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2019年5月17日 第7回障害者総合支援法対象疾病検討会議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

令和元年5月17日(金)15:00~17:00

 

○場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

○出席者

   中村耕三座長、飯野ゆき子構成員、大澤真木子構成員、寺島彰構成員、樋田美智子構成員、直江知樹構成員、中島八十一構成員、平家俊男構成員、水澤英洋構成員、宮坂信之構成員

○議題

(1)障害者総合支援法の対象とする疾病の検討

(2)その他

○議事

○伊藤課長補佐
定刻になりましたので、ただいまから第7回障害者総合支援法対象疾病検討会を開催いたします。皆様方には、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。私は、障害保健福祉部企画課課長補佐の伊藤でございます。よろしくお願いいたします。
前回の検討会から構成員に変更がありました。室山構成員に代わり、新たに樋田構成員に御就任いただきました。どうぞよろしくお願いいたします。本日の出席状況について御報告申し上げます。錦織構成員、千葉構成員、平野構成員、和田構成員におかれましては御欠席と伺っています。
引き続き事務局を御紹介いたします。障害保健福祉部長の橋本です。障害保健福祉部企画課長補佐の吉元です。なお、企画課長の内山は所用により途中から出席予定となっております。カメラの撮影はここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。傍聴される皆様方におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。
ここからは中村座長に議事をお願いいたします。
 

○中村座長
中村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、第7回障害者総合支援法対象疾病検討会を開始いたします。まずは資料の確認をお願いいたします。
 
○伊藤課長補佐
本日の資料を確認させていただきます。議事次第、資料1「障害者総合支援法対象疾病検討会開催要綱」、資料2「第7回障害者総合支援法対象疾病検討会検討事項」、資料3「見直し後の障害者総合支援法対象疾病一覧(案)」、参考資料1「障害者総合支援法の対象疾病の要件」(第2回障害者総合支援法対象疾病検討会資料の一部改編)、参考資料2「指定難病に係る検討結果について(平成31年度第1回疾病対策部会資料より抜粋)」、参考資料3-1から参考資料3-4は疾病別個票、参考資料4「第28回・第29回・第30回指定難病検討会議事要旨」、参考資料5「指定難病の要件を満たしていないと判断することが妥当とされた疾病一覧」。以上です。
不足がございましたら、事務局にお知らせください。なお、本検討会は公開のため、資料、議事録は厚生労働省のホームページに掲載されますので、あらかじめ御了承くださいますようお願いいたします。
 
○中村座長
では、本日の議事の進め方、議事内容について事務局から御説明をお願いいたします。
 
○伊藤課長補佐
本日の議事ですが、議事1として「障害者総合支援法の対象とする疾病の検討」をお願いいたします。まずは参考資料1に沿って、障害者総合支援法の対象疾病の要件について確認させていただき、その後に資料2に沿って具体的な検討を進めていきます。まず、新たに障害者総合支援法の対象となる疾病について、参考資料2及び参考資料3-1を参照しながら御説明させていただいた後、御議論いただきます。
続いて、現在、障害者総合支援法の対象疾病のうち、取扱いの検討が必要な疾病について、参考資料2、参考資料3-2から参考資料3-4、参考資料4及び参考資料5を参照しながら御説明させていただいた後、御議論いただくという流れで進めていきたいと存じます。以上です。
 
○中村座長
それでは、対象疾病の要件と新たに障害者総合支援法の対象となる疾病について御説明をお願いします。
 
○伊藤課長補佐
まずは、参考資料1を御参照ください。こちらの障害者総合支援法の対象の要件について御説明させていただきます。次のページですが、障害者総合支援法における対象疾病の検討の進め方として、今回行われている障害者総合支援法対象疾病検討会において、指定難病の基準を踏まえつつ、福祉的見地より障害者総合支援法の対象となる難病等の要件を検討するものとなっております。指定難病の検討の範囲等に係る検討を踏まえて、かつ障害福祉サービスの対象としての支援の観点等を考慮して検討していただくものとなっております。具体的には、指定難病の検討対象となっている疾病のほか、小児慢性特定疾病及び現行の障害福祉サービス対象疾病が検討対象となっております。本検討会の検討の結果を社会保障審議会障害者部会に報告させていただいております。その後、障害者総合支援法施行令第1条に基づき、厚生労働大臣が定める特殊の疾病を改正しております。次のページを御覧ください。障害者総合支援法における難病の定義です。「治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって、政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者」と定義されております。対象疾病の要件については、指定難病の要件を下の表に示していますが、これらのうち、発病の機構が明らかでない、患者数が人口の0.1%程度に達しない、この2つの要件については障害者総合支援法における取扱いとしては、要件に含めていないこととしています。そのほかの3つの要件、治療法が確立していない、長期の療養を必要とする、診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっていること、この3つの要件を満たしたものを障害者総合支援法における対象疾病としております。
続きまして、資料2を御覧ください。検討事項について説明いたします。まず検討の概要です。平成31年4月4日に開催された厚生科学審議会疾病対策部会における指定難病検討委員会の検討の結果の報告等を踏まえて、こちらの障害者総合支援法の対象となる疾病について検討を行うものとなっております。今回の検討課題は大きく2つございます。1つ目が、新たに障害者総合支援法の対象とする疾病となるものについて、2つ目が、現在障害者総合支援法の対象となっている疾病のうち取扱いの検討が必要な疾病について、この2つについて検討を行うこととしております。次のページを御覧ください。新たに障害者総合支援法の対象とする疾病についてです。まず、その中での1つ目で、指定難病として指定された疾病です。先ほどの厚生科学審議会疾病対策部会において膠様滴状角膜ジストロフィー、ハッチンソン・ギルフォード症候群の2つが、指定難病の要件を満たすとされました。この2つの疾病に関しては、新たに障害者総合支援法の対象とするものとしたいと考えております。続いて、3ページ目を御覧ください。指定難病の要件を満たすことが明らかでないとされた疾病、こちらは参考資料3-1も併せて御覧ください。現時点で指定難病の要件を満たすことが明らかでないとされた疾病のうち、フォンタン術後症候群に関しては、「発病の機構が明らかでない」の要件を満たすことが明らかでないとされた疾病とされていますので、こちらに関しても障害者総合支援法の対象疾病の要件は満たすため、新たに障害者総合支援法の対象とするものとしたいと考えています。以上です。
 
○中村座長
ただいま御説明にありましたが、厚生科学審議会疾病対策部会において、今年度実施分として新たに指定難病として追加される2疾病については、障害者総合支援法の要件についても全て満たしているということです。そして、またもう1つの指定難病の要件を満たすことが明らかでないとされた疾患ですが、フォンタン術後症候群に関しては指定難病の要件は満たしませんが、障害者総合支援法の要件は満たしているということです。これらの疾病については、障害者総合支援法の対象とするということとして問題ないと思われますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 
  (異議なし)
 
○中村座長
では、これらの3疾病につきましては障害者総合支援法の対象とすることとさせていただきます。次に、現在障害者総合支援法の対象となっている疾病のうち、取扱いの検討が必要な疾病について、事務局から説明をお願いいたします。
 

○伊藤課長補佐
資料2の4ページを御覧ください。現在の対象疾病のうち取扱いの検討が必要な疾病について、まず1つ目の強皮症について説明いたします。こちらは制度開始当初の障害者総合支援法の130疾病のうちの1疾病となっております。指定難病においては、全身性強皮症として指定されております。「強皮症」と言うときには主に全身性強皮症を指すことが一般的となっており、限局性強皮症に関しては「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないとの判断のため、指定難病とはされておりません。限局性強皮症に関しては、参考資料3-2も併せて御覧ください。この強皮症において指定難病の状況を踏まえて、強皮症の名称を「全身性強皮症」に変更し、対象を明確化してはどうかと考えております。続きまして、5ページを御覧ください。正常圧水頭症について説明いたします。こちらも同様に、制度開始当初の障害者総合支援法の130疾病のうちの1疾病となっております。指定難病の検討委員会では特発性正常圧水頭症として検討され、平成29年12月に開催された第24回指定難病の検討委員会等において、「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと判断されております。また、平成30年2月に開催された第6回障害者総合支援法対象疾病検討会においても、正常圧水頭症による障害福祉サービスの利用状況等も踏まえつつ、今後の取扱いについては検討するということになっておりました。これらを踏まえて、指定難病の検討状況を踏まえて、障害者総合支援法においても「長期の療養を必要とする」との要件を満たしていないと認められるため、対象外としてはどうかと考えております。続いて、6ページを御覧ください。3つ目の短腸症候群について説明いたします。平成27年7月1日から障害者総合支援法の対象として追加された疾病です。なお、平成27年3月に開催された第10回指定難病検討委員会において、「発病の機構が明らかでない」との要件を満たすことが明らかでないと判断され、指定難病には指定されておりません。ここ数年は短腸症として指定難病を検討する俎上に上がっているのですが、「発病の機構が明らかでない」、「診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」の2つの要件を満たしていないと判断されているものとなっています。短腸症は短腸症候群のうちの一部とされていますが、障害者総合支援法における短腸症候群の取扱いについての検討材料は現段階では十分でないと考えております。これらを踏まえて、引き続き障害者総合支援法の対象とし、今後の取扱いについては専門家の意見等を踏まえて検討することとしてはどうかと考えております。続いて、7ページを御覧ください。今回の議論を踏まえ事務局案として考えた障害者総合支援法の対象疾病の見直し案となります。まず1つ目です。新たに障害者総合支援法の対象とする疾病は、先ほど御了解いただきました膠様滴状角膜ジストロフィー、ハッチンソン・ギルフォード症候群、フォンタン術後症候群の3つの疾病を新たに障害者総合支援法の対象としたいと考えております。2つ目です。対象を明確化する疾病としましては、変更前の「強皮症」という病名を「全身性強皮症」という名称に、疾病の名称を明確化してはどうかと考えております。3つ目です。障害者総合支援法の対象外とする疾病としては、正常圧水頭症を考えております。強皮症及び正常圧水頭症のいずれにおいても、経過措置を設け、現在、障害福祉サービス等の対象となっている方は継続利用を可能としたいというように考えています。以上です。
 

○中村座長
今、7ページを開いていただいていると思いますが、(1)の3つについては、先ほど議論したところです。下の2つについて、強皮症については指定難病の状況を踏まえ、全身性強皮症と名称を変更し、対象を明確化してはどうかという点です。正常圧水頭症については、長期の療養を必要とするとの要件を満たしていないとされたため、障害者総合支援法の対象から外してはどうかという点です。短腸症候群については、引き続き障害者総合支援法の対象とすることとして、今後検討していってはどうか。名称も短腸症と短腸症候群と違っているという点です。それでは、ここでは強皮症からご議論いただきたいと思いますが、強皮症を「全身性強皮症」と向こうの基準に合わせるということです。そこで、この限局性強皮症をどうするかという問題が生じるということですが、御意見を頂けたら有り難いと思います。
 
○宮坂構成員
私の分野の疾患ですが、もともと我々が言っている強皮症というのは、英語ではSystemic Sclerosisと言っていて、それに対して限局性の強皮症というのはmorpheaと別に呼んでいるのですが、そちらは全く生命予後にはほとんど影響しないです。それに対して全身性強皮症は様々な理由で、やはり肺線維症をはじめとして患者が重症になりますから、全く違う疾患と考えていいと思いますので、この結論でいいと思います。
 
○中村座長
ほかに御意見はございますでしょうか。
 
○寺島構成員
限局性強皮症の方は、現状では強皮症に含まれていないと見ていいのでしょうか。もともと130疾病ができたときに、強皮症は全身性強皮症を指していたと思うのですが。
 
○宮坂構成員
本当はそうなのでしょうが、でもその中に限局性の強皮症が紛れ込んでいる可能性があると思いますし、まぎらわしい名前は使わないほうがいいので、この際、全身性強皮症に改めたほうが定義が明確になっていいと思います。
 
○中村座長
よろしいでしょうか。意味は定義が明確になるということと、局所性について、生命的な予後については影響が少ないという専門家の御判断ということです。ただ、既に経過措置というのは設けなくてはいけないというのが事務局案だと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 
(異議なし)
 
○中村座長
では、そのようにさせていただきたいと思います。次に、正常圧水頭症については、「長期の療養を必要とする」との要件を満たさないということのために、障害者総合支援法の対象から外してはどうかという事務局案ですが、いかがでしょうか。
 
○水澤構成員
指定難病のほうで検討しまして、ここに書いてあるように、長期の療養ということと、患者数が一定に達しないということを満たさないとされました。数がかなり多いということと、長期の療養に関しては、治療法としてシャント手術というのがありまして、ある意味では定義としてもそれをやって効果があるものが、特発性の正常圧水頭症だという部分もありますので治療的効果は相当あるような状況になっています。それで効果がなかったものは、例えばアルツハイマー病とか、ほかの疾患の鑑別が非常に難しい状況になってきていると思われますので、指定難病検討委員会のほうでは指定難病に認定するのは適切でないと判断されました。したがいまして、障害者総合支援法の要件としても、これらが関係してくるのではないかと思います。
 
○中村座長
ほかに構成員から、御意見や御質問等はございませんでしょうか。
 
○宮坂構成員
この図には正常圧水頭症による障害福祉サービス等の利用者は14名と書いてありますが、この人数が少なければどうなるのかと言うと、一概には言えないと思うのです。では、何件あればいいと言えるのかということもありますし、意外と周知徹底がされていないこともあって、もっと入ると思われていた疾患が数がうんと少ないものもあると思うのですが、ここには130の疾患が実数で並べられていないから分からないのですが、この14だからうんぬんということは言えないのではないですか。
 
○中村座長
事務局、この14名の意味についていかがでしょうか。
 
○伊藤課長補佐
こちらの14名に関しては、一部ではありますが、どのようなサービスを実際に使っているのかということを一部の自治体に調査させていただきました。その中で見ると、支給決定を受けているのは利用実績がない方であったり、重度肢体不自由者とのことで、日常生活用具のサービスを受けている方、例えばグループホームのサービスなどを受けている方がいらっしゃいました。こちらの14名という数字に関しては、前回の検討会のときに大体の数字を把握して検討することとしてはどうかということで、今回調査したものとなっていますので、この数字が少ないから指定難病の検討から外すかどうかというものではないと考えています。
 
○中村座長
実際として経過措置なりを講じたときにどのぐらいの影響があるかという。
 
○伊藤課長補佐
こちらの疾患に関しても経過措置を設けて、現在サービスを受けている方に関しては、そのままサービスの対象とすることとしたいと考えております。
 

○水澤構成員
私も、今のお答えで安心しましたが、指定難病と一致しています。指定難病のほうは、御存じのように非常にまれで、日本に2家系しかなくて、患者の登録は数名という疾患が、今回の数が増えたことによってたくさん入ってきていますので、14名より少ない疾患はかなりあると思います。患者数が認定要件ではないというのは大変よろしいと思います。
 
○中村座長
ほかにいかがでしょうか。
 
○中島構成員
正常圧水頭症は14名ということですが、実態は分かりませんが、肢体不自由等の障害者手帳を通じて障害者の福祉サービスを利用されている可能性があると思います。したがいまして、これまでにサービスを利用されている方々もしくはこれから利用されようとなさる方々は、今回の議論の対象である指定難病としての認定があってもなくても、福祉サービスが利用できます。そこで、今回これを対象外とするということで、サービスの打切りまたは利用不能にはつながらないものと理解しております。
 
○中村座長
ほかにございませんでしょうか。それでは、この正常圧水頭症については障害者総合支援法の対象から外すという方向で意見がまとまったと思います。よろしいでしょうか。
 
(異議なし)
 
○中村座長
ありがとうございました。次の短腸症候群については資料が不足しているということですが、これはどういう議論がなされているでしょうか。短腸症と短腸症候群というのはどのような切分けになっているのか、どなたか御存じの方はいらっしゃいますか。
 
○伊藤課長補佐
事務局で調べた限りでは、短腸症は短腸症候群の一部ということで議論されていると聞いております。参考資料3-4を御覧ください。こちらは指定難病の検討会のときに使用している疾病の個票となっています。まず、概要の所にあるように、短腸症は小腸の先天的欠損あるいは大量切除に伴う吸収不良の状態と定義されております。短腸症候群の中の一部の疾患であるというような位置付けとなっていると聞いております。
 
○中村座長
この説明だと、短腸症の中に「syndrome」という名前は入っているのですか。この説明ですが、概要の1番の1行目が、「短腸症(Short Bowel Syndrome)」になっているので。
 
○水澤構成員
指定難病のほうの検討は、今お話があったように短腸症として検討しました。お話があったように、何人か委員がおられるのでコメントを頂きたいと思うのですが、1つ大きな問題になっていたのは今もお話がありましたが、これも術後の状況との区別が付かないということでした。実際に手術が必要になることが多くて、そういう二次性と申しましょうか、術後に続発性で出てくるものとの区別がなかなか付きにくいようです。フォンタンと似ているところもあるのですが、そういう意味で発病の機構や客観的な診断基準の所にかかってくるということは、指定難病の所では議論がありました。
 
○中村座長
それは、症候群と短腸症というのが問題にはなっていなかったということですね。分かりました。症候群とすると、先天性とか、幾つかの言葉が要るのだと思うのです。1つの疾患をいろいろな状況で切り分けて、そのごく一部の部分だけを取り出してきて、それを認定してほしいといった感じの申請もあるのですが、それをやり出すと際限がなく広がってしまうということで、余りそういうことは指定難病ではしないほうがいいということになっていまして、症候群としては捉えなかったと思います。もし記憶があれば、委員の方は。
 
○宮坂構成員
乾癬性関節炎を入れるか入れないかというのも、今のような議論でしたよね。
 
○水澤構成員
短腸症については、入れるかどうかは、余り大きな議論ではなかったかもしれないです。ただ、なかなか難しい問題なので、今後専門家の意見を踏まえて検討するというのは、私はいい判断ではないかと思います。
 
○中村座長
ほかの構成員の先生方はいかがでしょうか。
 
○大澤構成員
参考資料3-4の195ページの4「治療法」の下のほうでは、「小児期発症例においても長期にわたる医療支援を要するため成人期以降医療が必要」となっていることと、5「予後」の下のほうに、「症例の51%が年1回以上の敗血症などの重症感染症を併発している」となっております。現段階では短腸症候群については引き続き障害者総合支援法の対象疾病とするかどうかについては検討するという御意見だと思いますが、是非引き続き検討していただいて、もう少し客観的な判定ができるようになったら、これも難病ということではなくても障害者総合支援法の対象疾病として認めていただいたほうが良いと考えます。
 
○中村座長
予後を見ると、栄養がいかないので、経静脈栄養に移行していて、敗血症を起こしていると。それでは、これは検討していただくということにしたいと思います。ほかに御意見、コメント等がありましたらお願いしたいと思います。
 
○水澤構成員
関係するのですが、今の御議論は、例えば長期の療養を必要とする、要件でいうとそこに当てはまるわけです。これはクリアされているので○になっています。それは問題ないのですが、少し申し上げたように、術後の方だった場合、二次的にそういう状態になった、何か手術が必要な状況があって、腸を大量に切除して、その後に短腸症を起こすという病態の場合が問題になります。その方々をどうやって認定するかということが、先ほど少し申し上げたフォンタンで、あれはもう病名に「術後」と入っているのですが、なかなか難しい状況があるわけです。二次性でしかも手術が原因である場合です。そこでちょっとお聞きしたいのですが、障害者福祉の観点でいくと、手術によってなったようなものとかは全然問題ないということでよろしいのでしょうか。
 
○宮坂構成員
そのようなことを言い出すと、白血病の術後は皆が難治性病態になってしまいますよね。
 
○水澤構成員
なかなか簡単ではないと思いますよね。これまで、どのようにそれを検討されていたのでしょうか。
 
○中村座長
ちょっと驚いたのですが、フォンタンのように「術後」となっているのはほかにあるのですか。
 
○水澤構成員
指定難病では少し問題だということで議論になりました。
 
○直江構成員
でも、術後の場合は発症の機構が明らかではないというところで引っ掛かるわけですよね。指定難病は。ただ、今回の障害者総合支援は、術後でも別に構わないということなのです。ただ、引っかかっているのは、術後もあれば、先天性もあれば、いろいろなものが混ぜこぜになっていて、客観的な診断基準が定まっていない。というところで、ペケになっているということなので、先ほどの疾患の整理の所でもう少し客観的に、ここまでをこういう指定難病にするというようなものが出てくれば、指定難病にはならなくても障害者総合支援のほうにはなるという道は開かれるのではないかと思うのですが。
 
○水澤構成員
指定難病ではなくて障害者のほうは広く言うと原因を問わないわけです。ですから、原因が何であってもいいということになるのですが、短腸症の場合には先生もおっしゃったように、実際上、それを区別するのは難しいと専門家の方がおっしゃっています。
 
○直江構成員
その場合に議論をする所が、指定難病のほうは自分たちの範囲ではないということになって、そうするとそこの客観的な診断基準が定まっていないという、この障害者総合支援の認定のための条件を議論するのはここでしかないということですかね。
 
○水澤構成員
そうです。だから、正に議論した意義はあるということです。
 
○宮坂構成員
指定難病の場合には、ほかの施策でカバーされていないものを取り上げると。だから、がんとか精神疾患は上げないということでしたが、こちらはどうなっているのですか。こちらはその縛りはないわけですよね。その縛りはなくて、それで障害があるからうんぬんと言うと、本当に広く考えると、例えば白血病の化学療法後も入ってしまうのかなと思わないでもないのですが、そこは明確にしておいたほうがいいかなと思うのですが。
 
○直江構成員
そしたら、臓器障害のほうで入ると思います。
 
○宮坂構成員
呼吸器障害を起こすとか。
 
○直江構成員
あれで造血器というのがありますし、免疫もありますので、そこの部分で入るのではないでしょうか。
 
○伊藤課長補佐
参考資料1の3ページ目を御覧ください。表の中の「障害者総合支援法における取扱い」の1.発病の機構が明らかでないという所に関しましては、障害者総合支援法においては要件としないのですが、「他の施策体系が樹立している疾病は障害者総合支援法の対象疾病からも除く」とされておりますので、ここに関しては対象としないものとしております。
 
○中村座長 今のでよろしいでしょうか。
 
○宮坂構成員 はい。
 
○中島構成員 先ほどの議論と同じになりますが、小腸機能障害に関しては内部障害として旧来から身体障害者手帳の対象になっておりますので、今、仮にここで検討課題として残すとしても、実際にそれで生活に困難を感じておられる方が福祉サービスの利用ができないということではないと思います。
 
○中村座長 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、強皮症、正常圧水頭症、短腸症候群については、事務局案のとおりに進めさせていただきたいと思います。
 
 (異議なし)
 
○中村座長
ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。最後に資料3の説明をお願いいたします。
 
○伊藤課長補佐
資料3について説明いたします。障害者総合支援法対象疾病の一覧を記したものです。今回御議論いただいた中で、新たに対象となる疾病が3疾病あります。1ページ目の膠様滴状角膜ジストロフィー、3ページ目にあるハッチンソン・ギルフォード症候群、フォンタン術後症候群。いずれも黄色のマーカーで示している所ですが、こちらが新たに対象となる疾病です。2ページ目の全身性強皮症に関しては、表記が明確化されたものとして、「強皮症」という表記から「全身性強皮症」という形で、表記を変更したいと考えております。これらを踏まえて、障害者総合支援法対象疾病が361疾病ということで、事務局案として出したいと思います。以上です。
 
○中村座長
お話がありましたように、現在361疾病が障害者総合支援法の対象となるということです。それでは、議論全体を通じて御意見、御質問あるいは今後の進め方につきまして、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。本検討委員会の検討の結果、資料3に記載の361疾病が障害者総合支援法の対象ということになったわけです。それでは、最後に今後の予定について、事務局から御説明をお願いいたします。
 
○伊藤課長補佐
まず今後の予定ですが、6月24日に開催予定の第94回社会保障審議会障害者部会で検討結果を報告したいと考えています。それと並行しまして、パブリックコメントを経て告示を改正し、本年7月からの施行を目指して準備を進めたいと思います。また、指定難病検討委員会での検討状況を踏まえ、今後新たに検討データがそろった疾病について、障害者総合支援法対象疾病検討会において検討していく予定です。事務局からは以上です。
 
○中村座長
今御説明にありましたように、障害者総合支援法の対象疾病検討会はこれで終わるということではなくて、今後の指定難病検討委員会の検討状況により、障害福祉サービスの対象となる疾病の検討も随時行っていくことになるということです。ひとまず令和元年度7月からの実施分の検討は、本日で終了ということにさせていただきたいと思います。本日は円滑な検討会運営に御協力いただきまして、誠にありがとうございます。
 
○伊藤課長補佐
本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。

 

(了)
<照会先>

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課人材育成・障害認定係

  TEL:03-5253-1111(内線3029)

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