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2018年3月7日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会 合同部会

○日時

平成30年3月7日(水)10:18~10:48

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

荒井耕部会長 田辺国昭委員 野口晴子委員 関ふ佐子委員
中村洋委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 今村聡委員 松本吉郎委員 島弘志委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
五嶋規夫専門委員 堀之内専門委員 上出厚志専門委員
村井泰介専門委員 平野秀之専門委員
<参考人>
福田敬参考人 池田俊也参考人
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○試行的導入の対象品目(13品目)の評価結果について
○費用対効果評価の結果に基づく価格調整結果について
○費用対効果評価に係る今後の進め方について(案)

○議事

 

○荒井費用対効果評価専門部会長
ただいまより、第7回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会 合同部会」を開催いたします。
まず、本日の委員の出欠状況について報告します。
本日は、松原委員、榊原委員、岩田専門委員、日色専門委員が御欠席です。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○荒井費用対効果評価専門部会長
それでは、議事に入ります。
初めに「試行的導入の対象品目(13品目)の評価結果について」「費用対効果評価の結果に基づく価格調整結果について」を一括して議題といたします。
まず「試行的導入の対象品目(13品目)の評価結果について」ですが、本日は、費用対効果評価専門組織の田倉委員長にお越しいただいております。田倉委員長より御説明をお願いします。
よろしくお願いします。
○田倉委員長
それでは、試行的導入の対象13品目の評価結果を御説明させていただきます。お手元の資料、費薬材-1の1ページ目をごらん願います。
最初に、医薬品7品目について御報告をさせていただきます。
1品目め、ソバルディについて御説明させていただきます。こちらは主な対象疾患をジェノタイプ2型のC型肝炎とし、主な比較対照技術をインターフェロン治療として分析が実施されました。
分析結果につきまして、企業分析及び再分析ともに1QALY獲得当たりの費用が500万円以下という結果となっておりました。また、倫理的・社会的考慮要素につきましては「感染症対策といった公衆衛生的観点での有用性」に該当するといたしました。
次に、ハーボニー、ヴィキラックス、ダクルインザ、スンベプラについて、まとめて御説明をさせていただきます。こちらは主な対象疾患をジェノタイプ1型のC型肝炎とし、主な比較対照技術を直接型抗ウイルス薬及びインターフェロン治療等として分析が実施されました。
分析結果につきましては、いずれも分析の前提や用いたデータなどが異なっており、企業分析と再分析の結果が一致しておりませんでした。ただし、両者ともにガイドラインに沿って分析が実施されており、それぞれの方法に合理性があると考えられたため、今回は両分析結果を併記する形といたしました。また、右端の欄の記載のとおり、これらの品目については、今後、検証のための分析を実施する予定であります。さらに、倫理的・社会的考慮要素につきましては「感染症対策といった公衆衛生的観点での有用性」について該当するといたしました。
次に、6品目めのオプジーボについて御説明をさせていただきます。こちらは主な対象疾患を悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞がんとし、主な比較対照技術は化学療法として分析が実施されました。
分析結果につきましては、分析の前提などの差異により、企業分析と再分析の結果が異なっておりましたので、両分析結果を併記する形といたしました。なお、倫理的・社会的考慮要素につきましては「重篤な疾患の、QOLは大きく向上しないが生存期間が延長する治療」に該当するといたしました。
続いて、カドサイラについて御説明をさせていただきます。こちらは主な対象疾患をHER2陽性乳がんとし、主な比較対照技術を化学療法として分析が実施されました。
こちらの分析結果で、企業分析、再分析ともに1QALY獲得当たりの費用が1,000万円以上という結果でございました。また、倫理的・社会的考慮要素につきましては「重篤な疾患の、QOLは大きく向上しないが生存期間が延長する治療」に該当するといたしました。
続いて、2ページ目をごらんいただけますでしょうか。医療機器6品目の評価結果について御説明をさせていただきます。
1品目め、カワスミNajuta胸部ステンドグラフトシステムでございますが、こちらは主な対象疾患は遠位弓部大動脈瘤で、主な比較対照技術が人工血管置換術という形でございました。
分析結果でございますが、分析に用いたデータなどの差異により、企業分析と再分析の結果が異なっていたため、こちらも両分析結果を併記する形といたしました。本品目についても、今後、検証のための分析を実施する予定でございます。なお、倫理的・社会的考慮要素につきましては「該当なし」といたしました。
次に、アクティバRC、バーサイスDBSシステム、Brio Dual 8 ニューロスティミュレータについて、まとめて御説明をいたします。こちらは主な対象疾患をパーキンソン病、本態性振戦などとし、主な比較対照技術を脳深部刺激装置として分析が実施されました。
分析結果でございますが、いずれも効果が同等であり費用が削減されるという結果といたしました。なお、倫理的・社会的考慮要素につきましては「一部の適応症について『代替治療が十分に存在しない疾患の治療』に該当」といたしました。
次に、ジャックについて御説明をさせていただきます。こちらは主な対象疾患を膝関節の外傷性軟骨欠損症または離断性骨軟骨炎として、主な比較対照技術を薬物療法として比較・分析が実施されました。
分析結果でございますが、企業分析及び再分析ともに分析を実施していただきましたけれども、ICER等の算出に必要なデータが得られなかったことなどから、分析は困難との結果でありました。なお、倫理的・社会的考慮要素につきましては「該当なし」といたしました。
最後、サピエンXTについて御説明をさせていただきます。こちらは主な対象疾患を大動脈弁狭窄症とし、主な比較対照技術を大動脈弁置換術等として分析が実施されております。
分析結果につきましては、用いたデータなどの差異により、企業分析と再分析の結果が異なっておりましたので、両分析結果を併記する形とさせていただきました。本品についても、今後、検証のための分析を実施する予定でございます。なお、倫理的・社会的考慮要素につきましては「該当なし」といたしました。
以上、試行的導入の対象品目の評価結果について御報告とさせていただきました。
○荒井費用対効果評価専門部会長
ありがとうございました。
引き続き、事務局から、補足と「費用対効果評価の結果に基づく価格調整結果について」の説明をお願いします。
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
それでは、費薬材-2に従いまして価格調整結果について御説明をさせていただきます。
費用対効果評価の試行的実施の対象品目につきましては、先ほど御報告いただきました評価結果を踏まえ、価格調整を実施することとされております。
そのルールを改めて御説明申し上げますと、その枠の中でございますが、価格調整を行う2つ目の○をごらんください。評価結果において企業分析と再分析の結果が併記された品目については、両分析の結果のうち、価格の変動のより少なくなるほうの結果を採用して価格調整を行う。また、これらの品目については、原則として、検証を行う。こういった旨の記載がございます。
こちらの方針に従いまして、今回、一番下をごらんください。評価結果に基づき、平成30年4月より行う価格調整の内容は、表に記載のとおり、価格の引き下げを行う品目がオプジーボ並びにカドサイラ、そして、価格の引き上げを行う品目がカワスミNajuta胸部ステンドグラフトシステムということでございます。
資料の説明は以上でございます。
○荒井費用対効果評価専門部会長
ありがとうございました。
ただいまの説明に関して、御質問等がありましたら、お願いします。
今村委員、お願いします。
○今村委員
確認なのですけれども、価格調整結果のほうなのですが、今回、価格の引き下げを行う品目が2つ、それから、引き上げを行う品目が1つということになっておりますけれども、分析結果が併記されているものと併記されていないものが両方まじっていて、例えばカドサイラの場合には最終的な価格調整は行わないで、今回の価格引き下げの価格が決定になる。しかしながら、オプジーボやカワスミNajuta胸部ステンドグラフトシステムについては検証のための分析を行うということで、今回、一旦、価格を変えても分析の結果によってはまたそれが変更される可能性があるという、仮のいわゆる価格調整であるという理解でよろしいですか。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
そういった理解でいただければと思います。
○荒井費用対効果評価専門部会長
松本純一委員、どうぞ。
○松本純一委員
費薬材-2の資料で、この四角に囲った中の2つ目の○のところに、評価結果で「企業分析と再分析の結果が併記された品目」となっています。この場合、例えば費薬材-1の1ページ目に(両分析結果併記)と4つ書いてあるのですけれども、このオプジーボがカドサイラと一緒のところに引き下げの品目として費薬材-2ではなっていますが、ハーボニー、ヴィキラックス、ダクルインザ、スンベプラに関しては、ここに当たらないという理由が、ここに「企業分析と再分析の結果が併記された品目」というふうになっているにもかかわらず、これが今回当たらないというのは何か理由を教えていただければと思います。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
これは品目によりましてさまざまなパターンがございますが、例えば両分析結果が併記をされていたものの中で価格調整を行わないものということで考えられるパターンとしては、1つの分析が例えば500万円を下回っている。ただ、片や500万円を上回っているような形で、少し領域にまたがったようなケースの場合は価格の変動の少ないほう、つまり500万円を下回るものを採用するがゆえに価格調整を行わない。こういったルールでございます。
○荒井費用対効果評価専門部会長
松本委員、どうぞ。
○松本純一委員
それは昨年12月に決めたところであったわけです。それはここの四角の中には書かれていないということですね。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
この四角の中で、そういったルールで併記された場合は、より変動の少なくなるほうの結果という表現が少しわかりづらいという御指摘だとは存じますが、そういった形で御理解をいただければと思ってございます。
○荒井費用対効果評価専門部会長
どうぞ。
○松本純一委員
これは決めたばかりのルールですので、そうそう頻回に変更するわけにはいかないと思うのですけれども、果たして評価後の対応として、費用対効果が非常によかったから値上げすべき話なのかというのは、これは幸野委員もよく言われていたことですけれども、そういうことに結論がなってしまうというのも、これはこれからもまだ、その辺は議論をしていくことはできるのでしょうか。これは決まったから、このルールでしばらくは行くのだということなのか。ルールを考えることなのか。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
今回のルールは13品目に対するルールと御理解いただければと思います。引き続き、制度化に向けた議論はさせていただきたいと思ってございます。
○松本純一委員
わかりました。
○荒井費用対効果評価専門部会長
ほかにはいかがでしょうか。
ほかに御意見もないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
次に「費用対効果評価に係る今後の進め方について(案)」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
それでは、費薬材-3に基づきまして御説明をさせていただきます。少しお時間をいただければと思います。
1ページ目「1.背景」でございます。これまで費用対効果評価の導入に向けた検討を行ってまいりました。
そして、2つ目の○ですが、13品目につきましては、評価結果をもとに先ほど御説明申し上げました価格調整を実施するとともに、試行的実施において明らかとなった技術的課題への対応策を整理することとしております。
もう一つ、本格実施に向け、その具体的内容について引き続き検討いたしまして、平成30年度中に結論を得ることとしております。
今回は、この2点につきまして、今後の進め方の御相談を申し上げたいということであります。
まず1点目、2ページ目をごらんください。2.の「(1)技術的課題への対応について」ということで、試行的実施において明らかとなりました技術的課題への対応策を整理したいということでございます。検証の対象となる品目(7品目)は、そちらに記載のとおり、結果が併記された品目でございます。
これらの検証に当たりましては、企業側の御意見もいただきながら、以下の3つの対応を行いたいということでございます。順に次のページから御説明をさせていただきます。
1つ目が「臨床の専門家の参画」。3ページでございます。
<背景>といたしましては、費用対効果評価専門組織には、医療・保険関係者、経済学等に関する有識者により構成されておりますが、対象品目の分野別の臨床の専門家は必ずしも委員には含まれてございません。
また、関係業界からは、事前相談などにおいて、対象品目に関係する臨床医学の専門家の参画が必要である。こういった御意見がございました。
そこで<検討の視点>で、分野別の臨床の専門家に意見を求めることによりまして、品目の特性や臨床現場の実態に沿った分析・評価を行うことができると考えられます。
<具体的な対応案>ですが、専門組織の下に、評価対象品目の分野ごと、例えば肝炎治療薬、もしくは神経関係の治療などにつきまして、当該分野の臨床の専門家や医療経済評価の専門家などから成るワーキンググループを設けてはどうかといった御提案でございます。
また、ワーキンググループは企業側の意見も踏まえ、分析や評価のあり方についての検討を行いまして、専門組織はその結果を参考として、分析の枠組みに関する協議や分析結果の取りまとめを行うこととしてはどうかという御提案でございます。
続きまして、2点目が「分析・評価に関する事前協議の実施」。
<背景>といたしましては、昨年、一昨年と行いました試行的実施におきましては、企業分析を開始する前に、分析に関する事前相談を実際に行いまして、一定の合意を得た上で進めたところでございます。しかしながら、互いの認識の違いや、より適切なデータについての見解の違いが残ったままの分析を行いましたため、一部の品目において企業分析と再分析の分析結果が大きく異なることとなりました。
業界の皆様からは、事前に当局や専門組織と十分に協議を行い、分析の方向性・枠組みに合意した上で分析を行うことが必要である。こういった御意見をいただいたところでございます。
そこで<検討の視点>で、分析前に、分析の枠組みについて決定いたしまして、その決定に基づき分析を行うことにより、効率的かつ透明性をもって、分析・評価を進めることができると考えられます。
<具体的な対応案>でございますが、分析に先立ちまして、企業及び当該分野のワーキンググループ、先ほど御提案したワーキンググループからの御意見も踏まえまして、専門組織において分析の枠組みを協議、決定いたしまして、原則としてその枠組みに基づいて分析を進めることとしてはどうか。
また、今回の検証対象となる品目(7品目)につきましては、昨年、既に企業分析及び再分析を行っていることから、各品目の分析を行う上での課題は既に一定程度整理されてございます。
そのため、分析の枠組みが明確になりますれば、企業分析と片や専門機関による分析の結果はほぼ同じとなる可能性が高いこと。また、分析には企業側にとって相応の負担がございます。また、分析に費やすことの時間が限られていることから、今回の分析は原則として専門機関による分析を基本として実施することといたしまして、企業側による分析は任意としてはどうかという御提案でございます。
ただし、その場合でございましても、いずれの分析につきましても、分析の過程において、きっちりと情報の共有、分析内容の確認などを順次行いながら進めることによって、分析結果を出したときに混乱のないように進めたい。こういった御提案でございます。
5ページ目をごらんください。3つ目が「分析方法の明確化」でございます。
<背景>といたしましては、試行的実施におきましては、そちらに記載の分析ガイドラインに基づき分析が行われましたが、その解釈の違いなどによりまして、分析結果が大きく異なることとなりました。
関係業界からは、品目の特性を踏まえた評価とするための検討が必要といった御意見があったところでございます。
そこで<検討の視点>で、ガイドラインにおきましては、そちらに記載のような分析に関する基本的な考え方が記載されたものでございます。そのため、その考え方に基づき個別の品目における具体的な分析手法を検討する必要がございますが、その運用方法がなかなか明確になっていないということで昨年の相違が生じてしまった。
そのため、分析ガイドラインに記載された基本的な考え方につきましては、各品目の特性を踏まえた分析手法の具体化に関する運用方法を明確化することによりまして、分析結果の相違を縮めることができるのではないかと考えられます。
そこで<具体的な対応案>ですが、今回、今年行います検証におきましては、分析ガイドラインの内容を踏まえながら、品目ごとに分析ガイドラインの運用方法などについての明確化等をワーキンググループ及び専門組織においてきっちり行うことによりまして、品目の特性を踏まえた分析を目指すこととしてはどうかということでございます。
6ページをごらんください。「検証のスケジュール(案)」になります。
各段階におきまして企業側の御意見を伺いながら、以下のとおり進めることとしてはどうかという御提案になります。
本日、3月でございますが、しっかり意見交換をいたしまして、5月には専門組織において分析の枠組みなどについて協議、決定をいたしたいと思ってございます。そこから分析を開始いたしまして、11月以降、専門組織による分析結果の取りまとめをまとめていきたいということでございます。
以上がことし行います検証、技術的課題への対応についての御説明でございます。
続きまして7ページから、もう一点の課題について御説明を申し上げます。こちらは「(2)本格実施に向けた具体的内容の検討の進め方」についてでございます。
費用対効果評価の本格実施に向けましては、その具体的な内容について平成30年度中に結論を得ることとされております。
<検討の視点>でございますが、制度化につきましては、委員の皆様より御指摘いただいておりますとおり、試行的導入を進める中で明らかとなった課題などを踏まえ、より科学的かつ透明性のある仕組みを目指すというのが基本的な考え方となります。
制度化に向けた検討課題が次の8ページに記載しております。これは昨年の12月20日の中医協の資料からの抜粋でございますが、制度化に向けましては、ここに記載のようなさまざまな検討課題がございます。これを1つずつ検討していきたいと思ってございます。
7ページにお戻りいただきまして<検討の視点>の2つ目の○になります。先ほど御説明した検討課題の中には、ことし行います検証作業としての分析の結果を踏まえた上で検討を行う必要があるものと、その整理を待たずに並行して検討が可能なものがあると考えられます。
また、ICERの評価方法などのうち非常に科学的な事項については、より専門的な立場からの科学的な検討をもとに、議論を行う必要があると考えてございます。
そこで<具体的な対応案>で、制度化に向けた検討につきましては、検討課題のうち、試行的実施において明らかとなった「技術的課題」への対応の整理、すなわち検証作業としての分析を待たずに検討が可能なものから順に検討を行うこととしてはどうか。
また、ICERの評価方法などのうち科学的事項につきましては、医療経済学などに関する有識者による検討を行いまして、中医協の議論に活用してはどうか。こういった御提案でございます。
資料の説明は以上でございます。
○荒井費用対効果評価専門部会長
ありがとうございました。
ただいまの説明に関して、御質問等がありましたら、お願いします。
松本純一委員、どうぞ。
○松本純一委員
まず、1点質問させていただきますが、この本格導入に係る取り組み、ある程度できるところからやっていくことに関しましては、ある程度理解を示すところではありますが、その際に問題になったのが支払い意思額調査というものがございました。これにつきましては、事務局として現在、それを調査していこうという方向なのか。それとも、ほかにも何かお考えがあるのか。まず、それを1点お聞かせ願いたいと思います。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、お願いします。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
費用対効果評価に基づく価格調整を行うに当たりましては、やはり基準値の設定、何がしかのものは必要であるという認識でございます。基準値の設定には、以前、こちらの中医協でも御提案いたしましたとおり、さまざまな方法があると考えておりまして、どのような方法がよいのか、支払い意思額調査の実施の有無も含めまして、改めて御協議をさせていただきたいと考えてございます。
○荒井費用対効果評価専門部会長
松本純一委員、どうぞ。
○松本純一委員
それでは、改めてまた申し上げますけれども、支払い意思額調査につきましては、我々としては命に値段をつけるという性格のものでありまして、断固反対するものであります。
それで、私どもがずっと言い続けてきたことと同様に、専門家の中でも、この調査は聞き方や答える者によって回答が大きく異なるということで、その結果の信頼性は低いという指摘もあると聞き及んでおります。
さらには、支払い意思額調査の結果を広く施策に運用すること自体、さまざまな御意見もあるというふうにも聞いております。我々としては単純に、やはり今回出されたものが、健康で1年生きられるとしたら幾らお金が出せますかという具体的な案がありました。あれに関しまして、やはりこの調査はまずい、よくないという立場を改めて強調させていただきますので、事務局としてはそのあたりも含めまして、改めて整理をしていただきたいと思います。
○荒井費用対効果評価専門部会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
今の松本先生の意見に関連してなのですが、8ページにあります価格調整における基準値の設定というものは、この7ページのカテゴリーの中で並行して検討が可能なものというカテゴリーに入るという理解でよろしいでしょうか。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
私どもとしては、並行して検討が可能な課題ではないかと考えてございます。
○荒井費用対効果評価専門部会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
それでは、中身に入るとまた時間がかかりますので、今日は中身の議論はないのですが、今、松本純一先生が仰った支払い意思額調査を実施するか、実施しないかというのは、この制度化に向けた検討の中で最もプライオリティーの高い議論だと思いますので、これについてまず結論を得るのが一番先決だと思います。
○荒井費用対効果評価専門部会長
吉森委員、どうぞ。
○吉森委員
ありがとうございます。
今の関連はちょっと置きまして、まず順番に、今後の進め方のところで意見を何点か申し上げたいと思います。
まず試行的なところの、費用対効果評価に係る今後の進め方の技術的課題への対応ということで、3ページの1つ目の「臨床の専門家の参画」についてということになっているのですが<具体的な対応案>の1つ目に、専門組織の下に、分野ごとのワーキンググループを設けるという提案でございますけれども、この専門家の参画による分野別のワーキング設置自体は否定をするものではありません。
しかし、あえて申し上げたいのは、組織体の数がふえて、屋上屋を重ねてということでなるのならば本末転倒だと思っていますので、このワーキングの運営方法についてはぜひとも専門家の専門組織委員をワーキングに参画させるとか、ワーキングと一体で合同開催をするとか、いろいろ運営方法の工夫があると思いますので、ぜひ議論がスピード感を持ってスムーズかつ実効性が担保できるような運営方法を工夫していただきたいというのをあえて申し上げておきたいと思っております。
次に、5ページの3つ目の「分析方法の明確化」でございますけれども、これは具体的な提案にありますように、そのとおりだと思うのですが、やはりこのスケジュール感から言えば、ここのガイドライン、分析方法の明確化を優先して、まずここできちんと分野ごとのものを明確にして、分析にそれぞれ取り組んでいただきたいと思いますので、これは釈迦に説法の話だろうと思いますけれども、ぜひその辺はよろしくお願いしたい。
それと、6ページの「検証のスケジュール(案)」でございますが、11月に専門組織による分析結果を取りまとめることになっておりますので、この時点までに残る8カ月ほどでございますが、今回の7品目の課題について結論が完璧に得られるということであれば何も申し上げることはないのだと思うのですが、今回の分析結果で両論併記になったようなこともございます。
評価・実績に大きな影響を及ぼすような問題が発生することがあるのか、ないのか、この本格実施の最後のスケジュール検討にも影響すると思いますので、中医協の公開・非公開の場は別にしまして、適宜、途中経過を我々、中医協委員にも報告いただき、議論に資することができる機会を設けていただきたいというお願いでございます。
本格実施に向けた検討の最後でございますけれども、具体的内容について平成30年度中に結論を得るということにされていますので、逆算すれば残された時間は1年以内でございますし、今、議論がありましたけれども、試行実施の検証と並行して、検討できる項目についてはぜひとも優先順位をきちんと勘案して、速やかに議論を進められるような、前回の試行実施と同じ轍を踏まないように、事務局におかれては確固たる信念を持って御対応いただければと思っております。
それと、今、診療側の先生から意見がありましたけれども、支払い意思額調査でございます。私は個人的にはずっと申し上げてまいりましたが、今回の試行実施では白岩らの調査をもって支払い意思額の基準値ということで対応しておりますが、この試行実施で採用した基準というものは10年以上前のものでございますし、その後の経済社会情勢並びに今般の医療経済情勢を取り巻く環境を考えれば、それでいいのかというところはやはり検証しないといけないのだろうと思いますので、再調査もありだなとは思っておりました。
今、松本純一先生からも意見がありましたが、新たな支払い意思額調査をすることについて、命に値段をつけるかという考え方、その実施方法の中で信頼を欠くような不確定要素がある、何か支障があるのであれば、これは事務局にはお願いですけれども、今後、議論を進める中では新たな支払い意思額調査を実施した場合にはどういう問題点が想定されるのかということを列挙していただくなど、基準をきちんと決める際には、では、意思額調査でなければ昨今の経済情勢を踏まえて、より妥当なものにできるのかどうかをも踏まえて、参考となる数値などを試行の基準については検証してみるなり、また、新たな基準値を設けるのはどういう方法があって、それの妥当性がきちんと検証できるのかというあたりも御提示いただいて、議論の前提となるものをお示しいただかなければ、支払い意思額調査云々だけで費用対効果の本格実施がおくれるようなことがあってはならないと考えていますので、ぜひその辺は整理してお示しいただきたい。これは意見でございます。
以上です。
○荒井費用対効果評価専門部会長
今村委員、どうぞ。
○今村委員
今の吉森委員の中の1点の要望と全く同じ要望ですけれども、あえて私どもも申し上げたいのは、前回、昨年の11月8日に合同部会でこの費用対効果評価専門組織における検討について御報告をいただいて、そのことによってさまざまな問題点とか、あるいは理解も多分、かなり進んだのではないかなと思っていますので、今回の試行的導入の検証のための分析を実施されるに当たって、先ほどお話しいただいたように、途中で中医協の委員に状況について、出せるタイミングというものはあると思うのですけれども、きちんと出していただいて、我々の議論に資するようにしていただきたいというのが強いお願いでございます。
以上です。
○荒井費用対効果評価専門部会長
松本吉郎委員、どうぞ。
○松本吉郎委員
同じような主張になるかもしれませんけれども、本格導入に、実施に向かって、先ほど支払い意思額のこともありましたが、やはりどの辺までのところはベースとして確定させていくのか。それとも、ある部分からはもう一回しっかり考え、再検討するのかというところをしっかりと提示していただいて、その中でしていかないと、どこまで拡大していっていいかどうか。スピード感の問題もありますので、その辺は少し早目にしっかりと提示していただきたいと思います。
例えば、もともとのQALYの考え方に関しましても、パラメーターのとり方によってかなり、ある意味左右されるというような信頼性の問題ももともと指摘されることもありますので、ただ、どの辺まで議論するのかということはしっかり提示していかないと非常に難しい話になってくるのではないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
検討のスケジュール感につきましては、しっかりまた御提示しながら進めていきたいと思っております。
また、一番最後のページにございました、それぞれの課題でございますが、実は独立したような課題に見えながら、それぞれの要素が非常に有機的に影響し合うような面もございます。そういった難しさも含めまして、また御協議をさせていただきたいと思ってございますので、よろしくお願いいたします。
○荒井費用対効果評価専門部会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
今日は進め方の議論なので、あまり中身には入らないようにしますが、8ページにある制度化に向けた検討課題については、このカテゴリーを「検証が終わって実施するもの」と「並行してやるもの」に分ける作業が必要ではないかと思っています。カテゴリーをまず分けたうえでプライオリティーをつけていく作業が必要になると思います。
一番時間がかかるのは支払い意思額調査だと思いますので、今も意見が割れておりますが、これを実施するか、実施しないかについては最優先の議題として議論していくべき事項だと思います。次回以降、カテゴリー分けをしたうえで、支払い意思額調査を「プライオリティー1」として作業を進めていただきたいと思いますが、これについてはいかがでしょうか。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
どういったものを優先的に協議していくか。そういったものも含めて御提示しながら進めていきたいと考えてございます。
○荒井費用対効果評価専門部会長
宮近委員、どうぞ。
○宮近委員
くどいようですけれども、私も資料の7ページの枠囲みの中でアンダーラインの引かれている「平成30年度中に結論を得る」という箇所に関連して、スケジュールについてのお願いです。
分析に5~6カ月かかるということを踏まえ、7ページの下から2つ目の○にありますように「技術的課題」への対応の整理を待たずに検討可能なものから順にやっていくということについては理解しますし、幸野委員がおっしゃるような支払い意思額の問題とか、そういった重要度を考えながらやっていくということでいいと思います。しかし、昨年の10月から12月の議論の経過を振り返りますと、議題が五月雨的にこの中医協の場に提起されて、全体の中でどういう位置づけにある事項が論議されているのか、新たな試みということもありましたけれども、本当にこれで果たして結論が出るのかということを心配しながら議論の中にいたわけです。
今回については、そういった試行的導入の経過もあるわけですから、今まで各委員がお話しになっているように、7ページの<具体的な対応案>に示されている可能な事項について、おおよそのスケジュールを示した上でぜひ論議をお願いしたいと思います。優先順位をつけるもの、それから、時間のかかるもの、いろいろあるでしょうけれども、全体的な枠組みの中で我々は、これはできている、あるいはこれはまだやっていない、これはもっと論議を深めないといけないという全体的なことがわかるような形でぜひスケジュールを示していただきたいなと思います。
よろしくお願いいたします。意見です。
○荒井費用対効果評価専門部会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
すみません。少しだけ中身に入らせていただきます。どうしても理解しづらいところがあるのでお聞きするのですが、医薬品については倫理的・社会的考慮要素の何らかの項目に該当する結論になったということなのですが、これは専門組織の中でどのような議論がされているかというのが全く我々に見えません。どういう議論、どういう検証の上で倫理的・社会的考慮要素が該当したのかというのが全く理解できないのです。
専門組織は医療保険者や経済学者、有識者等、様々な方が参加されているので、かなり意見が相違したり、紛糾すると思うのですが、この倫理的・社会的考慮要素というものは、満場一致といいますか、委員の皆さんの意見が一致して該当したものなのでしょうか。中身は結構ですので、その辺の雰囲気を教えていただければと思うのです。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
ちょっと私から御説明申し上げまして、委員長からももし補足がありましたらと思います。
この倫理的・社会的考慮要素につきましては、やはり何々に該当するといったことで企業サイドからも御提案がございまして、個々に審査を行ったということでございます。
この定義につきましては、そのとり方は当然、一定の幅がございますので、さまざまけんけんごうごうの議論があったというのは実態でございますが、基本的には合意の上で、この要素が該当するといったところでございます。
また、協議の中では、この倫理的・社会的考慮要素の定義というものをもう少し組織の中でも判断に資するような定義を明確化することが必要である。こういった御意見もございました。
以上でございます。
○荒井費用対効果評価専門部会長
田倉委員長はいかがでございますか。
○田倉委員長
今、企画官が申し上げたとおりで、かなり最初は多様な意見がありましたけれども、合意形成のため、意見を交わしながら意見を収れんして、今回こういう結論を持ってきたということであります。
ただ、先ほども御説明がありましたとおり、幾つか、やはり悩むところがあって、その辺についてはもう少し基準といいますか、考え方の視点を整理していかなければいけないということは組織の中でも、委員の間で議論させていただいたということでございます。
以上です。
○荒井費用対効果評価専門部会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
何が言いたいかといいますと、具体的な指標がない中、漠とした基準だけがあるので、該当させるべきだ、該当させないべきだという議論しかされていないのではないかと想像していまして、そのやりとりで決まるのが果たして妥当なのかなというのがあります。言いたいことは、制度化に向けては、漠とした基準だけではなく、その基準の下に3つか、4つ位、一定の評価指標的なものを設けるべきではないかということです。倫理的・社会的考慮要素を定量的にはかるのは無理かもしれないのですが、中医協の委員が皆な納得できるような一定の評価指標も設ける必要があるのではないかと考えます。これは検討内容に入っていますので、そういったところもぜひ今後は検討していただきたいと思います。
意見です。
○荒井費用対効果評価専門部会長
では、専門委員、どうぞ。
○堀之内専門委員
御指名いただきありがとうございます。
まずは費用対効果評価に係る今後の進め方について、関係業界の意見を反映したワーキンググループの設置や、事前相談による透明性の確保に配慮いただきましてありがとうございます。
専門委員より意見を2つ述べさせていただきます。
1つ目は、4ページの「分析・評価に関する事前協議の実施」に関してでございます。企業が任意で提出したいといった場合には、例えば主たる分析の枠組み以外にも費用等の算出に当たってさまざまな過程を置く必要があり、そうした過程が結果に一定の影響を与える可能性を危惧している場合があるかと思います。分析の方向性、枠組みの議論に当たっては、こういった細部の点も考慮していただくとともに、企業が任意で分析した結果についてはワーキンググループにて専門組織の分析結果との比較を行っていただければ、今後の制度化に向けた有益な情報としても活用できると思います。
2つ目は、6ページの「検証のスケジュール(案)」に関してです。分析を開始してから事前の協議では想定していなかった疑問点や論点が生じる可能性があります。つきましては、総合的評価を開始する前に、必要に応じて企業が意見を述べる機会を設けていただきたいと思います。また、今回の見直しで反映いただいた透明性についても、より担保できるように、専門組織による分析内容の枠組みや計算結果なども企業で確認できるようにしていただきたいと考えます。
よろしくお願いします。
○荒井費用対効果評価専門部会長
松本純一委員、どうぞ。
○松本純一委員
我々から意見を求めていないのに専門委員がみずから発言するのは、私は反対なのですけれども、ただ、今はいいことを言っていただきました。
○堀之内専門委員
済みません。
○松本純一委員
ちょっと疑問点が出てきました。企業分析と再分析との比較をワーキンググループでと言われましたけれども、今までそれは専門組織でやってきたことではないのですか。また、今度のワーキンググループを設置するというのは、その専門分野、例えば疾患に対する専門分野の医師等が入って、その疾病に対して、この薬剤あるいはこの機械がどういう影響を与えるかという話を聞くということであって、分析の比較をするというのは専門組織ではないのですか。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
昨年行われた分析の中で、そういった専門家の方がなかなか入っていなかった。また、ポイントといたしましては、分析の途中段階でなかなか情報が共有できていなかった、確認ができていなかった。そういったところもございます。
まず分析の枠組みについてはワーキンググループで検討していただいた上で、専門組織で決定する。また、分析の過程において、その分析がきっちり枠組みに合っているのかどうかの確認。これは必要に応じてワーキンググループの先生にも確認をいただきながら、ただ、専門組織は御指摘いただきましたとおり、一義的には専門組織の中で確認をする。こういったたてつけと御理解いただければと思います。
○荒井費用対効果評価専門部会長
松本純一委員、どうぞ。
○松本純一委員
私が聞きたいのは、いわゆる企業分析と再分析を専門組織が比較・検討した中で、何かその疾病に対する専門の人がいなくて弊害があったのかどうか。あったから、そういうワーキンググループをつくるというふうに言っているのか、その辺がわからなかったから、現実に比較して何かあったわけですか。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
実際の臨床の現場での使用方法でございますとか、また、そういった部分、昨年で言いますと、企業分析と再分析、それぞれがガイドラインに基づいて妥当性のあるものの分析であったということで、今、併記になっております。そこにさらに臨床的な観点からの検証を加えたいということで今回はワーキンググループを設定させていただいて、その分析結果をより納得性のあるものにしていきたい。こういった改善をしたいということでございます。
○荒井費用対効果評価専門部会長
松本純一委員、どうぞ。
○松本純一委員
どんどん深みにはまっていくような感じがするのですけれども、例えば先進医療の中で評価する先生が、倫理的に問題がある、安全性に問題があるというところにチェックを入れる。それはそれで我々は了解します。ただ今回、今、幸野委員も指摘されましたけれども、倫理的・社会的影響等の話になりますと、では、どんなところが倫理的に問題があったのかというところまで我々は聞かないと、専門組織の評価結果というものにちょっと信が置けなくなる。そんな気がします。何か今の説明ですと、どんどん信用度が低くなっていくような気がいたしました。
これに対する答えはよろしいです。
○荒井費用対効果評価専門部会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
別の件でもいいですか。
○荒井費用対効果評価専門部会長
ほかに、今の件での関連がもしあれば。
では、今村委員、どうぞ。
○今村委員
ずっと同じことの繰り返しになるのでしょうけれども、今の議論を聞けば聞くほど本当にわからなくなってきて、臨床の専門家の御意見を聞きたいというのは、そういう方が入っていないというのは検討できないので、それはそのとおりだと思います。
なぜ、専門組織の中で例えばそういう御意見を聞いて検討するということができないのか。改めて、また下にワーキングをつくることになると、ワーキングで決まったことが専門組織にきちんと伝わるということを条件にこういう仕組みを考えられていると思うのですけれども、これは結局、専門組織で決めたことを中医協で最終的に決める、認めるということにあっても、やはりその議論がよく見えないと、今回、透明性を高めると言っているのに、その階層化を深くすればするほど、そこがきちんと見えなくなってしまうのではないかなと危惧を持つのです。
だから、なぜ、ここが専門家の方を専門組織に呼んで聞くという形で処理できないのかというのがよくわからないので、そこをもう一度教えてください。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
臨床の専門家の方の御意見を聞く形式にはさまざまあると思っておりまして、今、御指摘いただいたようなやり方はもちろんあると思ってございます。今回御提案したワーキンググループにつきましては、先ほど吉森委員からも御提案いただいた、例えば委員の一部を重複させて、きっちり意思疎通ができるような工夫とか、より効率的かつ屋上屋になって議論がすれ違うとか、そういったことがないようにしっかり進めていきたい。
それで、今回のワーキンググループで行うというのは試みでございますので、その先、どのような体制がよろしいのかというのは引き続き御協議をさせていただきたいと思ってございます。
○荒井費用対効果評価専門部会長
吉森委員、どうぞ。
○吉森委員
私が最初に申し上げたのは、今みたいな議論になろうということを想像して申し上げたのですけれども、ワーキンググループについては、やはりミッションを明確にして、このワーキングではこういうことで専門組織の委員も入って、こうするのだという建付けにしないと、ワーキングでやって、上げて、専門組織でやって、中医協に上げるというのですと屋上屋になりがちですので、そこのところはしっかり運営方法を明確にしていただきたいと思います。
そもそも今回、試行実施で問題・課題になったのは、企業側の分析と、いわゆる専門組織の分析に大きな乖離があった。その乖離の差は何だったかというと、データのとり方、そもそもの発射台の基準が違ったということがあったということで、なぜ、そうなったのかといいますと、専門的な見識もやや欠けていたのではないのかということで、そういう意味では倫理的・社会的影響も含めて臨床の先生を入れたり、その分野の専門的な見識を持った方を入れて、より透明性を担保して、きちんと分析しようということだと理解していますので、ワーキングのつくり方については明確なミッションをそれぞれの専門の先生たちに御指示いただいて、議論を深めていただくことにしていただきたいと思います。
○荒井費用対効果評価専門部会長
この件ですか。
平川委員、どうぞ。
○平川委員
2つ質問がありまして、この専門組織とワーキンググループの関係性がどうもわからないのです。ワーキンググループで出た意見を、参考というふうになっていますけれども、その辺、単純に、本当に参考でいいのか、それとも、どれだけ尊重すればいいのかというところが、その関係性が一つわからない。
もう一つは、3ページの一番下の○の「企業側の意見も踏まえ」と書いてあるのですけれども、これは企業側の意見を尊重して検討するという意味合いなのか、変な読み方をしてしまえばそういうふうにも読めてしまうので、その辺、性格に、この「企業側の意見も踏まえ」というところの意味合いについて教えていただきたいと思います。
意見としては、私も皆さんの言っているとおり、屋上屋を重ねて透明性に欠ける危険性があるのではないかなということについての指摘をさせていただきます。
とりあえず、質問を2点です。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、よろしくお願いします。
○古元医療課企画官
御質問を2点いただきました。
まず1点目につきましては、ワーキンググループにおける協議、それを参考に専門組織でということでございますが、当然、こういった分析を行うに当たりましてはさまざまな視点の検討が必要になります。特にそういった臨床の現場、そういった臨床の視点からの御意見については特に尊重する形で参考にするといった意味合いだと考えております。
また、3ページでございます。「企業側の意見も踏まえ」というのは、これは企業側の御意見も伺いながらといったふうに御理解いただければと思っております。
○荒井費用対効果評価専門部会長
平川委員、いいですか。
どうぞ。
○平川委員
ちょっと客観性に欠けるような表現だと思いますので、今の説明だと理解できない部分があるかなと思いました。意見として言わせていただきます。
以上です。
○荒井費用対効果評価専門部会長
いいですか。
そうしましたら、幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
別件でもよろしいですか。
○荒井費用対効果評価専門部会長
別件ですか。
では、もし今までの件でまだありましたら。
別件に移ってよろしいですか。
では、幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
再検証する7品目について、4ページに明記されているとおり、事前の協議をしっかり行うことが足らなかったので、しっかり行って、分析結果に差が出ないよう万全な体制で行うということなのですが、4ページの下から3行目に「今回の分析は原則として専門機関による分析を基本として実施することとし、企業による分析は任意としてはどうか」と明記されています。それだけ万全な体制で行うのであれば、企業と別々に分析して、これを比較するというやり方は必要なのか疑問に思っています。分析結果に差は出ないという前提でやられるのであれば、専門機関による分析を基本にして、企業は必要に応じてデータを提出するやり方でいいのではないかと思っています。
何を危惧しているかといいますと、万が一、また分析結果に差が出たということになると前に進めない状態になるので、専門機関と企業の両方で分析して比較するというやり方よりも、専門機関による分析を基本に企業が折々でデータ提出等で絡んでいくやり方のほうがより確実にできるのではないかと思うのですが、その辺はいかがお考えですか。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
そちらの、今、御指摘いただいた上に3点、箇条書きで記載しておりますが、今回の7品目につきましては、既に昨年、企業分析、さらに再分析も行っておりますので、課題は一定程度、整理されております。御指摘のとおり、きっちり枠組みを決めれば分析結果はほぼ同じとなる可能性が高いと考えております。
また、応分の負担があることであるとか、時間も限られておりますので、専門機関による分析を基本ということで私どもは考えたいと思います。ただ、企業側の希望でそういった分析が行われた場合ということを妨げるものではない。
ただ1点、大変重要なのは、分析の過程において、やはり情報を共有しながら、分析が終わって、開いたら、また違っていた。こういうことがやはり混乱につながると思いますので、きっちり情報共有をしながら、希望する企業のサイドにおいても分析を行っていただいても、それを妨げるものではない。こういった位置づけとしたいと考えています。ただ、混乱ができるだけ生じないように進めることは重要であると考えております。
○荒井費用対効果評価専門部会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
これだけ事前協議を行うのであれば、ほぼ同じやり方で専門機関と企業が分析することになるので、それは企業にとって経費もかかりますし、無駄ではないかなと思うのです。分析を専門機関の1つにして、必要に応じて企業が絡むというやり方のほうがいいのではないかと考えます。万が一、それで何か変なデータの差が出たりしたら、それが一番怖いと思いますが、どうお考えでしょうか。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
繰り返しますが、企業側の、やはりそれぞれいろんな、各企業の体制もございます。そういった中で、分析をすること自体を妨げるものではございませんで、情報共有しながら、委員御指摘のような、混乱のないように情報、またデータの共有などもしながら進めていきたい。こういった趣旨で御理解いただければありがたいと思っています。
○荒井費用対効果評価専門部会長
どうぞ。
○幸野委員
では、差が出ないことを祈ります。
○荒井費用対効果評価専門部会長
松本純一委員、どうぞ。
○松本純一委員
今の企画官のお話ですと、やりたい企業があれば勝手にやればいい。でも、それは結果が出るわけですから、その結果は専門部会でまた比較をするわけですか。
○荒井費用対効果評価専門部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
分析の内容を事前の枠組みに従って行われているのか、そういった確認を行っていくということだと思います。
○荒井費用対効果評価専門部会長
松本純一委員、どうぞ。
○松本純一委員
先ほど大変失礼な言い方を専門委員の方々にしましたけれども、やはり我々が、委員が専門的な知識を専門委員に聞きたいときにお願いするのが本来だと思います。今、幸野委員が言われた、企業もまた分析するということに対して、任意でやるかどうかということに関しては、企業の方々、いかがですか。専門委員というものは企業の方が多いとお見受けいたしましたので、お聞きいたします。
○荒井費用対効果評価専門部会長
どなたか。
どうぞ。
○上出専門委員
ありがとうございます。
ここまでの議論の中で、分析の枠組みを事前に十分ディスカッションし、合意した上でスタートすることが重要であるというご意見だったかと思います。ここが十分に合意できていれば、恐らく企業が独自に任意にデータを作成するという動機は非常に小さくなるのではないかと理解をしております。
先ほど平川委員から、3ページ目の一番下の○の、業界の意見も踏まえというところについて御質問がございました。試行のプロセスにおいて企業の考えを述べる機会が非常に少なかったというのが我々の感じているところでございます。ワーキンググループという組織でやるか、専門組織かは別としまして、十分な相互のディスカッションができて、そして、この枠組みが合意できれば、両者の分析結果というものは開かないであろうと考えられます。したがいまして、繰り返しでございますけれども、分析の枠組みを事前に合意し、十分納得性のある形でスタートするのが一番重要なところではないかと考えております。
以上でございます。
○荒井費用対効果評価専門部会長
ほかには御意見はないという状況でしょうか。よろしいでしょうか。
ほかに御意見がないようでしたから、本件については、本日の御意見を踏まえ、事務局から提案のあった方針で進めることとしてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○荒井費用対効果評価専門部会長
ありがとうございました。
それでは、事務局におかれましては、そのように進めていただきますようお願いいたします。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いします。
それでは、本日の合同部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

(了)
<照会先>

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代表: 03-5253-1111(内線)3288

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