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2017年11月10日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会 合同部会

○日時

平成29年11月10日(金)12:25~13:00

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

荒井耕部会長 田辺国昭委員 野口晴子委員 松原由美委員 関ふ佐子委員
中村洋委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員
松浦満晴委員
松本純一委員 今村聡委員 松本吉郎委員 島弘志委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
五嶋規夫専門委員 日色保専門委員 堀之内専門委員 上出厚志専門委員
村井泰介専門委員 平野秀之専門委員
<参考人>
福田敬参考人 田倉智之参考人
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○ 費用対効果評価の試行的導入の現状ならびに課題への対応について

○議事

 

○中村薬価専門部会長
皆様、お疲れのことと思いますけれども、ただいまより、第5回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会 合同部会」を開催いたします。
本日は、荒井費用対効果評価専門部会長が都合により御欠席ですので、薬価専門部会長である私がかわりに議事を進行させていただきたいと思います。
まずは、本日の委員の出欠状況について報告します。
本日は、荒井部会長、平川委員、それから、榊原委員が御欠席です。
また、本日は費用対効果評価専門組織の田倉委員長に参考人として御参加いただいております。よろしくお願いいたします。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○中村薬価専門部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は「費用対効果評価の試行的導入の現状ならびに課題への対応について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
では、企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
企画官でございます。
それでは、費薬材-1及び2に基づきまして御説明をさせていただきます。
まず、費薬材-1をごらんください。構成といたしまして、これまでの取り組み状況の御報告並びに検討課題、対応案の内容となってございます。
2ページ目をごらんください。試行的導入の13品目につきまして、これまでの主な取り組み状況を時系列に記載してございます。
昨年4月に対象品目を選定いたしまして、7月にはさらに1品目、合計13品目を選定いたしました。また、5月より事前相談の開始、9月には専門組織において分析枠組み等の妥当性につき確認、昨年10月から企業分析を開始、再分析についてはことしの5月より開始したという状況でございます。
また、29年10月、11月のところに記載してございますとおり、現在、専門組織において総合的評価(アプレイザル)の評価結果(案)を作成中でございます。希望する企業は今後、専門組織において不服意見を表明する予定でございまして、その後、評価結果が決定される予定でございます。
こうした取り組みを行う中で、何点かの課題が明らかとなってまいりました。3ページ目でございます。
2.の2つ目の○ですが、これまでの過程において、一部の品目につき、企業分析の結果と再分析の結果が大きく異なることがわかりました。そのことから、本資料におきまして対応案を検討したいと思います。
また、その下の(1)(2)の課題も明確となりました。これらは主にテクニカルな内容になりますので、別の資料でまた御相談をさせていただきます。
それでは、4ページ目をごらんください。一部の品目につき企業分析の結果と再分析の結果が大きく異なっていることへの対応でございます。
なぜ、このような違いが生じてしまったのか、その理由として、中ほどの●のところに大きく2つの理由を記載してございます。
1、対象集団、介入方法等の分析の前提が異なってしまった。
2、分析に用いるデータなどの選択方法が異なっている。例えば、効果推計に用いるデータといたしましては、統計学的な信頼性で、例えばRCTなどの非常に信頼性の高いデータと、他方、データの新しさ、観察研究といったものも含めた研究の新しさ。そういったいずれを優先するかによって、選択するデータセットが異なるため、効果の推計結果が異なってまいります。
また、費用推計におきましては、標準的な症例を用いる、また、NDB等を用いる。こういったことはそれぞれ一長一短があるといった中で、さまざまな推計方法があるということでございます。
これらにつきましては、それぞれの方法に合理性がありまして、どちらがより妥当性が高いかについて直ちに結論できない場合がございます。
こういった違いが生じてしまった背景の一つで、一番下の○で、企業分析を開始する前に、分析の枠組み等に関する事前相談を実際に行った上で進めてきたところでございますが、そうした過程を経た上でも互いの認識の違いや、より適切なデータについての見解の違いが残ったまま分析を行ったため、こういった分析結果の相違が生じた。こういった現状でございます。
5ページ目に参りますが、それぞれの分析方法の科学的妥当性等につきましては、費用対効果評価専門組織において検証することとなりますが、いずれの分析におきましても、一定の科学的妥当性が認められる場合には、いずれがより妥当性が高いのかについての明確な判断を直ちに行うことが困難な場合がございます。さらなる検証が必要と考えてございます。
そこで<今後の対応についての基本的な考え方>で、結果が大きく異なる品目の価格調整につきましては、平成30年4月においては結果の一致する範囲において実施することといたしまして、並行して、妥当性の高い分析のあり方について検証作業を進め、平成30年中を目途に最終的な評価結果を取りまとめ、最終的な価格調整を行うこととする。
詳しくは、その下の<具体的な対応案>でございます。2つ目の○のところで、いずれかの結果が妥当性が高いのか、判断が困難な場合につきましては、以下の条件を満たす場合につきましては、総合的評価における評価結果に、両方の分析の結果を併記することを可能とするといった御提案でございます。
その条件といたしましては、先ほど4ページに記載いたしました1、2の理由により両分析の結果が異なっている品目。それに加えまして、両分析とも「中医協における費用対効果評価の分析ガイドライン」に沿って行われている品目。こうした両方の条件を満たす品目について、結果を併記することを可能としてはどうかということでございます。
その先、6ページでございます。総合的評価につきましては、そのような対応を行った上で、そういった併記された品目につきましては、引き続き、より妥当性の高い分析のあり方を検討するために、原則として、検証を行う。検証作業としての分析を行う。
こういった検証を行うことを前提といたしまして、試行的導入の作業として総合的評価の過程まで到達したこれらの品目につきましては、まずは両分析のうち価格の変動のより少なくなるほうの結果を採用いたしまして、平成30年4月の価格調整を行うこととする。
また、検証期間につきましては平成30年中を目途といたしまして、企業側からの御意見もいただきながら、事前相談の充実、より妥当性の高い分析手法の検討、臨床の専門家からの意見聴取など必要な対応を行いまして、当該検証を通して得られた評価結果に基づき最終的な価格調整を行う。なお、最終的な価格調整の結果が、今回の価格調整の結果と異なることとなった場合には、平成30年4月にさかのぼって価格調整が行われたと仮定した結果を踏まえ、最終的な価格調整を行いたい。こういった御提案でございます。
こちらが、ICERが大きく異なった品目への対応でございます。
続きまして、費薬材-2につきましても、あわせて御説明をさせていただきます。
1ページ目でございます。「1.概要」の2つ目の○で、13品目の分析を進めていく中で、そちらに記載の、2つの課題が明らかとなりました。順に対応案を挙げさせていただきます。
1ページ目の下で、2.の「(1)倫理的、社会的影響等に関する考慮要素が適応症の一部にのみ該当する品目への対応について」でございます。
詳しくは、具体的には2ページ目の下段の(表2)をごらんください。例えば医薬品Aがこちらに例示としてございますが、適応疾患がXとY、2つの適応疾患があるといたします。そのうち疾患Yについて、上の(表1)に記載してございます、倫理的・社会的考慮要素で、疾患Yのみが該当する場合の価格調整係数の算出方法についての課題でございます。
結論といたしましては2ページ目の一番下に記載しておりますとおり、案1、案2。そちらに記載しましたが、あくまでも倫理的・社会的影響等に関する考慮は、疾患Yに関するものでございますので、そちらに記載の案2、疾患YのICERを5%割り引きしたもの。それを用いて加重平均をする。こうした対応としてはどうかという御提案でございます。
3ページに参ります。2つ目の課題ですが、同様に複数の適応症を有する品目につきまして、その一部の適応症について、効果が増加もしくは同等であって、費用が削減される。こういった結論が得られている品目がございます。
こうした品目については、単純にICERを加重平均することができないということでございますので、当該適応症に係る値については、まずゼロと置いた上で、他の適応症におけるICERとの加重平均を行い、その結果を用いて総合的評価及び価格調整を行う。こういった御提案でございます。
資料の説明は以上でございます。
○中村薬価専門部会長
ありがとうございました。
ただいまの説明に関して、御質問等がありましたらお願いいたします。
松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
資料1のほうで、ここにありますように、4ページの1、2の場合、前提が異なっている、あるいはデータなどの選択方法が異なっている。そこで、下の○にありますように、開始する前に、事前によく話し合ってというのがあります。話し合って、ここにあるのは見解の違いが残ったままという、見解は一致したと考えてやったのか。当然、そうでなければおかしいわけですけれども、最初から見解が違うというのがわかったら当然、結果が違うのは当たり前の話なので、やはりこの辺は話し合いをもう少しきっちりするべきであったのではないかと思うのですが、この辺に関してはいかがなのでしょうか。
○中村薬価専門部会長
では、企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
事前相談につきましては、必要十分な内容と考えて実施したところでございますが、結果としてこうなったということでございます。今回、データについての見解の違い。ここを本来であれば、今、委員御指摘のとおり、しっかりすり合わせた上で進めていくべきだったという内容だと認識してございます。
○中村薬価専門部会長
松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
では、今後はそういうことのないようにという理解でよろしいわけですね。
○古元医療課企画官
はい。
○松本純一委員
それと、5ページ目の最後のところに、両分析結果を併記する。併記されてもと思うのですけれども、そのときに併記したものをどう評価するわけなのでしょうか。
○中村薬価専門部会長
では、企画官、よろしくお願いします。
○古元医療課企画官
今回の御提案といたしましては、この段階では併記をさせていただいて、また検証作業をいたしまして、最終的な分析結果を改めてお示しする。こういったことでございます。
○中村薬価専門部会長
松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
もう最後にしますが、費薬材-2の資料の最終の3ページで<具体的な対応案>なのですけれども、これは複数の適応症があれば一部の適応症に対してできますが、適応症が1つの場合は出ない。適応症が1つである薬剤の場合は、はっきり言って、効果が増加し、費用が削減される場合は、ICERは出ないというくくりですか。
○中村薬価専門部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
御質問ありがとうございます。
その場合は、御指摘のとおり、ICERは算出できませんので、評価結果としては評価が同等、または増加し、費用が削減される。こういう表現がそのまま評価結果という形になります。
○中村薬価専門部会長
松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
そういうときに、以前から議論になっているところですけれども、それが例えば薬でいえば薬価が適正であったという評価になるのですね。
○中村薬価専門部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
評価結果といたしましては、先ほど申し上げました効果が増加または同等であり、費用が削減された。こういったことが評価結果の表現にはなります。
○中村薬価専門部会長
よろしいでしょうか。
では、今村委員、お願いします。
○今村委員
確認が2点です。
まず1点目の確認なのですけれども、費薬材-1の5ページの<今後の対応についての基本的な考え方>で、これは企業分析と再分析が、当然ぴったり数字が一致するなどということは多分ないのでしょうから、先ほどのようないろんな理由でずれますと。それで、平成30年4月においては、結果の一致する範囲において価格調整を行うということが基本方針として書かれていると。
一方、6ページの2つ目の○で、2つの数字が出てきましたと。そのうち、どちらが少ないかはわかりませんが、少ないほうの数字をもって、これは価格調整するという書き方だと、基本方針にあるように、一致する範囲とかは関係なく、全ての試行品について少ないほうをとりあえずとって価格調整をするというふうに読めるのですけれども、この辺の整合性はどうなっているのか。私の理解では、最後の6ページの2つ目の○ということでよいのかなとは思っています。
つまりどういうことかというと、仮に50万と450万という数字が出ると、これは大きくずれているけれども、50万という数字をとって価格調整をする。その場合に、きょうは絵が出ていませんが、500万までは余り数字をいじらない。そしてグラデーションがついて、1,000万まではなだらかに下がっていって、1,000万からはまた一定になる。そういう価格調整を行うというふうに絵があるわけですから、今度は逆に。
○松本純一委員
1,000万、2,000万ではないのですか。
○今村委員
500万、1,000万ですね。
仮に、極端な数字を出して申しわけないですけれども、5,000万と1億円という数字が出たら、これは大きく数字がずれているわけですが、どちらにしても少ないほうの数字は5,000万なのだから、これは1,000万以上のところに入っているから、これは価格調整をする。こういう整理で読めるのです。
つまり、ずれていても、それは関係なしに、30年の価格調整はやりますと。そのときには、少ない数字のほうをとって、どういう対応をとるかを決めますということなのだとすると、この5ページの○はちょっと違うのではないのかと読めるので、確認です。これが1点です。
もう一点は、今後、価格調整をするとした場合に、どういう価格調整をするのかということはずっと議論になっていて、このことはどのぐらいのタイムスケジュールでやっていくのかということをやっていただかないと、これは試行なので、やるのならやるということを早く決めなければいけないと思っていますけれども、このままずるずるやるのは問題だと思っていますので、その辺の事務局のお考えを教えてください。
○中村薬価専門部会長
では、2点お願いします。
○古元医療課企画官
1点目につきましては、今、委員御指摘のとおりの対応を考えてございます。おっしゃった内容で価格調整を実際に行うということでございます。
これは、5ページの上の「範囲」という表現は、そういった範囲の中で今回は一番低いものを選択する。こういった御理解をいただければと思います。
2点目につきましては、来年の春の価格改定に間に合いますように、速やかに対応したいと考えてございます。
○中村薬価専門部会長
では、松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
費薬材-1の資料の最終6ページで、2つ目の○の最後に、平成30年4月の価格調整を行う。これは試行的導入の中で、できるものは全部、これですると。
ただ、その次のところに、3つ目の○の下から2行目に、検証して、30年4月にさかのぼってということがあるのですけれども、検証は当然、30年中を目途にやられると。それはよくわかったのですが、だから、それがないと我々もなかなか本格的導入というものに、方向性としてはあったとしても、なかなかゴーサインが出しにくい部分があります。
だから、それはその検証を待つのですけれども、検証の結果、価格調整はやはりされるのですか。その時点でするのではなくて、さかのぼるのですか。
○中村薬価専門部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
価格調整は、検証の結果、得られた分析結果を用いて価格調整をするという案でございます。その際、価格調整を行うに当たりまして、平成30年4月にさかのぼって、さかのぼって薬価をというわけにはいきませんので、新しい最終的な価格調整をもう一度する際に、この平成30年4月に、あるべき薬価なども踏まえて、そういった内容も少し踏まえた上で価格調整をしてはどうか。こういった御提案でございます。
○中村薬価専門部会長
松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
それは結局、例えば30年12月に検証結果が出たと。そこで価格調整もできたと。ただ、12月に薬価を決めるのであればちょっとまずいので、4月にさかのぼって一応決めるという理解でよろしいのですか。私の言い方がちょっとややこしいですか。
○中村薬価専門部会長
では、企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
今回の価格調整につきましては、両分析のうち、価格の変動のより少ないものを採用した上で、今回、30年4月の価格調整を行うこととしております。
再分析の結果、例えばICERが非常に高い、今回の価格調整に用いたよりも高いものが出た場合には価格を、この春に引き下げた、例えばことしの春の価格調整よりもさらに引き下げがあるべきものであった品目につきましては、最終的な価格調整の段階において、そういったことも少し考慮した上で価格調整を行ってはどうか。こういったことでございます。
○中村薬価専門部会長
松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
さかのぼって価格調整しますと、例えばそれが患者さんに当然、情報としてわかれば、では、余分な医療費を払ったのではないかという感じにならないかなと思いました。
○中村薬価専門部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
失礼いたしました。説明が下手でございまして、薬価そのものは、薬価自体の改定はさかのぼって薬価を改定するという意味ではございませんで、あくまでも、例えば来年、分析結果が出た後に価格調整を行うということでございますので、そういった御理解をいただければと思います。
○中村薬価専門部会長
松本純一委員、お願いします。
○松本純一委員
そうすると、この最終の2行目の「平成30年4月に遡って価格調整が行われたと仮定した結果を踏まえ」というのがちょっと理解しづらいのです。
○中村薬価専門部会長
医療課長、お願いします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
少しわかりにくいのかもしれませんので、説明といたしましては、30年4月に一旦、価格を設定いたします。その後、再分析をしたときに、本来であればそこで、仮にもう少し低い価格、あるいは高い価格であったはずだったということが後でわかった場合には、その間、一定の期間、別の形で算定をしておりますので、例えば高いなら高い、低いなら低いで、その部分を勘案して、最終的な価格調整をするときに、その間の給付の部分も勘案をしてということになります。
ただ、これは実務的にかなり複雑なオペレーションになりますので、改めてまた整理をいたしまして、よく御審議をいただきたいと思っております。きょうはあくまでアプレイザルに関する出口のところの御評価でございますので、次回にはそういったことをよくわかっていただくような形でさせていただきたいと思っております。
○中村薬価専門部会長
松本純一委員、いかがですか。
○松本純一委員
いや、具体的に言うとちょっと差しさわりがありそうなので、やめておきます。
○中村薬価専門部会長
では、吉森委員、お願いします。
○吉森委員
ありがとうございます。
今、累々、診療側の先生たちもおっしゃっていますけれども、そもそも試行的導入で、この費薬材-1の2ページの表にありますように、28年4月からスケジュールどおりやってきた。最後にやっと11月で取りまとめという、この最終段階のアプレイザルの取りまとめにおいて、そもそもの4ページの下にあります、反省されてはいますけれども、基本的なこういうところの課題が出てくること自体が甚だ遺憾であると言わざるを得ないと思うのです。
やはり、このスケジュールでいくと、企業分析を開始して、企業分析の結果が出たのがことしの4月で、再分析を開始し始めたときに、ある程度、再分析の結果が出た段階で、これはおかしいのではないのかといったときに、そのときに専門組織の中でどう判断して、どういうことで、これは中医協でやはり問題にすべきだということがなかったのかどうか。これは非常に今さら言っても仕方がないですが、さまざまな議論の途中で、今村先生からもありましたし、私も申し上げたのですが、専門組織はどういうことになっているのか、途中経過が欲しいというふうに申し上げたと思っているのですが、今、こういうことで出てきて、如何ともしがたいからというような御提案は、提案の方向性はよく理解しますが、やはりちょっと残念だなと思っています。
企業側の分析データと第三者組織の再分析が大きく乖離する結果となった要因というのは、ここでお示しになっているように、前提条件である対象患者であるとか、評価データのとり方であるとかというすり合わせの問題だというふうには理解しますが、そもそも、すり合わせが不十分に至ったというか、お互い納得して始めたのですがというところは、今後の課題としてはやはりそれがすり合わせの時間的余裕なのか、そもそも専門的なそういうことを予見するような専門的な人材がいらっしゃらなかったのかという、体制面の課題がもしあったのか。
また、それ以外の分析の仕方の結果の中というか、分析の中でいろいろ課題があったのであれば、これは費用対効果評価分析のガイドラインというものに沿って両方ともマッチしていますという発表ではありますけれども、そこに課題があったのであれば、このガイドラインは当然、私自身も理解はまだまだきちんとできていると思っていませんが、分析の不確実性を伴う場合はこういうふうに整理しましょうという項目があったと思うのですが、そういうものにも合致しないようないろんな課題があったとすれば、ガイドラインの見直しもあわせてやる必要があるのだろうと思います。
いずれにしましても、30年4月には、この試行は必ずやらねばならないという決意は受けとめましたので、当然、その次の本格的導入に向けても専門組織におかれては、やはり専門性を持った陣容の強化とか組織体制整備は早急に図っていただきたいですし、この費用対効果評価制度が御破算にならないように、せっかくやろうと言っているわけですから、きちんとした具現化ができるような体制強化をぜひ要望しておきたいと思います。
それで、個別の話で申しわけないのですけれども、さっき松本先生もおっしゃっていましたが、30年4月の調整を、低いほうをとってこういうふうにやって、改めてやったときにどうだということなのですが、そもそも低い高いという幅なのですけれども、書き方としては、分析結果がおおむね一致する場合はそれを使う。それで、乖離幅があるのは両論併記で低いほうを使う。こういう理解でいいわけですね。
そうすると、おおむね一致のものと乖離幅があるという、これはやはり、ある程度、きちんとしたルール・基準は定めておく必要があるのではないかと思うのです。専門組織の中でどうジャッジされるかはわかりませんけれども、恣意的であったというのはやはり困るわけでありますし、なおかつ幅があれば調整を、今、イメージがいまいちよく理解できませんでしたが、31年4月に価格調整の幅を勘案して新たな価格を決めるということなのですが、多分、私が今、理解しているのは、価格の差額とマーケットといろんなものを勘案して、本来、これであったらこれぐらいの引き下げ幅があったのを、何年か知らないですけれども、割り戻して、次の価格設定にプラスアルファする。
そういう理解でよろしいのかどうかも含めて、非常に複雑なことをやらざるを得なくなるということでございますので、この調整幅の基準もきちんとあらかじめ決めておく必要があるのだろうということです。
以上、意見です。
○中村薬価専門部会長
これは意見でしょうか。
○吉森委員
はい。
○中村薬価専門部会長
最初のガイドラインの改訂に関しては、今回のこの合同部会はあくまでも価格調整を議論するところなので、もしガイドラインの改訂が必要ということであれば、また費用対効果専門部会のほうで御議論していただくという理解でよろしいですね。
では、ほかに御意見・御質問等はありますか。
松本吉郎委員、お願いします。
○松本吉郎委員
費薬材-2ですけれども、2ページ目の倫理的・社会的考慮要素の考慮方法としては2案が示されておりますが、複数の適応症を持つ場合には、その適応になった疾患のみのところを割り引くという形の案2で賛同いたしたいと思います。
○中村薬価専門部会長
では、今村委員、お願いします。
○今村委員
本日の議論と若干ずれるかもしれないのですけれども、事務局に一応、念のために確認ということなのですが、これは非常に大事な仕組みなので、走りながら考えるということで、事務局もいろいろ取り組まれてきて、本日伺うと、大変いろんな課題もあって、まだまだ完成された仕組みではないなということなのだと思うのですけれども、本格導入という話が以前はずっと費用対効果の分科会で出ておりましたが、本格導入というのはいつごろまでにしなければいけないとか、何か現時点でそういうことは決まっていたのでしょうか。
というのは、これだけ課題が多いものをきちんとした検証をした上できちんとした制度にするのが大前提だとは思っているのですけれども、これは相当に時間がかかりそうな感じがしていますが、いかがでしょうか。
○中村薬価専門部会長
こちらは、企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
これまでのところ、予定どおり、13品目について、まず優先して検討を進めていこうということで取り組んできたところでございます。また、制度化に向けましては、例えば対象品目の選定方法であるとか、あとは分析の期間をどう置くかとか、また今回の課題を受けて、どういった充実をしていくのか。ガイドラインの改正を含めまして、そういったことを検討していきたいと考えてございます。
そういった13品目の状況を踏まえ、検討していきたい。まずはこういった御回答とさせていただきたいと思います。
○中村薬価専門部会長
よろしいでしょうか。
○今村委員
決まっていないということがわかりました。
○中村薬価専門部会長
ほか、御意見・御質問等はございますでしょうか。
では、もしないようでしたら、1点だけ私のほうからお伺いしたいのですけれども、費薬材-1の6ページ目の最後で、平成30年中を目途として検証を行うこと、またその検証に基づいて最終的な価格調整を行う、という内容の文言があります。先程吉森委員のほうから、価格調整を行う場合には31年4月という言葉が出たと思いますが、31年4月に行うという理解でよろしいでしょうか。それとも、途中、例えば30年9月に最終的な判断が出たら、それから時間を置かずに価格調整するのか、時期については確認したほうがいいと思ったのですけれども、いかがでしょうか。
では、企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
それにつきましては、分析を進める中で結果が出て、価格調整という段階になりましたら速やかにということだと思いますが、そこの具体的な時期につきましては、また御相談をさせていただければと思っております。
○中村薬価専門部会長
今村委員、お願いします。
○今村委員
今のことに関連してですけれども、そういった検証がスムーズにいかないということも当然想定されるわけで、今、いつということは決めないということは、例えばそれが32年4月に変わることも理論上はあり得るということでよろしいですか。
○中村薬価専門部会長
医療課長、お願いします。
○迫井医療課長
医療課長でございます。
確かに不確定要素はいろいろあると思いますけれども、基本的には可及的速やかに検証をさらに進めていくということだろうと思います。
今、いただいたお話の中で2点あって、制度化については当初、我々のほうで想定していた作業からすると、少しいろんな課題が出たというのは偽らざる事実でありますけれども、一方で委員の中の御指摘も幾つかありましたが、大事な制度であるということでございますので、今回、私どものほうでお示しをさせていただいた課題につきましては、詳細を詰めて、改めて御提示をさせていただきたいと思っております。
ただ、その中で、少なくとも一定のスケジュール、そういったものは企業の今後の対応にも影響いたしますので、可能な限り、具体的な設定、それから、予見性が持てるように採用させていただきたいと考えております。
○中村薬価専門部会長
よろしいでしょうか。
では、時間も大分超過しておりますので、ほかに御意見等ないようでしたら、本件については、本日の御意見等を踏まえ、事務局から提案のあった方針で進めることとしてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○中村薬価専門部会長
ありがとうございました。
それでは、事務局におかれましては、そのように進めていただきますよう、お願いいたします。
本日の議題は以上になります。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の合同部会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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