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2021年8月4日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第111回議事録

○日時

令和3年8月4日(水)費用対効果評価専門部会終了後~

 

○場所

オンライン開催
 

○出席者

関ふ佐子部会長 永瀬伸子部会長代理 飯塚敏晃委員 中村洋委員  
幸野庄司委員 佐保昌一委員 眞田享委員 末松則子委員 
長島公之委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
堀之内晴美専門委員 林利史専門委員 五嶋規夫専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長

<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
山田保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○保険医療材料等専門組織からの意見について

○議事

○関部会長
 おはようございます。ただいまより、第111回「中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」を開催いたします。
 本日も、コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開については、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、本日の委員の出欠状況について報告します。本日は、全員が御出席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は、保険医療材料等専門組織から意見が提出されておりますので、保険医療材料等専門組織の小澤委員長より御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○小澤委員長
 小澤でございます。説明をさせていただきます。
 中医協材-1の資料を御覧ください。新しい医療材料等の保険適用について審議しております保険医療材料等専門組織の立場から「特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準等に関する意見」を申し上げます。
 なお、参考資料として、材-1(参考)を添付しておりますので、併せて御紹介しながら御説明いたします。
 初めに「1.イノベーションの評価等について」です。
 「1-1 使用実績を踏まえた再評価に係る申請(チャレンジ申請)について」。
 「(1)チャレンジ申請の権利の付与に係る手続きの簡略化について」。
 参考資料の3ページ目を御覧ください。チャレンジ申請は、収載時には十分な臨床データがなく、評価できなかった臨床的有用性等について、使用実績を踏まえて、収載後に再評価を行うことができる仕組みであり、平成30年度診療報酬改定で新設されたものでございます。
 4ページ目を御覧ください。令和2年度診療報酬改定において、チャレンジ申請に当たっては、企業が希望する場合には、再評価する内容を明確にするため、収載後のデータ収集及びその評価の計画を具体的に提示することを求めることとされております。
 材-1の資料を御覧ください。1-1の(1)の3行目からですが、これまでの事例を踏まえますと、データ収集及びその評価の計画について、必要な項目が示されることにより、チャレンジ申請の妥当性の確認が可能であると考えられるため、審議の効率化を図る観点から、データ収集及びその評価の計画について、具体的に提示する項目を定型的に整理することを御提案いたします。
 次に、1-1の「(2)チャレンジ申請の対象の拡大について」です。
 先ほど御説明したチャレンジ申請につきましては、現在、特定保険医療材料として評価される医療機器が対象とされております。
 一方で、技術料に一体として包括して評価される医療機器等のうち、革新性の高い技術を伴うもの等についても、評価に当たって用いる臨床データが保険収載時には十分ではない場合があることから、特定保険医療材料のチャレンジ申請のプロセスを踏まえつつ、再評価の仕組みについて検討することを御提案いたします。
 次に「1-2 プログラム医療機器への対応について」。
 「(1)プログラム医療機器の評価の明確化について」。
 参考資料の7ページ目を御覧ください。疾病の診断・治療を目的とした様々な新しいプログラムの開発により、アプリや人工知能(AI)を使用したプログラム医療機器として薬事承認され、ほかの医療機器と同様、臨床的有用性等のエビデンスを踏まえた審議を経て、保険収載される事例が出てきております。
 材-1の資料を御覧ください。1-2の(1)の4行目からですが、今申し上げましたとおり、現時点においても、臨床的有用性等のエビデンスを踏まえて審議しているところではありますが、プログラム医療機器の評価に当たって、その特性を反映できるよう、評価のポイントを明確化すること等について検討することを御提案いたします。
 次に「1-3 先駆的医療機器・特定用途医療機器への対応について」。
 「(1)先駆的医療機器の評価について」。
 参考資料の12ページ目を御覧ください。世界に先駆けて開発され、早期の治療段階で著明な有効性が見込まれる医療機器等を指定し、早期の実用化を目指す先駆け審査指定制度が、医薬品医療機器等法の改正により法制化されました。
 材-1の資料を御覧ください。1-3の(1)の3行目からですが、先駆的医療機器として指定された製品について、諸外国に先駆けて開発されたものであり、必要な医療機器への患者アクセスを向上させる観点から、現行の補正加算等の整合性を踏まえつつ、さらなる評価について検討することを御提案いたします。
 次に1-3の「(2)特定用途医療機器の評価について」。
 参考資料の13ページ目を御覧ください。小児の疾病に用いる医療機器等、医療上のニーズが著しく充足されていない医療機器等について、特定用途医療機器等として指定し、優先審査等の対象とする制度が、医薬品医療機器等法の改正により導入されました。
 材-1の資料を御覧ください。1-3の(2)の4行目からですが、特定用途医療機器として指定された製品については、小児の疾病の診断・治療等の用途に用いるものであって、既存の治療法等がないなど、ニーズが著しく充足されていないものであり、必要な医療機器への患者アクセスを向上させる観点から、現行の補正加算等の整合性を踏まえつつ、さらなる評価について検討することを御提案いたします。
 次に「2.内外価格差等の是正について」です。
 「(1)新規収載品に係る外国価格調整について」ですが、現在、新規収載品に係る外国価格調整については、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリアの材料価格の相加平均の1.25倍を上回る場合に、1.25倍の価格として調整を行うこととしております。
 この水準については、参考資料の17ページ目に推移を示しておりますように、新規の価格上限につきましては、累次の改定において対応しているところでありますが、内外価格差等の是正の観点から、イノベーションの評価を適切に維持しつつ、比較水準の引下げや外国平均価格の算出方法の見直しについて検討することを御提案いたします。このことにより、医療保険財政及び患者の負担を軽減できるのではないかと考えております。
 次に「(2)再算定に係る外国価格調整について」です。
 現在、再算定については、当該機能区分に係る市場実勢価格が外国価格の相加平均の1.3倍以上である場合に再算定を行うこととしております。
 この水準については、参考資料の21ページ目に推移を示しておりますように、累次の改定で必要な見直しを行っているところであり、新規収載品と同様、必要な配慮をしながら、比較水準の引下げや外国平均価格の算出方法の見直しについて検討することを御提案いたします。
 続いて「3.その他」として、2点御提案いたします。
 「(1)既存の機能区分の見直しについて」ですが、累次の改定と同様に、臨床上の位置づけや安定供給の観点などを踏まえ、市場実勢価格や市場規模等にも配慮しつつ、機能区分の細分化、不採算、合理化及び定義の見直しなどについて、保険医療材料等専門組織において検討することを御提案いたします。
 「(2)保険収載の迅速化について」ですが、決定区分A3またはB2と決定された医療機器について、毎月10日までに決定されたものを原則として翌月1日から保険適用することとしております。一方で、決定区分E2と決定された体外診断用医薬品については、決定された月の翌月1日から保険適用としております。
 必要な医療機器を迅速に医療現場へ提供する観点から、決定区分A3またはB2と決定された医療機器についても、決定区分E2と決定された体外診断用医薬品と同様の取扱いとして、保険収載を迅速化することを御提案いたします。
 以上が、保険医療材料等専門組織からの意見になります。ありがとうございました。
○関部会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関して、御質問などがありましたら、お願いします。
 それでは、手が挙がっていらっしゃる長島委員、お願いします。
○長島委員
 長島です。
 常日頃、特定保険医療材料の値つけを審議いただいている専門組織において、現状の課題への対応について意見をまとめていただき、感謝申し上げます。総論としては、今回提示された御意見をベースに、次回改定に向けた審議を進めていけばよいと考えます。
 各論として、5つの点について、考えを申し上げます。
 1-1のチャレンジ申請について。エビデンスに基づき、保険償還を見直していくというのはあるべき方向と考えますが、手続の簡素化については、具体的にどのような整理が可能なのか、引き続き組織で御検討いただきたいと考えます。
 1-2のプログラム医療機器への対応について。プログラム医療機器は、治療アプリから画像診断のAIプログラムなど、幅広く多岐にわたりますので、まずは全体をきちんと整理した上で、さらに具体的な機器には、個別の特性に応じた丁寧な議論を行うべきと考えます。
 また、これまでの医療機器の評価との整合性についても配慮すべきと考えます。例えばda Vinciなどのロボット支援下内視鏡手術は、通常の内視鏡手術と比べた優越性が必ずしも示されておらず、患者へのメリットも示されていないことから、既存の技術料と同等の評価とされていると理解しておりますが、こうした従来の評価方法との整合性についても配慮する必要があります。
 1-3の先駆的医療機器・特定用途医療機器への対応について。先駆け審査指定制度の対象品目として指定・承認された医療機器は、薬事承認上の評価に加えて、保険医療材料制度上も機能区分の特例、2回の改定を経るまでは、後から申請された製品による価格引下げの影響を受けない制度等による評価が既になされています。
 したがって、さらなる評価を検討するということであれば、薬事も含めた現行制度との整合性をよく整理した上で御検討いただきたいと思います。
 2の内外価格差等への是正について。これまでの改定ごとの対応で内外価格差は、従来に比べて縮小されてきたものと理解しております。
 しかし、いまだに価格差が残っているものがあれば、安定供給に支障がない範囲で比較水準の引下げや外国平均価格の算出方法の見直しを検討することは賛成です。
 3のその他の「(2)保険収載の迅速化について」。事務局の負担は増えますが、保険収載プロセスに透明性があり、関係者の合意も得られるプロセスであれば、迅速化することに異論はありません。
 以上です。
○関部会長
 どうもありがとうございました。御意見を賜りました。
 佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員
 ありがとうございます。
 1-2の「(1)プログラム医療機器の評価の明確化について」発言させていただきます。
 評価のポイントを明確化すること等については異論ございませんが、これまでの中医協の議論の中でも、技術料で評価していくのか、それとも医療材料で評価していくのかという議論があり、はっきりさせることも必要であると考えております。
 技術革新によって、患者のためにプログラム医療機器が進化していくことは重要でありますが、ビジネスに走るあまり、本当に患者の疾病の診断・治療が目的になっているのか、グレーゾーンのものが続々と出てくることを懸念しております。
 評価については、十分に時間をかけて検討して、しっかりとした基準を定めていただきたいと考えております。
 私からは以上です。
○関部会長
 ありがとうございました。御意見を賜りました。
 ほかはいかがでしょうか。
 幸野委員、お願いします。
○幸野委員
 保材専の小澤委員長からの意見について、コメントと若干コメントをいただきたい部分がありますので、申し上げます。
 まず、1-1の(1)については、整理するということで異論はございません。
 1-1の(2)のチャレンジ申請なのですが、今までは医療機器そのものの価値を判断していたのですが、技術料に包括する場合のチャレンジ申請については非常に難しいと思っています。
 といいますのは、技術料のうち、どれだけが医療機器の価値で、どれだけが技術の価値かということをすみ分けるのが非常に難しいのではないかと思っていまして、企業の努力、すなわち医療機器の価値、医療機関の努力、いわゆる技術の価値をどのように混同せずに価値を見極めるかということについて、どのようなエビデンスを出すのかは非常に難しくて、今後、その後のプログラム医療機器の評価も、技術の価値と機器の価値の両方のすみ分けを行う必要があると思うのですが、どのようなエビデンスを取っていくかについて、小澤委員長あるいは事務局からお考えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。
 1-2については、今言いましたとおり、プログラム医療機器の評価軸を明確にするということには異論はないのですが、今言いましたように、医療機器の価値、技術の価値をどう評価していくのかというのは非常に難しいところだと思います。
 1-3の(1)の先駆的医療機器、(2)の特定用途医療機器については、薬機法の改正に対応したものということなのですが、単純にこれが法令上明確化されたから、評価を引き上げるということではなくて、現行の加算等を踏まえて、メリハリをつけて評価することが前提になると思います。
 2の内外価格調整の是正については、諸外国に比べて高い価格にならないように、引き続き見直していくということは当然だと考えます。
 3のその他については、異論はありません。
 1-1の(2)、1-2のプログラム医療機器の評価の在り方について、もしお考えがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
 以上です。
○関部会長
 ありがとうございました。
 今、御質問いただいた医療技術と医療機器の価値をどう評価するかという点について、小澤委員長または事務局、お願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
 まずは事務局からよろしいでしょうか。
○関部会長
 どうぞ。
○中田医療技術評価推進室長
 医療技術評価推進室長の中田でございます。まずは、私からお答えさせていただきたいと思います。
 まず、先ほど長島委員からもお話がありましたとおり、プログラム医療機器の対応につきましては、治療アプリのようなものから画像診断を補助するAIプログラムなど、今、様々なものがございますので、まずはどういったものが今、どのようになっているのかといったものをきちんと整理する必要があると思います。そういった点につきましては、事務局としても、今後の議論に資するよう、まずはそういった整理を進めさせていただきたいと思っております。
 また、特に海外でもプログラム医療機器の薬事承認や保険適用されている実態もありますので、現在、私どものほうでその実態調査を行っているところであります。そういったデータを併せて整理いたしまして、今後、ポイントについて明確にできるような、議論に資するようなデータとして整理して、お示ししていきたいと考えております。
 以上でございます。
○関部会長
 ありがとうございます。
○小澤委員長
 小澤でございます。
 今いただきましたいろいろな御意見、そして御質問ですけれども、委員が御指摘になりました技術の価値と医療機器の価値の線引きが大変難しく、我々はいつも委員会で検討しているところでございます。その辺りに注意しながら、事務局と共に検討を進めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○関部会長
 ありがとうございます。
 幸野委員、よろしいでしょうか。
○幸野委員
 はい。今後、御検討いただくということで、お願いいたします。
○関部会長
 ほかはいかがでしょうか。
 林委員、お願いします。
○林専門委員
 専門委員の林でございます。
 ただいま御説明をいただきました保険医療材料等専門組織からの「特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準等に関する意見」について、一言述べさせていただきます。
 イノベーションの評価、内外価格差等の是正の2つが柱となっておりますが、医療機器で大きな命題になっております安定供給の維持についても、大きな柱としてぜひとも御検討いただければと思います。
 5月の本専門部会において、堀之内専門委員からもコメントいたしましたが、コロナ禍で、医療機器が安定的に供給されることが、必要な医療を継続する上で重要であることが改めて認識されたところであります。
 医療機器の安定供給の観点につきましては、この医療材料専門部会の場で業界から意見陳述をさせていただく機会をいただけますときに、業界から具体的に述べさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○関部会長
 御意見ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に手が挙がっていないと思いますので、ほかに御意見などがなさそうでしたら、本日いただきました御意見や御提案などを踏まえて、次期保険医療材料制度の見直しに関する議論を進めていきたいと思います。
 本日の予定された議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いします。
 それでは、本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。
 どうもありがとうございました。

 
 


 

 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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