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2022年12月7日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第193回議事録

○日時

令和4年12月7日(水)10:00~

 

○場所

オンライン開催

○出席者

中村洋部会長 秋山美紀部会長代理 小塩隆士委員 関ふ佐子委員
安藤伸樹委員 松本真人委員 佐保昌一委員 眞田享委員
長島公之委員 江澤和彦委員 林正純委員 有澤賢二委員
赤名正臣専門委員 石牟禮武志専門委員 村井泰介専門委員
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 中田医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○令和5年度薬価改定について(関係業界からの意見聴取等について)

○議事

○中村部会長
 おはようございます。ただいまより、第193回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
 なお、本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、今回も会議の公開については、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、本日の委員の出欠状況について御報告します。
 本日は、全員が御出席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は、関係業界からの意見聴取を行った上で、その後、本部会での議論のためにこれまで示してきた資料のうち、更新があったものなどについて、事務局から説明をいただきます。
 それでは、関係業界からの意見聴取を行います。
 本日は、関係団体として、日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会、日本医薬品卸売業連合会より意見を聴取するため、意見陳情者の一覧に記載の皆様に御出席をいただいております。
 まず、関係団体の皆様よりプレゼンテーションをしていただき、その後に、質疑とフリーディスカッションを行います。
 関係団体の皆さんは、最初に自己紹介を行った上で、プレゼンテーションをお願いいたします。
 それでは、まず、日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会及び欧州製薬団体連合会よりお願いいたします。
○日本製薬団体連合会(岡田副会長)
 おはようございます。
 日本製薬団体連合会の副会長及び日本製薬工業協会の会長を務めております、岡田でございます。
 本日は、意見陳述の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、PhRMAのジェームス・フェリシアーノ委員長、そして、EFPIAの岩屋会長、そして、日本ジェネリック製薬協会の高田会長にも御同席をいただきまして、令和5年度の薬価改定に関する意見について述べさせていただきたいと思います。
 早速ですが、資料薬-1-1のスライドの2を御覧ください。
 令和5年度の薬価改定について、総論、全体的な考え方について、まず、意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 前回の意見陳述の際にも御紹介をさせていただきましたとおり、直近の物価高騰や円安の進行等は医薬品の製造コストや研究開発費に多大なる影響を与えております。
 この2ページのスライドの下部に、日本銀行が公表している企業間取引における物価指数である国内企業物価指数と輸入物価指数のうち、製薬の原材料に関係する化学製品の1年間の変化率をお示しいたしております。
 ここに書いております数値というのは、2020年度を100とした指数でございますけれども、2021年9月から2022年9月までの1年間で、国内企業物価指数が、赤字で書いてあります11%増となっております。計算式では119÷107.2、これが111%という計算でございます。
 同様に、輸入物価指数が17.8%と大きく上昇している状況でございます。
 加えまして、これも前回の陳述のときに申し上げましたけれども、医薬品は、その特性がゆえに、一般的な消費財等と異なって、物価高騰等への対策を柔軟に行うことはできません。
 同様に、輸入物価指数が17.8%と大きく上昇している状況でございます。
 加えまして、これも前回の陳述のときに申し上げましたけれども、医薬品は、その特性がゆえに、一般的な消費財等と異なって、物価高騰等への対策を柔軟に行うことはできません。
 これらの状況は、新薬、後発品、基礎的な医薬品と、全ての医薬品に共通して言えることでありまして、加えて、日本における足元の未承認薬の増加の問題あるいは医薬品の安定供給に問題が生じている現状なども踏まえれば、薬価を引き下げる状況にはないと考えております。
 それにもかかわらず、薬価改定を実施するという場合であっても、薬価引下げ率を緩和するなどの措置は必須であると考えております。
 スライドの3を御覧ください。
 薬価改定の対象範囲に対する意見でございます。
 我々の中間年改定に対する基本的な考え方といたしまして、中間年改定は薬価と実勢価格の乖離率が著しく大きい品目について、薬価の補正を行うものと認識しております。
 加えまして、前回の意見陳述にて御紹介させていただきましたとおり、特許期間中の新薬の薬価は維持されることがグローバルスタンダードであって、また近年、日本の市場の魅力度が低下し、新薬アクセスへの影響が深刻化しているということや、医療上の必要性が高い医薬品については、将来にわたって安定的に供給していく必要があることから、特許期間中の新薬や、安定確保医薬品などは、改定の対象品目とすべきではないと考えております。
 なお、薬価調査以降に収載した品目や需要が極めて小さい品目といった、実勢価格が把握できなかった品目についても、改定の対象とすべきではないということを申し添えたいと思います。
 スライドの4を御覧ください。
 適用する算定ルールに対する意見でございます。
 中間年改定は、2年に1回の通常改定とは全く異なる位置づけであって、適用する算定ルールについては、市場実勢価格に基づき行うもの及び実勢価改定と連動して、その影響を補正するもののみ実施すべきであり、新薬創出等加算の累積額控除やG1/G2ルールといった長期収載品の薬価の改定は、実施すべきではないと考えます。
 スライド5については、日本ジェネリック製薬協会の高田会長より御説明をいただきたいと思います。
 高田会長、お願いいたします。
○日本ジェネリック製薬協会(高田会長)
 日本ジェネリック製薬協会の高田でございます。
 続きまして、5ページ目を陳述させていただきます。
 近年、医療上の必要性の高い医薬品等を含む後発医薬品の製造コストが上昇しております。現在の安定供給の状況を踏まえ、積極的な設備投資と人材育成等、今後も持続的な安定確保に向けて取り組むべき課題が多い中にあって、現在起きております原材料、エネルギー価格の高騰、円安等の影響は、一般的に製造原価率が高く、低薬価の品目の多い後発医薬品に大きく影響しております。
 そのような状況から、令和5年度に薬価を引き下げる状況にはなく、安定供給確保のため、慎重に検討すべきと考えております。
 当協会の調査におきまして、後発医薬品は製造原価が薬価の80%を超える品目が3割以上を占めており、かつ、安定確保医薬品や基礎的医薬品といった医療上の必要性の高い医薬品が存在しております。
 また、直近の原材料価格、エネルギー価格の高騰は剤形を問わず原材料費、製造経費の上昇の要因となっており、薬価に対して約6%程度の影響があると推察されております。患者様及び医療関係者の皆様に安心して使用いただける後発医薬品の持続的な安定供給確保のために、供給能力の増強をするなど、取組を進めている状況であり、仮に令和5年度の薬価改定を実施するのであれば、医薬品の供給状況を鑑み、慎重な議論をお願いしたく存じます。
 安定確保医薬品を改定対象から除外するなど、改定の対象の範囲を慎重に検討いただくとともに、今般の原材料価格の高騰などの状況を踏まえた上で、薬価引下げの緩和などの措置を検討いただきたいと考えます。
 私からは、以上です。
○日本製薬団体連合会(岡田副会長)
 それでは、続きまして、スライド6を御覧ください。
 ここから令和5年度の薬価改定と切り分けて、2点、意見を申し述べさせていただきます。
 まず、1点目でございますけれども、直近の物価高騰等によって、採算性が著しく悪化している品目が存在しております。
 このような品目の製造、供給の安定化を確保するためにも、令和5年度の薬価改定の実施に関係なく、緊急的に薬価を引き上げる措置を実施すべきと考えます。
 そして、スライド7を御覧ください。
 最後に、今後の薬価制度改革に関する意見について述べさせていただきます。
 2016年度の特例拡大再算定の導入、並びに2018年度の薬価制度の抜本改革を契機に、日本の医薬品市場は大変厳しいものとなり、新薬のアクセスや医薬品の安定供給といった課題が明らかになっております。
 前回の意見陳述でも御紹介いたしましたとおり、研究開発型の製薬企業はグローバルで活動を行っております。日本の市場の魅力度が低下すれば、たちまち投資の優先順位は下がり、その結果としてドラッグラグ、ドラッグロスというものが発生しております。
 加えまして、制度改革のたびに薬価引下げ策が増えるのではないかと、製薬各社が疑心暗鬼になっておりまして、この予見性のなさ、乏しさも日本への投資を控えることにつながっているものと考えるところでございます。
 また、現行の市場実勢価格を基準とした薬価改定方式は必然的に薬価差が発生し、薬価改定のたびに必ず薬価が引き下がる仕組みでございます。例えば、安定確保医薬品のような必要性の高い医薬品であっても同じであります。さらに、改定頻度が増加すれば、加速度的に薬価が低下し、たちまち採算が合わなくなるという構造であります。
 このような本質的な課題について、今、手を打たなければ、我が国における医療の質が著しく低下するのではないかと、大変危惧をいたしております。
 短期的な視点での国民負担の軽減に偏った政策が、国民の将来の大きなリスクにつながってはならないと、強く思っておるところであります。
 よって、今後の薬価制度改革においては、真にイノベーションを推進し、医薬品の安定供給を確保するという観点から、薬価改定の在り方も含めた本質的な検討を進めるべきと考えております。
 このような本質的な検討については、現在、厚労省医政局にて実施されている、いわゆる有識者検討会にも既に業界としての意見は申し述べさせていただいたとおりでございますけれども、今後、そのような議論がこの中医協でも進められるものと認識をいたしておるところでございます。
 このような議論につきましては、製薬業界も、ぜひ積極的に参加をさせていただきたいと思っておるところであります。
 私からは、以上でございます。
 続きまして、PhRMAのジェームス・フェリシアーノ委員長、そして、EFPIAの岩屋会長より意見を述べさせていただきます。
 それでは、ジェームス、お願いをいたします。
○米国研究製薬工業協会(フェリシアーノ委員長)
 皆さん、おはようございます。貴重な時間をいただきまして、本当にありがとうございます。
 PhRMA在日執行委員会委員長のジェームス・フェリシアーノです。
 PhRMAから追加でコメントをさせていただきます。
 2018年以降、2022年までの間、既に5年連続で薬価改定が行われており、薬価の水準が急速に下落しています。
 最近のインフレや円安の進行と併せて、5年連続の薬価改定が日本における新薬の開発や安定供給に大きな影響を及ぼしていると考えています。
 そのような状況の中、来年、中間年改定を実施すれば、6年連続の改定となり、その次の2024年の通常改定も含めると、7年連続で薬価が引き下げられることになります。このようなスピードで新薬の薬価が下がっていく市場は、先進国の中で、日本以外にありません。
 今回、特許期間中の新薬も含む幅広い品目の薬価が毎年下がるという意思決定が行われると、新薬開発を行っている世界中の製薬企業にネガティブなメッセージを送ることになり、強く危惧します。
 仮に来年の中間年改定を実施することが避けられないのであれば、日本国内の患者さんの革新的新薬への迅速なアクセスを守る観点から、特許期間中の新薬は、改定の対象から除外されるべきと考えています。
 御清聴ありがとうございました。
○欧州製薬団体連合会(岩屋会長)
 続きまして、欧州製薬団体連合会、EFPIAジャパン会長の岩屋より、一言述べさせていただきます。
 まず、本日は、このような発言の機会を与えていただきまして、感謝を申し上げます。
 まず、EFPIAの意見でありますが、今、御発言いただいた日薬連、製薬協及び、PhRMAの意見と一致をしております。
 その上で、我々として強調させていただきたいことにつきまして簡潔に発言をさせていただきます。
 日本の薬価制度は、現在に至るまで頻回かつ大幅に見直しが行われてまいりました。
 先般の令和3年度中間年改定におきましては、その対象範囲は、中医協における議論から想定される範囲を大きく超えた上、新薬創出等加算品を含む特許期間中の新薬をも対象とされ、約7割の品目が改定の対象となりました。
 これは、当然日本法人の業績に影響を与えたのみならず、海外の本社から見ましても日本の市場に対する失望、それから政策決定の方法に対する警戒感というものを生じさせました。
 そもそも特許期間中の新薬の薬価を定期的かつ強制的に引き下げる仕組みを制度として設けている国は、ほかにございません。
 さらに、その制度をそのものが、予見性に欠ける意思決定によって決められている。これは、日本市場の魅力を著しく毀損し、開発投資の判断においても、日本の優先順位に悪影響をもたらしていると、残念ながら思います。
 結果として、ドラッグラグ、ドラッグロスは、懸念の段階を過ぎまして、既に顕在化してきております。
 これに追い打ちをかけるように、中間年改定を実施することになれば、日本への投資優先度が一層低下することは明らかでありまして、今後の質の高い医療サービスの安定的な提供にも支障を生じかねないと強く懸念するところであります。
 先生方におかれましては、御存じのとおり、医薬品の研究開発というのは非常に長期の戦略であるということ。今回、中間年改定に係る議論でありますが、この議論が及ぼす将来的な影響にも、ぜひ、十分御配慮いただきまして、慎重に御検討いただくことをお願い申し上げます。
 以上であります。御清聴ありがとうございました。
○中村部会長
 それでは、次に、日本医薬品卸売業連合会より、お願いいたします。
○日本医薬品卸売業連合会(鈴木会長)
 日本医薬品卸業連合会の鈴木でございます。どうぞよろしくお願いします。
 本日は、意見を述べる機会を賜り、中医協及び厚生労働省の皆様に感謝いたします。
 本日は、医薬品を取り巻く環境、安定供給確保のための対応、中間年薬価改定の対象範囲について、御説明させていただくとともに、令和5年度中間年薬価改定について、当連合会の意見を申し述べさせていただきます。
 それでは、資料に沿って御説明いたします。
 まず、1ページを御覧ください。
 医薬品卸を取り巻く環境についてです。
 現在、コロナワクチンや検査キットの配送により、医薬品卸の業務負担が大幅に増加していることに加え、ジェネリック医薬品の需給調整にも迫られており、依然として、医薬品流通の現場では逼迫した状況が続いております。
 令和3年度に初めて実施された中間年の薬価改定や、昨今の物価急騰など、様々に変化する事業環境のもとで、医薬品卸の厳しい経営状況が続いております。
 下のグラフは、株式上場卸会社と、主に地域で活動する卸会社の営業利益の推移を示しております。
 株式上場卸会社6社、また、主に地域で活動する卸会社11社ともに、令和3年度の営業利益は対前年比で増加しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準には、いまだ戻っておりません。
 医薬品卸は不採算であっても、医薬品をお届けするという使命感で事業を継続しておりますので、このままの厳しい状況が続けば、経営上の観点から不採算品目の配送が困難になるのではないかと危惧しております。
 2ページを御覧ください。
 安定供給確保のための対応についてです。
 ジェネリック医薬品の需給調整など、現に医薬品の安定供給に支障が生じています。まずは、こうした状況を改善することを最優先すべきです。
 具体的には、医療上必要性が高いにもかかわらず、現に不足が生じている、今後不足が生じるおそれがある、あるいは低薬価品など不採算になっている医薬品、例えば、安定確保医薬品や、基礎的医薬品などについては、薬価を引き上げる、または薬価改定の対象から除外すべきです。
 また、安定供給に支障を生じないよう、物価上昇などの影響が大きな品目については、緊急的に薬価を引き上げるなどの措置を講じていただきたいと存じます。
 下の左の図は、前回に御説明いただいたことの繰り返しとなりますが、中間年の薬価改定を全面改定とした場合には、薬価の下落スピードを加速させることのモデルを示しております。
 下の右の図は、薬価という上限が定まっている中で、医薬品卸の経費や利益がどのように推移するか、イメージとして示したものであります。
 薬価改定の都度、この上限が下がることから、薬価改定の頻度が増すことで、厳しい価格交渉を余儀なくされております。
 また、最近の物価高の影響が、販売管理費の上昇につながり、医薬品卸の経営にとって大きなダメージとなっております。
中間年薬価改定は、薬価の下落スピードを加速させ、流通当事者の経営基盤を脆弱にすることから、医薬品の持続的な安定供給にとって重大なリスクとなっております。
 3ページを御覧ください。中間年薬価改定の対象範囲についてです。
 改定対象範囲については、価格乖離の大きな品目ということであれば、まず、字義どおり平均乖離率を上回るものとしていただきたい。また、前回中間年薬価改定と流通現場の状況が異なることから、できる限り限定された品目を対象とすべきだと思います。
 下の図で示しておりますが、現在の環境は、前回の中間年改定時とは大きく異なっております。
ジェネリック医薬品の需給調整は、前回の改定時と比べ、その範囲が拡大しております。全ての流通当事者にとって大きな負担となっております。
 また、新型コロナ感染症拡大に伴い、コロナワクチンの全国配送、検査キットの配送にも努めているところであり、今後深刻さを増す第8波を乗り越えるためにも、医薬品卸は懸命に努力しております。
 さらに、業務負担の増加だけでなく、ガソリン代、電気料金の高騰が経営面で大きなダメージを与えている状況にあります。改定の対象範囲については、国民負担軽減の観点からできる限り広くとされておりますが、国民は、安定供給のリスクを高めてまで負担を軽減することを望んでいないのではないでしょうか。
 5ページを御覧ください。
 最後に、これまでの意見をまとめさせていただきます。
 改定対象範囲については、価格乖離の大きな品目ということであれば、字義どおり平均乖離率を上回るものとし、前回中間年薬価改定とは異なる流通現場の状況などを踏まえ、できる限り限定された品目を対象としていただきたい。
 医療上必要性が高いにもかかわらず、現に不足が生じている、今後不足が生じるおそれがある、あるいは低薬価品などの不採算となっている医薬品については、薬価を引き上げる、または薬価改定の対象から除外すべきです。
 また、昨今の急激な物価上昇などは、安定供給に支障を生じさせかねないため、物価上昇などの影響が大きな品目については、緊急的に薬価を引き上げる措置を講じていただきたい。
 なお、調整幅については、医薬品流通の安定のための多様な機能を果たしており、全ての流通当事者にとって必要不可欠なものとなっていることから、引下げを行わないようにしていただきたいということを申し添えさせていただきたいと思います。
 説明は以上です。何とぞよろしくお願いいたします。
○中村部会長
 ありがとうございました。
 一通りの説明をいただきましたので、これより質疑及びフリーディスカッションに移ります。なお、質問は日本語でお願いいたします。
 では、いかがでしょうか。
 では、長島委員、よろしくお願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 御出席の業界の皆様、御意見、御説明ありがとうございました。
 私から質問を4つさせていただきます。
 1つ目の質問です。日薬連、PhRMA、EFPIAの皆様にお尋ねします。
 資料薬-1-1の3ページでは、イノベーションの推進の観点から、特許期間中の新薬は、改定の対象品目とすべきでないとの提案がなされております。
 2年前の中間年改定では、新薬創出等加算品目については考慮されましたが、それに加えて、特許期間中の新薬全てを改定対象から外すとの御主張は、どのような根拠に基づくものでしょうか。業界としてのお考えをお聞かせください。
 2つ目の質問です。
 日薬連、卸連にお尋ねします。
 薬-1-1の6ページでは、直近の物価高騰等により、採算性が著しく悪化している品目については、緊急的に薬価を引き上げる措置が、また、薬-1-2の2ページでも、物価上昇等の影響が大きな品目については、緊急的に薬価を引き上げるなどの措置が提案されています。
 これらの御意見について、具体的には、どのような品目を想定されているのか、根拠となる客観的な考え方やデータをお示しすることは可能でしょうか、教えてください。
 特に、安定供給、製造の観点から、一部の品目に限って対応を行うことが、全体の供給体制の観点から問題がないかについても教えてください。
 質問の3つ目です。
 日本ジェネリック製薬協会にお尋ねします。
 今、御質問した緊急的に薬価を引き上げる措置を実施した場合、医療現場においては、流通や供給が確実に安定することを、どのようにモニターできるのかが非常に重要な視点であると考えます。
 特に安定供給に課題のある企業もある中で、さらなる集約化を求める意見が強い後発医薬品の産業構造の在り方などを踏まえると、特例的な措置を講じることにより、薬価を維持することが適切な供給体制の維持にどのような効果があるのか、現時点でのお考えをお聞かせください。
 4つ目の質問です。
 日薬連、卸連にお尋ねします。
 出荷調整に伴い、メーカーであれば、供給不安を解消するための増産や品質管理体制の強化、卸であれば、代替品の確保や需給調整など、通常業務にはない負担が増加しており、本来の業務に注力できないような大変な状況かと思われます。
 さて、欠品や出荷調整を行ったことで、医療機関から求められた追加的対応や現場からの御意見について、今この場で言えることがありましたら教えてください。
 私からは、以上です。
○中村部会長
 長島委員、どうもありがとうございます。
 また、質問が一定程度集まりましたら、まとめて御回答のほうを、各団体のほうからお願いしたいと思います。
 では、有澤委員、お願いいたします。
○有澤委員
 ありがとうございます。
 令和5年度の薬価改定について、各団体におかれましては、御説明いただきまして、ありがとうございます。
 その中で、幾つか意見と質問をさせていただきたいと思います。
 今回のヒアリングは、医薬品を生産する側の視点、医薬品を流通する側の視点からの意見として、重要な御指摘をいただいているところでございます。
 どれも重要な指摘と考えますし、実際に対応可能なものについては、なるべく尊重して対応していくべきものと考えます。
 特に、御指摘の中にありました、適用する既収載品目の算定ルールについてですが、あくまでも令和5年度薬価改定は、通常改定と異なる位置づけであり、改定の目的も異なります。
 さらに薬価調査も通常改定とは異なる対応をしています。ここに来て、実勢価格改定と連動しない算定ルールを適用することは、これまでの準備や議論を覆すこととなりますので、実勢価改定と連動する算定ルールのみを対象とすべきであると考えます。
 また、後ほど説明があると思いますが、薬-2の資料の5コマ目、6コマ目に、日薬連安定確保委員会の安定供給の確保に関するアンケート結果が示されております。
 先発品、後発品を問わず供給が悪化している状況で、特に後発医薬品においては、出荷停止、出荷限定が41%もあると示されました。
 製薬業界におかれましては、信頼回復に向け、増産対応など各種取組がなされていると伺っておりましたが、その結果は反映されていないように思われます。それどころか、ますます悪化をしている状況が明確になっています。これまでの各社の取組が効果的であったのか、見直していただきたいと思います。
 現状の供給不足は、薬局、医療機関が何とか工夫して受け止めておりますが、このまま悪化が続くと、薬局、医療機関の対応にも限界があるため、近い将来、患者さんたちに生命に関わるぐらいの直接的な影響が現れてしまうという最悪の結果が訪れる可能性があります。
 まず、安定供給の立て直しが必要です。これは、最優先に行うべきもので、令和5年度薬価改定においても、最優先課題として位置づけるものです。供給不足問題は、生産側、流通、購入側とそれぞれの立場で、産業構造的な課題もあり、複合的な問題が入り組んで発生しているものです。
 薬価だけでは解決できない問題ではありますが、まずは薬価からでも手をつけていかないと、この先、何十年も続く問題となるのではないでしょうか。
 緊急的にでも何らかの配慮や措置はしていただきたい。ここは、強く強く申し上げさせていただきます。
 ここからは、質問になります。
 供給不安について、これまでの各社の取組が効果的であったのか見直していただきたいと、先ほど私から申し上げましたが、この受け止めについて、卸連も含めてお考えがあれば教えてください。
 また、日薬連、PhRMA、EFPIAへの質問になりますが、提出資料の2コマ目の原材料価格の高騰等の状況を踏まえ、薬価引下げの緩和措置が必要とのことであります。具体的な措置とは、どのようなことをお考えなのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
 私からは、以上でございます。
○中村部会長
 ありがとうございます。
 では、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員
 ありがとうございます。
 各団体におかれましては、御説明ありがとうございます。
 3年近くの新型コロナ感染症拡大下におきまして、歯科におきましても、引き続き対応努力をしておりまして、中間年薬価改定の議論に関しましては、医療現場に過度な負担が生じないよう、配慮をお願いしたく思っております。
 改定幅に関しましては、仮に行うのであれば、国民負担を考慮して、価格乖離の大きい品目に対して、極めて限定的に行うべきと考えております。
 どのルールで調整幅をどうするかは、医療現場をしっかりと精査していただき、慎重に判断していただければと考えております。
 新型コロナ感染症対応や、製造原価高騰等で、医療機関や薬局と卸との価格交渉も、平時と大きく異なる状況が続いておりまして、後発医薬品供給難を含め、市場実態調査の結果が正確性に欠くとの意見も多いところでございます。
 現状の医療現場の多大な負担や、医薬品安定供給への対応努力を最優先し検討されること、まだまだ新型コロナ感染症の影響が否定できない中、最大限努力している医療機関に、しっかりとした配慮を、引き続きお願いしたく、歯科からも要望したく思っております。
 ただ、歯科におきましては、薬剤に関しまして、マイナス乖離が続いておりまして、特に日常頻繁に使う必要性の高い歯科麻酔薬が、その要因となっております。
 以前に申しましたが、不採算品再算定によりまして、一部回復した年もございましたが、また、毎年改定によりまして、マイナス乖離が増えてきております。
 安定供給が維持できますように、不採算品目を改定対象に含めるかといった議論も含め、今後、解消に向けてしっかりとした対応をお願いしたく思っております。
 本日、いろいろ意見をいただきました中で、調整のほうをまた図っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○中村部会長
 林委員、どうもありがとうございます。
 すみません、安藤委員から手が挙がっておりますが、今、長島委員、有澤委員から御意見と御質問、それから、林委員のほうから御意見をいただきましたので、ここで、質問への回答を各団体のほうからお願いできればと思います。
 では、すみませんけれども、日薬連の岡田様、いかがでしょうか。
○日本製薬団体連合会(岡田副会長)
 まず、長島委員の御質問に関しまして、専門委員の赤名より回答させていただきます。
○赤名専門委員
 それでは、回答させていただきます。
 最初に新薬の新薬創出等加算品だけではなくて、新薬全てを維持すべきということについて御回答申し上げますが、これは、本日、説明させていただきました日薬連のスライドの3コマ目でございますけれども、2つ目の四角の直下の矢じりに書いてございますが、特許期間中の新薬の薬価、これが維持されるということが、グローバルではスタンダードであるということでございます。
 それで、こういったスタンダードから外れることによって、ここに書いてありますが、日本の市場の魅力が低下し、新薬アクセス、これが、もはや顕在化しているという、さっき御意見がございました。
 これを踏まえまして、このグローバルスタンダードの観点から、新薬の特許期間中の薬価は維持されるべきということで、ここに記載させていただいたと、そういう経緯でございます。
 2点目は、値上げですね、具体的に不採算ということでございますが、これは、この後に予定されております、厚労省から出されている議論のための関係資料というところでございますが、ここに物価高騰、変動、それから医薬品への影響ということで、不採算品目が調査されておりまして、ここをしっかり皆さんで御確認いただきたいということでございます。
 私からは、以上でございます。
○日本製薬団体連合会(岡田副会長)
 3点目につきましては、ジェネ協の高田会長より。
○日本ジェネリック製薬協会(高田会長)
 それでは、長島先生の3点目、不採算品、採算性が著しく悪化している品目につきまして、緊急的に薬価を引き上げる措置を実施すべきということにつきまして、今後、集約化ということが意見として言われている中、適切な供給確保に向けてどのような効果があるかという御質問に対して、お答えさせていただきます。
 今、ジェネリック医薬品に関しましては、品目が多いという御指摘があることは、承知しております。
 また、先ほどから御指摘をいただいておりますように、供給不安におきましては、皆様に多大な御迷惑をおかけしている状況でございます。
 その中で、現在、供給状況に問題が生じている中で、特定の品目の限定出荷等が、他品目へ影響するということで、限定出荷の割合がなかなか改善しないという状況がございます。まずは、私どもといたしましては、供給体制の強化を考え、優先的に考えて取り組んでいるところでございます。
 今後、品目が多いという御指摘の集約化等の検討におきましては、今後、6年度の改定の中で、産業構造あるいはビジネスモデル等の見直しも含めた薬価制度改革において、検討をいただければと思っております。
 ジェネリック製薬協会からは、以上です。
○日本製薬団体連合会(岡田副会長)
 フェリシアーノ委員長から、1点目の質問への補足をお願いします。
○中村部会長
 では、フェリシアーノ委員長、お願いします。
○米国研究製薬工業協会(フェリシアーノ委員長)
 私から、この点について意見を申し上げたいと思います。
 なぜ、特許期間中の新薬を全て中間年改定の対象から除外してほしいかということなのですけれども、2018年の改定の際には、新薬創出等加算の適用される範囲が縮小されて、特許期間中でありながら、新薬創出等加算の対象となる新薬の範囲が80%から50%となり、多くの特許期間中の新薬の価格が減少するということになりました。これは、業界にとって非常に大きなサプライズでございまして、これは言い換えれば、日本におけるイノベーションの定義というのが変わってしまったということだと受け止めています。ドラッグラグということが言われますけれども、ドラッグラグの定義は何かというと、これは、今、市場にある薬剤についてのことではなくて、現在開発が行われている、将来開発される予定のある薬剤について起こるのがドラッグラグなのです。
 私は、今朝も7時半に本社と話をしましたけれども、日本に2028年、2029年あるいは2030年に、日本の市場に導入したいと考えている医薬品があり、その話をしていました。
 しかしながら、その上で重要になるのが、例えば、透明性であるとか、予見可能性であり、医薬品の価格がそのときに果たして維持されるのかということです。
 そして、今、議論されているような算定の方法といったようなことが、そういったことに全て影響を与えるわけです。
 私たちの会社には、非常に革新的な医薬品がありますが、この製品は新薬創出等加算の対象にはなっておりません。そして、この製品は適応を7つ持っています。先ほども申し上げましたように、2027年、2028年あるいはそれ以降のタイミングで日本に上市される医薬品のことを考えますと、その時点で、毎年薬価が改定されるというような状況を私たちは想定していないわけです。私自身、日本に20年おりますし、日本のことは大好きです。こういった革新的な新薬を日本にもたらしたいと考えていますが、そのようなビジネスの決定に、今の議論は大きく影響を与えるということです。
○日本製薬団体連合会(岡田副会長)
 それでは、続きまして、長島委員の4点目の御質問並びに、有澤委員の1点目の御質問が、大きく申し上げると、足元の供給不安に関する御質問と捉えております。
 まず、この件につきましては、患者様、医療従事者をはじめ、関係者の皆様に大変な御迷惑をおかけしていることについて、お詫び申し上げたいと思います。
 各社において、安定供給に向けて取り組んでおりますけれども、本年においても、行政処分を受けた会社が数社ありまして、それらの会社の品目が出荷停止となっているという状況、そういう品目が多くありまして、それがまた引き金になって、他社品も同様に、その影響を受けて限定出荷になっていくというスパイラル的なこの動きが、今般の結果の大きな要因だと思っております。
 業界全体として医薬品の供給問題に取り組むべく、日薬連に安定確保委員会というものを設置いたしまして、供給実態を説明する、共通の物差しとすべく、用語は、もちろん定義を整理いたしまして、それを用いて供給不安となっている品目等を中心に、定期的に供給量や各企業の対応等の調査を行って、日薬連のホームページに公開をいたしております。
 そのことで、この足元の供給不安等を含めた状況の見える化を促進させて、供給側の生産計画の立案促進並びに購入者側の供給不安の解消に貢献できると考えているところであります。
 もちろん、国のほうでも見える化の制度化が進められておりますので、それについても、今後、我々製薬団体としても、しっかりと連携して取り組んでいきたいと考えております。
 この点については、今日、安定確保委員会の委員長の土屋が同席しておりますので、もし、補足がありましたらコメントをお願いできますでしょうか。
○日本製薬団体連合会(土屋委員長)
 今、岡田会長のほうから御説明をさせていただきましたけれども、私どもとしましては、日本ジェネリック製薬協会を中心に、医薬品の信頼回復に向けた取組を継続している中で、日薬連全体として、この供給不安の問題を捉えて、先ほど御説明させていただきました委員会を設置し、基本的には、この供給不足の問題については、製販をお持ちである各社の責務ではございますが、業界を挙げて、今、具体的には、岡田会長から御説明いただいたような用語の定義を進めることによって、見える化を進めたいということを取り組んでいるところでございます。
 そういう中で、全体的には、この見える化については、まだまだ始めたばかりでございますので、これから、また関係者の皆様の御意見を踏まえながら、しっかりした内容を含めて、どのような形でこの見える化を継続的に、また、供給不安を少しでも解消する形で構築していくかということを検討してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○日本製薬団体連合会(岡田副会長)
 続きまして、有澤委員の2つ目の御質問に対する回答でございます。
 日薬連、PhRMA、EFPIAへの質問ということで、この2コマ目の、こういった状況を受けて、薬価引下げ等の緩和等の措置が必要であるけれども、具体的な措置はという御質問であったと承知をいたしております。
 まず、本件に関しまして、我々の中間年改定に対する基本認識は、薬価と実勢価格の乖離率が著しく大きい品目の薬価を補正するというものであって、繰り返しになりますけれども、特許期間中の新薬や安定確保医薬品といった品目は、そもそも改定対象とすべきではないというのが、まず基本にございます。
 さらに、この2コマ目でお示ししましたような直近の物価高騰や円安の影響は、幅広い範囲の医薬品に影響を与えています。
 したがいまして、改定の対象となる品目全てにおいて、改定後薬価に対して一定幅を上乗せする、これは一例でいきますと、前回のコロナ特例0.8%という上乗せ措置がされましたけれども、例えばということでいくと、そういう措置が考えられるのではないかと考えるところであります。
 もし、本件に関して、PhRMA、EFPIAから何か追加、補足コメントがありましたらお願いいたします。
○欧州製薬団体連合会(岩屋会長)
 追加ありません。ありがとうございます。
○日本製薬団体連合会(岡田副会長)
 それでは、御質問は以上だったかと思います。
○中村部会長
 すみません、長島委員からの最初の質問に関して、EFPIAの岩屋様のほうから、何か、コメントの追加がありますでしょうか。
○欧州製薬団体連合会(岩屋会長)
 ありがとうございます。
 先ほど、岡田会長、それから、フェリシアーノ委員長からコメントをさせていただいたところと、同一の方向性ではございます。私自身、この議論、最初の陳述でも申し上げましたけれども、来年の中間年改定の議論ではありますが、将来の投資というか、研究開発に対する影響というのは非常に大きいということを、ぜひ、もう一度認識をしていただいて、御議論をいただければなと思っております。
 医薬品の流通というのは、非常に国際的に行われております。我々のような外資系の企業も、日本でたくさん医薬品を供給しておりますし、これは国際的に同じように、いろいろな市場でビジネスをしている中で、今まで日本が非常に魅力的で、よい市場であったと、したがって、いち早く日本に投資をしようということで、ずっと我々のオペレーションというのは続いてきたわけであります。
 この構図が崩れつつあるということは明らかでありまして、今日現在どのぐらい支障が生じているかということは、実際は過去の議論を反映しているだけでございますので、まだ完全に、今の薬価制度の影響というのが反映されていない中でオペレーションをしている、それでも、もうドラッグラグ、ドラッグロスがあるというのが現状であります。
 これ以上の薬価に対する取組というのが、イノベーションに対しての配慮というのがないまま進みますと、非常に後戻りできない状況になるのではないかなと懸念をしております。
 以上です。
○中村部会長
 ありがとうございます。
 日本のジェネリック製薬協会の高田様から何かございますでしょうか。
○日本ジェネリック製薬協会(高田会長)
 先ほど有澤先生から、これまでの各社の取組は効果的であったか、あるいは供給不安についての受け止めということで、御質問がございました。
 医療従事者の皆様には、このような状況の中で、患者様に対して最善を尽くしていただいていることを、改めて感謝申し上げるとともに、供給不安を起こしておりますことをお詫び申し上げます。
 先ほど岡田副会長のほうから、取組については御説明をさせていただきましたけれども、改善できていない状況を鑑みまして、改めて御指摘につきましては、見直し、検討を進めてまいりたいと存じます。
 以上です。
○中村部会長
 ありがとうございます。
 卸連の鈴木会長あるいは折本理事のほうから、何かございますでしょうか。
○日本医薬品卸売業連合会(鈴木会長)
 卸連からは、折本理事のほうから説明をさせていただきます。
○日本医薬品卸売業連合会(折本理事)
 それでは、御質問に対して、担当理事の折本でございます。
 まず、長島先生の最初の御質問の不採算品目がというお話でありますが、中間年も含めた毎年改定で、当然ながら後発品も含めた不採算品目が大変増加しているということは認識しております。
 そんな中で、昨今の価格交渉でもそれらがあるがためにということだろうと思うのですが、とりわけ後発品も含めた最終原価、いわゆる仕切価が上昇したと。数値的には0.3ポイントぐらい上昇した中で、今回の価格交渉を改善するというところで、乖離率の発表がございましたが、若干の縮小はできましたが、残念ながら仕切価ベースまでは至っていないという現状であります。
 そんな中で、先ほど御意見を申し上げました、卸連の決算、1ページを御覧いただきますと、大手上場卸6社の数値と、地域で活動する卸11社ということで集計いたしました。
 そんな中で、11社が0.27という御報告を申し上げましたが、この中には、コロナ運搬費用を頂戴しているものがあるという認識をしております。精査はしておりませんが、0.2から0.3近くあるだろうと思っております。
 そうしますと、地方卸は赤字に突入すると、それらの運搬が無くなれば、赤字に突入するという状態まで大変逼迫をしてきているということを御報告申し上げます。
 その中で、やはり今後の考え方として、不採算品目を除かないと、なかなかこの状況は脱却できないのではないかと認識して、御意見を申し上げた次第であります。
 2番目の代替品も含めた需給調整に関して、長島先生あるいは有澤先生の御質問にまとめてお答えするといたしますと、私どもとしては、一日も早い正常な出荷、流通を念願しているところでありますが、残念ながら現状でも御案内のとおりの状況の中で、大変逼迫をし、毎日のように、お得意様からおしかり、あるいはお問い合わせの電話が、ほぼ5倍量の量で、大体4割のタイムシェアを取っております。
 そんな中で、備蓄できるはずもない今の状況の中で、一部のお得意様から、やはり何か流通在庫が偏在しているのではないかという御質問もあるわけでありますけれども、私どもといたしましては、従来御発注いただいた先を最優先にして、できるだけの数量を最低限出荷をし、瞬く間に備蓄はなくなる状況であるという点は御理解いただくことと、これからどうするという状況で、この状況がまだ続くと伺っておりますので、やはり生命関連商品、とりわけ国が定めたような生命関連商品の出荷在庫、流通在庫の透明化ということを、ぜひ御検討いただきたいということを再三申し上げておる次第であります。
 これがないと、いろいろな憶測が走り、余分なタイムロスが発生しておりますので、この点は、ぜひ今後の課題として御認識いただければなと。これも御参考まででありますが、卸のMSの数が20年に1万6000人おりました。毎年200、300は減ってはおりますが、ここに来て1,100人を超えました。1万4000人というのが直近のデータです。2,000人もMSが減ったのは、大変ゆゆしき問題だろうと。やはりこの業務に嫌気をさして、とてもではないが続けられないというものが大半であります。この点は、本当に私どもとして真剣に、正常な出荷、流通をするということが大前提であると思いますので、薬価問題以上に大変重要な問題だろうと認識しております。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
○中村部会長
 御回答のほう、ありがとうございました。
 では、長島委員、よろしくお願いいたします。
○長島委員
 丁寧な御回答ありがとうございました。
 1つ目の質問で、イノベーションの観点から、特許期間中の新薬は、全て対象外とすべきということに対する御回答をいただきましたが、特に中間年改定という対応という観点からは、やや具体性に乏しい根拠ではないかというような印象を受けました。
 イノベーションの評価は重要な視点ではありますが、例えば、原価計算方式で算定される場合の原価の開示度が低いまま推移していることなど、問題も指摘されている中では、前回の中間年改定である令和3年度改定を超える対応をするのは、慎重に判断すべきと考えます。
 また、最後に卸連のほうから御回答もいただきましたが、例えば、医療機関からの様々な電話が5倍にもなっていると、逆に言うと、医療機関側も、それだけ大変困っていて、いろいろな対応をしなければいけないという現状が、まさに浮き彫りになったかと思っております。
 このような状況、例えば、一般の商品でも、今は消費者が買い控えや、なるべく安いものを求めるというようなことをされていますけれども、医薬品を購入する医療機関としても様々な負担、努力が通常よりも大きくかかっていると、極めて負担が大きくなっているのだということ、これを、ぜひ御理解いただければと思います。
 私からは、以上です。
○中村部会長
 長島委員、どうもありがとうございました。
 大変お待たせいたしました、安藤委員、よろしくお願いします。
○安藤委員
 すみません、質問ではなくて意見だけですけれども、よろしいですか。
○中村部会長
 お願いします。
○安藤委員
 ありがとうございます。
 本日は、各団体からの追加の御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 私は、現在の後発品を中心とした医薬品全体の供給問題は、2020年12月に発覚し、21年2月に業務停止処分を受けた小林化工、そして2021年3月に日医工が業務停止となったことに端を発しているものと考えております。
 その原因となったことは、GMP違反でございました。国民の命を支える製薬企業が、その製造過程において、安全製造管理、品質管理を規定どおりに実行していなかったことにあります。このことの最大の責任は、製造会社そのものにあると思います。
 しかし、その後の原因調査報告書を確認いたしますと、違反の遠因となるものが、ほかにあるのではと感じられることもあります。だからといって、薬のGMP違反を肯定するものでは決してございません。
 私がこの中医協で意見として述べさせていただきたいのは、現在、我々は中間年改定の薬価について議論をしておりますが、安定供給の問題と薬価とは別の問題であると認識して議論をしなければならないのではないかと考えております。
 したがって、私は、安定供給を実現するためには、薬価をただ単に下支えしても、何の効果もないと考えており、後発品業界全体の改変が不可欠であると考えております。
 その際に考慮に入れておかなければならないことは、その改変は後発品業界だけではなく、それらの企業に製造を委託している先発品メーカーにも影響が及ぶため、後発品のごく少数のメーカーがGMP違反した影響が、医薬品の安定供給に、現在のような多大な影響を与えるということであると考えています。
 本日の資料薬-2の5ページの全体概要の表に、安定確保に関するアンケート調査結果が掲載されております。
 これを見てみますと、先発品は93.6%ですが、後発品は59.0%となっております。そのことを考慮いたしますと、今回の中間年改定においては、特にその販売価格も低く、かつ製造コストの値上がりの影響が大きい後発品については、安定供給確保のために、慎重な検討の必要があるのではないかと考えております。
 後発品の59.0%の数字につきましては、GMP問題を発生させたメーカーに代わって、代替生産を必死に行っているメーカーも存在して、この数字となっていると思われるからでございます。
 ただし、令和5年の薬価改定に関する全体的な意見としましては、本日追加の御意見をいただきましたPhRMA、EFPIAからの御意見につきましては、十二分に配慮すべき部分があると見られるものの、全体的には、特別に配慮すべき事情があるとまでは言えないのではないかというのが率直な感想でございます。
 物価高騰による影響につきましては、報酬改定以外の形で何らかの財政的支援を講じること。そして前回、松本委員がおっしゃったように、個別に対象品目の精査を行った上で、実勢価改定と連動しない措置を、安定供給のために実施する等の工夫の余地はあるものの、令和3年度薬価改定の前例を踏まえつつ、現時点では平時のルールに基づき改定すべきというのが私の考えでございます。
 業界団体や2号側の先生方も安定供給に支障が生じている状況への対応が必要であるという点では、同意見だと思います。
 本来は、医薬品の迅速安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会でも議論されているとおり、私が先ほど申し上げましたが、後発医薬品企業のビジネスモデル上の課題や新薬と後発品など、取引条件や商品特性が異なる製品を全て同じ薬価改定ルールで扱うことの問題を議論しなければ、この問題の根本的な解決にはつながらないと考えております。
 しかし、年末までに残された時間がわずかであることも踏まえれば、平時のルールに基づき、薬価上の対応を議論した上で、安定供給に支障が生じている現状への対応を議論するのが現実ではないでしょうか。
 事務局におかれましては、次回以降、後発医薬品を含めた医薬品の価格帯ごとの乖離率など、平時の改定ルールを議論する上で、必要なデータを十分に示していただくようお願いいたします。
 以上です。
○中村部会長
 安藤委員、どうもありがとうございます。
 では、松本委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員
 まず、各団体のほうから、丁寧な説明どうもありがとうございました。
 前回10月26日に、こうした同様のヒアリングがあったかと思いますけれども、そこから最も大きな変化というか、状況の変化があったのは、薬価調査の結果が発表されたということではないかと思いますので、これを受けましてコメントと質問を述べたいと思います。
 まず、薬価と市場価格の乖離率については、全体平均が7%で、コロナ初期の特殊な状況で行われた令和2年調査を除けば、薬価改定から半年後という条件が同じ平成30年調査の7.2%や、前回令和3年調査の7.6%と、それほど大きな違いはありません。
 さらに、投与形態別や薬効群別に見ても、同様の傾向にあり、逆に乖離率が拡大しているものもございます。
 これまでも、本日も、業界の皆さんは、薬価を引き下げるような状況にはないということで主張を続けておられますけれども、皆様方が主張される厳しい環境下でありながら、なぜ、取引ではこれまでのような値引き、すなわち乖離が生じるのかが、率直かつ素朴な私の疑問です。
 若干ではありますが、総じて乖離率が縮小しているという見方はできるかもしれませんが、製薬業界、卸売業界それぞれから、今回の薬価調査の結果の受け止め、また、こうした乖離が生じた背景について御説明をいただきたいというのが、私からの質問兼要望でございます。
 私からは、以上です。
○中村部会長
 松本委員、どうもありがとうございました。
 先ほど御質問がありましたが、こちらのほうはいかがでしょうか。これは、日薬連の岡田副会長でしょうか、よろしくお願いします。
○日本製薬団体連合会(岡田副会長)
 ありがとうございます。
 まず、安藤委員の御意見に関してコメントをさせていただきます。
 まず、今般の小林化工、日医工を含めたGMP違反が発端となって今回の問題に大きく発展しているということに関しては、これは、一義的には、製薬企業に問題があるというのは、全くそのとおりだと思っております。改めまして、そのことについては、おわび申し上げたいということと、先ほど申し上げましたとおり、それが拡大せず、いい方向に向かうような取組を行っているというのを、先ほど御説明させていただきました。
 ただ、安藤委員の御指摘のとおり、これは、非常に表層的な問題ではなくて、その背景にある産業構造の問題を含め、薬価で下支えをするだけでは解決できないという御指摘も、そのとおりだと思っております。
 そのことを認識した上で、今回、どこまで既に足元で、火事といいますか、ぼやになっている、ここにどういう手を打つべきかということが、論点になっており、そういう状況を踏まえて御提案をさせていただいたというところであります。
 それから、松本委員の御指摘、これについても、今日の私のスライドの説明の中で、必然的に薬価差が生じるという現在の市場実勢価による改定方式に関することについても、最後のスライドでちょっと触れさせていただきました。本質的に現行の薬価という、いわゆる上限が決まっていて、その下は自由競争というところで、薬価差が必然的に生じているという価格構造をというのは、なかなか現行の仕組みの中では解決し難いところだと思っております。
 したがって、そういった状況の中で現行の市場実勢価による改定方式というところに関する本質的な問題点があるということを我々は認識しており、全く違う仕組みを、今後、中医協の先生方には、ぜひ御議論いただきたいということを申し上げた次第です。
 これについては赤名専門委員等から補足の説明等がありましたら、お願いします。
 したがって、そういった状況の中で現行の市場実勢価方式というところに関する本質的な問題点があるということを我々は認識している中で、全く違う仕組みを、今後、中医協の先生方には、ぜひ御議論いただきたいということを申し上げた次第です。
 すみませんが、そのことに関しては、ちょっと赤名専門委員から補足をお願いできればと思います。
○赤名専門委員
 今、岡田会長からありましたけれども、やはり実勢価というのは、さっき申し上げたとおり、公定価が決まっている下で競争しているという反面ということがありますので、必然的に出てしまうということと、あともう一つ別の観点から申し上げますと、薬価改定というのは、平均乖離率まで調整をしているということになりますので、薬価改定が起きたその瞬間であっても、薬価差が生じているということになります。半分というか、加重平均でございますから、そうすると、改定した段階でゼロクリアになるわけではなくて、改定した段階ではまだ乖離があるということからスタートしておりますので、毎回7%が出ているということではなくて、その根雪のほうに残っている部分が積み上がって変更されているということになってきます。
 ですから、さっきありましたが、7.2から7.6から7%ということで、若干、縮まる幅が少ないのではないかという御指摘かと思いますが、そう意味では、根雪の部分を阻害しますと、これは、かなり改善しているということもあるのではないかと、ちょっとこの辺の精査が必要かと考えております。
 私からは、以上です。
○中村部会長
 先ほどの松本委員からの御質問に関しまして、ほかの団体の方から、何かコメント等ございますでしょうか。
 では、折本理事、よろしくお願いいたします。
○日本医薬品卸売業連合会(折本理事)
 松本委員の御質問に少しお答えをいたします。
 乖離率の結果が出たというお話でございまして、0.2とか3ぐらいはというようなお話でございましたが、先ほど私どもで御質問に対してお答えいたしましたとおり、先ほど上場6社と地方11社と申し上げましたが、令和3年度ではトータルでは0.53という営業利益でございました。
 先ほど申し上げましたコロナ運搬費用が0.2から0.3とすると、0.2ぐらいが今の医薬品卸の営業利益率ということになります。
 日本の卸全体の営業利益は2%と承知しておりますので、医薬品卸の流通とすると大変厳しい状況であるという御認識をいただければということと、先ほど最終原価が、トータルでは0.3ぐらい値上がりし、それに伴って我々も一生懸命価格交渉を、それぞれに丁寧にしながら、いろいろな総価交渉の問題もございますが、値上げをさせていただいているのは事実でございます。
 その中で、我々にとっては0.1という数字は、大変大きい数字だということは、ぜひ御認識いただきたいということを申し上げたいと思います。
 以上です。
○中村部会長
 ありがとうございます。
 松本委員から、御質問に関して、よろしいでしょうか。
○松本委員
 どうも御回答ありがとうございました。
 説明等にもあります、例えば製造原価とか、流通経費の高騰が反映されて乖離率が縮小ということであれば、それは俗に言う市場実勢価格が適切に形成されたという理解はいたしますけれども、今、御説明を聞いていると、若干瞬間的な捉え方とか、そういう特殊要因的なお話もございましたので、もう少しちょっと理解を深める必要があろうかなと思っております。
 言及はございませんでしたけれども、短期的な為替変動であるとか、原材料価格の高騰については、薬価制度として特別な配慮をする合理性というのは、ヒアリングを拝聴する限りでは乏しいと考えたいと思います。
 それと、海外の団体のほうからイノベーションの評価について御要望等多数いただきました。ビジネスを長く考える上では、非常に重要な要素だと思いますけれども、そういったイノベーションの評価というものに、今回新たに踏み込むということは、皆様方が、中間年という言葉を使われておりますけれども、毎年改定の中でどういったタームというか、それでやっていくかということでないと、ここでしっかりそれをやりますということであれば、ほかのものも全部しっかりやるということになりますので、実質的には、通常改定と同じルールになっていくということに、私は受け止めますので、そういうことだけコメントをさせていただきます。
 以上でございます。
○中村部会長
 ありがとうございます。
 では、安藤委員、よろしくお願いします。
○安藤委員
 ありがとうございます。
 私の意見に関しまして、岡田副会長のほうから、日薬連の見解をお示しいただきまして、誠にありがとうございます。
 以上です。
○中村部会長
 ほかに、御質問、御意見等ございますでしょうか。
 専門委員から何か追加のコメント等ございますでしょうか。
○赤名専門委員
 ございません。ありがとうございます。
○中村部会長
 ありがとうございます。
 御意見、御質問も出尽くしたようですので、関係業界からの意見陳述については、ここまでとさせていただきます。各関係業界の皆様におかれましては、御退室をお願いいたします。
(各関係業界退出)
○中村部会長
 続きまして、事務局より、議論のための関係資料についての説明をお願いいたします。
 では、安川薬剤管理官、お願いいたします。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 資料薬-2を御覧ください。
 「議論のための関係資料」ということで、これまでお示した資料等に関しまして、内容の更新等のあったものに関して、今回御説明させていただきます。
 まず、2ページ目でございます。
 「物価高騰や為替変動等による医薬品への影響」ということで、こちらは、以前、11月16日の薬価専門部会の中で、こういった影響で不採算となっている品目の調査を実施した結果の資料を示したところでございますけれども、その調査において、さらに追加で報告があったものも含め、全体として1,100品目が不採算となっているという回答がございましたので、改めてその内訳等を分析したものでございます。
 図の1、2、3と円グラフを書いていますけれども、後発品とか新薬との別、あるいは基礎的医薬品とか安定確保医薬品A、B、Cとかの別、あるいは剤形別という形で示させていただいております。
 図の1は、後発品とその他の品目で全体の8割を占めているということでございます。
 次に3ページ目ですけれども、先ほどの調査結果に関しまして、報告いただくときに、具体的な不採算の原因を複数回答可で調査したものを集計したものでございます。
 原料費、製造経費あるいは為替変動といった影響を受けている品目はどれくらいあるかということの参考で示しております。
 また、右側の表でございますけれども、報告のあった1,100品目の中で、どういった薬効分類に属するかということで、品目の割合が多いものをリストアップしたものでございます。
 次に4ページ目、こちらは、先ほどの棒グラフで示した不採算の原因の、元となる調査結果の詳細な表でございますので、参考でございます。
 次に5ページ目でございます。
 先ほどの業界ヒアリングの中でも、ちょっと触れられておりましたけれども、医薬品の欠品・出荷停止、限定出荷の状況ということで、以前、業界ヒアリングでも6ページ目の資料で日薬連から昨年の調査結果として示されていたものがございます。
 こちらは、12月5日に、直近のデータということで、2022年8月末時点の結果が公表されておりますので、その資料を掲載しているところでございます。
 左上に全体概要の表がございますけれども、その中で、今、全体で28.2%、後発では41.0%で出荷停止・限定出荷が発生しているというものでございます。
 その表の下に参考として、先ほどの昨年の調査結果を示しておりますけれども、こういった変化となっているというものでございます。
 続きまして、7ページ目でございます。
 こちらのほうは、既収載品目の算定ルールに関して、以前も実勢価改定と連動するルール、そうではないルールということで示させていただいたものでございますけれども、それぞれのルールに関しまして、プラスに働くかマイナスに働くかの影響とか、どういった要素で判断しているかとか、あるいは対象となり、影響を受けるカテゴリーが、新薬なのか後発品なのか、どういったカテゴリーになるのか、というようなこと。
 さらに、項目によっては、薬価算定組織での評価、検討が必要なものもございますので、そういった区別を一連の表にしたものでございます。
 実勢価改定と連動する算定ルール、1ポツのほうでは、実勢価を基に価格が補正され、その影響は実勢価によって変わるもの、2ポツのほうは、実勢価と関わらず、該当する場合は引下げ、又は、引上げがなされるものということで、そのようなことをまとめた資料として示させていただいているところでございます。
 それ以降は、参考資料で、既存のルール等の資料でございますので、説明は割愛させていただきます。
 ちょっと補足ですけれども、今回は、こういった形で資料のアップデートを中心に御紹介をさせていただきましたけれども、また、次回以降も引き続き、薬価調査結果に基づいて、中間改定の議論を行う際のデータ等をまた改めて示させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○中村部会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関して、御質問等ありましたら、お願いいたします。
 では、長島委員、よろしくお願いいたします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 資料薬-2の5ページ、医薬品の欠品・出荷停止、限定出荷の状況によりますと、全体の28.2%、後発品では41.0%もが出荷停止、限定出荷が発生しているということですが、これは、医療現場では、まさにそのことを実感しております。毎日の診療に使う医薬品が不足し、大変困った状況になっております。医療機関には全く何の責任もない理由によって、医療機関の負担が大幅に増大しております。
 また、結果としては、患者の皆様に大変大きな御迷惑をおかけしている状況にあります。ぜひこの点を皆様の共通の認識としていただきたいと思います。
 私からは、以上です。
○中村部会長
 ありがとうございます。
 では、有澤委員、よろしくお願いいたします。
○有澤委員
 私からも長島委員同様に、医療機関では必要とされる薬剤が処方できなかったり、あるいは薬局では処方箋を持参した患者さんの薬が、一定程度確保できなかったり、そのために、改めて医療機関に代替の処方をお願いする、こういった問題が現場ではかなりのケースで起きています。
 当然、卸さん、メーカーさん等も、こういった対応で大変な思いをしていますが、医療機関、薬局にあっても大変な苦労をして、患者さんに迷惑をかけている現状があるということを御理解いただきたい。
 それから、後発医薬品については、約41%が出荷停止あるいは供給停止となっている状況でありまして、これについて、12月2日の中医協で乖離率の発表がされた際に、後発医薬品の数量シェアが変わっていない、後退していないという1号側からの御意見もありましたが、こういった状況で、何とか約79%の使用を維持しているというのは、並々ならぬ医療機関、薬局の努力であるということも御認識いただきたいと思います。
 私からは、以上です。
○中村部会長
 ありがとうございます。
 では、松本委員、よろしくお願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 資料薬-2の5ページに、安定供給確保に関するアンケートの結果について、一応確認させていただきたいと思います。
 この表の中で出荷停止は、行政処分の影響だと思いますけれども、限定出荷の多くは、出荷停止が発端となって、他社にも影響が及んだということで、先ほど岡田副会長から、そういった御説明もありましたので、それを受けますと、その回答にあります限定出荷その他1.4%というのは、業界内の事情とは別の要因であるという形で理解をいたしました。
 それと、長島委員、有澤委員からございましたけれども、今回のこの安定供給になっていない状況に関する、非常な御苦労はよく理解をしております。
 ただ、国民、患者のほうも日頃から使っている薬が入手できないであるとか、あるいは別の形で薬局等を回らなければいけないとか、そういう形で、やはり不利益を被っているということに関しても、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
 私からは、以上になります。
○中村部会長
 ありがとうございます。
 ほかは、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 専門委員のほうから、何かコメント等ございますか。
○赤名専門委員 ありがとうございます。
 ございません。
○中村部会長
 では、御意見等は出尽くしたようですので、本議題については、ここまでとさせていただきます。
 今後、事務局において、本日いただいた御意見も踏まえ、御対応をいただくようにお願いいたします。
 本日の議題は、以上になります。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の薬価専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

(了)
<照会先>

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