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2019年6月28日 第29回医療用医薬品の流通の改善に関する懇談会議事録

医政局経済課

○日時

令和元年6月28日(金)18:00~19:50

 

○場所

TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター ホール7

○議事

 

○石川流通指導官
それでは、委員の皆様おそろいになりましたので、これから「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」第29回を始めさせていただきます。
なお、医政局の吉田局長は、所用のため外出先からこちらに向かっておりますが、先に始めさせていただきます。
まず初めに、委員に交代がありましたので、新たに委員に加わっていただいた方を紹介させていただきます。
日本歯科医師会の宇佐美様。
 
○宇佐美委員
宇佐美でございます。よろしくお願いいたします。
 
○石川流通指導官
日本製薬工業協会熊谷様。
 
○熊谷委員
熊谷でございます。よろしくお願いいたします。
 
○石川流通指導官
日本製薬工業協会田村様。
 
○田村委員
田村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○石川流通指導官
本日の委員の出席状況でございます。日本医師会長島委員から、急遽、都合により御欠席との御連絡をいただいております。
以上でございます。
続きまして、本日の資料の関係で御説明させていただきます。
前回から、タブレットによるペーパーレス会議としておりますので、机上にタブレットと操作説明書を配布させていただいております。
現在、電源が入っているかと思いますが、「マイプライベートファイル」という画面が開かれていると思いますが、その中に入っております各種資料が本日の資料となっております。
本日の資料としまして、「座席図」、「議事次第」、「委員名簿」、それから、「資料」の1~4まで、また、「参考資料」が1~6まで入っているかと思いますので、御確認をお願いいたします。
不備や御不明な点がございましたら、職員にお声がけいただければと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、これから議事に入りたいと思いますので、撮影はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
以降の議事進行につきましては、三村座長にお願いいたします。
 
○三村座長
それでは、議事を進行させていただきます。
本日の議題は、「1.流通改善の課題と進捗状況について」、「2.その他」です。
議題1「流通改善の課題と進捗状況について」、事務局から資料1が提出されておりますので、事務局から、まず御説明をお願いいたします。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
それでは、資料1「流通改善の課題と進捗状況について」を御説明申し上げます。各ページ、右下にページ番号を付してございます。
1ページをご覧ください。
流通改善ガイドラインにおいて、流通関係者の留意事項とされている諸課題を抜粋したものです。
項目の「1.一次売差マイナスの解消、適切な仕切価・割戻し等の設定」及び「2.バーコード表示の推進」がメーカー・卸売業者間の取引に関する課題、項目「3.早期妥結の推進、単品単価契約の推進、頻繁な価格交渉の改善」及び「4.過大な値引き交渉の是正」が卸売業者と医療機関・薬局との間の取引に関する課題、さらに、項目「5.流通の効率化等」が流通の効率化と安全性確保等の観点から課題とされているものです。
まず、項目の1及び2、メーカー・卸売業者間の取引に係る課題に関し、直近の取組状況等について説明をいたします。
2ページをご覧ください。
一次売差マイナスの解消に向けては、ガイドライン上、適切な一次仕切価の設定、また、卸機能の評価に基づく適切な割戻しの設定を行うこと等とされております。
これまでの取組の経緯を振り返りますと、まず、昨年9月に、日本製薬工業協会と日本医薬品卸売業連合会のワーキングチームで、メーカー・卸間の今後の適切な仕切価・割戻しの設定に資するべく「医薬品卸売業の機能と割戻しの項目・内容」を取りまとめた上、その翌月に、医政局経済課より、関係団体宛て事務連絡を発出し、川上取引の流通当事者それぞれにおいて、まずは、割戻しについてワーキングチームの整理と照合して卸機能の評価に基づいたものとなっているか確認を行うこと、仕切価を修正するような割戻しの実態があれば、その仕切価への反映について検討を行うこと等を要請したところでございます。
直近の状況は、流通改善ガイドラインや昨年10月の事務連絡を踏まえた、川上の流通関係者の対応状況について、本年4月時点で状況確認を行い、結果をまとめたものです。
まず、ワーキングチームの整理との照合による割戻しの確認や仕切価を修正するような割戻しの仕切価への反映に向けた検討の状況について、日本製薬工業協会又は日本ジェネリック製薬協会に加盟のメーカー計97社を対象に調査を行ったところ、本年4月1日現在で確認等を終えた、あるいは行っているというメーカーは94社に及び、この時点で確認等を行っていなかった3社におきましても、いずれも本年5月までに割戻しの確認等に着手するとの回答を得たところです。
この卸機能の適切な評価の観点からの割戻しの点検、また、仕切価への反映が可能なものの仕切価への反映に向けた検討が、今後の薬価改改定に伴う新仕切価・割戻しの設定にどのように繋がっていくか、適時に把握・検証してまいりたいと考えております。
3ページをご覧ください。
資料冒頭に記載のとおり、仕切価等は、後発品の上市等による市場環境の変化を踏まえて見直し・変更がされるケースもありますが、そのようなケースを除けば、通常、薬価の改定に伴って見直し・変更がなされております。
その中で、一部のメーカーでは、ガイドライン等を踏まえ、本年4月に割戻しの運用基準の変更、あるいは仕切価の変更が行われております。
まず、割戻しの運用基準については、製薬協等加盟の97社のうち17社が、ガイドライン等に則した変更をこの4月に行っております。
その趣旨は、仕切価を修正するような割戻しを縮小して相当分を仕切価に反映、販売促進的な「品目割戻し」を廃止して相当分を仕切価に反映、あるいは卸機能の評価に基づいた割戻し項目に組入れるなど、ガイドライン及び事務連絡に則した対応であることを確認したところであります。
なお、参考として、薬価改定のなかった2017年4月当時の割戻しの運用基準の変更の状況を付記しております。
4ページをご覧ください。
次に、仕切価については、製薬協等加盟97社のうち7社が、ガイドライン等に則した仕切価変更をこの4月に行っております。その趣旨は、仕切価を修正するような割戻しを縮小して相当分を仕切価に反映、販売促進的な割戻しを廃止して相当分を仕切価に反映するなど、特に一次売差マイナスの改善を指向した、ガイドライン等に則した対応であることを確認したところであります。
なお、参考として、薬価改定のなかった2017年4月の仕切価変更の状況を付記してございます。
当時、後発品の上市等による市場環境の変化を踏まえて仕切価変更を行った社が2社あり、本年の4月に同様の趣旨で仕切価の変更を行った社が4社あったことを補足いたします。
また、今後の対応として付記してございますが、前述のとおり、今後の薬価改定に伴って新仕切価・割戻しがどのように設定されるか、適時に把握・検証してまいりたいと考えているところでございます。
適切な仕切価等の設定に向けたメーカー等の対応状況について事務局より説明申し上げましたが、追って、日本製薬工業協会及び日本医薬品卸売業連合会からの説明もございますので、それも踏まえ、資料4ページに記載の論点について御意見・御議論をお願いしたいと存じます。
続いて、5ページをご覧ください。
バーコード表示に関する御報告です。平成18年から進めてきたコード表示については、平成28年の行政通知により、全製品の販売包装単位及び元梱包装単位への新バーコードの表示を、2021年4月出荷分から必須化するとしたところです。
また、その進捗状況について、毎年9月末時点の状況を把握し、本懇談会でも報告させていただいております。
まず、表示の進捗について、昨年、2018年9月末時点の状況が速報値としてまとまりましたので、資料6ページ~8ページのとおり御報告します。
6ページをご覧ください。
まず、調剤包装単位での表示の状況です。
表示必須としているものは100%表示となっております。
7ページをご覧ください。
販売包装単位・元梱包装単位での表示の状況です。
特定生物由来製品・生物由来製品については、全ての項目について100%表示、2021年4月出荷分から必須化することとしている内用薬等への表示については、前回調査の2017年9月末時点の数値より、それぞれ表示割合が増加しております。
8ページをご覧ください。
各メーカーにおける表示対応の完了見込時期についてまとめたものです。
2018年9月末時点で、全製品につき表示対応を完了しているメーカーが、販売包装単位で全213社中41社、元梱包装単位で全192社中84社ある中で、2020年度下期中、あるいは2020年度末までに対応完了見込みと回答のあったメーカーも相当数あっところです。
時期未定のメーカーが数社ありますが、注2のとおり、他社への製造委託品について委託先と対応調整中等の事由で現時点では完了時期を特定しかねるとの回答でありました。
なお、販売包装単位・元梱包装単位で対象メーカーが計213社、192社と差がございますけれども、これは注3のとおり、元梱包装単位で出荷する製品の取扱いがないメーカーがこの差分21社あることによるものであることを補足させていただきます。
9ページをご覧ください。
前回の流改懇でバーコード表示の法制化に向けた動きについて御報告をしたところですが、本年3月に、この薬機法の改正法案が国会に提出されていることを御報告いたします。
医療用医薬品の流通に関わるものとしまして、改正の概要1・(5)「適正使用の最新情報を医療現場に速やかに提供するため、添付文書の電子的な方法による提供の原則化」、(6)「トレーサビリティ向上のため、医薬品等の包装等へのバーコード等の表示の義務付け」が盛り込まれております。
なお、添付文書の電子的な方法による提供に向けては、製品の外箱等に表示をされたコードをスマホ・タブレット等で読み取りを行うことで最新情報にアクセスできるような方法について関係者で検討が進められております。
なお、施行期日については、1・(5)の添付文書関係は公布日から起算をして2年以内、1・(6)のバーコード表示の関係は公布日から3年以内の政令で定める日とされています。
法案の成立を見ていない中で、バーコード表示については、引き続き、2021年4月出荷分からの必須化に向けた対応を求め、その状況確認も行ってまいりたいと考えております。
事務局からの説明は、一旦、以上でございます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局からの説明に関連いたしまして、日本製薬工業協会から、資料2の説明をお願いいたします。
 
○長坂委員
製薬協の流通適正化委員会の委員長をしております長坂でございます。私の方から、メーカーの取組を発表させていただきます。
お手元にございますけれども、まず、「割戻しの整理」を受けての取組でございます。
流通改善ガイドライン適用後、平成30年10月3日付けの事務連絡「割戻しの整理」を受けて、会員各社へ周知を行ってございます。その結果、各社が仕切価・割戻しについて下記の事項に関する取組を行ったと考えております。
まず、それぞれ各社が行っている現状の割戻しを「割戻しの整理」と比較して、「割戻しの整理」のどの項目に自社の割戻しが該当しているかというのを確認したと思ってございます。
その結果、「割戻しの整理」にない割戻し項目が自社で設定されている場合、どのような卸機能に着目して設定したかを確認・整理をしたと思ってございます。
その結果、仕切価を修正するような割戻しが設定されていると自社で考えられた場合には、今後の仕切価の見直しに際して仕切価へ反映することを検討されたと思ってございます。
ここにつきましては、先ほど経済課の集計でもございましたが、製薬協側でも集計をしてございます。上位の25社を見てございますが、本年4月の時点で、割戻しあるいは仕切価の修正を行ったというメーカーは8社ございました。
また、10月に予定をしているというメーカーがさらに13社あったということで、25社中21社は、10月までにはこの「割戻しの整理」に基づいて、自社の割戻しを検討して、仕切価への反映が必要なものについては、仕切価に修正を行うことを行ってございます。そういう集計がございます。
今後の取組でございますけれども、流通改善ガイドライン適用後に、「単品単価契約」が大変大きく進展したことについては、我々も御努力について大変感謝を申し上げております。
ただ一方で、総価を目安に単品ごとの価格を決める交渉も多いのではないかということを推察・懸念をしてございます。薬価制度の観点から、個々の医薬品の価値に基づく単品単価交渉による単品単価契約、いわゆる単品単価交渉ですね。その一品ごとの交渉が我々は非常に大事、それによって価格決定がされていくことが必要だと思ってございます。それが、さらに、流通改善につながる項目であると思ってございます。
メーカーとしましても、今後とも全ての流通当事者と共通認識を持ち、さらなる流通改善に向け引き続き取り組んでいきたいと思ってございます。
この下に、1つ追加の資料をつけてございます。これにつきましては、先ほど経済課からの説明もございましたが、薬機法の改正案と関連して、添付文書の情報の電子化を提供していくということがございますが、業界団体である日薬連として、ここの図にございますが、既に、製品の外箱あるいは調剤包装の単位までに表示されていますいわゆるバーコード(GS1コード)を読み取るということで、添付文書情報にアクセスする方法を検討してございます。
この図を見ていただきますと、GS1バーコードの専用バーコードリーダーを使っての読み取りはもちろん今も使えているわけでございますが、その他の読み取り手段としていわゆる普通のスマートフォン、タブレットフォンの端末でこのGS1コードを読み取りするアプリについて現在開発中です。このアプリをインストールしていただくことで簡単に読み取ることが可能になります。GS1コードを用いる利点としては、最小の調剤包装単位までGS1コードが表示されてございますので、すなわち、患者さんが持ち込まれた持参薬とか、在宅医療の現場でも、このモバイル端末を利用しGS1コードを読み取ることで、簡単に情報にアクセスできるようになってございます。特にPMDAのデータといわゆるドッキングできるような方法を今検討してございます。薬機法の施行の前からこの開発をしまして、先生方にも情報提供させていただきながら、これを使えるような形にしていって、電子化に向けて、我々も先んじて努力をしたいと思ってございます。
私からは以上でございます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、日本医薬品卸売業連合会から、資料3の説明をお願いいたします。
 
○中原委員
日本医薬品卸売業連合会の卸薬価問題検討委員会の委員長を務めさせていただいています中原でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、当連合会から提出いたしました「流通改善ガイドライン2年目における流通改善の推進について」を御説明させていただきます。
1ページ目ご覧いただきたいと思います。
医薬品卸は、公的医療保険制度のもとで、災害時やパンデミック時などの対応を含め、全ての医療機関・保険薬局等への医薬品の安全かつ安定的な供給を継続的に行っております。また、市場実勢価を薬価基準に適切に反映することを目的とした薬価調査についても、医療機関・保険薬局への納入価格を全て提供し、協力をしております。これらのことを通じて、医薬品卸は、薬価制度の適切な運営のため、ひいては、国民医療向上のため一定の役割を担ってまいりました。
令和3年度から中間年の薬価改定が予定されています。その負担は非常に大きいことが予想されますが、そのような状況の中でも、安定的な医薬品の流通が確保されることが必要です。このため、当連合会としては、流通改善ガイドラインを踏まえた流通改善の推進に積極的に取り組んでいるところでございます。
こうした状況のもとにあって、本年10月に近年例のない年度途中での消費税引上げに伴う薬価改定が行われることになっており、年複数回契約になることから価格交渉は極めて煩雑になっております。また、医薬品流通も大きな影響を受けることにより、流通改善が後退することが危惧されます。
流通改善ガイドライン適用2年目にあたり、当該ガイドラインの推進のためには、10月の薬価改定によって流通の混乱を来すことがないように、全ての流通関係者の協力体制が不可欠であると考えております。国としても、10月の改定によって当該ガイドラインの推進に支障がないように御支援いただきたいと思います。
次のページをお願いします。次のページは、「川上流通における課題」でございます。
まず1つ目として、「一次売差マイナスの改善について」でございます。一次売差マイナスを解消するためには、過大な薬価差の解消とともに、市場実勢価水準を踏まえた適正な一次仕切価の提示に基づく適切な仕入原価の設定が必要であります。単品単価契約を進めていくためには、一次仕切価についても、メーカー・卸間で単品単価においての交渉を進めていく必要があると考えております。
2つ目でございます。2つ目の「卸機能の適切な評価を反映した割戻し設定の推進について」でございます。メーカー・卸間で、卸機能の適切な評価を反映した「割戻しの整理」が行われ、「割戻しの整理」を踏まえた割戻し項目や内容の整理と一次仕切価への反映が進行しております。
今後は、卸機能に適切な評価をさらに進め、危機管理流通機能や需給調整機能に対する評価に基づく「割戻し項目の設定」についても検討を行い、「割戻しの整理」の充実を図っていく必要があると思われます。
3つ目でございます。「ワクチンや後発医薬品等の出荷調整に関する情報伝達について」でございます。近年、ワクチンや後発医薬品等で出荷調整が増加しております。卸が需給調整機能を発揮し、極力、過不足のないような供給を実現できるよう、出荷調整に係る情報伝達方法について、メーカー団体として対応を検討していただきたいと考えております。
川上流通については、以上でございます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、今、事務局及び日本製薬工業協会、そして、日本卸売業連合会から説明がございました。以上の説明を踏まえまして、メーカーと卸との間の川上取引の課題である一次売差マイナスの解消、適切な仕切価・割戻し等の設定について、資料1の4ページにある論点に則りまして御議論をお願いしたいと思います。
●川上取引における流通関係者の取組(2019年4月の仕切価等の変更)をどう評価する
か。
●川上取引における流通関係者の今後の取組の推進に向けての課題は何か。
ということにつきまして、皆様から御意見・御質問をお願いいたします。
また、あわせまして、先ほど、バーコード表示について、あるいは、製薬協から添付文書の電子化についての取組の説明がございますので、それについても御意見がございましたら、お願いいたします。
 
○長瀬委員
今の両方のお話を聞く限りでは、この課題が少しずつ解決されているような印象を持ちました。他の方々はどのようにお考えですか。座長のお考えはいかがでしょうか。
 
○三村座長
基本的には、努力は進められていると思います。問題は随分解消されてきた。ただ、もちろんまだまだいろいろな意味ですり合わせをする必要もありますし、メーカーの立場と卸の立場は違いますので、その点について問題点は残っておりますけれども、かなり前に進んできたと私は判断しております。
 
○森委員
私も、適切な仕切価に向けた対応等行われていると思いますが、正直、きょうの資料だけですと、川上から川下まで全体的としての評価は、できないのではないかと思います。それが1点。
これはちょっと質問ですが、バーコード表示のところで、7ページ目をご覧いただければと思います。以前から出ていた資料ですけれども、今日気づいたところで、販売包装単位に関しては、有効期限、製造番号等は必須ということになっているのですけれども、外用薬が、内服・注射に比べて遅れているようですが、何か遅れている理由があるのか教えていただければと思います。
 
○三村座長
では、事務局お分かりですね。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
1点目の御意見に関しましては、現在、メーカー・卸それぞれの川上の流通当事者において今後の適切な仕切価・割戻しの設定に向けた点検・検討が進められており、今後の薬価改定の際にその成果が如何に反映され、仕切価の水準が果たしてどのような結果となるか、川下取引による納入価の状況とあわせて、本懇談会にお示しさせていただくことになろうと思います。
 
○三村座長
バーコード表示のことについては、何かお分かりですか。
どうぞ、お願いいたします。
 
○熊谷委員
製薬協流通適正委員会、熊谷でございます。
先ほどの数値のことに関して少し補足をさせていただきますと、外用薬のパーセントが低かったというお話だったと思います。そもそも大きくは3つあって、1つは内用薬と注射薬に比べて、まず圧倒的に母数が少ないというのがございまして、率で追うと少し振れ幅が出てしまうということ。それから、優先順位として、流通量の多いものから手をつけていきましょうということがありましたので、優先順位が少し下がっていることと、もう一つは、レーザー印字が少し難しいというのがあって、それに関して設備を少し検討しなければいけないということがあります。ですので、この設備の検討に少し時間がかかっているということですが、2021年度4月までには確実にこれをやるということで、ヒアリングした結果は上げております。
 
○三村座長
どうぞ。
 
○森委員
ありがとうございます。
ということは、川上取引の方は様々な取組が進められているところで、検証は次回以降ということですね。そういう理解でよろしいですか。
分かりました。
あと、1点だけよろしいですかね。薬機法の改正の添付文書のところですけれども、制度部会の中でも幾つか宿題事項が残っていたと思います。そこは、今どこかで検討をされているのでしょうか。
 
○三浦経済課長
御質問どうもありがとうございます。
確かに、その表示の仕方などについて宿題が残っていることは事実でありまして、制度の所管局であります医薬局の担当課である安全対策課を中心として、まず、現場でどのような対応がふさわしいのか、製薬協さんと卸連さんとを交えた情報交換をさせていただいておって、少し詰めた議論をした上で御相談申し上げると、そんな手順になっていると伺ってはおります。
長坂さん、よろしければ。
 
○長坂委員
今、経済課長からありましたように、卸連さんと厚労省さんとメーカーの方で、かなり頻度を高くしながら、このテーマに対してどう取り組むのかということをやってございますので、その点は間違いなくクリアできるのかなと思ってございます。
 
○森委員
卸さん、メーカーさんはもちろんですけれども、実際にその情報を使うのは薬局、医療機関になります。使う側の声を聞いていただけないとだめだと思います。よろしくお願いします。
 
○長坂委員
当然、お得意様の状況を第一に考えて検討しているということでございます。その辺での疑問がないようにということが最大のテーマでございます。
 
○三村座長
その御担当者にも、きょうの皆さんの意向をお伝えいただければと思います。
その他にいかがでしょうか。
どうぞ。
 
○小山委員
バーコード表示のことでお願いといいますか、6ページ目を見ると、調剤包装単位では有効期限の表示が義務づけられていませんよね。今、我々が医療現場で一番困っているのは、患者さんのところに行くと残薬が山のようにあると。今は、有効期限が分からないから、全部廃棄になってしまうのですよね。この辺を考えると、このところはまだ義務づけられるところになってないのですけれども、将来的にはここら辺のところも義務づけるようにしてほしいのと。
今、メーカーの取組でもって、スマホの端末で読み取るというような話もありましたので、印字が難しいのだとしたら、何かこんなような方法を使って、有効期限が何とか調剤包装単位でもできるような形にしていただくと、今は見つけると、とりあえずは捨てるしかないという状況なので、そこはちょっと考えていただきたいと思います。
 
○三村座長
何か御意見はございますか。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
中長期の課題として、本日の御意見を承っておきたいと思います。
 
○三村座長
その他はいかがでしょうか。
どうぞ。
 
○眞野委員
今の論点とちょっと違うところでもいいですか。
日本病院薬剤師会の眞野と申しますけれども、先ほど卸さんの説明の中でありましたように、ワクチンとか後発医薬品の出荷調整に関して、これは情報提供をしていただいて、どうもありがとうございます。ただ、非常に多いのですね。ここのところすごく多くて、私どもの会員施設からも、それぞれの医療機関で個別には対応はもちろんしていますけれども、団体の方で、何か再発防止策とかそういうことがもう少しとれないかという意見がありましたので、是非御検討いただければと思います。よろしくお願いします。
 
○三村座長
これについては、厚労省の御担当が違うのかもしれないのですけれども、かなり深刻な話だというのは伺っているのですが、どういうふうに扱いますか。伝えていただけるようにするとか。
どうぞ。
 
○三浦経済課長
非常に重要な御指摘、どうもありがとうございます。
私どもは、これに関しましては、問題意識を持って取り組まなければいけないと思っております。どういう場合に出荷調整になるのかということを考えますれば、例えば、原薬一つとっても、その過程においてリスク評価とかそういったことをきちんと各社さんができるような環境整備が必要ではないかと、こんなことを考えております。
そう考えますと、まずはメーカーの方で、同じようなものさしでどのようなリスクがあるか、あるいは、何か事が起きたときにどの程度の影響が出るのかと、このようなことをしっかり検討できるような、そういうツールみたいなものは開発できないのかと、こんな形で、今はコミュニケーションをとらせていただいておりまして、恐らく、そう遠からず形になってくれるのではないかなと、こういうふうに思っておるところでございます。
 
○三村座長
それでは、よろしゅうございましょうか。
 
○森委員
もしかしたら、ここのマターではないかもしれませんが、流通ということでは後発品に関して、平成19年にロードマップを策定し、26年にはアクションプランを策定して取り組んできたと思います。正確ではないのですけれども、19年当時、後発品の使用率が約35%、26年当時が約45%だったと思います。ある意味では19年当時は、これから後発品を進めようという時代のロードマップで、26年は使用が進んできた中でのアクションプランだと思います。今、使用率が約77%まで来た中で、今後どうするのか、新たに考えていく必要があると思います。以前、後発品の使用量がまだ少ないときには、回収等があっても、先発品等でカバーできたものが、80%近くまで使用率が来た中で、例えば原薬で問題があったときに他のメーカーに協力してもらっても供給が間に合わないことも起こると思います。そういうことを含めて、次の段階のことを検討していくべきではないかと思います。
 
○三浦経済課長
どうもありがとうございます。
医療用医薬品の安定供給につきましては、私ども経済課でお預かりをしていることもありまして、お答えをさせていただければと思います。ロードマップをつくって、それを検証事業と申しまして、薬剤師会さんの御協力も得ながら、毎年その進捗などについてフォローをさせていただいておるところでございます。
原薬に関しましては、一昨年ぐらいから様々な課題が顕在化をしていく中で、まず、調達元の国はどうなっているのかということを10年ほど前に一度調べたことがあったのですけれども、改めて、昨年度のロードマップの検証事業で、どのようなリスクと申しましょうか、どのような調達状況になっているかということを調べたところがございます。
先生まさにおっしゃっていただいたとおり、広げていく局面と、それから、広がってきた中で、また、現代的な課題、リスクという形で、少し課題が変わってきているのではないかなという問題意識は非常に共有をいたしますので、何かできることはないかしっかり考えていきたいと思います。
 
○三村座長
どうぞ。
 
○長坂委員
メーカー側も、当然、安定供給は最大のテーマであることも十分認識をしてございますし、最近、そういう問題も出ていることも分かっておりますので、そこはしっかりしていきたいと思ってございます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、川上取引に関しての議論は、このあたりでよろしいでしょうか。
それでは、今の議論を少し整理させていただきたいと思います。
川上の取引の問題についてということですが、川上の流通当事者において、昨年10月の経済課事務連絡に則した割戻しの点検、そして、今後の適切な仕切価の設定に向けた検討が進められているということについて評価をしていいのではないかと思います。
また、一部に、本年4月に行われた仕切価の変更も、ガイドラインに則した内容になっているということでございます。
また、製薬工業協会からも御説明がありましたが、10月に向けて、積極的に仕切価についての修正・見直しが行われるということでございます。
点検及び検討の成果が今後の薬価改定に伴う仕切価・割戻しの設定に適切に反映されていくように、引き続き、本懇談会においても確認・検証を行っていきたいと考えております。
また、先ほど、まだ少し不透明なところがあるのではないかという御意見もございましたけれども、それを踏まえて、さらに、検証を続けていくということでいいのではないかと思います。
また、バーコード表示につきましては、相当に進んできましたし、メーカー側の御努力に対しては大変敬意を表したいと思います。ただ、先ほど御意見がございましたように、例えば有効期限とか、さらにもう一段進んだ段階でのバーコード化、それの義務化についても、さらに取組を進めていただければありがたいと思います。
なによりも電子化への取組は、是非積極的に進めていただければと思います。
また、これだけ取引問題が整理されてきますと、むしろ、より本質的な問題についての議論が恐らく出てきたのではないかと思います。先ほどのワクチンとか後発薬の供給問題は、医薬品の安定供給だけではなく、リスクに対してどう取り組んでいくかという話ですので、これにつきましても、いろいろな形で検討をぜひ行っていただければと思います。
以上のような整理でよろしゅうございましょうか。
それでは、そのようにさせていただきます。
それでは、引き続きまして、卸売業者と医療機関・薬局との取引に関する課題と進捗状況について、事務局から資料1の説明をお願いいたします。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
それでは、資料1の10ページをご覧ください。
卸売業者と医療機関・薬局間の取引に関する課題として、早期妥結の推進、単品単価契約の推進については、ガイドライン上、少なくとも前年度より単品単価契約の割合を高め、契約に当たっては単価等を明記した覚書等を用いた契約を締結すること、価格交渉の段階から個々の医薬品の価値を踏まえた交渉を進めること、頻繁な価格交渉の改善の観点から、後発品の上市等によって期中で医薬品の価値に変動があるような場合を除けば年間契約等の長期の契約を基本とすることが望ましいこと、さらに、過大な値引き交渉の是正に関しては、医薬品の価値を無視した値引き交渉や流通コストを考慮しない値引き交渉を慎むこと、としております。
まず、妥結の状況について、これまでの状況を振り返りますと、平成26年4月より、いわゆる未妥結減算制度が導入されて以降、毎年9月時には90%を超える妥結率となっており、昨年9月時においても90%を超える水準が確保されたところでありました。
その後の状況として、本年3月時の妥結率を掲載しておりますが、全体では95.8%と平成29年3月時の妥結率とほぼ同様の水準でありました。
11ページをご覧ください。
左のグラフが、平成28年度・平成30年度における全体の妥結率の推移を示したものですが、平成30年度の9月時・3月時ともに28年度とほぼ同様の水準が確保されているところです。
右のグラフが、平成30年度における妥結率の推移を、200床以上の病院、その他の病院、診療所、20店舗以上のチェーン薬局、その他の薬局の区分別に示したものです。主体別に見れば、例えば、年度末の3月時においても9割未満の水準にとどまっている主体もあるなど、一部に交渉が長期に及んでいるケースもあることが窺えます。
なお、長期に亘って未妥結となっているような川下取引として、どのような交渉・取引事例があるのか、今般、具体例の把握を行いましたので、追って、説明申し上げたいと思います。
12ページをご覧ください。
次に、単品単価取引の状況について説明いたします。これまでの状況を振り返りますと、単品単価契約については、流通改善ガイドラインの適用、未妥結減算制度へのガイドラインの趣旨・内容の取り入れ、また、それに則した川下取引の流通関係者の取組により、平成30年度の上期において、その割合が従前より大幅に上昇・改善したところでございました。
その後の状況として、平成30年度の上期・下期通しての通期の実績を掲載してございます。
平成30年度通期の単品単価取引の割合は、200床以上の病院が79.1%、20店舗以上のチェーン薬局が97.2%と、平成29年度と比較して大幅に上昇・改善をしております。
しかしながら、平成30年度の上期の実績と比較しますと、200床以上の病院に関しては、上期84.4%から通期79.1%と、5ポイントほど単品単価取引の割合が低下し、一方で単品総価取引の割合が上昇しております。
関連して、次のページ、13ページをご覧ください。
単品単価取引など取引形態別の割合について、経年推移を示したものですが、グラフ・表の左半分、200床以上の病院についてご覧いただきますと、単品単価が30年度上期:84.4%から通期:79.1%と減少し、単品総価が30年度上期:12.8%から通期:17.7%と増加をした格好となっております。
一部の取引主体で、上期に単品単価契約を締結したが、下期において目標とする年間の総値引率等をベースとして総価に見合うように値引率を調整する取引が行われたことが窺える結果でありました。
なお、このような取引については、昨年7月にも、例えば、未妥結減算制度の報告対象期間であります4月~9月の間のみ単品単価契約を締結し、それ以降に総価の契約を締結することは、未妥結減算制度の趣旨にも反するとのQ&Aを発出して、牽制したところであります。
ガイドライン適用後の初年度で単品単価取引への理解・浸透が大きく前進したところですが、今後のさらなる単品単価交渉・単品単価契約の推進に向けては、改めて、川下取引の流通関係者に留意を促していくことも必要と考えているところです。
なお、この単品単価取引に関連いたしまして、覚書の締結の状況について、後ほど、日本医薬品卸売業連合会及び日本保険薬局協会から御説明をいただきます。
続きまして、14ページをご覧ください。
過大な値引き交渉の是正に関しましては、適切な価格交渉を促すため、昨年7月及び9月にQ&Aを発出する等の対応を行い、より適切な取引が行われた結果として、平成30年度の上期では、納入価の水準の上昇傾向が窺えたところでありました。
妥結の状況についての説明の際に触れましたが、価格交渉が長期に及んでいる川下取引、例えば未妥結期間が9月超・1年超に及ぶもの、当該年度末までに妥結に至らなかったものに焦点を当て、今般、具体例の把握を行った結果、事例1又は2のような交渉・取引事例が見受けられたところです。
事例1は、下期の交渉において、目標とする年間の総値引率に達するように下期の値引水準を設定して総価による交渉が行われているケース、それから、取引品目の構成比等が上期・下期とで異なる中でも、上期の総値引率と同一の値引水準となるよう総価による交渉が行われているケース、事例2は、年間を通して目標とする値引水準が確保されるよう総価による交渉が行われ、結果、長期に亘って未妥結となっている取引例です。
15ページをご覧ください。
今申し上げました、事例1・2のような交渉・取引に関しては、昨年7月に発出をしたQAの3、また、昨年9月に発出をしたQAの2のとおり、川下取引の流通関係者に適切な価格交渉・取引を促しているところであります。
例えば、昨年9月のQAの2のように、総価による交渉を行う場合であっても、医薬品の価値や流通コストを無視した交渉となれば、ガイドラインにおいて指摘する過大な値引き交渉に当たることなど、今後一層の適切な川下取引に向けては、改めて、川下取引の流通関係者に留意を促す必要があろうと考えております。
以上、川下取引に関する状況を一括して説明いたしましたが、続く日本医薬品卸売業連合会及び日本保険薬局協会からの説明内容も踏まえまして、後ほど、資料に記載の論点について御意見等をいただければと存じます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、日本医薬品卸売業連合会から、資料3の説明の続きをお願いいたします。
 
○中原委員
卸連の中原でございます。
再び、資料3に戻りまして、3ページ目になります。3ページ目で、「川下流通における課題」でございます。
1つ目として、「早期妥結と単品単価契約の推進について」でございます。
本年10月に消費税引上げに伴う薬価改定が行われる予定となっております。年複数回契約になることから、本年上期の価格交渉は極めて煩雑になり、部分妥結の増加等も考えられます。医薬品流通においても、改定前には、薬価が下落する品目については返品や買い控えが見込まれ、欠品を避けるための急配等の増加も考えられます。また、薬価が上昇する品目については駆け込み需要の発生が考えられ、流通改善が後退することが危惧されております。
このため、本年上期の価格交渉においては、当連合会としましては、例えば、9月に薬価調査が行われる前提としてですが、8月をめどとしたさらなる早期の妥結の推進をしていただきたいと考えております。その際には、単品単価交渉も推進し、お得意様の理解を求めてまいりたいと思うので、御協力をお願いしたいと思います。
単品単価契約率につきましては、昨年度、大幅に上昇いたしました。今後は、価格交渉の段階から個々の医薬品の価値を踏まえた単品単価交渉を推進するために、契約期間を明示し、医療機関・保険薬局との単品ごとの価格を明示した品目リストを添付した覚書の締結をさらに推進する必要があります。このため、日本保険薬局協会様、日本薬剤師会様への協力を求めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。
4ページ目です。
まず、2つ目の「医薬品の価値や流通コストを尊重した価格交渉の推進」でございます。
昨年度は、流通改善ガイドラインに沿った流通改善を進めた結果、過大な値引き交渉等については一定の改善が図られました。今後も、引き続き、過大な値引き交渉等の改善を促進するため、お得意様から理解を得られるように取り組んで交渉をしていく所存でございます。
3つ目でございます。「消費税引上げへの対応について」でございます。
当連合会は、平成26年より消費税表示カルテルを実施しております。消費税の適正な転嫁の観点から、特に、消費税引上げが予定されている本年は、本体薬価による価格交渉が不可欠でございます。当連合会の会員卸は、お得意様から理解が得られるよう、再度、リーフレットを活用するなどして表示カルテルに関する説明を行いつつ、少なくとも薬価からの値引率と本体薬価からの正味の値引率を併記した見積書を提出することとしており、お得意様の協力を得ながら推進してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、日本保険薬局協会から、資料4の説明をお願いいたします。
 
○杉本委員
保険薬局協会の杉本です。資料4の1ページ目をご覧ください。
単品単価取引推進のための覚書締結状況について表にしてあります。川下のワーキングチームにて取組の推進を行っている単品単価取引推進のための覚書締結状況については、下記のとおりであります。
ここで問題なのは、27年、28年、29年、30年と、一番最後の覚書締結率のところを見ていただくとおわかりだと思うのですけれども、締結率がどんどん上がってきておりますので、今いい状況に来ていると感じております。
その次のページですね。グラフにしてございます。だんだん上がったり下がったりしながらトータル的には上がってきているという状況であります。
それから、2番目ですけれども、保険薬局協会のブロック会議等で、この件について意見交換会を実施しておりまして、日本保険薬局協会が実施する地域ブロック会議及び委員会において、厚生労働省医政局経済課流通指導官の方に来ていただきまして、「流通ガイドライン」についての説明会を設けるとともに意見交換を実施させていただいております。
今年度になってから、6月に入ってからですけれども、4回、新潟・大阪・仙台・東京でやっておりまして、こういうものを通して覚書の締結率はだんだん上がってきているのだろうなと考えております。
以上です。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、今、事務局及び日本医薬品卸売業連合会、そして、日本保険薬局協会から説明をいただきました川下取引に関して、「早期妥結の推進、単品単価契約の推進、過大な値引き交渉の是正等」についてということで、資料1の15ページでございますけれども、論点を2つ提示しております。
●平成30年度の妥結状況(全体、医療機関・薬局区分別)や単品単価取引の状況等を踏
まえ、川下取引における流通関係者の取組をどう評価するか。
及び、
●今後改善すべき課題(単品単価交渉・取引の一層の推進、過大な値引き交渉の一層の
是正など)は何か、また、それらの課題に今後どのように対応していくか。
ということにつきまして、皆様から御意見をお願いいたします。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
本日、急遽、御欠席になられました長島先生から、何点か御指摘等をいただいておりますので、その御紹介と、それについての事務局等の見解をお話させていただきます。
川下取引の関係で2点ございまして、1つは覚書締結について、現状、卸連会員卸とNPhA会員の主要薬局との間で7割という状況報告がありましたが、妥結率を報告するような機会に、あわせて覚書締結の有無や契約期間を報告してもらうなど、正確な契約状況を国が把握してはどうか、病院についても同様に調査・把握をしてはどうかという御指摘をいただいております。
これにつきましては、今後の覚書締結の状況の捕捉の方法等について、卸連等と私どもの方でよく協議をして進めてまいりたいと思っております。
もう一点が、川上取引に関連して製薬協からお話しいただきました資料の中で「総価を目安に単品ごとの価格を決める交渉も多いのではないかと推察する」との記述があるが、価格の分布が広過ぎる品目、例えば中央値の価格と最低価格の差が大きいというような品目の特徴があれば教えてくださいということです。
この点、卸関係者の方からお話をいただいてもよろしいでしょうか。
 
○中原委員
卸連の中原でございます。
ただいまの御質問でございますけれども、価格の分布が広いということは、逆に言ったら、競争が働いているということの証でございます。ですから、例えば、新薬であるならば、いろいろな競合が出ているもの、それから、あとは後発品と長期収載品の間においては、これは銘柄間の競争が当然ございますので、分布の中では銘柄間の差が大きい傾向がございます。スペシャリティなお薬に関しては、どちらかというとその差がほとんどないという傾向が現われているのかなと思われます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、皆様の方から御質問ないし御意見をお願いいたします。
 
○長坂委員
メーカーの取組のところでちょっと御質問がありましたので、少しお答えをしておいた方がいいかなと思います。総価を目安に単品ごとの価格を決める交渉は、そう表現しておりますけれども、実は我々の方ではその実態をなかなかつかめてないというところでございます。妥結交渉において、非常に御努力をいただいていることは認識しております。単品単価契約の方は進んでおりますし、その点は認識しているのですが、どうしても妥結率が最終月に上がるというその中身、非常に短期間に上がっているというその中身が大事だと我々は思っています。その表現はそういう意味でございまして、単品単価交渉、一つ一つの一品ごとの交渉をしていただくことによってその製品の価値をきちんと認めていただきたいというところで言いますと、懸念という意味で総価的なものがあるのではないかという推察、あくまで懸念でございます。その数値を捉えているわけではございません。
 
○三村座長
わかりました。
その他いかがでしょうか。
 
○杉本委員
川下の取引で早期妥結とか単品単価契約推進ということになってまいりますと、交渉をする時間がある程度必要になってくると思うのです。今後、卸さんからなるべく早く価格提示をいただいて、そこで単品単価交渉をこまめに進めていきたいと思っていますので、この時間的な余裕が、前回の改定のときは少なかったのかなと思っておりまして、それをお願いしたいと思っています。
 
○三村座長
時間的な余裕とか、提示と、以前も御質問されていましたけれども、何か中原さんの方からありますか。
 
○中原委員
前回、9月まで価格を提示しない卸があるという話でしたので、そんなことはないということを申し上げたのですけれども、今年につきましても、薬価自体は4月に変わっておりませんので、土台としたらもうでき上がっていると見ております。
確かに、いろいろと課題があって、なかなか出せてないのかなというところもありますが、早く出すという努力はしなくてはいけないでしょうし、先ほど卸連の方から表示カルテルについてご説明しましたけれども、受け取っていただく見積書にこれからは薬価からの乖離率と本体薬価からの乖離率を併記した形で出しますので、その辺の御理解だけはしていただきたいなと思っております。
 
○三村座長
長瀬さんどうぞ。
 
○長瀬委員
ガイドラインが発出されて以降、改善が進み、効果が現れてきていると感じています。
とりわけ、経済課が発出したQ&Aはよく行き届いている。
その一方で卸売業連合会が時間がないとおっしゃっています。今度の薬価改定に当たって、消費税の対応については懸念されていますよね。何らかの具体策があれば経済課にお聞きしてよろしいでしょうか。
 
○三浦経済課長
どうもありがとうございます。
消費税改定と、それから、10月改定という、2つのファクターが作用しているかなと思っています。
消費税改定という観点で申し上げると、26年に一度経験がありまして、その際に起きたことをきちんと検証しながら、その中で起きた混乱を今回できるだけ繰り返さないような工夫は必要になろうかなと。余り個々にあげつらいますと、その影響をさらにアンプリファイしてしまう要素もありますので、ここで細かくは触れませんけれども、そのあたりについて、適宜、適切な対応をしていくということが求められるかなと認識はしております。
そのためのタイミングも含めて、慎重にかつ適切にやっていきたいなと思いますので、また、当事者の皆様方にはタイミングも見計らいまして、御協力の方をお願いするということを予定はしております。
 
○長瀬委員
よろしくお願いします。
さっき医師会の方からの質問もあったのですけれども、そういったところの把握をきっちりした方がいいかもしれませんね。そうしないと、これは我々の問題なのですよね、川下の問題は。こんなことを言ってはいけないけれども、我々がごねたりするから卸が困ったりするわけで、これはお互いにきちんとしないと、我々の業界の自戒を込めて言っているのですけれども、そこら辺のところは徹底してやってもらった方がいいですよね。
 
○三村座長
ありがとうございました。貴重な御意見をいただきました。
その他にいかがでしょうか。
 
○折本委員
卸連の折本でございます。
先ほど、当連合会の中原が申し上げましたとおりに、10月の消費税引上げに伴う薬価改定はあるという前提で、告示時期が我々の手元にまだ知らされておりません。我々に仕切価がいつ提示されるのかということがまず肝要なところでして、先ほど、資料にはございませんが、8月に妥結をしたいとなりますと、そういった作業もあわせて、9月が薬価調査の予定になるとすると、我々、この8月9月が大変な時期を迎えるということですので、是非、この点の御理解と、今の御指摘を真摯に踏まえて、早急に妥結に向けて推進したいと思っております。よろしくお願いいたします。
 
○三村座長
それでは、どうぞ。
 
○長坂委員
製薬協の長坂でございます。
今回、卸連さんから、川上流通の課題ということで、資料3でも出していただいていますが、私がメーカーの取組でもお願いしたところでございますけれども、いわゆる契約の方は非常に頑張っていただきまして、本当にありがとうございます。契約率が非常に上がったということは感謝申し上げますが、卸連さんからも、課題と認識をしていただいています、いわゆる一品ごとの単品単価交渉ですね。ここについて推進をされるということでございますので、是非、ここにつきましては、推進をいただけたらと考えております。基本的な一品ごとの薬価、価値はメーカーにとりましては最大のところでございますので、引き続き、この交渉につきまして進めていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
 
○三村座長
ありがとうございました。
その他によろしゅうございましょうか。
どうぞ。
 
○折本委員
流通コストの問題で決算のときもそうですけれども、廃棄ロスが出ます。この廃棄ロスというコストも流通コストにちゃんと考えていただけるとありがたいなと。一般的に言って、流通の中ではそういう廃棄ロスというのが、末端なので多分考えていらっしゃらないと思うのですよね。だけど、実際には、それが結構末端では大きくのしかかってくるということなので、この辺のところをどういうふうにしていくかという問題もあると思っています。どうでしょうか。
 
○三村座長
先ほど、小山先生から有効期限の表示の問題とか、それから、後で、返品の問題とかありますので、現在生じている廃棄ロスをそのまま流通コストとして考えるか。むしろ、いかにしてそういった廃棄を減らしていくかというという取組がもっと大事になるかもしれません。おっしゃるとおり、在庫がどこかで過剰になっているとか、それが廃棄になるとか、返品になるという状況を放置してはいけないと思います。川下取引の中における従来からの流通コスト論とは少し次元を変えて、返品や廃棄の問題について議論していただいていいのではないかと思います。ただ、大変重要な御提案でありますので、次の課題として設定させていただければと思います。
それでは、よろしゅうございますか。
それでは、川下取引について、皆様の御議論を踏まえて、議論の整理をさせていただきたいと思います。
妥結につきまして、平成30年度9月時及び3月時ともに、28年とほぼ同様の水準が確保されておりますので、単品単価取引については、ガイドライン適用後の初年度で、単品単価取引の理解・浸透は大きく前進した、非常に改善したことを評価したいと思います。
また、平成30年度下期の交渉取引で見られた状況を踏まえ、今後、一層の単品単価交渉・単品単価契約の推進、さらに、ガイドラインが指摘する過大な値引き交渉の是正に向けて、改めて、流通関係者の間でいろいろとその点についてすり合わせをいただくということを踏まえて、ガイドラインの徹底を図っていきたいと考えております。
また、皆様の方から少し御指摘もございましたけれども、本当の単品単価取引であるのか、あるいは、それが総価を前提としているのではないのかというような話もございましたので、単品単価取引の基本的な趣旨を踏まえた上での取引・交渉を一層お願いしたいと思います。
また、覚書につきましては、相当に浸透したことを、やはりこれは評価したいと思います。今度は覚書の内容がどうかという話も出てきますので、そのあたりを踏まえた上での検討をさらに進めていくということでお願いできればと思います。
以上のような整理でよろしゅうございましょうか。
ありがとうございました。
それでは、その次に、資料1の説明ですが、16~23ページですが、流通の効率化等につきまして、事務局から資料1の説明を引き続きお願いいたします。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
それでは、16ページをご覧ください。
医療用医薬品流通の効率化と安全性確保等について、流通関係者の取組例等を中心に現状をまとめております。
流通の効率化等に関しましては、ガイドラインにおいても、特別な管理が必要な医薬品の増加、長期収載品から後発医薬品への転換、ICTの発達により変化するそれぞれの流通のあり方について流改懇等で議論し、ガイドライン改訂等の必要な取組を進めていく、また、返品に関しては、品質の確保された医薬品の安定供給等の観点から、返品条件を流通当事者間で事前に取り決めてモデル契約書を参考に契約を締結すること、さらに、配送に関して、頻回配送・急配の回数やコスト負担等について安定供給に支障を来す場合は当事者間で契約を締結すること、卸売業においては流通コストが比較的高い医薬品等の配送やへき地における配送について共同配送など効率化を進めることが望ましい、としているところであります。
まず、返品について、本懇談会で過去に集中的に議論等いただいた経緯がございます。平成16年当時の「中間とりまとめ」において「できる限り返品を生じさせない取引の推進など改善に向けた取組が求められる」との課題認識が盛り込まれ、その後に卸売業者における返品受入れの実態も捕捉した上、平成18年3月には返品の取扱いに関する提言のとりまとめ等を行っていただいております。
17ページをご覧ください。
返品の取扱いに関する平成18年流改懇提言からの抜粋でございます。
医療用医薬品の取引に見られる返品の類型を、2・(1)~(4)のとおり、商品の瑕疵や回収指示といった医薬品の品質に起因するもの、メーカー・卸による医薬品の拡販施策に起因するもの、医療機関・薬局における在庫調整など医薬品管理に関するもの、メーカーの包装変更に起因するものに類型分けをし、3とおり、それぞれの対応策が整理されております。
3・(1)医薬品の品質に起因するものについては、メーカー・卸間、医療機関等・卸間ともに返品対象とし、その他事由により返品を行う場合は当事者間で協議の上で対処することが適当と整理がされており、現行のモデル契約書の返品条項も、この整理と整合がとれた内容となっているところです。
18ページをご覧ください。
医療用医薬品の返品の実態については、日本医薬品卸売業連合会において、昨年調査を行っていただいております。
19ページにその調査結果の概略をお示ししてございます。
調査は、卸連加盟の8社11支店を対象に昨年11月の1カ月間に発生した返品について事由の特定等を行ったものです。過去17年当時にも、9月・11月の2月間に発生した返品について調査が行われておりますので、比較してご覧をいただきますと、販売施策による余剰品の発生による返品、すなわち、メーカー・卸売業者の拡販施策によって医療機関・薬局に余剰品が発生して卸等が返品として受け入れるケースは、17年調査:17.4%から30年調査:2.9%と返品全体の中での比率が大きく減少、これは、このような返品発生に繋がる取引を行わないようとの当事者の取組が奏功したものと理解をしております。
それから、医療機関・薬局における在庫調整による返品は、17年調査時、30年調査時とも返品原因の大きな割合を占め、この在庫調整による返品には、月末に在庫量を減らして翌月初めに再仕入れするケースもある、との結果でありました。
なお、この調査結果につきましては、後ほど、卸連からも補足説明いただくこととしております。
18ページに戻っていただきますと、当該ページ下に、返品削減にも資するような流通関係者の取組例を例示しております。
取組例1は、一部の卸売業者において顧客に向けて在庫管理等の機能を有するシステムを開発して提案を行っている例、取組例2は、大手チェーン薬局等で不動在庫や欠品の発生防止にも資するよう店舗間で在庫の融通を行っているというものです。
流通関係者それぞれにおいて返品の削減にも資する取組も進められているところですが、できる限り返品を生じさせない取引の推進、個別の返品事例への適切な対処に向けては、改めて流通関係者に平成18年3月の流改懇提言の周知を図ることも有効と考えているところです。
返品に係る以上の状況を踏まえまして、後ほど、19ページに記載の論点について御意見等いただければと存じます。
続いて、20ページをご覧ください。
医療用医薬品の流通の高度化・効率化に関して、流通関係者の取組例などを中心に、現状をまとめさせていただきました。
「取組の経緯」として記載をしてございますが、薬価制度の抜本改革においても「安定的な医薬品流通が確保されるよう、経営実態に配慮しつつ、流通の効率化を進める」とされているところです。
まず、メーカー・卸売業者間の物流の高度化・効率化に関しては、例えば、取組例1のように、非常時も含めた安定供給体制の強化も念頭に、複数のメーカーが物流拠点を共同開設し、医薬品の共同保管や共同輸送を行っているというケース、取組例2のように、輸液製剤など、物流に係るコストが比較的高い医薬品を扱う複数のメーカーが全国に物流拠点・配送網を確立している物流会社と提携し、医薬品の共同保管や共同輸送を実施しているケースなど、いわゆるメーカー物流の高度化・効率化が進められているところです。
21ページをご覧ください。
次に、卸売業者におけます流通体制の高度化・効率化に関して、例えば、全国に物流拠点を構える広域卸などでは、受注・出荷等の実績データに基づいて、品目ごとの需要予測をシステムにより行うとともに、必要在庫量の自動計算によって在庫管理の最適化を図る取組、ピッキングなど庫内業務の大半を機械化・自動化する取組、多品目を専用トレーで効率的に格納することによる省スペース化の取組、商品をコードスキャンや電子計量によってチェックして取り違え等を防止する取組、取引先の医療機関等の別に物流センター内で商品を仕分け・梱包を行った上で出庫することで営業所の業務の効率化等に繋げる取組、災害時等の安定供給体制の強化を念頭に耐震性能の向上や非常時発電設備の整備・増進等の取組などが行われております。
22ページをご覧ください。
卸売業者と医療機関・薬局との間の医薬品の配送に関して、多頻度の配送や通常の配送によらない緊急配送の実状、その改善・効率化に向けた流通関係者の取組例をまとめております。
急配については、卸連加盟の8社16支店に協力を得て昨年7月の1カ月間の状況を調査した結果を掲載しております。
1支店当たりの1日の平均急配先軒数は44.3軒、調査対象月に1回でも急配を行った取引先の全取引先に占める割合が27.1%に及ぶなど、通常の配送によらない急配が相当の頻度で行われていることが窺える結果でありました。
なお、当該調査は卸サイドのみの調査結果でございまして、通常の配送によることができず、緊急的に配送の要請がされて対応したものであるのかどうなのかといった点について、当事者間で必ずしも認識が一致していない可能性もあることを補足させていただきます。
23ページをご覧ください。
一方、流通関係者において、頻回配送や緊急配送の削減を含む配送の効率化に資する取組も進められております。
例えば、卸売業者が、個々の取引先にとっても業務の効率化に資するように、過去の受注・配送のトレンドに基づき、発注・配送頻度等の改善提案を積極的に行う取組、卸売業者が顧客向けの在庫管理・自動発注機能を有するシステムを開発して個々の取引先に提案・提供する取組、また、地域性に応じて、取組例3ないし取組例4のように、複数の卸売業者が共同しての共同配送の取組も行われているところです。
以上の状況を踏まえまして、当該ページ記載の論点について御意見等をいただければと存じます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、日本医薬品卸売業連合会から、資料3の説明を引き続き、お願いいたします。
 
○中原委員
卸連の中原でございます。
卸連のところで、5ページ目になります。「流通の効率化に関する課題」でございます。
返品の実態についての調査の結果を見ると、拡販施策による余剰品を理由とした返品の割合は減少傾向にあります。反面、在庫調整を理由とした返品の割合は増加傾向にあり、在庫調整の中でも、特に取引先の月次在庫の圧縮を目的とした返品については、双方に非効率的であることから、取引先の御協力を得ながら月次在庫圧縮を目的とした返品の削減に取り組むことによって、返品の改善を図っていきたいと考えております。
また、メーカー都合による包装変更等については、切替えをスムーズに行えるよう、卸に切替時期等をできるだけ早期に情報提供していただきたいと要請いたします。また、発生する返品につきましては、原則として受け入れていただきたいという考え方をしております。
次に、頻回配送・急配の改善等についてでございますが、これらの問題に関する議論はまだまだ不十分でございます。効率的な流通を行う上で大きな障害となっていることから、ルール化も必要ではないかと考えております。
今後、安全かつ安定的な医薬品流通を維持していくために、流通の高度化・効率化を図ってまいりたいと思います。
次のページにつきましては、先ほど厚労省からも出た資料でございます。ただ、この資料につきましては、17年度、30年度、しかも、データを取った月等も違いますので、ただ単純には比較できないことをつけ加えておきたいと思います。
以上でございます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、ここまでの説明を踏まえまして、返品の削減について、資料1の19ページの論点、
●今後改善すべき課題(月末の在庫調整を目的とした返品等の削減、返品の削減等に資
する流通関係者の取組の推進など)については、いかが評価するか
ということでございます。
また、物流の高度化・効率化について、資料1の23ページでありますけれども、
●今後取り組むべき課題(受発注、在庫管理、配送の最適化に向けた取組の推進など)ということでありますけれども、それについての御意見・評価はいかがかということでございます。
皆様から、御意見・御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。
 
○小山委員
聞いてはいけないのかもしれないのですけれども、返品率ですね、1%というのですけれども、この内容はどうなのですか。つまり、病院なのか調剤薬局なのかというのは、数字が出ているのでしょうか。出ていたら、教えていただきたいと思います。
 
○中原委員
厳密に調査の内容がそこまで至っておりませんでしたので、その内容については、今から中身の調査もしていく必要があると考えております。
今、先生おっしゃるとおり、返品がどこから出ているかについては非常に大事なところだと考えておりますので、そこら辺の深掘りも、これは必要かなと思います。
 
○小山委員
是非お願いしたいと思うのですけれども、結局、僕がこの情報を病院に伝えるときに、病院にすごく責任があるのだよというのとそうではないのと大分違ってくるので、何となくみんなでという話になってしまうと、なかなかピンポイントでもってそれに対するこうしようというような発想は出てこないのだと思うのですよね。
ですので、この辺のところは、返品に関しては、恐らく情報は全部持っているでしょうから、調剤薬局が問題なのか病院が問題なのかということを、逆に、はっきり言っていただければ、病院としては病院の対応をするような形にしたいと思います。
 
○中原委員
このデータはこのデータをつくる目的でつくったものですから、もし、そういうことを明確にするならば、次の流改懇までの間に、ある月を指定して、その内容の調査を実施しなくてはいけないかなと思いますので、これは別に返品だけのことではなく、後から出てきた急配のこともそうでしょうし、とりあえず把握する必要に応じた形になっているのが現状でございます。いろいろな御意見をいただきながら、いろんな要素を調査に生かせればなとは思っております。
 
○三村座長
この問題については、誰が悪いかとかどちらが悪いかというような問題の提起の仕方ではなくて、返品が発生しているときはそれなりの事情とか、背景とか、配送、受発注の仕方とか、いろいろあると考えられます。
そうしますと、ある意味で数字が一人歩きして、ここが悪い、あれが悪いという議論をされるよりも、問題の本質をもう少し整理するような形の中で検討をしていくのがいいのではないか。そうしますと、流改懇に出していただくときには、その問題点の本質が見えたときとか、この点については改善していただきたいとか、そういうことがある程度整理されたうえで出していただくのがいいように思います。
ですから、先生が御心配のように、どこが悪いかとか病院が悪いかとかという議論にはなるべくならないように持っていくのが適切かなと思っておりますが、いかがでしょうか。
 
○小山委員
すみません、非常識で。
基本的には、良くしようと思ってやっているにもかかわらず、何となくみんなが悪いのだよ、みんなが悪いならいいのだねというような雰囲気の中で議論が進んでしまっているので、一番最初に出ている割戻しの件についても、何となくどこに問題があるのだということを言わないので、ずっともやもやしたものを持ちながら、何とか良くなるように努力したいと思うのがないので、だから、10年近くやっているこの流通改善が、皆さん、良くなった、良くなったと言っているのですけれども、割戻しもアローアンスも全然変わってないではないかというようなイメージで、確かに単品単価等々、そこは良くなっているところはありますけれども、余りにも話題が均等に行ってしまっているので、原因追及して何か直そうという発想になかなかなりにくいと思ったので、すみません、非常に単純なことで申しわけありません。
 
○三村座長
ありがとうございます。
それから、もう一つ、少し考えなければいけないのは、この10年間で、明らかにカテゴリーが変化しているとか、後発薬が増えているとか、非常に高単価の薬が増えているとか、いろいろな変化が生じておりまので、そのあたりをきちんと整理したり検討することが必要です。この課題がそのきっかけとなればいいのかなという感じがいたします。
その他に御意見ありましたら、お願いします。
 
○森委員
19ページをご覧いただければと思います。論点のところですけれども、返品で、すぐに検討しなければならないのは、在庫調整のところだと思います。ここが一番問題ではないかと。「処方の中止、変更」がカテゴリーとして、「医療機関・薬局の医薬品管理に起因するもの」に入っているのにはちょっと違和感あります。18年にこう分類されたので仕方ないのかもしれませんが、生命関連商品という医薬品の特性を考えると、当然、次に患者さんが来ても供給できるように在庫しておくことが前提ですので、いくら薬局で在庫管理をきちんとしても、返品せざるを得ない時があります。在庫しておくことは国民のためです。そのことと在庫調整は分けて考えるべきで、まず在庫調整をどうするかということだと思います。その上で、確かに、「処方の中止、変更」にしても、自分のところで気をつけなければいけないところはあると思います。
座長から、環境が変わったというお話がありましたが、長期処方が増えて、今までは、100錠1本あればよかったものが2本、3本と置かなければならなくなりました。そういう中で、患者さんが急に来なくなってしまったり、処方が変わることもあります。そのため、返品となり、卸さんに迷惑をかけることがあると思います。そういう状況があるということを御理解いただければと思います。
それから、先ほど小山先生の方で、薬局が悪いのか、医療機関が悪いのか、というお話がありましたが、どちらがどうのでないとは思います。ただ、薬局の場合、処方権がないということは御理解をいただければと思います。
とりあえず、以上です。
 
○三村座長
では、事務局お願いします。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
この返品に関しましても、本日、急遽、御欠席となった長島先生から1点コメントをお預かりしてございます。
廃業など、どうしても返品せざるを得ないという場合はあると思うが、明らかに在庫調整目的での月末の返品について、卸としては、例えば、取引価格に転嫁をする、あるいは返品行為に対する請求を行うなど、どのように対応されているのかとのご指摘です。これについては、卸関係者の方からお願いできればと思います。
 
○中原委員
卸連の中原でございます。
その辺のところでは、コスト意識があるかどうかということでございますけれども、確かに、そうやって月末に何品目もの返品があるところとスムーズに行っているところが、同じ価格でいいのかというご意見も多分あるかなと思います。その辺のところは、本当にこちらとしても真摯に受けとめて、コストがかかるところにはコストがかかる説明をして、ちゃんとした値段に反映させていかなければいけなかったと思っております。その辺のところまでの問題提起が行われてなかったのも、反省するべきことかなと考えております。
 
○三村座長
どうぞ。
 
○杉本委員
返品ということについては、最初考えられるのは返品の定義なのです。実際に納入時に期限が短いものが納品されるケースもたまにあるのです。そうすると、それを返品しても、これは返品となるのかどうかという。だから、返品の定義についてもしっかりある程度捉えてやらないといけないと思うのが1つです。
あと、19ページの調査についても、例えば、平成17年と30年の調査で、売上高に対する返品額の割合が、17年は書いてないので、こういうことはないとは思うのですけれども、例えば10%だということになると、30年のときに1%に落ちていると。そうすると、在庫調整でかかる実際的な経費も70%ではなくて、ここに比べると7%ぐらいに、10分の1に落ちてしまうわけですよ。だから、トータルの金額もきっちりやらないと比較の対照にはならないと思うのですけれども、いかがなのでしょうか。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
17年調査のバックデータが残っていないため、当時の返品率は不明ですが、その1年前、16年当時に返品率を調べた経過が残っておりまして、それによりますと、約2.3%であったということです。
ただ、調査対象月も違いますので、単純比較はできませんし、この数値の多寡をもって返品が多いのか少ないのかという議論も難しいのではないかと思います。
医療用医薬品でございますので、できるだけ返品を発生させない取引が重要であるという観点で、本日は御議論いただくのがよろしいかと思います。
 
○折本委員
今のお話の中で、卸連合会の中でも、この表ができた後にいろいろな議論がございまして、平成17年のこの調査結果は、その当時の流改懇で議論されたと伺っておりまして、今回、平成30年の金額での調査結果になりました。
実は、平成17年から30年、医薬品の売上で比較しましても、平成17年は大体7兆8000億ぐらいで、この30年はほぼ10兆円という金額の中で、我々の概算ですが、伝票行数が、この17年から30年に向けてはほぼ倍になっております。ほぼ倍の中で、行単価で言いますと、約4割近く金額が落ちてきております。したがって、ピッキングコスト、配送コストの観点から、この表をさらに正確に出すとすると、行数での比較ということも今後必要かなと、今、連合会でも議論をしている最中です。また、よろしくお願いいたします。
 
○三村座長
よろしゅうございますか。
返品の今回の数値につきましては、あくまで、議論のひとつの手がかりとしておきたいと思います。ただ、先ほど在庫調整的なものについては問題があるという御発言がございました。これについては、双方の取引のあり方を健全化させていくという観点から、皆様の御了解は得られているのではないかとは思います。
よろしいでしょうか。
それでは、今回の議論につきまして、少し整理をさせていただきます。
返品につきまして、先ほど何回も御指摘もありましたとおり、また、卸連の方から出されたデータにつきましても、もう少し精査が必要です。したがって、数値だけがひとり歩きすることは避けたいと思います。しかし、少なくとも1つ言えますのは、返品の性格が変わってきているのではないかということでます。かつては、メーカーの拡販政策とかそういったプロモーション的な行動の結果としての返品が多かったということであったわけですが、最近は、一種の需給調整とか、受発注のあり方とか、あるいは、在庫管理のあり方とか、そういうところがかなり本質的な問題として出てきている感じがいたします。そういうことに向けての改善と取組は恐らく必要であろうということでございます。
そうしますと、この改善の取組ということについては、幾つか厚労省からも御説明がございましたけれども、まだまだ十分とは言えないでということです。特に、医療用医薬品の流通におきまして、実は、返品問題は、単なる流通コストではなくて、先ほどの期限切れの話とかも含めまして、リスク、安全性の問題も当然入ってまいりますから、医療安全の観点から、できるだけ返品を生じさせない取組をする必要があると、これはメーカー、卸、医療機関、全てに共通した課題であろうかと思っております。
単に月次在庫の圧縮を目的とした返品の場合、それについて、卸と医療機関の間でどういうような取り決めとかルール化されているかということについてはまだ明らかではありませんが、少なくとも月次在庫の圧縮を目的とした返品については、より改善の努力をお願いしたいと思います。また、返品問題全体についてもう少し精査された内容を、今後の流改懇で報告をいただくことが必要と思います。
平成18年3月に、既に返品問題ついての考え方を整理されておりますが、それが今適当かどうか。先ほど、返品の定義というお話がございましたが、実は、既に、返品の定義について明確化されています。ただ、それが今適切かどうかということについては、もちろん見直しをしていく必要があろうかとは思います。
こういう話からしますと、医薬品流通のまさに高度化、物流の高度化ということが非常に必要ですし、頻回配送については、今回はまだ御議論はなかったのですが、イレギュラーな配送もあり、流通コストを上げるということでありますので、そのことについてのいろいろな改善・取組が必要であると思います。
また、薬局のお立場からしても、どうしても在庫が必要であり、在庫が過剰になることもあると。これは当然だろうと思いますが、それをどのように共通の問題として改善していくかということについて、これこそが共同取組ということになるわけですけれども、それについての検討と話し合いを是非お願いしたいと思います。
ただ、先ほども御指摘ありましたように、単に問題を曖昧なままで提示したり、あるいは、数値だけがきちんと精査されないままで出ますと、かえって誤解を招くことになりますので、もう少し問題点を整理しながら、問題の焦点を明確に議論できるような形で、若干の手がかりとなるような数値化をしながら、今後、議論を進めていけばいいのではないかと考えております。
今のまとめ方でいかがでしょうか。
よろしゅうございますか。
ありがとうございました。
それでは、最後の議題「その他」についてということですが、あるいは、本日の議論全体を通して、もし、御議論がありましたら、よろしくお願いいたします。
どうぞ。
 
○宇佐美委員
本日初めて参加させていただきました歯科医師会の宇佐美でございます。
本日こういう会合ですが、初めて聞かせていただいて、我々の医療の現場に、皆様方の御努力で薬が届いているのだということを、再度、認識させていただきまして、感謝申し上げます。
初めてですので、若干御要望を申し上げると、まず第1点は、役人の方々が遅れていらっしゃるのは、こういう懇談会は初めてですので、ちょっと変えていただきたい。
あと、写真撮影も、許可のない状態で撮るのは、懇談会としていかがなものかというのもちょっと感じます。その辺も改善していただければと。
もう一点は、先ほど薬剤師会の森先生から発言が出た、国民のためにとか、少しそういう目線で話していただくと、解決策が新たな方向にちょっと行くのではないかとかすかな期待をして、本日は長島先生がいらっしゃらないので、医療の現場の代表として、歯科医師会として、ちょっとそんな思いを伝えさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○三村座長
ありがとうございます。
恐らく、それは全員の思いであろうと思っております。
その他いかがでしょうか。
 
○森委員
すみません、22ページをご覧いただいて、先ほど、三村座長から、数字だけで判断はどうかとお話がありましたが、ちょっとこれがひとり歩きすると困りますので、発言させていただきます。急配をした品目のうち、<取引の当事者間で定期的に受発注・配送された品目の割合>というところですが、これが約65%となっていますが、裏返すと、35%は新規の品物だったということだと思います。また、65%もあったと捉えるのではなくて、急配の理由が在庫管理の問題で急配になったのか、それとも処方動向が変わったためなのか、新規の患者さんに投与されたということもありますので、数字だけで65%もあるのかというふうに捉えられないと思います。いろいろな状況があるということをご理解いただければと思います。先ほど座長の方で、数字だけで判断しないようにという話がありましたので、一言述べさせていただきます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
よろしゅうございますか。
それでは、本日の議題は全て終了いたしました。本日の議事録につきましては、事務局で作成し、委員の皆様に適宜御確認いただくことにしたいと思います。
次回以降の開催予定については、事務局からお願いいたします。
 
○石川流通指導官
次回以降の件でございますが、適宜、状況を見つつ、座長とも調整させていただいた上で、開催させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 
○三村座長
ありがとうございました。
本日は、非常に貴重な御意見をいただきまして、大変ありがとうございました。
以上でございます。どうもありがとうございました。(了)
 
 
<照会先>
 医政局経済課
 石川、金子:03-5253-1111(内2598)
 
 
 

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