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2021年12月17日 第40回社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会 議事録

子ども家庭局家庭福祉課

○日時

令和3年12月17日(金)10:00~13:00

 

○場所

オンライン


○出席者

委員
 

相澤委員   安部委員   五十嵐委員  井上委員
奥山委員   河尻委員   北川委員   倉石委員
桑原委員   小島委員   菅田委員   高田委員
坪井委員   中村委員   橋本委員   畑山委員
浜田委員   平井委員   藤林委員   松本委員
宮島委員   森井委員   薬師寺委員  山縣委員長
横川委員   横田委員

事務局

橋本子ども家庭局長
川又審議官
岸本審議官
小澤総務課長
山口少子化総合対策室長
中野家庭福祉課長
羽野虐待防止対策推進室長
野村企画官
林保育課長
鈴木子育て支援課長
山本母子保健課長
 

○議題

(1)報告書(案)について
(2)その他

○配布資料

資料1-1 報告書(案)(第39回資料からの修正)
資料1-2 報告書(案)
資料2 子ども家庭福祉分野の資格について(案)
資料3 委員等提出資料
 
参考資料 委員名簿

○議事

○野村企画官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第40回「社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会」を開催いたします。
皆様、音声のほうは聞こえますでしょうか。大丈夫でしょうか。
(首肯する委員あり)

○野村企画官 ありがとうございます。
委員の皆様には、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日はウェブ会議にて開催させていただきます。
本日の出欠状況でございますが、榎本委員、熊川委員、林委員は御欠席とお伺いしてございます。
また、森井委員は遅れての御参加とお伺いしてございます。
それでは、頭撮りはここまでとさせていただければと思います。
(報道関係者退室)

○野村企画官 今回の委員会は、傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。なお、本委員会では、これ以降の録音・録画は禁止させていただきますので、傍聴されている方はくれぐれも御注意ください。
それでは、これより先の議事は山縣委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山縣委員長 皆さん、おはようございます。本日もよろしくお願いしたいと思います。
それでは、早速ですけれども、事務局のほうから資料の確認等をお願いしたいと思います。

○野村企画官 資料の確認でございます。
配付資料は、右上に番号を付してございます。
資料1-1「報告書(案)」で、39回からの修正箇所が分かるような加工をしているもの。
資料1-2「報告書(案)」。
資料2「子ども家庭福祉分野の資格について(案)」。
資料3「委員等提出資料」として、安部委員、井上委員、奥山委員、桑原委員、林委員、宮島委員のほかに、一時保護の検討会でヒアリング等もいただいておりますSBS/AHTを考える家族の会、そして、日本社会福祉士会・日本精神保健福祉士協会・日本医療ソーシャルワーカー協会・日本ソーシャルワーク教育学校連盟から資料の提出がありましたので、配付してございます。
このほか、参考資料を配付してございます。
以上でございます。

○山縣委員長 資料はそれぞれメールで届いていると思います。それを使いながら報告書の案を議論していくということになります。
前回の委員会で、資格に関する記載を除き、出尽くしたという表現は言い過ぎかもしれませんけれども、かなりの部分で皆さん方の意見が出ている状況だと思います。ただ、一時保護の司法審査については一部の委員から懸念もいただいておりました。事務局のほうで、その点も踏まえて、今回の報告書案ではそこを修正しています。
本日は、事務局から報告書案について修正した部分を中心に説明いただいた後、資格に関する記載以外の部分についてまず最終確認をするという作業を行います。その後、資格についての時間を集中的に取ろうと思っています。
では、事務局のほうから、修正部分を中心に説明をよろしくお願いします。

○野村企画官 ありがとうございます。企画官の野村でございます。
それでは、資料1-1、前回からの変更箇所が分かるようにさせていただいているバージョンで御説明をさせていただければと思います。
私のほうからは、この資料1-1の32ページから37ページの資格を除いた部分についての御説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
資格に関しては、この会議の後半の部分でしっかりと説明をさせていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
それでは、資料1-1「報告書(案)」でございますが、様々御意見いただきまして、表現の適正化等も行っているところがございます。
そういう中で、主な修正箇所について御説明をさせていただければと思います。
まず、4ページ目の基本的な考え方の中の29行目以降でございますけれども、児童相談所の虐待相談対応件数のうち、どのような対応がされているのか。そして、そういったことを受けて、児童相談所が一層多様かつ専門的な対応が求められるようになっていますねというデータを少し補強させていただいてございます。
そういうことを受けまして、5ページ目でございますけれども、赤くはなっておりませんが20行目、児童相談所における専門性の向上の必要性。これは前回から同じ記載でございますが、ここのエビデンスということで先ほどのデータをお示しさせていただいたというものでございます。
また、6ページ目でございますが、前回、基盤整備の部分の記載がないという御指摘をいただきましたので、基盤整備の記載を加えて、少し戻って恐縮ですが、5ページ目、以下の4つの方向性に沿って具体的な制度見直しを図るというような形での記載にさせていただいております。
加えて、8ページ目でございます。一体的相談機関の箇所でございます。一体的相談機関の記載についてでございますが、記載が不十分というところで、自治体の方をはじめ、多くの方々に心配を与えているというようなお話もいただいたところでございます。そういうことで、まず、子ども家庭総合支援拠点等について平成28年の法改正で導入し、今まで国から市区町村に設置を求め、そして、市区町村に設置に取り組んでいただいてきたということ、その上で、この専門委員会でも御議論いただいておりますが、母子保健と児童福祉の連携・協働をより進めていくということについて、記載をしております。我々、説明が不十分で、突如「再編」というような記載になっておりました。この点について修正を行ったところが、8ページ目の赤くなっている19行目から37行目でございます。
そういう中で、9ページ目でございます。名称の部分は5行目以降でございますけれども、委員の皆様方から「子ども家庭包括支援センター」との名称がふさわしいのではないかという意見を多くいただいたところでございますけれども、そういう点も踏まえて、「法制的な観点から適切な名称を今後、厚生労働省において設定すべき」とさせていただいております。なお、自治体によって既に設定している場合も当然ございます。そういったこともありますので、名称を自治体が独自に付していくということも可能とすべきとし、例えば、拠点について、継続性ということで「拠点」という名前を使っていくことも可能ということでも考えています。
11行目以降でございます。一体的相談機関について、既に取り組まれてきて、一体的に拠点と子育て世代包括支援センターを設置してきた先進的な取組をベースとしていくこと、拠点と子育て世代包括支援センターのそれぞれの機能を併せ持つこと、そして、それぞれの機能がしっかり整わない中で、1つの機関設置ですとするようなことは適当ではないといったことを明記させていただいているところでございます。
続いて、資料としては16ページ目でございます。親子再統合の部分についてでございます。「再統合」という言葉について一部御指摘をいただいてございます。どうしても親子関係を再び元の形に整えて、子どもが家に戻るということを目的とすると受け止められるといったところ、多くの御意見をいただきましたので、そういった意見があったと記載。しっかりと親子の再統合というところについて、虐待や親子分離などにより傷ついた親子関係の修復や再構築に取り組むものである、そして、必ずしも家庭復帰を唯一の目標とするものではないこと、この点について、様々な手法で周知徹底を図っていくといったところが必要ということを書かせていただいております。その上で、ガイドラインをしっかりと作っていくというところを書かせていただいておりますので、御確認いただければと思います。
それから、18ページ目でございます。パーマネンシー保障の記載の部分でございますが、代替養育による長期間の対応ではなく、事案の「永続的な解決」(パーマネンシーの保障)が求められるということを最初に書かせていただいたというところでございます。
19ページ目でございます。ここから里親支援機関の記載となってございます。ピアサポート等、御指摘をいただきました。そういったこともあり、8行目でございますが、「里親支援期間(フォスタリング機関)は里親に寄り添い里親の立場に立って支援を行う機関であることが求められる」といった記載を加えてございます。
そして、同じページの27行目でございますが、里親のリクルートといったところも含めて、都道府県や市町村、児童相談所等の関係機関と連携して支援を確実に行うことができるようにしていくといったところについて、前回、里親のリクルートについて支援の必要性を御主張いただいておりますので、記載を加えてございます。
20ページ目でございます。そういう中で、里親、ファミリーホームであるとか、施設の小規模化、そして、20ページ目の24行目でございますが、施設等の在り方などについて検討をというところでございますが、「速やかに検討を開始し」としておりました。そこに加えまして、「拙速な議論ではなく十分な議論を経て得られたより良いものについて実現を図っていく」といった記載にさせていただいているところでございます。
21ページ目でございます。一時保護の司法審査の記載がございます。まず児童の権利に関する条約の第9条をしっかりとこの報告書においても書かせていただくとともに、22ページでございますが、36行目でございます。親権者等が一時保護に同意した場合であっても、子どもが一時保護されることに反対の意見を表明している場合は司法審査の対象とすべきとの意見があった、と記載。
それから、23ページ目でございますが、5行目、「子どもの意見や親権者等の意見が疎明資料によって十分に裁判官に伝わるよう、具体的な運用方法については、後述する施行に向けた作業チームにおいて検討する」と記載。
そして、23ページの25行目でございますが、「この点について、子どもや親権者等からの不服申立手続の認めるとともに、子どもの申立てを支援する仕組みが必要との意見があった」と記載しています。
そして、24ページの3行目でございますが、先ほど「後述の」と書かせていただいたところでございますけれども、「今回の一時保護時の司法審査の導入に当たっては、その施行までに、その運用や実務の詳細について、実務者も構成員に含む作業チームを立ち上げて厚生労働省は検討すべきである」と書かせていただいてございます。
続きまして、27ページ目でございます。意見・意向表明支援の箇所でございますが、研修といった部分の記載の箇所でございます。「都道府県等において一定の水準が確保されるよう、国において研修プログラムの例を作成して提供するなど必要な支援を講じる必要がある」ということで、誰が何をするのかといったところ、御心配のお声を前回いただいておりますので、明記させていただいております。
続きまして30ページ、自立支援の関係でございます。9行目でございますが、「こうした20歳以降の児童養護施設に入所している児童等又は児童自立生活援助事業による自立援助ホームに入所している児童等、里親等の委託を受けている児童等が児童自立生活援助事業を活用する際の費用については、都道府県等の支弁とそれに対する国による負担について法律上に位置付ける」。ここの記載以外にも、在宅指導措置、里親の支援機関の里親支援に要する費用についても、同様に都道府県等の支弁とそれに対する国による負担といったところを法律上に位置づけるということで、「検討する」といった文言等が消えてございます。
そして、32ページからは資格のお話になりますので割愛します。
38ページでございますが、22行目でございます。民間機関の人材の確保・育成対策といったところの支援を講じるべきという意見をいただきましたので、その旨の記載をさせていただいたというところがございます。
説明としては以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
それでは、先ほど申しましたように、資格に関する記載以外の部分、とりわけ今回修正があった見え消し版の赤い部分の辺りを中心に必要な御意見をいただけたらと思います。
おおむね11時ぐらいをめどにこの部分の議論を進めていきたいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
では、御自由に手を挙げてください。
奥山委員。

○奥山委員 まず1つですけれども、昨日の夜遅くに資料が送付されて来て、事前説明の資料からも結構変わっているのです。私これを読み込むような時間はとてもないのです。ついたのは昨日の夜11時過ぎです。これをもって、今日意見が言えなかったからといって、座長一任にはできないと私は思っています。会議を開催しなければいけないというわけではないのですけれども、確認をさせていただかないと座長に一任ということはできないなと思っていますので、そこをまず発言させていただきます。
幾つかあるのですけれども、新しく直ったところを読み込むというのはすごく難しいので、私が気がついたところを少しずつお話ししたいと思います。
それから、今日がもし資格以外のところで最後だとしたら、今日の意見を1時間以内に全員なんていうのは無理だと思うのです。時間を制限せずにしっかりと話しさせてください。それがなければ、本当にきちんとみんなの意見を吸い上げることはできないのではないのでしょうか。

○山縣委員長 ほかの委員の状況も見ながら進行はしていきますので。

○奥山委員 分かりました。ただ、最後なのに意見がちゃんと言えないというのはまずいと思います。
まず、8ページの市区町村におけるマネジメントの強化というところで、一体化の話ですけれども、私自身が誤解していた部分があって、非常に申し訳ないとは思いますが、拠点と子育て世代包括支援センターの2つは残るのだと私は思っていたのです。小さい市区町村だったら一体的にできるということになるのだと理解していたのですけれども、拠点と包括支援センターが残らないという話だと今回聞きました。それは大変だなと思ったわけです。
私の提出資料3-3の4ページを見ていただくと、2022年までに全ての市区町村に拠点を置くということが書かれています。これは結愛ちゃん、心愛ちゃんの事件があって、一体どうしたら次は結愛ちゃん、心愛ちゃんのようなことが起きないようにできるのかということで、国を挙げて書かれたものと私は理解していますし、数値目標です。つまり、ある意味お約束なわけです。
しかも、今年の夏に出たGPeVAC、Global Partnership to End Violence Against Childrenは、要するにSDGsの16.2の実現に対して日本がパスファインディングカントリーとして名乗りを上げて、National Action Plan(NAP)を国際的に発行しました。その中にもこの目標が書かれているのです。国際的なお約束でもあるわけです。
それに対して、ここのところに七百幾つある箇所で着実に進んでいると書かれていますが、これは半分市区町村数の半分以下ですよね。今年半分以下で、来年どうやって全ての市町村に置くことができるのでしょうか。本当にそれが実現できると思っていらっしゃるのでしょうか。これが、80%、90%いっています、あとちょっとですと言われるのだったらまだ分かります。ただ、半分以下です。
そして、子育て世代包括支援センターが一体今何件あるかということもお示しにはなっておられないのです。ここは非常に重要なところなので、後ろの資料に、どのような形で拠点が増えてきて、どのような形で子育て世代包括支援センターが増えてきたのか。そして、何で目標が達成できなかったのかの分析についてきちんと書いてほしいと思います。心愛ちゃん、結愛ちゃんの墓前に何と報告するのか、そこをしっかりと明確にしてほしいと思います。
この重要な数字というのが、一体目標の何%できたのか。それから、子育て世代包括支援センターが一体どのぐらいあるのか。一体化が絶対に悪いとは言いません。ただ、合体したときに、拠点の機能が本当に確保されて、それが本来2022年までに全国全ての市区町村で実現するはずだった数値の担保として、その機能は確実に継続されなければならないのであり、合体して包括センターだけあるところでもこの名前を使えるということでは問題なのです。機能がきちんとあるというのをどう担保できるのか。そこのところをお示しいただきたいと思います。
なぜ達成できなかったかということを考えると、国の信頼のなさというものがあると私は思います。自治体に話を聞くと、国の事業を受けるとはしごを外されるから嫌だと言われます。国はこんなに信頼されていないのかと思うときがあります。こういうところをきちんとやっていかないと、信頼を失うのではないかと思います。
一方で、自治体のほうでこういうことをしっかりとやっていただく必要があるというのは確かなのですけれども、子どもの権利条約を批准している日本国としては、日本のどこでも子どもの権利が守られる状況にするというのは国の責任です。ですから、きちんとこれが全ての自治体で子どもの権利を守るために置かれているのだということを推進するのは国の責任す。そこがどうしてできないのかということはきちんと明確にしてほしいと思います。後ろの資料の中に、拠点、それから、子育て世代包括支援センターが、どのぐらいの人口だとできていて、どのぐらいの人口だったらできていないのか、その辺りのこともきちんと明確な資料を提出してほしいと思います。
それから、一体化することがどのようなメリットがあるのか、本当に一体化することがいいのかどうかという議論がやはりこの報告書の中では少ないと思うのです。さっき言ったように私は選べるのだと思っていたので、そんなに議論がなくてもいいのかと思っていましたけれども、これを一体化しろということになるとしたら、確実にそちらがいいということがやはり必要だと思うのです。その問題として職員の負担ということが書かれているのですけれども、本当に職員が連携のために負担があって、一体化したら負担がなくなるのか。そこのところが明確ではないと思います。
それから、窓口の一本化ということが書かれていますけれども、ワンストップというのは、相談したらあちこちにこれはあちらに行ってください、これはあちらに行ってくださいがなくなることですよね。それに対して組織が一体化することとはまた別問題だと思うのです。お母さんたちの中で、あるところに相談したらうまくいかないけれども、こちらに相談したらうまくいったということもあって、窓口が複数あるということは決して悪いことではない。ただ、1つの窓口に行ってその先があちらに行け、こちらに行けになるのがまずいのです。そこのところの履き違えがあるのではないかと私は思います。なので、なぜ必要なのか、そして、特に子どものためにどうしてこの一体化が必要なのかということをこの報告書の中に明記していただきたいと思います。下手をすると、大きな自治体で大きな組織になってしまうことの問題点というのも出てくる危険性があります。
それから、よく聞かれるのは、例えばポピュレーションアプローチを主とした人がトップになったときに、介入的アプローチをしようとすると、個人情報だからとかプライバシーの問題だからそれほど介入するのは良くないといった形でストップがかかるときがあります。そういう危険性をどう考えるのか、そういうことも考えてほしいと思います。
それから、安部先生が御指摘になっているように、拠点でつくった配置基準というのは今後どうなるのか。それを明確に示していただきたいと思います。
また、言葉の中で「再編」という言葉が何回も出てきますけれども、再編というとがらがらぽんするように思いますので、ここは一体化するのだということを書けばいいのではないかと思います。逆に言って、ないところは創設するわけですよね。そういうことが、再編と言うとあるものだけをがらがらぽんすればいいみたいに思ってしまう危険性があります。
それから、10ページの1行目に安易な人員削減はしないと書いてあるのですけれども、安易でなければいいのかという話しになります。ですから、本当に必要な人員は足し算なので、プラスアルファにこそなれ、削減はしないということをここは明記していただきたいと思います。なぜかと言うと、組織が大きくなるとそこをつなぐ人が必要になってくるのです。逆に増えなければいけないときが多いと思います。一体化したから人を減らすことができるというのは、それこそ安易な考え方でしかないのだろうと思います。
拠点もフォスタリング機関もそうなのですけれども、こういうものをつくっていくときの自治体への支援チームを作ってほしい。一人の人とかというのではなくて、チームを作って支援をしていくという考え方が必要だろうと思います。
次に、24ページの一時保護のところですが、私の提出資料の少し上のところを見ていただくと、一時保護は個別化が重要だということが書かれています。今回の中ではあまり個別化が強調されていないのですけれども、そこは強調して書いていただいたほうがいいと思います。
あと、私のほうから、期限を切って議論をしてと、ケアニーズに応じた措置、制度体系というところに関して、「拙速にならないように」というまた時間をかければいいような書き方になっているのです。そこは省いていただきたいと思います。早急に議論を開始して結論を得るということを書いていただくべきで、「拙速にならないように」という書き方は逆効果だと思います。省いていただきたいと思います。
まだ変わったところを全部読み込めていないので、取りあえず今のところは以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、桑原委員、お願いします。

○桑原委員 ありがとうございます。全国児童養護施設協議会の桑原です。
本日の会議がひょっとして最後になるかもしれないということで、これまで申し上げてきたことの概要を若干整理してまとめた意見書となっております。3-4の資料です。
申し上げるまでもなく、児童施設は、24時間365日、時間帯を問わず対応が可能なノウハウを備えています。前回もお示ししました個別的養育機能、支援拠点機能、さらに、その2つをもって、地域支援機能、この3つの機能を生かした今後の在り方をさらに展開していきたいと思っております。親子関係支援や地域支援を担うソーシャルワーカーの必要性やケアリーバーの問題など、今後に向けての課題を加筆しております。
今回は、児童施設等の施設の在り方を検討するというところまでは時間がなかったことから、報告書にもありますように、今後に向けて早急に検討する機会をつくっていただきたい旨を加えた意見書とさせていただきました。お目通しいただけたらと思います。
以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○山縣委員長 資料の提出ありがとうございました。
では、井上委員、よろしくお願いします。

○井上委員 よろしくお願いします。
それでは、私は事前に資料を出しましたので、それを基に、資料1-1の8ページ17行からの市区町村等におけるマネジメントの強化について意見を述べさせていただきたいと思います。
今、奥山委員からかなり詳しく意見が出ましたので、全然話し合っていないのですけれども、同じような考えをこれだけ持っているのだなと改めてびっくりしたというような状況です。
私の意見のポイントは、資料にありますとおり、市区町村において現行の子ども家庭総合支援拠点と支援センターを再編して、全ての妊産婦、全ての子育て世代云々のところ、「(以下『一体的相談機関』という)の設置に努めることとする」の中の「再編し、一体的相談機関の設置に努めることとする」という文言についての意見が中心です。
これに関しましては、これまでの先行自治体とか、この2年間で急にきちんと整えてきた自治体から多くの問合せがありました。私も奥山委員と全く同じ意見なのは、支援拠点のスタートアップマニュアルの中にあります自治体の類型、要するに、小規模Aとか小規模Bといった類型別の中での設置がそれぞれ何%ぐらいになっているのか。特にこの2年間で急激に増えてきているのは小規模A、Bのところなのですが、そういったところのパーセントがどれぐらいあるのかというのはやはり出していただきたいなと思いました。
その上で大事なことは、さらにそれよりも小さいところがどうしていいのか分からなくなっているという現実もあるのは間違いありません。ですので、私も奥山委員と同じだったのは、この委員会の中で、両方残っていきながらきちんと整えるところは整えるというイメージだったので、その方向でいいと考えていたのですが、それを全部なくしてしまって全部再編するという格好になると、これではいけないなというような状態がありましたので、そこにありますように、そこの経過を御説明していただくようにというお願いを事務局にしました。
先ほど、野村企画官の資料の説明をお聞きしまして、随分きちんと言われるところはおっしゃっていただきました。大事なところは、先ほどさらっと言われたのですが、拠点という言葉とかそういったものを、きちんと既に出来上がっている自治体からすると、なくされてしまって全部もう一回リセットですよという感じになってしまうと、とんでもないことになってしまいますので、そこのところを先ほどの文章の中、それから、企画官官の説明の文言は議事録に残りますので、それをきちんと押さえた上で、そこの両方が、再編という言葉は残るかもしれませんが、やっていく中で、きちんとそういうことは考慮しているのだということを明確に出していただく形で進めばいいなと思いました。
ただ、何度も言いますが、奥山委員が言われるとおり、すごく急激な変化が起こってきていますので、委員会の中の言葉はとても重要なものになりますし、この報告書が非常に影響を与えるなと改めて思っておりますので、そういった意見があるということを再度お伝えしておきたいと思います。
以上です。どうぞよろしくお願いします。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、浜田委員、お願いします。

○浜田委員 浜田です。ありがとうございます。
私からは、一時保護法の司法審査のところについて、今日もしつこく意見を申し上げたいと思います。
前々から述べておりますとおり、私は、今回の提案された案については、これで果たして何が実現できるのだろうか、そして、誰にどんな得があるのだろうか。また、現場はきちんと回るのだろうかというところについて全体として強い懸念を持っているということを改めて申し上げておきたいと思います。
その上で、何点かポイントですけれども、まず22ページの31行目、32行目のところです。ここは今回赤字で入ったところではないのですけれども、今まで明示的に述べたかどうか分からなくなっているので、確認的に申し上げます。ここでは、司法審査の対象となる一時保護について、親権者等が一時保護に同意した場合は一時保護状の請求は不要であるという制度が提案されております。
これは7日以内にということになっているわけですけれども、一旦なされた同意がこの7日間以内に撤回されたらどうなるのかという問題がございます。この話は、33条5項の一時保護の引き続いての2か月超えの承認審判が入ったときにも同じような懸念をしておったわけですけれども、現に2か月ぎりぎりになってやはり同意は撤回だということになり、慌てて児童相談所が申立ての準備をするという実例が私どもの仲間の弁護士からも聞こえてきております。これが今度は2か月ではなくて7日の中に出てくるおそれがあるということになります。
7日で準備するのは難しいという話は従来からさしあげておりますところに加えまして、途中でひっくり返されて、今から一から準備するということになると目も当てられない状況になる。そうすると、児童相談所現場としてはどうするかというと、親御さんが一旦同意するよとおっしゃったとしても、ちょっと怪しいよねと思ったら、申立ての準備はやはり進めていかねばならないわけです。そうすると、7日後に同意がないケースはこれぐらいの数ですよという統計上の数字を超えて、児童相談所現場は実際には準備をしなければならないケースというのはさらに増えるのではないか。そうなると、結局負担の観点からさらに厳しい状況が生まれるのではないかというところを危惧するものであります。
もしかすると確認だったかもしれませんけれども、ここが1点目です。
2点目ですけれども、23ページの20行目のところです。一時保護状の請求、却下の場合の不服申立てについてですけれども、今回赤字で3日以内に取消しを請求することができるという記載になっております。ここは、前回は「遅滞なく」か「速やかに」という記載だったかと認識しておりますが、具体的な日数として3日と書かれているということです。
明示されておりませんけれども、これは恐らく却下の判断があった日を1とカウントして3日以内という趣旨ではないのかなと思うわけですけれども、そうなったときに何が起きるか。例えば金曜日に一時保護状の請求をしたとします。その日のうちに判断が出ることが多いと思いますが、例えばそれが夕方とか、ましてや夜間にかかった。そこで却下されたということになると、その日が1ですので、その不服申立てはいつまでにやらなければならないかというと、日曜日の夜なのです。そうなりますと、その間、果たして不服申立てを誰が準備して、誰が決裁をして、誰が裁判所に持っていくのかというところは、また実務の回し方のところについて非常に大きな影響を与えるのではないかと危惧するものです。
これは、要するに何が見込まれるかというと、本当は不服申立てすべきところなのだけれども、難しい、準備できないからやめておくみたいなことになっては、それこそ目も当てられないと思われます。ここを危惧する。
さらに、これは想像が過ぎると言われるかもしれませんが、金曜日に却下されるとえらいことになるよねということになると、金曜日に一時保護状の請求をするということを見越して、前の週に一時保護をするときに、一時保護状請求が次の週末にかかるがいま一時保護してしまってよいかみたいな話で、そこで必要な一時保護がちゅうちょされるという問題を一層惹起しそうな気がして、これも非常に危惧をするところです。
24ページにまいりまして、3行目からの一文のところです。私は反対をずっと申し上げているところですけれども、今回のこのような改正案が通ったとしたときに、運用や実務の詳細について施行までに作業チームを立ち上げてということは必須であろうということで、この作業チームということには強く賛成をするところであります。
ここで「実務者も」と書いてありまして、この実務者の範囲が分からないわけですけれども、私どものような法律実務家、また、この分野を御専門とされる法学者の方、そして、現場の方々といった、広く、しかも法律職がちゃんと入ったチームというのが必須であろうと思いますので、ここについて意見を申し上げておきます。
今のところ最後ですけれども、今回、資料3の委員等提出資料の中でSBS/AHTを考える家族の会からの意見書がございました。資料3-7で提出されているものです。
これを拝見いたしますと、こういう仕組みをつくるのであれば、意見聴取の機会を付与せず、子ども、保護者の不服申立ても認めないのであれば、報告書においてその理由を具体的に明記してくださいとの記載がございました。これは全くそのとおりかなと思いまして、要するに、先ほど奥山先生のところでもあったかと思いますけれども、こういう施策を取るのだという場合には当然のことながら理由づけというのがあるはずです。その理由づけを見て初めて、それはこうだよねというところで、そこでの評価が初めて的確に行うことができるようになるものだと理解いたします。そうとするならば、施策が実際のところ、どちらに転ぶのかということとは別に、この施策を取る理由については可能な限り明記していただくほうが、今のような先々の議論に向けても重要な観点になってくるのではないかなと思いますので、ここについてはさらなる追記をお願いしたいと意見を述べておきたいと思います。
今のところ以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、橋本委員、お願いします。

○橋本委員 ありがとうございます。
まずは、厚労省の皆さんには本当にたくさんの意見とか要望を盛り込んだ報告書を作成いただいて、感謝にたえません。また、頻回な事前レクの日程調整とか、たくさんの会議資料、迅速な議事録の作成など、事務方の皆さんの御苦労も相当のものだったと推察します。本当にありがとうございました。
今後について、私は2点お願いをさせていただきたいと思います。
まず1点目ですけれども、本専門委員会のメンバーでもある倉石先生を座長に、地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会が開催され、そこでは人口減少地域における良質な保育の提供継続が議論となって、施設の多機能化が提起されたと聞いていますが、実は社会的養護施設や児家セン、フォスタリング機関なども同様で、人口減少地域における在り方検討が待たれていると思っています。それゆえ、新年度にはぜひ小規模自治体や人口減少地域での社会的養育ソーシャルワークの在り方について調査研究を立ち上げていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
なお、今回のいろいろな改革提案が実際に実現していけば、やる自治体とやらない自治体、あるいはやれる地域とやれない地域が表面化し、いわば市町村格差や施設間格差が問題となるであろうことを予期し、その対策としての提言である旨を申し添えたいと思います。
次に2点目です。4月から本日までの専門委員会は、主に来春の児童福祉法改正を見据えての議論でしたので、何を新規に行うべきか、既存の制度をどんな制度に変えていくべきかといった、いわば施策レベルでのテクニカルな議論が中心だったように思います。それはそれでとても大事でしたが、やはり今後は、本来ファミリーソーシャルワークや養育はどうあるべきか、あるいは、先ほど桑原先生もおっしゃっていましたが、この時代、状況にあって、養育の質はどのように担保されるべきか。といったいわば「あるべき論」的な議論も必要不可欠だと思います。そして、今後、それらの重厚な議論を踏まえ、成立した理念や思想を基本法の制定や子ども庁の創設論議にどこまで反映させていけるかが最大のミッションになってくると思いますので、これに関係する皆さんには引き続いての御尽力をお願いしたいと思います。
一方、私たち支援現場の実務者も、仲間内でなるだけ多くのあるべき論を交わし、互いに切磋琢磨していく努力が必要であると思っています。さらには、学者や研究者の皆さんとも協働し、あるべき論の内容そのものを深めて、現場実践に応じた理念や思想に進化させていくことも重要だと思っています。そのためには、子どもたちのプライバシー保護を意識することは当然ですが、自らの施設実践を学者や研究者に開いていく、あるいは支援現場の実情を広く地域社会に発信していく努力も必要でしょう。
冒頭に述べましたが、厚労省の皆さんの今回の御尽力を無駄にしないよう、現場実務者の端くれとして私も今後頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
本当にこの9か月、ありがとうございました。
何だか最後はお別れの言葉みたいになりましたけれども、発言は以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。見捨てないでください。
藤林委員、どうぞ。

○藤林委員 私からは4点あるのですけれども、座長のほうで、今から述べるのは一体的相談機関のところですが、ここは議論があるところなので、奥山先生、井上先生も言われたところですから、できましたら、一人一人の意見の後にここに焦点を絞って少しディスカッションしていただければと思います。
1点目、9ページですけれども、昨夜送っていただいたこの報告書案を見まして、厚労省さんがイメージしているものは私は大体把握していますし、委員会の委員も大体分かっていると思うのですが、要するに、一体的に支援をしていくと。児童福祉と母子保健のワンチームで支援していくという思いがあって、それがこの報告案に込められているかなというのは分かりましたし、今までの経過も説明があるのでいいと思うのです。
ただ、懸念するのは、これは事務局のほうで現在答えられるかどうか分からないのですけれども、これがもし法文になった場合にどうなっていくのかということが気になっていまして、例えば今、各委員が発表している間に一生懸命ネットで調べていたのですけれども、拠点については、10条の2に、10条の1でずっと書かれた市町村の役割を行うに当たり、拠点の整備に努めなければならないということですから、これがどうなるのか。これがなくなってしまうのか、または一体的相談機関という言葉になるのか、そこが非常に気になるところです。
奥山先生も井上先生も私も2016年の法改正に関与していまして、ここはとても肝なのです。市町村は、平成16年の児童福祉法改正まで見守り以上の支援がなかなかできなかった。でも、2016年の法改正によって、やっと市町村が在宅支援のメインプレーヤーなのだということが明確に位置づけられた。児童相談所は行政処分をするのだという役割が明確になった。その市町村が在宅支援の中核としてソーシャルワーク機能を担っていく。その拠点が子ども家庭総合支援拠点であるということが10条の2に書かれた。実は、これは2016年の改正児童福祉法の中で、一つの大きな改正点なのですけれども、この10条の2がどうなっていくのかというのはとても懸念するところで、それをもし可能であればお伺いしたい。
私としては10条の2は、残したいのです。残した上で、ただ、この拠点を運営するに当たっては、子育て世代包括支援センターと一体的な相談セクションをつくるよう努めなければならないとか、そういう法文にするというイメージですね。やはり拠点に愛着があるものですから、誕生前からずっと産み育ててきたので、これがなくなるのはちょっと心配があります。
私は、子育て世代包括支援センターは産みも育てもしていないと言ったら怒られそうですけれども、関与していなかったのですが、改めて母子保健法を見ると、第22条の母子健康包括支援センターなのです。これをとても大事にされていらっしゃる母子保健の方もいらっしゃると私は思うのですが、これをなくすのもどうなのだろうということと、改めて母子健康包括支援センターの条文を見ますと、これはもっぱら乳幼児と母子の支援なのです。家族というよりも母性というか母親の支援なので、両方の法律にこの新しい相談機関のことを書くと、母子保健法の範疇をかなり超えてしまうのではないかなという気もするのですけれども、そこはどうなのだろうかというのが気になるところです。
各委員が発表する間にずっと調べていたのですけれども、子育て世代包括支援センターガイドラインというものがありまして、これが現在も生きていると思うのですが、この役割を見ても、センターの役割は妊産婦、乳幼児等の状況を継続的、包括的に把握しているように書かれてあって、やはり基本は妊産婦、乳幼児等なのです。地域の実情に応じて就学児以上の子どもも対象にすると書かれているわけですから、そうすると、この包括支援センターはやはり乳幼児、または妊産婦と考えると、これをどのように法律上に落とし込むのかというのは非常に懸念するところなので、これも今後の作業を厚労省さんで母子保健課と連携しながらやっていかれると思うのですけれども、やはりこの母子健康包括支援センターの条文は残してもいいのではないかなという気もします。一方で両方の法律の中に、双方が一体的な相談支援に取り組むべきであるとか、努めるべきと書けばいいのかなと思っております。
また、両方の拠点やセンターがなくなっていくということが果たしてどうなのかというところ、もしお答えできるのであれば、その辺の見通しについてお話しいただければと思います。
名称ですけれども、やはり包括は何の包括なのかよく分からないので、中村委員も言われましたように、やはり一般の御家庭が分かりやすいように、本当は子ども家庭支援センターが一番分かりやすいのですけれども、なるだけシンプルな名前にしてもらったらいいかなと思います。でも、できれば拠点も包括支援センターも両方法律上は残してほしいというのが私の意見です。
それから、2番目に入りますけれども、18ページのマル4のすぐ下の○、ここも永続的な解決が求められるところなのですが、前回もお話ししたように、ここに置いているというのは何となくすわりが悪いような気もするのです。ただ、ここの部分は在宅支援のところなので、在宅支援においてもパーマネンシー保障というのは重要な概念ですから、ここに置くのも悪くはないかなとも思うのですけれども、できればパーマネンシー保障の第一優先、児童福祉法で言えば3条の2の家庭養育優先原則の一番の原則は、子どもと親が分離されずに安心、安全な環境で育つということですから、そのこともパーマネンシー保障の範疇の中に入っていくわけなので、そこも含めたいわゆるファミリープリザーベーションという家庭維持の考え方も含めたパーマネンシー保障を14ページの(2)の冒頭に書くか、または19ページのマル1に家庭養育優先原則の中心と書いていますから、在宅も含めた家庭養育推進原則ですから、ここの部分にもう一つ○をつくって、あるべき姿というかあるべき方向性をパーマネンシー保障または永続性解決という文言で加えていただくといいのかなと思います。それはぜひ検討いただきたいところです。
26ページの子どもの意見・意向表明なのですけれども、例えば29行目の「子どもの意見・意向を聴取すること等によりその意見・意向を把握してそれを勘案しなければならない旨」は児童相談所運営指針にも書かれていることなので、それはいいかなと思いますし、33行目の「意見・意向を聴く機会を確保する」というのも50歩ぐらい譲っていいかなと思うのですけれども、37行目の「意見・意向表明支援」というのは、やはり日本語としておかしいのではないかなと思っていまして。

○菅田委員 発言が長くないですか。ほかの委員さんもいるのですよ。

○藤林委員 もうすぐ終わります。
意向表明支援というのは、やはり日本語としておかしいのではないかなと思っておりまして、意向というのは子どもにとっての気持ちであったりするわけなので、どんなに小さい子どもでも意見があるわけですから、意向表明を支援するということはおかしいのではないか。やはり支援するのは意見表明ではないかなと思います。
私からは4点と思っていたのですけれども、実は3点でした。以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、坪井委員、お願いします。

○坪井委員 坪井です。
毎回多くの意見がそれぞれの委員から出される中で、丁寧に拾っていただいて本当にありがとうございます。
私からは1点、19ページの5行目からのところなのですけれども、里親支援機関のところについて申し上げます。
先ほどの御説明の中でも、ピアサポートという声があったというお話だったのですけれども、ここの部分で残念ながらピアサポートの本質と言える里親が里親を支援するという内容が表現されていません。里親に限りませんけれども、支援のセーフティーネットは複数用意されているということが重要だと思います。人と人のことだけに、合う、合わないということもあります。実際に全国で里親による支援で支えられている里親がとてもたくさんいるということは、皆さんも御存じのとおりです。里親は、支援される立場と同時に、支援する側でもあるのだ、支援する責任があるのだということをぜひ明記していただきたいと思います。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
奥山委員。

○奥山委員 新しく書かれたところが、さっきびっくりして発言したので、上手く伝わらなかったかもしれず申し訳ないので、確認しておきます。20ページの3行目と27~28行目、「拙速な議論ではなく十分な議論を経て」と、拙速な議論は必要なくて、「十分な議論を経て」だけで十分だと思いますし、「早期に実現を図ることとする」と入れてほしいと思います。いつまでも議論だけしているということでは、子どもたちに届かない。私は、実際に措置をしても、ケアができていないというのが今の一番重要な問題だと思っていますので、ケアができる、ケアのニーズに応じたきちんとした措置をするのだということをちゃんとしていかなければいけないと思っていますので、そこは「拙速に」ではなくてとにかく急いでやるのだということを明記していただきたいと思います。
もう一つは、意見を言おうと思ったら、藤林先生が意見をおっしゃっていたのですけれども、私も「意向」というのはおかしいと思います。子どもの権利条約のほうも意見表明権とずっと言われてきているわけで、意見を表明する権利を保障するのだということを考えると、意見・意向ではなくてやはり意見だろうと思います。
最後に、先ほど藤林先生の御発言のときに長いという御意見が出ましたけれども、先ほど私が言いましたように、もしこれが資格化のところ以外の最後のチャンスだとしたら、これをきちんと議論しなければいけないはずで、長いということで意見を打ち切るというのは絶対におかしなことだと思います。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、中村委員、お願いします。

○中村委員 よろしくお願いします。
私は、皆さんの御議論を聞いている中で、報告書に書いていただいている部分と重複する形になるかもしれないのですが、お伝えしたいなと思っています。
すごく重要だなと改めて感じた部分は、一体的相談機関の御議論もあったかと思うのですが、複数窓口があるということのよい点もあると思いますが、複数窓口があること等の困難さもあると思います。親子からするとどこに相談していいのか分からないということがこれまでもあったと思います。今回考える上で、とても重要かなと感じながらお聞きしておりました。
あとは、母子保健の部分と子育て、子ども福祉、家庭福祉の部分の連携というのがこれまでも課題になっていると思います。これは、井上先生をはじめ、2つのセンターに関して御尽力いただいてきた人、今も市町村で尽力されている方がいる中で、その人たちを否定するということでは決してないのですけれども、利用する親子からすると分かりやすいものが必要だと思います。この専門委員会に参加させていただいている中での初めのほうでも意見を言わせていただいていたかなと思います。なので、利用する親子にとってどうかということを視点に考えていただけるといいのだろうなと思っています。
そして、一時保護の司法関与についてもそう思います。やはり実務をする人たちの視点にどうしても立ちやすいということを懸念しています。ただ、浜田委員も子どもの意向とか保護者のという意見を言っていただいているので、決してそこを否定するものではないのですけれども、やはり子ども、保護者の視点が大切だと思いますので、発言をさせていただきました
という中で、21ページの社会的養育推進計画の部分に適切な指標の設定についてと書かれている部分ですが、この適切な指標をどう設定するかというのは重要だと皆さんの御意見を聞いていて思いました。数字の見える化を図るのか、それともケアリーバー調査で一つ大きな成果として経験者の自由記述が専門職にとってはすごく参考になったという事がありますので、利用者の評価を取りいれるのか。この適切な指標ということに関しては今後法改正後も深めていく必要があるのだろうなと思います。
もう一つは、子どもの権利擁護がきっちりと守られているかということをベースに、推進計画のPDCAサイクルを考えないといけないなと思っています。それを付け加えろということではないのですが、そういうふうな視点がとても重要だなと思っています。
全体的にやはり大きく変わっていくというときに、その後どう推進していくかということをこの時点からしっかり考えておかないといけないのだなとも感じましたので、意見を言わせていただきました。ありがとうございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、相澤委員、お願いします。

○相澤委員 ありがとうございます。
今回、本当に全体的に大きな前進が図られたと思っております。まずそれは感謝を申し上げたいと思います。事務局をはじめ、特に誰も言っていませんけれども、山縣座長は本当に大変だったと思います。ありがとうございました。
それで、まず38ページの追加文書のところで、「国や自治体は」ということで、最後に「民間機関における人材の確保・育成対策の支援を講じるべきとの意見があった」ということで、民間機関の人材確保というようなことについては多くの方が賛成する内容ではないかと思うので、「意見があった」ではなくて「講ずるべきである」という修正をしていただくとありがたいと思います。
2点目としては、私、ずっと権利教育についてこだわって発言していたのですけれども、権利教育という文言は入れるのがなかなか難しいということであれば、権利擁護の充実を図るために、幼少期から子どもの権利について理解し会得できるように、ケアワークとかソーシャルワークをすることの重要性や必要性などについて、児童福祉施設の運営指針や里親・ファミリーホームの養育指針、児童相談所の運営指針などに充実するような形できちんと盛り込んでいくことが必要であるというようなことを書き加えていただくとありがたいと思います。
私からは以上です。よろしくお願いします。

○山縣委員長 ありがとうございました。
井上委員、お願いします。

○井上委員 ありがとうございます。
僕は、先ほどの中村委員の御意見でとても大事なところを言ってくださったなと思ったので、ちょっと付け加えたいと思います。
中村委員の言われた中で、保護者、利用される人が使いやすくなるようにいうことで、どこに相談してどうすればということでワンストップということを言われたと思うのですが、これは実際に自治体の中でやっていっていると、自治体内の顔の見える連携、要するに、部署別でそれぞれがセクションでやっていくのではなくて、自治体としてそこに住まれる住民の方たちの相談に乗るという視点をしっかり先に出して、その上で、例えば母子保健のほうで相談があったとしても、その内容を聞いたときに、これは母子保健ではないなと思ったとしても、相談をしている方のお気持ちとか言い方を聞いた段階で、これはここである程度お話を聞いたほうがいいなと思ったときに聞くという姿勢を持って、その上で行政内での連携を図って、今度は専門の方がもう一度お話を詳しく聞きましょうという格好にするだけで、いろいろなことが変わるのです。
ですので、行政内のそこの調整をきちんと図ることで、連携、協働ということが進むということも一言付け加えたいなと思いましたので、言わせていただきました。ありがとうございました。

○山縣委員長 ありがとうございます。
では、宮島委員、お願いします。

○宮島委員 ありがとうございます。
3点申し上げたいと思います。
先ほど、他の委員の発言が長いと、実は私も感じておりましたので、言っていただいてうれしいと思いました。最後の機会ですので、やはり大事です。時間を区切るべきではないというお話でしたけれども、複数の委員がちゃんと発言する機会を確保されるという面では、これはやむを得ないことだと思いますし、時間に配慮すべきだと思いますので、もっともだと感じています。
2つ目ですけれども、母子保健と子ども総合支援拠点を一体的に整備するということについては、かなり早い段階からこういう形でどうでしょうというポンチ絵といいますか、資料も出していただいて、何度も何度もお話を事務局のほうで示してくださいました。そして、取りまとめ案も何度も何度も示していただきました。その上で議論をしてきています。さらに誤解が生じないように、これはなくなるのではない、発展させるのだ、一体化させるのだ、機能の充実なのだ、母子保健と福祉の協働を一層進めるためなのだということがきちんと丁寧に書かれている。井上先生からの御指摘もあって、これが機能の後退にならないように、自治体の現場に混乱を招かないようにということの説明も加わったということを踏まえて、これは丁寧に進められてきたと認識しています。ですから、私はこれでいくべきだと思っております。
ただ、奥山先生から「安易な」という言葉は要らないという御指摘ありました。確かにそのとおりだと思います。人員削減が目的ではなく、より充実したものとなるようにということですから、「安易な」はかえって取った方が良いと思います。
また、この方向性は、人口減とか小さな自治体の状況を踏まえて対応すべきだと思います。人口1万人ぐらいの自治体では、福祉課という社会福祉を担当する課でさえ単独では維持できずに住民福祉課というような組織のもとで事務が行われたりしています。実際の支援拠点も、1人の常勤職員と、0.5人、0.5人分相当の非常勤職員で業務を荷っている。わずか1人か2人、2人に満たないような状況の中でやっている。組織が大きくなるどころではなく、実際の組織の状況を踏まえた上で、それぞれの地域で、子どもたちと家庭を支えることができるものとして、私はこの一体的な支援センターが出来上がっていくことを期待します。
これが2点目です。
最後、一時保護のことですけれども、手続のことについては本当に児童相談所の人員も少ないし、家庭裁判所の体制が日本では残念ながら十分でない。いろいろな仕事を家庭裁判所が担うようになっていますので、成年後見制度の対応なども増えています。その中で、今回はあくまでも一時保護の入り口のことについて取り扱うことしかできなかったというのが私の認識です。やはり今後の議論のために理由を明記するということは必要だなと思いますし、いろいろな専門家が入って、実務的にちゃんと検討しないと弊害が起きると思います。
プラス、一時保護についてもう一つだけ述べさせていただきたいと思います。
私が提出した資料の中の、実は本文のほうではなくて30ページに当たりますけれども、「児童虐待と揺すぶられ症候群:頭部外傷の診断をめぐって」というコラムが載っているものを、社会福祉のテキストの中で取り扱っているところを今回出しています。やはり一時保護は、手続だけではなくていろいろな面で改善していかなければいけない。特に乳幼児の長期保護は望ましくない。その必要性は、きちんと科学的に分析していくということが大事だと思います。
子どもの命を守るためには、少し広めに適用を考えなければならない。処罰の場合とは違うのだ。これはそうだと思います。でも、それを理由に長期の親子分離を強いるということは、子どもやその御家族にとって本当に苦しいことだと思います。ですから、これは科学的に様々な立場で、確かに3徴候によって虐待を発見し防いでいくということによって救われる子どもは増えたと思いますが、一方で、低位落下や、あるいは転倒でも脳に外傷を負って深刻な状態が起こり得るのだという所見も示されています。ぜひともそういった複数の観点から調べて、そして、過剰なあるいは不要な長期分離がなされないような仕組みをつくっていくことが必要だと考えます。
以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、菅田委員、お願いします。

○菅田委員 全母協の菅田です。よろしくお願いいたします。
まず最初に、藤林先生へ「長くないですか」と発言したのは私です。決して発言を途中で止めるという意味ではなくて、突発的に申し上げてしまい、大変御迷惑をかけたと思っています。謝罪いたします。申し訳ありませんでした。
年末のこの忙しい中に、この専門委員会の委員さんたちが熱意を持って委員会に駆けつけてきているということに、私は大変敬意を持っております。
あと、この短い期間に、大変な資料を作成された厚生労働省の事務方の方々の御苦労にも、感謝申し上げます。
それから、山縣先生の大所帯を運営されているということに対しても、本当に感謝申し上げます。
その上で、1つだけ発言させていただきます。
資料の20ページの真ん中あたりに赤抜きで出ているのですが、これまで児童養護施設等という形で、母子生活支援施設はほとんどその「等」の中に入っているという説明を受けてきました。これについては、私も、私の代理で参加していた全母協副会長の村上も発言したと思うのですが、きちんとこのように※をつけて、例えば乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設という形で例示していただいたことに感謝申し上げます。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、畑山委員、お願いします。

○畑山委員 ありがとうございます。
私からは1点あります。
桑原委員の意見書にもありますが、資料3-5の4ページです。自立支援に関して、都道府県を越える移動があったときのケアに関しては、いろいろな実務レベルでの混乱が生じるのではないかという部分では、本当に都道府県を越えた移動をした若者に関してケアがいくことはすごく重要なことではあるのですけれども、運用するとなると、現場レベルで本当にいろいろな混乱が生じるのではないかと思いますので、一時保護の部分でも書かれているように、やはり運用や実務の詳細については、どこまでどういった方が実務者になっていくのかということはありますけれども、しっかり現場レベルの人を入れて、詳細を詰めていくということ。そこには当事者も含めですけれども、しっかり議論を行っていただきたいなと思いました。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございます。
藤林委員。

○藤林委員 先ほどの長いぞ問題について、端的に一言だけ。議事の進行で、どうしても最終回でそれぞれの者が言いたいことを言いたいとなって、私もつい興奮して長くなってしまったのですけれども、長くなった場合には山縣委員長からぜひ御指摘をいただきたいということを言っておきたいと思います。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございます。
私が止めると、また同じように委員長が勝手に発言を制約したとなりますので、本当に長くなったら指摘させていただきますけれども、委員のほうでもできるだけそうならないようによろしくお願いします。
横田委員、お願いします。

○横田委員 時間がない中、申し訳ありません。
先ほど、今は一時保護の開始のところに議論が集中しているけれども、その後の話、つまり、一時保護が長期間続いているという話を宮島委員がされましたこのことを私は以前にこの場で申し上げたことがあるのですが、もう一回繰り返します。一時保護は最初の段階では幅広く取ってということなのですが、逆に言うと、それは結果的に虐待でも何でもない子どもが一時保護されているということを当然に意味します。どの子どもがそうかは分かりませんが、そういう子どもが必ずいるということが前提となるので、そのことを踏まえて、最初はとにかく保護しないといけないのだけれども、その後、いつまでもそのままでいいのですかということについてもう少し対応が必要ではないか。
この審議会ではそこまでは入らなかったのですけれども、改めて意見を申し上げたいと思います。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、奥山委員、お願いします。

○奥山委員 2つだけ簡単に。
一つは、「家族再統合」という言葉なのですけれども、法律上そうなっているという説明を何回も受けたのですけれども、拠点とか包括支援センターというものをなくして新しいものにするのだったら、何でこれは新しい名前になれないのか、そこを説明してほしいと思います。
もう一つは、これは議事録として残しておきたいだけなのですけれども、4ページで「心中以外の虐待死事例」となっているのですが、これは心中ではないはずなのです。親子が一緒に心中しているのではなくて、これは無理心中なのです。親が子どもを殺して自分も死のうとするということなので、昔、私が委員をやっていたときは、そこはすごく気を使っていたのですけれども、いつの間にか赤い糸で結ばれて一緒に死にましょうの心中になってしまっているのですが、やはりこれはきちんと無理心中と、山縣先生は死亡事例検証も同じく座長をされているので、ぜひ御検討いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○山縣委員長 ありがとうございます。
今の最後の部分は検討させていただきますけれども、私が知る範囲で言うと、報告書はずっと心中を使っています。無理心中とは使っていない。統計は全部そうなっています。ただ、本文の中で使われていたことはあります。というのが事実だと思います。
ただ、拒否するわけではないです。誤解を与えないような言葉がいいというのは理解していますので、検討させてください。
先ほど藤林委員から幾つか質問が出ていました。今、奥山委員からも少し質問が出ていましたけれども、事務局、その辺について答えることは可能でしょうか。

○野村企画官 企画官の野村でございます。
まず、再統合の部分でございますけれども、今、法律上明記されている再統合について、今回は支援事業の構築というところでございまして、法制上、考え方といったところを変えるものではないというところで、新たに今回言葉を変えるとなると、法制上、様々何が変わるのかといった説明がまた必要になるということもあります。ただ、今回この専門委員会で様々御指摘をいただきました。そういった中で、16ページにございますとおり、しっかりと、誤解がされてきているのだと、それをしっかりと払拭するように国としても周知徹底を図らなければならない、ちゃんとこの趣旨を図らなければならないといったところを書かせていただいたということで、御理解をいただきたいなと思っております。
続いて、拠点の関係でございます。8ページのほうで、まず10条の2がどうなるのか、それから、母子保健法がどうなるのかといったところでございます。現在まだ検討中でございますので、その点、お含みおきを相当程度いただかなければいけないというところがございますけれども、今、我々事務局のほうで考えているものとしては、10条の2というものが全部ぼんとなくなるとかといったことではまずございません。それから、母子保健法の該当の条が丸ごと消えるといったことでもございません。まさに業務、機能といったものを書き下している条項、拠点、それから、子育て世代包括支援センターの機能、業務を書き下している条項というものについては、基本しっかりと同じ形で理解されるような形で維持するというか、そういった形で条文を手当てしていくということで考えております。
では、今回、そういう中で何が機能強化になっていくのかというところでございますけれども、やはりサポートプランといったものを新たに法律にしっかりと位置づけてきた、支援を必要とする方に確実に支援が届くようにできるといったところ、そういったところでも利用勧奨や行政による措置権限みたいな話も御議論いただきました。そういったところの機能強化を確実に図っていくための機関、そういったところで今まで各自治体、関係者の皆様がやってきていただいたところを、しっかりと次のステップに引き上げていくことができるのではないかというところで投げかけさせていただいたというものでございます。
であれば、奥山先生から冒頭に御質問がございましたとおり、拠点の機能、子育て世代包括支援センターの機能といったそれぞれの機能がちゃんと併せ持たれているのか、そういったところの確認はどうやるのですかという御質問でございますが、やはりそういった部分はしっかりと基準を設けていかなければならないと思っております。その基準という部分については、今まで設置を進めてこられた拠点や子育て世代包括支援センターのそれぞれの基準というものをしっかりと確認をさせていただきながら、必要な部分、それから、バージョンアップが必要であれば、そういったところをしっかりと手当てしていく必要があるかと思っています。その上で、各自治体で確認いただく。であれば、何がその元になっているのかと申し上げれば、今まで各自治体で、自治体によっては本当に議論が積み重ねられて、先進的な取組ではございますけれども、国が示した指針等にのっとった一体的な設置を進めてきた自治体というのもまさにございます。その先駆的な自治体の取組をやはり一つの形として、この相談機関といったものの設置に努めていただくといった形で我々もしっかりとお知らせをしていく必要があるのだろうと思っております。
私のほうも長くなってしまいましたけれども、そういったところで考えてございます。
あと、課題等については、どう書くことができるか確認させていただければと思います。
以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
今までの議論で、今回、まだ意見が分かれているといいますか、完全に合意できないというような方が、一時保護のところと拠点のところで若干ございますけれども、この点についてのみ何か追加の御意見がある方はいらっしゃいますでしょうか。ほかの委員でも結構です。よろしいでしょうか。
特に追加の御意見はございませんようですので、資格を除いた部分につきましては、今日の御意見は当然できるだけ多く反映させながら、最終の取りまとめという形にさせていただこうと思います。
奥山委員。

○奥山委員 私が以前より期限を切ってきちんと議論を早くすべきと意見してきたのが、「拙速な議論にならず」という文言が入ってしまったりするわけです。今日の議論を元に修正したというものに関しての確認はさせていただきたいと思います。それ抜きに合意はできないと思っています。

○山縣委員長 了解しました。
修正部分については、各委員のほうに御確認をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
どうぞ。

○浜田委員 1つだけよろしいでしょうか。
今日、冒頭に申し上げましたので、そこも含んでということと理解いたしましたが、最終的におまとめいただくということですけれども、一時保護のところについても、最初に申し上げたとおり、すみませんが、私はこの案に反対であるということを改めて一言申し上げます。

○山縣委員長 それは了解しています。ありがとうございます。
中間でもう少し進めてから休憩と思ったのですけれども、もし皆さん方の了解が得られるならば、区切りで休憩するというよりも、先ほどの話を聞いていたら、資格の説明だけ聞いて休憩したほうがいいかなと。
事務局、大丈夫ですか。

○羽野室長 どちらでも。

○山縣委員長 そのほうが話を聞いてゆっくり考えていただけると思いましたので、これから資格のほうの議論に入りますけれども、その後すぐ休憩を挟みます。そのことを御了解の上でお聞きいただきたいと思います。
では、資格の説明を事務局のほうからよろしくお願いします。

○羽野室長 虐待防止対策推進室長の羽野でございます。
時間の関係もございますので、端的に御説明させていただければと思います。
資料2を御覧ください。
資料2の2枚目、1ページと書いてあるところを御覧いただければと思います。
子ども家庭福祉分野の新たな資格につきましては、前回の本専門委員会において、事務局として当初お示しした案に3点の見直しをしてはどうかということで御提案させていただいたところでございます。カリキュラムの増加、保育士ルートの検討、試験の実施の検討の3点でございました。
前回御議論いただいたところでございますけれども、そもそもの資格の立てつけについて御意見をいただくという形が中心となったところでございましたことと、前回御意見をいただきましたけれども、時間的制約もございまして、多くの委員の皆様の御意見をいただくというところにまで至らなかったのかなと思いまして、改めて、基本的に同じ内容として案1として御提案させていただいているものでございます。
なお、これまでの御議論の中で、社会福祉士への上乗せというところはともかくとして、精神保健福祉士への上乗せはどうなのかという御意見もいただいたところでございます。そのことも踏まえまして、この1ページの右下のところに点線で囲わせていただいておりますけれども、追加の論点として、まずは社会福祉の上乗せ資格とするということも考えられるのではないかという論点をここで追記させていただいております。
続きまして、2ページ目を御覧いただければと思います。
事務局としては案1でどうでしょうかということで考えてございますけれども、これまでの御議論を踏まえますと、まだ根本的に意見の一致が見られていないというところもあるのではないかと思っています。しかしながら、やはり児童福祉行政の現場の専門性やソーシャルワークの能力といったものを早急に高めていく必要があるということ自体は、皆様御理解いただけているのではないかなと思っております。そのことも踏まえまして、まずは既存の有資格者や現任者のルートのみで開始するということとさせていただきまして、大学等のルートを含めまして、資格の在り方につきましては、この左側といいますか、既存の有資格者や現任者に係る資格の取得状況やその効果について実態を把握し、その結果も踏まえながら検討するということでどうでしょうかということで、案2としてお示しさせていただいております。
それらの内容を踏まえまして、資料1の報告書案の中で書かせていただいております。
資料1-1を御覧いただければと思いますが、時間の関係上、事細かには申し上げませんが、32ページからが資格のところでございます。
今、我々のほうから御提案さしあげている案1は36ページに書かせていただいております。そして、案2に当たるものにつきましては37ページに書かせていただいております。
そのような形で、私どもとしては、まずは現場の専門性を高めるということをできる限り早急に進めていきたいという思いでこのような御提案をさせていただいておりますので、委員の皆様から、ぜひ御意見を頂戴できればと思っております。
以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
案1につきましては、3回ぐらい前でしたか。仮の提案をさせていただいた部分について、皆さん方の御意見で、赤字になっている検討という言葉のところと、今回新たに論点という形で4つ目の枠がありますけれども、こういう検討点が加わっているということで、ベースは当初案の枠組みから大きくはずれていない。検討項目が増えているということになります。
第2案は大胆に、いわゆる現役の学生さんを直接は考えないという形で、現任者の方を中心に、まず取りあえず現場で活動しておられる方々について対応していこうという案でございます。
このことを少し頭に置いていただきながら、トイレ等でしっかり考えていただいて、10分後ぐらい、今、私の時計は31分ですので、40分過ぎぐらいに再開したいと思います。
前回同様、一旦画面は消していただいて結構ですので、帰られたら、顔を見せていただけたら、再開のタイミングを図ろうと思います。よろしくお願いします。
では、休憩に入ります。
 
(休 憩)
 
○山縣委員長 安部委員と五十嵐委員のお顔がまだ見えませんけれども、そのお二方を除いて、ほぼ全員顔が見えておりますので、再開をしたいと思います。
先ほど、休憩前に事務局のほうから案1と案2についての説明をいただきました。
ここから、1時間15分ぐらいございますけれども、案1、案2、あるいは、過去の経緯で言うと、1でも2でも駄目だという委員も当然いらっしゃるかと思います。だんだん終わりのほうに近づいてきていますので、できるだけの皆さん方のお立場、お考えをお聞かせ願いながら御意見をと思います。よろしくお願いしたいと思います。
ありがとうございます。では、薬師寺委員、お願いいたします。

○薬師寺委員 ありがとうございます。
福祉専門職を採用する自治体の現状ということで、これまでも何度もお話しさせていただいているのですが、最後に意見を述べさせていただくということで、改めての部分もありますが、お伝えしたいと思います。
大阪府では、60年以上前から福祉専門職を採用しています。大学でも専門科目の履修とか社会福祉士、精神保健福祉士等の資格を受験資格としています。相談支援や施設ケアの業務は全て福祉専門職が担ってきておりまして、配置職場は児相だけではなくて、児童自立支援施設、障害者施設、障害者更生相談所、婦人相談所、保健所、児童分野に限らず、高齢、障害、生活困窮者、女性など多くの分野にわたっております。
現在、児相の体制整備は計画的増員ということで進めているのですけれども、大阪府の社会福祉職の採用試験の受験者に対する合格者の倍率がここ数年で4倍から2倍に落ち込んでおりまして、非常に厳しい状況になっております。今後、さらに中核市の児童相談所設置、市区町村の子ども家庭総合支援拠点、児童養護施設等の体制強化など、子ども家庭福祉分野の求人は多くなることが予測されておりまして、人材確保はますます厳しい状況になると考えています。
そのため、現状では、子ども家庭福祉に特化した資格取得者よりも、基本的なソーシャルワークの考え方やアセスメントや支援に必要な知識や技術を持った人材を幅広く採用して、採用後にOJTを重視して育てることが有効だと考えております。
今年度から社会福祉士、精神保健福祉士の養成カリキュラムが新しくなっておりまして、ソーシャルワークの基盤と専門職、理論の方法などが共通科目となり、また、ソーシャルワーク実習が180時間から240時間に増えるなど、現場で実践力が発揮できるような内容となっていると考えております。
社会福祉士の新カリキュラムでは、児童家庭福祉に関する科目は、高齢者福祉、障害者福祉、貧困者支援に対する支援に関する科目と同様、30時間となっておりまして、児童相談所の現状を踏まえますと、これまでの議論にありましたように、子ども家庭福祉の専門科目の履修が望まれます。
一方、精神保健福祉の新カリキュラムでは、社会福祉との共通科目に加えて、精神保健福祉分野の専門科目となっておりますが、児童相談所の現状を踏まえますと、子どもを取り巻く保護者や家族への支援において、精神疾患や精神障害、依存症など、精神医学や精神医療に関する知識、精神保健福祉における支援についての知識、技術が必要な状況となっております。そのため、社会福祉士、精神保健福祉士の指定科目の上に子ども家庭福祉専門科目を載せる案1が児相の現場の実情にかなっているのではないかと考えております。
社会福祉士、精神保健福祉士の指定科目でソーシャルワークの基盤を学んだ上で、子ども家庭福祉の専門科目を履修してもらいながら、児童相談所等における実習で子ども家庭福祉分野のソーシャルワークのやりがいを感じて目指していただきたいと考えておりまして、そのためには、子ども家庭福祉専門科目はカリキュラムの内容の検討を速やかに行っていただきたいと思います。今の児童相談所や市町村、児童福祉施設や里親支援機関におけるソーシャルワークにはどのような知識、技術が必要なのか。子ども、家庭への調査分析、アセスメントや支援プランの作成など、専門性の向上のためにどのような教育内容が質の向上に結びつくのかを速やかに検討して、新しいカリキュラムを創設していただきたいと思います。そのことが児童相談所や各機関の支援の質の向上につながると期待しております。
先ほどもお話がありましたが、今回の児童福祉法の改正で子ども家庭福祉分野におけるソーシャルワークの職域が広がることが想定されておりまして、子ども家庭福祉分野の就職先を広く学生に知ってもらい、選択してもらうことが重要です。国において、子ども家庭福祉分野における人材確保のためにリクルート活動の支援をぜひお願いしたいと思います。
また、そのカリキュラムの内容を基礎として、現任者養成の視点や研修にも速やかに生かしていただきたいと思います。現状では、任用後研修の後、スーパーバイザー研修までは各自治体の研修に任されております。現場に有用な子ども家庭福祉分野の研修が速やかに提供されることを期待しております。なお、現任研修、現任者養成は働きながらの受講になりますので、研修の実施方法や実施期間などについて、児相や市区町村、施設等の現場の意見を十分に聞いていただきたいと思っております。
私からは以上です。ありがとうございました。

○山縣委員長 ありがとうございます。
橋本委員、お願いします。

○橋本委員 ありがとうございます。
たくさんの皆さんが手を挙げていらっしゃるので、端的にお話しさせていただきたいと思います。
私は私の友人とか知人である児家センをはじめとする社会的養育関係の実務者、児相や市町村の職員も含めてなのですが、彼らに国家資格か否か、上乗せか横出しかと、これまでの論点についておのおのの考えを聞いてみたのですけれども、意見は見事に真っ二つです。
前々回も言いましたが、やはりこの議論の最終決着は、多様なステークホルダーの意見を聴取して、もう少し議論を重ねた方がいいと思っています。ただし、児相や市区町村職員、児家センやフォスタリング機関、社会的養護施設職員など、現場スタッフのスキルアップは待ったなしの状況でもあると思っています。そこで、まずは現任者のルートを確立し、その資質向上に努めるべきと考えます。つまり、本日新たに提案された案2を支持したいと思います。
また、実際に肉体的にも身体的にも消耗の激しい現場にあって、恐らく超勤も日常化し、週40時間を優に超える労働をこなした後に、さらに夜や土日を潰して研修を受けるという現任者のリアルを考えると、可能な限りこの内容を実践的な視点から精査して、短期間で効率的に学べる研修にしていただきたいとも思っています。
児相や社会的養護施設が激務であることは、周知のとおりです。せっかく新たな資格システムをつくるわけですから、現任者の多くが最初から無理と諦めて挑戦しないような資格取得制度にはならないような配慮をお願いしたいと思います。
私の発言は以上です。ありがとうございました。

○山縣委員長 ありがとうございました。
奥山委員、お願いいたします。

○奥山委員 ありがとうございます。
タイムスケジュールを伺いたいのですけれども、今日結論を出すつもりでしょうか。それとも、今後議論が続くのでしょうか。そこをまずお答えいただいてから、私の意見を言いたいと思います。

○山縣委員長 当初、スタート時点の予定は本日結論を出すということでございますけれども、当然、今日の議論の中身を踏まえて考えていくということになると思います。
いつ終わるかというのは、先ほど奥山委員からもずっと長い議論をしていたら子どもに届かなくなるよというようなお声もいただいておりますので、どこかで最終的なものは出さなければいけないと思っていますけれども、そこは今日の議論の流れで決めさせていただきたいと思います。

○奥山委員 ありがとうございます。
今年の2月にワーキンググループの結論というか、2つの案があるよというのが出て、その後、春からこの専門委員会が始まったわけですけれども、この案が事務局から出てきたのは11月です。まだ1か月ちょっとしか議論できていないという段階です。その中でも、先ほどいろいろな方の御意見を伺ったという橋本先生の意見もありましたけれども、やはりすごく短いところでこのすごく重要な議論をさっさと終わらせて、後ろがないというように言われていること自体が私は問題だと思っています。もっときちんと時間を取るべきだったと思いますし、一番最初にこれと司法関与が出てきたときに、この2つは非常に議論しなければいけないのに、何でこの2つを一気に1回で終わらせるような形で出したのだというのをかなり私は批判したのですけれども、やはりこういうスケジュールの取り方自体が私は問題だったと思っています。
本論に入らせていただきます。
まず、資格がなぜ必要かと言うと、誰から見てもこの人だったら入り口に立てるという人をちゃんとつくろうということですよね。例えば、私も医者ですけれども、医学部を卒業したらすぐ医者になれるとは誰も思っていないのです。でも、トレーニングを受けたら医者になる資格を持っている人という意味では、すごく重要な資格なのです。それと同じように、すぐに現場に立てるかどうかは別問題としても、このぐらいトレーニングを受け、あるいは知識や技術がある人であれば、その先のトレーニングを受ければ大丈夫だということをみんなが納得するということがまず一つ重要なこと。
もう一つは、今、現実問題として児相や市町村でころころ人事異動があって動かされている。それをなくしたい。プロとして認識される。この人は子ども家庭ソーシャルワークのプロなのだから、この人だったら大丈夫という認識をきちんとされるという2つの点を考えたら、私はやはり国家試験を受けた国家資格というのが大前提であろうと思います。
そして、案1、案2に関してですけれども、案1に関して、何で認定資格ではなければいけないのか、認定資格のほうがなぜいいのかというところが明確に示されてこなかったのです。2月に2つの案が出た中で認定のほうがいいのだ、なぜいいのかというのが今まで全然示されていない。
それから、これは試験の実施を検討ってありますけれども、ルートによって試験が違う。例えばAという資格を持っている人がさらにBという資格を取るに当たっては、Aの資格の中で賄われている部分は免除するということはあり得るかもしれないですけれども、左を社会人コースと呼べば、現任者コースあるいは社会人コースは大学コースの知識部分をカバーしているかと言ったら、していないわけですよね。それでもテスト内容を変えるというのはやはり大きな問題で、周りから見たら、同じ名前の資格が違う試験を受けてなれているということ自体おかしな問題だと私は思います。
とにかく詰められていない。それから、今日資料として出させていただきましたけれども、私の資料の25ページと35ページには児相の職員としての到達目標、それから、市町村の職員としての到達目標が書かれています。それだけの到達目標を国として出しているわけです。この到達目標にきちんと到達するにはどのぐらい要るのだろうか。今まで研修の中でやっていたので、この到達目標自体がすごく少ないものかもしれません。さらに加えなければいけないとは思いますけれども、最低限これだけでもきちんとやるにはどのぐらい必要なのかという議論が必要なのだと思うのです。そういう議論もないままにここまで来てしまっているというのは非常に大きな問題ではないかなと思いますので、保育士ルートの検討とありますけれども、保育士だけでいいのか、心理士、保健師はなくていいのかということも本当は議論しなければいけないところだろうと思うのですけれども、それも全然議論されていないということになると思うのです。
何回も皆さんがおっしゃった現任者ルートの当分の間の経過措置というのはいかがなものかといったときに、上乗せだから期限が必要という事務局からのお答えがありました。案2になって、そこは上乗せであろうが何であろうがという大学ルートはなしにしましたと言っている割に、まだ現任者ルートは当分の間の経過措置で、既存の有識者ルートとの差ができているのです。これは一体何なのか。つまり、上の案1の左側を単にコピペしただけなのではないかと思えてしまうのです。ということは本当に議論が足りないのだと思います。
私自身は、保健師も心理士も、もしかして教員はどうするのだとかという話は出てくると思いますが、そういうところの議論をしっかりとしていかなければいけないと思います。
案2の場合ですけれども、そういうことをきちんと考えた上で、みんなが合意できるということになったとして、やはり有資格者を大学としてきちんとつくっていくのを早急に創設すべきだし、早急にやる中では、先ほど言いました国家試験を伴う国家資格というものを明確にしなければいけないと思っています。
取りあえず以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
坪井委員、お願いします。

○坪井委員 ありがとうございます。坪井です。
2点申し上げます。
1点目は、1ページ右下の点線の四角で囲まれた論点の部分です。精神保健福祉士を除外することを検討するという内容のことが書かれています。虐待防止対応がこの新しい資格を持った方の求められる最大のテーマであるということを考えると、精神保健福祉士こそが児童虐待に対応できる人材ではないかと考えます。子どもたちの虐待の背景には、障害があったり、知的障害があったり、依存症があったりします。そのような状況の中で、子どもを守り、親を支援する仕事です。障害者や依存症の方とその家族を支援する力を身につけた精神保健福祉士が、子どもたちの現場で一人でも多く活躍してもらいたいと考えます。
2点目は、2ページの右下、将来的に検討するとされている部分です。この部分は先送りすることなく、この委員会として結論を出すべきだと考えます。これまでの複数年にわたる検討が積み重ねられてきているわけなので、その結論を委員会として出すということが大事なのではないかなと考えます。
先ほどの羽野室長の説明では、効果と実態を把握して検討していきたいとおっしゃいました。でも、私には、その光景が見えてこない感じがするのです。私に見えるのは次のような光景です。議員の先生方の会話です。議員立法をしましょう。ところで、社会保障審議会の専門委員会はどのような提言をしているのかな。そうか、将来的に検討するとなっているんだ。子どものことは先送りなんかできないよね。では、こういう案で、議員立法で進めましょう。
私の考え過ぎかもしれませんけれども、以上をまとめますと、私の案は、今回提案されている案1でも案2でもなく、前回提示されていた案ということになってしまって、せっかく御準備いただいた内容に応えることができずに申し訳ないのですけれども、そのような意見を申し上げたいと思います。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございます。
次に横川委員、お願いします。

○横川委員 全乳協の横川です。よろしくお願いします。
昨日12月16日に全乳協の拡大正副会長会議を開催しました。その中で確認を取った意見を述べさせていただきます。
まず1点目、要保護児童や要支援家庭と日々向き合う中で、子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの創設を考えることは大歓迎です。新しい資格の創設はなるべく早くなされるべきであり、児童相談所や市区町村の関係者の力量アップに加え、社会福祉法人等の現場で働く職員の力量アップが必要不可欠です。
2点目全乳協としては、現任者ルートは当分の間の経過措置とせず、志のある施設職員が今後資格が取れるルートを確保し続けていただきたい。職種も保育士だけではなく、児童指導員や家庭支援専門相談員、里親支援専門相談員、看護師、心理職等、子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの資格取得を目指す現任者に広くチャンスを与えていただきたいと切望しています。
以上が全乳協の拡大正副会長会議の中で確認された事柄です。
私個人としましては案1の考え方でよいと思っていますが、先ほどから何回も言っている現任者ルートのことはぜひ御検討いただきたいと思っております。
以上です。ありがとうございました。

○山縣委員長 ありがとうございます。
では、桑原委員、お願いします。

○桑原委員 ありがとうございます。全養協です。
本議題につきまして、意見出しをこれまでしておりませんでしたので、現場の声として述べさせていただきます。
いわゆる現場の声ですが、私事になりますが、大変恐縮ですけれども、大学を卒業してこの業界に入って50年余りがたちました。昔と比べて、児童養護施設の現場は、保育士をはじめ、心理担当者やファミリーソーシャルワーカーといったいろいろな職種が業務に携わるようになっています。一方で、時代の変遷とともに、子どもたちの持つ課題も多様化、複雑化し、そして、重篤化していますし、ますます人と人が向き合える力が必要とされています。
資格化の問題についてですが、長年の経験から申し上げますと、資格で子どもは育たないということです。人としての資質を備えた大人との関係性を通して、子どもや家族が前に進めると痛感しております。資格だけで人間性は担保できません。施設の職員は、措置児童をはじめ、一時保護やショートステイ、トワイライトステイ、様々な課題に対応できる実務で鍛えたノウハウと感性を有しています。それは、日常的に保護者や子どもたちとの関係性の中で鍛えられてきた専門性であると自負しています。中堅からベテランとして、実務経験の豊富な職員が、先ほど全乳協からの発言もございましたが、経験を生かして新たな目標にチャレンジでき、さらに長く福祉の世界で貢献してもらいたいということを考えるときに、厚労省が示された上乗せ案を全国児童養護施設協議会は支持いたします。
以上です。ありがとうございました。

○山縣委員長 ありがとうございました。
続いて、高田委員、お願いします。

○高田委員 よろしくお願いします。
何回かお話ししましたように、現場の立場からしますと、今、どういうふうに職員がスキルアップしていくか、そして、児童福祉の領域の中で、今の施設を辞めてもほかの児童福祉の領域でも活躍できるような形として2に挙げられたような現任者ルートがある資格であることはとても励みになります。今、育成については各協議会でいろいろ議論されているとは思うのですけれども、こういう標準に近い形の育成の研修案が横断的に練られるということもとても歓迎するところです。
今、現場の中では新しい職員をどんどん入れるということが難しくなっていますので、今いる職員をとにかく勇気づけてスキルアップをしてもらうという意味で、現任者ルートを中心とした2を私は賛成いたします。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、倉石委員、お願いいたします。

○倉石委員 発言の機会をいただいて、ありがとうございます。
ここまで事務局の方々、それから、山縣先生、非常に難しい議論をまとめていただいたことに感謝申し上げます。
その上で3点ほど申し上げたいと思います。
まず結論から申し上げますと、案2または案1ということで、私は案2のほうを支持させていただいて、議論の中身によっては案1でよろしいのではないかと思っております。
その理由は、各構成員の先生方がおっしゃっておられるように、現場のほうは待ったなしの状態ですので、いかに質を上げていくか。奥山先生もおっしゃっておられたように、この人であれば大丈夫であるという人をしっかりと育成していくという意味では、現任者ルートをまず確保すべきではないかと感じております。
その上で2点目なのですけれども、保育士の実務経験というのが新たに加えられているわけですが、この部分が左にあります子ども家庭福祉分野の相談援助の実務経験とどのように違うのかというところを実は精査する必要があるのではないかと思っております。
その精査というのは2つありまして、一つは左の子ども家庭福祉分野の相談援助のところに「等」とつけると、保育所で保護者対応をされている方などがそこに含まれるということも考えられるのではないかということが一点です。
もう一点の精査といいますのは、保育士の実務経験のところで、実は、これは先ほど橋本先生もおっしゃってくださったのですけれども、保育所・保育士の在り方検討会のほうでも保育士の専門性のことについてかなり議論が出ておりまして、施設保育士と保育所保育士でかなり専門性とか実務の違いがある、特徴があるというところです。ここを一まとめにしてよろしいのかということなのです。
ですから、おまとめたいただくときに、この相談援助等というのを含めるのか、それとも、保育所の実務経験というところでそれぞれの現場の専門性というものを精査するのか、その辺りについては慎重にまとめていただけたらなと。これは要望ですけれどもございます。
3点目です。先ほど薬師寺委員もおっしゃられましたけれども、人材確保という観点でいきますと、国家資格というものを今進めていくのは実はリスクが大きいのではないかと思います。
なぜかと申し上げますと、私は養成校の立場なのですけれども、今回、林委員も御意見をおっしゃっておられますけれども、養成校では今精神保健福祉士ですら閉じようとしている大学が非常にたくさん出てきております。本学の場合は、社会福祉士、精神保健福祉士を両方受験しまして、社会福祉士のほうは大体50人受験して90%の合格率、精神保健福祉士のほうは30人受験して大体100%の合格率を維持しております。ところが、精神保健福祉士は、大変失礼な言い方になったら恐縮なのですけれども、就職口がそれほどございません。精神保健福祉士、社会福祉士、またはということで、ほとんどの学生は社会福祉士の資格を有効に活用しながら現場に就職しているという状況です。
ここで児童福祉司という国家資格ができますと、もちろん児童相談所や市町村での就職の窓口というのはあると思います。就職のことをここで申し上げるのは甚だ失礼かとは思うのですけれども、人材確保というところでいくと、やはり学生は就職先がどこにあるのかということを非常に考えます。そうしますと、児童福祉分野でしか働けないというふうな、それだけではないのですが、幅広く活躍はしていただけると思うのですけれども、学生はそういうところを非常に見ていますので、いわゆる養成校の教育からしますと、国家資格化というのは、反対しているわけではないのですが、もう少し議論していただけたらと考えております。
個人的には社会福祉士の資格の基盤をもう少し強化していただく、その辺りをソーシャルワーカーの学校連盟のほうに期待したいと思っております。
以上でございます。失礼いたしました。

○山縣委員長 ありがとうございました。具体的な提案を幾つかありがとうございます。
では、北川委員、お願いいたします。

○北川委員 ありがとうございます。
そして、事務局の方々、山縣先生、大変な中、いつも本当にありがとうございます。
アメリカで実習してきて、やはり権利擁護とか多様性を尊重した専門職が、専門職として自信を持って活躍している姿が、日本の社会福祉現場の今までの在り方を肯定しつつ、一歩進めるものではないかなと思って勉強してきました。
その中で、やはり私は子ども家庭福祉ソーシャルワーカーが国家資格として位置づけられることは大変重要なことだと思います。これまでの話合いの中で、現任者ルート、保育士と、皆さんのおっしゃるように保健師とかも含めて、やはり現場で子どもと家族に関わった人たちが研修を受ける、それから試験を経てということで、ソーシャルワーカーになれる仕組みが組み込まれた現任者ルートは非常に大事だと思います。
そして、現場でいろいろなつらい思いをしたお母さんたちとか子どもたちに接している中で、本当に遅いというか、50代、60代のお母さんも本当に苦しんできている日本の中では、やはり子どもと家族をしっかり支える、権利を守って、専門性もある、力もあるソーシャルワーカーの存在はもっともっと早くあってもよかったのではないかなと。我慢してきたのは子どもたちだったと思うのです。その子どもが大きくなって、お母さんになって、そのために、できるだけ早く現場で生き生きとこういう方々が子どもを守るために活躍してほしいなと思います。
現任者ルートがこのように開かれたということで、案2は100点ではないと私は思うのですけれども、今の段階で、将来的には国家資格もちゃんと見据えながら、案2の方向で進めていただけたらと。やはり早期に専門職が必要だという観点で考えていただければと思います。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、藤林委員、お願いします。

○藤林委員 ちょっと長くなりますけれども、長過ぎないように注意して発言したいと思います。
結論から言いますと、私は案1も案2も反対の立場で、なかなか議論が収れんしないのであれば、収れんしないまま報告書にはまとめていくということがあるべき姿ではないかなと思っています。
今までの各委員の意見を聞いていましても、例えば橋本委員は「この問題について真っ二つに分かれている」と。それは確かに実情を表しているのではないかなと思いますし、また、全乳協の横川委員でしたか。現任者ルートでも「当分の間ではなく」という意見もあることを考えますと、一つの案に収れんさせていくということは拙速ではないかなと思っています。
その意味で、奥山委員が言われましたように、この議論が11月から始まって、2か月で一つの方向性を決めるというのは、それはやはりするべきではないと思います。
その上で、私は案2の問題点というか、どこが問題なのかというのを、今まで同じことをずっと言ってきているのですけれども、改めて申し上げますと、一つは認定資格です。民間か何かの認定機構をつくって、そこが認定資格を行うということなのですけれども、これが国家資格であればかなりいいのですけれども、なぜ認定資格なのかというのがやはり分からない。これはもしお答えが可能であれば、または厚労省から説明をいただきたいのですけれども、認定資格であるメリットというのはどこにあるのかなと思っていまして、やはりここは国家資格であるべきではないかなと思っています。
私はなぜ国家資格であるべきなのか、なぜそんなにこだわるのかということもまたこの間ずっと考えてきたのですけれども、今回、特に児童福祉法が今後改正されて、司法関与が始まっていく。やはり現場のソーシャルワーカーは裁判所に出す資料を集めるために、様々な事実を収集し、アセスメントをしていくという今まで以上に非常に専門性の高い業務が課せられようとしています。市町村においても新たな枠組みが導入されますので、そう考えますと、ますます児童家庭福祉分野のソーシャルワーカーとしての専門性が必要になってくるのではないかなと思っています。
そもそも、児童相談所の児童福祉司は、子どもの権利または親権者の権利を制限するという非常に重要な業務を担っているわけです。または、措置解除するというのは、場合によれば子どもが死亡するかもしれないといった重要な判断を担っているわけなのです。私は精神科医として、また、精神保健指定医として、強制入院の経験を現場でやってきましたけれども、それと匹敵するぐらい、またはそれ以上の重篤な権利制限を行うということを考えますと、これは本当に判断にはかなりの専門性が必要であり、その判断またはソーシャルワークに対して、誰がその専門性があると認めるのか、それは国家以外にないのではないか。認定機関で子どもの権利を制限する、新権者の権利を制限する、または解除して、家に帰って死亡するかもしれないという判断を、認定機関という民間機関で本当に判断していいのかという根本的なところに思い至りました。
例えば精神保健福祉士も同じです。精神科医療機関においても、どこにおいても、精神障害者の権利擁護または強制入院に対して一定の働きをするわけなのですけれども、そこにはやはり国家資格があるからこそ、そのような業務ができるのではないかなと思います。
医療観察法において、社会復帰調整官または精神保健参与員といった制度があるのですけれども、これを精神保健福祉士はほぼ業務独占的に担っているわけなのですが、医療観察法における社会復帰調整官とか精神保健参与員というのは重要な業務を担っているわけなのですけれども、これも国家資格だから信頼を得てやっているわけなのですけれども、それと児童福祉司は同等の重大な判断を行っているということを改めて考えますと、これは国家資格として専門性が担保されるということ以外にはあり得ないのではないかと思っています。
ここはまだまだ議論の余地があるところなので、ここで拙速に決めるべきではない、まだ議論は続けるべきではないかなと思っています。
こんなことを言いますと、中村委員とか畑山委員から「早く決めろ」みたいに言われそうな気がするのですけれども、私としては、この段階で決めてしまうと、これがずっと残ってしまうということに非常に大きな危惧を持ちます。附帯決議か何かに2年間現任者ルートはするけれども、その後、国家資格として措置をするのだということが書かれればまだしも、それがない状態で、中途半端なこの状態でまとまっていくというのは、私としては非常に大きな危惧があります。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
宮島委員、お願いいたします。

○宮島委員 ありがとうございます。
あと審議時間が40分ありますので、長くなり過ぎないように努めた上で、後でもう一回発言させていただくことを希望します。
その上で、3点申し上げ、子ども家庭福祉だけの独立の国家資格が必要だという意見に関して、この点をどう考えるのかという質問をさせていただきたいと思います。
1つ目として、国家試験を受けること、国家資格を持った人が大事なのだと、この意見に立つ皆さんは何度もおっしゃっています。私は、だからこそ、上乗せ案を支持します。社会福祉士も精神保健福祉士も既に国家資格としてできています。その上で、それぞれ20年、30年以上の歴史を持っています。私は、社会福祉士の第1期の資格取得者です。私は、子ども家庭福祉をきちんとした資格を持った人間として務めたいと考えて、第1期で受験して合格して、ずっと務めてまいりました。そして、今、社会福祉士は、まだ30万人には達していませんけれども、それに近づくような人数になっています、また、この間に様々なものが整えられて来ています。ここのところ、合格者が毎年1万1000人出ています。精神保健福祉士も、もう20年を経た国家資格です。約10万人います。そして、毎年4,000人の方が加わっています。
これについては、今日、社会福祉士会、精神保健福祉士協会、日本医療ソーシャルワーカー協会、日本ソーシャルワーク教育学校連盟が連名で意見を出してくださって、その意見の理由も明記してくださっています。
既に長い歴史があって、ソーシャルワークの共通基盤をきちんと共有しており、そして、様々な力量を上げるための取組みをずっと続けてきた。この社会福祉士と精神保健福祉士を基盤とし、今足りないと言われている子ども家庭福祉の学びを上乗せする、訓練を上乗せする。これが最も合理的で説得力がある方策だと思います。国家試験を受けて、国家資格である社会福祉士と精神保健福祉士を持った人をベースにするということが必要だと思います。
2点目を申し上げます。私は、第1案と今回示された第2案よりも、もともと厚生労働省が11月の頭に示してくださった案が最もいいと思っています。精神保健福祉士は外すべきではないと考えています。確かにスペシャルな面があります。しかし、共通基盤を共有していますし、子ども家庭福祉、あるいは様々な課題を背負っていらっしゃる親御さん、家族を支える上では、彼らの力はぜひとも必要だと思います。
そして、当分の間と記されておりますけれども、当然、経過措置は限定的なものとすべきだと思います。藤林委員が1年、2年と言ってくださいましたけれども、私はそれでは短いと思いますが、5年ぐらいで切るべきだと思います。というのは、様々に御指摘されているような、国家試験を受けないで有資格のソーシャルワーカーと名乗れるというのが経過措置であってよいはずはありません。そのために、やはりこれは当初案に近づけるべきだと思います。
3点目です。とにかく現場の悲惨な状況、子どもの悲惨な状況、御家族の悲惨な状況、また、担い手の悲惨な状況を先延ばしすべきではない。これは国家的なネグレクトになってしまいます。今日お出ししました資料の右側の頁に、最近の報道記事を幾つか挙げさせていただきました。やはりこれらはこの点を問題にしていると思っています。そして、現場は本当に疲弊していると思います。子どもたちの幸せを実現しなければならない。実践力が要ると思います。
質問を申し上げます。独立型の資格を創設したいとおっしゃっている先生方にお聞きしたいと思いますけれども、やはりこれは時間がかかるのではないでしょうか。まず法が成立して、これに基づく仕組みをつくって、大学等に参入していただいて、そして、そこに学生が入学し卒業してくれる。そのように考えると、現任者ルートであれはもっと早くできるかもしれませんけれども、毎年数千人という卒業生が出て資格を持った者を輩出するまでには当然6~7年はかかります。10年かかるのではないでしょうか。最初の卒業生が出るまであれば5~6年かもしれませんけれども、10年以上はかかると思います。また、独立型の資格をつくったときに、行政が果たして、そのような方を採用するのでしょうか。本当に少人数で子ども家庭福祉の業務を荷っています。人事が回るのでしょうか。この辺りについて、明確な根拠をお示しいただき教えて頂きたいと思います。
もう一つの質問は、当初資格をつくるときに、実践力を客観的に担保できる資格とずっとおっしゃっていました。しかし前回の会議あたりから、「入り口に立てる」という表現を奥山委員は述べられるようになりました。これはやはり考え方が違ってきたのでしょうか。私はずっと「入り口に立てる」、資格というのは、専門職としての「入り口に立てる」ものだということを、文章にした資料も出してずっと前から申し上げて来ました。このあたりの変更がどういうことなのかということをぜひともお聞きしてみたいと思います。
以上でございます。長く申し訳ありませんでした。

○山縣委員長 ありがとうございました。
先ほどの藤林委員は事務局に対する質問と受け止めていますけれども、今の宮島委員については委員の中のお立場での御質問がございました。質問に対する回答は、もうちょっとほかの人たちの意見を聞いてからにさせていただきたいと思います。
では、井上委員、お願いいたします。

○井上委員 ありがとうございます。
多くの方が大体の意見を言われましたので、手短にお話しさせていただきたいと思います。
私は、子どもの専門家が必要ということは絶対に間違いないことだと思っています。ですので、これに関しては国家資格化のほうがいいという意見を持っています。
国家資格化をどういうふうにつくっていくかという段階ですが、この中の3番目にあります福祉系大学等のルートの流れは、確かに既に国家資格を持っている方たちにさらに上を上乗せしてやっていただくというような考え方で、小児科のほうも、実は外国などではまずジェネラルで一般の大人の領域などを見た後、7~8年たった後に子どもの専修をするというような考え方もあって、これは一つの考えでいいと思うのですが、その中で、やはり子どものことをしっかりやっていく人たちをつくっていくという案2にあるような新たなものも一緒に考えていかなければいけないのではないかという案が自分の中でもずっと残っています。
先ほど宮島委員が言われましたように、それを本当に動けるようにしようと思ったら、6~7年、それから10年ぐらいかかるというのは確かそのとおりだと思いますが、その方向性を残した上で、今、必要なものも整理していくという考え方も必要なのではないかなと思っています。今、必要なものを整理していくということでは、これは現任者のルートに尽きると思います。福祉系の方をしっかりしていきながら、これもずっと残していくという考えもあると思いますが、私もやはり5年ぐらいだと思っています。その5年の理由は何かというと、その間に他の方が育つということと、今、新しく若い方たちでこの福祉の分野で働いている方たちが、5年間して、次は自分もなりたいというようなことを言い始める。そういったことを見ていく段階でも、ほとんどそれぐらいの年数のところで整理されてきて、あとは本当にやりたいという人は最初からやっていくというような考え方で整理できるのではないかなと思っているからです。
ですので、自分としては、どちらかを今すぐ全部決めてしまうのではなくて、両方残していきながら検討していったほうがいいのではないかなと思っていることをお伝えします。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、安部委員、お願いします。

○安部委員 ありがとうございます。安部です。
構成員意見を出しているので、そこに書いてあることなのですけれども、私はこの委員会の前のワーキングのときから入っているのですが、国家資格かどうかという議論は4~5年平行線で続いている感じがします。もうここで決めるしかないかなと思っていますし、これが委員会の責任でもあるかなと思いました。
国家資格か、認定資格かということは、本当は国家資格のほうがいいのだろうと思いますけれども、1番に戻ると、今回決めるとなると、認定資格かなと思ったりもしますが、どちらにしても名義独占なのです。名義独占で業務独占ではないわけです。それを考えると、20年、30年先になるかもしれませんが、子ども家庭福祉に関わる人たちはほとんどが保持する資格になるということをもっと目指すべきではないかなと。先ほど、自信を持って業務に取り組む、悲惨な現場と言われていましたけれども、その中できちんと自分もこの仕事にプライドを持てるのだという資格になったらいいなと思いました。
問題は、国家資格なのか、認定資格かという資格の選択よりも、要請内容、どういう人を育てるのか、どんなふうに質を担保するのかということが大事なような気がしました。
今回示された案2については私は反対で、4年制大学で養成できないと後継者ができないですし、資格としては不十分なのだろうと思いますので、認定資格なら案1だと思います。
もう一つ、現任者の試験内容を子ども家庭福祉に関する知識だけにする、問題を易しくするみたいな感じだったのですけれども、ソーシャルワークがきちんと分かって、なおかつ子ども家庭福祉の専門知識をきちんと持っているというこの2つのことができる人が欲しいわけです。現任者と言っても、児童相談所で働いている人、市町村で働いている人、施設で働いている人は業務内容が全く違うので、実務経験は均一ではありません。ですので、やはり子ども家庭福祉の専門知識もきちんと担保しなければいけないし、そもそもソーシャルワークとは何かということがきちんと分かっているということを考えると、試験問題は現任者だから易しくする、減免するということにはならないのではないかなと思ったところです。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
菅田委員、お願いいたします。

○菅田委員 全母協の菅田です。
私は37回の専門委員会で事務局案に支持するということで賛同を示したのですけれども、改めてまた案1、案2という形で出てきたので、発言させていただきます。
案1については試験が入ったということで、ほかの委員の方もおっしゃっていましたが、社会福祉士だけではなくて精神保健福祉士も入れるべきだと思います。案1には賛成です。
併せて、案2については折衷案かなとは思うのですけれども、まずは現任の職員を子ども家庭福祉ソーシャルワーカーにしていくルートということだと思いますので、この場合の案2でも賛成です。
これについては、私は座長に一任していいと思っております。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、奥山委員、お願いいたします。

○奥山委員 先ほど宮島先生は国家資格は社会福祉士、精神保健福祉士でいいのだとおっしゃいましたが、社会福祉と精神保健福祉でいいのだったら、こんな議論は起きていないのです。子どものことができていないからこういう議論が起きてきているわけです。ですから、子どものことがあって、先ほど藤林先生がおっしゃったような、子ども家庭の非常に強い権限を行使できる、そこのところの資格として担保できることを国家が認めないと駄目だということです。そこの辺りが誤解されているのではないかと思うのです。国家資格だからいいでしょうと言ったら、社会福祉士と精神保健福祉士だけでいいでしょうという話になるわけです。だけれども、それで駄目だからこの話が出てきているので、そこを誤解しないでほしいと思います。
もう一つ、実践力のことの御質問が私にありましたけれども、ワーキングの中では私もインターン制度とかいろいろなことをその後にやるべきだという話をしています。最終的には実践力をつけなければいけない。そのためのトレーニング制度も本来は必要だと私は思っています。ただ、今回、議論としてたたき台として出されたものは、入り口のところまでしか出てきていないということがあるので、入り口と申し上げたのであって、最終的に実践力をつけるようなトレーニングシステムというのは必要だと私は思っています。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、藤林委員。

○藤林委員 私も宮島委員から御指名いただいたので、コメントしたいと思うのですけれども、その前に、私はさっきの発言で現任者ルートは1年とか2年でいいと言った覚えがないので、言った覚えがないということを言っておきます。少なくとも現任者ルートは4年とか5年は必要ではないかなと思っています。
それから、宮島委員の、国家資格にした場合には、それを目指した場合には、そこからその資格を持つ人が出てくるのはかなり先、6年か8年かと言われましたけれども、精神保健福祉士法のときのことを振り返りますと、多分これで間違っていないと思うのですが、1997年9月に精神保健福祉士法が成立しています。翌年度、1998年4月に施行されています。その年度、1999年1月に試験が行われています。1999年3月31日に合格者を出しておりますから、法律が成立した翌年度の一番最後の日には合格者が出る。その代わり、実務者は5年以上の現任者ということになっていますけれども、先ほどから言っていますように、現任者ルートで国家試験、国家資格ということにすれば、そんなに時間はかからない。時間がかからないのがいいかどうかは別として、精神保健福祉士法のときの経過を今コメントさせていただきました。
以上です。

○山縣委員長 現任者ルートのお話ですよね。

○藤林委員 要するに、国家資格を前提とした精神保健福祉士法というものができて、その資格を持った人が登場するまでにどれだけの時間がかかるのかといった場合に、1年数か月で出ました。当然、それは現任者ルートの方が94%ということでしたということです。

○山縣委員長 浜田委員、お願いいたします。

○浜田委員 ありがとうございます。
この資格化の問題については、私は弁護士資格しか持っていないのでどこまで踏み込んだことを言えるのかというのは前からよく分からないところがございます。
前から申し上げているのは、これからこの仕事を選んでくれる、特に若い人たちが、どういう名前であれ、よし、この仕事に就いてみようと思ってくれる人が確保できる仕組みでないと意味がないというのが一つ。それの一つとして、昔から資格を取ることによってインセンティブが与えられるべきだという話も申し上げてきました。
こういった観点に立ちますと、今、要するに、道はなるべく幅広く設けられるべきだというところに帰着すると思いますので、今回、御提案がありますところでいきますと、案1のほうがよりその道を広く取るということで、こちらのほうが適切かなと考えるところでございます。
今、私が申し上げたところを考えますと、それが国家資格なのか認定資格なのかというところは、実はあまり本質的ではないのではないかという気がいたします。要するに、認定資格と言ったって、どこかの誰か全然知らない素人の人が認定するような制度が想定されているわけではないと理解しておりますので、そうだとすると、国家資格と名前がつくのかどうかというところが本質的な違いになってくるのではなく、そこは仕組みをどのぐらいがっちりつくるかという中身の問題なのではないのかなと考えます。
ということを、何ゆえに国家資格でなければならないのだろうかということを私はずっと分からずに来たのですけれども、先ほどの藤林先生の御発言でなるほどなとちょっと分かってきた気がいたします。だから、専門性とかの担保のところを国がするのだったらなるほどなと思いました。ただ、さっき申し上げたように、そこは認定機構だったり、指定するところでもつくり方ではないかなという気がしているというところが一つ。
もう一つ、藤林先生の御発言の中で、こうやって国家資格ではない違う仕組みをつくってしまったらば、それで固まってしまうのではないのかという見込みの話がありました。ここは私がぼやっと想像していたところとはちょっと違いまして、ここでそういうオーソライズされた資格をつくるのだという話に一歩踏み出すわけです。そうだとすると、言い方が正しいか分かりませんけれども、小さく産んでそれを大きく育てるみたいな形で、むしろ将来的な国家資格化への道はそれで開けるのではないのかなと私は思っていたので、そこはちょっとどうなのかなと思いました。
この案が11月に出てきたということについて、我が意を得たりとばかりに申しますと、実は一時保護の司法審査の案も11月に出てまいったのです。そこについての今日の前半の議論をもう一回蒸し返すつもりはありませんけれども、結局、現場の皆さんがこの制度を早くつくってくれというニーズがどの程度高いのかによって、今、我々がぎりぎり合意できるところで、小さくでも制度を産むかどうかというところの必要性の大小が出てくるのかなと思っています。
以上です。

○山縣委員長 整理をありがとうございます。
宮島委員、再度手が挙がっておりますが、先ほどの質問についてはこれでよろしいでしょうか。奥山委員と藤林委員が質問に答えていただいておりますけれども、特定の人がどの立場だとちょっと言いづらいので。

○宮島委員 ありがとうございます。
それも含めて発言をよろしいでしょうか。
奥山委員、御回答ありがとうございます。奥山委員が言ってくださったように、私は実践的なトレーニングこそが重要だと考えております。資格をつくればいろいろなものがにわかに解決するのだろうか、違うことがむしろ重要ではないか、実践的なトレーニングこそが重要だと一貫して申し上げてまいりました。それを修めた人かどうかということを認定するという意味で、私は認定資格であって、上乗せというものが最も重要だとやはり考えます。ありがとうございました。
藤林委員、ありがとうございました。実は社会福祉士を取ったときも、私は社会福祉学科を卒業しておりますけれども、教育を修めたものではなくて、児童相談所で「司5年」ということを経験した者は受験資格が与えられるという形であったものですから、それで、平成元年だったと思いますが、第1期で受かることができまして、今まで続けております。
私も現任者ルートが重要だと思います。一方、長期的に見れば、やはり後に続く人材をきちんと育てるということがどうしても不可欠です。この国の子どもや家庭あるいは現場を高めるためには、それが重要だと考えます。だから、先ほど質問したのは、むしろそこが本当にできるのかということです。最初の一群が現任者ルートで採れたとしても、続けてそういう人材を確保できる仕組みをつくらなければいけないと改めて思います。そのためには、10年以下では無理だと考えております。
その上で、先ほど質問したのですけれども、まだお答えがなかったこととして、行政が果たして採用するのかということがありました。これは安部委員がおっしゃっておられましたけれども、業務独占ではなくて名称独占なので、なかなかこれが進まないというのが現実ではないでしょうか。どうやってそこを高めていくかということが大事だと思います。
そして、行政が新たな人材を採るということになると、経験者採用というのはまだまだ少ないです。やはり新卒の方々がそれを受けて、そして入ってくる。そういう採用をするということをしていかなければならないので、かなり大変だろうなと。その前の段階として、養成校が取り組むのか。これは林委員も資料を出してくださっていますし、学校連盟のソーシャルワーク専門職団体の資料にも明記されています。学生が選ぶのかということがやはり重要な点なのではないかと思います。
もう一つだけ、この議論は本当に3年4年と繰り返されていまして、ずっと私も参加させていただいて熱心な議論をしてきたのですが、しかし、ここのところ、事実に基づかない内容が語られて、それがそのまま修正されないで来ている。国の社会保障審議会の中の議論で、事実と違う内容、少なくとも誤解を生じさせられるような内容が語られて、修正も補足説明もない。この辺りは極めて遺憾だと思いましたので、今日その資料を出させていただきました。
今日はまだ発言されてらっしゃらないのですが、旧知の仲であって、社会福祉課程の養成に携わっている相澤委員等に逆に答えていただけるとありがたいと思っておりますが、社会福祉士は高齢者福祉のための資格なのでしょうか。社会福祉士は制度を学んで制度を実現していくようなものなのでしょうか。社会福祉士は家庭の評価の仕方、介入の仕方を教えないものなのでしょうか。養成校は制度論ばかりを行って、後から臨床的なソーシャルワークをやるようなものなのでしょうか。社会福祉士も精神保健福祉士も人間対人間、ヒューマン対ヒューマンの関わりをとても重視していると思いますけれども、そのところはどうなのでしょうか。
また、養成校は寝ていても単位を与えるというような言い方がありましたけれども、これは養成校に対する侮辱ですし、そこで学んでいる学生の皆さんに対しても侮辱だと思います。さらに、これからソーシャルワーカーになろうと考えていらっしゃる方々、あるいは今なっていらっしゃる方々への侮辱だと思います。これについて、何か説明あるいは弁明などがございましたら聞きたいと思います。ちょうど手を挙げてくださっていますので、奥山委員にはぜひともそのことをお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○山縣委員長 ありがとうございます。
では、後で自分が該当するものがあるとお感じの方は、そこで含めて御回答いただけたらと思います。
井上委員、お願いします。

○井上委員 自分は先ほど意見を出したのですけれども、言葉が少しおかしかったような気がしたので、訂正したいと思います。
国家資格のほうがいいということは全然変わりません。そして、国家資格の取り方の意味として、子どもの専門家ということに関しては、先ほど藤林委員が言われていた内容の、子どもの大事な、家族にとってもとても大事なところを決定しなければいけない資格であるので、同等の国家資格がいいというつもりで言っているということです。
もう一点は、宮島委員の言われた3番の福祉大学ルートのところのお話を少しして、小児科の積み上げの話も入れたのですが、この考え方としてはあるというところを考えていますが、それが一番いいという意味ではないということだけ、すみませんが訂正させていただきます。
以上です。

○山縣委員長 了解しました。ありがとうございます。
では、奥山委員、お願いします。

○奥山委員 先に宮島先生の質問に。私も大学で結構寝ていました。試験のない科目は特に。そうやって試験がないということで、寝てしまうのはありだと思います。侮辱しているわけではなくて、私もやっていましたということです。そういう意味で、先ほど制度論ばかりはやっていない、確かに制度論ばかりではないかもしれないけれども、中心が制度論になっているという言い方を私はしています。それから、私はカリキュラム等に関しての発言は、こういうふうに言っていいかということを、養成を担当している教官である教授の先生に聞いて、発言してきましたということは付け加えておきます。
もう一つですけれども、さっき実践力が必要だと。そのとおりだと思いますけれども、さっきも言いましたように、例えば医者になるときに、医学部を卒業していなくても、実践力が必要だから誰でも実践をやればなれるのだというものではないわけです。先ほど藤林先生もおっしゃったように、権利のことをきちんと分かっていて、そして、子どものことも子どもの発達ということも分かっていて、家族の変化ということも十分に分かっている。そして、そういう態度が大学の中で身につけてきた人、それが入り口に立つことでトレーニングが成り立つということだと思っていますので、実践力があれば大学は何でもいいわけでは決してないと思っています。
それから、カリキュラムですけれども、上乗せするからこそ大変になるのだと思います。共通科目を履修した上で、独立型でやったほうが、カリキュラムは、実際に何時間勉強するのかということに関しては、子ども家庭に集中した形でできると思います。そういう意味でも、上乗せだからこそ、子ども家庭に関する履修時間が少なくなるという危険性もあるし、それから、必要な履修課程を終えるには4年の中で終わらなくなるのではないかという危険性もあるだろうと思います。先ほど言った到達目標を考えた上でカリキュラムをつくったら、かなりの時間が必要です。
もう一つ、先ほど橋本委員が実務者のルートに関しては短時間でできるほうがいいとおっしゃったのですけれども、本当に必要なことをきちんと学んでいただくためには、私はある程度の時間は必要だと思います。私も実はアメリカで社会人コースみたいなものを取って勉強しました。昼間は病院に行って、夜はそういうコースを取っていました。2年かけて履修してある資格を得ました。そういうモチベーションがあれば、ある程度の時間をきちんと勉強できるということも必要なのだろうと思います。ですので、100時間とかというどこから出てきたのという短い時間ではなくて、本当に必要なことが学べる時間数を学べるような制度にしなくてはいけないと思います。
そういう意味で、案2にしても、プリミティブな図でこれだけで何とか答えを出せと言うほうが問題だろうと思います。そして、私は、最終的に右側も含めて国家資格になるという前提がない中で行われることは危険だと思っています。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございます。
議事録に残るという意味で、また宮島委員から怒られそうなので、今の奥山委員の発言の中に私も寝ていましたというのがございましたけれども、それをここの委員会で肯定しているわけではないということだけ。むしろ寝ていた自分を反省しないといけないのだろうと個人的には思って。

○奥山委員 いえ、寝ていた自分も反省するのですけれども、実際にこれは試験に関係ないなと思うと寝てしまうのです。でも、それなりに医者として私はやっていますので。

○山縣委員長 だけれども、関係のないものはみんな寝ていいということではないので、その議論はこれ以上せずにいきたいと思います。
藤林委員、お願いします。

○藤林委員 時間も大分短くなっているので、短めに答えたいと思うのですけれども、浜田委員の投げかけで、国家資格なのか認定資格なのかによってモチベーションはどうなのかというと、私は明らかに国家資格のほうが資格を取ろうという人が絶対に多いと思いますし、私の周囲の人々についてもそういう答えだったと思います。印象でしかないので、一応そういうことを答えておきたいと思います。
宮島委員の行政は採用するのかということですけれども、幾つもの都道府県で児童福祉司とか児童福祉または児童指導員という形での採用枠があります。今調べたのですけれども例えば宮島先生がいらっしゃった埼玉県は、令和3年度は40名児童福祉司を採る。40名も採るのだなと思ったのですけれども、千葉県も三十何人採っていますし、福岡市はそういう枠はないのですけれども、福岡県は児童福祉採用枠があったりするわけですから、都道府県はやはり児童福祉のスペシャリストを求めているのです。ですから、決して採らないところはないと思いますし、もうちょっと言いますと、例えば精神保健福祉士もスペシャリストですけれども、行政機関は採っています。かといって、精神保健福祉分野だけで働いているわけではなくて、保護課や福祉事務所で働いている実例もたくさんあるわけですから、私は行政自体は採っている事実があるということをここで言っておきたいと思います。
最後に、厚労省さんに実は聞きたいのですけれども、厚労省が考えている案2のような民間認定機構が認定試験をやって、その人々が実際にこういう仕事をしているというモデルというか例があるからこれをつくっているのではないかと思うのですが、いろいろな分野でいいのですけれども、具体的なものがもしあればお教えください。
以上です。

○山縣委員長 今、橋本委員と相澤委員の手が挙がっておりますので、その後で厚労省にお答えいただこうと思います。取りあえずこれで1時をオーバーすると思いますので、そのことを頭に置いて議論を進めていただきたいと思います。
橋本委員、お願いします。

○橋本委員 ありがとうございます。
浜田先生のお話を聞いていて、資格が変わっていくということについて、残念ながらこの国では資格の大枠が一旦決まると、その後は非常に変えにくいというのは、やはり現実なのだろうなと思うのです。それと、所与の条件としては、児童福祉司とか社会的養護施設職員が、配置基準がよくなったことで激増しているのです。その中で、最初に薬師寺委員もおっしゃいましたけれども、採用試験の受験者に対する合格者の倍率も落ちていて、いわば専門性が薄まっているというのは、今、関係者はみなすごく感じていることです。
そこで浜田先生の言葉ですけれども、やはり小さく産んで、大きく育てるというのが今必要なのかなと。この小さくというのがまさに現任者ルートかなと思うのです。現任者の専門性が薄まり弱まっている中で、この専門性をどうやって高めていくか、さらには職場のみんなのモチベーションとかやる気、この先もずっとこの仕事を続けていきたいという気持ちを育てるために、現任者ルートを確立することが大事であり、新資格を取ろうということを職場の仲間が一斉に共有、そして、受ける人たちがしっかりと学んでいく。そのような道をつくるのが、まずは今、やるべきことなのかなと思うのです。
そういう意味では、私、冒頭で案2に賛成すると言いましたけれども、最後の本当に貴重な時間ですが、浜田先生の小さく産んで大きく育てるということばを意識しつつ、案2を支持するということを改めてお伝えして、話を終わりたいと思います。
ありがとうございました。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、最後になりますけれども、相澤委員、よろしくお願いします。

○相澤委員 ありがとうございます。
宮島委員から私に振られましたけれども、要するに、ソーシャルワーカーの国家資格ですから、ソーシャルワーカーを育てているというのはそのとおりだと思いますけれども、ただ、今回の三菱UFJの調査結果などにも出ているように、社会福祉士と精神保健福祉士だけで十分かというと、それでは十分ではないという結果が出ているということについては事実だと思います。そういうことがあってこれは議論されているのではないかなと思いますので、その点は認識しておくべきだろうと思います。
私は、やはりこれだけ議論してきて、ゼロ回答は子どもに対して本当に失礼であると。なので、どうにかしていかなければいけないだろうと考えたときに、この案2が出てきたので、これをもう少しみんなで議論をして実際に専門性を高めるようなものにしていくことはできないのかなと。確かにいろいろな課題があります。国家資格の問題だ、認定資格の問題だ、カリキュラムの問題だ、いろいろな課題がある。そういう課題について議論をしながら、ゼロではなくてプラスにするようなものを最終的に書けるような方向性に持っていけないかなと思ってずっと議論を聞いていました。なかなか難しそうですが、私は、そういった意味では、あと数回ぐらいはきちんと皆さんで議論して、ゼロ回答にならないようにするのが我々のミッションではないかと思います。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございます。
予定の時間がほぼまいりました。今日、どの段階だったか正確に覚えていませんけれども、本日取りまとめたいという形で臨んでいたということは事実でございますが、これまでの資格に関する皆さん方の御意見を伺っておりましたら、案1、2という何段階かの修正後のものになりますけれども、そこもまだ分かれていると思います。
ざくっと整理しますと、これも大前提で、決して多数決を取るということでございません。場の整理にすぎません。ただ、多数決を取るのは非民主的だというのはよく理解していますけれども、一方で、全員が完全に一致するまで議論をし続けるというのも、これは一定の段階で同意された方々がどんどん同意ベースからずれてきますので、これも私は決して民主的だとは思っていません。どこかで決断をしますけれども、今日の段階では、旧バージョンも含めて1に近い御意見をいただいた方が9名程度です。それから、2について近い意見を述べていただいた方々が6名程度です。それから、いずれも賛成でない、反対だという方が2人もしくは3人。最後のほうはちょっと整理しづらかったのですけれども、取りあえず案2でスタートするということもありかもしれない。でも、基本的には独立だという方がいらっしゃいまして、場としてはこんな状況ですので、少なくとももう一回やったほうがいいと今思っています。
これは事務局との調整になりますけれども、また日程が1月になって確保できるかどうか、その辺も含めながら次回以降考えていきたいと思います。
次回は1番と2番の案をベースに議論をするということにさせていただきます。
奥山委員。

○奥山委員 案2は案1のコピペなのです。案1と違うのに案2がコピペになっているということが問題だと思うので、案2のほうにしても今日出た意見などをもう少しきちんとした形で取り入れて修正をしたものを出してきていただきたいと思います。

○山縣委員長 当然そうなると思います。今日の御意見を踏まえて、修正すべきところは修正するということになると思います。
1時になりましたので、これで終わりますけれども、前段で整理させていただきましたように、資格以外については今日の段階であらかた確定して、若干修正をする。資格については、次回、1と2を若干修正したものをベースに議論をいただくということで進行していきたいと思います。
では、後は事務局のほうにお任せします。

○野村企画官 今日も御議論ありがとうございました。
報告書案の資格以外の部分について、今日、様々御意見をいただきました。本日の議論のあった部分の修正について、会は開かずに各委員に御確認いただきたいと考えております。その上で、先ほど座長からもお話がありましたけれども、資格を除く部分については、その形で最終的な報告書という形にしていきたいと考えております。
資格については、先ほど座長からお話しいただいたとおりという形でございます。
次回の日程につきましては、事務局より改めて御案内させていただければと思います。
以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
今日は途中で皆さん方から非常に温かい言葉をいただいたもので、最後は混乱してしまいまして、日本語を間違えてしまいました。申し訳ありませんでした。
では、また日程調整のほうはよろしくお願いいたします。
終わります。

(了)

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