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2018年12月7日 第28回医療用医薬品の流通の改善に関する懇談会議事録

医政局経済課

○日時

平成30年12月7日(金)17:00~19:00

 

○場所

TKP市ヶ谷カンファレンスセンター ホール7A

○議事

 

○山田流通指導官
ただいまから、第28回「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」を開催いたします。
初めに、委員に交代がありましたので、新たに委員に加わっていただいた2名を御紹介させていただきます。
日本病院薬剤師会の眞野様、本日は遅れてお見えになりますが、日本医師会長島様に委員に加わっていただきました。よろしくお願いいたします。
次に、本日の委員の出欠状況を御報告いたします。
本日は、昭和女子大学の上原委員、中央大学の三浦座長代理から御欠席との御連絡をいただいております。
ここで、開催に当たりまして吉田医政局長より御挨拶申し上げます。
 
○吉田医政局長
厚生労働省医政局長でございます。
まずは、本日は皆様方お忙しい中、この時間からの御参集にもかかわらず、お集まりいただきましたこと、改めて御礼申し上げたいと思います。
また、本来、私は呼び掛け人でございますが、その呼び掛け人が遅参をいたしまして申し訳ございませんでした。渋滞を読み誤りまして、見通しが悪かったと車中で反省をしておりました。本当にお忙しい中、お集まりをいただきました皆様方にはお詫びを申し上げたいと思います。
改めて申し上げるまでもなく、本日御参集の方々には我が国の医療、医薬品産業、そして医薬品の流通について日頃から御尽力をいただいております。そういう皆様方に御尽力、あるいは御支援をいただきまして、私ども国といたしましてもこの医療用医薬品の流通改善にこれまでも取り組ませていただいております。
本日も大きな話題になろうかと思いますが、本年1月には私ども医政局、そして保険局連名によりましてガイドラインを発出させていただき、この4月から適用に及んでおります。
この間、各方面から様々なお声を私どもも伺わせていただいておりますけれども、本日は半年経ったということもございますので、そのガイドラインから導かれる一次売差マイナスの是正、早期妥結、単品単価契約、そして過大な値引きの是正というそれぞれの課題テーマについて、皆様方から種々御意見をいただく、また、私どもとして上半期の段階において把握しているものについてもお示しをするということを考えて、お声をかけさせていただきました。
改めて申し上げるまでもなく、この流通改善の問題につきましては引き続き皆様方と流通関係者、そして我々行政、一体となって取り組ませていただきたいと思っておりますので、引き続きの御支援、御尽力、御協力をお願い申し上げまして冒頭の御挨拶にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○山田流通指導官
続きまして、本日の資料でございますが、今回からタブレットを用いたペーパーレス会議とさせていただくため、机上にタブレットと操作説明書を配付させていただいております。
現在、「マイプライベートファイル」という画面が開かれていると存じます。その中に入っております各種資料が、本日の資料になります。
本日の資料といたしまして、座席図、議事次第、委員名簿、資料1から資料4、参考資料1から参考資料6が入っておりますので御確認をお願いいたします。不備等がありましたら、お申し出ください。ほかに御不明な点がありましたら、職員にお声がけいただければと存じます。
それでは、これより議事に入りますので撮影はここまでとさせていただきます。
以降の議事進行につきましては、三村座長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 
○三村座長
それでは、本日の議事に入りたいと思います。
本日の議題は、「1.流通改善の課題と進捗状況について」「2.その他」ということになっております。
議題「流通改善の課題と進捗状況について」、事務局から資料1が提出されています。
まずは、メーカーと卸売業者の取引に関する課題と進捗状況について、事務局より御説明をお願いいたします。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
事務局でございます。それでは、資料1「流通改善の課題と進捗状況」について御説明申し上げます。
各ページ右下にページ番号を付してございます。
まず1ページをご覧ください。流通改善ガイドラインにおいて、流通関係者の留意事項とされている諸課題を抜粋したものでございます。
項目の「1.一次売差マイナスの解消、適切な仕切価・割戻し等の設定」及び「2.バーコード表示の推進」がメーカー・卸売業者間の取引に関する課題でございます。
項目の「3.早期妥結の推進、単品価格契約の推進、頻繁な価格交渉の改善」及び「4.過大な値引き交渉の是正」が卸売業者と医療機関・薬局との間の取引に関する課題でございます。
まず、項目1及び2のメーカー・卸売業者間の取引に係る課題に関して、現状と今後に向けての対応の状況について説明いたします。
2ページをご覧いただければと思います。一次売差マイナスの解消に向けましては、ガイドライン上、「適切な一次仕切価の提示」とそれに基づく「適切な最終原価を設定」、また、「割戻しについては流通経費を考慮した卸機能の適切な評価」に基づき設定、さらに、アローアンスについては「仕切価を修正するようなものについては仕切価への反映」により整理する等とされているところでございます。
「各種水準の推移」は、薬価を100とした場合の「仕切価」、「納入価」、「割戻し・アローアンス」等の各水準の推移を示したもので、数値は、卸5社において取扱い全品目の加重平均をそれぞれ算出いただき、それを単純平均したものとなってございます。
ガイドライン適用以降の本年度上期において、仕切価の水準は前年度より上昇、一方、割戻し等の水準は縮小の傾向でありました。
一次売差マイナスの状況ということでは、仕切価の水準が上昇した中で、納入価の水準がそれを上回って上昇改善したことにより、マイナス幅は縮小した格好となっております。
なお、こうした足元の状況は、仕切価に関して前回の流改懇で御報告申し上げた状況とも符合するところでございます。
3~5ページが前回の流改懇でお示ししたものでございます。主なメーカー19社を対象に、平成30年度の薬価改定を受けて見直し・設定された仕切価の状況に関して緊急の調査を行ったものですが、4ページの「新薬創出等加算品」・「特許品」、5ページの「長期収載品」・「後発医薬品」など、いずれの製品カテゴリーにつきましても仕切価等の増、上昇が散見される結果でございました。
6ページをご覧いただければと思います。このような状況を踏まえまして、5月の流改懇開催後、仕切価・割戻しについて、メーカー全体の状況も把握した上、本懇談会の下に設置されている「日本製薬工業協会と日本医薬品卸売業連合会のワーキングチーム」において、川上の課題の改善に向けた今後の対応策について議論をいただいたところであります。
適切な仕切価・割戻し等の設定によって売差マイナスの改善に繋げるため、特に割戻しに着目し、ガイドラインの指摘や本懇談会の既往の提言も踏まえて、卸機能の適切な評価、仕切価を修正するような割戻しの仕切価への反映、この2つの大きな観点から、割戻しの体系・内容を卸機能との対比で整理することとし、この「医薬品卸売業の機能と割戻しの項目・内容」を9月に取りまとめていただいたところでございます。
この「割戻しの整理」に記載のとおり、割戻しは各メーカー・卸売業者の間で個別に協議・決定されるものでありまして、割戻し項目の呼称や組合せ等は一様ではないわけでありますが、卸機能・割戻し項目とも主だったものを例示した上で、なお書きにございますとおり、卸機能の評価によらない仕切価を修正するようなものは、平成19年9月の本流改懇の提言に則した対応が必要と整理をいただいたものでございます。
7ページをご覧いただければと思います。先ほどの割戻しの整理を受けまして、メーカー・卸売業者の各関係団体宛てに「適切な仕切価・割戻し等の設定について」事務連絡を10月に発出し、各メーカー・卸売業者に対し、この「割戻しの整理」を周知するとともに、1~4の取組を行っていただくよう要請しております。
事務連絡の全文は、参考資料5としてファイルを別に格納してございますが、要点をこの7ページに記載してございます。
1及び2のとおり、現状の割戻しについてメーカー・卸売業者のそれぞれにおいて「割戻しの整理」と照合して、卸機能の評価により設定された内容となっているか点検・確認をいただくこと、3のとおり、仕切価修正的な割戻しが設定されている実態があれば、今後の仕切価の見直しに際して仕切価への反映を検討いただくこと、さらに4のとおり、今後の交渉においては、当事者間で十分に協議を行って、第三者にも説明可能なリベート・仕切価を設定するよう要請しているところであり、今後、各メーカー・卸売業者における対応状況につきまして、私どもとしてもフォローアップをしてまいりたいと考えているところでございます。
以上が一次売差マイナスの解消、適切な仕切価・割戻し等の設定に関する足元の状況、今後に向けた対応状況についての事務局からの説明となりますけれども、追ってメーカーの取組についての御説明もございますので、それも踏まえまして7ページに記載の論点につきまして御意見、御議論を後ほどお願いしたいと存じます。
次に、8ページをご覧いただければと思います。医療用医薬品のバーコード表示に関する御報告となります。平成33年4月出荷分から、有効期限やロット番号等を含めたバーコード表示を必須化することとしている中で、ガイドラインにおいて「可能な限り流通量の多い製品から表示を前倒しして進める」よう要請をしているところでございます。
前回の流改懇におきまして、昨年9月末時点の表示の割合を御報告申し上げたところでございます。その後、9月にはその速報値を確定値としてプレスリリースしたところでございます。
現在、本年9月末時点の状況について調査を行っているところでございますけれども、各メーカーの対応計画も把握することとしております。
なお、これまで行政通知に基づく業界の取組としてバーコード表示を進めてきたところでございますが、現在、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会におきまして、医薬品医療機器等法の改正に向けて重点的に整理すべきテーマについての議論が進められている中で、トレーサビリティの向上に向けた「バーコード表示の制度化」、法令上の手当てについての議論も行われていることを併せて御報告申し上げます。
9・10ページが審議会資料の抜粋でございます。
審議会におけるこれまでの議論で、9ページの下段にございますが、「バーコードはサプライチェーンの整備のために重要」、「最終的に患者の安全確保に繋がるのであれば、コスト等がかかっても義務的にも進めるべき」、「医療現場における利用も念頭に、十分な準備期間を設けるべき」といった意見が出されておりますので、御参照いただければと思います。
事務局からの説明は、以上でございます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局案の説明に関連しまして、日本製薬工業協会から資料2の説明をお願いたします。
 
○長坂委員
製薬協の流通適正化委員会委員長の長坂でございます。私から、メーカーの取組につきまして発表させていただきます。
お手元の資料でございますが、2018年度の取組ということで、流通改善ガイドラインを強く意識した取組を会員会社が行うべく、団体として以下の取組を実施してございます。
まず「仕切価・割戻し、アローアンス」についてでございますが、仕切価は製品の製造原価、製品の位置づけ、今回の薬価制度抜本改革の影響等、あるいは自社製品のライフサイクル状況に加えまして競合の状況、あるいは後発品の参入状況等の外的環境を勘案し、設定をしてございます。
また、割戻しにおける流通経費を考慮した卸機能の適切な評価反映、あるいはアローアンスについては事前に十分な説明を行うということを会員会社に周知をし、より明確化を図るということもあって、先ほど御説明もございましたが、特に割戻しにつきましては卸さんの有する機能を評価する視点に立ち、メーカー・卸間で今回その認識の共通化を図るべく、その区分整理を川上の関係者にて実施し、経済課から先ほどございましたが、事務連絡ということで、これをもって会員会社に周知をしてございます。
また、メーカーとして一番大事だと思っております「単品単価交渉、単品単価契約の更なる促進」ということにつきましては、流通改善ガイドラインに記載の「単品単価契約の推進」は、個々の医薬品の価値に見合った価格決定が必要不可欠であり、メーカーとしては単品単価交渉、あるいはその結果としての単品単価契約のさらなる促進に資するべく、薬価改定があり、告示があれば、仕切価・割戻し、アローアンスを早期に提示をする。前回の流改懇の報告の中でも、メーカーのこの取組、仕切価、割戻し、アローアンスを適時的確に早期に提示をしているということもございましたが、この点につきましてはできていると我々は思ってございます。
また、「変動情報を含んだ新バーコード表示」につきましては、先ほどございましたが、2021年3月迄の表示必須化に向けて、10~11月に厚労省により実施されました、今年度の状況調査への協力を会員会社に依頼をしまして、各社が報告を実施してございます。
また、昨年度の調査結果に基づき、製薬協内での取組として表示状況等を確認し、団体としての推進を行ってございます。
また、「偽造品流通防止に向けた取組について」は、「医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会」の最終取りまとめ内容に基づき、偽造品流通の防止の観点から、特に封かんのあり方について日薬連、厚労省と連携して検討を進めております。
また、「流通改善ガイドラインを踏まえた取組」につきましては、これも重複しますけれども、会員会社にはガイドライン発出直後にも、その趣旨を踏まえた対応を依頼してございますが、更に周知するということで、7月に経済課による説明会を各社の流通担当者が出席をしまして、改めてガイドラインに関する経済課からの事務連絡、あるいは日薬連からの関連通知についても製薬協会員会社に対して重ねて周知を実施してございます。
これ以外にも、我々の会議の中でガイドラインにつきましては必ず確認をするということをしてございます。
また、薬価制度の抜本改革、あるいは流通改善ガイドラインという大きな環境変化の中、製品価値に基づく適正な医薬品流通が進むよう、会員会社個々の判断に基づき、このガイドラインを受けて対応しているという認識をしてございます。
また、割戻しの区分整理が参考とされ、今回10月3日の事務連絡通知ということで発出していただきましたが、これに基づき、各社による流通経費を考慮した適切な卸機能の評価が一層進むよう、継続的な周知を行ってまいります。
これらの取組を通じて、2018年度並びに2019年度以降の取引の検討において、ガイドラインの趣旨に沿った内容へと更に改善が進むよう、さらに努めていきたいと考えてございます。
「今後の取組」でございますが、製薬協としては会員会社に対して割戻し区分の整理を周知してございますが、卸機能を評価した割戻しの設定を、製品価値の仕切価への反映を一層周知すること、この取組がひいては「単品単価契約の推進」、これがさらに進んで「単品単価交渉」というものに寄与できるものと認識をし、個々の製品価値に見合った価格が決定されていくと期待をしてございます。
また、さらなる流通改善に向けて、メーカーとしても全ての流通当事者と共通認識を持って取り組んでいきたいと思っています。
「その他」、消費増税に伴う薬価改定につきましては、卸さんと連携をし、混乱を最小限にする対応を進めていきたいと思っております。以上です。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、事務局及び日本製薬工業協会からの説明・報告を踏まえまして、川上取引の課題でもあります「一次売差マイナスの解消、適切な仕切価・割戻し等の設定」に関しての論点が、資料1の7ページに整理されてございます。
論点は2つありまして、「平成30年度の仕切価等の水準の動向を踏まえ、流通関係者の取組をどう評価するか」、それから2つ目ですが、「今後に向けて改善すべき課題・問題はあるか。また、その課題・問題にどのように対応していくか」ということにつきまして、皆様から御意見、御質問をいただければと思います。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
 
○長瀬委員
ただ今ご報告されたところでは、ガイドラインが発出されてから、経過は良好との印象を受けますが、実際はどうなのでしょうか。
 
○三村座長
実際ということになりましたら、日本製薬工業協会のほうから何か。
 
○長坂委員
先ほどメーカーの取組でもお話ししましたけれども、ガイドラインについては我々にとっても、もともと非常に望んでいたものでございます。やはりここできちんとこれを推進することを最重要事項として捉えておりまして、そういう意味ではさっきお話ししましたように、製薬協内ではこのガイドラインの周知徹底をしてきております。
その1つとして先ほどお話ししました割戻しの内容をもう一度、卸機能をちゃんと含んだものとして検討しようという活動にもなりましたし、またそれをまとめることもできました。そういう意味では、川上ということになりますけれども、きちんと一つの方向性に沿って進めていると思ってございます。
 
○三村座長
どうぞ。
 
○中原委員
卸連の中原でございます。
川上ワーキングにおいて度重なる論議をいたしまして、この割戻しの整理というものでまとめ上げましたけれども、これについては評価ができるものかなと考えております。
この評価については御存じのとおり、日本には歯科さんも含んで23万6000件の医療機関があるわけです。これについて、例えばそこでの債権管理、それから価格交渉等についてもこの中に盛り込めたのは大きな成果だったのかなと考えております。
仕切価と売差マイナスのところは、まだまだ道半ばなので、これから改善していかなければいけない問題であると考えております。以上です。
 
○三村座長
今の御説明でよろしいですか。
ありがとうございます。そのほかいかがですか。
小山委員、どうぞ。
 
○小山委員
今、病院はどうなっているかといいますと、病院は大変です。このスライドの2をご覧になってもわかるとおり、一次売差マイナスが大きくなるという中で、仕切価を上げてきているわけですよね。1.6%ぐらいでしょうか。それで、納入価は2%ぐらい上がっているわけです。それが割戻しのアローアンスが減ってきているという結果で、その分、病院側で買うときにはいつもより2%高い価格で購入しているということです。
それともう1つ、ガイドラインが出てきたおかげで、ガイドラインの中で何しろ9月までに1回妥結しなければならないということで必死にやっていたのですけれども、さらに今回報告書を出さなければならなくなったので、単品単価契約が、この後の資料で示されるように飛躍的に改善しております。これは、病院が必死になって努力したという結果だと思うのですね。
そういう意味では、川上のほうは売差マイナスを縮小する方向とは逆に上げてきております。一方我々病院は、もう必死で、大変で、すごい苦労をしているのだということは、ぜひ理解をしていただきたいと思っております。
 
○三村座長
ありがとうございます。
それでは、森委員どうぞ。
 
○森委員
私も2ページをご覧いただければと思います。30年度上半期のところの仕切価率と、それから割戻し・アローアンス率ですが、これは29年度と比べてちょっと口が広がったようになっていますが、このような形になることを予想していませんでした。こういう形になることで流通改善が進むのか、と思っています。果たしてこれがどうだったのか。
もう一点は、メーカーから卸への価格の提示は早かったというお話がありましたが、卸から医療機関、薬局への提示はどうだったのか。そんなに早くなかったような気もします。今回の2018年度の上半期の評価の結果、後の部分も含めて全体になってくると思うのですが、川上側の問題からいえば、流通改善を進める意味ではワニの口のように広がることは予想していませんでした。違う形になることを望まれたのではないかと思います。以上です。
 
○三村座長
今のことについて、どうですか。一応、予想と感想ということでありますので、この結果自体はまだ中間段階ですよね。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
この半年の上期の状況をみれば、川上取引に関しては、仕切価の水準が上昇した中でリベート等の水準が下がっており、仕切価にリベート等を加味した原価の水準は上がっております。
一方、ご覧のとおり、納入価の水準は上昇・改善しております。指標としてこれまで見てまいりました一次売差マイナスについては、青色の線の仕切価水準と赤色の線の納入価水準の開きがマイナス幅になるわけですが、現状においては川下取引の関係者の御努力、取組の結果、このマイナス幅は縮小したものの、川上の課題についての本格的な取組はこれからであり、そのためのレールはしっかり敷かせていただいたということでございます。
 
○小山委員
質問ですが、この仕切価、納入価が上がったということは改善と捉えるわけですか。今、そういうような表現でしたね。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
納入価に関しては、後ほど川下取引に関する状況の説明の際に丁寧に説明させていただきたいと思いますが、川下取引の課題となっている過大な値引き交渉を是正していくため、不適切事例をQ&Aの形で関係者に示すなどして適切な交渉・取引を促してまいりました。このような不適切な交渉・取引が是正されていく中で、結果として納入価の水準がどう変動するのかということであろうかと思っております。
 
○三村座長
日本製薬工業協会、どうぞ。
 
○長坂委員
この2の表で少し御説明しておいたほうがいいかなと思っています。前回の流改懇で私のほうからこの表について説明した経緯もございますが、この表は率として出ています。
今春は2年に1回の薬価改定も行われていまして、本年度は非常に厳しい薬価改定でした。
そういうことで、率で見ていただくとわかるのですが過去からの推移として、薬価の率ではメーカー側が大体吸収をしてきているという流れがございますので、決して値上げになっているという意味ではないと考えます。数字の見方でございますけれども、そういうことでございます。
 
○小山委員
でも、見ると上がっていますよね。これは上がっていることは間違いないので、その分、買うのはやはり値引き率が下がって苦労しているという現状はそのまま素直にとってもいいのかなと思います。
それで、売差マイナスを縮めようと皆さんが努力しているのにもかかわらず、メーカーの仕切価が上がって、その分、それを購入する病院はすごく苦労しているのだということがここで見てとれる。それで、苦労した結果、仕切価を上げた分よりも、さらに高い率で購入しているから、最終的には割戻しが減っているというふうに見えて、また病院というか、医療機関がすごく大変なのかなという印象を持ちます。
 
○三村座長
よろしゅうございましょうか。
それでは、現在この数値につきまして確かにいろいろな見方もあるし、御意見もあろうかというふうに思います。まず、この数値自体の問題というよりは、基本的に川上のほうで製薬工業協会と卸との間で相当真摯な話し合いと検討が行われた結果ということについて、評価は明らかにしていいのではないかと思っております。
ただ、それでまた川下取引はいろいろ大変だということですが、その点についての前提としての評価は変えないほうがいいのではないかと思います。
さらに今後の適切な仕切価・割戻し等の設定に向けて、川上ワーキングチームにおきまして検討を続けていただくということでありますけれども、卸機能とそれに基づく割戻しの項目・内容が非常にきれいに整理されたということはよかったのではないかと思います。
本年10月には、厚生労働省から事務連絡が発出されて、各関係団体を通じて各メーカー、卸売業者にその周知が図られております。先ほど、長坂委員からも御報告があったとおりでございます。現状の割戻しの確認、仕切価を修正するような割戻しが設定されている場合の仕切価への反映の検討などが要請されているところでございます。
今後、さらに当該事務連絡に則した当事者の取組を促して、そのフォローアップを行っていくことが必要ではないかとここでまとめておきたいと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。
(委員 異議なし)
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、続きまして次の検討事項に移りたいと思います。資料1についての説明をさらに続けていただくということでございますが、お願いいたします。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
それでは、資料1の11ページをご覧ください。卸売業者と医療機関・薬局間の取引に関する課題として、早期妥結の推進、単品単価契約の推進については、ガイドライン上、少なくとも前年度より単品単価契約の割合を高め、契約に当たっては単価やその有効期間を明記した覚書等を用いた契約を締結する、また、価格交渉の段階から個々の医薬品の価値を踏まえた交渉を進める、さらに、頻繁な価格交渉の改善の観点から、競合品・後発品の上市など期中で医薬品の価値に変動があるような場合を除けば年間契約など長期の契約を基本とすることが望ましい、としております。
まず、妥結の状況でございます。資料に記載の妥結の水準に関する数値は、私ども医政局経済課において実施しております価格妥結状況調査に基づくものでございます。日本医薬品卸売業連合会加盟の医療用医薬品取扱い卸全社における特定月1カ月間の販売総額のうち、価格が妥結したものの販売額の割合となります。
この妥結率については、平成26年4月より、いわゆる未妥結減算制度が導入されて以降、毎年9月時点で90%を超える妥結率となっていたところ、本年9月時においても90%を超える水準が確保され、薬価改定のあった平成28年9月時と比較しても、ほぼ同水準との結果でございました。
12ページをご覧いただければと思います。これは、薬価改定年度の6月・9月・12月・3月、また、その翌年度も含めた妥結率の推移をお示ししたものです。赤字が本年6月・9月時の妥結率でございます。
13ページをご覧ください。右側に、本年6月・9月時の妥結率について、200床以上病院、その他の病院、診療所、20店舗以上のチェーン薬局及びその他薬局の区分別の状況をお示ししております。
左側が、過去の実績となりますが、薬価改定年度の平成28年度から翌29年度までの200床以上病院等の別の妥結率の推移の状況でございます。
28年度の9月・12月の妥結率を見ていただきますと、9月時点の水準から12月に大きく下振れている状況が見てとれます。
9月までの妥結価格を4月から9月までの半期契約としているケースなどの影響と考えられるところですが、今年度下期の状況も踏まえ、要因の分析もしてまいりたいと考えているところでございます。
このような足元の状況を踏まえていただきまして、後ほど13ページに記載の論点につきまして御意見等をいただければと存じます。
続きまして、14ページをご覧ください。単品単価取引の状況等について説明いたします。30年度上期における単品単価取引の割合は、200床以上病院、調剤薬局ともに前年度より大幅に上昇改善しております。流通改善ガイドラインの適用、未妥結減算制度へのガイドラインの趣旨・内容の取り入れ、また、これに則した流通関係者の取組・対応によって大きく前進した結果となっております。
一方、この上期において、医薬品の単価を単純に同一の値引き率とする全品総価の取引は、前年度よりさらに割合が減っております。
なお、この一律値引きについては、あらためて「個々の医薬品の価値を反映した銘柄別の薬価収載を行う現行の薬価制度の趣旨にそぐわない取引」であるとのQ&Aを流通関係者に周知をしているところであります。
15ページをご覧ください。これまでも本懇談会にお示しをしてきました経年の状況でございます。
以上、この単品単価の状況に関しましても、15ページ記載の論点につきまして御意見等をいただければと存じます。
16ページをご覧ください。過大な値引き交渉の是正に関しましてはガイドライン上、取引条件等を考慮せずベンチマークを用いた値引き交渉を行うなど、医薬品の価値を無視した値引き交渉、流通コストを全く考慮しない値引き交渉を慎むこととしております。
まず納入価の状況でございますが、本年度上期において薬価を100とした場合の納入価の水準はご覧のとおり上昇し、単品単価取引の割合の上昇とともに、納入価の水準も上昇した結果となりました。流通関係者において、ガイドラインに則した対応・取組をいただいた結果でありますが、私ども厚生労働省といたしましても、ガイドラインに則して適切な価格交渉を行っていただくよう、状況・実態を踏まえながら、不適切な交渉となり得る例をQ&Aの形で流通関係者に周知してまいったところでございます。具体には、7月に、「医薬品の価値を無視した過大な値引き交渉」の例として、「未妥結・仮納入を助長しかねない全国一律のベンチマークを用いた値引き交渉は、医薬品の安定供給を阻害するもの」とのQ&Aを関係者に周知いたしました。
続いて、17ページをご覧ください。9月にも、適切な価格交渉、早期妥結の推進に資するよう、一律値引きは薬価制度の趣旨にそぐわない取引であるとのQ&Aや、単に前年度の値引き率水準での総価交渉に終始しようとして、医薬品の価値や流通コストを踏まえた交渉に応じない例等を牽制するQ&Aを関係者に周知してきたところでございます。引き続き、関係者からの状況聴取や相談対応などによって具体の状況を把握し、必要により同様の対応を行ってまいりたいと考えているところでございます。
以上の状況を踏まえ、17ページ記載の論点も含めまして、後ほど御意見等いただければと存じます。
事務局からの説明は以上でございます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局からの説明に関連しまして、日本医薬品卸売業連合会から資料3の説明をお願いいたします。
 
○中原委員
日本医薬品卸売業連合会の中原でございます。卸連からは、資料3の「流通ガイドラインを踏まえた流通改善の推進について」、意見を申し上げます。
まず、1ページ目をご覧ください。最初に、「流通改善と消費税引上げに伴う薬価改定について」申し上げます。
医薬品卸は、公的医療保険制度のもとにおいて、災害時やパンデミック時などの対応を含め、医薬品の安全かつ安定的な供給を継続的に行っており、国民医療向上のために一定の役割を担ってまいりました。
現在、後発品のさらなる使用促進策に加えて、薬価制度の抜本改革により、新薬創出加算品目の適用範囲の大幅縮小や長期収載品への新たな厳しいルールの導入などが行われるなど、医薬品流通を取り巻く環境は極めて厳しくなっております。
そのような中、当連合会では、会員卸各社が流通改善ガイドラインを踏まえた交渉が行えるよう、5月に全国を7つの地区に分けて地区ごとの説明会を実施し、留意すべき事項の周知徹底を行いました。
その後、6月から7月にかけて薬局団体、それから公的医療機関本部等へ当該ガイドラインを踏まえた流通改善の推進について協力要請を行わせていただいており、精力的に流通改善を進めているところでございます。
こうした状況の下、来年10月に消費税引上げに伴う薬価改定が行われる場合、年複数回契約となることから来期の価格交渉は極めて煩雑になり、部分妥結が増加することが考えられます。改定前には返品や買い控えが見込まれ、欠品を避けるため急配の増加も考えられます。また、新薬創出加算品や基礎的医薬品等の一部の薬価が上昇する品目については駆け込み需要の発生が考えられ、流通改善が後退することが危惧されます。
当連合会としましては、流通改善ガイドラインを踏まえ、単品単価契約の推進やさらなる早期妥結の促進に全力を注ぎ、流通改善を進めたいと考えております。
国としても、10月の薬価改定によって、当該ガイドラインの推進に混乱を来すことがないように御支援をいただきますようお願い申し上げます。
2ページ目をご覧ください。「流通改善GLの推進について」申し述べます。
新提言や流通改善ガイドラインを踏まえた流通改善を積極的に進めていくため、流通関係者が留意すべきと考える課題を川上流通の課題、2つ目として川下流通の課題、3つ目として流通当事者全ての課題という形で分けて示しております。
まず、1つ目の川上流通の課題でございます。ここには、一次売差マイナスの改善が1つ、それから2つ目として卸機能の適切な評価を反映した割戻し設定の推進を挙げております。
まず、1つ目の「一次売差マイナスの改善について」でございます。一次売差マイナスを解消するためには、過大な薬価差の解消とともに、市場実勢価格を踏まえた適切な一次仕切価の提示に基づく最終原価の設定が必要と考えております。また、流通コストを考慮しない一次仕切価は、流通機能の安定性や流通経費等の負担の公平性の観点から問題であり、そのような品目を有するメーカーには再検討をしていただきたいと思います。
なお、消費税を上乗せすると薬価を突き抜けてしまう、いわゆる逆ざや品につきましては薬価、仕切価のあり方そのものに問題があると思います。見直しが必要な時期にきているのではないかと考えております。
2つ目の「卸機能の適切な評価を反映した割戻し設定の推進について」でございますが、割戻しについては卸機能の適切な評価を反映した割戻し区分の整理が行われました。今後、割戻し交渉を行うに当たり、この割戻し区分を踏まえた交渉を推進してまいりたいと思います。
3ページ目をご覧ください。次に、「川下流通における課題」としましては「早期妥結と単品単価契約の推進について」、それから「医薬品の価値や流通コストを尊重した価格交渉の推進」を挙げております。
まず、1つ目の「早期妥結と単品単価契約の推進について」でございます。来年10月に消費税引き上げに伴う薬価改定が行われる場合、年複数回契約になることから、来期の価格交渉は極めて煩雑になり、部分妥結が増加することが考えられます。そのような結果、妥結率が下落し、改定直前に予定されている薬価調査の信頼性を損なうものになるのではないかと危惧しております。
このため、来年の上期の価格交渉においては、さらなる早期妥結の促進と単品単価契約の徹底を図りたいと考えており、取引先に理解を求めてまいりたいと思います。
なお、単品単価契約率につきましては、流通改善ガイドラインを踏まえ、取引先に御協力いただいて単品単価契約を積極的に進めてきたことで、平成30年度上期は200床以上の病院及び20店舗の調剤薬局チェーンにおいて単品単価契約率が大幅に上昇しております。
今後、単品単価契約をさらに進めるために契約期間を明示し、医療機関、保険薬局との単品ごとの価格を明示した品目リストを添付した覚書の締結をさらに推進してまいりたいと考えております。
次に、2つ目の「医薬品の価値や流通コストを尊重した価格交渉の推進」についてでございます。購買代行による取引条件を考慮しないベンチマークを用いた値引き交渉など、医薬品の価値を無視した価格交渉が行われることがないようにすべきであると考えます。
このことは、新提言では「個々の医薬品の価値及び費用負担の公平性を無視して利益のみを追求する価格交渉のアウトソーシング等については慎むべき」と明記されております。
同時に、安定供給を維持するための適正な流通コストを考慮した交渉が行われるよう、取引先に理解を得られるよう取り組んでまいりたいと思います。
4ページ目をご覧ください。次に、流通当事者全ての課題等について申し上げます。
まず、1つ目は「返品の扱いについて」でございます。トレーサビリティの確保、医薬品の品質確保及び偽造医薬品の流通防止の観点から、返品条件を事前に定めた契約の締結を推進し、返品の改善・削減を図ることが必要であります。
卸としましては、返品につながるような拡販政策を極力減らし、返品削減に取り組んでまいりたいと考えております。また、廃棄を前提とした医薬品の返品は公正競争規約違反となるため、返品を受け取ることができないことについて取引先の御理解を得るように努めてまいります。
月末の在庫調整等のために行われる返品は、トレーサビリティの確保が困難なことや偽造医薬品の温床となりかねないため、取引先に是正をお願いしたいと思います。
メーカー都合による包装変更などについては、切りかえをスムーズに行えるよう、卸に切りかえ時期をできるだけ早期に情報提供していただくよう要請したいと思います。そのような対応をした場合でも、発生する返品については原則としてメーカーに受け入れていただきたいと考えております。
なお、バーコードの変更による包装変更はメーカー都合によるものではありませんので、別扱いにすべきだと考えております。
2つ目、「消費税引上げへの対応について」は、当連合会は平成26年より消費税表示カルテルを実施しておりますが、消費税の適正な転嫁の確保の観点から、特に消費税引き上げ時には本体薬価による価格交渉が不可欠であります。わかりやすいリーフレットによる説明や、薬価からの値引き率と本体薬価からの値引き率を併記した見積書を提示するなど、受け入れられやすい環境を整えつつ、取引先の協力を得ながら推進してまいりたいと思います。
以上、流通改善ガイドラインを踏まえた流通改善の推進について、当連合会の意見、要望を申し上げました。ありがとうございました。
 
○三村座長
ありがとうございました。
続きまして、日本保険薬局協会から資料4について説明をお願いいたします。
 
○杉本委員
日本保険薬局協会の杉本です。
それでは資料4、1ページ目を見ていただきたいと思います。「単品単価取引推進のための覚書締結状況について」でございますけれども、川下のワーキングチームで取組の推進を行っている単品単価取引推進のための覚書締結状況については、下記のとおり改善をかなりしてきていると思います。30年の上期について、覚書の締結状況は73.1%ということで非常に伸びました。
次のページを見ていただいて、今まで大体60~65%、60%前後を行ったり来たりしていたのですが、30年度に関してはこの新ガイドラインの趣旨に沿った行動をしたことによって73.1%というふうに伸びております。
また、保険薬局協会ではブロックごとで、この流通ガイドラインについていろいろな説明会をやっております。特に経済課の流通指導官の方に来ていただきまして、各地区で5回説明会をしております。東京、名古屋、大阪、東京、川越ということで、トータルで計115人参加いただきました。経営者の方、またはその流通関係の方に説明会をした取組の結果、数字が出てきたのだと思います。以上です。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、今までの説明を踏まえまして、川下取引に関して、まず「早期妥結の推進」について、資料1の13ページの論点でございます「平成30年度9月時点の妥結状況を踏まえ、流通関係者の取組をどう評価するか」、また、「今後に向けて改善すべき課題・問題はあるか。また、その課題・問題にどのように対応していくか」、これが第1番目の論点です。
第2番目の論点は資料1の15ページでございますけれども、「単品単価契約の推進」についてであります、「平成30年度上期における単品単価契約の状況を踏まえ、流通関係者の取組をどう評価するか」、「今後に向けて改善すべき課題・問題はあるか。また、その課題・問題にどのように対応していくか」ということになります。
さらに3つ目の論点ですが、資料1の17ページになりますが、「過大な値引き交渉の是正」について、「平成30年度上期における納入価水準の上昇を踏まえ、流通関係者の取組をどう評価するか」、「今後に向けて改善すべき課題・問題はあるか。また、その課題・問題にどのように対応していくか」。
以上につきまして、皆様から御意見、御質問をお願いしたいと思います。いかがでございましょうか。
では、どうぞ。
 
○長瀬委員
ガイドラインは大変評価できると思います。最後に覚書の話が出ましたが、73%と、飛躍的に上がっています。これは大変よいことだと思いますが、その中でも半年間と1年間というところを見ると、9月に妥結したのにまた12月に下がっているわけです。それを1年間にすれば、もっときれいな折れ線グラフになるのかなと思いますが、いかがでしょうか。
 
○三村座長
杉本委員、御説明をお願いします。
 
○杉本委員
毎年、12月と6月にジェネリックが相当上市されます。やはりどうしても交渉をする必要があるので、そんなきれいにはいかないという現状があるということが1つあります。
それから、ここに書いてあるのですけれども、課題ということについて今回のことでいいますと、やはり未妥結減算というのが薬局側と病院側にありまして、川上の価格交渉が遅れたというような名目があったかどうかわかりませんけれども、会員の人たちの意見を聞きますと、価格提示が実際なされたのが9月の中旬ぐらいだったという声も聞きました。
それで、結局、月末までに決めなければいけない。これは幾ら何でもちょっとシビアなんじゃないかというような意見がかなり出ておりまして、もう少し余裕を持った価格提示の仕方と、交渉の余裕というのでしょうか。そういうのがあったら、もうちょっと納得いけるようなことだったのかなというふうには思っております。
 
○三村座長
ありがとうございました。
では、どうぞ。
 
○長瀬委員
今おっしゃった余裕を持った交渉というのは、具体的にどのようなことですか。
 
○杉本委員
実際、各卸のトップはちゃんと説明していると思うのです。
でも、それが末端まできちんと伝わっているかどうかという問題が非常に大きいのかなと思いまして、未妥結減算ルールというのは納入価を高くするためにやっているわけでは決してなくて、単品単価交渉の推進だとか、覚書の締結率を上げるとか、過大な値引きを抑制するとか、そういうようなことを目的にやっているので、民民の取引の納入価を高くすることを目的にしているのではないと思っております。
それなのに、実際に現場の交渉をしている方が各会社に来ていらっしゃるのですけれども、どうもその辺のことがきちんと伝わっているのか、いないのか。そういうことを感じるようなことが、少し問題なのかなと思っています。
 
○三村座長
ありがとうございます。そういう御説明でありますが、何か卸連のほうから御回答はありますか。
 
○中原委員
卸連の中原でございます。御質問に関しましては、やはり我々としては価格提示は早急にしろという話は4月からしております。
もしそういうお得意様があるということであれば、こちらでも問題にして解決に向かわせていただきたいと思いますし、価格提示を9月の中旬までしなかったということは普通だったら考えられないかと思いますので、もしあるということであれば御相談いただきたいなと思います。
私どもは、通常のケースではあり得ないと思っております。
 
○三村座長
では、その点がもしありましたら、御連絡等ということでお願いいたします。
それでは、折本委員どうぞ。
 
○折本委員
卸連の折本でございます。先ほどの覚書の件、日本保険薬局協会から御協力いただいてありがたいと思っているのですが、今お話しがありましたジェネリックの上市及び予定されております適応症拡大に伴う薬価の見直しといった問題で、覚書がまた元に戻ってはいけないということで、卸連の中でも病院とよく交わす随意契約と単価契約みたいな形で、再度その契約期間をしっかり見直して、先ほどのような御指摘の、妥結率が上下しないような形で施行できるよう御相談をしたいと思っております。ありがとうございます。
 
○三村座長
どうぞ。
 
○長坂委員
製薬協の長坂です。メーカーとして、この単品単価契約が非常に進んでいるということにつきましては、関係者の皆様の御努力であり、心より感謝申し上げたいと思っております。一方で、単品単価契約というのは契約書と単品単価表ということでやっておりますので、さらに我々としては1品ごとの単品単価交渉というのが非常に重要であって、そちらも多分進んでいるとは思っておりますけれども、さらにここに踏み込んだ形で充実を図っていただけたらというのがメーカーの気持ちでございます。
一方、13ページにもございますけれども、先ほど議論があったかもしれませんが、非常に御努力もされている中ではわかるのですけれども、急激に9月に妥結率が上がっています。1品ごとの単品単価となりますと結構時間がかかるのだろうと思っておりますが、この点は少し気になるところでございます。
 
○長谷川委員
今お話がございましたけれども、先ほど御指摘がありましたように、病院さんも保険薬局協会さんも単品単価を積極的に進めていただきまして、これによって医薬品の価値というものを適正に評価していただいて、それを今度我々がメーカーさんに伝える立場だと思っているのが1つです。
先ほど御指摘ありましたことですが、私も同じようなイメージを持っていまして、先ほど6月、12月の妥結で落ちるという話がありましたね。これからそれを改善しようと思いますと、日本保険薬局協会の資料で半年間の覚書というのが年間覚書より多くなっているということで、そのあたりも一緒に考えていかないと、年間契約、特に契約という概念がこの業界はちょっと薄いというような気がしまして、きっちりやらなければいけないと思っています。
それがまた適正な価格の把握と薬価調査の正確性を担保するものになるのではないかと考えておりますので、契約についてはこれから今まで以上にしっかりとやらせていただきたいと思っております。
 
○三村座長
よろしゅうございますか。どうぞ。
 
○森委員
ありがとうございます。今回、妥結率は28年9月に比べて若干は下がっていますが、これは評価が難しいところだと思います。
なぜかというと、そのかわりといっていいのかどうかとは思いますが、単品単価取引が進んでいます。当然、現場では一つ一つ医薬品毎に交渉することになり、かなり時間を要したのではないかと思います。その結果、妥結率に影響があったのではないかと思います。
心配しているのは、今後毎年改定になると、卸にしても薬局、医療機関にしても大変な作業になってきてしまうのではないかと思います。そのため、今回、妥結率が下がってしまったのかと思います。
ただ、個々の医薬品の価値を適切に評価するということを考えると、妥結率もそうですけれども、単品単価取引が進んだというのは非常によかったと思っております。以上です。
 
○三村座長
ありがとうございます。よろしゅうございましょうか。
それでは、御意見ありがとうございました。今回、非常によい結果が出ていると評価したいと思います。
「早期妥結の推進」「単品単価契約の推進」「過大な値引き交渉の是正」等に関してということでございます。ただいまの説明、あるいは御意見等を踏まえまして、次のように整理したらいかがかと存じます。
「早期妥結の推進」につきましては、単品単価契約の割合を高める中で、この時点で90%超の水準が維持されたことを大変評価したいと思います。これは、200床の病院につきまして、あるいは20店舗以上の調剤薬局につきましても大変高い結果をいただいております。
課題といたしましては、特定の卸、品目のみ妥結する部分妥結の動きも実は見られるということがありますので、その実態動向の把握と、それを踏まえた対応も念頭に置きながら進めていく必要があるのではないかということでございます。
「単品単価契約の推進」については、その割合が前年度より大幅に上昇改善されたことについて評価をしたいと思います。課題といたしましては、一部に見られる総価取引の改善、納入単価やその有効期間を明記した覚書締結等の一層の推進といった取組が引き続き必要であるということでございます。
今回、覚書締結につきましては本当に御努力いただきまして、大変ありがとうございました。
ただ、後期にまさにそれがダウンしないようにということで、今いろいろな課題等を御提示いただきましたけれども、きめ細かく卸と保険薬局協会のほうでいろいろな御検討を進めていただければと思っております。
また、「過大な値引き交渉の是正」につきましては、納入価の水準が前年より上昇しておりますので、この点につきましても関係者の取組を評価したいと思っております。
引き続きまして、まだ不適正事例というものも考えられますのでその掌握と、それを踏まえた対応が必要ではないかと考えております。
以上のようにまとめてみたらと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。
(委員 異議なし)
 
○三村座長
ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
引き続きまして、資料1、18ページから21ページにつきまして、相談対応の状況等につきまして事務局から説明をお願いいたします。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
それでは、資料1の18ページをご覧ください。
4月以降の相談窓口を通じた流通関係者からの相談への対応状況等について、御説明いたします。
5月30日に開催した本懇談会におきまして、15件の相談が寄せられていることを御報告いたしました。うち、13件が仕切価等の交渉に関するもの、他2件が、資料中「その他」の括りでまとめてございますけれども、川下取引の価格交渉中の事案でございました。
なお、仕切価等に関する相談13件のうち1件は、事案の精査を行う中で、相談者の事実誤認が判明して取り下げとなりました。
さらに、6月以降、川下取引の価格交渉途中の事案ということで、情報提供ベースのものを含めた相談の登録がこれまで7件あったところでございます。
全体を整理いたしますと、取り下げとなった1件を除けば、これまで合計21件の窓口相談があったということでございます。なお、資料に記載のとおり、相談窓口を通じての相談のほかにも窓口を介さない照会や事前相談といった形のものも多数あったところでございます。
また、私どもとしましても、関係団体への個別訪問、団体が実施されている種々の会合への参加・出席など、いろいろな機会・チャンネルを通じまして状況把握を行っているところでございます。
これによりまして、Q&A等で不適切事例などの見える化ということで対応させていただいたということは御紹介のとおりでございまして、結果的に窓口への相談に至らなかったケースもあったということを併せて申し上げておきたいと思います。
19ページをご覧ください。仕切価等の交渉に関する12件の相談の内容及びその対応経過についてまとめたものでございます。
相談者は卸売業者複数となりますけれども、内容としましては、それぞれの取引先メーカーの中で、一部のメーカーとの間で流通経費等を踏まえた仕切価・割戻し設定となっていないというものでございます。個別には、1,2,3,と括っての整理、まとめをさせていただいておりますけれども、従来から仕切価が高水準のまま据え置かれている状況にある、あるいは仕切価の水準の引き上げや割戻しの縮小があったということで、仕切価に割戻しを含めた正味仕切価ベースの原価でみても、流通経費等を踏まえた仕切価・割戻しとなっていないといった内容のものでございました。
ガイドラインの基本的な考え方にも明記のとおり、流通当時者間で流通経費等の負担の公平性の確保を念頭に置いた取組が必要であり、川上取引の当事者におきましても、流通経費等の負担の公平性を念頭に両者間で十分に協議の上、適切な仕切価・割戻し等を設定いただく必要があると整理をさせていただいております。
20ページをご覧ください。相談対応の経過でございます。まず、当事者間であらためて協議を行っていただき、流通経費等について両者間で認識の共有を図っていただきました。
今後の仕切価等の見直しに向けまして、当事者間で協議・検討を引き続き行っていただいているところでございます。
続きまして、21ページをご覧いただければと思います。相談窓口の運用に関しまして、流通関係者から御意見をいただいたところでございます。資料に記載のとおり、今後もガイドラインに則した取組を引き続き進めていく中で、相談窓口の設置・運用は今後も継続して必要であるとの御意見をいただいている一方、相談の内容によりましては、相談者が特定をされ、結果、取引に影響が及ぶことを懸念せざるを得ない、ケースバイケースになろうかと思いますけれども、窓口を通じた相談ということになりますと躊躇せざるを得ない局面もあるということで、その点を配慮した運営が必要ではないかという御意見もいただいたところでございまして、こういった流通関係者の皆様の御意見も踏まえ、特にこの2点目にありますような点も踏まえた慎重な対応ということを心掛けて運営してまいりたいと考えているところでございます。
また、現行の流通改善ガイドラインについての評価という点で、併せて御意見をいただきました。何点か、総括的にまとめさせていただいております。
まず、業界全体に単品単価の意識、透明な市場実勢価形成の機運が醸成されたとの御意見がありました。
一方で、ガイドラインに則っているとは言い難いような実態も見受けられるのではないか、流通関係者それぞれがガイドラインの趣旨等について一層理解を深め、ガイドラインに則した取組、努力をしていくことが今後も必要であるという御意見がございました。
それから、今後も状況によってガイドラインに関するQ&A等の発出も必要であるとの御意見をいただいたということでございます。
「今後の対応」といたしまして、現行の流通改善ガイドラインによりまして、流通関係者において流通改善の意識がより高まり、改善への取組が一層進められたと評価する意見があり、今後もQ&Aの発出といったことも通じて、現行ガイドラインに沿った取組を引き続き促してまいりたいと考えているところでございます。
以上の説明に関しまして、ここにございます論点につきまして御意見等を賜れればと存じます。よろしくお願いいたします。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、最後の「相談対応及び流通改善ガイドラインの評価」につきまして、資料1、21ページに論点が提示されております。「平成30年度上期の状況を踏まえ、流通改善ガイドラインの発出・適用をどう評価するか。現時点で現行のガイドラインについて見直すべき事項があるか」ということにつきまして、皆様からの御意見、御質問をいただければと思います。
 
○長島委員
遅くなって申しわけございません。日本医師会の長島でございます。
ガイドラインの評価の際に、ガイドラインだけではどうしても対応できない部分がある、相談窓口だけでは対応できない部分があるということがはっきりすれば、やはりそれはガイドラインを超えてある程度、強制力があるような対応も考えざるを得ないということかと思いますので、そういう厳しい目でこのガイドラインを評価していく必要があるのではないかと思います。
 
○三村座長
そういったような状況が現れたときにということでよろしゅうございますか。
 
○長島委員
はい。
 
○三村座長
それは当然、何らかの形があったら対応というのはあり得るというように思いますが、事務局、それでよろしいですか。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
はい。
 
○三村座長
そのほかに、何か御意見ありますでしょうか。よろしゅうございますか。
ありがとうございました。それでは、「相談対応及び流通改善ガイドラインの評価」ということにつきましては、次のように整理をしておきたいと思います。
既に皆様から御意見等をいただいておりますけれども、流通改善ガイドラインの発出・適用によって、流通改善についての流れが生まれてきたということでございます。そして、さらにそれよって流通改善が前進し、現行ガイドライン上の課題について引き続き取り組んでいただくということが必要ではないかと思いますので、そういうような形の中でこの流通改善ガイドライン及び相談対応窓口の有効活用ということを考えるべきではないかと思います。
今いただきました御意見の中では、現時点でガイドラインについて見直すべき事項はないということになっておりますので、そのようにさせていただきたいと思います。
また、相談窓口の運営につきましては今、事務局のほうからも御説明いただきましたように、慎重かつ注意深くしながらこれを有効に運営していくということの御提示がございましたので、そのようにお願いをしたいと思います。
以上ですが、よろしゅうございましょうか。
(委員 異議なし)
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、最後の議題、「その他」についてということでございます。あるいは、本日の議論全体を通して何か御意見等ございましたらお願いいたします。
 
○長島委員
来年、消費税増税という問題もございますけれども、医療機関にとりましてこの医薬品にかかる消費税というものは極めて重要な問題でございます。
それをきちんと把握するためには、卸が各医療機関に対して具体的に薬価税込みの価格及び税抜きの価格の両方をきちんと示していただきたいと思います。そうすると、医療機関できちんと消費税に関する部分が把握できます。
また、そのデータを日本医師会にいただいて、それを会員向けに提供したいと思っておりますので、ぜひ御協力をお願いいたします。
 
○三村座長
それは、御協力の御依頼ということで対応してよろしいでしょうか。まだ一応、御依頼ということで。
 
○長島委員
できれば、ここのところでそういう方向で行っていただくということをまとめていただければありがたいです。
 
○三村座長
事務局からお願いします。
 
○三浦経済課長
経済課長でございます。御指摘どうもありがとうございます。
この消費税の問題ですが、消費税が導入されて30年間経っているのですけれども、医療現場ではなかなか内税、外税というあたりの徹底ができていないとお叱りを受け続けているという現状かと認識をしております。
せっかくカルテルは進んでいるものの、現場の説明が苦労しているというような状況であることは何度も伺っておりますので、是非、先生から今、御提案いただいたような形でできないか、前向きに検討していきたいと思います。
 
○三村座長
では、そのようにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
折本委員どうぞ。
 
○折本委員
御指摘のことは卸連合会としても問題視しておりまして、社員向けのいろいろなマニュアルも作ったり、見積もりにも薬価からの値引率と本体薬価からの値引率の併記ということで、日本医師会とも相談してお作りをさせていただいております。
ただ、なかなか従来の商慣習が抜けませんで、再度、今の御指摘を踏まえてさせていただきたい。
できましたら本体薬価で薬価基準に載せていただければこういった問題はすぐに解消するのですが、そうもいきませんので、また一生懸命、御説明と御理解を賜れるように努力いたしますので、お得意様におかれましてはぜひそういう御指導も含めてよろしくお願いいたします。以上です。
 
○三村座長
わかりました。それでは、御関係の皆様の御検討を、引き続きお願いをしたいと思います。
森委員どうぞ。
 
○森委員
同様に、薬局も消費税率が引き上がることによる影響を心配しています。卸のほうからも表示カルテルの話がありましたけれども、きちんと薬局のほうにも提示していただければと思います。
 
○三村座長
そのほか、よろしゅうございましょうか。
それでは、そのほか特に御意見ないということにさせていただきます。
本日の議題は、全て終了いたしました。本日の議事録につきましては事務局で作成し、委員の皆様に適宜、御確認いただくことにしておりますので、よろしくお願いいたします。
次回以降の開催予定等については、事務局からお願いをいたします。
 
○山田流通指導官
次回以降の開催につきましては、適宜、状況を見つつ、座長と調整をさせていただいた上で開催させていただきたいと思います。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、本日の議題はここまででございます。時間がまいりました。
本日は、どうも御審議ありがとうございました。(了)
 
<照会先>
医政局経済課
山田、天野:03-5253-1111(内2536)

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