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2017年10月23日 平成29年度第1回 診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会) 議事録

保険局医療課

○日時

平成29年10月23日(月)
 13時00分~15時00分


○場所

中央合同庁舎第5号館 共用第7会議室(6階)
 東京都千代田区霞が関1-2-2


○出席者

委員

福井分科会長、青木委員、秋下委員、渥美委員、井原委員、岩田委員、岩中委員、大川委員、荻野委員、斎藤委員、佐々木委員、真田委員、鈴木委員、西井委員、沼部委員、福田委員、松野委員

事務局

迫井医療課長、古元企画官、小椋歯科医療管理官 他

○議題

1 平成30年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について
2 内視鏡手術用支援機器を用いた内視鏡手術の評価について

○議事

○福井分科会長

 それでは、1時になりましたので、ただいまより平成29年度第1回「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」を開催いたします。

 分科会長を仰せつかっております福井です。どうぞよろしくお願いいたします。

 議事に入らせていただく前に、委員の交代がございましたので、御紹介させていただきます。

 前回の会議より、小山分科会長代理、和泉委員、大滝委員、重藤委員、田中委員、本田委員、松村委員、米山委員が御退任となっております。そして、今回から新たに、8名の委員の方々が就任されております。お名前を御紹介させていただきますので、簡単に御挨拶をお願いいたします。御挨拶はできましたら1分以内でお願いしたいと思います。

 順天堂大学の青木茂樹先生です。

○青木委員

 順天堂大学放射線科の青木です。今まで放射線学会の理事長だった九州大学の本田先生がやっていましたが、そのかわりということなのだと思いますが、放射線関係を専門としておりますので、よろしくお願いいたします。

○福井分科会長

 国立がん研究センター中央病院の岩田敏先生、よろしくお願いします。

○岩田委員

 4月から国立がん研究センターの感染症部に勤めております岩田と申します。3月までは慶應義塾大学におりました。私は感染症を担当させていただくということで、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○福井分科会長

 明海大学の大川周治先生、お願いします。

○大川委員

 明海大学歯学部の大川と申します。日本大学歯学部の松村委員の後任として入りました。専門は義歯、入れ歯です。歯科補綴学分野を担当しております。どうぞよろしくお願いいたします。

○福井分科会長

 東京医科大学の荻野均先生、お願いいたします。

○荻野委員

 東京医科大学心臓血管外科の荻野と申します。ずっと東邦の小山先生が10年間ぐらいこの委員を務められたと思うのですけれども、右も左もわからないかもしれないのですが、よろしくお願いいたします。

○福井分科会長

 帝京大学医学部附属溝口病院の西井修先生。

○西井委員

 帝京大学の溝口(みぞのくち)と申しますけれども、産婦人科の西井と申します。産婦人科の中で、特に私は婦人科あるいは手術臨床関係を専門としております。前の田中先生の後任ということで仰せつかっておりますので、よろしくお願いいたします。

○福井分科会長

 日本歯科大学の沼部幸博先生。

○沼部委員

 日本歯科大学生命歯学部歯周病学講座の沼部と申します。私は、10年ほど務めていらっしゃいました和泉委員の後任という形でお世話になることになります。専門は歯周病学なのですけれども、歯科の中では保存修復学または歯内療法学、歯周病学という保存関連の学問の中に位置するものになります。どうぞよろしくお願いいたします。

○福井分科会長

 もうお二人、新しく就任された先生方がおられますけれども、本日は御欠席です。

 国立循環器病研究センターの安田聡先生、東京大学の矢冨裕先生でございます。

 続いて、委員の出欠状況について報告いたします。今、申し上げました安田先生、矢冨先生に加えまして、北川委員が御欠席です。

 続きまして、前回の会議以降に事務局に人事異動がございましたので、紹介をお願いいたします。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 事務局の紹介をさせていただきます。

 医療課企画官の古元でございます。

○古元医療課企画官

 古元と申します。よろしくお願いいたします。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 そして私は、医療技術評価推進室長補佐の木内でございます。よろしくお願いします。

○福井分科会長

 続きまして、議事に先立って、今回、小山先生が御退任されたため、会長代理の指名を行います。これは診療報酬調査専門組織運営要綱第3条第4項によって、会長が指名することとされています。私から指名させていただきたいと思います。

 岩中先生にお願いしたいと存じますが、よろしいでしょうか。

○岩中委員

 岩中でございます。ありがとうございます。

○福井分科会長

 どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事に入ります前に、事務局から資料の確認をお願いします。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 資料の確認をさせていただきます。

 机の上に紙で配付している資料でございますけれども、座席表と委員名簿、その下に議事次第がございます。そして、診療報酬調査専門組織の運営要綱をつけております。

 その下に本日の資料をつけておりまして

 診調組 技-1-1 平成30年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について(案)

 診調組 技-1-2 先進医療として実施されている技術の評価について(案)

 診調組 技-1-3 医療技術評価分科会における評価の対象となる技術(案)

 診調組 技-1-4 技術評価票(案)

 診調組 技-1-4参考1 医療技術評価提案書

 診調組 技-1-4参考2 医療技術評価提案書 記載要領

 診調組 技-2 内視鏡手術用支援機器を用いた内視鏡手術に対する評価について

がございます。

 今回、技-1-3に対象となる技術の一覧がございますけれども、具体の提案書の中身につきましては、委員の先生方の机に配付しておりますタブレットに入れてございます。

 タブレットのPDFのほうでは、都合上200ページごとに別ファイルになってございまして、提案書のページ番号が例えば500ページでありますと、3番目のファイルをごらんいただくような形になってございます。お手数ですが、よろしくお願いいたします。

○福井分科会長

 それでは、本日の議題の「1.平成30年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について」でございますが、事務局より資料が提出されておりますので説明をお願いいたします。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 事務局より、平成30年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について、御説明いたします。

 まず、資料は診調組技-1-1「平成30年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について(案)」をごらんください。これまでの経緯、検討状況でございますけれども、平成30年度診療報酬改定に向けましても、診療報酬における医療技術の適正な評価の観点から、当分科会におきまして、学会等から提出された医療技術評価・再評価提案書を評価するということで検討を行ってございます。

 具体的には、本年1月から5月にかけまして、合計966件の提案書で、厚生労働省のほうに提案をいただいております。今般、そのヒアリング等を事務局のほうで行いまして、提案内容の重複の有無等の確認を行った上で、当分科会の評価の対象となる技術の案を作成しております。後ほど御説明いたします。

 2番でございますけれども、評価の対象となる技術、進め方についての事務局の案を御説明します。まず、提案書の提出された技術について、これは従来どおり、評価の対象となる提案につきましては、医科診療報酬点数表、歯科診療報酬点数表の特掲診療料の「医学管理等」から「病理診断」までというところに該当する技術、あるいはそこで評価されることが適当な技術であって、なおかつ、医療技術としてアウトカムが改善する等の有効性をデータで示すことができる技術に係るものとするということでございます。具体的には、基本診療料であります初診料、再診料ですとか、入院基本料等はここでの評価の対象とはしないということ。それから、いわゆる指導管理に係る技術とありまして、医療技術としての評価になじまないものも対象とはしないという整理でございます。

 2つ目のポツでございますけれども、この技術の実施に当たりまして、用いられる医薬品、医療機器、体外診断用医薬品におきましては、用途におきまして薬機法上の承認、医薬品医療器機等法上の承認が必要になるということで、このような承認が確認できるものを評価の対象とするということでございます。

 マル2でございますけれども、ここは従前と異なる内容になっておりまして、先に、1枚下にあります診調組技-1-2「先進医療として実施されている技術の評価について(案)」と書いております別の紙を御説明させていただきたいと思います。

 これまでの経緯でございますけれども、平成28年度改定より、先進医療で実施されている技術につきましても提案書の受付を行っております。ただし、平成28年度改定に際しましては、2年前の1030日の医療技術評価分科会におきまして「先進医療については、先進医療開始時の検討を行っている先進医療会議で、その詳細な実績に基づき評価することが望ましい」とされまして、この保険導入の可否に係る評価につきましても、先進医療会議で評価が行われるものにつきましては、先進医療会議のほうで評価をすることとされたところでございます。

 一方、平成30年度診療報酬改定におきましても、先進医療に係る技術、提案の受付を行っておりますけれども、この取り扱いについては、引き続き検討するとされていたところでございます。

 そして、2番は先進医療からの保険導入についてですけれども、現在、新規医療技術の保険導入等に係る検討につきまして、医療技術評価分科会、当分科会と先進医療会議の2つの評価主体でそれぞれ実施されているということがございます。

 中身はポツで書いておりますけれども、当分科会では、2年に1度という診療報酬改定に向けて、長期スケジュールで分野網羅的に評価を行っているということでございます。一方、先進医療会議におきましては、新規医療技術の中でも特に先進性が高いということで、保険外併用療養として実施をされるものにつきまして、まず、保険外併用療養としての実施の適切性についての検討を行っておるわけでございますけれども、この先進医療として実施しておる技術につきましては、保険導入の適切性に関する検討も2年に1度の診療報酬改定に合わせて行っているという現状にございます。

 2つ目のでございますけれども、複数の分野、複数の臓器等の治療にわたる医療技術というものもございまして、保険導入に当たっては、分野横断的・網羅的に検討する必要があるという御指摘がございます。

 3番に今後の対応ということで、案をお示ししてございます。今回の平成30年度診療報酬改定に向けてということでございますけれども、先進医療として実施されている技術につきまして、以下のとおり評価をしてはどうかということでございます。

 まず(1)で、先進医療会議において科学的根拠等に基づく評価が行われる予定の技術、これは具体的には後ろに注がありますけれども、先進医療Aで行われている技術と、先進医療Bの技術であって、薬機法上の承認が整っているものであって、なおかつ総括報告書が提出されているものということになるわけでございますが、このような先進医療会議において評価が行われる予定の技術であって、なおかつ、当分科会にも学会等から提案書の提出があったものにつきましては、まず、先進医療会議において科学的根拠等に基づく評価を取りまとめまして、その評価結果を先進医療会議から当分科会に報告をしていただく。そして、この技術の保険導入の可否につきましては、学会等からの提案書、ヒアリングに関する資料、先進医療会議における評価結果も踏まえまして、当分科会において他の技術とともに検討を行うこととしてはどうかということでございます。

 次のページに参りまして(2)でございます。同様に、先進医療会議で評価が行われる技術のうち、学会等から当分科会に提案書の提出がなかったものでございます。これも同様に、先進医療会議におきまして、科学的根拠等に基づく評価を取りまとめて、当分科会に御報告いただく。当分科会におきまして、その評価結果も踏まえ、他の技術とともに保険導入の可否を行うこととしてはどうかということでございます。

 最後に(3)で、当分科会に提案のある技術であって、先進医療会議において科学的根拠等に基づく評価が行われる予定のない技術というもの。これはまだ先進医療会議のほうで実施中であるとか、そういったものが該当しますけれども、これにつきましては従前どおり、当分科会におきまして、その保険導入等の評価を行うこととしてはどうかということでございます。

 もとに戻りまして、1枚目の紙です。2の(1)のマル2でございますけれども、先進医療において実施されている技術につきましては、今、御説明しましたとおり、当分科会において評価の対象とすることとしたいと思います。(2)の評価の進め方でございますけれども、この後、後ろにつけております評価の対象となる技術の案を事務局でまとめておりますので、これに沿って、本日、各技術が評価の対象となるか否かについて御検討をいただきたいと考えております。評価の対象となる技術とされたものにつきましては、今後、委員の先生方に評価をお願いしたいと考えております。一方、評価の対象とならない技術とされたものについては、評価を行わないということといたします。

 平成30年1月に医療技術評価分科会として評価の結果を取りまとめまして、中医協へ報告いたしまして、中医協総会において最終的な検討を行うこととしたいと考えております。

 次の、評価対象技術の案につきましても、概要を御説明させていただきます。診調組技-1-3の冊子でございます。おめくりいただきまして、2ページに件数の集計を載せております。まず、項目のマル1、学会等から医療技術評価分科会に提案書の提出があった技術は、今回は966件ございました。このうち評価の対象となるものと対象にならないものを案としまして事務局のほうで分けております。評価の対象となるものは807件で、新規技術が314件、既存技術は493件でございました。これを評価の対象とするということでございます。

807件のうち先進医療会議において評価が行われる予定の技術に係るものは12件ございました。これについては、先進医療会議からの報告もこちらのほうで受けるという形でございます。

 また、その下、医療技術評価分科会における評価の対象とならないものとして分類しておりますものが159件ございます。このうち、基本診療料でありますとか、あるいは医療技術としてアウトカムが改善する等の有効性をデータで示すことができないものが127件。また、医薬品、医療機器等につきまして、薬機法上の承認が確認できないものが32件という内訳になってございます。

 マル2でございます。これは先進医療会議において科学的根拠等に基づく評価が行われる予定の技術でございます。当分科会に提案がないものとあるものと、合わせて33件ございまして、これにつきましても評価の対象とするというようなことで考えてございます。

 具体の技術のリストを4ページ目以降に掲載しておりますけれども、まず、4ページ目から35ページまで、評価の対象となるものということで掲載しております。保険に未収載であるか既収載であるかというところは「未」または「既」という形で左端に掲載しております。また、整理番号は、事務局のほうで整理の都合上つけさせていただいた番号でございます。その後に学会等からの申請に係る申請技術名、申請団体名の主たるものを掲載してございます。表の一番右端に提案書のページを掲載しておりまして、これはタブレットにも入っております具体の提案書のページと一致しております。

 ちょっと飛びまして36ページに、先進医療会議において科学的根拠等に基づく評価が行われる予定の技術に係るものを掲載しております。12件でございます。こちらにつきましては、先進医療会議のほうでも評価が行われまして、その報告書等をこちらのほうでもあわせて評価をするような形といたしたいと考えております。

37ページから43ページまで、ここに医療技術評価分科会における評価の対象とならない技術ということで、リストを載せてございます。備考の欄に、対象にならない理由について簡単に記載をさせていただいております。

 1点、修正がございまして、41ページをごらんいただければと思います。中ほどですけれども、整理番号の339105「喉頭形成術(チタンブリッジを用いた)」という技術の掲載をしております。「使用する医薬品・医療機器等の承認が確認できない」ということで、このように整理をいたしたところでございますけれども、承認の見込みが確認できましたので、こちらにつきましては、この表ではなくて評価の対象とするというところに移したいと考えてございます。

 件数もこれにつきまして、1件変動するということでございます。

44ページと45ページにつきましては、一部再掲でございますが、先進医療会議において科学的根拠等に基づく評価を行う予定の技術というものでございまして、これにつきましても、保険適用の可否につきましては、分科会での評価を行うということでございます。

 技-1-3につきましては以上でございますが、最後に、技-1-4についても簡単に御紹介させていただきます。これから、評価の対象とされた技術につきましては、委員の先生方に分担をいただいて、評価をしていただくことになります。そのときの様式ということで、保険未収載と既収載に分けて評価票の案をお示ししております。従前のものと同様でございますけれども、当該技術の保険収載に係る必要性・妥当性であるとか、倫理性・社会的妥当性あるいは実施施設の限定の必要性の有無等につきまして評価をいただくほか、コメントという形で定性的なコメントをいただくという形で考えております。こちらにつきましては、後日、評価票等を実際にお送りする際にも、さらに詳細に御説明させていただければと思っております。

 参考としまして、各学会等から提案をいただいた際の提案書の様式、記載要領をつけてございますので、参考にごらんいただければと思います。

 事務局からの説明は、長くなりましたが、以上でございます。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 ただいま説明していただきました個別の技術のことについては、後ほど見ていただいた上で御意見を伺います。その前に、技-1-1、技-1-2で説明されました平成30年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価、先進医療に係る提案書の取り扱いに関して御意見を伺えればと思います。特に先進医療につきましては、先進医療会議ではなくて、こちらで保険収載についての最終案を出すということが大きな変更でございます。それを含めまして、委員の先生方から御意見を伺えればと思います。いかがでしょうか。

 岩中先生、どうぞ。

○岩中委員

 岩中でございます。前回の改定のときにも議論になった、先進会議と医技評とのすみ分けといいますか、そういう形で、今回、一歩進んで医技評のほうに重点を置く。最終的な判断を持ってくるという形に仕組みを少しお変えになられたということで、それに関しては、私は異論を申し上げるつもりはないのですが、基本的に先進医療は、非常にすぐれた能力、施設、技術を持っていらっしゃる施設が施設単位でやりたい、あるいは医師単位でやりたいという話で、この医技評に出てくるものは、基本的に提案書という形で学術団体の主な学会から来る。そもそもその先進医療そのものが、学会の中でどのように認められているのかという部分を無視して、先進医療で評価されているからというので学術団体の意向を聞かずに医技評のほうに提案書が来ることに関しては、いささか疑問があります。

 その点からいきますと、先ほどの技-1-2の「3.今後の対応(案)」の(1)は構わないと思っております。先進医療会議で現在、評価されているものあるいは評価が終了したものに関して、学会がこれは認めてほしいという形で提案書を出している技術ですので、それは了解できるのですが(2)の先進医療会議で審査している技術のうち、医療技術評価分科会に提案書の提出がなかったもの。それは恐らく学術団体が先進医療会議で評価されている内容を、まだ標準化すべきではない、あるいは標準化する順位としてはまだそれほど高くないという発信をしている技術に相当しないかということで、仮にこれを(2)のマル2のように、ほかの技術とともに網羅的に検討を行うという場合に、提案書がこちらに届いていないのに医技評としてどのような形で評価をしていくのかということに関して、少し質問をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 御指摘ありがとうございます。先生からも御指摘がありましたとおり、まさに先進医療と当分科会の寄って立つ情報のもとといいましょうか、当分科会では学会等の提案に基づいて評価を行うというところに、まさにこれまで評価が二元になっていたというところを調整する必要があるということだろうと思っております。

 御指摘がありましたとおり、学会等から提案書がこちらのほうに来ていないような技術につきましては、先生からのお話がありましたとおり、学会のほうで優先度が高くないと判断したという可能性もございますし、また、どういう理由で提案書が出されていなかったのか。やはり保険適用にはまだふさわしくないということであるのかどうかにつきましては、事務局のほうでも個別に学会等にも調整をさせていただきまして、進めさせていただければと思っております。

 先生の御指摘のとおりかと思います。

○岩中委員

 追加でいいですか。そうすると、その案件に関しては、先ほどの提案書の案件、九百何十件の外側に、まだ提案書のない評価項目になるかもしれないものがあるという理解でよろしいですか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 まさに(2)のところが該当するわけですけれども、先進医療会議のほうで評価が取りまとまって、こちらのほうに報告された際に、それにつきましては、医療技術評価分科会においても検討する必要があるわけですが、その検討に当たりまして、各学会等の見解も踏まえて行うように調整させていただければと思っております。

○岩中委員

 わかりました。

○福井分科会長

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

 今、岩中委員が御指摘された、資料技-1-2の「3.今後の対応(案)」の(2)は特に新しいところなので、私も疑問に思いました。先進医療会議で認められて、当方に諮っていただくということになると思うのですが、そこで意見が分かれた場合の調停はどのような場で行われるのでしょうか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 この趣旨でございますけれども、先ほど御説明したとおり、保険適用に係る検討というものが、従来先進医療会議と当分科会の2カ所でそれぞれ行われていたというところがございまして、今回、当分科会に検討の結論を一本化しようということで考えてございます。ただし、先進医療会議におきましては、個別の技術の用途、科学的根拠につきまして検討を行っているというものでございますので、その科学的根拠に基づく評価を先進医療会議のほうで一回取りまとめていただいて、その結果を当分科会に御報告いただいて、それも含めて評価をしていただきたいという趣旨でございます。

○鈴木委員

 その後の最終的な判断はこちらのほうに権限があると考えてよろしいのでしょうか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 当分科会の結論を中医協に御報告したいと考えております。

○福井分科会長

 確認ですけれども、先ほど岩中先生がおっしゃったことで、学会等からの提案書の提出がなかったものも、ここで評価するということですか。先ほどちょっと曖昧な言い方をされていたように思うのです。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 今、先生から御指摘のあった「3.今後の対応(案)」の(2)でございますけれども、先進医療会議においても評価が行われる予定の技術については、当分科会に提案書の提出がなかったものにつきましても、先進医療会議から報告をいただいて、当分科会で評価をするということで考えております。

○福井分科会長

 いかがでしょうか。

 岩中先生。

○岩中委員

 具体的に医技評で審査するときに、先進医療のデータとかそういうものが、先進医療の結果だけが医技評のほうに回ってきて評価をするのか、あるいは先進医療に携わっている学術団体が後出しでもう一度審査をしろという形で医技評に追加で提案書を書いてきて、ちょっとおくればせながらみたいな形で、後でやってくるのかに関して、具体的にどういうプロセスをお考えでしょうか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 おくればせながらといいますか、こちらで評価をするに当たりまして、先生が御指摘のとおり、学会等の見解が非常に大事でございますので、事務局のほうで学会等と調整をさせていただく。具体的には、保険適用に適したものであるかどうかといったところを確認させていただきたいと考えております。

○福井分科会長

 つまり、学界全体のコンセンサスにはならないのだけれども、ある特定の先進医療を行っている施設、そこで先進医療を行っている先生方の意向と、つまり、学会とまだディスクレパンシーがある状態で、先進医療をやっている先生方の意向をかなり尊重した形で、ここで審議する。そういう図式ということでよろしいのでしょうか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 評価を行うというのは、保険適用の可否について検討するということでございまして、検討するという意味ではそのとおりでございます。

○福井分科会長

 井原委員、どうぞ。

○井原委員

 私が理解した範囲では、要するに、この提案書と同様のもの、同一のものではないけれども、先進で認められたものについて、事務局の側で学会というフィルターを通すといいますか、そこで何らかの様式で学会の意見をきちんと把握した上でこちらに提案されてくる。そして、決定はこの医療技術評価分科会で行う。こういう理解を私はしたのですが、それでよろしいということですか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 先生が御指摘のとおり、学会の見解を確認させていただきたいと考えております。

○福井分科会長

 渥美委員、どうぞ。

○渥美委員

 今の話で、ただ、これは先進医療を保険に入れるということの、基準というものが技-1-2の先進医療保険導入の検討についてのほうで、先進医療会議のほうでも保険導入の適切性に対する検討を行っているということですが、先進医療で、学会提案書だと、大体これぐらいの点数にしてくれとか、これぐらいの人数とか、かなり学会というか、一応読んで、想定して出してくるわけですけれども、その想定が相当難しいのではないかと思うのです。その想定というのは、共通に何か、先進会議のほうでおやりになっているのか、事務局というか厚労省のほうでそういう何か、新規にしても、普通の提案書とちょっと違う面があるのではないかと。その辺はいかがでしょうか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 先進医療会議のほうでございますけれども、保険外併用療養の一形態としての先進医療として新規の技術の評価を行うということがメーンの内容でございまして、この実施が終わりますと、結果という形で、まさに有効性であるとか安全性をどのように評価できるかという評価をするということでございます。

 先進医療のほうで、そのような評価を行いまして、また、有効性・安全性等の程度につきまして、科学的根拠に基づいて保険導入が相当と言えるかどうかというところの御報告をまとめていただくということで考えております。

○渥美委員

 要するに、点数とかいうものはなかなか難しいというか、ルールを決めておやりになっていると考えていいのでしょうか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 今回、保険導入に係る検討につきましては、当分科会で取りまとめるということでございます。従前より当分科会でそのような形でおまとめいただいておりましたけれども、個別の点数ということになりますと、改定率との関係もございまして、個別にここで何点ということを議論してはこなかったという経緯がございます。

○福井分科会長

 斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員

 この件に関しましてですが、先進医療が始まった時点では、要するに、保険導入を目指して行うということで、先進医療会議というのは御存じのとおり、月1遍やっているわけです。私も先進医療のほうの技術委員でいるのでよくわかるのですが、それで倫理性を含めて、かなり突っ込んだ議論で認めてきた。この会議は、医技評のほうは、2年間に1遍、大体3回から4回の委員会で決めていくので、こちらのオーケーをもらわないと通らないというと、せっかく先進医療で評価が出て、早く保険導入に持っていきたいときに、タイムラグが出るというか、患者にとって不利になる可能性があるのではないですかという質問。もう一つは、先進医療のほうではこういう新しい、今までのシステムと変わるという、先進医療の専門家会議でこの話はオーケーをもらっていますかと。この2点です。

○福井分科会長

 どうぞ。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 説明が不十分だったかと反省しております。まず、先進医療会議でございますけれども、先生が御指摘のとおり、月1回実施をいたしまして、新たな医療技術を迅速に保険との併用を認めて患者さんに使っていただけるようにするというようなことで、迅速な評価を行っておるところでございます。

 一方、保険外併用療養、先進医療として実施するというところは迅速なのでございますけれども、その後の保険適用につきましては、やはり改定とあわせて実施をするということで、2年に1度行ってきたというところでございまして、そうしますと、当分科会の検討と、どちらが早い、遅いということはございません。

 今、御説明をいたしました先進医療会議と当分科会の関係につきましてのこの検討内容でございますけれども、既に同じ内容で先進医療会議のほうでは検討をいただきまして、このような内容で了解をいただいているということでございます。御報告を失念しておりました。

○福井分科会長

 福田先生と私が先進医療会議の委員でございまして、ちゃんとこの話は伺っております。いかがでしょうか。

 それ以外の部分については、ほとんど2年前と同じ手順になると思いますけれども、今回は事務局案でやってみて、また何か問題があるようでしたら、次回の分科会でそれを反映した改善を図るということで、今回の手順につきましては、これでよろしいでしょうか。事務局案でやらせていただいてということで、お願いできますでしょうか。

(首肯する委員あり)

○福井分科会長

 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。

 次に、医療技術評価分科会における評価の対象となる技術、先ほどの事務局の御説明では技-1-3について、少し時間を設けますので、目を通していただき、今回、事務局案として当分科会の対象外と整理されたもののうち、対象とすべきと考えられる技術がございましたら、この場で御意見をいただければと思います。

 毎回5分くらい時間をとっているのですけれども、それで足りますでしょうか。もしよろしければ、10分近くとりたいと思います。対象外となっているものの中で、これは対象にしたほうがいいかどうかを御判断いただければと思います。

 それでは、1時51分まで時間をとりたいと思います。

○鈴木委員

 分科会長、質問があります。鈴木です。皆さん、通読中に済みません。

 対象とならないものの備考、理由欄に「「基本診療料」に関する提案」と一言のもとに切られているものが多いのですけれども、これらを検討、吟味する場はあるのでしょうか。それとも、ここでばっさり切って完全に無視するという形になってしまうのでしょうか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 基本診療料につきましては、まさに中医協の診療報酬基本問題小委員会であるとか、そういった場で報酬全体として検討されるということでございまして、当分科会における技術的な評価になじまないものということで、このような整理とさせていただいているものでございます。

○鈴木委員

 そうなりますと、毎回これらはここに上がってくるのですが、作成している学会側に、基本診療料に関するものはこちらに提出するよりもほかのルートで提出すべきだ、ということをアドバイスするべきではないかと思うのです。毎回かなりの数の提案書が出てくると思うのです。

 その辺の指導はどうなっているのでしょうか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 参考でつけております、学会等に提案書を書いていただく際の記載要領の中で、こういった基本診療料に係るものはこの分科会の評価の対象ではないということは明記させていただいております。

○鈴木委員

 学会の理解が足りないということなのでしょうか。余りにも毎回これが出てくるような気がするので、質問させていただいたのです。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 各学会等のお考えもあるのかとは思っておりますけれども、こちらとしましては、対象としないということで事前にお伝えはしておるところでございます。

○鈴木委員

 学会に無駄な労力を払わせているような気がするので、それはもう少し徹底したほうがいいような気がするのです。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 今後、どういったことができるかは、さらに検討させていただければと思います。

○福井分科会長

 確かに制度や指導管理等にかかわる提案だからというところと、基本診療料に関する提案だからというのが随分多くて、これはほかに出すところがあるのでしょうか。それとも、全然ないのでしょうか。もしこういうことを提案するルートが別個にあるのであれば、そのように。どうぞ。

○古元医療課企画官

 基本診療料といいますのは入院料でございますとか、それへの加算もしくは初再診料とか、そういった非常に基本的なベーシックな部分でございます。これにつきましては、医技評というスキームではなく、個別の学会からの御要望書は随時いただいておりますので、そういった中でお話を伺いながらという道も当然ございます。

 ですので、医技評については先ほど申し上げましたとおり、そこ以外の部分をお出しいただきたいということは、またこれからも徹底していきたいと考えてございます。

○鈴木委員

 おそらく学会としては、今回通らなかったので、また次回も出そうと考えていると思います。何らかの理由で落とされたのだろうというような反省のもと、フィードバックがある程度かかっているとは思うのですけれども、あまりに毎回同じような項目が出てくる気がします。その辺はきわめて無駄が多いような気がするので、学会に対しぜひ指導をお願いしたいと思います。労力を払って作成した提案書をきちんとした議論の俎上に乗せられるようなルートを指導するべきではないかと思います。

○福井分科会長

 課長、事務局、よろしいですか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 御意見ありがとうございます。何ができるかということについても、さらに検討させていただければと思います。

○福井分科会長

 荻野委員。

○荻野委員

 よろしいですか。これは資料にはないのですね。今回、検討しないものの具体例を見ようと思ったのですけれども、この番号を見ようと思ったら、提案書にはそれがないのです。

○橋本主査

 具体的な提案書につきましては、委員の先生方のお手元のタブレットの中に提案書が入っております。

○荻野委員

 ページがちょうど切れてしまうのです。右側の提案書のページを見ようと思うと、ちょうどないところに入ってしまうのです。後でまた確認をされる。1,800の後、私のものは1,810の後に2,000が始まる。1,811がない。この問題は何ですか。ファイルから見ていくと見えるのですか。上に載っていないのだね。1,811ページです。皆さんにもお伝えしないと。ファイルから見たほうがいいのですか。皆さんも同じようなことをしているのではないか。閉じるときに変なことになる。

 私の間違いは、ファイルから開かずに、上のそこから開いたので、それを閉じるときに、そこを完全に閉じてしまったら番号が抜けてしまったみたいで、最初からファイルを開いて、ファイルのところから行くと番号が出るみたいです。

 全部消えてしまったね。これは全部で幾つあるのかな。19か。皆さん、上に項目が19ありますでしょうか。開いて閉じるときに変なことをしてしまうと、その項目がなくなってしまいます。全部なくなりましたね。私はこれが全部消えてしまったのです。

 先生、19までありますか。

○佐々木委員

 私も1個、2つ消しました。

○荻野委員

 ファイルから行くしかないので、一遍全部上げてしまって、全部わからないからね。

○福井分科会長

 時間が過ぎましたが、いかがでしょうか。先生方の御専門のところにかかわる項目について目を通していただければありがたいのですけれども、もう少し時間をとったほうがよろしいでしょうか。

 岩中先生。

○岩中委員

 少し全体の質問も含めまして、評価の対象にならないものの中の備考で「使用する医薬品・医療機器等の承認が確認できない」という項目で、かなりこちらのグループに入っているものがあると思うのですが、学会の提案書では、ちゃんと通っていると書いてあるものが結構入っているのですけれども、厚生労働省側がこれはおかしいというのを全部チェックし直したという理解でよろしいですか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 その理解で間違いありません。

○岩中委員

 例えば、41ページにあります上から9つ目の「インドシアニングリーンを用いた周術期冠動脈バイパス評価」で、日本外科学会です。私は外保連の取りまとめをしていますが、外保連としては、薬事承認等でひっかかるようなものの提案書は一切出させないというので、外保連でも、まずは事前に相当学会にがっちり監督をさせています。

 インドシアニングリーンを用いたこれで、医薬品・医療機器等の承認が確認できないというのは、多分、インドシアニングリーンの適用が心血管に入っていないのではないかという理解をするのですが、一応インドシアニングリーンは心血管系の機能評価にちゃんと適用がとれているというふうに、この提案書には書いてあるのです。例えばこういうものをどう評価しているかとか、それよりちょっと下のほうに行きました、日本消化器病学会からの「内視鏡的高周波焼灼術(APCを用いたもの)」で、これも内視鏡の中で表層にあるがんをアルゴンで焼く話なので、提案書を見てもこんなものは通っているもので当たり前みたいな格好の書き方がしてあると思うのですけれども、こういうもので、厚生労働省はどこを使用する医薬品・医療機器等の承認が取れていないと判断して、このあたりをきちんと当該学会とディスカッションした上で、こちらで外さないと、相当後でもめるのではないかと心配するのですが、そのあたりのプロセスはどのようになっているのでしょうか。

 補足で説明しますと、このような形になったということで外保連から説明すると、結局外保連が当該学会から、いろいろとクレームをいただくものですから、私ども外保連は、内視鏡のほうは外保連を通っているかどうかはちょっとわかりませんけれども、インドシアニングリーンは日本外科学会から外保連を通して出しているので、これは間違いなく外保連の中で適用に関する薬事承認を確認した上で出していると思っています。ですから、これが外枠になってしまうと、外保連のほうの審査の仕方を少し工夫しなければいけないということもございますので、その辺はどのようになさっているのか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 まず、医薬品・医療機器等の承認につきまして、学会等からも提案書の中で確認をいただいておるところですけれども、別途医薬・生活衛生局にも確認をしておりまして、下の内視鏡的高周波焼灼術につきましては、組織の切開や凝固を行うものというところまでが効能効果ということで、悪性腫瘍の治療まではうたっていないところを確認しております。インドシアニングリーンは今、手元にございませんけれども、このような形で個別に確認をさせていただきまして提案をさせていただいておるものでございます。

 今、御指摘のあったインドシアニングリーンにつきまして、この後、関連のところとお話をさせていただく中で、確認ができた場合には修正をさせていただきたいと思います。

○岩中委員

 それでありがたいのです。といいますと、私は個々の案件で詳細を今審査するわけではありませんので、それに関して申し上げているわけではなくて、薬事上認められていないものや承認されていないものが入っていると厚生労働省が評価したのであれば、それをきちんと学会側との間で意見交換をしていただいて、両者が納得できる状態のところに落としておいていただかないと、後にちょっとつらいものがありますので、そのプロセスはぜひよろしくお願いしたいと思います。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 事務局のほうで早急に進めたいと思います。

○福井分科会長

 ほかの理由につきましても、それぞれ提出された学会なりに理由をつけてフィードバックをしているのでしょうか。こういう理由で対象にならなかったというようなことは。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 この後、フィードバックをさせていただきたいと考えております。

○福井分科会長

 どうぞ。

○西井委員

 西井でございますけれども、よろしいでしょうか。

 備考のところでアウトカムの有効性をデータで示すことができないのと、制度、管理等について係る点と、2項目の両方が書いてあるのです。これはアウトカムの有効性をデータで示すことができれば、この制度、管理に係る提案でもよろしい。というのは、こちらをずっと見てみますと、今回の評価の対象となるものに同じような制度、管理に関するところがあるわけなのです。つまり、アウトカムがないものに関してということで理解してよろしいのですか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 備考欄の記載が紛らわしくなってございますけれども、医療技術としての評価になじまないものという趣旨でございまして、アウトカムを改善する等の有効性をデータで示すことができないもの、すなわち制度や指導管理等に係る提案であるという趣旨でございます。

○福井分科会長

 どうぞ、斎藤委員。

○斎藤委員

 斎藤でございます。今回、落とされたものの中に「尿中シュウ酸濃度」とか「尿中クエン酸濃度」があるのですが、世界的には、ほかの諸外国でも、もちろんこれは結石予防に重要なもので、保険収載されているわけです。今と同じ議論なのですが「使用する医薬品・医療機器等の承認が確認できない」と書いてあるのですが、これは体外の診断薬で、出てきたおしっこに対するクロマトであったりとか、そういうことをやるので、使う薬は全部日本薬局方で出ているような古い薬なのです。それを一個一個、薬事をとっていますかという話になるわけですか。

○橋本主査

 そうです。こちらは提出してきた学会のほうに、体外診断用医薬品の薬事の状態を確認させていただきまして、薬事承認を得ているものはないという御返事をいただきましたので、今回、対象外とさせていただきました。

○斎藤委員

 その委員に私も聞いたのですが、そういう理解でないみたいですね。質問が共在して、要するに、そういう基本的な、例えば塩酸だとか、一個一個薬事を通してあるのかと聞かれて、局方に載るようなごく普通の化学薬品ですから、そういうものも一個一個薬事が通っていないといけないという理解でいいのですか。要するに、ごく普通の実験室で使うような薬品で分析しているわけですから、そこら辺のすみ分けがはっきりしないので、恐らくその質問を受けた先生は、薬機法の承認はとっていませんという理解でお返事をしたというように私は伺っております。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 これまでの整理とも関連がございますけれども、検査を行うに当たりまして、臨床に用いる検査としての質、有効性、安全性等の確認をされている検査ということで、このような薬事の承認のある体外診断薬を評価の対象としているという趣旨でございます。

○斎藤委員

 そうすると、例えば一々局方の精製水だとか、そういうものも全部確認していかなくてはいけないので、そこら辺はもう少し親切に教えてくれたほうがいいのではないかと私は思うのですけれどもね。一般的な化学薬品まで一個一個とれているか、とれていないかは、学会の担当の委員としては、調べるのはかなり困難みたいなのです。だから、ここまでは認めていますとか、一般的な化学薬品は認めていますとか、医療機器に関しては、検査機器に関しては、各メーカーがみんな薬事を通しているわけですから、その中で使う薬品について、どういうものは認めてどういうものは体外医薬品についてよく日本医師会の保険適用委員会にも諮っていきますけれども、そういう分類に入るものかということをわかりやすく各学会にフィードバックしてもらいたい。そのように思います。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 今も申しましたとおり、体外診断用医薬品ということで、薬機法の規制の範囲に入っているものはこのような形になっているということなのでございますけれども、御指摘も踏まえまして、さらに丁寧に御説明ができるように検討したいと思います。

○斎藤委員

 よろしくお願いします。

○福井分科会長

 今、学会に確認したとおっしゃっていましたけれども、これはどこかに承認されていることが国なり公的な機関なりのところに記録として残っているわけではないのですか。そういうものではなくて、学会に確認するというところと、先ほどは厚生労働省として調べてという話もあったと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 承認の有無につきましては、公的に確認できるものでございます。今、申し上げたのは、まずは提案をされた学会等におきまして把握をされているかどうかということでお伺いをし、そこで十分明らかにならなかったものについてさらに公的に確認しているという趣旨で申し上げたものでございます。

○福井分科会長

 鈴木先生、どうぞ。

○鈴木委員

 今の点についてです。学会が承認されているという記載をしているにもかかわらず承認が確認できないという判定を下されている項目も結構あるのですけれども、この辺の食い違いはどのような形で判断が下されたのか、そこをもう一回お聞かせ願えませんか。

 学会のほうの記載が誤りだったという判断して承認できないということになっているのか。例えば38ページの下から9番目、日本神経免疫学会の「抗NMDA受容体抗体陽性自己免疫性脳炎の診断」で、体外診断薬について、497ページのPDFファイルには薬事承認ありで申請されているのですけれども、これは間違いですという指摘をされて、ここに落とし込んで、確認できないという判断で審査の対象にはならないという判断になったのでしょうか。

○福井分科会長

 企画官、どうぞ。

○古元医療課企画官

 先ほどよりお話しいただいておりますが「使用する医薬品・医療機器等の承認が確認できない」というものにつきましては、薬機法の承認の内容をきっちり確認した上で我々は確認をしているつもりではございますが、これに該当する項目につきましては、また関係学会とも丁寧に少し調整した上で対応を検討したいと思っております。

○鈴木委員

 もしそれがとれたら、カテゴリーが移るわけですか。

○古元医療課企画官

 ここで承認が確認できるということが万が一ございましたら、そこは対象にするということになると思います。

○鈴木委員

 わかりました。よろしくお願いします。

○福井分科会長

 それでは、そのようにしていただけませんでしょうか、確認していただくということで。いろいろ御意見がこの点についてありましたので、お手数ですけれどもよろしくお願いします。そのこと以外で何か対象としたほうがいいのではないかと思われる項目はございますでしょうか。

 岩田委員、どうぞ。

○岩田委員

 岩田ですけれども、43ページの最後です。日本臨床微生物学会から出ている「薬剤耐性遺伝子検査」というものがあります。これも先ほどと同じように「使用する医薬品・医療機器等の承認が確認できない」ということで、学会からの申請も、特にその点については明記していないのですけれども、実は、34ページの一番下にある「病原体遺伝子検出検査」で、同じように遺伝子検査を用いて病原微生物を迅速診断するというケースがある。これも大体書きぶりは同じように書いてあるので、34ページのほうが評価の対象になるものに入れていただけるのであれば、43ページのほうも同じような流れの検査ですので、対で入れていただいたほうがいいのではないかと思った次第です。

○福井分科会長

 いかがでしょうか。

○古元医療課企画官

 この件も含めて御確認、御相談させていただきたいと思います。

○岩田委員

 よろしくお願いいたします。

○福井分科会長

 ほかにはいかがでしょうか。

 ないようでしたら、いろいろ確認していただくことを経て、対象になる可能性があるものがあるということで、確認した結果については教えていただけますでしょうか。それはメールか何かでいただけるのでしょうか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 今、申し上げたような確認の結果につきましては、委員の先生方にも御報告をさせていただきまして、評価すべきものは評価にも反映していただくように対応したいと思います。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。

 次に、評価票または評価の方法について、資料技-1-4になりますでしょうか。これについては以前と同じフォーマットでということだったと思いますけれども、よろしいでしょうか。

 それでは、今後、この評価票を用いて医療技術評価分科会における評価の対象となる技術について、委員の先生方に御評価いただくことになります。その結果を踏まえて、当分科会としての評価結果を取りまとめたいと思います。例年のように、各委員の先生方への評価の担当割り当てにつきましては、分科会長の私と事務局に御一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○福井分科会長

 大変な作業になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、できるだけ速やかに割り当てを決定して、事務局から評価票をお送りさせていただきます。その際に詳細な評価の方法も事務局から連絡させていただきます。

 それでは、議題の「2.内視鏡手術用支援機器を用いた内視鏡手術の評価について」に移りたいと思います。事務局より資料が提出されておりますので説明をお願いいたします。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 一番下についている資料でございますけれども、診調組技-2「内視鏡手術用支援機器を用いた内視鏡手術に対する評価について」を御説明させていただきます。

 まず「1.現状」でございますけれども、内視鏡手術用支援機器を用いた内視鏡手術(以下「ロボット支援下内視鏡手術」という)において用いられます「da Vinci サージカルシステム」につきましては、以下にお示しするとおり承認があるということでございます。後継機につきましても、一部「てにをは」の修正があったと聞いておりますけれども、同じ内容で承認を得ていると伺っております。一般消化器外科から始まって非常に多岐にわたる内容が記載されております。現在、国内においては、約250台程度が普及しているとされております。

 保険適用につきましてですけれども、まず、既に保険適用されているものが表1にございます。腎悪性腫瘍手術、前立腺悪性腫瘍手術というものが2つございます。

 次のページになりますけれども、先進医療として過去に実施された、または現在実施中のもの、審議中というものも各分野にわたりまして、ここでは8つございます。今回、学会等から平成30年度の診療報酬改定に向けた提案をいただく中で、各領域から計15件、提案をいただいております。表3のとおりでございます。

 「2.課題」でございますけれども、平成24年度から、一部のロボット支援下内視鏡手術につきましては、先進医療としての実施の結果を踏まえ、内視鏡手術用支援機器を用いない既存の内視鏡手術と比較しても優越性が示されたということもございまして、評価をされて保険導入をされてきております。

 この後も先進医療として各種分野でロボット支援下内視鏡手術が実施されておりますけれども、先進医療の実施を終了しても保険導入に至らなかったものもあるという現状でございます。

 現在、保険適用されていない手術については、既存技術と比較した優越性の科学的根拠を示すことが現時点では難しいという状況にありますが、その背景としては、まさに保険適用されていないために、症例数、扱う施設数等がふえず、優越性についての科学的根拠の確立そのものも困難になっている。そういった側面もあるのではないかと指摘をいただいてございます。

 一方で、ロボット支援下内視鏡手術の利点としまして、内視鏡の操作性の高さ、立体的な視野、術者負担の軽減といったメリットがあったり、手術手技習得の速さ、ラーニングカーブです。そういったものでのメリットも指摘されているところでございます。

 また、これらの保険適用されていないロボット支援下内視鏡手術の中には、既存技術と比較して優越性があるとまではいわないものの、同等程度の医学的有効性、安全性を有するものも存在すると考えられるということでございます。

 そこで「3.論点」でございますけれども、これまで当分科会において新規医療技術に関する提案を評価するに当たっては、代替となる既存技術と比較をして、優越性があるかどうかというところを評価してきたという面がございます。ただ、ロボット支援下内視鏡手術におきまして、今、申し上げたとおり、既存技術と同等程度の有効性及び安全性を有すると考えられるものもあります。同等程度の有効性、安全性を有するものの、優越性までは示すことができないというようなものについて、今後のロボット支援下内視鏡手術のあり方を考えるに当たり、保険診療上の取り扱いについてどのように評価すべきかというところを御議論いただければと考えてございます。

 資料の御説明は、以上でございます。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 それでは、この点につきまして、御議論をお願いできればと思います。なかなか判断が難しくて、先進医療でも常に苦慮しているところではございます。いかがでしょうか。

 渥美先生。

○渥美委員

 私は、先進にはほとんど縁がない分野でやってきているのですが、保険診療が適用されないために症例が少ないといっても、保険が認められると、かなり爆発的にふえるというのが、従来の保険の傾向があると思うのです。もちろん爆発的に資本というか、かなり財政負担をして買わなければいけないとかがあるでしょうけれども、メーカーがドライブをかけたりとか、いろいろな仕組みがあると思うのです。

 ですから、そこを同じ枠組みで議論するのはなかなか難しい。いわゆる施設の条件であるとか、トレーニング、安全性とか、そういうかなりきちんとしたものという条件がそろわなければなかなか難しいので、従来のものと同列のような形では議論、判断は難しいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○福井分科会長

 斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員

 泌尿器科の斎藤でございます。この件に関しましては、御存じのとおり、今、御説明がありましたように、前立腺のda Vinciと腎の部分切除。腎の部分切除に至っては2年前に平成28年度の改定で入ったのですが、既に1,000例以上、要するに、日本の腎がんに対する標準的な手術と言えるほど普及しております。

 なぜこのようになったかというと、ラパロのときに前立腺の全摘で大きな事故がございました。死亡例がありまして、学会でかなり規制をしまして、学会主導でガイドラインをつくりまして、しかも、全てビデオでノーカットで、学会でオープンになっていないブラックボックスの中の評価委員、要するに、圧力をかけられないように、評価委員が全てビデオを見まして、一人一人技術者として認定していくというような形でラパロもやってきました。

 今回に関しましても、新たな施設が当然ありますね。それは業者がナースとドクターをともに供給して、100万単位のお金がかかるわけですけれども、それを済ませた後に、必ず経験の豊富なところ、プロクターといいまして、教育者を登録してありまして、その先生がその施設に行ってきちんと指導するという責任を持ってやってきていますので、事故は今のところ起きていません。そこら辺をきちんと各学会でやっていけばいいと思います。

 ですけれども、泌尿器学会の場合は、先進医療として一つ一つこなして全部やってきたのですが、この手間は大変なのです。ということで、この技術はほぼ全ての外科の手術に適用されるぐらいの技術であって、確かにドクターにとってもQOLがいいし、患者にとってQOLがいいとは、私は言わないのです。なぜかというと、骨盤のオペの場合はかなりヘッドダウンになって、緑内障が悪化したりとか、いろいろなことが起きてきますので、そこら辺も吟味した上できちんとやっているから事故が起きないということが言えますので、やはりブラック企業と言われているドクターが、外科医者がかなりそこら辺の負担を減らせるということだと思います。

 ただ、何でもかんでも保険適用ということは、財政上無理な話なので、あくまでアウトカムが、安全性が保証された上で優位性があるというものは、一つ一つ評価して認めていくべきだと思います。

 もう一つの考え方として、今のままでいきますと、やたらとオペの術式がふえていきますので、標準のコンベンショナルなオペ、オープンのオペがあって、ラパロがあって、それでda Vinciで入ってくる。Kナンバーがあふれ返ってしまいますね。私も審査委員をやっていますので、かなり厳しいということなのです。

 もう一つ、先ほど普及というお話があったのですが、この青本の中に、厚労省が監修している本の中に、ラパロの手術については、既に保険適用されている腹腔鏡下手術以外の手術で腹腔鏡を用いる場合については、その都度当局に内議し、準用が通知されたもののみが保険給付の対象となるとなっているのです。そこで済めばいいのですが、それ以外の場合については、その手術を含む診療の全てが保険適用とならないので留意されたいと。要するに、入院全てを自費でやりなさい。当たり前のことなのですが、そういうルールがありまして、ただ、御存じのとおり、学会の発表だとか、事実、私が審査していましても、若い先生方はそういうことを知らないので、詳記の中に、これは適用ではないのではないかというものが書いてあるのです。

 それでお返しして、全額自費でやりなさいという指導をしているわけですけれども、これをある程度緩めてもらわないと、症例をふやすということはできませんね。ですから、ある程度安全性が担保されたものから一個一個、この技術は、優位性が示せないから保険給付はあげないけれども、ただ、保険の枠内でやってもいいというような形に少し持っていかないと、世界におくれてしまうというような印象を持っています。

 長くなりましたけれども、済みません。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 岩中先生。

○岩中委員

 こういう安全性、有効性、これから症例をふやしていくと、その辺の評価がもう少し客観的なものができてくるであろうかなという先進的な技術に関して、どのような取り扱いをするかということですが、ちょうど前回の改定のときに、北関東の某大学で問題になりました腹腔鏡の肝切除術と腹腔鏡下の膵頭十二指腸切除術を保険収載するに当たって、学会あるいはデータベースを、きちんとレジストリをつくってしっかりと監修することということと、施設基準をそれなりに、相当厳し目の施設基準をつくって、まずはとりあえず、それなりのレベルの高い施設できちんとやってみて、安全性を評価、効果を評価した上で、どんどん普及させていくといいますか、施設基準を緩めていくというのが一つの手法だろうと考えていました。

 私自身、ナショナル・クリニカル・データベースという外科系の技術の患者のリスクと術式とそのアウトカムを評価できるデータベースの責任者もしておりますので、この2術式に関しては、NCDを用いて監修をやっています。肝切除のほうも、膵頭十二指腸切除術のほうも、ごくわずかの死亡例はありますが、予測死亡率という患者のリスクから計算される死亡率よりは、はるかに低いデータになっているということが1点。

 もう一つ、学会が責任を持ってオーディットといいまして、幾つかの施設に抜き打ちで査察に行かせていただいて、データの入力が間違いないかどうか、診療録がどうか、その辺を全部評価している。学会が責任を持つので、この術式を今後、普及させていきたいという意気込みでやっている領域は多々あるだろうと。

 今回のこの手術に関しては、既に250台のロボットが市販されているとはいうものの、今回、提案書で出てくる手術を全てのロボットに対して適用にしていいかどうかということは、先ほど斎藤委員がおっしゃったように、それなりに技術評価、術者のレベル、そういうものをちゃんと評価する必要がある。

 私どもとしては、私は内視鏡外科学会の理事もやっていますが、ロボット手術を今後、普及させていく。しかも、優越性が余りできていない。だけれども、有効性と安全性に関しては従来の手術とほぼ同等であろうという評価が先進医療である程度出ている。ある程度諸外国でも、もう術式がほぼ決まっていて、成熟した術式に関しては、それなりの厳しい施設基準のもとで、全施設ではなくて、ある程度制限した上で、しかも、レジストリをやっていただく。

 それで一定の評価を得た上で、そこでnがふえてきて優越性が出てきたら、これならもうちょっと手術点数を上げてもいいのではないかとか、普及するためにもう一歩積極的な方策を考えようではないかという、そういう手法をとってもいいのではないか。

 実は、保険収載というのは、そもそも標準化させて普及させるという目的に対して、それにハードルをつけるわけですから、果たしてこのやり方が今後、新しいものに対して次から次へとみんなこんな仕組みになってしまうということに関しては、外保連の会長としましてもいささか抵抗があるのです。先ほど斎藤委員からもお話があったように、ちょっと伸び悩んでいるというか、どうしていいかどうかわからない袋小路に入りかかっている先進技術を、今後、日本の外科医療の中で展開していくための一つの手法としては、安全性を担保するための施設基準とレジストリ、並びにそれに対するオーディットをしかるべき領域の学会が責任を持ってやるという前提で、制限を加えた上で保険収載というのは一つの方法かなと。そのような議論もあってもいいのではないかと私自身は思っています。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。

 井原先生。

○井原委員

 ただいま岩中先生から保険収載の話がございましたので、医療保険の立場から考えてみますと、資料の3ページに課題と論点が整理して書かれております。これらの点を総合的に考えながら、2ページの手術を見ますと、ロボット手術の中にも、既存の手術と同等程度の有効性があると考えられるものもあれば、今、お話が出たように、実績がかなり少ないものもあると考えられます。ですから、これはそれぞれについて個別の評価が必要なのではないかと私は思います。

 その上で、既存の手術と同等程度有効と考えられる手術を保険適用するとすれば、医療保険の診療報酬というものの考え方からすれば、同等程度の評価とするのが自然でしょうし、かつ、適正なのではないかと思います。

 逆に言いますと、優越性を示すエビデンスは、現時点では必ずしも十分ではないかもしれませんが、既存の手術と同等程度の有効性、安全性があると考えるものについては、既存の手術と同等の評価によって保険適用とすることもまたできるのだろうということも言えるのではないかと思います。ただし、既存の手術と同等の評価での保険適用ということになりますと、その可否については個別に各学会等々に確認をしながら、作業を進めていくのがよろしいのではないかと思うのですけれども。以上です。

○福井分科会長

 ほかにはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○岩中委員

 ちょっと一つ、実は、外保連は外科の技術に関して関係学会の先生方からいろいろ意見をいただき、実態調査をして、その術式の技術度であったり手術時間、必要な人員、外科医の数、看護師の数、そういうものを一覧表にして、相対評価の価格表をつくっているという部分がございます。これに関しましては、平成22年の改定のときに当時の中医協の遠藤会長からも、外保連試案みたいなこういう相対的な評価票があるので、これをちゃんと参考にして今後、外科技術の評価をしなさいとお墨つきをいただいた経緯もあって、最近では非常によく利用されていると自負しておりますが、一方で、今回のこのような案件のときに、外保連の試案としては、同等の有効性であっても、腹腔鏡手術よりは診療材料とかいろいろなものが高額でかかるので、試案上はかなりの価格差があります。

 こういうものに対してどうするか。ただ、この医療技術評価分科会は診療報酬の価格を決める会ではなくて、この技術を承認して普及させるかどうかという会ですので、最終的には診療報酬の額に関しては、財源の問題だとかいろいろな社会的な背景をもとに決めていただければいいのかなと思っています。

 ただ、その中で一点だけ、今回、どうしても発言しておかなければいけないことは、前立腺と腎の部分切除に関しては、既に先進医療で優越性が評価されて、優越性の分を腹腔鏡手術より上乗せした価格がきちんとついている。今回、審査をしようと思っているこれらの術式に関しては、その辺が定かではない。ですから、ロボット手術というものを一くくりにして価格であるとかそういうことを考えるのは、やはり私自身としては反対で、それぞれの価格の有効性だとかそういうもので既存の手術とどれぐらい同じか、どれぐらい有効性があるのかで、個々に評価をしていきたい。

 そうなると、現在、先ほどもあったように、nの数が少ないとなかなかその辺の評価ができていないので、今回、例えば医療技術評価分科会でこういう形でお認めしていきましょうかという結論が出た場合には、先ほど申し上げたように、しっかりとしたレジストリと施設で安全性を担保しながらやりつつ、nで優位性が出てくるようであれば、それなりの評価を後出しで足していただくとか、そういう評価であってもいいのかなと。

 いずれにせよ、先ほどの資料にもありますように、保険収載しないのでこれほど高額な機械でもなかなかハードルが高くてnが稼げないという部分もありますので、その辺を含めて少し前向きに検討してもよろしいのではないか。ただ、そのためには、この評価分科会であったり、関係する学術団体がそれなりのガバナンスをきちんと発揮するということは重要だというように、補足で追加したいと思います。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 ほかには何かございませんでしょうか。前立腺のときには明らかに出血量が減って、全く違う手術のようになってしまいました。あれだけ差が出ますと、認めるのは簡単だと思いますが、それ以外の術式では、誰もがわかるような優越性を示すのは、本当に難しいようですね。ただ、もし優越性が本当になければ、価格だけ上がるということにもなりかねません。nといいますか、対象症例数から言ってどれぐらい優越性を示せる可能性があるデータなのかも理解する必要があります。岩中先生がおっしゃったような、何か仕組みをつくってもう少し客観的な判断ができる程度に対象症例数をふやす方向に持っていってもらえればと個人的には思います。

 西井委員。

○西井委員

 産婦人科の西井ですけれども、世界的には産婦人科がかなりda Vinciをやっておりまして、ただ、我が国は先ほどからありますように、特に子宮の悪性腫瘍に対する手術がなかなか症例が稼げないのは、高額であるということ。ただ、子宮悪性腫瘍手術を同等以上、内視鏡下に効果が出ると、そちらのほうも実は先進で行っていまして、つまり、同等というレベルがかなり内視鏡は強いのです。開腹と同等というのは全く技術のレベルが違いますけれども、ですので、先ほどございました、個別で審査せざるを得ないかなと。そこの額等につきましては、またここでするところではないと思いますけれども、個別に、その中で、同等というものを既存の内視鏡下手術と同等なのか、開腹の同等なのか。技術のレベルがかなり違います。ですので、そのところを少し、ある程度コンセンサスを得ていただいておいたほうがいいのではないかと思います。

○福井分科会長

 開腹とは随分異なる、患者のQOLとかを組み合わせてですね。

○西井委員

 それはもう明らかに開腹とは違います。優越性でいきますと、開腹とは明らかに違うのです。ただ、技術というところだけになると、技術と同等だけになると、また違っていくことがあるのです。

○福井分科会長

 福田先生、コストを入れた評価など、このロボット手術について、何か御意見はございますでしょうか。

○福田委員

 ありがとうございます。やはりどうしても機械がある程度コストがかかるものですから、実施するのにもお金がかかるという部分があると思います。そういうものについては、有効性、安全性に加えて経済性といいますか、費用対効果みたいなものを考えるべきだと個人的には思いますけれども、特に評価をするに当たって、確かに優越性が示されているものについては追加適用がかかる。コストについても費用対効果の観点からは正当化できる可能性がありますが、もし同等程度であれば、先ほども御意見がありましたけれども、なかなかそこにプラスで追加する点数とか報酬みたいなところが、費用対効果の観点から難しいかもしれないとは思います。

 一方で、これを普及していって評価すること自体は重要だと思いますので、本来先進医療の間でそこが十分蓄積ができて、評価できればいいと思うのですけれども、なかなかそれに限度があるということであれば、ある程度、同等程度が認められる範囲内で進めていくというような考え方はあり得るかもしれません。何年後でも結構ですが、少し費用対効果の観点も検討することはぜひお考えいただければと思います。

○福井分科会長

 私からも意見を述べさせていただきますが、優越性を科学的に示すための仕組みづくりと、有効性と安全性は同等だとして、そこから先どうするのか、ということは分けて考える必要があるのではないかと思います。

 私の印象で申しわけありませんが、先進医療会議で出てきた資料を前回見ていて、有効性と安全性がほぼ同等だとしても、患者のQOLだとか医師の学習曲線、その速さがどれぐらい医療の質の向上に貢献しているのか、スタッフがどれぐらい必要になるのか、減っているのかなど、周辺のいろいろな要因を分析し尽くしていないのではないかという印象を抱いたことがあります。評価の軸を含めてもう少し分析の余地があるのではないかと思いました。

 ほかには何かございませんでしょうか。

 それでは、ここでディスカッションしたような事柄を踏まえて、評価をしていきたいと思います。

 本日の議題は以上でございますが、事務局から何か、次回の日程を含めまして連絡がございましたら、お願いいたします。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 ありがとうございます。今、分科会長にまとめていただきましたとおり、御議論いただきましたので、事務局において御意見を踏まえて検討を進めたいと考えております。

 議題は以上です。次回の日程につきましては、例年どおり1月中旬の開催を予定しておりますけれども、詳細につきましては追って事務局より御報告させていただきます。

○福井分科会長

 それでは、本日の医療技術評価分科会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 医療課長、どうぞ。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。医療技術評価分科会は大変重要な役割をお願いしておりまして、重ねてきょうは随分重要な御審議をいただきまして、お忙しい先生方であることは重々承知いたしておりますので、改めて御礼申し上げたいと思っております。

 先ほど分科会長にも少しコメントいただきましたが、技術評価につきましては、イノベーションをいかに迅速に導入していくのかということと、コストをいかにとられるのかということを、従来もちろんそうなのですが、医薬品あるいは医療機器も含めて、そういったことを議論していく時期にも来ておりますので、現在、手術を初め技術評価につきましていろいろ課題があるということを分科会長もおっしゃったように思いますので、これは次の改定とかそういうことではなくて、少し中長期的にそういったことも含めて事務局としても考えていきたいと思っております。

 いずれにいたしましても、重要な御示唆をいただきました。本当にありがとうございました。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 それでは、これで終わります。


(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第二係
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