ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会薬価専門部会)> 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第155回議事録(2019年9月11日)

 
 

2019年9月11日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第155回議事録

○日時

令和元年9月11日(水)9:00~10:21
 

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

中村洋部会長 秋山美紀委員 田辺国昭委員 関ふ佐子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 宮近清文委員
松本吉郎委員 今村聡委員 林正純委員 有澤賢二委員
村井泰介専門委員 平野秀之専門委員 上出厚志専門委員 
<事務局>
濵谷保険局長 横幕審議官 八神審議官 森光医療課長 岡田医療技術評価推進室長
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○ 次期薬価制度改革について

○議事

 


 ○中村部会長
それでは、ただいまより第155回「中央社会保険医療協議会薬価専門部会」を開催いたします。
本日の委員の出席状況について御報告いたします。本日は、全員が御出席です。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いします。
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は、次期薬価制度改革について、薬価算定方式の正確性・妥当性の向上、イノベーションの評価について検討していきたいと思います。
事務局より資料が提出されておりますので、説明のほうをお願いいたします。
では、薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
資料の中医協薬-1をごらんください。
「次期薬価制度改革の検討スケジュール(案)」ということでお示ししております。
これまで薬価専門部会におきまして、薬価算定組織からの意見の聴取、それから関係団体のヒアリング等を行ってまいりました。
今後、年末に向けまして、おおむね月に2回程度のペースで下に記載した検討項目などについて検討を行い、次期薬価制度改革に向けて議論を深めていくこととしてはどうかという御提案でございます。
具体的な検討項目でございますけれども、これに限られるということではございませんが、まず「薬価算定方式の妥当性・正確性の向上」という点では、新薬創出等加算品目を比較薬とする場合の薬価算定、再生医療等製品の価格算定、原価計算方式、配合剤などの議論。
それから、「イノベーションの評価」につきましては、効能追加等による革新性・有用性の評価等に関する議論。
それから、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度」そのもの、企業要件・品目要件等についての議論があろうかと思っております。
また、右側でございますけれども、「長期収載品の段階的引下げまでの期間の在り方」「再算定」「後発医薬品の薬価の在り方」「基礎的医薬品への対応の在り方」、また「2020年度改定における実勢価の反映」といった検討項目がございます。
「その他」は、後発バイオ医薬品の取り扱いなどについても検討して、11月~12月までに骨子のたたき台のようなものを提示した上で関係団体ヒアリングをして、12月に骨子の取りまとめを行いたいと考えているところでございます。
続きまして、薬-2をごらんください。早速、本日でございますけれども、議題を2つ用意させていただいております。
1つ目が「薬価算定方式の正確性・妥当性の向上」、それから2つ目が「イノベーションの評価」ということでございます。
まず2コマ目でございますけれども、配合剤に関する議論でございます。
3コマ目をごらんください。現行、配合剤につきましては、既存単剤の併用の域を出ない新医療用配合剤であって、全ての有効成分について既存単剤がある場合には、新医療用配合剤の特例、すなわち単剤の合計の0.8掛けによる算定をするというルールがございます。
近年、3成分以上を含む新医療用配合剤が出てきておりますけれども、その場合に単剤が薬価収載されていない成分が含まれていることがあります。
他方、当該成分及び当該新医療用配合剤に含まれる、他の有効成分を含む配合剤が薬価収載されているといったような、さまざまなケースが出てきているわけでございまして、この場合にこの既存配合剤を単剤と同様に扱って新医療用配合剤の特例を適用することが妥当かどうかということが現行のルール上、明確になっていないということでございます。
具体的には、下に想定しているケースということで枠囲みがございますけれども、単剤のCというものが薬価収載されていて、それから配合剤D、こちらは成分Aと成分Bのみを含むもの、これが薬価収載されているケースでございますけれども、一方、単剤AとかBは薬価収載されていない。こういった場合に、この単剤Cと配合剤Dを用いて新医療用配合剤の特例ルールを適用していいかというところが明確になっていないという問題意識でございます。
この点につきましては4コマ目でございますけれども、先日の薬価算定組織からも同様の意見が提示されたというところでございます。したがいまして、論点といたしましては、新規配合剤の算定において単剤としては薬価収載されていない成分があるけれども、当該成分を含む配合剤が薬価収載されている場合に、新医療用配合剤の特例の対象にすることについてどのように考えるかということを用意させていただいたところでございます。
5コマ目は、現行のルールについての資料でございます。
続きまして、6コマ目から「再生医療等製品の価格算定」についてでございます。
7コマ目をごらんください。再生医療等製品につきましては薬機法で定義されておりまして、大きく2つに分けられます。1つが細胞加工製品、もう一つが遺伝子治療用製品ということになります。
再生医療等製品の医療保険上の取り扱いでございますけれども、平成26年11月5日の中医協総会において、以下のような取り扱いとすることが了承されております。具体的には、当面の間の対応といたしまして、再生医療等製品については保険適用の希望のあった個別の製品の特性を踏まえ、医薬品の例により対応するか、医療機器の例により対応するかを承認の結果を踏まえて判断する。それを踏まえ、薬価算定組織、または保材専で償還価格について検討をし、最終的に中医協総会で審議するという形になってございます。
また、「再生医療等製品に関する知見が蓄積した後の対応」ということで、独自の体系をつくるかどうかなどについて、引き続き中医協総会で検討するとされております。
8コマ目をごらんください。これまで再生医療等製品4品目について、医薬品の例によって算定が行われております。いずれも同様の効能・効果等を有する既収載品がないので、原価計算方式により算定されたというものでございます。
これら4品目、下に表で記載しておりますけれども、それぞれ製品特性がございまして、例えばテムセルの場合ですと他家の骨髄由来幹細胞、ステミラック注ですと自己の骨髄由来幹細胞、キムリア点滴静注ですと遺伝子組換えの自己のリンパ球、またコラテジェンにつきましてはプラスミドDNAを主成分とする遺伝子治療薬ということでございます。
それから、条件・期限付承認制度の対象となっているのが、ステミラックとコラテジェンの2品目ということで、収載時の価格をごらんいただければと思いますけれども、下のほうに3品目ほど医薬品で高額な例を記載しておりますが、これらと比べてもステミラック、あるいはキムリアにつきましてはかなり高額になっているという状況でございます。
9コマ目に、これら再生医療等製品4品目について、原価計算方式で算定されたものの内訳について記載してございます。製品総原価というところが製造原価、または輸入原価に一般管理販売費を加えた金額ということでございますけれども、それに営業利益、流通経費、消費税、補正加算等を適用して算定しているわけでございます。
1点、流通経費のところをごらんいただければと思いますけれども、キムリアの場合には、通常は統計的な一定の係数を使用するわけですが、収載希望者の自己申告に基づくパーセンテージで計上しているということがおわかりいただけるかと思います。
10コマ目は、現行の原価計算方式のルールでございます。
11コマ目をごらんいただければと思います。再生医療等製品につきましては、その適正使用を促すということから「最適使用推進ガイドライン」ですとか、あるいは保険適用上の留意事項通知により適正使用を図っているところでございます。
例えば左側のキムリアでございますと、最適使用推進ガイドラインを定めまして、実施施設、あるいは投与対象患者などについて厳格に規定しているということです。また、コラテジェンにつきましては、最適使用推進ガイドラインを作成しておりませんけれども、添付文書等の内容を踏まえまして実施施設、あるいは投与対象患者について留意事項通知を発出しているという状況でございます。
続いて、12コマ目をごらんください。まず、「再生医療等製品の流通」についてまとめております。現行の原価計算方式におきましては、医薬品卸の平均的な流通経費率、2019年度は7.5%ですけれども、これを乗じて算出するというルールになってございます。
一方、<再生医療等製品の流通の特徴>ということでまとめておりますけれども、1つは「低温での輸送」が求められるケースが多いということでございます。医薬品の場合ですと、室温か冷蔵で貯蔵・流通するものが多いのですけれども、既収載の細胞加工製品(3製品)については全てマイナス80度以下で貯蔵・流通、または特殊な搬送容器や専用の管理が必要といったような状況にございます。
また、2番目としまして「自家製品と他家由来」の製品で大分、特性が異なるということでございまして、したがってその流通も大きく異なるということでございます。具体的には、自家細胞由来のステミラック及びキムリアの場合ですと、投与する患者が決まっており、一般的に流通段階でも製品の取り違いを防止するためのシステムが必要である。また、輸送に関するスケールメリットが出にくいということがございます。
一方で、急な需要に対応するために、全国各地に一定量の在庫を置いておくといったようなことが不要になるという特徴がございます。
他方、テムセルHSのような他家細胞由来製品ですと、医薬品と同様に発注に応じて医療機関等に納品できて、貯蔵・流通で多少のスケールメリットが期待できる面があるということでございます。
13コマ目をごらんください。こちらは、先日の関係業界ヒアリングでFIRMから提出された資料をお示ししておりますけれども、低分子医薬品と再生医療等製品の違い、特徴ということでまとめてありますが、まず再生医療等製品の場合ですと1ロットの製造量が限定されるといったようなことです。
また、製造の欄をごらんいただければと思いますけれども、自動化・大量生産が難しくてスケールメリットが得にくいとか、そういった特性もあろうかと思います。
また、その横の品質検査に書いてございますとおり、ロット単位で実施する検査費を少ない単位で負担するということ。頻回の検査などが必要になるというような話もございます。
また、製造の欄の下から2番目のところをごらんいただければと思いますけれども、細胞などを製造するために24時間/週7日の管理が必要となり、コスト増になるといったようなことも挙げられているところでございます。
これらを踏まえまして、14コマ目に「論点」として挙げさせていただいております。
まず、再生医療等製品は一般的な医薬品と異なる貯蔵・流通が必要になるということについてどのように考えるかということでございます。
また、これに関連しまして、再生医療等製品につきましては、医薬品のように特定の患者に限らず使用できるものがある一方で、自家細胞由来製品のように当該患者以外には使用できない品目もある。こうした製品の特性によって、流通に当たっての手間や必要な設備・システム等が異なることについてどのように考えるかということでございます。
それから、3点目ですけれども、再生医療等製品に関する知見が蓄積した後には、その保険上の取り扱いに関する独自の体系をつくるかどうか、引き続き検討することとされておりますけれども、これまでの4品目の例を踏まえた上で、また再生医療等製品の貯蔵、流通、製造等のコストなどを踏まえた際に、独自の算定の体系をつくることについてどのように考えるかということを挙げさせていただいております。
続いて、15コマ目をごらんください。今度は「再生医療等製品の収載時の補正加算」についてでございます。
新規収載時の補正加算額は、加算前の価格に比例して計算するということになっておりますので、単価が高額な場合には加算額もそれに応じて大きくなるということでございます。
過去の薬価算定におきましては、1日薬価の額の大きさに応じて有用性加算の補正加算率を0.5倍~1.5倍までの範囲で傾斜配分していた時期もございました。
具体的には、(※1)ですけれども、平成20年改定以前は、1日薬価が標準額より高ければ低い加算率にするなどしていたということでございますけれども、その後、加算の傾斜配分については1日薬価でなく市場規模で考えることが適切という議論がございまして、20年度改定で廃止されたという経緯がございます。
一方、現在では既収載品の薬価改定時の加算、すなわち、収載後に行われる小児加算、希少疾病用の加算などについてのみ、市場規模に応じた傾斜配分を行っております。
(※2)にありますとおり、内用薬・外用薬は市場規模が50億円より大きい場合、注射薬は20億円より大きい場合に補正加算率を下げるといったルールがございます。こうした点を踏まえて、薬価算定組織からも問題提起されたということでございます。
16コマ目をごらんください。2002年以降に収載された新薬のうち、補正加算が適用された251品目について、横軸を収載時薬価、縦軸を規格単位当たりの補正加算額ということで整理したグラフでございます。ごらんいただきますと、ほとんどの品目は左下に重なっているわけでございますけれども、一部、医薬品ではヘムライブラ、ノボサーティーン、スピンザラのように、単価あるいは補正加算額が大きなものもございます。
ただ、ごらんいただくとわかりますけれども、ステミラック注、それからキムリア点滴静注の2品目につきましては、かなり補正加算額も大きくなっているということがおわかりいただけるかと思います。
17コマ目は関連して新規収載時の「補正加算」に関するルール、それから18コマ目は、「既収載品の薬価改定時の加算」のルールを挙げてございます。
19コマ目をごらんください。そこで「論点」ということでございますけれども、まず再生医療等製品の中でも著しく単価の高いものでは、補正加算率がこれまでの品目と大きく変わらない場合でも比例計算により、これまでと比べて極めて大きな加算額となることについてどう考えるかというのが1点目です。
他方、かつて新規収載時に1日薬価に応じた補正加算率の傾斜配分をしていたけれども、当該傾斜配分は市場規模に応じたものとすべきといった議論があって行われなくなった経緯があること、または新規収載時には収載後と異なり市場規模の実績値がないことについてどのように考えるかということでございます。
また、単価の多寡に寄らず、市場規模が予想を超えて拡大した場合には、市場拡大再算定のルールがございますし、また、原価計算方式で開示度が低いものについては、加算係数により補正加算率が引き下げられているといった、ほかのルールとの関係をどのように考えるかということを挙げさせていただいております。
続きまして、20コマ目でございます。「条件・期限付承認を受けた再生医療等製品について」でございます。これまでの4品目のうち2品目は、薬機法上の条件・期限付承認を受けたものでございまして、下に臨床試験のデータの概要が書いてございますけれども、いずれも症例数が十数例~二十数例ということで、検証的な形で有用性が示されていない等の理由により有用性系加算の対象にはなっていないところでございます。
これらにつきましては、市販後に使用の成績の調査等を行って、有効性及びさらなる安全性を検証して、期限までに再度承認申請をするとされているところでございます。
21コマ目をごらんください。この点につきまして、薬価算定組織からも問題提起がされているということでございます。それを踏まえた「論点」が記載してございます。
まず、条件・期限付承認制度の特性上、承認時は臨床データが限定的だが、改めて承認を受ける際には、初回承認時には明らかでなかった医療上の有用性が客観的に示されることがあり得ることについてどう考えるかということでございます。
それから、薬価算定組織からは、例えばベンチャー企業などが条件・期限付承認の品目を海外展開する際などには、暫定薬価などと呼称できるようにすると海外展開しやすくなるといったような意見もあったところでございますので、条件・期限付承認を受けた品目の薬価の呼称についてどう考えるかということが2点目でございます。
22コマ目は、御参考までに薬機法の条件・期限つき承認の概念図を記載してございます。
続いて、23コマ目からでございます。「新薬創出等加算対象品目を比較薬とする場合の薬価算定」でございます。
24コマ目をごらんください。新薬のうち、類似薬がある場合には、市場での公正な競争を確保する観点から、比較薬の1日薬価と同一になるように薬価を算定しております。これが類似薬効比較方式(I)の基本ということでございますけれども、一方で新規性の乏しい新薬については、過去の数年間の類似薬の薬価と比較して最も低い価格と1日薬価を合わせるということで、類似薬効比較方式(II)による算定になるということでございます。
そこで、30年度改定におきましては、この類似薬効比較方式(II)で算定され、新薬創出等加算の対象外の品目については比較薬の新薬創出等加算の累積加算額を控除して薬価算定を行うというルールが導入されたところでございます。
具体的には、下の模式図でいきますと、比較薬というのが赤の実線で新薬創出等加算の対象品だとお考えいただければと思いますけれども、これがもし新薬創出等加算の対象でなければ、赤の点線のように薬価が推移したであろうという仮定のもとに書いてございますが、ただいま申し上げた類似薬効比較方式(II)については緑色の収載と書いてございますとおり、累積加算額を差し引いた形で最初の値づけをするというルールが導入されております。
一方、類似薬効比較方式(I)、この図でいきますと青の実線でございますけれども、こちらにつきましては収載時に新薬創出等加算対象外であったが、収載後に新薬創出等加算対象品目となった場合の対応を含めて引き続き検討とされているところでございます。
25コマ目でございますけれども、こちらが平成30年度抜本改革の際に提示した資料でございます。2つ目の○のところにございますとおり、新薬創出等加算対象外の品目でも、収載後にオーファン品となり、新薬創出等加算対象品目となることがあること、それから公平な市場競争環境の確保に影響を及ぼすおそれがあることから、継続検討とされたという経緯がございます。
26コマ目から27コマ目は類似薬効比較方式(I)の説明、それから28コマ目は類似薬効比較方式(II)の現行ルール。
29コマ目と30コマ目は、新薬創出等加算についての資料を参考として示しております。
31コマ目も、品目要件の続きでございます。
そこで、32コマ目に移っていただければと思います。類似薬効比較方式で算定された新薬の状況について、まとめたものでございます。2018年4月~2019年5月に、類似薬効比較方式(I)で算定された医薬品が52品目ございました。そのうち、表にございますけれども、新薬創出等加算の対象外であったものは21品目、さらにそのうち比較薬が新薬創出等加算の対象だったものが11品目あったということでございます。
これら11品目の比較薬についてみますと、平均して3回、新薬創出等加算が適用されているということがわかりました。
具体的には、下に各年度ごとの平均的な加算率がございますけれども、例えばその比較薬が2014年度、2016年度、2018年度に新薬創出等加算の適用を受けているとすると、こらの合計は9.6%分、比較薬の薬価が仮に実勢価改定をしていた場合に比べて高いというような状況で、その比較薬と1日薬価を合わせているということでございます。
また、※2に書いてございますとおり、11品目中3品目については比較薬が新薬創出等加算を5回適用されている。合計すると約17%となりますけれども、17%高い形での比較薬の薬価になっているということでございますので、累積加算額を控除した新薬の算定を行う場合に、現状では比較薬との間に平均で9~11%、例えば最大で17%価格差が生じることになるといったような状況であることがわかりました。
続きまして、33コマ目でございますけれども、類似薬効比較方式(I)で算定され、新薬創出等加算の対象外であったもの。しかも、比較薬が新薬創出等加算の対象であった11品目につきまして、新薬創出等加算の対象にならなかった理由について確認したものでございます。
3つほど理由が書いてございますけれども、6品目が該当し、一番多かったのは、最も早く収載された薬理作用類似薬から4年以上経過しておりまして、以下のいずれかに該当とありますけれども、比較薬が補正加算を受けているが、この算定対象の新薬は補正加算を受けなかった。あるいは、最も早く収載された薬理作用類似薬が補正加算を受けている、または革新性・有用性の基準に該当しているけれども、算定対象の新薬はその3年以内3番手以内ではないといったような理由がこの6品目でございました。
それから、比較薬はオーファンの効能を有するが、算定対象の新薬は有していないというのが1品目。
それから、比較薬が過去に新薬創出等加算を受けたことがあるけれども、30年度改定以降は要件が変わったことで新薬創出等加算の対象外になっている。こういったものも、4品目ほどあったという状況でございます。
続いて34コマ目でございますけれども、類似薬効比較方式(I)で算定された新薬の収載後の効能追加や加算の状況についてまとめたものでございます。
まず、2011年度~2017年度に類(Ⅰ)により算定された医薬品186品目について、2019年3月までの間の効能追加の件数を確認したところ76件、約4割ほど効能追加されていたということでございます。
また、今度は下の表になりますけれども、過去5回の薬価改定時に希少疾病にかかる効能追加等、ここでは小児効能に係る効能追加等を除きますけれども、収載後の加算の対象となった38品目、すなわち新薬創出等加算の対象となった38品目のうち、収載時に類似薬効比較方式(I)により算定されていたというものは13品目でございました。一方で類(II)により算定されたものでは、収載後に加算を受けたものはなかったということでございます。
また、右側の表になりますけれども、類(I)により算定され、収載後にこの加算を受けたもののうち、約38%、4割が収載後4年以内に収載後の加算を受けている。54%が、6年以内に加算を受けているということでございます。
これらを踏まえまして、35コマ目に論点として記載しております。現在、類似薬効比較方式(I)で算定される医薬品につきましては、比較薬と臨床上の位置づけは同等のものとして評価しているわけでございますけれども、新薬創出等加算の対象外の品目についても新薬創出等加算を受けている、またはかつて受けていた比較薬と1日薬価を合わせることについてどのように考えるかということです。
また、ただいま御説明しましたとおり、類(I)で算定された品目のうち4割程度が収載時に効能追加を行っている。また、希少疾病等に係る効能追加等により、収載後2回ないし3回目の改定時までに収載後の加算を受けるような品目が一定数あることを踏まえまして、収載時は新薬創出等加算対象外であったが、収載後に新薬創出等加算対象品目となった場合の対応を含めてどのように考えるということでございます。
続きまして、36コマ目から「イノベーションの評価」についてでございます。
37コマ目でございます。ここに薬価改定組織からの意見を記載しておりますけれども、収載後に小児、希少疾病等の効能を新たに追加した薬剤に対して、薬価改定時に加算を行う仕組みがございますけれども、現行ではこれら以外の効能追加等を評価する仕組みはないということでございます。これについて、薬価算定組織から問題提起がされているということでございます。
38コマ目は、前回の薬価制度、抜本改革の骨子における引き続きの検討事項ということで、効能追加等による革新性・有用性の評価の是非について検討を行うとされているということでございます。
39コマ目をごらんください。こちらは新規収載時、それから薬価収載後、薬価改定時のイノベーションの評価に関する俯瞰図でございます。
まず、新規収載時でございます。例えば、上から「有用性の高い医薬品の開発」、あるいは「新規作用機序医薬品の開発」の場合ですと、算定薬価への加算ということがあり得まして、その結果、新薬創出等加算の品目要件も満たして新薬創出等加算も適用されるという状況でございます。
また、希少疾病用医薬品についても、算定時の薬価の加算と新薬創出等加算の適用があるということでございます。
一方、「小児用の医薬品の開発」、それから「世界に先駆けた日本での開発」については、算定時の加算はございますけれども、新薬創出等加算の適用はないということでございます。
また、一番下に、先日、業界団体からも優先審査の対象の品目について評価をしてほしいといったような御意見もございましたけれども、優先審査対象品目については上記の品目のどれに該当するかといったことで、個別品目の対応になっているということでございます。
次に、右側の収載後、薬価改定時の評価ということでございます。
まず、「薬価への加算」という意味では「希少疾病の医薬品の開発」「小児用の医薬品の開発」「世界に先駆けた日本での開発」、それから「市販後の真の有用性の検証」といったところで、加算が可能といったような状況になってございます。
一方、「新薬創出等加算の適用」という意味では、オーファンドラッグの場合、それから「市販後の真の有用性の検証」の場合に限るといった状況になっています。
それから、右上の4つほどバツがついているところでございますけれども、新薬収載時であれば有用性加算の対象となるような品目要件を満たすものにつきましては、薬価改定時の加算も新薬創出等加算の適用もないといったような状況でございます。
40コマ目でございます。薬価改定時の加算ということで3つほど、「小児適応」と「希少疾病」と「真の臨床的有用性の検証」とありますけれども、各年度ごとの該当品目数を記載してございます。
「真の臨床的有用性の検証」については、過去5回の改定で3品目しかないという状況でございます。
41コマ目と42コマ目は新規収載時、または効能追加時の加算に関する説明でございます。
43コマ目をごらんください。こちらは、「市販後に真の臨床的有用性が検証された既収載品に係る加算」ということで、薬価算定組織から意見が提示さたものでございます。
現状の欄の2つ目のポツをごらんいただければと思いますけれども、現行のルールでは小児効能、希少疾病の効能、それから真の臨床的有用性の検証、いずれかの加算が複数該当するといったような場合には補正加算率の最も大きなものを適用する。いわゆる併算定不可というルールになってございます。
これにつきまして、薬価算定組織の意見にございますとおり、薬価算定組織からは、品目の市場性を鑑みた小児効能や希少疾病の効能追加にかかる評価と、真の臨床的有用性の評価というのは趣旨が異なるので、併算定を可能としてはどうかという提案がされているところでございます。
44コマ目は、真の臨床的有用性の過去の事例でございます。
45コマ目、最後でございますけれども、論点といたしましては、既収載品について新規収載時であれば、有用性加算が適用され得るような高い臨床上の有用性を有する効能追加等が行われた場合の評価の是非について、どのように考えるかということでございます。
説明は、以上でございます。
○中村部会長
ありがとうございました。
では、ただいまの説明を踏まえて、論点ごとに3つに分けて協議を行いたいと思います。
まず、薬-1の「次期薬価制度改革の検討スケジュール(案)」、それから薬-2の3~5ページの「配合剤」について、それから7ページ~22ページの再生医療等製品の価格算定について、まずはこの3つについて御質問あるいは御意見等がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
松本委員、お願いします。
○松本委員
では、薬-2の論点に沿ってということで、まず4ページ目の論点でございます。
3ページ目に想定しているケースとして記載があるように、成分Aと成分Bについて単剤として薬価収載されていなくても、成分Aと成分Bの配合剤Dが薬価収載されている場合には、当該配合剤を用いて新医療用配合剤の特例による算定でよいのではないかと思いますが、すなわち比較薬の合計の0.8とかということになろうかと思います。
ただ、単剤に比べると製造、それから流通経費との節減が合理化ができると思いますので、0.8でなくても0.7であってもいいのかなという感じはします。
それから、14ページ目の論点でございますけれども、再生医療等製品は自家細胞由来か、他家細胞由来かなどの違いによって、貯蔵や流通における必要なコストが大幅に異なる可能性があります。現行ルールでは、流通経費については製品に寄らず一定の係数を用いて算定していますけれども、個々の製品の特性を踏まえた上で、1製品当たりの流通管理に実際に必要な額を精査することとして、係数を用いた額よりも低くて済むと考えられる場合には、その額を用いるようにすべきと考えます。
一方で、再生医療等製品の製造に当たっては、大量生産が難しく、品質管理のために頻回の検査が必要など、製品特性をきめ細かく原価に反映させようとすると非常に高額になる可能性もあると思いますが、これまでの4製品の特性はかなりばらついていますので、今回、再生医療等製品に特化した新たな算定ルールを検討するには、残念ながらまだ知見の集積が足りないと考えます。
論点の19ページ目でございますが、価格算定における補正加算額が大きくても、再生医療等製品は通常の医薬品と異なり、1回の投与で済むものもあります。したがって、単なる補正加算前の価格の多寡で議論するのがよいかどうかは、慎重な検討が必要であると考えます。
そうはいいましても、今後さらに高額な再生医療等製品が出てきた場合に、現行のルールのままでよいかというと、それもどうなのかなと思いますので、例えば市場規模予測が一定額を超える再生医療等製品であっても、原価計算における開示度が50%未満のものなど、品目を限定した上で補正加算前の価格が著しく高いものの加算額について、何らかの対応を検討してもよいというふうに考えます。とりあえず、以上です。
 
○中村部会長
ほかは、いかがでしょうか。
では、松本委員お願いします。
○松本委員
済みません、21ページまで入りましたね。
21ページ目の論点ですけれども、条件・期限付承認を受けた品目が改めて承認を受ける際には、あくまで既存治療に対する有用性などが客観的に示されていくことが大前提となりますけれども、その場合には薬価上、何らかの評価を行うことは差し支えないと考えます。
その一方で、医療機器のチャレンジ申請でも議論がありましたけれども、既存の治療と比較して有用性・安全性が逆に示されなかった場合の対応についても検討する必要があるのではないでしょうか。
また、条件・期限付承認期間中の薬価の呼称を暫定薬価などとすることについては、あくまで告示などにおける薬価基準などの正式な呼称は変更しないようにして、名称の違いによって医療現場に混乱を生じさせないことを前提とした上で運用すべきと考えます。以上です。
○中村部会長
では、今村委員お願いします。
○今村委員
ありがとうございます。今、松本委員のほうからもちょっとお話があった、14ページの再生医療等製品にかかわる貯蔵・流通のことに関して、もうちょっと広めの御質問をしたいと思っています。
前回の改定のときにも、この原価計算方式における流通経費について事務局に御質問をして御回答いただいたのですけれども、あのときも十分に理解できたというか、納得できたという感じがなかったので、改めて伺いたいと思います。
これは、基本的には卸の利益率を係数にして掛けるというのは一般にやっているけれども、再生医療等製品については貯蔵の方法も流通の方法もいろいろ手間もかかるので別の体系をということで、まだまだなかなか根拠がないので、松本委員の言われたように、今の時点で新たな体系をつくるのは難しいと思いますが、9ページにありますように、非常に手間のかかると思われるようなキムリアにおいては、自己申告で2.4%の係数でいいとおっしゃっている。
つまり、極端に率を下げてもいいというのは、絶対額としてはそれなりにもともとが大きいので、金額は大きいからいいんだという考え方もあると思いますけれども、そうだとすると、要するに必要な絶対額がわかっているということが前提になると思うと、ほかの製品についてはみんな係数を7.5ならば7.5%掛けますという、なかなかこの正確性・妥当性という意味で納得しづらい部分があると思います。
もともと、この流通経費にその卸の利益率を掛けるということの意味も、十分に納得できたとも思いませんし、最終的にはさまざまな加算はこういった経費まで含めた部分に対して加算率を掛けていくということになるので、当然のことながらメーカーがお願いをして卸に搬送していただいている、あるいは貯蔵していただくという手間がかかるから、その部分のコストを計算に入れるということは理解できないわけではないのですけれども、その金額によって薬価そのものに大きな影響が出てくるわけですから、この辺の正確性・妥当性というものをもう少しきちんと詰めていただきたいという思いがあるので、改めて申し上げました。以上です。
○中村部会長
これは、御意見でございますか。
○今村委員
現時点で、何かお考えがあれば。
○中村部会長
では、薬剤管理官から御質問についてお願いいたします。
○田宮薬剤管理官
ありがとうございます。今、今村委員から御指摘いただいた点でございますけれども、原価に流通経費を含めていることの意味も含めてということで申し上げますと、基本的にその医薬品等につきましてはメーカーで製造されて、卸を通じて流通して、医療機関や薬局に納入された後に患者に使用されたり、あるいは調剤されて患者に渡されるという形になります。
したがいまして、薬価というのは最終的に患者に届く段階での償還価格ということになりますので、そこに至るまでの流通に係る経費等も薬価の中に含めているという考え方でございます。
それで、一般的にはさまざまな医薬品が医薬品卸を通じて流通している中でということになるので、通常の原価計算では、流通経費として参照可能な統計データということで、医薬品卸の売上総利益率の平均を係数として用いているということではございますけれども、今般、問題提起というか、論点としても挙げさせていただきましたのは、再生医療等製品については特に自家の製品などにつきましては広く一般に流通させるというような形ではなくて、特定の医療機関の患者さんから取り出して、また特定の医療機関に戻すといったような形になりますので、そういったところのコストは必ずしも今までの考え方と違うところもあるのではないか。そういったことも含めて、今回論点として挙げさせていただいたというところでございます。
○中村部会長
今村委員、お願いします。
○今村委員
前回もそういうふうに伺っていて、ある程度、薬価にそういうものが入るということそのものは理解できますけれども、売上総利益率でいいのかどうかであるとか、あるいは今お話にあったように、例えば貯蔵、保存に手間がかかるんだから、再生医療等製品についてはその部分がふえるという話なのか。あるいは、非常に数が少なくて、そんなに大量に貯蔵、保存しなくてもいいのだからコストは下げられるのか。その辺のお考えがよくわからなくて、キムリアについては企業の自己申告によってうんと低いパーセンテージでもいいですよということをどう考えるのか。
これは、事前にこの数字が出てきたときに、事務局としてはその根拠みたいなものは当然確認はされていると思います。そうだとすると、絶対的にどれぐらいのコストがかかるかということは、ある程度わかるということが前提なのかと思いますけれども、その辺はいかがですか。
○中村部会長
では、薬剤管理官お願いします。
○田宮薬剤管理官
キムリアのように、自家製品の場合ですとまさに流通の形態が違って、医療機関との間で出荷判定してから医療機関に納入するまでのコストということになるので、比較的どの程度コストがかかるのかはわかりやすいところがあろうかとは思っているところでございます。
○中村部会長
では、吉森委員お願いします。
○吉森委員
ありがとうございます。同じ14ページについて、今、松本委員、今村委員がおっしゃった通りと私も思っています。
当面のこの再生医療等製品の対応については、現状まだ4品目ですし、今後待ったなしで色々開発されているという状況を勘案しますと、従来のこの方法をいつまで続けるのかという問題がありますが、個別で対応せざるを得ない。今の薬剤管理官の説明を聞きましても、個別で見ていくということでした。自己の場合はわかりやすく、では他家製品だとどうするのかという点も当然ながら出てくるわけですし、その生産方式、流通、貯蔵についての従来の低分子が主流で大量生産、スケールメリットを標榜した一般的な医薬品においては設備、システム等のコストパフォーマンスは今回の再生等医療製品とは違うため、現状その価格算定においてのあり方については、従来の薬価算定方式の当てはめではもう合理的妥当性は担保できないということは明白です。当面は個別で対症療法的に議論しながら進めるとしても、今後どうするのかについてはここで議論しておかないといけないと思います。
そういう意味では、再生等医療製品の評価の妥当性、合理性を追及して、再生医療等製品の価格算定については、独自の体系をつくるということが必要と考えております。当然そうであるならば、事務局及び薬価算定組織において、この再生医療等製品に関する知見を集積していくわけで、まだ4品目ですし、今後それぞれ集積をしていくということで、その製造工程、流通コストの構造分析、それらについてのエビデンス集積、検証を進めないといけない。
そういう意味では、当然組織対応が必要だと思いますし、そういう対応をするにも時間軸からいえば相当時間がかかる。それらであれば、どういうふうにしたらいいのか、どういう組織で何をどうするのかということは、やはりワーキングチーム的なものをつくり、早急に専門組織、厚労省、中医協を含めて具体的対応の議論をスタートすることが、まずは先決じゃないかと思います。
そのためには、先例として費用対効果評価制度をつくり上げたときのように対応方針を明確にして、期限を明確にした工程表等をつくり、検討を進めるという手順がよろしいのではないかと思います。業界団体のヒアリングも含めて、また実際の製造現場、貯蔵方法がどうなのか、流通方法がどうなのか、そういう現場実感も踏まえて議論を進める必要があるのではないかと思います。以上、意見です。
○中村部会長
どうもありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
では、有澤委員お願いします
○有澤委員
ありがとうございます。今の議論と同等なのですが、やはり再生医療等製品は一般の医薬品と違って流通形態というものは全く違ってくると思います。
例えば、キムリアについても書いてあるように、窒素で封入にして、しかも生産拠点であるアメリカのほうに輸送をしてさらに戻してくる。そういった中で、2.4%というふうな形で自主申告されています。
一方で、ほかのステミラックなども同等に自己由来の細胞ですけれども、7.4%という形で一律につけていますので、この流通経費についてはやはり特に再生医療等の製品に関しては実態を踏まえて、今後しっかり検証して精査していく必要があると考えます。以上です。
○中村部会長
ほかはよろしいでしょうか。
では、どうぞお願いします。
○平野委員
ありがとうございます。再生医療等製品の一連の論点につきまして、専門委員の立場から一言コメントさせていただきます。少し長くなりますことをお許しいただきたいと思います。
まず、資料14ページの再生医療等製品の価格算定について、先ほど委員から流通経費等につきまして御議論がございましたが、この再生医療等製品につきましては製品の特性上、流通に当たっては非常に手間がかかったり、設備システムが必要となるということがございます。こういうことを鑑み、製品ごとに流通経費の算出が異なるということをまず御理解いただきたいということでございます。
また、独自の算定の体系をつくることにつきましては、再生医療等製品がその製造工程が従来の医薬品と大きく異なることはもう周知のことでございますが、1回の投与で治療が完結するという場合があるなど、その特殊性を考慮すると、既存の医薬品の算定方式だけでは適切な価格設定が難しい場合もございまして、今後、独自の算定の体系を構築する必要があると考えます。
先ほど吉森委員のほうからも、この件に関しては御発言があった次第でございます。現時点では、収載された製品が4品目のみであるということを踏まえ、今後、事例を集積しつつ、検討を進めていただきたいと思います。
資料19ページの「単価の高い再生医療等製品の補正加算」につきましてでございます。これにつきましては、先般の意見陳述でも申し上げましたけれども、再生医療等製品は1回の投与で治療を完結する場合があることなどを踏まえて、単に単価が高いことに着目して補正加算率に傾斜を設けることは妥当ではないと考えております。
最後でございますが、資料21ページの論点、「条件・期限付承認を受けた再生医療等製品について」の論点でございますが、条件・期限付承認制度の特性上、改めて承認を受ける際には、初回承認時には明らかでなかった医療上の有用性が示されることは十分あり得るので、改めて承認を受ける際には有用性評価を行うような仕組みは必要であると考えております。
最後でございますが、改めて承認を受けるまでの期間の価格の呼称につきましては、実態をわかりやすく盛り込む見地から、条件・期限付承認時価格といった呼称を提案いたします。
以上でございます。ありがとうございました。
○中村部会長
では、幸野委員お願いします。
○幸野委員
今の専門委員からの意見については、反論を述べさせていただきたいと思います。
単価の高い再生医療等製品の補正加算ですが、従来は営業利益率に対して補正加算がついていたので比較的範囲が狭まったのですが、30年度の薬価制度の抜本改革によって、薬価全体に補正加算を行うということに見直されましたので、かなり大きな影響になってきた。
これについて、我々は、反対を主張していたのですが、価格全体に加算を行うという見直しが行われた結果、企業の総原価の開示度が低くてもその影響が薄くなってきたという弊害が出ていて、企業の開示度のインセンティブにならなくなってきていることは非常に問題でありますので、高額なものについては企業の開示度のインセンティブという面からもやはり傾斜配分は検討すべきだと思います。
市場規模や開示度に関係なく、やはり一定額以上の単価の高い医薬品については傾斜配分を行っていくべきだと強く思います。以上です。
○中村部会長
では、平川委員お願いします。
○平川委員
質問でございます。13枚目のスライドにコストの特徴というのが記載されております。いずれも定性的で、当然4品目しかないということで書きづらいのかもしれませんが、具体的に今後議論するに当たり、この定性的な内容をもとに議論するというのはなかなか厳しいと思っています。この辺は事務局としてどう考えているのか、お聞きをしたいというのが1つです。
それから、原価計算も普通の一般薬と違って、この再生医療等の製品については原価計算の方式が、場合によっては、よりわかりやすくなる可能性もあるのかどうなのかということをお聞きしたいと思います。
2点、質問したいと思います。
○中村部会長
これは、2つとも事務局のほうでよろしいですね。
では、薬剤管理官お願いします。
○田宮薬剤管理官
御指摘ありがとうございます。13コマ目にあるコストの特徴に関して、定性的ではないかという御指摘でございます。
実際の製品というのは4品目に限られるということもございますし、また、個々の製品ごとにいろいろと企業のノウハウなどもあろうかと思いますので、そこは業界団体、あるいは個別の企業などとも相談させていただきながら、もう少し議論に資するような細かい資料が出せるのかも含めて検討させていただければと思います。
それから、原価計算方式によってこれまでよりもわかりやすくなるのかどうかといったところにつきましては、それはなかなか一概にはお答えしにくいかと思っております。やはり実際の製造コストのところ、製造過程のところというのは、かなり企業の機密性が高いところもございますので、そういった中でどの程度開示されるかとか、そういったところも含めての薬価算定組織での議論になろうかと思います。
○中村部会長
では、ほかによろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、次に24ページ~35ページの「新薬創出等加算対象品目を比較薬とする場合の薬価算定」について、御質問あるいは御意見等がありましたらよろしくお願いいたします。
では、松本委員お願いします。
○松本委員
35ページ目の論点ですけれども、類似薬効比較方式(I)によって、比較薬と1日薬価を合わせて算定することは、市場での公正な競争を確保するという意味でも、これまで積み上げてきた薬価算定ルールの基本となる考え方であると理解しております。
一方で、比較薬が新薬創出等加算の対象品目である場合に、当該比較薬については新薬創出等加算の要件から外れた際に、累積加算額を一気に差し引いて改定することになることから、それとのバランスでいいますと、新薬創出等加算対象品目を比較薬として類似薬効比較方式(I)で算定された品目についても、いずれかのタイミングで比較薬の累積加算額相当分を差し引くのが自然だとも思います。
したがって、新薬創出等加算対象品目を比較薬として類似薬効比較方式(I)で算定された品目についてですが、収載時に累積加算相当額を差し引くのがよいかは議論があるところでありますけれども、少なくとも収載後、一定期間が経過するまでの間に新薬創出等加算の対象となる効能や、小児効能など、医療上必要な効能が追加されない限りは累積加算額相当分を差し引くのが妥当であると考えます。
○中村部会長
ほかはいかがでしょうか。
では、吉森委員お願いします。
○吉森委員
ありがとうございます。松本委員と同様に35ページについて、基本的にはやはり新薬創出等加算の対象外で、対象外である以上、比較薬の新薬創出等加算の累積加算額を控除して薬価算定を行うことは自然だと考えております。
したがって、類似薬効比較方式(II)で算定した医薬品について、企業側が前回主張されておりました。控除額に一定の上限措置を設けるというような必然性はないと考えておりますし、また、その類似薬効比較方式(I)で算定した医薬品についても、基本的には同様の取り扱いする方向で検討していくべきだと考えます。
一方で、資料等で提示されておりますが、価格差の拡大が課題である。その差がますます大きくなって、見直さなければならない状況だというのであれば、それはこの算定方式が仕組みとして限界で、この仕組みについて対症療法的に対応していくのではなくて、算定方式の考え方を根本から見直す必要があるのではないかとも考えます。
対症療法的にいろいろなことを繰り返しているうちに、余りにもこの制度が複雑化し、逆に妥当性、合理性を欠く結果になってしまうという懸念がありますので、やはり自然に対応して本当に課題があるならばどうするか、この方式でいいのかということを根本的に見直す方向で検討していくべきだと思います。
○中村部会長
ありがとうございます。
では、幸野委員お願いします。
○幸野委員
35ページの論点は、私も累積加算額を控除すべきだと考えています、前回の薬価制度改革で新薬創出等加算に企業区分が入りましたが、企業区分Ⅰの加算と企業区分Ⅱの加算は当然違うわけで、それを同じように新薬創出等加算に比較するというのは理屈上、全くおかしい話で制度の矛盾が出てきているので、企業要件も入っている新薬創出等加算分は除外して算定すべきというのが理屈としては正しいかと思います。
それで、今後どういう議論をしていくかというところですが、次の論点にあります「効能追加等による革新性・有用性の評価」という議論と、この新薬創出等加算を外すかどうかという議論はセットで考えていく必要があると思います。
現行制度においても、小児適用、希少疾病、真の臨床的有用性に係る加算というものがあって、これは収載後も加算がつけられるわけで、小児以外はこれを算定すると新薬創出等加算の対象になるというルールがあるわけですね。
それで、今回、有用性についても収載後に認められれば、評価をつけてもいいのではないかということが論点として掲げられていて、この部分が新薬創出等加算を収載時にどうするかというのと大きく関連すると思います。
もしポテンシャルの高い収載薬が出たとしたら、収載時は新薬創出等加算を除外してつけても、もしその後、効能追加で有用性加算に該当すれば、そのときに新薬創出等加算の対象になるわけですから、収載時に新薬創出等加算分を除外しても後で評価されることになりますので、新薬創出等加算の比較薬を収載時にどうするかという議論と、その次の効能追加による革新性・有用性を既収載品についてどうするかという議論はをセットで考えて結論を出していくべきではないかと思います。以上です。
○中村部会長
ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。
上出委員、お願いします。
○上出委員
ありがとうございます。今いろいろ御議論がございましたけれども、この類似薬効比較方式(I)と(II)の違いにつきましては本日の資料でも整理いただいているところでございますが、患者さんの状態に合わせて適切な薬剤選択を行うためには、同種同効薬の中で一定程度の選択肢は必要であるというような考え方から、3番手の品目までは類似薬効(I)というふうにされているものと理解をしております。
また、類似薬効比較方式の基本的な考え方は、当該新薬の薬価を効能効果や薬理作用が類似している既存薬の1日薬価に合わせるというのが基本ということでございますので、これらの点を考えれば、類似薬効比較方式(I)で算定される新薬創出等加算の新薬の薬価は、既存薬のその時点での1日薬価に合わせるのが自然ではないかと考えているところでございます。
また、先ほど幸野委員から効追の評価といったことについてコメントがございましたけれども、御指摘のように、きょうの資料でもございましたが、この類似薬効比較方式(I)で算定されました新薬の4割程度は効追をしているという事実がございます。
こういった新薬が仮に収載時に既存薬よりも低い薬価で算定されますと、そういった効追のインセンティブといった面でも影響が出る可能性もございますし、そもそも2番手、3番手の開発といったことにも影響がある可能性もございます。
そういったことも含めまして、この類似薬効比較方式(I)で算定されます新薬の薬価算定に当たりましては、加算は控除すべきではないのではないかと考える次第でございます。以上でございます。
○中村部会長
ほかはよろしいでしょうか。
では吉森委員お願いします。
○吉森委員
効能追加について、この論点の方向性は理解するものでありますし、臨床上、有用な新規の作用機序とか、既存治療と比べて高い有用性・安全性が客観的に示されるとか、品目の有用性に着目した真の臨床的有用性、これにかかわる加算は合わせて算定するという理解はいたします。しかし、ではこの算定した加算の評価基準、仕組み、これについては先ほども意見がありますが、新薬創出等加算の品目等々の要件設定等々も踏まえて、きちんと合理性、公平性、透明性を担保できるような補正加算、新薬収載時の補正加算と同等の評価ということではなくて、きちんと後で併算定する場合に、どうするのかという仕組みをやはり考えていかないといけないのではないかと思いますので、ここについて議論すべきだと思います。
○中村部会長
今の効能追加のほうは、また後で伺います。効能追加のほうに行く前に、24~35のほうで何か追加で御意見等ございますでしょうか。
それでは、この効能追加を含めた37ページ~45ページの「イノベーションの評価」ほうについて、御質問等、あるいは御意見等いただければと思います。
では、松本委員お願いします。
○松本委員
45ページ目の論点ですが、確かに新規収載時に比べて収載後の革新性・有用性の評価は限定的にはなっていますけれども、通常、効能追加によって市場拡大することを考えますと、新規収載時と全く同じ基準で評価するのは適当ではないと思います。
市販後の効能追加の評価に当たっては、新規作用機序による既存治療に対する有用性が客観的に示されている場合に限定するなど、慎重な検討が必要であると考えます。
また、開発に関するインセンティブと考えられる小児効能や希少疾病に係る効能追加に関する評価と、医薬品の臨床上の有用性に基づいた真の臨床的有用性の評価については、その趣旨は異なることから、併算定を認めても差し支えないのではないかと思います。
○中村部会長
ほかはいかがでしょうか。
では、今村委員お願いします。
○今村委員
ありがとうございます。ちょっと細かい点で事務局に御質問したいと思いますが、42ページに【薬価改定時の加算】ということで3つ目の(3)で「市販後に真の臨床的有用性が検証された既収載品」という項目がございますけれども、意味的にはこれは多分、新たな臨床的な有用性というような意味だと思うのですが、この「真の」と言っているものの何か客観的な基準があるのかどうか。どうであれば、真の有用性なのかというお考えなのか。
それに伴って、黒いポツが2つありますけれども、1つ目が「国際的に信頼できる学術雑誌への論文の掲載等を通じて公表されたもの」と、これはこれでいいのですが、その2つ目です。「ただし、その根拠となる調査成績が大学等の研究機関により得られたものである場合など」という文章なのですが、最後に「除く」と書いてあるので、この意味は大学研究機関のものでなければだめですということを言っているのか、大学研究機関などを除くと言っているのか、これは意味的によくわからないです。これも、説明をぜひ事務局にお願いしたいと思います。
○中村部会長
では、2点質問がありましたので、薬剤管理官お願いします。
○田宮薬剤管理官
御質問の件、薬価算定ルールにおける真の臨床的有用性という考え方でございますが、基本的な考え方としては、既に薬事承認を受けている効能効果に対して上市後に市販後臨床試験を行って、承認時には確認されていなかった、より直接的な臨床的有用性が確認されたものに対して加算を行うという考え方でございます。
具体的には、既存の事例がわかりやすいかと思うのですけれども、44コマ目にジャディアンス錠というものがございますけれども、この例で御説明しますと、これは血糖値の指標であるヘモグロビンA1cの値の推移等で有効性が薬事承認時に評価され、2型糖尿病の効能で承認されたものでございますが、一般に糖尿病につきましては全身の動脈硬化症が促進されて、それが心筋梗塞ですとか脳梗塞等の原因となることが知られておりますので、プラセボを対象とした市販後の臨床試験によって、これらの心血管系のイベント、心筋梗塞とか、そういったイベントの発症リスクの低減が統計学的に認められたという点について、評価しているというものでございます。
したがいまして、真の臨床的有用性というのは、承認時のように例えば効果の検証に時間がかかるなどの理由で代替の指標で評価されたというものではなくて、最終的に治療目標での有用性というか、直接的な臨床的有用性をイメージしたものというふうに御理解いただければと思います。
それから、42コマ目の(3)の2つ目のポツの趣旨でございますけれども、今、申し上げたように、市販後に大規模な臨床試験などをしっかりと製造販売業者が行ってエビデンスを出したということに対する評価ということなので、仮にその企業と直接関係のない大学などの研究機関が、自主的に研究費などを用いて大規模なスタディーをやったというような場合ですと、言ってみればその企業がエビデンスを出すために努力をしたということではないので、そういうものは評価の対象となりませんという趣旨で書いてあるものでございます。
○今村委員
ありがとうございました。2つ目については、よくわかりました。
1点目も実際の例を今お示しいただいたので、その薬事承認を得たときの有用性とはまた別の新たなという意味では非常によくわかったのですけれども、いわゆる客観的な基準みたいなものですね、今、心筋梗塞、糖尿病の薬であったんだけれども、心筋梗塞の発症を減らしましたというのは非常にわかりやすい例ですが、そういう何か客観的なこういうものであったらそれを認めますというようなものがあるのかどうか。それは、新たにどこかで議論をして、これだったら薬事承認のときよりもさらに新たな薬効があるというような議論のもとに決まることなのか。その辺で、基準があるのかどうかだけ教えていただければと思います。
○中村部会長
では、薬剤管理官お願いします。
○田宮薬剤管理官
今、私が説明した基本的な考え方に基づいた上で、品目は多種多様でございますので、個別の企業から薬価改定時にデータの提出などがあった際に、薬価算定組織の中で医学薬学の専門家が議論をして、その加算に値するかということを判断しているという状況でございます。
○今村委員
わかりました。ありがとうございます。
○中村部会長
ほかはいかがでしょうか。
では、幸野委員お願いします。
○幸野委員
45ページの論点ですが、先ほど申し上げたとおり、もし既収載品について再度評価するのであれば、やはり収載時に比較薬が新薬創出等加算を受けたものである場合は、加算分を除いて収載されるということが最低限の条件になると思います。
収載時に類似薬の新薬創出等加算分を含めて薬価が決まっているのであれば、ある程度、有用性についてはその時点で評価されているわけであって、評価されているものをさらに再度、効能追加等によって評価するということは、より高く評価することになるので、最低限、収載時に比較薬が新薬創出等加算の対象になっているものについては、それを除外するということが最低限の条件になると思います。
○中村部会長
ほかはいかがでしょうか。
では、有澤委員お願いします。
○有澤委員
ありがとうございます。45コマ目の論点でありますけれども、やはり小児効能の追加とか、希少疾病に係る効能追加、さらに真の臨床的有用性の検証、それぞれの加算はいずれも複数になるものは補正加算、3つの併算定ができないとなっておりますので、開発インセンティブ、あるいは物の有用性、さらには治療の質の向上ということから考えれば、十分にこれは併算定可能としていいと思います。
ただし、いたずらにその適用が広がるということではなくて、そのルールとか、その方法については、しっかりもとにつくった上で進めていただければと思います。
○中村部会長
ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。
では、宮近委員お願いします。
○宮近委員
効能追加等に関する革新性・有用性の評価に関する質問ですけれども、イノベーションを適正に評価していくということは、薬価制度を考える上で非常に重要だと思います。39ページの資料で「現在の薬価制度におけるイノベーション評価の俯瞰図」という一覧表が示されております。
その39ページの表で○×表示があるんですけれども、縦列の右から2番目の収載後のその薬価改定時の薬価への加算という項目で、希少疾病、それから「小児用の医薬品の開発」「世界に先駆けた日本での開発」という内容については○がついているのですが、その一方で、有用性、新規作用機序医薬品については×となっているわけですけれども、現在の薬価制度においてこうした区別になっている背景、過去の経緯がありましたら教えていただきたいです。以上、質問です。
○中村部会長
では、薬剤管理官お願いします。
○田宮薬剤管理官
宮近委員の御質問でございますけれども、過去の経緯から申しますと、新薬のイノベーションの評価というところは、基本的には新規収載時に有用性加算とか、画期性加算とか、そういった形の加算で評価するというのが基本的な当初の考え方だったと思っております。
それが途中から、例えばその後にオーファンの開発や小児用の医薬品の開発、世界に先駆けた日本での開発、それから市販後の真の臨床的有用性の検証がなされたような場合については、薬価改定時に評価してもいいのではないかという議論が中医協の中でもありまして、そこについて現時点では加算が可能な状況になってございます。
その結果、○になっているところはそういった形で評価することになっておりますけれども、最初の有用性の高い医薬品の開発とか、そういったところについてはこれまでは検討されてきていないという状況でございます。
○中村部会長
宮近委員、よろしいでしょうか。
○宮近委員
はい。
○中村部会長
ほかはいかがでしょうか。
では、上出委員お願いします。
○上出委員
ありがとうございます。効追の評価ということにつきましていろいろ御議論はございましたけれども、この件につきましては先般の業界の意見ヒアリングの中でも、こういったものを評価していただきたいということを申し上げたところでございます。
その趣旨は、これはもう既に議論されたところでございますけれども、現行の薬価制度では、仮に新規収載時であれば有用性加算が適用されるような効追を行った場合であっても、現在はそれが評価されないという現状があるというところでございます。
この新規収載時の加算の評価は御存じのとおり、その薬剤が臨床上有用な新規の作用機序を有しているか。もしくは、類似薬または既存治療に対して高い有効性、もしくは安全性を有することが客観的に示されているかどうか。また、その当該新薬の対象となる疾患、または負傷の治療方法の改善といったものが客観的に示されているか。
こういったことを厳しく評価して加算の評価がされるということでございますので、仮に効追の適用でこういった既存の治療に対して、明らかにこういったことが証明されなければ、それは加算の対象にはなり得ないというところでございますので、その辺のところも含めてぜひ今後御議論いただきたいと考えております。
また、先ほど真の臨床的有用性につきましても御議論がございました。現時点では、3品目がその対象になっているということでございますが、それ以外の場合にも薬価収載時には十分なエビデンスが得られていなかったために、有用性の評価を受けていない。そういった品目が、市販後にランダム比較試験ですとか、リアルワールドデーター等のエビデンス、こういったものの集積によって既存治療に対する高い有効性、安全性が客観的に示される場合もございますので、そういったものも含めてぜひ評価をいただきたいと考えております。以上でございます。
○中村部会長
では、幸野委員お願いします。
○幸野委員
専門委員にお伺いしたいのですが、収載時に比較薬が新薬創出等加算になっている場合、それを含まれて収載されるので、ある程度、その比較薬の有用性も含まれて薬価が決まっているということになるので、その段階で有用性というものは評価されていると考えているのですが、それは違いますか。
○中村部会長
では、上出委員お願いします。
○上出委員
おっしゃるとおりだと思います。あくまでも比較薬と同等の有用性というものがそこで評価されたということだと考えております。
○中村部会長
幸野委員、お願いします。
○幸野委員
それで、ある程度、その有用性というものが収載時に評価されていて、再度有用性を評価するというのは重複的に評価しているようなイメージなのですが、それは違いますか。
○中村部会長
上出委員、お願いします。
○上出委員
おっしゃっているのは、効追の評価でございますか。
これは、その効追が収載時にはその効能効果はなかったわけでございますので、今度はその効追について改めて既存の治療と比べて、先ほど申し上げましたような項目で有用性が勝っているか、そういった評価をしていただきたいということでございます。
ですので、収載時は比較薬と同等であったけれども、効追をすることによって、その効追の疾患領域では革新的な新薬という位置づけになる場合があるのではないか。そういう場合には、評価をいただきたいという意見でございます。
○中村部会長
よろしいでしょうか。ほかはいかがでしょうか。
ありがとうございました。では、ほかに質問等がないようでしたら、本件にかかる質疑はこのあたりにしたいと思います。
本日予定された議題は、以上になります。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますのでよろしくお願いいたします。
それでは、本日の薬価専門部会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 

 
 

(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会薬価専門部会)> 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第155回議事録(2019年9月11日)

ページの先頭へ戻る