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2021年8月25日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第112回議事録

○日時

令和3年8月25日(水)9:00~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

関ふ佐子部会長 永瀬伸子部会長代理 飯塚敏晃委員 中村洋委員  
幸野庄司委員 佐保昌一委員 眞田享委員 末松則子委員 
長島公之委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
堀之内晴美専門委員 林利史専門委員 五嶋規夫専門委員

<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
山田保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器業界からの意見聴取について

○議事

○関部会長
おはようございます。ただいまより、第112回「中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」を開催いたします。
なお、本日も、コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開については、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について報告します。本日は、全員が御出席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
今回は、関係業界からの意見聴取を行いたいと思います。
関係団体として、日本医療機器産業連合会、日本医療機器テクノロジー協会、先進医療技術工業会、米国医療機器・IVD工業会、欧米ビジネス協会医療機器・IVD委員会、日本医療機器販売業協会、日本臨床検査薬協会より意見を聴取したいと考えております。
それでは、早速、意見陳述に移りたいと思います。
なお、7つの団体より、全体で40分程度でまとめてプレゼンテーションしていただき、その後に質疑とフリーディスカッションを行いたいと思います。
それでは、40分以内でよろしくお願いします。
○日本医療機器産業連合会(三村)
おはようございます。日本医療機器産業連合会会長の三村でございます。本日は、緊急事態宣言中にもかかわらず、このような機会を設けていただきまして、誠にありがとうございます。
早速ですが、私から特定保険医療材料に関してお話をさせていただきます。
お手元の資料の材-1を御覧ください。なお、本資料は医機連、AMDD、EBC、MTJAPAN、AdvaMed合同の資料になっております。
2ページ目を御覧ください。まずは、新型コロナウイルスの変異株の拡大によりまして、新規感染者並びに重症者が増え続ける中、医療の最前線で懸命に診療に取り組んでいただいております医療従事者の皆様方へ、心より感謝を申し上げます。
私ども医療機器業界も、昨年の感染拡大以降、医療機器の安定供給・確保に最優先で取り組んでまいりました。
ただ、いまだ続きます各種部材の入手困難や国際コンテナ物流の混乱、海外生産拠点のロックダウンによる生産停止など、引き続きサプライチェーン確保に向けた厳しいかじ取りを強いられております。
このような現状も踏まえまして、業界からの御提案を申し上げます。
3ページを御覧ください。本日の提案内容になります。時間の関係もございますので、1と2を中心に御説明申し上げます。
4ページ目を御覧ください。「1.安定供給の確保に向けた対応」についてです。
医療機器の安定供給確保への対策は、喫緊の課題であることは、皆様異論のないところかと思います。
スライドのとおり、安定供給の阻害要因は千差万別です。今回のコロナによる影響は、左上の「災害・事故」に含まれます。右下の「事業性・採算性」に関わる要因には、原材料の高騰や製造設備の更新に伴う投資、価格の下落などが考えられます。
5ページ目を御覧ください。供給不安に関する業界の調査結果になります。
直近3年間で供給を停止した、または近い将来供給停止のおそれがある製品の有無について聞いたところ、左のグラフのとおり、約3分の1が「ある」との回答でした。その理由については「事業性・採算性」が過半数を占めております。
6ページを御覧ください。安定供給の阻害要因は様々であり、保険上の手当てだけでは解決できないことは理解しておりますが、殊特材に関しては、保険を下支えする仕組みが十分とは言えず、供給不安に陥りやすい構造になっているのではないかと考えております。
そこで、御提案になります。
まず、今すぐに取り組むべきは、医療上必要性が高く、特に安定確保が不可欠な医療機器を特定すること。そして、保険上の手当てだけでなく、必要な対策について協議する場が必要ではないかと思います。
特材に関しては、薬における基礎的医薬品制度に倣って、償還価格を下支えする仕組みをぜひ御検討いただきたいと思います。
また、不採算申請の条件緩和や運用の見直しをお願いいたします。例えば逆ざや、つまり償還価格より高く販売していることを条件として求められるケースがございますが、実際には、逆ざやで販売していなくとも、採算割れや採算割れに近いケースがございます。
また、特材は機能区分方式のため、区分内全ての製品の不採算申請が必要となることが、企業の申請ハードルを上げている要因の一つかと思いますので、企業がちゅうちょなく不採算申請が行えるよう、ぜひ見直しをお願いいたします。
7ページ目を御覧ください。安定供給確保に向けた対応の2つ目は、外国価格調整・再算定制度の見直しです。
2002年に導入されました外国平均価格による再算定制度は、着実に内外価格差を縮小してまいりました。また、ここ数年の新規保険収載品の保険償還価格を見ますと、外国平均価格の1.0倍を下回るケースが多く見られます。
8ページを御覧ください。こういった状況を踏まえ、外国価格調整・再算定を見直してはどうかとの御提案でございます。
下の表に医薬品との比較をお示ししました。医薬品は、新規収載時を含めて1回限りの調整となっておりますが、一方で特材は、算定方式や収載時期にかかわらず、複数回の外国平均価格再算定が行われております。
そこで、特材についても、外国価格調整・再算定は、収載時を原則とし、仮に収載時に参照できる外国価格がなく、原価計算方式で算定されるなどに限り、現状の比較水準の上限倍率を維持した上で、1回限りの再算定を適用するように見直しをお願いしたいと思います。
9ページを御覧ください。安定供給確保の3つ目は、合理化についてです。
合理化は、イノベーティブな製品の価格を引き下げ、そうでない製品を引き上げることになり、イノベーション評価とは逆行する制度と言えると思います。
ここに具体例をお示しいたしました。C1取得後に合理化され、改めてチャレンジ申請によりC1を取得した整形材料の実例ですが、幾らチャレンジ申請で再評価されても、当初C1を取得したときよりも低い価格しかつかなかったことから、企業の開発意欲をそぐ事例だと思っております。
10ページを御覧ください。合理化は、市場実勢価格による評価をひずめるとともに、安定供給にも影響を及ぼしかねません。
そこで、御提案です。
一つは、合理化に至った具体的な理由を共有いただくなど透明性、予見性の確保をお願いいたします。
2つ目は、イノベーションが評価されて、Cで新設された区分は、業界要望があった場合は別として、一定期間を経るまで区分の見直しは行わないでいただきたいと思います。
3つ目として、対象区分内の関係企業や臨床の専門家とも十分な議論が行えるよう、余裕を持ったスケジュールを早めに示していただきたいと思います。
11ページ目を御覧ください。安定供給確保の4点目は、新規機能区分設定の際の算定ルールの見直しについてになります。2点ございます。
1つ目は、新規収載時に外国平均価格を上回る場合には引下げが行われていますが、逆に外国平均価格を下回る場合には、安定供給に配慮する観点から引上げ調整を御検討いただければと思います。具体的には、現在の上限倍率1.25倍を維持しつつ、医薬品と同様に外国平均価格の0.75倍を下回る場合は、引上げ調整を検討いただきたいと思います。
2つ目は、12ページ目になります。現在、類似機能区分比較方式で新たに機能区分を設ける際、新規機能区分の基準材料価格が外国平均価格の0.5倍以下となる場合は、安定供給の観点から、原価計算方式での算定を申請できるルールがございます。
一方で、外国で未発売の製品は、参照する外国価格が存在しないため、このルールの適用とはなりません。外国未発売の製品についても、安定供給を確保する観点から相応するルールを設定していただければと思います。
続きまして「2.イノベーション評価の見直し」になります。13ページを御覧ください。
8月4日の材料専門部会で保険医療材料等専門組織からの意見として示されましたチャレンジ申請の権利の付与に関わる手続の簡略化につきましては、業界としても賛同いたします。チャレンジ権付与に関わるプロセス及び提案資料の簡略化をぜひともお願いいたします。
14ページを御覧ください。また、同じく専門組織の意見として示されました先駆的医療機器及び特定用途医療機器の評価につきましても、企業における開発の後押しとなることから賛同いたします。
その他、革新的な医療機器の開発を促進する制度として、ニーズ品や条件付早期承認医療機器もございますので、引き続きこれらの評価につきましても御検討いただければと思います。
15ページを御覧ください。イノベーション評価の見直しの3つ目は、B3区分の活用についてです。
B3は、2018年より導入されましたが、保険適用は1製品にとどまっています。企業が積極的にB3を活用するために、次の2点を御提案いたします。
1つ目は、非臨床試験により高い蓋然性が示されているものの、既存の加算要件には該当しないものについては、B3で評価いただけるよう、通知に明記をお願いいたします。
もう一点は、B3申請される改良品は、既存品に置き換わることを想定しておりますので、まずは暫定的にB1として収載し、並行してB3としての審議を進めることで、改良品が早期に臨床現場に届くようにしてはどうかと思っております。
最後に「3.その他」としまして、16ページ以降に3点示しております。
一つは、8月4日に専門組織からの意見として提示されました保険収載の迅速化です。必要な医療機器を速やかに届ける観点から、業界として賛同いたします。
17ページ目は、改定年の1~3月の保険医療材料等専門組織の開催についてです。こちらも優れた医療機器をいち早く患者の下へ届けるために御検討をお願いいたします。
最後に、18ページでは、暫定機能区分B3の適切な評価をお願いしております。
大変駆け足となりましたが、特材からの説明は以上となります。どうもありがとうございました。
○関部会長
引き続き、お願いします。
○日本医療機器産業連合会(山本)
おはようございます。医機連副会長の山本でございます。本日は、このような意見陳述の場を設けていただきまして、ありがとうございます。
私からは、医療機器・医療技術に関する提案に関しまして、意見を述べさせていただきます。
2ページ目を御覧ください。本日御提案させていただく内容は、こちらの2つでございます。
3ページ目を御覧ください。まず「使用実績を踏まえた評価:C2チャレンジ申請」です。
「背景・現状」です。特定保険医療材料におきましては、新規C1申請に対して、実績を踏まえまして、保険収載後に再度評価を行うことができる仕組み、チャレンジ申請が創出され、令和2年度改定で対象が拡大されました。
一方、技術料の再評価は、現在、学会からの提案に基づき行われておりますが、技術料の中にも機器加算や機器による患者への臨床的効果等が示される診療報酬項目も存在いたします。これらの技術に関しまして、保険収載までの間に検証が困難であった患者有用性など、臨床上の有用性が市販後に証明された際は、イノベーションを適切に、また迅速に評価する観点、医療機器に関する保有情報、該当技術に関する関連学会の取扱状況等を総合的に判断し、技術料の再評価を企業から申請したほうが望ましい場合もあるかと思っております。
また、保険医療材料等専門組織で一度審査された医療機器を同組織において再度審議を行うことで、過去の経緯や議論を踏まえた一貫した検討も可能となりまして、イノベーションのより適正な評価につながることが期待できます。
提案でございますけれども、特材のC1チャレンジに準ずる形で技術料に包括される医療機器につきましても、イノベーションを適切に評価し、よりよい機器の開発につなげる観点から、チャレンジ申請の制度を設けていただきたいと考えております。
具体的には、機器加算や機器による患者への臨床的効果等が示される診療報酬項目において使用される技術料包括の医療機器で保険収載にC2またはA3区分での保険収載を希望したものに関しまして、下にお示ししますように、特材に準ずる形での制度を構築していただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
4ページ目を御覧ください。C2チャレンジの可能性のある機器を包括する診療報酬項目の例をお示しします。機器加算や機器による患者への臨床的効果等が示される診療報酬項目が対象と考えております。
5ページ目を御覧ください。C2チャレンジの具体例の1番目です。人口股関節・膝関節の置換術をロボティックアームで支援するMakoです。
本製品は、既存のナビゲーションと比べて正確に患部を切除し、術後の疼痛が有意に減少することが期待できます。しかし、保険申請時には十分な比較データが得られず、ナビゲーションに対する上乗せの評価が認められませんでした。
手術を待つ患者のために、現在、ナビゲーションと同じ保険点数で上市されておりますが、保険収載後に収集したデータで再評価をいただくべく、C2チャレンジ制度を強く願う事例です。
6ページ目を御覧ください。具体例の2点目です。経皮的冠動脈形成術(PCI)遠隔治療支援ロボットのCorPath GRXです。
本製品は、心臓または中心循環系へ適応するカテーテルを遠隔的に操作するロボット装置で、既存のマニュアル手技に比べ手術精度の向上、技術の均てん化に伴う患者有用性、被曝量低減が期待できます。C2区分での申請を検討しましたが、十分なエビデンスが示せず、既存のマニュアル手技と同じ保険点数での上市となりました。
現在、有用性に関するデータを収集しており、これらのデータで再評価いただくべく、C2チャレンジ制度の創設を強く願う事例となります。
C2チャレンジ制度の説明は以上になります。
7ページ目を御覧ください。続きまして、プログラム医療機器等の保険上の評価について説明させていただきます。
昨今、医療・ヘルスケア領域でAI技術をはじめとするプログラム医療技術等の社会実装が活発化しております。
これらの技術は、疾患治療への利用や病変の見落とし防止など、診断を補助することで患者様の安全性・有効性を向上させるだけでなく、医療の質・技術の均てん化や医療従事者の業務の効率化を図ることによる医師の働き方改革などにも資するものとなっておると考えております。
他方、こうしたプログラム医療機器等の評価の在り方が定まっていないため、企業が画期的な製品を開発しても、C2区分での保険適用希望及びその評価が行われることなく医療現場への導入を優先してしまうことから、結果として普及が進んでいない側面があると考えております。
つきましては、プログラム医療機器等を用いた製品への医療現場への適切な導入に向け、イノベーション評価されるように、新たな診療報酬上の評価を御検討いただきたいと考えております。
具体的には、1点目としまして、患者の有効性・安全性向上といった直接的貢献に加えまして、診療成績が均てん化される機器や専門医と同等の判断を支援することが可能な製品等についても評価を行うことを明確にしていただけないでしょうか。
2点目としまして、保険医療材料等専門組織において準用技術を評価する際、適切な付加的準用技術料でプラス評価といった技術料での評価及び従事者要件などの施設基準の緩和等を御検討いただけないでしょうか。
これに加えまして、プログラム医療機器等に関する専門的な評価を行う体制整備についても併せて考慮をお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。
8ページ目を御覧ください。本提案のプログラム機器等のスコープについては、薬機法上でのプログラム医療機器に加えて、単独では認可を受けていない組み込みプログラムに関しましても、その機能を搭載した医療機器として本提案の対象としております。
9ページ目を御覧ください。スコープ全体の理解の補助として、プログラム医療機器等の類型をお示ししたものです。
薬事承認を取り、保険収載される可能性が高いものを緑色でハイライトしております。赤字は、C2区分収載済みの品目になります。
10ページ目を御覧ください。プログラム医療機器等による患者貢献のアウトカムは、3つに大別できると考えておりまして、患者にとっての有効性・安全性の向上というアウトカムに加えまして、社会的必要性として医療の質の均てん化、医療従事者の負担軽減や医療の質の維持・向上など、長期的な医療提供体制の維持による患者貢献に資するアウトカムが期待されます。
また、経済性・効率性としても、医療の生産性向上等による長期的医療体制維持に資するアウトカムが期待できます。
これら患者の有効性・安全性や社会的必要性、経済性の3つの観点は、特定保険医療材料の改良加算でも評価項目として挙げられているものと受け止めております。
特に、医療の質の向上、医療提供体制維持への課題については、有効・安全な医療の提供に当たり、医師の働き方改革、ICT等の技術を活用した効率化が急務の課題として認識されていると考えておりまして、下に厚労省の医師の働き方改革に関する記載を参考として引用させていただきました。
11ページ目を御覧ください。本提案では、さきに述べましたそれぞれのアウトカムの観点において、技術料及び施設基準緩和としての評価をいただきたいと考えております。
技術料での評価については、想定し得る事例として2点記載しております。
1点目は、技術料で包括評価されるもので、プログラム搭載/併用により有用性等が向上する場合や診断・治療に資するプログラム医療機器等を使用した場合には、加算で評価をいただく。
2点目は、使用した場合に加算という機器加算の形で既に技術料で評価されている機器の有用性が向上する場合に、異なる点数で評価をするということです。
また、施設基準の緩和という形での評価もあり得ると考えております。
その他の観点として、ペースメーカーなど材料価格制度において評価されるケースや患者の継続的な使用に関して配慮が必要と思われる観点を2点記載しております。
12ページ目を御覧ください。実際の評価方法については、例えば基礎的準用技術料をベースに負荷的準用技術料としてプラスで御評価いただきたいと考えております。
あわせまして、付加的準用技術料については、評価軸の明確化についてもお願いしたいと考えておりまして、13ページ目に、特材の補正加算制度を参考に評価軸案を構成したものを記載しております。
13ページ目を御覧ください。こちらが付加的準用技術料の評価軸の案として作成したものになりますが、緑の字は特材で評価のポイントとされる観点、青字は技術料包括の医療機器を前提とする追記や変更、赤字はプログラム医療機器等に関して新規に評価をいただきたい観点です。
14ページ目を御覧ください。付加的準用技術の評価軸案との対比で参照するために、現行の特材の補正加算制度を参考資料として記載しております。
特材では、患者の有用性・安全性に加えまして、社会的必要性、経済性に関する評価軸がありまして、長期的医療提供体制の維持によって患者に貢献するところでございます。
15ページ目を御覧ください。プログラム医療機器等の具体例とアウトカムの類型化を整理したリストになります。
あわせて、16~20ページに、エビデンスがある品目例について、技術概要とアウトカムを記載しております。15ページの事例番号と対応しておりますので、ぜひ御参照ください。
説明は以上になりますが、実情、本提案の趣旨を御理解いただきまして、ぜひともプログラム医療機器等の評価制度を御検討いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上であります。ありがとうございました。
○関部会長
ありがとうございます。
引き続き、お願いします。
○日本医療機器販売業協会(阿部)
日本医療機器販売業協会流通部会部会長の阿部でございます。本日は、このような機会を賜り、ありがとうございます。
医療機器流通の観点から、要望を述べさせていただきます。お手元の資料材-3を御覧ください。
スライド1「医療機器販売業の役割と現状」についてですが、医療機器販売業は、医療を支えるインフラ機能の役目を果たすことにより、医療機器の安定供給に努めております。また、適正使用支援業務を通じて、医療の安全・安心を下支えしております。詳しくは、参考資料1~4を後ほど御覧いただければと思います。
また、我々の新しい取組として、新型コロナ感染症流行時初期に起こったPPE製品や一部の医療機器の欠品を発生させることのないよう、パンデミック時に対応可能な備蓄・サプライチェーンの見直しを目的として、医療機器流通の立場から備蓄政策の提言を行ってまいりました。これらは、欠品や急激な価格高騰といった安定供給に対する支障を排除する取組として有用なものと考えております。
スライド6を御覧ください。今回の要望ですが、医療機器を一元管理する部署、例えば医療機器管理室などの設置により、医療機器流通のさらなる効率化を実現したり、医療機器情報プラットフォームを使用して、データの標準化や流通の効率化を推進する医療機関に対してインセンティブを付与する制度設計をお願いしたいと考えております。
医療機関と販売業間では、医療機関独自の製品コードや製品名を使用したファクスや電話注文が主流であり、共通製品コードはあまり利用されていないのが現状でございます。そのため、新型コロナ感染症流行時初期において、PPE製品や一部の医療機器で買占めや欠品が発生いたしましたが、業界全体で共通製品コードが利用されていないため、国内の在庫情報の把握が困難でありました。
現在、業界では、SIPスマート物流を推進している医療機器情報プラットフォームに参画し、医療機器流通インフラ基盤の標準化に取り組んでおりますが、医療機関を含む業界全体で医療機器情報プラットフォームの利用環境が整えば、人的労力や能力に依存することなく安定供給が可能となるだけでなく、備蓄政策への展開も含め、災害時やパンデミック時においても在庫情報がリアルタイムで把握することが期待されます。
また、本日、資料にはございませんが「平成30年度医療機関におけるUDI利活用推進事業報告書」によりますと、医療機関でも共通製品コードを利活用することにより、トレーサビリティーや安全性の向上が図られ、医療安全に有用であるとする一方、医療機関が製品共通コードを活用するシステムの導入に当たり、導入コストが大きいことから、医療機関の74.4%が財政的なインセンティブを求めております。
医療機器情報プラットフォームを一層充実させ、医療機器流通の効率化と医療安全を推進していくためには、医療機関の参加が必要不可欠となります。そのためにも、インセンティブを付与するなど、医療機関の参加へのハードルが下げられるような環境づくりをお願いしたいと思います。
今後のポストコロナ禍における国家備蓄においての提言をさせていただいておりますが、業界はそのようなことに前向きに取り組んでいきたいと考えております。
以上で発表を終わります。ありがとうございました。
○関部会長
ありがとうございます。
次をお願いします。
○日本臨床検査薬協会(武知)
おはようございます。本日は、このような場をいただき、ありがとうございます。日本臨床検査薬協会医療保険委員会担当理事の武知でございます。
臨薬協、EBC、AMDDからの共同提案として発表させていただきます。
提案の前に、新型コロナウイルスに最前線で対応いただいております医療従事者の皆様に心より感謝申し上げます。
2ページ目を御覧ください。本日は、これらの内容につきましての御提案をさせていただきます。
3ページ目を御覧ください。1つ目としては、保険医療材料等専門組織の意見に関連して、体外診断用医薬品に関しても使用実績に応じたチャレンジ申請ができる制度の確立をお願いします。
企業としては、臨床的有用性があると考えておりますが、臨床データがない、学会ガイドラインに記載がない等々の理由により、イノベーションの評価がなされていないと感じつつも、患者への利便性を考え、不服意見書の提出などを行わず、市場導入を優先するケースがあります。
また、一旦保険適用されると、企業から再申請を行う制度はありません。しかし、検査の性能が臨床的意義に寄与している度合いが大きいものもあることから、医療機器と同様に体外診断用医薬品におきましても、臨床現場で実績などを積み、臨床的有用性、イノベーションの評価が確立した等の場合、チャレンジ申請が行える制度の確立を希望いたします。
チャレンジ申請の付与を希望するタイミングとしては、4ページで赤字で示しておりますように、1の保険適用希望書の提出時及び2の決定案の通知後を希望いたします。
また、併せて企業からの医療評提出のプロセス設定も提案いたします。
5ページ目を御覧ください。2つ目の要望としては、体外診断用医薬品について、臨床上の有用性・革新性の評価の仕組みづくり及びその評価結果を明記していただくことを要望いたします。
体外診断用医薬品においては、保険適用希望書作成に当たり、積み上げ方式にて点数計算を行っております。特定保険医療材料のような画期性加算、有用性加算、改良加算などの仕組みがございません。
また、希望書において、臨床上の有用性や意義、利便上の向上等に関する資料を提出しておりますが、これらがどのように評価に反映されているか、明確にされておりません。
評価の明確化は、チャレンジ申請を行う上でも非常に重要です。開発モチベーションを維持し、患者や医療に貢献していくためにも革新性・有用性を評価する仕組みをつくる検討をぜひともお願いいたします。
6ページ目を御覧ください。評価する仕組みをつくるための第一歩として、評価軸を一定にするために、診断薬協会において表のとおり類型を整理いたしました。この類型に基づき適用希望を行いますので、評価についてもこの類型表を参考に行うことを提案いたします。
また、評価してもらいたいと考えていた内容との差異を次の開発などに生かすため、高く評価していただいた内容を「体外診断用医薬品に係る保険適用決定区分及び保険点数」に示すことを提案いたします。
7ページ目を御覧ください。悪性腫瘍遺伝子検査項目に関しては、前回の診療報酬改定において十分な議論がなされないまま包括化が実施されました。
悪性腫瘍遺伝子検査には、多種多様な遺伝子、検査技術が存在するため、包括では個々の検査項目の臨床的な価値や希少性などが評価されません。一部の検査につきましては逆ざやリスクが増大しており、新規検査の開発や日本導入を躊躇する企業もございます。
この状況を改善するために、8ページに提案を挙げさせていただきました。8ページ目を御覧ください。
血液学的検査D006と悪性腫瘍組織検査D004-2を統合し、その上で個別の検査項目ごとに、さきに述べました医療上の有用性・革新性の評価の類型を基に医療用アウトカム、検査に関わるコスト、市場性の3要素を踏まえた評価をしていただきたいと思います。
コンパニオン診断につきましては、医薬品の評価も加味した上で、検査の有用性評価をしていただきたいと思います。
今後、ますます医療への貢献が期待される多様な悪性腫瘍遺伝子検査を適正に評価するため、個別評価とすることを提案いたします。
9ページ目を御覧ください。在宅医療でのPoint of Care Testing検査普及による効率的な医療体制の構築についてです。
近年、企業の開発努力により、持ち運び可能なPOCT対応機器・試薬が販売され、質の高い医療の提供手段は整ってきております。それらを使用することにより、専門医との連携が強化され、病院への緊急搬送が減少する等の医療システムの効率化に貢献できると考えております。
早期の病態把握を可能にし、適切な治療介入に貢献する検査項目においては、例えば在宅医療現場における心不全患者の管理についても、検査を用いて患者管理が行える場合は、新たに評価していただくことを提案いたします。
10ページ目を御覧ください。医療アウトカムに貢献する緊急検査の評価についてです。
技術革新により、従来に比べ迅速に結果が報告できる検査が開発されてきております。しかし、緊急検査の実施には、対応可能な体制整備が必要であり、施設によって実施状況にばらつきがあります。
そこで、緊急性が求められ、医療アウトカムに貢献できる項目群に対して、新たに加算対象項目を設定いただくことを提案いたします。
11ページ目を御覧ください。続きまして、新興・再興感染症対策及び薬剤耐性(AMR)対策実現への貢献についてです。
私ども診断薬協会は、新興・再興感染症対策及びAMR対策に資する製品を供給することで貢献したいと考えております。その観点から、2点お願いです。
1点目は、微生物検査の実施体制の充実です。感染防止対策加算等の算定要件に、微生物検査の実施体制に関する要件を追加することを御考慮いただきますようお願いいたします。
2点目は、積極的な検査実施による院内感染防止対策の推進です。重症化のおそれのある微生物感染症に対しては、積極的検査を行った場合は保険適用かつ出来高算定とすることを御考慮いただきますようお願いいたします。
体外用診断薬3団体よりの要望は以上です。
コロナ禍におきましても、診断薬協会はコロナ検査薬の早期開発、安定供給など、医療への貢献をしてまいりました。これらの貢献を継続的に行っていくためには、制度として開発モチベーションの維持ができる仕組みの構築が非常に重要と考えております。
革新的な体外診断薬の開発は、今後のヘルスケアシステムにおいて、重要な核の一つとして、大いに医療に貢献できるものと確信しております。その活躍の場と枠組み、そしてその推進を今後も継続的に対応いただけますよう、重ねてお願い申し上げます。
ありがとうございました。
○関部会長
どうもありがとうございました。
一通りの御説明をいただきましたので、これより質疑及びフリーディスカッションに移りたいと思います。
長島委員、お願いします。
○長島委員
長島でございます。
各団体から御意見をありがとうございました。また、今般のコロナ禍において、医療機器等の安定供給に御尽力いただいておりますこと、診療側として感謝申し上げます。
いただいた御意見につきまして、何点かコメントさせていただきます。
まずは、全般的なことですが、個別品目や個別の技術料に係る御意見につきましては、今後、必要に応じて議論がされるものと理解しております。
当部会におきましては、前回の保険医療材料等専門組織からの御意見を基本の論点としつつ、今回、業界よりいただきました御意見のうち、制度に関わる提案も踏まえて議論していくものと認識しております。
次に、各論的にコメントいたします。
まず、C2チャレンジ申請についてでございますが、これは減算することもあり得るとお考えでしょうか。また、今のC1チャレンジ制度もそうかもしれませんけれども、再評価したいものだけになってしまうということが起きる可能性について、どうお考えでしょうか。コメントをいただければと思います。
次に、プログラム医療機器についてですが、整理できる範囲での類型化や評価軸の明確化等の必要性について、異論はなく、御意見の内容は大いに参考になるものと考えます。
ただし、製品によって特性が多岐にわたりますので、個別品目の評価は引き続き丁寧に行うべきであり、最新の状況を踏まえて適宜アップデートしていくものと考えております。
また、特定保険医療材料についてですが、保険医療材料の安定的な供給については、医療現場としても大変重要であると認識しております。
他方、安定供給確保のためには、保険償還価格の問題だけではなく、サプライチェーンの確保、医療機器の流通上の課題等、様々な要素があり、個別品目ごとに状況や必要な対応が異なるものと理解しております。
最後の体外診断用医薬品についてですが、臨床検査は、原則として臨床的有用性等に基づいた評価がなされているものと理解しており、今回の御提案についても、その観点から検討する必要があると認識しております。
例えば資料材-4の9ページにありますPOCTなどについて、どのように有用であるかといった個別製品に基づいたエビデンスはあるのでしょうか。この点を教えていただければ幸いです。
私からは以上です。
○関部会長
ありがとうございます。
今、御質問のあった点について、いかがでしょうか。
医機連、どうぞお願いします。
○日本医療機器産業連合会(平尾)
医機連機器保険委員会幹事をしております、平尾と申します。御意見、御質問をありがとうございました。
まず、1点目のC2チャレンジで減算する可能性があるのかというところについて、お答えさせていただきます。
技術につきましては、様々な技術、関連する製品があろうかと思います。技術料であることを踏まえまして、どのような制度として、どのような形がよいかにつきましては、引き続き関係者とも検討させていただければと思っております。
2点目の御質問でございます。チャレンジ申請を希望したものだけになる点についての御質問でございます。
特にC2区分というくくりの場合は、新規性の高い製品が該当すると思っております。したがって、学会のガイドライン、適正使用指針等も関わってくるケースが多く、学会と企業がコミュニケーションを取っていく場合も多いかと存じます。
そういった点を踏まえまして、より企業と学会でコミュニケーションを取っていくべきだと我々は考えております。
以上でございます。
○関部会長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
では、有澤委員、お願いします。
○有澤委員
ありがとうございます。
私からは、材-2の9コマ目にあります「プログラム医療機器等の保険上の評価について」ということで、特に「プログラム医療機器等の定義と類型化」という一覧の表の中で、一般的に医療機器に関して手術とか手技で用いるものは、技術料評価の中に包括されている、あるいは診断を行うためにも、こういったものは技術料の中で評価をしている中で、治療におけるデジタル治療、キュアアプリに関しては、本来であれば、これは物の評価として評価を行った上で、指導料、管理料であったりの評価を行うべきで、本来であれば特材という形でこの物自体の評価をつけるべきだと考えております。
先ほどからそのようなお話も伺っていますが、この点について、業界としてはどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○関部会長
いかがでしょうか。
医機連、お願いします。
○日本医療機器産業連合会(須賀)
医機連の須賀でございます。御質問ありがとうございます。
今の御質問につきましては、例えばCureAppの例を挙げられているかと思いますけれども、本来であれば、特定保険医療材料として物の評価として行うべきではないかということだったというふうに受け止めております。
こちらにつきましては、保険適用を希望する企業が、技術料に包括される形で希望されるのか、もしくは特定保険医療材料として希望されるのかといったところがまず入り口になると考えております。それに基づきまして、保材専でどちらの保険適用が適切なのかという形で御判定いただき、中医協の総会へ御報告いただく。それで承認されるというステップかと考えております。
以上でございます。
○有澤委員
今後、様々な多種多様なアプリケーション、治療とかが出てくると思います。例えばこのデジタル治療においても、以前から私が申し上げているように、薬と同様に1日何回か使って、何日間使って、毎日使ってという形で、医薬品と同等の治療効果を示すものもありますので、そういったものに関しては、ぜひ特材として認めていただくような方向で企業も努力していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会(江田)
よろしいでしょうか。
○関部会長
どうぞ。
○欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会(江田)
EBCでIVDの担当副委員長をしております、江田と申します。
先ほどの長島先生のコメント、御質問につきまして、在宅医療でのPOCTの検査につきまして、医学的な有効性のエビデンスはあるのかという御質問かと思います。
今回挙げております例で、重症心不全臨床検査管理加算を提案させていただいておりますけれども、これにつきましては、15ページの参考資料に記載しておりますとおり、2017年に発出されておりますけれども、急性・慢性心不全診療ガイドラインに基づきまして、15ページに記載しておるような形で医療に貢献できると我々業界としては考えております。
また、ほかの例といたしましても、静脈血栓塞栓症におけるD-dimerを用いた除外診断も肺血栓塞栓症及び深部静脈血栓症の診断、治療、予防におけるガイドラインに記載されておりまして、これを適用することによりましてD-dimerを在宅の現場で使用することによって効率的な医療に貢献できるということを我々業界としては考えて、今回提案させていただいております。よろしくお願いいたします。
○関部会長
ありがとうございます。
長島委員、お願いします。
○長島委員
お答えありがとうございました。
要するに、そういうことを想定されるとか、期待されるということで、具体的なエビデンスはまだないと理解いたしました。
また、チャレンジ申請に関しましては、やはり様々な課題があるということが浮かび上がってまいりましたので、ここは今後もしっかりと検討する必要があると考えます。
以上です。
○関部会長
どうぞ。
○欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会(江田)
EBCの江田です。
今の長島先生からの御質問にあったところは、今、NT-proBNP、BNP等につきまして、今回提案したものにつきまして、エビデンスの創出は今まさにやっておるところでありまして、今後、医療に貢献できればと考えております。
○関部会長
ありがとうございます。
それでは、佐保委員、お願いします。
○佐保委員
ありがとうございます。私からは4点ほど質問をさせていただきたいと思います。
材-1の資料に、国際コンテナ物流の混乱と、コンテナ不足について記載があったと思います。その関係で、コストはどれぐらい上昇しているのかということと、コンテナ問題については、厚労省に限ったことではないのですけれども、国から何らかの支援が出ているのかどうかというのが1点目の質問であります。
2点目は、医療材料の安定供給のために、今、何が一番効果的なのかということをお尋ねしたいと思います。
3点目は、イノベーションの評価によって、具体的に業界にどんな効果があるのかということをお伺いしたいと思います。
4点目は、電子部品が不足しているという状況ですが、どういった影響が生じているのかということについて、具体的に教えていただきたいと思います。
以上です。
○関部会長
お願いします。
○日本医療機器産業連合会(田中)
医機連の材料保険委員会の田中でございます。御質問ありがとうございました。
幾つか御質問をいただいたので、全部追いつけていないのですけれども、一つは、国際コンテナ物流に関する問題に対して、何か国からの支援がありますかという御質問だったと思うのですが、これについては、今、我々業界のほうでもどういう問題があるかというのをまとめて国交省、経済産業省に実態の報告と要望書も出させていただいて協力要請をさせていただいているところでございまして、具体的な支援は多分、これからいろいろと行政のほうでお考えいただけるのかなと思っております。
それから、2点目は何でしたか。
○日本医療機器販売業協会(阿部)
安定供給についてですが、医器販協からよろしいでしょうか。
材-3の資料の6ページに記載させていただいておりますように、先ほど長島先生からも御指摘があったように、製品が非常に多岐にわたっております。保険医療材料なるものもありますし、そうでないものもあるというのは確かでございます。
しかしながら、先ほど申し上げたように、早い段階でのコードづけ、デジタル化は、我々流通側とメーカーサイドではかなりデジタル化が進んでいて、受発注なんかもされてきております。
しかしながら、6ページで申し上げたように、病院・医療施設側の医療機関側と我々は、まだ電話やファクスの状況であるというのが現実でございます。デジタル化はコストがかかるという話もありましたので、病院側にも何らかのメリットが必要なのかなと考えております。これがなされれば、効率化と安定供給の両方が実現できるものと考えております。
以上でございます。
○日本医療機器産業連合会(田中)
あと、質問をもう一度。申し訳ございません。
○佐保委員
最初にコンテナ不足について、コストはどれぐらい上がっているのですかという質問をしたけれども、政府からの支援は今後いろいろとあるのかなと解釈しました。
その他の質問は、イノベーションの評価によって、業界的には具体的にどんな効果が出るのかということと、最後に聞いたのは、電子部品の不足といった問題です。多分、いろいろなところに影響しているのではないかと思うのですけれども、どういった影響が生じているのかということについて、具体的に教えていただきたいという質問をさせていただきました。
○日本医療機器産業連合会(田中)
申し訳ございません。
コストについて、既にお話があったと思いますけれども、安定供給のために、部材の確保、それから我々メーカーだけでなくて、サプライヤーのほうも在庫を厚くして、我々も厚くし、最終製品の在庫も厚くする。それから、部材のセカンドソースを確保するための取組とか、様々なことで手を打っていまして、全てにおいてコストがアップにつながるような対策になっておりますので、業界としては非常に困っている部分かと思っております。
電子部品については、ほかの産業で様々なところに非常に影響が出ていますので、皆さん御承知のとおりで、我々医療機器業界も非常に大きな影響を受けておりまして、半導体をはじめとした電子部品も非常に幅広く使われておりまして、今、それの確保に追われている。どの製品というのは差し控えますけれども、かなりの製品が今影響を受けていると考えております。
それから、イノベーション評価ですね。今回、専門組織からイノベーションの評価の御提案を幾つかいただいておりまして、我々としても非常に心強い限りでございます。こういった制度がありますと、我々の開発の後押しになりますので、特に小児系の医療機器は、各企業で開発に非常にコストもかかりますし、二の足を踏む部分もありますので、こういった加算等の制度が入りますと、企業も開発に前向きに取り組めるのではないかということで、非常にありがたく存じます。
お答えになっているかどうか分かりませんが、以上になります。
○佐保委員
ありがとうございました。
○関部会長
ほかはいかがでしょうか。
幸野委員、お願いします。
○幸野委員
御要望ありがとうございました。
第一の総論的な要望なのですけれども、外国価格調整とか薬価の基礎的医薬品の下支え制度の平仄を薬価制度と合わせてくれという御要望なのですが、我々の基本認識として、確かに材料と薬価の平仄を合わせてやっていくべきだということは理解できるのですが、実態としては、それぞれの特性や過去の経緯から、薬価と材料制度については、かなり似て非なる制度ではないかというのが我々の認識でございます。
例えば材料価格については、品目ごとの価格ではなくて、機能区分ごとの価格設定になっているということや、そもそも改定時の調整幅なんかについても、薬価は2%に対して材料は4%になっている。それから、薬価については、今回から中間年改定、いわゆる毎年改定が行われたのですけれども、材料については2年に一度の改定という基本的な部分で結構大きな制度の相違がある中で、外国価格調整とか再算定の部分についてのみ薬価と平仄を合わせてくれという要望に対しては、ちょっと慎重に考えざるを得ないのかなと。
本当に平仄を合わせてということであれば、その他の部分も全て平仄を合わすような仕組みにしていくべきで、この一部分のみを取って平仄を合わすというのは、ちょっと違うのではないか、慎重に考える必要があるのではないかと思っています。
それから、各団体が共通して要望されております技術料に包括される場合のチャレンジ申請については、前回の部会で保材専からも提案がありましたので、次回改定に向けて検討のテーブルにはのったと考えていますが、そもそもながら、この検討を行うに当たって今の実態を教えていただきたいのですけれども、技術料のみで評価された場合に、医療機関と機器メーカーとの取引、契約がどのような実態になっているのか、どういう契約となっているのかというところは、ちょっとセンシティブなところなのですが、お教えできるところがあれば、お教えいただきたいと思います。
それから、技術料で評価された場合、医療機器そのものの価値と医療機関の技術の価値はどのようにすみ分けるのかというのは非常に難しいと思っているのですが、その辺りのエビデンスを明確に切り分けて集積できるのかというところについて、各団体の御意見があれば、お聞きしたいと思います。
プログラム医療機器についても、前回8月4日の専門部会で評価軸を明確にするという提案がなされたので、評価軸は明確にされると思うのですが、特に技術料に包括する場合については、先ほど指摘したとおり、医療技術の価値と医療機器の価値をどのようにすみ分けて明確にするのか、非常に難しいと思うのですが、果たしてこれができるのかということ、エビデンスが出せるのかということについて、業界の方々の意見をお聞きしたいと思います。
これはチャレンジ申請だけの課題ではなくて、技術料で医療材料を評価する場合に共通する課題だと認識しています。今後、プログラム医療機器の評価の在り方や医療技術の再評価に関する問題としても認識しておりますので、こういったものについて、どのように評価していくのか、業界としてのお考えがあればお聞きしたいと思います。
それから、医器販協の御要望で、材-3は、いつも非常にこだわられている、適正使用支援業務が非常に大きな負担となっているということで、これを何とかしてほしいということなのですが、まずは中医協に何を要望されようとしているのかということをお聞きしたいと思います。このような大きな負担があるから、機器を安易に引き下げないでくれという要望であれば、これは主張としてはちょっと違うのではないかと思っています。
立会い業務や修理や保守、緊急対応を行うということがそれなりのマンパワーや経費がかかるというのは理解できるのですが、そうであれば、それを診療報酬でどうこうということではなくて、例えば医療機関との契約において、こういうものについては経費を頂きますとか、そういった医療機関との契約なんかをまずしっかりとしていくべきではないかと思います。医療機関とのパワーバランスもあると思うのですが、それができかねるので、診療報酬上で何か補ってくれないかということに関しては、ちょっと違う要望ではないかと思いますので、その辺の見解があればお聞きしたいと思います。
何点か質問したのですが、お教えいただきたいと思います。
○関部会長
それでは、まず、医機連からお願いします。
○日本医療機器産業連合会(田中)
医機連の材料保険委員会の田中でございます。
冒頭に、材料と薬の平仄を全て合わす必要はないのではないかという御意見について、少しお話しさせていただきたいのですけれども、委員がおっしゃるとおり、制度が違いまして、材料は機能区分制度になっておりますし、機能区分の中にいろいろなものが複数入っているということもありまして、そのばらつき等もあって、一定幅の薬との違いがあると認識しておりますので、それは重々承知しておりますが、安定供給を確保するという観点からいうと、そこは薬と差を設ける必要はなく、薬だけそういった下支えの制度があって、材料は必要ないということはないと思いますし、現状としてそういう制度はないものですから、ぜひともそこは下支えする制度をいただきたいという趣旨で御提案を申し上げました。
以上でございます。
○関部会長
引き続きお願いします。
○日本医療機器産業連合会(平尾)
医機連の平尾でございます。チャレンジ申請の部分に関わる御質問について、お答えさせていただきます。
1点目の技術料包括の製品に関わる商取引、現場での実態という御質問だったと思います。こちらにつきましては、様々な製品がございまして、ケース・バイ・ケースとかいろいろなケースがあるかと存じますので、少しお答えが難しいかと考えております。
2点目の御質問で、機器に関わる価値と技術に関わる価値のすみ分けという御質問をいただきました。
材-2の資料を御覧いただければと思います。今回、我々が提案しておりますC2チャレンジ制度でございますけれども、対象となる技術ですが、技術料全般ということではなく、4ページにお示しするような機器の加算や機器による患者への臨床的効果などが示される診療報酬項目というふうに考えております。
このように、まずは技術の中におきまして、機器の臨床的有用性が具体的に理解しやすいものからC2チャレンジ制度を進めていただければと考えております。
以上でございます。
○日本医療機器販売業協会(阿部)
医器販協からですが、よろしいでしょうか。
○関部会長
お願いします。
○日本医療機器販売業協会(阿部)
幸野先生から御質問がありました適正使用支援についてのことでございます。
以前の中医協でも同じ御指摘をされていまして、それ以降、厚生労働省の経済課と別途話を進めさせていただいております。具体的には、我々のガイドラインなんかをつくりつつ、しっかりと医療機関と契約を結んでいこうという方向で現在話をされております。
まだ話の途中でございますので、結論がある程度出ましたら、御報告なりさせていただければと考えております。
以上でございます。
○関部会長
ありがとうございます。
幸野委員、いかがでしょうか。
○幸野委員
大体分かったような、分からないような感じなのですが、例えば技術料に機器加算なんかがついた場合に、医療機関との取引がその部分だけ価格が上がると考えてよろしいのでしょうか。
それから、先ほど医機連の三村会長から逆ざやになっているという御発言もあったのですが、なぜこのような現象が起こるのかということについてもお聞きしたいと思います。
それから、外国価格調整にこだわられているのですけれども、日本のマーケットは、そんなに外国との差があるのか、どのぐらいの割合の機器においてそんなに大きな差があるのか、その辺がもし分かっていたらお教えいただきたいと思います。
○関部会長
いかがでしょうか。
医機連、お願いします。
○日本医療機器産業連合会(平尾)
医機連の平尾でございます。加算が新たについた場合に、価格が必ず上がるのかという御質問をいただいたところでございます。
こちらにつきましては、先ほどお答えさせていただきましたように、ケース・バイ・ケースといった部分がございますので、必ず上がるとは言えないかと思っていますので、やはりケース・バイ・ケースというお答えになろうかと思います。
○日本医療機器産業連合会(田中)
医機連材料保険委員会の田中でございます。度々すみません。今、逆ざやのお話が出ましたので、お答えさせていただきます。
実際、先ほどの提案資料にもありましたとおり、不採算に陥るもしくは不採算に近い商品を何とか不採算再申請で上げたいという思いはあるのですけれども、条件等でなかなか難しいところ、上げづらいところが非常にあって、企業としても苦しい。そこで、医療機関と交渉して、実際の償還価格以上の価格で販売させていただくという事例は、実態としてございます。
これは何とか早く通常の正常な価格というのですか、実際の価格で取引ができるようにしたいとは思っておりますけれども、実態としては、逆ざやのケースがございます。
○関部会長
米国医療機器・IVD工業会、手が挙がっておりますが、よろしいでしょうか。
どうぞ。
○米国医療機器・IVD工業会(田村)
AMDDの田村でございます。幸野委員の御指摘についてお答えしたいと思います。
まず、薬と医療機器は制度が相当違う部分と根幹的に似ている部分と両方あると思います。私どもが申し上げているのは、平仄を合わせるということではなくて、それぞれ例えば機能区分と銘柄別とかそういう中において、根本的に違うところがあるものの、それぞれの制度で合理的なものをつくっていくというのが重要ではないかと思います。
その際に、もともと1990年代から2000年の最初ぐらいに、医療機器の場合は内外価格差が大きいという御指摘があり、それで再算定制度が2002年に導入されました。その際には、大きかったということもあり、毎回の改定で企業から外国価格を集めて、それでずっと改定、再算定をするという制度が導入されました。
それが内外価格差が縮まってきて、我々の負担もかなり大きいし、厚労省の負担も大きいということで、従来の内外価格差が小さいとすれば、最初にチェックしておけば、その後、最初にチェックができなかったものだけを後で再算定するという形で合理的ではないかという提案でございます。だから、薬と合わせるというよりも、薬の制度にヒントを得たほうが合理的ではないかという提案でございます。
以上でございます。
○関部会長
幸野委員。
○幸野委員
外国のマーケットより25%下回っている機器の割合はどれぐらいあるのかという御質問に対してお聞きしたいのですが。
○米国医療機器・IVD工業会(田村)
すみません。最初が聞こえなかったのですが。
○幸野委員
外国価格に対して25%を下回っている医療機器は、割合としてはどのぐらいあるのでしょうか。
○米国医療機器・IVD工業会(田村)
現在では、既収載品全てのものについては分かりませんけれども、最近の再算定を御覧いただくと分かりますように、機能区分の数としては非常に減ってきておりまして、最近の区分ですと10区分程度しか再算定を受けていない。記憶は定かではないのですが、非常に小さくなっていると思います。そこは間違いないと思います。
ただ、材料の場合、機能区分の中にいろいろな製品が入っていたり、場合によっては海外と使い方が違ったりして、そういうもので突発的に1.5倍とか2倍というのはたまに出てきますけれども、非常に例外的ではないかと考えております。
○関部会長
幸野委員、よろしいでしょうか。
○幸野委員
分かりました。ありがとうございます。
○関部会長
中村委員、お願いします。
○中村委員
ありがとうございます。時間も過ぎていますので、簡単にお話をさせていただきたいと思います。
最近、医療機器のみならず、医薬品でも欠品等の安定供給の問題が相次ぎまして、医療現場とか患者、あるいはその家族に大きな影響を及ぼしているのではないかと思います。
今回、医療機器に関して、材-1で安定供給確保について供給停止のおそれのある製品の有無といったデータを出していただきまして、誠にありがとうございます。
ただ、こちらのデータだけで診療報酬上、どういった対応をしていけばよいのかということを議論するには、もう少し全体像を示す具体的なデータあるいはより詳細な要因分析が必要なのかなと思っています。例えば本日のデータですと、供給停止のおそれのある製品に関して、これはかなり深刻度が高いものから低いものまで混在している感じがあるかなと思っています。
特にぜひ欲しいと思っているデータは、深刻度の高いものに限定して、実際に供給停止された製品あるいは出荷調整が行われた製品の件数はどの程度なのか、あるいはその金額やコストなどの具体的な影響は何か、あるいはそういったものの時系列的な推移を含む全体像を示すようなデータがあればと思っています。
また、その原因についても、企業側の問題なのか、あるいは一時的な要因なのか、恒常的な要因なのか、はたまた診療報酬で対応すべき要因なのかといったところの分析が必要なのかなと思っています。
今後お願いしたいと思っていますけれども、これは関連業界並びに厚生労働省の経済課を通じてのお願いになるかもしれませんが、こういった欠品や出荷調整など、実際に医療現場に大きな影響があった製品に関して、件数がどうなっているのか、影響がどうなっているのか、あるいはそういった要因を含め、可能な限り全体像が分かるようなデータを出していただくようお願いしたいと思います。
また、今回は医療機器の議論ですけれども、似たような議論は当然医薬品についても言えていますので、こちらのほうも経済課を通じて、業界の方に少し依頼をお願いできたらと思っております。
以上です。
○関部会長
ありがとうございます。
今のは御意見でしたが、厚労省など、何か返答されますでしょうか。よろしいでしょうか。
医機連、お願いします。
○日本医療機器産業連合会(三村)
御意見をどうもありがとうございました。医機連会長の三村でございます。
業界も非常に困っておりますので、できるだけ詳細に分かるように、特材だけにかかわらず、業界が抱えております安定供給についての問題点は、データを詳細にしまして、これからも様々な形で御提示させていただきたいと思いますので、その折にはぜひとも御協力のほど何とぞよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
○関部会長
ほかはいかがでしょうか。
AMDD、お願いします。
○米国医療機器・IVD工業会(玉井)
AMDD副会長の玉井です。最後に一言述べさせていただきます。
今回、大変貴重な御意見、フィードバックをいただきまして、まさにコロナ禍を通じて医療の重要性、安定供給の重要性を業界としても本当に再認識しております。半導体をはじめ、様々な供給不安等々がありますが、御質問いただいた御指摘点を十分に踏まえまして、安定供給確保には引き続き取り組んでまいります。
また、そのためにもイノベーションの推進は、医療、そしてそれを享受される患者、国民にとって重要な課題でありまして、業界にとってもイノベーションを評価いただくことは重要な課題だと考えております。
今後も、このようなコロナ禍におきまして大変貴重な機会をいただきましたが、これからも新しい制度も含め御検討いただける機会を頂戴するとともに、いただいたフィードバックを真摯に受け止めまして、業界としても取り組んでまいりたいと思います。
本日はありがとうございました。
○関部会長
ほかの皆様、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
一通りの御意見などが出ましたので、そろそろ時間も過ぎておりますので、関係業界からの意見陳述につきましては、ここまでとさせていただきたいと思います。
本日予定された議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いします。
それでは、本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。


 


 

 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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