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2021年11月30日 第38回社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会 議事録

子ども家庭局家庭福祉課

○日時

令和3年11月30日(火)10:00~13:00

 

○場所

オンライン


○出席者

委員
 

相澤委員   安部委員   井上委員   奥山委員
河尻委員   北川委員   熊川委員   倉石委員
桑原委員   高田委員   坪井委員   中村委員
橋本委員   畑山委員   浜田委員   林委員
平井委員   藤林委員   松本委員   宮島委員
森井委員    薬師寺委員   山縣委員長  横川委員
横田委員   村上代理

事務局

橋本子ども家庭局長
川又審議官
岸本審議官
小澤総務課長
山口少子化総合対策室長
中野家庭福祉課長
羽野虐待防止対策推進室長
野村企画官
林保育課長
鈴木子育て支援課長
山本母子保健課長

○議題

(1)とりまとめの骨子(案)について
(2)その他

○配布資料

資料1-1 骨子(案)(第37回資料からの修正)
資料1-2 骨子(案)
資料2 委員等提出資料
 
参考資料1 委員名簿
参考資料2 児童相談所における一時保護等の手続の在り方に関する検討会(11/15)概要等
参考資料3 地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会について
参考資料4 子どもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会 議論のとりまとめ
 

○議事

○野村企画官 定刻となりましたので、ただいまから第38回「社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会」を開催いたします。
 委員の皆様には、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、ウェブ会議にて開催させていただきます。
 本日の出欠状況でございますが、五十嵐委員、榎本委員、小島委員は御欠席とお伺いをしています。
 なお、菅田委員は御欠席と伺っておりますが、代理といたしまして村上幸治様、全国母子生活支援施設協議会副会長にお越しいただいております。
 また、奥山委員、桑原委員、横田委員は途中退室とお伺いをしております。
 それでは、頭撮りはここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)

○野村企画官 今回の委員会は、傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。なお、本委員会では、これ以降の録音・録画は禁止をさせていただきますので、傍聴されている方はくれぐれも御注意ください。
 それでは、これより先の議事は山縣委員長にお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山縣委員長 皆さん、おはようございます。
 本日も慎重に議論をしていきたいと思います。
 取りあえず事務局から資料の説明、確認をお願いしたいと思います。

○野村企画官 それでは、資料の確認でございます。
 配付資料は、右上に番号を付してございますが、資料1は、資料1-1、資料1-2とございます。骨子案でございますけれども、資料1-1は、第37回の骨子案からの修正箇所が分かるような形でお示しをしたものでございます。資料1-2は、それを溶け込ませたものでございます。
 資料2で、委員等提出資料として、安部委員、奥山委員、中村委員、畑山委員、藤林委員、宮島委員、横田委員からの提出資料、それから、SBS/AHTを考える家族の会、埼玉弁護士委員会子どもの権利委員会等からの資料についても配付をしております。
 このほか、児童相談所における一時保護等の手続の在り方に関する検討会(11月15日)の主な御意見、地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会、子どもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会の議論の取りまとめといったものについて、参考資料として配付をしてございます。
 以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 それでは、本日の議事に入っていきたいと思います。
 先ほど申しましたように、今回第2回目です。取りまとめの骨子案につきまして、前回御検討いただいたものから赤字で書いてあるような修正、特に四角のところは前回空白になっておりましたので、そこが全面挿入という形になっています。
 今回も非常にたくさんの委員からの御意見をありがとうございました。
 進行の仕方ですけれども、まず事務局から骨子案について一括して説明していただき、その後「i.支援を確実に結びつける体制の構築」から「ii.安心して子育てができるための支援の充実」の「(3)社会的擁護・代替養育」まで、1ページから11ページの中ほどぐらいですが、そこまでを前半で、後半は「(4)一時保護」から最後の残りの部分を議論していきたいと思っています。
 参考資料の説明がございましたけれども、骨子案との関連で、報告事項として参考資料の説明をお願いしたいと思います。参考資料2及び参考資料4が事務局から、参考資料3の地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会の資料につきましては、座長の倉石委員に参加していただいておりますので、倉石委員から直接説明をお願いしたいと思います。
 それでは、早速ですけれども、骨子案の説明をよろしくお願いします。

○野村企画官 企画官の野村でございます。
 資料1-1の赤字で追記箇所が分かる形でお示しをした骨子案を御確認いただければと思います。
 1ページ目、赤字で追記をしてございます。前回は「つながる機会の拡充」と書かせていただいておりましたけれども、分かりにくいという御指摘をいただいておりますので、「支援を確実に結びつけるための(つながる)機会の拡充」ということで記載をしております。
 量的な観点と質的な観点でつながる機会の拡大といったところを書かせていただいておりましたが、機会の拡充という量的な観点、それから、機会をよりよいものにするという質的な観点といった形で補足をしております。
 2ページ目でございます。「(2)市区町村等におけるマネジメントの強化」ということで、その相談機関のことですけれども、もちろん母子保健、児童福祉といったところ、それから、妊産婦、子育て世帯、子供、全てのそういった方々の一体的な相談を行う機能を有するのですということを書かせていただいておりましたけれども、一般家庭から支援の必要性が低い世帯、支援の必要性が高い世帯、そういったところにシームレスに対応するのだといったことも明記すべきというお話がございましたので、追記しております。
 2ページ目の下から二つ目の○の「サポートプランを作成するような要保護児童等の支援に際しては」というところでございますが、「要保護児童対策地域協議会(以下「要対協」)を活用するなどしてケース会議を行う。この時、世帯の課題や支援の必要性のアセスメントについて、サポートプランの様式を含め、ひな形を国が示す必要がある。また、市区町村は、このケース会議において、事案によっては児童相談所とともに、何を課題とし、いつまでにどこまでの対応を取り、どういう状況になれば児童相談所が主として対応する必要があるのかを確認することが重要である」という記載を追記しております。
 人員のところでございますが、安易な人員削減となるのはいかぬという御指摘をいただきましたので、その旨を記載しております。
 3ページ目でございますけれども、上から三つ目の○の「加えて」と始まっておるところでございますが、家庭環境、養育環境をよりよくするための支援のアセスメントについて「国が示す子育て世帯の支援の必要性に関する考え方を参考に」と書かせていただきました。先ほどのサポートプランのところもございますが、家庭環境をよりよくするための支援を結びつけるに当たっての考え方は国が示すのであろう、そして、それを参考に市区町村が様々な支援を結びつけていくのだろうというところで御指摘がございましたので、追記をしてございます。
 「優先的に支援を必要とするにもかかわらず支援を拒んだり支援を求めることができない等の世帯や子どもについて」ということで、対象層の明確化を少し図っている記載にしております。
 4ページ目でございますが、ここはそれぞれ趣旨の明確化といったところがございますけれども、まず家庭環境、養育環境をよりよくするための支援の部分でございます。個別の市区町村だと整備が難しい状況もある。その場合に児童家庭支援センターなどを活用して整備を進めることも可能としていくというところで、ここの記載が分かりにくいという御指摘がありましたので、明確化をしております。
 そのほか、4ページ目の一番下でございますが、ショートの部分において、里親ショートも含まれるように、そこを明確にすべきという御指摘をいただきましたので、修正を加えてございます。
 5ページ目の一番上の○でございますが、子育て短期支援事業について、送迎のお話もございましたので、その旨を追記しました。
 親子関係の構築に向けた支援の部分で、親子関係に課題があり、解決が困難な状況に陥る前というところでございますが、そこに「保護者が育児に困難を感じたタイミングで」ということで、ここの部分も分かりやすさを追求する形での追記を考えております。
 5ページ目のここの記載も、どのタイミングで見立てをつくるのかということが非常に分かりにくいという御指摘をいただきましたので、在宅指導措置や一時保護、入所等措置を始める際には、その後の一時保護等々に関する見立てをしっかりとつくっていくのであるということです。もちろん援助方針を作成するわけですが、そういったところに行動計画をしっかりと盛り込んでいくという御指摘をいただきましたので、その旨を追記してございます。
 6ページは、御指摘いただいた部分での明確化を図っているところでございますが、一番下のところでございます。今まで「i)保護者への支援」「ii)子どもへの支援」で分けておりましたけれども、そもそも親子再統合支援であるとか、保護者支援というのは、法に対しての支援もあるのだという御指摘をいただきましたし、そこを分けてというよりかは、一体的に考えるという御指摘がございましたので、「i)子どもと保護者への支援」ということでひとくくりにさせていただいて、保護者支援プログラム等々のお話から、それこそ子供へのしっかりとした支援のつなぎであるとか、そういったことも併せて考えられるようにということで、一つのグルーピングにさせていただいてございます。
 8ページも趣旨の明確化でございます。
 9ページ目、特別養子縁組のところでございますが、前回は特別養子縁組についてのみ書かせていただいておりましたけれども、養子縁組を随時入れるとともに「代替養育による長期間の対応ではなく事案の永続的な解決が求められる」でありますとか、そういった旨の追記をしております。
 10ページでございますが、里親ファミリーホームの在り方の部分でございます。上から三つ目の○です。施設の機能と果たす役割のところで始まる部分でございますが、里親ファミリーホームの在り方の検討において「柔軟な里親制度の運用やファミリーホームと里親の定員など」ということで、何を検討していく必要があるのかということを、もう少し具体に書いたところがございます。
 11ページからは「(4)一時保護」の記載になってまいります。前回、一時保護の司法審査について様々に御議論をいただいております。また、一時保護の検討会での議論等とも踏まえまして、赤字の追記をしているところがございます。
 11ページの赤字の箇所でございますけれども、「この結果」と始まっているところでございますが、「児童相談所等は、一時保護の要件に該当し、必要があると認めるときは、一時保護を行うことができる」ということです。要は司法審査を経て誰が一時保護を行うという形なのかというところを明確にすべきという御指摘がございましたので、その旨が分かるような記載にしてございます。
 12ページでございますが、上から二つ目の○「一時保護を行う場合には、iii(1)マル1で述べるように」と書いてございますけれども、一時保護につきまして、子供の意見を司法審査においてどのように取り扱うのかといった御指摘をいただきました。
 事務局としては、子供の意見の部分については、まさに権利擁護の議論等々がございますので、そういう部分でしっかりと受け止め、その意向を把握、勘案していくという形で対応していくのではないか。「その上で、把握した子供の意見を後述の疎明資料に可能な限り記載する」と書かせていただいておりますけれども、そういったものをしっかりと司法審査にのせていくといった形であろうと考えてございます。そのため「一時保護を行う場合には、iii(1)マル1で述べるように、児童相談所は一時保護の決定前又は緊急に一時保護を行った場合等には事後に子どもの意見の聴取等を行い、その意向を把握・勘案しなければならない旨を法令や通知等に規定する。その際、都道府県は、一時保護に関する子どもの意向形成・表明を支援するための体制整備にも併せて努めるものとする。その上で、把握した子どもの意見を後述の疎明資料に可能な限り記載するものとする」と書かせていただいたところでございます。
 その次のパラグラフでございますが、司法審査の対象となる一時保護について、親権者等が一時保護に同意した場合や、一時保護状(仮称)の請求までに一時保護を解除した場合等は除く」としてございます。「後者の場合について、短期の一時保護と解除が繰り返され、結果的に長期の一時保護にならないよう、厚生労働省は、その防止策を講じるべきである」ということを書かせていただいております。一時保護という判断をしたが、直ちに解除という形になって、また、その必要性を勘案して、一時保護をするといったことで、結果として一時保護が繰り返されているといった形にならないようにというところでございます。一時保護状の手続の流れの中で、そのようなケースがあるのではないかという御指摘があったので、事務局で一部追記をしたところでございます。
 12ページ、下から二つ目の○でございますが、これは一時保護状の請求について却下となった場合に、再度手続を求めるかどうかというところのお話でございますけれども、「一時保護状(仮称)の請求について却下となり、一時保護を解除した場合には、事案によっては、子どもの生命及び心身に重大な危害が生じるおそれがある。このため、そのような事例に限り、当該却下の裁判に対する児童相談所からの不服申立手続を設けるべきである」と書かせていただきました。あくまで子供の生命及び心身に重大な危害が生じるおそれ、そういったところに勘案して、児童相談所からの不服申立手続を設けるというところでございます。
 以下、詳細の部分でございます。「具体的には、児童相談所長等は、一時保護を解除したときに子どもの生命及び心身に重大な危害が生じると見込まれるときは、当該却下の日から遅滞なく所定の裁判所に、その裁判の取消しを請求することができることとし、裁判所の判断が確定するまでの間は、引き続き、児童相談所等は一時保護を実施することができる」という形にしております。あくまで命の危険といったところに勘案して、このような流れになるということでの具体的な流れを書かせていただいたところでございます。
 一方「面会通信制限等については、実態として、児童相談所において、措置ではなく、行政指導により対応している実態にある。行政指導については、司法審査の対象にはなり得ないことに留意が必要であり、まずは、司法審査の対象となる行政措置が現場において適切に実施されるように通知等で促していく必要がある」ということで、面会通信制限等については、検討会での議論等々を踏まえて、このような記載にしております。
 13ページ「マル2 一時保護の環境改善」の部分でございますが、学習支援ということで書かせていただいたところに「登校」を加えさせていただいているところが一つ、あと、一時保護所の部分で開放型、閉鎖型等とございますけれども、子供の処遇の推進ということで考えていけば、開放的なものであろうということで、その旨を明らかにしているところでございます。
 そもそも一時保護について、一時保護ガイドラインにのっとった対応というところを、しっかりと児相を含めお願いをしていくのであろうということで、その旨を記載してございます。
 15ページでございますが、権利擁護の関係でございます。一番下の「マル2 政策決定プロセスにおける当事者の参画」で「決定過程」と書かせていただいておりましたが、もちろん検討過程にも参画をするのであろうということで御指摘をいただきましたので「検討・決定過程」と書かせていただいております。
 16ページ目「マル3 権利擁護機関」でございますが、従前、権利擁護機関について、都道府県は設置について努めるという書き方をしてございましたけれども、事務局で様々議論させていただいて「児童福祉審議会(自治体が独自に設置する権利擁護機関が行うものも含む)による調査審議や意見の具申が適切に行われるための仕組みの整備や意向表明を支援する事業その他の適切な方法により、子どもの権利擁護の環境整備を図ることとする」として、都道府県の業務という形で整理をすることが適当ではないかということで記載をしております。
 国レベルの権利擁護機関の記載について、必要性についてしっかりと書く必要があるのではないかということでございましたので、ワーキングチームの取りまとめにおける記載を参考に「子どもの代弁者として子どもの権利擁護の促進のための必要な法制度の改善の提案や勧告を行うなど、国や自治体のシステム全体に働きかける機能が必要であると議論がされた」ということで、国レベルの権利擁護機関については、検討が必要なのだということで書かせていただいたところでございます。
 17ページ「マル6 被措置児童等虐待への対応」ということで、被措置児童等虐待への記載が全くないことは不適当ではないかという御指摘がございましたので、被措置児童等虐待の部分について書き込みをさせていただいております。
 被措置児童等虐待で虐待を受けた子供自身が発信というか、状況をしっかりと言える環境をどのようにつくっていくのかというところで考えた場合に、まさに権利擁護の部分での意向表明支援等々が重要になってくるであろうということで、その旨を記載するとともに、一方で、被措置児童等虐待について、通告・届出として対応したものについて、児童福祉審議会に諮る等々の取扱いはもちろんあるのですけれども、そこの部分でのガイドラインは、どういった場合にその手続を取るのか等々が非常に分かりにくいということがございましたので、ガイドライン等の見直しを行うことを考えているということで記載をしてございます。
 19ページでございますが、前回、社会的擁護を経験した方々の実態の調査について記載が必要とありましたので、「国や都道府県は引き続き調査を行い、把握に努める必要がある」と記載をしました。
 20ページは、まさに人材育成の資格の部分についてでございます。一つ目の○で「子ども家庭福祉分野で支援に携わる者の資質の向上を図るため、新たな資格(子ども家庭福祉ソーシャルワーカー(仮称))を創設する」というところは、前回と同様の記載のままでございますが、それ以降の部分でございますけれども、まさに制度設計案といったものについて議論を行ったということを、しっかりと書かせていただいております。
 21ページ目、その制度設計案に対して支持する御意見があったことをご紹介しているところです。
 21ページの下の○でございますが、制度設計案に対して下記のように反対の御意見があったというところで御紹介するとともに、22ページでございますけれども、そういったところの反対とか、支持という形ではなく、下記のような意見があったということで、資質、専門性の向上策を考えるべきとか、インセンティブのお話などをここに書かせていただいています。
 23ページでございます。本日御報告をいただくことを考えておりますけれども、わいせつ行為を行った保育士の対策についてでございます。「わいせつ行為を行った保育士の対策については、『地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会』での議論も踏まえ、教育職員と同様の内容の対応(※1)を取ることなどを検討する。あわせて、わいせつ行為を行ったベビーシッターの対策等のため、専門委員会」、この専門委員会は、子どもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会ですが、「での議論を踏まえ、事業停止命令等を受けた認可外保育施設の名称等を公表することなどを検討する」ということで書いてございます。
 骨子については、以上の修正を行っております。
 以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 説明が続きますけれども、続きまして、前回、一時保護の検討会の状況について報告をしてほしいという御意見がございましたので、参考資料2に基づいて事務局より説明をお願いしたいと思います。

○羽野室長 虐待防止対策推進室長の羽野でございます。
 参考資料2を御覧いただければと思います。
 1ページ目でございますが、一時保護の検討会が11月15日にございましたが、その際にあった主な意見について、事務局においてまとめた資料でございます。
 主だったところだけ御紹介させていただきますが、「【意見聴取・手続参加】」のところです。
 一つ目の○で、子供の意向聴取をしっかり行うべきという御意見でございます。
 ちょっと飛んで、4点目でございますが、司法審査手続に親権者等や児童本人が参加する形とすべきという御意見もいただきました。
 その次の○、5点目ですけれども、子供の意見をくみ取るための不服申立手続、そういったことも必要ではないかという御意見もございました。
 一方、さらに一つ下の○です。6点目です。司法審査とは別に同福祉審議会等の第三者機関が調整的な手続を担う。こういう仕組みを構築することで、行政の権限行使の適正性の簡易迅速な担保と保護者及び児童の意見表明機会の担保をそれぞれ実現できるのではないか、そういった観点での御意見も頂戴しております。
 その次の「【司法審査の対象とするケースの範囲】」のところでございます。
 一つ目の○でございますが、親権者等が同意していても、子供が反対しているケースというのは、審査の対象とすべきではないかという御意見があった一方で、二つ目の○でございますが、先ほど申し上げたような子供が反対しているようなケースを司法審査することについては、行政の権限行使ではなくて、親権の行使について裁判所が審査することになるのではないか。そうなると、親権制度との関係から慎重な検討を要するのではないかという御意見をいただいております。現在、親権について法制審議会で検討が行われているということであり、その議論を待たずに児童福祉法において、親権への制限を強めるということが適当なのかという御意見でございました。「また」というところで、親権者等が同意している一時保護が却下された場合、親権者等も行政も保護できないという状況が生じるおそれがあるのではないかという御懸念の声もいただいたところでございます。
 その下の「【一時保護の要件・司法審査の基準、その他】」のところでも、もろもろ御意見をいただいております。
 その中の最後の○です。制度の詳細を検討する際には、実務者を含めた議論の場を設けるべきという御意見も頂戴しております。
 最後の「【面会通信制限】」のところでございます。
 最初にこの点について、一旦、2ページ目を御覧いただければと思います。面会通信制限の調査結果等について、11月15日の一時保護検討会の中で御説明した資料をつけてございます。
 その中で、児童相談所の面会通信制限などの実態調査を行った結果がこちらでございまして、真ん中の辺りの「(1)接近禁止命令、面会通信制限の実施状況(令和2年10月-3月)」という表を御覧いただければと思います。
 面会通信制限のところで、児童虐待防止等に基づく措置が20件である一方で、一番右です。行政指導と書いてあるものが4,987件でございます。このような形で行政指導が非常に多いという実態でございます。
 上の箱の一つ目の○に戻っていただければと思いますが、行政指導が多い理由としては、まずは行政指導により対応することとし、相手の同意が得られなければ、措置に移行するという児童相談所からの回答が多数であったところでございます。
 それを踏まえましてというところですが、二つ目の○でございますけれども、「行政指導については、司法審査の対象になり得ないことに留意が必要であり」と書いてありまして、ここは司法審査の対象になり得ないというのは言い過ぎではないかという御意見は、今日の横田委員の資料の中でもいただいておりまして、そのとおりだと思っていますので、これは今回の資料の骨子の中でもこのような書きぶりになっています。今後修正を検討したいと思っていますが、それはともかくとして、基本的には司法審査の対象にならないということを踏まえると、まずは司法審査の対象となる行政措置が、現場において適切に実施されるようにしていくべきではないかということで御提案をし、検討会の中では、おおむねその方向で御理解をいただいたのではないかと考えております。
 その上で、1ページ目に戻っていただきまして、そのほかにいただいた面会通信制限に関する御意見として、一番最後の○のところでございますが、法的には任意である指導であっても、子供を児童相談所に取られている保護者にとっては同意せざるを得ない。実質的には命令に近い、そういう場合があるのではないか。丁寧な対応をすべきではないかという御意見を頂戴したところでございます。
 最後の3ページ目を御覧いただければと思います。今回の司法審査の手続を検討していくに当たって、子供の意見をどのように踏まえるかということで、多くの委員の皆様からの御意見を頂戴しているところでございますので、今回の一時保護の司法審査と、今回の制度改正の中でも御議論をいただいております子供の意見聴取、アドボケイトの話も含めた全体像について、今回、事務局でまとめさせていただいた資料でございます。
 上の箱の中を御覧いただければと思いますが、一つ目の○のところで、児童相談所は一時保護の開始前、または緊急に一時保護をやった場合は、事後速やかに子供の意見の聴取を行う。その上で把握した子供の意見を司法審査の疎明資料に可能な限り記載するということでございます。
 一方で、子供のアドボケイトは、二つ目の○のところでございまして、その意見の聴取の内容に応じて、児童福祉審議会等の第三者機関に付託をし、保護期間中の処遇なども含めまして、審議会での調査審議を行い、子供の意見を反映した対応につなげるということにしていく、そういう流れになっていくのだろうと考えております。
 「このように」ということで、三つ目の○でございますが、簡易迅速な司法審査と丁寧かつ継続した児童福祉審議会等の第三者機関による調査審議、この二つを通じまして、手続の適正性の確保と子供の意見を踏まえたきめ細かい支援を行うということでバランスを取っていくことはどうかと考えまして、今回、この資料もつけさせていただいております。
 私からは以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 それでは、続いて、参考資料3、地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会の中身につきまして、座長である倉石委員からよろしくお願いします。

○倉石委員 参考資料3-1及び参考資料3-2を御覧いただきながら、地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会について、御説明をさせていただきます。
 本検討会では、待機児童数が着実に減少する一方、今後は子供の数や生産年齢人口が減少していく状況の中で、保育提供体制をどのように維持していくのか、地域のつながり等が希薄化する中で、子育て支援を必要とする家庭に保育所がどのような形で携わることができるのか、そのための保育士の資質をどのように確保していくのかなどの課題について議論を行っており、私も座長として参画しております。
 本委員会とは、特に地域子育て支援という観点で関係が深く、また、保育士は児童養護施設などでも働かれているところであります。保育士の資格管理の厳格化なども関連性が高いものと考えており、7月には検討会の論点に関する資料もお示ししておりました。
 現在、保育の検討会では、本日、資料につけております取りまとめ素案が提出されており、先週24日は、その素案に基づき議論を行っております。その場でも様々な御意見をいただいているところですが、おおむね大きな方向性については、検討会構成員の皆様の御理解もいただいているところでございます。
 本日は、素案のうち、特にこの検討会と関係性が深い部分を御説明させていただきます。
 参考資料3-2、取りまとめ素案を御覧ください。
 5ページの下段の(2)、マル1のところに「i)一時預かり事業の利用促進」とございます。保護者のリフレッシュ目的での利用が保護者だけでなく、子供にとっても重要であり、また、これにより未就園児家庭が地域につながっていくきっかけになる意味でも重要であることから、利用促進をしていくことなどが記載されております。また、先ほど御説明がありました骨子4ページの一時預かり事業のレスパイトを含めた利用促進と同様の趣旨になります。
 取りまとめ素案の8ページに、保育所による地域の子育て支援の強化に関する記載がございますが、骨子の1ページにも記載のある悩み等を気軽に相談できる環境の整備に関する記載があります。こうしたかかりつけ相談機関について、保育所が積極的に担っていく方策について記載がございます。
 最後に素案の11ページに、児童のわいせつ行為を行った保育士の資格管理の厳格化に関する記載をしてございます。具体的な措置については、登録取消し事由に刑罰によらない児童へのわいせつ行為を行った場合を追加することや、児童へのわいせつ行為により登録を取り消された場合に、再登録を一定程度制限するための審査制の導入などについても記載しております。
 検討会では、一定程度、方向性を確認しているところでございます。今回、骨子の23ページにも、こうした措置について記載をしております。これは先ほど事務局から御説明があったとおりです。
 保育の検討会につきましては、今後、12月3日に本日お示ししております素案に、各構成員の意見を踏まえて修正した取りまとめ案を提出し、議論した上で取りまとめる予定でございます。
 私からは以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 最後の説明になります。今度は在宅の保育です。子どもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会の報告は、事務局からお願いしたいと思います。

○山口室長 少子化総合対策室長の山口です。
 参考資料4-1を御覧いただきたいと思います。
 子どもの預かりサービスの在り方に関する専門委員会の議論の取りまとめについて、御説明をいたします。
 「1.経緯」のところにございますように、マッチングサイトを介したベビーシッターによるわいせつ事案が令和2年4月と6月に発生したこと等を踏まえまして、こうしたわいせつ事案の未然防止、事案対応、再発防止を図る観点から検討を行ったものでありまして、本年2月に議論の取りまとめをいただいております。
 具体的な対応案につきましては、3.に記載しておりますけれども、「(1)未然防止」として、マッチングサイトガイドラインの見直し、「(2)事案対応」として、わいせつ事案等を起こしたベビーシッターに対して、事業停止命令等を発令する運用の明確化などの提言をいただいております。これらについては、既に対応済みとなっております。
 今回、赤色で囲んでおりますけれども、「(3)再発防止」につきまして、マル1、事業停止命令等に関する情報の自治体間での共有、マル2、事業停止命令等に関する情報の一般への公開につきまして、これを法律上明記するということによりまして、その実効性を高めることを考えております。この点について、先ほど御説明のありました本専門委員会の骨子案にも記載をさせていただいているところでございます。
 これにつきましては、現在、認可外保育施設の指導監督指針というものがございまして、ここで都道府県等が事業停止命令等を行った場合には、これを公表するとされておるわけなのですけれども、これが個人情報保護等との関係で公表をちゅうちょするという懸念がございますことから、こうした取扱いを法定化するということによりまして、その実効性を担保したいと思っております。
 資料の2枚目には委員名簿、資料4-2として、議論の取りまとめ全体版をつけておりますので、後ほど御覧をいただければ幸いです。
 私からの説明は以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 以上、関連資料につきましても併せて説明をいただきました。
 これまでの説明を踏まえまして、冒頭申し上げましたように、骨子案の11ページ上段の「(4)一時保護」の前までの議論をこれからしていこうと思います。
 おおむね1時間弱、11時半ぐらいをめどに前半を終えることができたらと考えておりますので、御協力をいただけるとありがたいと思います。
 進行の仕方は通常どおりです。意見を提出した方々は、それぞれの発言の中でしていただくということと、手を挙げる機能を使っていただきましたら、私から指名をいたしますので、その順に意見の開示をお願いしたいと思います。
 早速ですけれども、開始をします。奥山委員、お願いします。

○奥山委員 ありがとうございます。
 11ページまでということで、意見は出しているのですけれども、特に後半は抜けている部分もあるので、お話をさせていただきたいと思います。
 7ページの家庭復帰支援なのですけれども、家庭復帰ありきになってしまうことの危険性が強く危惧されることと、子どもにとって必要なのは永続的解決、パーマネンシー保障なので、義務づけるのであれば、パーマネンシー保障を義務づけることが必要だと思います。
 もう一つは、先ほども出ましたけれども、親子関係の再構築は親と子どもでばらばらに行うものではないので、子どものいる施設とか、里親さんとの連携なども十分にやらなければならない。あと、親の居住している市町村との連携が基本になるということは欠かせないことだと思います。
 8ページの6行目ですけれども、この文書だと「医療の提供を促す」なので、医療を指導するような形になってしまうので、「医療の受診を促す」なのではないでしょうか。
 8ページの一つ目の○ですけれども、児童発達支援センターが、愛着障害などの虐待などの親子関係の問題で起きている問題にも対処できるようにしていただくことでいいのかどうかをお伺いしたいです。できれば、その方向でお願いできると良いと思います。
 10ページの上から三つ目の○とマル2の三つ目の○なのですけれども、中期的な議論をするといった書き方が2か所あるのですが、中期的な議論をするとなると、そのまま終わってしまう危険性があります。今回、資格に関してとか、権利擁護に関しても、附則に入ったことで、期限が決められて検討しなければならないと規定され、かなり検討が進んできたということがあるので、今回も附則に入れて、期限を切って検討すべきだと思います。
 特に子どものケアニーズに応じた措置費・委託費の体系というのは、新しい社会的養育ビジョンでも中に書かれていて、しかも、平成29年度から準備すると書かれているのですけれども、準備はほとんど進んでいないというのが現状なのではないかと思いますので、ぜひ早急にやっていただきたいと思います。
 11ページの上から二つ目の○ですけれども、見える化をするとか、いろいろなことが書かれているのですが、具体的にこれをどうするのかということを明記すべきだと考えます。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 続いて、高田委員、お願いします。

○高田委員 よろしくお願いします。
 大枠の話なのですが、最初の支援を確実に結び付けるところで、これを読んでいくと、支援が相談から始まるようなイメージを持ってしまうのです。でも、大事なところは、孤立しない子育てであったり、みんなが集える居場所づくりです。今、子供の居場所づくりも事業化されていて、既にやられているのですけれども、それを最初に入れていただけると、私の中ではすごくすっきりすると思っております。

 以上です。
○山縣委員長 居場所づくりですね。ありがとうございました。
 安部委員、お願いいたします。

○安部委員 安部です。
 構成員提出資料を出しているので、それを見ていただければと思います。
 1ページの(1)、マル1の二つ目の○のところなのですけれども、そもそも妊娠届を出さず、妊婦健診を受けないまま自宅出産とか、0日死亡となる事例が発生しているので、行政に全く引っかからない人たちも多いということで、妊娠SOS相談とか、特別養子縁組制度の広報などについても強化をするということを、付け加えたらどうかと思いました。
 二つ目です。2ページ目の一番下に、人員を減らさないでということなのですけれども、減らすことがないようにということで、子ども家庭総合支援拠点で人数が人口にのっとって配置するようにということは、とても画期的なことで、それを統合することによって、あの基準がなくなってしまうことをすごく恐れますので、少なくとも基準を上回るような配置をする。それでは足りないのですけれども、少なくともとしたらどうかと思いました。
 三つ目です。9ページのマル4の三つ目の○のところなのですが、マッチングに加えて、親子関係形成プログラムです。特別養子縁組でも、普通養子でも、里親でもそうなのですけれども、親子関係を新しく築くということになりますので、親子関係形成プログラムを提供というのが必要なのではないかと思いました。
 最後なのですけれども、9ページの一番下に、フォスタリング機関が児童福祉施設になるということだったら、子供の養育をしている日常生活を支えて支援をしている自立援助ホームも児童福祉施設に該当するのではないかと思ったところです。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございます。
 最後の自立援助ホームを児童福祉施設というのは、法律上で児童福祉施設にするという意味ですか。それとも、それと同等に位置づけてここで推進するという意見ですか。

○安部委員 児童福祉施設というのは、児童福祉法で限定列記、制限列記ですので、それに加えてはどうかと思ったところです。

○山縣委員長 分かりました。ありがとうございました。
 続いて、橋本委員、お願いいたします。

○橋本委員 発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 6ページに在宅指導措置を提供可能な民間機関を増やしていく、その費用について、措置に必要な手当が確実になされるよう検討を行うとあります。全国の児童家庭支援センターを代表する立場で本専門委員会に参加させていただいている私としては、本骨子案のここが肝だと思っています。ぜひ丁寧な検討を経て、しっかりと実現していただきたいと思います。
 さて、このような在宅指導措置がどのような経過でなされるべきかという点なのですけれども、これについては、3ページに記された基礎自治体が利用勧奨から措置という行政処分を行うことができるという改正が大きいと思います。これまで何の武器も持たなかった基礎自治体が行政処分の仕組みを手に入れたことは大きな前進だし、これに加えて、4ページ以降ですが、新たな武器として家事支援を新事業の枠組みで提供できるようにしたり、子育て短期支援事業の使い勝手をよくしたり、親子関係構築支援がメニュー化されることにも相乗効果を期待します。
 一方で、これらが画一的に処理されていくことに一定の危惧を持ちます。基礎自治体による勧奨や措置を経なければ児相が動かない、あるいはペアレントトレーニングを何回か受けさせたから、市の支援は終わりとならないよう、基礎自治体において親子関係再構築に関する評価制度を確立したり、親子関係の悪化を見逃さないよう、アセスメントを兼ねた伴走的・寄り添い的な日常生活支援事業を積極活用していくことが不可欠だと思います。
 なお、この適切な評価や継続的な訪問型の生活支援が必要であるとの指摘は、7ページの親子関係再構築支援事業についても同様に指摘しておきたいと思います。
 また、ここに記されたガイドラインの作成については、現在、実際に親子関係再構築支援事業を展開している児家センの活動も参考にしていただきたいと思います。
 さらに少々細かい話ですが、現在、地域支援を活発に展開している児家センの中には、支援対象の子供に事故が発生した場合の対応について心配しているセンターがあります。全社協さんによってフォスタリング機関が実施する事業に関する総合保障制度ができたと聞いていますので、今後、児家センや社会的養護施設が幅広く実施する地域支援事業についても、保険制度の創設を検討していただきたいと要望して、私の話を終わります。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 続いて、村上委員、お願いいたします。

○村上委員 全母協の村上と申します。今日は菅田会長の代理で参加させていただきます。よろしくお願いします。
 まず最初に、母子生活支援施設は今までも、そしてこれからも家庭養育支援を行っていきます。
 過去に資料提出をさせていただいた柱で、産前産後支援、アフターケアを含む地域支援、親子関係再構築支援の三つの柱の支援を幅広く展開していく必要性を感じています。
 また、このたびの骨子案で、産前産後母子支援事業の受皿の一つに、母子生活支援施設を位置づけていただいたことに感謝するとともに、これまで取り組んできた支援への評価と母子生活支援施設への社会的な期待が込められた事業として受け止め、新たな決意と強い使命感を持って支援に取り組んでいこうと考えています。
 そういった中で、柱の一つでもあります産前産後支援に関する部分です。8ページの(2)のところなのですけれども、支援を必要とする妊婦への支援の部分において、支援を必要とする言葉の主体がどこにあるかということを明確にしたほうが良いのではないかと考えています。主体が妊婦本人なのか、関わっておられる自治体とか、各種関係機関なのか、または双方なのか、そういったところを明確にする必要があると思います。
 例えば、妊婦本人がSOSを出して支援の必要性を訴えても、関係機関が取り上げなかったり、逆に関係機関が必要と感じても、妊婦本人が支援を必要と考えていなかったりといったこともありますので、子供の痛ましい事案が起こらないためにも、必要と感じる人がつながるべきところにつながることができるような制度を確立していただきたいと思っております。
 また、相談窓口も児童相談所や婦人相談所、福祉事務所とは限らないですし、必ずしも地元の相談窓口とは限らないので、相談窓口と母子生活支援施設が連携・協働することが必要だと考えます。この相談窓口には、例えば全国妊娠SOSネットワークや性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターなどがあり、こういったところと連携・協働することで、相談から支援まで切れ目なく、かつ迅速な対応が可能になると考えられます。全母協としては、その辺りの可能性や将来性を広げていくことができればと考えております。
 次に、同じく8ページの(2)の一つ目の○のイの部分です。この中の「必要な場合には」というところと、二つ目の○の2行目「必要に応じて」、この二つの言葉は、あえて書かなくてもいいのではないかと思っております。これを除く、または母子生活支援施設は、これまでも産前産後支援を行ってきた実績がありますので、イの部分に関しては、妊婦に対して訪問または通所、この後に例えば、「入所による包括的支援により、妊婦や今後の生活について寄り添い支援、心理面のケアを提供する」と続ける。包括的なところには、経済的とか、法的、日常生活といった言葉が入ってくると思うのですけれども、そのように書き換えていただくか、下の○の部分の「必要に応じて」の前のところから「母子生活支援施設などの専門的な支援の活用が想定される」と続けて、書きぶりを変更していただけたらと思っております。
 次に、親子関係構築支援についてです。7ページの親子再統合支援事業に関して、7ページの上から二つ目の○の部分や、9ページのマル4の部分に「アセスメント」という言葉が何度も出てきています。これまでも家庭養育支援を行ってきた母子生活支援施設ですので、親子再統合のアセスメントの場として、母子生活支援施設の利用を位置づけていただけたらと思います。
 また、親子再統合がゴールではなくて、その後の再構築できるかが本質の部分なので、アセスメントを丁寧に行うことにより、支援者とともになら再構築が可能と判断された場合は、母子生活支援施設の活用を促すような記述を加えていただけたらと思います。
 最後に、いろいろな部分で施設などとか、児童養護施設などという書き方をされているところがありますが、最初に出てくる部分には該当の施設名をすべて書いて「以下、施設など」と記述していただく、もしくは注釈をつけて「施設などとは」のところに例えば児童養護施設とか、母子生活支援施設という書きぶりをしていただいて、「など」の施設の明確化をしていただけたらと思います。
 私からは以上です。ありがとうございました。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 続いて、横川委員、お願いします。

○横川委員 全国乳児福祉協議会の横川です。よろしくお願いします。
 骨子案の8ページの一番下の○ですが、「産後の支援について、自ら育てる場合においては」というところで、母子生活支援施設と書かれています。その後に「自ら育てることができない場合においては、乳児院や里親等の利用により」と書いています。乳児院の利用を自ら育てることができない場合に限定しない書きぶりに変更していただきたいと思います。現段階においても、市区町村や保健師と相談員と連携を図りながら、産前産後母子支援の取組を全国9か所ほど実施しています。そういった特定妊婦のときから支援を開始して、母子を分離しない養育をできるよう支援するという考え方が今回の専門委員会でもかなり強調されているので、そのような書きぶりに変更していただきたいと思います。
 2点目です。骨子案の10ページ「マル2 施設の多機能化・高機能化」の一つ目の○ですが、「人員配置の弾力的運用等について検討を行う」という文章があります。具体的にどのようなイメージがあるのかを、教えていただければありがたいと思います。
 乳児院の措置費の在り方が全く述べられていません。乳児院はケアニーズが高い子供、非常に高い子供を既に受け入れている状況の中で、今後、多機能化や高機能化の取組をきちんと管理運営するために、センター拠点機能の必要性を繰り返し強調してきました。そういった意味で、施設の多機能化や高機能化を実践するために、保育士や児童指導員などのケアワーカーやソーシャルワーカーの具体的な配置基準はどのように考えているのか。あと、夜勤体制で乳幼児を養育する上でのショートステイ受入れ専用スタッフとか、一時保護受入れ専用スタッフを確保する必要もあります。環境整備を確実に行うとともに、職員が安心して働き続けられて、なおかつスキルアップをきちんと図っていくという状況を整えていかないといけないと思いますので、今後の措置費の在り方についてお考えを聞かせていただきたいと思います。
 以上です。

○山縣委員長 質問がありますけれども、後に答えていただくということでお願いします。
 続いて、中村委員、お願いいたします。

○中村委員 よろしくお願いします。
 10ページの上から三つ目の○の里親の部分で、事務局からの具体に記載しましたという説明があったと思います。ありがとうございます。前回、この部分で発言をさせていただきましたので、簡単な意見書を作成させていただきました。
 意見書の「1.里親制度の柔軟な運用について」という部分ですが、これから里親さんの種別というか、里親に求めるニーズが増えていくというようなことも想定がされますので、先ほど奥山委員がおっしゃっていたケアニーズに応じた里親の開拓も、私も以前から必要だと思っていましたし、障害があるお子さんを受け入れてくれる、それに特化した里親さんの開拓のことなども積極的にすると良いのではと思いました。今の里親制度の開拓は、幅広く開拓されていると思いますが、ニーズに特化した里親の開拓とか、そのための支援が考えられていくといいのではないかということで、意見書に出させていただきました。
 以上です。ありがとうございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 続いて、坪井委員、お願いいたします。

○坪井委員 坪井です。ありがとうございます。
 二つのポイントでお話をしたいと思います。
 その前に、この骨子は、非常に膨大な量のものを丁寧に作業いただいて、大変だったのではないかと思います。ありがとうございます。こうやって丁寧にまとめていただくと、そこから見えてくるものもあったりするので、その辺に関連してお話をしたいと思います。
 一つ目は、親子再統合のところなのですけれども、9ページの三つ目の○のところに前段階のアセスメントと書いていただいているのですが、一方で、再統合の後のフォローが足りていなくて、いろんな課題が出てきているケースがとても多いように感じられます。そこの部分についても記載して、しっかり見ていただくような制度にしていただけるといいと感じております。
 この親子再統合の部分については、7ページのところで「『家庭復帰』が唯一の結論ではなく」と明記いただいていて、そこもとてもよいと思うのですけれども、その議論の中でも、いろんな委員の方がおっしゃっていた、子供の最善の利益というキーワードがあると思うので、そういうことについても触れてもらえるとさらによいと感じました。
 もう一点は、10ページ目の三つ目の○のところです。具体的に里親やファミリーホームという形で書いていただいて、先ほど中村委員からもお話があったのですけれども、とてもありがたいと思っています。
 一方で、先ほど奥山委員も言われたのですけれども、今、里親のところに、例えば一時保護で来るケースが、これも地域差がまだまだあるのですが、以前に比べると全体の数としてはとても多くなっている。今年の4月から始まったショートステイで来る子どももいたりするということで、同じような形に見えるのだけれども、実際には中身が随分違ったりすることもございますので、措置の体系とともに、措置の費用も一体で新しい制度にしていただくような形を検討していただけたらと思います。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 続いて、北川委員、お願いします。

○北川委員 1ページ目の下から二つ目のところなのですけれども、保育所、認定こども園など、身近にアクセスできる子育て支援の支援が身近な相談先として機能を果たすというようなことが書かれてあります。私は非常に重要なことだと思っています。乳幼児期の段階から子育て支援施設で保育所やこども園など、特に毎日通いますし、子供が小さいときに子供や家族の困り感をしっかりキャッチしていくためには、そして、子供に不必要な虐待体験から守られるためには、こういう支援が非常に必要だと思いますが、十分な体制の中で実効性を高めるためには、学校のように乳幼児期の段階でも、心理士やソーシャルワーカーなどの配置をきちんと位置づけることが必要だと思います。
 8ページ目、先ほど奥山先生がおっしゃってくれた児童発達支援センターの中で、愛着障害の子供の支援とおっしゃっていましたが、私も児童発達支援センターを運営する立場なのですけれども、実際に昨日も10人の3歳児クラスに入りましたが、特別に甘えを求める里子や社会的養育が必要な子供、あと、施設を退所した子などがたくさんいまして、非常に大変で、2対1、もしくは1対1の対応が必要な3歳児ですから、ここはみんなで対応していかないといけないということで、いろんなクラスの先生が入ってチームで頑張っているわけですけれども、ぜひこのような子供たちのニーズに合った児童発達支援センターや児童発達支援ができるようにしていくために、障害福祉課とも連動して、愛着のニーズがある子供に対する対応を児童発達支援センターでもやっていくことを明確化していただければと思いました。
 10ページ目のファミリーホームのことに関して、ケアニーズの高い子供などを扱っていることに対する対応や、ファミリーホームの在り方として小規模化ということも書かれていて、大変ありがたく思っています。具体的には4人の方向で考えてほしいし、もし空いているスペースでは、ショートステイなど、地域の子育て支援にも活用できるのではないかと思います。そのためには、里親制度も含めて、ファミリーホームの在り方も一緒に「中期的に議論」と書いていますけれども、できるだけ早い時期に議論を開催していただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 宮島委員、お願いいたします。

○宮島委員 ありがとうございます。
 私も資料を用意させていただきました。委員提出資料の19ページから記載しております。
 全体的に支援を必要とする子供、保護者、家族が確実に支援を受けられるようにするという内容を考えてくださっています。この取りまとめだけではなくて、26日でしょうか、公表された令和3年度の補正予算の概要という資料を拝見しましたけれども、既にそこにも盛り込まれている内容だと気づきまして、何とか前進を果たしていただきたいと思っております。このとりまとめの内容は、体制づくり、サービスの拡充、臨床上の留意点にまで及ぶ内容が記載がされていて、本当に大事なものだと思っております。
 私から出させていただいた資料では、該当ページまでの範囲については、七つのことを書かせていただきましたが、時間的に全てを説明することはできないと思いますので、四つについて補足的に説明をさせていただきたいと思います。
 19ページの資料ですけれども、一つ目として、取りまとめの全体に関わる考え方が述べられていると思いますが、この辺りは分かりにくい部分もあるのではないかということを申し上げて、書き直していただいて感謝しております。その上で、さらにこの辺が必要と思うことを書かせていただきました。
 今の記術では、当事者の主体性と支援する側との役割の関係が不明確といいますか、曖昧で、下手をすると、押しつけと感じる向きも出て来るのではないと思います。確実に届ける役割と、それを御本人が受け取るということの関係性に基づいた書き方とするべきではないか。例えばということですけれども、「支援を確実に届ける体制の構築」のような形で、支援者は、当事者に対して、つながりが保障できるような機会をつくる、そこには受け取るという御本人の主体性とか、判断というのがある。それが残された表現がより望ましいのではないかと思います。
 2点目ですけれども、同じ取りまとめ案の1ページにございますけれども、本当に小さいところで恐縮なのですが、マル2の一つ目の○のところに「全ての妊産婦、子育て世帯、子どもが悩み等を気軽に相談できる環境が必要である」と、中身的には何の異論はないのですけれども、「気軽に」という表現は、可能性としては、非常に重い困難な悩みを抱えている人に「気軽に」という言葉が、良い意味では受け取られない可能性があるのではないのかと思います。「安心して」とか、そういう言葉に入れ替えるか、あるいはむしろ「気軽に」を取って、様々な相談、重い相談もあれば、軽い相談もある、そういう方々が確実に相談できるような環境をつくるという趣旨としたほうがよいのではないかと思いました。
 3点目ですけれども、これについては3ページにございます。これも本当に細かいことで恐縮ですが、考え方のところにある六つ目の○です。「加えて、家庭環境、養育環境をより良くするための支援は」ということで、まさにそのとおりだと思うのですが、家族とか、家庭の在り方ということに関しては、思想的なこと、関わる方の価値観が反映されます。支援者が自分のよりよいという家庭の在り方、家族の在り方を押しつけることが生じることは良くないので、「十分注意しましょう」「注意しないと、そのことで支援を拒否されることが起こりますよ」と再三、私は自らの授業などでは申し上げております。「より良い」ということは、意味はいいのですけれども、押し付けや押し付けへの反発が生じないようにするために家庭環境、あるいは養育環境を「整える」と表現したほうがより望ましいのではないかと考えます。
 説明の最後は5ページに当たります。6ページの一番下のところに、児童相談所や市町村が関わるとき、いつどのような対応を行うかも含めた行動計画を作成することとあります。この意味は、積極的に具体的なプラン、あるいは計画を持って臨んでくれということと受け取り、その趣旨には賛同しますが、新たに「行動計画」という様式をつくれという形式的なことが増えるだけで、逆に事務が煩雑になり、中身が進まないということも起こると思います。そこで今の表現よりは、「いつ誰がどのような対応を行うかを具体的に取り決める支援計画を作成すること」というような表現のほうが、現場に与える影響としてはプラスではないかと考えます。御検討いただきたいと思います。
 そのほか、幾つのことを書いてありますが、それは資料を御覧いただければと思います。
 以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 続いて、藤林委員、お願いします。

○藤林委員 私からは2点の意見と1点の質問があります。
 1点目ですけれども、9ページのマル4の一つ目の○ですけれども、赤文字で「代替養育による長期間の対応ではなく事案の永続的な解決が求められる」という文言が入ったのは、とてもよかったと思っております。ただ、宮島委員の意見書を見ていて、そうだと思ったところがありまして、永続的な解決という言葉が国内で広く共有されているとまでは言えないというのは、それは私もそうだと思っていまして、この点については、宮島委員の捉え方と一致するところになります。
 改正法以降、ビジョンも含めて5年もたっているのに、永続的な解決とか、パーマネンシー保障が周知されていないということを考えますと、児童相談所運営指針にあまり明確に書かれていないところがあると思います。児童福祉司の到達目標の中には、パーマネンシー保障とか、永続性が書かれているのですけれども、児童相談所運営指針本文の中にはあまり書かれていない。書かれている部分は、養子縁組に関係するところに書かれておりまして、パーマネンシー保障イコール養子縁組、特別養子縁組と狭く捉えられてしまっているところがあると思っております。本来的な意味は、国連ガイドラインで使われている意味においても、何も養子縁組だけではないわけなので、そこの正確な理解を広げていく必要があるのではないかと思っております。そういう意味で、もし可能であれば、事案の永続的な解決が求められ、法文、あるいは通知文等で明確にすべきであるといった文言を加えていただいて、この概念を広げていくことを提案したいと思います。
 2点目です。10ページの上から三つ目の○なのですけれども、これも中村委員の意見を聞いて、そうだったと思ったのですが、里親類型については、「新しい社会的養育ビジョン」でも、その前の「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会報告」などにおいても、一時保護里親などの提案をしていたのですけれども、これは具体的な検討に進んでいないこともありました。それから5年たっているわけですから、里親の類型種別についても十分な検討を行うべきではないかと思っています。そこで、ここの赤文字の「柔軟な里親制度の運用」の前に、定員も例示があるわけですから、「里親種別も含めた柔軟な里親制度の運用」と例示を加えていただきたいと思います。
 質問は、10ページの里親制度の検討について「中期的に議論を行う」と書かれていまして、一番下のケアニーズの「支援が適切に成されるよう、調査研究を行い、中期的に議論を行う」という「中期」というのは、厚労省さんはどれぐらいの年月を中期と捉えているのかということをお示しいただきたいと思います。ここのケアニーズについても、「新しい社会的養育ビジョン」にも書いておりましたし、中期が3年とか、5年だったら、あまりにも長過ぎるので、本当は「早急に」とか「速やかに」として欲しいところなのですけれども、中期の年月のイメージをお教えいただければと思います。
 以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 質問につきましては、同じように後で一括してお願いしたいと思います。
 井上委員、お願いします。

○井上委員 ありがとうございます。
 私は先ほど坪井委員も言われたのですが、6ページ、7ページの親子再統合支援事業に関してのところなのですが、現在、幾つかの自治体とか、児童相談所の関係でお話を聞いておりますと、担当者によって支援事業をするか、しないかは随分異なるのです。ですので、実際にやれていた自治体に取ってみたら、その次の年に担当が交代されて、基準が変わってしまうと、子供への支援の在り方が本当にやりにくくなってしまって困っています。きつい言い方になるかもしれませんが、「担当者により判断基準にばらつきが出ることが少なくなるように」とか、ある程度の具体的な言葉を少し入れていただいて、検討することが重要ではないかと思いました。
 先ほど坪井委員が言われた再統合の後のフォローが必要ということはとても大事で、市町村に帰った後、親元を離れてまた戻ってきた子供さんで、市町村との具体的な話合いがないまま、フォローできる家族はいないと思います。子供にとってしばらく離れた後、また学校に戻っていくということが起こったときに、そこの先生がしっかり自分のことを分かってくれているし、自分が困ったときに市町村の誰が手伝ってくれて、児童相談所の誰が手伝ってくれる、そこを明確にされるだけで、子供はいろんな困りを相談する相手を選べるようになりますので、そういったところも踏まえて、特に強調していただけたらと思いました。
 そういう視点で全体を見直していきますと、つなぐための検討をしていくときに、児童相談所の判断でここまでと書くと、すぐ終わってしまうということがなかなか難しくて、市町村との話を十分にできるというところを入れていただけたらと思います。
 以上です。お願いします。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 林委員、お願いします。

○林委員 私からは2点です。
 一つ目は、7ページ辺りの親子再統合のところです。ここについては、児童福祉法の48条の3は、むしろ施設や里親さんが児相と連携しつつ、親子再統合の支援を行わなければならないということなので、6ページの一番下に児相に関しては書かれているのですが、里親さんや施設が主体になって、交流支援なども進めていくことを記載する必要があるのではないかということと、今、里親さんとの交流を一律に禁じている自治体なども出てきているわけです。そういうことを考えたときに、そういうことを一律に禁じることではなくて、子供にとって重要な養育者同士の関係形成に基づき連携を図る必要があるということに言及してはどうかというのが一つ目です。
 もう一つは、10ページの三つ目の○の2行目の「柔軟な里親制度の運用や」というところに「柔軟な施設養護の活用」を入れられないかという御提案です。これまでビジョンの内容とか、あるいはここの議論で複数措置ということも言われていたわけですけれども、そういうことを含めて、柔軟な施設養護、里親制度の相互の活用などもここに入れ込んだらどうかという御提案です。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 相澤委員、お願いします。

○相澤委員 ありがとうございます。
 9ページの「マル1 家庭養育優先原則の推進」ということで言うと、里親リクルートがきちっと推進されないと、家庭養育優先原則の推進は難しいので、特に市町村が里親のリクルート活動にきちっと対応していただくことも必要ではないかと思いますので、そういう点も書き込んでいただけるとありがたいと思っています。
 「マル2 施設の多機能化・高機能化」の中にも、里親支援機関の事業についても例示として入れていただくといいと思います。
 以上です。よろしくお願いします。

○山縣委員長 ありがとうございます。
 現在、手が挙がっている方で最後になりますけれども、奥山委員、お願いします。

○奥山委員 一つ言い忘れました。5ページの一番下の○です。行動計画を立てるのですが、ここに保護者や子どもも共通認識が持てるようという書き方になっているのですけれども、できるだけ保護者とか、お子さんも加わった形で行動計画を立てるべきだと思いますので、そこのところも入れていただいたほうがいいと思いました。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございます。
 それでは、事務局から大きく二つの質問が出ています。
 横川委員から出たものは、人員配置に関するもので幾つかあって、その背後にある措置体系について、現在、どのように考えているかという質問だったと思います。
 2点目は、質問としては藤林委員からだけでしたけれども、奥山委員、中山委員が同じように中期的という言葉について、中期でいいのかということも含めて、現在の事務局イメージはどうですかということがありましたので、この2点についてお願いします。

○中野課長 家庭福祉課長でございます。
 御質問いただいた点は、10ページの部分がメインだと認識してございます。
 まず横川委員から御指摘いただきました施設の多機能化に関連しまして、人員配置基準の運用、措置費の見直しの状況ということでございます。10ページのマル2の真ん中のところに書いています人員配置基準は、御案内のとおり、今回の議論でも家庭支援の関係の担い手、施設の専門性を生かすという観点で、施設機能を多機能化し、地域展開をしていくという議論がなされています。その際、施設の入所者に対する支援の機能、そことの関係も含めまして、人員配置基準の在り方について検討する必要があるというところで、人員配置基準の弾力的運用というところを書かせていただいてございます。
 いずれにしても、こうした機能を担っていただくためには、措置費体系、評価の在り方、さらに言うと、施設機能をさらに拡充していくためには、より施設機能の支援ニーズの高い、ケアニーズの高いお子さんに対する支援という形にシフトしていく必要性があるわけでございまして、そうした多面的な面で評価の在り方、基準の在り方、こうしたものを検討していく必要があると考えています。
 その上で、2番目の質問で、中長期に議論を行うのところでございます。これはいつまでにというところは申し上げにくいところでございますが、いずれにしましても、今回議論いただいています骨子は、法案化する作業が必要でございます。その状況を見ながら、可能な限り早急に検討の場、これは関係者の皆さんに相談をしながら、立ち上げていきたいと思います。
 その上で、物によりけりですが、結論を出すのが難しい事項がございます。当然お子さんの評価の基準ということであれば。その評価基準をつくらないといけないというところもございます。そうした難しいものから、例えば心理士の配置とか、これは今年度予算から措置費の見直しをして、地域に対する支援を行う心理士の配置を評価する。こうしたまず予算でできる事項については、順次実施をしているということでございまして、これは制度改正をしないといけないような難しい事項、あるいは結論を出すのに時間がかかる事項については、若干お時間をいただきたい。
 通常、中長期的といったときには、2~3年と考えることが多いわけでございますが、それまで全てを待つというよりも、可能なものから着手しながら、結論が得られるところについては、若干のお時間をいただくというところで、可能な限り、いずれにしても早急に議論の場については立ち上げたいと考えてございます。
 以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 言葉尻を捉えるわけではありませんが、中長期的はここの表現に入っていません。中期になります。

○中野課長 失礼いたしました。中期的でございます。申し訳ございません。

○山縣委員長 これで一通り皆さん方の御意見を11ページまで伺ったことになります。
 ここで一旦休憩を挟みたいと思います。
 いつものように10分程度、今、24分ですけれども、35分まで休憩をさせていただきます。皆さん方のお顔が見えた辺りで再開の宣言をしたいと思いますので、10分間ほど休憩をお願いいたします。
 
(休  憩)
 
○山縣委員長 全員がそろいましたので、再開をしたいと思います。桑原委員の顔が見えなかったです。1名だけですので、再開をしたいと思います。
 今から12時50分過ぎぐらいまで、1時間15分程度の時間がございます。11ページの「(4)一時保護」以降につきまして、前半と同様、皆様方の御意見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
 奥山委員、お願いします。

○奥山委員 ありがとうございます。
 先ほど言葉足らずのようなところがありました。藤林委員のお話を聞いて、更にそうだと思ったのですけれども、「親子再統合支援」になっているのですが、「再統合」という言い方が良いのかという点です。家庭復帰もパーマネンシー保障の一つだということで、パーマネンシー保障を義務づけるのほうが良いという意見を言いました。そこのところがうまく伝わっていたかどうか分からないので一つ加えます。
 11ページ以降ですけれども、(4)のマル1で、子どもが拒否しているときも、本来、司法審査の対象とすべきというのは、前回からも話が出ているのですが、先ほど来、一時保護の検討会の中で民法で規定されている親権を制限することになるのではないかという意見があったということでした。親権は民法に規定されているのだけれども、子どもの権利が規定されていないということが非常に大きい問題であると思いました。本来、子どもの権利を守るためにこれをやろうとしているのであって、そこのところをきちんとするためには、子どもの権利を担保する法律が必要だということも、権利擁護の委員会で出ていたので、どこかに明記するべきと思いました。
 もう一つ、これは意見の中には書いていないのですけれども、一番下の○は「7日以内(P)」になっているのですが、私自身は児童相談所がしっかりとした資料を提出するには2~3日では無理だと思うので、最低7日は必要だと思います。これはPですけれども、必要なことだろうと思います。
 13ページのマル2の一つ目の○ですけれども、登校や学習支援と書いてしまうと、登校しなくてもいい、学習支援があればいいと取られがちになってしまうと思います。原則登校させることが必要で、子どもにとって登校が不利益なときは、学習支援を行えるような体制が必要なのだと思うので、そこも明記していただきたいと思います。
 二つ目の○ですけれども、一時保護の特性としてケアの困難性とあるのですが、大人の視点からだけ書かれていると思います。ここで非常に重要なのは、一時保護された子どもは、親から切り離されて初めて親と離れて暮らすとか、あるいは初めて福祉にどっぷりつかるような経験をするということですから、移行の場であって、子供にとって不安が強い、子供にとって大変な時期だということをこの中に明記すべきではないか。大人の視点ばかりだというのが、すごく気になる点でした。
 13ページのマル2の三つ目の○ですけれども、定員超過解消の計画というところで、前回も意見が出ていましたように、里親への一時保護委託とか、施設の一時保護専用施設の設置とか、できるだけ家庭、それが困難な場合には地域分散化型小規模という家庭養育優先原則に合った一時保護所をつくっていくということを明記していただきたいと思います。
 また、加えて、一時保護ガイドラインの中に開放型と閉鎖型というものが出てきています。今の一時保護所はほとんど閉鎖型になっているので、適切な割合での開放型、閉鎖型というのが一時保護の中にあるように、設置の計画を立てることとしていただきたいと思います。
 14ページの一つ目の○ですけれども、評価者は専門性が必要であるということも明記してほしいと思います。
 16ページのマル3の二つ目の○です。「このため」と書いてあるのですけれども、「福祉分野での権利擁護は喫緊の課題であるため」という形に変更すべきだと思います。
 マル3の三つ目の○ですけれども、これも「省庁横断的な検討が必要である」とあります。先ほどの中期的と同じですけれども、非常に第三者的な書きぶりです。
 まず一つ目、その上に書かれているコミッショナーの機能として、ワーキングチームの取りまとめを見ていただければ分かるのですけれども、一番の機能として子どもの権利や利益が守られているか、行政から独立した立場で、モニターするというのが大きな機能ですから、そこをきちんと書き込んでいただきたいと思います。
 それから、コミッショナーの設置を省庁横断的という、投げたような言い方ではなくて、そこが重要だと考えられたわけですから、できるだけ早急な設置が必要である、多省庁に伝えて実現を図っていくということを書き加えてほしいと思います。
 16ページのマル4ですけれども、現在、評価を受ける側が評価者を選定できるような形になってしまっている。施設もそうですし、児相も県が評価者を選定できる。そういう中で、施設の場合もそうなのですけれども、評価者が次の年に選ばれないのは嫌なので、厳しい評価をしないという指摘があります。あと、児相とか、一時保護とか、フォスタリング機関とか、児童自立支援施設などは県に1~2か所しかないわけです。県が指定するところが評価するというのは、専門性も非常に下がりますし、均一な評価ができないことがあるので、評価機構の検討というのは喫緊の課題だと思います。中期的ということではなくて、先ほどと同じように附則に書くのかどうかの検討を含めて、期限を決めて、積極的に早急に構築に向けて検討するということを明記してほしいと思います。
 マル5の一つ目の○ですけれども、25歳で子供が自分の過去を知ることができなくなるという現代の状態が現実に存在していて、これはとても困っているわけですから、いつ頃までにこの点を解決するのかということを明示すべきだと思います。
 18ページの下から二つ目の○ですけれども、ケアリーバーの切実な課題として、メンタルヘルスの問題は非常に大きいと思います。この書き方だと、相談が来たら、あなたにはこういう支援がありますと紹介するような形で書かれているのですけれども、相談機能をきちんとこの中に入れて、伴走型という形になるのが本来は一番いいと思うのですが、少なくとも、相談に乗ってあげながら、必要な機関があれば紹介するという形に持っていくべきだろうと思います。
 20ページの(1)の資格化のところは、ずらずら並べて書いてあって、すごく分かりにくいと思っていました。できればメリット・デメリットを表にしてほしいと思っていたら、藤林先生が表になさっておられたので、そういうふうに書いてほしいと思います。藤林先生のを参考にしていただければと思います。
 23ページの一番下の○ですけれども、IT化に関してですが、できるだけ支援を届けるということを第一に書かれているのですけれども、例えば市町村でもころころ転居する人は支援につなげるのがすごく難しいです。そういうことを考えても、全体として、IT化に関する検討をもう少し進める必要があるのではないかと思います。児童相談所のIT化に関しても、ここに書かれているIT化は、かえって児相の負担になっている部分がなきにしもあらずなので、全体としてもう少し総合的に考えてほしいと思います。
 24ページの(3)の○ですけれども、中核市の児童相談所の設置が進んでいないので、これに対する対策を強める必要があると思いますので、そこの部分も入れたほうがいいのではないかと思いました。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 続いて、薬師寺委員、お願いします。

○薬師寺委員 ありがとうございます。
 改めて一時保護時の司法審査について、児童相談所から申し上げます。
 児童相談所は通告等によって家庭で子供の安全が脅かされる事態を把握したら、それ以上危険な状況を避けるために直ちに子供の保護の動きを取るということで、将来の子供の安全を確保するための手続として一時保護を行っています。通告受理の時点では、子供の安全が脅かされている状況にあって、親権者が誰で、その状況がなぜ起こっているのかがまだよく分からない中でも一時保護を開始する必要があります。
 改めてデータを申し上げますと、大阪府の現状では、児童相談所における一時保護件数、過去3年平均で2,362件、そのうち虐待相談による一時保護は1,597件、また、職権保護は約8割ということで、緊急保護や調査保護が必要な対応困難なケースが多くなっている状況です。
 また、最近の傾向としては、全国的にもそのようなのですけれども、夜間・休日の一時保護が増加していまして、一時保護所の入所の約6割が夜間・休日となっております。
 一時保護につきまして、現状では裁判所に事前に許可を取るのは実務上不可能な状況となっております。子どもの安全が脅かされているときに、住民票を取って家族を調べて、戸籍謄本と取って親権者等を特定し、関係機関調査をして子どもの状況を把握して、一時保護の必要性を疎明する文書を作成し、許可状請求をする時間はないということです。事前に裁判所に一時保護の許可を取るために、児童相談所が親権者が誰かを調査して、危険性がどの程度あるのか証拠を集めようとする流れは、児童相談所が一時保護に躊躇するようになる危険性があります。
 児童相談所の一時保護の実情を踏まえて、骨子では事前または保護開始日から起算して7日以内となっています。○日以内というよりも、原則事後審査としていただきたいと思っています。
 また、事後審査におきましては、夜間・休日の一時保護が増えている現状では、先ほど奥山委員もおっしゃいましたが、3日以内ではとても対応できません。少なくとも7日以内とする必要があります。先ほども申し上げましたように、市町村の開庁日に住民票を確認して家族を調べ、戸籍謄本請求、関係機関調査による児童記録票や疎明資料の作成、一時保護状請求についての決裁を経まして、裁判所に請求書面を持っていくまでを考えますと、到底3日以内では間に合わないということで、一時保護時の司法審査制度自体が破綻する状況になりますので、少なくとも保護開始日から起算して7日以内としていただきたいと思います。
 また、裁判所には持込みではなく、ファックス、メール、オンライン等の提出を基本としていただきたいと思っています。
 裁判官が一時保護の審査をするための一時保護の要件定義ですけれども、現状の子どもの安全を確保するために、一時保護を必要とするケースが却下されることがないよう、児童相談所における一時保護の実態ですとか、一時保護の必要要件について十分に調査していただき、子どもの権利擁護や親権制度等の法律の専門家の意見も十分に聞いた上で定めていただくことを改めてお願いしたいと思います。
 私からは以上です。ありがとうございました。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 横田委員、お願いします。

○横田委員 ありがとうございます。
 私からも提出資料があります。4点指摘しているのですが、そのうち4点目は、先ほど説明がありましたので省略して、ここでは2点目と3点目の2点のみお話しします。
 まず2点目ですけれども、司法審査の却下の裁判に対する不服申立て手続について、児童相談所による不服申立てに加えて、家に帰りたくないという子ども本人による申立てを認めるべきではないかということをそこに書いています。一時保護の開始の最初の段階で、児童相談所が必ずしも把握できていない子どもの隠れた虐待とか、そういうものがあるかもしれないということを考えるわけです。なので、子ども本人による申立ての可能性を認めるべきではないか。逆に家に帰りたいという子どもの意思がある場合は、子ども自身による審査請求もしくは取消訴訟、執行停止という手段が一応あるのですけれども、それに対して家に帰りたくないという子ども本人の意思を反映する救済手続がないということが意見の趣旨です。
 今のは不服申立て手続の段階の話ですけれども、その前に司法審査の手続を取るかどうかという段階の話が3点目の話です。親は反対していないけれども、子どもが反対している場合の司法審査についての意見をそこで述べています。この点について、私はそもそも同意の有無で手続を区別すること自体に疑問を持っているのですけれども、大人の場合だと何とかやりようがあるのかもしれませんが、子ども本人の場合には手続が同意の有無で変わることで良いのか、子どもにとってより明快な手続が求められるのではないかということをそこに書いています。子どもの場合に、反対の意思とは具体的にどういうことかということです。一時保護の開始に子どもの意思を反映させるのであれば、全ての一時保護についてということになるのではないかと考えています。それは慎重に考えるべきではないかということを述べています。
 以上主として非行の場合のことを念頭に置いていたのですけれども、書いていないことを追加すると、虐待の場合、親は反対していないけれども、子どもが反対している場合というのは、具体的にはどういう場合があるのでしょうかということです。
 実際に子供と向き合っておられる実務の方にぜひお伺いしたいのですけれども、以下は私が頭の中で考えたことです。仮に司法審査を必要とするほど子どもが強く反対している場合、だから司法審査が必要だということがあるとすると、そういう場合はそもそも一時保護自体が違法なのではないかということです。つまり司法審査を待つまでもなく、直ちに解除すべきなのではないか。そういう場合に司法審査を求めるということは、むしろ司法審査の結果が出るまで違法な一時保護が継続するので、望ましくないのではないかと思っています。これは私が頭の中で考えたことなので、間違っているかもしれません。
 以上になります。ありがとうございました。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 最後、具体例についてありましたけれども、これも後で委員から例があれば、よろしくお願いします。
 続いて、宮島委員、お願いいたします。

○宮島委員 ありがとうございます。
 まず、一時保護に関することと、社会的養護経験者の自立支援に関することで意見を申し上げます。
 一時保護に関してですが、この後、御発言いただける浜田先生の前回の指摘は、本当にそのとおりだと思いました。今回議論している司法審査というのは、求められている司法審査の全体ではなくて、一部分であると思います。求められているものと必ずしも一致していないという視点がとても大事だということを、そのとおりだと思いました。
 司法審査の目的は、子供の命を守るための速やかな一時保護を実現すると同時に、過剰、長期間の分離を防ぐ必要、この両方をどう折り合わせるかということだと思います。今回の案で検討されている部分だけについても、実務的に、それが実現した後に支障が生じないかということをきちんと詰めてから実施することが不可欠だと思いますし、もともと我々が求めてきた司法審査の導入については、別に継続的な検討の場が必要だと考えます。
 今回、SBS/AHTを考える家族の会の方々が意見書を出してくださいました。当事者からこのような意見を出していただいたことを大事にすべきだと考えます。当事者も含めて、丁寧な検討がぜひとも必要だと思います。
 二つ目ですけれども、社会的養護経験者の自立支援については、提出させていただいた資料の20ページのマル8に書かせていただきました。今回の取りまとめでも大事なことをたくさん記載して頂きましたが、この点をぜひとも取りまとめに加えていただきたいと要望します。
 ワーキングチームのときだったと思いますけれども、当事者の方に参加していただいて、ヒアリングをする機会をいただきました。そこからも本当にたくさんのことを教えられました。そのときに私自身も触れたと思いますし、語られたと記憶していることです。
 一つ目は、本人が入所中あるいは委託中にできることを確実にやっておく。退所・委託解除後では、本人のみでは解決が難しい課題の解決のための支援を措置中に確実に行うこと、これが大事だと思います。例えば国籍の取得、より安定的な在留資格を得ること、あるいは虐待によるやけどとか、外傷痕が残っている、そのようなものの整形手術は非常に高額になると思います。入所中にできるだけのことをしておく。国籍の取得を支援してもらったという当事者の方の体験が話されたと記憶していますので、この点をぜひとも盛り込んでいただきたいと考えます。
 二つ目ですけれども、実際にそういう事例が散見されるので申し上げるのですが、支援者が知識や技術を持たないために、本人が受けることが可能な他の領域の福祉サービス、あるいは福祉を超える様々な社会サービス、法的な利益を受けることの機会を奪わないようにする。児童福祉については学んでいるけれども、周りのことを十分に知らないために、例えば遺産相続等で負債を負うこと、相続放棄の通知が来ていたにもかかわらず、その重要性に気づかずに、御本人にきちんと説明もせずに、放棄ができる期間を過ぎてしまったという例、年金の積立て等が二十歳を過ぎれば出てきますが、そういったことについて十分説明をする機会がなかった。あるいは障害福祉サービスで受けられる様々なものについて関心が薄くて、そこにつなぐことが遅れてしまった、そういった例が実際に起きております。この辺りが当事者の不利益にならないように、ぜひともこの点を記述に加えていただくように御検討いただきたいと思います。
 以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 続きまして、浜田委員、お願いします。

○浜田委員 浜田です。ありがとうございます。
 先ほど宮島委員からも触れていただきましたが、前回、前々回と意見を出させていただいております。前回までに述べたとおりですので、そことかぶることについては控えまして、今日の骨子案に赤字で入ったところを中心に何点か意見を申し上げたいと思います。
 12ページの真ん中辺りです。司法審査の対象となる一時保護について、これこれの場合は除きますとあります。その後で「また、後者の場合について、短期の一時保護と解除が繰り返され」というところで、先ほど事務局からの御説明では、手続の中で、言ってみれば脱法的なことがなされる危険があるのではないかという指摘がありました。どなたからそういう御発言があったのか私も記憶していないのですけれども、今まで外部からとはいえ、児童相談所の手続に関わってきた身からいたしましても、そのようなことをわざわざするような児童相談所は一体あるのだろうかと率直に申し上げて疑問があります。
 法律は何でもそうだと思いますけれども、脱法的だからやめておけというのは、ある意味では当たり前の話でして、取り立ててそのような防止策を講じるべきだということになるのであれば、それを根拠づけるようなエビデンス、こういったものが現にあった、なので、そういうものはよろしくないということがあって、初めて正当化できるのではないかと考えるところでございます。ですので、このような記載を入れること、今回入った部分について、このような形を維持されるかについては、御再考願いたいということを一つ申し上げておきたいと思います。
 次の点です。12ページの下から二つ目の○のところですけれども、児童相談所からするところの不服申立て手続に、今回、赤字で限定が入っている。要するに却下されたら何でもかんでもではなくて、生命及び心身に重大な危害が生じる恐れがある場合には、不服申立てができるという制度が今回提案をされております。ただ、では生命及び心身に重大な危害がなさそうならば、そもそも不服申立てすらできないのか。いわゆる調査目的の保護をことちゅうちょさせる方向に作用するのではないか危惧するところであります。
 前回までにもいろんな委員から御指摘があったと思いますけれども、司法審査が却下された場合、その後、そのケースをどうやってケースワークしていくのかというのは、とても難しい問題をはらむと思います。そのような危険がある場合、要するに却下されたら争うこともできない、では一時保護するのはやめておくか、などと児童相談所の権限行使に事実上の制約がかかることを危惧するところであります。
 ごめんなさい、委員長、15ページの権利擁護のところも、今、触れていいですか。

○山縣委員長 最後までですので、大丈夫です。

○浜田委員 権利擁護のところで、子どもの意向表明となっておりまして、そこから先も子どもの意向がという形で、「意見」ではなくて「意向」という表記が使われております。これは前回もたしか御指摘があったと思うのですけれども、やはり据わりが悪いという気がしておりまして、例えば児童福祉法の2条でも「意見」という言葉が使われているわけです。ここで新たに同じ法律に「意向」という形で入ると、それは2条で言うところの意見と何が違うのかという、本当に違うものだと捉えるのだったらそれはそれなのですけれども、全体として統一的な用語になっているかということを懸念するところであります。やはり今までそうであったように、ここは「意見」のほうがいいのではないかという意見を申し上げておきたいと思います。
 続きまして、骨子に関してではなくて、委員等提出資料に関してです。今回の提出資料の中に埼玉弁護士会子どもの権利委員会等からいただいた御意見がございましたので、私は埼玉ではないですけれども、御紹介申し上げたいと思います。30ページ以降です。
 骨子(案)に関する意見書ということで、率直に申しますと、懸念が示されております。この間、埼玉弁護士会に限りませんけれども、骨子案、また、一時保護に関する司法審査の概要が発表されて以降、私を含めた児童福祉に関与している弁護士の中からは、懸念する声を多数聞いております。その多くは前回までに意見でお示ししたとおりですけれども、埼玉弁護士会からも同じような懸念をいただいたところだと思っております。
 この中で述べられているのは、要件とか、請求手続について、具体的にこの専門委員会の中でやらなければ駄目ではないですかという、この専門委員会に対する厳しい御指摘を受けたものと認識をしております。制度設計ももちろんですけれども、どういったものができていくのかというところが、この専門委員会で明らかにされるべきという指摘については、我々も真摯に耳を傾けなければならないと考えます。
 この意見書には、後ろに補足資料として、子どもシェルターの運営に当たられている弁護士、理事長の補足資料もありまして、ここでは子どもの意向が司法審査の判断者に届く仕組みが必要だという御指摘もあります。既にいろんな委員から語られているところではありますけれども、そういったところは重要だと感じましたので、私から御紹介申し上げた次第です。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 平井委員、お願いします。

○平井委員 私からは自立支援の部分で、3点ほどお願いしたいと思います。
 18ページの一番上の○の部分ですが、20歳以降の児童自立生活援助事業の活用ということで、これは里親や施設入所している児童が利用できるということで、そういう案をつくっていただいているわけですが、そこで児童自立生活援助事業というのは、今、自立援助ホームなのです。ですから、支援内容が全く違うのですけれども、名前が同じということで、ここをもう少し考えていただければと思います。
 それと、先ほど安部委員もおっしゃっていましたように、自立援助ホームは今まで実績もございますし、入所の利用事業ですので、施設に認可していただいてもよろしいのではないかと思います。
 2点目ですが、下から2番目の○の通いや訪問による自立支援を提供する拠点事業を制度的に位置づけるという部分ですが、その中にこの事業は住居の確保支援、就学・就労支援、就学・就労の継続支援、医療や福祉制度、司法の利用支援の調整などを行いながらということで、かなり幅広い支援の事業をやっていかなければならない。そうすると、それなりの人員配置が必要だと思います。どれほどの人員配置を考えていらっしゃるのか分かりませんが、この部分もどこかに必要な支援員を配置するとか、そういったことを書いていただければいいと思います。
 最後に19ページですが、一番上の○、児童等の都道府県域を超えた移動に当たっての取扱いというところで、ここは今も委託措置とか、そういった関係で、県をまたいだりしてお願いするケースもあるのですが、ここは煩雑な部分もございますので、お互いの都道府県で割愛協議がスムーズにいくように考えていただければと思っております。
 以上です。ありがとうございました。

○山縣委員長 畑山委員、お願いします。

○畑山委員 ありがとうございます。
 骨子案の社会的養育の経験者の自立支援に当たり、ケアリーバー調査について、当事者の声を多く反映していただいて、本当に感謝いたします。
 私から2点ございます。
 一つ目は、一時保護の司法審査についてですが、もちろん一時保護をする際の手続の話は重要なのですけれども、奥山委員の発言にもありましたとおり、そこには子供の不安な気持ちの部分が置き去りになってしまっているのではないかと思います。
 一時保護を経験した当事者からお話を聞く中でも、なぜ一次保護されなければいけなかったのかという説明がされなかったとか、今後どうなっていくのか分からない中、急に一時保護されて不安だったという声が、子供、若者から多く聞きます。
 子供の意見を聞くためには、子供自身が自分の状況を知らなければ、意見を言う以前に自分の状況を考えることもできないのではないかと思います。子供の権利としては、一時保護の入り口の段階で、子供自身が今どういう状況に置かれていて、家族はどういう状況にあるのか、どれだけ親と会えないのか、友達など、連絡を取りたいと思っている人と連絡が取れるのかどうか、一時保護中は学校に行けるのか行けないのか、見通しとして今後どうなっていくのか。子供が全て納得できなくても、子供が何も分からない状況で一時保護が始まっていくことがないように、職員や児相によって、言った、言わないということが発生しないように、一時保護する段階で職員が子供が理解できるような言葉で、これだけは説明するといったマニュアルであったり、ガイドラインというものの作成が必要ではないかと思います。
 子供だけではなくて、親の立場、皆さんの意見書にもありますが、いろんな側面でまだまだ検討する課題が多くあると思いますので、一時保護の司法審査については、慎重に検討していただきたいと思います。
 もう一点は、被措置児童と虐待への対応についてです。日々相談員という業務をする中でのことですけれども、発達特性を持つ子供は、何か性的な被害を受けても、何が起きているのか分からず、発信することさえできない状況にある子供たちがいたり、施設内の子供間での性的ないたずら等も施設内での共有に終わって、児相まで報告が上がらないということもあります。
 性的な問題を起こしたお子さんについて、里親委託されていくのですけれども、児相も把握しておらず、里親さんに対して子供が過去に起こしていた問題や課題等、ケースワークする中で重要なポイントの一つだと思うのですけれども、共有されずに、委託先でも同じことが起きてしまったこともありました。職員間レベルで施設長止まりのようなことも起きているのではないかと思います。
 また、子供が施設に措置されている保護者の方からの相談しても、子供に性的なトラブルがあっても施設が認めてくれず、児相もそういった事例は報告が上がってきていないということで終わってしまったという相談もありました。
 被措置児童等虐待について、通告、届出として対応するとなっていますが、通告されていない現状が現場レベルでもあるのではないかと思います。施設によっては通告の認識の違いなどもあると感じています。ガイドラインが徹底されているのかどうか、見直しも含めて書かれていますけれども、実態把握のための調査をしっかり行っていただきたいと思います。
 施設や里親家庭で虐待を受けた際、子供が言えない、発信できない理由としては、発信している姿をほかの子供たちに見られたらと思ったり、言ったら施設や里親家庭での生活はどうなるのかという不安、言った後の職員、里親さん、ほかの子供たちとの関係がどうなるのかということで、発信すること自体が難しい子供たちもいるかと思いますが、もちろん家庭的な環境で子供たちは育つべきですが、外部の目が少なくなり、より子供たちの状況や気持ちの聞き取り等をしにくい環境にもなってしまっているのではないかと思います。なので、里親委託を推進していくのであれば、里親の質もですが、日々の生活の中で、子供たちの安心・安全が確保できるような、また、子供たちだけでなく、里親さん自身も守れるようにアドボケートもそうですが、外部の目が入るような仕組みの検討もしていただきたいと思います。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 安部委員、お願いします。

○安部委員 ありがとうございました。
 同じく構成員意見があるのですけれども、今、皆さん方が話をしている一次保護所の不服の申立て、保護者、子供からの不服の申立てということです。
 先ほど親は同意で、子供が不同意の場合という話があったのですけれども、それは典型的には非行の事例です。そんなときに、児童相談所は親が反対しても強制的に保護できるのですけれども、子供が拒否した場合、強制的な保護はできないのです。説得しかないし、本人が説得に応じない、だけれども、放置することが難しいとなると、家庭裁判所に申立てをして、少年事件として自由の拘束を図るという対応をしています。
 もう一つありました。ここには書いていないのですけれども、子供が帰りたくないと言ったときですが、これは児童相談所が代弁すべきことで、児童相談所の申立書の中に子供の声をしっかり書き込むということで、できるのではないかと思いました。当然職権保護した保護者というのは、不服申立てをするに決まっているので、一時保護状発行の不服申立てではなくて、一時保護そのものに対する不服申立てとして対応すべきではないかと思ったところです。
 浜田委員が懸念されていた、微妙なところで一時保護状が発行されないなら、出さなくなってしまうのではないかということがあったのですけれども、でも、逆に言うと、微妙なところでこそ、家裁に申立てをして、家裁の判断で一時保護できないとなったときには、児相はある意味大義名分が立つのです。
 そういう意味で、どちらの可能性になるか、浜田委員が言うように萎縮して出さなくなってしまうというやり方もあるでしょうし、もう一方で、判断を家裁に任せる。家裁の決定に従って一時保護を判断する。家裁が認めないのだったら、児相もできないということが言えるので、そういうふうになるのではないかと思ったりもしました。ここら辺は薬師寺委員の意見も聞きたいと思ったところです。
 以上です。

○山縣委員長 藤林委員、お願いします。

○藤林委員 私からは5点ほどあります。
 11ページの一時保護時の司法審査ですけれども、骨子案の書きぶりですが、前回、前々回から司法の手続保障について、各委員から様々な意見が言われているにもかかわらず、それが反映されていないところがとても懸念されます。
 また、子供が一時保護に反対する場合についても、各委員、また様々な意見書が出されているにもかかわらず、反映されていないので、それでいいのかというところはとても気になるところです。
 反対に11ページの一番下の○の下から6行目「事前又は保護開始日から起算して7日以内(P)に」とありますが、以前は「3日または7日」となっていたのが、7日になったというのは、この委員会の意見がちゃんと反映されているところなので、反映されているところと反映されていないところがあると思うのですけれども、統一的な書きぶりを期待したいと思います。
 (P)というのは、3日でできると言う委員は誰もいないわけですから、Pというのはたしかペンディングだったと思うのですけれども、(P)は取っていいのではないかと思います。
 2点目ですけれども、13ページです。奥山委員の意見を聞いていて、そうだと思ったのですが、環境改善の一つ目の○ですけれども、ここは地域分散化について書かれているところですし、一時保護ガイドラインでも書かれているわけですが、「登校や学習支援等」ではなくて「登校支援を基本とし」ぐらいは書いてもいいのではないかと思います。
 前職で福岡市にいたときに、地域分散化、一時保護専用施設を進めていたわけですけれども、ほぼほぼ登校支援は可能になってきました。現在は明石市の第三者委員をしていますけれども、明石市の一時保護所は一生懸命頑張って登校支援を実現しているわけですから、どこの児童相談所でもコスト、マンパワーをかければできることではないかと思いますので、ここで明確にしてほしいと思います。
 15ページの権利擁護のところですけれども、これは私の提出資料の17ページに書いております。浜田委員も言われましたように、なぜ突然骨子になったときに、「意見」が「意向」になったのか、事務局にどういう意向があるのか確認したいぐらいですけれども、本来ここは「意見」であり、児童福祉法でも子供の権利条約でも「意見」になっているわけですから、「意見」に統一するべきではないかと思います。
 15ページの下から三つ目、都道府県等は自ら意向表明支援を行うことができるとあるのですが、都道府県が自ら意向表明支援をするというのはちょっとおかしいのではないかと思います。独立したものであるべきなので、ここの書きぶりは誤解を招くのではないかと思います。
 その下の国による研修プログラムの作成ですが、国が研修プログラムをつくるというのも、やはり独立型のアドボケイト制度を考えれば、意見書にも書いておりますように、専門家または社会的養育経験者の意見を反映するべきではないかと思います。ここも誤解を与える文言なので、検討をお願いしたいところです。
 20ページです。ここもこの専門委員会での議論が正確に反映されていないというところで、とても気になるところです。多数決ではないということは、前回、山縣委員長にも認めていただいたわけですけれども、議論は伯仲しているわけですし、いまだ議論の半ばであるということを考えますと、一方の主張が詳細に記載されている書きぶりというのは、本来あるべき書き方ではないと思いまして、私のほうでどちらにも偏らない書きぶりを13ページの下のほうに書いていますので、ぜひ参考にしていだたきたいと思います。
 14ページには、それぞれの案に対する論点が骨子案に書いてありますけれども、分かりにくいので、本当は論点ごとに、この論点については、上乗せ案ではこうであり、独立型案ではこうであるという書きぶりにしていただきたいと思いますので、これも参考にしていただきたいと思います。
 たくさん手を挙げていらっしゃるので、短めにしたいと思うのですけれども、23ページのわいせつ行為を行った保育士の対策についてですが、これは質問させていただいて、その答えによって私の意見が変わってくるので、最後でもいいのですけれども、事務局がもし把握していらっしゃるのであれば、お教えいただきたいのですが、今年度になってから児童相談所、一時保護所であるとか、児童養護施設での職員によるわいせつ事件で逮捕事案が複数報道されております。私が知っている範囲で、一時保護所でいいますと、横浜市、和歌山県、児童養護施設でいいますと、神奈川県でこういった逮捕事案が出ているわけですが、逮捕された職員が保育士なのか、または保育士以外の職種なのか、この辺、もし把握していらっしゃるようであれば御回答いただき、その回答によって、この後の私の意見を述べたいと思います。
 以上です。

○山縣委員長 すぐに回答できるということですので、先に事務局から回答いただいて、藤林委員にもう一度戻したいと思います。

○羽野室長 虐待室長でございます。
 ただいま御質問いただきました横浜市の一時保護所、和歌山県の一時保護所、川崎市の児童養護施設の事案についてでございます。この3施設については、公表情報がございますので、その点についてお答えいたしますと、横浜市の一時保護所については2名なのですけれども、うち1名は児童指導員、もう一名は保育士であったということで承知しています。和歌山県の一時保護所については、児童指導員であったということです。川崎市の児童養護施設についても、児童指導員だったということで承知しております。
 以上でございます。

○山縣委員長 藤林委員、どうぞ。

○藤林委員 児童指導員が行った性犯罪になってくるわけですから、保育士とベビーシッターの対策だけでは、このような事態は防げない、足りないのではないかと思います。そう考えますと、一時保護所も含めた社会的養護現場における、このような職員からの性犯罪を防ぐため、それは受けた子供が早く相談するというだけではなくて、未然に防ぐということも含めて、より根本的な対策をしていくべきではないかと思います。
 前から私は児童指導員という任用資格は非常に幅が広くて、児童指導員が適切な養成教育を受けているのかどうかというところを問題にしていたわけですけれども、その在り方についても再度考えるべきではないかと思います。
 もっと大きな話をしますと、子供に対して性犯罪を発生させてしまう方というのは、児童指導員だけではなくて、これも今年度報道されていますけれども、児童精神科医もこういった事件を起こしておりますし、里親、ファミリーホームでも起こり得ることを考えますと、より根本的な対策が要るのではないかと思っております。
 昨日そういうことを考えておりましたところ、こども政策の推進に係る有識者会議の報告書がアップされているとネットで見まして、この中では日本版DBS、要するに子供の現場で働く場合には、性犯罪歴を出させるといったことを検討するということが書かれておりますので、社会的養育専門委員会においても、日本版DBSについて議論、または何らかを書くべきではないかと思っています。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 中村委員、お願いします。

○中村委員 よろしくお願いします。
 私からは大きく2点です。
 1点目は、ほかの委員の方からも出ていたのですが、権利擁護ワーキングチームでも意見表明支援員ということで議論を重ねてきていまして、今回、骨子で意向表明支援員というのは、すごく違和感がありました。私だけが思っていると思っていたら、他の委員の方にもおっしゃっていただいたので、意見しました。この辺はいつからそうなったのかということがもし分かればというか、このまま行くのかとか、事務局でお考えがあれば教えてほしいというのが1点です。
 2点目は、意見書を出させていただいておりますが、被措置児童等虐待への対応というところで、17ページに記載いただいてありがとうございます。特に私の仕事上、里親に関する仕事をさせていただいていますので、里親に関する部分で意見を出させていただきました。
 これから多様な里親家庭が求められるということで、先ほども柔軟な運用とか、里親類型の見直しみたいな御意見もあったかと思いますが、そもそも前提となる登録要件とか、最低基準、里親になるためのカリキュラムが子供の権利に根差したものであるのかということは、これまであまり考えられてこなかったのではないかと思っています。
幾つかの自治体の里親登録の要件を知っていますが、自治体でかなりばらつきがあります。それこそ犯罪履歴を紹介する自治体もあれば、全くしない、署名だけという自治体もありますし、心身共に健康かというところの健康診断書を提出する自治体もあれば、しなくていい自治体もあります。自治体で登録要件にばらつきがあって、このままでいいのかという懸念があります。そういった事から、意見書にも見直しとか、先ほどの中期的な検討の部分でもありましたが、全体的な制度の部分でも、これから家庭養育優先の原則をしっかりと推し進めるためには必要ではないかと思っています。
 もう一つは、被措置児童等虐待を防ぐときに、里親支援というのはすごく重要な鍵になるのではないかと思っています。児童相談所の職員さんとか、施設の職員さんは、里親制度のこととか、家庭養育優先ということに対して、御理解がない方もおられるのではないかと感じています。なので、児童相談所の職員さんをはじめ、関係機関の人たちにも里親制度のことをしっかり御理解いただかないと、今、チームワークで養育をしましょうと掲げられているものの、そもそも関係機関と里親さんがチームワークを組めないということになっているのが現状だと思います。この辺りも今後関係者への研修、既に人材研修みたいな形でされてはいると思いますが、児童相談所内での意識改革とか、このような大きくなことを言っていいのか分からないのですが、ぜひ里親制度への理解を深めてもらいながら、家庭養育優先の原則を進めていけるといいのではないかと思っています。
 以上です。ありがとうございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 坪井委員、お願いします。

○坪井委員 ありがとうございます。坪井です。
 2点、一時保護の司法審査と資格制度についてお話ししようと考えていたのですけれども、司法審査については、奥山委員や畑山委員から発言いただきましたので、省略して、資格制度について申し上げます。
 資格制度については、このたび、丁寧に書き込まれていて、今回は両論併記のような形になっています。資格制度の議論については、残念に感じることがあります。同時に委員の一人として責任を感じて、反省しております。それは議論に際して足りていない部分があったということに、議論の終盤になって気がついたものですから、私自身が委員の一人として、その課題に対応できなかったと感じているからです。それはこの議論が二つの案のメリットとデメリットの比較という形になってしまって、基本に立ち返ったといいますか、その資格を活用してどのような人員構成で支援体制を構築しようとするのかという、本来必要だと思われる議論が足りなかった点です。
 新しい制度の創設に当たっては、その制度によって目指すビジョンといいますか、将来このような姿になるというイメージがまず大切だと思います。その姿を目指すために、どのような仕組みが必要なのかを考えて設計する。法律をつくったり、改正したりするということですが、これは私が申し上げるまでもないと思います。今回の資格創設に当たっては、目指す姿は、一言で言えば、全ての子供の権利が保障される世の中、そういうものを実現するということだと思います。でも、それだけで体制がつくられるわけではなくて、それにどれだけの人数の子どもがいて、どれだけの数の家庭があって、それを支援するためにどれだけの人数をかけて、どのようなしシステムで支援することが必要なのか、そして、必要な人数をどのように集めて育てることができるのか、そういう具体的な定量的な設計図が必要だと思います。それから、いつまでにどのようなタイムテーブルで実現しようとするのか、そういう工程表といいますか、そういうものも不可欠です。
 今年の春にこの委員会に始めて参加させていただいて、最初の資格案が提示されたときに、それは国家資格をつくるという案でしたけれども、今、振り返ってみたら、設計図とか、工程表が見えない、ちょっと唐突に感じられるような案だったと思います。そのときに私がこの設計図や工程表のことに気がついて入れば、ちょっと違った展開も可能だったのではないかと残念に感じています。
 タイムテーブルに関連していいますと、社会福祉士が現在25万人、これは三十数年かけて築き上げられたものです。それから、精神保健福祉士が9万人、これは25年ほどです。これからつくる新しい資格については、これから就労人口がさらに減っていく中で、どのような人口をベースにして人材を確保していくのでしょうか。資格制度をどのようにするのか、最終決定に当たっては、子どもや家庭の支援が確実に届けられるような体制を構築する、そのために必要な人材が確保できるような案、個人的には、どちらかといえば、子ども家庭福祉ソーシャルワーカーだと思いますけれども、それを速やかに導入して、子どもの利益につなげていただきたいと考えます。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 相澤委員、お願いします。

○相澤委員 ありがとうございます。
 まず15ページです。「III.子どもを中心として考える社会的養育の質の向上」ですけれども、IIIとしてここに来ていますが、取りまとめをするときは、子供の権利擁護は一番最初に持ってきたらいいのではないか。子供を中心に社会的養育の向上を中心に据えるということで、そういう構成にしたらいいと思っています。
 中村さんとか、藤林さんとか、浜田さんが言ったように、私も「意向」という言葉は「意見」のほうがいいと考えています。
 それから、わいせつ行為を行った保育士の対策ということが書かれていますけれども、幼少期からの権利教育、意見表明を前提にしたケアワークとか、ソーシャルワークを推進していくことが大切で、全ての子供が自分の権利を知って、自分の人生に参画して、自己実現が図れるようになるためにも、幼少期から権利とはどういうものかということをきちんと教えていく権利教育を実施すること、自分の気持ちや意見を言って、聞いてもらえる権利とか、素直に自分の気持ちを表明する権利を擁護することを基本にした保育、教育、養育、子育て、あるいはソーシャルワークを実現することが重要でありまして、そういった環境を整備していくことが必要であるといったことをきちっと入れ込むべきではないかと考えています。
 それから、前段でいろいろと家庭支援のことが取り上げられていますけれども、児童相談所による個別の援助方針の作成とか、保護者支援とか、子供への支援、あるいは特別養子縁組の推進など、児童相談所が責任を持ってやらなければならない部分が相当あると思います。そう考えたときには、児相がそういう動きを担保していかないと難しいですし、そういう専門性を持ったソーシャルワーカーの配置など、人材確保は必要不可欠なわけです。そう考えたときに資格の問題で議論していますけれども、任用資格の一つにするのであれば、前にも言ったように、任用資格そのものを上げていくことが必要なのではないか。それをきちっと議論して、任用資格の改正も考えていくべきではないかと思っております。
 以上です。

○山縣委員長 北川委員、お願いします。

○北川委員 13ページのマル2の一つ目の○ですけれども、先ほどから登校のことが言われていますが、これは非常に大事なことだと思います。
 それに加えて、一時保護もしくは一時保護委託の子供で障害のある子供もいますので、以前にも申し上げましたけれども、一時保護中に障害福祉サービスである児童発達支援や放課後等デイサービスの利用についても加えていただきたいと思います。実際、そういう必要がある子供がいて、使うとはなっていないのですけれども、日中活動としては保障してあげている場合もありますので、これを難しくしているものは何なのかということは、条件が整えば学校は行けるけれども、障害福祉サービスは使えないという、そこら辺を教えていただければと思いました。
 もう一点ですけれども、先ほどから被措置児童のガイドラインをつくるとか、そういうこともありましたが、私も北海道で被措置児童虐待の審議会などに出ていて、もちろん施設の方は訓練を受けられて、それでも起こるわけですけれども、どちらかというと、ファミリーホームや里親さんはこれについてあまり敏感でないというか、それぞれの家庭の文化があって、家庭の中だとクローズになるので、リスクが高いというところで、児相とか、フォスタリング機関が今後どう関わっていくのかということが大事だと思います。
 例えば実子も含めて同じ年齢の子がいる場合、気をつけなければいけないことですが、里親になった親御さんは一般の家庭の方なので分からなかったり、あと、お風呂は何歳まで一緒に入るのか。お父さんと女の子の場合とか、その反対とか、実際、何歳まで入れるのだろうかとか、おしゃべり会などで、ちょっといらいらしてしまうというような話が出る場合もあります。体罰は禁止ですと言いながら、本当に虐待をおこさないように予防しているのですけれども、里親さんはここまでは絶対に駄目ですみたいなところは、あまり教育を受けられてきていないという実感があります。それで加害者になってしまうことにならないように、里親さんやファミリーホームの場合はみんなで予防をしていかないといけないと思っていますので、ガイドラインの見直しの中でも気をつけていく点だと思います。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 質問が出ていますけれども、今、いいですか。

○羽野室長 虐待室長でございます。
 先ほど北川委員から御質問をいただきました、一時保護中の障害福祉サービスの利用についてでございます。私どもが承知しておる限りでは、一時保護中に障害福祉サービスを利用できないとか、してはならないとか、そういう取扱いを示しているつもりはございません。
 あと、実態として、それが利用できないようなことが起きているとすれば、どこにネックがあるのか。現場の運用なのか、別のところにあるのか、その辺りは丁寧に確認した上で、対応を考えたいと思います。
 以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 井上委員、お願いします。

○井上委員 ありがとうございます。
 多くの委員の方が言われましたが、権利擁護の「意向」のところです。私も「意見」がいいのではないかと思いました。
 11ページですけれども、一時保護のところです。薬師寺委員が児童相談所の一時保護の数の多さを指摘されたのですが、実際、私たちが児童相談所と一緒に仕事をしていますと、一時保護が必要だと思われるのですが、児童相談所は何も情報を持っておられない段階で、直前の話だけを聞かれたら、これは緊急かもしれないという形で、一時保護が必要だと判断されて、市町村に問合せがあって、2~3時間でデータを集めて調べると、そこまでではない事例であったと判断するのも、児童相談所が統計として出される段階では、一時保護の検討が必要な事案ということで出してくることがあります。実際にあれだけ多くの方たちの中で、本当に一時保護事案として考えなければいけなかったのは、どれぐらいの数あったのかというのは、また知りたいと思うところです。
 それを押さえまして、私がお話ししたのではないかと思うのですけれども、一時保護状を出す日数のことなのですが、これは前の話であれなので、浜田先生にもまたお聞きしたいと思うのですが、15~20年ぐらい前、最高裁研修をしておりましたので、そのときに直接聞いたお話と、幾つか違う家庭裁判所に行きました。そのときに、どういったことがあれば、司法的な関わりのところを考えていただけるかというお話をしたところで、教えていただいたのは、一時保護状のような形で、子供の状態の紙がきちんと出されたとしても、裁判長がとてもたくさんの案件を持っておられたら、例えば今日ここで話になっている、7日目で出たという形になったとしても、そのときにすぐにそれを見てくれるかというと、そういうことではない、そのときの事案の積み具合によって遅れてしまうことがありますとか、そういうお話が随分ありました。
 私なりに調べてみたら、まず一時保護が必要だと判断された時点では、簡単に子供さんの年齢と状況、こういう事案がありますということだけ3日以内にお伝えをして、裁判官もこんな事案が来る、これは虐待事案だから急がなければいけないという認識をしたところに、皆さんが今日言ってくださっていますような7日ぐらいできちんとまとめた保護状が出てくれば、それを見てくださるのではないかということがあったので、段階を追った連絡をしていただければという意味で、以前、お話ししたつもりでした。
 ただ、今日お話を聞きますと、7日で決定しているという形でありますので、きちんとしたものはそれぐらいの日数がかかると思いますので、自分もそれには賛成ですということを最後に伝えたいと思います。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 橋本委員、お願いします。

○橋本委員 ありがとうございます。
 私も11ページ一時保護時の司法審査の期間についてですけれども、前回の専門委員会から今日までの間に、実際に児童相談所で働いている方々、そのような方々がいる労働組合のリーダーなどから意見を聞きましたが、皆さん、現場では3日でやれというのは無理で、7日は必要という意見でした。薬師寺委員をはじめ、皆さんに御発言をいただいているとおり、7日以内でお願いしたいと思います。
 また、11月5日の専門委員会の際に私が提出した資料は、権利擁護の視座から考察した地域における社会養育の課題と題したレポートでして、これは昨年末に子どもの権利条約総合研究所から依頼を受けて執筆した文章です。そこでは、子供の権利擁護については、セーフティー、いわゆる安全・安心な環境の保障はもとよりのこと、これからは子供の意見表明権とパーマネンシー保障が重要になっているという趣旨を書かせていただきました。
 本日も複数の委員が御指摘されているように、パーマネンシーの保障は特別養子縁組などに限定されるものでなく、子供家庭支援全般に及ぶもものだと思いますので、可能であれば、パーマネンシー保障について、特にそれが子供の権利保障にとって重要であり、全ての子供家庭福祉施策の前提となる理念である旨の加筆を求めたいと思います。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 河尻委員、お願いします。

○河尻委員 私からは一時保護の司法審査について、特に非行のケースについてちょっとだけお話ししたいと思います。
 まず基本的な考え方の確認として、私の考えを申し上げたいのですが、子供を一時保護するというのはどういうことなのか。これは多くの場合、子供を被害から守るために子供を保護するわけです。ただ、もう一つ大事なのは、子供を加害者にしないために保護をすることも非常に大事な保護の目的としてあるわけです。子供を加害者にしないために保護をする場合は、子供が保護に反対する場合が多い。でも、加害をさせないために保護をしなければならないというのが現実的にはあるわけです。ここの保護をする目的をしっかり議論しておきたいというのが一つあります。
 私がいる国立の児童自立支援施設では、施設の中で子供が加害行為をする、あるいは自分を傷つけるような行為をした場合には、あらかじめ家庭裁判所から許可をもらっている強制的措置を執行します。これは子供の意に反してでも強制的措置を執行して、自由を制限するということをやむを得ず行います。でも、これは何度も言うように、子供を保護するために行います。そういった意味で、非行ケースの一時保護で子供が一時保護に反対する場合、家庭裁判所の司法審査、あるいは今、申し上げたような強制的な、例えば都道府県の措置として何かできることはないだろうか、そんなことも考えたりしていました。
 もう一つ、確認のために基本的な考え方を申し上げると、一時保護の司法審査の議論というのは、そもそも児童相談所が一時保護をしようとしたことに対して、家庭裁判所がその是非を審査するということだと思うのですが、これも基本的な考え方を申し上げれば、最もよくないのは保護されるべき子供が保護されないことです。そういう大原則、あるいは基本的な考え方をしっかり確認しながら、私もできれば時間をかけて、このことについては議論をしたいというのが本音としてあります。
 私からは以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 お三方の手が挙がっております。まず宮島委員、お願いします。

○宮島委員 ありがとうございます。
 先ほど一つ残してしまった一時保護のことについて、もう一言申し上げたいと思います。また、資格のことについても申し上げます。
 一時保護のことについては、13ページで学習支援だけではなくて、登校支援が重要であるということでしたが、そのとおりだと思っております。しかし、一方で、全国の状況を見ますと、児童相談所は都道府県の機関ですので、地域との距離があります。地元市から片道3時間かかるような例もあります。私自身が自分で体験したことであれば、1時間半とか、2時間までは経験したことがあります。そのような状況の下で、日々在籍校に送り届けることは困難です。そういった現実を踏まえて、一時保護所の整備とか、あるいは一時保護する場所を里親や地域の児童養護施設に広げていくことが大事だと思います。
 その関係で、前回の記述に対して、一時保護所における一時保護期間を可能な限り短くするという表現だったわけですけれども、必ずしもそれだけではなくて、全ての一時保護について期間を短くするという記述にしてくださいと要望しました。
 その論点として、乳児院等において、長期間一時保護をする。親御さんが反対している、でも、安全が確認できないということで、長期化する。こういった事例について、様々な知見、例えば小児科医の方の知見も重要ですが、同時に脳神経外科医の方々の意見も聞くことにより、可能な限り一時保護の期間を短くする。これは乳児院における一時保護において必要だという意味で申し上げました。
 これは、学習支援の面でも、地域生活と学習の中断をなくするためにも、一時保護の期間を短くする。両方の意味を込めて、これが重要だと申し上げました。その点は変えていただいてあるので感謝しておりますが、一時保護所におけるという記述の削除だったので、赤字はなく、変えたところが分からなかったのですが、この点はとても重要だということを補足させていただきたいと思います。
 次に資格についてですが、21ページで意見を出させていただきましたが、まず報告書の記載の仕方は、適切に書いていただいているのではないかと思います。議論をずっとしてきたけれども、なかなか一致が見られなかった。論点はいろいろ示されて、議論は十分に行った。その上で、厚生労働省で厚生労働省案を出しますということを言っていただいて、それを委員である私たちは承認したわけです。それに基づいて案が出てきて、それに対して様々な意見を言った。省が出すことについて私たちは認めて、そのことについてちゃんと書いた上で、それに対して一致できるところ、一致できないところが述べられている。この記載の仕方は、議論の経過等、手続上のことを踏まえても適切だと考えております。
 その上で申し上げたいことがあります。21ページの私の資料のところに書かせていただいているのですけれども、過去の議論を見てみますと、事実と反するもの、あるいは誤解を与えるようなものが語られています。例えば社会福祉士は高齢者福祉のための資格であるということについては、自分が社会福祉士であり、ずっとそこで子供家庭福祉を教えてきた人間として、これは容認し難いことですが、これがあたかも事実のように受け取られる懸念がある。議事録は正確に記していただく必要があると思いますけれども、議事録を変えるということではなく、事実に反することや不確かな発言内容については、発言の中で訂正をしていただくとか、そういったことも必要ではないかと考えております。
 最後ですけれども、何のための新たな資格の創設なのか。現場に必要なものをちゃんと実現していくということである。また、そのためには、価値とか、基盤とするものが重要である。そのことを忘れないで、最後の取りまとめまで進んで、終了したいと願っております。
 以上でございます。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 薬師寺委員からも手が挙がりまして、あと3人でございます。時間的にもこの辺で限界に近づいているような気がします。
 林委員、お願いします。

○林委員 一つ目は、意見か、意向か、支援員というところです。以前も申し上げたのですが、児相の運営指針の中に、意向は意思には至らない思考、気持ちという表現がございます。実際、児童福祉法の26条の2項でも、児童及びその保護者の意向を報告事項として記載しなければならないという、意向という言葉も使われています。意見ではなくて、潜在的な気持ちに寄り添うということの大切は、むしろ意向という表現でもって具体化される、意識化されることではないかということを申し上げたいと思います。
 二つ目として、17ページの被措置児童等虐待の具体例として、権利ノートという言葉が強調されているのですが、それだけではなくて、第三者委員とか、苦情窓口などを通して、実効性を伴う継続的な取組の必要性もあるのではないかということです。
 三つ目として、資格に関することです。実際に自治体や民間施設といった採用する側と、もう一つは養成側の事情も考慮いただけたらと思います。資格が実際の採用システムにどう運用されるかということが不透明な中で、現実、福祉士の新カリキュラム対応に追われている大学にとりまして、新たな資格にのっかるということは非常に難しい状況もあるかと思います。そういうことを考えたときに、更新研修であるとか、現任研修を充実させるということとセットにして、理想の資格の在り方と現実対応との折り合いをつけていただきたいと思います。
 最後に23ページのわいせつ行為の防止に向けた取組は、言うまでもなく、保育士に限らず、縦断的な資格を含めた対応の必要性があるかと思うのですけれども、いわゆるペドフィリアと言われる病理性を伴う事案の対応については、現場にもうちょっときちっとした知見を与えられるような検討が必要だと思っております。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 浜田委員、お願いします。

○浜田委員 浜田です。
 先ほど井上先生から御指摘がありました、裁判所の体制のところは、残念ながら、私は裁判所で働いたことがございませんで、外で見ているだけなので、感覚的なことにとどまりますけれども、裁判所がこの件に対してどういう体制をお取りになるのかというところで、相当変わってくるような気がいたします。大阪とか東京のような大規模な裁判所では、令状ばかりをやる部署があるので、そういったところだったら、いつ来ても順番に審査をしていくことになろうかと思います。
 他方、比較的小規模な裁判所では、恐らく今日令状が来たら誰それ裁判官がやりますという、いわゆる当番が決まっているのだろうと認識をしております。そうだといたしますと、例えば3日目までに児童相談所からそろそろこれを持っていくからと言われたときに、実際に請求書が出てくるのが6日目なのか、7日目なのかによって、担当される裁判官が変わるのではないかという気がいたします。それが一つです。
 あと、裁判官は御多忙でいらっしゃるので、来たときにすぐに見られないというのは、確かにあろうかと思いますけれども、令状請求は優先的に見ていただける体制になっていると思いますし、そうなったときには、事前情報が少しあるのか、ないのかによって、恐らく判断にさほどの影響は与えないのではないか。要するにぱっと見て、その場で迅速に御判断ということを日々なさっているのではないかと推測いたします。
 ついでながら申し上げますと、ほかの委員からもございましたとおり、3日目のときにどんな情報を入れられるかということになると、そこは相当厳しくて、3日目の段階では子どもの名前は分かるけれども、親権者が誰なのかもまるで分からない、今、調べていますみたいなことになってくると、結局のところ、そこで情報を入れるということが、どのぐらい有益な制度の回し方につながってくるかということになると、やはり疑問です。なので、井上先生にも最後におっしゃっていただきましたけれども、3日では回らなくて、7日はないと無理だろうということで、自分の意見も交えさせていただきました。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。7日については、ほとんど異論が出ていない状況ですので、恐らくPは外れる状況だと思います。
 最後になります。薬師寺委員、お願いします。

○薬師寺委員 先ほど井上委員から御質問がありましたので、大阪府は一時保護件数がかなり多いですけれども、基本は通告を受理したその内容だけで判断しているのではなくて、市町村や関係機関の状況を調査しまして、その上で判断している状況でございます。
 また、子どもが保護を求めているというのは、私たちは非常に重く受け止めておりまして、そういったケースも保護をする。明らかな身体的虐待、ネグレクトのような形ですと、保護をしますし、性的虐待など、重大な虐待のリスクがあるケースについても、調査保護をしている。そういった実態にあるということは、付け加えさせていただきます。
 以上です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 井上委員、よろしいでしょうか。

○井上委員 どうもありがとうございました。よく分かりました。大阪は8児童相談所です。数的に多いと改めて思った状態です。

○山縣委員長 ありがとうございました。
 お約束の時間を若干オーバーしそうですけれども、一応皆さん方の御意見を聞くことができたと思います。本日、物もすごく新しい論点はありませんでしたけれども、修正とか、検討事項を幾つかいただいたり、具体的に提案をいただいた部分等がございます。そういうものを踏まえまして、現在までは骨子案でしたけれども、骨子からさらに報告書案ということで議論をしたいと思います。
 ただ、骨子案といいましても、二十数ページある骨子案ですので、かなりの部分は既に肉がついている感じがします。本日の御意見を踏まえて、修正あるいはさらなる肉づけをして、次回からの議論にしたいと思いますけれども、次回の日程について、事務局からお願いします。

○野村企画官 次回の日程につきましては、12月7日火曜日10時から13時を予定しております。
 以上でございます。

○山縣委員長 12月7日火曜日、時間は同じ時間でございます。
 それでは、本日の会議はこれで終わりたいと思います。長時間にわたり議論をいただきまして、ありがとうございました。

(了)

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