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2019年7月24日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第100回議事録

○日時

令和元年7月24日(水)11:03~11:30
 

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)
 

○出席者

関ふ佐子部会長 松原由美部会長代理 中村洋委員 荒井耕委員 
幸野庄司委員 平川則男委員 宮近清文委員 
城守国斗委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
堀之内晴美専門委員 林利史専門委員 五嶋規夫専門委員
保険医療材料等専門組織小澤委員長
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準等に関する保険医療材料等専門組織からの意見について
 

○議事

○関部会長
ただいまより、第100回「中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会」を開催いたします。
まず、本日の委員の出欠状況について報告します。
本日は染谷委員が御欠席です。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○関部会長
それでは、議事に入りたいと思います。
保険医療材料等専門組織から「特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準等に関する意見」が提出されておりますので、保険医療材料等専門組織の小澤委員長より御説明をお願いいたします。
○小澤委員長
小澤でございます。
中医協材-1の資料をごらんください。新しい医療材料等の保険適用につきまして審議しております保険医療材料等専門組織の立場から「特定保険医療材料の保険償還価格算定の基準等に関する意見」を申し上げます。
なお、参考資料として、材-1参考を添付しておりますので、あわせて御紹介しながら御説明いたします。
初めに「1.イノベーションの評価等について」です。
「(1)使用実績を踏まえた再評価に係る申請(チャレンジ申請)について」。
参考資料の2コマ目をごらんください。
チャレンジ申請は、収載時には十分な臨床データがなく評価できなかった臨床的有用性等につきまして、使用実績を踏まえて収載後に再評価を行うことができる仕組みでございます。平成30年度診療報酬改定で新設されたものでございます。
3コマ目をごらんください。
チャレンジ申請は、収載時に使用実績を踏まえた将来的な再評価を行うことが妥当であると認められた製品が対象となりますが、現在は収載時にC1(新機能)またはC2(新機能・新技術)として希望のあった製品についてのみ、決定区分とともに将来的な再評価の妥当性を保険医療材料等専門組織で審議しております。
4コマ目に、これまでに将来的な再評価を行うことが妥当であると認められた製品の一覧がございます。
材-1の資料をごらんください。
4行目からですが、収載時にB1(既存機能区分)またはB2(既存機能区分・変更あり)として希望のあった製品についても、収載時には十分な臨床データがなく評価できなかった臨床的有用性等について、使用実績をもとに再評価を行うという制度の趣旨を踏まえ、使用実績を踏まえた将来的な再評価を希望する場合には、その妥当性について審議することができるような運用、すなわちチャレンジ申請の対象となれるような運用についても検討することを御提案いたします。
また、当該審議を企業が希望する場合には、再評価する内容を明確にするため、収載後のデータ収集及びその評価の計画を具体的に提示することを求めることを御提案いたします。
次に「(2)原価計算方式におけるイノベーションの評価について」です。
参考資料の5コマ目をごらんください。
新規機能区分の材料価格の算出方法には、類似機能区分比較方式と原価計算方式がございますが、類似機能区分比較方式においては、価格全体に対して画期性や有用性等の観点から必要に応じて補正加算を行っておりますが、原価計算方式においては、営業利益部分に対して革新性の程度に応じてマイナス10%からプラス100%の範囲で補正を行っております。原価計算方式で算定される製品には、革新的な製品が含まれるにもかかわらず、そのイノベーションの評価は類似機能区分比較方式と比較して、価格全体に対して限定的となっています。
参考資料の6コマ目、7コマ目をごらんください。
平成30年度診療報酬改定における薬価制度改革の資料でございますが、原価計算方式においても価格全体に加算を行うこととすることや、開示度に応じて加算率に差を設けるといった見直しを行っております。
材-1の(2)5行目からをごらんください。これらの見直し内容を踏まえ、革新的な製品のイノベーションの適切な評価を確保するため、原価計算方式においても、類似機能区分方式と同様に、価格全体に対して加算を行うことを御提案いたします。
また、価格算定の透明性を向上させる観点から、原価計算方式においては開示度に応じて加算率に差を設けることを御提案いたします。
次に「(3)著しく単価の高い製品に係る補正加算について」は、近年、再生医療等製品を初め、著しく単価の高い品目が保険収載されていますが、収載時の補正加算額は加算前の価格に比例するため、これらの品目では加算率が大きくない場合でも補正加算額は非常に大きくなってしまいます。著しく単価の高い製品では、補正加算率を傾斜配分することを御提案いたします。
次に「2.再生医療等製品への対応について」です。
条件・期限つき承認を受けた再生医療等製品は、収載時は臨床データに乏しく、革新的な製品であっても、画期性加算・有用性加算の対象になりにくいと考えられます。初回承認時に条件・期限つき承認を受けた再生医療等製品が市販後に臨床データを収集し、改めて承認を受けた際は、チャレンジ申請の対象として保険上も再評価をすることを御提案いたします。また、収載時の価格は限られた臨床データに基づいて算定されていることから、改めて承認を受けるまでの間は、「暫定価格」などと呼称することも御提案いたします。
次に「3.技術に関する取扱いについて」です。
近年、新規の遺伝子検査技術の収載が相次いでおり、同一がん種に対して同時に複数の遺伝子検査を実施することが想定されることから、平成30年度診療報酬改定においては、患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対して複数の「悪性腫瘍遺伝子検査」を実施した場合について、2項目及び3項目以上という検査の項目数に応じた点数が設定されました。加えて、昨年度より、同時にまとめて複数遺伝子を測定できる医療機器が登場しており、ALK融合遺伝子など従来は病理診断で調べられていた遺伝子もあわせて測定する場合もございます。
具体的な事例につきましては、参考資料の9コマ目に一覧がございますので、ごらんください。これらにも適切に対応できるような複数遺伝子検査にかかわる運用を検討することを御提案いたします。
次に「4.内外価格差等の是正について」です。
「(1)価格調整の比較水準について」ですが、現在、新規収載品に係る外国価格調整については、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリアの材料価格の相加平均の1.3倍を上回る場合に1.3倍の価格として調整を行うこととしております。
この水準については、参考資料の10コマ目に推移を示しておりますように、新規の価格上限につきましては、累次の改定において対応しているところでありますが、内外価格差等の是正の観点から、イノベーションの評価を適切に維持しつつ、比較水準を1.3倍より引き下げることを御提案いたします。このことにより、保険医療財政及び患者の負担を軽減できるのではないかと考えております。
「(2)再算定について」です。現在、再算定については、当該機能区分に係る市場実勢価格が外国価格の相加平均の1.3倍以上である場合に再算定を行うこととしております。
この水準につきましては、参考資料の12コマ目に推移を示しておりますように、累次の改定で必要な見直しを行っているところであり、新規収載品と同様、必要な配慮をしながら、比較水準を1.3倍より引き下げることを御提案いたします。
また、13コマ目に示しておりますように、価格の引き下げ率について25%の上限が設けられておりますが、これを引き上げることについて検討することも御提案いたします。このことにより、既収載品について適切な価格とすることができるのではないかと考えております。
続いて「5.その他」として4点御提案いたします。
「(1)既存の機能区分の見直しについて」ですが、前回改定と同様に、臨床上の利用実績等を踏まえ、市場実勢価格や市場規模等にも配慮しつつ、機能区分の再分化、合理化及び提議の見直し等について、保険医療材料等専門組織で検討することを御提案いたします。
「(2)市場が拡大した場合の対応について」ですが、薬価制度においては市場拡大再算定がありますが、現行の保険医療材料制度において、同様の制度はありません。
参考資料の15コマ目、16コマ目をごらんください。
医療機器または体外診断用医薬品においても、同一製品について、適応追加等により市場が拡大する製品は存在しており、15コマ目は、自家培養表皮という再生医療等製品でございますが、平成21年に重症熱傷に対して保険収載され、その後、先天性巨大色素性母斑と栄養障害型表皮水疱症及び接合部型表皮水疱症に対して適応拡大されました。
16コマ目は遺伝子変異を検出し、医薬品の適応を判定するために用いられるコンパニオン診断機器でございますが、平成30年6月に転移性・再発乳がん患者に対して保険収載され、その後、医薬品の適応拡大に伴い、進行卵巣がん患者に対して適応拡大されました。
通常、適応拡大する場合には保険医療材料等専門組織での審議を経て、留意事項、通知の変更を行いますが、保険償還価格や技術料の見直しは行っておりません。
材-1の2ページ目の最終行からごらんください。
市場が拡大することによって、財政影響が無視できない範囲に及ぶこともあり得ることから、医療品と同様、適応の追加等について、市場が著しく拡大した場合には、全体として価格を引き下げる方策について検討することを御提案いたします。
次に「(3)保険適用時期の特例について」ですが、近年、いわゆるコンパニオン診断として体外診断用医薬品ではなく医療機器が用いられるケースが相次いでおります。例えば、参考資料の9コマ目に挙げている製品も該当いたします。
医療機器でC2(新機能・新技術)と決定された場合には、1年に4回を標準として保険適用されるため、保険適用時期が医薬品とずれてしまうことが想定されます。体外診断用医薬品であれば、E3(新項目・改良項目)と決定された場合には、保険適用決定を行った月の翌月に保険適用することを踏まえ、いわゆるコンパニオン診断機器については、医薬品の収載時期も踏まえつつ、新技術として決定された場合であっても、体外診断用医薬品と同様の取り扱いとする特例を認めることを御提案いたします。
次に「(4)手続きの簡略化」についてですが、B3(期限付改良加算)と決定された製品の後続品について、現行の規定では、B3として申請の上、中医協での承認が必要となっておりますが、C1(新機能)またはC2(新機能・新技術)と決定された製品の後続品と同様に、B1(既存機能区分)としての申請で対応し、手続を簡略化することを御提案いたします。
最後に「(5)医療機器の安定的な供給について」ですが、参考資料の18コマ目をごらんください。
医療機器については、製造販売業者は安定供給の義務を負うものとされておりますが、製造販売業者からの安定供給に関する相談件数は、近年、増加傾向にございます。
材-1の3ページ、(5)をごらんください。
製造販売業者は、医療機器の安定供給が困難な事態に至るおそれがある場合には、遅滞なく報告することとされておりますが、一時供給停止等により臨床現場に混乱を生じることもあり、取り扱いの規定を着実に履行し、医療機器の安定な供給に向けての対応について検討することを御提案いたします。
以上が保険医療材料等専門組織からの意見になります。
ありがとうございました。
○関部会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関して、御質問などがありましたら、お願いします。
城守委員。
○城守委員
保材専の皆様におかれましては、種々御検討いただきまして感謝申し上げます。この御意見、賛同させていただくことが多いと思いますが、何点か質問と御意見がございますので、述べさせていただきたいと思います。
まず、「イノベーションの評価等について」でございますが、(1)の使用実績を踏まえた再評価、いわゆるチャレンジ申請についてでございます。チャレンジ申請は実際の医療現場で使ってみて、臨床的有用性が明らかになるという医療機器の特性を踏まえた制度であり、また、6月12日に開催されました中医協総会で議論をされました科学的な根拠に基づく医療技術の評価のあり方についてという考え方と共通している制度であり、これをさらに改良していくことは、よいというふうに存じます。
その上で、主に新医療機器と呼ばれるものは販売後調査の義務がかかるということもございますが、そうした整理の中でチャレンジ申請のような再評価を行うということが制度上の連携からしてもすっきりするのではないかと直感的に思っております。
ここで、チャレンジ申請したけれども、実績が悪かった場合には、価格の引き下げについても検討すべきとも考えますが、これは意見としておきます。
そして「(3)著しく単価の高い製品に係る補正加算について」でございますが、この著しく単価が高い製品とはどのようなイメージを持っておられるのかどうか。最近では1000万円を超える医薬品等も出てきておりますが、そういう概念であろうか。1回で使われる価格について言っておられるのか、それとも、1回では少額でも繰り返して使うと高額になるというものもございますが、そういうものとの関係はどのように考えておられるのか。これは御質問させていただきたいと思います。
再生医療等製品の対応についてでございますが、これは先ほどチャレンジ申請のところでも同様にお話ししたとおりでございまして、エビデンスに基づいて再評価をしていくというのは賛同させていただきたいと思います。また、国内初の医療機器開発に向け、先駆け審査指定制度の対象となっている製品に対する評価は、医薬品も参考にしつつ、チャレンジ申請的な検討をしていく余地があるのではないかと思っておりますが、これも意見としておきます。
そして、再算定のところでございますが、これは御質問でございます。実施時期の見直しについて言及されておりますが、医薬品と同様に、もう少し頻回にという趣旨と理解してよろしいでしょうかということでございます。
最後でございますが、市場拡大再算定に関する話でございまして、このような制度を検討することについては賛成でございますが、医療機器の場合は事例の集積が非常に難しいということで、これを行って検討するということであったと理解をいたしておりますが、そうした事例は先ほど御紹介いただきました件のほかにどの程度、そして、どれぐらい拡大してきているのか。これを事務局のほうに御質問させていただきたいと思います。
医療機器は医薬品とは異なって、機能区分別で収載されているということを踏まえて、慎重に精査をしていただく必要もあると思いますので、この点を踏まえた上で、これは事務局への質問ということです。
以上でございます。
○関部会長
では、事務局、お願いします。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
ただいま城守委員から御質問いただきました件につきまして、事務局として、専門組織での議論を我々がどう承知しているかという観点からお話をさせていただきたいと思います。
まず、御質問いただきました1のイノベーション評価の(3)の部分でございますけれども、著しく単価の高い製品というものが、これはトータルなのか、どの程度なのかといったような御質問だったかと思いますけれども、専門組織の中では、単価という点に着目した議論がなされていたと承知をしております。値段がどれくらいなのかといったあたりにつきましては、今後、中医協の場での御議論になるのかなというふうに事務局としては考えております。
続きまして、4の内外価格差の是正の再算定につきまして、実施時期の見直し、回数といったようなものは含まれるのかという御質問だったかと思いますけれども、組織からの御意見を踏まえて、実際に回数も含めて実施の時期をどうしていくのかということ。これも中医協の場で御議論いただくものかと思っております。
最後に、市場が拡大した場合の事例がどの程度あるのかという御指摘だったと承知しておりますけれども、市場が実際に拡大している事例は幾つかあるということでございますが、ここで専門組織からの御意見は、これまで以上に市場が大きくなって、財政影響が無視できない範囲に及ぶことがありえるだろうという専門的な観点から、こうした仕組みを検討してはどうかという御意見であったと承知をしております。
事務局からは以上でございます。
○城守委員
ありがとうございます。
先ほども申しましたように、医療機器の場合は事後に評価をしていくケースが非常に多いということ、そこを先ほどお話しさせていただきましたチャレンジ申請とか、市場拡大再算定とか、そういうものと制度的にうまくつなげていけるというか、一体化できると考えておりますので、そのあたり、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○関部会長
幸野委員。
○幸野委員
1のイノベーションの評価の「(2)原価計算方式におけるイノベーションの評価について」の御提案について、昨年、薬価制度抜本改革で医薬品に適用された方式を医療機器にもそのまま適用しようという内容だと思いますが、こちらについては、前回改定で医薬品が見直しを行ってどのような状況になったかを十分に検証してから検討する必要があると考えます。平成30年度改定で、原価計算方式で開示度に応じた加算をつけて、さらに、営業利益率から価格全体に加算を行うという見直しを行いましたが、開示度50%未満で、開示度を高めようというインセンティブにはならなかったという結果に現状ではなっています。
営業利益率のみに加算されていたものが全体に加算されることになり、開示度がそんなに高くなくても、あまり薬価に影響を与えないということが懸念されるので、このことを踏まえると、医薬品と同じように医療機器についても同様の見直しを行っていくことについては慎重に検討する必要があると思います。医薬品についてはおそらく、今回の改定で見直されるのではないかと思いますので、そちらと平仄を合わせていくべきだと思います。
意見です。
○小澤委員長
ありがとうございます。慎重に医療機器も検討させていただこうと思います。
○関部会長
ほかはいかがでしょうか。
ほかに御質問などもないようでしたら、本日いただいた御意見や御提案などを踏まえ、次期保険医療材料制度の見直しに関する議論を進めていきたいと思います。
本日の予定された議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いします。
それでは、本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
○岡田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
レイアウトを変更した後、引き続き、総会を開催させていただきます。
 
 

 


 

 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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