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2023年11月15日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会・費用対効果評価専門部会 合同部会 第4回議事録

○日時

令和5年11月15日(水)8:30~

 

○場所

日比谷国際ビル コンファレンススクエア8F

○出席者

安川文朗部会長 小塩隆士委員 飯塚敏晃委員 本田文子委員
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 佐保昌一委員 高町晃司委員 眞田亨委員 鈴木順三委員
長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 太田圭洋委員 林正純委員 森昌平委員
石牟禮武志専門委員 藤原尚也専門委員 守田恭彦専門委員 前田桂専門委員 荒川隆治専門委員
<参考人>
福田敬参考人 池田俊也参考人
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他

○議題

○高額医薬品(認知症薬)に対する対応について

○議事

 

○安川部会長
 おはようございます。ただいまより、第4回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会・費用対効果評価専門部会 合同部会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、本日の委員の出欠状況について報告します。
 本日は末松委員、笠木委員が御欠席です。
 また、今回は参考人として、福田参考人と池田参考人に参加をいただいております。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 今回は「高額医薬品(認知症薬)に対する対応について」を議題といたし、これまでの議論を踏まえ、取りまとめをいたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 資料薬費-1を御覧ください。
 これまでの議論を踏まえて、レケンビ点滴静注の薬価算定方法等の対応についてまとめました。
 まず、最初に取りまとめの位置づけを記載しております。最初のパラグラフは、レケンビ点滴静注が高額医薬品に該当する品目であることから、薬価算定の手続に先立ち、中医協において薬価算定方法等の検討を行ったこと、次のパラグラフでは、特例的な対応を取ることの必要性をまとめております。
 次に、具体的な対応として、まずは「1.薬価収載時の対応」です。
 「(1)算定方法及び薬価算定にあたり用いるデータ」について、1つ目の○は、本剤は通常どおりの算定方法で行うこと。中医協総会では、算定に当たっての考え方を説明すること、としています。
 2つ目の○は、介護費用の扱いですが、費用対効果評価の枠組みで検討することにしているので後述いたします。
 次に「(2)保険適用上の留意事項」です。
 1つ目の○は、本剤は適切な患者選択や投与判断、ARIAという重篤な副作用発現の際の迅速な安全対策等を確保するため、最適使用推進ガイドラインを定めることとしており、同ガイドラインに基づき、必要な内容を留意事項通知で明示するという通常の手続を記載しております。
 2ページ目の囲みは、当初の議論から最適使用推進ガイドラインを定めることを示していましたが、具体的な要件の概要をここで示しております。
 投与開始時の患者要件、医師・施設要件、投与開始後の継続の判断等に関してまとめております。
 次に「2.薬価収載後の対応」です。
 「(1)市場拡大再算定」について、最初の〇は、通常どおり市場拡大再算定や、四半期再算定を行うことを記載しています。
 2つ目の○はただし書きで、使用実態の変化等が生じた場合において、速やかに中医協総会に報告の上、改めて本剤の薬価・価格調整に関する対応の必要性について検討することとしております。
 3ページ目の中ほどに、想定される使用実態の変化等の例示を示しております。
 また、中医協総会に報告する時期については、上記の変化等により本剤の薬価・価格調整に関する検討が必要と認められるときのほか、収載から18か月、36か月が経過したとき、あるいは以下の4.に基づき、必要性が示されたときに該当するものとして列挙しております。
 「(2)費用対効果評価」につきましては、1つ目の〇で費用対効果評価における介護費用の取扱いを議論してきたこと、2つ目の○で、価格調整の在り方については、制度全体の見直しの中で議論してきたことに加え、本剤における価格調整範囲の在り方も議論してきたことを書いております。
 今後の本剤の費用対効果評価の在り方については、特例的な取扱いも含め検討し、薬価収載時までに一定の方向性を示すこととしております。
 次に「3.本剤の薬価の議論」については、1つ目の○で、中医協総会で議論する際には、通常の算定案や最適使用推進ガイドライン案のほか、留意事項通知案も併せて議論することとし、2つ目の〇で、その際には算定価格案、投与対象患者数予測、ピーク時の市場規模予測が示されますので、先ほどの2.の薬価収載後の対応が、今の記載のとおりでよいか改めて判断することとしております。
 最後に「4.その他」については、本剤のようなアルツハイマー型認知症を対象とする抗体医薬品が別の製造販売業者において開発中であり、そのような製剤を薬価収載する場合には、必要に応じて中医協総会で本剤を含む取扱いを改めて検討することとしております。
 説明は以上です。
○安川部会長
 ありがとうございました。
 では、ただいまの説明について、御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。
 では、長島委員、お願いいたします。
○長島委員
 本件につきましては、これまできめ細かく丁寧に議論を積み重ねてまいりましたので、この対応案について異論はありません。
 その上で、1点だけ事務局に質問します。
 1の「(2)保険適用上の留意事項」に関連しますが、最適使用推進ガイドラインで、18か月以上継続する場合の判断については、有効性が見られない場合に、それ以上漫然と投与しないだけでなく、有効性が十分見られている場合も、一旦中止することになると理解しておりますが、そのような解釈でよろしいでしょうか。
○安川部会長
 では、事務局、お願いいたします。
○安川薬剤管理官
 いただきました御質問に関しまして、本剤の投与につきましては、原則18か月までとしていますが、18か月以上継続する場合には、臨床症状等の評価あるいは副作用のARIA等の状況に基づき、18か月時点での有効性・安全性を評価した上で、本剤投与の継続の要否を判断していただくと、そういったことになっております。
○安川部会長
 長島委員、よろしいでしょうか。
 ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。
 では、森委員、お願いいたします。
○森委員
 ありがとうございます。
 事務局におかれましては、これまでの議論を整理いただき、対応案をまとめていただき、ありがとうございました。
 高額医薬品に対する対応について、異論はありません。
 その上で、本剤は新規作用機序を有し、認知症の進行を抑制するという画期的な新薬となるものであり、イノベーション評価の点から適切に評価すべきと考えます。
 ただし、対象患者数を踏まえると、使用可能な医療機関の数等の使用実態の変化等により、患者数が大幅に増加する可能性があり、投与期間による影響も想定されますので、3ページ目に記載があるような使用実態の変化等が認められた場合は、市販後調査の結果等も含め、中医協に報告の上、必要に応じた検討を改めて行うことが必要と考えます。
 また、介護費用等について、いわゆる社会的価値に基づく評価をどう考えるのかということは重要な視点ですが、学術的な課題やデータ連結、公的分析が少ないなど課題もありますので、引き続き研究を進めることが必要と考えます。
 私からは以上です。
○安川部会長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。
 では、松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 取りまとめの内容につきましては、今、お示しいただきました事務局の案に異論はございません。
 それで、2点コメントと、1つ質問がございます。
 保険者としては、国民皆保険の持続可能性とイノベーションの推進の両立は極めて重要な視点だと認識しております。
 収載後に患者数が上振れすることや、投与期間が長期化する可能性が現段階では否定できず、保険財政に極めて重大な影響を及ぼす懸念もありますので、市場拡大再算定の取扱いについては、3ページに記載のあるような変化が生じた際に、速やかに中医協で議論できるよう、しっかりと対応をお願いいたします。
 また、以前も指摘させていただきましたが、費用対効果評価における介護費用の分析につきましては、研究班や専門家の先生方から技術的な課題が、いまだあるという御説明をいただき、さらに業界ヒアリングにおいても、具体的な方法論については、明確な回答がなかったと受け止めております。
 研究を進めることは重要でございますが、中医協において適切な判断を行うことができるよう、慎重な検討をお願いいたします。
 質問は、2ページの「最適使用推進ガイドラインで定める主な事項(概要)」というところの中で「医師・施設の要件」の1つ目にございます、「診断やARIAの画像所見の判断等ができる医師」というところに括弧でたくさん書いてあるのですけれども、これは、アンドという扱いで想定されているのか、あるいはオアなのか、少し確認をさせていただきたいと思います。
 私からは以上になります。
○安川部会長
 では、その点について、事務局、御返答をお願いいたします。
○安川薬剤管理官
 御質問につきまして、こちらに書いてある括弧書きについては、医師に対する要件を括弧書きで列挙しておるものでして、基本的には、これはアンドということで、最適ガイドラインで明記することを予定しているものでございます。
○安川部会長
 松本委員、よろしいでしょうか。
 ほかに御意見、御質問は、では、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
 皆様と同じように、高額医薬品、こちらの認知症薬に対する対応案については、異論はございません。
 ただ、対応案にもあるように、薬価収載後の使用実態の変化に応じて、速やかに薬価・価格調整に係る対応を取っていただきたいと思っております。状況を注視していただきたいと考えております。よろしくお願いします。
○安川部会長
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 ほかに御意見等ないようでしたら、本件に関する質疑はこのあたりとして、本案を本日の総会に報告するということでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○安川部会長
 ありがとうございます。
 それでは、そのようにいたしたいと思います。
 本日の議題は以上です。
 それでは、本日の合同部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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