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2023年10月20日 第1回健康日本21(第三次)推進専門委員会(議事録)

○日時

令和5年10月20日(金) 13:00~15:00

○場所

AP日本橋 Cルーム(オンライン開催)

○議題

 <審議事項>
 

1.推進専門委員会の進め方について

2.その他

○議事

○開会
【加藤補佐】  定刻になりましたので、ただいまから、「第1回健康日本21(第三次)推進専門委員会」を開催いたします。本日、議事に入るまでの間、議事進行役を務めさせていただきます、健康・生活衛生局健康課の加藤と申します。委員の皆様には、御多忙の折御参加いただき、御礼申し上げます。
本日は、委員の皆様にはオンラインにて御参加いただいております。なお、会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。
開会にあたり、大臣官房審議官の鳥井より御挨拶申し上げます。審議官、よろしくお願いします。
 
・審議官挨拶
【鳥井審議官】  審議官の鳥井でございます。「第1回健康日本21(第三次)推進専門委員会」の開催にあたりまして、御挨拶申し上げます。
皆様方におかれましては、御多忙のところ、本委員会に御参集いただきまして誠にありがとうございます。また、日頃より厚生労働行政に御協力、御支援賜りまして、誠にありがとうございます。
厚生労働省では、21世紀における国民健康づくり運動として、生活習慣病やその原因となる生活習慣等に関する目標を設定し、平成12年度(2000年度)から「健康日本21」、次いで平成25年度から第二次「健康日本21」を推進してまいりました。御承知のとおり、健康寿命は着実に延伸してきた一方で、生活習慣病の疾病全体を占める割合は増加しております。人生100年時代を迎える中で、誰もがより長く、健やかに生活できるための基盤として健康は重要な要素であり、健康づくりの取組をさらに進めていく必要があります。
本年5月、来年度から開始する第三次「健康日本21」を公表し、今後、誰一人取り残さない健康づくり(Inclusion)と、より実効性を持つ取組の推進(Implementation)に重点を置き、健康づくりの取組を推進していくこととしております。
本委員会におきましては、第三次「健康日本21」の推進に向け目標項目の評価ですとか、地方公共団体の取組の参考となるような具体的な方策等について、幅広く御議論いただきたいと考えております。皆様方に忌憚のない御意見を頂きますよう、よろしくお願いを申し上げます。以上でございます。
【加藤補佐】  ありがとうございます。なお、鳥井は他の用務のため適時退席させていただきます。
 
・委員長・委員及び事務局紹介
【加藤補佐】  続きまして、委員長を御紹介いたします。当委員会の委員長は、厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会の部会長の指名により、東北大学大学院の辻一郎委員に就任していただきます。辻先生、一言お願いいたします。
【辻委員長】  東北大学の辻でございます。どうぞよろしくお願いします。
この推進専門会の委員長を務めさせていただきます。本委員会は、健康日本21(第三次)の推進にとって大変重要な役割を担うものだと考えております。委員の皆様の御協力を頂きまして、我が国の健康づくり、そして健康寿命のさらなる延伸に貢献していきたいと思っておりますので、どうぞ皆様、よろしくお願いいたします。
【加藤補佐】  ありがとうございました。続きまして、委員として御就任いただきました先生方を御紹介いたします。委員の先生方におかれましては、一言御挨拶をお願いいたします。慶應義塾大学医学部教授 岡村智教委員。
【岡村委員】  慶應義塾大学の岡村と申します。二次のほうからこの事業に関わっておりますけれども、ぜひとも協力していいものにしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
【加藤補佐】  ありがとうございます。続きまして、公益社団法人日本医師会常任理事 黒瀨巌委員。
【黒瀨委員】  皆様、こんにちは。日本医師会の黒瀨でございます。いろいろな会で、皆様方に大変お世話になっておりますけれども、今回でも、またお世話になりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
【加藤補佐】  ありがとうございます。続きまして、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事 兼 国立健康・栄養研究所所長 瀧本秀美委員。
【瀧本委員】  皆様、こんにちは。医薬基盤・健康・栄養研究所の瀧本でございます。当研究所は、国民健康・栄養調査の集計業務で、政策のモニタリングに非常に関わってございます。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
【加藤補佐】  ありがとうございます。続きまして、女子栄養大学特任教授 津下一代委員。
【津下委員】  よろしくお願いいたします。津下と申します。第二次の時から糖尿病分野、また、自治体における取組の推進や地域職域連携に関わってまいりました。今後、アクションプランの策定など、健康日本21(第三次)の推進に向けて微力ですけれども貢献させていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【加藤補佐】  ありがとうございます。続きまして、公益社団法人日本薬剤師会常任理事 長津雅則委員。
【長津委員】  皆様、こんにちは。日本薬剤師会の長津でございます。引き続き、参加させていただきたいと考えております。薬局、薬剤師の立場からどのような施策でお役に立てるかという立ち位置で参加したいと考えてございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【加藤補佐】  ありがとうございます。続きまして、東京大学未来ビジョン研究センターデータヘルス研究ユニット特任教授 兼 自治医科大学客員教授 古井祐司委員。
【古井委員】  古井でございます。よろしくお願いいたします。私は、循環型の地域社会に貢献するような健康づくりの推進に向けてお役に立てればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【加藤補佐】  ありがとうございます。続きまして、山梨大学大学院総合研究部医学域社会医学講座教授 山縣然太朗委員。
【山縣委員】  山縣です。今回もどうぞよろしくお願いいたします。私は、前回は次世代の健康、今回はライフコースアプローチへのところで少し意見を言わせていただきたいと思っております。「健やか親子21」等との整合性も含めてコメントしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【加藤補佐】  ありがとうございます。続きまして、全国衛生部長会 兵庫県保健医療部長 山下輝夫委員。
【山下委員】  皆様方、こんにちは。兵庫県保健医療部長の山下です。全国衛生部長会を代表いたしまして、この会議に、私自身、今回から参加ということになります。健康増進の推進のために微力ですけれども努力してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
【加藤補佐】  ありがとうございます。続きまして、国立保健医療科学院生涯健康研究部長 横山徹爾委員。
【横山委員】  皆さん、こんにちは。国立保健医療科学院の横山と申します。私も引き続きですけれども、科学院は自治体の方々との結びつきは非常に強いので、そういった立場から貢献してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【加藤補佐】  ありがとうございます。皆様、ありがとうございました。
なお、本日ですが、公益社団法人日本看護協会常任理事 中野夕香里委員、公益社団法人日本栄養士会理事 諸岡歩委員から御欠席の連絡を受けております。また、岡村委員におかれましては、他の用務のため途中退席と伺っております。
引き続き、事務局を紹介させていただきます。
健康・生活衛生局健康課長の山本です。
保健指導室長の五十嵐です。
栄養指導室長の清野です。
地域保健室長の原渕です。
女性の健康推進室長の田邉です。
医政局歯科保健課歯科口腔保健推進室長の和田です。
健康課長補佐の長谷川です。
健康課長補佐の寺井です。
栄養指導室長補佐の齋藤です。
よろしくお願いいたします。
 
・資料の確認
【加藤補佐】  次に、資料の確認をさせていただきます。事前にお送りしているファイルに不足がないか御確認ください。議事次第、座席表のほかに、資料1「健康日本21(第三次)推進専門委員会 設置要綱」、資料2「健康日本21(第三次)の概要」、資料3「健康日本21(第三次)推進における歯・口腔の健康領域の検討の進め方について」、資料4-1「健康日本21(第三次)推進専門委員会の進め方について(案)」、資料4-2「健康日本21(第三次)推進の方向性(イメージ)」の5つのファイル、及び参考資料1~5が本日の配付資料になります。不備がございましたら、事務局まで御連絡ください。
 
・委員会の位置付け
【加藤補佐】  続きまして、本委員会の位置付けについて御説明いたします。資料1「健康日本21(第三次)推進専門委員会 設置要綱」をご覧ください。
「1.目的」ですが、疾病全体に占める生活習慣病の割合は増加しており、また、人生100年時代が今後本格的に到来する中で、誰もがより長く健康に生活できるよう、予防・健康づくりの取組をさらに推進していく必要がございます。厚生労働省では、平成12年より国民健康づくり運動として「健康日本21」を、平成25年からは現行の「健康日本21(第二次)」を展開しており、令和6年度からは「健康日本21(第三次)」を開始する予定です。本委員会は、目標項目の評価や具体的方策の検討など、健康日本21(第三次)の推進に関する検討を行うため、厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会の了承を経て設置されたものでございます。
「2.検討事項」ですが、(1)進捗確認や目標の在り方等に関する事項、(2)具体的な方策の策定やその活用方法に関する事項、(3)その他「健康日本 21(第三次)」の推進に関する事項について御議論いただきたいと考えております。
「3.構成」につきまして、委員一覧は別紙のとおりです。任期は最終評価報告までとなっております。また、厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会の細則に基づきまして、委員長は専門委員会委員の中から部会長が指名し、加えまして、副委員長は委員長が指名することとなっております。
最後に、「4.委員会の運営等」につきまして、専門委員会は委員長が招集することとなっており、加えまして、委員長が必要と認める際には、適宜、有識者の参考人招致、あるいは、委員会の下に作業部会を置くことができることとされております。
簡単でございますが、資料1の説明は以上になります。
 
・WEB参加に係る注意点
【加藤補佐】  では、議事に入る前に、オンラインで御参加いただいている委員の皆様に、Web会議における発言方法について御説明いたします。ビデオカメラはOnにしていただき、発言時以外は、マイクはミュートにしてください。御発言される場合は、Web会議システムで挙手のボタンを押していただくか、画面上で見えるように挙手をしていただき、委員長からの指名後、御発言ください。御発言時にはマイクをOnにし、名前をおっしゃった上で御発言をお願いします。御発言が終わりましたら、挙手ボタンをおろし、マイクを再度ミュートにしてください。以上、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、カメラ撮影はここまでとさせていただきます。
以後の進行は、辻委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○議題
(1)推進専門委員会の進め方について
【辻委員長】  それでは、本日の議事を始めていきたいと思います。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。議題に入る前に、資料1の設置要綱における「3.構成」には、「委員長に事故があるとき、または委員長が欠けたときは、副委員長がその職務を代行する」と定められております。副委員長としては、横山委員が適任かと思いますけれども、皆様、いかがでしょうか。
【委員一同】  異議なし。
【辻委員長】  ありがとうございます。それでは、横山委員に副委員長をお願いすることとしたします。横山委員、どうぞよろしくお願いいたします。
【横山副委員長】  ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【辻委員長】  それでは、本日の議題に入りたいと思います。議題1「推進専門委員会の進め方について」、事務局から御説明をお願いします。
【田邉室長】  それでは、資料2から御説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。資料2でございますが、「健康日本21(第三次)の概要」ということで、既に先生方は御案内のとおりかと思いますが、改めて御説明させていただきます。
おめくりいただきまして、まず「我が国における健康づくり運動」でございます。約40年前から国民健康づくり運動は取組をさせていただいておりまして、2000年からは「健康日本21」という名称を使わせていただいて取組を進めてございます。今年度、2023年度は「健康日本21(第二次)」の最終年でございまして、来年度から「健康日本21(第三次)」開始というスケジュールになってございます。
おめくりいただきまして、健康日本21の法的な背景でございます。こちらは健康増進法の第7条に基づく取組になってございます。基本的な方針といたしまして、ここに書いてある①~⑦のことを大臣告示として本年5月31日に出させていただきました。これに基づきまして、都道府県では都道府県健康増進計画を策定いただきまして、市町村でも努力義務となりますが、市町村健康増進計画を策定いただくという立て付けになってございます。
おめくりいただきまして、健康日本21(第二次)の最終評価について御説明させていただきます。最大の目標でございます健康寿命でございますけれども、左側の表をご覧いただきまして、青い線が平均寿命、赤い線が健康寿命となってございます。どちらも右肩上がりに伸びているのですけれども、健康寿命と平均寿命の間の差の部分については徐々に縮まっておりますが、まだ約10年前後の差があるというところでございます。また右側の表をご覧いただきまして、特に赤枠で囲んであります⑤番は生活習慣に関わる部分でございます。
栄養であるとか、あるいは身体活動に関わる部分の指標につきましては、第2次の項目の最終評価を見ますと、Cの「変わらない」であるとか、Dの「悪化している」の領域がやや多い傾向がございます。特にDの「悪化している」の項目についてですけれども、これは左側の下に書いてございますが、悪化している項目ということで「メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少」という部分については、該当者及び予備群が増えているというところがございます。「適正体重の子どもの増加」の部分につきましては、子どもでも肥満の方が増えていて、適正体重の方が減っている状況がございます。「睡眠による休養を十分とれていない者の割合の減少」も、取れていない方が増えているというところでございます。アルコールに関しましては、「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者」の割合が増えているというところでございまして、特に生活習慣に関わる部分については、やや悪化している項目もあるというところが第二次の最終評価でございます。
おめくりいただきまして、このような背景を踏まえまして第三次に向けてどういう点に重点を置いて進めていくかということを、策定専門委員会で先生方に御議論いただきました内容をまとめてございます。
まず左上、これまでの成果でございますけれども、この40年余りの運動の中でできたことでございます。まず法整備がなされまして、健康増進法に基づく運動となってございます。2点目、自治体のみならず、保険者・企業など多様な主体が参加ということで、そういう体制が地域で一定程度は醸成されているというところがございます。それに加えまして、データヘルス・ICT、いわゆる新しいテクノロジー等の様相も加えて進めているというところでございます。
一方、課題でございますが、先ほど申しましたように、一部の指標がやはり悪化しているというところがございます。全体としては、改善あるいは横ばいというものでも、性・年齢階級別に見ていくと、特にある年代やある性別では悪化しているものもございます。データの見える化という部分については、まだまだ課題があるかと考えてございます。そういう点を含めまして、データの見える化ということで、それに基づいた課題の抽出であるとか進捗管理、いわゆるPDCAサイクルの部分については、さらに推進していく必要があるという課題を頂いてございます。
また、健康日本21は大体10年を超える運動になりますので、次の10年間といいますと、やはり社会変化についても十分に考慮する必要があるという御指摘も頂いてございます。少子化や高齢化のさらなる進展であるとか、総人口・生産年齢人口の減少、あるいは独居世帯の増加というような社会変化があるかと考えてございます。さらに女性の社会進出、あるいは労働移動の円滑化等含めまして、より多様性が増していくということが考えられます。また、あらゆる分野でいわゆるDX、デジタルトランスフォーメーションは加速すると思いますので、そういう点についてもしっかりと取り入れていく必要があると考えてございます。また、次の10年と考えますと、新しい新興感染症も考えられます。当然、テレワーク等含めまして、生活習慣に対する影響も考えられますので、こういう新しい生活様式についての対応も十分検討していく必要があるというのが、第三次に向けてまず考えねばならないことについての取りまとめでございます。
おめくりいただきまして、こういうことを踏まえまして、では、第三次の方向性をどうしていくかということを、先生方に検討していただきました。これが全体像でございます。まず大きなビジョンとしましては、「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」を大きなビジョンとさせていただいてございます。それに向けて、やはり人生100年時代ということがございますので、社会の多様化、あるいは各人の健康課題も多様化しているということを踏まえますと、「誰一人取り残さない健康づくり」の推進が大事であると考えてございます。いわゆるInclusionという部分でございます。また、一方で健康寿命は着実に延伸しているのですけれども、一部の指標が悪化しているというのもございますので、さらに生活習慣の改善を含め、個人の行動と健康状態の改善を促す必要があるということで、「より実効性をもつ取組の推進(Implementation)」を2つの大きな柱にさせていただいてございます。
まず左側、Inclusionでございますけれども、先ほど申しましたように、集団や個人の特性を踏まえた健康づくりということで、ライフステージ、あるいはライフコース、こういうものを踏まえた取組の推進が必要であるというところ。それから、いわゆる健康に関心が高い方は運動とか栄養等に気を付けていただいていると思うのですが、なかなか関心が薄い方も含めて、幅広い世代へのアプローチが大事になってくるかと考えてございます。そういう意味で、多様な主体による健康づくりということで、産官学を含めた多様な担い手による有機的な連携を進めていければと考えてございます。
右側にいかせていただきまして、Implementationでございます。まず大事なのは目標の設定・評価でございます。エビデンスを踏まえて目標を設定し、それをきちんと評価していくというところ。さらに、その目標達成に向けたアクションプランの提示ということで、計画倒れにならないように、取組の具体的な方策をしっかりと出していく必要があると考えてございます。そういう意味では、先ほど申しましたようにDXの加速等がございますので、ICTの活用が大事かと考えてございます。ウェアラブル端末であるとか、アプリ等新しいテクノロジーをしっかりと活用していければというところでございます。こういうところを総合いたしまして、最大の目標であります健康寿命の延伸、健康格差の縮小というところを、個人の行動と健康状態の改善、あるいは社会環境の質の向上というアプローチ、さらにライフコースアプローチを踏まえた健康づくりを踏まえて進めていければというのが、第三次の概要でございます。
おめくりいただきまして、少しそれをブレイクダウンしたものが次の図です。個人の部分で考えますと、個人の行動と健康状態の改善というところでは、まず生活習慣の改善、いわゆるリスクファクターを減らしていくところが重要であると考えてございます。その次には、やはり生活習慣病の発症予防、重症化予防の点についても大事だと考えておりますし、生活習慣病に限らずとも、生活機能の維持・向上という点についてはしっかりと支援していく必要があると考えてございます。この部分が個人の行動変容に関わる部分ですけれども、それを支えるという意味で社会環境の質の向上という部分を書いてございます。自然に健康になれる環境づくりであるとか、社会とのつながり・こころの健康の維持及び向上という部分、また誰もがアクセスできる健康増進のための基盤の整備というところでしっかりと環境も整備して支えて、個人の行動変容を促して最終目標の健康寿命の延伸につなげていこうというところでございます。さらに、ライフステージごとに加えて、ライフコースアプローチということで俯瞰した視点に立った上での健康づくりも重要であると考えてございます。
おめくりいただきまして、次のページからが各領域の目標の概要についてでございます。少し細かい、ビジーな図で申し訳ないのですけれども、まず健康寿命の延伸・格差の縮小が最大目標ということで1番目に書いてございます。その下のところでございますけれども、先ほど申しました生活習慣の改善ということで、栄養・食生活、身体活動・運動、休養・睡眠、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康、それぞれの項目につきまして目標を設定してございます。また、生活習慣病の発症予防/重症化予防につきましては、がん、循環器病、糖尿病、COPDにつきまして、それぞれ目標の項目を設定してございます。それから、生活機能の維持・向上、生活習慣病にならずともという部分につきましても、ロコモティブシンドロームであるとか、骨粗鬆症であるとか、そういう部分についての目標を設定してございます。
続きまして、社会環境の質の向上でございます。これも先ほど申しましたように、社会とのつながりであるとか、自然に健康になれる環境づくり、また誰もがアクセスできる健康増進のための基盤の整備ということで、それぞれ項目を設定しているところでございます。
さらにライフコースアプローチということで、特にこども、高齢者、女性という部分に関しまして1つ1つ、再掲の目標もございますけれども、そのような目標を設定しているというところでございます。
おめくりいただきまして、健康日本21(第三次)の新たな視点ということで、では今回、第二次と第三次でどういうところが違うのか、新しい視点は何かというところをまとめたものがこちらでございます。まず左上、「①女性の健康については、これまで目だしされておらず、性差に着目した取組が少ない」という御指摘がありましたので、「女性の健康」というものを新しく項目として置いております。女性の場合、どうしても女性ホルモン等がライフステージによって大きく変化するというところで、ライフステージごとに健康課題も大きく変化するという特性がございますので、そういうものについて着目していこうというのが新しい視点の1つ目でございます。2つ目が、先ほど申しましたように、健康に関心が薄い方に対するアプローチといたしまして、「自然に健康になれる環境づくり」というものを1つ大きなテーマとして置いてございます。本人が無理なく健康な行動をとれるような環境づくりの推進というところが大事であると考えてございます。また、真ん中でございますが、行政だけでなく、多様な主体を取り込んで、他計画や施策との連携も含んだ目標を設定して取組を進めていこうということで、健康経営であるとか産業保健、または食環境イニシアチブという目標も追加して、自治体との取組の連携を図るというところを書いてございます。4点目が実効性をという部分で、「アクションプランの提示」を書いてございます。具体的に、どのような取組を現場で行ったらいいのかというところにつきまして、まさにこの専門委員会で先生方に御議論いただいて、好事例等についてしっかりと提示していこうというのが4点目の新しい視点でございます。
最後がICTの活用という部分でございます。個人の健康情報の見える化、あるいは利活用というところを、現在PHR等の取組も進んでございますので、そういうものをしっかり活用して、新しいテクノロジーも取り入れて健康づくりにつなげていくというところが5点目の新しい視点と考えてございます。
おめくりいただきまして、このような点を踏まえまして、主な目標項目を書いてございます。「新」と書いてありますのが、特に今回新しく追加した項目でございます。そちらを中心に御説明させていただきます。まず1つ目が、睡眠時間を十分に確保している者の割合ということで、これまで睡眠に関しては睡眠による休養感の指標があったのですけれども、それに加えて睡眠時間という、睡眠に関しては質と量、両方の面から評価していくということで、睡眠時間という新しい指標を入れてございます。それから、COPDの死亡率の減少ということで、これまでCOPDは認知度を中心としたものでございましたが、やはり疾患ということを考えますと、疾患によった指標ということに変更してございます。社会環境の質の向上の部分に関しましては、「健康的で持続可能な食環境づくりのための戦略的イニシアチブ」の推進ということで、こういう取組をされている都道府県の数を指標に加えてございます。それから、いわゆる「健康経営」の取組も最近進んでございますので、経済産業省さんと連携させていただきまして、健康経営についての数も指標に設定してございます。それから、先ほど申しましたライフコースアプローチ、特に女性の健康という意味では、骨粗鬆症検診受診率の向上を入れてございます。女性の場合は、特に閉経後、エストロゲン等の低下に伴いまして骨粗鬆症が男性よりも発症しやすいということがございますので、それによる骨折等を予防する目的で検診の受診率の向上をしっかり指標として見ていければと考えてございます。
おめくりいただきまして、今後の大きなスケジュールを書いてございます。令和6年度からスタートでございます。令和6年度の値をいわゆるベースラインとしますので、令和6年度の国民健康・栄養調査の結果を踏まえて、まずベースライン値の設定を行います。こちらについても、こちらの推進専門委員会でお願いしようと考えてございます。それから、中間評価・最終評価をそれぞれ6年後、10年後に考えてございます。これまでとの大きな違いという点では、第二次では目標値の設定を最終年度に置いていたのですけれども、評価を最終年度にしてしまいますと、その翌年から新しいプランが始まりますので、最終評価は最終年度より前に行うことになり、目標を達成しそうといった、ある程度予想になる最終評価になった部分がございましたので、今回は評価の年度と最終目標値の設定を少し前にずらしまして、実際に達成したかどうかというのをきちんと評価できる立て付けにしてございます。また、先ほど申しましたアクションプランにつきましては、こちらの推進専門委員会で検討をお願いしておりまして、順次取組の中で進めていこうと考えてございます。
おめくりいただきまして、本年度の取組についてでございます。先ほど申しましたように、アクションプランのベースとなる、栄養・食生活の分野につきましては、今、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」を策定してございます。身体活動・運動につきましては、「健康づくりのための身体活動基準2013」につきまして、まさに今、新しいものをアップデートしているというところでございます。睡眠に関しましても、「健康づくりのための睡眠指針2014」を最新のエビデンスに基づいて現在改訂しておりますので、終わり次第、こちらの推進専門委員会に御報告できればと考えてございます。
資料2につきましては、以上となります。
【加藤補佐】  辻委員長、他の委員の皆様、本日の模様をYouTubeによるライブ配信ということで案内したのですが、ただ今、YouTube上でトラブルがありまして、一般の方が傍聴できていない状態になっております。今、作業しておりますので、5分~10分程度、いったん会議を停止したいと思いますので、少々お待ちください。申し訳ございません。
【辻委員長】  了解いたしました。
(YouTubeトラブルのため会議中断)36:26~44:48
【加藤補佐】  これより再開させていただきたいと思います。一般の皆様、申し訳ございませんでした。
【田邉室長】  資料2につきましては、第三次の概要でございますので、特に新しいというよりは、これまで御説明した内容になっておりますので、御了承ください。
それでは、資料3から説明を再開させていただきます。
資料3につきましては、本専門委員会の立て付けのお話でございます。策定専門委員会と同様に、こちらにつきましても歯科の領域につきましては歯科の専門委員会がございますので、そちらで御議論いただきまして部会のほうで取りまとめという体制にさせていただきます。中間評価、最終評価がございますので、それにつきましてそれぞれ先生方に評価をいただいて、部会のほうでということで考えてございます。
それでは資料4-1にいかせていただきます。資料4-1につきましては、本委員会の進め方につきまして事務局案を提出しているものでございますので、先生方に御指導いただければと思います。
まず「1.委員会設置の趣旨」でございます。先ほどの設置条項で申しましたように、1点目としましては、健康日本21(第三次)で設定した目標について6年後の中間評価、10年後の最終評価というものを、目標の達成について成果を評価していただくために、こちらの委員会で中間評価・最終評価をお願いしますということでございます。2点目、加えまして健康日本21(第三次)においてはより実効性をもつ取組ということで、都道府県・市町村の取組に資するような目標達成のための具体的な方策、アクションプランと申しておりますけれども、こちらについて、こちらの推進専門委員会で先生方に御指導いただければと考えてございます。
「2.主な検討事項」でございます。1ポツ目としまして、健康日本21(第三次)に掲げる目標項目についての中間評価、最終評価を通じた進捗状況確認、また、目標を達成するための諸活動の成果を適切に評価することをお願いできればと考えてございます。2点目は、目標達成のための具体的な方策(アクションプラン)についての検討をお願いしようと考えてございます。
「3.アクションプランについて」ということで、アクションプランとは何かについてまとめてございます。まず厚生労働省、国のほうでの取組としまして3点、先生方に審議をお願いしたい事項を書いてございます。1つ目は、スマート・ライフ・プロジェクト(SLP)のあり方でございます。こちらにつきましては策定専門委員会でも先生方からいろいろとコメントを頂いておりますので、それらを踏まえて、今後の方向性について先生方に御指導いただければと考えてございます。2点目と3点目は情報発信のあり方についてなのですけれども、まず国民を対象とした健康づくりに関する情報発信、広く国民全般に発信する場合の情報発信とはどういうものか、また2点目としましては、実際に健康づくりを担当されている方を対象にした健康づくりに対する情報発信について、どういう方向性、あるいはどういうことが重要なのか等につきまして、先生方に御議論いただければと考えてございます。また、先ほど申しましたように身体活動・運動、栄養・食生活、睡眠の領域に関しましては、現在、指針等の見直しを検討会で進めておりますので、それにつきましての普及啓発のための取組についても、今後先生方に御議論いただく予定として考えてございます。
2ポツ目としまして、健康づくりの体制(仕組み)や個別の領域の取組を含めて、都道府県・市町村が健康づくりを進める上で参考となる事項についてということで、例えば好事例やウェブサイト等の公開方法につきまして、どのような公開方法、あるいは分類、またどういう事例がいいのかにつきまして、先生方に御指導いただければと考えてございます。また健康日本21(第三次)におきましては、健康づくりにつきまして、いわゆる健康増進法に基づく衛生部局の取組に加えまして、医療保険者、介護保険の分野、民間企業等の職域における様々な取組につきまして、目標の指標を設定してございます。これらの分野、目標につきましては、関係部局であるとか関係省庁における取組をこちらの専門委員会で紹介させていただきつつ、健康づくりの取組において実行可能ライン、連携の方策を考えるというところを進めてはどうかと考えてございます。
おめくりいただきまして、「4.当面のスケジュール(予定)」でございます。本日、第1回目を開催させていただきまして、年度内に第2回目の推進専門委員会を開催できればという方向で考えてございます。その時は先ほど申しましたように、スマート・ライフ・プロジェクト(SLP)のあり方等について先生方に御議論いただければと考えてございます。また、アクションプランにつきましても、随時継続的に御審議いただければと考えてございます。少し先の話になりますけれども、ベースライン値は令和6年度の調査等に基づいて決定しますので、令和7年度の開催を考えてございます。また中間評価、最終評価につきましては、令和11年度、令和15年度の予定で開催を検討してございます。また回数につきましては、その都度年度内で回数は考えていこうと考えてございます。
次に資料4-2でございます。資料4-2は「健康日本21(第三次)推進の方向性(イメージ)」ということで、事務局でたたき台を作らせていただきました。本日は、不足している観点等がないかを含めて先生方から御意見を頂きまして、推進の方向性の大枠について御議論をお願いしたいと考えてございます。3枚目にまとめてございます。1枚目が体制整備について、2枚目がデータ分析、3枚目が各分野の取組ということで考えてございます。
では、1枚目からお願いいたします。図の構成としましては、一番左側に告示の内容を書いてございます。少し細かい字となって申し訳ございません。真ん中のところが都道府県・市町村といった自治体等を含めた地域の取組のポイントをまとめてございます。一番右が、それを支援するための国の取組という方向でまとめてございます。
まず体制整備の話ですけれども、一番上の取組のポイントでございますが、やはり都道府県・市町村において健康づくりの取組を進めていただく上では、いわゆる健康づくりの部門だけの取組だけでは難しい部分がございますので、総合計画ということで都道府県・市町村全体の計画の中でしっかりと健康づくりについての方向性も入れていただいて、他計画との調和を図るというところが大事かと考えてございます。そういう意味では、地域の多様な主体と連携による健康づくりの推進が非常に重要かと考えてございます。
真ん中、都道府県と市町村の取組についてのお願いでございます。まず都道府県に関しましては、健康増進計画を策定していただくとなってございます。また市町村におきましても、健康増進計画の策定の部分については、第二次の時のアンケートでは7割程度の市町村で策定いただいておりますので、何とか都道府県と市町村の計画の一体性といいますか、連携という部分についてもしっかりと進めていただければどうかと考えてございます。特にそういう面では、保健所の方の間のつなぎとしての役割が重要ではないかと考えてございますので、一体性を持たせた計画、取組というところが重要かと考えてございます。
ここまでが都道府県・市町村、いわゆる役所の中の話ですけれども、それに加えまして、いわゆる民間企業でありますとか、医療保険者の方々の取組についての連携も重要であると考えてございます。特に保険者の方で言いますと、データヘルス計画を策定いただいて保健事業を進めていただいておりますので、そういう既に回っている事業との連携という部分が重要かと考えてございます。民間企業ですと、健康経営の取組が進んでございますので、そういう中で健康づくりという視点を入れていただいて、うまく連携できればと考えてございます。あるいは産業保健活動ということで、産業医の先生や産業保健師の方々、そういう民間企業等で活動されている方々の取組についても、うまく都道府県・市町村と連携できればと考えてございます。
それを支援するための国の取組という点でございますけれども、地域の健康づくりの好事例の収集であるとか、地域・職域連携推進関係者会議の推進であるとか、ポータルサイト等で好事例を提示するということを今後進めていければと考えてございます。
おめくりいただきまして、次がデータの活用の部分でございます。同様に、一番左側に告示を書かせていただいてございます。真ん中部分ですけれども、やはり取組を進めていく上では、いわゆるエビデンスベースという部分で、データを活用して課題であるとか進捗状況についてしっかり把握した上で進めていくという部分は重要ではないかと考えてございます。
そういう意味では、都道府県の取組としまして都道府県民健康・栄養調査を実施していただいてはどうかというところや、県内の状況を把握可能な既存データを活用していただくという部分を考えてございます。そういう意味では、国のほうから当然そういうデータを提供する部分も必要と思っておりますが、まずは県のほうで既存の匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)であるとか国民健康・栄養調査、あるいは国民健康保険であれば、国保データベース(KDB)等のリソースもございますので、そういうビッグデータを活用していただいて、できれば管内の市町村についての現状把握、評価、課題の抽出等について進めていただければと考えてございます。この点につきましては、やはりアカデミアの先生方のサポートが重要と考えておりますので、都道府県内のアカデミアであるとか、都道府県外でも結構ですので、そういうアカデミアとの連携体制をしっかり築いていただいて、データの分析評価を進めていただければと考えてございます。市町村につきましては、そういう既存データ、あるいは県等々から示されるデータも含めまして、それを活用した課題の把握であるとか、取組の策定、進捗評価を進めていただければと考えております。また、なかなか大きなデータという部分は難しいかもしれませんけれども、例えば何かのイベント等を行った場合にはアンケートをとって、参加者の方々の行動変容の評価など、そういうレベルでのデータの活用についても考えていただければと考えてございます。それに加えまして、保険者の方の連携という部分でございます。市町村であれば、国民健康保険部門が同じような中にございますので、それ以外でも社会保険につきましても、保険者の取り組まれているデータヘルス計画の中でのデータの活用という部分についても何とか連携して、保険者間の連携という部分を進めていただければと考えてございます。
このような取組を支援するという意味では、今、国のほうで県民健康・栄養調査マニュアルの作成を進めてございます。何とか都道府県で使いやすいものについての策定が進めばと考えてございます。また、都道府県で活用できるデータ分析のツール等につきましては、保健医療科学院等を中心に進めていただいてございます。さらにツールがあってもなかなか使えなければということがございますので、データ分析に係る人材育成、研修会については保健医療科学院等で実施させていただいてございます。また、国からもわかりやすい見える化、データの提供という部分につきましては、見える化に関する事業の予算を取って進めていこうと考えてございます。
おめくりいただきまして、3つ目が個別の領域の取組について取りまとめたイメージでございます。一番左にございますように、まず個人の行動と健康状態の改善という部分に加えまして、社会環境の質の向上という部分、大きく2点あると思ってございます。これにつきましては、都道府県・市町村それぞれ重要な点としまして、まず普及啓発・情報発信は共通して大事なポイントかと考えてございます。また、この場合に個人や集団特性を加味したあり方であるとか、健康に関心が薄い方に向けた情報発信とはどういう方向がいいのか、あるいはその中でのICTの活用という面について重要ではないかと考えてございます。健康教育・保健指導という部分では、既に既存で動いている制度もございますので、そういうものとの連携が重要ではないかと考えてございます。例えば医療保険者さんであれば、特定健診・特定保健指導という制度がございますので、そういう保健指導の中での健康づくりのあり方であるとか、高齢者につきましては保健事業と介護予防の一体的実施という制度もございますので、そういう中でどううまく連携して、個別の領域についても取組を進めていくかというのが重要かと考えてございます。また企業においては、産業医の先生方を中心として産業保健活動がございますので、そういうものとの連携や健康経営の中での健康づくりにつきまして、これも各領域で連携できればと考えてございます。その他の部分という面では、国土交通省等が進めていただいておりますウォーカブルというものがございます。あるいは、働き方改革については睡眠との関係等々もありますので、そういう他部門との連携という部分についてもしっかりと保健事業の中で取り組んでいければと考えてございます。
これをサポートするための国の取組でございますけれども、例えば、各領域の目標達成のための具体的な取組・環境整備等について、ロジックモデル的なものを含めてしっかりと提示できればと考えてございます。また、先ほどから申し上げておりますように、身体活動・運動、睡眠、食事については、今年度、基準・水準等の見直しを行っておりますので、それがそのまますぐにというのは難しいかもしれませんけれども、ブレイクダウンしたものを含めてしっかりと活用できるようなツールにしていければと考えてございます。他部門という面では、特に労働領域で様々な取組を進めていただいておりますので、そういうものをうまく取り込んだ上で、例えば睡眠時間であるとかについてしっかりと考えていければと考えてございます。また、分野の横断という意味では、先ほどから申していますようにスマート・ライフ・プロジェクト(SLP)は、どの領域につきましても情報発信という面では重要なツールと考えてございますので、情報発信のあり方についてしっかりと考えた上で進めていければと考えてございます。
資料4について事務局からの御説明としては以上となります。よろしくお願いいたします。
【辻委員長】  ありがとうございました。それでは、本議題につきまして、初めに本日御欠席の中野委員、諸岡委員から事前に御意見を頂いておりますので、事務局から御紹介お願いします。
【五十嵐室長】  まず、日本看護協会からの御意見を御紹介いたします。
健康日本21(第三次)の推進は非常に重要な取組であり、引き続き様々な立場にいる看護職の関与は重要と考えております。現場の保健師らの声を伺う中で何点か議論に追加していただきたい事項やポイントがありますので、御提案させていただきます。自治体においては複数の施策・事業を担っており、優先度を付け、地域特性や実態に合わせて事業を展開する等の工夫を行っております。つきましては、地域における取組のポイントとして、各種関連事業、施策間連携は非常に重要であり、また好事例等も提示しながら効果的・効率的に地域の特性に合わせての取組が推進されるような議論が重要と考えております。また、働く世代の健康づくりは大変重要な課題となっており、保険者の参画・連携もさらに推進されることが望まれます。保険者に係る既存の事業の一層効果的な活用も含め、具体的な好事例を発信していければと考えます。
その他、各論は追っての議論になると認識しておりますが、取り急ぎ、以下2点について課題認識をお伝えいたします。1つ目、子どもの健康や学校保健との連携について。健康な社会を長期的な視座で推進していくという観点から、子ども世代へのアプローチは優先度が高いものと考えております。関係省庁、学校保健と連携した子どもの体力づくり・子どもの頃からの健康意識の醸成など、親世代の健康づくりも含めた取組が重要と考えます。2つ目、国民を対象とした健康づくりに関する情報発信のあり方について。スマート・ライフ・プロジェクト(SLP)や健康日本21を知らない国民、健康に関心が薄い者へのアプローチを検討する必要があることから、一方向からの情報発信では届かないということを前提として、情報発信の方策を検討する必要があると考えます。民間事業等、例えば一般企業の健康に関する取組や、国の健康づくりの方向性を発信できる企業等、これらをうまく活用するなど、SNSやインターネット、広告、テレビ等、社会の情報基盤の変化にも柔軟に対応した情報発信の新たなあり方を共に検討していければと考えております。以上です。
【齋藤補佐】  引き続き、日本栄養士会の諸岡委員から議題(1)推進専門委員会の進め方についての御意見について、事務局から代読させていただきます。
健康日本21(第三次)推進の方向性の検討に当たっては、より実効性をもつ取組が加速するよう自治体や団体、住民の主体的な取組につながる効果的な打ち出し方法や好事例の収集及び提示方法について議論を重ねていただきたい。特に栄養・食生活に関しては、全ライフステージにおいて様々な課題がある中、本会の会員は、行政はもとより保育所や学校、企業、医療機関、高齢者施設など、様々な領域で栄養改善活動を展開している。また、国民にとって身近で気軽に栄養・食生活相談ができる栄養ケアステーションの設置の増加と、国民の利活用を推進するなど、誰一人取り残さない健康づくりの推進に取り組んでいる。一方、自治体が都道府県健康増進計画及び市町村健康増進計画を策定し、産官学金労言等が連携した実効性ある取組を推進するためには、総合計画をはじめとする他計画との親和性が重要である。また都道府県と市町村の取組に一体性を持たせるため、国や都道府県本庁は匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)のオープンデータや国保データベース(KDB)のデータなどを積極的に分析し、保健所がその結果を活用しながら、市町村への専門的技術的支援ができる仕組みの構築が必要である。さらにデータ分析評価からPDCAサイクルに基づく施策の推進に向けては、外部専門家からの助言が受けられる体制の構築も望まれるが、全ての自治体においてアカデミアとの連携体制の構築は難しい現状もある。例えば、総務省では自治体が地方創生を推進するため、地域活性化の取組に関する知見やノウハウを有する外部専門家、地域力創造アドバイザーから指導や助言を受けられる支援制度を整えているため、健康増進計画の推進においてもこのような支援体制の整備を検討していただきたい。
職域保健との連携において、本会会員は企業や健康保険組合などにも所属しており、産業医と連携した保健指導や従業員食堂の栄養改善を通じた健康経営の実践など、保健所と連携した取組を進めているため、行政だけでは難しい連携については栄養士会をはじめとした職能団体をうまく活用してほしい。また、第4期特定健診保健指導に向け、保健指導実施者に必要な知識と技術を習得するため、研修ガイドラインに準拠した実践研修を重ねている。次期プランでは、健康に関心の薄い層を含む幅広い者に対してアプローチを行うために、自然に健康になれる食環境づくりの重要性が示されている。食環境づくりを全国各地で効果的に推進するためには、国が産学官等連携の下、推進している健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブと、地域特性を踏まえた都道府県の取組を、相補的・相乗的に展開していくことが重要である。本会においても国と都道府県、企業と消費者との仲介役としての役割を期待できる人材育成や技術支援に積極的に取り組んでいく。今後とも、全ての国民がともに支え合い、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会の実現を目指し、誰一人取り残さない視点から、本会においても自治体や関係団体と連携し、専門職団体としての機能・役割を担える管理栄養士の人材確保と育成に尽力してまいりたい。以上でございます。
〈質疑応答〉
【辻委員長】  ありがとうございました。それでは、本議題、特に資料4-1,資料4-2について、委員の皆様から御質問・御意見いただきたいと思います。これは、基本的にはこの推進専門委員会の進め方ということですので、何か国に問い掛けるというよりは自らの立場でこういうふうに進めてはどうかといったような御意見を主に頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いします。また、1時間弱ございますので議論が行ったり来たりすることを避けたいと思いまして、幾つか論点を絞ってそれぞれについてお伺いしたいと思います。
まず最初に、アクションプランから好事例のお話について議論していただいて、次にデータの分析と評価というところの御意見を頂きたいと思います。そのあと、推進体制といたしまして、県と市町村との関係、職域、保険者など他部局との連携、そういった連携推進体制について御意見を頂くというのが3つ目。4つ目は、国民への情報発信について御意見を頂きたいと思います。最後にその他ということで御意見を頂ければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
①アクションプランから好事例の収集について
【辻委員長】  では、最初にアクションプランから好事例の収集というあたりで、先生方から何か御意見いただけますでしょうか。岡村委員、お願いします。
【岡村委員】  アクションプランのところは、もちろん非常に大事なところですけれども、立てる時に、例えば現状の予算とか既存事業との紐付けはどうされているかという点が多分一番重要で、計画だけを並べても、実際に実働するものがなければ何も動きませんので、今紐付いているかどうか、紐付ける必要があるかどうか。場合によっては、新たに予算をどこか取ってこないといけないということになるので、そこは現実的に考えていかないと何も進まないかなというのが1つです。それを踏まえて、好事例のところについてもあまり好事例すぎると、これは多分どこかでまた意見があるかと思うのですが、ともすれば自慢話のようになってついていけないところがあるので、どれだったらできるかという視点も見ながら取捨選択できるというのが大事だろうと思います。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、横山副委員長、お願いします。
【横山副委員長】  今、岡村委員からもお話があったところですが、国の取組のところに書いてあります健康づくりの好事例収集ですけれども、好事例というとものすごく素晴らしい事例というイメージがあって、そういう事例も大変刺激になって重要だとは思うのですが、自治体の規模などによっては限られた人員予算などの中で取り組まなければならないということもありますので、あまりに素晴らしすぎてまねできないという事例ばかりでは困ると思います。したがいまして、そこそこ良い事例といいますか、各自治体の体制の中で身の丈に合った事例、つまりこれならばうちでも頑張ればできるというような様々なレベルの好事例を提示できると良いのではないかと思います。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、山縣委員、お願いします。
【山縣委員】  ほぼ同じ意見ですが、健やか親子21の時に、こういう取組を行うときに、まさに身の丈は重要で、例えば出生数だとか、それに関わる保健師さんやそのほかの人員の数みたいなものも、事例を出す時に一緒に情報として入れてもらって、それを見ることで身の丈に合ったものができるといった情報の発信の仕方は重要かと思いました。それから、好事例というからには評価されて、それが何らかの効果が上がっていたというところまでの情報も必要かと思います。
【辻委員長】  ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりで、特にアウトカムで、具体的に行ったことによってどういう効果が出たのか、いろいろな健康指標がどのように改善したかといったデータが必ず必要です。よろしくお願いします。瀧本委員、お願いします。
【瀧本委員】  私も先生方とほぼ同意見ですけれども、やはり好事例を提示するときに、デリケートな問題ではあるのですが、どれくらい予算や時間をかけたかというところ、それから何人くらいどういう専門職が関わったか、そういった地域で大学の先生方に関わっていただいたかというような具体があると、皆さん、より参考になって良いのではないかと考えました。また、きちんとモニタリングしていき、その効果をきちっと判定していくというのも大変重要ではないかと思いました。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、津下委員、お願いします。
【津下委員】  好事例ということで、スマート・ライフ・プロジェクト(SLP)なども見せていただいているのですけれども、好事例というのは、課題がきちんと認識されて、そこに対してどのように取り組むかという戦略を、1つの部局だけではなく幾つかの所で相談しながら検討していること、また既存の政策メニューなどを活用しながら行っている所が成長しているような印象があります。派手なことというよりは、そういう好事例、どこの自治体でもある程度手が届く事例が望ましいのではないかというのは1点、先生方と同じ意見になります。また、マンパワーについては人数だけでなく配置がどうなっているか。例えば地域職域連携、高齢者の一体的実施など、マンパワー不足のために動きにくいといった意見もあるのですけれども、うまくやっている所があって、それは全ての保健師がある程度どの領域のことも知っているという状況に研修していたり、実施体制を工夫していたりしています。そのようなことが土台にあって、好事例が生まれているということがあります。好事例の生まれた背景についても深掘りをして提示していくことで、そういう体制で行えばいいのではないかということを認識していただけるのではないかと思います。
2点目は、健康づくりに対する情報発信ですけれども、自分の住んでいる健康日本21についてどれだけ住民が知っているかということを意識する必要があると思います。お役所の中だけで作っていて、うまくこれが住民まで届いていない。または健康経営、データヘルス計画、保険者の計画もあるのですけれども、加入者が自らの保険者の健康づくりの戦略やメニューを知っているかというと、なかなか知らない状況にあります。どうすれば健康になるということだけでなく、自分の自治体または保険者、企業がどんな取組をして何を目指しているかということを、きちんと対象となる人たちに情報発信する仕組みも育てていく必要があるかと感じています。
【辻委員長】  ありがとうございました。では、古井委員、お願いします。
【古井委員】  今回のアクションプランというのは、施策のImplementation、社会実装だと思いますので、先生方がおっしゃっているように一般化することがとても大事だと思います。特に、データヘルス計画とか健康増進計画を見たときに、難しいのが評価指標の設定、評価するためのデータの取得法等、それから何と言っても地域の関係機関との体制、仕組みづくりという、この2点だと思います。ここのところをスマート・ライフ・プロジェクト(SLP)でもそうですが、いろいろな知見があるので、うちの地域やうちの職場はこのパターンに合っているなという構造の一般化をすることがとても大事だと思っています。
2つ目はノウハウですが、健康づくりはこれだけ進んできましたので、ある程度、基本の形、型というのが恐らくあって、それに独自の人口規模や職域など、それぞれの独自性を上乗せていくような知見の積み上げ方が大事だと思います。あとは先生方からあったように、ノウハウというのを、例えば庁内で人事異動があったときにつないでいくとか、同じ地域社会とか職域の中でノウハウが循環していくような形に持っていくことが、とても大事ではないかと思います。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、長津委員、お願いします。
【長津委員】  私は薬剤師ですので、薬剤師や薬局の対場としての発言と御理解いただきたいのですが、御提示いただきました進め方については、全く異存はございません。様々な関係者が目標を念頭に置いて取組を進めていけるようにという資料4-1にあるアクションプランを、しっかり進めていくということは大事だと認識しておりますが、少し各論的にはなりますけれども、特に3の2つ目の○に「自治体が健康づくりを進める上で参考となる事項について審議を行う」とございます。その下には「関係部局・省庁における取組を紹介してもらいつつ、健康づくりに取り組む自治体(健康づくり部門)において実施可能な連携方策を示す」とあります。まさに、これは本年度厚生労働省の医薬総務課におきまして、自治体と薬局が連携して実施する薬局の健康サポート活動についてモデル事業を行っております。モデル事業以外にも様々に全国で取組がございまして、いずれにしてもこの委員会にそうした取組を御紹介させていただければ好事例ともつながり、参考になるのではないかと思ってございます。取りあえず、今はそこだけ発言させていただきました。
【辻委員長】  ありがとうございました。大体出そろいましたので、よろしいかと思いますが、最後に私から1つ。好事例というものがアクションプランの構成要素になるのはもちろんだと思うのですけれども、さまざまな方策を考えられる限り並べすぎると自治体のほうが混乱してしまう可能性があります。むしろ、その理論的なフレームワークといいますか、何らかの対策をする上でのロジックモデルというものをきちんと示して、そのロジックモデルの中の何についてのアクションなのかを明確にしていくと、自治体のほうも考えやすいかと思います。そういったところも考えていただきたいと思います。
 
②データの分析と評価、データ連携について
【辻委員長】  では、2つ目といたしまして、データの分析と評価、データ連携のあたりについて、委員の皆様から御意見いただきたいと思います。いかがでしょうか。岡村委員、お願いします。
【岡村委員】  データの連携は、とにかくデータを扱うのが大事だという認識は間違っていないのですが、研修会を行うとできるようになるというレベルを、恐らく超えていて、外注したり頼んだり、大学とかコンサルの場合が一般的で、内部では困難という時代になってきて、仕事しながら片手間でできるレベルではないと私は思っています。そのときに、外注先のレベルを見極めるという研修も多分必要で、自分が実際に解析できるというよりは、解析のロジック、何を求めるか、要するに目的と結果が何で何を出したいかということの指示書がきちんと書けるかどうか、みたいなほうが、むしろ大事です。また、例えばコンサルだったら「お金を払ったらやってよ」ですけれども、大学とかに頼む場合は、学問的な興味とか論文化できるかなどのほうに興味があったりするので、要は依頼の仕方に自治体が慣れていない例が散見されます。そちらも含めた研修をしていく必要があるのではないかというのが、一番思っているところです。分析については、シンプルですけれども、そういう意見です。
【辻委員長】  岡村委員に1つ、今のお話で伺いたいことがあるのですけれども、今日の事務局の説明でもアカデミアとの連携がかなり強調されていました。先生もアカデミアとして、連携の依頼を受けることがこれから多々あろうかと思うのですが、それについて何か受ける立場として、こういうふうにしてもらいたいとか、何か御希望なり何なりありましたら、お願いしたいと思います。
【岡村委員】  やはりまず報告書というか、行政として何が欲しいかという視点を明確にして、要するに何をしたいのかがわからない依頼は受けられないので、何を出したいのですかということをきちんと示してほしいというのがまず1つです。もう1点は、もらったデータを匿名化したものを、あとで、研究で論文作成に使えるみたいなところを入れていただくと、比較的大学の人は動きやすいのですが、契約とお金の範囲だけで、あとは駄目ですみたいなことを言われると全く動きが取れないということになります。私は全国健康保険協会の理事をしていますけれども、全国健康保険協会の研究事業など行うときは、今、大体そういう立て付けにして動かしつつあります。行政が研究慣れしていないと、アカデミアとの付き合い方が若干ぎくしゃくするときがあるというのが一般的なイメージです。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、横山副委員長、お願いします。
【横山副委員長】  今映っている真ん中辺りの、取組のポイントの都道府県のところですが、都道府県の役割として市町村の課題の抽出とかデータ提供はとても大事だと思うのですけれども、単にデータ分析して、例えばきれいな図表にして見える化資料を提供しただけだと、その先、どのように活用したらいいかがわからずに、結局データが眠ってしまうということがよくあるかと思います。したがって、データ分析結果を提供するだけではなくて、それをどのように読み解いて保健活動につなげていくのか、PDCAをどうやって進めるのかというところまで含めて、研修会あるいは保健所による個別支援などで市町村に伝えていくことが必要だろうと思います。
それから、「NDBオープンデータや、KDB」という書き出しになっているのですが、匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)、国保データベース(KDB)というと健診医療のデータが中心で、どちらかというとデータヘルス計画とか適正化計画のイメージが強いかと思います。もちろん国保データベース(KDB)には平均自立期間などのデータ、かつ市町村別データが入っているという長所がございますので、県で一括して市町村間の地域差分析に活用するというのは非常に重要なことだと思います。ただその際には、国民健康保険だけが市民ではないので、被用者保険のデータなども集めて一緒に分析する必要があるかと思います。
一方で、健康日本21、健康増進計画としては、やはり生活習慣とか社会環境に関する幅広いデータ、具体的にはその白枠の上のほうに書いてありますが、都道府県民健康・栄養調査などのデータ活用も重要なので、健康・栄養調査等を用いた県内地域差分析、とは言っても市町村別は難しいので比較的大きなくくりでの地域差分析ですけれども、そういった視点も加えて健康づくりのためのデータ分析ということが強調できるように、白枠の中のポイントの書きぶりを工夫してはどうかと思います。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、津下委員、お願いします。
【津下委員】  今、横山副委員長がおっしゃったことが一つ非常に重要なことと思っています。表を作ってたくさんのデータに溺れてしまっている、それで何を引き出してどこをどう改善していくのかということまでの考察ができていない。したがって、データの項はあるけれども、そのあとのアクションについては金太郎あめみたいに同じことを書いてしまうみたいなことが、これまではよくあったのではないかと思います。重要なことは、データからどんなことを読み取り、どういう対象者にどういう事業を強化していくべきかを検討するプロセスが重要です。個別事業などどういう世代にどういうことをするか、どういう時期に行うのか、そういうことを一緒に考えていく。それも一担当者ではなく、組織横断的に考えていくことが重要だろうと思っています。
また、いろいろな世代のデータがありますが、国民健康保険と後期高齢者医療保険と、俯瞰して見ると後期高齢者医療保険から見たときに国民健康保険世代ではこういうことを行っていかないといけなかったといったことが見えたり、それから特定健診・特定保健指導のデータを見て、20代、30代はどういうことを行わなければいけないのかということが見えてくるので、世代間をつないでいろいろなデータを俯瞰して見ていくというのが健康日本21の非常に重要なところではないかと思います。データをしっかりと解釈して、考える時間をぜひつくっていただけるように、そのための研修とかサポートが重要です。アカデミアの機能としては単にデータを出すだけではなく、そのあとまでしっかりとサポートしていただくのがいいのではないかと思います。データは直接つながなくても、断片的でも全体像が把握できるということもありますので、分析だけにエネルギーを割くのではなく、結果の活用ということに注力していただければと思っています。
【辻委員長】  ありがとうございました。では、山縣委員、お願いします。
【山縣委員】  アカデミア等の連携については、私は山梨県で、地域の公衆衛生の講座としては1つの役割として今まで行ってきたことがあるのですが、ただやはりそれだけでは大学に残れなくなるので、きちんと大学としての役割を果たしていくという意味では、先ほどあったように、我々はデータを解析して、それを研究論文にするということは前提としてあるということを、地域の方には理解していただく必要があると。20年前に比べると、だいぶその辺りのところは理解も深まりましたし、そういう解析を、例えば情報を収集する段階からそういうことがわかっているのであれば、住民の方にもそういうことをきちんと伝えて、倫理委員会を通して行うということも可能です。そういうことを各地域で行っていけたらどうかと思っております。それから地域に、これからデータサイエンティストの重要性というのは自治体もすごくわかってきているので、その方々の育成も一緒に行っていきながら、自前でできるような形のものを支援していくというのもアカデミアの役割かと思います。そうしていかないと、今でもこういったデータを扱うということについては、地域格差がだんだん広がってきているように思いますので、そういったところもアカデミアの役割かと思っています。
【辻委員長】  今、アカデミアとの連携について、山縣委員、岡村委員からお話しいただきました。1つは、ペーパーが書けるということはとても大事だということですけれども、もう1つ、先生方がおっしゃらないので、私からあえて申し上げますけれども、それなりの時間と手間がかかりますので、その分だけの対価と申しますか、何らかのお金を研究委託という形で頂かないと進まないと思うのです。ボランタリーベースで、「コンサルに頼むより安いから大学のほうがいいや」となったのではとんでもない話になります。そこのところも1つ、私としては強調したいと思います。では、長津委員、お願いします。
【長津委員】  今、お示しいただいている画面の中央の吹き出しの部分に、「NDBオープンデータや、KDBなどのデータを活用した」というところがあります。そのデータの話になるのですけれども、我々医療の世界ではオンライン資格確認の基盤ですとか、あるいは電子処方箋の仕組みなどでの情報連携が進んでいて、さらにこれは今後もかなりの可能性のあるDXですので、その健康増進や重症化予防という観点からも非常に有用な情報が集約してくると思っております。したがって、医療のデジタルトランスフォーメーションというところもどこかに記載しておかれたほうがよろしいのではないかという、これは提案でございます。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、瀧本委員、お願いします。
【瀧本委員】  私、国民健康・栄養調査で自治体の方との関わりも結構多いので、こういった県民健康・栄養調査の相談もよく関わらせていただくのですけれども、アカデミアとうまく協働する際に、アカデミアの方も行政のことを理解していただく、お互いに理解し合うということが非常に重要かと思います。私も研究所に所属しておりますので、研究として意味があるかというところはすごく気になってしまう点ではあると思うのですけれども、行政の調査は必ずしもそういう視点ばかりではないというところは御理解いただきたいところです。あと、どんどん高齢社会になっていくと、調査に参画する方の年齢層もどんどん高齢化していっている現状がございます。目的に応じて、もし若年世代を中心に調査を進めたいのであれば、近年発展の著しいいろいろなITを活用したツールなども積極的に導入して、参加者をきちんと確保する取組も今後ますます重要なのではないかと思いました。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、古井委員、お願いします。
【古井委員】  私も、まずアカデミアのところは先生方の意見に全く賛同いたします。私の所では、自治体様への協力依頼もそうですが、やはり学内でのコンセンサスを得るのに非常に苦労しました。全国の大学の先生方も、もちろんわかってくださる教授会の先生もいますけれども、「なんでそんなことをやるんだ」という方も少なくありません。その辺はぜひ、地方大学の先生方にも、何かノウハウがあれば共有させていただきたいと思っています。
それから、確か岡村委員がおっしゃったと思うのですが、上段の何を目指しているかということを、我々は一番知りたくて、例えば何々県、あるいは何々市町村がどういうことをデータで知りたいのかというのは、非常にアカデミアとしては大事だと思います。そういう中で、今、データヘルス計画が全国で策定されていますが、厚生労働省さんや我々のほうから、とにかく健康増進計画とデータヘルス計画をなるべく評価指標を重複してくださいと。地域や職場の健康課題というのはやはり同じですので、それが保険者なのか自治体なのかという違いはありますが、全国健康保険協会の場合は全国で共通の評価指標、国民健康保険の場合は都道府県単位で共通の評価指標を設定していますので、こちらを改めて自治体で把握していただいて、うちの県はどんな指標なのだと。それを大学の先生にお願いするときも、これが我が県、地域の健康課題ということを上手に共有していただくといいのではないかと思います。
【辻委員長】  ありがとうございました。では、津下委員。
【津下委員】  2回目ですみません。1点目ですけれども、調査については調査に参加しない人、または健診を受けない人の存在も忘れてはいけないということがあります。調査結果というのは1つ重要ですけれども、保健活動の中で実際に保健師さんたちが把握している、または医療機関が把握している調査に乗らない人たちの状況も併せて、定性的なものにはなると思うのですけれども、組み合わせて見ていく必要があるかと思っています。
2点目ですけれども、国は国民健康・栄養調査、都道府県は県民健康・栄養調査や匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)の大きなデータで行えるのですけれども、市町村については住民に対する実データがあるということや、アクションとデータがつながっているということがあります。その市町村の指標としては、どういう指標を参考にするといいのか、具体的な保険事業のレベルに落とした指標立てというのを提示すると動きやすいのではないかと思いました。
 
③他部局との連携推進体制について
【辻委員長】  ありがとうございます。それでは3つ目の論点について、御意見いただきたいと思います。今日の資料でも、都道府県、各保健所による市町村の支援、都道府県と市町村の取組に一体性を持たせる、あるいは保険者、産業保健、他部門との連携といったことが書かれておりますので、このような推進体制、特に連携のところについて御意見いただきたいと思います。岡村委員がそろそろ退席されると思いますので、最初に何か御意見いただけますでしょうか。
【岡村委員】  この連携のところですけれども、最後、民間企業までは入っています。しかし、先ほどの話との枠組みになりますけれども、例えば学会や協会とかのアカデミアのところも連携対象で、実は生活習慣病関連などで見ると、ただで取れるようなコンテンツをたくさん作っていたりするのです。ところが、それを自治体の方も知らないし、市民の方も知らない、また、学会もそれぞれの学会が何をしているのかわからないという話になってくるので、ぜひそこはサイエンスに基づいて作られているものも多いので活用していただきたいのが1つです。
それから、保険者間の連携は大事で、少なくとも都道府県単位だと、全国健康保険協会と国民健康保険は合わせて見るのが、これはもう必須ではないかと思っています。そうでないと、全体像がかなり見えにくいのではないかと思っているところです。
もう抜けますので、すみません。
【辻委員長】  どうもありがとうございました。では、ほかの皆様から御意見ございますでしょうか。山縣委員、お願いします。
【山縣委員】  いわゆる地域保健サービスに関しては、もう市町村マターになっていて、都道府県がどういうふうに関わってくるかというのはやはり課題だと思っています。基本的には、地域格差などを見ていくためには都道府県が出てこなければいけないのですが、ではそれを担当する所がどこまでそういうことができるのかということについては課題としてあって、例えば健やか親子21では、もう母子保健は都道府県が本当に関わらない所が増えてきたために、指標として都道府県指標というのを作って、こういう役割があるのですということをむしろ計画の中で示していくことをしていきました。そのときにも、ただ単に支援しているとか研修会を開いているというだけではなくて、具体的にどういうことが支援につながるのかという小項目を作って、それにチェックを入れてもらって、基本的な実際にできているかどうかということを指標の中で評価するようにしていたように、特に都道府県型の保健所といいますか、これは保健所設置市の保健所もそうですが、今回のコロナ以降、感染症とか災害などの健康危機管理と精神保健にかなり特化された形での機能に集約されつつあって、いわゆるこういう保健サービスに関してはなかなか手が出しづらい状況に今なっている中で、どうやって連携を図るかというのは本当に課題だと思っています。
したがって、具体的に市町村としてどういうところを行ってほしいのか、都道府県が行うべきかというのを国も示す必要があると思いますし、市町村からも具体的な支援のあり方というものを都道府県に伝えることが必要かと思います。
【辻委員長】  ありがとうございました。では、津下委員、お願いします。
【津下委員】  私は、ここにあります地域職域連携推進会議等に研究班で関わってきておりますけれども、やはりコロナ禍で県とか二次医療圏、保健所の取組が一時、地域職域連携健康づくりまで回らなかったということが実際に起きました。ただ一方で、地域職域連携のネットワークを活用して感染症対策というか、予防への啓発などそういうことを職域まで進めた自治体もありました。したがって、こういう連携体制というのは、いろいろな連携体制があり、その事業目的での連携というのもあるのですけれども、そこは柔軟に健康寿命の延伸ということで対応できるとよいと思います。今後もさまざまな健康危機とか課題、災害とかあると思うのですけれども、そういうときにも機能する形というのはどういう形があり得るのかということをしっかりと検討して、ほかのことがあるから全て止まってしまうとか、そういうことではない持続可能な方法をこの際検討してアクションプランに入れ込む必要があるのかなと思いました。うまくそのネットワークを活用するという視点が盛り込めるといいではないかと思いました。
また、都道府県の役割として、市町村の健康増進計画がうまく進んでいるかどうかを確認して、そこのてこ入れをしたり、県が持っているいろいろな事業を注力するということもあり得ると思います。この都道府県と市町村の矢印がこの絵に書いてありますけれども、都道府県は市町村の健康増進計画を全て収集して、そこでどのような取組、課題を抱えているか、どのようなアクションが必要かということでやりとりすることが必要だと思います。また一方、都道府県の健康増進計画を国全体が収集して、その取組の特徴などいろいろなことも分析できる、そういうプラットフォームができるといいのではないかと感じたところです。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、古井委員、お願いします。
【古井委員】  私も先生方からあった、都道府県の役割はこれからとても大事だと思っています。東北のある県では保健所が入っていただいて、その保健所単位で市町村が一緒に共同で計画を作るということを行っています。このメリットというのは、一緒の型を使えるとか、同じ評価指標を使って毎年PDCAを必ず一緒に回せるという利点があります。それから、東海地方のある県では共同事業化というのを過疎の6市町村くらいで行っていまして、これを保健所・都道府県が支援しています。この共同事業で非常にメリットがあったのは、先ほどからお話があった市町村の人材教育と、ノウハウの構造化というところがすごく実効性があるということがあります。都道府県の役割はいろいろあると思うのですけれども、今回、Implementationというのは非常に大きな論点なので、いかに市町村が社会実装するときにどういう役に立つかという視点で提示してもいいのではないかと思います。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、横山副委員長、お願いします。
【横山副委員長】  私も、保険者間の連携というのは非常に重要だと思うのですけれども、先ほど岡村委員からお話ありましたけれども、国民健康保険と全国健康保険協会のデータを合わせて使うというのは必須ではないかという御意見がございました。現状の市町村の健康増進計画を見てみると、国民健康保険のデータ中心で作っていることが多いかと思います。したがって、全国健康保険協会と合わせるといった取組が必要だと思います。ただ、それを市町村が別々に全国健康保険協会と交渉するのも少しおかしな話で、大変ですので、これは県レベルで調整して、例えば保健所や協議会なども活用して、ほかの保険者のデータも市町村で使えるようにするといった調整が、県の役割として重要なのではないかと思います。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、瀧本委員、どうぞ。
【瀧本委員】  先ほど横山副委員長から、市町村でもデータをきちんと使えるような仕組みというお話がありましたけれども、私も全く同意でございます。昨年度、厚労科研の研究の中で自治体の行政栄養士の方々と意見交換をする場があったのですけれども、やはり市町村レベルで自分たちが使えるデータになっていないというところが、国民健康・栄養調査や都道府県の県民健康・栄養調査などの課題だという御意見を頂きました。都道府県の役割というところに、必ず市町村にも役立つデータを収集して、それをフィードバックしていく体制というのが、今お示ししているスライドの真ん中の矢印が都道府県と市町村両方にいくのがあるべき姿ではないかと思います。
【辻委員長】  ありがとうございます。今、都道府県の役割や地域職域連携など、多々御議論いただきました。ほかに皆様から御意見などございますか。
よろしいですか。では、次に移りたいと思います。
 
④国民への情報発信について
【辻委員長】  4つ目の論点です。国民への情報発信ということで、皆様から御意見いただきたいと思います。健康日本21が始まってもう20年余りたちますけれども、国民における健康日本21の認知度はそれほど高くないという部分もあります。そういったところも含めて、情報発信をどう進めていくかということについて何か御提案なり問題意識の御提示などありましたら、頂きたいと思います。いかがでしょうか。津下委員、お願いします。
【津下委員】  国民に情報発信していくためには、国民に近い中間層の方々が健康日本21をよく理解して、普及していただかなければいけないと思います。それは自治体というだけではなくて、例えば、かかりつけ医、学校の先生、薬局の方、または健康な食事、レストランなど、それこそ多様な主体が関わらないと届かないと思います。国民に届けるために、国民の周りにいる方々にどれだけ普及できるか、ここが鍵なのではないかと思っています。
その際に、具体的でその人が気になるところに刺さるようなメッセージも必要ですし、毎年毎年同じことを行っていると飽きられてしまうので、テーマを計画的に工夫して、新鮮味をもって取り組んでいただけるようにするといいのではないかと思います。そういう意味で、個別分野のアクションプランをきちっと立てて、そこでどういう関係者を巻き込んでいくのかということも含めて、国民に届けるルートを考えていく必要があるかと思いました。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、長津委員、お願いします。
【長津委員】  今、津下委員からもエールを頂いたような気がするのですが、我々薬局の中でも、特に先ほど来私が申し上げている健康サポート薬局というくくりの薬局は、健康情報の発信拠点であるという覚悟を持って看板を掲げる、これは届け出事項ですけれども、そういう行政手続きを行っている薬局なのです。したがって、そういった所を利用して、国民に対しての情報発信窓口の1つとして何かやれることがあれば、お示しいただければ、我々も考えていきたいと思いますし、厚生労働省が主導となって健康サポート薬局をどんどん活用していただきますと、我々としても非常にありがたいと思います。
【辻委員長】  先生、どうもありがとうございました。地域における薬局の役割は非常に重要でございますので、ぜひこれからもよろしくお願いしたいと思います。では、山縣委員、お願いします。
【山縣委員】  地域の中で普及するということは、実際にこういう活動に参加するということだと思いますので、健康的な何か取組を1つでもできると。これまで最近、市町村や企業などで健康ポイントといったインセンティブに関して取り組んでいて、それは比較的効果を上げているように思います。やはり、国としてそういうのを言うのは難しいのかもしれないのですが、アクションプランとして、その健康日本21の関わりの1つとして自分も何かをやり、それに対して何らかのインセンティブがあって、それが広がっていくということは重要なポイントではないかと思っています。
【辻委員長】  ありがとうございます。インセンティブということは非常に重要なことだと思いますので、これからまた議論できればと思います。どうもありがとうございました。では、古井委員、お願いします。
【古井委員】  私は、先ほど津下委員がおっしゃったのは、本当に大事だと感じました。国民1人1人にはなかなか手が届きにくいですけれども、そこに手が届く人に情報を提供していくというのはとても大事だと思いました。例えば、岡村委員のテリトリーですけれども、全国健康保険協会さんですと健康保険委員が全国で10万人います。あとは、厚生労働省と経済産業省さんの健康経営アドバイザーも、今2万人くらいいます。我々もその方々へ講義を行うときに必ず健康日本21のペーパーを持っていきます。彼らは何に困っているかというと、毎回、朝礼で何を話したらいいかとか、どういうことを社内で実施すればいいか、非常に困っていて、そういうときに、津下委員もおっしゃったように、飲酒の方もいれば睡眠もいるし、血圧もあるので、いろいろなテーマを、手を替え品を替え、彼らに伝えていくことが非常に重要かと思いました。そのためのコンテンツというのは、健康日本21は非常にたくさん、既にあるのではないかと思っています。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、津下委員、お願いします。
【津下委員】  何度もすみません。先日の日本健康会議でも蒲郡市の発表があったと思うのですけれども、蒲郡市がうまくいった1つの理由は、全国健康保険協会だけではなくて市町村の共済組合のデータを分析したということがありました。国民健康保険でメタボが多いのですけれども、実は共済組合も多かったということがあって、要は職員自体が自分の健康問題としても動かなければいけないと。したがって、全庁的な、市役所の健康経営から始まり協力体制ができました。消防隊もいろいろな部局が一緒になって動けたということがありました。それぞれがそれぞれのセクターでいろいろな関係者とつながっているので、市の職員全体が健康ということに関心を持ちながら仕事をしていくと、市民に届けるルートが増えるいうのも1つの手法ではないかと思いました。これは好事例に入るかもしれませんけれども、全国健康保険協会と国民健康保険だけだとどうしても市の職員は他人事になってしまいますので、共済組合のデータで部局間の分析をしたり、健康スコアリングみたいなことを行ってみることで、市の職員の意識が変わるというのも、1つ大きな要素になるのではないかとも思ったりします。
【辻委員長】  ありがとうございます。では、瀧本委員、お願いします。
【瀧本委員】  私どもも、研究所のホームページの健康日本21(第二次)分析評価というところで、国民健康・栄養調査からわかったことなど、一般の方にも見ていただけるようなものは載せてはいるのですけれども、せっかく国民健康・栄養調査も毎年行っているのに、その報告書とか概要発表があった時だけぱーんとメディアに取り上げられて、しかもある一面しかなかなか皆さんに伝わる機会がないのが、とても残念だなと思っています。もう少し何らか、例えば女性の痩せの問題や男性の肥満者の割合が依然として高い問題であるなど、こういうことがわかっているよとか、こういうように変わってきているなど、折に触れて伝えていく機会というか、場をつくっていかなければいけないのではないかと思います。やはり、メディアなどとも協力していくということも必要ではないかと思います。
 
・その他
【辻委員長】  ありがとうございます。それでは大体、先生方から御意見いただいたのですが、その他として、今までの議論を踏まえて、言い足りなかったとか、あるいは今回論点にしなかったものについても何か御意見いただければと思います。長津委員、お願いします。
【長津委員】  資料2のところでもよろしいでしょうか。概要のところの9ページ、健康日本21(第三次)の新たな視点の左上のところで、女性の健康にフォーカスするのは非常にいいことだと思うのですが、これは釈迦に説法になりますけれども、骨粗鬆症は確かに重症化すると骨折、寝たきり、肺炎という負のスパイラルで亡くなっていく方が多いという、意外に死につながる疾患であるというのは御承知のとおりなのですが、ここで骨粗鬆症の検診受診率がどこまで重要なのかというところが、薬剤師的には疑問なところがございます。検診で発見される骨粗鬆症は、割と「もう低いですね」、「まだ高いですね」というだけであって、実はそこから食生活を改善しても健康増進にはあまりつながらないという残念なところなのです。したがって、骨粗鬆症にフォーカスするのは非常に良くて、骨密度というのは若年期にいかに骨形成をするかで勝負が決まるものですから、できれば若年層に対しての食事や運動、生活などの指導を行うということが極めて重要だと、我々の職業は認識しています。そういったところのアクションも重要ではないかと、この資料を見てすごく目を引いてしまったので、もし御意見があれば頂きたいです。よろしくお願いします。
【辻委員長】  山縣委員、これに対するものですか。
【山縣委員】  女性に関するもので、骨粗鬆症に関して非常に重要な視点だということと、今のお答えにはなかなかできないのですが、女性の健康については、「骨粗鬆症検診受診率を新たに目標に設定」とだけここに書いておくと、それが加わっただけと思われがちで、本来の目的というのは、プレコンセプショナルケアなどそういうことを含めた次世代の健康とか、今回であれば生育のサイクルの中での女性の健康といった問題もこの中に入ってくるのだろうと思いますので、その辺りのところも一緒に合わせて、この女性の健康を示すときには併記しておかないと、これまでも行っていることで、それを新たに「女性の健康」という言葉で出したのだということを強調するべきかと思っています。
【辻委員長】  ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりで、1つこのライフコースアプローチの中で、若い頃からをずっと含めて、そういった文脈の中でもう一度この骨粗鬆症の問題、これは相当大きな問題ですので、その方向で情報発信していったほうがいいのかなと、今の長津委員と山縣委員のお話を伺って私も改めて思った次第です。これについてはまた修正を加えていただければと思います。どうもありがとうございました。
では、だいぶ時間になりましたのでまとめさせていただいきたいと思います。資料4-1「健康日本21(第三次)推進専門委員会の進め方」につきましては、事務局の御提案、御了承いただけますでしょうか。
【委員一同】  異議なし。
【辻委員長】  どうもありがとうございました。御了承いただいたものといたします。
では、資料4-2「健康日本21(第三次)の推進の方向性」につきましては、本日の御意見も踏まえまして、事務局で引き続き御検討を、委員会としてお願いしたいと思います。どうもありがとうございます。
では、議題1についてはここまでといたしますが、その他、全体を通しまして、委員の皆様から何か御質問・御意見ございますでしょうか。
【委員一同】  意見なし。
【辻委員長】  よろしいですか。では、特に御意見ないようですので、本日の議論はここまでとさせていただきます。
最後に、今後のスケジュール等につきまして、事務局から御説明、お願いします。
 
(2)その他
【加藤補佐】  まず本日、YouTubeの配信トラブルがありまして、いったん会議を停止させていただきまして申し訳ございませんでした。
今後のスケジュールにつきまして御案内申し上げます。次回の委員会につきましては、今回の議論等踏まえて追って調整させていただきます。お忙しい中、恐れ入りますが御参加いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 
○閉会
【辻委員長】  ありがとうございます。それでは、本日の委員会をこれで終了したいと思います。委員の皆様におかれましては、スムーズな議事進行、そしてまた、活発な御意見賜りましたことを、改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
では、これにて閉会といたします。
 

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