ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会)> 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第57回議事録(2021年10月15日) - (1)

 
 

2021年10月15日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第57回議事録

○日時

令和3年10月15日(金)10:00~

 

○場所

オンライン開催

○出席者

飯塚敏晃部会長 中村洋部会長代理 小塩隆士委員 関ふ佐子委員
安藤伸樹委員 幸野庄司委員 間宮清委員 眞田享委員 松浦満晴委員 末松則子委員
松本吉郎委員 城守国斗委員 池端幸彦委員 島弘志委員 林正純委員 有澤賢二委員
赤名正臣専門委員 石牟禮武志専門委員 堀之内晴美専門委員 林利史専門委員
<事務局>
濵谷保険局長 井内医療課長 中田医療技術評価推進室長
高宮保険医療企画調査室長 紀平薬剤管理官 宮原歯科医療管理官 他

○議題

○令和4年度費用対効果評価に関する検討について

○議事

 


 

○飯塚部会長
ただいまより第57回「中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会」を開催いたします。
なお、本日もコロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。また、会議の公開については試行的にユーチューブによるライブ配信で行うこととしております。
まず、本日の委員の出欠状況について報告します。本日は、全員が御出席です。
それでは、議事に入ります。本日は、「令和4年度費用対効果評価に関する検討について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
○中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
まずは資料、費-1を御覧いただきたいと存じます。この資料に基づきまして御説明を申し上げたいと存じます。
まず3ページ目でございますが、今回御検討、御議論いただきたい点につきましてはここに記載のとおりであります。前回に引き続きまして技術的な点、具体的には価格調整方法の見直しについての御議論、または分析体制の在り方について今回御議論いただきたいと存じます。
まず「価格調整方法の見直しについて」の御説明を申し上げます。
5ページ目、6ページ目につきましては、これまでもお示ししている評価制度の概要でございますので、詳細な説明は省略させていただきたいと存じます。
また、7ページ、8ページにつきましても、これまで価格調整の方法について引き下げる場合、または引き上げる場合の概要についてまとめたものでございますので参照いただければと存じます。
9ページ目、10ページ目、11ページ目につきましては、後ほど出てきます具体的な製品名に関しての参考資料でございます。効果は同等であるのですけれども、費用が増加する扱いにした事例としてこの3事例を御紹介させていただいた次第でございます。
12ページを御覧ください。今回、費用増加に係るこれまでの議論の経過について御紹介申し上げたいと思います。
比較対照技術に関しまして効果は同等であり、かつ費用が増加するものの取扱いについて、これまで専門組織の意見書からは分析結果が比較対照技術に対し、効果は同等であり、かつ費用が増加するもの、こちらの取扱いに関する規定は明確に定められていないという状況でありました。
これまでの実績を御紹介いたしますと、1つ目のポツにあります「テリルジー」「トリンテリックス」につきましては「1000万円/QALY以上」と同様の取扱いとする。また、「ユルトミリス」につきましては指定難病を対象とするお薬でございますので配慮する品目であり、「1500万円/QALY以上」の取扱いとするという対応をいたしました。専門組織からは、そのような場合につきまして今後最も小さな価格調整係数に該当するものとして価格調整を行ってはどうかとの御提案がございます。
これまでも専門部会のほうで御議論をいただいており、効果が同等で費用が増加する場合については最も小さい価格調整係数で調整するという考え方もあり得るのではないかという御意見もいただいております。
本日の御提案でございますが、13ページ目にまとめさせていただいております。
現行の制度におきましては、分析結果が比較対照技術に対しまして効果は同等であり、かつ費用が増加するものとされた場合の価格調整における取扱いの規定はございません。
また、費用対効果評価をこれまで行ってきた結果、最も小さな価格調整係数を用いて個別に対応してきた実績がございます。
そこで、本日の御提案でございますが、「論点」に記載のとおり、価格調整に当たりましては効果が同等で費用が増加する場合の取扱いにつきましては、最も小さな価格調整係数を用いることとしてはどうかという御提案でございます。
続きまして「分析期間超過時の取扱いについて」の説明に移らせていただきたいと存じます。
資料は15ページ目でございます。これは分析期間を規定したものでございます。対象品目が指定された日から原則として9か月以内に専門組織に提出することとなっております。
これまでの企業分析提出の遅れの内容につきましては中医協総会でも御報告のとおりでございますが、具体的には16ページ目、テリルジーの場合につきましては分析枠組みが臨床試験や薬事審査の際の枠組みと大きく異なっていた。
また、17ページ目でございますが、エンハーツにつきましては途中で効能追加が行われて、その新たな分析モデルの構築に時間を要した。こういったことから、これらの事例については妥当性があるということで対応したところでございます。
18ページ目でございます。このように専門組織からは9か月を超過した場合の取扱いについては、都度その妥当性を評価して中医協に報告するという対応をさせていただいておりますが、これまでは妥当性が確認された事例でございます。
ただ、今後、検証の結果、妥当性を欠くとされた場合の価格調整のルールが今のところ明確化されていないという課題がございます。今後、こういった分析超過の際の取扱いについては規定する必要があるのではないかというような専門組織からの意見がございます。
19ページ目はこれまでの専門部会等の議論の経過でありますので、御参照いただければと存じます。
そこで、まとめでございますが、20ページ目を御覧いただきたいと存じます。分析期間が超過した場合の見直しの取扱いについてでございます。
検証の結果、妥当性を欠くとされた場合の価格調整における取扱いの規定は現在ないという状況であります。
これまでの事例につきましては、先ほど御説明申し上げたとおり、分析枠組みが臨床試験、薬事審査の際の枠組みと比べて大きく異なってしまった。また、新たな分析までの構築が必要であった。このように具体的な理由を基に分析超過の期間が妥当とされた事例もございます。
ただ、一方、企業分析が妥当な理由なく遅れた場合の取扱いについては、最も小さな価格調整係数で価格調整をするべきという意見もございます。
そこで、本日の御提案でございますが、「論点」に記載のとおり、価格調整に当たりましては分析期間を超過した場合につきましては、私ども事務局から事前に企業に対して遅れた理由を確認した上で、その理由が妥当性を欠く場合につきましては最も小さな価格調整係数を用いるという取扱いにしてはどうかという御提案でございます。
3点目は「患者割合の取扱いについて」でございます。
22ページにつきましては非常に文字が多い資料で恐縮なのですけれども、患者割合の取扱いを規定したもので、概要を申し上げますと、分析集団の患者割合等で加重平均して算出したものを価格調整後の薬価とするという取扱いになっておりますので、この患者割合が薬価調整の際に非常に重要な数値となっているものであります。
23ページ目であります。これまで専門組織からも御意見をいただいております。患者割合に係るデータが非公開とされた場合につきましては、当該品目の費用対効果自体が不明確な内容となり、価格調整の透明性に加えて費用対効果の透明性の確保も困難となるのではないかということで、原則として公開可能なものを用いることとした上で、公表することが困難な場合にはその理由に係る説明を求めることとしてはどうかという専門組織からの御提案もございます。
これに関しましては、これまで部会のほうでも可能な限り公開できるデータを活用して透明化に努めるべきとの御意見もいただいたところでございます。
そこで、本日の議題でございますが、24ページ目を御覧いただきたいと存じます。
現行の制度におきましては、患者割合に係るデータの規定についてはございません。その公表に当たりましては、企業の知的所有権等に配慮して個別に企業に照会し、公開不可の場合につきましては非公開としているのが実態であります。
患者割合につきましては、価格を決定する重要な要素でありますから、公表を原則とするべきという御意見をいただいているところでございます。
また、企業からは公開可能なデータが存在しない場合がありまして、その場合には配慮してほしいとの要望もございました。
一方で、患者割合が公表されないことで当該品目の費用対効果自体が不明確な内容となりまして、費用対効果評価の透明性の確保が困難となるのではないかという課題が指摘されております。
そこで、本日の御提案でございます。「論点」に記載のとおりでございますが、患者割合につきましては原則として公開可能なものを用いることとした上で、公表することが困難な場合につきましてはその理由に係る説明を求めるという対応としてはどうかという提案でございます。
続きまして、「介護費用の取扱いについて」でございます。
26ページ目を御覧いただきたいと存じます。これまでも専門組織からの御提案といたしまして、現行制度につきましては公的介護費の取扱いについて費用算定には用いないということとされておりましたが、諸外国ではそういった分析結果も考慮している事例等もある実態となっております。
そこで、専門組織からは、諸外国の取扱いを含めた研究等を進めた上で検討することとしてはどうかという提案がございます。
また、専門部会におきましても、公的介護費用だけではなくて家族による介護費用とか、患者本人の生産性損失なども今後検討する必要があるのではないか。事例を積み重ねていく中での継続課題としてはどうかという御提案もございました。
そこで、今回の御提案のまとめでございます。27ページ目を御覧いただきたいと思います。今、申し上げたような状況がございまして、「論点」に記載のとおり、公的介護費につきましては諸外国における取組を参考としながら引き続き研究班による研究を実施いたしまして、その進捗を踏まえながら今後検討することとしてはどうかという提案でございます。
引き続き、説明を進めさせていただきたいと存じます。次は、「分析体制の在り方」につきまして、今後の分析対象の強化に係る御提案でございます。
資料29、30ページ目につきましては、これまでお示しさせていただいております、今継続中の対象品目、終了した品目でございます。今週の水曜日に1品目新規指定がされましたので、そのデータもこの資料には反映させていただいております。
31ページ目を御覧いただきたいと存じます。これまでの費用対評価制度の体制について整理をさせていただいたものでございます。実務上の対応といたしましては、真ん中にございますとおり、国立保健医療科学院保健医療経済評価研究センターを中心に調査・研究、または人材育成、費用対評価制度の全体監督という全体を統括する役割を担っておるところでございます。この国立保健医療科学院を中心として人材育成機関、または公的分析実施機関とそれぞれ役割分担しながら全体の費用対効果体制を構築しているものでございます。今回はそれぞれの人材育成、または公的分析の実態について御紹介をさせていただきたいと存じます。
まず人材育成の点でございますが、32ページのスライドでございます。今、慶應義塾大学大学院の健康マネジメント研究科におきまして人材育成のコースを設けていただき、費用対効果の分析のモデル演習等を研修の中に組み入れることによって人材育成を行っております。慶應義塾におきましては、特に学生の修士課程の中にこの医療経済評価コースを設けておりまして、疫学的な基礎知識から、今般、費用対効果という観点からその実務演習等も研修内容に含めて実務ができるような専門家の育成に努めていただいているところでございます。
33ページ目を御覧いただきたいと存じます。こちらは、分析体制の今後のロードマップをお示しさせていただいたものでございます。今後、長期的な視点で人材育成を踏まえながらプログラムの充実が重要であると考えております。これまでの分析体制をまとめますと、令和2年につきましては新規品目でございますけれども5品目、令和3年は今週水曜日の件を含めまして7品目の指定がなされているところでございます。
現在、公的分析に関わっていただいている人数につきましては科学院、または大学の研究者を含めまして26名、29名、また来年には30名に増える予定でございます。このように人材育成を進めることによって、段階的ではございますが、来年度、新規分析可能数は10品目程度可能かと考えております。これも分析の困難さによって10が11になることや、いろいろ品目数は前後するかとは思うのですけれども、おおむねこの程度の品目数については確実に実施できるような体制が見込まれているところでございます。
また、人材育成も今年度末で16名、来年度は15名程度の人材養成を見込んでおりまして、今後、人材育成を充実させながらしっかりと体制の強化も図っていきたいと思っております。
また、下の段に記載しておりますのは、公的分析を実際にしていただいている実務の担当者の方に私ども事務局のほうからいろいろヒアリングをさせていただきました。今後、体制を充実していくために必要な対策について伺ったところ、この4点の御意見がございました。
簡単に御紹介させていただきますと、まず1つは分析資金の安定的確保が必要ではないかという御意見がございました。これは、これまで1品目の分析が終わった後に必要な費用についてお支払いする方式でありましたが、やはり大学としてもいろいろスタッフの確保等、設備投資等が必要となっておりますので、節目、節目に資金が提供されるような仕組みとしていただけないかというような御要望もございました。
2点目につきましては、公的分析結果等の論文化ができるようにしてほしい。公的分析というのは、企業のデータも活用しながら分析する公的な事業でありますが、どうしても公的分析は大学というアカデミックな場で研究されている方が分析することになりますので、そのような研究者が今後のキャリアアップのために何らかの形で自分のキャリアアップにつながるような仕組みというものができないかという御提案がございました。
3点目につきましては、分析体制の透明性を確保した上で公的分析班に係る利益相反の見直しを行ってはどうかという御提案がございました。具体的には現行、企業と関連した業務に携わっている場合につきましては現状、一切公的分析を行っていないという状況になっているのですけれども、今、実際に大学のほうでは産学連携をいろいろ進めるなど、産業との連携した研究をどんどん進めている実態がございます。そういった実態がありますので、例えば一定の基準内であることをきちんと申告していただいて透明化すれば、分析に携わってもよいというような対応を可能としてほしいという御意見がございました。
最後は、関係学会への周知活動の実施ということで、これまでも医療経済とか、こういったデータ分析に係る関係者の間でも費用対効果分析というのはまだまだ認知度が十分でないというような御意見もいただいております。今後、関係者を増やしていくためにも、しっかりとそういう関係学会への周知も重要ではないかという御提案もいただいております。
最後にまとめでございますが、35ページ目でございます。ただいま申し上げたような「現状・課題」を前提としまして、「論点」に記載のとおりでございますが、今後安定的な制度の運用に向けては計画的に評価分析体制の充実を進めていくこととしてはどうかというふうに考えています。
そのためには、人材育成を進めるために研修体制を充実させる必要があるということで、その充実を図るということを進めてはどうかということでございます。
また、一方では、実際に携わっていただく人を増やしていかなければいけないということも重要な点でございますので、公的分析体制の充実を図っていくために、今般ヒアリングで御提案のあった事項につきましては可能な限り見直しについて検討し、実行できるものは対応させていただいて、より分析に携わる人材を増やしていく方向で検討してはどうかという御提案でございます。
最後は「薬価算定組織との連携について」でございます。
37ページにユルトミリスの件、また38ページはトリンテリックスの件、それぞれ具体的な事例として御紹介をさせていただいております。例えば37ページのユルトミリスにつきましては、情報の共有や調整について制度的な仕組みを検討すべき、または38ページにお示ししているトリンテリックスにつきましては薬価算定組織と費用対効果評価専門組織で異なった類似薬/比較対照技術が選ばれたということで、今後の検討課題として議論すべきという御提案もいただいております。
39ページ目でございます。専門組織からも同様の御提案がございまして、【現状及び課題】に記載のとおり、「ユルトミリス」の評価につきましては薬価算定の段階で投与間隔の延長により加算が認められていたところでございますが、費用対効果の結果で定量的な健康関連QOLの改善が示されず、追加的有用性があるものとして評価されなかったというような御提案の状況がお示しされているところでございます。
また、こういった状況につきまして40ページ目であります。専門組織からは、結果の違いが生じたことを踏まえ、まずはそれぞれの組織で情報を共有することとしてはどうか。
また、部会におきましても、薬価算定組織と費用対効果専門組織が情報共有することで実績を積み重ねて、それでも同様の傾向が続くのであれば、考え方を統一する方向で検討していくべきではないかというような御提案もございました。
これらの議論の経緯を踏まえまして、御提案でございます。41ページの「論点」にお示しのとおりでございますが、今後、両組織間での連携につきましては、薬価算定組織からは、費用対効果評価の対象となった品目に係る当該品目の有用性加算等を含めた評価等につきまして、費用対効果評価専門組織に対してあらかじめ共有する。また、逆に費用対効果評価専門組織からは、当該品目の費用対効果評価結果等につきまして薬価算定組織に共有する。このように、お互いそれぞれ情報共有をキャッチボールのように連携するような形でしっかりと情報共有をまずは進めてはどうかと考えておるところでございます。
私からの説明は、以上でございます。
○飯塚部会長
ありがとうございました。
ただいまの説明に関しまして、御質問等がありましたらお願いいたします。
城守委員、お願いいたします。
○城守委員
ありがとうございます。
本日お示しをいただきました費用の増加、または分析期間の調査、さらには患者割合に関わる点、そして介護費用の取扱い、または分析体制の強化、それぞれに関する見直しに関しましての論点につきましては、いずれも提案された内容で対応していただくということに異論はございませんが、1点だけ御質問をさせていただきたいと思います。
41ページの薬価算定組織との連携に関わる見直しにおいて、薬価算定組織と費用対効果評価専門組織の判断基準について、情報共有をするという旨の記載がございますが、情報を共有したことでどのような結果が期待されているのかということでございます。まだこれから例示を積み重ねていく、症例を積み重ねていくということであろうと思いますが、例示でも結構ですので、もし考え方があればお教えいただければと思います。
私のほうからは以上です。
○飯塚部会長
ありがとうございます。
では、引き続き幾つか質問をいただいて事務局から回答とさせていただこうと思います。
安藤委員、お願いいたします。
○安藤委員
ありがとうございます。
私のほうからも、今回お示しいただいた各論点の方向性につきましてはいずれもそのとおりであると考えております。ポイントとしましては、その方向性に沿っていかにして実効性のある取組を行うことができるのかということだと思っております。その観点から申せば、特に分析体制の強化につきましては、他の論点である分析期間の短縮であるとか、研究の推進といった方向性の前提となっているという意味で最も重要な論点の一つであると考えています。
資料31ページや33ページを見ますと、分析体制や人材育成はさらなる充実が不可欠という状況であると認識しております。公的分析実施施設からのヒアリング結果といった現場の声も十分踏まえていただきながら、実効性のある取組を計画的に進めていただきますようよろしくお願いいたします。
以上です。
○飯塚部会長
ありがとうございます。
そうしましたら、松浦委員お願いいたします。
○松浦委員
ありがとうございます。
私のほうからは1点だけですけれども、20ページの「分析期間の超過に係る見直しについて」でございます。「論点」にありますとおり、「価格調整に当たって、分析期間を超過した場合には、事前に企業に対して遅れた理由を確認した上で」ということですけれども、この部分について異論はございません。
ただ、その前段で分析期間の超過が起きないようにすることが最も重要だと思っております。まずは分析前協議の中で分析の枠組みを決定する際に十分に検討して調整を行っていただきたいと思います。
また、分析期間の超過は、十分議論をして分析に入っていけば超過することも防げるだろうと思っておりますので、分析前協議の中で十分に検討して分析に入っていただくことをお願いしておきたいと思います。よろしくお願いします。
○飯塚部会長
ありがとうございます。
そうしましたら、島委員にも御質問いただいて事務局から一旦回答とさせていただければと思います。
島委員、お願いいたします。
○島委員
ありがとうございます。
今回示された各論点についての方向性は私も賛同いたします。1点確認でございますが、13ページの論点、20ページの論点で出てきております価格調整係数という言葉と、7ページで示されております価格調整率というものは同一のものと理解してよろしいのでしょうか。
以上でございます。
○飯塚部会長
ありがとうございました。
そうしましたら、これまでのところで回答できるものがありましたら事務局からお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
まず城守委員からいただきました、今後薬価算定組織と費用対効果専門組織との連携によってどのような結果が期待されるのかという御質問でございます。具体的には、それぞれの組織の方からも十分御意見を伺いたいと思いますが、今、事務局として想定しておりますのは、例えばでございますけれども、薬価算定の際に評価されたデータや観点を理解した上で、費用対効果評価専門組織で分析枠組みや総合的評価はできるというふうに期待できるのではないかと思っております。
また、同様に費用対効果評価に際しましてどのように評価されるのかということを御理解いただいた上で、薬価算定組織におきまして薬価算定ができるのではないかというふうに期待もしているところでございます。
いずれにいたしましても、両組織で情報をしっかりと共有し、事例を積み重ねてまいりたいと考えております。
また、先ほど島委員から御質問がありました、価格調整係数と価格調整率が同じことを指しているのかということにつきましては、平仄が合っておらず大変失礼しました。同じものとして御理解いただければと存じます。
また、御意見として賜っております今後の体制の充実に関する点、または分析期間が超過した際にそもそも超過しないための実効性のある分析前協議を進めるべきという点につきましても、私ども事務局としてしっかりと対応してまいりたいと思っております。
以上でございます。
○飯塚部会長
ありがとうございます。
幾つか御質問、御提案いただきました。
では、引き続きまして池端委員お願いできますでしょうか。
○池端委員
ありがとうございます。
私どもも全体を通しては論点に関しても賛同いたします。1点だけ、今、松浦委員からもお話がありました20ページの分析期間の超過に関する点です。この論点に関しては私も賛同はいたしますが、最も小さい価格調整係数というとかなりのペナルティーになるかと思います。これがあまり起きないようにということが必要だと思いますので、松浦委員からもありましたように分析前協議をしっかりやっていただくことと、それから理由の妥当性に関してどういうものだったら妥当かということもある程度お示しいただいたほうが企業にとってもいいのではないかと思いますので、具体的に何点かこういう場合はやむを得ないのではないかということがあれば今お示しいただきたいと思います。なければ、それも検討していただければと思いますが、いかがでしょうか。
以上です。
○飯塚部会長
御質問ありがとうございます。
そうしましたら、引き続き幸野委員からいただいて事務局から御回答させていただこうと思います。
○幸野委員
ありがとうございます。
私も全体としてこの論点に示された方向性に異論はございません。各論点についてコメントと、2つくらい提案させていただきたいと思います。
まず費用増加した場合に最小値で評価するというのは当然のことだろうと思いますが、前回の会議で申し上げましたように、ではその薬はまだこれからも使い続けるのかということについてはやはり臨床の現場で優先順位というものをつくっていく仕組みが必要だと思います。こういう結果が出たのであれば、やはり費用の少ないものから優先的に使っていく仕組みが必要なのではないかと思います。
それから、期限超過への対応についてはちょっと提案なのですが、事務局の意見もお伺いしたいと思うのですけれども、妥当性を欠く場合には最も小さい係数で設定するというのは異論のないところなのですが、やはりそういう理由があった場合には改めて期日を設定するということを分析前協議が終わった後でやっておくことが必要なのではないかと思っております。テリルジーのように改めて分析をやり直すというのであれば、いつまでにやってくださいという企業の目標値を設定する必要があるのではないか。
あとは、エンハーツのように企業分析中に効能追加があった場合についても、効能追加があったのであればいつまでに延ばしますよということをあらかじめ分析前協議が終わった後に設定しておいて、それを超過する妥当な理由というものがあった場合にはそれは許容するという仕組みをつくっておく必要があるのではないかと思うのですが、それについて事務局の意見をお伺いしたいと思います。
3つ目の患者割合の公表については非常に価格調整の重要な要素があって、これは公表するのが原則というふうにしてもらいたいと思います。単なる企業秘密だからというのは正当な理由には当たらないということをこの場で共有したいと思います。
あとは、NDBのデータなどを使って公表するということも可能なので、そういうふうなことについても積極的に取り入れてほしいと思います。
それから、介護費用の取扱いについては今後やっていくということなのですけれども、医療以外の要素を公的医療保険制度がどこまで受け止めるかというところまで含めた整理が必要で、研究班を中心に慎重に検討してほしいと思います。
それから、分析体制はやはりスピード感を持ってやっていく必要があると思います。大学をどんどん増やして卒業生を増やしていくということなんですけれども、例えば32ページにありますように慶應大学で令和3年3月に18名がHTAコースを卒業するということなのですけれども、この18名が公的分析に全部回っていただくのかということではないと思うので、例えば企業に就職したり、製薬会社に行く方などもいらっしゃるかと思うので、ちゃんと公的分析に回っていくような人材を確保していくということも大学のほうに依頼して人材体制を行っていただきたいと思います。
最後は薬価算定組織との連携については、まずは情報共有をするということなのですけれども、あまりにも同じような傾向が続くということであれば、これは新規収載時の薬価算定組織の考え方を変えていくということも将来的には考えていく必要があると思います。
以上、ほとんど意見なんですけれども、期限超過の場合の提案について事務局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○飯塚部会長
ありがとうございます。
そうしましたら、池端委員、幸野委員から御意見、御要望をいただきましたので、事務局からこの時点で回答がありましたらお願いいたします。
○中田医療技術評価推進室長
事務局でございます。
まず池端委員からいただきました分析期間を超過した場合の妥当な理由の範囲というところでございますが、こちらについては中医協総会の方で御報告させていただいた実例を積み重ねているというのが現状でございます。
今後、こういった実例を積み重ねながら専門家の委員の方の御意見も伺いながら、こういったものを取りまとめることができるのであれば、そういった方向も検討していく必要があるのではないかと考えております。
2点目の幸野委員からいただきました分析期間を超過してしまう点について、やはりあらかじめ企業等から具体的にどの期間までに提出いただくのかということをきちんと明確化して、なるべく遅延しないようにというような御提案かと思います。そういった点につきまして、実務的に可能なのかどうかというのはしっかりと今後精査させていただきたいと思います。
ただ、前回御議論いただいた際には、今後効能追加等によって期限が延々と延長してしまうのは好ましくないということで、原則として事前分析の期間中に効能追加のあったものはきちんと期限内で行うように取り扱うこととして、それ以降はまたトラックを変えてやっていこうというようなことも検討しておりますので、まずはそういった全体の枠組みの中で今回御提案のあった対応が可能かどうか、よく整理、検討させていただきたいと思います。
以上であります。
○飯塚部会長
ありがとうございました。
中村委員、お願いいたします。
○中村委員
間宮委員からで大丈夫です。
○飯塚部会長
では、間宮委員お願いいたします。
○間宮委員
ありがとうございます。
患者割合の公表については、公表できない理由の説明を聞くということだけの表現になっているので、これはもうちょっと具体的に示していただきたいと思っていて、患者割合も実態数が出ているのであれば、それは企業秘密でも何でもないような気がします。
前回、キムリアなどの場合は企業のほうが需要予測だったからということで、需要の予測の方法とかロジックは企業秘密に当たるんだということだったように記憶していて、実態が分かっているものについてはその理由には当然ならないはずだろうと思いますので、その辺りはもうちょっと説明を聞いたらそれでいいというか、ああそうですかというので終わってしまうようなイメージがこの論点だとあるので、この辺はもう少し具体的に決めていっていただきたいと思います。
以上です。
○飯塚部会長
御要望承りました。
では、中村委員お願いいたします。
○中村委員
ありがとうございます。私のほうからは、2点意見を述べさせていただきたいと思います。
第1点目は、16ページで遅れた理由として専門組織で決定した分析枠組みが臨床試験とか薬事審査の際の枠組みと大きく異なっていたとありました。
ただ、どうして異なったのかということがなかなか理解できないと、企業側の予見性に影響するかと思いますので、今後で構いませんので、なぜ違ったのかの説明も可能な範囲でいただければと思います。どのような場合に異なる可能性があるのかという情報があれば企業にとっても予見性が高まり、対策が立てやすくなるのではないかと思っております。
第2点は細かい点になるかと思いますが、13ページの価格調整にあたって効果が同等で費用が増加する場合においては最も小さい価格調整係数を用いる、そして20ページの場合でも分析期間が超過した場合で利用妥当性を欠く場合には最も小さい価格調整係数を用いると提案されています。価格調整係数(現在では有用性加算の0.1、それから営業利益の0.5)の数字は、本日取り上げられたことが想定されて設定された係数ではないので、念のために上記の水準でも本当にいいのかどうかを1号側や2号側の委員の先生から確認を取っておく、また必要であれば議論をしていただくほうが良いのではないかと思いました。
以上になります。
○飯塚部会長
御意見ありがとうございました。
ほかには御意見等ございますでしょうか。
赤名専門委員、お願いいたします。
○赤名専門委員
ありがとうございます。私のほうから2点、専門委員として意見させていただけばと思います。
まず1点目、今、中村先生からもございましたけれども、費用増加の場合の取扱いでございますが、今、費用が増加する場合は最も小さな価格係数ということでございますけれども、スライドの39ページにユリトミリスの件がございますが、いわゆるQOLの尺度では追加的有用性を評価することが困難であるという事例も存在すると考えてございます。
このような事例に関しましては、QOLの尺度だけではその有用性を測定できないだけではありまして、追加的有用性がないとされた場合、すなわち効果が同等とされた場合とは異なる対応が必要ではないかと考えてございます。
したがいまして、QOLの尺度では評価できないといった場合につきましては最も小さな価格調整係数を用いるということではなく、例えば中間にするなど、そこは丁寧な検討が必要かと考えてございます。これが第1点目でございます。
もう一点目、これは比較対照技術に関して費用が削減される品目、いわゆるドミナントの扱いでございます。前回も各団体より、このドミナントの扱いにつきまして意見があったと把握してございますが、本日論点には含まれてございませんでしたので、この点につきましての御検討が必要ではないかと考えてございます。
以上、2点でございます。
○飯塚部会長
御意見ありがとうございました。こちらも踏まえて、今後検討してまいりたいと思います。
ほかには御意見、御質問等ございませんでしょうか。よろしいですか。
林専門委員、お願いいたします。
○林専門委員
ありがとうございます。
先ほどの患者割合についての公表の部分でございます。企業から提出するデータの中には、企業秘密に当たるものが含まれるということは十分想定されるかと思います。ただ、実際、この患者割合に関しましては専門組織においてきちんと精査をされ、計算がされているものと承知しておりますので、その全てを公表するということに関しましては慎重に御配慮、御検討いただければと思います。
以上でございます。
○飯塚部会長
ありがとうございました。
ほかにはございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、ほかに御意見等もないようですので、本件については本日の御意見を踏まえまして事務局において検討を進めるということとさせていただいてよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○飯塚部会長
ありがとうございました。それでは、そのようにしたいと存じます。
本日の議題は、以上です。次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の費用対効果評価専門部会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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