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2021年2月3日 中央社会保険医療協議会 調査実施小委員会 第52回議事録

○日時

令和3年2月3日(水)10:29~11:10

 

○場所

オンライン開催

○出席者

秋山美紀小委員長 荒井耕委員 小塩隆士委員 永瀬伸子委員 
吉森俊和委員 幸野庄司委員 佐保昌一委員 眞田享委員 松浦満晴委員
今村聡委員 城守国斗委員 池端幸彦委員 林正純委員 有澤賢二委員

<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 岡田医療技術評価推進室長
山田保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○第23回医療経済実態調査について

○議事

 

○秋山小委員長
ただいまより、第52回「中央社会保険医療協議会 調査実施小委員会」を開催いたします。
なお、本日もコロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。
また、今回も会議の公開につきましては、前回に引き続き、試行的にユーチューブによるライブ配信を行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について御報告します。
本日は、全員が御出席です。
それでは、議事に入ります。
本日は、前回に引き続き、第23回医療経済実態調査について御審議をお願いしたいと思います。
まずは、前回の議論を踏まえ、事務局から資料が提出されていますので御説明いただき、その後、審議を行いたいと思います。
それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
○山田保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長でございます。
中医協実-1を御覧ください。「医療経済実態調査(医療機関等調査)に係る主な論点」という資料でございます。
2ページをお願いいたします。目次であります。
1が「前回調査実施小委員会での主な意見と対応案」で、2が前回の小委員会では議題としてお示しさせていただいていない新たな検討項目としまして「その他の見直し(保険薬局関係)」でございます。
4ページ、前回の調査実施小委での主な意見と対応案でございます。
「(1)新型コロナウイルス感染症の影響が少ない月の追加調査の実施について」、いわゆる単月調査を追加するか否かについてでございます。いただいた意見を○で記載しております。
令和2年度の状況のみでは間違った解釈になるおそれがあるため、単月調査は実施するべきといった御意見。コロナを受け入れていない医療機関への影響をどう把握するか整理しておくべきという御意見。年度調査よりも回答負担が大きく、回答率も低くなることが予想される。実施することで既存の通常の調査の回答率も減少するおそれがある。回答率が低い場合には分析は行わないなど、取扱いについて検討しておくべき。仮に実施するのであれば、回答負担を考慮して、調査項目は可能な限り簡素化するべき。こういった御意見をいただいておりました。
事務局としての対応案としましては、矢印のところに記載させていただいておりますが、「単月調査については、事務局で簡素化した調査項目の案を準備した上で引き続き議論してはどうか。また、最終的に単月調査を実施するか否かについては、今後の新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、春頃をめどに決定することとしてはどうか。」
春頃というのは、調査の準備が間に合うぎりぎりのタイミングを考えております。この時点で、改めてコロナの状況と単月調査の負担感を中医協にお諮りしたいと考えております。
5ページは単月調査をする場合の調査項目のイメージであります。年度調査でありますと約49項目の調査をしておりますが、できるだけ項目を絞った上で例えば一般病院であれば11項目ぐらいにしてはどうだろうかと考えております。
6ページをお願いいたします。「(2)その他新型コロナウイルス感染症に関するご意見」でございます。
○1「新型コロナウイルス感染症患者を受け入れていない医療機関にも受診控え等の影響が生じている」といった御意見をいただきました。
○1の矢印のところを御覧ください。「新型コロナウイルス感染症患者の受入れ状況に関する調査項目については、以下のとおりとしてはどうか。また、受入れ状況に応じた集計も行うこととしてはどうか。」
病院の場合には、2つの項目を追加してはどうかと考えております。
1つ目の項目は、病院の基本データの項目に、「重点医療機関・協力医療機関の指定状況」の有無といった項目を追加する。2つ目の項目としまして、病院の基本データの項目に「新型コロナウイルス感染症入院患者の受入状況」という項目を追加する。ここは受入れ状況の有無を問うイメージで考えております。
一般診療所におきましては、一般診療所の基本データの項目に、「診療・検査医療機関の指定状況」という項目を追加。また、基本データの項目に、「新型コロナウイルス感染症疑い患者の受入状況」という項目を追加してはどうかと考えております。
四角の中に戻っていただきまして、○2「決算月によって、新型コロナウイルス感染症による影響が異なることに留意するべき」といった御意見をいただきました。
医療経済実態調査は、令和3年3月までに終了する直近2事業年度となっておりまして、事業年度によって対象となる期間が異なってまいります。病院ですと殆どが3月決算ですけれども、特に診療所ですと決算月がそれなりに分かれております。分かれている中では、3月決算というものが比較的多いという状況になっておりますので、3月決算の施設のみを集計した結果についても公表してはどうかということを考えております。
7ページ、「(3)有効回答率に関する主な意見」であります。
有効回答率の向上が大事だ、都道府県ごとの回答率のばらつきに留意すべきといった御意見をいただいておりました。
○1でありますが「回答意欲の喚起」としまして、診療側関係団体への協力依頼を引き続き実施する。また、回答するインセンティブのために、調査票と併せて事前に経営状況のフィードバックの見本を送付する。
また、フォントやレイアウト等を工夫する。電子調査票の利用を促進するといったことを考えております。
続きまして、8ページ以降が2つ目の議題、「その他の見直し(保険薬局関係)」でございます。
9ページを御覧ください。
「保険薬局について、保険調剤の実態をより正確に把握する観点から、医薬品等費の内訳として、「(うち)調剤用医薬品費」「(うち)一般用医薬品費」という項目を追加してはどうか。」
現在は、医薬品等費の中に調剤用医薬品費、一般用医薬品費、その他品目がまとめて1つの項目となっております。これを分けて記載することによって、より正確に把握してはどうかということを考えております。
2つ目の四角でありますが、「保険薬局について、特定の保険医療機関との不動産の賃貸借関係の実態を把握する観点から、賃貸借関係がある場合、賃貸借している不動産の種類を問う項目を追加してはどうか。」
今までの調査票でも、特定の保険医療機関との不動産の賃貸借関係の有無は聞いております。それに加えまして、不動産の種類を問う項目を追加してはどうかと考えております。
実-2を御覧ください。
第23回調査の実施案でございます。
黄色く塗ってあるところが前回の調査案と異なる部分であります。
例えば、「(1)調査日程」のところに「令和3年8月中旬」と調査の回答期限の箇所を塗っておりますが、これが前回と変わっているところでございます。
例えば「(2)調査対象時期」でありますが、お諮りしていますとおり、単月調査を実施する場合には春頃をめどに決定するということであります。
2でありますが、「(1)調査対象」「(2)抽出率」には、変更ございません。
「3 調査項目の主な変更点」であります。
これも既に御説明していることの繰り返しになりますが、(1)新型コロナウイルス感染症関連の補助金を追加。(2)新型コロナウイルス感染症患者の受入れ状況に関する項目を追加。(3)本日提案させていただきました医薬品等費の内訳を追加。(4)賃貸借関係がある場合、その不動産の種類。(5)単月調査について春頃をめどに決定するということであります。
2ページの下から、機能別の集計、どういった集計をするのかということが記載されておりまして、今回、新たに集計をしたいと考えておりますのは、3ページの黄色く塗ってある部分でございます。3月決算の施設の損益の状況。重点医療機関・協力医療機関の損益の状況。新型コロナウイルス感染症による入院患者の受入れ状況別の損益の状況。診療検査医療機関の損益の状況。一般診療所の新型コロナウイルス感染症による患者の受入れ状況別の損益の状況を新たに集計してはどうかと考えております。
4ページは、有効回答率の向上策で追加した部分を記載しております。
より細かな資料になりますが、実-3を御覧ください。
調査における調査項目の変更点を前回と比較したものであります。資料の左側が第22回、前回の項目でありまして、右側が今回の項目であります。
変更部分を赤く記載しております。例えば1ページの下のほうに「重点医療機関・協力医療機関の指定状況」、こういったところが赤くなっておりますが、これが新設された箇所ということであります。
2ページ以降、新設の部分には赤字を記載させていただいております。
7ページまでお進みください。
いわゆる単月調査を実施するとした場合の調査項目のイメージで、7ページが病院、8ページが診療所、保険薬局となっております。
年度調査と比較して項目数を減らしたらどうだろうかということで、病院ですと7ページで11項目、診療所ですと一般診療所、歯科診療所、保険薬局ごとにその性質に応じて7から10ぐらいの項目としてはどうかと考えております。
事務局からの説明は以上でございます。
○秋山小委員長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明を踏まえ、御審議いただきたいと思います。
御意見がありましたら、お願いします。
今村委員、お願いします。
○今村委員
ありがとうございます。
実-1に、前回の我々の意見と対応案を示していただいておりますけれども、4ページの単月調査につきまして、今後の新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて春頃をめどに実施の可否を決定する前提で準備をしていく、議論をしていくということと、5ページにありますように簡素化を図ることにつきましては、同意をしたいと思います。
また、6ページの1ですけれども、コロナ患者受入れの有無を聞いて、おのおのの群で影響を見るということで理解しております。あわせて、2の決算月による違いについても結果を公表する御提案ですけれども、これについても同意をしたいと思います。
ただ一点、診療所のところで、コロナの疑い患者を受け入れているかどうかの定義については、医師が判断を迷わないようにしていただければと思います。
その上で申し上げたいと思いますけれども、仮に単月調査を実施するのであれば、医療機関経営の実態をより正確に把握できるようにしていただきたいと思います。
医療機関は御存じのとおり、経営上の特徴は、医師や看護師などの医療従事者がチームとなって患者さんに医療を提供するという極めて労働集約型の産業であるという性質上、人件費の占める割合は非常に高くなっておりまして、それはコロナの影響によって様々な影響が起こっている月もそうでない月も大きく変わることがないという要素であります。
さらに、感染予防策の徹底による経費の増加や、施設運用の変更等による収入減少の傾向は、コロナの影響が少ない月であったとしても継続していると予想されますので、単月調査を実施するのであれば、そうした実態が明らかになるような調査、分析をすることについて、ぜひ工夫をしていただきたいと思います。
私からは以上です。
○秋山小委員長
ありがとうございます。
事務局から、返答はありますか。
○山田保険医療企画調査室長
ありがとうございます。
例えば診療所の疑い患者は、医師の方が判断を迷わないように、記入する方が判断を迷わないようにという御意見をいただきました。
記入要領でしっかり記載するなど、工夫してまいりたいと思います。
○秋山小委員長
続いて、池端委員、お願いします。
○池端委員
ありがとうございます。
私も、今村委員と同様に、一定の簡素化をして上で単月調査を春頃に決定するということに関しては、同意させていただきたいと思います。
その上で、同じように解釈の仕方によりいろいろな見方が出てくるかと思いますので、分析の方法も含めて、慎重ないろいろな見方を捉えた上で御検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
1点お願いというか御提案させていただきたいことは、今回の調査はコロナの患者を受け入れているか受け入れていないかという受入れ状況についての項目を追加ということをお聞きしていますが、御承知のとおり、1月22日に出口戦略ということを受けて、ポストコロナの患者様を一般病床以外、回復期とか療養でも受け入れるようにということで、感染防止管理加算を3倍にしたり、救急管理加算を1倍で取れるようにということの対策が取られました。
これらの影響を見るということでは、ポストコロナを受け入れているか、いないかという項目も1つあったほうが、今後の検討にも有用な項目になるのではないかということで、それを追加してはいいかがかということを御提案させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○秋山小委員長
お願いします。
○山田保険医療企画調査室長
今村先生にも御指摘いただいておりましたが、分析なり公表の仕方を慎重にということであります。改めて池端先生にも御指摘いただきまして、しっかりと分析し、公表をするときにも慎重にしていきたいと思っております。
また、池端先生からポストコロナの受入れについても記載してはどうかという御提案がございました。確かに、出口戦略は重要になってまいりまして、診療報酬においてもそういったところの評価をするといった手当てもさせていただいております。
今回、入院患者の受入れ状況という項目を追加する、例えばその下辺りに記載できないかを考えてみたいと思います。
事務的には、可能な対応でございます。
○池端委員
ありがとうございます。
○秋山小委員長
挙手いただいた順番で、有澤委員、お待たせしました。お願いいたします。
○有澤委員
ありがとうございます。
私も、まず単月調査に関しては、一定程度調査をするのはやむを得ないかと思って、了承したいと思いますが、ただ単月調査はこれから先のことになります。今は大分落ち着いてきている方向にはあると言えども、どういう実態になるかということは分からないわけですから、これは相当慎重に議論をした上で、単月調査をするか、しないかということを引き続き議論していく必要があると思います。
また、仮に調査をしたとしても、調査の内容について考慮を十分にしていくべきでありまして、調査をしたから即それを用いてどうかするということではなくて、調査結果をしっかりとまた検討する必要もあると考えます。
個別で行きますと、9コマ目の部分で、保険薬局の調剤の実態をより正確に把握する観点から医薬品費等の内訳としてということで、調剤用医薬品あるいは一般用医薬品、あと特定保険材料と分かれていますが、薬局の営業形態は様々でして、決して医薬品だけではなくて衛生材料、あるいは化粧品であったり、雑貨であったり、その他の医薬品以外のものも商品として仕入れをして販売している観点から、項目としてはこの2つ、それから既にある特材の部分もありますけれども、それ以外にその他の仕入れの商品というような項目で分けるようにしていただきたいと思います。
それからもう一点、その下にあります保険薬局についての特定保険医療機関との不動産賃貸借の実態を把握する観点からということで、賃貸借の有無を土地・建物かそれ以外という形で聞いているわけですが、一方で、実-3の6コマ目のところになりますが、ここの中で「その他経費」ということで「土地賃借料」しか書いてありません。実際には、薬局の開局の形態としては、テナントのように借りる方法、あるいは建物を土地込みで借りている方法、土地を借りて建物を建てる、様々なものがありますので、そういった面で選択肢の回答の「土地賃借料」という部分は少し考慮していただければと思います。
以上です。
○秋山小委員長
事務局から、返答はございますでしょうか。
○山田保険医療企画調査室長
ありがとうございます。
単月調査を慎重に、また調査をした結果の扱いも慎重にという御指摘ありがとうございます。御指摘どおり、丁寧にしっかりとしたいと思います。
あと、医薬品等費の中で、「(うち)調剤用医薬品費」「(うち)一般用医薬品費」という項目を足すこととしています。私の理解では医薬品等費から調剤用医薬品費と一般用医薬品費と材料費を抜くと、その他の品目が引き算で出るので、新たな項目を立てる必要はないかと思っておりましたが、少し事実関係も確認させていただきたいと思います。
その次の賃借料につきましても、検討させていただきたいと思います。
○秋山小委員長
続いて、吉森委員、お願いします。
○吉森委員
ありがとうございます。
全体的には、特に異論なくこの方向で進めていただきたいと思います。細かくて申し訳ないのですが、理解を深めるために3点ほど確認と質問をさせていただければと思います。
1点目として、4ページの下のところに単月調査の実施要否を今後の新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ春頃に決定するということで、調査実施のタイミングを見て春頃とあります。これは、判断を最大限後ろとすれば5月頃なのかどうなのか。
また、実施決定の判断基準としての考え方について、例えば緊急事態宣言が今は出ていますが、宣言の発出の有無を基準とするのか。あるいは、コロナ感染症の入院患者数の多寡や病床稼働率の多寡などを基準とするのか。その際に、現状でも大都市圏と地方圏では全く状況が違うと思いますので、緊急事態宣言がどこかの地域に出ていればどうなのかなど、その判断基準はどのようなことを考えていらっしゃるのかを教えていただきたい。
これについてまず、お考えをお願いします。
○秋山小委員長
事務局、お願いします。
○山田保険医療企画調査室長
ありがとうございます。
判断基準につきましては、例えば緊急事態宣言が発出されているような状況であれば、調査をするのはそもそもかなり困難かと思っております。
一方、入院患者が何人だったらとか病床の利用状況がこうであったらというのは、あらかじめ定めておくのは難しいと思いますので、春頃の時点で、今、入院患者はこのような状況、病床の状況はこのような状況というのをお示しさせていただいた中で、改めてこの場で御判断いただきたいなと考えております。
○吉森委員
そうすると、どこか1か所でも緊急事態宣言が出ている都道府県があれば、この単月調査は難しいと判断するという理解でいいのですか。
○山田保険医療企画調査室長
それも含めて、春頃に仮に緊急事態宣言が出ているところがあれば、何県が出ていますけれどもどうしましょうかということをお聞きすることになると思いますが、今の考えではどこかに緊急事態宣言が出ているような状況では調査は難しいのではないかと思っております。
○吉森委員
分かりました。
それでは、2点目の確認です。先ほどお示ししていただいたように、この単月調査の実施は調査事項を簡素化して対応したいということですが、調査の対象先としては医療経済実態調査とセットで全医療機関等が対象になるという理解でいいのかどうかです。
○秋山小委員長
事務局、回答をお願いします。
○山田保険医療企画調査室長
医療経済実態調査の対象となった医療機関を対象としたいと考えております。
○吉森委員
ありがとうございます。
細かいですが、そうすると年度調査の回答のみで、単月調査の回答がない場合があれば、年度は有効回答と判断するということにして、単月のところは単月で回答なしという判断でいいという理解でよろしいでしょうか。
○秋山小委員長
お願いします。
○山田保険医療企画調査室長
そのとおりです。
○吉森委員
分かりました。
最後、3点目です。さきほどの緊急事態宣言等が春頃に出ているということで単月調査を実施しない決断に至った場合に、従前の方法による経済実態調査の実施だけでは、次回診療報酬改定の判断根拠となる重要な客観的データにおいて新型コロナウイルスの影響を分析、補完して解釈するということは非常に難しいのだろうと思います。では前回診療報酬改定時の適正な分析評価が得られるということをどのように担保するのかということで、単月調査に代わる他の調査データ等による代替・補完できるような方法論、可能性ということは何かお持ちなのか教えていただければと思います。
○秋山小委員長
回答をお願いします。
○山田保険医療企画調査室長
医療経済実態調査の特徴としましては、収入だけではなくて支出が分かることにあると思います。
その医療経済実態調査が年度のみの場合は支出については年度の状況、収入につきましてはレセプトの状況である程度把握できるとは思います。レセプトの収入と年度の支出、これらから一定の推計をして経営状況を議論していただくことになると思います。
○吉森委員
いずれにしましても、春先の状況なのでしょうが、やはり新型コロナの影響の分析・補完ということを適正に解釈して経済実態調査を評価する観点で考えますと、単月調査は先ほど皆さんがおっしゃっていましたが、内容をなるべく簡潔にしながらも経営実態がより明確になるような形での工夫も入れて、単月調査はやはり実施すべきなのだろうと思っています。どういうことで困難になるかというのは当然ながら議論をしなければいけないと思いますが、基本的には実施して経営実態がきちんと明確に把握ができることを担保すべきだと思います。
これは意見です。以上です。
○秋山小委員長
ありがとうございます。
お待たせいたしました。城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
先ほどからお話に出ていますように、単月調査に関しては影響が極めて少ない場合は有効な調査になろうと思いますが、このような現状のコロナの状況においてはやはり実施をするかしないかということは、先ほど吉森委員からもお話が出ておりましたが、慎重に検討をして、本会に基準等も含めて、やる、やらないを提示をしていただきたいと思いますし、その時期に関しては5月ぐらいをリミットであるということも今お聞きして、了承をいたしております。
その場合、仮に6月に調査を実施するということであれば、単月調査の収入と支出の項目は極めて簡素化していただいていますので、これでよろしいかと思いますが、6月は賞与の給与月になっておりますので、医療機関の経営に大きな影響を与える要因としてコロナだけではなくて賞与というポイントがあろうかと思います。
したがいまして、今年の6月の数字を単純に前年度の12分の1という数字と比較しても実態はなかなかつかめないと思いますが、事務局としてはどういう方法を考えておられるのか、お聞かせ願えればと思います。
○秋山小委員長
山田室長、お願いします。
○山田保険医療企画調査室長
御指摘のとおり、賞与につきましては単月の把握が困難であると思っております。
医療機関が既にボーナスを支給したかしていないかの状況でも変わると思います。例えばその年度の年間支給額が仮に決定している施設につきましては、それが最新の状況ということでその額の12分の1をしてはどうかと思います。また、年間支給額が決定していない施設につきましては、例えば前年度実績の12分の1というものが一番近いのかと思います。
ただ一方、前年度実績がコロナ禍で賞与を減額しているという施設もあると思います。年間支給額が決定していない施設でさらに前年度実績がボーナスが低い施設については、前々年度の実績、例えば令和元年度を取ってみて、その12分の1を足すということも考えられるかと思っております。
賞与の把握の仕方につきましては、次回もう一度、実調の御議論をいただきますので、そのときに案を出させていただきたいと思います。
○秋山小委員長
城守委員。
○城守委員
ありがとうございます。
その辺り、できるだけ実態が把握できるような形でまた御検討していただきたいと思います。
それから、コロナにおいて収入が減少して、本来なら賞与が出せない。しかし、補助金において賞与に充てる。または、そうではなくてWAM等からの借入れによってそれを賞与に充てるということもございます。
ですので、いわゆる経費の内容がどこから出ているのかということが医療機関によって変わる可能性もございますので、そういうことができるだけ分かるような調査、分析という形の工夫をしていただければよいかと思いますが、かといってあまり調査項目がまた増えていくというのもよろしくないかなと思いますので、その辺りのバランスを取りながら御検討のほどよろしくお願いいたします。
これは要望でございます。
○秋山小委員長
ありがとうございます。
林委員、お待たせいたしました。お願いします。
○林委員
ありがとうございます。
単月調査に関しまして必要性は理解しておりますし、是非に関しましても2号側委員と同じでございます。
その上で、実-3の5ページと8ページでございますが、損益項目の「歯科材料費」でございます。歯科用貴金属などに関しまして、歯科におきましては価格変動に応じてまとめ買いをすることもございます。対象月の収支にそれが反映してこないということも想定されます。
また、5月とか6月というのは、歯科におきましては比較的患者数も多く、単月調査に関しましては通年調査に比べまして精度に関しましてよりバイアスがかかるということも想定されております。
単月調査を実施するのであれば、収支の計算方法も含めまして回答率や精度の向上に考慮していただきまして、改定議論にしっかりと反映できるような内容での調査になるよう制度設計をしていただきたいと思っております。
以上でございます。
○秋山小委員長
ありがとうございます。
続きまして、幸野委員、お願いします。
○幸野委員
ありがとうございます。
私も全体として事務局案に賛成したいと思います。特に単月調査の部分なのですが、これは限りなく実施する方向で準備していただきたいと思います。
単月調査を実施するかどうかの判断基準、今、議論になったのですが、山田室長からは1つの地域で緊急事態宣言が出たら、全地域で単月調査をやめてしまうというような御発言があったのですが、これは少し見直したほうがいいのではないかと思います。
例えば、東京のみで緊急事態宣言が出ていたら、全国一律で単月調査をやめるのかということを現段階で決めてしまうのは、見直したほうがいいと思います。その判断をする月の状況を見て、東京を外してほかの地域はやるという選択肢もあると思いますので、緊急事態宣言中の単月調査の実施については現段階では決めずに、その時期に議論すべきだと思います。
単月調査の実施については、今回は特別な理由があると思っています。その理由というのは、従来であれば改定年、いわゆる令和2年の9月までの経過措置が通常なのですが、今回はコロナ禍の影響で令和3年3月31日まで経過措置が延長された。いわゆる令和2年度いっぱいまで経過措置が延長された項目が8つあるのです。それも結構重要なものが多くて、急性期とか回復期リハ、それから地ケアの実績要件の経過措置も延長されましたし、薬局で言えば地域支援体制加算も令和2年度末まで延長されました。
これはやはり経営上の収支に大きく影響を与えるものなので、令和3年の状況を見てみないと診療報酬上の影響は分からないと思うのです。そういった理由もあって、単月調査の実施については緊急事態宣言を一つの基準とするというのは分かるのですが、全国一律に実施しないというのは考え直したほうがいいのではないかと思いますので、意見として言わせていただきます。
以上です。
○秋山小委員長
ありがとうございます。
ほかに、御意見、御質問等、ございませんでしょうか。
荒井委員、お願いします。
○荒井委員
ほかの方がいなければということなのですけれども、今、単月調査のお話だけは出ていたのですが、3月決算に絞って値を出すということも出ていたと思うのです。そのことに関して、私は賛成とか反対とかそういうわけではなくて少し述べておきたいと思います。
基本的にはやってみたらいいと思っているのですが、厚労省の説明にも入っていましたけれども、3月末決算というのは非常に限定された客体数になってしまうという問題がありまして、やってみたらいいのですけれども、例えば診療所ですと3月末決算は18%しかないのです。ですので、物すごくサンプル数が減ってしまって、結果として結局、3月末決算の結果は1年間のコロナの影響を受けた結果なのか、それとも単に客体数が少なくなったことによって安定的な結果が得られなくて暴れてしまった値なのかというところの解釈はすごく難しくなると思います。
ですので、やってみたらいいと思うのですけれども、結果としてそういうことが起こるということはあらかじめ気にしておいた方がいいと思います。
それから、病院のほうも先ほどの説明だとほとんどが3月末とおっしゃっていますが、実際には4分の3ぐらいですので、病院全体を対象とした分析のときはいいのですけれども、療養病床が60%以上とか、そういうふうに少し区分していったときには、その4分の1が抜けただけでも相当大きくぶれます。
私がやっているような研究の何千というサンプルでもそういうことが起きますから、実調の結果でこの回収率の低い状況でやると安定的な結果が得られないおそれもあるので、あらかじめその辺りは気をつけたほうがいいと思います。
この結果が出る11月の頃は私は任期満了して、もういないので、あらかじめ言っておきたいと思います。
コメントです。
○秋山小委員長
ありがとうございます。
山田室長、お願いします。
○山田保険医療企画調査室長
ありがとうございます。
荒井先生からいただいた御指摘で、多分手元に持っているデータが異なるからなのかもしれませんけれども、私の手元にある昨年の実調の診療上の月別の事業年度ですと、4月~3月を決算としている割合は個人を除くと25~30%の数字です。いずれにしてもそれほど高くないのですけれども、ほかの月よりは圧倒的に高いことにはなっています。
ですから、これも公表するときに割合がどれぐらいあって、n数はどれぐらいであるということも踏まえて、どのように公表するのか、どういうふうに解釈できるのかというものをまた相談したいと思います。
ありがとうございます。
○荒井委員
今の診療所の私が言ったのは医療法人なのですけれども、実調の結果は医療法人に限定したときは23%とかその辺りだと思います。私の言った18%というのは、事業報告書から得られている九十数%の日本の診療所のデータに基づいて18%だったという結果に基づいて言いました。
○秋山小委員長
ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問等ございませんでしょうか。
ほかに御意見がないようでしたら、本日の審議はこの辺りで終了したいと思います。
次回の小委員会は、本日の委員の皆様の御意見等を踏まえ、調査票、記入要領の案等について事務局に作成いただき、審議を進めてまいりたいと思います。
それでは、本日の議論はこの辺りにしたいと思います。
次回の日程につきましては、追って事務局から連絡しますのでよろしくお願いいたします。
「調査実施小委員会」はこれにて閉会いたします。
どうもありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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