ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会))> 令和3年度第1回 診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会) 議事録(2021年11月4日)
2021年11月4日 令和3年度第1回 診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会) 議事録
保険局医療課
○日時
令和3年11月4日(木)
10時00分~12時00分
○場所
オンライン開催
○出席者
委員
福井分科会長、青木委員、井原委員、岩田委員、岩中委員、植木委員、大川委員、荻野委員、川畑委員、川村委員、斎藤委員、真田委員、鈴木委員、西井委員、沼部委員、前原委員、眞野委員、福田委員、安田委員、矢冨委員 |
事務局
井内医療課長、高宮保険医療企画調査室長、中田医療技術評価推進室長、宮原歯科医療管理官、紀平薬剤管理官 他 |
○議題
1 令和 4 年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について(案)
2 その他
○議事
○福井分科会長
それでは、定刻になりましたので、ただいまより、令和3年度第1回「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」を開催いたします。
本日は、大変お忙しいところ、委員の先生方には御出席いただき、ありがとうございます。
まず、委員の出欠状況について報告いたします。本日は、植木委員が御欠席、前原委員がまだ入っていないようですけれども、後ほど入られると思います。
また、前回の会議以降に事務局に人事異動がございましたので、紹介をお願いします。
○堤医療課長補佐
事務局でございます。
まず、人事異動で新たに3名替わっておりますので、御報告させていただきます。
まず、高宮保険医療企画調査室長でございます。本日、別件につき、不在とさせていただいております。
次に、中田医療技術評価推進室長でございます。
○中田医療技術評価推進室長
どうぞよろしくお願いいたします。
○堤医療課長補佐
次に、宮原歯科医療管理官でございます。
○宮原歯科医療管理官
よろしくお願いいたします。
○堤医療課長補佐
事務局の紹介は以上です。
○福井分科会長
ありがとうございます。
では、議事に入ります前に、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○堤医療課長補佐
事務局でございます。
資料は10種類、先生方に事前に送付させていただいていることと思います。資料番号を申し上げますので、御確認をお願いいたします。
まず、技-1-1「令和4年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価等について(案)」。
次が、技-1-1参考1「医療技術評価分科会における評価の進め方(令和4年度診療報酬改定)」。
同参考2として「令和4年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価等について(案)」。こちらは、2月に先生方に御議論いただいた際の資料一式でございます。
続きまして、同参考3「ワーキンググループ開催要綱」でございます。
参考4が「医療技術評価分科会における対象となる技術(案)(件数の一覧表)」でございます。
参考5が「先進医療として実施されている医療技術について」の表です。
参考6が「医療技術の体系的な分類について」の資料でございます。
参考7及び8が「科学的根拠に基づく医療技術の評価について」のポンチ絵でございます。
最後に、技-1-2で「医療技術評価分科会における対象となる技術(案)」という資料でございます。
以上でございます。
○福井分科会長
ありがとうございます。
本日は議題が2つございまして、1つが「令和4年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について(案)」、2番目が「その他」となっております。
最初の議題、「令和4年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について(案)」について検討をお願いいたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
○堤医療課長補佐
事務局でございます。
お手元の資料、技-1-1を御覧ください。こちらに基づいて、事務局から簡単に説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、「1.現状について」でございます。こちらには、これまでの経緯をまとめております。
今年の2月に令和4年度改定に向けて、本分科会において、学会等から提出されました提案書に基づいて、新規医療技術の評価及び既存技術の再評価を行うことについて御議論いただいたところでございます。
その後、手続、フロー図については、技-1-1参考1を御参照いただければと思いますが、それにのっとって進めまして、本日は学会等から提出された、今回、908件の提案書のうち、本分科会の対象となる技術等について検討を行っていただく予定でございます。
続きまして、2.令和4年度改定に向けた対応についてでございます。こちらは、今年の2月に開催した分科会における議論をまとめた内容でございます。
まず、(1)の評価対象等についてでございます。こちらについては、前回改定、令和2年度改定と同様の取扱いとしています。
(2)医療技術の体系的な分類についてでございます。こちらにつきましては、DPCのデータの提出に際し、いわゆる手術のコードであるKコードと、外保連により整理されている手術手技の分類であるSTEM7を併記することとしておりますが、診療報酬に係る情報の利活用の観点から、このデータ検証、課題の抽出等について研究班において行い、本分科会へ報告を求めることとしました。
続いて、ページを進めていただければと思います。(3)科学的根拠に基づく医療技術の評価についてでございます。
既に保険収載されている医療技術の評価、及びレジストリに登録され、実施された医療技術の評価について議論いただきました。
まず、既に保険収載されている医療技術の評価につきましては、診療ガイドライン等に基づく質の高い医療を進める観点から、提案書において、診療ガイドライン等における位置づけ等を明記する欄の新設等としまして、評価の参考とすることにいたしておるところでございます。
レジストリに登録され、実施された医療技術の評価につきましては、引き続き、レジストリへの登録状況及び実績等につきまして、関連学会等において検証していただいた上で、本分科会への報告を行っていただくとしたところでございます。
以上が、前回、2月の分科会での議論の内容でございました。
以上を踏まえまして、3番の四角、「令和4年度診療報酬改定に向けた医療技術評価等の進め方について(案)」でございます。
1つ目が評価の対象等でございます。学会等により提案された各技術につきまして、本分科会における評価の対象となるかどうかについて御確認いただきたいと考えております。
技-1-1参考4を御覧ください。今回、学会等から提出された908件のうち、本分科会の対象となるものは、現時点で754件となっております。
また、評価の対象とならないものにつきましては154件でございました。
また、評価対象となる技術のうち、先進医療会議において科学的根拠等に基づく評価が行われるものは7件でございました。
後ほどになると思いますが、各案件が本分科会の評価の対象となるか否かについての御確認につきましては、技-1-2を御参照いただければと思います。
それでは、技-1-1、2ページにお戻りいただければと思います。(1)の1つ目の○の2パラでございます。検討の結果、評価の対象となる技術とされたものについて、今後、分科会において評価を行い、評価の対象とならないとされたものについては、評価を行わないとしたいと事務局としては考えております。
なお、先進医療として実施されている技術につきましては、先進医療会議の検討結果を踏まえまして評価する必要があることから、必要な連携を確保することとしています。
続きまして、2点目の(2)医療技術の体系的な分類についてでございます。こちらにつきましては、データの利活用の観点から、現在、研究班において、DPCデータを用いてKコードとSTEM7の突合を行っているところございます。
こちらについてまとめた資料が技-1-1参考6でございますので、そちらを御参照ください。
こちらは2枚で構成されていますが、1枚目に背景、目的が書かれております。こちらは2月の分科会での議論の内容を主にまとめたものでございますので、割愛させていただきます。
2枚目に今回の解析方法等について記載しております。現在、2019年度分、1年間分のDPCデータを用いまして、麻酔時間を分析・解析し、ヒストグラムを作成しているところでございます。
対象となる術式につきましては、KコードとSTEM7の組合せが複数予測されます整形外科・心臓血管外科及び消化器外科の領域のものとして解析しているところでございます。今後の検討結果等につきましては、研究班より本分科会に対して報告を受けることとしまして、それに基づいて今後の検討をしていきたいと考えております。
以上が2つ目の医療技術の体系的分類についてでございました。
技-1-1、3ページ目を御覧ください。続いてが、(3)科学的根拠に基づく医療技術の評価についてでございます。
こちらでございますが、既に保険収載されている医療技術につきましては、診療ガイドライン等やレジストリへの登録等に係る項目を提案書等に盛り込んでいることから、引き続き、これらの観点を踏まえまして評価を進めることとしたいと考えております。
具体的には、技-1-1参考7を御参照いただければと思います。こちらは、今回新しく提案書の中にガイドラインに関する記載を明記するようにしたことに関連しまして、今回、評価の対象となる技術のうち、提案書のガイドライン等の位置づけの欄において、何らかの記載ありとされたものにつきまして、478件ございました。
また、今度は参考8を御参照いただければと思います。今般、提案書が提出された技術のうち、レジストリへの登録に関連しまして、ロボット支援下内視鏡手術に関するものが18件ございました。このうち、学会等によるレジストリを用いた検証が行われたものというのが13件でございまして、この参考8で※印がついているところが、全て何らかのレジストリの検証が行われたものとなっております。
事務局から本日の資料に関する説明は以上でございます。
○福井分科会長
ありがとうございます。
それでは、今、説明していただいた資料1-1、3ページにわたるものですが、この内容につきまして、御意見、御質問等ございましたらお願いしたいと思います。順番に上からお願いしたいと思います。途中で医療技術の体系的な分類についてのところでは、研究班での検討状況につきまして、もし岩中先生から補足していただければありがたいと思います。
最初に、この資料の1ページ目の現状については、恐らく大丈夫だと思いますけれども、「2.令和4年度診療報酬改定に向けた対応について」の最初の(1)評価の対象等について御意見いただければと思います。有効性をデータで示すことができる技術に限るとか、薬事承認されていない医薬品、医療機器又は体外診断薬を使用するものは、原則として評価の対象外とする。それから、先進医療として実施されている技術を対象とするという内容になっておりますが、この部分につきまして、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。また、途中で何かございましたら、どうぞ御発言をお願いしたいと思います。
それでは、(2)医療技術の体系的な分類についてのところはいかがでしょう。これは、後ほど岩中先生にコメントいただくところで御議論いただくということで、次にさせていただきたいと思います。
それでは、(3)科学的根拠に基づく医療技術の評価のところについて、何か御質問、御意見ございますでしょうか。診療ガイドライン等における位置づけを書いていただきたいということに前回したわけでして、今回は478件について、そのような記載があったということです。よろしいでしょうか。
私、今回、この話を聞いて、もしエビデンスレベルみたいなものが分かれば、さらにいいのかなと思いましたけれども、レベルの分け方もいろいろありますし、難しいかもしれませんけれども、そのように少し思いました。よろしいでしょうか。
それでは、レジストリに登録され、実施された医療技術の評価のところもよろしいでしょうか。主としてダヴィンチが多いということですけれどもね。
それでは、「3.令和4年度診療報酬改定に向けた医療技術評価等の進め方について」の(1)評価の対象等について、いかがでしょうか。先ほどの繰り返しにはなりますけれどもね。
どうぞ。
○岩中委員
今、評価をする対象となる技術と、対象とならない技術の分類を、非常に大量のデータで見せていただいていますが、1点確認させていただきたいことがありまして、ちょっと御検討をお願いしたいと思っています。と言いますのは、対象とならない技術の下のほうのページを見ていただきたいと思います。個別の案件で急に具体的な話をして大変恐縮ですが、実は対象とならない技術のうち、38ページ以降で338103から7件、コメントさせていただきたいと思います。
PDFファイルの41ページ、実際のページでは42ページです。338103 処置の通則の新設(乳幼児処置加算)、104 新生児処置加算。それから、338202 摘便100点に対する新生児加算、乳幼児加算の要望から、その下、338207まで、日本小児外科学会からの提案ですが、これは実は申請書・提案書をしっかり拝見しますと、エビデンス等は全く示されていません。それゆえ、今回、評価する技術から自動的にほぼ外されたものと理解していますが、これに関しましてはいろいろと御意見させていただきたいと思います。
もともと十数年前から、小児医療、周産期医療、救急医療等におきましては、診療報酬の評価において、しっかりと適用していきましょうということで、特に手術におきましては、通則7と8というものをつくりまして、新生児加算、乳幼児加算の適用拡大を進めてまいりました。手術技術に関しましては、ほぼ確立したものと思っていますが、処置におきましては、現在、通則がございません。個別処置に関して、新生児加算であったり、乳幼児加算が設定されていると考えています。
実際、新生児・乳幼児に対する、これらの処置に関しましては、いろいろな処置をするために鎮静が必要であったり、成人では比較的容易な処置が、赤ちゃんが小さいがために非常に技術度が上がるもの、様々なものがございまして、ここに挙げられました全体の通則の新設と個別の処置に関しましては、科学的データ、根拠を見せるのは大変難しい技術だと考えています。従来、この新生児・乳幼児加算に関しましては、可能な範囲で進めていきましょうという経緯がございますので、これをお認めするかどうかは別といたしまして、少なくともこの技術評価をするという方向の位置づけのほうに移していただいたらいかがかと思いますが、どうでしょうか。
○福井分科会長
ありがとうございます。
ただいまの岩中先生の御意見に対しまして、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
私も、最近、作成された便秘の診療ガイドライン、冊子体のものを拝見しました。そこには、先生がまさにおっしゃったとおりのことが書かれておりまして、当然、目の前の患者さんは、例えば摘便などで症状がすぐに改善するのですけれども、科学的なエビデンスは必ずしもないというような記載のところが非常に多くて、当然、保険で認めるかどうかの対象になるような手技じゃないかなと、私、個人的には思いました。
この部分につきまして、総論的には評価の対象外となるかも分かりませんけれども、エビデンスの有無という話になりますと、診療現場では実際のところ、やらざるを得ない手技ですし、患者さんへの効果も多くの人があると思っているのではないかと思いますけれども、いかがいたしましょうか。事務局として、何か御意見ございますか。私としては、対象としてもらえればありがたいのですが。
○堤医療課長補佐
対象とする方向に入れておきます。
○福井分科会長
また、後ほどの資料1-2のところで、そのような御意見をいただければと思いますけれども、一応、岩中先生が御指摘になった点につきましては、評価の対象にするということでよろしいでしょうか。委員の先生方、反対の先生がもしおられないようでしたら、そのように扱いたいと思います。岩中先生、よろしいでしょうか。
○岩中委員
ありがとうございます。
○福井分科会長
ありがとうございます。
それでは、ただいまの評価の対象等についてのところで、そのほかの御意見ございませんでしょうか。よろしいですか。
それでは、医療技術の体系的な分類についてのところで、恐縮ですけれども、岩中先生から補足等ございましたらお願いしたいのですけれども、研究班について。
○岩中委員
ありがとうございます。
先ほどの技-1-1参考6を御覧になっていただきたいと思います。
最初のページは、令和2年度の技術評価分科会でお示しになられました。実は、私が主任研究者をやっております厚労科学研究でこれをやらなければいけなかったのですが、お詫びになりますけれども、新型コロナ感染症対応など、いろいろなことでばたばたとしておりまして、会議体がなかなかうまく運用できませんで、ほとんど活動ができなかったという状況でございました。
前回の医技評でも御説明いたしましたように、それでも今回はオンラインを使いまして精力的に会議を行いまして、2ページ目にありますような解析を始めているところでございます。今日は、医技評の委員の先生方に、こんなやり方でよろしいかどうかも含めまして御検討いただければと思っています。
例えば、下のほうにあります対象術式例、K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿というのは、Kコードで1つの術式の中に入っていまして、診療報酬が同じ点数になっています。
一方で、外保連のSTEM7というのをもう一度改めて御説明いたしますと、7桁のコードで、最初の3桁がいわゆる対象部位、対象臓器。それから、次の2桁が手技などの基本操作、生検であったり、摘出であったり、再建であったり。さらに、その次の1桁が手術部位への到達法です。開腹、開胸によるものであったり、あるいは内視鏡でやるもの、様々な到達法、アプローチによるものが1桁。それから、アプローチのために補助器械を使うかどうか。例えば、内視鏡を使うかどうか、ロボットを使うかどうか、様々なものが1桁ございまして、7桁でつくられています。ですから、1つのKコードに関しましても、ここにお示ししたK0461というのは部位が違いますので、STEM7コードは当然3つございます。
実は、手術時間がDPCには入っておりません。麻酔時間が入っていますので、麻酔時間を代用してヒストグラムを描きますと、ここにありますような山型、大体正規分布が得られるのですが、部位が違いますと手術時間と麻酔時間が右へずれたり、左へずれたりいたします。こういうふうに実際の手技が異なるものに関しましては、診療報酬業務を個別の評価をするべきではないかと考えるわけでございます。
例えば、その下3つ目にあります弁形成術、K5541というのは、皆さん御存じのように、心臓には弁が4つございます。例えば、僧帽弁の形成をするのと大動脈弁を形成するのは術式が全く違いますので、一連のものという形で1つの診療報酬になっていますが、術式も違いますし、難易度も違いますし、手術時間も違います。こういうものを、今回、DPCデータを用いまして分析を始めておりまして、最終的にはそれなりの数の分析ができましたところで、次回の医技評で具体的なヒストグラムの違いをお示しさせていただいて、委員の先生方から、こういうものに関しては個別の評価でKコードを分けたほうがいいのではないかとか、そういうふうな御意見を賜りたいなと考えているところでございます。
今日は、取りあえず解析方法につきまして発信させていただきます。今後の解析結果に関しまして、次回、1月だったと思いますが、1月の医技評のときにもう少し詳細なデータをお示ししたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
○福井分科会長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。委員の先生方から何か御質問、御意見。こういうふうな分析もお願いしたいとか、何かございましたら。よろしいでしょうか。
それでは、1月にまた岩中先生から御発表いただければありがたいです。よろしいですか。ないようでしたら、次に進みたいと思います。
それでは、科学的根拠に基づく医療技術の評価について、資料1-1の一番最後の部分になりますけれども、この部分について何か御意見ございますでしょうか。今回、478件について、ガイドライン等での記載ありという記述をいただいたということですし、レジストリ、ロボット支援下内視鏡手術に関するものが18件といった数値の説明がございました。よろしいでしょうか。
どうぞ。
○岩中委員
何度もすみません、岩中でございます。
ダヴィンチ手術に関しまして、少しだけコメントを追加させていただきたいと思います。このダヴィンチ手術のレジストリ、技-1-1参考8になりますが、そもそもこのロボット支援手術をレジストリによって評価していきましょうというのは、私自身が外保連の会長でもあると同時に、ナショナル・クリニカル・データベースの代表理事をしておりました際に、こういうふうな形が整ったわけでございます。実際問題、既にダヴィンチ手術として収載されていて、悉皆性が高いレジストリが行われていて、その優越性の評価がそれなりに進んでいる領域もございますし、一方で、レジストリは動いているけれども、まだ解析が行われていないもの。それから、今後、レジストリをつくっていきたいものまで、現時点ではまだ玉石混交であります。
ただ、もともとこういうレジストリを使って、その評価をしていきましょうという形になりましたので、結果が出たものに関しましては、医技評のほうでその内容を御紹介していくべきだと思っていますので、その辺に関しましては、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
一方で、大分前になりますが、腹腔鏡手術とか胸腔鏡手術は、以前は全部個別評価で保険収載していたのですが、10年ほど前に、既に開腹手術とか開胸手術、従来手術が技術度が外保連試案で言うCとかDの比較的易しい手術で、それを内視鏡でやっていますというものに関しては、一括採用・採択していきましょうということが示されたことがございます。このロボット支援手術、特にダヴィンチというのは、そもそも手術に際しての目の支援と手の支援を行う医療機械でございまして、実際問題、外科医がやっていますとラーニングカーブが非常に早いですし、本来の腹腔鏡や胸腔鏡の手術に比べますと、非常に確実で安定した手術が、アウトカムは別としましてもできると私自身は理解しています。
要するに、従来の腹腔鏡手術や胸腔鏡手術より、術式としては容易になっている。ですから、本来、腹腔鏡手術や胸腔鏡手術が、外保連試案で言う、いわゆる専門医クラスがやればいいという技術度Dのものに関しましては、ロボット支援手術、そろそろ一括採用を考え始めてもいいのではないかなと実は思っています。これが毎回、内容がさほど変わらないような提案が出てくると、またいずれとんでもない数の提案書が出てくることになりますし、そろそろこのロボット支援手術、それなりの基準を決めた上で自動的に採用する。ただし、診療報酬の点数上は、優越性が示されない限りは、腹腔鏡や胸腔鏡手術と同等の点数とするという形。
経費の係る手術ですので、それを行うかどうかは医療機関にお任せするという考え方を、今回やりましょうというのではなくて、そろそろ検討し始めてはいかがかという提案をさせていただきますので、御検討いただければと思います。
以上でございます。
○福井分科会長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。ただいまの御提案につきまして、何か御質問、御意見。特に外科系の先生方から何かコメントいただければありがたいのですけれどもね。
よろしくお願いします。
○川村委員
帝京大学の川村でございますが、外科医として、これは非常に歓迎したいところと、ちょっと困ったなというところと両方ございます。一括して収載していただけるということは非常にありがたいですし、確かに岩中先生がおっしゃるように、ロボット手術というのは、外科医にとっては技術的には易しい手術になります。もう一つ申し上げれば、年を取った外科医にとって非常に楽である。外科医の定年を延長するという効果もあるのではないかと期待できるようなものだと認識しております。
ですから、私は呼吸器外科ですけれども、呼吸器外科学会でも様々な術式に対するロボット手術申請の準備を進めているところでございますが、時期を見て一括で認めていただければ、それはありがたいかなというところですけれども、一方では、御指摘いただいたように、優位性を示すというところがなかなか難しい。方法論としては同じですので、よりやりやすくなったという部分で、安全性とか、合併症が少なくなるという部分での優位性を示さなければいけないのでしょうけれども、今のところレジストリはがっちりやっていて、症例数もどんどん伸びているのですが、まだ示せていないという状況でございます。
なので、一括して認めていただければ認めていただけるほど、やるほうとしてはだんだん懐具合が厳しくなるなというところは感じているところでございまして、そこに関しましては、将来的にいろいろな御意見をまた頂戴できればと思っております。
以上でございます。
○福井分科会長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
井原先生、どうぞ。
○井原委員
ありがとうございます。
岩中先生の御意見に基本的に賛成でして、以前のこの分科会でも、ロボット手術について、前回か前々回か、導入する際に、今、岩中先生がおっしゃったように、各学会、各施設の御意向、相談の上で、同等の点数で、この分科会は点数を話す会ではございませんけれども、それで御納得いただけるならば、積極的にロボット手術というものは導入していってもいいのではないかとお話しした記憶がございますので、今の岩中先生の御意見に私は基本的に賛成でございます。
それから、1つ、岩中先生にお聞きしたいことがあるのですけれども、よろしいでしょうか。
○福井分科会長
どうぞ。
○井原委員
先ほどのSTEM7の件に戻って恐縮ですが、私は岩中先生のおっしゃるSTEM7の分析によって、現在、同一Kコードであっても、内容が違っていれば、それぞれの評価をするというのには基本的に賛成でございます。
仮に、岩中先生、Kコードで現在分かれている。別途評価されているのですけれども、STEM7でこういった詳細な分析をしてみると、現在、違う評価になっているものが、かなり類似しているということが出た場合には、そこはそこで、また逆方向で、例えば同一にするという柔軟性のある考え方というのも当然出てくるかと思うのですが、その辺り、岩中先生、いかがでしょうか。
○岩中委員
岩中でございます。
ありがとうございます。大変貴重な御意見だと思っています。あくまでもKコードとSTEM7は、STEM7のほうが圧倒的にコード数が多いのですが、一方で、少なくとも診療報酬表を精緻化しようというだけではございませんで、類似できるものに関しては整えていくことも大変重要で、合理化も含めて考えなければいけないと思っております。術式ごとに全部分けますと、三千何百種類という手術に分かれますし、それは作業上も厳しいです。とはいえ、一方で、同じような領域で今まで分けていたものが、実はほとんど同じでいいですねという評価も多分出てくると思います。
ですから、その辺りは、KコードをSTEM7に少し検討していきませんかというお話を当初、外保連から提案させていただいたのも、診療報酬表には、時代の流れとともに、削除があれば追加もある。この追加をするときに、ハイフンで追加したり、スペースで追加したり、科学的な合理性が診療報酬表からだんだんなくなってきているというのを大変危惧しておりまして、もう一度改めてサイエンティフィックな診療報酬表をつくってはいかがか。その1つの手段として、このSTEM7を用いて合理的な解析法もあってもいいのではないかというのを提案させていただいたという意向でございます。
ですから、精緻化に限るものではございませんで、分けられていたものが、実は内容的には同じですね。あくまでも診療報酬表というのは、技術の評価をするものではなくて、点数、価格表だと考えると、ある意味価格の同じようなものは、多少類似性が乏しくてもいい、くっつけてもいいのではないかと思っている部分もございまして、そういうふうな意向で発信させていただきたいなと思っています。
○福井分科会長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。そのほか。
斎藤先生、お願いします。
○斎藤委員
斎藤でございます。
岩中先生から貴重な御意見いただきまして、ありがとうございます。
泌尿器科領域でも、前立腺及び腎がんのオペであらかじめエビデンスが出たものは、それなりの評価をいただいております。一方で、いろいろなオペがダヴィンチでできるということは御存じのとおりでございまして、非常に簡単な手術をダヴィンチでやっているような施設も聞き及んでおります。ということなので、エビデンスが出て優位性が出たものだけちゃんと評価するということで、その他のものは一括して、また採用していくということも今後必要になるかと思いますので、岩中先生の御意見には全面的に賛成いたします。
どうもありがとうございました。
○福井分科会長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
それでは、そのような方向で議論していただくということで、また事務局のほうでも、可能な限り、一括できるところは一括するなりの方向で議論を続けるということでお願いしたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
私、個人的には、ダヴィンチの評価、例えば岩中先生のお言葉を使いますと、目と手の延長というか、拡大というか、その評価、有効性が正当にされているのかなと、何となく思うのです。何か違う視点での評価を加えることで、有効という言葉の中での評価ができないのかなと思っています。例えば、先ほどまさに川村先生がおっしゃった、今まで手術できなかった方ができるようになるということは、医療を今まで以上に提供できることでもありますし、ひょっとして働き方改革という中で、そのようなマンパワーがさらに増えるということは、ほかの医師にとってもメリットのあることですし、単に患者さんの生存率とか、患者さんのQOLだけではなくて、何か違う視点の有効性評価ももっと入っていいのではないかなと個人的には思うところではあります。
ほかに何か御意見、またはコメントなり、思いついたことをいただければありがたいのですけれども、よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、今回の令和4年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価等につきましては、原則的にはアウトカムが改善する等の有効性を示すことができる技術に限るものではありますけれども、それ以外のものもテーマによっては対象とするというコメントを加えた上で、この方針を中医協で発表したいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○福井分科会長
ありがとうございます。
それでは、技-1-2の部分に移りたいと思います。非常に資料の多いところについてでございますが、少し時間を設けますので、恐縮ですけれども、先生方に目を通していただいて、今回、事務局案として、当分科会の対象外と整理されたもののうち、対象とすべきと考えられるものがございましたら、御意見いただければと思います。事務局としては、5分程度の時間でいかがかとなっておりますが、よろしいでしょうか。5分なり、10分なり、先生方、特に関連の深いところについて目を通していただいて、検討対象とするべきものがございましたら、御意見いただきたいと思います。
それでは、今から取りあえず10時50分まで、まず時間を取って、それでもしさらに時間が必要でしたら延ばしたいと思います。10時50分まで資料を見ていただけますでしょうか。よろしくお願いします。
それでは、10時50分になりましたので、御意見を伺いたいと思います。
どうぞ、西井先生、お願いします。
○西井委員
評価の対象とならないものの中で、現在適用となっていない医薬品とかはよろしいのですけれども、それ以外の制度や指導管理、基本診療等に関する提案で、アウトカムを示せないものと理解してよろしいと思います。ただ、全て理由としてそういうふうになっていますので、これは制度で駄目なのか、あるいは指導管理なのか、あるいは基本診療なので適用にならないものか、ちょっと不明なものがございます。それで、全てアウトカムが示せないから適用とならないと考えてよろしいのでしょうか。その辺がございます。
それから、使用する医薬品の承認が確認できないとなっていても、未収載のものはよろしいのですけれども、現在、既収載のものに関しては、これは承認されているのにそのようになっているのはどういうことか、ちょっと分からなかったので、お願いしたいと思います。
○福井分科会長
いかがでしょうか。事務局のほうで今のことに答えられますか。お願いします。
○堤医療課長補佐
事務局でございます。
すみません、通則的なお話しをさせていただきますが、御指摘のとおり、いわゆる管理料につきましては、医学管理等のBと、在宅医療、Cのコードに相当するものがございまして、評価の対象となる区分であることは承知しております。その一方で、先生も今、御指摘ありましたが、医療技術としてアウトカムが改善する等の有効性のデータを示すことができるものと、この分科会での対象となる技術としているところでございまして、この該当性につきまして個別に見ていただくか、データで評価することが難しいものを認めるため、事務局としては対象外としている次第でございます。
今、西井先生がおっしゃられた、具体的にどれが、どうこうというのを御教示いただければと思うのですが、少なくともこの方法にのっとって分類させていただいたという次第でございます。
○西井委員
すみません、西井です。
そうすると、医技評でアウトカム等が記載されていないものと理解していいのでしょうか。
○堤医療課長補佐
こちら、対象外としたものについては、そのように考えております。
○西井委員
使用する医薬品等の承認が確認できないとなっているものに関しても、既収載とあるもので対象とならないというのは、どう理解したらよろしいのでしょうか。例えば、40ページの一番最初の278203 遺伝学検査は既収載ですが、使用する医薬品の承認が確認できないというのは。
○堤医療課長補佐
こちらは適用拡大のお話だったと思います。適用拡大するに当たって、使用する薬剤が薬事未承認であるというところで対象外とさせていただいたものと思います。
○西井委員
了解いたしました。
○福井分科会長
ありがとうございます。
岩中先生、もしよろしければ、先ほど御指摘になった項目を確認させていただきたいのですけれども、小児外科学会から出ているものが複数ございます。
○岩中委員
ありがとうございます。
PDFページの41ページ、全体のページ数では46分の42になる部分の338103、338104。手術に関しましては、既に乳幼児加算とか新生児手術加算という通則が7と8でございます。これを処置として通則をつくってくだされば、基本的にはそれで終わりです。ですから、338103、338104を評価するほうに、検討するほうに移していただいて、これが通れば、その下の338202以下は全部認められるわけですが、特に個別に評価してほしいという338202、203、204、206、207は、成人の方法にしても安過ぎる、低過ぎるということもあって、より厳しく何とかしてほしいという提案ではないかなと私は推測しています。ですから、小児外科学会の処置の加算に関しては7項目。総論的なものが2つと、各論が5つという形になります。
○福井分科会長
分かりました。
○岩中委員
それから、先ほどの西井先生の御質問ともちょっと関係するのですが、よろしいでしょうか。
○福井分科会長
どうぞ。
○岩中委員
例えば、その下のほうにあります378204 医師事務作業補助体制加算を上げてくれというやつだろうと思いますが、詳細な内容を見ていませんけれども、多分そうだったのではないか。これは、これからの医師の働き方改革とか、そういうもので、医療秘書をもっと雇いたいという内容だと思うのですけれどもね。これは、確かに医療技術の評価ではないので、ここにある制度の問題となるので、医技評の提案にはならないだろうと思います。では、必ず毎回議論になるのですけれども、どこへお願いすれば、こういうものが評価してもらえるのですかという御検討をお願いできたらと思います。
○福井分科会長
ありがとうございます。
事務局のほうから意見ありますか。
○堤医療課長補佐
事務局でございます。
御指摘の点につきましては、岩中先生、今、コメントがございましたように、同様の意見を以前から賜っているということは承知しています。この点に関しましては、対象とならない提案につきましては、個別に要望書を頂いて検討しているところでもございます。
ただ、医療技術評価分科会への提案に関して提出すること自体につきましては、内保連や外保連さんを通して対象とならないということは周知しているところでございます。その一方で、それでもなお学会さんが判断として提案していただくという部分に関しては、事務局から駄目ですみたいなことを言うことはなかなか難しいと考えているところでございます。本分科会としては、あくまで医療技術を有効性・安全性等のデータに基づき議論する場であるということをお示しするまでであるということについて、何とぞ御理解いただければと思っているところでございます。
以上です。
○岩中委員
岩中です。ありがとうございます。
これは、いつも同じ答弁なのですが、逆に、これは医技評の議論でやる話ではないことは十分承知しています。でも、こういう提案は何とかしてほしい。これは、別に日本臨床外科学会からだけではなくて、多分、日本病院会とか、いろいろな団体からも何とかしてくれという提案が出ているのだと思いますが、そういうものをどこで受け付けますかという具体的な受付場所を示してくれれば、あえてみんな声を出してこないと思うのです。こういうものはここへ出してくださいという窓口があれば、そっちへ出すはずなのです。あえて医技評に出してこない。だから、その辺をより具体的に事務局としては対応していただければありがたいなというのが私のコメントになります。
以上です。
○福井分科会長
ありがとうございます。私も個人的にいろいろ当たってみたいと思います。
どうぞ。
○矢冨委員
40ページの299101ですけれども、これは注射処方料ということで、本来、注射の処方技術というのは大変重要な技術で、投薬につきましては現行の診療報酬で処方料及び処方箋料が設定されていますけれども、注射に対してはそれに相当するものが全く存在していません。ですから、これは大変難しい問題であることはよく理解していますけれども、本来、この注射の処方料というのは当然考慮されるべきものだと思いますので、その辺りの見解を事務局からお伺いできればと思います。
○福井分科会長
どうしましょうか。今、先生がおっしゃったのは、評価の対象にということではないのですね。
○矢冨委員
ですから、そこのところも含めて。本来、何らかの形で認められるべきものが認められていないので、例えば事務局から、こういう筋道で議論を進めればというアドバイスを含めて、何か御意見、見解をいただければありがたいということです。
○福井分科会長
いかがでしょうか。
○金光医療課長補佐
医療課の事務局でございます。
今、先生から御指摘いただいたのは、資料の40ページ、中段にございます299101の注射処方料についてかと思います。こちらにつきましては、今回、日本内科学会から技術評価提案書という形でお出しいただいていて、この資料上は、医療技術評価分科会における評価の対象にならないものということで整理させていただいているところでございます。
一方で、内保連のほうからは、随時といいますか、幾度か保険局医療課の事務局としては御要望を受ける機会というのがございましたので、そういったところをよくコミュニケーションを取らせていただいて、引き続き、どういった形でできるのか、どういった検討があり得るのかということは議論していくものだと考えてございます。現状、どういった形で事務局がこの御要望を受け止めさせていただいているかということについて御説明をさしあげました。その上で、技術評価提案書のさばき方として、今回、この資料の形の中では、こういった処理をさせていただいているということかと受け止めてございます。
○福井分科会長
評価の対象とすることは適切ではないということですか。もし矢冨先生の御提案で、今回、これも評価の対象にしてみようということであれば、どのような評価の仕方になるのか、切り口が少し違うのかも分かりませんけれども、いかがでしょうか。
○矢冨委員
私としては、評価の対象にしていただければありがたいと思っておりますが。
○福井分科会長
私は、してみればいいのではないかと思いますけれども、いかがですか。事務局としては、もしこれを評価の対象にすると困ることがありますか。
○金光医療課長補佐
事務局でございます。
重ねてでありますが、今回、先ほど西井先生からもいただきましたけれども、制度や指導管理、基本診療料等に関する提案と、使用する医薬品・医療機器等の承認が確認できない御提案については、この医療技術評価分科会における評価の対象にならないものということで整理しているところであります。その中で、委員の皆様方から、ここにはむしろ該当しなくて、そこも含めて、これから年末年始にかけてきちんと議論していくべきだということであれば、それは先ほどの岩中先生からの御指摘もございましたけれども、提案書の中をよくよく見て議論していくものとなるのだと思います。
○福井分科会長
結論的には、評価の対象にしていいという意味ですか。先ほどからの御意見で、どこに持っていっていいか分からないということは非常に大きな問題だと思いますし、もしここで挙がってきているのであれば、そこでまず検討して、その結果に基づいてどうするのかということも含めて御意見を伺えれば、私はいいのではないかと思いますけれどもね。評価の対象にするということで扱いたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
○矢冨委員
ありがとうございます。
○福井分科会長
ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ、西井先生。
○西井委員
オンライン等につきましては、今回、評価の対象となるものが幾つかございますが、対象とならないものの中で、38ページの235101 遠隔分娩監視装置によるハイリスク妊婦管理料、日本産婦人科医会とございますけれども、これも現状、妊婦さんに対しての利便をかなり図る。そして、入院しなければできないようなことに関して、これはオンラインと同じだと思いますし、アウトカムが示されないから対象とならないのかどうかというのはあるのですけれども、これは評価の対象として入れたほうがいいのではないかと思います。
○福井分科会長
ありがとうございます。
それでは、その方向で扱いたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。これは235101ですね。
ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ、お願いします。
○真田委員
看護の真田ですが、よろしくお願いいたします。
今回、なるものとならないものの両方に入っている評価内容があるのですが、どちらが正しいかということでございます。ならないもの、43ページ、既収載の真ん中からちょっと下の606203 病診連携による外来排尿自立指導料とございます。一方では、対象となるもののページですけれども、18ページに同様に同じ名称で入っております。病診連携による外来排尿自立指導料。これは、どちらが正しいのでしょうか。
○福井分科会長
すみません、18ページの何番とおっしゃいましたか。
○真田委員
18ページの346203でございます。
○福井分科会長
分かりました。これは、申請団体名も全く同じなのでしょうか。
○真田委員
提案書のページ数がちょっと違っていて、内容が同じになっています。ですので、どちらか分からないという。
○福井分科会長
いかがでしょうか。事務局、分かりますか。18ページの346203。今、事務局のほうで確認しておりますので、それ以外の御意見、御質問、何かございましたらお願いしたいのですけれどもね。
どうぞ、荻野先生、よろしくお願いします。
○荻野委員
詳細はこの表から確認できないので、本当に申し訳ないのですけれども、38ページの遠隔画像診断管理加算3の廃止ということで、これは大動脈疾患とか急性循環器疾患に対するICTを用いた動きということに逆の方向に行っているようなことなので、どうしてこれが要らないかというのが。エビデンスもなかなか出しにくいことだと思うのですけれども、提案書のページ70が私、開けないので、詳細は分からないのですけれどもね。
○青木委員
それに関して説明させていただきます。青木でございます。
遠隔画像診断管理加算というのは、相手が、受け取るほうが管理加算3だと、送るほうにも管理加算3分がつくという仕組みになっておりましたので、管理加算2はついていいと思うのですけれども、送るほうの体制は3には近づかないので、これは管理加算3を取る分を廃止していただきたいということで、私も申し上げようと思っていたところなのですけれども、制度に関することではありますが、医療費を適切に下げる方向にしか働かないと思いますので、ぜひ評価の対象にしていただければと思ったので、38ページの204205はぜひ対象にしていただきたいと御提案しようと思っていたところです。
○荻野委員
先生、ありがとうございます。
○福井分科会長
ありがとうございます。
○荻野委員
もう一つ、よろしいでしょうか。
○福井分科会長
どうぞ。
○荻野委員
その2つ下ですが、遺伝カウンセリングの適応拡大ということで、私も80がなかなか開かなくて詳細が分からないのですけれども、こういう部分は非常に大事かなと思うのですが、最初の提案書なので、こういうものはエビデンスも何も出しにくいことですので。技術かと言われると、診療加算という意味で非常にファジーなものだと思うのですが、ゲノムの時代でこういったことは非常に大事かなと思うのです。208101です。上から4つ目です。
○福井分科会長
了解です。評価するべきだという御意見があれば、私はすればいいと思うのです。それで、その結果について、皆さんの御意見をさらに伺うということで進めればいいことで、評価自体を駄目だと言う理由は余りないのではないかと思います。それでは、ただいまの遠隔画像診断管理加算のところと、遺伝カウンセリングの適応拡大も評価していただくという方向でお願いしたいと思います。
○荻野委員
ありがとうございます。
○福井分科会長
真田先生の指摘されたことについては、いかがですか。
○堤医療課長補佐
もう少々。
○福井分科会長
そうですか。
そのほか、何かございませんでしょうか。
川畑先生、どうぞ。
○川畑委員
38ページの整理番号201201 抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎に伴う急速進行性間質性肺炎に対する血漿交換療法です。このところの備考として、使用する医薬品・医療機器等の承認が確認できないといった内容になっていますけれども、この血漿交換療法そのものは、いろいろな提案でほかの部分でも今回も検討の対象になっているものもあるのですけれども、これはどうしてこういう分類になってしまったのかということについて、もう少し教えていただければと思います。
○堤医療課長補佐
事務局でございます。
今の川畑先生と、あと真田先生からの御指摘の両方、お答えさせていただきたいと思います。
まず、真田先生の御指摘のほうでございますが、こちらはいわゆる内保連経由のものと三保連経由のもので、2つ同じものが出ていたというところでございまして、すみません、私どもの不備でございました。今の段階では、1つが対象で、1つが対象外になっているというところでございますので、対象内としてもう一つのほうを扱っていくということと。あとは、2つを1つで見ていくと考えております。
もう一つの川畑先生の御指摘の点でございますが、こちらは薬事の承認の範囲外という結論になりましたので、この医療技術評価分科会での対象にはなってこないと考えております。
以上でございます。
○福井分科会長
いかがでしょうか。
お願いします。
○安田委員
東北大学の安田と申します。
39ページの中ほどにあります、番号が261203 四肢の血管拡張術・血栓除去術に関します重症度等の認定に関してのことです。これは、他のカテーテル治療において、同様の手技であるにもかかわらず、四肢だけ、下肢に対するものだけ少し外れているという御指摘でして、整合性という観点からも今回議題に上げてもよろしいのではないかと思いまして、発言させていただきました。
○福井分科会長
ありがとうございます。評価の対象にするという御提案でよろしいわけですね。
○安田委員
そのように思います。
○福井分科会長
いかがでしょうか。
○荻野委員
荻野ですけれども、もう一つよろしいでしょうか。
○福井分科会長
どうぞ。
○荻野委員
43ページの日本静脈学会のところですが、これは恐らくICGが以前の冠動脈と同じように、承認が確認できないということでなっているのではないかと思うのですが、ICGは使ってもいいことになっていて、これはそういう意味では評価の対象に挙げていいのではないかと思います。340102です。
○福井分科会長
すみません、何ページとおっしゃいましたか。
○荻野委員
すみません、43ページの日本静脈学会から出ておるのですが、340102です。四肢リンパ浮腫診断・治療のためのICGによる近赤外線リンパ管・リンパ節造影です。ICGの問題で、多分医薬品承認が確認できないので駄目というコメントが書いてあるような気がするのですけれどもね。冠動脈のSPYというのがあって、インドシアニングリーンを注入して検査するというのは点数がついていると思うのですが。
○福井分科会長
42ページですね。
○荻野委員
すみません、私は43ページで映ってしまうので、すみません。
○福井分科会長
分かりました。それも評価の対象にするということでよろしいですか。
○荻野委員
はい。していいのではないかと思います。
○福井分科会長
ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ、お願いします。
○岩田委員
国立がん研究センター、岩田です。
38ページの真ん中辺り、229204 百日咳の抗体の検査が呼吸器学会から出ています。これは、使用する医薬品・医療機器等の承認が確認できていないということなので、確認なのですけれども、百日咳のIgG抗体の測定法自体は、もうガイドラインにも示されていますし、あと、検査センターとかでもやっている検査なのですけれども、これ自体の承認が取れていないという理解でよろしいですか。
○福井分科会長
事務局、お願いします。
○堤医療課長補佐
事務局でございます。
先生のおっしゃるとおりでございます。
あと、1個前のICGのお話でございますが、こちらも当方で確認している限りは未承認ではないかというところで、今回外させていただいたところでございました。
以上でございます。
○岩田委員
分かりました。
○矢冨委員
矢冨ですけれども、今の百日咳の話ですけれども、ごく最近、これは体外診断薬として承認されたのではないでしょうか。そこのところだけ確認いただいたほうがいいと思います。
○岩田委員
IgMとIgAは承認されたのですけれども、前からやれているPT抗体のIgGというのを一緒に算定できないかということを要望の中で言っているのですが、もしかすると抗PTのIgG抗体というのが薬事承認を得られていないのかも分からないのです。その辺をちょっと確認したかった。
よろしくお願いします。
○堤医療課長補佐
事務局です。
提案書に記載されております医薬品等の中身を精査させていただきまして、今回、こういう結論にさせていただいているところでございます。今、矢冨先生の御指摘のところにつきましては、恐らくこの提案書に書かれていない薬剤のお話なのかなという気もしておりまして、そこまで確認するのは、あくまでこの提案書に基づいて、こちらを書かせていただいているところでございますので、どの製品がどうこうというのは、一つ一つの確認はなかなか難しいかなと考えているところでございます。
以上です。
○矢冨委員
ですから、今の話ですけれども、提案時の情報に基づいて判断するという理解ですか。
○堤医療課長補佐
基本的にはそのように考えております。
○矢冨委員
分かりました。
○福井分科会長
ただ、いつまでの期間についての承認ということをみんなで決めたことがあったと思います。
○堤医療課長補佐
事務局でございます。
こちらにつきましては、対象となる技術の資料の説明の中で、8月末までに確実に薬事承認が得られているものと原則として書かせていただいておりますので、そこの中で今回、このようなリストを作らせていただいたという次第でございます。
○福井分科会長
ありがとうございます。
鈴木先生、どうぞ。
○鈴木委員
指導料・管理料について、提案書を出してもなかなか審議に回らないということについては先ほど議論がありました。その中で毎回上がってきているものがあります。どちらも頭痛に関する診療に関してなのですけれども、39ページの日本神経学会から258104 難治性片頭痛・三叉神経自律神経性頭痛の指導料。もう一つ、40ページに日本頭痛学会から281203 外来診療における慢性頭痛の指導、この2件は内容がかなり近いものですけれども、2つの学会から出て共通部分もあると思うのですけれども、頭痛の診療指導に相当時間がかかっていて苦労しているということは実際に確かなのです。
CTとかMRIを撮って異常がなければ鎮痛薬を処方するという治療だけの時代ではなくて、片偏頭痛の治療で最近、CGRPに対するモノクローナル抗体が出てきています。こういう新たな治療法を適切に使うためのしっかりした問診と診断技術が必要になります。指導料となりますと、非常に曖昧な概念として理解されるかもしれませんがけ、適切に診断する技術と指導をそれにつなげるという意味では、例えば日々の頭痛のしっかりした日記をつけさせて、それを分析すること。それから、CGRPの抗体が効くかどうかというのをしっかりした問診から聴取して判断するという、そういう医療技術面が入っていると思います。
ただ患者さんのお話を聞いて、痛いところはどこですか、どのような痛みですか、という話ではなくて、正確な診断に向かわせるという意味では、これは指導料というよりは、慢性頭痛の治療技術のほうに結びつけて、この両者を一緒に審議の俎上に乗せてもいいのではないかと思います。ぜひ御検討いただきたいと思います。
○福井分科会長
ありがとうございます。
私も評価の対象にするのは全く構わないのではないかと思いますので、まずそのステップを踏むということでいかがでしょうか。
○鈴木委員
ぜひ検討していただければと思います。
○福井分科会長
評価の対象にするということで、ぜひお願いしたいと思います。
荻野先生。
○荻野委員
また荻野ですけれども、すみません。
42ページの日本麻酔科学会から出ている375102の空気予防策が必要な感染症に関する麻酔管理加算ということで、恐らくこれはCOVIDの感染症ということで非常に手間がかかるというか、麻酔科の先生にも負担がかかることですし、外科医は麻酔がかかってから入ってしまうので、意外と被害は少ないのですが、麻酔科の先生、看護師さんが犠牲になられるということだと思います。
それ以外に、今回、結核の患者さんも似たようなことをしなければいけないということがありますので、ここの部分は評価していただいたほうがいいのではないかと思うのですが。
○福井分科会長
ありがとうございます。
恐らく今まで我々が抱いていた医療技術というものと、ちょっと違う制度的なといいますか、行動パターンというものの組合せも、ますます対象にする必要があるという御意見だと思います。また、事務局とも相談したいと思いますけれども、個別に挙げていただいたものにつきましては、今回、評価の対象にするということで、ぜひ進めていきたいと思います。制度的なものをどこに持っていっていいか分からなというのは非常に大きな問題ですので、どうにかそこのところを事務局とも相談して扱っていただきたいと思います。
ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ。
○岩中委員
岩中ですが、1点だけお願いします。個別の項目で恐縮ですが、同じ42ページの354205 自動吻合器加算の適用拡大、日本大腸肛門病学会。これは、実はハルトマン手術という人工肛門をつくっている患者さんの再建術等々で腸切除をするときに吻合器加算をつけてほしいという。今まで吻合器加算が全くついていなかったので、つけてほしい。これは、あくまでも医療材料と医療技術の関係です。これをぜひ検討のほうには回していただきたいなと思います。
○福井分科会長
分かりました。
ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ、お願いします。
○大川委員
明海大学の大川と申します。
2件、確認させてください。42ページの最下段にある器械測色法による色調採得検査(424202)、43ページの上から5番目の接着性レジンセメントを用いた人工歯による欠損補綴処置(440101)、いずれも薬事の承認が確認できないということですが、特に接着性レジンセメントに関しては、現在、日常臨床で使われている材料ですので、要は効能書きの問題なのかどうなのか。器械測色のほうも日常の臨床で使われている器械ですので、薬事の承認が確認できないという中身について教えてください。
○福井分科会長
お願いします。
○宮原歯科医療管理官
事務局でございます。
先生御指摘の2つの技術の薬機法上の承認の使用目的等にちなんで、そこをちょっと確認させていただいて、この技術の詳細を見た際に適用が確認できない部分があるということでございます。この医療技術評価については、診療報酬上、評価しますので、当然薬機法上の承認の適用があるかどうか。また、例えば歯科の複数の技術が重なって、複数の材料が用いられている等々ございまして、そこの部分について何をつくるのか、何を製作するのか等々、使用目的等を見た際にそこの確認ができなかったということで、対象外と整理させていただいたものでございます。
○大川委員
分かりました。薬の場合と同様に、効能書きにないので使用目的外になる、ということで外されるという解釈でよろしいでしょうか。
○宮原歯科医療管理官
そのように理解していただければと思います。
○大川委員
分かりました。
○福井分科会長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、本日もたくさん御意見いただきまして、基本的には評価の対象とするべきだと御意見が出た項目・技術につきましては、評価の対象とするということで進めたいと思います。すみません、一つ一つの項目、メモが完全ではないものですから、今、まとめて申し上げることはできませんけれども、御意見いただいた項目については、確実に評価の対象とする方向で事務局と相談していきたいと思いますし、その結果をまた皆さんで御検討いただければと思います。
○真田委員
すみません、先生、真田です。もう終わりそうになっているのにごめんなさい。
1つだけ質問とお願いがあるのですけれども、対象とならないものの43ページですけれども、603201の在宅酸素のモニタリングの加算適用のところですけれども、保険点数が非常に低くて、1回150点なのです。そして、1回300分使うので、どうしても時間とコストと仕事の内容のバランスが取れないということで、これも既収載なのですけれども、もう一度検討していただけないものか。つまり、1回150点を300点に上げてほしいという要求なのですけれども、これに関しても、ぜひもう一度御検討いただけないかと思います。
○福井分科会長
いかがですか。今まで点数を上げるということについての評価はしてきましたか。
○堤医療課長補佐
事務局でございます。
今回、評価対象外とさせていただいたもの、通則的にまた繰り返しでございますが、あくまでエビデンスがしっかりしているものとさせていただいているところでございまして、その中で今回、事務局の提案として、そのように対象外とさせていただいたところでございます。
○福井分科会長
つまり、点数を増やすだけのエビデンスがないという仕分けをしたということですか。
○堤医療課長補佐
そうだと思いますが。
○真田委員
論文も出ているようなので、もう一度御検討いただけますか。時間数も計算してあるようです。
○福井分科会長
分かりました。では、評価の対象とするという扱いにしたいと思います。
○真田委員
もう一度だけ見ていただきたいと思います。最後になりまして、申し訳ございません。
○福井分科会長
ありがとうございます。
そのほかよろしいですか。
それでは、いただいた御意見、評価の対象とすべきだというものにつきましては、そのような扱いにしていきたいと思います。
それで、各委員への評価の担当割当てについては、これまでどおり分科会長の私と事務局で相談して決めたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。恐縮ですけれども、そのような手続を取らせていただきたいと思います。速やかに割当てを決定して、事務局から評価票をお送りさせていただきますので、その際、詳細な評価の方法も事務局から御連絡させていただきます。
それでは、「医療技術評価分科会における評価の対象となる技術」の議事については、以上としたいと思います。
本日の議題は以上となります。
次回の日程等について、事務局からお願いいたします。
○堤医療課長補佐
事務局でございます。
次回の日程等につきましては、例年どおり、年明け1月上旬から中旬を予定しております。また先生方に日程調整の御連絡をさせていただきますので、御回答のほどよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○福井分科会長
よろしいでしょうか。
議題に「その他」というのが上がっていましたけれども、それはスルーしてしまいましたけれども、ほかになければ、これで終わりたいと思います。
それでは、本日の「医療技術評価分科会」はこれにて閉会といたします。
活発な御意見、どうもありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。
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