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2022年12月21日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第196回議事録

○日時

令和4年12月21日(金)17:00~

○場所

オンライン開催

○出席者

中村洋部会長 秋山美紀委員 小塩隆士委員 関ふ佐子委員
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員
長島公之委員 江澤和彦委員 林正純委員 有澤賢二委員
赤名正臣専門委員 石牟禮武志専門委員 村井泰介専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 中田医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○令和5年度薬価改定の骨子(案)について

○議事

○中村部会長
ただいまより第196回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
なお、今回も会議の公開については、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告します。
本日は、全員が御出席の予定ですが、秋山委員が遅れて参加と伺っております。
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は「令和5年度薬価改定の骨子(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明のほうをお願いします。
では、安川薬剤管理官、お願いいたします。
○安川薬剤管理官
薬剤管理官でございます。資料薬-1を御覧ください。
令和5年度薬価改定の骨子(案)をまとめております。前回の薬価専門部会において、骨子(案)に盛り込むべき項目等を御審議いただいたところでございますけれども、そちらを踏まえまして、骨子(案)を今回まとめております。
まず、1ページ目の「第1 基本的考え方」です。令和5年度薬価改定については、平成28年の基本方針を踏まえ、前回の薬価専門部会で紹介いたしましたが、今般決定された「令和5年度薬価改定について」という大臣合意、さらに本日の大臣折衝でまとまった事項、それらに基づいて行う、ということでございます。
本日の大臣折衝事項につきましては、1ページ目の後半のところに、薬価改定に関する部分を抜粋してございます。「(1)薬価」、「(2)薬価制度関連事項」とございますけれども、いずれも前回の薬価専門部会で紹介した骨子の記載案に基づくものでございます。
順に具体的な内容について紹介いたします。
2ページ目でございます。「第2 具体的内容」、「1.対象品目及び改定方式」でございます。
「改定の対象範囲については、国民負担軽減の観点から、平均乖離率(7.0%)の0.625倍(乖離率4.375%)を超える品目を対象とする。改定方式は、市場実勢価格加重平均値調整幅方式とし、具体的には、以下の算出式で算定した値を改定後薬価とする。」ということで、算出式は、通常の改定と同様に調整幅2%としているところでございます。
続いて、「2.適用する算定ルール」でございますけれども、※印で書いているものは、それぞれのルールの運用の観点で留意すべき事項等を書いているものでございます。
まず「(1)基礎的医薬品」、「(2)最低薬価」。そして「(3)不採算品再算定」は大臣合意に基づくものでございますけれども、「急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、不採算品再算定について臨時・特例的に調査結果に基づく全品を対象に適用する。」としております。
この調査結果については、※印で示しておりますけれども、令和4年9月に実施した調査ということで、以前の薬価専門部会でも紹介した1,100品目の調査でございます。
2ページ目に戻りますけれども、「その際、適用に当たっては」ということで、「通常の不採算品再算定の取扱いの「製造販売に要する原価等が著しく上昇したと認めるもの等」における要件のうち」、このまま読み上げますけれども、「(当該既収載品と組成、剤形区分及び規格が同一である類似薬がある場合には、全ての類似薬について該当する場合に限る。)」という規定、そして「(当該既収載品と組成、剤形区分及び規格が同一である類似薬(新規後発品として薬価収載されたものに限る。)がある場合には、当該全ての類似薬について該当する場合に限る。)」の規定は適用しない、ということとしております。
続きまして(4)の新薬創出加算でございます。こちらも大臣合意に基づいたものでございますけれども、「イノベーションに配慮する観点から、新薬創出・適応外薬解消等促進加算の加算額を臨時・特例的に増額し、従前の薬価と遜色ない水準とする対応を行う。このため、通常の当該加算の算定方式に基づき加算を行った後、改定前の薬価と当該加算適用後の価格の差に相当する額の95%を、当該加算適用後の価格に上乗せすることとする。」ということで、その取扱いを示しているところでございます。
次に「(5)後発品等の価格帯」、「(6)既収載品の外国平均価格調整」。
そして(7)でございますけれども、こちらのほうは、本日の大臣折衝事項に盛り込まれているものを記載しているものでございます。「新薬創出等加算の累積額控除及び長期収載品に関する算定ルールについては、令和5年度改定において適用しない。その上で、令和6年度改定において、「国民皆保険の持続可能性」と「イノベーションの推進」を両立する観点から、新薬創出等加算や長期収載品に関する薬価算定ルールの見直しに向けた検討を行う。」ということとしております。
(8)、こちらも大臣折衝事項を記載しているものでございますが、「その他の既収載品の算定ルールについては、評価に一定の時間を要することなどから、令和5年度改定において適用しない。」ということとしております。
続きまして、4ページ目でございます。「3.その他の取扱い」でございます。
こちらは、実際に薬価改定の作業を行う際の運用上の取扱いについて示しているものでございまして、こちらは、令和3年度改定の際も同様の規定がございましたので、その内容を盛り込んでいるところでございます。
「(1)規格間の価格逆転防止」ということで、「組成、剤形区分及び製造販売業者が同一の品目の規格間で価格逆転が生じる際には、可能な限り価格の逆転が生じないよう、財政中立の範囲内で、改定の対象とならない規格を含め、価格を調整する。」
「(2)今年度薬価調査において、取引が確認されなかった品目」。「類似する品目の乖離率等に基づき、改定の対象か否かを判定する。ただし、本年10月以降に薬価収載された品目は改定対象としない。」
「(3)「薬価改定」を区切りとして品目を選定する規定の取扱い」。「再算定の対象品の選定など、「薬価改定」を区切りとして品目を選定する規定において、令和5年度薬価改定は、当該規定でいう「薬価改定」には含めない。ただし、既収載品の外国平均価格調整における規定は除く。」としております。
最後、「第3 その他」でございます。
「近年の革新的新薬に係る日本への導入の状況や後発医薬品を中心とした安定供給上の課題を踏まえ、これまでの薬価制度改革の検証も行いつつ、「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」での議論も踏まえ、第2.2(7)の点も含め、令和6年度薬価制度改革に向けて検討を行う。」ということで、こちらで引用している「第2.2(7)」は新薬創出等加算と長期収載品のルールの見直しに関する記載でございますが、このようなことについて、令和6年度の薬価制度改革に向けて検討を行うということを記載しております。
最後、「また、診療報酬改定がない年の薬価改定の在り方を含め、令和4年度薬価制度改革の骨子における検討事項については、引き続き検討を行う。」ということで、診療報酬改定がない年の薬価改定や、調整幅といったことにつきましては継続検討ということを、こちらに記載しております。
以上、骨子(案)の内容でございます。
つづいて資料薬-1参考を御覧ください。
改定に当たっての参考資料を含めておりますけれども、まず、2ページ目は、薬価調査結果の速報値でございます。
3ページ目は、12月16日の大臣合意の内容、4ページ目は、本日、12月21日の大臣折衝事項の薬価改定関連部分の抜粋でございます。
次に、5ページ目でございます。こちらは、今回の薬価改定による影響額と改定対象品目数のイメージを示しました。
まずは、改定による影響額ということで、全体として3100億円ということの影響額が出ておりますけれども、その内訳として、新薬、後発品等、カテゴリー別に示しているものでございます。
さらに、5ページ目の一番下に参考として書いておりますけれども、こちらは、平均乖離率の0.625倍を超える品目を改定対象として、調整幅2%のみを考慮した場合の実勢価改定影響額を機械的に算出したものを示しております。
こちらは、以前、薬価専門部会においても、改定の影響がどうなるかということで試算している数字がございました。こちらを改めて、今回の平均乖離率の0.625倍を改定対象としたときの影響額を示しているものでございます。
数値に関しましては、令和5年度予算ベースでの概数になっていますので、数字が当初の薬価専門部会で示した数字とは少し異なっておりますが、全体としては4830億円、その内訳は、最後の行に書いてあるとおりでございます。
また、改定対象品目数、下の表でございますけれども、こちらのほうは、平均乖離率の0.625倍を超える品目の数として、全体の1万3400品目と、その内訳を書いているものでございます。
※の2)にございますけれども、この乖離率による改定対象品目数とは別に、今回不採算品再算定を緊急・特例的措置で実施しますが、その1,100品目の中には、改定対象品目でないものもございますので、そういった留意点もここで記載をしております。
続きまして6ページ目、こちらは、この改定による薬価の引下げや薬価維持が何品目程度あるかというイメージを示したものでございます。全品目1万9400品目のうち、改定対象となったもの、その中で価格を引き下げたものと、薬価が維持されたもの、あるいは緊急・特例的措置として、不採算品再算定の特例適用とか、新薬創出等加算の特例適用とか、そういったものが、どのような割合になっているかを円グラフで示したものでございます。
それ以降のページは、算定ルールなどの補足資料をつけたものですので、説明は省略いたします。
私のほうからの説明は、以上とさせていただきます。
○中村部会長
詳細な説明、どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に関して、御質問あるいは御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
では、長島委員、よろしくお願いいたします。
○長島委員
ありがとうございます。
本日提案された骨子(案)は、これまでの議論を踏まえた内容となっており、異論ございません。
その上で、今後の課題としまして、医薬品の安定供給上の問題に関わる影響については、引き続き、状況を精査していただくようお願いいたします。
私からは、以上です。
○中村部会長
ありがとうございます。
では、有澤委員、よろしくお願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございました。
前回も申し上げましたが、今回の改定対象が平均乖離率7%の0.625倍、いわゆる乖離率が4.375%を超える品目になったことは大変残念でありますが、一方で、基礎的医薬品を含め、新薬創出・適応外薬解消等促進加算については、イノベーションに配慮する観点から、従前の薬価と遜色ない水準とする対応が行われること。そして、不採算品再算定については、現下の急激な原材料の高騰、安定供給問題に対応するため、組成等が同一の全ての類似薬が該当しない場合であっても、調査結果に基づく全品を対象に適用されることといった一定の配慮がなされることには安堵しております。
この後、開催される総会での議題にも挙げられている医療用医薬品の供給問題につきましても、薬価制度だけで解決することではないと考えておりまして、医薬品産業の構造を抜本的に見直し、手当をしていく必要があるものです。医政局の有識者検討会で議論され、その方向性が示されるものと承知しておりますが、このような動きも踏まえ、令和6年度薬価制度の抜本改革に向けて、中医協で議論していくことができればと考えております。
私からは、以上です。
○中村部会長
ありがとうございます。
では、松本委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
今日示されました薬価改定の骨子については、これまで議論してまいりましたものを整理されたものでありますので、異論はございません。
今後は、令和6年度薬価制度改革に向けて、今回議論が深まらなかったテーマも含めまして、様々な課題について丁寧に議論する必要がございます。
先日もお願いいたしましたが、事務局には、議論に必要なデータの準備と、スケジュールの前倒しを御検討いただければと思います。
私からは、以上になります。
○中村部会長
ありがとうございます。
では、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
まず、私のほうから総論といたしまして、今回の中間年改定をめぐりましては、素直に言いまして、全体的に議論の進め方が拙速であると感じました。事務局としてどこに課題があったのか真摯に検証していただき、中医協を含めた政府における意思決定のプロセスや、中医協の役割、意義について、今一度整理し、それを明確化していただくようにお願いいたします。
その上で、令和6年度診療報酬改定、薬価改定においては、今回の反省を踏まえ、医薬品業界の構造的課題等の根本的課題について丁寧な議論を積み重ねていけるよう、御配慮をお願いいたします。
今回の骨子(案)についてでございますが、これまでの議論では、平均乖離率の0.625倍超を採用した場合の影響額は約4900億円との試算が示されていたところ、今回の大臣合意では、削減効果は約3100億円と、約5分の3になっております。不採算品等への対応の必要性は理解しておりますが、医療費の負担が国民に重くのしかかる中で、今回の救済措置については、あくまでも緊急的・特例的なものであるということを改めて強調させていただきたいと思います。
以上でございます。
○中村部会長
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
ありがとうございます。
では、今後の進め方についての様々な御意見、あるいは今後の状況の精査などの御意見をいただきましたが、この骨子(案)に関しましては、特に修正意見がなかったということで、この本案を総会に報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○中村部会長
ありがとうございます。
それでは、そのようにしたいと思います。
ほかに御意見等々ないようでしたら、本件については、ここまでとさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
本日の議題は以上になります。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
それでは、本日の薬価専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

(了)

<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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