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2018年2月15日 2018年2月15日 第68回先進医療技術審査部会

○日時

平成30年2月15日16:00~18:00


○場所

中央合同庁舎第5号館専用第22会議室(18階)


○出席者

山口座長、一色座長代理、石川構成員、伊藤構成員、松山構成員、真田構成員、柴田構成員、関原構成員、大門構成員、田島構成員、藤原構成員、山本構成員、田代構成員、掛江構成員

(事務局)医政局研究開発振興課長、医政局研究開発振興課治験推進室長、医政局研究開発振興課先進医療専門官、医政局研究開発振興課先進医療係長、保険局医療課企画官、保険局医療課先進・再生医療迅速評価専門官、保険局医療課長補佐、医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長補佐

○議題

1. 新規申請技術の評価結果について
2. 試験実施計画の変更について
3. 臨床研究法施行に伴う新規申請技術の受付について
4. 協力医療機関の追加について
5. 先進医療の取下げについて
6. 総括報告書提出状況について
7. 平成30 年度先進医療技術審査部会開催予定日について
8. その他

○議事

 

○山口座長 定刻となりましたので、ただいまから第68回先進医療技術審査部会を始めさせていただきます。御多忙の折、お集まりいただき誠にありがとうございます。本日は上村構成員、手良向構成員、山中構成員より御欠席の御連絡を頂いています。本日は17名の構成員のうち14名の構成員にお集まりいただいていることから、本会議が成立していることを申し添えます。また、技術専門委員として、村田委員に新規申請技術案件の御審査をお願いしています。ただ、村田委員からは本日は御欠席の連絡を頂いています。それでは、配布資料と本日の審査案件の確認を事務局からお願いします。

○医政局研究開発振興課専門官 傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願いします。配布資料について確認させていただきます。議事次第から座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。

 次に、新規申請技術の評価結果について、資料1-1から資料1-5。試験実施計画の変更について、資料2-1から資料2-4。臨床研究法施行に伴う新規申請技術の受付についての案、資料3。協力医療機関の追加について、資料4-1と資料4-2。先進医療Bの取下げについて、資料5-1。協力医療機関の取下げについて、資料5-2。総括報告書提出状況一覧、資料6。平成30年度先進医療技術審査部会開催予定表、資料7。会議資料の最終ページは72ページとなります。本資料については会議終了後、厚生労働省ホームページにて閲覧可能となることを申し添えます。本日の資料は以上です。乱丁、落丁等がありましたら事務局までお知らせください。

 続いて、利益相反の御確認です。申請医療機関との関係や、対象となる医薬品・医療機器及び再生医療等製品の企業等について、資料1-115ページに記載している申請医療機関、医薬品・医療機器・再生医療等製品情報を御覧ください。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業について、事務局から事前確認させていただいています。今回、整理番号84の技術、国立がん研究センター中央病院からの申請について、柴田構成員、田代構成員、藤原構成員におかれましては、御自身が御所属の医療機関からの申請ですので、当該技術の審議に際し、一時御退席いただきたく存じます。また、松山構成員、村田委員より御報告がありましたが、50万円以下でしたので、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることができます。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いします。該当なしということで承知しました。

 また、今回もタブレットを使用します。届出書類等については、タブレットより閲覧をお願いします。なお、会議資料とタブレットの内容は異なっているので、発言者は会議資料の何ページ又はタブレット資料何番の何ページと、あらかじめ御発言を頂けますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いします。以上です。

○山口座長 では、議事に入りたいと思います。新規申請技術の評価結果について、事務局から御説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課専門官 説明させていただきます。なお、柴田構成員、田代構成員、藤原構成員におかれましては、本技術の審議に際し、一時御退席いただきたく存じます。誠に恐縮ながら、御協力のほどよろしくお願いします。

(柴田構成員、田代構成員、藤原構成員一時退席)

○医政局研究開発振興課専門官 では、15ページの資料1-1を御覧ください。今回、先進医療Bとして新規に御評価を頂く技術は、整理番号84、個別化医療に向けたマルチプレックス遺伝子パネル検査です。申請医療機関は国立がん研究センター中央病院です。審査担当構成員は、主担当が山本構成員、副担当は田島構成員と大門構成員、技術専門委員として村田委員、以上となっています。

29ページにあります資料1-5を御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より説明します。まず、実施責任医師の要件ですが、診療科は内科又は病理科です。当該診療科の経験年数は5年以上が必要です。当該技術の経験年数は要件にありません。また、当該技術の経験症例数も要件にありません。

 次に医療機関の要件ですが、診療科は内科及び病理科です。実施診療科の医師数の要件は、治験、臨床研究を含むがん薬物療法の実務経験を5年以上有する常勤医師1名以上、また、病理診断の実務経験を5年以上有する常勤医師1名以上です。他診療科の医師数は要件にありません。その他医療従事者の配置は臨床検査技師が必要です。病床数は100床以上、看護配置は101看護以上、当直体制は内科系又は外科系医師1名以上。緊急手術の実施体制が必要、院内検査の24時間実施体制が必要です。

 他の医療機関との連携体制は要件にありません。医療機器の保守管理体制は必要。倫理審査委員会による審査体制は、2か月に1回以上の開催が条件です。医療安全管理委員会の設置が必要。医療機関としての当該技術の実施症例数は要件にありません。

 その他の要件として、遺伝カウンセリング等を行う部門を設置し、遺伝医学の専門的知識を有する常勤医師1名以上及び遺伝カウンセリング技術を有する者1名以上を有する。また、厚生労働大臣が指定するがん診療連携拠点病院等又は小児がん拠点病院であること。厚生労働大臣が指定するがんゲノム中核拠点病院又はがんゲノム連携病院の指定要件を満たし、指定を受けている又は申請中であること。その他の要件はありません。以上です。

○山口座長 ありがとうございました。これらの要件について、何か御意見はありますか。実施責任医師の診療科が内科又は病理科ということになっているのですが、例えば小児科や外科など、将来そういう領域の方が実施責任医師になるという可能性はないのでしょうか。限定した理由がよく分かりませんでした。

○山本構成員 今回は16歳以上が対象患者さんになっていまして、一応、小児を対象には、今回はしていないということだと思います。

○山口座長 今回の対象に関しては、これでよろしいということですね。分かりました。

○掛江構成員 専門ではないので確認です。対象が16歳以上になっているのは確認しているのですが、AYA世代のがんに関しては小児がんの識見のほうが割と優位というか、小児がんのプロトコルの方が有効である等、治療法やがん種の傾向等から、AYA世代までは比較的小児がんの先生が御覧になることも多いと聞いているのですが、その辺は問題ないのでしょうか。

○山口座長 どうでしょうか。例えば小児科を入れても、不都合はないようにも思うのですが。

○医政局研究開発振興課専門官 そうしましたら、診療科の実施責任医師の要件に、小児科を追加いただく、また医療機関の要件の診療科にも小児科を追加いただくということを、事務局から提案させていただいてよろしいでしょうか。

○掛江構成員 ごめんなさい。質問だったので確認をお願いしたいところなのですが。もし私の理解が外れていないのであれば、小児がんの先生が実施責任医師になれないのかというところがちょっと引っ掛かりました。あと、これは腫瘍科である必要はないのかなというのが、素人の質問なのですが、普通の内科、病理科でよろしいという御判断なのか。がん拠点病院なので、腫瘍科が絡んでいる先生が該当するのかと思うのですが、そこはこういう表記でよろしいということでしょうか。

○山口座長 診療科の中に、腫瘍科というのはあるのですか。

○山本構成員 特に腫瘍内科や小児科でも、標榜が病院によって若干変わっている可能性はあるので、余り突き詰めていくと、それはそれで面倒なことにならないかなというのは、ちょっと心配しています。

 内科ということで、ある程度幅広くかけているということだと思いますが、ですからこの11つを突き詰めるというよりは、例えば実質、実施診療科の医師数のところで、実務経験等々で縛っているわけですので、余り診療科の名前だけにこだわる必要は。むしろそれをするほうがやりにくくなる可能性はないかなというのは、ちょっと心配します。

○山口座長 そういう意味では、余り限定しなくてもいいのではないかなという気もしますね。

○山本構成員 そうですね。むしろするとしたら、今回エキスパートパネルを作るとか、割と新しいやり方ですので、研究自体は単純と言ったら単純な話なのですが、扱う技術としてはかなり専門性が高くないといけないので、診療科というよりは実施診療科の医師数とか、その他のところで今回は遺伝カウンセリングを書いていただいていますし、がん拠点病院か小児がん拠点病院であるということで縛っていただいているので、その辺りで縛られているということで、担保されているのではないかと考えました。

○山口座長 これに関して、何か御意見はありますか。

○真田構成員 やはり私も同じ意見でして、病床数100床以上の病院ということになると、そのように細分化された診療科を持っていない、あるいは小児科がないという施設も珍しくないですから、こちらの実施診療科の医師のところの記載でスペックが縛られているというのは、山本先生がおっしゃるとおりだと思います。ただ、先ほど掛江先生がおっしゃったように、例えば小児科が中心の病院がこれに参加できないということであれば、どうするかという話になるかもしれませんので、そこは「又は小児科」などの記載を付け加えていただいてもいいのではないかなと思います。

○山本構成員 小児がん拠点病院が含まれているので、小児科は付け加えるということで、それ以上の診療科の縛りにはしないという辺りでいかがでしょうか。

○山口座長 妥当な線だと思いますが、いかがでしょうか。それでは、小児科を付け加えていただきたいということで、よろしくお願いします。貴重な御意見をありがとうございました。ほかにありませんか。それでは、小児科を追記いただくということを条件に、様式9号についてはお認めすることにします。次に主担当の山本構成員より、概要の説明と実施体制の評価について御説明をお願いします。

○山本構成員 既に少し中身についても議論が出ましたが、まず資料1-2を御覧ください。通しの17ページです。医療技術の先進医療の名称は、個別化医療に向けたマルチプレックス遺伝子パネル検査。申請医療機関は国がんの中央病院です。医療技術の概要ですが、かなり長いのでかい摘んで言いますと、16歳以上で全身状態は良好だが、治癒切除不能又は再発の病変を有する原発不明がん、又は標準治療がない、若しくは標準治療が終了している、若しくは終了が見込まれている固形がん(原発不明がんを除く)という患者さんを対象としまして、文書同意を得られた後に、腫瘍組織の検体と血液検体を理研ジェネシスという会社に外注して、NCCオンコパネルによる解析を行い、解析結果のレポート原案をまず得ると。そのレポート原案を基に、今度は実施医療機関に設置するエキスパートパネルにおいて、actionableな遺伝子異常及び推奨される治療についての検討を行って、その結果をエキスパートパネルが意義付けしたレポートというものを主治医の下に戻すと。それで、それを基にして患者さんに説明をして、その結果に基づいて、できるのであれば治療していくという内容です。

 主要評価項目は、今回についてはactionableな遺伝子異常を有する患者の割合と、その95%信頼区間。副次評価項目は、全適格例、全適格検査例、全登録例をそれぞれ分母とした場合のactionableな遺伝子異常を有する患者の割合と、その95%信頼区間、シークエンス成功割合、遺伝子異常に対する治療薬が投与された割合、承認体外診断薬との結果の一致割合、全生存期間ということです。大体1年間の登録期間を見込んでおられまして、追跡期間は6か月ということです。予定症例数ですが、最低で205例、最大で350例ということで、350例まで行った場合には、肉腫の患者さんが4070例登録されることと書いておられます。

 まず、私の実施体制の評価を申し上げますと、実施体制については「適」とさせていただきました。村田先生のところは、事務局からでよろしいですか。

○山口座長 では、村田先生の評価について、事務局から御説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課専門官 評価表の18ページを御覧ください。村田先生からは実施体制の評価について、全て「適」で頂いています。3番目の評価項目の医療技術の有用性等については、「本研究のエンドポイントが有用性を調べるものであるため、評価し難い。しかしながら「研究」としての有用性は十分と考える」とコメントを頂いています。以上です。

○山口座長 ありがとうございました。続いて副担当の田島構成員より、倫理的観点からの評価について御説明をお願いします。

○田島構成員 同意に係る手続、同意文書につきまして、本臨床研究は16歳以上の患者さんを研究対象としておりますので、16歳の患者さんにとっても理解可能な説明文書であることを求められますが、記載内容は専門用語の多用もあって難解でしたので、説明を加えてより分かりやすいものとしていただきました。

 また、説明文書の補償欄で引用されている添付文書が、今回の申請時に提出されていませんでした。患者さんにお渡しするものについても添付されない可能性がありましたので、そういうことがないように、添付して一体のものとしていただきました。

 また、患者さんの相談窓口として、担当医の連絡先のみが記載されていましたので、相談支援センターの連絡先も書き加えていただきました。この結果、内容としては問題がなくなりましたので、「適」と評価しています。また、補償内容については保険に加入される予定ということで、適切に行われることになっているため、「適」と評価しました。以上です。

○山口座長 ありがとうございました。続いて副担当の大門構成員より、試験実施計画書等の評価について御説明をお願いします。

○大門構成員 机上配布資料の1-219ページを御覧ください。コメント欄にお示ししていますように、本試験は、本医療技術を用いて、いわゆる遺伝子異常を同定される患者さんの割合がどの程度か、その遺伝子異常を同定された患者さんに対して、医療提供としてどのような行動をとったのかを、前向きに調査することを目的としておられます。

 本試験を遂行することで、本医療技術がより良い医療の提供の機会を与え得るものになるかを論じることは、ある程度まで可能だと思われるのですが、この医療技術の優劣を直接論じることは困難だと思われます。この理解の下で、机上配布資料の2223ページにお示ししますように、本医療技術の検査としてのパフォーマンス、即ち本当にactionableな遺伝子異常が存在しているのであれば、それをきちんと検出できるのか、そうでなければ、そのような結果がきちんと得られるのかといったところを照会させていただきました。

 また、エキスパートパネルの施設間差に関して大丈夫なのかというところも照会しました。これらの照会に対する申請者のご説明やご回答は、概ね理解可能なものであると思われましたので、このように「適」と評価させていただきました。以上です。

○山口座長 ありがとうございました。それでは、主担当の山本構成員より、事前のまとめと総合評価について御説明をお願いします。

○山本構成員 同じく資料1-219ページを御覧ください。総合評価としては「適」とさせていただきました。コメントですが、大門先生も懸念されていたのと同じく、一応立て付けとしては、体外診断薬という形の立て付けなのですが、非常に特殊なものであって、検査結果を臨床応用するためにエキスパートパネルで意義付けをしなければならないということがありまして、そこのところが結局、この検査の最終的な品質の確保のステップに関わってしまっているというところがあります。私からもその点については、品質確保ができるのかということと、もう1つは今回の試験の中では、がんセンターをはじめとするがん拠点病院のアカデミアが主導してやられるので、今回については品質確保できるとしても、それが今度商業化されたときに、同じように品質確保できるのかということを少しお聞きしましたが、そこについても、それを含めて努めていくという回答を頂いています。ですので、そこについては少しコメントとして書かせていただきましたが、この試験を止めるものではないと考えています。

 ちょっと分かりにくいですが、お手元の紙の資料の1-4に、がんパネルを用いた遺伝子検査システムということで、概要のシェースキームがありまして、それと裏側にロードマップがあります。それから、これは割と分かりやすいのですが、パッドのほうの資料の実施計画書の2ページ目です。概要の01にシェーマがありまして、非常に分かりやすいのですが、要は対象患者さんの遺伝子解析をし、actionableな遺伝子異常があった場合に、そのプライマリーエンドポイント自体は、そのactionableな遺伝子異常がどのぐらいあるかということを今回はエンドポイントにされているのですが、本当は重要になってくるのはその後、その検査をもって治療をした場合にどのぐらい良くなるかというのが、真のエンドポイントになるとは思いますが、そこについては今回はその後の6か月程度の観察研究の中で拾っていくという形になっているということです。ということで今回、この試験については「適」とさせていただきました。

○山口座長 ありがとうございました。それでは、御討議をお願いします。

○石川構成員 日本医師会の石川です。前からちょっと疑問になっていて、何回か提案のところから意見を言っていました。まず同意のところで、田島先生にもお聞きしたいのですが、個人情報の問題がきちんと同意書の中に書かれているかどうかということで、ずっと先ほどから読んでいるのですが、例えば診療録のカルテ番号と登録番号の対応表は各医療機関に置いておくというのです。がんセンターのほうには置かないということが言われていまして、それでタブレットのほうの12ページに、患者さんの同意書のところで書いてあるのですが、12ページには13-3の「情報の第三者提供」というのもあります。そこを見ると、この第三者提供は、例えばここに会社の名前が出ていまして、シスメックス株式会社などにも提供するということが書いてあるのですが、そこのところは、この研究で収集した情報についても関連するデータベース、ゲノム情報及び診療情報を登録しますということだとか、その下には「第三者への提供については、氏名・住所等のただちに個人が判別できる情報は含まない形で」ということが書かれているのですが、これはちょっと法律的にはおかしいですよね。この書き方というか、怪しい書き方なので、この辺のところは患者さんにもちろん分かっていただくという同意書だと思うのですが、この辺は間違いというようには考えなくていいのでしょうか。

 それから12ページの下の所に、先ほど言いましたカルテ番号と登録番号の対応表、これは各医療機関のほうに置いて安全に管理するというのですが、がんセンターのほうには置かないのですよね。というのが1つあって、ちょっとこの辺は何かやり取りがおかしい感じがするということです。個人情報のやり取りですね。

 それと、これは藤原先生がいらっしゃらなかったので、藤原先生からも以前聞いたことなのですが、ストレージするレジストリの中に、このゲノム情報を入れるのですが、そのときに付番をするわけですよね。この付番というのが、がんセンターのほうで付番をするということになるのですが、この付番とその対応表というのは、これでいくとどうなるのか。がんセンターのほうに付番した対応表があるのではないかと思うのです。

 ですから、非常に正確に言いますと、この個人情報の扱いの考え方というのが、この同意書では何かばらばらなことが書かれているような感じという印象が拭えないのです。それがもしお分かりであったら教えていただきたい。あるいは山本先生のほうで、もしそのことについてお分かりだったら教えていただきたいと思います。

○山口座長 何かコメントはありますか。

○山本構成員 対照表の件ですが、先進医療ですが臨床研究なので、今のところはまだ人を対象とする医学系研究の倫理指針がかかっていますが、その中で対照表は各施設で保管するようにとなっているのです。その対照表には患者さんの実名と、この研究の中で患者さんに付された症例番号というのが対照になっているリストを実施施設のほうで持っている。その患者さんのデータと、今回の場合は資料、生体資料には、その患者さんの匿名化した症例番号だけが付いた状態で、がんセンターに送られる。そして恐らくがんセンターは、その症例番号に更に対象の付番をして、それをレジストリに置くという、そういう形になるのではないかと思われます。

 その症例対照表、個人の実名が入った対照表を、試験の代表機関全部の資料を集めているデータセンターに送るということはしないようにということが倫理指針のほうで求められていまして、それに合致したやり方をされているのではないかと思います。田島先生はいかがですか。

○田島構成員 私もそれで特に個人情報に関する管理の説明の問題があるとは、ちょっと問題点を感じずに読んでおりましたので、これの記載をより正確にと言いますか、より詳しく書くべきではないかという御指摘になりますでしょうか。

○石川構成員 今、山本先生のお話もありましたように、どこまでゲノムの分析の情報と個人がつながるかということを、どこかでシャットアウトするための方策というのを、どのようにやっているのかということを、やはり分かりやすく書かないといけないと思うのです。これは、私は今回の先進医療は日本の国の中ですごく大事な作業になると思うので、全体としてはいいのですが、このことをきちんとやらないと、これから遺伝子検査が医療情報にくっついてくるときに、要するにどうやって個人情報を守っていくのか、医療情報を守っていくのかというところの議論にもつながってくるので、やはりこれは11つ、今回対象予定数の200何人の方に御説明するときも、自分のゲノム分析の結果と自分の個人情報がどのように切り離されてストレージされるかということを、きちんと分かりやすく図でも描いていただいたりして説明していただいたほうがいいのではないかと考えるわけなのです。

 できたらそういうところを、せっかくこれをおやりになって、国の先進的な研究になるのだったら、がんセンターのほうでそういうことをやっていただいたほうがいいのではないかなということを考えています。これは意見です。

○伊藤構成員 研究開発振興課に確認させていただいたほうがいいと思うのですが、この研究はもともと生殖細胞変異というか生殖細胞そのものの解析結果が入っています。ゲノムそのものの解析結果は個人情報そのものなので、シスメックスという外部の会社に個人情報が渡るということを前提にして、名前、住所など直接的にすぐに分かる情報は通知されませんと書いてあるのかと。なので、個人情報が会社に渡ることを前提にしての同意説明文書と読んだのですが、そういう解釈でよろしいでしょうか。

○山口座長 シスメックス社に個人情報が渡っているということでしょうか。

○伊藤構成員 体細胞変異だけではなくて、ゲノム解析情報そのものの生殖細胞である正常な血液の解析結果も渡る形だと、プロトコルを読んでいました。ですから、体細胞変異だけであれば個人情報ではないのですが、生殖細胞の解析結果がそのまま渡るということは、研究の倫理指針上は個人情報そのものですよね。

○山本構成員 ゲノムなのでそうだと思います。

○伊藤構成員 なので、個人情報が会社に渡らないということは書けないので、こういう何と言うか回りくどい書き方になっているのかと読んだのですが、それでよろしいのでしょうか。

○山本構成員 もう少し分かりやすく書いていただくということですよね。

○掛江構成員 そもそも、11ページの13-1の資料情報の取扱いの2段落目の所に割と詳しく、診療情報は性別、年齢、病名等々と全部列挙してありますし、個人情報に関しても、ここを読むと何となく分かると思うのです。では、そのうちの何が13-3でシスメックスに行くのかというのが、今、伊藤構成員がおっしゃったように、書きにくい状況なので、ホワッと書かれているので、なおさら混乱させているのかということがあるように思います。

 あと、14の個人情報の取扱いについて、石川構成員の御指摘を拝聴していて私自身も改めてよく分からなくなったのは、ここでカルテ番号、登録番号とありますが、この登録番号というのは、実際のレジストリの表にある施設患者IDのことなのか、山本構成員の御説明の中で、多分、登録番号にプラス付番されてレジストリに入るのではないかという。

○山本構成員 そうですね。技術的に多分、個々の研究の症例番号でレジストリはできないと思いますので、レジストリはレジストリで別の付番をするのではないかと思います。

○掛江構成員 全体もしくは個々の場所で、どういうアイデンティファイアを付けて管理していくのかというところが、そこが何となくフワッと書かれているので、少し分かりにくくなっているのかという印象を感じました。素人にどこまで説明すべきなのかというところはあるのかと思うのですが、もう少しきちんと書いていただいたほうが、誤解なく分かりやすいのではないかというコメントです。

○山本構成員 企業治験でも、結構遺伝子を集めてするものがあります。アメリカのFDAがそれを推奨してしまっているものもあります。そちらのIC文書は割と直接的に書いていることが多いですよね。その遺伝子情報をその企業が保有して、何年間保有しますとか、その後、別の研究に使うかもしれませんということを、割とはっきり書いて出されている場合が多いですよね。

 それに比べると、普通の臨床研究のICの書き方ではあると思うのですが、そういう目で見ると、確かにもう少し直截に書いていただくほうが分かりやすいのかもしれません。

○掛江構成員 結局、昨今、個人情報の定義が、大分整理されたというか拡大してきているところですが、一般の方にとって個人情報の定義は、やはり今でも住所、氏名等だと思うのです。そこにゲノム情報が当たり前のように入ってきているイメージを持っていらっしゃる方は少ないと思います。したがって、みんなが共通認識を持っているわけではない個人情報というタームを用いて説明するよりも、具体的にこういう情報を中央に出すし、こういう情報をシスメックス社に出すということを書いていただければ、一番誤解が少ないのかと感じました。

○山口座長 そのほかに何かございますか。これは、なかなか大事なポイントです。特に、こういう試みは今まで余りなかったので、ここは時間を掛けて議論してもいいと思います。要するに、この中に絶対に間違いだということはないけれど、もう少し丁寧に書いてくださいというような要望でよろしいでしょうか。

○石川構成員 先々週でしょうか、難病と小児慢性特定疾患のデータベースを国も作っていくという議論に参加しました。今まで、非常に簡単に申請するときの登録番号をストレージしているのです。そういうデータベースを、例えば小慢から難病になって突合することは、もちろん今は許されていません。そういうことが、今、新しい個人情報保護法のところで議論されています。昨年の530日以降、新しい個人情報保護法が出来てきて、それをその法律にきちんと照らし合わせるかどうか、国民のところにはまだ議論が十分にいっていないので、私たちが新しい個人情報に合わせて、研究等いろいろやっていかなければいけないのではないかと思います。

 そういう点で、これは本当にきっかけの議論になるのではないかと思いますが、遺伝子とかそういうものが出てきたとき、それから新しく企業に提供するときに、もう一回丁寧なオプトアウトみたいなことをやらなければいけないのかどうか等、そういう議論もきちんとした上でおやりになったほうが、国のやっていく研究としては、すごくいいのではないかと思っています。

 ですから、是非、企業に提供するときも、もう一回新たな、例えば、ゲノム分析情報を再利用するときにこういうことに使えますということを、患者が生きていれば、もう一回説明をするということも含めて、丁寧にやる必要があるのではないかと考えています。そこの所を、全体としてはいいのですが、検討していただきたいと思います。

○山口座長 14の上の13-4の所に、二次利用する可能性があると書いてありますね。

○石川構成員 ええ、そうですね。

○医政局研究開発振興課長 かなり具体的には書かれていて、もう少し具体的にと言われているのですが、情報の第三者提供については、13-314-4に書かれております。実際、同意説明に関しては、もともとのパネルの要件の際にこのように書いてくださいと、いわゆる第三者への提供について、この内容を書いてくださいと要件を示しておりました。更に具体的にということは、どのようなことを求めていらっしゃるのかが、今、不明でした。

○石川構成員 山本構成員が御説明になったセンターの中でどのような付番をするのか、例えば、図で分かりやすく、最初の所は医療情報とゲノム情報が患者の所であるわけです。それを、そこの医療機関では、検体を出すときにどのように付番しているのかとか、図で書くのが一番分かりやすいと思います。

 その検体が来たら分析して、エキスパートパネルにはこういう情報を流し、ストレージするときにはこのように付番で置いておき、将来、それをたどっていけば、結局、提供医療機関からここまで行けば誰の医療情報なのかということが分かるわけです。そういう形で、直接センターから二次利用したときも、御本人の個人情報は簡単には分からないようになっていますみたいなことを、きちんと図で説明するほうがいいのではないかと思います。

○山本構成員 少し違いますが、例えば、資料1-4の概要図は、パッと見てどういう情報を使うのかということが分かります。がんパネルのDNA調整をして、これは、どこが体外診断用医薬品で、どこが医療機器で、どこが医療機器のプログラムであるということを示しています。

 要は、そういう具体的な情報をどこで処理するのか、例えば、シスメックスはどの情報を持っているのか。最初に実施医療機関がすることは、恐らく、氏名を落とすだけであり、そのほかの情報は送ってしまうわけですよね。その次に、送られたのがシスメックスになるのでしょうか。がんセンターではどういう情報を持っていて、シスメックスはそのうちの何を持っていて、それをそれぞれ保管して、もし、それをレジストリに入れるとしたら、またその元のどこが、そのレジストリを持っていて、そこにどの情報を入れるのかということについて、図示されるということが一番分かりやすいということでしょうか。

○大門構成員 この件なのですが、試験実施計画書の17ページにその情報の流れの図があります。山本構成員にもご指摘がありましたように、これをかなり分かりやすくしていただくと、多分、同意説明文書に載せやすい図になるのではないかと思います。

○山口座長 この図をもう少し分かりやすく書いて加えていただければ、大分、理解が進むのではないのでしょうか。

○山本構成員 そうですね。特に、ここでは余り書いていない外部検査会社に、実際にどのような情報があるのかというところを、もう少し手厚く書いていただくと、大体分かるようになるかもしれないです。

○掛江構成員 今、山本構成員が言ってくださったとおりなのですが、個人的には、説明文書の11ページの13-1に書いていただいているように、具体的に、性別、年齢、病名とこれとこれの情報はここが持っていて、これとこれの情報はあちらがというように、直接書くのか※を付けて書いていただくのか、それはどんな形でもいいのですけれど、どの情報がどこに行くのかということが、具体的に伝われば問題ないのかと。説明文書なので伝わることが重要なのかと感じました。

○山口座長 おっしゃるとおりだと思います。検体及び解析の流れという図なのですが、検体及び個人情報の流れという名前にしてもいいですから、個人情報とはどのようなものなのか、そのうちのどういうものが、ここに知らされるのかということを分かりやすいように入れてもらうと、読むほうとしては分かりやすいですよね。

 確かに、この文章だけを読むと、内容に間違いはないのでしょうが、その内容がよく分からないうちにサラッと過ぎてしまうので、むしろ、そこの理解を深めてもらうという意味で、もう少し丁寧さがあってもいいかと思います。個人情報の流れという視点から、少しそこにスキームを加えて説明していただければ分かりやすいということでいかがでしょうか。こういう流れがけしからんということではないと思うのですが、少し丁寧さが足りないということです。

○掛江構成員 13-3の中で、シスメックス社には、この研究で収集した情報と書いてあります。その次の所に、関連するデータベースに対してゲノム情報及び診療情報を登録しますと書いてあるので、これも関連するデータベースが特定されないのであれば、それは仕方がないとしても、ゲノム情報プラス診療情報が何を指しているのかというのは、やはり少しイメージしにくいかと感じています。

 なので、これとプラスどのようなアイデンティファイアが付いて情報が行くのかということを、今、山口座長がまとめてくださったような個人情報の流れとしてまとめていただけると非常に安心かと思います。

○山口座長 資料、情報とは別個に個人情報があるので、少し分かりにくいのかもしれませんね。そのほかに何かございますか。では、ここはもう少し丁寧な説明を頂きたいということと、個人情報も、特に氏名や生年月日だけではないという話で、その辺りが流れとして分かるように、いろいろな資料の流れとともに示していただきたい。具体的に、どこにどのように個人情報が行くのかということを、分かりやすいシェーマで示してもらうと大変有り難いということでよろしいですか。

○医政局研究開発振興課長 シェーマを作っていただいて、この中に入れるのか、説明図として入れていただくのかというのは別です。

○山口座長 そうですね。

○医政局研究開発振興課長 ただ、診療情報は具体的にと書いてあるのですが、ここは正直に申し上げて、一部、これは、がんゲノムの報告書に従ってデータの登録をお願いするというところなので、更にどういう情報を入れるのかというのは、ある程度のところまでは申請者も分かるのですが、逆に言うと、要求するほうが、がんゲノムコンソーシアムなので、一定の分かるところまで書いていただくという形でよろしいでしょうか。

○真田構成員 多分、石川構成員の御発言を含めて、どういうところが懸念なのかということを拝察するに、情報を出す一人一人の患者のところが、この度、要配慮個人情報になったゲノムの情報や診療の情報としてどれだけ個人情報としての価値があり、それを使われることにどのような意味があるということを、理解しないあるいは理解が薄いまま、そこをサラッと説明した文書を読んでしまうと、個人情報保護法が改正された趣旨が活かされないまま医療が進んでしまうということに対する懸念なのかというようにも感じました。

 そこは、要配慮個人情報がどういうもので、それがどのように使われてどこまで流れるのですという説明まですれば完璧なのですが、どこまで文章や図に書き込むのかというところは、まだ試験計画ですので、その問題はあります。説明を丁寧にしないといけないというところは、そういうことなのではないかと理解しました。

○山本構成員 正直に申し上げて、私もがん領域は非専門なので、例えば、がんのコンソーシアムと言われても何のことであるのか分からないのです。ただ、医療者であっても、そのことに直接関わっている人しか分からない状況で動いているので、やはり患者は更に分からないと思います。せめて、そのデータがどこに登録されるのかということを分かってもらわないと。例えば、ここに各種データベースと書かれていて、関連するデータベースとはどこにある何なのかということが、フワッとしています。

 それから、今、特定されていないのであれば、例えば、非営利の所に置かれるようなデータベースであるとか、ある程度患者が自分のデータがどこに行くのかということが分かるような説明が、恐らく石川構成員がおっしゃっている一番の趣旨だと思います。確かに、私自身もこれを読んでいて、ややこしいと思っておりましたので、患者は更に分からないと思います。

 なので、もちろん、今、書ける範囲で書いていただくということになると思うのですが、もし書けないとしたら、将来こういう可能性があるということは書いていただく必要があるということと、今、特定できるのであれば、データベースが名前だけではなくて、それを誰が管理してどこにあるデータベースなのかということを書くのは、多分、個人情報保護法や指針でも要求されていることだと思いますので、そこまでは書いていただくほうがいいのかと思います。

○石川構成員 ずっとこういう議論をしても仕方ないのかもしれないのですが、私、先ほど難病とかということを言いました。これで、遺伝性の腫瘍やそういうものもかなり分かってくるという可能性があります。そうすると、かなり小さな町の場合、あの人はがんの手術をしたけれど、どうも悪くて亡くなってしまったと、だけど、あれは遺伝的なものだったらしいということが漏れてしまった場合には、その御一家や生きている方たちにも、大変大きな被害が出てくる。要するに、結婚の差別やそういうことも当然出てくるわけです。

 これが、これから扱う遺伝子の医療情報として、とても機微性の高い理由になるわけです。そういう点で、そういう危険性も含めて同意の所に書いておかないとまずいのではないかと思います。これは私の意見なのですが、ですから、そこはきちんとつながらないようにしますから、どうぞ研究に参加してくださいというところまで言わないといけないのではないかと思っています。是非、丁寧な書換えをしていただき、それが国民にも分かるような形でやっているということにしていただきたいと思います。

○山口座長 確かに、こういう検査は、今までの血液の検査や肝機能の検査とは違い、肝機能の検査は個人情報でも何でもないのですが、個人情報そのものが出てくるということは大きな違いだと思います。

 したがって、データの流れがどのようになっているのかということは、今までの普通の新しい検査の流れよりも、更に格段の理解を求める必要があり、我々が読んでも分かりにくいものを患者が読んで、我々が今議論していることを理解できているのかというと、なかなかこれだけでは不十分かという気がします。石川構成員の御指摘は大変ごもっともだと思いますので、ここについては、より適切な説明、スキームを加えたことをやっていただきたいということを要求したいと思いますが、いかがでしょうか。

 この件についてはここまでにして、そのほかに何かございますか。非常に大事なポイントだったと思います。

○石川構成員 これは別件なのですが、この間も藤原先生にお聞きした件です。これは先進医療Bということで自費料金が発生する。これを扱う拠点病院が昨日辺り決まったと思いますが、拠点病院同士で自費料金の部分が違うという可能性があるということを、藤原先生もおっしゃったと思います。それでいいのかどうなのかということがまず1つです。

 それと、これに20%くらいと書いてありますが、その御本人のがんの治療の分析結果に影響がある確率は20%くらいであるというようなことが書かれていたと思います。あとの80%は実際はその本人には関係なく、レジストリとして将来的な日本国民の重要なデータになっていくということなのです。そこのところは、お金を47万円前後ですが払っていただくということは、本当にそれがいいかどうかということも含めてずっと考えております。少なくとも施設間で余り差があってはいけないということと、可能であれば、これは大事な研究なので患者からお金を頂くということではなくて、本当は国庫負担みたいなことできちんとやっていただいたほうが一番いいのではないかと思います。

 将来の保険収載を頑張ってやるということにしても、200何人の方たちから浄財を頂いてということになるわけで、そういう仕組みについて、もし、未来に保険収載されるということが大いに認められるのであれば、やはり国が負担するということが一番妥当なのではないかと、ずっとこの間から考えていました。これは私の意見です。

 それと、余りにもお金が違うということは、まずいのではないかと思いますので、検討していただきたいと思います。

○山口座長 最初、国が負担すべきではないかという御意見ですが、実際、臨床の現場でも検査して、結局は手術はできませんと、では、今までやった検査は何なのですかと、それだったらこれは国が払えというのは、少し違うのではと思います。そのうちの何割かは、そこできちんと評価されて治療が受けられるということで、そこは少し同意できないのです。いかがでしょうか。本当にそれを全部国が負担すべきものなのでしょうか。

○石川構成員 これは、かなりプロオペ的な先進医療Bということになると思うのです。これは、すごく大事だと思うので、是非成功させたいです。大事だということが分かっている以上、国民の方に負担させるのではなくて、個人に負担させるのではなくて国が負担すべきだと、私は考えます。

○山口座長 あと、施設間に差があるのは、今までの先進医療でも一緒だと思うのですが、これが妥当な理由で妥当な額であればいいわけですよね。ですから、そこをチェックして、これは余りにもおかしいということがあれば、チェックするという形は可能でしょうか。

○医政局研究開発振興課専門官 はいそれは可能です。施設間の差が妥当な範囲であるべきというのは石川先生のおっしゃる通りです。これまでも確認しておりましたし、今後もそのようにさせていただきたいと思います。

○山口座長 おっしゃるとおりですね。

○山本構成員 約70万で、うち20万円は研究費が負担するということで、患者の負担を減らす努力はされているのだと思います。あとは、また4月に新年度が始まりますので、AMEDの事業でも充てていただいて、それで何とか患者負担を更に減らす努力をしていただくということくらいかと思います。

○山口座長 そういう道もありそうですよね。多分、いい研究なので通る可能性は高いのではないでしょうか。そのほかに何かございますか。

○松山構成員 シスメックス社にデータが集まるわけで、例えば、シスメックス社から費用の一部を支弁するということは、本来あるべき姿ではないかと思います。

70万円が妥当かどうなのかということは分からないけれど、そもそも、シスメックス社にデータが行かなかったとしてもこれは成り立つ事業であって、行くのであれば、それは企業を使って次の何らかの知的財産を生み出すわけですから、これは応分の負担がないというのはいかがなものか。その部分を今回議論するわけではないのですが、先進医療で今後同じようなことが出てくると思うので、企業にデータが行ったときに、彼らからどのように応分の御負担をしてもらうのかということも、実は議論すべきではないかということを問題提起させていただきます。

○山口座長 その辺り、現物を支給するというとか、そういうものであれば支援を受けることには何も問題ないわけです。別な形になると、支援を受けたということがむしろ誤解を招くこともあって、一長一短があると思います。その辺り、いかがでしょうか。

○伊藤構成員 同じ問題が重粒子線や陽子線の場合にもあるんだと思います。機械を作っている人は作っているだけで承認を得て、実際の臨床データを集積するのは先進医療でされていることと同じ構図だと思います。ですから、シスメックスが負担するのであれば、日立や三菱もしかるべく負担するようなスキームにしたほうがいいのではないかと思います。

○関原構成員 患者にとってメリットがあるなら、再発して手術ができないと、保険収載されているどの薬を使っても自己負担が発生するわけで、その中で、一番効果的なものを選べる可能性が結構あるわけですから、それは、普通の保険医療としてやるように、それなりに本人が負担してやるというのは変な話ではないと。これがちょうど効くいい薬であれば、医療費も減るので国にとっても財政的にいいし、個人にとってもいいわけですから、そういう意味で2割程度の負担があるというのは、余り変な話ではないと思います。

 しかも、2割の金額は重粒子線などと違ってずっと少額ですし、もっと後で使う抗がん剤のほうが高いですから、この症例の患者は相当深刻な人ですから、私はそれほど抵抗はないのではないかと思います。

○山本構成員 私も何割かは分かりませんけれど、100%ではありませんが、効果的な治療法を見付けることができるかもしれないという点で、関原構成員がおっしゃるように何割かの方には可能性があるということです。

 松山構成員がおっしゃった、企業からお金を取るという話です。研究段階で企業にお金を払わせるのは、なかなか難しいと思います。当然、後で利益が出てくるのであれば、その利益は還元したほうがいいと思います。今まで医療の研究について、余り経済性を重視してこなかったという、医者、国もそうですが、私自身は医療は経済の一種だと思っていますので、どこかの時点でお金を取り戻していただきたいと思いますが、開発中にお金を払えというのは、なかなか難しいかもしれないです。それは、国がんが頑張ってシスメックスといい契約をしていただいて、後日、取り戻していただけるといいかと思います。

○山口座長 そのほかに何かございますか。

○真田構成員 本当は、ここは保険局さんに手を挙げて言っていただきたかったところですが、先進医療そのものが、より有望な医療がありそこへの国民のアクセスを促進させるという趣旨に基づいている以上、国民がいいものだと認めて参加したいというものであるのかどうかについてここで審査するのであって、その価値が認められるものであれば、やはりそれなりの負担があっても国民の皆さんは、関原構成員がおっしゃったように、やってくださいと言って妥当な説明の下、来られるという趣旨なのかと思っています。

 ただ、そこは山本構成員がおっしゃったように、利益をどのように調整するのかという話は、また別途あります。そこは、保険局さんが最後に値段を決められるところで考えられるのかと私は思っておりますが、そこは個人的な意見です。趣旨からすれば、純粋な臨床研究があり治験がある上での先進医療ですから、ある程度そういう立て付けというのは仕方がないのかと思います。

○掛江構成員 同意の話に戻ってしまうのですが、同意書を拝見すると、全体としてこの研究に参加することに同意しますと書いてあって、その後に四角で囲って、新たな組織の採取、生検に同意するかしないか、たまたま見つかった遺伝性の素因を持つ疑いが出たときの情報提供を希望するかしないか、そして公的データベースへ登録する遺伝子解析データ及び臨床情報の二次的利用に同意するかしないかというのがあります。

 この同意書を拝見すると、結局、どこまでが最初の同意しますに含まれていて、この後の四角の3つはどこに対応しているのかなというのが今ひとつ分からないのです。細かく見ていくと、新たな組織の採取は6.1の2で書いていることなのかなとか、たまたま見つかったというのは16.1に書いてあることなのかなとか、公的データベースというのは13.4に書いてあることなのかなというふうには思うのですが、だとすると、先ほどの話題になったシスメックス社に対する提供に関しては、最初の研究に同意しますに含まれているのですということですよね。その辺の、何をどこまで同意した同意書なのかというのが、若干素人目には分かりにくいのではないかなと思いました。

○山口座長 説明文書の何ページの幾つを参照とかそういうことを形付けたらよろしいのですかね。

○掛江構成員 例えば13-1のところに関しては、シスメックス社への提供ですとか、関連データベースへの登録というのは、もうこの研究の中に含まれているから、個別に拒否するとかというものではないから、これも含めて承諾いただけるのであれば研究に参加してくださいというのが伝わればいいと思うのですが、どこまでがセットで、どこからがオプションとして個別の同意を聞かれているのかというところが、若干分かりにくいかなと思いました。

 あと、これは確認です。恐らく石川構成員が途中で御指摘された事項と関係するのですが、二次利用のときに、後からオプトインとかオプトアウトとかというのを確認することを想定していない、基本としては想定していないのだろうなと思いながら読んでいたのですが、結局そのことも説明文書の中では、可能性はありますみたいな書き方で止まっていて、では可能性が出てきたときにどうするのかなというのが、経験のない方には分かりにくいので、これがモデルとなり、今後の同様のプロトコルに影響するスキームになると思うので、その辺りをきちんと明確にしていただくほうがいいのかなというふうには感じました。

○山口座長 貴重な御意見をありがとうございます。ほかにございませんか。

○一色座長代理 遺伝子解析を用いて治療薬と対応させる疾患がすでに幾つかあると思うのですが、ソフトウエアとして、その解析ソフトを持っているものが入っているのです。それは今までの解析したデータを全部蓄積したものがその会社の資産になっていて、それを基に費用の請求ができるだけのデータベースを持っていると。本研究でもシスメックスが解析結果を会社のデータとして蓄積して将来に備えるという意味を含んでいるというコンセンサスは必要かなとは思っています。

○山口座長 その辺はどうなのでしょうか。

○医政局研究開発振興課専門官 今のお話ですが、最初に同意することで、ゲノム情報がシスメックスに提供されることになるということで、シスメックスに患者の遺伝情報が蓄積されるということなのかという御質問かと思うのですが、恐らくこの立て付けですと、そういった形になると思います。そこが非常に重要ということでしたら、正確に確認させていただきたいと思います。現時点ではそのように思っています。

○一色座長代理 それはやむを得ないことだろうなとは思っているのですが、それを分かった上で進めるスタディですよと理解していただくことは必要と思います。

○山口座長 ストレートにそのまま説明したほうがよろしいということですね。

○一色座長代理 そうです。

○山本構成員 仕方がないと思うのです。仕方がないと言ってしまうとあれなのですが、結局はある一か所に情報を集めて、それでプログラムの精度を高めていくようにしなければ、その恩恵を受けることもできないということなので、ある程度そこは飲み込まないと仕方がないことだと思います。これをやってみて、例えば割と早い段階で200人、300人の方がこれに入ってくるということになると、それはやはりがんの患者たちがそれを求めている、それを必要としているということではあると思いますので、そこについては、そういうものであるということを認識した上で「適」するのではないかと思います。

 ただし、先ほどから一番言われているのは、それを分かった上で入っていただくということが一番重要ということだと思います。確かに、前にこのがんの遺伝子パネルの説明文書にこういうことを書きましょうねというので、一度審議があったと思うのですが、やはりこうやって現実のものとして、具体的なものとして出てくると、やはりかなりいろいろ気になる所は改めて出てきますので、事務局には申し訳ないですが、もう少し説明を追加していただいたほうがいいのかなと思います。

○山口座長 ありがとうございます。読んでみて、個人情報がそっちに行くのだったらいやだよという人が出てくるぐらいの説明書のほうがいいと思いますがね。みんなが何となく万々歳で、こんな全てがいいよねと言うのは、かえって正直ではないような気もします。手術が100%うまくいくと言うのと一緒で、私は違うと思うのです。

○関原構成員 要するにこれは企業でやらなければ、国でどこかでまとめてやれという話で、それは中国の話になるわけで、この国でやる以上、それは企業側がやらない限りできないわけですから、早く目を付けてやった人が勝つということ、うまくいかなければ損をするということで、やはりこれはそういう意味では、リスクを取ってシスメックスもやるわけですから、今度はこれをやり過ぎだとなったら診療報酬なりでセーブするというしかないわけで、そうした以外にこれは進まないという、割と単純な話ではないかなというふうに私は思ったのです。

○山口座長 ありがとうございました。では、単純にこの辺りで、もう結論が出たようですので、ほかに特に御発言はございませんか。それでは、今のをまとめますと、整理番号84については、「条件付き適」ということかと私は思いました。やはりこれは初めての試みですし、そこは丁寧にやらなければいけないし、実際に患者さんが読んで分かって本当のことが分かるようなものにして、本当のところが分かって、そういうことを理解した上で参加いただくという形にしていただくということです。そのために、個人情報の流れとか同意書について少し先ほど言ったようなことを注文を付けて、その御回答を拝見して、皆様の同意が得られましたら「適」ということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。大変歴史的な第1例目ですので、いい議論ができたと思います。どうもありがとうございました。

 それでは柴田構成員、田代構成員、藤原構成員にお戻りいただきます。肝心なところで議論に関われず、なかなか利益相反とは難しいところですね。

(柴田構成員、田代構成員、藤原構成員着席)

○山口座長 では続きまして、試験実施計画の変更について、事務局より御説明をお願いいたします。

○医政局研究開発振興課専門官 先進医療Bの試験実施計画の変更について、今回は4件の申請がありました。1件目、31ページの資料2-1を御覧ください。富山大学附属病院からの申請で、告示番号50のハイパードライヒト乾燥羊膜を用いた外科的再建術です。本試験は再発翼状片を切除した部位にハイパードライヒト乾燥羊膜を添付し、再発を抑制する治療法の有用性及び安全性を探索的に検証することを目的とした単群試験です。予定症例数は40例で、今回の申請時点で登録は8例となっています。御審議いただく主な変更内容は、試験期間の13か月間の延長、レシピエントの負担額の変更、様式9号別紙にある内容の記載明確化です。

 本変更の経緯については32ページを御覧ください。まず、期間延長についてです。現在は協力医療機関を含めて2施設なのですが、本年6月までに11施設まで増やす予定ということで、今後の見通しが書いてありますが、全ての機関が稼働した場合には年間1521例の登録が予想されるということで、201912月に到達する見込みということです。ただ、2月に入ってから、本変更について当方事務局にこの書類を御提出いただいたのですが、この試験は施術後52週で主要評価項目を判断しますので、201912月に登録が終了しても、20203月までには結果は出ませんので、実質的には更なる期間延長が必要です。ただ申請医療機関の事情で、これから申請しようとすると、臨床研究法施行に伴い、これからは認定臨床研究審査委員会で御審議いただく必要があり、今すぐにはできない状態ということで、まずはこの13か月の延長をお認めいただきたいという御意向です。2番目は、研究費が獲得できたため、今後は先進医療に係る費用分の患者負担は0円になるということです。3番目は、様式9号の別紙に、「HD羊膜を使用して治療のみを行う施設」の基準を別途定めていましたが、こちらはもともと「分娩を扱う産婦人科は存在しなくてもよい」と明記してありました。今回更に、様式9号本体の定義の「経験年数3年以上の産婦人科医の施設基準」は必要ないということを明確にしたということです。以上です。

○山口座長 何か御意見はありませんでしょうか。最初に見たときは「何と楽観的な計画だ」と思いましたが、いろいろと事情もあるようですし、AMEDの支援を受けることが決まって、AMEDでもきちんとした試験であることは認められたような状況ですので、これは続けさせられないと可哀想な気もします。2番目、3番目については特に問題はないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。せっかくAMEDで認められたのであったら言い訳はできないので、しっかりとやってもらいたいと思いますが、よろしいでしょうか。それでは、告示番号50の変更についてはお認めすることといたします。次の計画変更についてお願いします。

○医政局研究開発振興課専門官 35ページの資料2-2です。東京医科大学病院からの申請で、告示番号55番の内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下広汎子宮全摘術です。本試験は他の開腹手術に比べて出血量が多く、また侵襲性の高い子宮頸がんの症例を対象に、ロボット支援の広汎子宮全摘術を施行し、従来の開腹手術との間で有効性と安全性を比較することを目的とした単群試験です。36ページを御覧ください。予定症例は100例で、今回の申請時点での登録は53例となっています。

 御審議いただく主な変更内容は、様式9号の当直体制についての要件変更です。具体的には産婦人科の当直体制は変わらないのですが、麻酔科の体制を、従来の在院のみから、在院又は在宅待機(オンコール)に変更するということです。変更理由ですが、最近は医師の長時間労働が問題になっており、申請医療機関としても働き方改革の実現に向けて取り組んでいるということですが、労働基準監督署からも当直勤務の制限について指導を受けてということです。特に麻酔科医に関しては、最近多くの病院が当直体制をオンコールにシフトする傾向にあるということと、また現在は本先進医療には当院を含めて8施設が参加していますが、その全53症例のうち、麻酔科の緊急対応を必要とした事実はこれまでは1件もないということです。以上の理由から、麻酔科の当直体制を在院若しくは随時来院が可能なオンコール体制とさせていただきたいということです。以上です。

○山口座長 この変更の内容に御意見はありませんでしょうか。時代を反映しているような話です。ある程度安全性が担保されていますので、常駐していなくてはいけないということはないかと現実的には思うのですが、いかがでしょうか。特に御意見がないようですので、告示番号55の変更についてはお認めすることといたします。続いて、次の試験実施計画の変更についてお願いします。

○医政局研究開発振興課専門官 39ページ、資料2-3を御覧ください。東京大学医学部附属病院からの申請で、告示番号64のゲムシタビン静脈内投与、ナブ-パクリタキセル静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法です。本試験は腹膜播種を伴う膵臓がん症例を対象としてこの併用療法を施行し、導入相試験にて安全性の確認と推奨投与量を決定した後に、探索相試験として安全性及び有効性を評価することを目的とした単群試験です。導入相試験が618例、探索相試験が35例の予定です。現在の申請時点では登録は1例です。

 御審議いただく主な変更内容は40ページを御覧ください。その他の有害事象による休薬後の再投与量についての規定の変更でして、これまでは臨床症状から医師の判断によって減量できない立て付けになっていたのですが、1段階減量あるいは減量不要のいずれかを選択可能とするということです。変更理由にあるように、より安全性を高めるために、その他の有害事象Grade2でも減量選択を可能とするためということです。ほかは記載整備です。以上です。

○山口座長 本変更内容について、何か御意見はありませんでしょうか。それでは、告示番号64の変更についてお認めするということにいたします。続いて、次の試験実施計画の変更についてお願いいたします。

○医政局研究開発振興課専門官 41ページの資料2-4を御覧ください。横浜市立市民病院からの申請で、告示番号80番のニボルマブ静脈内投与及びドセタキセル静脈内投与の併用療法です。本試験は、少なくとも1レジメンの化学療法歴のある3B期・4期・術後再発の非小細胞肺がん患者を対象として、標準治療群(A群)ニボルマブ単剤治療と、試験治療群(B群)ニボルマブとドセタキセルの併用療法の有用性を検討することを目的としたランダム化比較試験です。42ページを御覧ください。予定症例数は350例で、今回の申請時点での登録は1例です。

 御審議いただく主な変更内容は、グループ代表者の変更、体表面積算出方法の追記、症例報告書の提出時期及び対象の追記、緊急報告義務のある有害事象に関する記載の追記、無増悪生存期間の解析に関する記載の追記、説明文書と同意書の追記等です。順に内容を見ていきます。

 最初の1番目は、昨年7月付けでNPO法人胸部腫瘍臨床研究機構(TORG)グループ代表が、本試験の研究代表者である岡本先生に変更となったということで、それに伴う変更です。これについては、試験の研究代表者が資金管理団体の代表を兼ねるということで、利益相反管理はどのようにされているのかを事務局から照会させていただきました。それについて44ページを御覧ください。「利益相反管理はどのように審査されたのでしょうか」と質問したところ、「TORGの事業内容の確認や岡本医師へのヒアリングに基づき、TORGから理事長としての報酬を得ていないなどのことから、問題なしとして承認を得ております」という御回答でした。

 戻りまして、2番目から簡単に御説明します。2番目は、体表面積の算出方法が複数あるが、どれを使うか明確に記載されていなかったため追記ということです。3番目は、症例報告書の追跡データに関して、提出時期を少なくとも半年ごとと明記したということです。4番目は、入院の有無や因果関係の有無にかかわらず、全てのGrade3以上の肺炎を緊急報告の対象とすることを明記し、また登録日から30日以内の死亡という緊急報告の対象となる起点を明記ということです。5番目は、無増悪生存期間の定義として、後治療の内容がプロトコル治療中内のニボルマブ単剤のみ若しくはドセタキセル単剤の継続投与である場合には、当該後治療開始時点で打切りとはしないということを明記したということです。6番目は、それに伴い同意説明文書内の費用説明について、試験治療B群でニボルマブ単剤に切り替えた場合並びに先進医療実施が終了した場合においては、保険診療として費用負担が変更になるということを追記したということです。御説明は以上です。

○山口座長 たくさんの変更点がありますが、何かございますでしょうか。まず、1番目の研究代表者の変更に伴い、その利益相反管理についての御報告がありましたが、特にございませんか。一応確認はされているということです。234は特に問題ないかと思いますが、いかがでしょうか。5番目はいかがでしょうか。6番目は費用負担の変更ですが、いかがでしょうか。事務局に伺いますが、これは企業負担が減るということでしょうか。

○医政局研究開発振興課専門官 そうです。単群治療に切り替わったところでは、試験治療群でも保険診療に切り替わるということです。

○山口座長 よろしいでしょうか。それでは、特に御意見はないようですので、告示番号80の変更については認めるということにいたします。続いて、先進医療申請技術の受付についてお願いいたします。

○医政局研究開発振興課専門官 45ページにある資料3を御覧ください。今年の春から臨床研究法が施行されますが、施行後は先進医療として実施される試験についても、臨床研究法上の臨床研究に該当するものは臨床研究法の遵守が必要となり、そのうち特に特定臨床研究に該当するものについては法律遵守が義務となります。特定臨床研究とは、こちらにあるように、薬機法における未承認・適応外の医薬品等の臨床研究及び製薬企業等から資金提供を受けて実施される当該製薬企業等の医薬品等の臨床研究です。

 臨床研究法では、特定臨床研究を実施する者に対して、実施計画による実施の適否等について、厚生労働大臣の認定を受けた認定臨床研究審査委員会の意見を聞いた上で、厚生労働大臣に提出することを義務付けております。

 そこで対応方針の案として、試験開始が臨床研究法施行以降となる新規申請技術については、特定臨床研究に該当する場合、認定臨床研究審査委員会の審査を経なければ実施することができません。そこで、それらの技術については、認定臨床研究審査委員会の審査を経たものを部会で受け付けることとしてはどうかと御提案いたします。また同時に、現在継続審議中となっている技術の先進医療技術審査部会における審議及び先進医療技術審査部会で「適」となった後、先進医療会議へ報告される技術についても、認定臨床研究審査委員会の審査を経てから行うこととしてはどうかと御提案いたします。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○山口座長 何か御意見はないでしょうか。

○柴田構成員 実務的にはこの御提案には異論はないのですが、確認だけさせてください。今までの各医療機関の研究倫理審査委員会と違って、法に基づく委員会の判断がなされた上で出てくるわけですが、そうなるとこの部会での、例えば計画の変更とか何らかの形で意見が出てきたときに、そういうものというのは今後は少し差し控えるべきだという話になるのか、あるいは今後も今までどおり先進医療の観点から必要な指摘は議論されるべきだということなのか、念のために確認させてください。

○医政局研究開発振興課長 その御質問については、以前に山本先生からも御意見があったかと思いますが、基本的には確かに法で認定された臨床研究審査委員会の審査を受けたということにはなりますが、この先進医療技術審査部会での議論については遠慮なくやっていただいて結構かと思います。当然、ある程度質が高い審査委員会で審査されるという前提になっておりますので、かなり仕上がりがいいものになるという期待はしておりますが、そこはある程度の実績を見てからの判断であると思いますので、基本的には今後も忌憚なく御意見を頂きたいと思います。

○山本構成員 私は個人的には、認定の倫理委員会を作るのであったら部会はなくしてもいいのではないかと思っています。当面はできないと思いますが、いずれ整理していただいて、屋上屋を架すような、委員会で審査をすればするほどややこしくなるようなことにはしたくないので。

○医政局研究開発振興課長 もちろんそういう御意見はあるとは思いますけれども、基本的には法律の施行の状況を見ないといけないのではないかと思いますので、その状況を見た上で、また整理はしていきたいと思っております。

○山本構成員 もう1つあります。この案ですが、対応方針の2段落目の継続審議、部会は通ったけれども、今度先進医療に掛かるものと、まだ3月の先進医療会議があると思いますが、3月には普通に掛けるのでしょうか。そうしないと、3月のものも止めてしまうというのは前倒しすぎるのではないかという気がするのですが。

○医政局研究開発振興課専門官 今のところ、3月部会にそのように掛かる予定のものがありません。

○山口座長 ほかにございませんか。事務局としては、少し楽になるというか、面倒なところで時間を取らなくなったので、ここの議論も2時間ではなくて1時間になればいいですし、場合によっては2か月に1回になれば、皆さんにとっても幸せなことではないかと思います。ただ、少し高いレベルでちゃんと見てくれという医政局からの御指示でして、責任は重いということですので、是非よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、この案のとおりに進めていただきたいと思います。続いて、協力医療機関の追加について、事務局より御説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課専門官 47ページ、資料4-1を御覧ください。大臣告示されている8つの技術について、今回協力医療機関の追加申請がありました。49ページから61ページですが、資料4-2を御覧ください。これらは事務局において、いずれも先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件を満たしていることを確認いたしました。協力医療機関の追加として御了承いただきたく存じます。特に御意見がなければ手続を進めさせていただきます。

○山口座長 次に、先進医療Bの取下げについて事務局から御説明をお願いします。

○医政局研究開発振興課専門官 63ページの資料5-1を御覧ください。告示番号69の技術について、先進医療Bの取下げ申請がございました。取下げ理由は、使用する予定の試験薬のIL-11製剤が製造中止となり、代替薬としてICH-GMP対応のバイオシミラーの入手を模索しましたが、いろいろと検討したけれどもできなかったということで、同剤を独自にGMPレベルで製造することを試みたが自主製造段階に至らず、先進医療を開始するめどが立たないためということです。特に御意見がなければ、手続を進めさせていただきます。

○山口座長 いかがでしょうか。これは可哀想なのですが、メーカーがもう少し頑張ってくれたらいいのになという感想は持ちましたが、これは強制力はありませんし、特に御意見はありませんか。それでは、手続を進めさせていただきます。次に、協力医療機関の取下げについて、事務局から説明をお願いいたします。

○医政局研究開発振興課専門官 65ページの資料5-2を御覧ください。告示番号20の技術について、協力医療機関の取下げ申請がありました。取下げ理由は、予定症例数(372)到達により症例登録を終了したためです。なお、この都立駒込病院では登録症例は0件でした。特に御意見がなければ手続を続けさせていただきます。

○柴田構成員 事務的な手続について教えてください。過去の先進医療Bにおいては、試験全体の登録が終了してプロトコル治療も終了した後には、先進医療B自体の取下げがされて、追跡中で解析待ちであるというものは告示からは削られるというものがあったと思います。これに関して、今回の取下げの医療機関は、登録症例が0件であったということが取下げ理由に書いてあるのですが、登録されていても、もう先進医療として実施するプロトコル治療が終了している医療機関は取り下げていいということであったのではないかと思うのですが、それは駄目という整理なのですか。

○医政局研究開発振興課専門官 そうです。今までおっしゃるとおり、試験ごとに様々な例があったと認識しております。ただ、先進医療の例えば観察期間が残っている間は有害事象が発生することなどもありますでしょうし、基本的には告示を残しておいていただきたいと思っております。

○柴田構成員 今、具体的な先進医療技術名を特定できないので記憶違いだったら申し訳ないのですが、経過観察中のもの、例えばがんの領域などでは3年後に主たる解析をするとか、5年後に主たる解析をするというものは結構あるのですが、そういうもので取下げになっているものは幾つもあったように記憶しているのです。つまり、今おっしゃったように、臨床試験計画の中での観察中のものでも取り下げられているものがあったように記憶しているのですが。

○医政局研究開発振興課長 告示をいつ取り下げるかという話については、実は今まではかなりまちまちな部分がありましたので、今回臨床研究法ができて「終了」という概念で、ここからここまでは研究期間でここで終了という概念が出たときに、先進医療として告示から削除するのかというところについて整理をしようということにしていますので、その整理ができましたら御報告させていただきたいと思います。

○柴田構成員 ありがとうございました。

○真田構成員 私も、登録が終了してから試験そのものが終了するまで告示を下ろさないということは、方針の変更だと理解しています。過去に、厚労省のホームページに告示が載っているものは基本的に患者さんがエントリーが可能なものであって、そのエントリーが終わって保険外併用療養が終了した際には告示を下げなさいという議論があったという記憶があります。

 ですから、そういう議論を踏まえて、試験の登録が終了されたけれども試験体としては残っているというものを告示として残すのであれば、それに患者がエントリー可能なのか、あるいは終了しているのかということを明示していただくことは、国民の方への説明性においては必要なのではないかと思いますので、その辺の御配慮をお願いできたらと思います。

○山本構成員 臨床研究法ができて、そちらの認定倫理委員会には必ず掛けないといけませんので、逆に言うとこちらに有害事象がこなくても、そちらには絶対に行くという法律的な裏付けができたということですから、こちらはそれは余り気にせずに、真田先生がおっしゃるように、実質それ以上は先進医療Bが行われない状況になれば取り下げていただくほうが整理として分かりやすいですし、患者が入っていなくて実質は動いていないのに報告義務だけが残っているというのは、実施医療機関にとっては本当に面倒なことなので、法律が増えて面倒さが増えていますから、結局臨床研究法を作ることで臨床研究をやりにくくはしているのです。ですので、少しでも楽にしてあげられる所については楽にしてあげたいのではないかと、私などはそう思いますが。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 誤解があるといけないので確認させていただきたいのですが、細かいことについては臨床研究法の施行規則等が出たときに明確になるわけですが、今回の臨床研究法の施行に際しては、御指摘いただいた2つの点を明らかにしようとしています。

1つ目は、対患者の観点からすると、その研究に参加できるのかできないのかといったところについては明らかにしていこうと。つまり、進捗状況で、御自身の治療の選択肢として、当該臨床研究を選択し得るのかというものについては、できるだけ早いタイミングでデータを更新しながら患者に提供していこうという方針で、整備を進めているところです。したがって、2階建てである臨床研究法に基づく研究がこちらにくるものについても、同様の枠組みに入ってきますので、今まではそういうような拘束力を持ったデータ管理というのはできなかったわけですが、今後については臨床研究法がうまく動くようになれば、少なくとも患者から見たときの研究の状況は分かるような状況が具現化できるのではないかと思っています。

 もう1つは、研究についての終わり方です。そこについては、まずはその患者が入っているか入っていないか、あるいはその投与が終わった後にデータがどうなっているか。研究と言うからには、最後に締めくくりがありまして、その研究を総括したものはどうなるかと。これは評価療養もそうですが、そうではないものについてもやりっ放しというわけにはいきませんので、少なくとも貴重な資材なり多くの提供を頂いて参加していただいているわけですから、その結果がどうなるまでかを見届けて研究を締めくくるということについても、臨床研究法の施行に当たっては注意深く制度設計しているところですので、少なくとも研究法については最後の終わりまでを見て研究の終了と。義務や権利関係もそこで終結するような形の整備を進めているところです。

 ここの先進医療技術審査部会についても、そういったある程度連動した形での報告なども考えたほうがいいのかもしれないということもありますので、課長から申し上げたとおり、この臨床研究法の施行と合わせて、その取扱いについてももう一度整理をしていきたいと思っております。

○真田構成員 そうしますと、例えば長い観察期間などが設けられているような先進医療の登録がやっと終わって、これから3年、5年観察しないといけないという場合に、試験が終わっていませんから、1年以内に新しい臨床研究法に乗ったシステムに変わらないといけないというわけです。そうなると、一旦古いルールで告示削除ということで掲載されなくなった研究が、その趣旨に則ると、ホームページの上に蘇ってくるということなのでしょうか。

○医政局研究開発振興課治験推進室長 無理にそのような強引なことをやろうと思っているのではないです。今後、前向きにどのように整理していくかという観点で、今分かることをお話しただけなので、現在やっている運用を大きく変えて現場で混乱を惹起したいというわけではなくて、前向きにどのような整理をされていくかということについては2つの観点で整理が可能だろうということです。

1つ目は患者目線のときに、御自身が入れるかどうかという情報は、より明確に情報発信を一元的にできるようになるので、そういうところでのconfusionはないだろうと。もう1つ、研究の終わりがいつなのかということについても、臨床研究法施行に当たっては明確にした上で、今後そういったもののばらつきがなくなる方向になっていくのではないかと。このような観点で整理していきたいということを申し上げただけでございます。

○柴田構成員 私は山本先生が御指摘されたところも重要だと思っています。今回、今おっしゃったように、患者にとって何が必要かという観点で臨床研究法のほうで整理されている方向性は進めていただく必要があると思いますが、その上に先進医療として実施している場合に事務的な手続というのは発生するわけで、もし取下げがされていないと、毎年各保険医療機関から地方厚生局への書類を出さないといけないのです。それが多施設共同試験などの場合には、患者はもう保険診療はやっていないのだけれども、これが開いている限り、1例でも登録して経過観察をしている人がいたらずっと出し続けないといけなくなるということが生じます。

 晩期毒性が出たという話に関しては、きちんと管理しないといけないと思いますので、それが管理されることは患者にとって大事なことなので、それは必要だと思うのですが、一方で、既に先進医療を実施していない医療機関が毎年地方厚生局にそれを出し続けるというのは、誰のための仕組みなのか分からなくなるところがあるので、患者に対するリスクが及ばない事務手続のところに関しては少し御配慮いただければと思います。

 また、先進医療については、取り下げても最終的な総括報告書をこの場に出すようにというルールはきちんとされているので、途中で晩期毒性のところだけを管理されれば何とかなる部分があるのではないかと思いますので、是非御考慮いただければと思います。

○山本構成員 やはりマンパワーは有限ですので、書類手続を増やせば増やすほど、患者への安全性の配慮が減る可能性もあるわけです。マンパワーが有限であるということと、何が一番大事なのかということと、そこに直接関連しない書類手続を二重にするということを、できるだけ避けていただきたいということです。

○山口座長 私は、1例も登録のない所は登録期間が終わったら取り下げるものかと思っていましたが、こういう願いが出てくるのは、今までは登録の人がゼロのまま、ずっと観察期間も報告書を出していた施設があるのでしょうか。私は、自動的にそれは退去かと思っていたのですが、むしろこういう願いが出てくるのが変だと思ったのです。

○柴田構成員 私が把握している限りでは、試験が登録終了した時点、正確には保険外併用療養費制度の下で診療をやっている期間が終わった段階で、告示自体が取り下げられていて、その1つの臨床研究の告示が取り下げられた段階で協力医療機関も自動的に全部下りることになるので、こういう申請が出てこなかったというのが過去の経緯だと思います。

○山口座長 ほかにございませんか。今日は大変貴重な御意見を頂きましたので、是非その辺りをまたディスカッションして、そちらでまた決めていただきたいと思います。次に、総括報告書提出状況一覧についてお願いします。

○医政局研究開発振興課専門官 67ページの資料6を御覧ください。これまで告示が削除された先進医療B試験の総括報告書の提出状況の一覧表です。68ページの一番左側の告示番号43の上に点線があります。その右のほうの適用日で見ていただきまして、平成24111日以降、その点線より下の試験が総括報告書の提出が義務付けられた試験です。このような提出状況となっております。本資料は、来年1月の部会で、先進医療の実績報告を行う際にも更新版を御報告させていただきたいと思います。以上です。

○山口座長 何か御質問はございませんか。43番以降は大体出てきているものと、出てきていないのはまだ時間が新しいものなどです。41番以前のものは結構出ていなくて驚くのですが、このまま報告書も出さずにやめてしまっていいのかなとも思いますが、これは強制力はないということのようです。

○松山構成員 告示削除日から何日以内、例えば3か月以内に出すとか6か月以内に出すという規定というのはあるのですか。

○医政局研究開発振興課専門官 そのような期間の設定はしておりませんが、試験終了後は速やかに提出くださいという書きぶりになっております。

○松山構成員 平成27年のものが出されていないというのは、いかがなものかというところもあります。特に、中核病院でこれをされるのはさすがにどうかなと思います。

○山口座長 強制力がなければ、せめて出せない理由を述べてくださいとか、先進医療の評価のときに、過去の報告書の提出の有無は一緒に評価されるとか、何か働きかけをかけないと出さないのではないでしょうか。

○医政局研究開発振興課専門官 実際にこの技術がどうだったのかは記憶していないのですが、出されていないものの中には、まだ経過観察中のために出せないというものと、松山先生が御指摘のように出せるはずなのに出せないというものが混ざっているので、これだけでそれは判断できないので、そこは確認する必要があると思います。

○松山構成員 来年度以降に出されるときに、「告示削除日」の隣に「経過観察終了日」というのも入れていただけると、罪がないのに「罪がある」と言われることはなくなると思います。

○山口座長 そこを区別できるようにお願いいたします。

○医政局研究開発振興課専門官 そのようにさせていただきます。御指摘ありがとうございます。

○掛江構成員 瑣末なことなのですが、点線より下の義務付けられてからの所は「無」ではなくて未提出なだけなので、「未」にしていただいたほうが気持ちがいいと思います。

○医政局研究開発振興課専門官 承知いたしました。

○山口座長 ほかにございませんか。是非、これはしっかりと次もやっていただきたいと思います。来年度の開催予定表について、事務局から説明をお願いいたします。

○医政局研究開発振興課専門官 71ページ、資料7を御覧ください。来年度、平成30年度の先進医療技術審査部会の開催予定は、この表のとおりとさせていただきたいと思います。ほとんどが木曜日ですが、4月だけ20日の金曜日になっておりますので御注意ください。来年度も引き続き、何卒よろしくお願いいたします。以上です。

○山口座長 よろしいでしょうか。本日の議題は以上ですが、藤原先生から何かコメントはありますか。

○藤原構成員 結構です。

○山口座長 特にないようですので、次回の日程を事務局からお願いいたします。

○医政局研究開発振興課専門官 次回の開催については、315()16:0018:00までの予定とさせていただいております。場所については別途御連絡させていただきます。また、本日の議事録については作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後に公開させていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。

○山口座長 終了いたします。今日はありがとうございました。

 

 


(了)

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