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2023年10月20日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第212回議事録
○日時
令和5年10月20日(金)9:00~
○場所
TKP新橋カンファレンスセンター 12F
○出席者
安川文朗部会長 笠木映里部会長代理 小塩隆士委員 本田文子委員 |
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員 |
長島公之委員 江澤和彦委員 林正純委員 森昌平委員 |
石牟禮武志専門委員 村井泰介専門委員 赤名正臣専門委員 |
<事務局> |
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長 |
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他 |
○議題
○令和6年度薬価改定について
○議事
○安川部会長
おはようございます。ただいまより、第212回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について報告いたします。
本日は全員が御出席です。
なお、本日は、部会長の安川がオンラインで出席しております。皆様には、大変御不便、御迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただきます。
今回は「令和6年度薬価改定について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。資料薬-1を御覧ください。まず、2ページ目でございます。
本日は、新薬のうち、こちらで示している事項を議題として資料をまとめております。
3ページ「1.日本への早期導入に関する評価」でございます。
4ページ目、早期導入に関する薬価上の評価としては、世界に先駆けて開発した先駆的医薬品に係る評価などがございます。
5ページ、業界からは、日本の薬価の水準が低いために、日本での上市を遅らせていることがドラッグ・ラグの原因となっている、また、先ほどの先駆加算は適用条件が厳しく、インセンティブとして十分機能していない等の指摘がございまして、迅速な導入を促すための先駆加算に準じた加算の新設などが要望されているものでございます。8ページまでが要望でございます。
また、9ページでは、前回御説明しましたが、新薬創出等加算においても早期上市した医薬品に加算を適用してほしいとの要望がございます。
10ページ、海外との比較に関連して、新薬の薬価収載時に参照する外国価格がどれくらいあるかを集計したものでございます。新薬に収載された全体の約6割が外国価格のあるもの、4割がないものとなっております。
11ページ目、先駆加算の前提となる薬事規制における先駆的医薬品の指定制度の概要でございます。
指定要件は中央の水色の囲みに記載されていまして、世界に先駆けて開発することに加えて、治療薬の画期性、対象疾患の重篤性、極めて高い有効性等が要件となっているというものでございます。
12ページ目は、収載後の外国平均価格調整のルールですが、引上げ調整は行わないこととされております。
13ページは、収載時の外国平均価格調整の説明資料です。
14ページは、ドラッグ・ラグの状況を日米の承認品目を比較して試算したものでございます。
次に15ページ、厚労省の研究班では、医薬品の安定供給や新薬の開発、上市環境の改善のための研究を行っておりまして、迅速な導入に関しても検討されておりますので、研究班での取りまとめ事項に関しては、別途報告したいと考えております。
16ページ目、早期導入に関する論点をまとめております。
「現状」は、先ほど説明した資料の概要でございますので、下の「論点」を説明いたします。
1つ目、革新的な新薬を日本へ早期に導入することを促すことは、ドラッグ・ラグ/ロスの解消の一つの要素として考えられることから、現行の薬価制度の課題も踏まえ、早期導入に係る評価をどのように考えるか。
2つ目、上記の評価としては、収載時の評価、薬価改定時(新薬創出等加算)の評価、外国価格の取扱いなどの観点が考えられるが、これらの点についてどのように考えるか、としております。
次に17ページ目「2.小児用の医薬品に関する評価」でございます。
18ページ目に検討事項を示しております。
19ページ目、業界の意見陳述資料ですが、ドラッグ・ロスの品目を分析したところ、小児を対象とした医薬品が4割を占めているとの結果でございます。
20ページ目、小児の評価につきましては、収載時の補正加算、改定時の加算、市場拡大再算定等の補正加算で評価対象になっているところでございます。
21ページ目、新創加算の品目要件では、小児用の医薬品は加算の対象になっていないことを示しているものでございます。
22ページ目は、小児加算の評価につきましては、効能・効果又は用法・用量に小児のことが明示的に書かれている場合に対象となるというものでございます。改定時も同様でございます。
次に23ページ目、実際の加算の実績でございますが、小児加算は5%から20%、改定時の加算は5%から30%の範囲で付与されることになりますが、実際には5%の評価が多くなっているというものでございます。
24ページ目、薬価算定組織の意見では、新創加算について、小児用医薬品など医療上必要性の高い医薬品は、品目要件に追加してはどうかとの指摘がされております。
25ページの業界要望でも同様のことが示されているという状況でございます。
26ページは、7月の部会でも紹介しましたが、薬事規制の見直しの検討が医薬局のほうで進められており、ここでは小児用医薬品の開発促進がテーマの1つになっております。
27ページは、検討事項の概要資料でございます。
28ページ、この検討会では小児に関して、成人と同時に小児用の開発を促す仕組みの導入等が検討され、この「対応の方向性(案)」に記載されている内容で了承されているところと承知しておりますが、この開発計画策定を促すインセンティブについても、何らか必要ではないかという意見が出ているという状況でございます。
29ページ、小児用医薬品開発の課題をまとめたものですが、市場規模が小さく治験実施も困難で開発が進みにくいということは、日本のみならず、国際的にも課題となっているというものでございます。
企業へのアンケートでも採算が取れないとの回答が多くなっているというものでございます。
30ページ目、以上をまとめたものでございますが、小児用の医薬品については、ドラッグ・ロス/ラグの品目の中でも多くを占めており、その解消とともに小児用の開発を促していく必要性は高いものの、開発の難易度が高く、採算性が低いことが指摘されている。小児用の医薬品開発促進のため、薬事の観点での取組も検討が進められているが、薬価の観点における評価に関して、以下の点について、どのように考えるか。
①、収載時または改定時における加算について、評価可能な加算の範囲と比較して、実際に評価されている範囲が限られている現状も踏まえ、評価の在り方をどのように考えるか。
②、新薬創出等加算の品目要件では、真に革新性・有用性がある品目に該当するものを対象にしているが、現状では小児用の医薬品であることだけでは対象とならないことについて、どのように考えるか。
③、その他、小児用の医薬品に対する評価の在り方について、どのように考えるか、とまとめております。
最後に31ページ、「3.有用性系加算の評価」でございます。
32ページ、薬価算定組織の意見では、評価の在り方の見直しや、柔軟な評価に関して提案されているところでございます。
33ページ、業界要望では、新たな評価項目など、評価に関する要望が出ているというものでございます。また、34ページ、ベンチャー企業系の団体からは、患者数が特に少なく、1,000人未満のウルトラオーファンと呼ばれている品目の評価を希望するというものも出されているところでございます。
次に35ページ、オーファンに関して、最近収載された新薬の投与対象患者数予測を集計したものでございます。1,000人以下の品目も結構あるというものでございます。
36ページ、オーファンに関しては、薬価上は市場性加算で評価されますが、収載時の加算は20%、改定時の加算は30%が上限でありますが、実際の評価は高くて10%となっているところでございます。
次に37ページは、先ほど早期導入のところでも説明しました先駆加算ですが、20%が上限となりますが、実際には10%にとどまっているというものでございます。
38ページと39ページ、こちらは7月の部会でも紹介した有用性系加算の定量化に関してでございます。
40ページにあるように、加算の評価に偏りが生じている実態があるという状況でございます。
41ページ、再掲になりますが、厚労省の研究班では、新薬の有用性系加算の評価に関してまとめているところでございますので、今後の議論の際に説明できればと考えておるところでございます。
最後、42ページ、論点をまとめております。
補正加算について、現行制度で評価可能な範囲と比較して、実際の加算状況が限られている現状を踏まえると、新薬の革新性・有用性を適切に評価し、イノベーションを推進していく観点から、補正加算の在り方についてどのように考えるか。
2つ目、補正加算は、加算率の定量化のためにポイント算出による評価を行っているが、このような評価の策定時には想定していなかった評価方法等が生じていることも踏まえると、新たな評価の観点の追加や定量的な評価方法の改善など、評価の在り方を見直すことについてどのように考えるか。
3つ目、これらを検討するに当たり、研究班で取りまとめられる内容も踏まえて議論してはどうか、ということでまとめているものでございます。
資料の説明は以上でございます。
○安川部会長
ありがとうございました。
ただいまの説明について、御意見、御質問がございましたらお願いいたします。
では、長島委員からお願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
各論点についてコメントいたします。
まず、16ページ、日本への早期導入に関する評価です。
革新性が高い医薬品について、薬価が原因となり、日本での早期上市が敬遠され、ドラッグ・ラグ/ロスが生じているため、早期導入を促進する必要があるということであれば、収載時の評価である先駆加算あるいは収載後の外国平均価格調整の在り方を検討するのが効果的であるとは思います。
ただし、先駆加算については、薬事承認の在り方も含めた検討が必要です。また、外国平均価格調整については、現行の算定ルールにおいて、収載後の引上げ調整は、患者負担が急激に増加するおそれがあること、外国と比べて低い価格であっても、既に国内での販売が実施できているものについて、価格を調整する必要性に乏しいことなどを踏まえ、行わないとされている趣旨を逸脱してしまう懸念もあります。
そうしたことも踏まえながら、早期導入に関わる課題をどのように捉えるのか、新薬の評価に関する他の論点も踏まえながら、全体的な視点から検討すべきと考えます。
2つ目、30ページの小児用の医薬品に関する評価です。
薬価算定組織の意見も踏まえると、薬事のほうで検討中である小児用医薬品の開発促進策と歩調を合わせることの必要性には賛同いたします。
欧州の制度では、承認後の適用拡大を想定した制度になっており、日本においても小児の対応は、既承認薬の適応追加、つまり薬事の一変承認を行うケースが相当数あることが見込まれます。
したがって、新薬創出等加算とは別に、小児用のルールとして、現行の加算とともに、全体的に考えるほうが望ましいのではないでしょうか。
最後に、42ページの有用性系加算の評価です。
有用性加算については、現在のポイント制が最近の創薬モダリティーの変化を含めた医薬品の多面的な価値評価に十分に対応できていないとすれば、研究班からの具体的な提案に基づいて、その妥当性を検討する必要があると考えます。
その際には、これまで有用性加算で評価されてきた臨床上有用な新規作用機序を有すること、類似薬または既存治療と比較して高い有効性、安全性を有することが客観的に示されていること、対象となる疾病または負傷の治療方法の改善が客観的に示されていることといった評価軸と、新たな評価軸との整合性に十分配慮しながら、言わずもがなではありますが、有用性の視点を堅持した上で検討すべきであります。
なお、資料41ページの「安定供給に関する検討」につきましては、現在の混乱期の状況で研究し、制度設計すると、本来あるべき安定供給状態とそごが生じるおそれがありますので、この点を十分踏まえて、研究成果の応用については慎重に検討するべきと考えます。
私からは以上です。
○安川部会長
ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
森委員、お願いします。
○森委員
ありがとうございます。
まずは、日本への早期導入に関する論点について発言させていただきます。
業界団体からの要望にもあるとおり、先駆的医薬品は指定基準が厳しく、さらに先駆加算の適用実績は、全て加算率が下限の10%と限定的であるため、この辺りはインセンティブとして機能するように新たな加算を設けるなどの見直しはあり得ると考えますが、単に早ければどのような新薬でも評価する価値があるのかは疑問ですので、一定の要件を課すことが必要と思います。
また、収載後の外国平均価格調整における引上げの適用については、国内の上市を優先して行った企業が、結果として不利とならないような対応の一つと考えられますが、薬価が大きく引き上がると、臨床現場への影響も大きいことから、もし引上げを適用する場合は、まずは限定的な範囲に適用して様子を見るなど、慎重に検討すべきものと考えます。
このようなケースになる医薬品はどれくらい出てくるのか、相場観が分かれば教えていただきたいと思います。
次に、小児用の医薬品の評価についてですが、小児用医薬品の開発は、対象患者数、年齢数に応じた組み入れが必要になること、同意取得等に小児特有の配慮を要するなどの課題があり、なかなか開発が進まないと言われています。小児の治療が安心・安全に行えるように、医薬品の開発を促進、評価するための配慮が必要と考えます。
小児用の医薬品開発促進は、ドラッグ・ラグ/ロスの解消の観点からも非常に重要なもので進めていくべきものと認識しています。
その上で、小児用の医薬品の評価に関する論点の①についてですが、実際に評価されている範囲が限られていることから、もう少し広い範囲で評価できるように見直していくべきと考えます。
その次の②について、新薬創出等加算の品目要件に小児用の医薬品を対象として加えてもよいと思います。
③についてですが、開発、治験の難しさ、採算等から小児の医薬品の評価全般についてインセンティブが機能するよう見直しを検討する必要があると考えます。
小児に関する個別の論点の意見は以上ですが、このような評価の見直しについて、業界としてどのように捉えているのか、専門委員から意見をいただけるとありがたいと思います。
薬価における評価を充実しても採算が合わないことがある分野だと思いますが、このような評価を充実させることが開発促進につながるということを、業界としてもしっかり主張していただけるのであれば、検討の余地があるものと考えます。
小児の薬を待つ患者、家族の方も多いと思いますので、このような方が今後適切な治療が受けられるよう、業界としての姿勢を示していただきたいと思います。
次に、有用性系加算の評価に関する論点についてですが、補正加算については加算状況が限られている現状も踏まえると、示されているとおり、新たな評価の観点の追加や、定量的な評価方法の改善なども適切な形で評価できるようポイント制を見直すとともに、ある程度の柔軟性を持たせる形で見直すことも可能と考えますが、具体的には、3目の〇に書いているように、研究班でまとめている内容を基に議論を進めていくことが必要と思います。
私からは以上です。
○安川部会長
ありがとうございます。
森委員から1点質問ですかね、相場観という発言がございましたけれども、これについて、事務局で何か応答することがございましたらお願いいたしますが、いかがでしょうか。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
御指摘いただいた外国価格の調整に関して実態がどうなるかというところですが、この辺りの観点も研究班の中で分析をしていると承知しておりますので、全体的な報告をする中で、そういった点に関しての情報も含めて報告をさせていただければと思っております。
以上です。
○安川部会長
ありがとうございます。
森委員、よろしいでしょうか?
○森委員
了解しました。
○安川部会長
ありがとうございます。
ほかに御意見はございますでしょうか。
どうぞ。
○森委員
すみません。あと小児に関して業界からの意見をいただきたいと思います。
○安川部会長
では、ここで御意見がございましたので、専門委員のほうから、小児を含めた評価の在り方について、このタイミングで御意見がございましたらお願いいたします。
では、石牟禮専門委員から、よろしくお願いいたします。
○石牟禮専門委員
専門委員の石牟禮でございます。御質問ありがとうございます。
小児用医薬品の開発につきまして、資料にも記載がございましたし、森委員からも御説明がありましたとおり、強く要請されている一方、成人とは異なる開発の難しさ、あるいはそれによるコストがかかるという状況にございますため、企業にとりましては、特許期間中の新薬から得られる収益を早期に次の開発へ投資したいと、このサイクルを早く回さなければならないという状況において、どうしてもこういった品目の開発優先度が低くなる傾向にございます。
資料にもございますように、薬事制度において開発の効率化という観点も含めて御検討が進められていると承知しております。
一方、薬価のほうにつきましても、評価の拡充で後押ししていただけますと、先ほど申し上げたような企業の状況の中で、企業の意思決定につながるものと期待し、また、そのようになると確信しております。
以上でございます。
○安川部会長
ありがとうございました。
森委員、よろしいでしょうか。
○森委員
小児用医薬品の開発の難しさというのは、十分に理解しています。小児慢性特定疾患の患者さんは全国で約12万人、それから医療的ケア児は約3万人いると言われています。そうした患者さんが地域の中で療養を受けることができるようになってきて、成人用の医薬品では小児に関しての用法であったり、用量の設定がないこと、また、錠剤の粉砕や、カプセルを外して投与することを薬学的観点や製剤学的な知見に基づいて慎重に行っています。
今後、小児の治療が安全・安心に行えるように、業界として取組をぜひ進めていただきたいと思います。
以上です。
○安川部会長
ほかに御意見はございますでしょうか。
佐保委員、よろしくお願いいたします。
○佐保委員
ありがとうございます。私からは1点申し上げます。
患者の利益につながるイノベーションの促進や、ドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロスの縮小に向けた検討は必要です。
30ページに「小児用の医薬品の評価に関する論点」が記載されておりますが、小児用医薬品のドラッグ・ロス、ドラッグ・ラグの解消と開発促進の必要性については、そのとおりだと考えております。
あわせて、薬価だけでなく、政府からの開発支援が求められると考えます。
私からは以上です。
○安川部会長
ありがとうございます。
ほかに御意見はございませんでしょうか。
松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
まず、今回のテーマであります新薬の評価全般に言えることでございますけども、加算であるとか価格調整にはそれぞれ当初考えた趣旨、目的等がございますので、加算の対象になりにくい、あるいは価格が低いという理由で、即、要件の見直し、あるいは緩和等につながるものではないと、まず考えております。
一方で、技術革新などによって状況が変わってきたのであれば、時代に合わせて評価の在り方を見直すということは、イノベーションを適切に評価する観点からは必要なことだと考えております。
それでは、各論点に沿ってコメントいたします。
資料16ページにございます、新薬の早期導入についてですが、ドラッグ・ラグ、ドラッグ・ロスを解消するために重要な課題だと認識しております。
そういう観点で資料14ページを拝見しますと、開発ラグが短縮されており、企業が努力されていることは十分に理解ができます。
さらなる早期の開発を促すために何が必要かということについては、15ページにあります研究班の報告を踏まえて検討することが考えられます。
一方で先駆加算については、薬事における先駆的医薬品の指定が条件となっており、引き続き薬事制度と整合性が取れていることが不可欠だというのが率直な感想でございます。
また、収載後の外国平均価格調整については、ほかの委員からもコメントがございましたけども、既に使われている医薬品の価格が外国のほうが高いという理由だけで、途中から値が上がるということにつきましては、患者の理解は得られにくいものだと考えます。
続きまして、資料の30ページの小児用の医薬品についてでございますが、特に開発を促進する必要性が高い分野であると認識しております。
資料の23ページを見ますと、5%の加算が多いことは事実ですけども、これも先ほど述べましたけれども、単に加算が小さいから要件を見直すということには、少し理解に苦しむところでございます。
ただし、評価の視点が欠けているのであれば、新たな考え方を議論する余地は十分にあると考えられます。また、先ほどの先駆加算と同様に、薬事制度と連動した評価をすることも考えられると思います。
最後に42ページの補正加算についてでございますが、範囲が狭いということではなく、当初想定していなかった革新性、有用性を適切に評価できていないということであれば、イノベーションの重要性は十分理解できますので議論すべきだろうと考えます。研究班で取りまとめる内容を踏まえ議論することに異論はございません。
ただ、その場合も一定の前提を置いたシミュレーションなども必要だと申し添えたいと思います。
私からは以上であります。
○安川部会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
眞田委員、よろしくお願いいたします。
○眞田委員
ありがとうございます。私のほうからも少し簡単にコメントをさせていただきたいと思います。
まず、1点目の日本への早期導入についてでありますけれども、ドラッグ・ロス/ラグの解消に向けて、企業へのインセンティブを強化する観点からは、早期導入を図る企業であるとか、医薬品の評価について工夫の余地がないか検討すべきだろうと考えますが、その際に、既存の評価との重複等については、十分配慮する必要があろうかと思います。
3点目の有用性系加算の評価に関してですが、前回7月の議論の際にも、現在の新薬の状況を踏まえて、有用性加算において評価される項目が含まれていない場合には、そのエビデンスやデータを確認して見直すべきと発言させていただいたところであります。
今後の研究班での取りまとめの報告を受けて、必要な見直しについては検討すべきだろうと考えます。
私からは以上でございます。
○安川部会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
特にお手が挙がっていないように、こちらからは拝見いたしますが、もし追加の質問、意見等がないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりとして、今後、事務局において、本日いただきました幾つかの御意見を踏まえて、御対応いただくようにお願いしたいと思います。
本日の議題は以上でございます。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡をいたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の薬価専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
<照会先>
厚生労働省保険局医療課企画法令第1係
代表: | 03-5253-1111(内線)3288 |
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