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2023年12月13日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第67回議事録

○日時

令和5年12月13日(金)薬価専門部会終了後

 

○場所

日比谷国際ビル コンファレンススクエア 8F

○出席者

飯塚敏晃部会長 安川文朗部会長代理 小塩隆士委員 笠木映里委員
鳥潟美夏子委員 松本真人委員 高町晃司委員 眞田享委員 鈴木順三委員
長島公之委員 江澤和彦委員 池端幸彦委員 太田圭洋委員 林正純委員 
森昌平委員
藤原尚也専門委員 石牟禮武志専門委員 守田恭彦専門委員 前田桂専門委員 
<参考人>
福田敬参考人 池田俊也参考人
<事務局>
伊原保険局長 眞鍋医療課長 木下医療技術評価推進室長
荻原保険医療企画調査室長 安川薬剤管理官 小嶺歯科医療管理官 他

○議題

○費用対効果評価制度の見直しに関する議論(その3)
○令和6年度費用対効果評価制度改革の骨子(案)について

○議事

○飯塚部会長
 ただいまより、第67回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催いたします。
 本日も対面を基本としつつ、オンラインも組み合わせての開催としております。
 また、会議の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
 まず、本日の委員の出欠状況について報告いたします。
 本日は、末松委員が御欠席です。
 また、今回は参考人として福田参考人と池田参考人に御参加いただいております。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに「費用対効果評価制度の見直しに関する議論(その3)」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局、医療技術評価推進室長でございます。
 「費用対効果評価制度の見直しに関する検討(その3)」として、資料費-1を用いて御説明させていただきます。
 2ページを御覧ください。
 費用対効果評価制度の見直しにおいて、引き続き議論が必要な論点といたしまして「価格調整の対象範囲のあり方について」と「介護費用の取扱いについて」の2点を挙げております。
 まず「価格調整の対象範囲のあり方について」です。
 4ページと5ページに、これまでの費用対効果評価専門部会や合同部会でいただいた御意見をまとめております。
 6ページから9ページには、業界からの意見陳述資料を提示しております。基本的には、価格調整範囲に関しては、現行の対象範囲を維持すべきとの御意見をいただいております。
 10ページに現行の価格引上げの条件をお示ししております。
 これに対しまして、11ページにお示ししておりますとおり、業界からは、現行の条件が厳し過ぎるのではないかという御意見をいただいているところでございます。
 12ページから次の項目である「介護費用の取扱いについて」になります。
 13ページと14ページには、これまでの費用対効果評価専門部会や合同部会でいただいた御意見をまとめております。
 15ページには、国立保健医療科学院の福田先生に御発表いただきました、介護費用の取扱いについて学術的な課題があるという御意見を再掲しております。
 続いて、16ページでございますが、こちらには、京都大学の加藤先生に御発表いただきました、NDBと介護DBの連結データを費用対効果評価に用いることは、不可能ではないという御意見を再掲しております。
 続いて、17ページには、業界からの介護費用等も含めた分析結果の活用について検討すべきとの御意見を再掲しております。
 18ページから20ページで、先ほどの薬価専門部会、費用対効果評価専門部会合同部会での御議論をいただき、その後、総会で御承認いただきました、レケンビにおける特例的な対応についての内容を再掲しております。
 ページをお進みいただきまして、21ページまでお進みください。
 21ページから、費用対効果評価制度見直しに関する現状・課題と論点について、まとめております。
 22ページが、現状と課題。
 23ページに論点となっております。
 論点といたしまして、まず「価格調整範囲について」でございますが、令和6年度診療報酬改定において、価格引上げの条件については、ICERが200万円/QALY未満の品目に対する条件を以下のように変更することとしてはどうか。
 1つ目でございますが「当該臨床研究において、比較対照技術より効果が増加することが日本人を含むアジア人を対象とした集団において統計学的に示されていること」とあるものを「当該臨床研究において、比較対照技術より効果が増加することが、日本人を含む集団において統計学的に示されていること」としてはどうか。
 2つ目でございますが、引上げ条件のうち、他の条件をすべて満たすものの「対象品目に係る新規の臨床研究に関する論文が、impact factorの平均値(当該論文の受理又は論文掲載時から過去5年間の平均値)が15.0を超える学術誌に原著論文として受理されていること」のうち「impact factorが15.0を超える」という条件について、疾患領域の特性等により満たすことが困難な場合は、査読を受けた英文の原著論文であり、専門組織で議論し、論文が十分、科学的に妥当であると判断される場合には、当該条件を満たすものとみなすこととしてはどうかとさせていただいております。 また、これまでの費用対効果評価制度の実績を踏まえ、高額医薬品に関しては、費用対効果評価をより活用していく観点から、レケンビに係る特例的な取扱いも踏まえつつ、令和6年度診療報酬改定の次の改定に向けて、価格調整範囲の在り方について、引き続き議論を行うということを提案させていただいております。
 次に「介護費用の取り扱いについて」でございますが、介護費用の分析の取扱いに関しては、引き続き結果への活用ができるかどうか研究を進めることとしてはどうか。
 介護費用の分析結果が得られた場合の取扱いについて、レケンビに係る特例的な取扱いも踏まえつつ、引き続き議論することとしてはどうかとさせていただいております。
 簡単ではございますが、事務局からの説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○飯塚部会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、何か御質問等がありましたら、お願いいたします。
 長島委員、お願いします。
○長島委員
 ありがとうございます。
 資料費-1の23ページの論点について、特に異論ありません。今後は、今回の見直しによる影響も把握しながら、引き続き、議論を重ねていくことが重要だと考えます。
 特に、高額医薬品が保険収載されていく中で、費用対効果の価格調整範囲が、現状、極めて限定的であるという課題については、令和6年度診療報酬改定の次の改定に向けて、しっかりと議論を進めるべきと考えます。
 私からは以上です。
○飯塚部会長
 ありがとうございました。
 ほかには、御意見、御質問等ございますか。
 松本委員、お願いいたします。
○松本委員
 ありがとうございます。
 23ページの論点に沿ってコメントいたします。
 価格調整範囲に関する論点のうち、まず、臨床研究の対象集団につきましては、事務局の提案のとおりで結構でございます。
 また、論文の掲載に関する要件を満たせない場合の取扱いにつきましては、科学的に十分な妥当性を専門組織でしっかり御判断いただくよう、お願い申し上げます。
 また、価格調整範囲につきましては、今回は対応を見送ることを承知いたしますが、次回改定に向けて、高額医薬品に限定するかどうかも含め、しっかり議論したいと考えております。
 また、介護費用の取扱いにつきましては、研究自体は否定いたしませんので、レケンビの結果を踏まえ、慎重に判断させていただきます。
 私からは以上でございます。
○飯塚部会長
 ありがとうございました。
 ほかには、御質問は、鳥潟委員、お願いいたします。
○鳥潟委員
 ありがとうございます。
 まず、価格調整範囲につきましては、価格引上げの条件を実態に合わせることについては、異論はございません。
 一方で、価格調整範囲の在り方については、少子高齢化の中で医療の質を確保しながら、医療保険制度の持続可能性を高めていく必要がますます増大していくことを踏まえると、今回、一定の結論を出していただきたかったというのが正直な思いでございます。
 レケンビに係る特例的な取扱いについては、よく検証した上で、令和6年診療報酬改定の次の改定では、本格的な導入をお願いしたいと考えております。
 また、介護費用の取扱いに関しましては、これまでの議論を踏まえても、なかなか分析が難しいところと考えておりますが、レケンビに係る特例的な取扱いを通じ、腰を据えた検討をお願いしたいと考えております。
 以上です。
○飯塚部会長
 ありがとうございます。
 ほかには、御質問、御意見等ございますか。
 よろしいでしょうか。そうしましたら、費用対効果を反映していくということは大変重要な連論点ですので、引上げ、引下げ両方において、十分に今後とも反映していくようにお願いしたいと思います。
 それでは、ほかに御質問等もないようでしたら、本件に係る質疑はこのあたりとしたいと思います。
 続きまして「令和6年度費用対効果評価制度改革の骨子(案)について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○木下医療技術評価推進室長
 事務局、医療技術評価推進室長でございます。
 「令和6年度費用対効果評価制度改革の骨子(案)について」、資料費-2を用いて説明させていただきます。
 まず、初めに「第1 基本的な考え方」として2点まとめております。
 1、2019年の中央社会保険医療協議会での議論を踏まえて、費用対効果評価制度においては、市場規模が大きい、または著しく単価が高い医薬品・医療機器を評価の対象とし、評価結果は保険償還の可否の判断に用いるのではなく、一旦保険収載した上で価格調整に用いることとしている。2023年12月1日現在までに、49品目が評価の対象となり、34品目が評価を終了したところである。これまでの実績を踏まえ、制度の在り方及び運用面に関する見直しについて議論を行ってきた。
 2、今回の改定においては、これまでの実績を踏まえて、より適切に制度を運用する観点から、できるだけ速やかに評価結果を反映できるよう分析プロセスの見直しや分析体制の充実等に向けた対応を行うこととする。
 次に、第2といたしまして「具体的内容」を記載しております。
 以下、これまで専門部会で御議論をいただいた目次に沿って、それぞれの項目をまとめております。
 まず「分析方法に関する事項について」でございます。
 費用対効果評価分析のプロセス及び価格調整の方法に係る対応については、以下のとおりとさせていただいております。
 まず「(1)分析対象集団及び比較対照技術の設定」についてでございますが、まず、アといたしまして「分析対象集団の取扱いの整理について」になります。
 分析対象集団の一部が分析不能となった場合について、以下のとおりとする。
 まず、1つ目としまして、対象集団の一部が、その希少性等によりデータを収集することが困難である場合は、その集団の結果は最終評価に考慮しないこととする。
 2つ目としまして、その他、データが開示されない等、企業の協力が得られず、分析が困難と判断される場合には、該当集団に対する係数は最低の係数として最終評価を行う。
 また、比較対照技術の在り方につきましては、比較対照技術の設定の考え方が下記のとおり明確となるよう、ガイドラインにおける記載を検討することしております。
 具体的には、①、②、③の記載のとおりにしたいと思っておりますし、また、※書きにございますように、シェアで一律に決めるものではなく、臨床的に標準的な治療として用いられるものという記載も追加したいと考えております。
 また、次でございますが、費用対効果のよくない比較対象技術が設定された場合の取扱いについてでございますが、一律に積極的な治療を行わず、症状緩和のみを行う治療、いわゆるベストサポーティブケア等を比較対象技術に設定した場合も含めて、費用対効果を行うことを検討したが、新たな手順が生じ得ることから、手順の迅速化が求められる現状においては、一律に行わず、引き続き専門組織で必要と判断された場合に行うこととするとさせていただいております。
 (2)としまして「費用対効果の品目指定」でございますが、品目指定時の配慮については、希少疾病を対象とした医薬品についてのこれまでの評価に当たっては、明らかな問題がないことから、現状の規定を維持することとさせていただいております。
 また「再指定時の運用について」というところでございますが、保険適用時に指定基準を満たさない品目の指定について、市場拡大によって基準に該当するかの確認は、四半期再算定の運用等を参考に、四半期ごとに確認する運用を行う。
 また、再指定時の価格調整範囲については、外国平均価格調整後の医薬品等の調整範囲を参考に、価格調整前の価格に対する有用性加算等の割合とするとさせていただいております。
 「(3)分析プロセスについて」でございます。
 費用対効果の分析の評価の流れにつきましては、令和4年度改定における見直しを踏まえた運用を継続し、課題がある場合には、次回改定以降に見直すこととする。
 2つ目としまして、人員不足等の理由で分析が難しい場合に、企業から企業分析ができないことを申し出る新たなプロセスを創設する。企業が分析不能を申し出た際には、専門組織で議論を行い、企業がデータを提供できる場合には公的分析、企業が提供するデータを用いて分析を行い、最終評価案を作成する。専門組織において、企業がデータ提供は困難であると説明し、公的分析による分析が難しいと判断された場合には、最も低い価格調整係数を用いた価格調整を行うこととするという新たなルールを適用しております。
 専門組織の意見様式等を見直しも行った上で、分析の論点に沿った議論を促す仕組みを導入することとするものを追加しております。
 「(4)価格調整の対象範囲のあり方について」は、先ほど費-1で御説明させていただいた内容を記載しているので、ここでは、説明を割愛させていただきます。
 次のページ、(5)介護費用の取扱いにつきましても同様に、費-1の内容を記載しておりますので、説明は省略させていただきたいと思います。
 続きまして、(6)費用対効果評価の結果の活用についてでございます。
 費用対効果評価を終えた医薬品、医療機器等の評価結果をより活用する観点から、各学会が作成する診療ガイドライン等の検討に当たって、その評価結果等の活用の在り方を国立保健医療科学院等が検討を行うこと。また、厚生労働省においても、関係学会や関係機関に対して費用対効果評価制度に関する情報提供を行うなど、関係学会と連携の上、適切な対応を行うとさせていただいております。
 ここまでが、大きく1の分析方法に関する事項についての具体的な内容となっております。
 続きまして、5ページから大きな2つ目でございますが、分析体制の充実に関する事項ということで、まとめさせていただいております。
 内容といたしましては、現在は、2大学(立命館大学及び慶應義塾大学)が公的分析班として分析を担当しているが、今後も対象品目の増加が予想される中で公的分析に係る体制の充実が課題となっているという現状を踏まえ、2つの方針をまとめております。
 まず、1つ目でございますが、公的分析結果の学術的な取扱いについては、これまでも検討されている。現在、国立保健医療科学院において、報告書としてホームページに公開されている分析結果を論文形式で公的刊行物等に掲載することを検討しており、引き続き、こうした取組の進捗状況を確認する。
 最後でございますが、厚生労働省において、引き続き、関係学会等に対する周知や人材育成並びに分析体制への支援を行い、公的分析班に携わる人材の確保及び組織の充実を行うとさせていただいております。
 事務局からの説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
○飯塚部会長
 ありがとうございました。
 それでは、事務局からの説明に関して、御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。
 特に御質問等ございませんでしょうか。
 森委員、お願いいたします。
○森委員
 事務局におかれましては、令和6年度費用対効果評価制度改革の骨子案を取りまとめていただき、ありがとうございました。
 示されている内容について、おおむね異論はございません。
 その上で、骨子案で引き続きの検討となっていますが、高額医薬品に関しては、レケンビに係る特例的な取扱いも踏まえつつ検討していくこととしていますが、価格調整範囲を拡大していく方向について、イノベーション評価の観点は、ドラッグ・ラグ/ロスへの影響など重要な視点となりますので、この辺りは、今後の議論において業界の意見なども踏まえつつ、慎重な判断ができるよう進めていくべきだと考えます。
 私からは以上です。
○飯塚部会長
 ありがとうございました。
 ほかには、御質問等ございますか。
 よろしいですか。そうしましたら、これまでの議論につきまして、専門委員からも御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 藤原委員、お願いいたします。
○藤原専門委員
 ありがとうございます。専門委員の藤原でございます。
 まずは、これまで業界の意見に対しましても、大変御丁寧に御議論いただきまして、感謝申し上げます。
 その上で、専門委員として幾つかコメントさせていただきます。
 まずは、前回の意見陳述で業界代表が申し上げましたとおり、費用対効果評価制度につきましては、保険償還の可否判断に用いるのではなく、薬価基準制度との整合性を踏まえ、あくまで新薬の価値評価の補足的な手法として、限定的に用いられるものであると認識しております。
 その上で、骨子案につきまして3点コメントをさせていただきます。
 まず、4ページの
 1つ目の○「高額医薬品に関しては、費用対効果評価をより活用していく観点から」についてです。
 費用対効果評価の活用につきましては、森委員からもございましたけれども、イノベーション評価の観点も十分に御配慮いただいた上で、収載時の薬価算定及び収載後の薬価改定方式との関係を議論することが必須と考えております。
 その上で、2ページ目の「(2)費用対効果の品目指定」における再指定時の運用についてでございますけれども、価格調整範囲が、薬価本体に割り込む可能性が懸念されるため、当初の薬価及び価格調整範囲に立ち戻って、価格調整を行うべきであるとの意見を業界陳述でも述べさせていただいたところでございます。
 既に市場の拡大及び効能追加につきましては、薬価制度において複数の再算定が運用されておりまして、これらを再指定して評価する必要性は乏しいのではないかと考えております。
 今回の制度の見直しに伴いまして、実際にどのような運用及び価格調整が行われるのか、また、その影響について検証が必要であると考えております。
 最後に、3ページの「(4)価格調整の対象範囲のあり方について」でございます。
 価格引上げ条件の一部緩和の案をお示しいただいておりますけれども、業界意見陳述で申し上げました、薬理作用等が比較対象技術と著しく異なることの要件撤廃につきましても、次回の改定に向けた検討課題として残しておいていただきたく、お願いを申し上げます。
 以上でございます。
○飯塚部会長
 どうもありがとうございました。
 ほかには、御質問等ございませんでしょうか。
 それでは、ほかには御質問等ないようですので、本件に関する質疑に関しましては、この辺で終わりとさせていただきまして、後日の総会に報告させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○飯塚部会長
 ありがとうございます。
 それでは、そのように進めさせていただきます。
 本日の議題は以上です。
 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。
 それでは、本日の費用対効果評価専門部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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