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2018年8月2日 健康日本21(第二次)推進専門委員会(議事録)

○日時

平成30年8月2日(木) 14:30~16:30

 

○場所

航空会館 地下1階 B101会議室

○議題

1.「健康日本21(第二次)」中間評価報告書(案)について

2.その他

○議事

○中村課長補佐  ただいまから、第12回健康日本21(第二次)推進専門委員会を開催いたします。委員の皆様には御多忙の折、お集まりいただき御礼申し上げます。開会に当たり、健康局長の宇都宮より御挨拶申し上げます。
○宇都宮健康局長  皆さん、こんにちは。一昨日付けで健康局長を拝任しました宇都宮と申します。よろしくお願いいたします。本日は先生方も大変御多忙な中、外は非常に猛暑の中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。また、先生方には日頃より健康づくりの推進に御協力いただいておりますこと、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
 私も久しぶりに健康局に戻ってきました。実は、以前おりましたのは、厚生省と労働省が一緒になる直前でした。当時は保健医療局で、厚生労働省になってから健康局となったわけですが、御存じのように、西暦2000年に健康日本21ができました。そのとき、私は健康増進栄養課におりまして、健康日本21の作成に関わったというか携わって、当時から辻先生に御指導を頂きました。もう18年もたってしまったなというところですけれども、そういう思い入れの深い健康日本21です。
 もう既に第二次で、しかも今日は評価を頂くということですけれども、当時の健康日本21では、21世紀に向けた新しい健康づくり運動をするのだということで、大きく2つのポイントが挙げられていたと思います。1つには、それまでのハイリスクアプローチから、ポピュレーションアプローチに変えていくという話でした。もう1つは、漫然とした健康づくりではなく、数値目標を入れるということで様々な指標が取り入れられ、健康づくりの計画を立てるということだったと記憶しております。
 その中の1つに、たばこの関係がございました。当時は喫煙率を2分の1にするということを最初に打ち出したところ、やはり大変な反響を呼んでしまいました。その後いろいろと苦労をして、余り正確には覚えていないのですけれども、最終的には未成年者は喫煙させないとか、やめたい人はちゃんとやめられるようにサポートするとか、そのような感じだったと思います。やはりいろいろな考えの方がいらっしゃる中で、喫煙対策も徐々に進められてきて、今回の健康増進法の改正ということになったところです。
 片や、ある立場から見れば、まだまだというお考えもあるかと思うのですが、18年前を考えると、それでもかなり進んできたなと考えているところです。今日はたばこに限らず、全体の評価だと思うのですけれども、この動きを更に少しずつでも前に進められるように、先生方には是非、今後ともお力をお借りしたいと思っております。
 それから、もう1つ思い出したのですが、例えば健康づくりということで健診の値を下げるために、早く起きて一生懸命運動するとかいった苦しい健康づくりはやめましょう、楽しい健康づくりをしましょうということも打ち出していると思うのです。そういうことも含めて是非、楽しくみんなが健康になれるような施策を推進していけるように、先生方の忌憚のない御意見を頂きたいと思います。今後とも是非よろしくお願いいたします。
○中村課長補佐  恐れ入りますが、健康局長は公務の関係で退席させていただきます。
 前回の開催以降、委員の改選がありましたので、新しく当委員会の委員に御就任いただいた委員を御紹介させていただきます。公益社団法人日本看護協会常任理事の鎌田久美子委員です。早稲田大学スポーツ科学学術院教授の澤田亨委員です。公益社団法人日本医師会常任理事の羽鳥裕委員です。また、事務局員にも異動がありましたので、新しい事務局員を御紹介いたします。健康課長の武井です。なお、申し遅れましたけれども、私は本日の司会を務めさせていただきます中村と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は委員の皆様のうち、岡村委員、中村委員の2名から御欠席の連絡を頂いております。また、山縣委員より、15分ほど遅れるとの連絡を頂いております。全22名中20名の委員の御出席予定ですので、議事が成立することを御報告いたします。
 それでは、配布資料の確認をいたします。議事次第、委員名簿、座席図のほか、資料1「健康日本21(第二次)中間報告書(案)概要」、資料2「健康日本21(第二次)中間報告書(案)」、資料2-2~2-5までが別添資料、資料3「健康日本21の進め方について」、参考資料1「指標毎の評価」、参考資料2として図表、参考資料3「設置要綱」を配布しております。もしお手元に配られていないもの、あるいは落丁等がありましたら、事務局までお申し付けください。それでは、カメラ撮影はここまでとさせていただきます。
 前回、3月9日に行われた第11回委員会の資料の中に一部訂正がありました。その訂正の資料を机上に配布しておりますので、まずは私から、その訂正の説明をさせていただきます。まず「訂正資料」という、資料の一番下に置かれているものを御覧いただけたらと思います。1枚目の「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」というページです。こちらの(1)の「直近値に係るデータ分析」で下線が引いてある所です。女性は0.65、0.61、0.53年で、「片側トレンドp=0.041」という所が、前回は0.08という両側ドレンドで記載されており、これで有意ではないという書き方だったのですけれども、こちらの片側トレンドでは0.041で有意に縮小したということで、そちらを修正しております。
 続いて2枚目です。同様に女性の所で、「片側トレンドp=0.041で格差が縮小したといえる」という所が、前回は「有意ではない」という記載になっておりました。
 次のページが「健康寿命と平均寿命の推移」という1枚紙です。こちらの左下の四角で囲ってある、厚生労働科学研究費補助金の研究班の名前が間違っておりましたので、正しい研究班名に修正しております。
 最後のページです。栄養・食生活、身体活動・運動等の改善に関する目標の右側の直近の実績値で、高校3年生の女子の値です。今は1.4%と記載しております。こちらが四捨五入の関係で「1.5」と記載されておりましたが、1.4%が正しかったので、そちらの数値の訂正をさせていただいております。以上が前回の資料の修正です。
 以上、訂正資料についての説明でした。以降の進行は、辻委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○辻委員長  それでは早速、議事に入りたいと思います。本日の議題は、「健康日本21(第二次)中間評価報告書(案)について」です。まず、事務局から資料の御説明をお願いします。
○相原課長補佐  まず、資料1「健康日本21(第二次)中間報告書(案)概要」を用いて、御説明を進めていきます。2ページの健康日本21(第二次)推進専門委員会中間評価報告書(案)についてを御覧ください。健康日本21では全53の項目に対し、a「改善している」、b「変わらない」、c「悪化している」、d「評価困難」の4段階で評価をしております。特にaの「改善している」のうち、現状のままでは最終評価までに目標達成が危ぶまれるものについては、aに*を付して「a*」と書いております。また、dの「評価困難」というのは、設定した指標又は把握方法が策定時と異なることによるものです。
 この評価法に従って、健康日本21の5つの基本的な方法ごとの進捗状況を評価いたしました。1が健康寿命の延伸と健康格差の縮小です。aの達成率が全2項目中2項目で100%、うちa*は特にありませんでした。2が生活習慣病の発症予防と重症化予防です。aの達成率が50%、全12項目中6項目で、うちa*は6項目中3項目でした。3が社会生活機能の維持・向上、社会参加の機会の増加についてです。aの達成率が58.3%、12項目中7項目、うちa*は3つありました。4が健康を支え、守るための社会環境の整備です。aの達成率が80.0%、5項目中4項目、うちa*は特にありませんでした。5が生活習慣の改善及び社会環境の改善です。aの達成率が59.1%、22項目中13項目、うちa*は6項目でした。1から5までで重複しているものが一部あるので、まとめますと53項目中32項目、60.4%がaを達成しており、32項目中a*の項目数は12でした。
 十分に改善を認めた主な項目と改善が不十分な主な項目を、下に幾つか挙げています。十分に改善を認めた項目としては、健康寿命の延伸や健康寿命の都道府県差の縮小、糖尿病コントロール不良者の減少や自殺者の減少、健康格差の対策に取り組む自治体の増加等でした。一方、改善が不十分な主な項目としては、メタボリックシンドロームの該当者・予備群の数や肥満傾向にある子供の割合、介護サービス利用者の増加の抑制、住民が運動しやすいまちづくりに取り組む自治体の数、成人の喫煙率の減少などが挙げられました。
 3ページが「健康日本21(第二次)中間評価における評価の結果」です。先ほどのaからdまでの評価全53項目について、全てを記載しております。全体目標としてですが、1に関しては、aの「改善している」が健康寿命の延伸と健康格差の縮小について、2項目とも満たしておりましたけれども、2345については、a、bが主にあります。右下の5の歯・口腔の健康の1項目がc「悪化した」ということで、歯周病を有する者の割合の減少というのがありました。また、3の社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上の区分に、dの「評価困難」として、認知機能低下ハイリスク高齢者の把握率の向上がありました。
 4ページが、「健康日本21(第二次)推進専門委員会による中間評価での目標の変更案」です。健康日本21(第二次)の目標については、他の計画や他の委員会によって設定されている目標値と同じ目標値を設定しているものが幾つかありますので、その基本計画や委員会等の目標値が変更されたものに関しては、本中間評価において健康日本21の目標値も、同様の変更を行うこととしました。
 具体的には、がん対策推進基本計画が第3期になりましたので、75歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少という目標が73.9%と設定されているのですけれども、減少傾向という目標に変更しております。また、がん検診の受診率の向上については50%、ただし胃がん、肺がん、大腸がんが40%という目標だったのですけれども、全てのがん種について50%という目標に変更しております。
 受動喫煙の機会を有する者の割合の減少については、変更前は医療機関と行政機関では0%、家庭では3%、飲食店では15%だったのですけれども、目標変更後は望まない受動喫煙のない社会の実現という項目に変更しております。
 第三期医療費適正化計画の変更点については、特定健康診査・特定保健指導の実施率の向上という項目がありました。目標の数値は変えておりませんが、目標年度の2017年度が2023年度に変更になっております。
 自殺総合対策大綱については、自殺者の減少という目標値を掲げておりますが、10万人当たり19.4という目標値から、13.0以下という目標に変更しております。
 次に、健やか親子21(第2次)についてです。小児人口10万人当たりの小児科医・児童精神科医師の割合の増加という項目についても、目標年度が2014年度だったものを2022年度に変更、適正体重の子供の増加については、低出生体重児の割合の減少の目標年度が2014年度から2022年度に変更、肥満傾向にある子供の割合の減少については、もともと小学校5年生の中等度・高度肥満傾向児の割合減少傾向へということだったのですけれども、児童・生徒における肥満傾向児の割合が7%という具体的な数値が掲げられております。妊娠中の喫煙・飲酒については、2014年度から2022年度の目標年度に変更しており、0%という数字に変更はありません。
 歯科口腔保健の推進に関する専門委員会においては、80歳で20歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加という目標値を50%から60%に増やしており、60歳で24歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加は70%から80%、3歳児でう蝕がない者の割合が80%以上である都道府県の増加、12歳児の1人平均う歯数が1.0歯未満である都道府県の増加という目標に関しては、いずれも47都道府県を2022年度を目標に変更しております。
 次に、その他の目標変更についてです。1つ目がメタボリックシンドロームの該当者及び予備群を2008年と比べて25%減少ということでした。目標年度が2015年度だったので、こちらに関してはもう既に目標年度を過ぎてしまいましたから、目標を2022年度に変更しております。
 認知機能低下ハイリスク高齢者の把握率10%というのは、評価dだった項目です。こちらは2015年度の介護保険制度改正に伴い、基本チェックリストで認知機能低下ハイリスク高齢者を把握していたのですけれども、必須項目ではなくなり追跡困難となったために、新オレンジプランで掲げられている認知症サポーター数1,200万人という目標を新たに設定いたしました。
 次に、スマート・ライフ・プロジェクトの参画企業数3,000社という目標があったのですけれども、こちらは地域のつながりが企業のみではなく、自治体や組合等の相互の協力が重要であることから、自治体・組合等の団体参画数についても企業数と並列し、目標値を設定し、スマート・ライフ・プロジェクト参画企業数3,000社及びスマート・ライフ・プロジェクト参画団体数7,000団体という目標値を、新たに設定いたしました。
 以上が変更点です。この後5ページ以降で、各章における今後の課題・対策等について、個々に御説明していきたいと思います。こちらを説明する際には、参考資料1「指標毎の評価」に基づいて、説明させていただきます。
 まず、1.健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現に関する目標についてです。今後の課題・対策として、生活習慣の改善が健康寿命の延伸に寄与することは、様々な研究から示されているのですけれども、各自治体レベルでの健康格差の確固たる要因の把握については、更なる検討が必要です。しかし、生活習慣を改善することは健康寿命の延伸に寄与することが示されていることから、個々の自治体においては住民の生活習慣の改善を目指し、社会全体で健康づくり運動を進めていくことが重要であると考えています。
 また、2018年4月12日に行った第4回経済諮問会議において、厚生労働省は2040年を見据えた社会保障改革の課題において、2040年までに健康寿命延伸を更に進めることを目標として掲げており、次世代の健やかな生活習慣の形成や疾病予防・重症化予防、介護・フレイル予防といった重点取組分野を設定し、健康無関心層も含めた予防・健康づくりの推進、地域間格差の解消という2つのアプローチから、健康寿命延伸を目指していくこととしております。
 それから、今年の6月15日に閣議決定された骨太の方針においては、社会全体の活力を維持していく基盤として健康寿命を延伸し、平均寿命との差を縮小することを目指すということを踏まえ、今後の目標達成に向けた具体的な施策等を取りまとめて実施していく必要があると考えております。
 次に、2.主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底に関する目標についてです。(1)のがんについては、先ほども少し言及いたしましたけれども、第3期がん対策推進基本計画を踏まえ、引き続き予防を含めた総合的ながん対策を推進していきます。また、この基本計画の変更に応じて、先ほど御説明したような目標値の見直しがありました。第3期基本計画では予防可能ながんのリスクについて、受動喫煙を含む喫煙、過剰飲酒、低身体運動、肥満、野菜・果実の不足、塩分摂取、ウイルスや細菌の感染など、様々なものがあるとされております。その中でも75歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少については、喫煙率及びがん検診受診率がその水準に到達していないことが、第2期基本計画の目標が達成しなかった原因として指摘されていることから、それらを踏まえて対策を具体的に進めていく必要があります。
 6ページです。まず、たばこ対策については、様々な企業や団体と連携しながら、喫煙が与える健康影響について、普及・啓発活動を一層推進していくこと、様々な機会を通じて、禁煙希望者に対する支援を図ること、禁煙支援を行う者が実際に支援に活用できるようなマニュアルの周知を進めていくこと、健康増進法改正に基づき、受動喫煙対策を徹底すること、家庭における受動喫煙の機会を減少させるために、普及・啓発活動を行ったり、未成年者の喫煙をなくすための普及・啓発活動を進めていくことが挙げられております。
 がん検診の受診率の向上については、国や自治体がこれまでの施策効果を検証した上で、受診対象者の明確化や、将来的な組織型検診のような検診の実施体制の整備など、効果的な受診率向上のための方法を検討し、実施していくことが重要であると考えております。市町村や検診実施機関においては、受診者に分かりやすくがん検診を説明するなど、受診者ががん検診の意義や必要性を適切に理解できるように努めていくことが重要です。また、国においてはがん検診と特定健康診査の同時実施や、女性が受診しやすい環境整備、受診者の立場に立った利便性の向上や、財政上のインセンティブの活用などに努めることが必要であると考えております。がん医療の充実においては、個人に最適化された患者本意のがん医療や、がん医療の質の向上及びそれぞれのがんの特性に合ったがん医療の均てん化・集約化及び効率的かつ持続的ながん医療を目指すことに加え、がん対策を支える基盤整備を進めていくことが挙げられております。
 7ページです。上記に挙げた喫煙以外の生活習慣に対しても、健康日本21(第二次)において目標値として定めてあることと同様のことが示されており、一次予防、二次予防に対する総合的な取組が必要であると考えております。中間評価の指標以外には、特に社会生活を営むために必要な機能の維持や向上の観点から、第3期基本計画において、がんとの共生を全体目標の柱の1つと掲げ、がんと診断されたときからの緩和ケアの推進や、相談支援及び情報提供、がん患者の就労も含めた社会的な問題への対応などの取組を実施し、がん予防、がん医療の充実とともに、総合的にがん対策を進めていくことが必要であると考えています。
 (2)循環器疾患です。脳卒中と心臓病を合わせた脳・心臓疾患は、悪性新生物に次ぐ第2位の死亡原因ですが、脳卒中は重度の要介護状態に陥る原因として、認知症と並んで最大の原因となっているという状況があります。このような社会的影響力や、医療費への負担の大きい疾患群であるにもかかわらず、疾病の予防や発症者数の実態把握、治療の均てん化の状況などを一体的に俯瞰できるシステムがないことが問題です。また、危険因子の管理については、個々の学会のガイドライン等が整備されてはいるのですけれども、それらが連携して包括的に運用されているとは言い難い実情があります。関連した取組の多くは、学会などから上記の問題点を克服するために出てきたものであり、ようやく関係者間で現状の問題点の共有化ができているというのが現状です。
 こうした各専門家団体等の動向を踏まえながら、循環器疾患に対する一次予防、二次予防、三次予防の各段階において、切れ目や漏れのない対策が重要です。それに対して厚生労働省としては、スマート・ライフ・プロジェクトの普及・啓発などにより、適切な運動や適切な食生活、禁煙、健診・検診の受診の取組を進め、高血圧や脂質異常症の改善や健診の受診率の向上を推進していきたいと思います。
 特定健康診査・特定保健指導においては、保険者の厳しい財政状況や専門職の限られた人的資源の中で、特定保健指導の質を確保しつつ、対象者の個別性に応じた現場の専門職による創意工夫や運用の改善を可能とし、効果的・効率的な保健指導を推進することにより、保険者全体の実施率の向上につなげるよう特定保健指導の実施法を見直し、2018年度より第3期特定健康診査等実施計画期間が開始されております。
 8ページです。平成30年4月に公表された「標準的な健診・保健指導プログラム(平成30年度版)」においては、特定保健指導の対象とならないような非肥満の脳・血管疾患危険因子保有者に対する生活習慣の改善指導や、従来の保健指導では十分効果が得られなかった者に対する保健指導の方法の1つとして、体験型学習や相談の機会の増加、グループダイナミックスの相乗効果等を特徴とする宿泊型新保健指導プログラムについて、記載が追加されております。これについては周知・啓発を行っていくこととしております。
 また、2017年7月に公表された脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に対する検討会の報告書を踏まえ、循環器病の診療体制の評価に資する指標の確立に向けた研究班等の研究体制の充実と、2018年4月に公表された循環器疾患の患者に対する緩和ケア提供体制の在り方に対するワーキンググループの報告書も参考にしつつ、取組を進めております。こうした研究の成果を踏まえながら、必要な循環器疾患対策の検討を進めていくことが重要です。
 (3)糖尿病対策です。糖尿病は一次予防、二次予防、三次予防のそれぞれの段階において、切れ目のない対策が非常に重要となります。一次予防については、スマート・ライフ・プロジェクトにおける4つのテーマの取組が重要になってきますし、特定健康診査や特定保健指導においても、循環器と同じような対策が必要となってきます。また、保健指導の効果を高めるために、実施者への研修の充実に関しても循環器と同様の推進が必要であると考えております。
 9ページです。糖尿病治療継続者の割合を見ますと、60歳以上と比較して、いわゆる50歳未満の仕事をしている世代に、健診後の受診勧奨や職域での治療を継続しやすい環境づくりに努める必要があると考えます。レセプト等で抽出された治療中断者に対する、保険者とかかりつけ医等で連携した効果的な対策を進める必要があります。また、ヘモグロビンA1c≧8.4%の血糖コントロール不良者は減少傾向を示しており、今回は目標値を達成したのですけれども、これをどのように維持し、あるいはこれ以上減らしていくかということについて取り組むことが重要です。
 糖尿病の合併症である糖尿病性腎症については、透析新規導入は横ばいが続いており、目標値に掲げた1万5,000人の達成は厳しい状況で、重症化予防の更なる取組の推進が必要です。糖尿病予防戦略事業や糖尿病重症化・合併症発症予防のための地域における診療連携体制の推進に資する事業などを、引き続き推進していくことが重要であると考えております。
 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業や腎疾患実用化研究事業においては、これらの病態解明や重症化予防の研究を引き続き推進していきます。また、メタボリックシンドローム該当率、特定健診・特定保健指導実施率には、自治体や保険者で差が生じていることから、行政、保険者、関係団体が連携した取組が求められるところです。
 今後の糖尿病性腎症を含めた腎疾患対策の更なる推進については、2018年7月に腎疾患対策検討会において報告書が取りまとめられております。この報告書を踏まえた腎疾患対策の取組の通知を、健康局から自治体や関係団体に向けて発出したところです。今後はこの報告書に基づき、糖尿病が重症化し糖尿病性腎症に病態が進行したとしても、早期に発見・診断し、良質で適切な治療を早期から実施・継続することにより、重症化予防を徹底するために、行政、関連学会、関連団体等の地域における関係者が連携して対策に取り組む体制を整備し、普及・啓発、医療提供体制整備等の対策に取り組んでいきます。
 (4)COPDです。現状のままでは、COPDの認知度についての目標達成は困難な状況ですけれども、高齢者の肺の健康に目を向けた計画策定や、施策の実施が一層求められているところです。COPDの認知度の向上が大きな課題です。特にCOPDがどんな病気か知っている者の増加が、患者の受診行動を促す意味でもとても重要であると考えております。また、COPDの早期発見に向けて、スパイロメトリー検査の更なる普及・実施が望まれます。医療現場ではCOPDという疾患名が使われず、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、慢性気管支炎等とされている現状から、病名については行政と学会が協働した普及・啓発活動が重要であると考えています。
 スマート・ライフ・プロジェクトでは、禁煙、運動、食生活、健診の受診に対する取組を推進しているところです。禁煙の重要性や喫煙によって生じるリスク等について、引き続き情報発信を行っていきます。喫煙によるCOPDのリスクや正しい指針について、学校教育や健診・保健指導、健康増進事業における慢性閉塞性肺疾患(COPD)健康教育や、喫煙者個別健康教育等を通じて、あらゆる世代に向けて普及・啓発を図っていく必要があります。
 次に、3.社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標について御説明します。(1)がこころの健康についてです。2016年4月1日に自殺対策基本法が改正され、新たな基本理念と指針に基づき自殺対策の地域レベルの実践的な取組を、PDCAサイクルを通じて推進し、国や地方自治体、関係団体、民間団体、企業及び国民の役割を明確化し、その連携・協働を進めていくこととされております。また、平成29年10月に座間市で発覚した9名の方が亡くなられた事件を踏まえ、子供や若者の自殺対策について、インターネットを通じた自殺願望を発信する若者の心のケアの対策を充実するために、ICTを利用した相談窓口の誘導や、SNSによる相談、若者の居場所づくり支援の強化を行うこととしています。
 一方で、心理的苦痛を感じている者における病因の分析を進める必要があります。例えば、心理的苦痛を感じている者の割合が高い女性や若年層に関しては、妊娠・出産、更年期、就職等の心理的苦痛が影響している可能性があります。こういう方々に妊婦健診、こんにちは赤ちゃん事業等の母子保健、特定健診、産業保健等の取組と連携し、スクリーニングや低強度介入を推進することが望ましいと考えております。2017年からは産後うつの予防や新生児への虐待予防等を図るという観点から、出産後間もない時期の産婦に対する健康診査である産婦健康診査の費用を助成することによって、産後の初期段階の母子における支援を強化しております。
 一方で、取組の受皿となる自治体等における基本的な相談体制、連携体制の整備が求められております。自治体の相談支援においては精神担当部署のみならず、健康部署における一般的な相談事例の背景にあるメンタルヘルスの課題の発見・対応など、自治体職員に対する教育研修等の組合せにより、普及・啓発の受皿機能が向上するものと考えております。
 11ページです。身体の生活習慣病と心のうつ病・不安症が併存するというエビデンスが確立しておりますので、健康日本21の他の分野との連携が求められます。職場におけるメンタルヘルス対策については、引き続き「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づく事業場での取組の推進を図っていくとともに、ストレスチェックの適切な実施を図っていく必要があります。また、今年4月より「第13次労働災害防止計画」が開始となっており、職場におけるメンタルヘルス対策として、メンタルヘルスの不調を未然に防止するための取組を推進するとともに、ストレスチェックの集団分析結果を活用した職場環境改善について、好事例の収集、情報提供等の支援を行うことで、総合的な対策を推進しております。一方で、児童思春期精神疾患を診療する医療機関の現状を把握し、地域偏在の解消に向けた努力が求められます。
 (2)が次世代の健康です。健康な生活習慣を有する子供の割合の増加という目標については、引き続き食育推進事業や、2018年度に改訂を予定している食に関する指導を行うための教職員向けの指導書である「食に関する指導の手引き」を活用した指導などが、学校における家庭や地域と連携した食育を推進するものと考えております。厚生労働科学研究結果を踏まえますと、各種基準改定や現状把握に基づく学校、家庭、地域への普及・啓発を推進していきます。また、三食必ず食べることに気を付けて食事をする子供の割合についての指標ですけれども、経年変化を確認するための評価方法について、今後検討する必要があります。
 次に運動です。引き続き全国体力・運動能力運動習慣等調査を行い、実技調査・運動習慣等調査結果を分析することで、子供たちの体力向上に向けた取組の点検を促し、取組改善を推進していきます。運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインに基づき、生徒の多様なニーズに応じた活動を行うことができる運動部活動の設置等を推進していきます。また、幼児期運動指針や、これに基づく指導参考資料の活用を促し、全国の幼稚園・保育園等で運動を促進していくこと、幼児期の運動・スポーツ活動は、その後の運動習慣に影響を与えると考えられることから、幼児期運動指針や、それに基づく指導参考資料を活用し、効果的な幼児期からの運動習慣づくりを推進していくこと、運動遊びプログラムのプレイリーダーやインストラクターの質の向上も視野に入れつつ養成し、普及を図るとともに、有資格者の活用を促進していきます。
 適正体重の子供の増加についてです。今回、低出生体重児が増加していたのですが、この増加の原因としては、医学の進歩によって早期産児の割合が増えていることや、妊娠前の母親のやせ等の様々な因子が報告されておりますので、こちらに関しては研究の推進による要因分析を行っていく必要があります。また、低出生体重で生まれた子供の生涯にわたる疾病リスクに関する研究を実施し、予後を踏まえた対策を行うことが必要です。
 一方、子供の肥満については、将来の大人の肥満や生活習慣病に移行する可能性が示されていることから、子供の頃から健康的な発育や生活習慣の形成をしていくための基礎づくりとして、食生活の改善及び外遊び等の身体を動かす習慣づくりの推進など、総合的な取組が不可欠です。そのために、学校における児童・生徒のやせ及び肥満に対する健康課題への対応のほか、地域や家庭関係機関等の連携による取組が求められておりますし、各種研究結果を踏まえた対応についても検討していく必要があります。
 次に、(3)高齢者の健康についてです。介護サービスの利用者の増加の抑制については、認定率は微増にとどまっておりますけれども、今後高齢者の増加に伴い、サービス利用者が増加することが予想されております。目標達成のためには、比較的軽度の利用者の抑制、すなわち、高齢者の自立の維持が鍵となってくると考えられております。地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律により、介護保険法を改正し、高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるような地域包括ケアシステムの構築が進められております。これにより、地域全体での介護予防を推進していきます。
 ロコモティブシンドロームを認知している国民の割合は、ベースライン値から見ると、3倍近くの認知度となっておりますけれども、ここのところ2年間は頭打ちです。若年層には余り浸透していないと考えられており、今後、更なる普及・啓蒙活動が必要と考えております。日本整形外科学会が「ロコモチャレンジ!協議会」、日本臨床整形外科学会が「ストップザロコモ協議会」を立ち上げ、Webサイト等により、ロコモティブシンドロームの広報啓発活動を推進しております。また、日本整形外科学会より近年ロコモの臨床判断値の提案がなされており、エビデンスに基づいた予防方法の開発やプロモーションが必要だと考えております。
 一方で、低栄養傾向の高齢者、BMIが20以下の高齢者の割合の増加の抑制については、2010年から既に目標値22%を下回って17.4%です。直近値でも17.9%と、この5年間、全てが目標値を下回っているために、目標を達成していると考えられますけれども、75歳以上の高齢者になってくると、低栄養傾向の割合が増えてくることから、引き続き低栄養傾向の高齢者の割合の増加の抑制を図る必要があります。
 今年から実施されている高齢者の特性に応じた保健事業の全国展開や、高齢者のフレイル予防も視野に入れた、日本人の食事摂取基準の策定検討会等を推進していく必要があります。また、足腰に痛みのある高齢者の割合も改善傾向にありますけれども、「健康づくりのための身体活動基準2013」において、65歳以上の基準の新たな設定などの新たな取組がなされており、その効果が期待されるところです。高齢者の社会参加については、新たな効果評価に必要な参加者の割合の把握及び効果評価の必要性があります。対象となる全ての高齢者及び参加者の性別や年齢に係るデータや縦断的データの収集が重要で、把握の徹底と通いの場への参加による効果評価に必要な縦断データの収集が必要です。
 次に、4.健康を支え、守るための社会環境の整備に関する目標です。健康日本21(第二次)においては、身体活動や野菜の摂取等、生活習慣に関し目標に達成しない項目が幾つかあります。生活習慣の改善は健康寿命の延伸に寄与することが分かっていることから、健康寿命延伸のためには、この分野の取組を強化することが重要であります。そのために、最初にも触れましたが、日本健康会議について都道府県レベルでも開催の促進や、多要な主体の連携により、無関心層や健診機会が少ない層を含めた予防・健康づくりを社会全体で進めていくこと、事業所、地方自治体等の多様な主体が参加した国民全体の健康づくりの取組を、各地域によって一層推進すると記載されております。こちらに関しては関係省庁と連携し、無関心層が健康にできるような社会を実現していくように、環境づくりやまちづくりを努めていくことが重要です。
 また具体的には、事業所や地方自治体の多様な主体が参加する健康づくりの取組を、各地域において一層推進することが必要であり、関連省庁としては、経済産業省における「健康経営の取組」やスポーツ庁の「FUN+WALK PROJECT」、また厚生労働省の「健康寿命を延ばそう!アワード」といったような前述の「ソーシャル・キャピタルを育てる・活かす!地域の健康作り実践マニュアル」で紹介されている好事例を進めていくことで、社会全体で推進していく必要があります。
 5.栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標についてです。(1)の栄養に関してですが、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事に関する状況は現在のところ悪化しており、特に若年層、20代から30歳代でこれらの組み合わせた食事を食べる割合が低くなっております。平成27年の国民健康・栄養調査の結果において、20代から30代の女性ではたんぱく質、カルシウム、食物繊維、カリウムなどの摂取量が60歳代よりも少ない傾向が明らかになっていることから、全国300校ある管理栄養士・栄養士養成施設の学生による同世代への啓発活動や、学生食堂やコンビニエンスストアなどの食事や食品を選択する機会を捉えた情報提供など、若い世代へのアプローチを強化してまいります。また、食塩摂取量に関しては減少傾向ではありますが、今後更に減少を加速化する必要があります。食環境の目標にもある減塩の食品・料理・食事を提供する食環境は進んではおりますが、更に産業界、学会、国や自治体が連携して、これらを普及していくことが求められております。
 15ページ、野菜の摂取量、果実の摂取量が変化は見られないということですが、これらは所得や経済的格差などにより摂取量に差が見られることから、社会的な背景を考慮した取組が必要です。また子供の共食は変化しておりませんが、増加の原因としては世帯構造の変化、社会環境の変化に応じた様々な支援が必要であることから、今後も家庭とともに、社会環境を整備することで子供の健やかな食生活の定着に資する多様な支援を生み出す環境づくりの推進に取り組む必要があります。また食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む食品企業や飲食店の登録数については増加していることから、特に減塩に関する企業の取組や、それを支援する学会等の取組が充実しているものと考えております。また、平成28年国民健康・栄養調査において、野菜摂取量、食塩摂取量のいずれも都道府県別摂取量の上位の群と下位の群の間に有意な差が認められることから、平成24年の調査を比較した結果、食塩摂取量では男女とも都道府県間の格差に縮小が見られましたが、引き続き地域格差の縮小に向けた取組が必要です。
 (2)身体活動・運動についてです。日常生活における歩数の増加に対する対策としては、歩かないで生活できるように現代の社会というのは生活環境が整えられているわけですが、意識しないでも歩けるような環境を作るなど、生活環境に対するアプローチが重要になってまいります。庁舎内におきましては「階段利用キャンペーン」を行っているわけですが、それを広く周知することや、天候に大きく左右されず「プラス・テン」のコンセプトに合うようなプラス10分の運動、歩数の増加を図ってまいります。スポーツ庁が推進している「FUN+WALK PROJECT」や、次のページですが、経産省の推進する「健康経営」、国土交通省と連携・協力し、まちづくりをしていくというような対策が考えられます。
 運動習慣者の割合の増加につきましては、健康づくりのための身体活動指針において、歩数の増加を目標に、毎日プラス10分身体を動かそうというプラス・テンメッセージをメインテーマに掲えておりますし、高齢者や健康に課題を持つ人にも適切な運動習慣を持ってもらうために、健康運動指導士等の安全で効果的な運動の実施をサポートできる運動指導者を増やすこと、健康増進施設認定制度に基づく運動型健康増進施設の活性化、運動型健康増進施設が地域における運動習慣者の増加に寄与する体制を構築すること、また経済産業省が推進する健康寿命延伸産業創出推進事業と連携していくことなどが考えられます。
 住民が運動しやすいまちづくり・環境整備に取り組む自治体数の増加についてです。身体活動・運動への取組における環境に対するアプローチが重要になってくるので、何としても達成したい目標値であり、取組が行われていない都道府県については、その要因解析や障害の排除等の対策を行い、好事例の紹介や国土交通省が推進している健康増進効果に着目した立地的成果計画等の策定が更に推進されるように連携・協力を図ってまいります。
 (3)休養に関してです。睡眠指針の認知度については、先行研究等も少ないのですが、厚生労働科学研究の研究班報告によれば、中高年では約12%であり、まずは認知度向上のための普及啓発活動が重要です。国土交通省の発表した「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル~SAS対策の必要性と活用~」によるSAS対策は、法的拘束力がなく、あくまでも実施を推奨しているにすぎないために、経済的に余力のある企業、業界団体が自主的にSASの早期発見や早期治療に務めていく現状です。
 長時間労働に関しましては、労働基準法により法整備はなされておりますが、自殺者は1998年から2011年で約800人増加し、近年減少傾向ではありますが、いまだに総数としては2,000人と多く、法整備だけでなく、その運用等にも更なる議論が必要な状況です。また我が国の睡眠障害は、睡眠不足症候群、不眠、交代勤務、睡眠呼吸障害が大部分を締めると考えられており、これらの睡眠障害は生活習慣病の発症リスクであることが報告されております。一方で、睡眠障害によって起こる慢性睡眠不足状態では、必ずしも自覚的な眠気を感じることが少なく、眠気を疲労や加齢と誤認していることが多いことから、本人の自覚が伴わず、交通事故や循環器疾患の高リスク者となってしまうことが考えられます。このことより、本人が体調悪化を理由に比較的自覚しやすい睡眠不足症候群、不眠、交代勤務と異なり、違うアプローチが必要になってきます。すなわち眠気をチェックするよりも、客観的にいびきの頻度、大きないびきの有無、睡眠時の呼吸停止の有無などの問診の重要性を明らかにする研究や、簡便な睡眠中の呼吸モニターの開発・普及などが望まれます。交代勤務者というのもハイリスクですが、我が国も含む先進諸国では労働者の約2割から4割とされており、グローバル化を迎え更に多くの労働者が従事することから、休養の取り方や交代勤務による睡眠障害に関する情報の啓発が必要です。
 2018年には働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律が制定され、労働時間に関する制度の見直しや勤務間のインターバル制度の普及促進など、十分な休養を取れるような働き方を推進し、産業医や産業保健機能の強化による労働者の健康管理等を適切に行う方針となっております。
 18ページ、飲酒です。国のアルコール健康障害対策推進基本計画に基づく対策が確実に実施されていくことが大事と考えており、この計画には含まれておりませんが、アルコール健康障害を予防するためのブリーフインターベンションの広範な施行は、特に生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少の達成には非常に重要であると考えております。また、国や地方公共団体、業界団体等が連携し、協力しながら適正飲酒等の思想及びアルコール飲料に対する正しい知識の普及・啓発活動を推進してまいります。特に、未成年者の飲酒防止や女性の適正量を超えた飲酒の予防などを行っていく必要があると考えております。
 (5)喫煙についてです。たばこ対策に関する4つの指標は、いずれも改善傾向にありましたが、未成年者の喫煙率を除く3指標については改善が十分ではなく、このままでは目標の達成が難しい状況です。喫煙率の低下に関しては、たばこの規制枠組条約の趣旨に基づき、国民の健康の観点から、更なるたばこ税の引上げやたばこの警告表示の強化、メディアキャンペーンの実施、たばこ広告、販売促進等の包括的禁止に加え、医療や健診の場での禁煙支援や禁煙治療の更なる充実と普及、禁煙の相談を気軽にできるクイットラインの拡充整備といった対策を組み合わせて、更に協力に進めることが重要であります。受動喫煙におきましては、今年2018年の国会で制定された健康増進法の改正において原則屋内禁煙を定めており、今後の社会環境の変化による受動喫煙対策を一層進めてまいります。喫煙率や受動喫煙による被害については、所得等の社会経済状況の違いによる格差が明らかになっていることから、健康格差是正からの観点からも対策が重要です。
 最後に、(6)歯と口腔の健康についてです。乳幼児と学齢期のう蝕歯数は減少傾向ですが、全ての年齢層での現在歯数は増加していることが確認できております。また乳幼児、学齢期のう蝕有病状況につきましては改善傾向である一方で、様々な研究において社会経済的因子によりう蝕有病状況に健康格差が認められていることから、多数のう歯を保有する者が増加しているなどの報告があります。さらに一般的な疾患と比較して高い有病率であることから、集団全体のリスクを低減させるう歯予防対策が重要です。
 歯周病に関しては、平成28年度の具体的な指標は策定時に比較して悪化しているのですが、それ以前は、状況は改善若しくは変わらない傾向にあります。歯周病の予防については日頃のセルフケアに加え、専門的な指導や管理も必要なことから健診の効率化等の工夫を図りつつ、定期的な歯科健診が普及するような取組が重要です。また禁煙等の生活習慣が歯肉炎・歯周炎を引き起こす可能性もあることから、禁煙対策の推進の視点を含め、歯周病予防への対策を進める必要があります。
 また、本調査で用いた歯周病の有病率の増加につきましては、歯周病検診のマニュアルが改訂され、歯周病の評価が見直されたことによる影響との指摘もあることから、新しい評価方法での有病率の動向などで見ていく必要があります。高齢期では、現在歯数の増加に伴い、それらの残っている歯が歯周病だけでなくう蝕に罹患する可能性が高まることから、現在歯が健全な状態や機能を維持するための取組が必要です。歯科疾患等の地域格差については、う蝕や歯周病及び口腔機能の都道府県における詳細な地域差までは明らかにできていないことから、今後の検討課題と考えられ、ライフステージに応じた取組を進めるに当たり、国や都道府県、市区町村がそれぞれの単位での関係部局との連携した施策、取組の推進が求められます。以上です。
○辻委員長  どうもありがとうございました。それでは、今、御説明いただきましたが、委員の皆様から忌憚のない御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いします。
○羽鳥委員 非常に大量なので、初めのほうからいきたいと思います。5ページ目、がんの所ですが、2つ目の○の3行目、喫煙率及びがん検診受診率がその水準に達していないということが書かれておりますが、喫煙率のことから言うと、あくまでもこの喫煙率というのは、国民基礎調査でやっているのですよね。でも実際、特定健診の問診から出てくる喫煙率はもっと高いということは、皆さん把握されているのだと思いますが、やはりそちらも参考にして議論すべきではないかというのが1点です。
 それから、がん検診の受診率のことに関して、職域におけるがん検診、いわゆる任意型がん検診と言われていますけれども、職域においては、事業主健診というのがありまして、必ず胸のレントゲンなどを撮っているわけですが、胸のレントゲンはその場合多くは1枚しか撮っていないので、これはがん検診に当たらないということです。近々分かれるそうですが、せっかく厚生省と労働省が一緒になって厚生労働省として仕事をしているわけですから、この職域におけるがん検診ももっともっと工夫すれば増やせるはずです。そうすると、がん検診の受診率がもっと高くなるはずですので、そういう工夫をされてみてはいかがでしょうか。ほかにもたくさんありますので、ここで1回止めたいと思います。
○中村課長補佐  ありがとうございます。まず喫煙率について、こちら側が指標で取っているものと、特定健診で取っているものの値が異なるというようなことですが、そちらにつきましては、健康日本21の目標、指標として使わせていただいているデータソースが、国民健康栄養調査における数字でして、そちらについてはもちろん下げていくということは、引き続き目標としては継続させていただき、特定健診での値もありますが、全体的な喫煙率を下げていくということについては、目標としては一致しておりますので、両方とも継続的に下げていくということを目指していくことがいいのかなと考えております。
 あと、がん検診の受診率を増やしていく工夫につきましては、今もがん検診の受診率を上げることで努力をしていますので、そういったことも今後検討しながら進めていければいいかと考えております。ありがとうございます。
○辻委員長  ほかにどなたか。
○津下委員  5ページのがん検診の所で、過剰飲酒ががんの危険因子ですということを明記されていて、これは非常に皆さんに知っていただきたい情報であると思うのですが、後ろの飲酒の所には、飲酒がどのような健康障害に影響するのかという記述がされていないようです。過剰飲酒がどのような健康リスクと関係するのか、新しいエビデンスがいろいろ出てきていると思うので、それを記載していただいたほうが分かりやすいのかなと。一般的にはまだ、喫煙と比べて認知度が非常に低いのではないかなと感じております。
 それから、糖尿病の分野なのですが、ヘモグロビンA1c8.4%以上の方が減ってきたのはよかったということなのですが、今後どう進めるかという中で、とくに高齢者においては低血糖防止の意味からも下げ過ぎないようにガイドラインが出されました。それでももちろん、ヘモグロビンA1c8%未満を目指すのですが、新しい治療指針も出てきているので、年齢に合わせた、より適切な治療目標などについても活用していくことが望ましいということを入れたらどうかなと思いました。
 10ページなのですが、こころの健康で、2つ目の○に座間市という個別の地名が出ていることの書きぶりは、文書として残るものだけにどう扱うべきかということを感じました。
 それから、運動の分野ですが、スポーツ庁のスポーツ基本推進計画などに、スポーツ実施率を65%を目指すということで、その具体的な行動計画の中で、自らスポーツの習慣がない方に運動を勧める機会として、診療や健診の場面が非常に重要と思います。その中で、健康運動指導士だけでなく、医師の役割も大きいのではということで、例えば健康スポーツ医というような文言を入れていただいたほうが、より動きが進めやすいのではないかなと感じました。以上です。
○中村課長補佐  御指摘ありがとうございます。御指摘の記載について検討させていただきます。
○辻委員長  ほかにどなたか。
○西村委員  呼吸器の立場で、今のがん検診の話が出てきていますので、肺がん検診について一言意見を述べておきたいと思います。先ほど羽鳥先生もおっしゃったように、肺がん検診、レントゲン写真正面1枚では、これが肺がんの死亡率の低下につながらないということは世界の常識になっているわけでありまして、現在は、いわゆるハイリスクグループ、肺がんを発症しやすいグループに対するCT検診というのを、これからは広く進めていくというのは大変重要だと思います。こういう文章だけですと、ただ検診率が上がったということで安心しかねないので、やはり、その点是非一言触れておいたほうがよろしいのではないかと思います。日本では亡くなる方の3分の1が悪性腫瘍と言われますが、そのうちで最も多いのが肺がんであり、約8万人亡くなっているわけでありまして、そういった観点からも、肺がんの正しい検診の在り方ということを、是非一言触れていただければと思います。
○中村課長補佐  ありがとうございます。関係課と検討させていただきます。
○羽鳥委員  今の肺がん検診のことはちょっと置いといて、その次のページなのですけれども、このCOPDという言葉がなかなか普及しないということがありました。例えば厚生労働省では、メタボとかロコモとか流行らせた言葉がたくさんありますよね。COPDは前、この会議の1番最初に工藤先生が積極的にこの言葉を認知させようということで、日本医師会も9月にCOPDの市民講座を開くのですけれども、やはりCOPDというのが分かりにくいのです。例えば、これは本当に、前からみんなが言っていますが、たばこ病でもいいのではないですか。だから、たばこ病ということだったら、きっともっと普及すると思うので、何かもうちょっとCOPDという言葉は変えるとか、何かそういう工夫を呼吸器学会の先生方としっかり討議したらいかがでしょうか。
○辻委員長  西村先生、どうぞ。
○西村委員  この点はこの会議でも、今まで何度か同じ議論が繰り返し行われています。その都度申し上げているように、工藤先生も恐らく同じ考えだったと思うのですけれども、たばこ病とか、あるいは肺気腫という言葉だと、どうしてもCOPDの正しい表現ではなくて、決して肺気腫=COPDではないし、たばこ病=COPDでもない。要するにノンスモーカーのCOPDというのは、我々の統計だと4分の1いらっしゃるのですね。そういうことを考えると、たばこ病と言ってしまうと、やはりミスリーディングになってしまう。あるいは肺気腫と言ってしまうとCOPDの本体を証明していない。一方で、漢字文化の中国でさえも、学会に行くとCOPDという言葉で表現しているということで、世界的な潮流ということを考えますと、日本だけが別な病名を使うわけにもいかないだろうということがありまして、呼吸器学会ではやはりCOPDを使おうということで、基本的な方針としてそういう方向になっているということで、一応弁解をさせていただきます。
○辻委員長  ほかの方はいかがでしょうか。
○北原委員  以前のこの会議でもお話があったかと思うのですが、睡眠の件の所で、過重労働の話だとかが入っていますが、職域に来る時点で、睡眠のような基本的な生活習慣はかなり確立している。なので、やはり学校教育で睡眠のことをというような話が、確か議論があったかと思うのです。次世代の教育の所に入れるのかちょっと分からないですけれども、やはり学校教育の保健の授業の中に小、中、高で睡眠のこと、若しくはたばこも含めてかもしれませんが、一人ひとりが自分の健康管理のために睡眠をどう取るべきかというのを植え付けるというか、そういう所を入れていただかないと、職域に来てから習慣を正すというのは、食生活も含めてかなり大変かというのは最近思いますので、そこを入れていただければなと思いました。それが1点です。
 それから、スマート・ライフ・プロジェクトの件なのですけれども、これは取りかかりとしてはとても良いと思いますが、経産省がやっている健康経営の言葉が何回か出ていますが、企業側がやる気を出すためにどういうことが必要かと思いますと、スマート・ライフ・プロジェクトみたいのは、余りメリットは感じられないところがあって、経産省は非常に見せ方が上手で、同じ業種の何番目とか、偏差値のようなものを出してきたりとかされるので、非常に経営者は取り付きやすいのです。ですので、そういったところも何か次のところには入れていかれると、より良いのではないかなと、経営者をやる気にさせるという意味では良いのではないかなと思った次第です。以上です。
○谷川委員  北原先生、非常に大事な御指摘をありがとうございます。実は、睡眠指針2014の中に子供が入っていないのです。本当は入れないといけないという議論があったのですけれども、ボリュームの関係とか、子供を入れない代わりに、働く世代とか高齢者とか、そういうライフステージ別に睡眠を考えると入れたのです。先生のおっしゃっていることは全くそのとおりで、ただ健康日本21では大人を対象にしていますので、子供というのは。子供も対象にしているのですか。すみません。失礼しました。それはやはり入れていただくと、県とか市町村とかがやりやすくなると思います。
 以前にお話しましたように、私は愛媛県に6年おりまして、そこでは県の教育委員会のほうで、えひめ子ども健康サポート推進協議会というのがありまして、私もそこの会長をさせていただいてました。そこでは先生がおっしゃっていますように、子供の飲酒とか喫煙とか、様々な食育とかに並行しまして、子供の睡眠を取り上げました。それによりますと、どうしても子供の睡眠については、まだまだ対策が遅れているということで、いろいろな重点課題をしたりとかしまして、そこで先生がおっしゃっていますような、小学校、中学校、高校のそれぞれの教師向けに、睡眠衛生の話とか様々な睡眠についての啓発をするような教材のようなものを作っております。先生がおっしゃったことがもし盛り込まれると、すごくいいなというように個人的には思います。
○辻委員長  何かありますか。
○若尾委員  ありがとうございます。先ほどから何回か話題になっているがん検診の部分なのですが、この資料でいうと6ページ、がん検診の部分については、受診率向上の対策は書かれているのです。実はがん対策推進基本計画の中には、受診率向上に加えまして、精度管理の推進と職域のがん検診の推進ということで、職域のほうは、職域におけるがん検診マニュアルも、この3月に出たところですので、その辺も含めて書いていただいて、職域も含めて精度管理を進めて、がん検診による死亡率の減少を図るということを書いていただくのがよろしいのではないかと考えます。
○吉村委員  すみません。高齢者の健康の所で、a*の意味なのですけれども、高齢者の健康の所では、足腰に痛みのある高齢者の割合の減少というのがa*になっていて、このままでは達成がちょっと難しいのではないかという判断になっているのですが、私がこれを見たときは、改善しているなと思ってaと書いたのですが、a*になっている。かといって、そこのところの記述が別段改善しているので、その効果も期待されますよみたいな感じになっていて、どういうことでa*になったのかというのを、少し分かりにくいものですから、その辺も教えていただければと思いますが。
○中村課長補佐  そちらのa*の記載につきましては、前回の会議などで、aの中でもいろいろ、本当にいくのかいかないものなのかというようなことを、しっかり区別するべきだというようなことがありまして、どのようにして区別をするかということを事務局で考えまして、単純にスタート地点と、現在の地点というものを、正に線系で延ばしたときに、目標に到達するのかしないのかというところで、目標に到達しないものをa*とさせていただいています。なので、a*の中でも差があるというのが実際のところだと思います。正にただ延ばしていったらいくのかというところなので、なかなかそこについてそこでバシッと切ったという形で、a*とさせていただいております。
○吉村委員  もし、こうやって記録に残るものであれば、a*にした意味と、もしa*にするのであれば、じゃあ、このためにどうしたらいいのかというのを、もうひとつ踏み込んで書かないと、例えば私の担当箇所だと、aの判定に対して書いた記述が、そのままa*の判定の欄に載っているのです。aとa*を差別化しているのであれば、それなりにa*の対策についてももう少し濃度を増やして書く必要があるのではないでしょうか。
○津下委員  高齢者の1,000人当たりなのですが、これは年齢層別化した1,000人当たりになってますか?高齢者といっても、前期高齢者の割合が多い時期と、今後は後期高齢者がぐっと増えてきます。そうしますと、一旦良くなったものが、また悪くなることが想定されるのです。ですから、年齢構成をどう考慮して判断するかということを考慮しないといけないかなと思います。今後高齢者の中でも、とくに75歳以上が更に増えていきます。これは低栄養についてもそうなのですけれども、今回は、65歳以上高齢者全体の中の割合を評価しているのですけれども、今後の見通しを考えたときに、75歳以上が増える時代に対して、目標達成がどうか、そこまで踏み込んで考えるべきかどうなのか。その辺りはいかがでしょう。
○吉村委員  年齢を考慮しているのは、例えばこの高齢者の所ですと、介護サービスの利用者などについては、策定時が452万人ですけれども、増加の抑制が657万人というような感じで、高齢者の増加を考慮に入れた目標にはなっているかとは思うのですが、先生がおっしゃるとおり、確かに高齢者というところの、これなどは高齢者がもっと増えるということを考えていると思いますけど、後期高齢者の割合とか、その辺をちょっとごちゃ混ぜにしているような目標値もあるかとは思いますので、そこはちょっと考えなければいけないと思います。
○中村課長補佐  吉村先生、ありがとうございます。a*については、男性と女性両方とも目標がございまして、そちらの2つの中で男性のほうが線系にすると目標までいかないかなというところで、女性のほうは順調にいっているのですけれども、そういった所があってのa*を付けさせていただいておりまして、我々としましても、a*が付いたものについて、追加で対策を強目に付けたい、書きたいという思いはあるのですが、そちらについて、何か記載などで先生方と御相談させていただければと思いますので、よろしくお願いします。
○髙野委員  すみません。6ページのがん医療の充実の所で、下から4つ目の希少がん及び難治性がんの対策でございますが、小児がんは希少がんから出ているのは御存じのとおりです。口腔がんは希少がんに入れられているところでございまして、200種類ぐらいある希少がんでは口腔がんとは異なり症例も少ないことから、その場合は集約して、がん基幹病院とかで多様な治療を行っているところです。口腔がんでは200種類ある希少がんとでは、そもそも対応が異なるのが現状です。は、口腔がんは希少がんのくくりですが、そういう意味では集約するべき希少がんのものとは異なるので、別記載にできたら対策が進むのではないかと思いますので、御検討いただければと思います。
○若尾委員  今の6ページのがん医療の充実のところの記載は、がん対策推進基本計画の3期計画をそのまま引いているような形で、これを余り崩さないほうがいいのではないかと考えます。
○山之内委員  すみません。こころの健康の所ですが、10ページの自殺の所について、先ほど津下先生も御指摘あった所なのですが、2つ目の○の子供、若者の自殺対策を非常に特出ししている印象があるのですけれども、これがちょっと私から見ても何か不自然な感じはいたしまして、省内での部局で調整いただければと思うのですが、その辺が少し気になりりました。
○山縣委員  次世代の健康の所の12ページですが、この最初の○、幼児期運動指針やこれに基づく指導参考資料の活用を促し、全国の幼稚園保育園等での運動を促進とあるのですが、幼児期の運動指針の所で、結構遊びというのが入っているというのは、かなり国際的にも重要なところなので、例えばこの運動の前に「遊びを含む運動を促進」というようなことを入れたらいいのではないかと思いました。
それから、書きぶりが次世代の所だけ体言止めになっていたりとか、頭に引き続きとあったりするので、少し書きぶりを統一されるといいかなと思いました。以上です。
○辻委員長  では、そのようにお願いします。
○松下委員  18ページの飲酒の項目なのですけれども、適正飲酒等の思想及びアルコール飲料に関する正しい知識とあるのですが、適正飲酒というのは、余り最近、表現としては使われなくなってきて、このアルコール健康障害対策推進基本計画の中でも、飲酒に伴うリスクに関する知識の普及とありますので、適正というと飲むことが適正だというふうに誤解してしまう場合があるものですから、できれば「リスク」という言葉をお使いいただきたいというふうに思います。
 それから、アルコール飲料に関する正しい知識というのは、ちょっとこの表現が意味不明と言いますか、やはりアルコールが何か良いものだというイメージを何か与えてしまう危険性があるのではないかと考えますので、書き方としては少量であっても飲むことはやはり何らかのリスクを伴うのだということを漂わせるような表現をしていただければと思います。以上です。
○辻委員長  ほかにどなたかいらっしゃいますか。
○羽鳥委員  14ページなのですが、経済産業省における健康経営の取組で、健康スコアリングのことをしていると思います。それで、健康スコアリングは、要するに個人が何を努力すればいいか、集団が何をすればいいか、ほかの企業はどんなことをやっているのか、そしてほかの業界はどうか。そして、そういうことをすることによって、自分あるいは集団を比較をすることによってさらに頑張ろうということです。事業主の方は、比較されると努力します。今回は公務員からやっていくということで、来年は共済組合ということですけれども、いずれは県単位で国保もやるということを書き込んでいただきました。3年後には都道府県でもはじめますので、この辺をもう少し強調していただけたらいいなと思います。
 それからもう1つ、最後にお酒のことがありましたけれども、もう1つ大事なのは、賭けの話があると思うのです。IR法案が通って、これから賭けで人生を破滅させていく人がたくさん出てくると思うのですが、その言葉がどこにも出てこないのは、やはり問題ではないかなと思います。
○中村課長補佐  依存症のお話ですね。分かりました。先ほどのお話で、まず健康スコアリングのことはものすごい最近のお話だと思いますが、そちらについても何らかの記載ができるかどうかについて、検討させていただきますす。そちらの依存症というのは、ギャンブルのお話でしょうか。ギャンブルのほうについては、もし入れるとしたら、こころの健康の所になるのでしょうかね。
○山之内委員  ギャンブル依存症に関しては、ギャンブル等依存症という名称で、医療計画に指標として入っております。精神疾患です。
○中村課長補佐  分かりました。
○辻委員長  ほかによろしいですか。
○近藤委員  この場所というのではなく、あちこちにある表現で、具体的な施策を取りまとめていく必要があるとか、今後対策も必要であると書いてあって、おっしゃるとおりだなとは思うのですが、具体的にどのようなことをやるのだろうという感じがしてしまうところがあちこちにあります。全て書ききれないのもよく分かるのですけども、何かこのままでいいのかなという漠然とした思いがあります。
 せめての提案というか対案としては、今は概要という横向きの資料に沿って話していますけども、報告書(案)というのが対外的に発表されるわけですよね。これは、後ほどまた別個に論議するのでしょうか。であれば、今後の対策という総論の部分があるのですが、そこにリサーチクエスチョンと言いますか、今後こういうことをやらなければいけないということが挙がりましたよということをリスト化しておくとか、76、77ページ辺りに、「以上を踏まえ、引き続き健康日本21(第二次)を推進していくうえで、必要と考えられる今後の方針を提示する」と書かれています。今すぐ具体的なものを挙げろといっても無理だというのはよく分かりますので、今後中間評価の時点で、最終評価に向けて更に具体化に努めなければいけないといって、ここで出たものとしては、このようなものがあったというのを、ピックアップしてリスト化して残しておくだけでも、引き続き課題があるということは共有されて、更にやろうということが専門委員会から出ましたよみたいなことができないだろうかと思いました。
 それから、それと同じようなもので、もうちょっとこういう研究が要りますというのが数か所散りばめられていました。それについても専門委員会の報告書なので、更にエビデンスベーストでやるべきだということについて御異論のある方はいないと思います。今はデータ不足だからここで我慢したけれども、次の第三次に向けて、今からこういうデータを取るべきだという形で論議があったものについても、リストアップして、予算を是非取って、厚労科研の研究班を立てて、三次に向けて着々と必要なデータを集めていくという、そんな工夫をしていただけないかと思います。ピックアップして並べた表だけでもいいので、是非御検討いただきたいというのが1点目です。
 それから、これは唐突に聞こえるかもしれないので事前にお送りしなかったのですけども、先日ある所で生活習慣病という名前はどうよという論議をする機会がありまして、例えば76ページの2つ目のパラグラフ、「一方で、健康日本21においては」うんぬんとあって、社会環境が大事だよということがあります。個人の健康というのは環境の影響を受けると。その先読んでいくと、生活習慣は大事だけども、それすら環境の影響を受けているとか、そういうことが考え方としては明示されているのですけども、この間、一般市民を対象に講演するときに試しに聞いてみたら、健康というのは、生活習慣は自己責任だという方が過半数なのですね。ある意味、本人にできる努力という意味ではそのとおりですけども、環境も大事ですよということが、生活習慣病という名前を見ると生活習慣が原因なのね、自己責任だよねという、一種誤解を招いている面はないのかなと最近感じるようになったのです。こんな名前変えろと言ったら大騒ぎになるので、今回とは言いませんが、何かそんな論議があったとか、何か書きとめていただくぐらいのことはできないかなと感じておりますが、ほかの先生方、どのように感じていらっしゃるのでしょうか。
○羽鳥委員  例えば近藤先生、NCDの日本語訳ぐらいでしたら、よろしいということでしょうか。
○近藤委員  そうです。
○羽鳥委員  分かりました。僕も、そういう意味では同感です。それから、こっちの資料には、もう1回やるのかなと思ったらやらないということだったので、例えばこの資料2を見ると、平成34年とかそういう言葉が普通に出てくるのですけど、ないですよね。そういうのは大丈夫なのですか。これでもう決まりということになったら、その辺はどのようにするつもりですか。
○中村課長補佐  こちらの健康日本21そのものが大臣告示として出されておりまして、その中の現在値が平成何年で、目標が平成34年度という形で告示として出されておりますので、そちらにつきましては、基本は元号が変わるときにもちろん変えることになると思いますので、もともとが告示での平成に合わせていたために、こういう記載になっております。ただ、分かりづらくなりますので、そこについて西暦に合わせるとかそういったことは、すみません、調整させていただきます。
 それから、先ほど前回の素案から主に変わったところが対策のところだったため、先ほど概要を資料で説明して、もともとの案の中のまとめの資料は説明に入れていなかったのですけれども、ここに今後具体化する必要があると言われた、先ほどの近藤先生の御意見などをどのように反映するかということも検討はしていきたいと思います。
○辻委員長  ほかに、どなたかいらっしゃいますか。
○鎌田委員  10ページ、こころの健康の3つ目の○です。心理的苦痛を感じている要因の分析で例えばの所に、心理的苦痛を感じている者の割合が高い女性と若年層に関しての対策等で、特定健診や産業保健、ここは主に女性に対する対策を書いてありますが、中高年の男性に関しては、この中のどこでどう読み取るのでしょうか。働く世代の所では労働者の所で読めるのですけど、高齢者の男性もいろいろな問題があるかと思いますが、中高年の男性についての記載が読み取れなかったので、そこを教えていただければと思います。
○山之内委員  すみません。これ、多分私の所にも関係するのですが、中高年の男性に関しては、実は心理的苦痛を感じている者が少ないと出ています。にもかかわらず自殺率が高いという、その乖離については、要因の分析を進める必要があるという記載が必要かなと思いました。どうも失礼しました。
○辻委員長  ありがとうございます。ほかに、どなたか。
○道明委員  この資料の項目にはないのですけども、カフェインの過剰摂取に関して、エナジードリンク等の過剰摂取で若い方が亡くなっているというのもあるのですが、そういうことに関してはどうでしょうか。
○中村課長補佐  カフェインの過剰摂取についての対策とか、そういった。
○道明委員  対策というか警鐘みたいな。
○中村課長補佐  そうですね。すみません。健康日本21の目標の中でどのような、今回の目的が進捗がどうであるということで、その進捗に対する対策としてまとめたところで、個別的にカフェインという話が挙がっておりませんで、すみません、御了承いただければと思います。
○谷川委員  もちろん健康日本21では取り上げないのですけども、カフェインは恐らく血圧の関係と、もう1つは不眠の関係で出てくると思うのですね。一般に、睡眠不足の方が、やはりカフェインを摂って一生懸命働いて、実際それで今度また眠れなくなるということは非常に多いわけですから、今後睡眠の所でも、確か睡眠指針2017に入っていたと思うのですけども、そういう所で扱うべきかなと思います。
○若尾委員  別のことですけど、18ページの喫煙の所で、今後の課題ということで加熱式たばこのことも少し触れておかないと、今どんどん消費が増えている中で十分なエビデンスという点で、まだ健康影響のエビデンスが少ないところもあるのですが、今後無視しないでしっかりと研究、エビデンスを作って対策を進めていくということは、何かきっかけとしては書いておいたほうがいいのではないかと思います。
○谷川委員  11ページの次世代の健康、先ほど私は子供のことはという話はしましたけど、ここで健康な生活習慣(栄養・食生活・運動)と書いてあるのですけど、そこにほかのことも入っている、ただ、これは例を挙げられていると考えていいのでしょうか。これだけ見たら、健康な生活習慣を有するの中の健康な生活習慣というのが、この3つに限定されているみたいに感じてしまったのです。そこで先ほどおっしゃったような睡眠や本来入ってくるべきところが、実際書かれている内容も、体重とか食生活とかと書いてありますけど、その辺はどうですかね。
○中村課長補佐  こちらにつきましては、次世代の健康の所の目標の項目としまして、1健康な食生活(栄養・食生活・運動)を有する子供の割合の増加という目標を立てていて、その中身が朝、昼、夕の3食を必ず食べることに気を付けて食事をしている子供の割合の増加というのがまず1つ目。2つ目が、運動やスポーツを習慣的にしている子供の割合の増加。そういった目標を立てておりましたので、その中に栄養、食生活、運動ということで入れているところです。
○谷川委員  多分そうだと思います。ですから、ここで本当だったら、これも学問的な2000年以降の流れだと思うのですけども、子供の肥満については、短時間睡眠との関係が多いとか、睡眠時無呼吸も関係してくるということも、別な資料で2年前2万5,000人の松山市の子供の……調査でも同様のデータを出しましたし、そういう意味でエビデンスが積み上がってきています。ただ、かといって目標を変えてしまったら困るのでしょうけども、もしできたら、どこに入れるかを考えていただくとともに、やはり体重の問題というのは、必ずしも食生活と運動だけではなく、睡眠も非常に効いてきていることも、学問の進歩とともにどこかに入れるようなことも考えていったらと思います。
○辻委員長  これは、10年間掛けてやっていくプロジェクトでありまして、計画を作り始めたとき、今から7年前ぐらいですが、当時はそのようなエビデンスもなければ、そのような健康課題としても注目されていなかったけれども、時間の経過とともに顕在化してきたというのが、先ほどの睡眠の問題、カフェインの過剰摂取の問題など、様々あると思うのですね。そういったことについて後半戦でどのようにやっていくか、あるいは第三次に向けてどういう健康指標を作っていくかは、これから議論することだと思うのですけども、そういった中で、またお話させていただければと思います。
○津下委員  13ページ、または本冊の77ページ辺りになると思うのですけど、健康日本21については、国としての評価はこれでよいかと思いますが、地方自治体の中間評価、また、都道府県レベルは全国作っていると思うのですね。その中間評価をしっかり取り組んで、地域課題に対して国の評価と照らし合わせて取組を推進すべきことや、それから、市町村の21計画を第二次は作っていない自治体もあるという状況です。健康日本21第二次策定のときには、地方計画においてはわざわざアンケート調査しなくても既存データの活用も可能ということも書いてあります。最近、NDBのオープンデータとか、かなりこういう意味では現状値の把握がしやすくなったので、地方計画をしっかり見直す機会にしてほしいというメッセージを加えていただいたらいかがでしょうか。
○辻委員長  ほかに、どなたかよろしいですか。
○村山委員  概要の14ページの栄養、食生活の部分です。、適正体重についての今後の取組が記載されていません。特に肥満者の割合につきましては変化なしで改善していませんので、記載をしたほうがいいと思いました。
○西村委員  先ほど喫煙に関する今後の課題ということで、加熱たばこ、電子たばこの件が出ましたけど、私も賛成なので是非加筆してほしいと思うのです。呼吸器学会でも既に声明文を出しておりまして、現時点で安全だという保障は全くないということで勧められないと書いています。大変心配なのは、一方で、加熱たばこあるいは電子たばこを販売している企業がサポートした研究で、あたかも健康被害がないかのような研究が報告されて、それをマスコミが取り上げているという現状があるのです。しかしながら、我々呼吸器学会の中での学術的な論文を見ると、むしろ危険である、健康被害が起こるのだというポジティブなデータのほうがはるかに多いわけで、その辺が間違って伝わると大変危険ですので、ここの課題として、やはりその点は是非触れるべきで、現時点で、決して推奨できるものではないということを、きちんと書くべきだと思います。
○曾根委員  ささいなことなのですが、14ページの栄養・食生活に関することです。ここに書かれている中で、特に若い人に対する所で、食事は人から与えられるものみたいな、そんな印象を受けます。食事というのは、むしろ、これは男女問わず自分が作り出していくようなものではないのかと、それが健全な食生活につながるのではないかと思います。何か、作ってある物を摂取するような、全体的なフィロソフィーがそうなっているので、そこはどう文言を変えるのかはわかりませんが、若い人が自立的に自分が食べる物を作り出していく、そういうことも考えていく必要があるのかと感じました。
○辻委員長  ありがとうございます。ほかには。
○北原委員  糖尿病の件の所です。私どもの会社は全国にありますので、各地域でいろいろと健診データをまとめてみると、糖尿病に限らず、地域差が非常に大きい、同じような産業保健を展開しているはずなのに違うのです。もしかしたら地域の医療とか、そういう問題があるのかと。特に糖尿病に関しては、A1cが高くなっていてもなかなか踏み込んだ治療をしてくれない医療機関もあります。ここは患者さんサイドの数値ばかりを追っていますが、もしかしたら専門医の偏在とか、そういったのも糖尿病の重症化予防の大きな壁になっているのではないかと思います。もし何か盛り込めるようなところがあればと思ったのが1点です。
 それから、16ページの一番上の所に「座位行動問題に対する対策を」とありますが、今まで、ここの中で余り出て来なかったキーワードだった気がします。今まで取り上げていましたでしょうか。これの「座位行動問題に対する対策を展開していく」とは、具体的にどういったことでしょうか。座りっぱなしのサラリーマンのことなのかもしれませんが、今まで議論になかったような気がしています。
○澤田委員  今回、新たに委員に加えさせていただきまして、こういった問題があることを提示して、取り上げていただきました。端的には座り過ぎの問題で、身体活動とは独立して、座り過ぎの問題が健康に影響を及ぼしているという研究が、最近、急激に増えてきておりますので、新たな言葉として、取り上げていただいてもいいのではないか、あるいは、次に向けた課題として残しておいていただいてもいいのかと考えています。
○北原委員  具体的に何か、展開は考えられる余地があるというのですか。
○澤田委員  職域に関しては、最近、座りっぱなしの仕事が急激に増えていますので、まずは座り過ぎはよくないと周知すること、更には、最近はスタンディングデスク等が開発されつつありますので、そういったものの導入も職域で考えていただく、あるいは、職域に限らず、家庭においても、座り過ぎの問題について注目していただくことも身体活動・運動分野として重要だと考えています。
○羽鳥委員  先ほどの北原さんの質問ですけども。例えば、ヘモグロビンA1cもHPLC法とか比色法とか、幾つか方法があって、それによって0.5ぐらい違うことがあるというので、日本医師会では健診標準フォーマットといって、その検査の方法をきちんと明示した方法でデータを取るということで、今700万件のデータを、企業や医師会立の病院のデータ分析としています。標準フォーマットのように統一した方法で健診のデータがきちんと比較できるようなことを最低限検討していただきたいと思うので、応援していただきたいと思います。
 あと、専門医の偏在、それは確かにあると思います。ただ、専門医の偏在があるかもしれないけど、非専門医の先生も、比較したデータでは、決してそんなに劣っているわけではない。逆に、糖尿病専門医の先生はより重症の方を診ていらっしゃるので、単純にA1cで見ると、専門医の先生のほうがA1cは高いという。今、日本医師会もJ-DOMEスタディーというので、それぞれの健診データをこれから、来週辺りに埼玉県で県庁の上田知事と、それから県の医師会会長の金井先生と日本医師会の横倉会長と協定を結んで、データを出すのですが、県全体での取組も、糖尿病に関して、糖尿病重症化予防でやっているので、そういうのもまた参考にしてみていただけたらと思うので、どうぞよろしくお願いします。
○辻委員長  ありがとうございました。大分時間が迫ってきましたが、まだ御発言いただいていない先生方、瀧本先生と横山先生、何かございませんか。
○横山委員  5ページ目の、健康寿命の延伸と健康格差の縮小の所の1つ目で、都道府県・市町村レベルでの健康格差の確固たる要因の把握について、更なる研究が必要であるという部分ですが、研究というと研究者のやるものという印象が強いですが、都道府県職員の方もそういった調査研究を実際にする必要があるかと思いますので、研究という言葉は調査研究とかにして、誰がやるのかという意味も含めて、「国及び都道府県等における更なる調査研究が必要」というような言い方にしたらどうかと思います。
○辻委員長  ありがとうございます。瀧本先生、何かございますか。
○瀧本委員  栄養・食生活の部分では、主食、主菜、副菜の揃った食事、それから野菜や果物の摂取量ということで、項目が入っているのですが、今後の食事摂取基準の改訂等もありますので、もう少しそれを踏まえた形で、次の計画に向けて、どんな内容がふさわしいかと。今回は中間なのでいいとは思いますが、検討していくとよろしいかなと、更なる国民健康栄養調査の活用というふうに考えていただけたら幸いだと思います。
○辻委員長  ありがとうございました。全ての委員の先生方から御意見を頂きました。非常に貴重な御意見を頂き、大変参考になりましたが、基本的なところでは大筋認めていただいた上での、更に改善する上での御意見だったのではないかと思います。ということで、「健康日本21(第二次)中間報告書(案)」につきましては、これから文言の修正を若干しますが、これについては委員長と事務局に御一任いただき、専門委員会として御了承いただいたということでよろしいでしょうか。
(異義なし)
○辻委員長  どうもありがとうございました。今後この案につきましては、修正の上、地域保健健康増進栄養部会において御審議いただくことになります。
 次に、「その他」に移りたいと思いますが、事務局から何かありますか。
○相原課長補佐  健康日本21(第二次)の進め方について、今後の予定等を御説明したいと思います。資料3と参考資料3を御準備ください。よろしいでしょうか。健康日本21は、もともと第一次のものは平成12年(2000年)にスタートしたわけですが、こちらも中間評価を行って、最終評価に進んでいったわけでして、健康日本21(第二次)につきましても、後半で最終評価をやる必要があります。時期としましては、平成33年度中に最終評価を開始して、最終評価を行う形になります。それとは並行して、次期国民健康づくり運動プランを策定していく必要がありまして、そちらに関しては、一次のときは策定専門委員会を設置しました。今回も設置するかどうかは今後の検討が必要であるのですが、このようなものを準備するかどうかを検討しながら、最終的には第三次に向けての健康づくり運動を準備していく予定となっております。
 参考資料3を御覧ください。こちらは「健康日本21(第二次)推進専門委員会の設置について」という資料で、平成26年のものですが、3.構成の(2)で、「委員の任期は「健康日本21(第二次)」の中間報告までとする」という記載があります。今後、地域保健健康増進栄養部会でこちらの中間報告が審議されて、最終的に発表になったところで任期となりますので、今後この委員会は中間評価から最終評価を評価するための委員会としての目的を持って、新たに委員長を指名し、委員を選任していく形となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上になります。
○辻委員長  ありがとうございました。今の説明につきまして、御質問などがあれば頂きたいのですが、よろしいでしょうか。先程ご説明があったように、本専門委員会は、本日で最後となります。いろいろとどうも有難うございます。それでは、本日の議論はこれまでにしたいと思います。事務局から何かございますか。では、これにて閉会いたします。どうもありがとうございました。
 

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