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2024年1月17日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第222回議事録
○日時
令和6年1月17日(水)診療報酬基本問題小委員会終了後~
○場所
日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8F
○出席者
安川文朗部会長 笠木映里部会長代理 小塩隆士委員 本田文子委員 |
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員 |
長島公之委員 江澤和彦委員 林正純委員 森昌平委員 |
藤原尚也専門委員 石牟禮武志専門委員 荒川隆治専門委員 |
<事務局> |
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長 |
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他 |
○議題
○令和6年度薬価制度の見直しについて
○議事
○安川部会長
ただいまより、第222回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は全員が御出席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
今回は「令和6年度薬価制度の見直しについて」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
資料薬-1を御覧ください。「令和6年度薬価改定に係る薬価算定基準の見直しについて(案)」でございます。
昨年12月20日に御了解いただきました、「令和6年度薬価制度改革の骨子」に基づき、薬価算定基準の改正箇所について、お示しした資料でございます。
骨子には、薬価基準の改正以外の内容、継続検討も含めて様々な内容がありましたが、今回は、薬価算定基準の改正に係るもののみを示しているものでございます。
順に説明いたします。
まず「1.ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消に向けた革新的新薬のイノベーションの適切な評価」の(1)の「① 革新的新薬を日本へ迅速に導入した場合の評価」ということで、点線で囲った内容が骨子の該当項目でございます。
その点線の下にあります「改正後」とあるのが、薬価算定基準の改正案でございます。
こちらは、新たに加算の項目を加えるものでございますので、まず、定義の中で「迅速導入加算」を加えております。赤字の下線部が、改正箇所でございます。
2ページ目は、改定時の加算についても同様の趣旨の規定を加えているものでございます。
また、2ページ目の真ん中に「別表2」とございます。こちらは、補正加算率に関する箇所でございますが、ここについても迅速導入加算を追加しております。
骨子の中では、この迅速導入加算の加算率を示していなかったのですが、先駆加算に準じて設けた加算でございますので、5から10%ということで示しているものでございます。
また、別表6は、市場拡大再算定における補正加算ですが、こちらについても同様に適用しますので、該当箇所を改正するものでございます。
次に、3ページ目「② 収載後の外国平均価格調整」についてでございます。こちらは、既にある既収載品の外国平均価格調整のルールを、骨子に沿って改正するということで、こういった形で示しているものでございます。
次に「(2)新薬創出・適応外薬解消等促進加算の見直し」ということで、①、全体の見直しですが、具体的には、5ページ目に品目要件として、上のほうに、⑧、⑨とありますが、こちらを追加するもの。
また「(2)対象企業」のロで、対象企業の取扱いを追加しているものでございます。
また、薬価の改定方式を(3)で示しておりますけれども、「加算後の価格が改定前薬価となる額を加算する」ということで、平均乖離率を超えるものを除いて、価格を維持するというものでございます。
さらに、対象企業の確認事項を、次の6ページ目の別表11に示してございます。
こちらは、従前は、加算率の算出に関する企業指標として用いていたものですが、こちらを対象企業の確認事項として活用するというものでございます。
次に、6ページ目下「② その他の運用の見直し」ということで、こちらは、新薬創出等加算の運用の中の3年以内・3番手の取扱いですが、7ページ目のような内容に改正するものでございます。
また「(4)新薬の薬価改定時における評価」の「① 薬価改定時の加算の併算定」につきましては、8ページ目に掲げているような規定で、併算定を可能とするというものでございます。
また、下の「② 薬価改定時の加算と新薬創出加算の適用方法」につきましては、適用する順番につきまして、8ページ目から9ページ目をご覧ください。改定ルールは、節の順番、上から順番に適用するものですので、適用の順番を改正しているものでございます。
次に、9ページ目の下のほうの「(5)小児用の医薬品に関する評価」でございます。
まず「① 小児用医薬品の評価充実」ということで、こちらは10ページ目にございますが、新薬創出等加算の品目要件に追加するもの。
また、10ページ目の真ん中、「② 成人と小児の同時開発に係る評価」に関してですけれども、このページの最後の行にありますが、医薬局のほうで先週12日に「成人を対象とした医薬品の開発期間中に行う小児用医薬品の開発計画の策定について」という通知が発出されております。
この通知に基づき計画を策定して開発することを評価するものでございます。
また、11ページ目の「③ 小児開発に取り組んでいる企業の評価」も同様に、先ほどの通知を引用し、評価するものでございます。
次に、11ページ目の後半部分「(7)その他のイノベーション評価に関する事項」ということで、②のG1/G2品目の比較薬の取扱い、こちらについては、12ページ目の上のほうに示しているとおり取り扱うということで、追記しているものでございます。
また、12ページの「③ 剤形追加等の取扱い」については、13ページ目の上のほうに示しているとおりの取扱いということで改正するものでございます。
次に、13ページ目後半の「(8)市場拡大再算定の見直し」でございます。「① 市場拡大再算定の類似品の取扱い」ですが、こちらにつきましては、次の14ページ目のロの部分について、新しく文章を追加しております。
市場拡大再算定類似品の適用除外に関しましては、中医協であらかじめ特定した領域に該当する品目については類似品として取り扱わないものとするという規定を追加しております。
具体的な手続としては、その下に「※事務局注」と書いておりますが、薬価専門部会で検討して、総会に報告した上で決定すると、こういったプロセスを経て、この領域を特定していければと考えているところでございます。
したがいまして、薬価基準では、ロの記載にとどめますけれども、具体的には個別に判断していくということで、また必要に応じて、中医協のほうで御議論をいただければと考えているところでございます。
次に、14ページ目の「2.後発品を中心とした医薬品の安定供給確保のための対応」ということで「(1)後発品の安定供給が確保できる企業の考え方」に関してでございます。
①、②は、企業指標の導入、評価と評価結果の薬価制度における取扱いに関してでございますが、薬価上の取扱いとしては、15ページ目のように、後発品等の価格帯の特例を設けて、(1)で示しているとおり、対象企業は、A区分とされた企業としているものでございます。
具体的な対象品目や条件は(2)、(3)に示しているとおりでございます。
また、企業の評価指標につきましては、15ページ目からの別表12の表のとおりでございまして、17ページ目の下のほうに「分類方法」として、企業の区分の仕方を示しているものでございます。
次に、18ページ目「(2)後発品の新規収載時の価格」でございます。
銘柄数が10を超える場合の規定を7を超える場合に改正するということで、真ん中のほうに「7」というところに、赤字で下線を引いております。
また、バイオ後続品につきましても、黒字に下線を引いておりますけれども、こちらは、これまで読替え規定だったものを書き下したことによる改正で、内容の変更はございません。
次に、19ページ目「(3)価格の下支え制度の充実」でございます。「① 基礎的医薬品」ですが、こちらは、収載からの経過期間に関する要件を15年にすることによる改正でございますので、真ん中のほうの数値を改正しているものでございます。
また、次のページの上のほうにあるのは、基礎的医薬品から一度外れたものが再び基礎的医薬品となった場合の価格帯の取扱いについて改正するものです。
次に「② 不採算品再算定」でございますが、今回は特例的な取扱いになりますので、第4章の経過措置の規定のところに追加しているものでございます。
通常の不採算品再算定の要件を適用しないということで、今回は、企業が不採算として希望する品目に対して広く適用するものでございますが、平均乖離率の規定も設けるということを骨子に記載しておりますので、その点については、ただし書きで明記しているものでございます。
21ページは、その他、こちらに書かれているような記載整備を行うことを示しているものでございます。
以上が骨子に基づく薬価算定基準の見直し案でございます。
説明は以上となります。
○安川部会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に関して、御質問等ございましたらお願いいたします。
では、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
ありがとうございます。
事務局におかれましては、整理及びまとめていただいて、大変ありがとうございます。
今回の薬価改定の案につきましては、革新的な新薬などのイノベーションへの十分な配慮及び後発医薬品等の安定供給の確保について、どのようにメリハリをつけて実現していくかが非常に重要になると考えております。
特に、念押しにはなりますけれども、企業指標の導入につきましては、後発医薬品の安定供給確保に向けた見直しの第一歩となるものであり、15ページからの別表12に掲げられた評価指標について、早期に公表を行っていただき、追加できる項目がないか、継続した検討を行い、今後の改定に活かしていただきたいと考えております。
意見になります。よろしくお願いいたします。
○安川部会長
ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。
専門委員のほうから、もし何かございましたら。
では、石牟禮専門委員、お願いいたします。
○石牟禮専門委員
ありがとうございます。専門委員の石牟禮でございます。
ただいま、鳥潟委員からも、企業情報の公表についても御指摘がございました。業界としましても、昨年末の令和6年度薬価制度改革の骨子の取りまとめに対しまして、各団体代表から所感が示されております。
その内容は、一様にイノベーションの評価に係る様々な制度の見直しにつきましては、今後の日本への革新的新薬の早期導入において、極めて大きな意義を持つという考えが、それから、安定供給確保のための対応につきましても、今後の産業構造上の課題ですとか、医薬品の安定供給不安の解決に向けた大きな一歩となるという考えが示されており、いずれも制度改革の検証に協力して参るということが示されておるものでございます。
私ども専門委員としましても、本部会におきまして、業界の意見を踏まえて骨子を取りまとめていただきましたことに対しまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。
また、微力ながら、これら制度見直しの検証につきまして、積極的に取り組んでまいる所存でございますし、引き続き、今後の薬価制度改革に関する議論に参画させていただきたいと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
○安川部会長
ありがとうございました。
ほかによろしいでしょうか。
事務局、追加等はございませんか。
○安川薬剤管理官
特にございませんけれども、先ほども、鳥潟委員からも御発言がありましたが、今回、イノベーション評価の観点、あるいは安定供給、両方の側面で強いメッセージを出しているつもりでございます。
ただ、一方で、これまでの議論の中でも、きちんと検証をしないと、薬価制度改革の効果が分からないという御指摘もございましたので、そういったところは引き続き、しっかりと業界の協力の下で検証していければと考えております。
○安川部会長
御意見、御質問はよろしいでしょうか。
御質問がないようでしたら、本案を総会に報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○安川部会長
ありがとうございます。
それでは、そのようにいたしたいと思います。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の薬価専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
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