのは多岐にわたっているのだろうという印象を持ったところであります。
 また、本日の御提案内容については、不採算品再算定の基準の明確化ということを挙げられておられます。
 そこで確認の御質問なのですけれども、そもそも業界の考えておられる不採算製品として、今回395製品が取り上げられていますが、どのような状況にある製品を指しておられるのか、今後の議論の前提になると思いますので、改めてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○笠木部会長
 今の点、いかがでしょうか。
○日本医療機器産業連合会
 ありがとうございます。医機連材料保険委員会の久保でございます。
 今の御指摘でございますが、資料の4ページの図2の凡例に、今回私たちが調査の対象とした不採算と考える事例として6項目を挙げさせていただいております。
 上から申し上げますと、赤字で販売、1年以内に赤字のおそれ、利益が不十分なため供給継続が困難、償還価格より高く販売しているが赤字、償還価格より高く販売しているが利益が不十分、償還価格より高く販売していることにより供給継続に問題ないと、ここまで分類して業界でまとめさせていただきました。
 以上でございます。
○笠木部会長
 ありがとうございます。
 眞田委員、いかがでしょうか。
○眞田委員
 要するに利益が出ているものも含まれているという理解でよろしいのでしょうか。
○日本医療機器産業連合会
 ここで示しました利益というのは、本当にぎりぎりの利益のレベル感でございまして、もちろん逆ざやという観点でいきますと、そこのバランスがぎりぎりのところで、医療機関様にも御理解をいただいているというレベル感と理解しております。
○眞田委員
 お互いの共通の定義、共通の認識を持って議論していくというのが、これからも重要なことだと思うので、そういったことに注意を払いながら進めていきたいと思います。ありがとうございました。
○日本医療機器産業連合会
 ありがとうございます。
○笠木部会長
 そのほかの点、オンラインで御参加の委員も含めて、御質問、コメント等ありますでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、コメント、質問等は、本日の段階では尽きているようでありますので、関係業界からの意見陳述につきましては、ここまでとさせていただきます。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
 それでは、本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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