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2018年11月14日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第147回議事録

○日時

平成30年11月14日(水)9:00~9:35

 

○場所

TKP市ヶ谷カンファレンスセンター大ホール(8階)

○出席者

中村洋部会長 野口晴子部会長代理 田辺国昭委員 関ふ佐子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 宮近清文委員
松本吉郎委員 今村聡委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
村井泰介専門委員 平野秀之専門委員 上出厚志専門委員
<事務局>
樽見保険局長 渡辺審議官 山本審議官 森光医療課長 古元医療課企画官
樋口保険医療企画調査室長 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○消費税引上げに伴う薬価改定に向けた論点整理について

○議事

 

○中村部会長
ただいまより第147回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告します。
本日は、全員が御出席です。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○中村部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
今回は、「消費税引上げに伴う薬価改定の論点整理案について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
お手元のファイルの薬-1をお開きください。本日の薬価専門部会では、消費税引上げに伴う薬価改定に向けた論点整理ということで資料を用意させていただいております。
2コマ目をごらんください。論点が幾つかございますが、まず1つ目の論点、「改定の趣旨について」でございます。先般の中医協におきましては、来年の薬価改定につきましては、来年10月に予定されている消費税の引上げに伴い必要となるものであって、通常の薬価改定とは異なる臨時的な改定であるということ。また、2020年4月には通常の診療報酬改定が控えており、当該改定に影響が出ないように十分留意すべきといった御意見があったところでございます。
これを踏まえまして、「対応の方向性」ということで論点をまとめておりますけれども、今回の改定は消費税率の引上げに伴い、適正な消費税の転嫁を行う観点から実勢価を踏まえ薬価改定を行うものであり、臨時的な改定であると考えるべきではないかということが1点。それから、2020年度の通常改定に影響が出ないように十分に留意しつつ、今回の改定の趣旨に沿った改定内容とすべきではないか、ということをまとめさせていただいております。
3コマ目をごらんください。2つ目の論点、「改定の時期について」でございます。先般の中医協におきましては、改定の時期について、実務的な実行可能性をよく見きわめた上で、2020年度の改定方法を含め検討すべき。また、消費税引き上げに関するさまざまな検討を進める中で、総合的に決定すべきものではないか、といった御意見。臨時的な改定との趣旨を踏まえれば、10月に実勢価改定を行うのが妥当といった御意見があった一方で、2019年度の薬価調査の前に一度改定を行った上で、実勢価を調査したほうが、2020年度の改定がより実勢価を反映したものになるのではないかといった御意見がございました。
これに対して、2019年度の4月や5月に改定を行って、さらに10月にも改定を行うことに反対であるといった御意見や、データ入替えや薬価交渉などの現場の実務的な負担も鑑みて、簡素な方法をとるべきではないかといった御意見があったところでございます。
あわせて、2020年度改定についても御意見がございました。できるだけ実勢価を反映した改定とすべきなので、どのようなことが可能か研究すべきといった御意見。また、実行可能な範囲で考えるべきであり、選択肢としては2019年度の薬価調査の結果を2020年度の改定に活かすことになるのではないか。また、複雑にせず、わかりやすい改定内容とすべき、といった御意見があったところでございます。
これらの意見を踏まえまして、4コマ目でございます。議論するに当たって、スケジュールのイメージを共有したほうがよろしいかと考え、資料を用意させていただきました。まず、(1)消費税引き上げと実勢価改定を同時に行う場合が上のほうです。(2)2019年の薬価調査前に実勢価改定を行う場合ということで、下のほうに図を描いてございます。
まず、2020年度の改定、通常改定をどのように行うのかということになりますが、いずれの図においても、2019年度の薬価調査のところから緑色の矢印が出て、2020年度の通常改定のところにつながっていると思いますけれども、いずれにしても2019年度の薬価調査の結果を用いて行うことになると考えているところでございます。
ただ、2019年度の薬価調査において把握する内容というのが(1)と(2)で異なっておりまして、(1)の場合ですと、2018年度通常改定時の薬価からの乖離を把握するということになりますし、一方、(2)の場合ですと、2019年度のところで、「○1実勢価改定」とありますが、一度実勢価改定を行うことになりますので、当該実勢価改定で定まった薬価からの乖離を把握して改定を行うことになるといった点で異なるというところかと思っております。
また、改定の回数で申しますと、(1)の場合ですと実勢価改定と消費税分上乗せの改定が1回目、それから2020年度の通常改定が2回目ということで、合計2回の改定。一方、下の(2)の場合ですと、2019年度に一度実勢価改定を行って、消費税引き上げの来年10月のタイミングで消費税分の上乗せの改定を行い、さらに2020年度に通常改定を行うという3回の改定になると考えております。
また、消費税分上乗せ後の実勢価の動向を実務上反映できないという点では、(1)(2)とも同様であると考えております。この点につきましては、これまでの通常改定においても、改定前年度の薬価調査で把握した実勢価をもとにしておりまして、薬価調査後の実勢価の動向は実務上改定に反映できていないというところでございます。
5ページ目に行っていただきまして、こうした整理や、それから先般の中医協での意見を踏まえまして、「対応の方向性」ということで書かせていただいております。改定の時期につきましては、最終的には政府の予算編成過程で定まることになると考えておりますけれども、中医協としては当面実勢価改定と消費税引上げ相当分の転嫁を同時に行うことが自然であるとの認識のもと、必要な改定ルールの適用等を検討していくこととしてはどうかということでございます。
この上で、実勢価改定と消費税引上げ相当分の転嫁が同時に行われない場合には、異なる対応が必要な事項について、改定の時期が定まった際に速やかに必要な検討、修正等を行うこととしてはどうかと考えているところでございます。
6コマ目、「改定の算定式について」でございます。ここの「対応の方向性」ですけれども、先般の中医協での指摘も踏まえまして、改定の算定式については平成26年度改定の取り扱いに準じて対応することとしてはどうかと書かせていただいております。
なお、実勢価改定と消費税の引上げ相当分の転嫁を同時に行う場合以外の場合には、平成26年度改定の取扱いをベースに必要な修正を加えることとしてはどうか、とまとめさせていただいております。
7コマ目でございます。4つ目の論点、「改定の際のルールの適用について」でございます。先般の中医協におきましては、改定の趣旨に鑑み、実勢価改定の影響を補正するルールは適用し、それ以外は通常改定時に行うことが適当ではないかといった御意見。また、各ルールの適用に当たっては、平成30年度改定時点の状況を継続することが基本で、対象品目の入替えなどは通常の改定の際に行うべきである。ただし、要件を外れた品目の取り扱いは検討すべきといった御意見。また、医薬品の安定供給への配慮に関する御意見があったほか、改定の時期が明らかになった上で議論する必要があるのではないかといった御意見があったところでございます。
そこで、「対応の方向性」でございますけれども、まず、実勢価を踏まえて行うこととなる後発品等の価格帯の集約及び実勢価改定と連動し、その影響を補正する基礎的医薬品並びに最低薬価のルールについては、来年の改定時に適用することとしてはどうかということでございます。
なお、新薬創出等加算については後ほど述べさせていただきます。
また、適用する各算定ルールにおける対象品目等につきましては、要件を外れたことが明らかなものを除き、平成30年度改定の状態を継続することを基本としてはどうかということで書かせていただいております。
8コマ目、新薬創出等加算に関してでございます。中医協での指摘、1つ目のポツは既に御紹介したものでございますが、あわせて新薬創出等加算に関して累積額の控除も実施すべきではないかといった御意見がございました。これに対して、累積額の控除は実勢価改定というよりは政策的な措置であって、今回の改定の趣旨と異なるのではないか。また、企業の予見性の観点からも問題があるのではないか、といった御意見。また、制度の趣旨から、本来であれば2020年の通常改定まで薬価が引き下がらないと考えるといった御意見があったところでございます。
これを踏まえまして「対応の方向性」でございますが、まず、新薬創出等加算の加算につきましては、実勢価改定の影響を補正するものであり、実施することとしてはどうかということが1点目でございます。また、平成30年度改定以降に後発医薬品が収載されるなどして対象から外れた品目については、同加算の対象としないこととしてはどうか。なお、累積額の控除については、実勢価から追加的に薬価を引き下げる仕組みであり、2020年度の通常改定で実施することとしてはどうか、ということで書かせていただいております。要は、加算は適用しない、一方、累積額の控除も適用しないということですので、実勢価改定のみを行うという趣旨でございます。
9コマ目でございます。新薬創出等加算につきまして、企業区分というものがございます。この企業区分につきましては、まず平成30年度改定時点のものを継続してはどうかということが1点目。また、企業区分が定められていない場合、これは具体的には30年度改定以降に初めて新薬創出等加算の対象品目が収載された企業が幾つかございますので、こういった企業につきましては、企業指標点数を算出し、平成30年度改定の際の分類の絶対値と比較して暫定的に判断することとしてはどうかということでございます。
この企業指標点数につきましては、11ページ目をごらんいただきますと、企業指標ということでA-1からCまでの各項目について、何ポイントに該当するかということで、ポイントを計算するという形にしておりまして、先般の改定では、右側にございますように相対評価で、上位25%であれば加算係数を1.0、最低点数は0.8、それ以外を0.9という形で取り扱っています。あと、医療系ベンチャーの取り扱いについては、企業区分IIとしたところでございます。
新しい企業についてはこうした点数化で点数を算出した上で、9ページ目にまたお戻りいただきたいと思いますけれども、このイメージ図の右側にある新規企業が、例えば平成30年度改定時の区分の中の、分布が真ん中に描いてございますけれども、この場合の何点に相当するのか。例えば、最低点数であるY点と区分Iに該当するX点、その間の点数になるということであれば区分IIを適用する、こういったことを暫定的に判断することとしてはどうかということでございます。同じ図で左側にございますとおり、既存企業が例えば平成30年度改定時に区分Iということであれば、この区分を継続してはどうかという趣旨でございます。
12ページ目、基礎的医薬品、最低薬価等につきまして、中医協での指摘は既に御紹介させていただいたものでございます。「対応の方向性」でございますが、平成30年度改定の際に基礎的医薬品とされた品目については、引き続きルールを適用することとしてはどうかということでございます。ただし、基礎的医薬品のルールの中で個別品目に係る乖離率の要件というのがございます。具体的には、全ての既収載品の平均乖離率以下のものを対象とするというものでございますが、この要件を満たさない品目については対象から外すこととしてはどうかということでございます。また、最低薬価につきましては、平成26年度改定の消費税率変更に伴う取扱いに準じて、消費税引き上げ分の上乗せを反映する改定をしてはどうかということでございます。
14コマ目、「その他」としまして、薬価算定基準の中で再算定の対象品の選定などの「薬価改定」を区切りとして品目を選定するような規定がございます。これにつきましては、今回は臨時的な改定であるという趣旨を踏まえまして、来年度に実施する消費税引上げに伴う薬価改定を、これらでいう「薬価改定」には含めないこととしてはどうかということで、論点を整理させていただいたところでございます。
以下は参考資料になりますので、説明は以上でございます。
○中村部会長
ありがとうございました。
ただいまの説明を踏まえ、前半と後半に分けて論点ごとに協議を行いたいと思います。まず、前半のほうですけれども、2ページ目の改定の趣旨、3ページから5ページ目の改定の時期、6ページの改定の算定式、この3点について御質問あるいは御意見等がありましたら、どうぞ。
では、松本委員、お願いします。
○松本委員
論点1~3のところでございますけれども、改定の趣旨、時期、算定方法につきまして、前回、各論点については意見を申し上げました。現場の負担を避けるという観点からも、いずれも今回示された対応の方向でよいと考えます。
強いて繰り返すことになりますけれども、消費税引上げと実勢価改定を同時に行うということが最も自然であり、それに伴った対応でよいと考えます。
以上です。
○中村部会長
ほかはいかがでしょうか。
では、幸野委員、お願いします。
○幸野委員
改定の時期についてですが、前回の専門部会において、臨時的な改定なので10月に同時実施すべきだという意見が大勢を占めていて、私だけが実勢価を精緻に把握するために4月に実施すべきだということで反対しましたが、5ページに最終的には政府の予算編成過程で決まることになるけれども、中医協としては消費税に伴う引上げと実勢価改定を同時に実施するのが自然ではないかということでまとめられています。大勢の方がこの考え方ということですので私の考え方もありますが、最終的には事務局案に了承したいと思います。ただ、どうしても腑に落ちない部分があるので、そこだけちょっと確認をさせていだたきたいと思います。
2018年の薬価調査が現在行われていますが、例えば今回の薬価調査で、今まで100円であった薬価がこの薬価調査によって95円の実勢価になったと把握したとします。来年の4月に95円に実勢価改定を行った場合と、行わずに95円の実勢価であると知りつつも100円の公定価格を維持した場合、その後の実勢価がどういうふうに推移していくのか、どちらが精緻なやり方なのかということについて事務局の意見をお聞きしたいのと、4月に行う場合は国民の負担も軽減されるという利点があるにもかかわらず、これを実施しないことについての考えをまずお聞きしたいと思います。
○中村部会長
では、薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
今の幸野委員からの御指摘でございますけれども、前回も国民の負担という御発言があったかと思っております。
それで、4ページ目のスライドをごらんいただきたいと思うのですけれども、御質問の趣旨は、(1)の改定の場合と(2)の改定の場合にどのように薬価が推移していくのかということかと思っております。また、国民の負担ということでいいますと、2020年度の改定後の薬価がどの程度の水準になるのか、(1)と(2)でどう変わり得るのかといったところの御質問かと理解いたしました。
この点につきましては、実際、(1)、(2)のいずれにおいても2度薬価調査を行うこととしております。つまり、今年度既に実施した薬価調査における薬価からの価格乖離がどれくらいか、あるいは来年度2019年度の薬価調査で基となっている薬価に対する価格乖離がどのようになるかということの前提として、いろいろな数字が可能性としてあるわけですけれども、私どもでいろいろな前提を置いた上で試算した限りでは、(1)の場合と(2)の場合でどちらが2020年度の薬価が下がるかといったところについてはケース・バイ・ケースでございまして、正直なところ、乖離率が今年度、それから来年度の薬価調査でどういうふうになるかによって、なかなか予測することが難しいといった状況だと理解しているところでございます。
○中村部会長
幸野委員、よろしいですか。どうぞ、お願いします。
○幸野委員
どうなるかわからないということですが、今までの薬価の推移を見ていますと、実勢価改定ごとに薬価というのは必ず下がるわけですよね。そうであれば、4月に実勢価改定を行ったほうが下がり率はより大きいのではないかというのが私の考え方ですけれども、それは間違っていますか。
○田宮薬剤管理官
4月にどのような改定を行うのかにもよると思うのですけれども、例えば来年の4月に改定を行った場合ですと、今年の薬価調査もそうなのですけれども、通常改定後半年程度経った時点での価格乖離を把握するということになります。そうすると、通常、1年半ほどかけて妥結していき、実勢価もどんどん下がっていく中で、そこまで下がり切らない、乖離率がそれほど大きくないといったような形で調査が上がってくる可能性がございます。
そういった要因も考えますと、例えば(1)の場合ですと、来年度の薬価調査というのは通常どおり改定後1年半程度経た後の価格乖離を把握するということになりますので、(1)と(2)でいずれの場合に薬価がどう下がるのかといったところはなかなか予測しづらいですし、その前提によってはどちらが低いかというのは変わり得ると考えているところでございます。
○中村部会長
幸野委員、お願いします。
○幸野委員
わかりました。これをここで言い合っていてもしようがないので、私は了承いたしますが、いずれにしても2020年度の通常改定に向けては、2019年9月の薬価調査の後の翌月の10月に消費税が引き上がるので、特別なルールをつくらなければいけないということはもう決まっております。この特別なルールをつくるに当たっては、2018年に行った薬価調査で乖離率を把握していたにもかかわらず薬価を据え置いたということと、2018年と2019年の薬価調査をうまく組み合わせる等、乖離率を据え置いた影響等を十分に加味したルールを設定していただきたいと要望いたします。
以上です。
○中村部会長
薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
御指摘のとおり、2020年度の薬価改定のときの例えば算定式という観点で言うと、通常の実勢価改定とは異なる形になりますので、そこは趣旨を踏まえた形で調整するのだと思います。一点だけ付言させていただきますと、今年度の薬価調査を行い、価格乖離を把握したにもかかわらず来年の4月に改定しない、というような御発言がございましたけれども、今般の薬価調査というのはあくまで消費税引上げの上乗せのために実勢価を把握するという趣旨で行っているところですので、そういった観点も重要ではないかと思っているところでございます。
○中村部会長
ほかはいかがでしょうか。
吉森委員、お願いします。
○吉森委員
ありがとうございます。
改定の趣旨でございますけれども、まずは今回の改定は通常改定ではない、あくまで臨時的な対応であるという改定の趣旨の位置づけを明確に決定するのであれば、これから議論しますけれども、この後のいろいろなルールについてもその前提であればいろいろ議論できるのではないかと思いますので、この趣旨をまずは明確にしておきたいと思います。これは賛成するところであります。
もう一点ここで確認をしておきたいのですけれども、今、幸野委員からもいろいろ議論がありましたけれども、3ページの改定の時期について、2つ目の○の「2020年度改定について」、これは今新たなルールをとか、算定式をという事務局のお考えを披露いただきましたけれども、●の最初にも、これは前回私が申し上げたのですけれども、どのようなことで消費税の上乗せ部分を反映した実勢価を反映できるのか研究をということでありますが、この「研究すべき」というところについて、事務局としては何か検討なさっているのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
この結果、方法論が特になく、難しいのだという結論で、今回4ページの対応方法には2020年については特に触れられていないのですけれども、この辺についてどうお考えなのかということでございます。現在まだ検討中であるというのなら、それで結構なのですが、そういう回答をいただければありがたいのです。もし、これが全く手がない、4ページの対応でも反映の方法としては2020年度については全くできないのだという表になっていますが、これについては2020年の秋に薬価調査をするわけでございますし、消費税影響を踏まえた実勢価の動向というのが2021年度の毎年改定のところに反映される、つまり、消費税の上乗せ実勢価の部分については、2020年ではなく2021年度から反映される、1年ずれると考えられるわけで、1年半ほどずれるわけでございます。このずれる評価を中医協としてはどう評価するのか。ずれていいのか、悪いのか。それはそうなのだという、ここの評価を明確にしておく必要があるのではないかと考えていますが、この点についても考えをお聞かせいただければと思います。
○中村部会長
では、薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
吉森委員からの御指摘でございますが、先般、消費税上乗せをした後の実勢価の把握を2020年度の薬価改定に反映するために何か工夫ができないのかといった御趣旨の御発言だったと思っております。
4枚目のスライドをごらんいただきたいと思うのですが、結論から申しますと、(1)、(2)いずれの改定方法におきましても、2019年12月の予算編成のタイミングを考えますと、2020年度改定に向けて2019年10月の改定直後の動きを調査するというのは現実的には困難であると考えております。また、消費税上乗せによる改定の後に薬価調査を行ったとしても、実態としては価格交渉が進んでおらず、適切な実勢価を把握することは困難なのではないかとも考えております。そういったことを踏まえますと、来年10月の消費税上乗せ後の薬価の実勢価を2020年度の薬価改定に反映することは難しいと考えているところでございます。
一方、吉森委員からも御指摘がございましたとおり、翌2021年度からは毎年薬価調査、薬価改定が行われるということになっております。そこの中では、もちろん薬価改定の対象範囲については今後の議論ということではございますけれども、来年10月の消費税引上げによる改定及び2020年4月の通常改定を行った後の実勢価につきましては、例年と比べますと、これまでよりも早いタイミングでの2020年度の薬価調査で把握して、それを踏まえて2021年度の改定に反映していくことができるのではないかと考えているところでございます。
○中村部会長
吉森委員、お願いします。
○吉森委員
お考えはわかりました。それでいいかどうかというのは、別途、ここで議論するという理解でよろしいでしょうか。
○中村部会長
薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
今回の消費税引上げに伴う改定の時期と連動して、そういった問題意識について御発言がございましたので、その点についてこの場で御議論いただければと思います。
○中村部会長
ほかはよろしいでしょうか。
では、後半部分になりますけれども、次に7ページから13ページの改定の際のルールの適用、14ページのその他につきまして、御質問、御意見等ありましたら、どうぞお願いします。
では、松本委員、お願いします。
○松本委員
論点4の「改定の際のルールの適用について」、論点5の「その他」のところでございますけれども、これも今回提示された「対応の方向性」でよいと考えます。
以上です。
○中村部会長
そのほか、いかがでしょうか。
では、幸野委員、お願いします。
○幸野委員
もうこの期に及んで反対はいたしませんが、矛盾を感じるところがあるので確認させていただきたいのですが、8ページの新薬創出等加算について、新薬創出等加算の加算部分は実施する一方で、累積額の控除は行わないというまとめになっているのですが、私の理解としては、新薬創出等加算というのはイノベーション等々を評価したものに対しては、本来は乖離率によって引下げが行われるべきものを、加算をして薬価を維持していくという政策的なものだと考えております。15年たって後発医薬品が出ると、累積額を全て控除するという、これも政策的なものだと思っていて、加算部分と累積額の控除、あるいはZ2なんかは一体化した薬価の仕組みだと考えていて、加算部分と累積額の控除で財政的に中立的な考え方でやられてきたと理解しているのですが、今回、加算はするけれども、累積額の控除は実施しないという考え方は矛盾があるのではないかと思っています。
15年たって後発医薬品が出ると、もうそれは新薬創出等加算の対象からは除外されていることになるので、消費税というのは真の価値につけるべきものであって、いかに臨時的な改定であっても、加算から外れたものはやはり一体的に控除すべきではないか。今回、基礎的医薬品も平均乖離率から外れたものは除外するとなっておりますが、同じ政策的な考え方にもかかわらず、加算のみ実施して累積額の控除は実施しないという考え方は矛盾しているのではないかと思うのですが、事務局としての考えをお聞きしたいと思います。
○中村部会長
薬剤管理官、お願いします。
○田宮薬剤管理官
今、幸野委員から御指摘のあった部分でございますけれども、今般の考え方は、消費税引上げに伴う改定につきまして、あくまで臨時的な改定であるということを原則とした上で、基本的には実勢価を踏まえた改定を行うというのが基本であろうと思っているところでございます。
ただ、実勢価による引下げといったものと連動して、その影響を補正するルールというものが幾つかございますので、それについては消費税改定が行われるからといって通常の改定のときに補正をしているルールを適用しないのはバランスを欠くということで、非常に限定的に今回基礎的医薬品、最低薬価、新薬創出等加算などについて適用することとしてはどうかということを提案させていただいているものでございます。
一方、加算の今までの累積額の控除のところでございますけれども、控除をどのタイミングでやるかということの考え方かと思っております。今般の消費税改定に伴う臨時的な改定のときにやるのかということを考えますと、通常の2年に1回の改定の際に控除を行うということで、政策的な意義としては何ら失われるということではないのではないかと思っております。むしろ消費税改定で新薬創出等加算の加算をしないということになりますと、薬価が1回下がってしまいますので、そこは逆に適用しないことで政策的意義が失われてしまうといったような側面もあるのではないかと思っているところでございます。
○中村部会長
よろしいでしょうか。
ほかはいかがでしょうか。
ありがとうございました。それでは、この議題につきましてはここまでとさせていただきます。
本日の議論を踏まえまして、次回は業界団体から本件に関する意見聴取を行いたいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○中村部会長
ありがとうございます。
それでは、次回は業界団体の意見聴取の場を設けたいと思います。
本日予定された議題は以上になります。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の薬価専門部会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
準備が整いましたら、続きまして保険医療材料専門部会を開催いたします。よろしくお願いいたします。
 

 

(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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