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2018年5月23日 中央社会保険医療協議会 診療報酬改定結果検証部会 第55回議事録

○日時

平成30年5月23日(水)9:59~10:18

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

松原由美部会長 関ふ佐子部会長代理 田辺国昭委員 野口晴子委員 荒井耕委員 中村洋委員
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○平成30年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の実施について(案)

○議事

○松原部会長
 ただいまより、第55回「診療報酬改定結果検証部会」を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について報告します。本日は、全員が御出席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日は、「平成30年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の実施について(案)」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
○矢田貝保険医療企画調査室長
 それでは、お手元の資料、検-1をごらんください。
 まず、経緯でございますが、検-1の最初に13ページから御確認いただければと思いますけれども、これは4月25日の総会に答申書の附帯意見、それぞれの項目につきまして、主な検討の場、どこの場で検討するかという振り分けをしてございますが、この中で4以降、検証部会と振られているものについて、この2カ年間でどのように検証・調査を行っていくかという枠組みについて、本日お諮りしたいというものでございます。
 1ページに戻っていただきまして、「1.目的」につきましては、例年どおり検証・調査をするということでございます。
 「2.調査の実施方法」につきましては、これも従前どおり、調査検討委員会をつくりまして、そこで調査票の案の作成、また、集計・分析などの検討を行っていただくというものでございます。
 「3.調査項目」でございますけれども、以下の8項目について、2カ年で実施していただいてはどうかと考えてございます。特に経過措置が設けられているなど、改定の効果が明らかになるまで一定程度の期間が必要な項目については31年度という振り分けにしてございます。
 具体的には、1ページ3.の(1)(2)、これがかかりつけ医機能等の外来医療に係る評価等に関する実施状況調査、後ほど御説明しますが、その1を30年度、その2を31年度。
 (3)の在宅医療と訪問看護に係る評価等に関する実施状況調査、こちらを30年度に。
 (4)(5)医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査、これは(4)を30年度、(5)を31年度。
 (6)かかりつけ歯科医機能の評価や歯科疾患管理料の評価の見直しの影響、歯科疾患の継続的管理等の実施状況調査、こちらを31年度。
 (7)かかりつけ薬剤師・薬局の評価を含む調剤報酬改定の影響、実施状況調査、こちらを31年度。
 最後に(8)の後発医薬品の関係につきましては、これまでどおり30年度及び31年度の2カ年実施するということでございます。
 おめくりいただきまして、今、こちらは何年、こちらは何年と言ったものについて整理したのが2ページの上段でございます。
 2ページ中段、「4.スケジュール」でございますけれども、これも例年どおりのスケジュール、8~9月に調査検討委員会で調査票の案を作成していただきました。ただ、実際の調査票の案につきましては、検証部会、総会にお諮りして調査票を決定いたしまして、それに基づき調査を実施いたしまして、年明け1月以降、検証部会、総会に順次報告をしていくと。
 31年につきましては、同様に5~6月に検証部会、総会で調査票を決定いたしまして、調査をいたしまして、10~11月に調査結果について、こちらの場、そして総会というふうに報告をしていきたいと考えてございます。なお、例年、特に2カ年目の調査につきましては、審議に間に合うようになるべく早く報告書を取りまとめて報告できるように努めていきたいと考えているところでございます。
 3ページ、調査の簡素化、有効回答率の向上等の取り組みについて、引き続き取り組むとしてございます。
 具体的な調査の中身でございますが、4ページからそれぞれ別紙という形で調査の目的、検証のポイント、調査客体、主な調査事項ということで記載してございます。こちらをもとに調査票の案を委員会のほうで作成いただきまして、またこちらの場にお諮りして、調査を実施したいというものでございます。
 別紙1、外来医療、その1についての検証のポイントでございますが、30年度は紹介状なしの大病院受診時の定額負担の状況であったり、かかりつけ医機能を有する医療機関における外来診療実施状況等、こちらに記載のポイントのものについて調査をしたいと考えてございます。
 なお、委員のお手元にある資料は直っておると思うのですけれども、傍聴席のほうで修正したものがございまして、4.の最初で「大病院受診時の」というところの「大病院」を削除したものが、今、委員のお手元にあるものでございます。
 5ページ、別紙2、外来医療の関係のその2でございます。31年度、これにつきまして検証のポイントのところでございますけれども、生活習慣病の重症化予防、オンライン診療の実施状況、向精神薬の長期処方・多剤処方の状況、リハビリテーションの状況等について検証・調査をするということでございます。
 こちらも調査客体のほうで、病院・診療所、それとリハビリテーションにつきましては脳血管疾患等リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料等の届け出を行っている保険医療機関を対象にするというものでございます。
 6ページ、別紙3、在宅医療と訪問看護に関する調査ということで、30年度でございますが、検証のポイントにございますとおり、他の医療機関等と連携した訪問診療の実施状況、在宅療養支援診療所以外の診療所における他の医療機関等との連携状況、訪問看護ステーションにおける地域の人材育成等の支援状況、精神科在宅患者支援管理料の算定状況等、こちらに記載の在宅医療と訪問看護の関係のものについて検証・調査をしていきたいということでございます。
 8ページ、別紙4、働き方改革等の推進に係る評価ということでございまして、30年度、その1につきましては、検証のポイントにございますとおり、常勤者の配置、勤務場所等の人員配置に係る要件の見直しの影響、病院勤務医や看護職員の負担軽減策の実施が進んでいるか等についての検証。
 9ページ、別紙5は、この医療従事者負担軽減、働き方改革の推進に係る評価等の実施状況調査、その2ということでございます。こちらにつきましては、下に※で書いてございますが、医師の働き方改革に関する検討会等の議論等を踏まえ、今後、必要な見直しを行っていくとございます。
 31年度、検証のポイントでございますが、病院の医療従事者の勤務環境改善の取り組みの内容や実施状況、ICTを用いた情報共有・連携の実施状況等についての検証を実施していきたいと考えているものでございます。
 10ページ、別紙6、歯科医療の関係でございますが、検証のポイントのところ、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準の届け出状況、歯科疾患管理料を算定する患者の状況など、記載のものについて検証していきたいというものでございます。
 別紙7、薬局の関係でございますが、検証のポイント、保険医療機関と保険薬局における双方の連携方策も含めた残薬、多剤・重複投薬の状況や削減効果など、記載の項目について検証を行いたいというものでございます。
 最後、12ページ、別紙8、検証のポイントでございますが、後発医薬品の関係でございまして、一般名処方による医療機関の処方状況、それに伴う保険薬局における後発医薬品の調剤状況など、記載の項目について調査を行っていきたいというものでございます。
 以上でございまして、ただいま御説明いたしましたように、それぞれの調査について、この大枠のもとで御了解をいただけましたならば、調査委員会のほうで調査票を固めまして、またこちらの場にお諮りして、調査票を決定して、調査を実施して、なるべく早く報告をするという形で、この30年度、31年度も調査・検証を実施していきたいというものでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○松原部会長
 どうもありがとうございました。
 事務局からの説明につきまして、御意見等がありましたら、どうぞ。
 関委員。
○関委員
 前回の検証においても上がっていた意見ではございますが、情報の第三者利用について、公表の方法などをより工夫していただけないかと考えております。
 2点ございます。1点目は、目的外利用を好ましく思わない者からの回答が減って、回答率が下がる点がデータの公表を控える意見となっております。しかし、この点は、例えば調査対象となる個人などは、目的外利用について余り否定的な意見を持っていない場合もあるかもしれません。そこで、最初から全ての利用を公表するという形ではなくて、こういった対象に関するデータは公表していいのかどうかなど、対象を限定するところから検討を始めるといったことも可能ではないかと思っております。そして、そういったことを検討した上で、あらかじめ調査票に明示してデータを集めるといったことができないかどうか、御検討いただければと思います。
 2点目は、公開により、今も大変な厚生労働省の事務方の負担がふえることは極力避けなければならないと思っております。そこで、公開方法を工夫する必要があるかと思いますが、例えば公開可能なものについてはあらかじめホームページにアップして、自由にダウンロードできるような形にするということが可能なのではないかと思います。とりわけ現在、調査の報告書はホームページにアップされておりますが、その元データがエクセル表などでアップされていないことにより、研究者としてはなかなか、図表をつくり直したり、工夫するに当たってみずからそのデータを入力していかなければならない、報告書を見ながら手入力しなければいけないといったことが生じております。既に公表されているものについては元データをエクセル表でアップするといったことなどであれば可能ではないかと思いますので、そういったところから公表について御検討いただけないかと思います。
 以上です。
○松原部会長
 いつも繰り返し出てくる第三者の利用データについて、貴重な御意見をありがとうございました。御意見ということで賜りました。
 ほかにございますか。
 中村委員。
○中村委員
 先ほどの説明にもありましたが、調査の簡素化、有効回答率の向上を引き続きお願いしたいと思っています。特に今回は明言されていませんが、現場の負担感も非常にあるかと思いますので、現場の負担感の軽減ということも踏まえて、お願いします。
 以上です。
○松原部会長
 回収率向上に向けてさらに取り組むようにと、御意見を賜りました。
 矢田貝室長、どうぞ。
○矢田貝保険医療企画調査室長
 それでは、2点につきまして、御意見ということでございますけれども、現状を御説明いたしますと、まず、調査・検証で集めましたデータの元データについて、研究者の方などが使えるようにすべきではないかという御意見につきましては、前回も関委員から御意見がございましたし、野口委員からも、かねてよりそういうことができないか検討してほしいということで宿題をいただいている状況でございます。
 事務局の中でも調査を実施しているところとも相談しながら検討しているところでございますけれども、大きく言うと2点の課題がございます。関委員からも御発言ございましたけれども、1つはやはり、そのデータが第三者に使われることによって回答率が下がるのではないかという懸念がございまして、経営の状況など機微にわたるデータのほかに、なぜ○○に取り組まないのですかというような心情というか、意向を聞くような調査もございまして、そういうものについて第三者に提供することに心配があると。
 実際に調査の実施主体のほうにこのデータが第三者に提供されることはないのかというような問い合わせもあるということでございますので、関委員の御意見は、そこも工夫しながら、物に応じてできるのではないかという御意見だったと思うのですけれども、一つにはその辺のところをどうやっていくのかという課題がありますので、その点を踏まえて検討していきたいということが一つ。
 もう一点は、これも御発言がございましたけれども、実際に膨大なデータを、どこで補完して、それを第三者提供するのかということの我々事務局の体制の問題もございますので、そうした課題がある中で、何ができるのかということを検討していかなければいけない。
 実際の報告のデータについて、なるべく第三者が利用するような形で公表していくということにつきましては、ホームページに調査票を載せるようにしてございます。なので、どなたでもそれは使えるようにしてございます。また、そのデータをエクセルで公表してはどうかということにつきまして、ちょっとそこは検討させていただければなと思っています。恐らく、そのエクセルも、いろいろリンクがついたエクセルで集計しているのをPDFにしてやっていると思いますので、それを公表できるような形に転換してつるというのはどれだけの手間がかかるのかというのと、全ての票についてそれをしなければいけないのか等、コストの関係と第三者が使えるという利便の関係のバランスも考えながら、宿題として検討させていただければと考えてございます。
 また、有効回答率の向上につきましても、中村委員からかねがね御指摘いただいておりますけれども、なるべくたくさんのデータを集めるということが大事だと思います。なるべくたくさんのデータをとりたいという一方で、なるべく書く側にとっては簡素な形で、またわかりやすい形で調査票を作成して、有効回答をふやしていきたいと考えてございますので、調査票の検討の段にも御指摘なりをいただければと考えてございます。
 以上でございます。
○松原部会長
 ありがとうございました。
 野口委員。
○野口委員
 第三者利用について御検討いただいているということで、どうもありがとうございます。
 私から、もう少し違った観点からなのですけれども、検証・調査の場合はそういった努力は既になされているのですが、統計的な有意性をはっきりと示すということが非常に重要だと思います。例えば、0.1%から0.5%まで上がった、あるいは下がったという話をするときに、それが果たして本当に統計的に有意性があるのかどうか。あるいは回答率の問題が先ほどから議論されておりますけれども、やはり代表性の問題ですね。果たして集められたデータにどのぐらいの代表性があるのか。こういったことに関しては、カイ二乗検定とかF検定とかいろいろありますので、非常に御負担が大きくなることは理解しますけれども、やはりそういった検定をしっかりすることによってエビデンスとしての妥当性、あるいは議論する上でのエビデンスとしての有効性みたいなところが明確化されますので、ぜひそういった統計的な有意性を検証するということを徹底していただきたいと思っております。
 医療経済実態調査を私は担当しておりますけれども、そちらのほうでもぜひ今後、統計的有意性を、あるいはデータそのものの代表性を検証するような検証結果を掲載していただきたいと思っております。
 以上、意見です。
○松原部会長
 貴重な意見をありがとうございました。
 矢田貝室長。
○矢田貝保険医療企画調査室長
 特に検証・調査のほうでは、そういう検定の結果なども付記しているようなものをこれまでも出してございますけれども、御意見を踏まえて検討していきたいと思っております。
○松原部会長
 ほかに御意見等がないようでしたら、御審議いただいた案について、当部会で同意を得られたものとして、私から総会に報告することとしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議論はこのあたりとしたいと思います。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 本日はこれにて閉会します。どうもありがとうございました。

 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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