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2019年10月31日 令和元年度第2回 診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会) 議事録

保険局医療課

○日時

令和元年10月31日(木)
 13時00分~15時00分

 

○場所

全国都市会館
 第2会議室(3階)
 東京都千代田区平河町2丁目4-2

○出席者

委員

福井分科会長、青木委員、秋下委員、井原委員、岩田委員、植木委員、大川委員、斎藤委員、佐々木委員、真田委員、鈴木委員、西井委員、沼部委員、福田委員、松野委員、安田委員、矢冨委員
 

事務局

森光医療課長、岡田医療技術評価推進室長、小椋歯科医療管理官、田宮薬剤管理官 他

○議題

1 令和2年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について(案)
2 学会によるレジストリ解析について
3 その他

○議事

 

 

○福井分科会長
それでは、定刻になりましたので、ただいまより、令和元年度第2回「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」を開催いたします。
まだ植木先生がお見えになっていないようですけれども、いらっしゃることと思います。
委員の出欠状況でございますが、本日は、岩中委員、荻野委員、北川委員が御欠席との届け出がございます。
前回の会議以降に、事務局に人事異動がございましたので、紹介をお願いします。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
事務局でございます。
それでは、事務局の紹介をさせていただきます。
岡田医療技術評価推進室長でございます。
○岡田医療技術評価推進室長
どうぞよろしくお願いいたします。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
事務局の紹介は、以上でございます。
○福井分科会長
それでは、議事に入る前に、事務局から資料の確認をお願いします。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
それでは、資料の確認をさせていただきます。お手元のタブレットに資料を用意させていただいておりますので、そちらのほうを御確認いただけたらと思います。
マイプライベートファイルの中に入っておりまして、議事次第等がございますけれども、簡単に読み上げさせていただきます。議事次第、委員名簿、運営要綱、本体資料になりますけれども、技―1-1が医療技術の評価についてのもの、それから、参考資料が1、2、3とついております。それから、技-1-2、先進医療として実施されている医療技術の評価について、技-1-3が医療技術評価分科会における評価の対象となる技術(案)、技-1-4が評価様式と参考資料1、2がついております。それから、技-2-1と技-2-2は、本日、2学会より資料を出していただいているものでございます。最後に座席図がついております。
大きなフォルダーのところには、提案書を出させていただいておりますので、適宜御参照いただけたらと思います。
以上でございます。
○福井分科会長
ありがとうございます。
それでは、議事次第をごらんいただきますと、本日は「その他」を含めて、3つ議題が用意されておりますので、よろしくお願いいたします。
最初の議題に入りたいと思います。「令和2年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について」でございます。
事務局より、資料の説明をお願いいたします。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
事務局でございます。
それでは、技-1-1から技-1-4までをまとめて御説明させていただけたらと思います。
最初に、技-1-1「令和2年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価等について」のファイルをあけてください。こちらの資料の御説明をさせていただきます。
まず、「1.現状について」でございますけれども、令和2年度診療報酬改定に向けて、こちらの医療技術評価分科会において、学会等から提出された提案書に基づき、医療技術の評価及び既存技術の再評価に対する検討を行っていただいております。
具体的には、本年1月から5月にかけて、学会等から、今回、合計942件、重複分を含めますと947件の提案書を提出いただいております。学会等からのヒアリングの内容等、前回議論いただきましたけれども、医療技術評価分科会のもとに設置いただきましたワーキンググループの意見を踏まえまして、事務局において提案内容や重複提案の有無の確認を行った上で、「医療技術評価分科会における評価の対象となる技術(案)」を作成させていただきました。
「2.令和2年度診療報酬改定に向けた対応」につきまして、(1)の評価の対象等について、マル1とマル2は、前回も御議論いただいたところでございますけれども、改めてですが、医療技術評価分科会における評価の対象となる技術は以下のとおりということで、丸の1つ目は、評価の対象となる提案は、第1部「医学管理等」から第13部「病理診断」、または歯科の報酬の「医学管理等」から「病理診断」に該当する技術として評価されている、またはされることが適当な医療技術であって、医療技術としてアウトカムが改善する等の有効性をデータで示すことができる技術に係るものに限る。
それから、2つ目のポツですが、提案技術の実施に当たり、医薬品、医療機器または体外診断用医薬品を用いる場合、当該医薬品、医療機器または体外診断用医薬品が、提案技術の用途で使用することについての医薬品医療機器等法上の承認、薬事承認が確認できるものに限って評価の対象とするということで御議論いただいたところでございます。
それから、マル2は前回改定から御議論いただいているところですけれども、先進医療として実施されている技術の取り扱いについて、平成30年度診療報酬改定における取り扱いと同様、評価の対象とする。
次のポツですけれども、先進医療として実施されている技術の評価に当たり、先進医療会議で検討された科学的根拠を踏まえつつ、その他の技術等と同様の評価基準のもと、診療における位置づけや保険適用の優先度等の観点も含め、当該技術の保険適用の必要性・妥当性について評価するとしていただいております。
続きまして、第77回の先進医療会議、こちらは今年の9月5日に開催しておりますけれども、こちらの会議において実施された評価結果の詳細な報告や、スケジュールの前倒し等といった対応を行うこととなっております。
続きまして、(2)内視鏡手術用支援機器を用いた内視鏡手術等の評価は、平成30年度第1回の、こちらの医療技術評価分科会、2月8日開催において、点線の四角のような対応とさせていただいております。具体的には、レジストリに参加することを要件として保険適用された技術については、レジストリへの参加状況及び実績等に基づいて、関連学会等を主体として検証いただいた上で、分科会への報告や検討を行うとともに、引き続き有効性や安全性に係る評価を行うということでございます。本日、2学会より、こちらの報告を行っていただく予定としております。
続きまして、「3.令和2年度診療報酬改定に向けた医療技術評価等の進め方について」ですけれども、(1)令和2年度診療報酬改定に向けた評価の進め方につきまして、本日の分科会において、評価の対象となる技術(案)に基づき、各技術が医療技術評価分科会における評価の対象となるか否かについて検討いただくこととさせていただいております。
その結果、分科会における評価の対象となる技術とされたものにつきましては、今後、医療技術評価分科会において評価を行っていただくものとしまして、評価の対象とならない技術とされたものにつきましては、評価を行わないこととさせていただけたらと思っております。
続きまして、先進医療として実施されている技術につきましては、先進医療会議の検討結果を踏まえて評価する必要があることから、学会等からいただいた提案書等の資料を先進医療会議に共有させていただきまして、先進医療会議の評価に資するために必要な連携を確保することとするとしております。
続きまして、令和2年1月に、例年どおりですけれども、医療技術評価分科会としてこれらの結果を取りまとめ、その後、中医協に報告いただき、中医協総会において最終的な検討を行うというたてつけでございます。
続きまして、(2)、こちらも前回の分科会で出させていただいたものですけれども、医療技術の体系的な分類についてということで、30年度の診療報酬改定で、DPCにおいて手術のKコードとSTEM7を併記し収集することとさせていただいておりまして、ちょうど平成30年度分の1年間のデータを抽出したところでございます。
今後は、こちらのことにつきましては、専門家からなる検証・検討の場を設けさせていただいて、本データの検証等を通じ、体系的な分類方法の検討、課題の抽出あるいは特定の診療分野における試行的な導入等について、来年度中を目途に検討させていただけたらと考えております。
続きまして、(3)内視鏡手術用支援機器を用いた内視鏡手術等に対する評価についてですけれども、今回、分科会に提出された提案書に関連しまして、レジストリに係る検証がなされた日本肝胆膵外科学会及び日本胸部外科学会から、検証結果を報告いただくこととしております。これを踏まえまして、当該提案書の評価を行うこととしてはどうかというところでございます。
続いて、今後、レジストリを要件とする以下の技術、下段の表に1から18までございますけれども、関連学会等から分科会に対して当該技術に関連した提案書を提出いただいた場合は、当該技術に係るレジストリへの参加状況及び手術等の実績等について検証を行った上で、検証結果を当該提案書に添付することを求めてはどうか。中には、これに該当しない技術があると思いますけれども、それらにつきましては、レジストリに係る検証がなされた段階で、分科会に対して報告するように、関連学会に協力を求めることとしてはどうかということでございます。1から18については、ご覧いただけたらと思います。
以上が資料-1-1でございます。
続きまして、1-2「先進医療として実施されている医療技術の評価について」、ご覧いただけたらと思います。
先進医療のほうの「これまでの経緯」でございます。
重複があるかと思いますけれども、まず、先進医療として実施されている技術に係る提案の受付については、平成28年度診療報酬改定より、当分科会においても行うこととしておりまして、さらに、こうした技術の評価について、30年度評価改定において、先進医療会議の評価結果を踏まえて、他の技術とも網羅的に検討を行ったということでございます。
続いて、30年度の改定では、答申書の附帯意見において、このような指摘がございまして、先進医療を含む技術の評価のあり方について、分科会と先進医療会議との連携・役割分担を含め、引き続き検討することとされております。
「2.令和2年度診療報酬改定に向けた方向性」として、このような経緯も踏まえまして、先進医療の技術の評価については、まず先進医療会議において評価していただいて、その評価を踏まえて分科会において評価することとされておりまして、第1回でも、先進医療会議で評価された科学的根拠を踏まえつつ、同様に評価するということをさせていただいております。
スケジュールの前倒しのことについて、次のポツで書かせていただいております。2段落目ですけれども、今後、先進医療として実施されている技術のうち、診療報酬改定に向けた評価対象技術とされたものとして、※が書いてありますけれども、先進医療会議において検討されることとしております。
次の類型としては、先進医療Aと先進医療Bといったものを参考に書かせていただいております。
「3.今回の提案状況等」につきまして、具体的な提案技術名と学会を書かせていただいておりますけれども、今回、分科会に対して提案のあった技術のうち、現在、先進医療として実施されている技術と同一、または似ているといいますか、関連していると考えられる技術は、以下のものでございます。こちらも表がございますので、ごらんいただけたらと思います。
これらの技術のうち、先進医療会議の評価対象技術になったものにつきましては、先進医療会議における検討に資するよう、提案書等の資料を共有する等の連携を行うこととしております。
最後に、「4.今後の対応について」ですけれども、先進医療会議における評価対象技術とされていて、マル1の、技術が分科会に提案されていない場合につきましては、これまで同様、先進医療会議の評価を踏まえて、分科会として評価を行ってはどうか。
マル2で、当該技術と類似または同一のものが分科会に提案された場合につきましては、提案理由と先進医療との類似点または相違点等を確認の上、分科会に提出された提案書等の資料等を先進医療会議に共有することとしてはどうか。その後、先進医療会議の評価結果を踏まえて、分科会として評価を行ってはどうかとしております。
(2)先進医療会議において評価対象技術とならない技術につきましては、分科会に提案があった場合につきましては、先進医療としての実施状況も踏まえつつ、分科会において他の提案と同様に評価を行ってはどうかとさせていただいております。
以上が1-2でございます。
次に、また戻っていただきまして、技-1-3「医療技術評価分科会における評価の対象となる技術(案)」をごらんください。こちら、大変厚い、ページ数の多い資料でございますので、簡単に説明させていただきます。
ページを1枚おめくりいただきまして、1枚目に概要を書かせていただいております。こちらが今回の評価の対象となる技術(案)の概要でございます。
項目として、一番上、提案書の提出があった技術が合計942件。
マル1で、うち、評価の対象となるものが730件、新規が290件、既存が440件。うち、先進医療会議において科学的根拠等に基づく評価が行われる予定の技術に係るものとして、8件ございます。
次に、マル2ですけれども、評価の対象とならないものが212件。うち「基本診療料」または医療技術としてアウトカムが改善する等の有効性をデータで示すことができない、制度や指導管理等に係るものが157件。うち、使用する、いわゆる薬事承認が確認できないものが55件。これらについては、評価対象とならず、×とさせていただいております。
2番目が、先進医療会議において科学的根拠等に基づく評価が行われる予定の技術が、現在のところ26件というところです。
注1から注3にそれぞれの数字の注釈を書かせていただいているのと、注4、注5についても、補足として参照いただけたらと思います。
特に注5ですけれども、分科会の開催までに材料制度により保険適用された等の提案もございまして、こちらのほうは、事前に学会等の協議の上、提案書の取り下げをさせていただいている。既に保険適用されているものございます。
次のページに、今、申し上げた件数の対象のページ数等がございますので、こちらは一覧がございますので、適宜御参照いただけたらと思います。
最後に、またお戻りいただきまして、技-1-4の評価票の様式でございます。こちらは、前回まで御議論いただいておりますけれども、最初が保険未収載技術の評価票、続いて、保険既収載の技術の評価票ということで、こういった評価票で評価いただけたらということで提示させていただいております。
事務局からは、以上でございます。
○福井分科会長
ありがとうございます。
それでは、個別の提案について議論する前に、今、櫻本補佐が説明された技-1-1、大きな方針の資料と、技-1-2、先進医療に係る評価についての文書がございましたが、この2つにつきまして、何か御意見、御質問等ございましたら、お願いしたいと思います。技-1-1と技-1-2です。
どうぞ、秋下先生。
○秋下委員
1-1のことですが、医療技術としてアウトカムが改善する等の有効性をデータで示すことができる技術に係るものとするということで、現段階で評価の対象とするものは、そういう視点でも選ばれていると思いますが、例えば、そこに残っているものの中で、提案書を出した後に出てきたエビデンスというものを、要するに論文化されたものということになるかと思いますが、そういうものを追加の資料として提出することはいかがなのでしょうか。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
基本的には、提案書をいただいた時点のエビデンスで評価させていただいておりまして、追加的に何らかのエビデンスが出ることはあり得るのですけれども、そちらについて、提出を形式的にしていただくことはできないような状況となっております。
○福井分科会長
たしか、以前もこのことについて、御意見がございまして、提出した時点でのという話になったような気がしますが。
○秋下委員
そういうルールなら結構かと思います。なるべく最新の情報を取り込むという意味で、例えばそれがつい最近、著名な雑誌、例えばニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに出たということがあって、それをみんなが知っていればいいのですけれども、知らないようなものが反映されないで、あと2年間過ごすというのはどうなのかなという気もしたものですから、一応、確認させていただきました。ルールならば、それに従えばよろしいかと思います。
○福井分科会長
また、そういうことがありましたら、その都度おっしゃっていただければ、ルールを変えるべきだということになるかもしれません。フレキシブルに対応していただければと思います。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。1-1と1-2でございます。全般的には、前回とほぼ似たような手順で評価しようということでございますので、よろしくお願いします。
それでは、技-1-1と技-1-2の内容につきましては、中医協に報告することになっているようですので、来週の中医協のその下の会議だと思いますけれども、そこでこういう方針で評価することになっていますという報告をしたいと思いますので、御了承をお願いします。
次に、技-1-3、いつも5分から10分の間、時間をとって先生方に目を通していただいて、特に対象外と整理されたもののうち、対象とすべきと先生方が考えられる技術がございましたら、御意見いただければと思います。それでは、25分まで、とりあえず時間をとりまして、もしもっと必要だということであれば、その時点でまた御相談したいと思いますので、どうぞ御自由に見ていただければと思います。
評価の対象にならないリストは38ページからです。
(資料確認)
○福井分科会長
もう少し時間をとりたいと思います。
そろそろよろしいでしょうか。
制度や指導管理等に係るもの157件、医薬品医療機器について承認が確認できないもの55件の計212件、評価の対象とならないものがございます。特にそれらについて、評価したほうがいいのではないかという御意見、ございませんでしょうか。
西井委員、どうぞ。
○西井委員
今回の評価対象とならないものの中に、医学管理料等がかなり入っているのではないかと思います。これについて、制度とか基本診療料あるいは指導ということで、一括して評価対象にならないとなっているのですけれども、その辺が、どれによってというのが、ちょっとわかりづらいかなと思いましたので。
○福井分科会長
お願いします。
○和泉医療課長補佐
事務局でございます。
先生、確認ですけれども、今、対象外になっているもののうち、管理料のものが比較的多いのではないか、というご指摘で間違いないでしょうか。
○西井委員
そうです。医学管理料は、今回、評価するので提出していただいているわけですね。ですので、医学管理料が入っているのではないかと思いました。
○和泉医療課長補佐
事務局でございます。ありがとうございます。
中身のほうを事務局及びワーキングの先生方にもお話を聞きながら確認させていただいたところでございますが、管理によって、何らかのアウトカムが変わるであるとか、介入によって、こういった改善が見られるといったような、データも含めて示されたものについては、割合としてはもしかしたら少ないのかもしれませんけれども、評価の対象内としているものもあるかと思います。一方で、管理料と言ってもデータで評価することが難しいのではないかというものについては、評価の対象外としてはどうかという形にさせていただいておりまして、結果として少し多い割合で対象外になっている形になっているかと存じます。
○西井委員
そうすると、ここは医学管理料の中においても、アウトカム等を示されないものが評価対象とならないということですね。
○和泉医療課長補佐
そのとおりでございます。
○福井分科会長
ほかにはいかがでしょうか。
松野先生、どうぞ。
○松野委員
松野ですが、ちょっと個別の案件ですが、一覧表で言いますと47ページの704101は、病理検体からDNAを採取してシークエンスを行うということで、遺伝子の変異があるかどうかを見る方法だと思います。これは多分、こういうことはほかのところでもされているのではないかと思っているのですが、使用する医薬品とか医療機器の承認が確認できないとなっていまして、この辺がどういうことでこういうふうになるのかを教えていただければと思います。多分、ほかにも恐らく同様の案件があるのではないか。いわゆるシークエンサーを使って変異を見るという形のものは、どういう理由で難しいのかということを教えていただければと思います。
○福井分科会長
はい。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
御指摘いただいてありがとうございます。
今の御指摘につきましては、例えばこういった遺伝子検査について、現行で保険適用されているものであっても、同じようなもので薬事が通っていないものがあるのではないかというお話でしょうか。
○松野委員
同様の検査が保険適用になっているのではないか。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
最初に原則としてお示しさせていただいたように、同様の検査が保険適用されているものというのが、それまでのいろいろな経緯で入っているもの、入っていないものがあるかと思いますけれども、今回の医療技術評価分科会としてのルールとしましては、まず入り口で薬事承認がとれているか、とれていないかというところで検討させていただいておりまして、それに基づくと、この遺伝子変異の診断法、704101につきましては、現時点では承認が確認できないということで、こちらのほうに出させていただいているというのが現状でございます。
○福井分科会長
まず、もし保険適用を考える場合には、承認をとってもらうというステップを踏んでいただきたいということですね。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
そのとおりでございます。
○福井分科会長
ほかにはいかがでしょうか。
矢冨先生。
○矢冨委員
これも個別の案件になるのですけれども、資料の48ページの真ん中あたりの悪性腫瘍遺伝子検査マイクロサテライト不安定性検査です。備考に、使用する医薬品・医療機器等の承認が確認できないとあり、評価対象になっていません。実際には、最近、保険収載されたと理解しています。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
御指摘いただき、ありがとうございます。
これは個別の案件になるのですけれども、今回のこれについての判断としましては、使用目的が保険適用されているものと違いまして、これに関して言うと適用外になるところでございます。
○矢冨委員
わかりました。
○福井分科会長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
○矢冨委員
細かいことですが、ある学会からの提案で、造血器腫瘍遺伝子検査とありますが、実際にはHTLV-1関連検査です。標題にこれを明記いただいた方がよろしいと思います。
○福井分科会長
ありがとうございます。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
御指摘を踏まえまして、今後対応させていただきたいと思います。
○福井分科会長
どうぞ。
○和泉医療課長補佐
事務局でございます。
先ほど矢冨委員から御指摘いただいた件ですけれども、私ども、学会の先生方からヒアリングする機会を設けまして、もろもろの提案について御説明を頂戴していて、そこで薬事承認の話とかもさせていただいたところでございます。時間が限られておりまして、幾つかの提案のディスカッションしかできなかったところでございますが、気づいた範囲で、医療課のほうから、この薬事はどうかという情報提供であったり、あるいは薬事がまだとれていない。であれば、どういった方策があるかというところも含めて、可能な限り、情報提供させていただいたのですが、引き続き検討させていただきたいと思います。
ありがとうございます。
○福井分科会長
ありがとうございます。
鈴木先生、どうぞ。
○鈴木委員
前回の平成30年度の改正のときも、私、質問した記憶があるのですけれども、これだけ医療技術評価の審査対象にならないものが出てくるということは、きわめて非効率的なことを各学会の保険担当委員の方々はなさっているということを申し上げたと思います。ですので、提出する時点で、この分科会の俎上に上らないというインフォメーションをしっかり与えたほうがいい。つまり、本資料に掲げてあるような制度、指導管理料に関するものは、審査の対象外だということ。それならば、審査対象外の案件はどこにどのようなルートで上げたらいいのかというのを、しっかりアナウンスすべきじゃないかと申し上げた記憶があるのですけれども、いかがでしょうか。
○福井分科会長
事務局、お願いします。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
御指摘ありがとうございます。
先生から、前回、前々回だったかもしれませんけれども、同様の御指摘いただきまして、特に評価の対象とならないことが、もし最初からわかっているのであれば、もう少し効率的なやり方があるのではないか。それに関して、事務局のほうでも検討させていただきますというお答えをさせていただいたと存じます。
これにつきましては、我々としても、まず最初に、今回は薬事のルールを例えば8月ということを明確にさせていただいた上で、可能な限り、例えば今回提出いただいている窓口となっている内保連とか外保連といったところにアナウンスさせていただきまして、当然個別に伺ったときには、そのような御説明を可能な限りさせていただいているところでございます。
ただ、さはさりながら、どういった方法で事務局等にそういった要望を伝えているのかというところで、そこは前回も同じような議論だったかと思うのですけれども、個別に要望書とか御提案いただいた上で検討させていただいているところでございます。その上でも出すという学会の御判断というのはあり得たところだと思いまして、そういったところはあります。
それと、診療報酬上の点数で、例えば麻酔という点数で麻酔に入るというのは非常にわかりやすいのですけれども、基本料なのか、管理料なのか、在宅なのか、あるいはリハビリなのか、手術なのか、処置なのかみたいに、多少悩むものもあって、そういったものをよく見ると、管理料だったり、基本料のたぐいのもの、基本料の加算といったものもございまして、ちょっと判断に悩むものを出していただいたということもあり得るかと思います。
ただ、先生から御指摘いただいたように、引き続き効率的にやっていけるように、我々としましても関係団体等に周知徹底させていただきたいと考えております。
○鈴木委員
よろしくお願いします。
○福井分科会長
それでは、事務局の仕事の効率性は、評価の対象とならないものの案件がどれくらい減ってきたかが指標になるかもしれませんので、過去、今まで何件ぐらいあった、今回は212件ですけれども、次回は50件に減ったといったことを示していただければ、よいのではないでしょうか。どうぞよろしくお願いします。
どうぞ。
○斎藤委員
今の関連で。鈴木先生、本当におっしゃるとおりでございまして、学会としては、青本のAからD、基本料から管理料から在宅に関しては、どういうルートで出していいか。医技評のルートじゃないということがなかなか理解できないのです。だから、A、B、Cに関しては、医療課に要望書を直接出してくださいとか、逆にそういう表現にしていただいたほうが、学会としてはわかりやすいと理解しますけれどもね。要するに、AからDの範囲の要望は、どういう形で出してください。こういうルートがありますよということをお示しいただいたほうがありがたいかなと思います。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
御指摘ありがとうございます。
いろいろな御意見をいただいているところでございます。ただ、こちらの分科会につきましては、あくまで医療技術を評価する会ということで、お示しする部分については、医療技術の評価はここですよというところをお示しさせていただければと思っております。
ほかの部分につきましては、我々としましても適宜御要望いただいているところでございますので、引き続き、そちらはそちらで進めさせていただきたいと考えております。
○福井分科会長
ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
それでは、今回の評価の対象とならないものとして、212件、事務局から挙げられているものについては、このままの扱いとするということで御了承をお願いいたします。
(首肯する委員あり)
○福井分科会長
ありがとうございました。
それでは、評価票、または評価の方法について、いかがでしょうか。技-1-4につきまして、何か御意見、御質問等ございませんでしょうか。前回と同じということでよろしいですね。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
さようでございます。
若干補足させていただきますと、技-1-1の参考2のところに、今後の進め方のパワーポイントといいますか、1枚の図にしたものがございますので、こちらを御参照いただけたらと思っております。きょうの段階では、評価(案)ができて、第1回の医療技術評価分科会で、先進医療に係る技術と評価対象のものと評価対象外というものを分けているところでございまして、今後、委員による事前評価というところをお願いさせていただきたいと思いますので、そのときに使っていただくのが1-4の評価票というたてつけでございますので、御参照いただけたらと思います。
○福井分科会長
よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○福井分科会長
それでは、この評価票を用いて、医療技術評価分科会における評価の対象となる技術につきまして、これから委員の先生方に御評価いただき、その結果を踏まえて、当分科会としての評価結果を取りまとめたいと思います。
各委員の先生方への割り当てでございますが、事務局と私に御一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○福井分科会長
よろしくお願いいたします。
それでは、速やかに割り当てを決定し、事務局から評価票をお送りさせていただきます。その際、詳細な評価の方法も事務局から御連絡させていただきます。ありがとうございました。
それでは、議題2に移りたいたいと思います。「学会によるレジストリ解析について」でございます。事務局より説明をお願いします。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
事務局でございます。
前の議事におきまして、令和2年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価で御説明させていただきましたとおり、学会によるレジストリ解析につきましては、学会の皆様方の協力も得ながら、分科会で御報告いただくよう進めていったらどうかということについて、御了承いただいたところでございます。
今般、本分科会に提案いただきました提案書に関連しまして、2つの学会より、こうしたレジストリの取りまとめがなされたと伺っております。つきましては、関連する学会より、簡単にではございますが、こうした解析の御報告をしていただきたいと考えております。
まず、日本肝胆膵外科学会から、中村先生に御報告いただきます。よろしくお願いいたします。
○学会発表者
肝胆膵外科学会、九州大学第一外科の中村でございます。
レジストリ報告とともに、ロボット膵頭十二指腸切除について、あと肝臓のレジストリについて、お話させていただきます。
まず、膵臓に関してですが、これは論文作成中のデータですので、その中には入っていないのですが、口頭で説明させていただきます。1年前に保険収載されました腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術は、術前のレジストリを行っています。その結果が3年分出ましたので、御報告させていただきます。
技術としましては、膵頭十二指腸切除という手術があります。これは、主に膵臓の腫瘍、膵臓の頭部と体部に分かれるのですが、膵臓の右側、十二指腸とか膵臓、胆管などがついております膵頭部というところを、腹腔鏡で切除して腸管をつなぎ合わせるという技術であります。この腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術の対象期間は2016年から2018年で、NCDで腹腔鏡下膵頭十二指腸切除は術前登録で、開腹の膵頭十二指腸切除は術後登録ということで、腹腔鏡のほうがより厳しいレジストリ。と言いますのは、術前ですから、成績が悪かったものなどを除外できないという、腹腔鏡のほうが厳しい縛りで、後ろ向きで開腹との比較をしております。
対象は、腹腔鏡は保険の縛りがあって良性腫瘍で、開腹のほうは全ての膵頭部腫瘍となっています。
結果ですが、これはマッチングというものを行いまして、もともとは腹腔鏡162例、開腹が2700例余りあったのですが、患者背景を整えて141例で解析しています。結果としましては、手術時間は腹腔鏡のほうが当然長いのですが、手術時間が短い。そして、手術式死亡に変わりはありませんでした。このマッチングですが、手術式死亡に差はなかったのですが、腹腔鏡は0例で、0%で、開腹のほうは1例で0.7%という結果でした。
また、ネガティブなデータとしては、有意差はないのですが、膵液瘻という膵切除特有の合併症が腹腔鏡でやや多い傾向がありました。これは、膵液瘻の最大のリスクファクターは良性腫瘍ということです。膵がんの場合は膵管が詰まりまして、膵液がほとんど出ない状態になっていますので、膵液瘻はそもそも起こらない。開腹は、半分以上は膵がんと思われます。このような背景があって、死亡率に差がなかったということで、このレジストリ解析からは、腹腔鏡下の膵頭十二指腸切除というのは、全国で非常に安全に行うことができたということが言えるかと思います。
次に、この延長でロボット支援下膵頭十二指腸切除について、説明させていただきます。これは、提出資料の2番目からになります。技術の概要としましては、今、御説明しました腹腔鏡下の膵頭十二指腸切除を、ロボットを用いて行うというものです。今回は、本後ろ向きの比較試験は、ロボット手術と先ほどのレジストリを行いました腹腔鏡下の膵頭十二指腸切除を比較しています。
次の3番目に移らせていただきます。
対象技術ですが、ロボット支援下と比較対象は腹腔鏡下膵頭十二指腸切除。
対象期間は2019年まで。
ロボットはまだ保険で認められていませんので、症例数は5施設からの51例になっています。これは、症例数が少ないので、マッチングは行っておりません。
次のスライド、4番目です。
結果ですが、ロボット手術は、ロボットを合体させたり、患者から外したりという操作で時間がかかりますので、手術時間は延長しておりますが、実際の手術中の手技自体はこれほど長くないと思います。
ここで注目されますのは、ミニマム・インベーシブ、腹腔鏡とかロボット手術が腹膜をあけないということで、臓器に対して非常に低侵襲で行われているわけですが、この開腹移行というのがロボットでは0%だった。腹腔鏡下の低侵襲膵頭十二指腸切除で最も困難なのは、再建であります。膵臓を切除しました後は、膵管と腸管、胆管と腸管、消化管と腸管。しかも、膵管は成人では1~2mmぐらいしかありません。そういうものを吻合するということで、技術的には非常にハードルが高い。しかしながら、ロボット手術では再建が100%行うことができたということが大きいかと思います。
合併症、膵液瘻、術後死亡などには差はありませんでした。
ということで、本邦においては、ロボット手術は手術時間が長かったのですけれども、安全に行われている現存の腹腔鏡下手術に比べても、低侵襲で手術を完遂できる率が非常に高いということが言えるかと思います。
ちなみに、膵頭十二指腸切除は、肝胆膵外科の統計で見ますと症例数がどんどんふえています。肝胆膵外科学会領域では、肝切除、膵切除がメジャーなわけですけれども、肝切除は、皆さん御存じのように、肝炎の減少とともに年々どんどん下がってきているのですが、膵頭十二指腸切除の数は年々上がっています。現在、膵がんは、日本において死因の4位、アメリカでは3位。アメリカにおいては、2025年に2位になると言われています。日本もそれを追って3位、2位と上がっていく。
これに加えまして、そもそも膵がんというのは、日本ではアメリカの3倍ほど多いという統計があります。ということで、ロボット下の膵頭腫瘍切除というのは、今後の日本のがん治療において非常に重要な地位を占めることが考えられますので、これは非常に重要な技術だということを提唱させていただきたいと思います。
もう一つ、お手元の資料にはありませんが、これも3年ほど前に肝臓の大きな手術、いわゆる解剖学的切除と言われるものですが、肝臓の右側半分を取ったり、区域という血管に沿って切除するという方法が3年前に保険で認められまして、これも前向き登録を行っています。
お手元の資料にないのですが、この結果も発表されておりまして、こちらは肝臓腹腔鏡下切除の術前登録数は9372例ということで、小さい切除も全部入っています。1万例近くの数が集積されています。これを解析した結果ですが、全術式の死亡率30日が0.13、90日が0.24と。2016年に拡大されました、いわゆる解剖学的という難しい肝臓切除の場合も、90日死亡で0.62%、30日だと0.22%ということで、非常に安全に施行されています。大事なことは、これは腹腔鏡下肝切除がどんどんふえている。どんどんふえていますが、非常に安全に施行されているということで、こういう技術がいかに根づいているかということかと思います。
最後に、開腹と比較しましても、腹腔鏡下の肝切除のほうが、難しい手術の肝切除も区域切除、小さな肝切除のいずれも腹腔鏡下のほうが低い死亡率になっているということが報告されています。今、投稿中です。
以上、発表させていただきました。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
ありがとうございました。
ただいまの御発表につきまして、御質問等ございましたら、お願いいたします。
○福井分科会長
データには、どれぐらい代表性があるか。これはちゃんとした研究ではないですので、本当に感触で結構ですけれども、例えばレセプトデータで何倍ぐらい手術をやっているけれども、そのうちの50例とか200例を見ているという代表性についてのデータは何かあるのでしょうか。
○学会発表者
膵臓に関しましては、NCDに登録しなければ保険が支払われないということで、ごく一部、自費で行っている特殊な例を除いて、98%程度はカバーできていると思います。
肝臓も肝臓内視鏡外科研究会というのとNCDの2つでレジストリしていましたが、両方とも論文作成中で、そのいずれにおいても内視鏡外科のほうが死亡率は低かったということで、2つを合わせますと、ほぼ100%カバーできていると思います。
○福井分科会長
開腹あるいは腹腔鏡下のものは、ほぼ100%であっても、ある程度セレクトされているわけですね。
○学会発表者
当然、全ての技術はセレクトされていると思います。それで、腹腔鏡下膵頭十二指腸切除はマッチングを行って、患者背景をそろえた。しかしながら、この中で病気に関してはそろえていない。というのは、膵頭十二指腸切除に関してはがんに認められていませんので、逆に言うと腹腔鏡の膵頭十二指腸切除のほうが条件の悪い患者。実は、がんのほうが合併症が起こりませんので、圧倒的にがんがいないので、そういう悪条件の中で比較しても死亡率等に差がなかったということが言えるかと思います。
○福井分科会長
ありがとうございます。
ほかに何か御質問ございませんでしょうか。よろしいですか。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
ありがとうございました。
続きまして、日本胸部外科学会より、前田先生に御報告いただきます。よろしくお願いいたします。
○学会発表者
日本胸部外科学会を代表しまして、プレゼンさせていただきます。大阪大学心臓外科の前田でございます。よろしくお願いします。
お手元の資料の2枚目をごらんいただければと思いますけれども、本案件と関係するのが経カテーテル的大動脈弁置換術についてでございますけれども、御存じのとおり、高齢化社会になりまして、高齢者の病気である大動脈弁狭窄症というのが右肩上がりで増加しております。高齢者の方が多いということで、これに対して、通常のサージカルAVR、開胸で心停止を伴った状態での手術というのは極めてリスクが高いということで、このカテーテル技術を用いて大動脈弁置換を行うことが、2013年に本国内で保険償還されております。
今回、こういったものを取り決めるに当たって、2012年から大動脈弁狭窄症と関連すると思われる学会よりなる協議会(TAVR関連学会協議会)を中心に、これまで施設認定とか指導医といったものを導入しておりましたので、簡単に御説明させていただきます。
3枚目をごらんいただければと思いますけれども、TAVR関連学会協議会と申しますのは、こちらにあります日本循環器学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本胸部外科学会、心臓血管外科学会、そして経カテーテル心臓弁治療学会の5学会で現在、その代表の先生方よりなる協議会でございます。また、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の先生もお招きして、年に3から4回の会議を行っております。
目的としましては、国内への安全なTAVR導入を目的に運営しておりまして、先ほど申しましたように、施設認定、指導医・実施医認定、そして今回御紹介させていただきますレジストリを管理しているものでございます。2013年の保険収載後、NCDに全例登録するというのがマストでございまして、次の4ページ以降、この経カテーテル的大動脈弁置換術が実施できる施設基準というのも、この協議会で何度も議論しまして作成させていただきました。かなり厳しい基準でございます。
開心術の数、いわゆる通常の手術の数。そして、PCIの数、カテーテルをどのぐらいやっているかという数といったもの。胸をあけませんので、レントゲンを見ながらでの手技になりますので、ハイブリッド手術室が設置されているか等の基準を設けております。
5ページ目、続きになりますけれども、下のほうにレジストリというものが書いてございます。JACVSD、今はJCVSDでございます。NCD内のJCVSDにデータを全例登録して、国の指導のもと、TAVR関連学会協議会が中心となり、データベースを作成することというのが施設基準でございます。
次の6ページを見ていただければと思いますが、この7月現在、こういった施設基準を満たす施設は168施設で、当初よりは増加率が大分減っていますけれども、現状としては170近くの施設が国内で認定されているところでございます。
また、7ページ目ですけれども、専門施設・指導施設といいまして、施設の中でもきちんとレジストリが登録されていて、かつ症例数も多くて、指導するに値する施設を、細かくサーティフィケーションしているというところでございます。
同様に、8ページですけれども、実施医・指導医の認定もこの協議会が行っている次第でございます。
9ページですけれども、これが実際にNCDを用いたレジストリでございます。Japan Transcatheter Valve Therapy Registryです。JTVTレジストリとございますけれども、先ほど申しました、全例NCDへの登録を義務づけられておりまして、これが施設基準のときに開心術のJACVSDにしっかり登録されているかというのをチェックされます。及び、この施設認定がおりて3年間の認定期間がございまして、更新のときにNCDのデータベースでちゃんと全例登録されているかという確認して、更新、承認ということになっています。
年1回、データマネジャー会議を開催しておりまして、その他、先ほど申しましたように、NCD、関連学会の事務局の先生方、学術委員の先生方でなるデータ運営幹部会を開催しております。
済みません、こちらに載せるのを忘れたのですけれども、恐らく国内で初だと思いますけれども、このNCDレジストリを用いてPMSを行ったというのも特記すべきことかと思います。
あと、TAVR治療成績、このレジストリのもとでの成績でございますけれども、これはことし行われましたJTVTという学会がございまして、学会の会長講演で発表させてもらったものを運用させていただきます。解析は、全てNCDにて行っていただいています。
11ページですけれども、年間登録数、年間症例数になりますけれども、今、2018年には6000例近くの症例がありまして、現段階でも6500以上、施行されているということで、右肩上がりに増加していることがうかがえるかと思います。
英語で恐縮ですけれども、12ページの一番上の行の年齢をごらんいただければと思いますけれども、平均84歳です。非常に高齢な患者さんが対象であるということを御認識いただければと思います。
ちょっと飛びまして、14ページです。1万7000例のデータベースからのデータですけれども、平均年齢84歳を対象に30日死亡が1.4%と、極めて良好な成績かと思います。
ちょっと申しわけないですけれども、参考資料として20ページに、世界のレジストリと本邦のTAVRの初期治療成績というのを載せさせていただきましたけれども、これは世界のレジストリのイニシアルの成績と、本邦の最初の5800例時点での成績を比較しておりますけれども、1.3%と極めて良好な成績であることが提示できるかと思います。
16ページでございますけれども、1.4%というモータリティ、30日死亡に関しましては、導入当初から若干下がったものの、1.5%前後を推移しているといった統計が出ております。
17ページですけれども、カテーテルの進歩等もございますけれども、年々、合併症の発生率も減っているといったデータでございます。
最後に、まとめでございますけれども、平均年齢が84歳と、超高齢でありました。
いわゆるSTS trend、STSと言いますのは、開心術をしたときの30日死亡というのは、アメリカからのデータで計算式、スコアがございまして、こちらのスコアで各施設、通常の開胸手術がいいのか、カテーテル手術がいいのかというのを判断して適用基準を決めておりますけれども、こちらは変化がございませんでした。今回議論いただきたい大腿動脈アプローチの割合は、カテーテルがどんどん細くなっているためにかなりふえていまして、9割近くが大腿動脈アプローチで行われているところです。
以下、提示したとおりです。ありがとうございました。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
御発表ありがとうございました。
ただいまの御報告につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
先生、お願いいたします
○秋下委員
東京大学の秋下と申します。大変すばらしい成果をありがとうございました。
平均年齢が84歳ということで、老年病学が専門ですので、こういう方をどうするのかというのは、コストパフォーマンスの点からも非常に悩むことが多くて、元気で認知機能も保たれている方であれば、むしろ、きょう示されたように積極的に低侵襲の治療というのもあります。
御質問ですけれども、レジストリの仕組みの中で、もう少し長いスパンのアウトカム、例えば1イヤーモータリティとか。
○学会発表者
御指摘ありがとうございます。
申し上げるのを忘れてしまったのですけれども、これは通常のレジストリと違って、最低1年間のフォローアップが全例設けられております。ですから、各先生方にかなり御迷惑をおかけしているのですけれども、そこがこのレジストリの仕組みでございまして、PMDAからもそういった要望がございまして、今、先生がまさにおっしゃられたとおり、手術してもすぐに亡くなられてしまうような治療ではいけないということで、1年までのフォローアップ。PMDAが5年までのフォローアップを全部ここに入れるシステムになっております。
○秋下委員
また次の機会がありましたら、ぜひそういったデータを示していただければありがたいと思います。
ありがとうございます。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
そのほか、いかがでしょうか。ありがとうございました。
今回、分科会に対して提出いただいた提案書に関連しまして、2つの学会からレジストリの検証結果を御報告いただきました。これらを踏まえまして、当該提案書の評価を行うこととさせていただけたらと思います。先ほどの技-1-1の資料にあったとおりでございます。
以上でございます。ありがとうございました。
○福井分科会長
ありがとうございます。
これで議題2が終わりました。
「その他」は、特に事務局のほうからはないですね。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
特にございません。
○福井分科会長
それでは、本日の議題は以上となります。
次回の日程等について、事務局からお願いします。
○西井委員
その他で。今回の学会からの提案にも、内視鏡手術支援下が幾つかあると思います。現在は、内視鏡手術支援下となりますと、ダヴィンチ・サージカル・システムのものを使っている。この評価について、今後、御存じのように、幾つかの諸外国、あるいは我が国においても、そのようなロボット内視鏡支援下のものが出てくる中において、この技術評価分科会の中で同じような扱いで評価するのか、どのように考えているのかというのをちょっとお聞きしたかったもので。単なる腹腔鏡手術のアシスト的なものから、同じようなダヴィンチのようなものが幾つかあると思いますけれども、その辺をちょっとお聞きしたかったのです。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
御指摘ありがとうございます。
実は、ロボット支援下でありますとか、新しい技術につきまして、中医協の総会のほうでも議論させていただいております。こちらのほうの議論では、従前、これまでの取り扱いと同じことですけれども、例えば新しい技術が入ったときに、その時点で有効性・安全性が既存のものと非劣性といいますか、同等のものというところまで証明されているものにつきましては、従前と同じような点数だったり、そういうところで保険収載をしていく。
場合によっては、今回、医技評のほうでも議論いただいておりますけれども、さらにデータが必要なものに関しましては、学会等でレジストリを行っていただくことを要件にするといった議論をさせていただいた上で、さらにそのデータを集めていく中で、よりすぐれたデータでありますとか、それこそOSがいいとか、いろいろデータがあると思いますけれども、そういったものが出た段階では、さらに評価を検討するといった形を考えております。
○福井分科会長
ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、次回の開催については、日程調整を今後やっていただくということで。
○櫻本医療技術評価推進室長補佐
今後、日程調整させていただいて、後日連絡をさせていただきます。
○福井分科会長
では、本日の「医療技術評価分科会」は、これにて閉会といたします。
どうもありがとうございました。
 

 

 

(了)
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