ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会薬価専門部会)> 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第162回議事録(2019年12月13日)

 
 

2019年12月13日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第162回議事録

○日時

令和元年12月13日(金)8:58~9:40
 

 

○場所

ホテルグランドアーク半蔵門 富士の間(4階)

○出席者

中村洋部会長 秋山美紀委員 田辺国昭委員 関ふ佐子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 宮近清文委員
松本吉郎委員 今村聡委員 林正純委員 有澤賢二委員
村井泰介専門委員 平野秀之専門委員 上出厚志専門委員 
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○ 次期薬価制度改革の骨子(たたき台)について

○議事

 


 ○中村部会長
 それでは、若干時間は早いですけれども、ただいまより、第162回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
 本日の委員の出欠状況について御報告します。
 本日は全員が御出席になります。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○中村部会長
 それでは、議事に入らせていただきます。
 今回は「次期薬価制度改革の骨子(たたき台)について」を議題とします。
 論点となっていた事項について、一通り議論を行い、これに対する業界の意見陳述も終わりましたので、これらを踏まえて、事務局より、次期薬価制度改革の骨子(たたき台)が提出されております。
 まずは事務局より、説明をお願いいたします。
 薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
 資料「薬-1」をごらんください。
 令和2年度薬価制度改革の骨子(たたき台)ということで、資料を用意させていただいております。
 「第1 基本的考え方」でございますけれども、平成30年度の薬価制度抜本改革に引き続き、国民皆保険の持続性とイノベーションの推進を両立し、国民が恩恵を受ける国民負担の軽減と医療の質の向上を実現する観点から、平成30年度改定において、引き続き検討することとされた事項を含め、これまで薬価専門部会で審議してきた以下の点等を踏まえて、薬価制度改革を行うこととしてはどうかということでございます。
 「第2 具体的内容」でございます。まず「Ⅰ 新規収載医薬品の薬価算定」についてです。
 「1.新医療用配合剤」でございますけれども、3成分以上が含まれる新医療用配合剤について、単剤が薬価収載されていない成分を含むが、当該成分及び当該新医療用配合剤の他の成分を含む既存配合剤が薬価収載されている場合、当該既存配合剤を単剤と同様に取り扱って、新医療用配合剤の特例の対象とすることとしてはどうかということでございます。
 「2.再生医療等製品の薬価算定」についてでございます。再生医療等製品につきましては、自家細胞由来製品などもあり、流通の形態が多様であるということでございますので、原価計算方式で算定する場合の流通経費については、個々の品目ごとに精査することとし、平均的な係数を用いて算出される額よりも低い場合は、その額を用いて算定することとしてはどうかということでございます。
 近年、著しく高額な再生医療等製品が登場しており、補正加算率がこれまでの品目と大きく変わらない場合でも、極めて大きな加算額となることを踏まえ、補正加算前の価格が1000万円を超える著しく高額な再生医療等製品であって、ピーク時市場規模が50億円を超える場合は、以下の式により、その価格に応じて補正加算の加算率を傾斜配分することとしてはどうかということでございます。これは収載後の加算の場合も同様に適用することを考えております。
 次のページに式がございます。こちらの式でございますけれども、Pが補正加算前の価格ということになりますが、この式で傾斜配分いたしますと、例えばPが2000万円の場合ですと、加算率が3分の2程度に傾斜配分される、あるいはPが4000万円の場合ですと、0.44となるといった水準でございまして、しかも、下限は設けない形にしておりますので、Pが大きくなれば大きくなるほど、補正加算率は小さくなるという形の式でございます。
 「3.薬価算定方式の正確性(類似薬効比較方式)」についてでございます。平成30年度薬価改定におきまして、類似薬効比較方式(Ⅱ)で算定された新規性の乏しい新薬であって、新薬創出等加算の対象外の品目につきましては、比較薬の新薬創出等加算の累積加算分を控除して薬価算定するというルールを導入したところでございます。
 一方、類似薬効比較方式(Ⅰ)等で算定された新薬につきましては、収載後に新薬創出等加算対象品目となることがあること、それから、収載時に控除を行うことは、公平な市場競争環境の確保に影響を及ぼすおそれがあることから、引き続き検討を行ってきたところでございます。
 これまでの議論、上記の点を鑑みまして、類似薬効比較方式(Ⅰ)等で算定された新薬で、新薬創出等加算対象外のものにつきましては、収載から4年を経過した後の初めての薬価改定、すなわち、収載後、3回目の薬価改定の際に、収載後の効能追加等により、新薬創出等加算対象となった場合を除き、収載時点での比較薬の累積加算分を控除することとしてはどうかということでございます。
 なお、12月6日の業界ヒアリングの際に、吉森委員から、効能追加の開発状況等を確認すべきとの意見があったところでございます。関係業界とも協議をしているところでございますけれども、開発計画や開発の状況につきましては、企業秘密の最たるものであるということもございまして、その取扱いについて、短時間で判断を行うことは難しく、どのような対応が可能か、検討する時間をいただきたいと考えているところでございます。そのようなことも含めまして、その後になお書きとしてですけれども、「新薬の上市の状況、収載後の効能追加の状況等を踏まえて、本取扱い及び控除の影響を検証し、必要に応じ所要の措置を検討することとしてはどうか」と書かせていただいております。
 「4.薬価算定方式の正確性(原価計算方式)」についてでございます。原価計算方式における適正な評価と算定の透明性向上の観点から、化学合成品であり、開示度が80%以上でその妥当性が確認できる場合は、一般管理販売費率の上限を70%としているところでございます。
 今般、バイオ医薬品でも、研究開発費のみで一般管理販売費率の上限を超え、かつ開示度が80%以上でその妥当性が確認できる場合については、一般管理販売費率の上限を70%に引き上げることとしてはどうかということでございます。
 ただし、一般的にバイオ医薬品は、化学合成品より高額であることを踏まえ、この取り扱いをピーク時市場規模予測が50億円未満の場合に限ることとしてはどうかという提案でございます。
 「5.補正加算」についてでございます。製剤工夫以外の方法による治療の質向上、リスク低減等のうち、有用性加算(Ⅱ)の「ハ、治療方法の改善」に相当する事例、例えば、既存治療で必要とされる検査等が不要になることによる著しく高い利便性などにつきましては、同加算で評価され得ることを明確化することとしてはどうかということでございます。
 「6.新規後発医薬品」でございます。先発品と有効成分、原薬、添加物、製法等が同一のバイオ医薬品で、後発品として薬事承認を受けたもの、以下「バイオAG」といいますけれども、その新規収載時の薬価につきましては、バイオ後続品、いわゆるバイオシミラーとの適切な競争環境を維持すべきこと等を踏まえ、先発品の薬価に100分の70を乗じて得た額とすることとしてはどうかということでございます。
 また、バイオ医薬品については、平成30年度改定におけるルールとしては、G1・G2ルールの対象から除かれていたところでございますけれども、先発品と有効成分等が同一のバイオAGが、後発品として承認されたものであること等を踏まえ、バイオAGが収載された場合には、その先発品であるバイオ医薬品をG1・G2ルールの対象とすることとしてはどうかと考えております。
 なお、新規後発品の薬価算定につきましては、現在の取扱いを継続し、後発品の乖離率、安定供給への対応等を踏まえて、引き続き検討することとしてはどうかと考えております。
 ここで資料「薬-1参考」をお開きいただければと思います。
 幸野委員からも今回の薬価調査における後発品の乖離の状況を報告してほしいという御指摘をいただいておりましたので、4コマ目に資料を用意させていただいております。
 今回、令和元年度薬価調査における新規後発品の0.5掛け品目と0.4掛け品目の乖離率の状況でございますけれども、0.5掛けの内用薬の欄をごらんいただきますと、21.0%の乖離ということでございました。
 こちらにつきましては、参考として下に書いてございますけれども、先発品の薬価が100円であった場合ですと、まず0.5掛けの後発品は50円という水準でございます。50円で収載されることになりますけれども、その収載後の最初の薬価調査時において、乖離率が21.0%だとしますと、薬価改定時に40.5円になるという計算、すなわち、先発品の価格の0.41倍となる水準ということになります。
 これはあくまで平均で計算した場合に、0.41倍となる水準ということでございますので、全ての製品について、0.5掛けを0.4掛けにしなければならないといった状況ではないのではないかと考えているところでございます。
 参考までに、下には、平成29年の薬価調査のときの以前お示ししたデータを示しておりますけれども、そのときと同様に、0.41倍の水準ということでございます。
 0.4掛けの場合も乖離が28.3%となっておりますけれども、これについては、前回の調査時点よりも乖離の幅は小さくなっているという状況でございます。
 資料「薬-1」にお戻りいただきまして、3ページ目の「Ⅱ 既収載医薬品の薬価改定」のところでございます。
 「1.長期収載品」ということでございますけれども、後発品上市後10年を経過する前であっても、後発品への置き換え率が80%以上となった長期収載品については、その2年後の薬価改定時に置き換え率が80%以上となっていることを再度確認した上で、G1ルールを前倒して適用することとしてはどうか。
 2つ目の○、後発品への置き換え率の推移を踏まえて、Z2及びCにおける置き換え率の基準につきましては、それぞれ50%未満、50%以上70%未満、70%以上80%未満に引き上げることとしてはどうかということでございます。
 また、G1・G2・Cルールにより大きな影響を受ける一定の品目・企業に対しては、平成30年度改定のときと同様に、円滑実施措置を行うこととしてはどうかということでございます。
 「2.後発医薬品」についてでございます。価格帯の集約により、改定前より薬価が引き上がることを抑制するため、以下のように対応することとしてはどうかということで、2つ書かせていただいております。
 (1)は、市場実勢価格に基づく算定値が、改定前に属していた価格帯より上の価格帯に相当する品目について、改定前薬価が当該上の価格帯の加重平均値を下回る場合は、改定前と同じ価格帯に属すものとして、算定を行うということでございます。
 (2)でございますけれども、ここは11月22日の論点整理の際にも、いろいろ御指摘をいただいたところでございますけれども、最高価格の30%以上50%未満の価格帯、いわゆる中価格帯及び30%を下回る価格帯、いわゆる低価格帯の両方におきまして、改定前薬価が各価格帯の加重平均値を下回る品目については、それぞれの価格帯ごとに該当する全ての品目を改めて加重平均し、これを当該品目の改定後薬価とするというルールを導入したいと考えているところでございます。
 また、2つ目の○でございますけれども、G1・G2に係る後発品につきましては、市場から撤退する予定のG1品目に係る後発品のうち、増産対応するものと、それ以外で価格帯を分けることとしているところでございます。
 このうち、後者につきまして、価格帯の集約により、改定前より薬価が引き上がることを極力抑制するために、改定前薬価が加重平均値を下回る品目については、該当する全ての品目で改めて加重平均を行うこと、また、改定前薬価が加重平均値以上の品目については、該当する全ての品目で改めて加重平均を行うこととし、それぞれ価格帯を集約することとしてはどうかということでございます。
 なお、加重平均値が最低薬価を下回る場合は、当該価格帯に含まれる各医薬品について、当該医薬品に係る最低薬価を適用することを考えております。
 「3.新薬創出・適応外薬解消等促進加算」についてでございます。まず、「(1)企業指標・企業要件」についてです。革新的新薬の収載実績をより高く評価する観点から、新薬収載実績(A-2)につきましては、革新的新薬の収載成分数を基本とし、それ以外の新薬の収載は、その3分の2成分相当として計上した上で、評価を行うこととしてはどうかということでございます。
 また、革新的新薬の開発に取り組んでいる場合は、その企業規模によらず評価されるよう、革新的新薬、すなわち、新薬創出等加算対象品目及び新規作用機序医薬品ということでございますけれども、その収載実績がある企業を評価する項目(A-3)を企業指標に追加することとしてはどうか。
 また、薬剤耐性菌の感染症に係る医療上のニーズがある一方で、治療薬の開発が減少していることが国際的にも課題となっていることを踏まえ、薬剤耐性菌の治療薬を収載した企業を指標A-4として、評価することとしてはどうかということでございます。
 以上、申し上げたことをまとめたものを、下に表として記載させていただいているところでございます。
 「(2)品目要件」でございます。革新性・有用性の高い品目を評価する観点から、先駆け審査指定制度の対象品目及び薬剤耐性菌の治療薬を品目要件に追加することとしてはどうか。
 また、イノベーションを評価するため、収載後に効能追加等が行われたもののうち、追加された効能等において、新規作用機序であって、新規作用機序医薬品の革新性及び有用性に係る基準に該当するものを品目要件に追加することとしてはどうかということでございます。
 なお、この場合、既存の効能効果の対象患者の限定を解除したものなど、既存の効能と類似性が高いと認められる効能追加等の場合を除くという形にしたいと考えております。
 また、これらの要件につきましては、令和2年度改定以降に薬価収載、または、効能追加されたものに適用することしてはどうかということでございます。
 「4.収載後の加算」でございます。小児効能等の追加、希少疾病等に係る効能等の追加及び真の臨床的有用性の検証のそれぞれの加算のいずれか複数に該当する場合、補正加算率の最も高いもののみが適用されることとされておりますけれども、真の臨床的有用性が直接的に検証されたことを評価する観点から、真の臨床的有用性の検証に係る加算は、小児効能等の追加に係る加算等と併算定できることとしてはどうかということでございます。
 「5.基礎的医薬品」についてでございます。基礎的医薬品については、不採算品再算定、最低薬価になる前の薬価を下支えする制度として位置づけられておりますけれども、継続的な安定供給の観点から、現行ルールのとおりとし、今後の不採算品再算定や流通の状況等を踏まえて、引き続き検討することとしてはどうかということでございます。
 「6.条件・期限付承認を受けた再生医療等製品」でございます。条件・期限付承認を受けた再生医療等製品が改めて承認を受けた際、初回承認時には明らかでなかった医療上の有用性が客観的に示された場合には、改めて補正加算の該当性について評価することとしてはどうか。
 この際、現行の収載後加算と同様に、以下の計算式により傾斜配分を行うこととしてはどうかということでございます。なお、価格に応じた補正加算率の先ほどの傾斜配分(Ⅰ.2)の規定も別途適用することを考えております。
 計算式としては、次のページの冒頭のところに記載しておりますけれども、市場規模は20億円を基準といたしまして、それよりも大きい場合は減算、それよりも小さい場合は最大1.5倍まで傾斜配分するという計算式でございます。
 また、条件・期限付承認を受けた再生医療等製品については、流通の混乱等を生じさせないことを前提に、その薬価を「条件・期限付承認時価格」と呼称することとしてはどうかということでございます。
 「7.再算定」でございます。まず「(1)過去に再算定を受けた品目への対応」ということでございます。市場拡大再算定を受けた後に、再び市場規模が拡大し、改めて市場拡大再算定の対象となる品目については、前回再算定時の市場規模拡大が下止めの水準を超過した程度を踏まえて、市場規模拡大率の値を調整した上で、今回の再算定における再算定後薬価を算出することとしてはどうかということでございます。
 具体的な計算式が下に書いてございまして、再算定後薬価の算出に用いる調整市場規模拡大率Xaと書いてございますけれども、通常ですと、市場規模拡大率は年間販売額の合計額を基準年間販売額で割ったものになるところ、それ調整係数を掛けるということでございます。
 調整係数につきましては、前回再算定での下止めの水準と、再算定の計算式から算出される改定後薬価の比として計算するものでございまして、前回の再算定で下止めの対象とならなかった場合は1とするということでございます。
 もう少しわかりやすく御説明いたしますと、下に参考として計算式が書いてございまして、調整係数のところで0.75から始まっている式がございます。0.75は、例えば25%下止めだった場合ですと、薬価が75%の水準になるという意味でございます。これに対して、スラッシュの後の中括弧で0.9log2云々と式がございますけれども、これが実際の計算式でどれくらいまでの水準下がるかということを示す計算上の数値ということになりますが、ここが例えば0.7倍、30%引き下がるような水準であったということでありますと、0.75を0.7で割った1.07倍を調整係数として、調整市場規模拡大率を計算するという趣旨でございます。
 また、市場拡大再算定を受けた品目は、再算定時点における年間販売額が基準額になるわけでございますけれども、用法用量変化再算定、これは主たる効能効果に係る効能変更等に伴い、用法用量に大幅な変更があったものに限るものでございますけれども、これを受けた品目についても、同様に取り扱うことを明確化することとしてはどうかということも、挙げさせていただいております。
 「(2)効能変化再算定」についてでございます。現行ルールにおきましては、効能追加により、主たる効能・効果の変更があった場合、変更後の主たる効能・効果に係る薬理作用類似薬がある場合には、その価格に近づくよう、効能変化再算定を行うこととしております。
 これに加え、薬理作用類似薬がない場合であっても、変更後の主たる効能効果に係る参照薬、これは変更後の主たる効能・効果と同一、または、類似する効能・効果を有する既存薬のうち、治療上の位置づけ等が類似するものと定義いたしますけれども、それと比較して、著しく一日薬価が高く、市場規模が著しく大きくなると考えられる場合は、当該参照薬の一日薬価を参照して、現行の効能変化再算定と同様の再算定を行う特例を設けることとしてはどうかということでございます。
 具体的に対象となる医薬品につきましては、下に書いてある以下の要件を満たすものとしてはどうかということでございます。
 具体的には、一日薬価が参照薬の一日薬価の10倍以上、変更後の効能・効果に係る参照薬の市場規模が150億円以上、主たる効能・効果の変更に伴い、対象患者数が現に使用されている患者数から最大で10倍以上に拡大すると認められるもの、また、対象患者が最大で5万人以上と認められるもの、ということでございます。なお、変更後の主たる効能・効果が根治的治療法に該当するもの、生命に重大な影響のある重篤疾患、指定難病、血友病、または、抗HIVの効能を追加するものは除く、という形で要件を設定させていただいております。
 あわせて、上の○に戻りまして、市場拡大再算定と同様に、年間販売額が350億円を超える場合には、新薬収載の機会を活用して、効能変化再算定を行うこととしてはどうかということでございます。
 最後、「8.市場実勢価格加重平均値調整幅方式」についてでございます。既収載品目の薬価の改定の算式は、9ページに示しているとおりでございますけれども、今回の改定においても、令和元年度薬価調査に基づき、以下の算式により算定することとしてはどうかということでございます。
 説明が少し長くなりましたが、以上でございます。
○中村部会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関して、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。松本委員、お願いします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 2つございまして、2ページ目のところですが、薬価算定方式の正確性の類似薬効比較方式のところで、比較薬の選定があるわけですが、これにつきましては、選択考慮事項を踏まえて、1号側としても、2号側としても、両側の納得感の得られるような比較薬となるように、今後も薬価算定組織で検討をお願いしたいと思いますけれども、この点については、いかがでしょうか。
○中村部会長
 薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
 中医協でのこれまでの御指摘を踏まえまして、薬価算定組織においても、適切な比較薬の選定にしっかりと留意するようにいたしますし、また、どういう理由で比較薬が選定されているのかといったことについて、中医協の場の総会の資料においてでも、できるだけ丁寧に説明するように努めたいと思います。
○松本委員
 よろしくお願いいたします。
 もう一点ございまして、5ページ目ですが、企業指標のところがありますけれども、A-3とA-4のところなのですが、A-3はポイントが実績ありで2ポイントついて、A-4は1品目について2ポイントつくことになっていて、もしかしたら、数の違いがあるのかもしれませんけれども、ここのところがなぜどう違うのかというところは、若干疑問に思うところでもあるのですが、もう一度、これについての説明をお願いいたします。
○中村部会長
 薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
 御指摘ありがとうございます。
 A-4の薬剤耐性菌の治療薬のところでございますけれども、先般の論点整理の際にも御説明させていただきましたが、薬剤耐性対策アクションプランということで、政府を挙げて、また、国際的にも、そうした耐性菌に対する治療薬の開発などを含めに、一丸となって取り組んでいる状況でございます。
 一方、過去の実績などを見ますと、そういったAMRに対する治療薬は、どうしても市場規模が小さいということもありまして、企業における開発状況は、年々少なくなっているといったところがございます。そうした危機感などもございまして、今般、企業指標の中でほかの品目と大分差別化した形ではございますけれども、その開発のインセンティブとなる形で取り組んでいくことを示したいということもあり、1品目について、2ポイントという形で提案させていただいたところでございます。
○松本委員
 わかりました。今後、実績を見ながらという検討になるということですね。
○田宮薬剤管理官
 そのように考えております。
○松本委員
 わかりました。その点につきましては、了承いたします。
○中村部会長
 ほかはいかがでしょうか。吉森委員、お願いします。
○吉森委員
 ありがとうございます。
 2ページの薬価算定方式の正確性、類似薬効比較方式にこだわって恐縮ですが、骨子案では、新薬創出加算の対象外の新薬の対応として、収載後の4年経過後、初めての薬価改定の際に、効能追加がなかった場合に累積額を控除するとあります。そうしますと、都合6年が最大の猶予期間になるわけでございまして、そもそも対象外の新薬であって、収載時に累積加算分を控除することの正確性という観点からは、自然だと考えているのは私の考えでございます。
 今回、骨子案のとおり、新薬の上市時点において、累積加算額を控除することを一定期間猶予するのであれば、収載時に効能追加の開発計画の提出を求め、猶予期間中に開発計画が中止になった時点で、累積加算額の控除を行うという、真の効能追加の開発インセンティブが働くような仕組みにすべきだというのが、私の基本的な考え方でございます。
 先週、業界団体ヒアリングにおいても、その旨、業界の皆さんに質問をしまして、業界団体からは、新しい提案なので、考える時間、猶予がほしいという回答だったと理解しています。
 一方、業界からは、こういう場合、ほとんどのケースで効能追加の開発は、新薬の研究段階から長期にわたって継続して行っており、また、開発計画はトップクラスの機密情報の位置づけということで、公表は非常に難しいニュアンスであると感じました。
 業界の事情も理解はしますが、国民目線からすると、効能追加の開発状況やその期間がケース・バイ・ケースということならば、不透明感が否めず、今回のように、一律に猶予期間を最大6年間ということを制度として認めることは、合理性・妥当性に欠けるように思います。
 今回、骨子案ではなお書きに今後の課題として検討を続ける、先ほど松本委員からも質問があって、専門組織も含めて検討していくことを書いていただいておりますが、業界団体の意見交換も踏まえて、猶予期間中の効能追加などの開発状況の把握と、開発中止の際には、猶予停止条項を入れることも含めて、猶予期間の設定、6年間のあり方について、措置も含めて、再度、整理を要望したいと思います。
○中村部会長
 何かありますか。薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
 御指摘ありがとうございます。
 そういったことも含めまして、今回、ルールとしては、こういう形で提案させていただいておりますけれども、その後の新薬の上市の状況とか、収載後の効能追加の状況等も踏まえて、このルールについては、必要な検証などを行っていくということだと思っております。
○中村部会長
 ほかはいかがでしょうか。幸野委員、お願いします。
○幸野委員
 もう取りまとめの段階になっていますので、今まで要望してきたことを入れられなかったのは本当に残念なのですが、企業区分については、今、1と2にほとんど9割が集中しているということで、絶対評価にするべきだということを言い続けて、これがすなわち、新薬に対する競争原理を働かすのではないかと位置づけてきたのですが、取り入れていただけなかったことは非常に残念なのですが、企業要件を見直して、どういう状態になるのかを踏まえて、再度、検討をしていただきたい。上位に張りつくのはおかしいと思うので、競争原理が働くような絶対評価にしていただきたいと思います。それが1点です。
 もう一つは、先ほどから話題になっています、2ページ目の3.の収載から4年を経た後の初めての薬価改定、いわゆる6年を想定されているということとか、3ページの目の長期収載品の80%以上になった場合のG1・G2ルールの適用も、その後、2年後の薬価改定に置き換え率が80%という書き方をされています。
 この書きぶりを見ると、これから毎年薬価改定になるのですが、前提として、中間年には、実勢価の反映以外は何もしないということを前提に書かれているような気がするのですが、中間年の薬価改定に何をするかは、まだ何も議論されていない中で、2年後と置くのは、ちょっと違うのではないかと思っていて、その次の改定において行うという表現にすべきではないかと思うのです。
 消費税対応みたいに中間年は、実勢価の反映以外は何もしないということにまだ決まっていないですし、私の主張としては、中間年にもさまざまな実勢価以外の施策も反映すべきと思うのですが、そこが議論されていない中で、例えばG1・G2ルールの適用が2年後ではなくて、次の中間年の改定で80%を見てもいいのではないかということなので、その辺の議論がされていないのに、こういう置き方をするのは、ちょっと違うのではないかということについての見解をお聞かせいただきたいと思います。
 あと、後発医薬品のところを調べていただいて、0.5掛けがどうなのかというところで、100円のものが41円になっているということで、100歩譲って0.5掛けで維持してもいいのかと思うのですけれども、10品目以上の0.4の場合のところを見てみると、乖離率が28.3%ということで、0.4掛けで28.3%の乖離があるということになると、100円の薬価だったものが28円ということで、0.3掛けぐらいの数値になっているのですけれども、0.4掛けがこれから正しいのか、100円のものが30円ということで、0.3掛け以下になっているのですけれども、ここは見直す余地はないのかというところ、10品目以上を見直していいのではないかという意見を言わせていただきます。これについて、どう考えられているのか。
 今回、後発品の価格帯の集約を行わない、いわゆる引き上げが生じないということにしたので、ますます乖離率は大きくなるのではないかと思うのですけれども、その辺についてどうお考えかということをお聞きしたいと思います。
○中村部会長
 薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
 御指摘ありがとうございます。
 2ページ目の類似薬効比較方式の関係の規定、あるいは長期収載品で10年を待たずして、後発品への置き換え率が80%以上となった場合の確認のあり方などの薬価改定の考え方に関して、現時点では、中間年の薬価改定との関係についての御質問だと思いますが、中間年の薬価改定について、どういう範囲で行うのか、あるいはどういうルールを適用するのかということがまだ決まっていないというのは、幸野委員の御指摘のとおりでございます。それについては、今後の議論とは思っておりますけれども、現時点では、そこのところが定まっていないという状況を踏まえまして、今般の薬価制度改革の骨子(たたき台)におきましては、現在のルール、2年に1回の薬価改定を前提として、制度設計した形で書かせていただいたところでございます。
 逆に「次回の改定時」などと記載した場合に、それが中間年の改定と読めるのか、読めないのか、などまぎれが生じるのではないかと考えておりますので、まずは現在のルールに基づいて、記載をさせていただいたということでございます。
 一方、先ほど申し上げたとおり、2021年度から開始される毎年の薬価改定については、2020年中に対象範囲を設定するということとされておりまして、あわせてどの薬価算定ルールを適用するかも含め、今後議論をすることになると考えておりますので、その時点で改めて議論をいただくことになるのではないかと考えているところでございます。
 参考資料の4コマ目の0.4掛け品目の水準についてということでございますけれども、先ほども御説明いたしましたとおり、0.4掛けで収載されたものの乖離率は、前回の調査が37.7%、それに対して、今回、28.3%という形で、乖離率はむしろ縮まっている状況でございます。
 また、この乖離率の28.3%は、先発の薬価の元値が100円で、0.4掛けの40円で収載されたものがどうなのかと考えますと、大体改定後薬価が改定前先発薬価の0.3倍ぐらいになるという水準であるのは、御指摘のとおりなのですけれども、これは先ほど0.5掛け品目のときにも説明しましたが、あくまで平均値で0.3倍ということでございますので、全ての品目が0.3倍よりも低いといった状況ではないということから考えますと、一律に0.3掛けとすることがよろしいのか、慎重に考える必要があるのではないかと思っているところでございます。
 加えまして、後発品につきましては、安定供給の維持とか、不採算品への対応等に関して、さまざまな御指摘をいただいているところと認識しておりますし、また、今後予定されている毎年薬価改定とか、今回の改正で導入する価格帯集約のルールによって、特に乖離率の大きい品目については、影響を受けることが想定されることもあわせて、検討をする必要があると考えております。
 3つ目の質問にも関係しますけれども、今回、価格帯集約で乖離の大きいものというか、低価格のものを分離する形になりますと、むしろ今まで薬価が引き上がっていたものが下の価格帯に行くということになりますので、それほど薬価からの乖離率が出ないということになるのではないかとも考えられますし、いずれにしろ、価格帯集約の今回のルールの変更なども含めて、後発品については、大分環境が変わるという状況もございますので、新規収載品の薬価算定ルールにつきましては、現行どおりとし、引き続き検討という形で提案させていただいたところでございます。
○中村部会長
 幸野委員、お願いします。
○幸野委員
 わかりました。それでは、今後、中間年改定のあり方をどうするかによっては、次の中間年改定においてもやるということが、可能性としてもあるということで理解させていただきます。
 後発医薬品のところは、今の説明をもってしても、平均でも28円ぐらいだったら、もっと低い20円ぐらいのジェネリックもあるわけで、なぜ0.3にできないのかというのは、納得できないところなのですけれども、価格帯の見直しによって、この乖離率は狭まるという予測であるとおっしゃったので、これも様子を見て、再度、検討する必要があるのではないかと思いますし、10品目が妥当なのかというところについても、10品目も待つ必要があるのかというところについても、あわせて検討していただきたいと思います。
 いずれにせよ、今後、これによって、どういう動きがあるかによっては、その辺も再度見直すということをお約束いただきたいと思います。
 以上です。
○中村部会長
 ほかはいかがでしょうか。平野専門委員、お願いします。
○平野専門委員
 ありがとうございます。
 本日、提示されました内容につきまして、1点、お願いがございます。資料7ページ目の7.の再算定、(1)過去に再算定を受けた品目への対応について、この内容につきまして、今回から適用するのであれば、当該企業にとって予見が非常に困難であり、経営に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。個別品目の算定に当たっては、慎重かつ丁寧な対応をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○中村部会長
 ほかはいかがでしょうか。上出専門委員、お願いします。
○上出専門委員
 ありがとうございます。
 まずこれまでの当部会におきまして、関係業界からの意見陳述、また、私ども専門委員の意見に対しましても、丁寧に御議論いただきましたことに対しまして、感謝を申し上げます。
 本日の冒頭、松本先生からも納得性のある比較薬の選定といったことについて、コメントがございましたけれども、新薬の薬価算定におきます比較薬の選定といったことにつきましては、業界側からも課題意識が示されたところでございます。今後、臨床的な位置づけといったことも含めて、事例を集積した上で検討していくこととされたと思いますので、今後も御検討をよろしくお願いいたします。
 また、今般の見直しを含めまして、薬価制度の抜本改革の影響を引き続き検証するとともに、効能追加等を含む新薬のイノベーションの促進や、医薬品の継続的な安定供給といった観点から、必要な見直しにつきましては、今後も引き続き検討していただくことが重要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○中村部会長
 ほかはいかがでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、本日の議論を踏まえて、次回、次期薬価制度改革の骨子案を事務局にてまとめてもらい、その内容を確認した上で、総会に報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○中村部会長
 ありがとうございます。それでは、そのようにしたいと存じます。
 本日、予定された議題は以上になります。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の薬価専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
○岡田医療技術評価推進室長
 事務局でございます。
 会場設営の都合がございますので、総会の開催は、9時50分めどでお願いいたします。


 
 

(了)
<照会先>

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代表: 03-5253-1111(内線)3288

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