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2023年9月28日 第35回医療用医薬品の流通の改善に関する懇談会議事録

医政局医薬産業振興・医療情報企画課

○日時

令和5年9月28日(木)18:00~20:00

 

○場所

AP新橋 Aルーム

○議事

○木本流通指導官
 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第35回「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」を開催します。
 今回は、遅い時間となりまして大変申し訳ございませんでした。
 また、今回はオンラインも活用した開催とさせていただいております。
 オンラインで御参加の構成員は、御発言のとき以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 また、御発言の際には挙手により合図をしていただき、三村座長からの御指名を受けた後に御発言いただきますようお願いします。
 会場の構成員におかれましては、御発言内容がマイクを通じてオンライン参加の構成員に伝わりますので、御発言の際にはマイクを使用いただきますようお願いいたします。
 まず、事務局に人事異動がございましたので御紹介させていただきます。
 前回、流改懇を開催した6月26日以降、7月4日付で大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官に内山博之、8月1日付で医薬産業振興・医療情報企画課長に水谷忠由が着任いたしました。
 なお、水谷は前の予定が長引いておりまして到着が遅れているようでございます。
 それでは、内山審議官より挨拶をお願いいたします。

○内山審議官
 皆様、遅い時間にお集まりいただきましてありがとうございます。医薬産業振興・医療情審議官の内山と申します。
 本日は遅い時間にお集まりいただいた上、日頃より医薬品行政、医療行政の推進につきまして御協力いただいていることに、この場をお借りして御礼申し上げます。
 現在、長引く出荷停止や出荷限定によりまして、医薬品の供給の不安定や供給の不安というものが国民の皆さんにも広がっていると思ってございます。
 医薬品メーカーでは増産体制の確保をお願いしていると思いますし、卸の皆様には販売先への適正量の調整、あるいは医療機関や薬局におかれましては代替品の使用、地域やチェーン内での連携による不足品の調整、あるいは処方量の調整など、そうした大変な御負担、御苦労をおかけしているというふうに認識してございます。医薬品の安定供給に御尽力いただいていることに、改めて御礼申し上げます。
 私ども厚生労働省におきましても、医薬品の安定供給の確保に向けまして本年6月に取りまとめました有識者検討会の報告を受けて、7月には後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造の在り方に関する検討会を立ち上げております。ここで、少量多品種構造の解消、あるいは生産効率の向上などの論点に沿って御議論していただいているところでございます。
 医薬品流通につきましては有識者検討会の報告書にもございますけれども、全ての流通関係者の皆様が流通改善ガイドラインを遵守していただく。そして、医薬品特有の長年の取引慣行、あるいは過度の薬価差、薬価差の遍在、こういったものの是正を図っていくということ、これを通じまして適切な流通取引が行われる環境を整備していくことが重要だと思ってございます。
 本日は、さらなる流通改善に向けまして、この流通改善ガイドラインの改訂など、より具体的な御議論を行っていただきたいと考えてございます。
 それぞれのお立場から、あるべき医薬品流通の姿に向けて忌憚ない御議論をいただきますようよろしくお願いいたします。
 よろしくお願いします。

○木本流通指導官
 それでは、次に構成員の交代がございましたので御紹介させていただきます。
 日本医薬品卸売業連合会、長谷川構成員に代わりまして松田構成員、よろしくお願いいたします。
 続きまして、構成員の先生方の御出欠について報告いたします。
 本日、19名の構成員が会場での御参加、貞弘構成員、三浦座長代理がオンラインでの御出席との連絡をいただいております。
 また、日本ジェネリック医薬品販社協会、長嶋委員の代理として池田様に御出席いただいております。
 また、日本歯科医師会、小野寺構成員、日本精神科病院協会、平川構成員から御欠席との連絡をいただいております。
 続きまして、本日の資料につきまして、本日はペーパーレス会議となっておりまして、お配りしているタブレットに資料を用意してございます。
 それでは、本日の資料の確認をさせていただきます。
 「座席図」「議事次第」「委員名簿」「資料1」、それから「参考資料1」から「参考資料3」が入っております。不備や御不明な点がございましたら、お声がけいただければと思います。
 それでは、これより議事に入りますので、撮影はこれまでとさせていただきます。
(報道関係撮影終了)

○木本流通指導官
 以降の議事進行につきましては、三村座長お願いいたします。

○三村座長
 それでは、本日の議事を開始したいと思います。
 本日の議題は、「1.医療用医薬品の流通改善に関する課題」「2.その他」となっております。
 まず、議題1「医療用医薬品の流通改善に関する課題」に関して、事務局から資料が提出されておりますので説明をお願いしたいと思います。

○信沢首席流通指導官・流通指導室長
 それでは、資料1について御説明させていただきます。
 まず本日の議題についてですが、1ページ目「I 流改懇において今後検討していくべき主な課題」「II 当面ご議論頂きたい事項」としまして、「1.流通改善ガイドラインの改訂」、「2.2024年問題」、本日はこの2つについて御議論をいただくことになります。
 2ページ目を御覧ください。
 「流改懇において今後検討していくべき主な課題」について、「1.当面ご議論頂きたい事項」です。
 「有識者検討会の報告書等を踏まえ、以下の事項を中心に流通改善ガイドラインの改訂について検討し、合意が得られたものについて、令和6年度の取引への反映を目指すこととしてはどうか」ということで、マル1からマル4まで、「総価取引の改善」、それから「一社流通」、「価格交渉を代行するもの」、「その他、追加・修正を検討すべき事項」について、これらを12月頃に改訂案についての御議論をしてもらいまして、そこで合意が得られればパブコメを実施し、改訂版を施行予定と考えております。
 それから、先ほど申し上げました「2024年問題」です。2番目に「令和6年以降、継続的にご議論いただきたい事項」といたしまして、有識者検討会報告書より抜粋しておりますが、1つ目は過度な薬価差、それから薬価差の偏在の是正策、もう一つは調整幅について、こちらのほうは年明け以降、また日程を改めて御連絡をさしあげて御議論いただきたいと考えております。
 3ページ目は、前回の流改懇の主な発言をまとめさせていただいております。
 4ページ目になりますが、こちらは本日の議題であります流通改善ガイドラインの改訂について、1つ目は「総価取引の改善」についてです。こちらは、有識者検討会の報告書において総価取引を改善するため、医療上、必要性の高い医薬品については安定供給に支障を生じるおそれがあるため、流通改善に関する懇談会等で検討の上、流通改善ガイドラインを改訂して対処していくことが必要であるとされております。
 そこで、論点を挙げさせていただいております。
 マル1流通改善ガイドラインに『別枠』とする医薬品の分類を明記したらどうか。
 マル2どのような医薬品を『別枠』としたらよいか。
 マル3『別枠』としたものをどのように扱ったらよいかということで挙げさせていただいております。
 5ページ目は、参考といたしまして「医薬品分類別の比較表」を記載させていただいております。医療上、必要性が高い医薬品としては、基礎的医薬品、安定確保医薬品のカテゴリーA、不採算品再算定品、血液製剤等を挙げさせていただいております。それぞれ重複があるものがございますので、そちらのほうは御了承いただきたいと思います。これら医薬品で供給不安が発生しないように、安定供給が行われるように、流通の面からも仕掛けをしていかなければいけないと考えております。
 続いて6ページ目、こちらは一社流通についてです。前々回の流改懇において先生方から御意見をいただきまして、下にございますとおり、その後、メーカー、それから購入者側である医療機関に御協力をいただきまして品目の調査をいたしました。メーカーが97社中、回答は95社、医療機関では67医療機関から、それから薬局からも6法人から回答をいただきました。
 7ページ目。調査の結果ですが、メーカー95社中、64社、235品目で一社流通の品目があるという結果となりました。詳細は、その下にございます。希少疾病用医薬品が134品目、生物由来製品が34品目、再生医療等製品が8品目、一社流通としている理由につきましては右側に記載させていただいております。
 8ページも引き続き調査結果が載っておりまして、劇薬20品目、後発医薬品9品目、その他、御覧のとおりとなっております。
 9ページは、医療機関に調査をしました結果です。医療機関側で一社流通の問題点としているということで、これは複数回答でございますが、価格交渉ができない。そのため損失が出るというのが一番多くて60ございました。それから、既存取引卸に取扱いがなく、新たな卸と契約を生じるなど、手続・管理が煩雑になるというのが2番目に多かったということです。
 10ページ目も医療機関側からの御意見ですが、こちらは少なかったのですけれども、肯定的な意見がございましたということで載せさせていただいています。
 11ページは、独禁法との関係についてです。こちらは公正取引委員会にも協議をいたしまして、まずその関係としては独禁法上の指針というものがございます。事業者がどの事業者と取引するかは、基本的には事業者の取引先選択の自由の問題である。基本的には独占禁止法上、問題となるものではない。
 例外的に、独占禁止法上、違法な行為の実効を確保するための手段として、取引を拒絶する場合には違法となりますというふうに書かれております。
 実は、公取のほうにも具体的な事案を提示できればということで協議をしておりましたが、実際に起きた個別事例によって判断するということで、そちらのほうの御回答はいただけませんでしたが、下に示したとおり、一社流通について上の記載とほぼ同じような書き振りではございますが、公取に協議をして回答をいただいたものです。
 12ページ目ですが、こうした状況を踏まえまして一社流通に関する論点をまとめさせていただきました。
 まず、「「一社流通」の定義」についてです。
 医薬品メーカーが自社の医薬品を医薬品卸1社、この場合、同一グループも1社に含むのですが、それに限定して流通させること。
 地域ごとに担当卸を1社決めて流通させているケースも該当する。
 「「一社流通」の論点」といたしましては、製品特性や流通量が少なく使用施設が限定されるなどの理由で、医薬品卸を1社に限定したほうが流通管理上、適切である場合においても安定供給に支障を来すことがないよう配慮すべきではないか。
 1社に限定することで、安定供給に支障を来す事情が生じた場合には、速やかにほかの医薬品卸との取引を行うなど、安定供給の確保に努めるべきではないか。
 もう一つが、医薬品メーカーは一社流通する製品について、あらかじめ一社流通の理由を医薬品卸や医療機関、薬局に対して丁寧に説明することが望ましいのではないか。その際、医療機関や薬局に対しては、医薬品卸を通じてその理由を伝える等の方法も考えられるのではないかとさせていただいております。
 13ページですが、価格交渉を代行するものについて、こちらのほうも価格交渉を代行するものの調査を引き続き実施しまして、今回、大手と言われる会社を中心として11社に調査を依頼しまして、うち9社から御回答をいただきました。
 大きく分けると、医薬品卸売販売業の許可を持っていない社が6社、許可を持っている社が3社ございました。
 調査の結果の概要は以下のとおりですが、業務形態とか成果報酬の有無、交渉スタイル、価格設定、ベンチマーク使用の有無等についてお聞きしました。
 回答を一通り見た中では、特に問題となるような回答は見受けられなかったということにはなっております。
 続いて14ページですが、こちらは「価格交渉を代行するものに関する論点」ということで、現在も流通改善ガイドラインには記載があるのですけれども、それをもうちょっと踏み込んだ形で記載させていただいております。
 取引条件等を考慮せずに、ベンチマークを用いての取引交渉や、成果報酬を目的とした過大な値引き交渉については、流通改善ガイドラインとの関係において問題とならないかというふうに記載させていただいております。
 15ページは、その他のガイドラインの改訂ということになります。これまでも流通上の課題として挙げられてきたものです。頻回な価格交渉の改善について追記等すべきことはないか。
 16ページ、「返品の取扱いについて、具体例を追記してはどうか。」です。
 17ページは、その返品の取扱いについて、平成18年に出した事務連絡を【参考】としてつけさせていただいております。
 18ページは「『一次売差マイナスの改善』について、さらに追記等すべきことはないか。」ということで記載させていただいております。その他、ほかにもあると思いますので、本日御議論いただければと思います。
 続きまして。19ページは2番目の「2024年問題」についてです。
 自動車運転業務について働き方改革関連法「時間外労働の上限規制」というのが、自動車運転業につきましては、来年4月1日から施行されまして適用を開始される。時間外労働の上限が規制の適用となるということと、ドライバーの労働条件向上のための拘束時間・休息時間等を定めた基準の見直しが行われることになります。
 詳細は次のページに載っておりまして、20ページを開けていただきますと、【参考】で「物流2024年問題」とございます。そもそもトラックドライバーが高齢化で若年層の採用が少なくなってきておりまして人材不足に陥っている中で、労働時間のほうも制限されていくということが課題とされているところでございます。
 すみませんが、19ページに戻っていただきますと、こういった状況で医薬品流通において何らかの問題が起きないかどうか、私どものほうで1つ挙げさせていただいている【課題】はその黄色の枠のところですが、卸も薬局も月末在庫を減らす傾向にあり、メーカーに対して月の初めに大量に発注がある。
 こうした場合、その結果、医薬品メーカーは月の初めに大量の出荷をしなければならなくなって、トラックドライバーは納品のためにその月初めに大量の時間外労働が発生する可能性があるのではないか。総労働時間規制が適用されると、この労働時間管理のために月初めの輸送に制限が発生するおそれがあるのではないかと書かせていただいておりますが、本日はこれ以外にもどのような課題が考えられるか。また、こうした課題に向けてこれまでにも取り組んだものがございましたら御紹介いただきたいのと、これから行う取組事例があるかといったところで御議論いただければと思っております。
 資料の説明は以上になります。

○三村座長
 ありがとうございました。
 それでは、ここまでの事務局側の説明を踏まえまして議論を始めたいと思います。
 時間に限りがございますので、順番に検討を進めていきたいと思いますが、まず「流通改善ガイドラインの改訂」についてということです。
 まず1番目、「総価取引の改善」ということについて少し御議論をお願いしたいと思います。
 今回、ある特定のカテゴリーを別枠とするという形で、一応ここで提案がされております。少し背景を申し上げますと、今まで流通ガイドランにおいては特別に非常に流通コストがかかる品目であるとか、特別の要件を持った品目については基本的に除外にするという形で提案が行われてまいりました。
 ただ、実態としましては、それについてしっかりやっていただいているところもあるのですけれども、それぞれの場合においていろいろ基準があったり、考え方が違うということで、必ずしも同じことではなかったということでございます。
 ですから、今回除外という言葉ではなくて、きちんとそれを別枠として扱うということ、ある意味でルールとして皆様の共通ルールとしてはどうかということが一つのポイントでございます。
 それから、医療上必要性の高い医薬品という言葉なのですけれども、基本的に医薬品は全て医療上必要性が高いということになるわけですが、有識者検討会で実はこれが議論されましたのは、御承知のようにセファゾリンの欠品問題、安定確保医薬品をめぐる問題、それからこの3年間に起こりました後発薬を中心とする非常に大きな供給不足、欠品問題が背景にありました。
 それについて、基本的に少しずつ事態を収束させていくために必要なことは何かについて、きちんと整理していかなければいけないということがあるわけですが、1つは、例えばメーカーにおきましては企業情報のある意味で可視化とか情報発信をしっかりしていただくということ、これは後発薬メーカーのほうにもいろいろお願いをしております。
 もう一つは、やはり流通段階をもう少し見えるようにしておく、あるいは動きが分かるようにしておく必要があるということでございます。これには一つの考え方としまして、全部の医薬品についてそれが可能であればいいのですけれども、いろいろと情報を基本的に精査したり、分析したり、あるいは時には情報共有するということも必要ということでございますので、まずは限定して進めた方がよい。例えば、医療上必要性の高い医薬品ということで見ていただきますと、まさにそういう視点で選択されておりますけれども、基礎的医薬品、セファゾリンを含む安定確保医薬品の中のカテゴリーA、それから非常に薬価が下がった結果、不採算が起こって、改めて薬価を再算定した不採算品再算定、これらを基本的に今回においては医療上の必要性が高い医薬品として、その取扱いを工夫したらどうかというのが一つの提案でございます。
 それからもう一つ、この下にございありますが、もともと先ほど除外という形の中で、血液製剤と医療用麻薬は法律上の規定がございますし、トレーサビリティー、安全確保、安全管理という話がありますので、管理上の安全性のためにやはりこれは配慮するべきだということでガイドライン上にもともと除外という形で入っておりました。
 そういった意味で、まずは優先的にという言い方かもしれませんけれども、単品単価取引が基本的に重要であるということを前提にしながらも、少しずつ流通段階をある程度透明化する、クリアにしていく一つの方法として、今回こういった品目、あるいはカテゴリーについて別枠にしたらどうかという提案でございます。
 これにつきまして、皆様から御意見、あるいは御提案等をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 小山委員、どうぞ。

○小山委員
 ありがとうございます。
 大変基本的な質問で申し訳ないのですけれども、前回の資料の中では総価取引というのはほんのわずかでしたよね。それで、問題になってくるのは恐らく単品総価のほうなのですけれども、そこは駄目というふうに考えたほうがいいのですか。それとも、あれは分類カテゴリーの中で一応単品取引に入ってくるけれども、純粋に総価取引というのはほんのわずかですよね。そこが問題なのでしょうか。そこのところを教えていただきたいと思います。

○信沢首席流通指導官・流通指導室長
 調査をする上で何らかの区分を設けなければいけないということで区分をさせていただきました。
 総価取引が少ないというのは、完全な総価ということで、交渉段階でも総価であるし、取引契約をするときにも総価であるというので、これはやはりその契約自体、本当に少ないのではないかと思います。
 単品総価であればいいのではないかという御質問かと思うのですが、我々が目指すのは基本は単品単価契約ですので、交渉のときも単品単価、契約のときも単品単価で、先ほど小山先生がおっしゃった単品総価というのは、交渉のときは総価なんですけれども、契約のときは単品になっている。
 これはどういうふうに実際やられているかというと、交渉のときに、では全体としてマイナス10%でいいですねといった交渉があって、全体マイナス10%と決まった後に、それぞれの個別の価格を調整して全体でマイナス10%になるように単品の単価を決めているという契約方式ですので、我々が目指そうとしている単品単価とは違うということになっております。

○小山委員
 分かりました。
 その意見はよく分かるのですけれども、この前の話し方だと、総価取引は非常に少なくて取りあえず単品総価になっているのが3分の1以上あると思うのですが、それでいいようなイメージを受けたので、ではうちは総価していないからいいよなというふうにイメージとしてきてしまうんです。そうではなくて、単品総価は駄目ですよということをはっきり言っていただければ、単品総価はしなくて単品単価にしてくださいという話ができると思うんです。
 その一方で、やはり2,000品目以上扱う大きな病院、特に大病院などはそうですけれども、それを単品単価で全部やるというのは非常に労力も時間もかかる行為だと思うのですが、それでもやれというのが厚労省の考え方なのか、聞いてよろしいでしょうか。こんなことを聞いてはいけないのかもしれないけれども。

○三村座長
 どうでしょう。今の先生の御質問は本当に本質的な議論で、一つの考え方は、やはりカテゴリー特性に合わせた取引交渉があってもいいし、例えばある局面においては一つ一つ厳密に単品別の交渉するのは必ずしも合理的ではないということもあり得るかもしれないと思います。
 ただ、やはり薬価制度の基本からしますと、基本的に単品単価を目指していただきたいということ、まず私どもはそのスタンスを崩さないということです。ただし、今回出しましたのはできるだけそちらの方向に持っていくための方法論として、あるいは基本的に全体の取引交渉や価格設定を透明化していくためのある意味での一つのステップとしてこういうことをやっていったらどうかという考えで今回は提案しております。

○小山委員
 ありがとうございます。なるべく単品単価でいくように努力をいたします。

○三村座長
 では、日本薬剤師会の森先生、お願いします。

○森(昌)委員
 ありがとうございます。
 私も最初に確認しておかなければいけないと思っているのは、何回もここで総価取引をやめようとずっと言ってきています。その立場から言うと、別枠をいいとはなかなか言いにくいのですけれども、今、座長が言われたように、取りあえずということであれば、議論すべきものだと思っています。まずは「総価取引の改善」と書いてありますが、本来は、私は是正ではないかと思います。ここら辺はその問題意識をもう少し変えなければいけないと思っています。
 その上で、基本は座長が言われたように、医薬品の価値に見合った価格をきちんと把握するということで言えば単品単価取引を進めること。ただ、それが一足飛びにはいかないから別枠を設けるというのであれば、そのことを確認した上できちんと議論をしていくべきだと思います。
 以上です。

○三村座長
 ありがとうございます。
 それでは、日本製薬工業協会の森委員お願いします。

○森(英)委員
 流通適正化委員会の森でございます。発言の機会をいただきましてありがとうございます。
 座長が今おっしゃられたことについては全くそのとおりかと思っていますけれども、一方で、有識者検討会の中でこの安定供給の問題と合わせてドラッグロスの話があったと思います。流改懇はドラッグロスなどという話を議論する場ではないということは十分理解しているのですけれども、製薬協といたしましては革新的な新薬、新薬創出のところはやはり単品で、別枠というところが単品単価を指すのであれば、やはり一個一個の価値が反映された交渉をお願いしたいというふうに強くお願い申し上げたいと思います。
 それで、6月にお示しいただきました資料の中で、既に卸連の皆様方と医療機関の皆様方は新創品と特許品については既に除外交渉といいますか、単品単価での交渉を既に進められているというふうな記載もございました。
 それの歩みをさらに進めていただくというところも踏まえまして、ぜひこの辺のところにつきましては御検討いただけないかと思っております。

○三村座長
 ありがとうございました。
 それでは、原委員どうぞ。

○原委員
 ありがとうございます。
 この表現の問題なのですが、「別枠」と言うと従来の総価取引そのままでこれだけ別枠になって単品になるという誤解を生む可能性もあるので、その辺の表現はもしかしたら気をつけたほうがいいのかなとちょっと思います。
 特に、医薬品の価値に応じた価格交渉とか値づけというのがあったのですけれども、ここは別枠で、カテゴリーによってはその薬の価値というよりも、成分の価値ではなくてそこの薬における役割の問題、基礎的医薬品とかはまた違うことになるので、薬の価値プラスアルファのものをそういう意味で別枠なんだよという言い方ができるような表現にするといいのかなとちょっと思っております。
 今、この中で幾つか出てきているのですけれども、基礎的医薬品でありながらも、同時に麻薬であったり、カテゴリーが2つ3つ重なるものも出てくるので難しいのですが、我々薬局側としても不採算品に関しては何が不採算品か分からない現状がありまして、卸さんが、これは不採算品ですよと言われて、不採算品なのかなと思うのですけれども、これはやはりある程度分かるようにしていただけると、ここの中では不採算品だけが別の見え方をしてしまうので、そこはちょっと気をつけたほうがいいのかなと思っています。
 余りカテゴリーを決めますと、では、それ以外の参考とある長期収載品と後発医薬品と2つしか残らなくなってしまって、ボリュームは大きいのかもしれませんけれども、そこは総価でいいのかというふうに誤解されないような表現も必要なのかもしれないと思っております。
 以上です。

○三村座長
 大変貴重な御意見をありがとうございました。
 それでは、折本委員どうぞ。

○折本委員
 卸連の折本でございます。
 前回、私ども卸連の総会決議で、今ありました医療上なくてはならないもの、さらに安定確保しないといけないという品目群について、令和4年度の実績と分類という表現で申し上げて、正確に分類をいただきまして本当にありがたいと思っています。
 そんな中で、今いろいろお話のありました別枠というお話を初めてお伺いして、まさに我々卸側が総価交渉に慣れ親しんでいる中で除外という言葉を使っていたんだなという大反省をいたしております。
 今、小山先生もおっしゃられた単品単価取引交渉の在り方は本当に大変だと思うのですが、まずはそこから始める中で別枠の品目分類を、もちろん診療側の先生方の御意見が一番だろうと思いますが、それらの分類をお決めいただいてガイドラインに載せることは、まずもって第1ステップかなと考えております。
 ありがとうございます。

○三村座長
 ありがとうございます。
 それでは、岩下委員どうぞ。

○岩下委員
 ありがとうございます。製薬協の岩下です。
 先ほどの先生方の御意見とちょっと重複してしまうのですけれども、別枠とすることについてというのはその表現でいいのかなとは思いつつも、そもそも単品単価交渉を一義的には目指すというのが強調されるというか、それがむしろ総価が是認されて、そこからの別枠というのが強調されないようにする配慮が必要かなと思っています。
 その一つとしては、やはり余り別枠と言えども少ない範囲から始めるというのは、むしろ誤解を非常に招いてしまうのではないかと思っていまして、そういう意味ではもしかしたら最初に御提案があったような品目よりはもっと対象品目、対象分野を広げた形でやるのがよろしいのではないかと思います。

○三村座長
 ありがとうございます。眞鍋委員、どうぞ。

○眞鍋委員
 卸連の眞鍋でございます。
 私ども卸としましては、ここ3年ほど後発医薬品を中心にした出荷調整、またはその出荷調整になってしまった医薬品の需給の調整について大変に苦労しております。また、ここにつきましては医療機関や薬局の皆様にも大変御迷惑をおかけしているところであります。
 今回のこの後発医薬品を中心とした出荷調整は、品質基準の逸脱というところが主な原因でありますけれども、私ども卸連で、欧米各国で同じように後発医薬品の欠品問題が起きているというところを現地の方たちにもお伺いしながら調べたところ、欧米ではむしろ低マージンである、不採算であることによって欠品問題が起きたり出荷調整が生じているということから、今後この医薬品の総価取引の中で価格競争が過度に行われた場合に、本当に医療上必要な、医療上不可欠と言われているような安定確保医薬品や、保健医療上の必要性が高い基礎的医薬品も、そもそも法律によって安定供給が求められているような血液製剤というものの欠品問題が起きるということは大変に憂慮しています。
 安定供給のためにも今、森副会長のほうからお話がありましたとおり、一足飛びに全てを単品単価交渉へ持ち込むということは難しいかもしれませんので、医療上必要性の高いものだけでも別枠にして、この総価交渉とは切り離して単品単価にしていく。
 この点について、できれば流通当事者全体の合意として、まずはガイドラインにそういったものを別枠の単品単価交渉にしていくということを書き込んでいただければというふうに、これは私見ですけれども、思っております。
 以上です。

○三村座長
 ありがとうございます。
 実は、今日は皆様から御意見を伺いましたが、先ほど文章もございました。例えば、誤解を招いてはいけないとか、先ほど眞鍋委員がおっしゃいましたように、すさまじい後発品を中心とする供給不足と大混乱に対してどうしていくべきかというような話も前提にございます。
 そういうことを含めまして、やはり本日提案した内容を前提として進めたいと思うのですけれども、もう少し文章とか表現等につきまして事務局のほうで精査し、また皆様のほうの御意見を伺いたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。御意見は、ほぼお伺いしたと思っております。
 ありがとうございました。それでは、第2番目の論点に移りたいと思います。第2番目の論点は「一社流通」でございます。これにつきましては既に御説明がございましたように、対象となっている分野というのがどうも特別要件を持っている分野でもあるようでございます。
 また、独禁法上の解釈、あるいは公正取引委員会からの考えも一応こちらで紹介していただいております。そうは言いつつも、例えば医療現場の皆様、あるいは薬局の御担当者の側からしても、少しそれに対していろいろと疑問とか、あるいは質問もおありだろうという感じもしておりますので、まずは皆様のほうから質問とか御意見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、森委員どうぞ。

○森(昌)委員
 ありがとうございます。
 この一社流通に関しては、日本薬剤師会の総会でも意見が寄せられていて、非常に困っているということでした。
 何が困っているのかというと、非常に入りにくいのと、納品まで時間がかかるところです。今まででしたらいくつか卸があればすぐに入ったものが、一社流通になったことによって3、4日待たされたということがあり、非常に現場は困っています。
 そういう意味では、まず何のため、それから誰のための一社流通かということをきちんと考えていかなければいけないと思います。
 生命関連商品としての医薬品の特性として、これは考えていくべきと思います。日本の医薬品の流通は毛細血管型の流通網で、必要な医薬品の品質を確保した上で、迅速に、正確に全国津々浦々まで届けていると思うのですけれども、一社流通になったときにそれが途絶えてはいけない、どうやってそれをつないでいくかというのを考えなければいけないのではないかと思っています。
 一方、今日調査の中にもあったように、特別に限られた施設で使うようなものなどに関しては別に考えてもいいと思います。
 ただ、生活習慣病のような薬でも一社流通が出てきていますので、そういうものを一社流通にするのであれば、どういうことを担保して現場が困らないように、国民・患者がアクセスできるようにしなければいけないかということを考えていかなければいけないと思います。
 以上です。

○三村座長
 ありがとうございました。
 そのほかいかがでしょうか。
 それでは、日本製薬工業協会の森委員お願いします。

○森(英)委員
 流通適正化委員会の森でございます。
 御指摘いただいたリードタイムのラグといいますか、あるいはその利便性とか安定供給というところを御指摘いただいたという話で、前回のときも対象患者が少ないとか、施設が限られているとか、そういうところについては皆様方、御理解をいただいているのだろうと認識しています。
 一方で、前回御指摘いただいたのは、それ以外の品目もそれに乗じてやっているところが問題ではないのかというようなところかと思います。
 我々としましては、独自に製薬協の中でこのようなことについてアンケートというか、調査を行いました。
 ただ、その中で必要性が高いといいますか、そのような品目以外のものについては確認することができなかったというところがございます。逆に、これについては皆様方に教えていただきたいというところも実際問題ございます。
 我々としましては、そこで議論した結果、ちょっと話がそれるかもしれませんけれども、一社流通の問題だけではなくて、このガイドラインそのものの実効性を高めるためにも、流通問題に関わるアンケートというものを当局に、しかも定期的に実施いただけないかと思っています。
 現在も相談窓口というものが設定されていると思いますけれども、受け身ではなくて能動的に医薬品流通の課題とか問題点を収集いただくというような仕組みが必要になってきているのではないかと思っています。
 一社流通の問題につきましても、具体的なメーカーでありますとか品目についてそのアンケートに記載いただきましたら、必要に応じて当局が当該のメーカーにヒアリングを行ったりということも可能なのかなと思います。この一社流通の御指摘がきっかけとなりまして、ガイドラインの実効性を高めるというところにもつながっていけば、これは前進なのではないかと思っています。
 今、森委員のほうから御指摘いただいたところにつきましては、我々製薬協でこのお話を御指摘いただいたということはしっかりとフィードバックさせていただきたいと考えております。

○三村座長
 ありがとうございました。
 それでは、折本委員お願いします。

○折本委員
 卸連としても、少し事前にこの一社流通の状況アンケートについて検討いたしましたが、今、森先生の御質問で私どもなりに、もちろんこれだけの235品目を全てトレースしたわけではないのですが、一社流通の是是非を私は申し上げるつもりではなくて安定供給という意味合いで申し上げますが、一社流通になるということは、すなわち安定供給ができない卸であれば一社流通になる必要はないはずなので、森先生の薬剤師会の中で何かそのような問題がおありなのか。具体的なメーカーとか品目はよろしいのですけれども、何かそういったことがありましたら一度教えていただきたい。
 過去、調べた範囲では、原薬が入らなくて駄目になったという例も何件かあると伺っていて、詳細までは詰めておりませんが、事前に教えていただければ、一社流通の是是非は別としましても、安定供給という面の卸の使命についてはきちんとしたお答えをしないといけないのかなと思っています。
 以上です。

○三村座長
 では、眞鍋委員どうぞ。

○眞鍋委員
 製薬協の今の森委員のお話ですと、一社流通に関しても当局のほうに窓口があるのだから、何か不具合があればそこに申し立てればいいではないかというふうに聞こえました。
 一社流通を決めているのは、我々流通側ではなくて製薬企業なんです。そういう意味では、一社流通にした理由について、ここの論点にもありますように。やはり丁寧に事前に説明を我々、卸や、医療機関や、薬局の皆様にするべきだと思います。説明責任は製薬企業にあると思います。
 ただし、我々としても流通の担い手として、そういった一社流通になった理由について医療機関や薬局の皆様にお伝えすることをお手伝いすることはやぶさかではないですので、その説明のときに漏れや抜け、誤りがないように、きちんと書面であらかじめ一社流通にした理由というものを、説明責任を果たすという意味においてしていただきたいと思いますし、できればその件についてもガイドラインにうたっていただければと思います。
 以上です。

○三村座長
 それでは、薬剤師会の森委員どうぞ。

○森(昌)委員
 ありがとうございます。
 確認させていただきたいのですけれども、今、例えばAという卸が一社流通になったとき、Aと取引していない薬局が困らないように、Bという卸からも購入できるようになっているという理解でよろしいでしょうか。
 私が聞いている範囲は、そうするとAという卸がないところ、それからAと取引をしていないところに関しては買えないから、Bというところから買える。
 ただ、Bを使ったときに非常に日数がかかるという声が現場から上がってきましたので、そこは今、小山先生が一社流通じゃないとおっしゃったように、では一社流通とは何なんだと、本当に購入できないことがあれば、それは安定供給上の大きな問題だと思っています。
 以上です。

○三村座長
 現状の定義については、むしろ製薬協のほうからいただいたほうがいいと思いますが、いかがでしょうか。
 現状がどうかということと、一社流通の考え方でAという卸さんとBという卸さんがあって、Bが扱っていない結果という言い方ですね。

○眞鍋委員
 流通当事者として、私どもが扱っていないが、しかし、その一社流通品が今のお話のとおり、A社が扱っている。
 ところが、当該薬局にはB社との取引しかない。A社との取引がないんだというときには、B社がA社から仕入れて供給をするというようなことがあります。そういう意味では、もしかするとそこでリードタイムが長くなったりすることはあり得ると思います。
 ここについては私どもも実態調査等はしておりませんが、ただ、当事者として肌感覚としてはそれは理解できるというところであります。

○三村座長
 では、先に森委員からどうぞ。

○森(英)委員
 お答えになるかどうか分かりませんけれども、今、眞鍋委員のほうからあったとおりだと思っています。
 我々はこの一社流通ということを考える中で最優先に考えているところは、やはり薬が安定的にと申しますか、患者さんのところにお届けできることが一番大事なところだと認識していますので、そのために少ない患者さんであったり、あるいは施設が限られているものについてはある程度、商品を集約してお届けできるような形を取っているというふうに理解しています。
 ただ、A社、B社の話については今、眞鍋委員のほうから御説明があったとおりではないかというのが正直なところです。

○三村座長
 宮内委員、どうぞ。

○宮内委員
 皆さんの医科のほうですと、多くの科目に渡るので実例がない思うので、歯科というクローズで見てみると、例えばアナフィラキシー・ショック補助注射液E剤という自己注射ショック治療薬が十数年前に出ましたけれども、当時はF社さんがやっていて、講習を受けて、歯科医師の先生も使えますよということで、歯科診療は局所麻酔薬を多用するのでショック例が結構多かったのです。
 その講習を受けてもF社さんとの取引のあるところが少ないから、余り流通で歯科界に迅速に回ってこなかったということがありました。こ日本歯科医師会に学校とか保育所の現場から、ショックを起こしたときに、歯科には、E剤という緊急薬でいいものがあるらしいということになって、結局、特例で教職員、保育士、救急救命士は講習を受ければ使えるようになったということで、供給元は一社でも必要とされる各方面に流通するということであれば良く、それからは患者さんのショック重篤な症状に陥るのが改善されている報告もあります。だから、コロナのワクチンを打つときもE剤を常備しておいたほうがいいという報道もされたところです。
 卑近な例ですけれども、先週、私は上顎にインプラントを入れていて十何年たちましたから骨の盲嚢掻爬オペを受けたのです。そのときに、遺伝子組換え歯周組織再生R剤は歯科ではもう5年くらい前から出ているのですが、それを使えないで、結局、先生がこの製剤はK社製で医薬品卸A社さんと取引がないから、別のM製剤というのを使うからと言って、細かいことをいうと自由診療で割高のお金がかかりました。
 R剤というのは保険が効くということですから、皆さんがテレビで御覧になっているように歯科インプラントの患者需要層は物すごく増えて、私がやった15、16年前と今だったら断然、国民が受けている症例数が違います。
 そうなると、いつか骨の炎症をから吸収が始まったときに、R剤という薬を骨補填材で入れておけば、遺伝子治療薬ですから結構再生が早い。そういうことで流通が改善されていくことになると、幾ら歯のブラッシングを丁寧に心掛けても、いわゆる異物を入れているわけですから、いつかはその周辺が炎症を起こすのは目に見えています。安定供給してもらうときに、講習を受けている先生がいても歯科流通に確実、迅速に入ってこないから、今、森副会長が言われたように3、4日ではなくて、あまり言ってはいけないけれども、A社さんは、医科診療所とは違い、歯科医院にはそんなに訪問してくれないのです。私どもが薬剤師を雇用していても歯科の流通では取り扱い不可なのです。そういう実例があるもので、これは保険適用の承認の際にもっとそこの最終流通まで考えていただきたいというのを私の歯科業界の役目として一言添えておきます。
 それから、先ほどの問題にちょっと戻ってしまいますけれども、来年の薬価改定では大手マスコミ報道によりますと、10%薬価を下げて、技術料1%ぐらい上げれば医師会も納得するだろうなどということが出ています。
 そういうことになると、単価ではなくて、とにかくそのときにこの品目だけは10%値下げから除外してもらうというふうな交渉がされないと、一律に下げられると私ども歯科の場合は、厚生省さんはよく分かっていると言うけれども、財務省が一律10%下げろと言うから、歯科用医薬品から特定保険医療材料までそれに従って下げるぞと言われてしまうと、余波を食らうのはいつも命、生命にあまり関係がない歯科で、3兆円ちょっとしかない業界で10%下げられたらもろに響くと思っていまして、それが私が今日言わせていただく一つのお願いです。
 歯科ということにフォーカスを絞れば見えてくるということで、アナフィラキシー・ショック補助注射液E剤と遺伝子組換え歯周組織再生R剤のケースを説明させていただきました。

○三村座長
 ありがとうございました。
 それでは、小山委員どうぞ。

○小山委員
 すみません。話があれですけれども、12ページのところに論点が整理されておりますが、「「一社流通」の定義」とあって、「「一社流通」の論点」のところで、やはり今お話にあったように、安定供給が非常に大きな問題だということはよく分かります。大変、ある意味、上品な表現だと思うんですね。
 私はどうも育ちがあまりよくないものですから、最初にこの会で言わせていただいたことは、一社流通になった場合、価格交渉ができないということが一番大きな問題だったわけです。この点を考えると、その下に「医薬品メーカーは」と書いてあるんですけれども、やはりメーカーは、ジェネリックメーカーも先発メーカーも一社流通にするちゃんとした理由づけを我々に提示するべきだと思うし、ある意味でのルールづけみたいなものはやっていただいたほうがよろしいのではないかと思いますので、ぜひそのような形でみんなが納得する、一社流通がいけないと言っているわけではなくて、そういうものがあることは十分分かっているつもりですので、なぜ一社流通にしなければならないかということを十分に説明するようなガイドラインの改訂の中に入れていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

○三村座長
 ありがとうございました。
 では、原委員どうぞ。

○原委員
 今のお話の延長なのですけれども、我々も会員のほうから、卸さんは一社流通だから価格は出ませんという言い方をされると、それは眞鍋さんにも言ったのですけれども、一社流通だからではなくて一社流通になる理由があって、特別な薬なんだから一社流通になっていて、だから価格が出ないんだという言い方を卸さんにはしてほしいなと思っていたのですけれども、メーカーさんから十分な説明がなければ、それはないのだろうなと思ったので、そこはぜひメーカーさんには説明をお願いしたいですし、それをちゃんとしておけば、これは一社流通じゃないよねという商品も、医薬品も多分あぶり出されてくるのではないかと思っています。
 それで、森先生がおっしゃるように、我々チェーンですと、大体の大手さんは卸さんと基本取引契約を結んでいるのですけれども、個店の場合は結んでいないことがありますから、急激にその薬と言われて卸さんを頼んでも、なかなか契約して担保を入れてという話になると大変ではないかと思っていますし、その薬だけ運ぶということは流通コストが相当悪くなってくるので、果たしてそれが本当に流通の合理化につながっているのかなという意味合いでは、それなりの薬でないと一社流通はふさわしくないのではないかと思っています。
 同時に、長期収載品が販売移管した瞬間に一社流通になることがありまして、みんなが使っていた、どこの卸でも納品されていた薬が何で販売移管後に関しては一社になってしまうのだろうというのは、我々みんな戸惑っているところでありますし、私はその場合は売る側の、販売移管する側の元のメーカーさんもそこは十分責任を持って流通が担保しているところに譲り渡してほしいと思っております。
 あとは、災害時の問題とかやはり出てきますが、安定確保という意味では災害時のことも考えて卸さんは多分やっていると思いますので、一社流通の卸さんは結構大変じゃないかなと思っています。メーカーさんから見れば、3社を1社に絞れば送り先も減って多分コストは削減できると思っているので、その削減した分は1社で頑張っているところにぜひ流通適正費として渡していただきたい。そうすることが一次売差マイナスとか、そういうことが今いっぱい起きていますけれども、是正にもつながっていくのではないかと思っています。
 あとは、この品目を見ていると、やはり病院さんが結構使う高額な医薬品が多くて、病院さんは大変なんだなと改めて思ったのですけれども、調整幅に関する議論は令和6年以降ですが、やはり2%という中で、調整幅2%しか薬価差がないとしたら、そういう高い医薬品を買いました、患者さんに渡しました、次も来るから買いました、開けました。
 ところが、患者さんは処方変更になりました。その薬はもう廃棄するしかないとなった場合、2%だと50回くらい買わないと元が取れなくなってくるので、一社流通で大変なものはそれでもいいんですけれども、ぜひ返品も受けられるような、温度管理とかあって再利用はできないかもしれませんが、そういうところも視野に入れて一社流通というのは考えていただきたいと思います。
 以上です。

○三村座長
 宮川委員、どうぞ。

○宮川委員
 宮川ですけれども、今ほとんど論点がそういう意味ではあぶり出されたと思います。
 つまり、一社流通に対して誰が一社流通にすると言ったのかということの説明責任をしてほしい。それをメーカーが言うのであれば、それはこれこれこういう理由だよ。卸が言うのであれば、こういう理由だよ。それが本当に流通として成り立っている話なのかどうかを私は知りたいので、その説明責任は一社流通にしたいと、したいと言ったのかどうか分かりませんが、したいと言った人がしっかりとした説明責任をしなかったら私たちは分からない。
 先ほど、るるそういう議論の中で言ったのですが、これにしか関わっていないのだろうと私は思いますので、その説明責任はメーカーも卸もしっかりしていただきたいと思います。
 以上です。

○三村座長
 眞鍋委員、どうぞ。

○眞鍋委員
 宮川先生、ありがとうございます。
 卸のほうから一社流通を申し出ることはありません。
 以上です。

○三村座長
 武岡委員、どうぞ。

○武岡委員
 選定をしたメーカー側にも説明の努力をしていくことはありますが、一方で、提案をしている卸様がいるということで一社流通になっているということもありますので、流通されている医療用医薬品卸さんも同じく御説明に御協力をいただきたいと思います。

○宮川委員
 宮川です。
 それを言うのであれば、みんなちゃんと本音を言ってください。
 私は最初から、今までこの流通の議論というのは、ずっといろいろなことが隠されたまま話しているんです。そういうことであれば、どちらが本当なのか、しっかりと話合いをしてあぶり出してください。それがこの流改懇の目的です。それが今までされていなかったから問題なんじゃないですか。
 メーカーがそう言うのであればそういうことで、卸などはそういうのがそれでないよと言うのであれば、その根拠も全部示してください。それが何の薬だったのか、どういう理由だったのか、それを示していただかないと私は納得できないと思います。

○三村座長
 今の議論は、どちらかというと独禁法上に関係してまいります。

○三村座長 
 それで、独禁法上に関係する話になってきますと、これは公取との間でいろいろ相談が必要になってきます。今はあくまでも一社流通ということ、ある意味で先ほどありましたように、こういったような品目であって、こういったような必要性の中でおやりになっているということをあくまでも前提としたことで、今、話を進めておりますので、独占云々の議論は今回はちょっと置いていただきたいと思います。

○三村座長
 それで、いろいろ御議論いただいたなかでよく見えてまいりましたのは、先ほどありましたように、どういう品目で多いかということを見て、ある程度、確かにそうだなというふうに納得している方もいらっしゃる。
 つまり、これは、今、モダリティーの変化なども含めて、流通そのものとか、あるいはメーカーの販売経路戦略も変わっていかなければいけない状況にある中で出てきた話かなという感じがいたします。
 ただ、それが一体なぜ必要なのか、そしてそれによってどういったメリットがあるのかということについて、残念ながら卸さんの段階、あるいは医療機関、薬局の段階にも納得できる説明がまだ不足している。
 もう一つは、先ほど森委員がおっしゃいましたように、現状、供給の案という中におきまして、やはり薬が来ないとか、取引先を変えなければいけないとか、そういったような何か具体的なお悩みとかトラブルも起こっている。 
 それについてどういうふうにまとめるかということなのですけれども、今日は穏やかな言い方でということになっているのですが、恐らくまずは一社流通についてこういう理由があるということについてのしっかりした説明をいただきたいということと、説明責任は医療現場とか薬局の方からしますと、メーカーと卸、両方から説明があっていい。そして、同時にそういったような細かい問題が起こっていることについて、基本的にそれを解決したり、問題に対応するような仕組みが必要だろうということで、大体皆さんの御意見はまとまってきているような感じを受けるのですけれども、ただ、いかがでしょうか。もっとそういう形ではないという御意見がございましたらお願いいたします。
 眞鍋委員、どうぞ。

○眞鍋委員
 宮川先生がおっしゃっているとおりだと思います。
 いずれの理由にせよ、きちんと透明性を持って、なぜそうなったのか、なぜこの品目なのかということを流通当事者の間で共有できるように、きちんと説明責任が果たされるべきだと思います。

○三村座長
 森委員、どうぞ。

○森(英)委員
 ちょっと確認をしていただきたい点がございまして、私は現場でMRをやっているときからの話なんですけれども、やはりメーカーが特定の卸さんを指定して購入して欲しいというようなことはコンプライアンス上の問題に抵触しないものなのかというところは、一度確認をしていただきたいとは思っています。その上での話だと思いますけれども。
 以上です。

○三村座長
 では、森委員どうぞ。

○森(昌)委員
 ありがとうございます。
 論点のところで今、三村先生から優しい言い方という話があったんですけれども、論点の○の1つ目の太字のところで「安定供給に支障を来たすことがないよう配慮すべきではないか。」ということですが、「配慮」はぜひ消していただきたい。配慮すればいいものではないと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

○三村座長
 では、岩下委員どうぞ。

○岩下委員
 1つ教えていただきたいのは、先ほどまでの議論について、実際にいろいろな課題があったりということについては大変よく理解をしたものの、この論点の1点目についてはそのとおりだと思いますが、2点目について、それを例えばガイドラインで記載したり、あるいは私はちょっと想像して製薬協に持って帰って加盟企業にそれを言うということは、その前のページの独禁法上の問題にならないのかどうか。取引自由の原則があるというところは今後どうするかということを考えると気になっているのですが、その点はいかがなのでしょうか。

○信沢首席流通指導官・流通指導室長
 事務局ですけれども、今の御質問は論点の2つ目で説明責任というところでしょうか。

○岩下委員
 どういうふうにやるかだと思うのですけれども、例えば先ほどガイドラインに記載するとあったのですが、それをガイドラインで押さえることが独禁法上の取引先選択の自由というところを阻害するようなものに当たらないのだろうかというのはちょっと疑問に思いまして。

○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長
 医薬産業振興・医療情報企画課長ですが、独禁法との関係で問題があるかどうかというのは、例えばガイドラインに説明責任をということが書いてあって、それを満たしていれば独禁法の適用を外れるとかという問題ではないので、独禁法上問題があるかどうかというのは、11ページのほうに基本的考え方として整理をさせていただいた、まさにそれにのっとって、あとは実際の個別の例がどうなるかは個別ケースの判断です。そういうことが守られていることは、これはある意味、法ですから、当然の前提とした上で、その上で一社流通がいいか悪いかではなくて、現に一社流通が行われる場合にはそこの説明責任をしっかり果たそうというのが、この論点2です。
 その論点2をどういう形で流通当事者の合意として担保していくかということを御議論いただいているものだというふうに認識をしております。

○三村座長
 独禁法上の問題なのかどうかは個別の事例でありますので、説明されているかどうかということは、むしろそれは関係ないということにもなります。
 よろしゅうございましょうか。でも、大体論点は整理されてきているとは思いますけれども、もう少しこの表現とか、あるいは先ほど具体的な、例えば疑問とか、あるいはトラブルとかもあるという話もありますが、その辺りをもう少し精査して、それで次回に向けてガイドライン上どういうふうに扱うかということについて事務局のほうで検討し、皆様にお諮りをしたい。そして、それを受けて流改懇にもう一度提出するという形にしていきたいと思います。
 森委員から何かございますか。どうぞ。

○森(英)委員
 今、岩下委員のほうからもありましたとおり、これをそのガイドラインに盛り込むということについてはちょっと慎重に考えていただきたい。説明責任だとかという話については、ある程度、皆さんの御意見をお聞きするという話なのですけれども、それとガイドラインに定めて、ガイドラインはみんなで守っていこうよという前提での話の中で、できないことは、なかなかお約束できないというところも正直ありますので。皆さんのお話はしっかりとフィードバックさせていただきます。
 ただ、そのガイドラインに載せる、載せないという議論は慎重に考えていただきたいというのが私の意見です。

○三村座長
 分かりました。その点につきまして、もう少し事務局のほうとも相談して検討していきたいと思います。
 ただ、説明責任というのを明示するか、企業の姿勢としてきちんとした説明をしていただきたいというのは当然、皆様の要望としてあったということはお持ち帰りになって、ぜひお伝えいただきたいと思います。

○森(英)委員
 承知しました。

○三村座長
 よろしくお願いいたします。
 それでは、第3番目の論点に入りたいと思います。価格交渉代行業者に関してということでございます。これについてのガイドライン上は、一応、案としてはまだ従来の表現を超えておりません。
 それでは、薬剤師会の森委員どうぞ。

○森(昌)委員
 ありがとうございます。
 事務局に確認です。先ほど事務局からの説明で、ここの価格交渉を代行するもののところで、これを見る限りは特に問題がないというように聞こえたのですけれども、そのような理解でよろしいでしょうか。

○信沢首席流通指導官・流通指導室長
 13ページの調査結果について、調査の結果を踏まえて問題となっているようなところは見当たらなかったという説明でした。すみません。

○森(昌)委員
 ありがとうございます。
 この中で「成果報酬ありが1社」というところですけれども、これは薬価差が出れば出るだけ報酬を上げるということはいいとは言えないことだと考えます。これは、1点意見です。
 その上で、価格交渉を代行するものがどうかではなくて、ここでどのようなことが行われているのかいうことと、そのことでサプライチェーン全体、保険医療にどう影響するかということが問題で、正直、今日お示しいただいた資料だけではまだ判断できないと思いますので、より詳しい資料を準備いただきたいと思います。
 以上です

○三村座長
 ありがとうございます。
 それでは、製薬工業協会の森委員どうぞ。

○森(英)委員
 森でございます。
 ちょっと素朴な疑問としてお聞きしたいことがございまして、13ページの「成果報酬の有無」で、今、森先生も言われていましたけれども、「成果報酬ありが1社」で、なしというのが7社あるということなのですが、成果報酬なくてどういったようなビジネスモデルが成立しているのか。正直、どうやってもうけているのか。言い方が悪いですね。どうやってビジネスが成立しているのかをお聞きしたいという素朴な疑問なんですけれども、よろしくお願いします。

○信沢首席流通指導官・流通指導室長
 まず、成果報酬につきましては14ページの論点のところにも書かせていただいていますが、森委員が先ほどおっしゃったように、どれくらいの成果報酬が出ているのかとか、そういったところまではお聞きしていませんので、成果報酬があるか、ないかというだけのお話です。
 それで、この成果報酬を目的とした過大な値引き交渉が行われている場合には、やはりガイドラインの問題となってくるのではないかと考えており、森委員がおっしゃったように、今後そういったところも調査していかないと、これだけで問題であるかどうかというのは判断できないというお話です。

○三村座長
 では、課長からどうぞ。

○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長
 ちょっと補足をさせていただきますと、今回初めて価格交渉を代行する業者の方に御協力をいただいて調査をしたというものであります。
 もちろん、今ビジネスという言葉をお使いになりましたが、まさにビジネスでございますので、そういうもので開示できる部分、できない部分というのもあろうかと思います。私どもも価格交渉を代行する業者の実態を、ある意味これまで議論になっているようなことを踏まえて少し念頭に置きながら質問の項目をつくり、それに対して回答いただいたものをまとめているということであります。
 ですから、今いろいろな御疑問に対してストレートにお答えするだけの材料は深いものを持ち合わせていない部分もありますので、そこは今回、様々な御指摘をいただきながら、さらなる実態をどのように把握していくことが可能かどうかも含めて検討していきたいと考えています。

○三村座長
 では、宮川委員どうぞ。

○宮川委員
 今、事務局からお話があったように、そういう意味では実態を示す資料というものがもう少しそろわないと、なかなか論点というものを深掘りできないだろうと思います。
 その中で、今お話があったように、成果報酬ありが1社、成果報酬なしが7社というのは、その7社はビジネスをしていないというふうに一見、見えますが、私も認識している中では、その価格代行業者の関連会社にチェーン薬局が有している取引というか、裏で動かしているチェーン薬局がある。それが代行業者の裏に潜んでいる。
 だから、価格交渉の中で成果報酬なしでもやっていけるということがそこに潜んでいるのだろう。ですから、そういうものを深掘りしないとそういうものが見えてこない。誰がその成果報酬というものを得ているのか。得て、それで得しているのかどうか。
 自分がそこに手を染めないで利益を生み出している仕組みがどこにあるのかどうかというのは、これから実態を少し深掘りしていただかないと、なかなかその議論というものは進展しないのではないかと思っております。
 以上です。

○信沢首席流通指導官・流通指導室長
 先ほどの製薬協の森委員の御質問に答えていなかったので、成果報酬がないというところはどういったものがあるかというと、会費とか手数料といったものを徴収しているということで回答いただいています。

○三村座長
 それでは、小山委員どうぞ。

○小山委員
 ありがとうございます。
 価格代行ですが、14ページの論点を見ると、価格代行で一番問題なのは過大な値引き交渉だと書かれておりますけれども、この前の資料で20社以上、20以上のチェーン薬局と、そうでないものを比べると、やはり値引き率は全然違うという形で出ているわけですね。
 そうだとすると、価格代行そのものよりも薬価をおかしくしているのはそちら側に問題があるのだから、そこをあぶり出さないと、代行者を責めても何の役にも立たないんじゃないかと思うのです。
 一番価格を壊しているのは、やはりメガ取引をしているところが薬価を少し壊しているのじゃないかというような感じを持つので、そこら辺の資料をもう少し次回出していただいて、20と言わずもうちょっと上げてもいいと思うのですけれども、そこはこの前の資料の中では明らかに値引き率が違っているということが数字として出ているわけですから、ここのほうが私は大きな問題だと思うんです。
 それで、これがあるから逆に言うと、大きくなると安くなるらしいぜというのでみんな集まってきて代行者に頼むというような構図ができてくるのではないかと思いますので、この価格代行に関する論点で一番大事なのは、過大な価格取引、価格交渉、過大な値引き率が問題になっているわけですから、ぜひここのところにもうちょっと焦点を当てた資料を出していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。

○三村座長
 それでは、宮川委員どうぞ。

○宮川委員
 私は少し優しく言ってしまったのかもしれないので、今、小山委員がおっしゃったようなところなんですね。裏に誰が動いているのか、どういうことで得する人がいるのか、そういうバイイングパワーも含めて、価格交渉の中でそれを壊している人たちがどれだけいるのか、皆さんが困っていることになっているんだよということを皆さんが理解して、流通を壊しているという面があるんだということをよく理解して、その深掘りをしていただきたいと思うわけです。

○三村座長
 どうぞ、小山委員。

○小山委員
 追加ですが、私は価格交渉がいけないなんて言っていません。値引きするのはとてもいいことだと思います。医療費が下がりますから、それはいいんですよ。
 ただ、それが全体とあまりにも差があるので、検討するならば、すごく大きく値引きしているところがどこなのかも分かっているんだから、そこを何とかしないといけないんじゃないかなという提案です。
 私は、優しいですよ。

○宮川委員
 ありがとうございます。

○三村座長
 では、宮内委員どうぞ。

○宮内委員
 友人の薬剤師から聞いて調べたら、ある一社は4,500店くらいの薬局をチェーン店化しているボランタリーチェーンがございました。これは近畿地方ですが、もう一社は上場企業かと言えるほどの1000億を超すような企業がありまして、これをネットで調べたら、大学病院70施設、国公立病院490、公市立病院390、合計950施設の薬局等の医療機関に、医薬品卸売業社との適正な取引価格の形成から受発注、代金決済などの業務一切を紹介していますと、こういうところがあると薬価基準調査の存在価値自体が失われてくるというふうに感じて、今、小山先生が言われたとおり、ちょっと失礼な言い方ですけれども、この間の会議までは保険薬局チェーンが悪者にされていた。こういうところが調べたら十何社あるというんですけれども、それがこんなにやっていたんだったら相当大きな影響力を、一般家電商品でいう価格ドットコムみたいな役目をそこがしているということになったら、失礼な言い方かもしれませんが、例えば3年程度で交代されるような院長先生は薬価価格交渉をどうしてもそこへ頼ります。
 ちょっと逸脱した発言で申し訳ないですけれども、当流改懇で前からある過剰な値引き交渉はどういうものを言うんだと医療側の構成員から言われたときに、コンサルティングが介して成功報酬をもらっているんだということを聞いていましたので、そのように返答させていただき、外注ねと言われて、それで納得されたのが平成28、29年頃だったと思います。
 そんな背景と経緯を経てこんなに大きな問題となり、もう1000億を超すような業者も出てきた。この950施設やっているところ等は様々な問題もあると聞いていますので、ネットに載っているだけでこれだけですから、皆さんの力で調べたり、製薬業界と卸連に調べてもらえば、詳細も判明し、対策もできると思っている次第でございます。

○三村座長
 ありがとうございました。
 先ほど御指摘がありましたように、恐らくこの数年で相当事態も変わってきているし、例えば特定の方がお持ちの情報もある意味では古くなっている可能性もあるような状況でもあります。
 ただ、問題の本質は先ほど小山先生がおっしゃいましたように、特定のところで過大な薬価差が発生しているとか、薬価差偏在の問題であるとか、そういう構造的な問題とも関連しているということで、一々、業者の方が適切か不適切かということを議論してもそれほど建設的ではないかもしれないというところもございます。
 ただ、非常に重要な問題でもありますし、これは来年度となっておりますけれども、薬価差の問題、薬価差偏在の問題については、やはりガイドライン上扱うべきであるという議論になっておりますので、さらにいろいろな情報を集めてもう少し整合性の高いものにして皆様のところにもう一度、皆様に提示して御議論いただくということにしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
 そうしないと、まだ情報が不透明な中での御議論ですから、いろんな形の混乱があるかもしれませんが、そのようにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、最後の論点で「その他」ということでございます。ガイドラインの改訂について、これは意見としてということがございましたらお願いいたします。
 では、折本委員、どうぞ。

○折本委員
 ありがとうございます。
 卸連合会としては、反省しきりという項目だけお伝えしたいと思います。
 5ページに、先ほどの比較表が出てございます。その中で、「安定確保医薬品(カテゴリーA)」、ちょうど令和4年度の薬価調査ですから中間年改定のときだと思うのですが、7.7という表示で本当に反省をしております。
 乖離率は、このときは部分改定でありましたので7%の乖離率だったと記憶しておりますので、これらをそのような価格にしてしまったという大罪は本当に反省すべきところで、先ほどの御議論の別枠という表現になるかどうかは別としまして、ガイドラインに載ったとして単品単価取引の在り方をもう一度きちんとしないといけない。
 卸連合会の中でも、過去この流改懇で数回にわたっていろいろな単品単価、先ほど小山先生がおっしゃった販路ごとの調査がございましたが、卸の中でも単品単価の概念、定義は別としまして、概念とか部分的な除外の意味合いですね。1品でも除外ですし、100品でも除外だという概念もございましたので、卸連の内部で、専門委員で10月中に一度、単品単価の事例も含めた定義と見直しといったことを諮りたいと思っておりますので、また御議論をいただければと思っております。
 以上です。

○三村座長
 ありがとうございました。
 それでは、森委員どうぞ。

○森(英)委員
 製薬協の森でございます。
 今後、ガイドラインの改訂に向けて議論を進めていく中で2点確認をさせていただきたいことが実はございます。
 ガイドラインの主要項目の中に、一次売差マイナスというものがございます。我々はこの流改懇の中で、一次売差マイナスに向けたメーカーの対応といたしまして、仕切価を引き下げるよう、暗に御指摘をいただいてきたというふうに承知をしております。
 ただ、一方で、過日行われました中医協の中では、仕切価を下げた品目について製薬協の主張と行動に乖離があるのではないかとか、あるいは残念な結果だったというような御指摘をいただいたと思います。
 仕切価を引き上げれば、この流改懇の場で御指摘を受け、下げたら下げたで中医協でお叱りを受けるというような事態になっていまして、厚労省が事務局をされているこの2つの大きな会議の中で全く異なる見解が示されているということでございます。
 今後、この一次売差マイナスの議論を進めていく中で、まずこの中医協での発言について何かを追求するとか、そういう話では全くなくて、ただ純粋にこのガイドラインの改訂を議論する前に、いま一度、当局のこの仕切価に対する見解をまずはお聞きしたいというのが正直なところです。
 2点目は、ちょっと長くなって申し訳ないのですけれども、やはりここでも中医協で示された資料の中で、割戻しとアローアンスが一次売差マイナスを補填する構造という記載がございます。
 この補填というところについて我々は誤解を解かなければいけないと思っておりまして、医療機関と卸さんが価格交渉をした納入価があって、それと仕切価の間の額を埋め合わせることを補填というふうに私は理解しています。それで、我々は薬価改定が行われて、すぐに仕切価と同時に可能な限り3月の早い時期に割戻しだ、アローアンスだということを卸さんに御連絡を申し上げます。
 これはなぜしているかというと、最終原価を卸さんに設定いただいて、4月以降の価格交渉に臨んでいただくためにそういうふうにしているわけでございます。
 重要なことは、納入価が先なのか、最終原価が先なのかというところで全く違う議論になってくると思っています。納入価が先に決まっているのであれば、これは補填と言われても仕方がない。それを補填しているためにやっているんだろうと言われても仕方がない。
 ただ、現実には最終原価を設定するところが先にきております。
 ここのところが、納入価を決めてそれを補填しているという話であれば、再販売価格というところにメーカーが関与しているというあらぬ疑いを持たれるというところにもつながってまいりますので、やはりそういうものではない、アローアンスと割戻しについて、補填しているなどと考えているメーカーは今はもうございませんので、今日お集まりの皆様方はその辺のところの御理解を十分にいただいているのだろうと思っておりますけれども、やはり本格的に議論を進めるに当たって、この点については確認をさせていただきたいということで、私は発言させていただきました。

○三村座長
 ありがとうございました。
 どうぞ。

○信沢首席流通指導官・流通指導室長
 ありがとうございます。
 まず中医協での御指摘なのですけれども、中医協の委員の先生の御指摘は、不採算品再算定品で値上げをしたものに対して仕切価率を下げているものとか、新薬創出等加算品について加算をしているのに、仕切価率が下がっているものがあるのはおかしいのではないかというお話がございましたので、その辺りは製薬協の皆様方に御協力いただいていますけれども、我々の方で今、調査をいたしましたので、それをもって今後、中医協のほうに御説明していきたいと考えております。
 それから、中医協の資料の方で補填という記載があったというのは大変申し訳なかったと思っております。いつも使っている一次売差マイナスのグラフというか、表なのですけれども、卸連さんの方からも実態と違うのではないかというお話もございまして、誤解を受けないような形で修正をしていきたいと考えております。
 以上です。

○森(英)委員
 では、確認をさせていただきますが、この仕切価の物の考え方というところにつきましては今までといささかも変わらないというような理解でよろしいでしょうか。

○信沢首席流通指導官・流通指導室長
 はい。こちらとしてはガイドラインに書かれているとおりで変わりません。

○森(英)委員
 ありがとうございました。

○三村座長
 眞鍋委員、どうぞ。

○眞鍋委員
 今、製薬協の森委員からおっしゃられたとおりだと思いまして、特に2点目のリベートやアローアンスが事後的に補填に使われているということではなくて、両方とも事前に契約に基づいて支払われるものということがまずありながら、1点だけ御指摘さしあげたいのは、まさしく森委員がおっしゃったように、3月のできるだけ早い時期に卸さんに連絡を申し上げる。
 ガイドラインのこちらにもありますけれども、資料の3ページ目にメーカーと卸売業者で十分に協議をして早めに決めろとなっていますので、協議の部分がどこかへ行ってしまっているということについては1点、指摘させていただきます。

○三村座長
 必要な指摘だと思いますが、よろしゅうございますか。
 どうぞ。

○森(昌)委員
 ありがとうございます。
 ガイドラインに追加・修正を検討すべき事項ということでよろしいですか。

○三村座長
 はい、そうです。

○森(昌)委員
 ガイドラインの5ページに一部書いてあるのですけれども、このときも安定供給に支障を来したときですが、今さらに厳しい状況になってきて、偏在であったり、目詰まりであったりが起きていると言われています。
 また、最初の挨拶の中で審議官から、地域で工夫をして何とか流通を保ってくれというお話もありましたので、ぜひ今この困っている状況の中でそこのところを厚くして、今の状況に合わせたものを書き込むか、安定供給という項目を1つ追加していただいて、サプライチェーンの中できちんと流通機能が安定するような形のことを書き込んでいただければと思います。
 以上です。

○三村座長
 ありがとうございます。
 岩下委員、どうぞ。

○岩下委員
 先ほどの眞鍋委員のところに関連するので申し上げる。ガイドラインの記載ぶりで、先ほどの3ページのところで十分な協議をすることとあったのですけれども、ここは正確にその前の森委員のお話しと併せて申し上げると、仕切価については告示後に速やかに協議をして改正前に決定する。それで、割戻し、アローアンスについては改定以降に協議すると先ほども森委員がおっしゃったように、事後値引き的な要素になってしまうので、それ以前に十分協議をする。告示後に限らず、そういうものにかかわらず常に協議をできる、むしろすべきですから、そういったことが分かるようにこの際、書き換えていただくといいかなと思います。

○三村座長
 森委員、どうぞ。

○森(英)委員
 流通の森です。
 私、現場で流通を担当している者としましては、卸さんとの割戻しについては、割戻し、アローアンスに限らずですけれども、やはり会議の名称はいろんな呼び方をするのですが、ずっとお話合いをしているというふうに我々は認識しています。その中でいろんな御指摘をいただいたり、こういう機能も評価してくれよとかという御指摘をいただいたりというのは正直しています。
 ただ、いろんな割戻しの項目などをお伝えするときは、その辺の議論を踏まえたものを、告示から3月までの限られた期間の中で卸さんに連絡しなければいけないという物理的な問題もございますので、先ほど眞鍋委員のほうからもありましたけれども、ここは口頭ではなくしっかり書面としていただいているというのはおっしゃっていただいたとおりだと思います。
 ただ、議論のところについては、これは眞鍋委員のこだわりでもございますので、特にそこについて申し上げるつもりはありませんけれども、我々の気持ちとしては、ずっといろんな形で会議等々で議論を重ねながら出てきたものを、限られた期間の中でそれを踏まえたものを提示しているというふうに私は理解をしております。

○三村座長
 ありがとうございました。
 よろしゅうこざいましょうか。今回はこの後にお気づきのところについてはいろいろ御意見を寄せていただくような時間もございますし、今回の議論はさらに続くということです。ただ、今日御提案いただきましたことにつきましては、一応事務局のほうで検討していただくということにしたいと思います。
 それでは、三浦先生どうぞ。

○三浦委員
 お忙しい中、恐縮です。一言だけ申し上げたいと思います。
 ちょうど前回もお休みさせていただき、今回も授業と重なったものですから、終わってからウェブ参加で申し訳ございません。
 三村先生のサブで有識者検討会に出させていただいて価格問題、特に単品総価の問題はすごく大きな問題だったということがありまして、価格設定に関して一言だけ申し上げさせていただきたいのですけれども、薬価が最終的に決まっているという話があるわけですが、そういった中でメーカーさんは今お話がありましたように、やはり仕切価はしっかりつくっていらっしゃって、最後の小売段階の薬局と医療機関の皆様は薬価で販売されているということがあるわけですが、その間の卸というのがなかなか価格をどう設定するか、すごく難しいところがあります。そういった意味では、やはりその中間の中で結構しわ寄せがくることもあるかと思いますので、卸の価格設定をどうするかということに関しましても、何か書けるかどうか分かりませんけれども、いろいろ議論があってもいいかなという感じがしました。
 それに関わって一言だけ私見で申し上げて恐縮なのですけれども、やはり単品総価が一番問題で、単品単価をどうするか。先ほど先生もおっしゃっていましたけれども、2,000品目あるのでなかなか難しい。あとは、薬局などでも小さな薬局さんは何万店とあるわけですから、そういったところは単品単価なんかとてもやっている暇がないという話があります。
 そのように考えますと、これは私の私見にすぎないので、また三村先生にいろいろ御修正いただければと思うのですけれども、やはり卸の方の御協力というのはすごくありがたいなという感じがしまして、卸の方々というのはOTCでは単品単価でやられているわけです。したがって、そういったシステムをお持ちなわけですから、もちろんOTCと医療用医薬品はかなり違う側面も多くあるとは思うのですけれども、卸の皆様の御協力で単品単価の最終的なところだけやるわけではなくて、卸さんとかメーカーさんも含めて流通全体で単品単価を目指していくということが必要な感じがありまして、そんなことも考えていければという感じもしております。
 一言だけ申し上げました。失礼いたします。

○三村座長
 ありがとうございました。
 もうお一人、オンラインで御参加の貞弘先生がいらっしゃるのですが、何かございますでしょうか。

○貞弘委員
 発言の機会、どうもありがとうございました。
 我々も、一社流通については全自病としても回答したものなんですけれども、この一社流通の対象品目がかなり高額なんです。高額で、そしてさらに今後増えていく可能性がありますので、小山先生がおっしゃったように、これが価格交渉できないというのは病院にとっては経営上、非常に大きな問題だということがあります。
 それで、卸のほうにも、これはメーカー側から価格交渉権がないんだという返事があって、どちらかというとシャットアウトされたような感じがありましたので、そういう面ではきちんと説明していただき、納得する形でさせていただきたいと思います。
 もう一点、価格交渉を代行するものということについてはいろんな病院で動いています。それで、実はこれは医薬品だけでなくて医療材料も一緒にアウトソーシングするという動きが出ていまして、これは一番多いのですと、やはり事務系が移動とか単品単価という負担が大きくなればなるほどこういう動きは出てきます。
 ただ、いろんな不安もございますので、その辺のところを少し調べていただいて、確かに価格はメガマーケットのほうが安くなるのはこの前の話から分かっているわけですので、そこのところが一般的な流れと逸脱することが両方になってきますので、そういうところも情報をもらいながら、我々も医療機関として御意見させていただきたいと思いますので、またよろしくお願いいたします。

○三村座長
 御意見ありがとうございました。
 それでは、よろしゅうございますか。御意見は大丈夫ですか。
 それでは、最後の論点ということで、一応2024年問題ということを出していたのですけれども、何かこれについて御意見がありますでしょうか。
 では、眞鍋委員。

○眞鍋委員
 こちらに例示されているような医薬品メーカー、卸売業者の間のトラックドライバー問題というのはさほど大きくはないと思いますが、繰り返し申し上げますけれども、働き方改革において時間外労働の上限制限というものが昨今、3年以上需給調整が続いているというところで非常に負担が重くなってきています。これが卸の雇用にもあまりよくない状況があって、離職者が増えたり、新卒の採用が滞ったりというところがあることも申し上げておきますのと、折からの物価高騰でございますので、かつて議論があったマクロ経済スライドを入れていただければこの辺の薬価問題も解決かとも思います。
 以上です。

○三村座長
 ありがとうございます。
 ほかによろしゅうございますか。
 それでは、一応、今回事務局から提案された議題については基本的にここまででございますが、そのほかに何か全体として御意見がございますでしょうか。
 それでは、宮川委員どうぞ。

○宮川委員
 先ほど冒頭で内山審議官からお話がありましたように、足元の問題として医薬品の不足というものが非常にあります。これは非常に深刻で、そういう意味では医療機関の工夫というものの限界を超えているという状況があります。日本医師会独自で今、調査を行って、約7,000医療機関からデータを収集して、もうすぐ集計が出て、週末には出てくるので来週中にもいろんなアクションを起こしたいと思っているのですが、その中では日薬連のデータと異なったデータがかなり出てきています。
 つまり、通常出荷と言われている品目でも、現場ではかなり不足しているという形が見えてきております。もちろん、中には鎮咳剤や去痰剤というものが著しく不足が見えてきて、特にそれは診療所において非常に顕著であるということであります。
 その中で、これは一部のメーカーであることは分かっているのですが、意図的に薬価のこともあっていろんな調査が入るという意味も含めて、増産していただけていないようなメーカーが今、見えてきております。
 それで、これは増産に対して全体としてですけれども、その対応が望めないということであれば、東日本大震災のときと同じように、大きな病院、大学病院や基幹病院での長期処方を慎んでいただければ幸いかなと思っています。その中で、特に90日処方とか60日処方というような形に対しては特段の配慮をしていただきたい。これは、国からもぜひそのような形でお進めいただければと思います。
 例えば、鎮痛剤、解熱剤という形に関しては、大きな病院でも30日以上、60日を急に出すわけではありません。そうすると、一番そういうことをもろに受けてくるのは去痰剤という形になります。これは呼吸器疾患のところでもありますし、そういうような慢性疾患で用いられるものが一緒に重なってくる急性期のお薬というものが非常に困窮しているという形で出てきます。
 そういうところで、いわゆる90日、60日処方をされてしまいますと、そこでいろんな急性期のところの治療に困窮する状況が出てくるので、ある程度の大きな病院の中で長期の処方をされるということは、東日本大震災のときのような配慮というものを少しでもしていただくことによって急性期の治療というものができるのではないか。
 ですから、今後コロナもなかなか収まりませんし、インフルエンザもここで乗っかってきて多数増えてくるという状況の中で非常に医療現場は困窮するので、ぜひそこに対しての御配慮をいただきたいと思っております。
 以上でございます。

○三村座長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 それでは、宮内委員。

○宮内委員
 先ほど、薬価を10%下げるなどということがちらほら先に言われてしまうと、今、宮川先生が言ったように、薬が足りないのが深刻な社会問題化しつつある中で、それで薬価を10%下げて技術料に補填する。こんな理不尽な話はありません。本日ご参加の医薬業界、マスコミの方に、特にそういう筋違いの発言者に抗議を書き上げてもらいたい。これは余談でございます。
 
○三村座長
 土屋委員、どうぞ。

○土屋委員
 製薬協の土屋でございます。
 今、宮川委員のほうから、安定供給のところについてコメントいただきました。今まさに日本医師会の方でその調査をされているとお聞きしましたが、私ども日薬連のほうでも調査をしております。日本医師会の調査結果では、日薬連調査と比較して通常出荷が通常ではない状態が見えてきたというところも教えていただきました。その結果につきましては、もう一度、私どものほうで確認させていただいて、日薬連側の調査方法も見直していかなければならないかと思っています。
 1つ申し上げるとすれば、御存じのとおり、この調査期間というのは1か月に1回ということでやっていますので、本当にタイムリーな状況の調査が公表できていないという多少タイムラグがあるのではないかなというところもあるのですが、いずれにしましてもその部分については突き合わせて確認をさせていただければと思っております。

○宮川委員
 ありがとうございます。
 それは、1か月に1度で十分だと思います。それ以上早くやるということの意味がどれだけあるか、私たちも疑問に思っていますので、1か月に1度ということで大変御苦労だということは分かっていますけれども、本当に全てのメーカーが本音を出して言っているのかというのは非常に危惧しております。
 それで、実際に調査していくと100%を割っていくというようなところが見て取れる部分もあります。具体的なことはまだ申し上げられませんけれども、そういう意味では皆さんの力がなければ医薬品の安定供給というものは図れないので、ぜひともそれはしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
 以上です。
 三村座長 大変貴重な御意見、ありがとうございました。
 そのほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 今日は、非常にいい御議論をしていただきました。もちろん、まだ完全な回答が出たわけではないのですけれども、最初の総価取引に関してのところはいろんな形で積極的な御議論をいただきました。
 また、一社流通につきましてはある意味でいろいろとまだそごもありますし、認識のずれもあるし、またそれについての解釈とか対応の必要はあるのですけれども、本日、逆に言えば具体的な問題点とか質問とかいろいろ出していただきまして、本当に何が重要なのかということについても見えてきたような感じがいたします。
 価格交渉代行業者につきましては、もっと明確な議論の枠の中にこれを置き換えていくということでございますし、今、卸連のほうから総価取引の定義について、それから製薬協さんのほうから、例えば一次売差マイナスとリベート、アローアンスについてのある意味での定義の仕方、あるいは捉え方についてということで、このような御提案がございました。
 今日、皆様からいただきました意見を踏まえまして、事務局の方で精査していくということをお願いしたいと思います。そして、その過程の中で再度、皆様に個別に御相談をしたり、御意見を伺うということになるだろうと思います。
 それを受けまして、次回の流改懇で改めて来年度に向けてのガイドラインの改訂をどうするかということについて御検討いただく、お話合いをしていただくということになるかと思います。
 先ほど宮川先生もお話になられました安定供給問題は非常に深刻であるということも含めまして、それに向けてのある意味での解決策について少しでも前に向けて役立つことができればと思っております。
 以上のような皆様からの御意見を伺いました上で、課長のほうから全体的な総括コメントをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○水谷医薬産業振興・医療情報企画課長
 本日は、御議論どうもありがとうございました。
 議論の内容については今、座長のほうでおまとめいただいた方向でございますので、事務局といたしましては、まず流通改善ガイドラインの見直しということについては今日の議論を踏まえて、やはりきちんと医薬品をまさに安定的に患者様のもとにお届けする。それをメーカーの立場でつくり、卸の立場でその間に立って流通し、そして医療機関、薬局がそれを販売し、もちろん医師の処方があってということになりますが、そうしたそれぞれのお立場でお取り組みいただいていること、そこの本質のところは同じでございますので、もちろん今日、本音を隠しているのか、本音に近い議論なのか、そこは別にいたしまして、まさに御議論いただいたところ、それはもちろんビジネスの要素もございますし、それぞれの立場もあるかもしれませんが、大きな方向は同じだと思います。
 そうした中で、合意できる範囲のところを私どものほうで御提案をさせていただきながら、来年度の取引に反映できるものはガイドラインに取り込む。そしてまた、それ以外にもう少し大きな視点から継続的に御議論いただきたいこと、これについては私どものほうでもさらに実態をつまびらかにできるような資料を準備させていただく。その際には、それぞれ関係するところに御協力いただきながら準備をさせていただいて、引き続き御議論いただきたいと考えております。
 最後に、宮川先生から御指摘がございました足元の供給不安の問題につきましては、まずメーカーの増産ということ、これはメーカーに引き続き御協力をこれまでもいただいていますし、お願いをしております。また、今日、宮川先生の方からまさに医療現場での処方ということについても、こうした供給の状況を前提としながら、より真に必要な方に適正な量を処方するということも含めて御提案をいただいたものと思っております。そうした需要の部分をどう適正化していくかということも、私どもしっかり受け止めて考えていきたいと思っております。
 供給を増やす、需要を適正化する、そしてそれを適正に分配するということ、この3点を組み合わせた対策ということが足元の生きるために必要だと思います。適正に分配するということでは、これまでも卸に御協力いただいておりますし、私ども110番という形で対策をしております。そうしたことを組み合わせながら、これもまさに皆様全体の御協力をいただきながら乗り切っていきたいと考えております。
 以上、よろしくお願いいたします。

○三村座長
 ありがとうございました。
 それでは、本日の予定はこれまででございますが、次回の開催予定につきまして事務局からお願いいたします。

○木本流通指導官
 事務局でございます。
 次回以降の開催につきましては、座長と調整させていただいた上で決定し、別途御連絡させていただきたいと思います。
 また、本日の議事録については事務局で作成し、構成員の皆様に適宜御確認いただくことといたします。

○三村座長
 それでは、本日の議事はこれまででございます。
 熱心な御議論、どうもありがとうございました。


(了)
 
 
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