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2021年12月7日 第39回社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会 議事録

子ども家庭局家庭福祉課

○日時

令和3年12月7日(火)10:00~13:00

 

○場所

オンライン


○出席者

委員
 

相澤委員   安部委員   五十嵐委員  井上委員
奥山委員   河尻委員   北川委員   桑原委員
高田委員   坪井委員   中村委員   橋本委員
畑山委員   浜田委員   林委員      平井委員
藤林委員   松本委員   宮島委員   森井委員
薬師寺委員  山縣委員長   横川委員   村上代理

事務局

橋本子ども家庭局長
川又審議官
岸本審議官
小澤総務課長
山口少子化総合対策室長
中野家庭福祉課長
羽野虐待防止対策推進室長
野村企画官
林保育課長
鈴木子育て支援課長
山本母子保健課長
 

○議題

(1)報告書(案)について
(2)その他

○配布資料

資料1 報告書(案)
資料2 子ども家庭福祉分野の資格について(案)
資料3 委員等提出資料
 
参考資料 委員名簿
 

○議事

○野村企画官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第39回「社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会」を開会いたします。
皆様、音声のほうは聞こえますでしょうか。ありがとうございます。
委員の皆様には、お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、ウェブ会議にて開催をさせていただきます。
本日の出欠状況ですが、熊川委員、倉石委員、小島委員、横田委員は御欠席とお伺いをしてございます。
なお、菅田委員、御欠席でございますけれども、代理といたしまして村上幸治様にお越しをいただいております。
また、安部委員は途中参加と伺ってございます。
それでは、頭撮りはここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)

○野村企画官 今回の委員会は、傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。なお、本委員会では、これ以降の録音・録画は禁止をさせていただきますので、傍聴されている方はくれぐれも御注意をください。
それでは、これより先の議事は山縣委員長にお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山縣委員長 皆さん、おはようございます。年末のお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。本日もこれまでの議論を継続していくということになります。まず資料の確認のほうからよろしくお願いします。

○野村企画官 それでは、資料の確認をさせていただきます。
配付資料、右上に番号を付してございます。
資料1「報告書(案)」。
資料2「子ども家庭福祉分野の資格について(案)」。
資料3「委員等提出資料」として、安部委員、宮島委員のほか、SBS/AHTを考える家族の会から資料の提出がありましたので配付をしております。
このほか、参考資料を配付してございます。
以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、議事のほうに入っていただきたいと思います。
今、事務局から説明ありましたけれども、本日は資料1「報告書(案)」を引き続き議論するということになります。前回の議論を踏まえ、さらに修正したものになっております。
まず最初に、事務局のほうから全体について一括して説明いただき、その後、議論をしていきたいと思います。ただ、比較的意見の隔たりがまだ大きい資格については、その中でやっていただいても結構ですし、後段に30分程度、固有の時間を取ろうというように思っておりますので、そちらのほうで議論していただいても大丈夫です。よろしくお願いをしたいと思います。
では、事務局のほうから説明をお願いします。

○野村企画官 企画官の野村でございます。
資料1の御準備いただければと思います。「令和3年 社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会 報告書(案)」でございます。
前回まで御議論いただきました骨子案をほぼ踏襲する形としながら報告書(案)ということで、iポツの「検討の背景」、それから「基本的な考え方」を付した上でiiiポツ以降、骨子案の前回までいただいた御議論を踏まえた修正を行っているといったようなところでお受け止めいただければと思っております。
それでは、2ページ目でございますが「検討の背景」でございます。
前段、1.57ショックなどなどの状況を書かせていただいた上で、15行目以降、すみません、今回から左に行番号を付させていただいておりますが、15行目でございますけれども、今回の議論の背景として、平成28年の児童福祉法改正の5年後見直し年ということがあるということ。それから、令和元年の児童福祉法改正における附則におきまして、一時保護、それから、資格、そして、児童の意見を聴く、それから、権利を擁護する機会、そういったようなところについての検討を加えるといったようなことが書かれていることを受けまして今回の議論を行っているということを書かせていただいております。
加えて、本年6月、閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」におきましても記載があることを御紹介した上で今回の御議論をいただいているということを書いたところでございます。
4ページ、おめくりいただければと思います。
そういう中で今年度の第1回、第2回などで御確認をいただいたデータ等々を踏まえまして、その環境について一部確認ということで整理をしてございます。
4ページ目の11行目以降は未就園児と親の孤立の課題を、それから、24行目以降は児童虐待相談対応の状況と死亡事例の状況を、そして、34行目、支援の状況についてということで書いているということでございます。
5ページ目、8行目でございますけれども、それらの状況を踏まえて子ども家庭福祉行政の課題として、ここに掲げた4点が課題なのではないかということでございます。
そして、それに加えて先ほども少し申し上げました令和元年の法改正の附則にのっとった検討、そういったものを併せて今回御議論いただいたのだと。その上で、以下の3つの方向性に沿って具体的な制度見直しを図るということで、支援を確実に届ける体制の構築、それから、安心して子育てができるための支援の充実、そして、子どもを中心として考える社会的養育の質の向上、この3つが柱ですよということを書いたところでございます。
7ページ目以降、では、その柱に沿ってというところでございますが、ここからが要は前回の骨子でいただいた御指摘を踏まえ、また、検討というようになっていたところで可能な限り今の時点でそれらを除き、まだ依然として調整を進めているところがございますが、残っておりますけれども、それ以外、可能な限り検討という文字を除くような形で手当てをさせていただいているものでございます。
そういうところで7ページ目の31行目「これらに加え」というところは、前回、妊娠届が未届けの事例等々に対しての対応について周知・広報、そういった部分の強化についての御指摘をいただきましたということで追記をしてございます。
また、8ページ目の8行目でございます。身近な相談先の機能を果たすためには、心理士等の積極的に活用できる環境が必要ではないかという御意見をいただきましたので、その旨の記載を加えているというところでございます。
それから、10ページ目以降が「安心して子育てができるための支援の充実」というところでございまして、11ページ目、22行目、赤くさせていただいておりますけれども、市町村の措置を今回設けるということを御提案させていただいておりますが、その措置に要する費用の支弁について記載をしてございます。
また、この今回の今年度の議論の中で利用者負担の御議論もいただいたということで、29行目でございますが「また」から始まるパラグラフの最後「このため、各事業の趣旨・目的も勘案しながら、利用者の負担の軽減を図る必要がある」ということで、ここの必要性、ここの手当ての必要性について記載を行っております。
それから、何ページか飛びまして14ページ目でございます。そこの22行目、在宅指導措置の中身でございますが、在宅指導措置について民間の委託ということについて書いておるところでございますが、27行目、都道府県等の支弁とそれに対する国による負担について法律に位置づけることを検討するということで、費用の在り方についての記載を少し詳しく書かせていただいたということがございます。
それから、15ページ目の7行目以降、親子再統合支援事業の具体的な提供に当たっての留意すべきこと、考え方、様々、今回の専門委員会で議論いただきました。前回も12行目のところでございます。「親子再統合支援事業を行うに当たり、里親支援機関、里親等、施設等、保護者が居住する市区町村との連携の中で実施することが必要である」ということで、親子再統合事業を行うに当たっては様々な関係機関と連携しながらやっていかなければいけないよということ。また、それらをやはりしっかりとガイドラインのほうに反映させるということで記載を加えております。
それから、何ページか割愛して17ページでございます。「(3)社会的養護・代替養育」の部分でございますが「家庭養育優先原則の推進」というところの36行目以降、里親支援機関の部分でございますが、里親等支援につきまして、一部分だけを行うような里親支援機関があるのですという御指摘がございました。今回、そういったようなことを可能な限りそういう対応ではないような形にしたいということで、児童福祉施設として位置づけるという案を今回お示しさせていただいているところでございます。そういったこともございまして、17ページの39行目から18ページの1行目、2行目といったところで記載を加えているということがございます。
それから、同じく18ページ目の9行目、その里親支援機関の要する費用について、都道府県等の支弁とそれに対する国による負担について法律に位置づけることを検討するということで、ここも里親支援機関の要する費用についての費用の在り方の部分について詳細に書き下させていただいているというところがございます。
それから、20行目でございます。里親とかファミリーホーム、そういったところの検討についてでございますが、前回、里親の種別、里親要件、そういったようなところについても議論が必要であるという御指摘をいただきましたので追記を行うとともに、速やかに検討を開始するということで書いております。
それから、18ページ目の39行目「施設の多機能化・高機能化」の部分でございますが、施設職員のモチベーションの部分について御意見をいただきましたので記載を加えております。
19ページ目でございますが、その施設の多機能化・高機能化の部分でございますけれども、調査研究を行うなど速やかに検討を開始するというような形での書き方を行わせていただいております。
それから、同じく19ページ目の「マル3 資源の計画的な整備」でございますけれども、20行目「このため」で始まるパラグラフでございます。社会的養育推進計画について、整備計画という形でのバージョンアップを考えてございますけれども、そのためにも社会的養育推進計画の内容、それから、効果や課題とその適切な指標の設定について、今後速やかに検討を開始するというところでございます。もちろん、議論ができるところから順次対応を図っていくというところでございますけれども、一方で、都道府県等における新たな計画の策定に当たり、必要な準備期間というものも確保していく必要がありますねということを書いているということがございます。
それから、20ページ目以降「一時保護児の司法審査」の関係でございますけれども、20ページの9行目、7日以内で前回、ペンディングという意味で(P)と書かせていただきましたが、その(P)を取らせていただいて7日以内という形にしております。
それから、32行目、33行目でございますけれども、ここの部分について、前回は解除した後、直ちに保護みたいなお話を具体的に書かせていただきました。ここの箇所についてですけれども、一時保護の司法審査についてでございますが、親権者等が同意した場合、それから、請求までに解除した場合は司法審査の対象ではないという形で今回御提案をさせていただいております。
今回の司法審査導入の趣旨から考えますと、本来司法審査の対象とすべき事案について、それが確実になされるよう適切な運用とするというところが大前提だと考えておりまして、もちろん、その司法審査逃れのようなことというのは適当ではなかろうと。行政機関である児童相談所は一時保護の解除と保護を短期間に繰り返すという運用は行わないということはもちろん、この専門委員会でも御議論いただきましたけれども、そのように考えてはございますが、一応理論上としてはあり得るというところがございます。そういう部分、制度的な穴については埋めていく必要があるだろうということで事務局として前回御提案をさせていただいたという背景がございます。
前回もその司法審査逃れのような運用、許容されるべきといった御意見はもちろんございませんで、児童相談所が脱法的な運用をしかねないという認識に立った記述は不適切という観点からの御意見をいただいたと認識をしております。適切な運用の在り方に関する認識にはそういうことでそごはないということで承知をしてございます。厚労省として前回の議論を踏まえ、直接その旨記載することはせず、今回御提案をさせていただいた32行目から33行目、そういったようなところの表現ぶりで記載をさせていただきたいと考えております。なお、具体的には留意点としてガイドライン等で示すことになるというように考えてございますので、また御意見等をいただければと思います。
それから、21ページでございますけれども、面会通信制限等についてでございますが、18行目から20行目「まずは、行政指導ではなく、司法審査の対象となり得る行政措置が現場において適切に実施されるように通知等で促していく必要がある」ということで、この取扱いを明らかに記載していく必要があるだろうということで書かせていただいてございます。
それから、21ページ目の「一時保護の環境改善」、32行目以降でございます。そのうちの38行目以降「例えば」で始まるところでございます。要は子どもの処遇について改善を図っていくべきですということで、では、例えばということで「一時保護中の子どもについて、学校等への通学等が可能となる環境の確保が望ましく、通学等が子どもの利益に反し、子どもが望まない場合には学習支援の環境を整えることが必要である」というような記載に前回の御意見を踏まえてさせていただいております。
それから、この一時保護中の子どもについての障害児の通所支援の利用についてでございますが、そこの部分についても追記を行ったところでございます。
それから、22ページ目の18行目以降でございますけれども、この一時保護の定員超過を行った場合の計画でございますが、前回、それから、前々回ともに御意見をいただいておりますが、里親等への一時保護委託や地域分散化の推進等を加味したものにもちろんしていく必要があるだろうというところでございます。
それから、23ページ目「子どもの意見・意向表明」という形で権利擁護の関係でございますが、前回、子どもの意見なのか、意向なのかということで御指摘をいただきました。年齢に応じてそういったようなところについての意見なのか、意向なのかという取扱いについて考え方がございますので、法制的には事務局のほうにお任せいただくとして、この報告書において意見・意向ということで書いたというところでございます。
それから、24ページ目でございますけれども、この意見・意向表明支援についてでございますが「都道府県等は一定の独立性を担保する観点から外部に委託することを基本とすべきという意見があった」ということで書かせていただきました。
それから、25ページ目の5行目以降に「記録の保存」がございます。7行目でこの記録の保存というところの問題意識について明らかに書かせていただきました。要は、その子どもが満25歳になるまでの間ということで、児童相談所運営指針において、児童記録票の保存期間、そういったところでの27条1項3号の措置・委託を行った子どもの場合について手当てをしてございますけれども、これだとなかなか知りたいと思ったときに記録が存在していないということがありますねということを受けて今回の議論になっているということを改めて書かせていただいております。
同じくそのページの13行目以降、要は16行目でございますけれども、自治体の状況等について丁寧に把握・議論する必要があるため、長期保存とする文書の範囲でございますが、調査研究などできるものからその見直しに着手する必要があるということで記載を改めております。
それから、同じく25ページの27行目以降で「被措置児童等虐待への対応」の部分でございますが、37行目でございますけれども、どうしても里親、ファミリーホームのところについては閉じられた環境になってしまうようなことがあるのでということで、里親支援機関とかそういったところと連携して何とかそういう環境を少しでも防ぐといったようなこと、虐待に陥らない養育というところを可能にしていくといったようなところの手当てについて必要があるということで記載を行ってございます。
それから、一部、ちょっと飛ばさせていただいて、27ページの11行目でございます。この専門委員会でも自立支援の部分については様々御意見をいただいたところでございますが、11行目以降は都道府県等が必要と判断する時点を迎えて児童養護施設等々を退所して、それから、委託を受けていた里親等での養育を受けた後のことについても御議論いただきました。そういったところについて、児童福祉法とその他支援制度の支援対象、役割の違いには留意をしなければいけないのですが、様々な手法による支援方法というのを今後しっかりと考えていく必要があるなということを意見としていただいたということを改めて書かせていただいております。
それから、29ページ目以降、まさに今日、資料2で御用意をさせていただいております資格の関係についての記載でございますが、まさに本日、また御意見をと思っておりますので、その31ページまでは前回と同様の記載という形にしております。
32ページでございますが、14行目でございます。児童へのわいせつ行為を行った保育士の対策については、その2行目以降のところで書かせていただいておりますけれども、14行目のところは、そのほかに児童へのわいせつ行為を行った社会的養護・代替養育の現場に従事する職員についても、早急な対応を考えていく必要があると前回御意見いただきましたということで記載を行ってございます。
それから「情報共有」の部分についても児童福祉現場のICTの導入、しっかりとできるものから順次やっていかないといけないですねということを改めて書かせていただいております。
そして、33ページでございます。特別区や中核市の児相設置推進というところは、引き続き我々、しっかりとやっていかなければいけないということで考えておりますので設置推進ということを書かせていただいております。
34ページ以降、参考資料として、このiiポツのところで書いたデータの確認ということで、こういった資料も付け加えをさせていただいております。
すみません、説明としては以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
続いて、資格についてよろしくお願いします。

○羽野室長 虐待防止対策推進室長の羽野でございます。
資料2を御覧いただければと思います。
資料2の2ページからでございます。子ども家庭福祉分野の新たな資格につきましては、11月5日の本専門委員会において事務局より案をお示しさせていただきまして、これまで様々な御意見を頂戴したところでございます。いただいた様々な御意見を踏まえまして、事務局としてお示しした案に手直しをしてはどうかというように考えまして3点の見直しを御提案させていただきたいというように思っております。
この資料の2ページの赤枠のところで3点、吹き出しのような形で書かせていただいております。
まず1点目、マル1というところを御覧いただければと思いますが、カリキュラムの時間数についてでございます。時間数について、まだ不十分だという御意見があったことも踏まえまして、時間数増加について検討してはどうかということで考えてございます。具体的な上乗せ時間数につきましては、現時点で何時間というように申し上げるということはなかなか難しいのですけれども、今後、厚労省で施行に向けた段階で設置することが見込まれるカリキュラムの検討会の中において、具体的なカリキュラムを検討する中で時間数の増加も含めて検討するということとさせていただければというように考えてございます。
2点目、保育士ルートの検討というところでございます。保育士につきましても現任者ルートで認めていくべきという御意見があったことを踏まえまして、保育士ルートも検討してはどうかと考えてございます。なお、その保育士ルートの検討とある左側、子ども家庭福祉分野の相談援助の実務経験4年、そういう方々と比較するとソーシャルワークの経験に差があるというように考えられますので、ソーシャルワークに関する研修の内容につきましては多少手厚くする必要があるのではないかというように考えておりますのと、※書きのところにございますけれども、対象となる保育士の範囲につきましても相談援助や保護者対応等の経験を考慮して検討する、そういう必要があるのではないかというように考えてございます。
3点目、試験のところでございます。試験を実施すべきだという御意見も多くあったことも踏まえまして、試験実施を検討してはどうかと考えてございます。その際、現任者の方々につきましては、試験の負担があるということも考慮しまして、学生ルートでは知識・実践、両方について試験を実施するということにしつつ、現任者の方々につきましては実践的な内容について試験を実施してはどうかというように考えてございます。
以上の御提案を踏まえまして報告書(案)に追記させていただくことでどうかと考えております。その案が3ページでございます。
1つ目の○のところでは、制度設計案に対して多岐にわたる御意見があったと。そのような中で資質向上の必要性については論をまたないという旨を記載させていただいております。
2つ目の○のところにつきましては、能力や質を担保する制度が必要である旨、また、現場への早期の波及効果が必要である旨を記載させていただいております。
3つ目の○では、これまでの事務局案に対し支持する意見、反対する意見、その他の意見、様々あったわけでございますが、それらを含めまして全体を総合して考えた上で改めて整理するということで、今、御説明させていただいた3点の修正を行うべきであるということで書かせていただいております。また後ほど御意見をいただければと思います。
以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
一応本日準備をしております資料についての説明はこれで終わります。
この後、皆さん方の御意見を伺おうというように思いますけれども、1点、情報で、出席予定であった榎本委員のほうから欠席の連絡が来ていますのでお伝えをしておきます。
現在、10時25分くらいですけれども、おおむね12時くらいまで、この全体についての御意見を伺う。途中で10分程度の休憩を挟む予定ですけれども、その後、12時くらいから残った時間で資格を中心に検討するというように考えています。ただ、関連する部分もございますので、資格について前段で議論してはいけないというように思ってはいません。関連することについては御意見をいただいても全く問題ございません。
では、従来どおり手を挙げる機能等を使って御意見をいただけたらというように思います。
五十嵐委員、お願いします。

○五十嵐委員 おはようございます。
私、間違えているかもしれないのでちょっと伺いたいのですが、まず21ページの「一時保護の環境改善」の39から40行目なのですけれども、放課後等デイサービスなどの障害児通所支援と書いてあるのですけれども、これは放課後等デイサービスは必ずしも障害児だけではないですよね。健康な方も行くわけですよね。ですから、これは放課後等デイサービスや障害児通所支援、これは並立でしょうか。これはこのままでいいのでしょうか。これが一点です。

○山縣委員長 放課後等デイサービスは障害児を対象とするものです。放課後等児童健全育成事業、いわゆる放課後児童クラブは障害の有無を問いません。必要があれば両方書いてもいいということですね。

○五十嵐委員 そうですよね。健康な、別に障害のある方だけではなくてもいいわけですよね。

○山縣委員長 そうですね。放課後児童クラブというのはですね。

○五十嵐委員 そうですよね。それは書かなくても、では、いいのでしょうか。

○山縣委員長 恐らく書くことに問題はない。難しい。

○五十嵐委員 分かりました。どうもありがとうございました。私、間違えていました。

○山縣委員長 ちょっと追加で事務局から。

○五十嵐委員 もし書けるのでしたら書いていただきたいと思います。それが一点です。
もう一つ、その1行上の子どもが望まない場合には学習支援の環境を整える、これは大変よろしいと思うのですが、例えば健診など、学校の場合は学校健診ですよね。それから、乳幼児の場合は定期健診があると思うのですけれども、健診を受けるようなチャンスの提供はしていただきたいと思うのですが、ちょうどたまたま保護しているときに健診の期間があったときにそれを受けられないというのはやはりよくないと思うので、健診のこともちょっと書いていただけるとありがたいと思いました。
以上です。どうもありがとうございます。

○山縣委員長 事務局のほうから今の2点、何かありますか。

○野村企画官 企画官の野村でございます。
まず、放課後等デイサービスの部分の記載についてでございますが、放課後等デイサービス、障害児の通所支援の一つでございます。前回、北川委員のほうから一時保護中の子どもでの障害児の通所支援、必要な場合があるけれども、そもそも行かせるということができるのかどうかといったような御指摘もあり、そういったところの制度的、もしくは運用上の見直しといったようなところについてお話をいただいたところでございまして、事務局のほうで確認をし、制度的な障壁はないということで、基本、やはり一時保護所、それから、児相、そういったところでの運用についてしっかりと我々のほうでも利用可能であることを明らかにするというところは必要であろうということで書かせていただいたというところでございますので、学童保育といったようなところについてはまたちょっと事務局のほうでも考えさせていただきますが、まずは障害児の通所支援についてという御指摘をいただいたということで書いたということでございます。
それから、健診についても少しちょっと事務局のほうでもまた確認をさせていただければと思います。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、五十嵐委員、よろしいでしょうか。

○五十嵐委員 結構です。どうもありがとうございました。

○山縣委員長 では、橋本委員、お願いします。

○橋本委員 ありがとうございます。
私の声、聞けますでしょうか。

○山縣委員長 聞こえております。

○橋本委員 ありがとうございます。
私からは人材育成について、資格の話ではない部分について意見を述べさせていただきたいと思います。
29ページから31ページまでの「人材育成」について、全体のバランスを見た場合、民間人材の確保、育成について記述が少ないなと感じます。11月5日に提出しました私の意見書に、社会的養護施設の離職率の高さを数字で示し、その主な要因も記していますので詳細は省きますが、例えば31ページの一番下の「○ 児童相談所や市町村の職員は公務員であり」の次に1段落を設けて、「○ 社会的養護施設をはじめとする民間の職員はケアニーズの高い子どもたちの増加や24時間365日体制で業務に従事していることなどから人材確保が難しく、その定着率の低い状況が長年続いている。そこで、・社会的養護施設による人材確保や人材定着に資するセミナーを開催したり、人事マネジメントに関する好事例を調査し、周知するなど、国と自治体による民間人材の確保対策も講じるべきである。
また、・児童家庭支援センターやフォスタリング機関が地域の家庭支援や里親支援の機能を十分に果たしていくためには、ソーシャルワークに携わる職員の確保や資質向上が大きな課題となる。国と自治体はそうした民間人材の確保、育成対策についても十分な対策を講じるべきである。
ぜひこのような文面を加筆していただければと思います。
私のほうから以上です。ありがとうございました。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、続いて、奥山委員、お願いします。

○奥山委員 ありがとうございます。
一つ、お断りしたいことがあります。私、事前の御説明のときの資料で一生懸命考えてきています。それで、昨日の夕方、新しい資料が来たのですけれども、全く目を通す時間がございませんで、変わっているところがあるようなのですが、もしそうだったら御指摘をいただければと思います。
あと、ちょっとお聞きしたいのですけれども、細かい点でいろいろな文言の在り方などは後からのほうがいいのか、ここで全部御指摘したほうがいいのか、どうなのでしょうか。

○山縣委員長 どうぞ。

○野村企画官 企画官の野村でございます。
文言ベースのお話につきましては、この会終了後等々でも構いませんので、メール等々で頂ければとも思いますけれども、いかがでしょうか。

○奥山委員 分かりました。
では、細かい点は省かせていただきます。4ページの4行目ですか、「未就園児が一定数存在している中で、親が孤立している状況がある」、ちょっと意味が通じにくいかなと思います。
幼稚園とか保育園に入る前の未就園児がいるのだということと、そこで親が孤立している傾向も見られるのだということなのだろうと思うのですけれども、意味が通じにくいというように思います。
それから、その下の22行目は「親が孤立している」となっていますが、全部の親が孤立しているわけではなくて支援拠点を利用している親の5割が孤立していると感じているということですから、孤立していると感じている親も少なくないとかというぐらいなのかと思います。
それから、5ページの最後のマル1、マル2、マル3というのがあるのですけれども、3つの方向性だけなのか、基盤整備はこの中に入れなくていいのかということを伺いたいと思います。
次に、14ページの親子再統合支援事業というのが、気になります。親子再統合支援事業ということでもうそれありきになってしまう、つまり、再統合ということで返さなければというようになってしまったということがあるので、この名前を何とか変更できないかというのが一つです。
それから、少し戻ります。8ページの「子ども包括支援センター(仮称)」と書いてあるのですけれども、どうしても包括という名前を入れると子育て支援包括支援センターとか高齢者の包括支援センターとかのイメージが非常に強くなって介入的支援をする場所というイメージが捉えにくくなるのではないか。やはり申請制で支援をしていくイメージが強くなってしまうのではないかということを懸念します。
それから、17ページです。特別養子縁組だけが永続的解決ではないというのが何回か意見が出たのですけれども、どうしてもここが直っていません。親子再統合支援事業でパーマネンシー保障ができない場合ということですから、家庭復帰がパーマネンシー保障の一つなのだということはどこかにきちんと明記をしていただきたいと思います。
例えば14行目、「再統合による永続的解決が困難と考えられる場合において」といった形でもいいと思いますが、そういう再統合も永続的支援の一つなのだということを明記してほしいと思います。
それから、18行目ですけれども、いろいろフォスタリング機関の支援は書いてあるのですが、フォスタリング機関で今、里親さんが増えないということが非常に大きな問題としてあるわけですから、リクルートの充実ということをそのフォスタリング機関でも特に支援していくということは書いてほしいと思います。
それから、19ページの6行目「速やかに検討を開始する」というのは全ていろいろなところで直していただいているのですけれども、やはり「期限を決めて」というのをできれば入れてほしいと強く思っています。
それから、21行目、都道府県における新たな計画の策定というのは一体何を指しているのかというのが、この法改正があったら急にまたやり直すのかみたいな誤解が生じるのではないかと思いました。これが何を指すのかを明確にしていただいたほうがいいと思います。
それから、20ページから21ページにかけての一時保護の司法審査ですけれども、ずっとこれまで話に出ていましたが、子どもが一時保護に入りたくない、親は認めているけれども、子どもが嫌だと言っているというときに関して、その親の親権ということで司法関与ができないという意見が強いのであれば、この委員会では、子どもの権利擁護の視点から、子どもが認めない場合の一時保護司法審査が必要だという意見があったということは明記しておいていただきたいと思います。
それから、22ページ、6行目「新たに独自の」という辺りに一時保護ガイドラインに基づきということを明記していただきたいと思いました。
それから、24ページですね。一番上の○、2行目からの○ですけれども、この都道府県等は一定の独立性を担保する必要があるということで、独立性の担保と外部委託は区切るべきだと思います。必ずしも外部委託したから独立性が担保できるわけでもないこともありますし、その委託することが問題なのではなくて、独立性を担保することが重要なので、そこをきちんと明記していただきたいと思います。
それから、29行目以降のところですけれども、このワーキングでは国レベルのコミッショナーが必要であるという合意に至っています。議論があったという書き方ではなくて、取りまとめにおいて明記されたなど、しっかりとした文章にしていただきたいと思いますし、一番最後のところは省庁横断的な検討を推進していく必要があるという形に書き換えてほしいと思います。
25ページ目のところは先ほどのお話の中で、私が指摘したいところは修正もされていたようなので上のほうは良いとして、31行目、里親やファミリーホームが閉鎖的になってしまうという御意見が結構出ていたと思いますので、里親機関がある程度第三者機関としての役割を果たしていくということも入れてもいいのではないかなというように思いました。
それから、あとは資格に関連してしまうので、後ほどまた意見を言わせていただきたいと思います。
以上です。

○山縣委員長 メモが取り切れなかったのでごめんなさい。十分把握できているかどうか分かりませんが、質問の部分について、では、後でしますか。

○野村企画官 すみません、1点、御質問いただいていた基盤整備の部分でございます。5ページ、6ページの部分でございますが、すみません、御指摘のとおり、4つの方向性に沿ってということで、もともとはマル1から3のものについて、さらにそれらを推進するための基盤整備ということでございましたが、その基盤整備の中での見直しもございますので、次回、この基盤整備の部分、付け加えてお示しをできればと思います。

○山縣委員長 あとは御意見ということで、また皆様方のほかの方々の意見も踏まえながら検討いただくということにしたいと思います。
では、続きまして、桑原委員、お願いします。

○桑原委員 ありがとうございます。全養協の桑原です。
私は意見としては2点あります。
12ページの下のほうですが、27行からの文ですけれども、子育て短期支援の事業についてですが、この中に入所という言葉が度々登場します。利用という文言も出てくるのですが、これがベースになって市町村に通達を出すということになるとすれば、「入所」ということには、利用される方の抵抗が随分出てくるのだろうと思うのですね。
法律的な文言ではありますが、「入所」ということがどうしても引っかかってしまうのですね。刑務所の入所と同じ分類の中に児童養護施設の「入所」も入っているので、今回の児童福祉法改正ということではなく、今後に向けての何かそういった整理の仕方があってもいいのかなと思いました。そのため子育て支援については「入所」ということよりも、「利用」という表現の中で文章を進めていただきたいなと、それを思ったのが1つ。
それから、2つ目ですが、21ページにあります一時保護の問題です。今、全国の児童養護施設の本体施設において、一時保護を行う事業の実施が様々進んでいるやに聞いております。過去、当施設においても特別枠で一時保護を1年半ほどやったときに、いろいろなケースがありました。最初の段階でのいわゆるアセスメントにおいて、長期になるであろうと見込まれるケースについて、実は過去に措置入所にならなくても、一時保護段階において、いわゆる学校区にある小学校に通学させたケースが幾つかあります。できる限りスピーディーに一定の方向を見通し、教育を手だてすることが必要です。施設によっては学校区の中で非常に学校と円滑に運営ができているところもありますので、児童相談所と連携することで一時保護委託中の通学が可能であると思っています。
以上、2点です。

○山縣委員長 御意見ありがとうございました。
では、浜田委員、お願いします。

○浜田委員 ありがとうございます。浜田です。
一時保護に関して何点か意見を申し上げます。報告書19ページ以降ですけれども、私がまず申し上げたいのは、20ページの8行目からのところです。事前または事後7日以内というところですが、その7日以内の後の「(P)」が取れたということそのものは歓迎をしたいと考えておりますが、他方で、では、7日なら本当に大丈夫なのかという点はやはり繰り返しになりますが指摘をしておかねばならないと思います。
この週末に子ども日本虐待防止学会の学術集会がございました。そこでこの問題について取り上げましたところ、全国の多数の児童相談所関係者から、この7日は本当に7日でやるのですかという不安の声を多数頂戴いたしました。特に一般の週末、7日となりますと必ず週末は1つ挟むわけですけれども、特に週末に期限が来る場合、ましてや大型連休の場合、さらには年末年始の場合、そういったときに決裁権者の決裁を経て裁判所に持ち込むということは果たしてできるのだろうかと。決裁権者はもう一日もお休みがなくなるのではないかというような意見もございましたので、ここでちょっと御紹介をしておきたいと思います。
事ここに至っての話ですので、今までに私が何回かの会議で申し上げたことと重複することについては基本的に申し上げないでおこうとは思っておりますが、1点、同じ20ページの30行目からのところでございます。前からあるとおり、基本的な一時保護の司法審査対象ですけれども、親権者等が一時保護に同意した場合は除くということです。これは今までそういえば言っていなかったと思うのですけれども、この同意というものが撤回できないとはさすがに制度上、つくりにくいのだと思うのです。もしそういうのにするなら法律にその旨書くべきだろうと思いますし、その同意というのはそのときには児童相談所が確認するだけでよいのかという議論も出てくるのだと思います。
そうだとすると、これは一旦同意した親権者さんもやはりやめたと、やはり撤回だということは制度上あり得ると考えなければならないのではないでしょうか。そうだとすると、事前に令状を得ないままに一時保護を開始した。一旦同意した親権者が保護開始6日後にやはり不同意ですと同意を撤回します。例えばそのような内容の内容証明郵便が届いたときにどうするのか。これは翌日までに裁判所に請求を放り込まねばならないということになるのか。ちなみに、放り込めなかったときの一時保護の効果はどうなるのかということ辺りも実は詰めなければならない問題として存在するのではないかと感じますので、ここは改めて指摘をしておきたいと思います。
こういったことを考えますと、やはりちょっとあまりに急ぎ過ぎではないか。私は11月16日の委員提出資料に書きましたとおり、これは急ぎ過ぎで、検討期限を区切ってやること自体は当然あり得ると思いますけれども、今、ここで、これでさあいいぞということにはやはり危惧を覚えるというところでございます。
関連しまして、本日の委員等提出資料を拝見いたしました。安部委員の御提出資料の中に、5ページから子どもシェルター全国ネットワーク会議の意見書を頂戴しており、これを拝見いたしました。ここを見ると、やはりちょっと慎重に考えましょうということなどが触れられております。
特に6ページのところで日本の児童相談所や家庭裁判所の人的体制が圧倒的に不足している現状で現場に混乱をもたらす、かえって子どもの権利保障を後退させるといったところで拙速な導入があってはならないということ。
あと、これは御指摘、なるほどなと思って拝見をしておりますけれども、特に7ページの下から第6項の「一時保護中の子どもの代理人弁護士の必要性」、また、8ページに参りまして7項の「司法審査における子ども代理人の必要性」が指摘をされております。いずれも、いわゆる子どもアドボケイトの導入の議論と絡むことではありますけれども、特に司法審査に子どもが関与するとなった場合ですが、その場合にその子どもの利益を代弁するというのは、それは子どもアドボケイトがやるのかというとそうではないように思います。もちろん子どもアドボケイトというものをどのような制度として設計するのかにもよるとは思いますけれども、ここはやはり弁護士の仕事ではないのかなと思いますので、この辺を含めた議論が必要ではないかなと考えます。
委員等提出資料の14ページ以降にSBS/AHTを考える家族の会からの御意見もございました。17ページのところの意見マル3を見ると導入趣旨に立ち返った議論をお願いしますという記載がございます。おっしゃるとおりで、結局、誰の何のためにこの制度が求められるのかというところをしっかり踏まえながら我々は議論をしていかなければならないのではないかというように感じましたので意見として申し上げました。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、藤林委員、お願いします。

○藤林委員 幾つかの意見があります。
まず8ページの19行目からのくだりですけれども、子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターを再編しというのは、これは方向としてはいいと思うのですが、これは仮称となっていますが、先ほど奥山先生が言われたように子ども包括支援センターという、こういう名称になるのだなというように思って、これで実態を表すのだろうかということと、実際に例えばここに属するソーシャルワーカーの方が、虐待通告があって家庭に行くときに子ども包括支援センターから来ましたと言うときにぴったりくるのだろうかというのがとても懸念を持ちます。
構成員の一人である井上先生もこの間、子ども家庭総合支援拠点の普及というか定着に大分御尽力されてこられて、私も今年度から関わっておりますけれども、やっと子ども家庭総合支援拠点という名称とか概念が定着してきたのにここで包括支援センターというのはちょっと違和感がありまして、特にこれは前回、2016年、児童福祉法改正で10条の2にこの名称が出て、もう終わってこのままでしてしまうのかなという思いと、この子どもと家庭の支援である、ここが重要なキーワードではなかったかなというように思うのですけれども、そこがもう少し明確に子どもさんも支援するが家庭も支援するのですということが分かるような名称をぜひ御検討いただきたい。私は、子ども家庭総合支援拠点のままでいいのではないかなという気もするのですけれども、そこはまた御議論いただければというように思います。
それから、17ページの4行目の「マル4 特別養子縁組・養子縁組推進のための環境整備」のところ、先ほど奥山委員が言われてはたと思いついたのですが、ここのマル4の記載する場所は、実は今、調べたら13ページの(2)の「支援の必要性の高い子どもやその家庭への在宅での支援」の中にこのマル4が入っているのですけれども、本来、ここで養子縁組のことが言われているのであれば17ページの32行目の「(3)社会的養護・代替養育」の中に含まれるべきではないかなというように思っています。
家庭養育優先原則の推進の中に含まれていくのでは。そこは検討いただいて、その中に奥山委員が言われたパーマネンシー保障のことを少し大前提として総論的に書いてもらうといいかなというように思っています。
さて、それから、21ページの15行目辺りのところですけれども、この報告書を見ますと、いろいろな書き方、書きぶりになっていまして、何々という意見があったというのは結構幾つもありまして、なかなか報告書として一つの案として出せないが、こういう意見があったというような紹介の仕方、そういう記載をすることによって、今度、事務局で検討いただいたり、また、この専門委員会を視聴していらっしゃる方々、またはその関係者の中での議論の参考になるのではと思っているのですが、この一時保護の司法審査については、一応こうこうこういう意見があったということがほとんど書かれてないので、ぜひそこは明確に書いていただきたいなというように思っています。
特に手続保障のところが明確に書かれていない。浜田委員が言われるように子どもの代理人制度もそういう意見があったというのはぜひ書いていただきたいし、私からは例えば思いついた文章としては、一時保護請求が却下された場合、子どもからの不服申立て手続を設けるべきであるという意見、また、一時保護請求が認められた場合における親権者等や子どもによる不服申立て手続を設けるべきであるという意見があったというようなところを書いてもらうことがこの専門委員会としての議論を踏まえていただくことにつながるのではないかなというように思っています。
もう一つ、23ページのところですけれども、前回、意向にはできないというように主張したら意見と意向が両方載ったというのがそうなのだなと思うのですが、私は専門家ではないので、意向が残る理由というのがいま一歩、先ほど事務局の説明があったのですが、ちょっと腑に落ちないものがありまして、もし可能であれば専門委員の中で唯一弁護士である浜田委員から、なぜ意向が残らないといけないのかというところを説明いただきたいなと思いまして、もし時間があれば後でお願いしたいというように思います。
資格については後半30分ということなので、そこでまとめて意見を言おうと思いますけれども、果たして30分で足るかなというような不安がありますので、そこだけ言っておきます。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
浜田委員、何かございますでしょうか。補足いただけること、意向と意見ということについて。

○浜田委員 御指名ありがとうございます。
私が十分に話せるか分かりませんが、私も前回申し上げたとおり、ここはもう意見で統一的なところでいいのではないかなというように申し上げたところです。ただ、例えば権利条約も日本政府訳を見ると、自己の意見を形成する能力のある子どもの意見、という形になっていて、そこでは例えば赤ちゃんが泣いているとかそういったことまで「意見」として含むのかというと、必ずしもそうではないというようなお立場というのはあり得ると思うのですよね。
他方で、これもまたうろ覚えで申し訳ありませんが、子どもの権利条約のもともとの英文のほうでは、ここはたしかオピニオンではなくてビューとなっていたはずで、そうだとすると、今、申し上げたような例えば十何歳以上とかの明確に私の意見はこれですというもののみを意見として捉える、そのようなものとして狭く考えなければならないのかとなると、そうでもないのではないのかなと私は思うところです。
ただ、恥ずかしながら、児童福祉法も含めてですけれども、全ての法制度の中でこの意見とか意向とかという表現がどこまで厳密に使われているかということについては、ちょっと私のほうでも把握できていないところがございまして、そこは法制サイドに最後、お任せをせねばならないのではないかなという思いもありつつ、今、申し上げたような条約の文言のほうも踏まえましても私としても意見となるほうがよいのではないかなと考えているというところでございます。
中途半端ですみませんが、このぐらいで御勘弁ください。

○山縣委員長 ありがとうございます。
この点については、前回、林委員が児童福祉法で両方使われていますよということを、条文を参照しながら説明いただいております。児童相談所関係の書類でも児童の意向とか保護者の意向という言葉を使ったものも現に存在していますので、その辺も含めて適切な用語のほうに最終的にはしていただくということになろうかと思います。そういうような重要な御意見が再びあったということは頭の中に置いておきたいと思います。
林委員、お願いします。

○林委員 ありがとうございます。
2点ございます。
一つは、23ページの「子どもの意見・意向表明」のところです。用語の問題は置いておいて、24ページの独立した独立性を担保された意見表明を担う役割を担う人だけが意見表明支援という機能を担うのかということです。基本的にはあらゆる支援者が特に児童心理司とか児童福祉司とか、そういう人たちが子どもの意見・意向を聴きというプロセスの中で意見表明支援を行っている、あるいは施設職員もそうだと思うのですね。子どもによっては、その第三者的な独立性が担保された支援者にこそ言える子どももいるでしょうけれども、でも、関係性がないからこそ言えない子どももいる。やはり子どもが選べるような選択肢の一つとしてこの役割を担う人がいるのだという表記が必要ではないかというのが1つ目です。
それから、2点目として、25ページの「記録の保存」のところです。記録の保存に関しては、記録体裁のことだけではなくて、開示の際、どういう支援が必要かという開示支援に関する検討の必要性というのも記載いただけたらと思います。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございます。
宮島委員、お願いいたします。

○宮島委員 ありがとうございます。
全体的なことと個別的なことを何点か申し上げます。
まず全体的なこととしましては、報告書のトーンが、支援が必要な親子がいる、しかし、それらの親子に届いていないということを明確にしている。これは厚労省にとって自らの政策が行き届いてないと認めることです。これはかなり厳しい。それを覚悟した上で全体をまとめておられる。しかも、それを、ただの感情的にではなく、報告書の最後にはデータ等を示した上で要保護、要支援状態の方々のサービスの利用が極めて少ないことを書いておられる。この審議に参加させていただいた者として心から喜び感謝しています。ぜひともこれを明確にしたまま進めていただきたいと思います。
その上で、いつも反対意見ばかりを言うようで恐縮ですが、述べさせて頂きます。子ども包括支援センターという用語を見たときに、私は、これは望ましいなと思いました。ただ、御指摘を伺って、子ども包括支援センター以上に子ども家庭包括支援センターのほうがよりいいなと考え直したところです。
ここまでの30年間で、多くの福祉では、サービスを受けて良いという考えた方に変わりました。困難なときにはサービスを受けていい、場合によってはサービスを受けることは権利なのだと。
子育てについても、同じように社会化する必要がある。いろいろな困難、つまずきが起こったときには、親子がそのサービスを受けるということが普通のことになるようにする。これを後押ししなければいけない。スティグマが生じたときには福祉サービスは広がらない。
この点、子育てを巡る意識構造を理解した上で、どうにかして自分だけで頑張るということから救い出す。助けてもらっていいのだと、共に子どものいい状態をつくっていく、こういう方向を目指さす、それを後押しするような名前がいいと思います。そう考えると、すでに受け入れられている高齢者の地域包括支援センター等に近い、子ども家庭包括支援センターというのは、いいネーミングだと考えます。
また、地域包括支援センター、高齢者福祉も、あるいは相談支援事業所、障害者福祉も、これらは児童虐待防止法が出来た後に、それぞれの虐待防止法ができました。それぞれ、虐待防止の働きを担いアウトリーチをしています。定期的な訪問もしています。地域ケア会議もしています。同じように、子ども家庭福祉の分野でも充実した支援が地域で展開されるようになる。この名称は、これらの取組を進めるものになると考えて期待します。
次に、個別的な事項ですけれども、21ページの一時保護の司法審査と一時保護中の学習の保障について申し上げたいと思います。
私は大事なことは1回だけではなくて繰り返し言います。一時保護の審査は今回、何としても必要だということが言われたこと入ることになった。しかし、ここで入ることになったのは、あくまでも一時保護の開始についての司法審査に留まる。これだけである。よくよくまとめ案の文章を読んでみると、一時保護の開始についてと表現されている。そのように読めます。しかし、たとえ一時保護の開始だけだとしても、御指摘されて来たような様々な問題、現場に与える影響は大きく、果たして現場が対処できるのかどうか。目指されたことに反して当事者の利益をかえって侵してしまったり、あるいは速やかな対応ができないというようなことが起こったりはしないか。これらを、十分に検討することが必要だと思います。
取りまとめ案には、実施までには「検討する期間を設ける」とは書かれてはいますが、期間を設けるだけではなくて、やはり「実務的に十分な検討をする」という表現で報告書には書き込んでおくべきだと考えます。これについては、「委員提出意見」にその具体的な文案を提案させていただいておりますので、そこを御覧いただきたいと思います。
もう一つ、一時保護のことについて、確かに在籍する学校に通えればいいとは思います。しかし、前回も申し上げましたけれども、一時保護所までの距離が非常に遠い例が多い。その現実は無視できないだから、地方域散化等が必要となりますが、現実に箇所数が少なかったりして、片道でも1時間以上の時間がかかる、それを毎日繰り返すことには、子ども自身にとっても多角的に見て負担が大きく、等悩ましいことです。こういったことが現実にあるので、本人が望まない場合はもちろんですけれども、そのほかの場合もあることを見えるようにしておかないと、一時保護所での学習の重要性が消されてしまいます。学習支援の充実は、何としても必要なことです。方向性はよく分かるのですが、実際に子どもたちがプリント学習ばかりで過ごすような例、学習指導を担う専任者がいない中で生活指導を行う職員が忙しい中で行うだけということに留まっていてはならない。学習指導を行う専任職員を置くというようなことがきちんとなされる。それが妨げられないような配慮が必要だと思います。
最後ですけれども、27ページで、前回申し上げた意見を採用し記述を入れていただいたものと思います。これは、これはとてもありがたいのですが、ニュアンスが十分伝わらずでした。7行目以下です。措置中に例えば国籍とか在留資格の安定化とか、医療とか、これを受けられるものは受けたほうがいい、一人で退所後だと厳しいのだということを申し上げたのですけれども、今回の書きぶりですと、里親や施設だけがそれを担う責任があるかのように読めてしまいます。これは児童相談所を含めて関係者みんなが子どもたちのために入所中に、あるいは委託中にその問題解決を図るのだというところが趣旨なものですから、施設とか里親さんだけが担うという書き方は改めていただきたいと思います。また、次の11行目からも、方法と書かれている。大切なことは、方法ではなくて本来受けられる他法による福祉サービス、あるいは法的な権利を失うことがないようにするということが一番重要な点です。そこが読み取れる表現に修正をお願いします。
以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、松本委員、お願いいたします。

○松本委員 声は大丈夫でしょうか。

○山縣委員長 聞こえております。

○松本委員 連日、遅くまで事務局の方、いろいろ御苦労されてまとめていただいていることにまず感謝申し上げます。
1点、意見を述べます。これは報告書の19ページになるのですけれども、「資源の計画的な整備」というところで社会的養育推進計画についていろいろ書かれております。ここのところですけれども、資源の計画的な整備というところだけではなくて、これは物的な条件あるいは施設数等々だと思うのですが、人材の問題をここにちゃんと入れ込むことができないかということであります。
一方で、この委員会では資格に代表される専門性の涵養あるいは専門的人材の確保あるいは育成ということについて随分大きな議論をされています。資格のことについてはまた後で述べますけれども、やはり単に施設を幾つ整備するとかそういうことだけではなくて、きちっと各都道府県なり市区町村がどういう形で人材を育成しようとしているのか、研修体制も含めてそれをどのような形で進めていこうとしているのかと、それについての評価も含めて書き込んでいくというようなことが必要ではないかと。
ですので、そういうように考えますと、現在の記載事項というところでも市区町村の子ども支援家庭体制の構築等に向けた都道府県の取組であるとか、あるいは児童相談所の強化というようなところで人材の頭数を何人増やしますということはあるのですけれども、やはり研修計画ですね。もし資格のことなんかがあればそれもあり得ると思うのですけれども、そうした研修、育成というようなことについてどういう計画を持って臨もうとしているかということについて、やはりきちっと都道府県なり市区町村、自治体がきちっと責任を持ってその計画を立てるというようなことを促進するという意味でここに新たに記載事項として検討するということはいかがでしょうかということです。これは意見であります。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、坪井委員、お願いします。

○坪井委員 坪井です。ありがとうございます。
今回、まとめていただいた報告書(案)を読んで、これまでこの委員会が積み重ねてきた内容が丁寧にまとめられていると思いました。委員の皆さんのこれまでの真摯な議論と、それから、事務方の皆さんのしっかりとした対応に改めて感謝したいと感じております。
この全体像を振り返る中で3点申し上げます。
1番目は、15ページの7行目から親子再統合支援事業の件です。先ほど奥山委員からこの名称の変更をという意見がありましたが、ぜひお願いしたいと考えます。これまでの議論の中でここの部分について、子どもの最善の利益をベースにするのだという議論がされていて、子どもの最善の利益という言葉を明記するのがよいという声も上がっていたと思うのですけれども、ぜひ子どもの最善の利益ベースで選択されるということを名称からも伝わるようにしていただけるといいなと思います。
2点目は17ページの36行目からの部分です。里親支援機関による支援の提供と第三者評価というところですね。こういう形で盛り込まれているのはとてもすばらしいことだと思います。ぜひよい形でこれが進んでいってほしいと考えます。
一方で、春からここまでの議論の中で十分議論されてきていなかった点で取り上げていただきたいと考える点としては、里親支援の一つの形として、ピアサポートがあります。実際に各地域の里親会が里親サロンというような形で主催したり、あるいはいろいろな後輩の里親の相談に先輩が乗る、あるいは後輩の里親の声を先輩が聴くという傾聴、共感、そういうような取組がされているわけです。ここの部分をより充実することで里親の支援の選択肢も増えるし、いろいろな形での支援が充実していくというような形にしていただければと思いますので、ぜひピアサポートについても里親機関による支援の提供というような形に取り上げていただけたらと思います。
先ほど奥山委員からも里親機関がこの第三者の立場で活動するということについても含めるご提案があったのですけれども、多分同じことをおっしゃっているのかなと思うのですが、ぜひこの点についても検討していただけたらと思います。
3点目、これは25ページの被措置児童の虐待についての部分です。3行目からでしたか、里親支援機関と連携して虐待に陥らないようにしていくのだということが盛り込まれていて、これもとてもよいポイントだと考えます。ただ、この虐待についてはチーム養育の大切さというのをここでうたっていただいているわけなのですけれども、その部分で言うと、これも今回議論ができてない、話し合われていなかった部分なのですが、児童福祉法の34条の20項のところについて少し申し上げたいと思います。
基本的に虐待があったときに里親は制度上、虐待があると欠格事由ということで、サッカーで言えば一発レッドカードみたいな形で里親を継続できないということが起こります。もちろん虐待はあってはならないことなわけですけれども、では、どういうものが虐待なのかというのは法律に直接うたわれているわけではなくて、そこの部分でいろいろな議論が毎年全国で見受けられます。
そこのところについては、やはりこの法律をもう少ししっかり書き込んでいただくことで、もちろん虐待は駄目なのだと、ただし、そこの虐待に陥らないようにどういうような形で、チームで支援していくのか、そういうことがこの法律からも浮かび上がるような、そのような形を目指していただけたらと思いますので、これについては今回の議論の中ではできなかったということであれば、ぜひ次の機会に向けて検討していただけたらと思いました。
以上です。ありがとうございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、井上委員、お願いします。

○井上委員 ありがとうございます。
聞こえますでしょうか。

○山縣委員長 大丈夫です。

○井上委員 ありがとうございます。
私もやはり事務局の皆さんのまとめを改めて読ませていただいて、非常に意見をきちんと盛り込んでくれたまとめになっていると思いました。この点に関して感謝したいと思います。
その上で、先ほど藤林委員も触れてくれたのですが、この資料の8ページの19行のところですね。私、この5、6年はもう本当に子育て世代包括支援センターと支援拠点を設置するための自治体の支援に明け暮れたというような気持ちでおるぐらい、この仕事をさせていただいているつもりです。その中で、子育て世代包括支援センターに関しては、支援拠点よりもやはり2年から早いところでは3年ぐらい早くからきちんと準備してこられた自治体があられます。そして、その上で支援拠点を準備していくという形で、本当に各県の市のところでは2022年度までにその両方を準備するという気持ちで動いていたところが多かったと思います。
ただ、実際の業務内容とか実際の連携、顔の見える連携・協働ということで考えていきますと、今回示してくださったように、この2つが一緒になったほうがやはり仕事としてはいい仕事ができるのではないかなという思いには至っています。ですので、全体の方向としてこれを一緒に再編してやっていくという方向はいいのですが、急にそれが起こってしまうと、今までそれぞれのモチベーションでやってきていた方たちの気持ちもあるし、各部署の気持ちもあると思いますので、その辺を少し尊重した上でやっていただきたいなと思っております。
この名称についてですが、子ども包括支援センター(仮称)となっております。これは先ほど宮島委員も言われたのですが、私もこの包括という言葉は地域の今後の行政を考えていくときに外せない言葉と思っています。地域包括ケアシステム、地域包括支援センター、これは高齢者のほうのものですが、これも2025年までを目途につくり上げていくという方向にありまして、私、思いますに市町村のうちの小規模の60%ぐらいは、この高齢の方たちとの連携はなくしてできないような状態が起こってきていると思っています。ですから、包括という言葉はやはり入ったほうがいいと思いますので、それを入れて、子ども家庭包括支援センターという形にしていただくと、今までの全体的な考えをまとめますとイメージがしやすいのではないかなと思いました。
高齢者の方たちの地域包括支援センター、とにかくそれの言葉の方向に引っ張られ過ぎると、今までの自治体の中で起こっていた子どもを守る家族を主に扱っていくというイメージがまた高齢者の中に含まれてしまって、その一部分として扱われる可能性がどうしても免れませんので、その辺のところをしっかり意識した言葉を足して整理していただけたらなと思いました。
もう一点は、再三出ていますが、15ページの親子再統合支援事業のところですね。これに関しては、御存じのとおり、家族維持、ファミリープリザベーションをしっかり考えていこうと思ったときにとても大事な言葉で、長いこと、この言葉と一緒にやってきたのですが、やはり特に思春期の子どもさんたちなんかを見ていきますと、明確に自分の家庭に決別一回して、そして、そこで前向きに進み出した子どもたちの場合、そのまますぐ家族のほうに戻るという再構築を進められると苦しくなってしまう子どもたちがたくさんおるというのを私も経験してきました。ですので、先ほどこれも意見が出ていましたが、そういう家庭に戻ること以外の道を選ぶ子どもたちがいた場合に、その子たちの意見を尊重して、それもいいのだということを認めていけるような、そういった考えがあるのだよという言葉を何か選んでいただくのがありがたいなと思いました。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございます。
では、中村委員、お願いします。

○中村委員 よろしくお願いします。
この報告書(案)を、短期間でおまとめいただき、ありがとうございます。私は、報告書(案)は一定評価できるものかなというように思っています。私からは3点あります。
1つ目は、8ページのこれまでも皆さんがおっしゃっていただいた子ども包括支援センター(仮称)についてです。これまであった母子保健サイドと福祉の再検討を考える際に長い名前だと覚えられないというようなことが起こるのではと思います。地域の親子のためのセンターだと思いますので、今回、子どもと入れていただいたのはとても重要な部分かなと思っていまして、私が何かを提案できるわけではありませんが、できるだけシンプルな名前がいいのではないかと、皆さんの御意見も聞きながら思っていました。これを利用するのはあくまでも地域の親子だと思いますので、働く職員さんのためのセンターではないというところを考えながら最後の取りまとめまで進めると良いのではと思っています。
2点目が、11ページの赤文字で記載していただいた部分になります。利用者の負担の軽減を図るというようなことで御記載いただいているかと思います。今回の取りまとめの資料の最後に参考資料を載せていただいているのを確認しますと、ショートステイ事業や一時預かりの利用が少ない点が気になっています。もちろん利用費の部分もあるかと思いますし、利用したいけれども、それをちゅうちょする親の気持ちというような事もあるのではないかと思っています。ちょっとした抵抗感とかですね。
そういうようなことも実態を把握しながら、より有効な制度になっていくといいなと思っています。既に実態調査をされているのかもしれませんが、せっかく新しく今回法改正等について皆さんで考えていただいたので、有効に活用できるようになるための調査研究とかがあるといいのではないかと思いました。
最後は、一時保護に関してです。期間をどうしようという話ではないのですけれども、改めてやはり子どもを中心としたというような視点がないと期間の話とか手続の話に偏ってしまうのではと思います。もちろん手続きの話もすごく重要だと思っていますが、権利擁護ワーキングでの子どもヒアリングのときに、大人の都合のよいルールが勝手に出来上がっていくというような発言をしてくださった子どもたちがいました。子どもはゴールデンウイークでも年末年始で公的機関が休みの間も権利制限されている状況にあると思います。そういう子どもを中心とした考えとか子どもにとってどうかというような点が重要だと思います。一時保護の議論というのはまた引き続き続きされると思いますが、その辺の視点を持ちながら議論を進めていただけるといいのではないかと思っています。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、安部委員、お願いします。

○安部委員 安部です。すみません、遅れてしまいました。
構成員意見を別にお送りしていますので、それを見ていただければと思います。言いたいことは2つです。
一つは、先ほど井上委員も言われましたけれども、子ども包括支援センター、名前も今、議論されているみたいですが、それの再編しというところで、現在、特に子ども家庭総合支援拠点が2022年度までに全市町村設置ということで、来年度に設置を予定している自治体も多いと思うのですけれども、その中で新たに子ども包括支援センターの設置が求められると、では、もう少し様子を見ようみたいな感じで設置を見送る自治体が出てくるということを懸念しています。
その上で、既に設置されている総合支援拠点と何が違うのか。特に私が心配しているのは、子ども家庭総合支援拠点が児童人口に応じた職員配置が決められたというのはとても画期的だし、重要だと思っているのですけれども、それが新しいセンターで変わるのかどうなのか丁寧な説明が必要だろうというように思います。
この報告書で書くとか法律に書き込めなくても行政説明等で、子ども包括支援センターが設置されるという前提ではあるのですけれども、既に両方の拠点とセンターが設置済みのところはどう変わっていくのか。それから、子育て包括支援センターのみが設置されているところはどのように包括支援センターに変わっていくことで何が違うのかというところのイメージをきちんと説明していく必要があるのではないかなというように思いました。
2つ目なのですけれども、私の意見書の後に全国子どもシェルターのほうからの要望書、意見書というのが出ているのですが、20ページの1つ目の○のところで一時保護の要件、それを受けて思ったのは、子どもシェルターの意見書によれば同じような状況、子どもが虐待を訴えて親が認めない、性被害だとか性虐待だとか教育虐待だとか心理的な虐待だとかというときに、子どもが家に帰りたくないということだけで保護してくれる一時保護をする児童相談所と虐待の証拠がないと一時保護できないという児童相談所があるというような状況なのですね。そうすると、どういう場合に一時保護所が必要なのかということを具体的に書いたほうがいいというように思いました。
1番から読み上げる必要はないと思うので皆さんに見ていただければというように思いますが、1番から7番まで具体的にこういう状況のときは一時保護が必要、一時保護所、つまり、親権者の意に反した、もしくは親権者が不明とか接触できないとか、何かそういう場合も具体的に書いて、8番目にその他ということで考えたらどうかなというように思っています。
このうちの3番がシェルターから言われたシェルターの意見書の中にあるのですけれども、子ども虐待は子どもが訴えるけれども、明確な証拠はない。しかし、子どもは帰宅を拒否しているというときには、当然、児童相談所が両方の意見を酌み取るのですけれども、例えば性被害だとか心理的な虐待で帰りたくないと言っている子どもの主張を4日、5日できちんと理論的に説明できないという子は多くいるだろうとシェルターの意見書にあるのですが、私もそこら辺は児童相談所、22年いましたが同感の感じです。その主張を弁護士が代弁するという方法もあるかなというように思いました。
それと、子どもが帰りたくないという申立書なのですけれども、下のほうに資料としていますが、10歳の子どもでも書けるように、DVの場合の保護命令申立書、これは8ページあるのですが、必要な項目だけを穴埋めで記入するような形に、結構書かなければいけないところもあるのですが、簡単に書けるような部分もあって、穴埋めで書けるようなA4、2枚程度の申立書、これは具体的なことは法律が決まり、その上での話になるのだろうというように思いますが、何か皆さんの心配を聞いていると、もう少し具体的なことを報告書の中で書き込めないかなというように思いました。
少なくとも疎明資料については別にしても、この後、立法作業に入っていくわけですので、その法律に書き込むというときにフリーハンドで任せるというよりも、具体的にこういう場合に一時保護所が必要ということをこの委員会で議論してはどうかなというようにちょっと思ったところです。
以上です。

○山縣委員長 具体的な提案をありがとうございます。
では、北川委員、お願いします。

○北川委員 私からは包括的なことと、2つ意見を言います。
まず、この委員会で本当にこの短期間でたくさん議論があって、一人一人の委員の意見を取り入れてくださって、また今日もたくさん意見が出たので最終的にそれを取り入れてくださって本当にありがとうございます。
私も現場でお母さんや子どもを支援している立場として、本当に困り感、長い間、本当に60歳代のお母さんの困り感とかもあったので、それが日本ではこれまでのは子どもが我慢してきたというか、そういう状況の中でそのままにしないでどう解決していくかという支援がこれからできていくということは本当にうれしいことだと思っています。
この報告書は厚労省の皆さんの本当に事務方の努力、そして関わってきたみんなの努力だと思います。やはりここに関わっている方々やその後ろの職員の方々とかたくさんの子どもと家族を子どもの代弁者として守る関係者とか当事者の方々の意見が集まってつくったので、本当に施行段階で検討されたことが生かされるようにぜひやっていただきたいなと大切な思いがこもっているのでお願いしますというところです。
あともう一つは、お母さんたちとも話したのですけれども、子ども包括支援センターと子育て世代、それから、子ども家庭支援拠点とどちらに困ったら行ったらいいのと言っていたので、一つになって名称も一つになったのはいいことだというように思います。
あと奥山先生の意見を聞いて思ったのですけれども、25ページの里親とかファミリーホームの虐待に至らないようにということで前回知識とかもしっかり学ぶ必要があるということを意見させてもらったのですが、それに加えてやはり第三者機関からの評価というか、そういうのもあってもいいのかなというように思いました。
評価と言うとすごく日本だとジャッジメントされるというか、そんな感じがあるかなと思ったのですけれども、アメリカに行ったときにエバリュエーション(評価)はよりよい養育をつくっていくために、評価という言葉が使われていて、里親自身もこれまで頑張ってきたレポートも書いて、それから、家族の意見も聞いて、学校の先生とかお医者さんとかの意見も聞いて、もちろん子どもからも意見を聞いて、なんと実親からの意見も聞いて、すごい頑張っているところともっとこうしたらよりよい養育できるのではないかという、そこにつなげていくための評価というのがあったので、そういうような在り方、みんなで取り組むということは、みんなで支えるということはそういうことだと思うので、そういうことも含めて支援だけではなくて、そういうジャッジメントではなくて応援するという形の評価的なものがあったらいいなというように思いました。今回は取り上げられないかもしれないのですけれども、こういうことも今後考えていく必要があると思います。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
あと平井委員まで6人の方の手が挙がっております。そこまで議論、中間を越えましたけれども、続けていきたいと思います。
相澤委員、お願いします。

○相澤委員 ありがとうございます。
私のほうからは、まず17ページですけれども、前回言ったことの繰り返しになると思いますが、ぜひ入れてほしいということでお話しさせていただきます。
家庭養育優先の原則の推進のところに今日は奥山委員も言っておられましたけれども、やはり里親リクルートが極めて重要だということで、それについて市町村と連携した里親制度の普及啓発をきちっと盛り込んでほしいと思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
それから、これは私だけではなくて宮島委員も言ったという記憶があるのですけれども、やはり幼児期からの権利教育ですね。これは極めて重要だと思います。保育所、乳児院、児童養護施設など福祉の現場で幼少期から子どもに権利とはどういうものかということをきちんと教えていく権利教育を実施すること。それから、自分の気持ちや意見を言って聞いてもらえるというような権利や自分の気持ちや意見を素直に表明する権利を擁護することを基本にした保育、教育、そして、養育、子育て、ソーシャルワークを実施することが重要でありまして、そうした環境を整備していくということに努めるといったこともぜひ権利擁護のところに入れていただきたいと強く要求したいと思います。要望したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、河尻委員、お願いします。

○河尻委員 私からは3点あります。
1点目は、19ページの社会的養育推進計画に関することです。この19ページの20行目に新たに項目を付け加えていただいたことは本当にうれしく思っています。これまでにも特に家庭養護の推進に関してはゴール地点の目標設定にとどまらず、それまでの過程が大事で、里親さんが行うアセスメントができるような記録の問題とか、それから、フォスタリングの整備のことをお伝えしてきたと思うのですが、今回、こういう形で実態把握をしたり分析をして新たに検討していくということはすごく大事だと思っています。
今後、子どもの最善の利益を前提に家庭養護を進めていくに当たっては、細かい話を詰めることをすればするほど、これは現場、実務者レベルの話になってくると思いますので、これまで以上に里親さんに限らず施設現場も含めて、あるいは児童相談所も含めて現場、実務者レベルの検討を積み重ねていくというような、そういうトーンで進めていってほしいというように思います。それが1点目です。
それから、2点目は25ページの先ほど北川さんもおっしゃっていた里親やファミリーホームの虐待の防止等についてなのですが、これは私もフォスタリング機関はむしろ里親さんに寄り添う児童福祉施設として位置づけるということも今、検討している段階ですので、本当の意味でのアドボカシーというものを実現するのであれば、フォスタリング機関はむしろ里親さんに対して一緒に学んでいくような立場であって、第三者機関的なものはフォスタリング機関、里親支援機関にはしないほうがいいというように思います。さらに、その外の、フォスタリング機関はどちらかというと第二者的な立場になるので、第三者的な機関が権利擁護についてアドボカシーを行うほうがいいのではないかなというように思っています。
それから、最後、3点目は、28ページの一番下の社会的養護経験者の実態把握についてです。これは私の願望も含めてですが、何のために把握をするのか、その目的も含めて記入できないかなと。例えば把握したことを何にフィードバックしていくのか。それは養育現場へのフィードバックであるとか、あるいは退所後支援の充実に向けたフィードバックかという、そのために把握をすることになるので、把握をした上でこれこれこういうフィードバックをするというようなところまで書き切れないだろうかというのが一点です。
それから、調査の上、把握をした実態については、単発的に終わるのはあまりよくないので、そういった把握したものを蓄積するということも重要かというように思います。
さらにもう一点、これも私の願望を言えば、今回、努力規定のような意味合いの文章になっているものをねばならないというような形で進めていくことはできないだろうかというのが私の意見としてあるということをお伝えしておきたいと思います。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、森井委員、お願いします。

○森井委員 私のほうからは非常に細かいことで恐縮ですけれども、1点だけ意見を言わせていただきます。
資料で言いますと24ページの上から2つ目の○の関係です。いわゆる意見表明支援員の研修が大事ということでここに記載をされております。これまでワーキングチームの取りまとめの中では、この研修カリキュラムについては全ての自治体で一定水準が担保されるよう国において標準的なガイドラインを定めるべきであると記載され、本委員会の骨子の中でも意見表明支援を担う者は、研修などでその資質を担保する仕組みが必要であり、国による研修プログラムの作成という記載がされてきたわけですけれども、今回の報告書の中では、国によるという主語というのでしょうか、そういうものが消えてしまっている部分があるのかなと思います。やはり研修というのは非常に大事と思っておりますし、それが全ての自治体で一定水準が担保される必要があると思いますので、このプログラムの作成については国が積極的に関与をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、横川委員、お願いします。

○横川委員 全乳協の横川です。
1点のみ、教えていただきたい点があります。11ページの18行目からの文章ですけれども、市町村の責任においてという文章で措置という言葉が書いてあります。このように書いてあると今後は市区町村が措置権を持っているという考え方に移行するという捉え方でいいのかというところを聞きたいと思います。
児童相談所の在り方でも支援と介入というようなことをいろいろと議論された経緯があったと思います。今回初めて市町村のところに措置と書いてあるので、今後はその捉え方自体を措置に移行していくということで考えるべきなのかどうかを教えていただきたいと思います。
以上です。

○山縣委員長 措置の中身ですね。これは今、事務局、行けますか。きっと入所措置と含まれているかどうかという、そういう趣旨ではないかというように。

○野村企画官 企画官の野村です。
従前、様々御意見をいただいたところでございますが、児童相談所の措置、まさに施設の入所措置、そういったものをイメージされやすい部分もあるのかもしれませんけれども、あくまで市区町村の、ここのまさに書かせていただいているとおりでございますが、支援の必要性の高い子育て世帯の保護者や子どもについて、その支援の利用開始をまずプッシュ型の支援ということでちゃんと行えるようにしていきましょう。そして、その上で、支援を受けることが困難な場合、例えばまさに支援を選択するといったようなことが難しいような状況に置かれているような世帯に対して、行政処分として市区町村の責任において行うといったようなところでございます。福祉的な観点での措置ということでございますので、強制権とかそういったようなものはないといったようなところでございます。
プッシュ型、しっかり支援を今回届けるという文言で御案内しておりますけれども、それができるような環境を整えるというところでございますので、措置権限が付与されるという御理解をいただければと思います。
以上です。

○山縣委員長 よろしいでしょうか。横川委員。
では、畑山委員、お願いします。

○畑山委員 ありがとうございます。
報告書(案)について、本当に一人一人の委員の声を丁寧に酌み取っていただき、また当事者の声も多く反映していただけたこと、本当にありがとうございました。ぜひ現場レベルに落としていく段階においても子どもたちの声であったり、サービス受給者の声を中心にぜひ考えて検討していっていただけたらうれしいなと思います。
私からは2点あります。
1点目は、坪井委員と奥山委員からもありましたが、里親支援機関についてです。私自身、里親さんをサポートする里親支援の相談員としての立場で今、お話しさせていただきますが、やはり里親支援機関が第三者であること、私もすごく重要であるかなと思います。特に里親さんやファミリーホームの養育者の方からの相談としては、措置権を持つ機関に対して里子さんの養育の難しさであったり、そういった悩みを打ち明けたときにもう引き上げられてしまった。なので、日々の子育ての悩みを気軽に相談できないですといった声もやはりありますので、そういった部分では里親支援機関は養育者の方にとっても気軽に相談できる機関であるべきだろうなと思いますので、ぜひ第三者であることということはすごく明記が必要であるかなと思います。
そして、もう一点、これは浜田委員からの御意見でした。私もそうだなと思うことがありましたので1つ御意見させていただきます。それは、子どもの児童記録についての開示支援については、ぜひ検討していただきたいなと私も思いました。というのは、やはり知りたいという思いと同時に、知ることへの不安であったりとか知った後の気持ちの揺れとか不安定な状況になる子どもたちが多くいることは私も日々子どもたちと関わる中で見てきましたので、ぜひ開示するとき、また、開示後の支援についても検討していただきたいなと思いました。
以上です。ありがとうございました。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、平井委員、お願いします。

○平井委員 ありがとうございます。
私からは一応2点お願いします。
19ページの3行目からの部分です。「一方で、児童心理治療施設や児童自立支援施設、障害児入所施設も含めた児童福祉施設と自立援助ホームについて、施設の機能と果たす役割、それを支える措置費の在り方」、ここをできるだけ早急にお願いしたいと思います。
それと、その部分で児童福祉施設と自立援助ホームということで、施設と自立援助ホームは事業なものですからこういうように分けて書いてあるのですけれども、自立支援におけるやはり一線の資源として自立援助ホーム、ずっとそういった支援を行ってきています。ですから、ある意味、施設と事業の格差がないようにというか、例えば地域小規模児童養護施設は6人に対して2.5人だったのが、今、5.5人までの職員の配置ができているのですね。自立援助ホームの場合は6人に対して2.5人、そのままずっと2.5人のままなのですね。こういったところも含めて少し考えていただければと思っています。
それと、もう一点は、21ページの一時保護の38行の部分ですね。学校への通学等の環境の確保がという部分ですけれども、これは一応通える子どもたちはいいのですが、一時保護された場所によって遠方になる場合がありますね。ですから、小中学生の場合は保護されている場所の学区、学校区、教育機関と連携して速やかに仮入学の対応ができるとか、そういったこともちょっと入れてというか考えていただいたらいいのかなと思っております。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
もう一方、手が挙がりましたので、奥山委員、これで最後にさせていただきたいと思います。奥山委員、よろしくお願いします。

○奥山委員 1つは先ほどお話ししたことの付け加えというか、先ほど1か所で「速やかに検討を開始する」というところを期限を切ってと言ったのですけれども、3か所修正していただいていたと思うので、そこは全てのことを指している。目標期限を設定してみたいな言葉をぜひ入れていただけるといいかなと思っています。
もう一つは、全体、最初のほうに幾つか出てくるのですけれども、支援を届けると言ったときに、届けるという言葉がやはり誤解をされやすいのではないかというように思っています。というのは、今、市区町村の支援の在り方を見ると、支援メニューを例えばヘルパーさんを入れましょうとか、広場に行きましょうとかと支援メニューを届けるのが支援だと思っているという方が結構多いのですね。
それではまずくて、やはりうまく子育てができない、あるいは虐待に至る危険があるような家庭がその支援者と家庭が1つのシステムとして、どういうように虐待に至らない家庭に家族システムが変わっていくのかというところにダイナミックに関わらなければいけないわけで、この届けるというと何か支援メニューを届けるというイメージに取られてしまうのではないかということが非常に危惧される言葉なので、そこはちょっと御検討いただきたいというように思いました。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、お約束の12時くらいまで議論ができましたので、ここでちょうど12時まで休憩させていただきましょうか。9分ぐらいになりますけれども、12時から資格について集中的な議論をさせていただこうと思います。
では、しばらく休憩いただいて、前回と同じようにお帰りいただきましたらできたらお顔を見させていただきますと開始のタイミングを図りたいと思います。
では、一旦休憩します。
 
(休 憩)
 
○山縣委員長 全員おそろいになりましたので、再開をしたいと思います。
前段、資格を除いたところでたくさんの御意見、ありがとうございました。総じて否定的なものはなくて、ただ、懸念事項が幾つか示されていたということ、それから、追加修正はかなり御意見をいただきました。一応このパート、部分につきましてはこれで議論を打ち切らせていただいて、次回、最終報告の修正文を提案させていただいて、できましたら確定の方向で進めていきたいというように思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
では、資格の話につきまして、本日、事務局から冒頭ですが、大きく3つがこれまでのものとは違う部分、大きな修正点、3か所を資料2のほうで示していただいております。それから、本体のほうにも文言はございますので、これを併せて御意見をいただけたらというように思います。
では、今までどおり自由に手を挙げる機能を使って御発言をいただけたらと思います。よろしくお願いします。どなたも手が挙がらない。
では、松本委員、お願いします。

○松本委員 1点、前回の議論というか意見を踏まえての修正というか図の描き方の問題なのですけれども、頂いたポンチ絵、資料2のルートのところです。前回あるいは前々回も含めて、右側のところの福祉系大学ルートのところで500時間を履修してから国家試験とあるけれども、これは国家試験を受けてから履修ということもあるのですねと、資格取ってからというようにして、これはこの順番はこだわらないということでお答えいただいています。
でも、このポンチ絵だとそこは分かりにくいので、むしろこれを左側の既存の有資格ルートというところに位置づけて、有資格者がこの資格を取るときに相談援助の実務経験2年と指定研修100時間というものと、もう一つ500時間の科目履修という、このところに左側のほうにこれをもう一つ持ってきたらどうかという提案です。そうすると、右側の福祉系大学ルートを卒業までにということではなくて、それは資格を持っているという前提にこれがあるということになるのではないかと思います。これは絵の描き方の修正というか提案です。
以上です。

○山縣委員長 既存の有資格者ルートが2つに分かれるという、そういう感じで受け止めていいですね。

○松本委員 右側のところで試験の子ども家庭福祉専門科目の履修と国家試験の順序はこだわらないということでしたので、それは確認をいただいていますので、それだったら左側に書いたほうが分かりやすいかなと思ったというだけです。

○山縣委員長 分かりました。では、それでよろしいですか。

○松本委員 あともう一点。これは以前から現任者ルートのところはとても大事だという議論がいっぱい出ていて、当分の間の経過措置というのは取ったらどうかという意見が幾つか出ていたのですけれども、これは残す積極的な理由があるのかどうかということはちょっとお考えを伺いたいと思います。個人的には取ったほうがすっきりするという意見です。

○山縣委員長 これはほかの委員の意見も伺ってから現在の考え方、事務局のほうの提案の趣旨を伺いたいと思います。

○松本委員 それで結構です。

○山縣委員長 これから意見を言われる方、そのことについても必要があればコメントをいただけたらと思います。
では、奥山委員、お願いします。

○奥山委員 誰も手を挙げられないので挙げたので、準備があまりできていなくて何回か手を挙げるかもしれません。すみません。
新しい案を出していただきましたけれども、これは絆創膏をつけただけで根本は何も変わっていないので、私は到底受け入れられる案ではないと思っています。
まず第1に、民間の機構をつくるとは、一体機構はどのようにつくるのかというのが分からないのです。民間の認定なので、前にもおっしゃったように法律上は位置づけられない。ただ、法律にその法令に書いてあるようにといって位置づけるのだとおっしゃいますけれども、児童福祉法の児童福祉司任用要件には社会福祉士、精神保健福祉士、それから、医師とかと書いてあるわけですね。そちらのほうが法律にきちっと明記されていて、この新しい子ども家庭のことを最も学んだ資格の人は法令のほうに行かせられてしまうということ自体がおかしいと私は思います。
誰が見ても明らかにこの分野の能力があると、この分野の入り口に立つ能力があると考えられる資格でなければいけないわけで、そういうことに関して言うと民間では駄目だと思います。
それから、もう一つ、私、社会福祉士は最も大きな問題は制度論が中心で、カリキュラムよく見てもやはり法律のことはいっぱい書いてあるのです。しかし、例えばDV法はちょこっと学びますが、DV家庭の評価の仕方、どういうように介入していくのだなどということは一切学べない感じになっています。これはやはり社会福祉士というものが制度を学んで制度を実践、実現していくところが目的なのだろうと思います。精神保健福祉士は前から言っているように、もともとピンポイント、社会復帰、統合失調症や鬱の社会復帰というところからスタートしていますので、それから少しずつ広がってきたにしても、やはり当然不十分といいますか、それをベースにして子ども家庭福祉をやるということ自体が私は大きな問題だと思います。
なぜかというと、子ども家庭福祉というのは、介入的なソーシャルワーク、臨床ソーシャルワークがなされなければならないということになるからです。その臨床ソーシャルワーク、ヒューマン対ヒューマン、人間対人間の関係性を構築していくということをまず一番若いときに学ばなければ、それを制度論ばかりやった後からそれをやりましょうということ自体は無理があると思います。
例えばこれは多分五十嵐先生のほうがよく御存じで、私はあまり大学にいたわけではないですけれども、医学部の教育も比較的昔はそういう堅い基礎を学んで、それから臨床といった感じがあったのですが、それでは駄目だということでかなり多くの改革がなされてきて、今の医学部教育の一番重要なこととして、プロフェッショリズムが一番先に書かれていると状況だと思います。コミュニケーションも入っていますし、ヒューマン対ヒューマンというところが一番重要視されてきているのだと思います。
ソーシャルワーカーはもっとそうでなければならないと思います。そういうものをしっかりと若いうちから勉強できる子ども家庭福祉ソーシャルワーカー或いは子ども家庭福祉士は、きちんとそこが重点的に学べて、そして、それが国によって明らかに認められたものであることが必要だと思います。
それから、それとはまた別に社会人ルートをしっかりとつくっていかなければならない。先ほど松本先生が「当分の間」はやめるべきとおっしゃいましたけれども、「当分の間」というのはもちろんやめて、この大学ルート以外の社会人ルートというのもきちんとした形で提示していく必要があると思います。それも常設としてです。
例えば私の周りでも、医者でも臨床心理士も取っている人も結構いますし、ケアマネを取っている人もいます。医者が、この資格を取りたいとしたらどういうルートになるのですかということもあります。そういういろいろな方々がこのルートで取れるという社会人ルートもきちんと設定する必要があります。前回の資料として、イギリスのトレーニングシステムが出ていましたけれども、やはり社会人ルート、イギリスではファーストトラックと書いてありましたが、その社会人ルートとしてしっかり取れるような仕組みもつくっていく。これは大学ルートとは全く別に考えてつくっていくべきと思います。
ということで、これでは絆創膏で、試験ができたのは多少ちょっと前に進んだかもしれないのですけれども、それだけではとてもちゃんとしたソーシャルワーカーの入り口になる人を育てられるとは思いません。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、藤林委員、お願いします。

○藤林委員 この専門委員会での意見というのは後から言ったほうがその前に言った意見にかぶせて何か意見が言えるので得のような気がするのですけれども、それでみんなお見合いしているのではないかなと思ったのですが、取りあえず意見を言いますが、それに対する反応があったらまたもう一回意見を言いたいと思います。1時間確保いただいたので2回言うことをちょっとお許しいただきたいと思います。時間がなくなるかもしれませんけれども。
私の意見ですけれども、報告書(案)を読ませていただくと、制度設計案が書かれていて、制度設計案に対する下記のように反対する意見というのがあったのですが、本当にこの専門委員会のこのやり取りというのは結構多くの人が注目していて、ユーチューブで見ましたとか、ホームページで見ましたという方が予想以上にたくさんいて、あなたも見ていたのですかということも後から聞く機会がいっぱいあるわけなのですが、どういったことがこの専門委員会で議論されていたのかというのを正確に記載いただくということがとても重要かなというように思っています。
その意味で、30ページの27行目以下の反対する意見に私が言った意見もちゃんと反映はされているのですけれども、反映されていないものも幾つかありますので、それをぜひ記載いただきたいなというように思っているところです。
1つ目は、これは前回の資料で出したわけなのですけれども、今回の報告書(案)、29ページの8行目のところに子ども家庭福祉分野の新たな資格について、ソーシャルワークの基礎基盤を担保した上でという記述がありまして、そのソーシャルワークの基礎基盤の担保というところに私とほかの方々とで認識の相違があるのかなというように思っているところで、文言を挿入していただくとすると、幅広いソーシャルワークの力を持つことは子ども家庭福祉分野においても必要なことである。そうだと思うのですよね。この力は、養成課程共通科目で担保されており、現に精神保健福祉士では養成科目・共通科目の上に専門科目を置いているという、これは前回、意見書で述べているところですので、こういった意見があったということは掲載いただきたいと思います。
それから、2点目ですけれども、これは今、松本委員が言われた経過措置に関連するところなのですが、当分の間のというのを取るとどうなるかというと、これは上乗せでなくなってしまって、社会福祉士・精神保健福祉士の上乗せ資格というそもそもの前提がなくなってしまうわけですから、多分この考え方をよしとする人々は当分の間というのを削らないのではないかなと思うのですね。でも、やはり多様な人材が資格を取得するということも非常に基本的な考え方としてあったわけですから、現任者であるとか、またはほかの資格を持っている方々が、または現在、保育士とか公認心理師養成課程にいらっしゃる学生が取ることを前提とした制度設計でなければ多様な人材が確保できないのではないかというように思っております。これもずっと以前から言ってきた意見というように思っております。
そこで、こういった文言を挿入いただきたいと思っているのですけれども、制度設計案は、現任者について経過措置を設けているものの、保育士、保健師、心理士、弁護士等の他職種の方々、または保育士養成課程や公認心理師等の養成課程の学生等が資格取得を目指す場合には、社会福祉士・精神保健福祉士資格を取得することを前提としており、とても遠回りになる。結果的に多様な人材が専門資格を取得することができなくなるといった意見があったというようなところを入れていただきたいと思います。
繰り返しになりますけれども、精神保健福祉士の現在の養成課程が共通科目で足りるという判断でつくられているわけですし、令和2年3月の「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会(とりまとめ)」でもそのことが書かれているわけです。共通科目が拡充されているということは共通科目で足りるというような判断があったのではないかというよう思います。もし精神保健福祉士の養成課程で、共通科目で足らない、そこに何か支障が出ているということであればそういったことを示していただきたいというように思っております。
精神保健福祉士には共通科目でソーシャルワークの共通基盤が担保されているという判断の下で現在養成課程がつくられていまして、私は精神保健福祉士の方々とも個人的な付き合いは何人もあるわけなのですけれども、本当に多様な人材、いろいろな学部を卒業した方々がこの養成課程で精神保健福祉士資格を取っていらっしゃる方が、たくさんいらっしゃいます。中には精神障害当事者の方もいらっしゃる。こういった多様な人材が精神保健福祉士として活躍する中で本当に精神保健福祉士、ソーシャルワークが多様な発展をしているというのを目の当たりに見ているわけなのですけれども、やはりそれは共通科目ということで、より遠回りでない資格の取得というのが功を奏しているのではないかなというように思っています。
私の後に宮島委員が手を挙げているので、それを意識して今、発言しているのですけれども、宮島委員の提出意見書を見まして、同じ意見ではないかなというように私は本当に考えたのですが、宮島委員の12ページのオのところは、ここは本当そうだと思うので読み上げますけれども、「子どもへの責任を果たすためには、子どもの時間を考慮する必要がある。また、一方で、育成のハードルを下げて、現場に求められる実践力の向上が期待できないのであれば、新しい資格の創設の意義はない」。全くそのとおりと思います。やはりちゃんとハードルを上げるということが必要である。
「求められるものは、ハードルが低い、子ども家庭福祉だけを射程とした基礎的な資格の創設ではなく、確実に、この国の子どもの命と暮らしを守り、子どもとその家族の福祉課題の解決に寄与できる人材を育てるための資格とすべきである」。全く同じ意見なのです。ハードルが低いというのは、やはりハードルが高くしないといけないので、それは国家試験であるべきという点でそうであり、また、カリキュラムが相当数の座学、演習、実習というのが必要であるという点において、ところでは、そういうのが私のハードルの高さです。
それと、子ども家庭福祉だけを射程とした、それは先ほど言いましたようにソーシャルワークの共通基盤を担保するというのは同じなのです。それをあえて社会福祉士・精神保健福祉士という資格を取るということなのか、共通科目で足りるというように考えるのか、そこが考え方の違いなのだなというようなことを改めて認識したので、それをちょっと言ってみましたので、多分宮島先生がこの後、何か意見を言われるのかなと思います。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
かなり期待をされております。宮島先生、よろしくお願いします。

○宮島委員 ありがとうございます。
期待されてしまうと上がってしまうのですけれども、冷静に話しできるように努めます。
いつも気後れしてしまうものですから、狙っているわけではないのですけれども、後になってしまったりすることがございます。私も1回ではなくて複数回のチャンスがあるという前提で手を挙げさせていただきました。
今、藤林先生が最後のところを読み上げていただきまして、本当にありがとうございます。もう一度読んでもいいですか。すみません。
「子どもへの責任を果たすためには、子どもの時間を考慮する必要がある」。やはりこれは急ぎです。にわかづくりにするということではなくて、本当に今、やらなければならないことを行うべきだと思います。
資料の冒頭に書きましたが、この4年間ほど自治体では社会福祉士職の採用を相当も大きく上げています。それまでの倍であったりします。本当は児童相談所設置市、政令市等のデータだけではなく、都道府県のデータもお示ししたかったのですが、手元に資料が無かったので資料のタイトルには市と書きました。信頼できる自治体が複数の他の自治体のものも含めて調べたものを見せていただきましたが、本当に倍の数を採用しようとしています。でも、なかなか応募者がいないので倍率が2倍前後、2倍を切るところも多いという状況があります。それでも何とかしてかき集めて採用しているということで、この4年間で、この期間に採用された者、そこがボリュームゾーンとして職員が多くなっているようです。
やはり共通試験だけではかれるわけではないと思いますが、基礎的な能力、多くの応募者から選抜して採用した人材とそうでない人材との間では入り口に立った時点での能力が大分違ってきているというように感じさせられる場面が生じます。しかし、ここで採用した人たちをとにかく育てなければならない。そうでなければ今年度、来年度のことに対処できない。子どもたちの命が失われることを一つでも減らさなければならない。
一方で、過剰な介入をすれば家族を壊すことにもなりかねません。壊すことではなくて何とか支援を届ける。届けるというのは単に情報提供するということではなくて、ちゃんと到達させるということです。受け取ってもらうというのが届けるという言葉の意味だと思います。それをしなければならない。
これをしないで、注意喚起をして、これは虐待に当たりますよというようなことを言って終わるということでは全然話にならない。情報共有が重要だといって情報の共有はする。しかし、共有する情報の分析ができていない。だから、なぜそういうことが起こっているのかということが分からない。周辺情報はたくさん集めるのだけれども、当事者との面接の中でその方のお考え等を聞いたり、こちらの考え方を伝えたりするということができない。そういうことができるようにする。本当の実力を上げるということを早急にしなければいけないと思います。それには、あるときだけではなくて、どんどんその実力を積み上げていっていただくというような仕組みをつくるということがとても大事だと思います。
ハードルを下げて現場に求められる実践力の向上が期待できないのであれば、新しい資格の創設の意義はないと思います。
ハードルのどこが低いかという点ですが、私はやはり実践力だというように思います。この辺は奥山先生が言ってくださったとおりだと思います。入り口に立つ能力のあることが確かめられるのが資格であると。今の社会福祉士は制度論で終始している、ここは事実と違うと思います。かなり制度論は多い。今でも多い。でも、別に足りないものがある。その内容を扱うためには、共通科目だけでは足りないと思います。
面接する力、調査をする力、得られた情報を分析する力、そして、当事者とコミュニケーションを取って、当事者の参加を求める、参画を助け、また、関係者に本当にいろいろな方に参加していただく力、その利益を図っていく能力。
例えばDVがあったときにどうするのかということが、実践のレベルで分かるようになる。頭で分かるだけではなくて、それが身につく。身体化する。対応が必要な時に、実際に対応できなければ子どもと家庭の幸せを実現することはできない、虐待から子どもを守ることはできないというように考えます。
だから、基礎的な資格を新たにつくるというよりも、実践力をつけるためのものを上乗せしていかなければならない。実践力を上げる、そういうものでなければならないというように思います。
具体的には、演習であったり、事例研究だったりです。あるいは集団討論であったり、また、ロールプレーであったり、自分の実践を振り返ってそれを言論化することであったり、そういったことをしなければ実践力は上がらないと思います。
時間数が足りない、本当に幾らあっても足らないと思いますけれども、でも、座学の部分については、ごく僅かで良い。必要最低限で実践力を上げるために必要なものを行う。また、試験を導入するということであれば、ここまでに述べたような実力を測れるような、そういった検定の仕方を導入しなければ意味がないというように考えます。
気合は入っていたと思いますけれども、長めになってしまいましたので、一旦ここで区切らせていただいて、また発言させていただければと思います。
以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございます。
では、松本委員、お願いします。

○松本委員 ほかの方からお手が挙がらなかったので先ほどの発言にちょっと補足してというか関連して発言をいたします。
現任者ルートがとても大事だろうというのは常々、これは前もずっと申し上げてきました。特に現在、自治体あるいは関係機関で働いておられる方々がきちっとスキルを身につけて、キャリアアップしていくプロセスの中にこの資格が位置づいていくということが非常に大事だろうというようなことも関連して申し上げてきました。
それとの関連なのですけれども、一つは、現任者ルートのところでソーシャルワークに関する研修、これは先ほどのポンチ絵ですが、子ども家庭福祉士指定研修として100時間程度とあります。ここを職務の中できちっと職務としてこの研修を受けられるということが非常に大事だと思います。職務外で自分が自分の時間を削って行く、任意で行くというよりも、むしろ職務の一環としてこれができる。そういうときに、やはり職場での研修と積極的に連動させていくというようなことをどこかに書き込めないかということでございます。職場の研修。
これは例えば報告書(案)の30ページの10行目ですか。研修課程については児童福祉司の2年目・3年目研修として位置づけていけば現実的に対応が可能というようなことである、一応書かれているのですけれども、これは制度設計案、賛成案の中に入れられているのですが、どちらでもいいのですが、もう少しここを丁寧に、児童福祉司だけではなくてほかの職種もあると思いますので、ほかの職種のことも念頭に置いて、もちろん児童福祉司さんはそうですが、特に市区町村の家庭支援拠点であるとか、そういうところの職員さんも念頭に置いて職場での研修体制の中に積極的に組み入れていくというような意見があったということは記載の上でも、もしそれが合意であれば意見があったというよりも合意の中身として書いていただければというように思います。やはり実際に働いておられる方々がスキルアップをして職場が活性化していくというためにこの資格が役立つということが大変肝要なことかと思いますので。
もう一つは、試験を入れるということでもし本決まりであるのでしたら、この指定研修の中身とか時間とかというのはこれでいいのかどうかということはもう一つ議論があってもいいかもしれないとは思っています。特にそこについて今、自分の個人的な意見があるということではないですけれども、以上、意見です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、高田委員、お願いします。

○高田委員 ありがとうございます。
いろいろ考えさせていただきまして、発言させていただきます。今、松本先生がおっしゃられたように、実際に現任にいる人たちがスキルアップするとかキャリアアップしていくための研修の中に位置づけるということはとても大事なことだと私は思っています。
今まで議論されてきたいろいろなところで、ソーシャルワークが必要だということが再三述べられてきている。そのソーシャルワークを実践できる人たちはどういう人たちかといったときに、やはりある程度の現場経験があったりすることが私は前提だと思っています。そういう意味では、この福祉大学4年間を出てそれができるかと言われると、ちょっと、想像がつかない。やはり宮島先生が再三おっしゃっておられる実践力、実践力を高めることが4年間で培われるのだろうか。しかも、青年期の一番いろいろなことを考える年代の人たちがもう少したってからというほうが私の中ではイメージできるので、基本的には求められる人材は卒後何年かたった人たちというものを考えるというのがいいことではないかと思っています。
その上で、そういう研修を受け、身につけていくということになりますので、この社会福祉士とか保健福祉士の上乗せという考え方は私もちょっとよく分からない。奥山先生おっしゃったように実際今、現場で働いている人間たちの中にはもちろん心理士もいますし、保育士さんもいらっしゃいますし、社会福祉士を取ってない方々はかなり多い、大半の方は取ってないで働かれているわけで、そういう方々の力を利用するということを考えていく資格にするべきだと思っています。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございます。
では、安部委員、お願いします。

○安部委員 ありがとうございました。
今回は、この部分に関しては、構成員意見はないのですけれども、3つのことをお話ししたいと思います。
1つは、ちょっと細かいことなのですけれども、29ページの19行目に子ども家庭福祉分野、実践経験4年というように書いてあるのですが、これは子ども家庭福祉分野の相談援助業務に4年間従事というようにしたほうがいいかなと思います。子ども家庭福祉分野、かなり幅広いですので、ケアワークではなくてやはり相談援助に実務経験がないといけないかなというように思いました。
2つ目、今、高田委員が言われたことなのですけれども、4年の大学養成の中で実践力を上げることは可能かと言われて、確かにそのとおりなのですが、今、大学で社会福祉士の養成をしていますし、卒業生が児童相談所で働いたりもしているのですが、でも、現実的に社会福祉士を持って児童相談所などに卒業して行くわけですので、そういう学生にはきちんと今までも随分議論してきましたが、現状の社会福祉士の養成教育だけでは子ども家庭福祉の専門教育、全然足りないということがあるので、その実践力ではないですが、少なくとも予備知識として基礎的な子ども家庭福祉の専門的な知識と、それから、技術をトレーニングするという4年間の中で現実にも行っているので、その学生たちの技量を少しでも上げたいというのが2つ目です。
3つ目なのですけれども、今までの議論全体を通してなのですが、この委員会のみんなが思っているのは、子ども家庭福祉分野の質の向上というのは喫緊の問題で、ソーシャルワークと、それから、子ども家庭福祉の知識を持った人を質の確保と量の確保と両方をどうやっていこうかというところで新しい資格の議論が始まっている気がするのです。
ちょっと一つの疑問は、厚生労働省案で国家資格にしない理由というのが何かあるのだったら、これは今回でもいいですし、別の機会でもいいのですけれども、それが難しい理由というのをお聞きしたいなというのがあるのが一つです。
もう一つは、これは皆さんに訴えたいことなのですけれども、このまま両論併記で行くと資格ができない気がするのです。この両論併記で行くと、この資格が保留になってしまって、もう国家資格もできないけれども、認定資格もできなくて全く資格が少なくとも来年度の法改正には間に合わないということになってしまうので、どこかでこの専門委員会としての結論を一つのまとめる必要があるのではないかというように思っています。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございます。
では、奥山委員、お願いします。

○奥山委員 今の御質問のお答えはいいですか。

○安部委員 安部です。
今、特に求めているわけではないので、この場でもいいですし。

○奥山委員 私も聞きたいです。

○安部委員 それは委員長に任せます。

○山縣委員長 では、事務局のほうから。

○羽野室長 虐待室長でございます。
これまで何点か御質問いただいたうち、2つございましたか。松本先生と奥山委員からも言われた当分の間の経過措置の考え方がどうなのかということと、あとは安部委員からいただきました国家資格にしない積極的な理由というお話だったかと思います。
まずは当分の間の経過措置のところでございます。ここについては、恐らく前回も少し御説明したのではないかと思いますけれども、今回の御提案さしあげているこの資格の基本的な形としては、社会福祉士・精神保健福祉士の方々に上乗せでこの子ども家庭福祉分野の専門科目の履修をしていただくということを基本的な考え方とした上で、様々組み上げております。
そのようなことを考えた上で、るる論点はあると思いますが、質の担保をすべきであるということと、とはいえ、今、いらっしゃる現任者の方々の資質を向上し、人材がなかなか不足している中でその方々の資質を向上して速やかに資格を取っていただくということと、そのこととのバランスを考えた上で経過措置とはするけれども、特段期限は設けないという当分の間の経過措置という形で今回御提案させていただいているというものでございます。
もう一点、国家資格についてでございます。国家資格については、国家資格化すべきだという御意見があるということも重々承知しておりますけれども、現在、この資格をお持ちの方が一人もいないという状況の中で、まずはその方々を養成するということから始めるというのがよいのではないかということが今回の事務局の考え方でございます。
以上でございます。

○山縣委員長 よろしいでしょうか。
では、奥山委員、それも踏まえてどうぞ。

○奥山委員 まず、今のお答えを聞いて、要するに上乗せが現任者ルートあるいは社会人ルートを阻害しているわけですよね。上乗せがそんなに重要かといったら、上乗せが重要だとはとても思えないのに、それが現任者ルートを阻害するということ自体がやはりおかしいと思いますし、それから、やはり先ほど私が言ったように現任者ルートをもう少しきちんとしたものにしていくということが必要で、だから、上乗せでなければいけないから当分の間なのだというのも変な話だと思います。そこが一点ですね。
先ほど、今いる方々の現任者ルートなのだとおっしゃいますけれども、今後もやはりいろいろな人材を集めていくということを考えたらば、今の数年間の限定的措置では駄目だと私は思います。イギリスのファーストトラックみたいに社会人コースとしてきちんとしたものをつくっていかなければいけない。
それで言うと、100時間は先ほど松本先生もおっしゃっていたように確かに短過ぎると思います。1日6時間やると17日で済んでしまうわけですからね。そんなものでは駄目だろうと思います。最低300時間は必要かなというようにイメージ的には思いますけれども、前につくったときに大体600から700時間ぐらい必要だというように考えると、その半分は必要だろうというように思います。
それから、先ほど来、議論の中で座学と実習というようにおっしゃっていますけれども、座学と実習というと知識を与える一般の座学と、それから、実習でなければ実践が学べないというような感じになっているのですが、やはり我々、例えば医学部教育では臨床講義というのがあって、いろいろな事例をきちんと講義の中でやっていく手法というのはあるわけですよね。私自身、正直言って医学部のときに言われたこと、医学部直後の実習で学んだことというのは物すごく自分のベースになります。先ほど若い時代のこの時代に勉強するよりもう少し社会経験があってからみたいなことをおっしゃった方がいるのですけれども、若いときだからこそ本当にベースをつくるところというのは非常に重要だというように私は思います。
そういう臨床講義の中でいろいろ私が発言したときにいろいろなフィードバックが当然教員とかいろいろな方からある。そのことは今でも忘れられないことは幾つもあります。そこは本当にベースになっていくとすれば、やはり必要なことは、子ども家庭に関してヒューマン対ヒューマンという形で、先ほど宮島先生もおっしゃったようにどういうように面接をし、子どもにどう話を聞き、そして、家族とどう関わりということをまず一番最初に面接からスタートでいいのだと、私、正直思うのですよ。もしカリキュラムを組むのだと、私に組めと言われたら一番先に面接法から入るかもしれません。そのぐらい重要なことなのに、長い間、制度論中心の社会福祉みたいなことを全部やってからでないと子どもとの面接の仕方という具体的なところに入れないということ自体が私はおかしいというように思います。
先ほど藤林先生がおっしゃったような基礎科目を学ぶというのはある程度しようがないかなというところはあるのです。やはりソーシャルワークは何なのというぐらいの知識は必要だろうと思います。でも、そこから先は、やはり本当に実践に役立つことを若いうちにきちんと態度とかプロフェッショリズムとか、そういうことを身につけることがとても大切なのだというように思いますし、先ほども言いたかったのは座学、実習だけではない、その座学そのものをいろいろ変えていかなければならないのだということがあるというように思っています。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、宮島委員、お願いします。

○宮島委員 ありがとうございます。
座学、理論等を学ぶこと、知識を学ぶことはとても大事だと思います。現場と学ぶこと。現場で学ぶことも多い。ですが、行き来することがやはりとても重要だと思います。
私も、学部でも授業を持たせていただいています。私が担当している「子どものケースマネジメント」という科目は11月から1月の集中講義で、ちょうど3年生の社会福祉士養成のための実習が終わった後の時期に置かれています。「入り方」が違いますね。やはり現場に少しでも出ていって、そこで様々なことに触れてからの彼らの吸収力は本当に大きいと感じます。話している内容と経験したことを照らし合わせて考えることができるようになる。単に知識を詰め込むということとはまるっきり違います。学びを深める上で、現場に触れるということ、それを意識するということがとても大事だと思います。
先ほど高田先生が4年制大学でできるのかということをお話しされました。確かに、できることは限られていると思います。だからこそ、詰め込み教育にしたのでは意味がない。ただ、御指摘されているように子ども家庭福祉の部分の学びがやはり足りない部分はありますので、上乗せで学んでほしい。ただ、あくまでも限りがあることで、専門職としての入り口に立つというところのレベルであろうと。
医師の養成などでは、インターンということなのでしょうか。現場に行って体験をして、学びと実務を行ったり来たりする。そういうことをしないと、現場に出て当事者の前に立てるようにはならないと思います。それを考えるならばやはり6年制にして大学院卒業という形にしなければならない。入り口に立つ。最低限のことはある程度できる、それで入り口に立つということはできないだろうと考えます。しかし、今、それを導入するということには、あまりにも時間がかかる。せめて足りないという御指摘がある子ども家庭福祉についての学びを上乗せしていくということが現実的なところで大事なのではないでしょうか。そして、先ほど申し上げたように、学び続けられる、高め続けられるというものにする。試験もそれを誘導するものにならなければならないと思いますし、もし取り入れるとしてもですが。
残念ながら、先ほどのような倍率ですので、足切りをしてどんどん切っていってということではないです。この領域に入ってきてくださる方を増やさなければ、入ってきてくださった方に本当に力をつけてもらわなければ現場を変えることはできない。そのことを考えていかなければならないと思います。
あと加えて、現場経験があるということはどういうことかということに関して2つ申し上げたいのですけれども、私はやはり社会福祉士とか精神保健福祉士でこの領域外で経験を重ねてきた人にぜひとも入ってきてほしいと思っております。社会福祉士はたしかもう25万人超えている。正確な数字を忘れてしまいましたけれども、精神保健福祉士も約10万人となっている。ほかの領域でソーシャルワークを展開してきた方、私の今、所属している専門職大学院にもそういう方はたくさん在籍されていますけれども、やはりポイントを掴むことが出来るのです。支援の展開もできるのです。面接もできるのです。だから、子ども家庭福祉の学びをそれに上乗せしていただければ、この領域で十分力を発揮し、活躍していただける。このような人材を誘導するということが必要だと思っています。やはり上乗せ型であるということはそのことに優位性があると考えます。
また、自治体は子ども家庭福祉士という新たな資格が出来たとしても、その資格で採用し、ずっと子ども家庭福祉の業務を担わせることは実際、人事上無理だと思います。ソーシャルワークの現場、例えば高齢者福祉、障害者福祉、子どもの福祉。そういった部署への異動を重ねて、力をつけていってもらう。そのような育成が現実的でしょう。その点を考えても、上乗せ型が効果的だと考えます。
もともと私はソーシャルワークの国家資格は1つが望ましい。そこで共通基盤を身に着ける。技術的なこと、実践力の基本を確実に担保した上で、高いところを目指す、領域を深めるといった形が望ましいと考えています。これらの観点から、既存の国家資格の上に上乗せをするということがとても大事だと思います。
さらに、付け加えさせていただきますけれども、委員提出資料と出させていただいたものの2ページ目に記しましたが、たまたま先週、政令市の100人規模の社会福祉職の研修の講習をさせていただきました。そこに参加された方の内で、子ども家庭福祉の分野の方は2割ぐらいで、生活保護を担当されている方が一番多かったようですけれども、それでも子ども家庭福祉の事例を題材にしていろいろなことを深めることができるのです。
これに対して、どこということは申し上げられませんけれども、そこに限らず、他の市町村でもしばしばあるのですが、子ども家庭福祉の経験は長い、しかし、地域でソーシャルワークを展開する力が弱く、社会福祉士資格を持ってらっしゃる方の場合でも、適切な支援が展開できないという場合が少なくない。そこではパターン化された対応をした。注意喚起をした。といった内容に留まる。あるいは本当に座学をそのまま目の前のことに当て込んだ、頭の中で考えたような支援しか展開できない。そういった例に多く出くわします。当事者が抱える問題を共感的に理解できず、深められず、いろいろと起こっていることについて、情報は集めているのですが、それらをほとんど統合できていないということが起きています。このような深刻な事態に対する手当てがなければ何にもならない。
子ども家庭福祉とほかの領域のソーシャルワークが離れていってしまうということになれば、子ども家庭福祉の人材だけで子ども家庭の福祉を守れるわけではない。やはり子どもとほかの領域との相互交流とか知識の交換がとても重要だというように考えております。そういったいろいろなことを考えて進めていかなければいけないものと考えております。
以上でございます。

○山縣委員長 宮島先生、試験のところについての先生の御意見はあまり聞いてないのですけれども、何かありますでしょうか。

○宮島委員 ありがとうございます。
事務局のほうでも試験を導入するということだとしても、社会福祉士等を持っている方で現場経験のある方には実践的な内容のみとすると書かれています。私は、社会福祉士と精神保健福祉士に合格することで、最低限のソーシャルワークの共通基盤を持っていることをはかることが基本だと考えています。何の試験も受けないで、資格を与えるという制度ではないわけです。第一義的にはそれが望ましいという考えです。
どうしても試験が必要かなと思うのは、既存の資格が無く、経過措置のみで新たな資格を与える場合。この場合は、ソーシャルワークの学びを十分受けてもらって、その部分についてはむしろ何らかの形で、測る必要があると思います。
どうしても全体に対して試験を導入するとなった場合、実務家の方々に対する試験というものは正解が一つしかないというような試験、それではやはり駄目だと思います。実際にどういうやり方があるのかというイメージは持てないのですけれども、そのことを模索しないといけない。答えが一つだけの試験を導入したのでは実践力の向上には誘導できないと考えております。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、藤林委員、お願いします。

○藤林委員 本当にだんだん時間が短くなってきたのですけれども、やはりやっとこうやって専門委員同士のディスカッションができるようになってよかったなというように思っています。
今の宮島委員の話を聞いていても、大体共通するところがほとんどなのですけれども、やはり1点違うのは、ソーシャルワークの共通基盤を担保するのに、宮島委員は共通科目だけでは足らない、私は共通科目で足りるというところが多分隔たっているのではないかなというように思います。先ほども言いましたように、では、そうであれば、精神保健福祉士も共通科目では足らないのですか、そういう意見になるのですかというように今、改めて問いたいですね。
令和2年の精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて、これはたかだか去年の報告書ですけれども、その中でそのような議論はあったのでしょうか。議事録を全部見てないので分からないのですけれども、そこの取りまとめにおいてはそのような指摘が見当たらない。社会福祉士を取ってから、ジェネラルソーシャルワーカーを取ってから養成課程を受けるべきだといった指摘、文言はなく、共通科目を拡充するという方針は出されており、それは共通科目を拡充することで現在のニーズに応じていけるというような判断があったのではないかなというように思います。
もしも精神保健福祉士は共通科目だけで足りて、子ども家庭福祉士は共通科目では足りないという、そういう理屈があるのであれば、その理由についてももう少し明確に理由を聞かせてほしいのですけれども、あまり時間がないのでなかなか難しいかなと思います。
私からは以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
あとお三方、手が挙がっております。今、あと10分弱になっておりますけれども、その辺も踏まえながら進行していきたいと思います。
相澤委員、お願いします。

○相澤委員 ありがとうございます。
本当にこの実践力をつけていくにはそれなりのカリキュラムが必要だろうなというように思っています。今、国立武蔵野学院の附属養成所は人材育成センターになりましたけれども、そこでの任用資格取得のためのカリキュラムでは、1,530時間あって、実習が810時間あるのですが、それで講義は540時間と。諸外国なんかにおいてもやはり実習はカリキュラム上、時間数は結構あるわけですね。そういう意味で、マル1の子ども関係のカリキュラム時間数増加を含めた検討というようなことで、実際に到達目標を考えたときのカリキュラムを考えたときに相当な時間数を結構要するのではないかなというように思ったりもします。
そこで、先ほどから議論を聞いていると、制度論中心の今、社会福祉のカリキュラムになっているのであれば、社会福祉士のカリキュラムそのものを検討するときに一緒に見直すとか、そういうことはできないのかと。要するに子ども家庭ソーシャルワークをきちっとやる上で必要な内容をそういう専門科目の中に盛り込んでいくとか、そういった検討は難しいとは思いますけれども、実際に質を担保するのであればそういったことも検討していいのではないかと思って聞いていました。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
奥山委員、お願いします。

○奥山委員 先ほど宮島先生が社会福祉士の方も精神保健福祉士の方もこの分野に入ってきてほしいのだというようにおっしゃっていましたが、だったら、一番左のコースを取ればいいわけです。何もどうしても学部でその2つの上に子ども家庭福祉が乗らなければいけないという理屈にはならない私は思います。
それから、社会福祉士と子ども家庭福祉が離れていくということを宮島先生はおっしゃったのですけれども、だとしたら社会福祉士と精神保健福祉士は今、離れているということなのでしょうか。理論的にはそういうことになってしまいます。私が思うのは、社会福祉士が本当にジェネラルなものとして最低限これが全体として必要なのだというのだったらば、社会福祉士をきちんとしたものとして、その上に子ども家庭福祉、精神保健福祉、あるいは高齢者福祉というのが乗ってくるのが普通ではないかと思います。何で精神保健福祉士というスペシフィックな資格の上に子ども家庭福祉というのが乗るのかというのは全然理屈が合わないと私は思っています。
そういう意味で、この上乗せという構造自体が非常に多くの矛盾を抱えているものだと思っています。ですので、そこを貫いていくのだという姿勢自体がなぜそんなに強く打ち出されなければいけないのかというのが私にはよく分かりません。それも今から厚労省にお答えいただくのも何なので次回でもいいですけれども、そういうことは思っていますし、理屈に合わないと思います。社会福祉士が本当にジェネラルになって、その上に乗せるのだというのは、それはある意味、理屈としてなるほどと思う面がなくはない。でも、精神保健福祉士の上に乗るということはあり得ない話だと私は思います。

○山縣委員長 ありがとうございました。
では、宮島委員、お願いします。

○宮島委員
まず事実と違うところを訂正させていただきたいと思います。社会福祉士の養成が制度論に終始しているという指摘、これは違います。制度論が多い部分はあると思いますけれども、それではいけないということが言われたためにカリキュラム改正がなされていまして、実践力向上のほうにかじを切っています。私も子ども家庭福祉のテキスト作りに関わりましたが、実践的な内容をなるべく入れ込むようにしました。さらに、もっとしたいところですけれども、変わってきています。そこで全体を見て制度論に終始しているという指摘は、事実に反していますので申し上げたいと思います。
2つ目として、社会福祉士と精神保健福祉士、私は統合すべきだというように思っていますし、ずっとそういうように言ってきました。ただし、一度別々につくられてしまうと一つにするというのは非常に難しいことだと思います。そのことも考えた上で共通基盤をちゃんと身につけて、その上に各領域の専門性を深めていくという本来あるべき方向に目指すべきだと考えています。
もう一つ、では、既存の国家資格で足りるのかということですけれども、専門職というのは足りると考えたところで終わってしまうのではないでしょうか。やはり当事者の利益のためには技術も知識もずっと学び続け高め続ける、それがとても重要だと思います。それこそがプロとしての意識ではないかと申し上げたいと思います。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございます。
時間になりましたけれども、新しい今まで発言をいただいてない浜田委員の手が挙がりましたので、浜田委員の御意見を伺って今日はこれで閉めていこうかなというように思っております。
浜田委員、よろしくお願いします。

○浜田委員 すみません、お気遣いいただいて幸いでございます。私はAかBに乗るかという話を申し上げるのではなくて、先ほど安部先生から御指摘のありました、このまま両論併記にやって、その場合、何も進まないけれども、いいのかというところについて、今、御意見をお伺いしながら考えておりました。
結論的には、私は、それは致し方なしではないかと考えます。まさに今日、一時保護のところについて申し上げておりましたとおり、結局のところ、急いでつくったときにどうしてもそこにバグが含まれるようなことだと、それはどうなのだろう。今、いみじくも宮島先生が一遍できてしまった資格の統合が難しいとおっしゃったところなんかはまさにそういうことかなと思いますけれども、そうだとするならば、今、両説の先生方の御意見、大変興味深く拝聴しておりますが、こういった議論がまだ必要なのではないかというように逆に今日の後半の議論を聞いていて強く思いましたので、安倍先生の御発言に対して私の意見を申し述べたところです。
以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
予定の時間ですので、本日についてはこれで終わらせていただきますけれども、今日は特に前半については先ほど整理をいたしました。後半、資格のところにつきましては、3つの修正ポイント、検討ポイントを入れていただいたことで、先ほど宮島委員に確認したのはこの点があったのですが、試験制度を共通に実施することによって、少なくとも外部から見たら独立した資格になる。共通の試験がなければ通らないわけですから。問題は、そこの受験資格をどういう形で認めるかというところの議論のほうに、この3を認めるとそういうことになるのではないかというように思っています。その受験資格についていろいろな御意見が分かれていることは間違いない。
もう一点は、外部から見たら独立した資格に見えるというように、その点はいいと思うのですけれども、これが国家資格であるかどうかということについて意見が出ている。民間機関が認定する資格だから難しい、よくないのではないかという、この御意見も出ているということです。
若干性格は違うかもしれませんけれども、スクールソーシャルワーカー、法律ではないのですが、法律に準ずるものと考えていい。学校教育法のたしか施行規則だったと思うのですけれども、後半のほうにスクールソーシャルワーカーという言葉が配置のことについて入っています。あとスクールソーシャルワーカーは民間、団体認定の資格ですけれども、そういうような対応の仕方、法律の本体まで載せろという意味では私の情報の中にはありませんが、準ずるものの中にはそういう位置づけも出ている。だからいいということを言っているつもりはなくて、その試験をどこが管理するのかということについては、まだ十分な合意を得ていないということを確認したいと思います。
次回ですけれども、一時保護についてまだ懸念事項が幾つか示されております。その懸念事項を少しでも解消することと、資格についてはまだ反対意見がはっきり出ていますので、この2つを中心に御議論いただくということで、それ以外の部分は本日の議論あるいは意見を踏まえて事務局のほうで再度、申し訳ございませんけれども、修正いただいて、次回、確認をしていくというような段階にさせていただこうと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
では、事務局のほうから次回日程等についてお願いします。

○野村企画官 次回の日程につきましては、12月17日金曜日10時から13時を予定しています。
以上です。

○山縣委員長 本日はこれで終わりたいと思います。長い時間お付き合いいただきましてありがとうございました。

(了)

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