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2023年11月24日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第217回議事録

○日時

令和5年11月24日(金)8:30~

○場所

TKP新橋カンファレンスセンター 15F

○出席者

安川文朗部会長 小塩隆士委員 本田文子委員
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員
長島公之委員 江澤和彦委員 林正純委員 森昌平委員
藤原尚也専門委員 石牟禮武志専門委員 荒川隆治専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他

○議題

令和6年度薬価改定について

○議事

○安川部会長
 おはようございます。ただいまより、第217回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 本日、部会長がオンライン参加のため、委員の皆様には御不便をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 本日は笠木委員が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 今回は「令和6年度薬価改定について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。資料薬-1を御覧ください。
 本日は、価格の下支え制度、長期収載品に関する内容を準備しております。
 3ページ目、最初に「1.価格の下支え制度」です。
 4ページ目は、これまでの意見。
 5ページ目は、最低薬価の現行制度です。
 6ページ目に、業界団体からの要望事項として、新たな剤形を追加してほしいといったことが要望されております。
 7ページ目、要望があった剤形に関する考え方をまとめたものでございます。例えば、エキス剤であれば、最終的な製剤としては、顆粒剤、液剤などになりますが、これらは既に最低薬価が設定されているものでございます。
 また、外用塗布剤は範囲が幅広く、点眼点耳点鼻液は、記載しているとおりの状況でございます。
 9ページ目、一方で、最低薬価品目は実勢価格の乖離率が大きくなっていると指摘されております。この資料は、以前に紹介した有識者検討会で議論されたものでございます。
 10ページ目、11ページ目のような状況で、総価取引が原因となっている可能性が指摘されております。
 12ページ目、次に、不採算品再算定ですが、こちらは現行制度でございます。
 13ページ目、前回、令和5年度改定では、臨時・特例的な対応として1,100品目に不採算品再算定を適用しました。
 14ページ目は、以前も御紹介しましたが、前回、不採算品再算定を受けた品目が適正な価格で流通するよう、関係業界に依頼した文書でございます。
 15ページ目は、業界団体からの要望として、まずは物価高の状況。
 16ページ目は、不採算品再算定を柔軟に適用してほしいとの要望です。
 前回の不採算品再算定の対象品目における実勢価格の状況は、現在、薬価調査の結果集計を行っており、どのような状況であったかは、まだ、お示しできない状況でございます。
 17ページ目、価格の下支え制度に関する論点をまとめております。
 基礎的医薬品につきましては、既に御議論をいただいておりますので、本日の議論の範囲の内容となります。
 まず、最低薬価については、流通段階の実勢価格における乖離状況も踏まえ、新たな剤形の最低薬価の設定を含む最低薬価の在り方について、どのように考えるか。
 次に、不採算品再算定については、現在、企業の希望状況を整理しているところであり、前回の対象品目の実勢価格の状況は、先ほど述べたとおり集計中ですので、これらを踏まえて、必要な対応を検討することについて、どのように考えるか。
 また、物価高騰による製造コストへの影響は、今後も継続することが考えられる中で、不採算品再算定の取扱いについて、どのように考えるか、とまとめております。
 次に、18ページ目「2.長期収載品」です。
 19ページ目は、これまでの意見。
 20ページ目と21ページ目は、ルールの経緯と現行制度でございます。
 22ページ目からは、長期収載品に関しては、現在、保険給付の在り方の見直しについて、社会保障審議会医療保険部会で議論されておりますので、その紹介をいたします。
 23ページ目、骨太の方針2023でイノベーションの推進を行うとともに、長期収載品等の自己負担の在り方の見直しについて、検討を進めるということが盛り込まれております。
 24ページ、25ページ目は、有識者検討会における関連する指摘事項。
 26ページ目は、薬剤自己負担の見直しに関して、それまでの議論を踏まえ、4つの項目を例示して意見をいただいたものでございます。
 27ページ目は、検討の方向性で、先ほどのページの④の「長期収載品の保険給付の在り方の見直し」を中心に議論を進めることとしております。
 28ページ目、検討に当たり、イノベーション推進や、医薬品の安定供給の確保という方針を示しつつ、その中で後発品の置換えを進め、長期収載品の依存から脱却していくための方向性を示しているものでございます。
 29ページ目、こちらは、先ほど説明した④の保険給付の在り方に関して、イメージとともに主な論点を示しております。
 医療保険部会の議論は現時点では以上であり、本件に関しましては、本日の中医協総会においても「長期収載品(その1)」が議題とされており、その中でも議論をいただくこととしております。
 30ページ目、これらを踏まえ、長期収載品に関する論点を示しております。
 まず、我が国の製薬産業について、長期収載品に依存するモデルからより高い創薬力を持つ産業構造に転換する方針の中で、長期収載品から後発品への置換えを迅速に進める観点から、長期収載品の薬価の在り方について、どのように考えるか。
 2つ目、長期収載品の保険給付の在り方の見直しについて、本日の中医協総会で議論されることから、その検討状況を踏まえ、長期収載品に係る薬価算定ルールについて議論することとしてはどうかとしております。
 最後、32ページ目に議論の取りまとめに向けた考え方を示しました。
 令和6年度の薬価改定に向けた検討は、これまで、精力的に幅広い範囲の議論をいただきましたが、これまでの議論を踏まえまして、次回の薬価専門部会では、令和6年度薬価改定の検討の方向性として、制度改革に関する論点を示すことを予定しております。
 制度改革の方向性といたしましては、先ほど、28ページ目の資料に示しておりますが、イノベーション推進と安定供給確保が、現在、医薬品を取り巻く大きな課題となっておりますので、これらの方向性を中心に対応を進めることが考えられます。
 また、今回議論した検討課題は多岐にわたりますので、今回の改定だけで終えるものではなく、今後も継続して議論することもあろうかと思っております。
 こういった方向性でまとめていきますが、基本的な進め方は、従来の改定と同様でございます。
 次回、検討の方向性に関する議論をいただいた上で、その次の回で関係業界からの意見聴取を行うこととしており、最終的な薬価制度改革の骨子の取りまとめに向けて議論を深めていくこととしております。
 取りまとめに当たり、本日の内容もそうですが、現時点では、さらなる議論が必要と提示している内容もございます。
 したがいまして、次回、検討の方向性を示すときにも、さらに議論が必要なものもありますので、そういったところにつきましては、議論ができるのは、残り限られた時間でありますが、議論を続けていきたいと考えているところでございます。
 説明は以上です。
○安川部会長
 ありがとうございました。
 では、ただいまの説明について、何か御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。
 では、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。論点についてコメントします。
 まず、17ページの価格の下支え制度についてです。
 最低薬価や不採算品再算定に関して、対象となった品目については、薬価基準より安い価格で取引されている現状があることから、単に薬価上の措置で手当しても問題の解決にはならず、より根本的には、医薬品の流通や取引の環境改善が必要だと感じます。
 すなわち、医療上の必要性を鑑みず、総価取引における調整弁として値引きされているような現状を改善し、医薬品の個々の価値に見合った取引が行われるようにすることが、検討の前提として必要だと思います。
 そうした意味では、令和5年度の薬価調査の結果なども見つつ、現在の取引の実態がどの程度改善しているのかの検討を踏まえ、判断すべきだと思います。
 特に、臨時的、特例的に対応した品目の効果について、その結果についても整理していただきたいと思います。
 また、原価率を踏まえた対応として、要因が明らかな漢方のエキス製剤は、新たな区分として対応できるのかもしれませんが、ばらつきが大きく変動要因が分かりにくい場合には、1つにまとめることは困難であると考えます。
 次に、30ページの長期収載品についてです。
 長期収載品から後発品への置換えを迅速に進めるという点については、総論的に理解しております。
 しかし、現在の後発医薬品を中心とした安定供給上の懸念あるいは点眼薬等の外用薬においては、基剤や添加剤の違いにより、効果や副作用が異なることなどから、やむを得ず後発品への置換えが進まない実態があることはよく知られておりますので、そうした点について一定の配慮が必要ではないかと考えます。
 最後、32ページの考え方については異論ございません。
 私からは以上です。
○安川部会長
 ありがとうございました。
 それでは、ほかに御意見ございますでしょうか。
 森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。論点に沿って幾つかコメントをさせていただきます。
 まず、17ページ目の論点1つ目の最低薬価についてですが、11ページ目でも示されているとおり、大きな乖離となっています。
 新たな剤形に最低薬価を設定する対応は検討すべきと考えますが、乖離が大きいこと、また、今、長島委員からもありましたけれども、流通上、総価取引における調整弁として取り扱われている実態があり、これは本来の目的と大きく異なるものです。新たな対応を検討する前提として、流通実態の改善が不可欠だと考えます。
 本日、医薬品流通を担当する部署も出席いただいていると思いますが、流通の改善は最低薬価のみならず、医療用医薬品全体における課題となっていますので、中医協でこのような指摘があったことを踏まえ、関係する検討会で根本の改善に向けて対応いただくことをお願いします。
 特に薬価の下支えを議論する際には、流通上の課題も重要な視点ですので、中医協でも進捗を随時報告いただくよう併せてお願いします。
 次に、不採算品再算定についてですが、1つ目のポツの必要な対応を検討することに異論はありません。
 また、物価高騰が続いており、今後も継続することが考えられます。製造コスト等への影響についても必要な対応を検討すべきと考えます。
 最後に、30ページ目に示されている長期医薬品に関する論点と、32ページ目に示されている議論の取りまとめに向けた考え方については、いずれも進め方などについて異論はありません。
 私からは以上です。
○安川部会長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見はございますでしょうか。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。それでは、論点に従ってコメントをさせていただきます。
 まず、17ページにございます、価格の下支えに関する論点でございますが、最低薬価について、下限値を設定する剤形を拡大する方向性には、異論はございません。
 一方で、資料の9ページから11ページを見ますと、先ほど長島委員、森委員からも御指摘がありましたけれども、最低薬価品目が総価取引の調整弁になっている可能性があり、安定確保医薬品や局方品であっても、最低薬価品目の場合に、平均乖離率が高い実態がございます。
 総価取引や過剰な値引きの是正に取り組むとともに、品目ごとに最低薬価まで薬価を戻す必要性を判断できるようなルールを導入すべきだと考えます。
 また、不採算品再算定につきましては、令和5年度改定で特例措置に該当した品目でも、仕切価は据え置きが多く、むしろ低下した品目さえあったと記憶しております。
 最終的には薬価調査の結果を踏まえて判断させていただきますが、前回の臨時的な対応をそのまま本則のルールに取り入れることには、現段階では慎重にならざるを得ないと思っております。
 続きまして、30ページ、長期収載品に関する論点でございます。
 まず、特許が切れたら速やかに後発品に市場を譲るという考え方は、業界とも共有できているものと認識しております。
 一方で、長期収載品側としては、後発品だけで需要を満たせないから撤退できないという御意見や、特許期間中の薬価維持と併せて検討すべきという御要望も業界が出ていることは承知しております。
 新薬創出加算については、先日、事務局案が示されたところですので、長期収載品についても、より早期に後発品への置換えが進むよう、21ページに全体像が示されるルールを全体的に厳格化すべきと考えます。
 例えば、Z2については適用時期の前倒しや、置換え率に応じた引下げの強化が考えられます。
 G1、G2ルールについては、場合によっては後発品薬価との倍率の刻みを少し小さくする等の工夫をしながら、確実に毎年適用することで、より迅速に後発品との価格差を縮小すべきです。
 また、新薬創出加算の累積額控除については、特許が消えた後に適用する仕組みですけれども、長期収載品の薬価の在り方としても、毎年実施すべきです。
 これらのことを長期収載品の保険給付の在り方に関する見直しを行った場合に、患者負担の増加を極力抑えることにもつながるものと考えております。
 後発品と長期収載品の中間とも言えるオーソライズド・ジェネリックは、改めて薬価上の対応を検討することが必要だろうと考えます。
 さらに、医薬品のライフサイクルを考えた場合、長い使用経験のある成分については、スイッチOTCを本格的に進めるべきです。後発品の生産余力を高める観点からも重要な視点だと考えておりますので、中医協の所掌範囲からは外れますが、厚生労働省には、ぜひ御検討をいただきたいと思います。
 続きまして、32ページ、議論の取りまとめに向けた考え方でございます。
 イノベーションの推進と安定供給確保の観点のみならず、医療保険制度の持続可能性を確保する観点も十分に意識すべきだということは、強く指摘させていただきます。
 骨子の取りまとめに向けた考え方自身に関しては、異論はございません。
 私からは以上でございます。
○安川部会長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。
 今回の内容について、専門委員のほうから、もし、御発言等あるようでしたら、いかがでしょうか。
 では、石牟禮専門委員、お願いいたします。
○石牟禮専門委員
 ありがとうございます。専門委員の石牟禮でございます。
 17ページの「価格の下支えに関する論点」につきましては、業界の要望につきましても資料に引用していただいておりまして、その要望に沿った形で御検討をいただきたいと思っております。
 流通の問題等は、御指摘のとおりでございますけれども、個別の製品の安定供給に向けた努力についても、ぜひ御配慮をいただきたく、特に不採算品再算定の確実な適用に関しては安定供給を継続したいと希望している品目については、そのシェアなども見た上で適用することについても御検討をいただければと思っております。
 また、長期収載品について、松本委員から御意見ございました。この後、総会でも御議論されると伺っております、選定医療についての議論もございますところ、現在示されておりますZ2、G1、G2のルールにつきましては、後発品の使用を促進するという観点も踏まえて検討され、ルール化されているものでございます。
 現在、後発品の使用促進により、数量割合として80%に既に到達しているという効果があったことを踏まえますと、現行の薬価のルールを変更する必要性は、乏しいのではないかと考えております。
 以上でございます。
○安川部会長
 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見等はございますか。
 事務局からは、特に補足等はございますか。
○安川薬剤管理官
 特にございません。
○安川部会長
 分かりました。
 もし、ほかに御意見、御質問等ないようでしたら、本件に係る質疑は、このあたりといたします。
 今後、事務局において、本日頂戴した御意見を踏まえ、御対応いただきますようお願いいたします。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の薬価専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
                  
                                   

<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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