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2018年2月19日 第33回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成29年度第11回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

健康局健康課

○日時

平成30年2月19日(月)16:00~18:00


○場所

厚生労働省専用第15会議室(12階)


○議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより第33回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び平成29年度第11回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございます。始めに、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。副反応検討部会の永井委員から、欠席の御連絡を受けております。現在、副反応検討部会委員8名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいております。厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規程により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を御申告いただいております。申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りについては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 本日の審議の前に傍聴に関しまして、留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますよう、お願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や、会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
 本日の座長については、桃井副反応検討部会長にお願いしたいと思います。それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○桃井委員 それでは、会議を開催させていただきます。本日も大変お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。また、大阪大学大学院の祖父江友孝教授には、解析結果の追加報告をしていただくために、御遠方から、大変御多忙の中、本日もおいでいただいております。前半はお待ちいただくことになりまして、大変恐縮でございます。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項について御報告ください。
○事務局 審議参加について御報告いたします。本日御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金、契約金などの受取状況について、これまでと同様に御申告いただきました。本日の議題において調査審議される品目は、DPT、DT、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、混合不活化ポリオ、13価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、5価ロタウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、北里第一三共ワクチン株式会社、武田薬品工業株式会社、一般財団法人化学及血清療法研究所、デンカ生研株式会社、サノフィ株式会社、ファイザー株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社であり、事前に各委員に御申告を頂いております。各委員からの御申告内容については、机上に配布しておりますので、御確認いただければと思います。本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、柿崎委員が、武田薬品工業株式会社及びMSD株式会社から、それぞれ50万円を超えて500万円以下の受取があるため、DPT、DT、破傷風、B型肝炎、ロタウイルスワクチンについて意見を述べることができますが、議決に御参加いただけないことを御報告いたします。引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受取について、通帳や源泉徴収票などの書類も御確認いただくことにより、正しい内容を御申告いただけますよう、お願いいたします。以上でございます。
○桃井委員 以上の御報告で間違いないでしょうか。よろしいですか。それでは、次に事務局から、本日の配布資料について確認をお願いします。
○事務局 配布資料としては、上から座席表、議事次第、委員名簿、配布資料一覧、資料1から資料17まで、委員の謝金等受取の申告状況、また、委員限りの資料として、各社の出荷量と副作用の発現頻度の1枚紙、各ワクチンの添付文書をお配りしております。なお、資料17に関しては、医療従事者用リーフレットの別添資料は枚数が多いため、傍聴者にはお配りしておりませんので御了承ください。資料17については、この別添も含めて全てホームページに掲載しますので御確認ください。資料を御確認いただき、不足の資料等がありましたら、事務局までお申し出ください。
○桃井委員 資料はよろしいでしょうか。それでは、審議に入ります。まず、議題(1)、各ワクチンの安全性についての審議です。最初に、資料1から資料6まで、事務局から説明してください。
○事務局 始めに、全体的な事項を御説明いたします。本合同会議での副反応が疑われる症例の報告については、平成25年9月の合同会議において定期的に検討を行うワクチンを選定しまして、比較的同時接種が行われるワクチンと、そうでない比較的単独接種が行われるワクチンにグループを分けて報告することとしております。本日は、比較的同時接種が行われるワクチンについて、その副反応が疑われる症例の報告状況について御説明いたします。
 比較的同時接種が行われるワクチンについては、前回、9月22日の合同会議において、昨年3月1日から6月末までの症例について報告しております。本日は、昨年7月1日から10月末までの4か月間に報告された症例について御説明させていただきます。資料1から資料6についてです。資料1を御覧ください。
 DPTワクチンです。具体的な製品名は、1ページの上段の商品名の所に記載しております。1ページの中段に表がありますが、こちらには医療機関への納入数量を基に推定した接種可能延べ人数、製造販売業者及び医療機関からの副反応が疑われる症例の報告件数を記載しております。DPTワクチンは、今回の対象期間に出荷がなく、接種可能延べ人数は0人、対象期間中に企業及び医療機関のいずれからも報告はありませんでしたので、説明は省略させていただきます。
 続いて、資料2を御覧ください。DTトキソイドは、接種可能延べ人数が約62万人、報告数は、製造販売業者から0件、医療機関から非重篤のものが6件報告されております。医療機関からの報告頻度は、0.001%となっております。1ページの下段に重篤症例の転帰等の情報をまとめておりますが、今回の集計対象期間に、後遺症や死亡症例の報告はありませんでした。
 2ページ目に移る前に、本資料を含めまして、各ワクチンの資料1ページ目の見方について、補足させていただきます。
 重篤症例の報告数については、製造販売業者と医療機関の双方から報告された場合には重複を排除するため、医療機関報告として計上しています。また、中段の表、報告数の所ですが、集計対象期間内に報告された症例を集計しているため、この件数には、接種日や発生日が対象期間以前の症例も含まれており、接種日が今回の対象期間内であったものについては、括弧書きでその件数をお示ししております。また、企業ごとの出荷量や発現頻度については、委員限りの資料として1枚紙を机上にお配りしております。
 2ページ目は、報告された症例を、症状別に集計したものです。縦に見ていただくと、表の左側が、前回の合同会議までに報告された件数、右側が今回報告された件数となっています。
 3ページ目、予防接種法の報告基準に定められた症状について集計した結果です。こちらも、左側が前回までの報告、右側が、今回の集計対象期間に報告されたものとなっています。
 4ページ目、こちらは報告された症例の一覧表となります。5ページ目が、アナフィラキシーとして報告された重篤症例の件数をまとめております。今回の対象期間に該当する症例はありませんでした。資料2は、以上となります。
 資料3、ジフテリアトキソイドです。対象期間中に企業及び医療機関のいずれからも報告はありませんでした。説明は省略させていただきます。
 続いて、資料4、破傷風トキソイドです。接種可能延べ人数が約20万人、報告数は、製造販売業者から2件、医療機関から2件、うち重篤なものが1件でした。報告頻度は、製造販売業者、医療機関のいずれも0.001%となっています。1ページの下の転帰の所ですが、今回の集計対象期間内に、後遺症及び死亡症例の報告はありませんでした。2ページ目が、症状別の集計結果、3ページ目が、予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果になります。4~6ページ目が個別症例の一覧になります。4ページ目を御覧ください。
 製造販売業者からの報告一覧です。No.2の好酸球性心筋炎症例について、数日前に追加で報告がまいりまして、接種日等の情報が明らかとなりましたので、口頭で補足させていただきます。接種日が、平成29年4月13日、発生日は、接種から約1か月後の平成29年5月14日です。転帰は、資料では未回復となっていますが、最新の情報では、転帰日が平成29年8月28日、転帰内容は回復となっています。
 7ページ目、アナフィラキシーとして報告された重篤症例のまとめです。対象期間内に該当する症例はありませんでした。資料4は、以上でございます。
 資料5、不活化ポリオワクチンです。対象期間中に、企業及び医療機関のいずれからも報告はありませんでしたので、説明は省略させていただきます。
 資料6、四種混合ワクチンです。接種可能延べ人数は約132万人、報告数は、製造販売業者から17件、医療機関から39件、うち重篤なものが20件でした。報告頻度は、製造販売業者が0.001%、医療機関が0.003%となっています。1ページの下の転帰の所ですが、集計対象期間内で死亡症例が1件、医療機関から報告されています。
 2~4ページは、症状別の集計結果、5ページ目が、予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果になります。6~11ページ目は、個別症例の一覧を記載しています。
 12ページ目、アナフィラキシーのまとめです。対象期間内に重篤なアナフィラキシーとして11件報告されました。専門家による評価の結果、ブライトン分類3以上と評価されたものが1件ありました。詳細は、13ページ目のNo.1を御覧ください。
 皮膚乾燥のある3か月の女児で、プレベナー13、ヘプタバックス、スクエアキッズ、ロタテック、アクトヒブの同時接種後、20分後頃より頭部、胸部を中心に発疹、また、喘鳴が出現し、入院、その後回復し、翌日には退院しております。専門家による評価の結果、ブライトン分類3以上のアナフィラキシー症例、ワクチン接種との因果関係は否定できないと評価されております。
 17ページ、死亡症例です。アクトヒブ、プレベナー13、クアトロバック、ヘプタバックス及びロタリックスを同時接種した3か月の男児が接種翌日、感冒様症状が認められ、接種3日後に呼吸停止状態で発見され、搬送先にて死亡を確認。死因は、ウイルス関連の突然死疑いとされた症例です。専門家による評価の結果は、ウイルス感染の可能性も考えられるが、詳細は不明。ワクチン接種との因果関係は不明であるとされております。なお、こちらの症例は、今回の集計対象期間内に報告された症例ですが、死亡症例はその重大性に鑑み、集計対象期間後も可能な範囲で情報収集に努めておりまして、こちらの症例は、前回、9月22日の合同会議で調査結果を御報告済みのものになります。資料6については、以上です。資料1から資料6までの御説明は、以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○桃井委員 資料1から資料6について、御審議、よろしくお願いいたします。御意見等をお願いいたします。
○多屋委員 詳細にまとめていただきまして、ありがとうございます。資料6番について教えてください。今回、アナフィラキシーの報告が11件と、これまでよりは多く報告されているようです。先ほどの解析では、お一人だけブライトン分類でアナフィラキシーと診断されているようなのですが、そのほかの症例は、情報不足で判定できないという解析結果が多いものですから、ふだんよりは多い報告なので、できればこの情報が十分に委員の先生方に提供されて、判断していただくことができないのかと思いまして、質問させていただきました。よろしくお願いいたします。
○事務局 まずは報告していただく企業に対して、アナフィラキシーであるかどうかを判断するに当たって、十分な情報を収集して、報告いただくようにということを依頼していきたいと思います。追加で情報が得られましたら、改めて再評価をして、この場で、通常御報告していますので、追加の情報が得られたら、また御報告したいと思います。
○桃井委員 確かに多屋委員がおっしゃるとおり、アナフィラキシーが、少なくとも疑いで、このように何例かの症例でそれに対する治療も行われているのであれば、カルテは明確にあるはずですので、本当にアナフィラキシーが1例なのかどうか、より詳細な解析ができる状況が望ましいという御意見はもっともだろうと思います。よろしくお願いいたします。ほかにいかがですか。
 それでは、まとめさせていただきます。資料1から資料6までのワクチンに関して、副反応疑いの報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて特段高くはない。アナフィラキシーと、今、審議された内容ですが、評価が可能であった症例は、混合不活化ポリオワクチンを含む同時接種の症例で、1例である。これについては、ただいま御意見を頂戴したとおりです。
 それから、死亡症例は、今回の集計対象期間に、混合不活化ポリオワクチンを含む同時接種の症例で、1例が報告された3か月の児です。ワクチン接種との因果関係は不明であると評価されています。このようなまとめでよろしいでしょうか。
 それでは、この内容について、取扱いをどのようにするか、変更する必要があるかどうか、御意見を頂戴したいと思います。よろしいでしょうか。御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応疑い報告によってその安全性において、重大な懸念、つまり、シグナルの集積は認められないという評価でよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、資料1から資料6まで終了しました。
 次に、資料7、8についてお願いいたします。
○事務局 資料7、8について御説明いたします。まず、資料7を御覧ください。13価肺炎球菌ワクチンです。接種可能延べ人数が約129万人、報告数は、製造販売業者から51件、医療機関から47件、うち重篤なものが31件報告されております。報告頻度は、製造販売業者、医療機関のいずれも0.004%となっています。
 また、肺炎球菌ワクチンに関しては、薬効欠如等のワクチンの副反応ではないと考えられるような症状が報告されていることについて、これまで合同会議で御指摘いただいており、内数として、肺炎球菌感染、肺炎等を除くということで、これらを除いた値もお示ししております。今回の対象期間では、企業から肺炎、予防接種の効果不良等の症例が報告されており、これらを除くと、企業の報告数が32件となります。1ページ、下の転帰ですが、集計対象期間内に2件の死亡症例が医療機関より報告されております。6か月間の死亡症例の報告頻度は、10万接種当たり0.10~0.20であり、急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っていることを確認しております。
 2~5ページ目、症状別の集計結果です。こちらの表で、★印を付けている症状が、1ページ目で内数として集計する際に除外したものとなります。
 6ページ目、予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果です。7~16ページ目は、個別症例の一覧となっています。
 17ページ目、アナフィラキシーの重篤症例のまとめになります。期間内にアナフィラキシーとして12件報告され、うち1例が専門家の評価の結果、ブライトン分類3以上と評価されております。該当する症例は、18ページのNo.2の症例ですが、先ほど資料6で御説明した症例と同一ですので、詳細な御説明は省略させていただきます。
 18ページ、1つ上のNo.1の症例を御覧ください。こちらは過去の合同会議で一度御報告した症例です。下線を引いている情報が新たに得られましたので、再度、評価を行った症例になります。アレルギー性鼻炎、喘息のある45歳の女性がプレベナー13の接種後に、血圧低下、頻呼吸等が認められ、転倒、接種1時間後に回復したという症例です。専門家による評価の結果、ブライトン分類3以上のアナフィラキシー症例、ワクチン接種との因果関係は否定できないとされております。
 23ページ、死亡症例についてです。No.1の症例は、先ほど資料6で御説明したものと同一になりますので、詳細は省略いたします。
 No.2について御説明いたします。基礎疾患として、大動脈弁上狭窄、末梢性肺動脈狭窄のある2か月の男児がプレベナー13とロタリックスを同時接種した翌日、口唇チアノーゼが認められ、心肺停止状態となり、死亡が確認されたという症例です。剖検は実施されず、原因不明の突然死とされております。専門家による評価の結果、先天性心疾患による急性循環不全が生じた可能性が考えられたが、死因は不明とされており、ワクチン接種との因果関係は不明であるとされております。
 24ページ、こちらは今回の集計対象期間後に報告された症例です。プレベナー13とアクトヒブを同時接種した1歳の男児が接種翌日に呼吸停止状態で発見され、同日、死亡が確認されました。死因の情報は得られていない症例です。専門家による評価の結果、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は評価できないとされております。
 25ページ目以降に、詳細な経過や、専門家の意見を添付しておりますが、委員限りと上に記載している資料については、その内容を御発言いただく際には、患者さん個人の特定につながらないよう御配慮いただけますようお願いいたします。資料7は、以上でございます。
 続いて、資料8を御覧ください。Hibワクチンです。接種可能延べ人数が約127万人、報告数は、製造販売業者から32件、医療機関から46件、うち重篤なものが29件でした。報告頻度は、製造販売業者が0.003%、医療機関が0.004%となっています。転帰について、今回の集計対象期間内では、死亡症例が2件医療機関から報告されております。6か月間の死亡症例の報告頻度は、10万接種あたり0.10~0.16であり、急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っていることを確認しております。
 2~5ページは、症状別の集計結果です。6ページ目が、予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果になります。7~14ページは個別症例の一覧です。
 15ページ目、重篤なアナフィラキシーの報告のまとめです。対象期間内にアナフィラキシーとして10件報告され、専門家の評価の結果、うち1例がブライトン分類3以上と評価されております。該当する症例は、16ページ目のNo.1の症例です。先ほど御説明した症例と同一ですので、詳細は省略いたします。
 20ページ、死亡症例になります。No.1は、資料6で御説明した症例と同一ですので、省略いたします。
 No.2について御説明いたします。基礎疾患として低酸素性脳症、痙性四肢麻痺等のある1歳の男児がアクトヒブを接種した当日に発熱、頻脈、痙攣発作が認められ、接種翌日に死亡を確認、死因は低酸素性脳症とされたという症例です。専門家による評価の結果、ワクチン接種以前から低酸素性脳症による重度神経学的後遺症を有しており、原病の悪化により死亡した可能性が考えられた、ワクチン接種との因果関係は不明であるとされております。22ページ目以降に詳細な経過や、専門家の意見を添付しております。
 次ページ、No.3の症例は、集計対象期間後の症例になります。先ほど資料7で御説明した症例と同一ですので、詳細は省略いたします。資料7、8の御説明は、以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○桃井委員 それでは、資料7、8について御審議をよろしくお願いいたします。
○多屋委員 先ほどの症例と恐らく同じだと思いますが、同時接種ですので、アナフィラキシーという報告が、13価肺炎球菌、Hibも今期は多くなっております。1例以外は情報不足という委員の先生方の御記載もありますので、詳細な情報が分かりましたら、アナフィラキシーであったのか、そうでなかったのか、また御検討いただければと思いました。
○桃井委員 ありがとうございます。追加された情報に基づいてより正確に評価をした結果を、是非この会でも御報告いただければ大変有り難いと思います。よろしくお願いいたします。ほかにいかがですか。特に御意見はありませんでしょうか。
 それでは、資料7、8について、確認データをまとめさせていただきます。副反応疑い報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて、特に高いということはない。アナフィラキシーと評価された症例は、今も御意見を頂戴しましたが、プレベナー13、アクトヒブを含む同時接種で1例、プレベナー13を単独接種で再評価の症例で1例ありました。しかし、十分評価できないという症例も、多々あったところから御意見を頂戴したところです。
 死亡症例は、今回の集計対象期間内では、プレベナー13、アクトヒブを含む同時接種で1例、アクトヒブの単独接種で1例の報告があります。内容については、資料で御説明されたとおりです。いずれもシグナルの頻度を大きく下回っているということも御報告いただきました。
 この確認の内容を含めまして、現状の取扱いについて変更を要するかどうか、御意見を賜ればと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応疑い報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、進めさせていただきます。次に、資料9から資料14まで、よろしくお願いします。
○事務局 資料9~14について御説明いたします。資料9を御覧ください。BCGワクチンです。接種可能延べ人数は約31万人、報告数は製造販売業者から5件、医療機関から54件、うち重篤なものが6件です。報告頻度は製造販売業者が0.002%、医療機関が0.02%となっております。1ページ下の転帰ですが、集計対象期間内で後遺症、死亡症例の報告はございませんでした。
 2ページ目が症状別の集計、3ページ目が予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果です。4ページから8ページが、個別症例の一覧となっております。9ページ目がアナフィラキシーのまとめです。今回の集計対象期間内に、アナフィラキシーとして、重篤な症例が3件報告されておりますが、専門家による評価の結果、ブライトン分類3以上と評価された症例はございませんでした。資料9は以上です。
 続いて、資料10、日本脳炎ワクチンです。接種可能延べ人数は約150万人、報告数は製造販売業者から7件、医療機関から20件、うち重篤なものが7件です。報告頻度は、製造販売業者が0.0005%、医療機関が0.001%となっております。転帰ですが、集計対象期間内で後遺症、死亡症例の報告はございませんでした。
 2ページから3ページ目が症状別の集計、4ページ目が予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果となっています。5ページ目から7ページ目に個別症例の一覧を載せており、8ページから9ページ目がADEMについての評価になります。
 今回は、製造販売業者から1件報告がございました。その詳細は、9ページ目No.2の症例になります。専門家による評価の結果、情報不足でADEMとは判断できないと評価されております。同じ9ページの1つ上のNo.1の症例ですが、こちらは過去の合同会議で一度御報告した症例ですが、下線をひいている部分の情報が新たに得られましたので、再度評価を行った症例になります。前回御報告した際には、接種56日後までの情報が得られていましたが、今回それ以降の経過について、情報が追加されております。専門家による評価の結果、ADEMの可能性は否定できない、ワクチン接種との因果関係は否定できないとされていますが、こちらの評価結果は、前回から変更ございません。
 続きまして、10ページ目を御覧ください。アナフィラキシーのまとめになりますが、集計対象期間内に1件報告がありまして、専門家による評価の結果、ブライトン分類3以上と評価されております。詳細は次の11ページに記載しております。喘鳴、食物アレルギーのあった12歳の女児で、ジェービックを接種して25分後に血圧低下、呼吸苦などが発現し入院。翌日には退院、アナフィラキシーは回復しております。専門家による評価の結果、ブライトン分類3以上のアナフィラキシー症例、ワクチン接種との因果関係は否定できないとされております。
 12ページ目を御覧ください。死亡症例になります。集計対象期間後の症例ですが、脳性麻痺、低酸素性虚血性脳症の基礎疾患があった6歳の男児が、エンセバックを接種して3日後に発熱が認められ、接種4日後に心肺停止状態で発見されたという症例です。詳細な情報は現在調査中ですので、結果が得られ次第、改めて御報告いたします。資料10は以上になります。
 続いて資料11を御覧ください。B型肝炎ワクチンです。接種可能延べ人数が約233万人、報告数は製造販売業者から24件、医療機関から36件、うち重篤なものが23件でした。報告頻度は製造販売業者が0.001%、医療機関が0.002%となっております。転帰については集計対象期間内で、死亡症例が1件、医療機関から報告されております。
 2ページから4ページが症状別の集計結果、5ページ目が予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果になります。6ページから12ページが個別症例の一覧となっておりまして、13ページにアナフィラキシーのまとめを記載しています。
 集計対象期間に8件報告がありまして、うち1例がブライトン分類3以上と評価されております。該当する症例は14ページ目のNo.1の症例になりますが、既に御説明した症例ですので、詳細は省略させていただきます。17ページ目が死亡症例になります。ほかのワクチンと同時接種をした症例で、既に御説明をしておりますので、詳細は省略させていただきます。資料11は以上です。
 続きまして資料12を御覧ください。ロタウイルスワクチンです。接種可能延べ人数が約29万人、報告数が製造販売業者が23件、医療機関から12件、うち重篤なものが10件報告されております。報告頻度は製造販売業者が0.008%、医療機関が0.004%となっております。1ページ下の転帰ですが、今回の集計対象期間内で、死亡症例が2件、医療機関から報告されております。
 2ページから4ページ目に症状別の集計結果、5ページから8ページに個別症例の一覧を掲載しております。9ページ目がアナフィラキシーのまとめですけれども、対象期間内にアナフィラキシーとして3件報告されましたが、いずれもブライトン分類3以上という評価はされておりません。11ページ目が死亡症例になりますが、どちらもほかのワクチンと同時接種をした症例で、既に説明した症例となりますので、詳細は省略させていただきます。資料12は以上になります。
 続きまして、資料13を御覧ください。5価のロタウイルスワクチンです。接種可能延べ人数が約25万人、報告数が製造販売業者から30件、医療機関から10件、重篤なものは8件でした。報告頻度は、製造販売業者が0.01%、医療機関が0.004%となっています。1ページ下の転帰ですが、今回の集計対象期間内で、後遺症、死亡症例の報告はございませんでした。
 2ページから3ページが、症状別の集計結果、4ページから8ページが個別症例の一覧を掲載しております。9ページにアナフィラキシーの重篤症例のまとめを掲載していますが、今回の集計対象期間に重篤なアナフィラキシーとして3件報告され、うち1例が専門家による評価の結果、ブライトン分類3以上と評価されています。該当する症例は、10ページ目のNo.1になりますが、既にほかの資料で御説明した症例と同一ですので、詳細は省略いたします。資料13は以上です。
 最後に資料14を御覧ください。ロタワクチンによる腸重積の発生状況につきまして、これまでの会議と同様に、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン社、MSD社より、資料の提供を受けております。まず1ページ目ですが、こちらはグラクソ・スミスクライン社のロタリックスについて、腸重積報告症例数、ブライトン分類評価が1に該当する症例数等を、左側の列に米国、右側の列に日本のデータを記載しております。
 2ページ目の上では、ブライトン分類1相当の症例のうち、入院、外科手術、腸切除といった、実施された処置ごとに件数をまとめたものになります。2ページ下のグラフですが、こちらは接種から腸重積発現までの日数をまとめたもので、左側が米国、右側が日本、上の段が接種1回目、下の段が接種2回目としてまとめております。3ページ目のグラフについては、腸重積発現の症例をまとめたグラフになっております。
 4ページ目以降は、MSD社のロタテックについて、ロタリックスと同様にまとめた資料となっておりますが、資料の構成はただいま御説明したロタリックスと同様ですので、詳細は省略させていただきます。資料9から資料14の説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○桃井委員 それでは、これらの資料につきまして御審議をよろしくお願いします。
○長谷川委員 資料11の17ページですが、接種日と経過の所で、剖検が実施されて、死因がウイルス関連の突然死疑いとされたといいますが、具体的に剖検でどのようなものが認められて、ウイルス関連の突然死疑いとされたのでしょうか。
○桃井委員 事務局、お分かりになりますか。
○事務局 得られている情報は、剖検が実施されて、死因はウイルス関連の突然死疑いとされたということで、剖検の具体的な内容というところまでは情報が得られていない状況です。
○桃井委員 ありがとうございました。よろしいでしょうか。ほかに御意見は、どうぞ。
○多屋委員 資料9のBCGワクチンの3ページに、予防接種法に基づく報告義務となっている症状が表になっているのですけれども、前回もお話したかもしれないのですが、皮膚結核様病変ですとか化膿性リンパ節炎は、なかなか医師が重篤と報告しにくい症状かと思っています。しかし、これは医師に報告を法律に基づいて義務としてお願いしているものなので、できましたら6ページ目以降に化膿性リンパ節炎、あるいは皮膚結核様病変が結構多く報告されているように思いますので、何らかの形で、医師が非重篤というふうに報告されていたとしても、この集計表のほうに反映されるような試みをしていただきますと、有り難いなと思っております。
○桃井委員 ありがとうございます。確かに重篤と非重篤と分かれますと、頻度が把握できないという問題がございます。事務局、御検討いただけるでしょうか。
○事務局 以前から御指摘を頂いているのですが、累積の報告の件数なども計上することを考えると、かなり作業的に負担が大きく、検討に時間を頂いています。特に優先度の高いワクチン、その対象期間内だけでも早く集計したほうがいい、など、そういった御指摘があれば、御意見を頂けないでしょうか。
○多屋委員 ありがとうございました。大変なことかと思っています。ただ、化膿性リンパ節炎とか皮膚結核様病変は、一刻を争うという報告では多分ないと思いますので、例えば年度に1回とか、半期に1回とか、それぐらいの頻度で大丈夫だと思うのですが、ちょっと今日はかなり化膿性リンパ節炎が目立っておりまして、これが0で集計されて残っていってしまうものですから、気になったということです。1年間に1回でいいので、1年間に報告が、何人ぐらいいらっしゃったのかぐらいだけでも分かれば、その後の検討につながると思うのですけれども、無理のない範囲で、法律に基づいての届け出義務まで課しているものですから、可能であればお願いできればと思っております。
○桃井委員 ありがとうございます。事務局で可能であるかどうか、是非御検討いただきたいと思います。
○事務局 前回の繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、今頂いた御指摘も踏まえて、年に1回の集計ということではあるのですけれども、全体の件数はかなり多くなって、優先順位で、BCGはまずということであれば、ちょっと我々のほうでもまたどういったことができるか、引き続き検討をさせていただきたいと思います。結果はまた次回の合同部会のほうで御報告させていただきたいと思います。
○桃井委員 よろしくお願いいたします。ほかに御意見いかがでしょうか。
○倉根委員 資料12の、例えば5ページ目だと、ここにロタウイルス胃腸炎というのがずっと並んでいるのですが、これは胃腸炎があって、ロタウイルスが検出されたということでよろしいのですか。つまりワクチンを検出しているわけではないのですよね。それとも偶然何かロタウイルスの感染症があったときに、その前後にワクチンを接種されたということになるのでしょうか。結構ロタウイルス胃腸炎というのが多く見えたものですから、そう質問したのです。
○桃井委員 おっしゃるとおりだと思います。発症日も不明のものも結構ございますし、これはロタウイルスワクチンと同定をした症例なのか。
○事務局 いずれの症例もワクチンを打った後に、胃腸炎が見られたものとして報告されたもので、必ずしもウイルスが検出されたものだけが報告されているわけではないです。
○桃井委員 そうすると、正確には急性胃腸炎ということなのでしょうか。検出されてなければ急性胃腸炎というふうに理解してよろしいでしょうか。
○事務局 失礼いたしました。ロタウイルスは確認できているのですけれども、野生株なのか、ワクチン株なのかというところまでは確認できていないものも入っているということです。
○倉根委員 そういうことですか。
○桃井委員 ありがとうございました。全例確認ができていないと理解してよろしいのでしょうか。
○事務局 ウイルスがあるということ自体は確認できているのですけれども、遺伝子型までは、全ての症例で解析できているわけではないということです。
○桃井委員 よろしいでしょうか。
○倉根委員 ということは、ワクチンかもしれないし野生株かもしれないということですね。分かりました。
○桃井委員 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、確認できたデータをまとめたいと思います。副反応疑いの報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて、特段高くはない。アナフィラキシーと評価された症例は、日本脳炎ワクチンの単独接種で1例、B型肝炎ワクチンとロタテックを含む同時接種で1例、ただしアナフィラキシーに関しては、先ほどから御意見を頂いているとおりでございます。死亡症例は、今回の集計対象期間にB型肝炎ワクチンとロタリックスを含む同時接種で1例、ロタリックスを含む同時接種で1例報告をされました。いずれもワクチンとの因果関係は不明であると評価をされています。このようなまとめでよろしいでしょうか。
 それでは、この内容を踏まえまして、現在の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見があるか賜りたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、御審議いただきましたワクチンについては、以上のまとめによって、これまでの副反応疑い報告によって、その安全性について重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。以上で資料14まで終了いたしました。これで議題1の各ワクチンの安全性に関する御審議を終了いたします。ありがとうございます。
 次に、報告事項に移らせていただきます。昨年11月29日に開催いたしました当部会におきまして、大阪大学大学院の医学系研究科教授の祖父江友孝先生においでいただきまして、HPVワクチンに係る診療体制における協力医療機関等を受診している方々を対象とした、疫学的な調査研究、症例フォローアップ研究について、その解析結果を御報告いただきました。その際に、個別の症例について、本人の自覚する病気の症状と、就学・就労等の日常生活の支障の程度とが相関しているかどうかということについての意見も出ましたので、もし可能であれば追加で分析をお願いしたいということになりました。それに関して追加の解析結果がまとまったということですので、本日も大変お忙しい中、また長時間お待たせして、おいでいただいております。では、大阪大学の祖父江友孝教授に、その結果を御報告いただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○祖父江参考人 大阪大学の祖父江です。前回に引き続き、資料16の症例フォローアップ調査について御報告いたします。若干復習をしながら説明をしたいと思います。前回の部会資料として2ページの上の段ですけれども、症例フォローアップの調査対象施設等を説明しています。対象施設としては協力医療機関等で、そこを受診している対象者、過去にHPVワクチン接種歴がある人で症状があり、継続して受診をされている方。この方の同意を得て、主治医を通じてですけれども御本人に対してのアンケート調査というか質問票を配布して回答していただいたということです。登録後は1か月に1回、継続的に報告をしていただいています。下段が対象者の設定フローですけれども、症例の登録例が57例ありました。初回調査票のみ5例となっていますが、これが今は、蓄積はされていますけれどもデータとしては前回のデータで固定をして、解析対象者としては51例で行っています。
 追加分析事項が3ページですけれども、1番目は登録までの経過に関する追加分析。登録までに既に長い時間がたっていますので、それ以前の症状や就学・就労の支障の程度、特に継続的な就学・就労への支障の程度を、調査開始以前の経過を見たというのが1つです。これは我々の分析がちょっと不十分であったところの追加です。2番目は2回目以降の調査票に関する変化パターンを見た追加分析のところですけれども、委員の先生方の御指摘に対応して、Aの継続的な就学・就労への支障の程度、及びBの現在の病気の状態について、変化パターン「一致」、「不一致」のクロス集計を踏まえた症例のグラフの並べ替えを行いました。さらに「不変-不変」と変化のない方についても、AとBで乖離があるかないかという点で、各スコアの平均値の分布を比較しました。
 次ページです。まず第1番目は調査の平均的な時間経過を示しています。黄色の四角内がそれぞれ平均年齢ですとか、平均的な期間とかというものを示しています。初回接種時の平均年齢が14.3歳、初回症状が出現する直前の接種時の平均年齢が14.5歳、初回症状出現時の平均年齢が15.3歳、登録時の平均年齢が18.8歳ですから、平均的には症状が発現したときから登録時までに3年以上経過しているということです。今回の調査は登録時の平均年齢18.8歳から観察を開始して、平均9.1か月観察をしたと。ですから、既にかなり症状の変化があって、その結果の状態でのある意味安定している、慢性化している状態を見たというものになります。
 下段が上段のア、イ、登録前に生じていた特に継続的な就学・就労への支障の程度の変化を見ています。アというのは、発症日からAの「3.ほとんど休む」が開始されるというか、その状態になった始めの日というか、までの期間が6か月以内というのがやはり13例で多く、症状が発現してから就学・就労が困難な状態になったという例が多いですけれども、かなり間が空いて36か月以上又は42か月以上というところで、初めて「ほとんど休む」という状態になったという例もあるということであります。ただ、多くの例は6か月以内と。3のほとんど休むという状態の持続期間が6か月以内が8例、6~12か月が13例、この程度の期間をほとんど休むという状態が持続しているということですけれども、3.7年の登録より前の期間の中である程度収束している例が多いというところです。ただ48か月とか54か月とか、長期にわたってほとんど休むという状態が持続している例も見られます。登録前の状況ということで、追加報告をいたしました。
 2回目以降の調査票に関する追加分析ですけれども、2回目以降の状態についてまずA、Bが観察開始、終了の時点での差分が、Aについては絶対値として0.5以上の変化、Bについては2以上の変化。Aに関しては0~4というグレード、Bに関しては1~10というグレードですけれども、この変化が見られるか見られないかということで分類をしました。
 次ページは前回の部会資料ですけれども、上がA、下がBで、Aの就学・就労への支障の程度の変化でいきますと改善のほうが下になりますので、下がっているのが改善、上がっているのが悪化です。リグレッションラインとしては右下がりという形になっていますが、それが改善としてN=11例、不変又は動揺が27例、悪化が7例ということになります。
 下のBの病気の状態でいきますと、改善が9例、不変又は動揺が31例、悪化が5例ということです。
 このクロス集計をしたものが7ページの上です。45例評価ができたうちの右の対角ですね、4例、20例、2例と、改善、改善、ともに不変、不変、悪化、悪化という例が4+20+2で26例、過半数としてはこういう例ですが、不一致としてAのほうがより悪化というか、右上のほうが4例、4例、1例と9例ありますし、左下に当たるのが7、3という例になります。このクロス集計に応じた症例の並べ替えをしたのが下のグラフです。対角にある26例が緑の枠で書かれていますけれども、そのうちの4例が最小、20例、下に2例あります。症例番号でいきますと22、49という所です。黄色の枠で囲った所が10例ある左下に当たるものです。7例が上の段と左下に改善、不変が50という症例と、3例のグループが不変、悪化のグループですけれども、下の段となります。
 赤で囲った所が9例です。右上のグループですけれども、4例、1例、4例と。悪化と改善と2段階の乖離が見られた例が症例40ですけれども、左下に示されています。ブルーのラインがB、オレンジのラインがAとオーバーレイしていますので、その変化パターンと位置関係が見て取れるというグラフであります。これは詳細を見ていただくのがデータとしては適切なのかもしれません。
 それを図示したということなのですが、次ページで更に検討しましたのが、不変、不変と両方とも変わらないという20例がありますけれども、その場合でもAとBのレベルが違うという場合があります。8ページの下段でいきますと、不変、不変で第1例は青のラインとオレンジのラインがちょっと離れています。3、5と行くのですけれども、症例ナンバー5あるいは症例ナンバー7、症例ナンバー11、18、31というのが乖離していて、ブルーとオレンジのラインが離れているということです。
 ほかの例ではある程度一致していると、不変ながらもレベルが違っていたり合っていたりする。それを図示したのが9ページの上です。ちょっと間違いがありまして、赤で囲われている所の症例番号が1、7、6、31、18、5とありますが、6が間違いで、これは11です。申し訳ございませんが、6を11に訂正してください。この図の示すところは、AとBを縦と横に図示したわけですけれども、ブルーのラインとオレンジのラインが高い、低いで一致しているのが対角に来るブルーの枠で囲った所ですが、赤で囲った所が先ほど申しましたように乖離している。そのパターンは、就学・就労の状況としてはそれほど問題はないのだけれども、御本人のいわゆる現在の病気の状態というのが余り良くないという意味での乖離が見られるという例が1、7、11、31、18、5といった症例であるというところです。ですから一致と言ってもちょっと症状というか、本人の言う現在の病気の状態と就学・就労の状況が若干乖離している例も見られるということでありました。
 総括でいきますと、登録までの経過に関する追加分析としては、既に接種からあるいは発症から平均的には3.7年経過していますので、その間に変化が大きくあって、多くの例では「ほとんど休む」という状態を経験していますけれども、その後、登録までには回復していた例が多かったということです。
 2回目以降の調査票に関する追加分析でいきますと、クロス集計の結果を見た上での症例のグラフ化をいたしました。一致例26例のうち「不変」一致が20例、「改善」又は「悪化」一致というのが6例ありました。不一致19例のうちA「改善」又は「不変」が10例、B「改善」又は「不変」が9例ということです。こういうものに関して図示をし直したということであります。
 AとBのパターンが不変、不変と判断されたものの中でも、AとBのレベルに関して一致した例が14例、不一致の例が6例あったということです。ただ今回の検討は、症例の収集の際に網羅性というのは全く考えていません。一部の例ですので、結果を一般化するということに関しては十分に細心の注意を要することを付け加えておきます。以上です。
○桃井委員 ありがとうございました。前回11月の議論の内容を受けて詳しく解析いただき、御提示を頂きました。症状の訴えと生活レベルの乖離に付け加えまして、このA、Bで示すその2つのレベルの乖離も追加をし、解析をして御説明いただきました。これに関しまして、何か御質問や御意見等を頂ければと思います。いかがでしょうか。
○倉根委員 先生、レベルの乖離というのは、症状としては重篤だけれども、例えば就学・就労には問題のないような症状で重篤さが出てくるということでしょうか。
○祖父江参考人 重篤さというか、現在の病気の状態のレイティングは、あくまでも御本人が1~10まででどのレベルにありますかと言っていただいている回答に基づいています。就学・就労に関しては客観的な事実として、できているのかいないのかということを聞いています。
○桃井委員 ほかに御質問等はありますか。祖父江先生がおっしゃられたように、サンプリングバイアスが掛かっている調査ですので、このパーセンテージをもってして一般化はできないということは、最後に御指摘を頂きました。しかしながら、様々な切り口から多様なパターンを示しているということは、事実であろうと思います。ADLと本人が感じている症状について、様々なパターンがあるということをお示しいただきました。何か御質問等はおありになりますか。
○倉根委員 もう1ついいですか。例えば、症状が動揺あるいは不変で先生が直線を引くと平行になるという方がいるのですけれども、実際にはその中にも、ある日あるいはある調査では症状が結構回復しているという方もいるわけですね。そういう方は、また症状が重篤になるときは上がってしまうので、直線としてはX軸と平行になる。そうすると、実際にはいいときもあるということですね。確認です。
○祖父江参考人 ですから、一定のパターンで改善しているか、あるいは悪化しているかという例ばかりではないはずなので、直線というか両端で判断するのは余り適切でない例もあると思います。ただ、多くの例で割と一定のパターンを取っているということで、分類してもよいのではないかと判断できたのでこういう分類をしていますが、中には良くなったり悪くなったりを繰り返している例もあると。これを不変と言わずに動揺と呼んでいるわけですけれども、不変と動揺というのは同じではないはずですので、これはまた分けて考えるほうが適切なのかもしれません。
○桃井委員 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。様々なパターンを示している病態であるということが言えると思います。祖父江先生、重ねて解析をしていただき、誠にありがとうございました。
 それでは、報告事項の2つ目に入ります。資料17です。HPVワクチンに関するリーフレットの公表が1月18日に行われました。それについて、事務局から報告を頂きます。
○事務局 資料17について報告いたします。資料17は1、2、3と、委員の先生には参考資料を配布しております。12月22日の合同会議において、HPVワクチンに関する情報提供としてリーフレット(案)を提示し、そこで御議論いただいたところです。合同会議及びその後の御意見等を踏まえたものがこの資料17になりますけれども、先月1月18日に厚生労働省のホームページに既に掲載しています。同日、都道府県経由で市町村に周知をいたしました。また合同会議の中で御意見がありましたが、現場の医療機関への周知ということがありましたので、医師会と医学会に対して同日依頼をし、各会員への周知をお願いしています。また学校関係として、文科省への周知も行いましたので、報告させていただきます。報告については以上です。
○桃井委員 ありがとうございます。これにつきましては、前回も様々な御意見を頂いているところですが、御意見等はありますでしょうか、いかがでしょうか。医療関係者のみならず、国民がいかに適切な情報を目にできるかというところが一番重要であろうと思いますので、それについても一層御尽力を頂ければと思いますが、何か御意見はおありになりますでしょうか。
○倉根委員 アクセス数というのは、具体的に分かるものなのですか。
○事務局 厚生労働省のホームページのアクセス数などについても確認をしていますが、確かに公表した段階で少しヒット数が上がっているということを観察しています。このリーフレット等の公表に関しては、厚生労働省のホームページ以外のホームページ、自治体などでも公表されることになるかと思っていますので、どの範囲が情報として収集できるか、その辺りも含めて検討していきたいと考えております。
○桃井委員 ほかに何か御意見はおありでしょうか。
○多屋委員 資料17-2と資料17-3は比較的対象者が分かりやすく、資料17-2はワクチンを受けるということで受診されたお子様と保護者、資料17-3は医療関係者、医療従事者だと思うのですが、資料17-1は具体的にどういう所で配布、あるいは渡すことが想定されていますか。
○事務局 資料17の関係に関しては、前回12月の部会の資料のときに少し説明申し上げたところもありますが、資料17-1に関しては、表題の所でHPVワクチンの接種を検討しているお子様と保護者の方へということですので、厚生労働省のホームページあるいは自治体のホームページ、あるいは自治体のほうに問合せがあった場合にはその方にこのリーフレットをお出しするという形での活用を想定しているところです。
○桃井委員 何か追加の御意見はおありですか。
○多屋委員 私は検討していますということを言っていくのが難しいなと思ったもので、どういう所から情報が入るかという質問だったのですけれども、いろいろな所から情報が入るようになると理解いたしました。ありがとうございます。
○桃井委員 厚労省や市町村のホームページを頻繁に御覧になる方は少ないので、ホームページを見なくてもたまたま目にするという機会が医療に関するコミュニケーションでは大変重要であろうと思います。たまたま目にするためには、どのような方策があり得るかということも含めて御検討いただければ大変有り難いと思います。情報は伝わってこそ価値がありますので、なかなか難しいことですけれども、引き続き御検討賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。ほかによろしいでしょうか。
 それでは、本日の議案はこれで終了させていただきます。その他、事務局から何かおありでしょうか。
○事務局 本日は、長時間にわたり活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。机上に配布しております添付文書集の黄色いファイルは再利用させていただきたいと思いますので、机上に置いておいていただければと思います。もし書き込み等をされておりましたらお名前を書いていただければ、次回以降も同じ資料をお配りいたします。次回の開催につきましては日程調整の上、日時について御連絡を差し上げます。
 また、傍聴者の皆様へお願いです。まず審議会委員が退室いたしますので、退室が終わりますまでそのままお待ちください。事務局からは以上です。
○桃井委員 それでは、本日の会議はこれで終わらせていただきます。重ねまして、大阪大学大学院の祖父江教授には、度々本会議においでいただきまして貴重な御報告を頂き、誠にありがとうございました。疫学的調査の非常に難しい病態ですので、随分御苦労をしていただいたと思います。誠にありがとうございました。
 それでは、本日はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。


(了)

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