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2023年12月13日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会・費用対効果評価専門部会 合同部会 第5回議事録
○日時
令和5年12月13日(水)8:30~
○場所
日比谷国際ビル コンファレンススクエア8F
○出席者
安川文朗部会長 小塩隆士委員 飯塚敏晃委員 笠木映里委員 本田文子委員 |
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 鈴木順三委員 |
長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 太田圭洋委員 林正純委員 森昌平委員 |
石牟禮武志専門委員 藤原尚也専門委員 守田恭彦専門委員 前田桂専門委員 荒川隆治専門委員 |
<参考人> |
福田敬参考人 池田俊也参考人 |
<事務局> |
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長 |
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他 |
○議題
○レケンビに対する費用対効果評価に係る検討(案)
○レケンビに対する費用対効果評価(案)について
○議事
○安川部会長
おはようございます。ただいまより、第5回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 費用対効果評価専門部会 合同部会」を開催いたします。
本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について報告します。
本日は末松委員が御欠席です。
また、今回は参考人として、福田参考人と池田参考人が参加をいただいております。
それでは、早速、議事に入らせていただきます。
今回は「レケンビに対する費用対効果評価に係る検討(案)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
事務局、医療技術評価推進室長でございます。
「レケンビに対する費用対効果評価に係る検討(案)」としまして、資料薬費-1を用いて御説明させていただきます。
2ページ目を御覧ください。
10月4日の費用対効果評価専門部会で、レケンビに対する費用対効果評価については、合同部会で議論を進めることとなりました。
3ページ目、制度見直しの議論の中におきましても、レケンビに関しては、価格調整範囲の見直し及び介護費用の取扱いについて、これまで御議論をいただいたところでございます。
4ページから、まずは「価格調整の対象範囲のあり方について」でございます。
5ページから6ページにかけまして、専門部会及び合同部会でいただいた御意見をまとめております。
6ページにございますように、価格調整範囲については、費用対効果評価の仕組みをより有効に活用することで、費用対効果評価制度そのものの費用対効果を高めるという意味においても、非常に重要な論点であるという御意見をいただいているところでございます。
7ページから10ページにかけましては、業界からの意見陳述資料を提示しております。
価格調整範囲に関しましては、現行の対象範囲を維持するべきとの御意見をいただいているところでございます。
続きまして、11ページ目からは、次の項目であります「介護費用の取扱いについて」です。
まず、これまでの議論をまとめております。
12ページと13ページに、介護費用の取扱いについて、専門部会及び合同部会のこれまでの議論を載せております。
13ページには、合同部会における議論において、介護費用の推計についてなど、まだ研究を進めるべき技術的な課題も多くあり、引き続き研究を進めるべきではないかという御意見や、どのような方法で分析ができるのか、検討を進めるべきではないかといった御意見をいただいているところでございます。
14ページには、国立保健医療科学院の福田先生に御発表いただきました内容を掲示しておりまして、介護費用の取扱いについて、学術的な課題があるという内容を再掲しております。
続いて、15ページには、京都大学の加藤先生に御発表いただいた内容を御提示しておりまして、NDBと介護DBの連結データを費用対効果評価に用いることは不可能ではないという御意見をいただいているところでございます。
16ページは、これまでの議論を踏まえて、協会からの介護費用等も含めた分析結果の活用について、検討すべきとの御意見を再掲しております。
以上、今までの御説明を踏まえまして、17ページから、レケンビにおける特例的な対応の現状、課題、論点をまとめております。
18ページを御覧ください。
レケンビにおける特例的な対応について、まず、18ページの上段で現状と課題をまとめております。
それを受けました論点について御説明いたします。
論点でございますが、これまでの議論を踏まえ、レケンビの費用対効果評価においては、価格調整の対象範囲、介護費用の取扱いについて、特例的に対応することとしてはどうか。
レケンビに係る特例的な対応において、価格調整範囲を見直した新たな価格調整の方法は、具体的には次ページのようにしてはどうか。後ほど、御説明いたします。
また、現行のルールを踏まえ、価格が引上げとなる場合には、価格調整後の価格の上限は、価格全体の110%(調整額が価格全体の10%以下)、価格が引下げとなる場合には、調整後の価格の下限は、価格全体の85%(調整額が価格全体の15%以下)としてはどうか。
レケンビに係る特例的な対応において、介護費用の取扱いについては、具体的には以下のような取扱いとしてはどうか。
製造販売業者が、費用対効果評価の品目指定時に介護費用を分析に含めることを希望した場合には「中央社会保険医療協議会における費用対効果評価の分析ガイドライン」に則って、分析を行う。
介護費用を分析に含めた場合と含めない場合について、製造販売業者が提出する分析を元に公的分析が検証、再分析を行った上で、専門組織で検討し、介護費用を含めた場合と含めない場合の総合評価案を策定する。その後、中央社会保険医療協議会総会で議論し、費用対効果評価の結果を決定するとしております。
次の19ページに「レケンビにおける特例的な対応としての価格調整方法(案)」についてお示ししております。
まず、我が国における薬価制度及び材料価格制度を補完するという制度趣旨。
また、薬価調整に関する透明性を確保するという観点。
諸外国において、ICERが目標の閾値となる価格を参考に価格調整が行われていること。
現行の価格調整方法は、ICERが一定の幅をもって評価された場合にも対応できる方法となっていることから、費用対効果が閾値となる価格を参考に、調整率(25%)を踏まえ、現行価格から価格を調整し、見直し後価格を設定する案を提示しております。
具体的には、費用対効果評価の結果、ICERが500万円/QALYとなる価格と見直し前の価格の差額を算出し、差額の25%を調整額とする。
ICERが500万円/QALYとなる価格が見直し前の価格より高い場合は、見直し前の価格に調整額を加えたものを調整後の価格とする。価格調整後の価格の上限は、価格全体の110%(調整額が価格全体の10%以下)とする。
ICERが500万円/QALYとなる価格が見直し前の価格より低い場合は、見直し前の価格から調整額を減じたものを調整後の価格とする。調整後の価格の下限は、価格全体の85%(調整額が価格全体の15%以下)とする。
引上げの条件については、現行の規定を適用するとさせていただいております。
事務局からの御説明は以上となります。
○安川部会長
ありがとうございました。
では、ただいまの説明について、御質問等ございましたら、お願いいたします。
では、長島委員、お願いします。
○長島委員
ありがとうございます。
資料薬費-1、18ページの論点についてコメントします。
レケンビについては、他の薬剤とは異なり、市場規模が大きくなる可能性も否定できないことや、介護費用の軽減に関する検討が求められていることなどを踏まえますと、費用対効果評価の扱いについて、個別に検討する必要があると考えます。
その上で、企業の予見可能性を確保するという意味でも、現行制度を参考に、一定程度の上げ止め、下げ止めを設定することも理解できるところではあります。
また、介護費用の分析についても、まずは専門組織で検討し、その後、中医協総会で議論、決定するというプロセスについても議論ありません。
私からは以上です。
○安川部会長
ほかにいかがでしょうか。
では、森委員、お手が挙がっております。森委員、お願いいたします。
○森委員
事務局におかれましては、これまでの議論を踏まえ、取りまとめいただき、ありがとうございました。
これまでの意見を踏まえ、取りまとめられたものと理解しておりますので、論点に示されている内容に、おおむね異論はありません。
その上で、介護費用の取扱いについては、今後の費用対効果評価に大きな影響を与える可能性がありますので、当該企業には、新たな価値が正しく評価されるよう、引き続き費用対効果評価におけるデータの提示などに御協力をお願いできればと思います。
私からは以上です。
○安川部会長
ありがとうございます。
ほかに御質問は、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
ありがとうございます。
資料の18ページ、19ページの内容に異論はございません。
その上で2点コメントいたします。
まず、価格調整の方法につきましてでございますが、以前から諸外国の例を参考にして、閾値と等しくなる価格を目安にしてはどうかということを申し上げており、今回のレケンビに関する特例的な対応案は残念ながら期待した内容に及んでおりませんけども、従来の加算を調整するという考え方とは異なり、閾値を指標として調整するということで重要な前進だと考えております。
また、介護費用の取り扱いにつきましては、技術的、学術的な課題があるということで、評価が可能かどうか検討することも必要だと認識しております。したがいまして、介護費用を含める場合と含めない場合の両方の結果を出していただくことで進めていただきたいと思います。ただ、共通ルールとして介護費用を考慮するかどうかは、再三申し上げている通り、制度上の問題等、根源的な議論も必要だと考えております。
研究自体を否定するものではありませんので、まずはレケンビに限ることを前提として、専門家の先生方と連携しながら作業を進めていただきたいと思います。
私からは以上でございます。
○安川部会長
ありがとうございました。
ほかに御質問等ございますでしょうか。
鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
ありがとうございます。
レケンビにつきまして、18ページから19ページにあるような特例的な対応を行うことについては、異論ございません。
こちらの薬については、アルツハイマー型認知症に対する新薬であり、国民の期待も大きい一方で、その効能や副作用については、引き続き注視していく必要があると考えております。
今後の高額医薬品をめぐる対応を考える上でも、今回御提案いただいた試み及びその検証に積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
以上です。
○安川部会長
ありがとうございました。
ほかには、よろしいでしょうか。
では、飯塚委員、お願いします。
○飯塚委員
ありがとうございます。
今回御提出いただいています資料に、例えば、9ページ、10ページに、様々な業界の意見というのがございました。
こちらについては、いまだ、まだ宿題といいますか、十分検討されていないということになるかと思いますので、こういう観点について、今回の特例的な対応で、どのような問題が生じ得るのか、生じ得ないのかということも御検討いただければと思います。
以上です。
○安川部会長
ありがとうございます。
ほかには、よろしいでしょうか。
では、ほかに御質問がないようでしたら、本件の質疑はこのあたりにいたします。
続きまして「レケンビに対する費用対効果評価(案)について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
事務局、医療技術評価推進室長でございます。
資料薬費-2を用いて御説明させていただきます。先ほど薬費-1で御議論いただいた内容と重複する内容が含まれておりますので、その部分につきましては、説明を割愛させていただきたいと考えております。
まず、レケンビに対する費用対効果評価についてのまとめとして記載しておりますが、読み上げさせていただきます。
レケンビ点滴静注200mg及び同500mg(レカネマブ(遺伝子組換え)製剤)の薬価収載に当たっては、本剤が令和4年度薬価制度改革の骨子(令和3年12月22日中医協了解)の「4.高額医薬品に対する対応」における高額医薬品に該当する品目であることから、薬価算定の手続に先立ち、中医協において薬価算定方法等の検討を行った。
本剤の費用対効果評価については、認知症に対する治療薬であり、介護費用の軽減に資する可能性があること、市場規模が大きくなる可能性があることから、既存のルールを基本としつつ、費用対効果評価をより活用するため、特例的な対応を行うことが適切である。そのような観点で、本剤に対する費用対効果評価については、以下のとおり取り扱うこととする。
「1.価格調整範囲に係る対応」については、費用対効果を、より活用していく観点から、有用性系加算等を価格調整範囲とする現行の方法ではなく、以下の方法で価格調整を行うとしております。
(1)価格調整の方法及び(2)調整後の価格の上限、下限については、先ほど薬費-1で御説明した内容を記載しているところでございますので、割愛させていただきます。
また、次のページの2でございますが「介護費用の取扱いに係る対応」についても、先ほど薬費-1で説明し、御議論いただいた内容を、そちらのほうに記載しておりますので、詳細の説明につきましては、割愛をさせていただければと思っております。
事務局の説明は、簡単でございますが、以上となります。
○安川部会長
ありがとうございました。
今、2件に関して御説明いただきましたが、これまでの事務局の説明に関しまして、改めて御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。
よろしいでしょうか。
それでは、御質問、御意見等をないようですので、本件に関する質疑はこのあたりといたしまして、この後の総会に御報告させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○安川部会長
ありがとうございます。
それでは、そのようにさせていただきます。
本日の議題は以上です。
それでは、本日の合同部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
<照会先>
保険局医療課企画法令第1係
代表: | 03-5253-1111(内線)3288 |
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