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2019年12月6日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第161回議事録

○日時

令和元年12月6日(金)8:58~11:27
 

 

○場所

全国都市会館 大ホール(2階)

○出席者

中村洋部会長 田辺国昭委員 関ふ佐子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 宮近清文委員
松本吉郎委員 今村聡委員 林正純委員 有澤賢二委員
村井泰介専門委員 平野秀之専門委員 上出厚志専門委員 
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○ 関係業界からの意見聴取について

○議事

 


 ○中村部会長
おはようございます。少し早いですけれども、皆さん、おそろいのようですので、ただいまより、第161回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告します。本日は秋山委員が御欠席です。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○中村部会長
では、議事に入らせていただきます。
今回は、これまでの議論を踏まえて、関係業界からの意見聴取を行いたいと思います。
関係団体として、日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会及び欧州製薬団体連合会よりその意見を徴取したいと考えております。
それでは、早速、意見陳述に移りたいと思います。
まずは、関係団体の皆様よりプレゼンテーションしていただき、その後に質疑とフリーディスカッションを行いたいと思います。関係団体の皆様には、最初に自己紹介を行った上でプレゼンテーションをお願いいたします。
それでは、日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会及び欧州製薬団体連合会よりお願いいたします。
○日本製薬団体連合会(手代木)
おはようございます。日本製薬団体連合会の会長を務めさせていただいております手代木でございます。本日は、次期薬価制度改革に向けました意見陳述のお時間をいただき、まことにありがとうございます。
先ほど部会長からもお話がございましたとおり、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会からも少しコメントさせていただきますが、3団体の意見が一致しておりますので、まず私から、資料に沿いまして意見を述べさせていただき、米国、欧州それぞれから追加コメントをさせていただきたいと思います。
また、前回の薬価専門部会におきまして、後発品に関しまして御質問を頂戴いたしておりますので、日本ジェネリック製薬協会の澤井会長から後刻回答させていただきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
それでは、資料に沿ってお話をさせていただきます。
まず、スライド2でございます。新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度の見直しについてでございます。本制度ですが、革新的新薬を継続的に創出するために不可欠な制度であり、品目要件について、医療上の必要性の高さや革新性・有用性の評価に基づき拡充を行うべきと考えております。
御提案いただいております先駆け審査指定制度の対象品目並びに薬剤耐性菌の治療薬を追加することにつきましては、私どもも賛成をさせていただきたいと思っております。なお、このたびの薬機法改正によりまして、先駆け審査指定制度の法制化とあわせ、小児の用法用量設定など医療上特に必要性が高いものは、特定用途医薬品と位置づけられると私ども認識しております。今後の運用状況も踏まえつつ、特定用途医薬品の品目要件の追加につきましても、継続して御検討をお願い申し上げたいと思っております。
また、有用性の高い効能効果の追加を促進する観点から、追加効能において、新規作用機序医薬品の革新性・有用性の基準に該当するものや、薬価収載時の有用性系加算の要件に該当するものは対象とすべきと思っております。
加えて、2番手以降の品目についてですが、現状では、革新性・有用性の基準の該当性を判断する機会がございませんので、その基準に初めて該当するものについては対象とするとともに、新規作用機序医薬品で比較薬が有用性系加算適用品のものにつきましても対象にすべきである、と思っております。
次に、企業要件・企業指標についてです。新薬の開発状況や実績に基づき、革新的新薬創出等に取り組んでいることが確認された企業につきましては、企業の規模によらず、対象品目の薬価が維持され得る区分1とする、その考え方が妥当だというのが私どもの主張であります。
一方で、現行の企業指標をベースに対応ということであれば、今回の見直し案は企業規模の影響を一定程度緩和する方向にあると受けとめており、イノベーション創出に向けた各企業の開発への取り組みに対する影響を踏まえた上で、引き続き御検討をお願い申し上げたい。我々も継続して検討していきたいと思っているところでございます。
次のページをお願い申し上げます。
このスライド3では、新薬創出等加算の対象品目を比較薬とする場合の薬価算定について、私どもの考えを述べさせていただいております。薬価制度は、市場での公正な競争を確保するという観点から、比較薬との1日薬価を合わせるのが基本的な考え方であると思っております。また、薬理作用が同一でありましても、薬剤によって副作用のプロファイルや代謝・排泄経路あるいは併用可能な薬剤等が異なる場合もございますので、患者の状態に合わせた薬剤選択を考えた場合には、一定程度の選択肢が必要であると私どもは思っております。
こうした中で、類似薬効比較方式1(類1)で算定される医薬品でも、類2と同じように比較薬の累積加算額を控除することになりますと、新薬の開発に大きな影響を及ぼすと思っておりますし、臨床現場における適切な薬剤選択にも支障が生じるおそれがあると思っております。類1で算定される場合には、類2で行われているような比較薬の累積加算額を薬価収載時に控除すべきではないというのが、私どもの非常に強い要望でございます。
スライド4でございます。当初の効能のみならず、薬価収載後に効能を追加することは、治療の選択肢を増やすという観点から、医療の質の向上に貢献するものでございまして、革新性・有用性の高い効能追加を促進する観点から、薬価収載後のイノベーション評価の充実を図るべきと思っております。したがいまして、効能追加を行ったもののうち、高い革新性・有用性が示されているものにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、新薬創出等加算の品目要件に追加すべきと思っております。
また、追加効能等における革新性・有用性の評価を行い、薬価収載時の有用性系加算の要件に該当する場合につきましては、現行の改定時の加算と同様の評価を行っていただきたいと思っております。
スライド5には、再算定についての業界の見解を書かせていただいております。前回の改定におきまして、いわゆる四半期再算定が導入されまして、今回、さらに再算定を強化する方向性が示されておりますが、薬価並びにビジネス全体の予見性を著しく低下させ、効能追加の開発意欲を低下させることにつながることを強く懸念しております。私ども、度重なるルールの見直しには反対させていただきたいと思います。これにつきましては、後刻、米国研究製薬工業協会からも追加コメントをさせていただきます。
再算定について検討するということであれば、効能追加に係る開発を阻害しないよう十分配慮しつつ、対象範囲や改定の影響が限定的になるよう、激変緩和措置を含め、慎重に検討すべきと思っております。先ほどスライド4で申し上げました効能追加等による革新性・有用性の評価が反映され得る仕組みについてもあわせて御検討いただきたいと思っております。
また、主たる効能の変更への対応につきましては、追加効能の対象となる患者数の実数ではなく、予測に基づいて再算定の適用の可否を判断することのことですが、私どもは反対であると主張させていただきます。
スライド6でございます。原価計算方式におけます開示度に応じた加算方法につきまして、現行の取り扱いを継続するとともに、開示度の向上の方策について検討する際には、企業の取引や製造・輸入形態等の個々の品目の事情を踏まえた検討が必要である。このように考えております。
バイオ医薬品につきまして、研究開発費を適切に反映するという観点から、希少疾病用医薬品などと同様に、推定市場規模が一定以下の場合に限ることなく、一般管理販売費の上限を引き上げていただきたい。引き上げるべきだと思っております。
また、比較薬の選定に関しまして、臨床的位置づけ等の医療実態が類似している事例を集積した上で検討することにつきましては、薬価算定の透明性・納得性を高めるという観点から、業界としても積極的に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
スライド7でございます。製剤工夫の有無にかかわらず、治療上の負担軽減・リスク低減による治療の質向上に資する医療的価値を適切に評価することは非常に重要であると我思っております。有用性加算(2)にあります「ハ.治療方法の改善」に相当する事例をぜひ明確化していただいている点につき、私どもは賛同をさせていただきます。
スライド8でございます。再生医療等製品の価格算定についてです。再生医療等製品は、例えば単回投与等で治療が可能となる医療技術が多く、長期間にわたり使用される既存治療とは投与回数や治療期間が異なる場合が多いことを踏まえれば、著しく単価が高いという理由から、補正加算率に傾斜配分を適用するべきではないというのが私どもの考えでございます。
補正加算率を価格に応じて傾斜配分することを考える場合には、単価が1000万円を超える品目であって、推定市場規模が、例えば、少なくとも年間150億円を超える規模のものであり、かつ、原価計算方式における開示度が低いものに限定するとともに、基準加算率の2分の1を傾斜配分の下げ止め定するなど、慎重な検討をぜひお願い申し上げます。
再生医療等製品の場合、既存の医薬品と異なる貯蔵・流通の形態となる場合も多く、費用は個々の製品により異なっておりますため、個別品目別に精査した費用を用いることが妥当であると我々は思います。医薬品の係数を超える場合も、場合によっては許容すべきと考えております。
再生医療等製品に係る独自の算定体系の検討につきましては、業界といたしましても今後も積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
スライド9でございます。後発品上市後10年を経過する前に、後発品への置き換え率が80%以上となった場合、その2年後に置き換え率を再度確認した上でG1の対象とすることは、私どももやむを得ないと考えますが、G1・G2ルールによる後発品の使用促進への影響等については、引き続き慎重な検討が必要であると思っております。
G1・G2ルールによる薬価引き下げは、個別品目や企業に対して非常に大きな影響を与えます。前回改定と同様に円滑実施措置を行うことに関しましては賛同させていただきます。
スライド10でございます。後発医薬品の薬価のあり方でございますが、数量シェア後発品の安定供給の必要性を踏まえますと、そのコストを確保する上で、新規収載時の薬価は極めて重要でございます。先発品の薬価に0.5を乗じた額とすることを継続するという今回の案に賛同させていただきます。
後発品の薬価改定につきましては、市場での評価が適切に反映される制度とすべきであり、価格帯の集約により薬価が大幅に引き上がることを抑制するため、価格帯の増加を含め、集約の方法を見直すべきということは、私どももそう思っております。
集約方法の見直しにつきましては、中間の価格帯のみではなく、下位の価格帯についても適用すべきと思っており、改定後の薬価が引き上げる品目がある場合は、それらの品目のみで別途加重平均すべきと考えているところでございます。
最後スライド11でございます。基礎的医薬品ですが、医療上必要性の高い医薬品の薬価を下支えする重要な仕組みであることから、現行ルールを維持するとともに、現状では一部の領域に限定されている対象範囲のさらなる拡充やより適切な要件のあり方につきまして引き続き検討をお願い申し上げたいと思います。
不採算品再算定でございますが、対象となる品目について確実に適用するとともに、最低薬価につきましては、いまだ最低薬価が設定されていない剤形もございますため、引き続き検討をしていただきたいと思っております。
2020年度改定について、本年度の薬価調査で得られた実勢価格を踏まえて、これまでと同様に行うとするということにつきましては、業界全体として異論はございません。
以上、次期薬価制度改革に向けまして、本日述べさせていただきました意見をぜひ御検討賜ればと思っているところでございます。よろしくお願い申し上げます。
引き続きまして、PhRMA、EFPIAの意見を陳述させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○米国研究製薬工業協会(クリストファー・フウリガン)
私、PhRMA在日執行委員会委員長のクリス・フウリガンでございます。2020年度の薬価制度改革について議論する機会を与えていただいたことに感謝申し上げます。
初めに、私どもの考え方は、日薬連、EFPIAと一致しておりますことをお伝えいたします。
第2に、日本の患者さんのためにも、社会保障制度の持続可能性を強化するための努力が必要であるということを認識しています。持続可能性を向上させるための努力は、日本の患者さんが利用可能な最良の医療を確実に利用できるようにすることを第一の目標として、医療制度全体で行われるべきです。
最後に、業界として私たちの優先事項は、アンメット・メディカル・ニーズの分野で、日本の患者さんに革新的な医薬品とワクチンをお届けすることです。安定した予測可能なシステムを通じてイノベーションに報いることは、投資を促進するために不可欠です。
しかし、今回の次期薬価制度改革案では再算定ルールのさらなる強化が提案されています。このような革新的医薬品の継続的な引き締めは、予測可能性を低下させ、ひいては新しい医薬品の開発や適用症の追加の能力を低下させることが懸念されます。したがって、PhRMAと製薬業界は再算定ルールの再検討に反対していることを再度申し上げます。
再算定については、2016年に特例拡大再算定が導入され、2018年にいわゆる四半期再算定が導入されました。今回、複数回再算定を受ける場合のルール変更や効能変化再算定の特例ルールの導入が提案されています。ここのスライドに出ておりますように、再算定ルールの変更と日本への革新的な医薬品の導入に対する影響について幾つかのコメントを追加したいと思います。
世界をリードする市場として、日本は企業が適用追加開発の投資計画策定に当たって重要な役割を果たしています。薬価ルールの定期的な変更は企業の予測がより保守的になり、投資が削減されるということを意味します。日本におけるリーダーとしてPhRMAメンバーの同僚と私は、日本への投資を確保するためにグローバルに要求をしなければなりません。薬価制度の継続的かつ突然の変更は、私たちが日本への投資を呼び込むことが困難になるということを意味します。
また、再算定について検討するのであれば、ルールの強化だけでなく、効能追加による革新性評価が薬価に反映され得る仕組みについてもあわせて御検討いただきたいと考えます。現行ルールでは、小児、希少疾病などの効能追加を行った場合などには採算定時の補正加算が認められています。それと同様に、革新性の高い効能追加を行った場合にも再算定時の補正加算を認めることを強く希望いたします。
ありがとうございました。
○欧州製薬団体連合会(トーステン・ポール)
私、EFPIA副会長のトーステン・ポールです。本日はこのような機会を頂戴いたしましてありがとうございます。
まずは、EFPIAとしまして、ただいまの日薬連、PhRMAからの意見陳述に賛同しているということを申し上げた上で、EFPIAとして追加的意見を申し上げます。
まず、第1点目としましては、この新創加算品を比較薬とした場合の薬価算定について申し上げたいと思います。
EFPIAの意見としましては、類似薬効の(1)で算定されている場合には、比較薬の累積加算額を控除すべきではないと考えておりますが、この背景について実例を挙げてお話ししたいと思います。
この原則でありますけれども、医師と患者さんにとって一定程度の薬剤の選択肢があることによって、患者さんの状態に最も合った適切な治療薬の選択を行うことができるわけで、たとえ同じ作用機序でもそのような選択肢が必要であると考えられます。
ヨーロッパにおける実例でありますが、同一の薬理作用を持っていても、ただ単に承認時期が後であったということで既存の類似薬よりも安い償還価格しか認められなかったことによって新薬が上市されなかったという実例があるわけです。
その具体的な事例としまして、糖尿病の治療薬でありますDPP-4阻害薬の事例、ドイツの事例を御紹介したいと思います。
この新薬は類薬と比較して有効性は同等であったわけですけれども、従来の薬剤が腎排泄であるのに比べて初めての胆汁排泄型の新薬であったということであります。しかしながら、類薬よりも低い価格が提示されました。
このような新薬であれば、腎機能低下の患者さんにとって新たな治療選択肢となり得るはずのものであったわけでありますが、ただ単に承認時期が後になったことによりまして、このような低い薬価が提示され、そして企業はこのような非常に安い薬価を受け入れることができず、結果、今、ドイツにおいてはこうした胆汁排泄型のDPP-4阻害薬が入手できない状況になっているわけであります。ですから、日本と比べて、ドイツの医師・患者さんにとってこうした治療の選択肢が限られてしまっているわけです。
私どもは、患者さん一人一人の状態に応じた適切な薬剤治療を行っていくためには、たとえ薬理作用が同一であっても一定程度の選択肢が必要であって、日本の患者さんにはそうした環境が今後も保たれることが大切だと考えております。
2点目は、より一般的な観点からの意見ですけれども、もちろん、EFPIAといたしましては、国民皆保険制度の持続性の堅持の必要性は十分に認識しております。社会にとって非常に重要なこの課題に対しての政府の取り組みをサポートして支持しているわけでありますけれども、また、医療保険制度の主眼が、長期収載品に依存するのではなくて、患者さんにとってのイノベーションをサポートすることだということについても賛同しております。
しかしながら、今回の提案を見ますと、イノベーションの推進といった観点での見直しは限られており、やはり日本の患者さんのためのイノベーションのさらなる推進のためにはもう一段の見直しが必要と考えております。
御清聴ありがとうございました。
○日本ジェネリック製薬協会(澤井)
日本ジェネリック製薬協会会長の澤井でございます。前回の中医協におきまして、後発医薬品に関する業界のあり方や品目数について御指摘を頂戴しておりますので、業界の考え方を述べさせていただきたいと存じます。
後発医薬品の品目数につきましては、以前から御指摘がございましたので、私どもの業界としても課題であると認識をしております。この点については、3価格帯の集約時、あるいは後発医薬品上市後12年経過した際に1価格帯に集約する場合に、薬価が大幅に引き上がることを抑制するために、価格帯の増加を含め集約方法を見直すことにより、過剰な品目数を抑制し、ひいては適正な品目数に是正されていくものと考えております。
そして、国民の皆様に安心して使用していただける後発医薬品を将来にわたって持続的に供給していく努力をする企業が最終的に残り、安定供給していくことにより、産業構造の転換を実現できるものと考えます。
その結果、全ての人々に信頼される産業になり、数量シェア80%を達成した後こそ、国民の医療を守る社会保障制度の持続性に貢献するという私どもの新しいビジョンを実現し、日本の保健医療の一翼を担うことができると考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
○中村部会長
何か言い忘れたこと、言い残されたことはございますか。大丈夫ですか。
ありがとうございました。
では、これより質疑及びフリーディスカッションに移りたいと思います。なお、質問のほうは日本語でお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
では、松本委員、お願いします。
○松本委員
ありがとうございます。
2ページ目でございますけれども、1点質問です。
この四角囲みの中にある「革新的新薬創出等に取り組んでいる」の「等」についての意図は何でしょうか。お聞かせいただければと思います。
○中村部会長
では、日薬連の手代木会長、お願いします。
○日本製薬団体連合会(手代木)
日薬連の手代木でございます。
これから新しいモダリティーでございますとか、新しい治療法が出てくるということを考えているつもりではございますが、この「新薬等」の「等」はそんなに特別な意味を持つものではございません。
○中村部会長
松本委員、お願いします。
○松本委員
4ページ目のところですけれども、コメントさせていただくと、総合的に新薬創出等加算を受けた上に改定時に加算もするケースが生じる提案になっており、これにはちょっと無理があるのではないかと思います。改定薬価で引き上げるのではなくて、市場での評価を受けるのが妥当だと考えます。
5ページ目の再算定のところですが、画期的な新薬開発が活発に行われていくことに対しましては、医師としても大変歓迎はしております。一方で、約10兆円の薬剤費のあり方を考えると、新たに登場する新薬の特性に応じて、ここ数回の改定で見直したように、適時適切にルールを修正することは国民皆保険の維持のためにも必要なことだと思います。
10ページ目、企業の後発医薬品のところですが、企業の再編・統合について余り進んでいないように思いますけれども、これについてどうお考えでしょうか。
○中村部会長
これは、澤井会長、お願いします。
○日本ジェネリック製薬協会(澤井)
ジェネリックにおきましては、現在の価格帯ルールにおきまして、薬価が実勢価以上に引き下がったり、一方で薬価が引き上がったり、そういった現象が起こることで市場での公正な競争が阻害されている、その結果、企業の再編が進まなくなっているという認識を持っております。
今回、提案させていただいている価格帯ルールの変更によって薬価が引き上がることがなくなり、企業間の公正な競争が展開され、その結果、産業構造が転換し、安定供給できる産業構造につながっていくものではないかと考えておるところでございます。
○中村部会長
松本委員、お願いします。
○松本委員
しっかりと企業の再編を進めていっていただきたいと思います。一方で、先ほどお話にありました、価格帯の中でどうしても引き上がるものが出てくることに対してのお考えをもう一度改めてお聞かせ願いたいと思います。
○日本ジェネリック製薬協会(澤井)
加重平均という形でとりますので、上から下へ、上の価格帯から下の価格帯へ落ちていきますと、当然、上の価格帯のほうが売り値が高い、下の価格帯のほうが低いというところで、今申し上げましたような薬価が引き上がるという現象が起きます。このことが公正な企業間構想を阻害し、産業構造の転換にならないところでございますので、一番下の価格帯においても別の価格帯として上がるものは別価格帯で計算をし直すことが必要だと考えておるところでございます。
○松本委員
団体としても企業の再編をしっかりと進めていきながら、そういった引き上がるような医薬品をなくしていこうという考えは一致しているということでよろしいでしょうか。
○日本ジェネリック製薬協会(澤井)
そうでございます。ありがとうございます。
○中村部会長
ほかはいかがでしょうか。
では、有澤委員、お願いします。
○有澤委員
ありがとうございます。ジェネリック製薬協会の方にお尋ねしたい。
現場感覚ではありますけれども、昨今さまざまな理由で安定供給に問題が生じて、現場で混乱する機会が多くなったと思います。特に政府が2020年9月までに数量シェアを80%達成するといった、それを目前にした中で、医療機関あるいは薬局にとって非常に影響が大きいと思っております。
最も迷惑をこうむるのは、ジェネリックを使用している患者さんにとっては大きいと思っています。現行の供給体制をさらに強化していくと考えていますけれども、そのようなお考えがあるのかないのか。もしあるのだとすれば、具体的な取り組みの方向性等も教えていただけたらいいかなと思っています。
○日本ジェネリック製薬協会(澤井)
ただいま御指摘のように、原薬の品質・製造トラブルによりまして、患者さんを初め、医療関係者の皆様、流通の皆様に御迷惑をおかけしておりますことを、この場をおかりしておわび申し上げます。このような事態が起きないように、ジェネリック企業各社がジェネリック薬品の供給ガイドラインに準拠した安定供給マニュアルを作成し、しっかりと運用するというところに取り組んでおります。また、原薬に起因する場合がございますので、リスク回避の観点から、原薬のマルチソース化、また原薬製造所の査察の強化を行っております。
ある1社が供給に支障を来した場合に、その代替品として各企業が増産できる体制範囲で可能な限りの対応を行っておりますけれども、各社の供給数量、在庫量、そして確保している原材料によりまして、増産対応するには一定の期間が必要になってまいります。
このような状況を回避するため、本年7月、日薬連より医療用医薬品の安定供給に関する自己点検を定期的に実施する、そういった通知が出されております。自社が製造・販売を行う場合の医療用医薬品及び原薬について、安定供給に対する課題や供給不安が生じた場合の市場や医療機関への影響度について、自己点検を行い、早い段階で供給安定リスクに対応するものでございます。長期収載品を含めた企業間で情報収集を行って、安定供給に混乱が生じないよう努めておるのが現状でございます。
今回、価格帯集約ルールの変更によって薬価が引き上がるということがなくなり、公正な企業間競争が展開されて、しっかりした企業が安定供給を担うという産業構造の転換がつながっていけば、より安定供給の体制が整うものと考えておるところでございます。
以上です。
○中村部会長
では、有澤委員、お願いします。
○有澤委員
これは何も後発医薬品ばかりでなく、先発医薬品に関しても安定供給をきちっと担保していただきたいということであります。せっかくいい薬があっても、供給が滞れば、薬物治療の継続等に明らかに影響を及ぼすということで、その医療用医薬品を製造しているという認識を持ってしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
○日本ジェネリック製薬協会(澤井)
はい。そのような覚悟でやってまいりたいと思います。ありがとうございます。
○中村部会長
では、吉森委員、お願いします。
○吉森委員
ありがとうございます。
念押しで恐縮ですが、10ページの後発医薬品の価格帯の話についてです。先ほど松本委員からも業界の考え方をお聞かせいただきました。A、B、Cと現実的にあって、前回のこの専門部会で、Bについては引き上げる品目がある場合はその品目のみで加重平均するという案が提案されていました。それに対してのお考えだと思うのです。私は、その場合、Cの下位の価格帯も同様にしたらどうかという意見を申し上げましたが、C価格帯についても同様でいいというのが業界の意見として認識してよろしいのでしょうか。
○日本ジェネリック製薬協会(澤井)
私どもは改定薬価が改定前薬価を上回ることがないようにしていただきたいという基本的な考えでございますので、今のお話のとおり、我々もそのように考えておるところでございます。
○中村部会長
吉森委員、お願いします。
○吉森委員
ありがとうございます。
続いて、3ページです。新薬創出等加算の対象品目を比較薬とする場合の価格算定について、業界の皆さんは、類似薬効(1)について累積部分を引き下げるのは、新薬創出、つまり製薬業界に開発影響があるということで、控除すべきではないという御主張と伺っており、前回2つの案が出たと思うのです。開発実績がない場合は一定期間を置いてそれから対応するという案と、すぐ引き下げるという対応案。そうすると、今回は一定期間を猶予してからの対応、主張という理解でよろしいわけですね。
○日本製薬団体連合会(手代木)
ありがとうございます。
業界として、1案は受け入れられないと思っておりますが、2案目については、一定の期間、企業が効能効果拡大であるとかライフサイクルマネジメントに取り組むことを前提として、検討できるのではないかということでございます。
○中村部会長
では、吉森委員、お願いします。
○吉森委員
ありがとうございます。
そうしますと、2案の一定期間という期間の長さについては何かお考えはございますか。
○中村部会長
では、手代木会長、お願いします。
○日本製薬団体連合会(手代木)
前回、データでお示しさせていただいておりますとおり、半数以上の製品が薬価収載後6年の間に、効能追加医薬品の価値の充実を図っているということでございます。もちろん、業界とすると、8年、10年としていただければありがたいというのはございますけれども、現実的には6年ぐらいというのが妥当な線ではないかと考えているところでございます。
○中村部会長
吉森委員、お願いします。
○吉森委員
収載時に、その新薬創出等加算の対象外である薬であるわけですから、累積部分は引き下げて対応すべきだと思っていますが、百歩譲って、業界の主張にのっとっていくとするならば、一定期間についての合理的な考え方、妥当性のある期間というのもきちんと議論していかなければならないと考えております。
この点について、例えば6年の間に、開発期間中に開発中止になったり、効能追加の開発が中止になったりするケースもあると思いますが、全ての品目で一定期間猶予する必要があるとお考えでしょうか。
○中村部会長
手代木会長、お願いします。
○日本製薬団体連合会(手代木)
ほとんどの企業において、開発検討を行ってから、開発を進めないということはございません。もちろん、先生おっしゃいましたように、2年、4年の間に、考えどおりうまくいかなくて中止をするケースもあるかもしれませんけれども、その場合でも、継続して患者様にどういうベネフィットを供給し続けられるだろうかという活動をとめるわけではございません。私どもとすると、全ての薬剤を対象として一定期間、例えば薬価改定の3回分6年という猶予を、少なくとも一生懸命取り組む期間として企業にお与えいただければと思っております。
○中村部会長
吉森委員、お願いします。
○吉森委員
各論で恐縮ですが、全ての医薬品が対象だとすると、開発のスケジュール等の考え方は、上市のときには持っているのでしょうか。それとも、上市してから考えるのでしょうか。そんなことはないとは思うのですが、いかがでしょうか。
○中村部会長
お願いします。
○日本製薬団体連合会(手代木)
新薬系ということで、後で製薬協の中山会長からもお話をいただければと思いますが、私ども、最近は医薬品のLCM(ライフ・サイクル・マネジメント)を早目、早目に検討しております。セカンド、サードインディケーションは開発が終わる前、すなわちファーストインディケーションのところからほとんどの企業が取り組んでおります。
そういう意味からすると、先生の御懸念、ずっと1つをやって、その後2年、3年放っておいて、では、今から考えようかという状態にはなっていないと考えております。
○中村部会長
では、中山会長、お願いします。
○日本製薬工業協会(中山)
追加で御説明しますと、3ページの、類(1)であって、2番手、3番手をどうするかという問題については、現実問題は、私ども開発に10年ぐらいかけていますので、その段階ではみんな1番だと思っているのです。何かの偶然で2番、3番になることもあるわけです。製品プロファイルは、あながち1番目が本当にいいか。副作用まで含めると変わっておりますので、先ほど御説明がありましたように、患者様のことを考えると、現実の事例としても1番手、2番手、3番手で禁忌薬剤が異なるとか、避けるべき併用薬が異なることがありますので、患者様のためにも十分な選択肢を得るという意味でも3番手まで必要ではないかと思います。私どもはもう10年前からその開発をしておりますので、その最終段階で変わるということでございますので、開発は続ける。各社が続けてくると思っています。
○中村部会長
吉森委員、お願いします。
○吉森委員
ありがとうございます。よくわかりました。
そうしますと、例えば一定期間を設けるとすると、最初に開発計画なりを提出いただいて、もし開発がやむを得ず中止になったら、その時点で累積加算額を控除するといった方法論はいかがでしょうか。
○中村部会長
では、手代木会長、お願いします。
○日本製薬団体連合会(手代木)
新しい御提案でございますので、少し考えるお時間をいただければと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、私どもの企業体は新薬に非常に多くの投資をしておりますので、開発を続けないということはないと思っております。
○中村部会長
吉森委員、お願いします。
○吉森委員
よくわかりました。効能追加開発計画は事前に企業としての戦略としてお組みだというのもよくわかりましたし、今、私が申し上げた開発計画を事例にすると、企業秘密もありますし、なかなか難しいことはよくわかります。新薬の収載時点で直ちに効能追加の開発に取り組むということについての考え方は一定ではないというのはわかりました。そうすると、一定期間の猶予が必要という主張は理解できなくもないですが、開発計画について透明性をもって担保した形で猶予期間を設定して、開発インセンティブを担保するというのが必要なのだと思います。この一定期間について、事務局にもお願いですが、きちんと議論して、我々が納得できて、制度的な合理性・妥当性のある制度にしていく必要があると考えますので、論点についてはもう少し議論が必要であると考えております。
○中村部会長
先ほど猶予期間が一定期間の話もありますけれども、EFPIAの方、あるいはPhRMAの方から何かコメント等ございますか。
○米国研究製薬工業協会(クリストファー・フウリガン)
PhRMAといたしましては、手代木様の意見に賛成でございまして、まず、少し時間をいただいて、そうした期間について検討したいと思います。
○欧州製薬団体連合会(トーステン・ポール)
EFPIAも同意見でございます。
○中村部会長
ほかはいかがでしょうか。
では、幸野委員、お願いします。
○幸野委員
意見といいますか、今まで私が専門部会の中で述べてきた意見を申し上げますので、もし異論とか反論とかがあればお聞かせいただきたいと思います。
まず、2ページ目の企業区分は、取り組んでいる企業については全て区分1にするべきところなのですが、やはり企業区分は新薬開発の企業間競争を促す意味では競争原理を働かせるということで必要なのではないかと思って、これを全て区分1に集約することについては、逆に新薬開発に対する企業間競争を後退させることになるのではないかということで、これは妥当ではないのではないかと思います。
それから、業界の方も前回の意見陳述で、この企業区分が相対評価になっているので、自分がどのポジションにいるかがわかりにくいということで、企業の予見性を損ねるという発言もありました。私が主張しておりますのは、これは絶対評価にすべきではないかと。ポイントを積み重ねて、例えば区分1は上位25%、区分2は上位50%、区分3はその他というふうなやり方にしてはどうかということを提案させていただきました。
今のは相対評価になっていますので、いわゆる区分3は最下位タイの企業グループが位置されているわけで、それ以外の企業は全て区分1か2に配置されている。これが9割を占めているというのは、企業間競争を促すという観点では、この相対評価というのはそれを後退させるのではないかということで、絶対評価にすべきだということを主張しております。
企業区分については以上です。
それから、新薬創出加算の類(1)の場合。これが企業側の最大の争点になろうかと思いますので、私の意見を言いますと、まずは、理屈に合わないということです。その薬が本当にイノベーションのある薬であれば、それは多分、新薬創出加算の対象になっているだろうと思いますし、そうでない、対象になっていない薬を比較薬の加算分を対象に加えることについては、それは違った意味でつけられている加算なので、それを新薬創出加算の対象でない薬に適用するのはちょっと違うのかなと思います。
百歩譲って、薬価制度抜本改革が行われた平成30年度以降に収載されて、新薬創出等加算をつけられたものは、企業区分、品目要件、それぞれ評価されて、厳格な基準でつけられたものなので、平成30年以降に収載されたものが比較薬となった場合に、それを適用する。しかも、企業区分も、その比較薬の企業と同等以上であれば対象にしてもいいと思うのですが、平成30年度の改定前に加算がついたものは比較的要件も甘く加算がついたものなので、そういったものを対象にする場合はやはり控除すべきだと思います。
それから、今、御質問に出ました、両論併記ということで案1、案2が出されていて、終盤にかかっているのですが、案2であれば対応可能ということが聞かれたのですが、それでしたら、吉森委員がおっしゃいましたように、いつまでそれを続けるのかというところが論点になろうかと思います。
ということなので、私としては、まだ類(1)の場合は新薬創出等は考慮すべきと。最低限譲っても、平成30年度以降にとったものが比較薬となる場合は一定程度認めてもいいのではないかというところでございます。
それから、6ページ目の原価計算方式については、どうやっても製造原価の開示に限界があるということで、原価計算方式については限界があるということで、原価計算方式による薬価収載はなるべく避けていくべきということ。6ページの3つ目の矢じりにありますが、新たな比較薬の選定の拡大については、逆に業界のほうから提示していただいて、納得できるものであれば、原価計算方式よりもいいのであれば、それは選択すべきだと思います。
それから、8ページ目の再生医療製品についても原価計算ではやるべきでないと思います。最後のポツにあります算定体系の検討についても、ぜひ業界のほうから御提案いただければ検討の余地があろうかと思いますので、よろしくお願いします。
それから、9ページについては意見をお聞きしたいのです。G1・G2の適用が80%以上を超えたらということで、この提案では2度確認をすることになっているのですが、2度確認する必要があるのかということを述べてまいりました。
というのは、G1・G2が適用されて、80%を超えた後にこれが適用されたら置きかえ率が下がったという品目がどれだけあったかという資料が前々回ぐらいの資料で出たのですけれども、G1だと、85品目のうち置きかえ率が下がったのはわずか5品目、G2ですと、293品目のうち16品目ということで、いずれの場合も5%強しかないわけです。それぐらいの確率のために2年待つ必要があるのか。もう80%を超えたらG1・G2に即突入してもいいのではないかという意見を持っておりますので、その辺の見解をお聞かせいただければと思います。
それから、10ページの後発医薬品のところです。0.7掛けというところについては、前回調査された薬価調査の結果を待って、後発医薬品の新規収載はどれぐらいの乖離を持っているのかというところをもって判断すべきかなと思います。
それから、価格帯の集約についても先ほどから議論になっていますが、これは賛同させていただきます。今、澤井会長からも、一番下のところも引き上がるものはさらに加重平均すべきということで、企業の集約化も進むという御意見がございましたので、そうであれば、やはり3価格帯とも引き上がることは回避して、少し価格帯がふえることになりますが、最終的には収れんしていくことを期待して、一番下の価格帯についても、上がるものについては再度加重平均をとることについては賛成させていただきます。
最後、10ページの後発バイオ医薬品のところです。これは私もよくわからないので、意見というか、状況、実態を聞かせていただきたいのです。バイオAGとバイオシミラーを同じ0.7掛けにした場合、バイオAGは特許も全て同じということで、効能効果も全て同じということなので、同じにした場合はバイオAGの競争力が非常に高くなると思うのです。バイオシミラーのほうはやはり負けてしまうので、開発意欲を削ぐことになるので、バイオAGとバイオシミラーについては価格に少し差をつけてもいいのではないかと私は思っているのです。これを同じにした場合、バイオAGの競争力が圧倒的に強いことになるので、果たしてそうなのかというところについて、もしよろしければ今の現場の状態をお聞かせいただきたいと思います。
2点質問なのですが、それについて御意見とかがあればお願いいたします。
○中村部会長
では、手代木会長、お願いします。
○日本製薬団体連合会(手代木)
まず、先生の御質問の9ページ目の80%を2回確認することが必要かということについての回答でございます。後発品への置換え率がいつ80%を超えるのかというのを正確に把握するのは非常に難しいと思います。そういう観点から、どの程度の増産体制を構築するかとか、逆に撤退スキームを検討するか等を考慮する際には安定供給であったり、品質の保持であったりということを準備する期間も企業にとっては必要であると考えているところでございます。したがいまして、企業サイドの準備ということも考慮いただき、もう一度の確認というのはぜひお願い申し上げたいと思っております。
それから、バイオAGとバイオシミラーでございますが、これは現在、そんなにたくさんの例があるわけではございません。データだけをお示し申し上げますと、現時点ではやはりバイオAGのシェアが圧倒的に大きいというのが現状でございます。バイオシミラーについては、現在、事例が、実際に1つしかないので何とも言えませんが、今後、事例
が積み上がってきたときに、幸野先生がおっしゃったようなことが本当に起こるのかどうかというのは、我々も継続して追っていかなければいけないかなと思っているところでございます。
○中村部会長
幸野委員、お願いします。
○幸野委員
ありがとうございました。
長期収載品なのですけれども、とはいえ、やはり95%の品目が80%を超えても置きかえ率は伸びているという状況を考えると、わずか5%のために残りの95%が維持されるのかというところについてはちょっとどうかなと。支払い側からすれば、もうすぐにやってもいいのではないかなと思いますので、引き続き調査していただきたいと思います。
それから、バイオAGが圧倒的な競争力の強さを持っているということであれば、スタート時点については若干の差をつけて、バイオAGのほうを少し高くつければ、バイオシミラーのほうの開発意欲も出てきて、競争力を少し助けてあげるということもあろうかと思いますので、そういう主張もしていきたいと思います。どうもありがとうございました。
○中村部会長
先ほど幸野委員からさまざまなポイントを提示いただきましたけれども、EFPIA、PhRMAの方、追加でコメント等はございますでしょうか。
○米国研究製薬工業協会(クリストファー・フウリガン)
先ほど絶対的な基準を設けて会社区分をというような趣旨の御意見を伺いました。しかし、私どもの答えはシンプルであります。やはり革新的な新薬を開発するようなイノベーティブな会社に対しては、それに見合ったリウォード、報いていただきたいという考えでございます。
○欧州製薬団体連合会(トーステン・ポール)
EFPIAからは追加はありません。
○中村部会長
ほかはいかがでしょうか。
では、今村委員、お願いします。
○今村委員
ありがとうございます。時間のないところで、後発品についてのみお話をしたいと思います。
前回の後発品の議論の中で、一号側から、診療所の使用率が低い、この80%の目標達成について、ここを何とかしなければと。ペナルティー云々のお話もございまして、そこについては強く反論させていただきましたけれども、やはり安定供給であるとか、品質に対しての信頼性の向上というのは絶対必要なものだと思っているわけです。薬価の決め方の中で、御提案されていることはそれはそれでよく理解できますけれども、この書きぶりについて、価格帯を集約することで大幅に引き上がることはだめだということ。そもそも薬価を集約することによって引き上がるという仕組み自体がおかしいと思っています。そこは何とかしていただきたい。
これは中医協の議論ではないかもしれませんけれども、こういう場であえてお願い申し上げたいのは、市場の競争によって価格をうまくコントロールすることによって企業が再編するのだということでこれからもやっていくというお話ですが、4年前からこの医薬品産業強化総合戦略の中で、規模が小さいところが多過ぎて、品目数を扱っているところが少ない、これはもっと規模を大きくして集約、いわゆる業界再編していくのだということが言われていながらも、実際上ほとんど集約されていない。
澤井会長がいらっしゃっていますが、200に近い会社がありながらJJAに入っておられるところは41社しかない。団体としてそういういろいろなルールを決めても、それになかなか従っていただけない可能性がある会社が多数あるということです。これは業界だけにお願いすることではなくて、厚労省にお願いすることかもしれませんけれども、ここはしっかりと業界再編を進めていただかないと、我々の信頼もなかなか高まらないと思っております。こういう場ですので、改めてお願い申し上げたいと思いますので、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○中村部会長
何かコメントありますでしょうか。
○日本ジェネリック製薬協会(澤井)
実際200社強あったジェネリック企業が現在190まで少なくなっている。とはいえ、まだ190社。多いか少ないかという議論はそこにあろうかと思いますけれども、我々はまず大型化をしていく過程におきましては、全く同じ製品群を持っている企業同士が仮に統合したとしても、商品が重なっておりますので、どちらか一方を整理する、つまり販売を中止する。その過程においては、生産の設備であったり、そういうところの集約とかで相当慎重なことを要求されます。したがいまして、まずは今回、価格帯の集約のルールを変更し、品目数が減ることにいけば集約もしやすくなっていく。こういう考え方を持っておるところでございます。
○中村部会長
松本委員、お願いします。
○松本委員
先ほど幸野委員のおっしゃったバイオAGとバイオシミラーのところです。私は、薬価は同じにしておいて、市場原理、市場競争の中で頑張ってもらいたい。私はそれがいいのではないかと思います。
○中村部会長
ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。御意見、御質問等も大体出尽くしたようですので、関係業界からの意見陳述についてはここまでとさせていただきます。
本日予定された議題は以上になります。本日の業界意見陳述の内容を踏まえて、詳細について不明な点があれば、また業界より必要な聞き取り等を行った上で、次回、事務局より次期薬価制度改革に向けた骨子案を作成していただきたいと思います。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の薬価専門部会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
○森光医療課長
次の総会につきましては、準備でき次第、開催させていただきたいと思います。
 


 
 

(了)
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