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2023年12月20日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第221回議事録

○日時

令和5年12月20日(水)9:15~

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8F

○出席者

安川文朗部会長 笠木映里部会長代理 小塩隆士委員 本田文子委員
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員
長島公之委員 江澤和彦委員 林正純委員 森昌平委員
藤原尚也専門委員 石牟禮武志専門委員 荒川隆治専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他

○議題

○令和6年度薬価制度改革の骨子(案)について

○議事

○安川部会長
 おはようございます。ただいまより、第221回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 本日は全員が御出席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 今回は「令和6年度薬価制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。資料薬-1を御覧ください。
 本日は、前回お示しした「令和6年度薬価制度改革の骨子のたたき台」に関する議論を踏まえて、骨子案を作成いたしました。
 たたき台からの変更点は、資料の最初に記載していますが、色付下線部で示しております。
 例えば「第1 基本的考え方」については、文書の最後を「することとしてはどうか」という記載を「することとする」とまとめております。
 変更点を順番に説明いたしますが、まず「第2 具体的内容」の「1.ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消に向けた革新的新薬のイノベーションの適切な評価」については、7ページ目までありますが、文章の末尾の変更であり、変更内容は同様でございます。
 8ページを御覧ください。
 次に、2.の「(1)後発品の安定供給が確保できる企業の考え方」につきましては、前回お示したシミュレーション結果や、提案いたしました価格帯の取扱いを踏まえて、今後、これらの検証を行う前提で、前回提案した方向で御了承いただいたと認識しておりますので、内容はたたき台のまま、文章の末尾のみ変更しております。
 次に、9ページ目「(3)価格の下支え制度の充実」の「② 不採算品再算定」については、前回の議論を踏まえ、具体的な対応案を作成しております。
 まず、最初の○で、急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、企業から希望のあった品目を対象に特例的に適用することとしております。
 また、具体的な適用方法に関しては、次の○でお示ししております。通常の不採算品再算定の要件には類似品の規定があり、全ての類似品が不採算の要件に該当しないと適用されませんが、今回は、この規定を適用しないこととしております。この取扱いは、前回の令和5年度改定の措置と同様です。
 さらに、前回のたたき台の議論の際に、適正流通の観点から乖離率に関する御意見もありました。その御意見を踏まえまして、今回の令和5年度薬価調査結果において、前回の薬価調査における全品目の平均乖離率である7.0%を超えた品目は、対象外とすることとしております。対象外となる品目もありますが、類似品の規定を適用しないことにより、通常よりも多くの品目が不採算品再算定の対象になるというものでございます。
 3つ目の○、このような特例措置を適用される品目については、次回の薬価調査における乖離状況を確認して、流通状況を検証することが必要と考え、その点を記載しております。
 また、こういった特例的な対応を前回の改定に続いて行うことになりますので、不採算品再算定の適用の在り方について、今後の薬価制度における検討課題として検討する旨も記載しているところでございます。
 今回は、こういった理由によりまして、不採算となっている品目を広く対象にする方針としておりますが、これらの検証や今後の在り方の検討を前提に、今回の対応案について御了承いただければと、事務局としては考えているところでございます。
 次に「3.その他の課題」、そして10ページ目の「第3 その他」については、たたき台と同様の内容でございます。
 以上が骨子案ですが、薬-1の参考として、令和6年度薬価制度改革の概要と具体的な改革事項を列挙した1枚紙を作成しております。
 資料の説明は以上です。
○安川部会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして、御質問などがありましたら、お願いいたします。
 では、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 骨子案、9ページの「② 不採算品再算定」について、2点だけ質問いたします。
 不採算品再算定の品目については、物価高騰などがあるにもかかわらず、安く流通させていた企業側の責任もあることから、乖離率が大きい品目は対象外にすべきと考えております。
 しかし、今回事務局から提示された案が、今回調査の平均乖離率ではなく、前回調査の数値である7%となっているのは、どのような理由なのでしょうか。また、不採算品目の対象数も教えてください。
 私からは以上です。
○安川部会長
 ありがとうございます。
 では、初めに、事務局から先ほどの御質問について、回答をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 不採算品再算定の取扱いですが、先週の薬価専門部会において、品目の乖離状況も考慮し、不採算品再算定の適用から除外することが考えられるのではないかという考え方を示したところ、乖離が一定程度あるものについては、対象外にすべきという意見を多くいただいたところでございます。
 今回の薬価調査における平均乖離率は、速報値で6%でございました。前回に比べて1%ほどの低下となっておりますが、対象外とする範囲を、例えば、今回の平均乖離率を超えた品目といたしますと、薬価調査時点では、この数値そのものが予測できないということもありますし、6%の付近というと平均値辺りとなり、品目も多く、線引きが難しいかと考えております。
 そこで、適正な流通を前提と考えるのであれば、せめて前回の薬価調査の平均乖離率以内の品目であれば、不採算品目として価格を引き上げることでいいのではないかと考えられますので、このような提案をさせていただきました。
 また、この範囲に関しては、先週の議論の際に委員から御指摘をいただいた数値でもありますので、議論を踏まえたものと考えているところでございます。
 もう一つの質問、最終的にどのくらいの品目数になるかという点ですが、この範囲とした場合、約2,000品目程度が対象になる見込みでございます。
 説明は以上でございます。
○安川部会長
 ありがとうございます。
 長島委員、いかがでしょうか。
○長島委員
 了解いたしました。骨子案を了承いたします。
○安川部会長
 ほかに御質問は。
 では、森委員、お願いいたします。
○森委員
 事務局におかれましては、骨子案の取りまとめをいただき、ありがとうございました。内容については、異論ございません。
 今回の対応において、革新的新薬を日本に迅速に導入した場合の評価、新薬創出加算の企業指標の見直し、後発品の安定供給が確保できる企業の評価などが導入され、関係業界からは、ドラッグ・ラグ/ロスの解消や、医薬品の安定供給確保に向けた活動を力強く後押しし、現状を改善するきっかけとなり得るという受け止めが示されました。非常に重要な意思表明があったと受け止めております。
 この部会でも発言がございましたが、企業としてしっかりと取り組んで、今回の薬価上の対応によって、企業活動にどのような影響があったのかなど、業界として示していくべきと考えますし、今回の対応がドラッグ・ラグ/ロスの解消、医薬品の安定供給にどう結びついたのか、業界の協力のもとで検証していく必要があると考えますので、卸も含め、関係する業界におかれましては、引き続き御協力をお願いできればと思います。
 また、これまでも発言していますが、薬価だけでなく、薬事、流通、産業、業界に関する対応も必要ですので、関係業界におかれましては、これらへの対応とともに、関係する検討会などへの御協力をお願いできればと思います。
 業界として、安定供給確保に向けたビジョンを早期に示すことを再三お願いしています。これは、後発医薬品のみではなく、先発医薬品も含めた医薬品供給全体の問題でもありますので、関係団体が協力して、なるべく早くお示しいただけるようにお願いします。担当部署においてもフォローをお願いしたいと思います。
 私からは以上です。
○安川部会長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 今、示されました令和6年度の薬価制度改革につきましては、骨子について異存はございません。
 今回の改革が、本当に新薬のイノベーションあるいは後発品の安定供給、ひいては国民皆保険の持続可能性につながりますように、しっかり推進をしていただきたいと思います。
 前回の部会では、収載後の外国平均価格調整により薬価が引き上げられた場合に、患者の理解を得るための努力を企業にもお願いいたしました。
 また、収載後の引上げルールや新薬創出加算の見直しが、企業の開発戦略を含めて、どのように影響したのか早急に検証していただき、中医協に報告することもお願いしております。
 これまで申し上げてきました指摘や要望につきまして、各企業、業界団体におかれましては、しっかり対応をしていただきたいと、改めてお願いしたいと思います。
 特に、新薬創出加算につきましては、特許期間中の薬価の維持と累積額控除のタイミングをセットで議論することが前提ということを、この場で確認させていただきたいと思います。
 また、後発品の企業指標につきましては、試行的な導入ということで理解いたしました。問題が生じた場合は、速やかに対応することを条件として、お示しいただいた内容で進めることに異存はございません。
 また、不採算品再算定の特例につきましては、前回の指摘が反映されたものと受け止めております。
 最後に、今回の改革につきましては、全般的に充実の方向で対応することになりますので、令和7年度改定に向けて、先ほど申し上げました新薬創出加算の控除時期をはじめ、医療保険財政の持続可能性を強く意識した議論を早期に開始できるように、事務局に改めて準備をお願いしたいと思います。
 私からは以上でございます。
○安川部会長
 ありがとうございます。
 ほかに御質問は、では、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 今回お示しいただいた骨子につきましては、前回の議論を踏まえ、不採算品再算定にて、前回の令和4年度薬価調査における全品目の平均乖離率である7%を超えた乖離率であった品目は対象外とするという旨を盛り込んでいただいたことについては、評価させていただきます。
 一方で、23年度薬価改定では、臨時特例的に全品目を対象に不採算品再算定が実施されたところ、製薬企業側が仕切り価率を低下させた品目も一定程度あったことから、9ページにあるとおり、今回の改定において不採算品再算定を適用される品目については、次回の薬価調査における乖離状況を確認し、流通状況を検証することの徹底をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上になります。
○安川部会長
 ありがとうございます。
 ほかに御質問、御意見等はございますでしょうか。
 事務局から追加はございますか。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 いただいた御意見につきまして、今回、様々な改定内容もございますところ、新薬の観点も、安定供給の観点も、それぞれ検証が必要ということは、これまでの議論の際にもお示ししておりますし、今回の骨子にも盛り込んでおりますので、それをしっかりお示しできるようにしたいと思います。
 業界の協力が大前提になりますが、業界にも前向きに協力していただけると考えておりますので、今後どういった内容をお示しして議論を進めるかということは、しっかりと考えていきたいと思っているところでございます。
 以上です。
○安川部会長
 ありがとうございます。
 ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。もし、専門委員のほうからは、追加あるいは御意見がありましたら、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、本案を総会に報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○安川部会長
 ありがとうございます。
 それでは、そのようにさせていただきます。
 本件につきましては、ここまでにさせていただきたいと思います。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の薬価専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
                  
                                   

<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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