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ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会薬価専門部会)> 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第219回議事録(2023年12月6日)

 
 

2023年12月6日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第219回議事録

○日時

令和5年12月6日(水)8:30~

○場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8F

○出席者

安川文朗部会長 笠木映里部会長代理 小塩隆士委員 本田文子委員
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員
長島公之委員 江澤和彦委員 林正純委員 森昌平委員
藤原尚也専門委員 石牟禮武志専門委員 荒川隆治専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他

○議題

○関係業界からの意見聴取について

○議事

○安川部会長
 おはようございます。ただいまより、第219回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 本日は全員が御出席です。
 なお、笠木委員、佐保委員におかれては、遅れて御参加とのことでございます。
 それでは、早速、議事に入らせていただきます。
 今回は、関係業界からの意見聴取を行いたいと思います。関係団体として、日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会、一般社団法人日本医薬品卸売業連合会より意見を聴取するため、意見陳述者一覧に記載の皆様に御出席をいただいております。
 まず、関係団体の皆様よりプレゼンテーションをしていただき、その後に、質疑とフリーディスカッションを行いたいと思います。
 関係団体の皆様におかれては、最初に自己紹介をしていただいた上で、時間厳守でプレゼンテーションをお願いいたします。それぞれの持ち時間が終わった時点で、大変恐縮ながらベルを鳴らしますので、円滑な議事進行に御協力をお願いいたします。
 それでは、まず、日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会及び欧州製薬団体連合会よりお願いいたします。
○日本製薬団体連合会(岡田会長)
 ありがとうございます。
 日本製薬団体連合会の会長を務めております、エーザイの岡田でございます。
 本日は、早朝より意見陳述の時間を賜りまして、誠にありがとうございます。
 私から3団体連名の資料について御説明をさせていただいた後に、PhRMAのタトル副委員長、それから、EFPIAの岩屋会長より追加コメントを述べていただこうと思っております。
 また、日薬連の参加団体でございます、日本製薬工業協会の上野会長並びに日本ジェネリック製薬協会の高田会長にも、本日同席をいただいております。
 それでは、資料の2ページを御覧いただきたいと思います。
 このスライドは、以前、この場でも御紹介をいたしました医薬品のカテゴリーに応じた薬価制度の構築や、製薬企業に求められているビジネスモデルの転換を示した全体像でございますけれども、今般の中医協の論点整理案において示された内容は、この全体像の実現に向けた大きな一歩になるものと認識しておりまして、ドラッグ・ラグ/ロスの解消や、医薬品の安定供給確保に向けた活動を力強く後押しし、現状を改善するきっかけとなり得るものであると、業界は極めて前向きに受け止めておるところであります。
 また、今般の制度改革が医薬品の開発や供給にポジティブな影響をもたらすことができるように、業界としてはできる限りの努力をするとともに、その検証作業についても業界として積極的に参画してまいりたいということを、この場をお借りして申し上げたいと思います。
 その上で、新薬の価値を適切に評価する仕組みや、あるいは薬価収載後、一定期間が経過した医薬品の医療上の必要性を評価する仕組みなど、薬価制度の在り方については、引き続き、御検討いただきたいと思います。
 次のスライドを御覧ください。
 ここからは、各論点に対して意見を述べさせていただきたいと思います。
 日本への早期導入に関する評価については、医療上の必要性が高く、革新的な医薬品の日本での早期上市を促進する観点を踏まえれば、いわゆる迅速導入加算を導入することに強く賛同をいたすところでございます。
 ただし、具体的な対象品目の要件については、現行では、優先審査品目が、希少疾病用医薬品が主となる実態がございます。希少疾病以外であっても、日本への早期導入が求められる製品が数多くあることから、先駆的医薬品の指定基準における治療の画期性を満たす品目についても、ぜひとも対象にしていただきたいと考えます。
 また、赤字で書いてありますけれども、承認時期に係る要件についても、各国の審査の状況の違い等や企業の努力では、なかなか短縮できないということから、設定から外していただくことをお願いしたいと思います。
 次に4ページを御覧ください。
 新薬創出等加算の企業指標、企業要件についてのスライドでございます。
 新薬創出等加算は、新規性、革新性の高い医薬品の薬価維持により、日本での早期上市を後押しする仕組みであると認識しております。
 この考え方や、あるいは近年、革新的医薬品の開発はベンチャーが中心であって、企業規模には必ずしもよらないという状況を踏まえれば、企業指標をもって加算額を減額するという取扱いは撤廃すべきであると考えております。
 後発品の使用も促進されて、新薬の特許期間中でしか次なる研究開発投資の原資を獲得できないという中で、日本では革新性、新規性の高い医薬品の薬価が完全に維持されるという仕組みすることこそが、日本市場の魅力、企業の投資意欲を向上させ、結果としてドラッグ・ラグ/ロスの解消につながるものと考えております。
 一方で、新薬創出等加算は、新薬の開発を行っている企業の品目だけを対象として、そうではない企業の品目は対象外とすべきと考えます。
 したがって、本加算の対象となる企業の要件、規定は必要であって、現行の企業指標における項目を引き続き活用し、研究開発活動の有無の判断を行っていただきたいと思っております。
 なお、今回の見直しによるドラッグ・ラグ/ロス解消への影響の検証についても、APPENDIXの14ページ、15ページに、過去に実施されました制度改革の影響に関する調査をお示しいたしております。
 私どもとしても、次々期薬価制度改革までの間に、確認できる事項などの検証に全面的に協力してまいりたいと思います。
 次の5ページ目を御覧ください。
 新薬創出等加算の品目要件、加算額についてでございます。
 品目要件に、小児適応を有する医薬品及び提案されている迅速導入加算の対象品目を追加すること、改定時加算との併算定時に、当該加算分が薬価に反映されるよう見直すこと、並びに平均乖離率以内で取引されている品目の改定前薬価を維持することについては、いずれも賛同をいたすということを申し上げたいと思います。
 一方で、平均乖離率を超えた品目の取扱いについては、革新性、新規性が高いと判断された品目であることを踏まえて、加算の対象外とすることではなくて、加算額を減算するという形で、ぜひ御対応をいただきたいと思います。
 また、一番下に書いてありますように、控除時期については、中間年改定を含めて、他のルールとの整合を取りながら慎重に検討いただきたいと思います。
 次に、6ページ目を御覧ください。
 新薬の薬価収載時における評価についてであります。
 成川先生の研究班にて取りまとめられました内容を踏まえ提案された、この有用性系加算の定量化における新たな項目の追加及び市場性加算、小児加算等の加算率の柔軟な判断には、いずれも賛同いたします。
 これにより、評価の視点が明らかになって、新たなモダリティーにより開発された新薬の価値評価や、開発が困難な領域への企業の取組を促進することにもつながると考えるところでございます。
 次に、資料の7ページを御覧ください。
 小児用医薬品の開発の評価についてであります。
 今般提案されている小児適応の開発を促進するための薬価上の評価には賛同いたします。
 これによって、企業の小児開発に係る取組の促進につながるものと確信をいたすとともに、薬事制度などの検討についても、引き続き積極的に、我々も参画していきたいと考えます。
 一方、市場拡大再算定時に小児加算を受ける場合に、市場規模の拡大率によっては、当該加算分が薬価に反映されないところがございます。
 よって、市場拡大再算定の補正加算についても、新薬創出等加算と薬価改定時の加算の適用方法と同様に、加算の恩恵が改定後の薬価に反映されるよう、検討いただきたいと思います。
 次に、8ページを御覧ください。
 市場拡大再算定についてであります。
 この類似品の取扱いについては、薬理作用類似薬であっても、効能が様々な場合があることから、そのような特定領域については、再算定類似品から除外していただきたいと思います。
 次、9ページ目を御覧ください。
 これは、後発品についてであります。
 今般、企業指標を試行的に導入するということに賛同いたすとともに、業界として必要な情報の公表に向けて確実に取り組んでまいりたいと思います。
 企業指標による評価結果の活用方法については、評価結果の高い企業が持つ収載年の浅い品目を対象として、現行の3価格帯とは別に取り扱っていただきたいと思います。
 一方、後発品の収載時価格における品目数の規定の変更については、ぜひとも慎重に検討いただきたいと思います。
 後発品については、本来的には、十分な製造能力を確保し、継続的に供給可能であること等の安定供給が担保できるための一定の要件を満たした企業の品目が市場に参入すべきであることから、企業指標の評価結果に応じて、参入の可否判断を行うべきであると考えるところであります。
 次、10ページ目を御覧ください。
 不採算品再算定についてであります。
 物価高騰等の影響も踏まえ、今般の薬価改定においても、医療上の必要性が高い医薬品については、不採算品再算定を確実に適用いただくようお願いしたいと思います。
 また、安定供給に尽力する企業が恩恵を受けることができるように、類似薬要件の見直しの御検討を、ぜひともお願いしたいと思います。
 11ページ目、12ページ目には、その他の意見を記載しておりますので、御確認いただけますと幸いでございます。
 私からの全体像の説明、意見陳述は以上でございます。ありがとうございました。
 引き続きまして、最初は、PhRMAのタトル副委員長、続いて、EFPIAの岩屋会長という順番に、補足のコメント等をお願いしたいと思います。
○米国研究製薬工業協会(タトル副委員長)
 おはようございます。
 PhRMAのカイル・タトルです。追加でコメントいたします。
 今回提案されている制度改革の内容は、日本がドラッグ・ラグ/ロス問題に対応するための一歩を踏み出したという前向きなメッセージを海外企業に発信するものだと思います。
 例えば、新薬創出加算の企業指標の廃止は、規模が小さい欧米のベンチャー、スタートアップ企業からは、企業規模の区別なく、革新的新薬の薬価が維持される市場と認識され、日本への新規参入の検討を後押しすると思います。
 また、迅速導入加算は我々グローバル企業にとって、国際同時開発に日本を組み込むための有力な説得材料の1つになると考えますので、優先審査品目に限定せず、革新的新薬をより幅広く対象にしていただきたいと思います。
 再算定の類似品への適用については、複数効能を持つ領域を除外することは、特定領域においては予見性の改善につながる改革と受け止めています。ただし、市場拡大再算定のルールには、なお多く課題が残されており、来年以降も引き続き検討の継続をお願いいたします。
 ドラッグ・ラグ/ロスへの対応をさらに緊迫感を持って前に進めるには、今回の改革に限ることなく、国民皆保険の維持とイノベーションの促進を両立させる抜本的な薬価制度改革を、引き続き進めることが重要と考えます。
 来年以降も論点整理において、引き続き検討となった事項にとどまらず、現行の市場実勢価格に基づく薬価改定の仕組みの抜本的な見直しなどを含めた、議論をお願いいたします。
 ありがとうございました。
○欧州製薬団体連合会(岩屋会長)
 欧州製薬団体連合会会長、サノフィの岩屋です。
 本日は、このような発言の機会を与えていただきまして、感謝を申し上げます。EFPIAからも一言発言をさせていただきます。
 これまでの意見陳述におきまして、欧米各国と比較いたしまして、日本の薬価収載時の薬価が比較的低い水準にあること。それから、特許期間中でも薬価を維持できないことなどによりまして、日本の市場の魅力が残念ながら損なわれて、結果として、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスにつながっているということを述べてまいりました。
 こうしたことを踏まえまして、今、御議論いただいております論点整理として示されました、イノベーションの評価を充実させる方向の制度変更につきましては、グローバルの製薬企業、ベンチャー、スタートアップに対して、日本は適切にイノベーションを評価していくと、そういう大きなメッセージを与えるものであると考えております。ぜひ、こうした面については実現していただきたいと考えております。
 とりわけ、企業指標の廃止につきましては、革新的な新薬の特許期間中におけます薬価の維持という点において、メッセージ性が非常に高いと考えております。
 これまでの御議論の中で、企業指標を撤廃しますと国内開発への影響を懸念すると、そういう御意見が出ておりましたが、我々、外資系企業の日本法人の使命は、グローバルで開発された革新的な新薬を日本の患者さんに届けることでありまして、企業指標が廃止されたことで、日本での開発が滞るということはあり得ないと考えております。
 また、日本への早期導入の評価につきましても、日本市場に対する優先的な投資意欲を高める後押しとなる仕組みであり、導入に賛同いたします。
 加えて、特に国内に適切な比較薬がない革新的な新薬のより適切な評価の在り方については、EFPIAとしても、引き続き検討に貢献していきたいと考えております。
 これらを含む制度改革は、グローバル製薬企業の日本市場に対する投資判断を前向きに変え、ひいては、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消に大きく貢献する可能性がある第一歩であると考えております。
 以上です。ありがとうございました。
○安川部会長
 ありがとうございました。
 それでは、次に、一般社団法人日本医薬品卸売業連合会より、プレゼンテーションをお願いいたします。
○日本医薬品卸売業連合会(宮田会長)
 ありがとうございます。
 皆様、おはようございます。日本医薬品卸売業連合会の会長の宮田でございます。
 本日は、意見を述べる機会を賜り、誠にありがとうございます。感謝申し上げます。
 本日は、2024年度薬価改定と医薬品の持続的な安定供給確保に向けた今後の薬価制度、薬価改定の見直しについて、意見を申し述べさせていただきます。
 それでは、資料に沿って御説明させていただきます。
 3ページを御覧ください。
 まず「増大する流通現場の業務負担」についてであります。
 3年以上出荷調整に追われ、収束の見通しが立たない中で、医薬品卸は出荷情報の収集、代替医薬品の確保、お得意様への連絡など、需給調整対応に多くの時間とコストを費やしており、従業員の心身両面での負担は限界に達しております。
 前回、意見陳述でも御説明したとおり、このような負担は、若手従業員の離職を招いております。
 加えて、鎮咳去痰薬など適切な流通の対応も求められており、現場担当者の業務負担はますます増えている状況であります。
 4ページを御覧ください。
 限定出荷状況を見ますと、医療用薬品の限定出荷は全体の2割以上を占め、低薬価品に集中しております。
 下の図を御覧ください。
 2023年6月のデータを基に、医薬品卸が出荷調整を担う限定出荷品の流通数量の割合を示しております。流通数量ベースで全体の20.7%が限定出荷品となっており、このうちの86.2%が薬価20円未満の医薬品であるということであります。限定出荷品となっている薬価20円未満の医薬品については、ぜひとも薬価を引き上げていただき、供給不安を早期に解消していただきますよう、お願い申し上げます。
 5ページを御覧ください。
 限定出荷品の早期解消を図るとともに、医療上必要性の高い医薬品の安定供給を確保することも重要であります。
 下の図は、医療上必要性の高い医薬品の分類例を示したものでございます。基礎的医薬品、安定確保医薬品カテゴリーA、不採算再算定品など、合計2,466品目、金額では7,316億円となっております。
 前回、意見陳述でも御説明したとおり、基礎的医薬品、安定確保医薬品カテゴリーAでは、対納入価コスト率が、いずれも100%を超え、納入価格を上回るコストが発生しております。医療上の必要性が高く、安定供給すべきものの医薬品卸としての不採算となっている医薬品については、ぜひとも薬価を引き上げていただきますよう、お願い申し上げます。
 次に「医薬品の持続的な安定供給確保に向けた今後の薬価制度・薬価改定の見直し」についてでございます。
 7ページを御覧ください。
 まず「現行の薬価制度・薬価改定の問題点と見直しの必要性」についてであります。
 現行制度では、公定価格としての薬価を決め、市場実勢価主義により改定を行っておりますが、これから申し上げる点が、通常の競争市場とは大きく異なっており、それにより様々な弊害が生じております。
 まず、第1に製品の価格が公定されており、それが保険償還額となっているため、自由競争下では必然的に薬価差が発生するということであります。
 第2に、現在の価格交渉においては、お得意様から前年度の薬価との乖離率を反映した金額をベースに交渉を求められることが多く、薬価差を大きく縮小することは困難な状況であります。
 第3に、公定価格が上限として機能しており、物価上昇に伴うコストアップがあっても価格転嫁することは困難であります。
 第4に、生命関連商品を対象とした価格が公定されていることから、市場の需給調整機能が働きにくくなっております。
 市場実勢価主義そのものを否定するものではございませんが、この10年間で従来の医薬品とは商品特性や流通方式が異なる医薬品が増えていることから、現行の市場実勢価主義になじまなくなっている点も指摘させていただきます。
 問題点の是正に向けて、今後、現行の薬価制度・薬価改定の見直しが必要であります。
 8ページを御覧ください。
 今後の薬価制度・薬価改定の見直しの具体的な課題を3点挙げさせていただきました。
 まず、医療上の必要性の高い医薬品について、緊急措置としての対応だけではなく、医薬品卸が安定供給できるよう、持続的に薬価を下支えする仕組みが必要であります。
 次に、経済がデフレ基調からインフレ基調に変化する中、薬価制度についても、物価高騰に機動的に対応できる仕組みが必要であります。
 最後に、薬価の下落スピードを加速させる中間年の薬価改定が、現行の薬価制度・薬価改定の問題点を増幅しており、中間年の薬価改定の見直しが必要であると考えております。
 これらの点におきましては、ぜひ、今後の中医協の場で御議論いただきますよう、お願い申し上げます。
 以上であります。何とぞ、よろしくお願い申し上げます。
○安川部会長
 ありがとうございました。
 今、一通りの御説明をいただきましたので、これより質疑及びフリーディスカッションに入りたいと思います。
 なお、質問は日本語でお願いいたします。
 それでは、質問、意見等ございますでしょうか。
 では、長島委員からお願いいたします。
○長島委員
 関係業界からの御意見ありがとうございました。
 まず、薬-1についてコメントを2つ、そして、業界としてどのようにお考えか質問を4つ。また、薬-2については、1点質問いたします。
 まず、薬-1の資料の3ページですが、迅速導入加算の対象品目の要件について、医療上の必要性が高く、革新的な医薬品であれば、薬事上の優先審査品目に指定されるはずだと考えます。薬事上の取扱いに準じながら検討していくことが必要と考えます。
 また、新薬創出等加算について、平均乖離率を超えた品目については、市場での評価が反映されています。こういった品目は、本来、対象から除外することが適当であると考えます。
 そこで業界としては、乖離率が平均を超えているという評価について、どのように捉えているのでしょうか、お聞かせください。
 続いて4ページです。
 前回、事務局から論点整理案が示された際にもコメントし、質問した内容になりますが、新薬創出等加算における加算係数の企業指標を撤廃する要望については、本制度の目的は、国内開発を企業に進めていただくことを重視したものであり、単純に企業指標をなくせばよいことにはならないと考えております。
 今回の業界からの提案では、前回の議論も踏まえ、新薬の研究開発を行っている企業の判断として、企業指標を活用することが提案されておりますので、このような内容は、本制度の趣旨が継続されている対応と考えられます。
 そこで、今回の新薬創出等加算を含むイノベーション関連の対応により、我が国での開発品目が増えていることが、どれくらいの期間を見ていけば判断できるのか、国内企業、グローバル企業のそれぞれの観点から、御意見をお聞かせください。
 また、今回、新薬の様々なイノベーション評価を行う内容が示されており、日本での開発をしっかり進めていただきたいと考えております。
 一方で、我が国は、国民皆保険制度の下、薬事承認された範囲のものが全て保険適用されることが基本となっているため、薬剤費が増え続けていくことによる影響も考慮すべきであると考えます。
 そこで、そのような観点では、薬価収載後の価格調整ルールや、後発品の置換えも適切に機能させていく必要があると考えておりますが、業界としての考えをお聞かせください。
 最後の質問は、安定供給についてです。
 患者さんと医療現場は、医薬品不足で本当に困っています。したがいまして、今回の企業の安定供給に関する取組を見える化して、医療現場でどの企業が適切に対応できるのか、判断できるようにすることが必要であると考えます。
 そこで、今回の企業指標の考え方を薬価制度に取り入れて、情報を公開していくことにより、医薬品の安定供給確保が前向きに進んでいくのか、各企業の取組次第とするのではなく、今の医療現場の状況下では、業界がしっかり取組姿勢を示さないと改善しないと思われますので、業界の考えをお聞かせください。
 9ページの後発品の安定供給が確保できる企業の考え方、後発品の収載時の価格の2つ目の矢羽根では、具体的な医薬品については「収載年の浅い品目」とありますが、安定確保のために提案されている制度である点を鑑みますと、現に、後発医薬品収載後に時間が経過している品目での安定供給の課題が見受けられますことから、試行が適切に機能するかどうかをはかるためにも、最近収載された品目だけを対象にする必要はないと考えます。
 続いて、薬-2の卸売業連合会についてです。
 特に、安定確保医薬品や基礎的医薬品など、医療上の必要性が高い医薬品につきましては、その価格交渉において、その価値を取引価格に反映させるべく、卸業者としてどのような努力をしてきたのか教えてください。
 私からは以上です。
○安川部会長
 今、長島委員から御質問が全部で5つ出されております。
 初めに、この5つについて、業界団体様のほうから御回答いただきますとありがたいです。
○日本製薬団体連合会(岡田会長)
 ありがとうございます。
 では、最初のところについて、まず、製薬協の上野会長から、その後、私が答えたいと思います。
○日本製薬工業協会(上野会長)
 日本製薬工業協会の会長、上野でございます。
 まず、これまでの中医協の議論で、私どもの業界の要望について、非常に真摯に議論をいただき、また、前向きに捉えていただいておりますことを、まずもって御礼申し上げます。どうもありがとうございます。
 それでは、長島委員からいただいた2つの問いについて、業界の考え方を述べさせていただきます。
 まず1つ目、迅速導入加算の対象品目の要件については、薬事上の取扱いに従うべきではないかと、これは質問というかコメントであったかと思いますが、優先審査品目は、主に希少疾病用医薬品と先駆的医薬品が該当しております。
 しかしながら、ドラッグ・ラグ/ロス品は、必ずしもそれらに該当するものだけではなく、この迅速導入加算をより効果的な制度にするためにも、新規作用機序、疾患への初めての適応薬なども含めて評価していただきたいというのが、私どもの考えでございます。
 2点目の御質問、新薬創出等加算について平均乖離率を超えるような品目は、加算の対象から除外とすべきではないか、それに対してどのように業界は捉えているかという御質問であったかと思います。
 乖離率が平均乖離率を超える品目であっても、革新性、新規性が高く、品目要件に該当していることから、一定の評価が必要なのではないかと考えております。
 また、市場実勢価格の形成には、メーカーの仕切り価格設定以外に、取引量や個別の取引条件などにより変化するものもあり、私どもメーカーではコントロールできないものもございます。
 したがいまして、この状況を御考慮いただいて、新薬創出等加算の対象外ではなく、加算額の減額ということで対応を御検討いただけないかと、そのように考えております。
 私からは以上でございます。
○日本製薬団体連合会(岡田会長)
 続きまして、企業指標等の撤廃によって、本当にドラッグ・ラグ/ロスが解消されて、改善に向かっていくのかという御質問であったかと思います。
 この企業指標に基づいて加算額を減額するという仕組みを廃止することによって、現行の新薬創出等加算の制度は、シンプルに革新的な医薬品の薬価を維持する仕組みとなるものと思います。シンプルに薬価を維持するということは極めて重要で、先ほどカイル・タトル副委員長からもコメントがありましたように、海外からも非常に理解しやすく、日本がイノベーション評価について、再びポジティブに方向転換を行ったということを明確に示すものであると思います。
 これによって、日本市場の魅力が向上して、このドラッグ・ラグ/ロスの解消につながることや、ベンチャー企業も含めて新薬の開発向上意欲につながると確信しております。
 それで、APPENDIXのスライド15に、少しお示しいたしましたけれども、短期間1、2年で、その効果が見えてくるものもあり、各企業へ開発計画や投資の優先順位にどのような変化があったかということを確認することができると思っております。
 さらに、もう少し長い期間、3から5年となれば、国際共同治験の状況も含めて、効果を確認することが有効ではないかと思っておるところであります。
 今日の意見陳述で申し上げましたように、我々もこれらの検証作業にしっかり参画してまいりたいと思います。
 それから、次の御指摘は、いわゆる国民皆保険といういろいろな中で、財政的にどう考えるのかということであったと思います。
 このことについては、私、これまでの中医協の意見陳述でもコメントをしてまいりましたし、今日の2ページのスライドでも、全体的な考え方を改めてお示ししておりますとおり、一言で言うと、我々も貴重な薬価財源のめり張りが重要だと思っております。
 これは単に、新薬と長期収載品との関係でのめり張りということだけではなくて、新薬あるいは後発品の中でもそれはあると考えておりまして、例えば、新薬でも革新性や有用性の変化に応じて価格を見直していくべきであるということは、先回の意見陳述でも申し上げているところでございます。
 また、基礎的な医薬品も医療上なくては困るものをサイエンティフィックに峻別する必要があるということで、まずは、安定確保医薬品の精査をすべきであると考えております。
 例えば、古くから収載されていて、診療ガイドラインに記載がなく、医療上の必要性が低下しているものについては、本当にこのまま薬価収載を続けるのかどうかということ判断する枠組みを、今後、限られた財政の中でやっていく中において、ぜひ御議論いただきたいと思っておるところでございます。
 安定供給については、日薬連として、高品質な医薬品を安定供給することは、製薬企業の基本的使命ということで、日薬連が全ての団体の安定供給状況等を取りまとめて、今、必要な情報発信を行っているところでございます。もちろん、各社も増産対応を行っているところでありますし、医薬品の安定供給確保に向けて最大限の強化を行うべく、安定確保委員会を設置して、医薬品の銘柄別の供給状況調査を実施することとともに、安定供給に関する自己点検、チェックの強化促進などの点検も行っているところでございます。一日も早くこの課題を解消したいと思っておるところでございます。
 特に後発品のところで起きているということで、高田会長から、安定供給問題について、補足コメントがありましたらお願いしたいと思います。
○日本ジェネリック製薬協会(高田会長)
 ジェネリック製薬協会の高田でございます。4つ目の質問に関しまして、お答え申し上げたいと思います。
 まず、長期にわたり、国民の皆様、医療関係者の皆様に、引き続き安定供給の問題で御迷惑、御心配をおかけしていることを、改めておわび申し上げます。
 御質問にございましたように、安定供給の体制、供給状況に関する情報等を開示することは非常に重要であり、また、そういった企業を適切に選んでいただくことは、非常に重要なことではないかと考えております。
 各企業が安定供給や供給状況に関する情報を開示することによって、結果的に企業指標に準じた体制を各企業が整えることや、安定供給が可能な企業以外は参入が難しくなる方向であることによって、後発品産業の構造変化にもつながり、ひいては持続的な品質確保と安定供給につながるものと考えております。
 また、流通改善等の薬価以外の検討も進められていることを踏まえ、総合的な対策によって、より安定確保につながるものと考えております。
 続きまして、御意見を承った、最近収載された品目だけを対象にする必要はないのではないかということでございますが、私どももおっしゃるとおりだと考えております。
 ただし、指標の導入が、既存品目の安定供給への影響がまだ分からない中で、最初から全ての品目を対象とするのではなくて、まずは収載年の浅い品目から始めていただくのがよいのではないかと考え、このような御提案とさせていただいております。
 ジェネリック製薬協会からは以上です。
○日本医薬品卸売業連合会(宮田会長)
 御質問ありがとうございます。
 大変重要な御質問で、安定確保しなければいけない医薬品、医療上必要性の高い医薬品の価格交渉がどうなっているのかということでございます。
 先般、中医協でもいろいろ御議論されているように、流通当事者の中で、なかなか流通改善ガイドラインの遵守という部分で、銘柄別収載されている薬価、本来であれば、単品単価交渉を全品目していかなければならない中で、なかなかそれが実際にはできていなかったという実情はございます。
 そのような中でも、卸としては、今回、不採算再算定品の薬価を上げていただいた件、あるいは、今まさに流通の安定供給ができないような医薬品が低薬価品に集まっていることを、一つ一つ現場の各企業が、お得意様に対して、そういう状況であるということの認識を共有していただいているところでございます。
 今回の9月の薬価調査では、乖離率の1%の圧縮があったわけでございますが、これが安定確保医薬品あるいは基礎的薬剤、不採算再算定薬剤がどうだったかということは、連合会としては把握してございませんが、全体として物価高騰だとか、あるいは人件費の高騰、経営が非常に厳しいということが、卸連合会の会員企業皆様方が認識した上で、単品単価交渉を広げていくと、今までの総価取引を少なからず改善していくという方向に進んでいるのではないかと、そのように考えております。
 以上でございます。
○安川部会長
 長島委員、いかがでしょうか。
〇長島委員
 御回答ありがとうございました。
 イノベーションや安定供給に対する薬価上の対応については、いわゆる脅し文句のようなことをおっしゃるのではなく、業界として、このような対応をすれば、具体的にこのような改善が見られるとか、自分たちでこのように改善するという、具体的かつ前向きなメッセージをぜひ出していただくことが重要かと思いますし、もし仮に薬価上の対応がされた場合には、積極的または明確に、また、具体的に迅速に、こういう修正、こういう改善がなされたというのを逐次報告していただくということが極めて重要かと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○安川部会長
 では、今のコメントに対して。
○欧州製薬団体連合会(岩屋会長)
 先ほど委員の御質問の中で、企業指標廃止の後の我が国で開発品目が増えるのはどの程度で判断できるのかという点について、外資系企業にも、恐らく質問をいただいたと思いますので、加えましてお答えさせていただきます。
 先ほど、岡田会長がコメントされた点が、非常に全体を表していただいていると思います。私ども別に脅しに来たわけではなく、現実の問題として、今、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスが起きてしまっているという事実について、御報告をしてきたわけであります。
 この事実につきましては、必ずしも今年とか去年の議論が原因になって起きているわけではなく、もう既に長期的な問題の中で、特に2018年の改定以降、この流れの中でだんだん拡大してきて、今、ここに至ったという認識でおります。
 今回、こうした形で非常にイノベーションを評価していただくという方向の議論でなされているということは、先ほども申しましたとおり、業界にとっても非常にポジティブなメッセージであります。
 我々としてできることをすぐやると、それについては間違いございませんが、こうした投資が実際に現場レベルで確認できるまでというのは、今までの投資に対する失われた期間というのが長期的であったのと同様、ある程度の期間をもって見ていただくということがどうしても必要ではないかと思います。
 加えて申し上げれば、薬価制度が非常に大きな要素であるということに加えて、薬事上の問題も含め、全ての制度改定というのが、一貫したメッセージを持っていただくということが大変必要かと考えております。それによって、我々は、やれることを本当に、確実にやってまいりますし、実際それを先生方と一緒に確認していくということについては、賛成申し上げます。
 以上です。
○安川部会長
 では、長島委員。
○長島委員
 例えば、開発方向の変更などは、極めて重大な意思決定だと思いますので、当然、個々のものに関しては、かなり長期間かかるということは十分理解できますが、あまり長期間ということであれば、では、薬価上の対応の効果をどう判断すればいいかということが大変困るので、1つは事前に、具体的にこのように前向きにしっかりと改善しますという具体例などを、しっかりと示していただきたいと、あるいは実際に、逐次、その場その場で新しくこのように方向が変わったとか、こういうことが改善したところを示していただかないと、いつまでたっても効果が分からないということでは困りますということですので、よろしくお願いいたします。
○安川部会長
 では、それ以外の御質問、御意見等を、まず、お尋ねしたいと思います。
 では、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 各団体におかれましては、御説明ありがとうございました。
 長島委員からも質問がありましたが、私も平均乖離率を超えた品目のところを伺いたかったところで、御回答はいただけましたので、そこは省かせていただきます。
 その上で、若干重複することもあるのですけれども、まず、現時点での整理案が、ドラッグ・ラグ/ロス、それから安定供給につながるものということで、岡田会長からも、これは力強く後押しするもので、業界に大きなメッセージを与えるものという表明がありました。ここは、もし、さらに受け止めや決意があれば、お話をいただければと思います。
 その中で、もう一点、今回の整理案の中で、先ほどの御説明の3ページ目のところの迅速導入加算のところは、強く賛同するということで「強く」がついていたのですけれども、特に、もし重視しているものがあれば、教えていただければと思っています。
 それから、後発医薬品関係ですけれども、これは前のヒアリングでもお伺いしたのですけれども、本当に現場は、今、困っています。協会として、解消時期とそれに向けたビジョンが、示されていないので、ぜひそれは示していただきたいのと、現状、どう考えておられるのかということを再度お願いできればと思っております。
 もう一つ、少し細かいところになりますが、8ページ目の市場拡大再算定の特定の領域のところなのですけれども、これ以外に具体的にどういうものが考えられるのか、もし、お考えがあれば、お願いしたいと思います。
 それから、後発医薬品関係で9ページ目の3つ目と4つ目の矢羽根のところなのですけれども、市場参入することは、品質の確保、安定供給ができることが、まずは大前提だと考えております。
 その上で、企業評価を市場への参入の可否判断に活用すると、後発医薬品のビジネスモデルから企業への影響が大きく、試行的な導入という点から、影響が大きいものに最初に活用するという理解でよろしいかどうかということを教えていただきたいと思います。
 あとは、卸連にも質問させていただいきたいと思います。
 長島委員からは、今までどのように取り組んできたのかというお話があったのですけれども、まずは、限定出荷等が続いている中、安定供給に御尽力いただいて感謝をしております。
 その中で、次期薬価制度改革の中で、それを対応する前提として、やはり流通改善が不可欠だということを思っています。最低薬価品目が、例えば、総価取引の中における調整弁となっているのであれば、それは何もならないことになりますので、その流通改善などに関する今後の取組について、卸連としてのお考えをお聞かせいただければと思います。
 以上です。
○安川部会長
 ありがとうございます。
 今、森委員から同じく6つ御質問がありましたが、製薬連及び卸のほうから、御回答をお願いできますでしょうか。
○日本製薬団体連合会(岡田会長)
 御質問ありがとうございます。
 今、森委員からありました、今般の改革の全体像に向けて、私も今日の陳述の中で、現状、改善し得るきっかけとなるものであるということは、極めてポジティブであると私は申し上げましたので、上野会長、それから、先ほどのコメントを含めて、岩屋会長から、さらに決意という部分を含めて、コメントがありましたら、お願いします。
○日本製薬工業協会(上野会長)
 それでは、製薬協の会長の上野から、森委員の最初の御質問について、お答えをさせていただきます。
 改めて、今回の新薬創出等加算の見直しについては、これまで我々が要望してまいりました、特許期間中の薬価維持に繋がるものであり、本当にイノベーションが、改めてグローバルにもそのレベルに達してきたということで、非常にポジティブなメッセージになると思います。
 加えて、今回、企業要件が撤廃されれば、日本においても規模の大きくない新薬メーカーにおいても、イノベーションに対する意欲が従前以上に増す。
 その結果、日本の市場の魅力度が高まって、イノベーションが進むことによって、これまで言ってきたドラッグ・ラグ/ロスの解消につながると同時に、患者さんへの新薬のアクセスの向上にもつながるものと確信しております。
 私ども研究開発計画の立案と、その意思決定においても、日本もグローバルマーケットの一翼だ、我々も今グローバルに進出する中で、やはり日本をしっかりその中に入れて研究開発を進めていく、そういう意欲がより一層高まるものだと考えており、こういった革新的新薬を一刻も早くお届けできるように、これより一層努めてまいりたい、そのように考えている次第です。
○米国研究製薬工業協会(タトル副委員長)
 コメントの機会をいただき、ありがとうございます。
 この数年で初めて、日本のドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスを是正できるトータルな改革パッケージだと見ております。
 この改革が対象としている具体的な多くの改善点は、私どもが述べてきた点でもありまして、例えば、新薬創出等加算の点ですとか、あるいは共連れ、類似薬の扱いです。
 岡田会長が先ほど申し上げたとおり、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスに対処する本当に重要な第一歩だと考えています。
 ただ、長年、イノベーションの評価に優先順位をつけてこなかったことが、このドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの課題となっているのだと思います。
 したがって、急速にこのドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスに対応するのであれば、やはりより大胆な取組が必要です。
 業界団体として、我々はこれからも中医協の議論や今後の改革の評価にも参加し、ぜひ一緒に取り組んでまいりたいと考えております。
○欧州製薬団体連合会(岩屋会長)
 EFPIAとしても一言だけ、本当にこういった形で我々の取組というか、イノベーションに対する評価というのを前向きに進めていただこうという、そういう議論をしていただけると、そういう議論が進んでいるということ自体が非常にポジティブなメッセージであります。
 我々外資系企業の日本法人といたしましては、こうしたことを本国に対して、強くアピールをしていきたいと。それによって、今、我々が直面している課題というのを少しずつ改善していきたいと、1つでも多くクリアしていきたいと考えております。
 特に申し上げたとおり、やはり企業指標を廃止するとか、あるいは迅速導入に対して、何らかの加算を考えると、ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスということが非常に大きな命題であって、それを全力で取り組んで解決していくと、そういうメッセージを出していただけるということが、非常にありがたいと思っておりますし、これが続いていくということが一貫して、この同じメッセージが出るということがとても大切だと考えている次第であります。
 我々のできることについては、全力を尽くすと、その一言に尽きます。
 以上です。
○日本ジェネリック製薬協会(高田会長)
 それでは、ジェネリック製薬協会から後発品に関する2つの質問について、回答を申し上げます。
 まず、現場の薬剤師をはじめとする医療関係者の皆様、いつ、こういった安定供給の問題が解消するのだという、現場の声をお届けいただきまして、ありがとうございます。私どもとしても、明確にお答えすることが非常に難しい状況ではございますが、不祥事に端を発した医薬品供給問題でありますが、現在、供給が滞る要因が多岐にわたっており、連鎖的に供給が滞る状況が続いております。
 個々の製品の増産だけでの解決は難しく、製薬業界全体の大きな課題であると認識しております。
 メーカーといたしましても、人員増あるいはそれによって24時間生産体制を取る、あるいは設備投資を図るなど、できる限りの取組を行っているところでございまして、引き続き、ジェネリックメーカーが主体となって安定供給の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 また、先ほど岡田会長からもありましたように、日薬連の安定確保委員会などでも、少しでも早く改善が図られるよう、原因を詳細に分析するなど、厚労省とも連携し、引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、2つ目の御質問ですが、企業指標の評価に対する一部の製品の試行的導入ということですが、こちらのほうは、先ほども申し上げたとおり、企業指標の導入が今後安定供給にどのように影響するかということが分からない中での施行でございますので、一部の品目に限って試行的に導入、慎重にスタートするのがよろしいのかということで、御提案申し上げたということでございます。
 以上でございます。
○日本製薬工業協会(上野会長)
 続きまして、8ページの市場拡大再算定における特定領域というものについて、具体的にどういうものかという御質問については、製薬協のほうから答えさせていただきます。
 今、我々が考えております、特定の領域の具体的なものとしては、例えば、PD-1、PD-L1阻害薬あるいはJAK阻害薬などを想定しております。
 以上でございます。
○日本医薬品卸売業連合会(宮田会長)
 御質問ありがとうございます。
 本当に森委員から御指摘のあるとおり、流通改善が待ったなしの状態であると思っております。
 6年連続の薬価改定を経て、現在、5ページ「医療上の必要性が高く安定供給すべき医薬品」にも示させていただいていますように、基礎的薬剤、安定確保薬剤等々の医薬品の薬価が大きく下がっているわけでございます。私ども流通改善ガイドラインの取組については、医療上必要なものだけではなく、全ての薬剤について、単品単価交渉をしていくということでございます。
 まさに、ここが総価の取引から除外していくというか、別枠にしていくということを、現在、流通改善がガイドラインの改訂について、御議論をさせていただいているところでございます。
 まさに、当たり前に薬が届いていたものが、メーカー様が不採算で製造ができなくなってくるような状況に、今、ぎりぎりのところに来ているのだろうと。我々流通当事者としましても、そのことを真摯に受け止め、しっかりと流通改善に取り組んでまいりたいと、そのように考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○安川部会長
 森委員、よろしいでしょうか。
○森委員
 はい、ありがとうございました。
 ドラッグ・ラグ/ロスの解消、それから、安定供給につながるよう、しっかりと取組を進めていただきたいと思っております。
 それで、1つだけのジェネリックについてですけれども、メーカーが主体でというお話があったのですけれども、そこは、増産とか努力をされているのは十分に理解しています。ただ、JGAがしっかりと取りまとめをしないと、正直言って、先が見えない、今後どうなっていくのかというのが、現場としては非常に不安なところがありますので、ぜひ先に向けて、どのように具体的に解決していくのかというのをお示しいただければと思います。
 また、卸についてですが、卸には様々な機能がありますけれども、価格形成機能は、非常に重要な機能だと思っております。今回の薬価制度改革の中でも重要な役割を果たすことになります。また、価値に見合った価格での取り引き、それから薬価差の偏在ということを含めて、価格形成機能は非常に重要だと思っていますので、しっかりとお願いしたいと思います。
 以上です。
○安川部会長
 ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 関係団体からの御説明、どうもありがとうございました。
 もう3番目になりますので、かなり重複することがございますので、重複については、もう決意表明等は省き、私どもからのコメントのみということで、あとは独自の質問はさせていただきたいと思います。
 まず、製薬業界に対してでございますが、ドラッグ・ラグ/ロスは保険者としても重要な問題だと認識しておりますが、新薬創出等加算の企業指標に基づく加算額の調整を撤廃した場合に、本当に研究開発が促されるのか、確実に見える形で新薬の早期導入につながるのかについては、決意表明を何回かいただいておりますので、そのとおり、ぜひ推進していただきたいと思います。
 続きまして、資料の4ページで、これも言及がございましたが、加算の対象を新薬の研究開発を行っている企業に限定するという御提案が、4つ目の矢羽根になされておりますけれども、この要件に該当する企業が、全体でどの程度の割合となる見込みなのか、これは教えていただきたいと思います。
 続きまして、新薬創出加算についても1点、5ページ目の4つ目ですかね。平均乖離率を超えた品目という記載がありますが、これも長島委員等からも言及がございましたけれども、平均乖離率を超えたということは、大幅な値引きをしていると。それは、すなわち医療現場では評価されていないと、私どもは捉えております。
 したがいまして、これについては、当然加算の対象からは除外されるものと御理解をいただきたいと思います。
 次に後発品についてでございますが、産業構造を見直すことが、安定供給問題の根本的な解決につながると考えておりますが、一方で、企業指標の一部だけを導入した場合に適切に評価ができず、かえって安定供給の問題が悪化する懸念も抱いております。
 先ほど来コメントがございましたとおり、安定供給に確実につながるように推進をお願いしたいと思います。
 続きまして、これも言及がございましたが、9ページの収載年の浅い品目についてでございますが、比較的新しい後発品を挙げた根拠と、どのような範囲で、どの程度品目数を想定しているのか、これは教えていただきたいということでございます。
 最後に、新薬、後発品に共通する観点として、革新的な新薬を日本に迅速に導入し、保険給付するためには、当然財源が必要となります。
 保険者としては、厳しい医療保険財政を考えますと、公的医療保険で全ての医薬品をカバーすることには、限界があると言わざるを得ません。
 これについては、先ほど来業界からお話がございましたけれども、それについても十分御留意いただきたいということでございます。
 続きまして、卸連に対してでございますけれども、この資料にはない薬価調査の件で、2件御質問がございます。
 先日、薬価調査の速報値が報告され、平均の乖離率6%ということで、年々1%ずつ縮小していると理解しましたが、これは、現場の意識として、医薬品の価値が適切に評価された結果なのか、供給不安の影響なのか、先ほど物価高騰という側面は説明がありましたけれども、その辺の現場の実態を踏まえた背景について、御説明いただければと思います。
 また、薬価調査の結果を見ますと、薬効群別で乖離率が大きいものと小さいものがございます。
 例を挙げますと、血圧降下剤は、乖離率が12.3%と大きくなっているのに対して、抗ウイルス剤は3%と大きな開きがございます。こうした違いの要因について教えていただきたいというのが2つ目の質問でございます。
 あと、7ページのところに、流通、取引上の課題が挙げられておりますけれども、こうしたものが別の会議体で議論されていることは承知しておりますけれども、そうしたものに対する解決策が示されないままで、ただ、薬価制度、薬価改定の見直しだけを求めているという内容につきましては、いささか残念な印象を持っております。
 私からは以上でございます。
○安川部会長
 ありがとうございます。
 今、松本委員からも4つほど御質問がありましたが、御回答はいかがでしょうか。
○日本製薬団体連合会(岡田会長)
 ありがとうございます。
 重複するコメントは避けたいと思いますので、まず、薬-1の資料の4にあります、この加算対象、すなわち研究開発の有無というところで、どれぐらいになるかというところについては、これは、厚労省の事務局のほうからお答えいただければと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○安川部会長
 事務局、いかがですか。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 御質問の点について、今一言で申し上げにくいところではございますが、これらの項目に関しては、企業区分のところで集計しているものであります。
 大半の企業においては、一定のポイントが取得されているのだろうと思っております。ここで言うと、A-1とか、国内試験に着手しているものがあれば、この指標を満たすことになりますので、そういったところを考えると、通常の創薬系の企業であれば、こういったサイクルは、きちんと回っているのであろうと思っているところでございます。
 以上です。
○安川部会長
 あと、卸連のほうに御質問があったと思いますので、それについて、お願いします。
○日本医薬品卸売業連合会(宮田会長)
 松本委員、御質問ありがとうございます。
 3点御質問をいただいたと思っておりますが、1点目の速報値で今回1%圧縮されているような数字でございますが、これは、我々としては、まだ中身を分析しているわけではございませんが、医薬品の価値に適切に評価された結果なのかどうなのかという部分については、先ほど申し上げたとおり、今、安定供給が非常に不安定な部分あるいは物価高騰、メーカーの仕切価が上昇している点、それから人件費上昇などが会員企業それぞれの価格交渉の中で、どうしていくのかということの結果ではないかと。そういう認識が共有されているのではないかということ。
 それと、流通当事者のお得意様のほうも、やはりそういう意味では、厳しいという認識は持っていただいているということが、結果として過去10年間で一番圧縮されている6%ということでございますので、そういうことではないかと、そんなふうに考えているところでございます。
 また、薬効群別の乖離率については、これも分析してございませんが、まだまだ流通改善が道半ばということで、総価取引をさらに改善していかなくてはいけないという部分、あるいは2薬効(血圧降下剤・抗ウイルス剤)の中身を見てみないと分かりませんが、たくさんの競合品がある中で、どういう価格交渉が行われているのかということも、理由としてあります。
 大きく見ると、内服薬と注射薬では、注射薬のほうは、平均乖離幅よりも圧縮されているような形でございますので、内服薬についての6%以上のものが、薬効群にあるということは、課題として認識しているところでございます。
 それから、3点目として薬価を上げる前にやることがあるだろうと、まさしくそのとおりでございまして、我々、流通改善ガイドラインを遵守しながら、単品単価交渉をやろうという意気込みはあるものの、実際、6年連続で薬価改定がある中で、頻繁な価格交渉あるいは、プレーヤーがお得意先だけではなくて、コンサルだとか、ベンチマークを用いるようなところだとか、いろいろなプレーヤーが出てきている中で交渉させていただいております。
 薬価を引き上げるのが重要なことではございますが、我々の活動を卸連だけではなくて、流通当事者全員が、そういった医薬品が供給できるような体制を認識していただくことによって、しっかりとした単品単価交渉ができるのではないかと、そのように考えているところでございます。
 これは、次期流通改善ガイドラインの改訂版の中で、いろいろ意見を申し上げている部分が、どういう形で書き込まれるかということも重要なファクターになってくると思っておりますので、もう後がない状態で我々は流通改善を進めていくという思いでやっていきたいと、そのように考えております。
 以上でございます。
○日本ジェネリック製薬協会(高田会長)
 それでは、後発品に関する御質問につきまして、回答を申し上げたいと思います。
 企業指標の評価結果を薬価制度に導入することにつきましては、一定の条件のもとで、3価格帯とは別の取扱いとするということで、今後、後発品産業の構造転換にもつながる、ひいては品質と安定供給の確保につながるものと考えておりまして、後発品の置換え期間であります、収載から10年程度の品目を想定しております。
 これにつきましては、分母として約1万品目ある中の4分の1程度の品目が該当すると想定しております。
 以上でございます。
○安川部会長
 松本委員、よろしいでしょうか。
○松本委員
 はい、ありがとうございました。
○安川部会長
 ほかに、御意見、御質問等ございますでしょうか。
 では、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 全国健康保険協会の鳥潟と申します。よろしくお願いします。
 協会けんぽのほうでもジェネリック医薬品の利用を加入者の皆様に促進してきて、医療費の伸びを抑制することに尽力してきたわけですけれども、今回の後発医薬品の供給不安は協会けんぽとしても非常に打撃を受けている状況でございます。
 そのような中で幾つか質問をさせていただきたいのですけれども、ジェネリック業界としましては、本資料に記載されている要望が全て実現した場合、安定供給が実現可能と考えているという理解でよろしいのでしょうか。
 また、9ページなのですけれども、評価項目をできる限り速やかに公表と記載されているのですが、それはいつ頃を念頭に置いたコメントなのでしょうか。
 また、7月5日の業界ヒアリングにおいて、GE薬協の皆様の御意見として、今後十分な製造能力を維持できず、供給に責任を持てない後発医薬品企業は、撤退せざるを得ないというコメントがありました。後発品の安定供給のための予備対応能力の確保を、24年6月収載品から指標として導入すべきという趣旨でよろしいでしょうか。
 あと、すみません、私の理解が乏しいのかもしれないのですが、皆様の中で御質問があった項目なのかもしれないですけれども、後発医薬品の新規収載時の価格についてですが、今、同時に収載される内用薬が7品目を超える場合に、先発品を0.4掛けにすることについて、業界としての見解をお伺いしたいと考えております。市場への参入可否の判断に、企業評価を活用とありますが、その場合の参入数はどの程度になると見込んでいるか、御教示いただきたいと考えております。
 あと、先ほど何名かの委員の方もおっしゃっていましたけれども、今回の資料は非常に具体性に乏しいなと、個人的に思っておりまして、本当にこの計画というか、安定供給を実現できるのかということが、非常に不安を覚えているような状況です。ジェネリックのほうでは、特に、いつ頃になるかお分かりにならないというコメントもいただいておりますので、すでに状況の改善に向けた決意をおっしゃっていただいた方もいらっしゃいますが、協会として、どのようにその辺をまとめて考えていくのかということをお伺いしたいと思います。
○安川部会長
 後発品の安定供給に関して4つ、5つほど御質問、御意見をいただきましたが、いかがでしょうか。
○日本ジェネリック製薬協会(高田会長)
 それでは、まず、最初の今回の薬価制度改革によって、安定確保につながると考えてよいかという御質問だったかと思います。
 すみません、回答は一部重複するところがあるかと思いますが、各企業が安定供給の状況に関する情報開示や、緊急時の対応などの透明性を図ることによって、安定供給が可能な企業以外が参入しにくくなり、それによって後発品産業の構造変化につながるものと考えております。また、ひいては、それが品質の確保と安定供給につながるものと考えております。
 また、2つ目の御質問ですが、できる限り速やかに公表ということは、いつ頃を想定されているかということでございますが、現在、幾つかの指標の導入が検討されていると存じておりまして、その中で、既にデータとして企業が持っているものについては、来年の薬価改定後、速やかに公表できるものと考えております。
 また、新たにデータを収集していかなければならないような項目に関しては、順次ということになろうかと考えております。
 3つ目でございますが、過去に、今後品質安定供給に責任を持っていない企業は撤退をせざるを得ないということでございますが、これも繰り返しになりますが、安定供給あるいは品質確保の状況の情報を開示していくことによって、医療関係者あるいは国民の皆様から適切に企業の評価がなされるものと考えておりますし、そのことによって、そういったものが実現できる企業以外が参入しにくくなるといった方向で、構造転換につながるものと考えております。
 速やかな撤退ということよりは、そういった企業のみが、ジェネリック医薬品の品質確保、安定供給の責任を果たせるものと考えているところでございます。
 また、4つ目でございますが、24年の6月からの導入と考えてよろしいかということでございましたが、すみません、質問を聞き損ねてしまいまして、申し訳ございません。
○鳥潟委員
 大丈夫です。業界再編をするために、後発医薬品企業は撤退せざるを得ないとおっしゃったと記憶しているのですが、後発品の安定供給のための予備対応能力の確保ということを24年6月収載品から、業界として指標とすべきという趣旨かという御質問です。
○日本ジェネリック製薬協会(高田会長)
 すみません、ありがとうございました。
 予備対応力の確保となりますと、現時点で確保できている内容につきましては、先ほど申し上げたように、開示ができるものと考えておりますが、今後さらなる増産を目指して、例えば設備投資ですとか、人材の確保といった今後の対応につきましては、速やかに4月からというよりは、対応ができ次第、順次情報をアップデートしていくということになろうかと考えておりますが、これにつきましては、行政当局と連携をして、私どもとしてできる限りの情報を積極的に開示していくということに努めてまいりたいと思っております。
○安川部会長
 よろしいでしょうか。
○鳥潟委員
 すみません、幾つか漏れているので、同時に収載される内用薬が7品目を超える場合に、先発品を0.4掛けにすることについて、業界としての見解をお伺いしたいと思っております。先発品を0.4掛けという案が出ているのですけれども、ジェネリック業界としての見解をお伺いしたいのと、その場合、市場への参入数はどれぐらいになると見込んでいるのかということをお伺いしたいと思っております。
○安川部会長
 では、追加で回答をお願いいたします。
○日本ジェネリック製薬協会(高田会長)
 どうもありがとうございます。大変申し訳ございませんでした。
 まず、4つ目の矢羽根に関連する御質問だと思いますが、まず、同時に収載される品目が多い成分は、収載直後の乖離率が高い傾向となっているということで、これについては、持続的な安定供給のために参入障壁を高める必要があると承知しております。
 ただ、これらの品目の中でも、企業ごとに乖離率が異なることもございまして、今後、持続的な安定供給を重要視している企業であって、乖離率が低い企業であっても、同時に収載される品目数によって、新規収載品の薬価が低く算定されることの影響は大きいものと考えております。
 そのために、こちらでは、同時収載品目数を基準に薬価を決めるのではなくて、企業評価を新規後発品の市場参入可否の判断基準として活用することや、企業指標の1つに新規後発品の収載後の乖離率を評価する項目もあろうかと思いますので、その影響、状況を踏まえて、品目数の規定の改正は慎重に行っていただきたいという要望でございます。
 また、7品目という提案がなされているということでございますが、これにつきましては、品目ごとに違うかと思っておりまして、同時に多くの品目が参入することが予想される場合に、各企業がそれを避けるケースと、あるいはそれでも上市するケースというのは、これまでもございましたので、品目ごとによって状況は違うかと思っております。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 企業にお任せするというところですね、そのように理解いたしました。ありがとうございます。
○安川部会長
 ありがとうございます。
 では、岡田会長。
○日本製薬団体連合会(岡田会長)
 すみません、今の鳥潟委員の御質問に対して、少しだけ補足をさせていただきたいと思います。
 今回、特に安定供給という切り口でいいますと、私も申し上げましたけれども、今回の提案で全て解決するというものではないと思っております。
 ただ、現状を改善する大きなきっかけとなり得る、そのような議論がしっかり行われていると、まず、認識をいたしております。
 その一方で、今、全ての質問に高田会長にお答えいただきましたけれども、私の資料のスライド2でお示ししましたように、この後発品というのは、あくまでも医薬品のライフサイクルにおける1つのカテゴリーであって、現状起きていることが、後発品、ジェネリック製薬協会だけの何らかの立ち振る舞いで修正できるかというと、なかなか難しく、全体的な、あるいは歴史的な制度改定の積み重ねによって、やはり現状の状況がもたらされているところも一方で見なければいけないと思っております。
 特にカテゴリーで見ると、新薬、それから長期収載品、後発品と、カテゴリー別に見ると、このカテゴリーを支える企業体質とか産業構造というのは、基本的に違っている、あるいは投資行動というのは全く違っているということを含めて検討していくべきということを申し上げていて、とりわけ、ジェネリック、後発品の安定供給問題に限っては、薬事上の承認の問題あるいは先ほど鳥潟委員もおっしゃった産業構造として、どうしていくのかと、これは、いろいろなところで、その議論が進んでおりますけれども、薬価制度だけではなくて、そういったところも含めて課題をかなり包括的に直視して、議論を進めていくべきだと思います。また、そのような議論が、今、されつつある中で、今回、しっかりとした手が打たれたということで、我々は、これも全力で取り組んでまいりますということを申し上げたいと思います。
○鳥潟委員
 私のつたない質問に御丁寧にお答えいただき、ありがとうございました。私のほうも理解するように努めたいと思います。
○安川部会長
 ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。
 委員の方々よろしいでしょうか。
 業界のほうから、もし追加でコメント等ございましたら、よろしいですか。
 御意見、御質問は、およそ出尽くしたようでございますので、関係業界からの意見陳述については、本日はここまでとさせていただきたいと思います。
 今後、事務局におきまして、本日頂戴しました御意見等を踏まえ、続けて御対応をいただきますようお願いいたします。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の薬価専門部会は、これにて閉会といたします。どうも長時間ありがとうございました。
                  
                                   

<照会先>

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