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2018年5月30日 第27回医療用医薬品の流通の改善に関する懇談会議事録

医政局経済課

○日時

平成30年5月30日(水)15:00~17:00

 

○場所

三田共用会議所 講堂

○議事

 

 

○山田流通指導官
ただいまから、第27回「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」を開催いたします。
初めに、委員に交代がありましたので、新たに委員に加わっていただいた3名の方を御紹介させていただきます。
日本製薬工業協会の竹安様。
日本製薬工業協会の原様。
本日、御欠席ですが、全国自治体病院協議会の松本様にも委員に加わっていただいております。よろしくお願いいたします。
次に委員の出欠状況を御報告いたします。本日は、日本歯科医師会の杉山委員、日本医療法人協会の関委員、日本精神科病院協会の長瀬委員から御欠席との御連絡をいただいております。
また、日本医師会の鈴木委員の代理として、中川様に御出席いただいております。
ここで、開催に当たりまして、橋本審議官より挨拶申し上げます。
 
○橋本大臣官房審議官
審議官の橋本でございます。
冒頭の挨拶を私のほうから申し上げさせていただきたいと思います。
委員の皆様方におかれましては、医療医薬品行政の推進、医療用薬品の流通改善に多大なる御尽力をいただいておりまして、この場をかりて厚く御礼を申し上げたいと思います。
この医療用医薬品の流通改善につきましては、これまでも総価交渉の改善ですとか、未妥結・仮納入の是正など、そういった流通慣行の現状を分析し、またその改善方策についまして、この懇談会でいろいろと御議論をいただきまして、取り組みを進めてきたところでございます。
昨年末に取りまとめられました薬価制度の抜本改革では、医薬品の流通改善に関しまして、平成33年度に向けて安定的な医薬品流通が確保されるように国が主導し、単品単価契約、早期妥結、一次売差マイナスの是正等を積極的に推進して、流通改善に取り組むということが定められているところでございます。
これを受けまして、流通改善の取り組みを加速するために、まずは流通関係者が取り組むべきガイドラインをつくろう、遵守をしていこうということで、昨年の12月に懇談会で御議論いただきまして、本年1月にこの通知、ガイドラインを発出させていただきました。このガイドラインの実効性を確保していかなければなりませんので、私ども厚労省といたしましては、4月から相談窓口を設置したところでございます。今後、この窓口のほうに寄せられました相談内容をガイドラインの事項ごとにまとめまして、この懇談会等で公表するとともに、安定供給に影響を及ぼすような事案につきましてはヒアリングですとか、指導を行っていくということといたしております。
また、ガイドラインの遵守状況の確認も適時行いまして、この懇談会のほうに報告させていただきたいと考えております。
本日の懇談会はこのガイドラインを発出した後、最初の会合でもございますので、医薬品流通をめぐる直近の状況ですとか、あるいは各団体における取り組みについて、また、ガイドラインの今後のフォローアップについて御議論いただければと考えているところでございます。
委員の皆様方におきましては、忌憚のない御意見を賜りますようお願い申し上げまして、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 
○山田流通指導官
続きまして、本日の資料ですが、机上に配付させていただきました議事次第に記載のとおりですので、御確認をお願いいたします。不足がありましたらお申し出ください。よろしいでしょうか。
これより議事に入りますので、撮影はここまでとさせていただきます。
御発言に当たっては、マイクの大きなスイッチをオンにして御発言をお願いいたします。御発言が終わりましたら、スイッチをオフにしていただくようお願いいたします。
以降の議事進行につきましては、三村座長にお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
 
○三村座長
それでは、本日の議事に入りたいと思います。
本日の議題は「1.平成29年度上期等の流通改善の取組状況について」「2.『医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン』の今後のフォローアップについて」「3.その他」となっております。
それでは、議題1「平成29年度上期等の流通改善の取組状況について」事務局から資料1、資料2が提出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。
 
○金子流通指導官
それでは、資料1をご覧ください。平成29年度上期等の流通実態についてまとめたものになります。
2ページ目をご覧ください。こちらは各種水準の推移になります。こちらの資料は薬価を100とした場合の仕切価率等の各種数字につきまして、24年度から29年度上期までの推移となります。
データにつきましては一次売差マイナスと割戻し・アローアンスの拡大傾向の改善について分析をするため、大手卸の5社より取扱全品目を加重平均で算出したデータを任意で提出していただきまして、それを単純平均して整理したものです。あくまでも目安ということで捉えていただければと思います。
なお、括弧書きは税抜きの仕切価率等の水準を参考値として記載させていただいております。薬価改定後2年目の状況としまして、赤枠の中の27年度と29年度上期の状況を比較しますと、仕切価は0.2ポイントの上昇、納入価は0.5ポイントの下落、一次売差マイナスは0.7ポイントの拡大、薬価差も0.5ポイントの拡大になっています。
続きまして、3ページをご覧ください。こちらは単品単価取引の推進の状況になります。このデータは大手卸5社から任意で提供いただいたデータをもとに、グラフ化したものです。表の左半分が200床以上の病院、右半分が20店舗以上の調剤薬局チェーンのデータになりまして、19年度から29年度上期までを棒グラフで示しています。
下のほうの青色部分が単品単価取引の部分です。29年度上期の状況を見ますと、左側の200床以上の病院では、28年度と比較して単品単価取引が7.5ポイントの増加、改定2年目の27年と比較しましても12.6ポイントの増加となっております。一方、右側の調剤薬局チェーンでは、28年と比較すると単品単価取引が0.7ポイントの増加、改定2年目の27年と比較しますと1.5ポイントの減少となっております。200床以上の病院は単品単価取引が増加したものの、調剤薬局チェーンはほぼ横ばいといった状況となっております。
続きまして、4ページになります。こちらは価格妥結状況調査結果の概要としまして、25年度から29年度第3四半期までの妥結率の推移につきまして、病院、診療所、薬局の区分別に示したものとなります。黄色の網かけ部分が、いわゆる未妥結減算制度の対象施設です。平成26年度の制度導入以降は、9月時点の妥結率が高い傾向が見てとれるかと思います。
5ページ目は、20年度改定以降の妥結率の推移についてグラフ化したものになります。いわゆる未妥結減算制度導入後の推移は26年度が水色、28年度が橙色の折れ線グラフになりますが、それ以前の年度と比べまして、薬価改定後1年目の9月と2年目の9月の妥結率が高くなっていることがわかります。
6ページ目は、28年度以降の施設別の妥結率のグラフになります。実線は未妥結減算の対象となる施設、点線が対象外の施設となっております。
7ページ目は、大手卸5社のカテゴリー別の売上構成比の推移になります。傾向としましては後発品が増加傾向、長期収載品が減少傾向になっています。なお、27年度から28年度における特許品・その他の増加は、個別の医薬品の影響があったものと聞いております。
資料1については以上でございます。
 
○天野流通指導官
続いて、資料2「医療用医薬品における情報化進捗状況調査結果(速報値)」平成29年9月末現在について御報告いたします。
スライド1ページをご覧ください。製造販売業者による新バーコードの表示率として、調剤包装単位についての表示率を示した表になります。必須表示項目については全て100%となっています。
なお、メーカーから報告時点でバーコード未表示と回答された品目について個別に照会を行い、流通していない品目に係る未表示の品目など、除外してよいものについてはデータクリーニングをした結果となっております。また、生物由来製品の有効期限、製造番号・製造記号欄の平成29年数値の下落は、現在、この結果が速報値ということでございますので、確定値までの間に内容を確認させていただきたいと考えております。
続いて、スライド2をご覧ください。販売包装単位及び元梱包装単位の新バーコードの表示率を示した表です。必須表示につきましては、全て100%表示となっております。なお、平成28年8月の改正通知により、原則として平成33年4月出荷分から必須表示とされた、緑色の欄になりますが、有効期限、ロット番号、数量等の変動情報の新バーコード表示への対応については、増加していることが確認できます。
続いてスライド3をご覧ください。こちらは、メーカーに対して変動情報の必須項目表示に向けた検討・取り組みについて、自由記載で回答いただいたものの主なものを記載しております。既に自社製造販売の製品について完了ですとか、順次対応中、導入を検討などの回答であり、各社前向きに取り組んでいただいていると理解をしております。また、改正通知に記載された特段の事情があるものとして、例外として平成35年4月までの適用に関する相談は、現時点では受けておりません。なお、本調査は毎年9月末分を対象に実施しており、本年度も継続して実施をする予定です。
資料2については以上になります。
 
○三村座長
続きまして、日本医薬品卸売業連合会から資料3の説明をお願いいたします。
 
○中原委員
卸連の中原でございます。
資料3の説明をさせていただきます。流通改善ガイドラインへの対応について、意見を申し上げます。
1ページをおめくりください。「1 流通改善ガイドラインへの対応について」ということで、医薬品卸は、災害時やパンデミック時などの対応を含め、医療機関・保険薬局等へ医薬品の安全かつ安定的な供給を継続的に行っており、国民医療向上のため一定の役割を担ってきております。
今回、薬価制度の抜本的改革が実施され、これまでの後発品のさらなる使用促進策に加えて、新薬創出加算の適用範囲の大幅縮小や長期収載品への新たな厳しいルールの導入などが行われるなど、医薬品流通を取り巻く環境は極めて厳しくなってきております。
さらに、2年に1度の薬価改定の中間年にも薬価改定が行われることになり、中間年の改定が行われる最初の年の2021年度、平成33年度に向けて強靱な流通を構築するため、前回の流改懇において、メーカー、卸、医療機関・保険薬局の合意のもとで全ての流通関係者が遵守すべき流通改善ガイドラインが策定され、国主導のもと、本年4月から施行されております。
当連合会は、流通改善ガイドラインの確実な実施と、その研修に向けた取り組みを積極的に行うため、ガイドライン推進プロジェクトを設置し、検討を進めてまいっております。また、会員卸各社が当該ガイドラインを踏まえた価格交渉等を行うに当たり、留意すべき事項を周知徹底するため、地区ごとに独禁法に抵触しないよう弁護士が同席した説明会を実施している最中でございます。
当連合会としては、会員卸企業による流通改善ガイドラインの遵守が徹底されるよう、不退転の覚悟で流通改善に取り組んでまいりたいと考えております。メーカー・医療機関・保険薬局におかれましては、何とぞ、御協力を賜りたいとお願い申し上げる次第でございます。
次のページになります。「2 流通改善ガイドラインの各項目の対応」という形でございますが、流通改善ガイドラインや新提言を踏まえ、流通改善を積極的に進めていくために、流通関係者が留意すべきと考える課題は以下のとおりでございます。
(1)として川上流通。メーカー様のほうでございますが、1として一次売差マイナスの解消についてでございます。一次売差マイナスを解消するためには、過大な薬価差の解消とともに、適切な一次仕切価の提示に基づく最終原価の設定の必要があると思います。
また、過大な薬価差の解消のためには、医薬品の価値を無視した値引き交渉や、適正な流通コストを考慮しない値引き交渉の改善と同時に、卸が仕切価を踏まえた価格交渉を行うことが重要であり、取引先の理解を得ながら流通改善を進めてまいりたいと思います。
2、効率的な在庫管理。後発医薬品は低薬価、少量多品種を特徴としており、売上高で医療用医薬品の10%程度にすぎないものが、物流センターの倉庫スペースの40%を超える状況でございます。安定供給を継続するためには、流通の効率化は必須であると考えます。
効率的な在庫管理を進めるために、以下の事項について要望したいと思います。元梱包装、販売包装におけるバーコード表示面の統一化、元梱包装、販売包装の規格の標準化、以上のことを要望したいと思います。
(2)として川下流通。これは医療機関、保険薬局様でございますが、1つとして早期妥結と単品単価契約の推進についてでございます。未妥結減算における「妥結率等に係る報告書」には、「単品単価契約とは、品目ごとに医療用医薬品の価値を踏まえて価格を決定した契約をいう」と明記されており、卸各社は価格交渉の段階から、個々の医薬品の価値を踏まえて交渉をするよう努めております
単品単価契約の推進を図るためには、医療機関・保険薬局と単品ごとの契約価格(本体納入価を金額、または、本体薬価からの値引率で表した価格)を明示した書類(品目リストまたは最終見積書)を添付した契約書(覚書)の締結を推進することと考えます。
2、頻繁な価格交渉の改善。半年ごとの価格交渉など、頻繁な価格交渉は安定供給に支障を来すとともに、取引先の医療機関や保険薬局にも負担増となっております。薬価調査後の価格交渉における価格の変更は、薬価調査の信頼性の確保の観点からも問題であり、年間契約等の長期の契約をする必要があると思います。ただし、市場の変化により医薬品の価値に変動がある場合には、変更契約等により取引条件を変更する必要もあると思います。
3、医薬品の価値や流通コストを尊重した価格交渉の推進でございます。交渉代行による取引条件を考慮しないベンチマークを用いた値引き交渉等、医薬品の価値を無視した価格交渉が行われることがないように努める必要があると思います。同時に、安定供給を維持するために、適正な流通コストを考慮した交渉が行われるよう取引先に理解を求めてまいりたいと思います
次のページをお願いします。(3)として、川上、川下ともに関係する点でございますが、流通当事者間の課題についてでございます。
1、返品の扱いについてでございます。トレーサビリティの確保、医薬品の品質確保及び偽造医薬品の流通防止の観点から、流改懇のモデル契約書等を参考に返品条件を事前に取り決めるよう、契約締結の推進をしてまいりたいと思っております。
メーカー都合による包装変更等については、切り替え時期等を卸に事前に情報提供していただきたいと思います。その上で、当該変更により、商品の外観が明らかに変わった場合には原則として返品を受け入れていただきたいと思います。
月末の在庫調整等のために行われる返品は、トレーサビリティの確保がしづらいことや偽造医薬品の温床となりかねないため、是正をお願いしたいと思います。また、廃棄を前提とした医薬品の返品は公正競争規約違反となるため、返品を受け取ることができないことを御承知置き願いたいと思います。
2、として、消費税引き上げへの対応についてでございます。平成31年10月の消費税引き上げに向けた薬価調査は、あくまで消費税引き上げ分を適正に薬価に転嫁するために実施するものであると思います。平成31年10月の消費税引き上げ時に実施すべきものと考えます。薬価調査の実施後に消費税を引き上げないことが決定した場合には、調査結果を活用しないようにお願いしたいと思います。
平成30年4月以降、メーカー、卸、医療機関、保険薬局は、2年に1度の薬価改定の年に行われる薬価改定に向け、国主導のもと、流通改善ガイドラインの遵守について、積極的に流通改善に取り組み始めているところでございます。これらの流通改善の推進に向けた取り組みに支障を生じることがないようにしていただきたいと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
 
○三村座長
続きまして、日本製薬工業協会から資料4の説明をお願いいたします。
 
○長坂委員
製薬協の長坂でございます。
私のほうから、メーカーの取り組みを発表いたします。
29年度の取り組みということでございます。仕切価・割戻し、アローアンスについて、特に仕切価は製品の製造原価、製品の位置づけ、薬価改定の影響、ライフサイクル、これらをそれぞれの各社が状況を見るとともに、その製品の競合状況、後発品の参入状況等、外部的な環境も勘案して設定をしております。また、いわゆるリベート、割戻しでございますが、これは流通経費を考慮した卸様の機能を適切に評価した上で設定をするということ、アローアンスについても事前に卸様のほうに十分な説明を行うということを会員各社に周知し、明確化を図るようにしております。
また、製品価値の基本となります単品単価交渉、単品単価契約について、言葉も2つございますけれども、さらなる促進ということで、今まで「総合戦略」「流改懇新提言」の中では単品単価交渉の推進、あるいは今回のガイドラインでは単品単価契約が中心ということで、明確化をいただいております。卸様への仕切価・割戻し、アローアンスの早期提示は、医薬品の価値に見合った価格決定に必要不可欠であると我々は考えてございます。単品単価交渉をさらに促進するための仕切価・割戻し、アローアンスの卸様への早期提示を推進しております。最終原価が早く、明確に卸様に伝わるように促進をしてございます。
(3)ですけれども、偽造薬流通防止に向けた取り組みということでは「医療用医薬品の偽造品流通防止のための施策のあり方に関する検討会」が行われましたが、その最終取りまとめの内容に基づいて、偽造薬流通防止の観点から、特にメーカー側は、封かんのあり方について、日薬連、厚労省と連携して検討を進めております。また、その製造販売業者としての遵守事項、更には卸売販売業者としての免許を取得しているメーカーもございますので、この部分についての遵守ということの徹底を図っております。
また、新バーコード表示についてでございますが、これは既に平成33年3月までの表示必須化がございます。これに向けて、会員各社の取り組み状況を製薬協としても確認をし、その表示の状況、あるいは課題と対応状況についての確認を通じて、表示の推進を依頼してございます。
2.として、流改懇の新提言あるいは今回の流通改善ガイドラインを踏まえた取り組みということでございます。ガイドラインについては、メーカー側としても、このタイミングで徹底いただいたことは非常にいいタイミングであると思っております。それをもとに会員各社に流通改善ガイドラインの周知徹底を行うことが非常に大事であると考えておりまして、製薬協会員会社を対象とした説明会も、経済課の皆様に説明等いただきながら実施をしております。その中で、特に留意事項ということで上述の取り組みは行ってまいりますが、さらにこの中で徹底をしたのが市場実勢価を踏まえた最終的な原価の設定と、取引卸様へ速やかに連絡をするということです。卸様の機能を評価した流通経費の割戻しいわゆるリベートへの反映と、この割戻しの運用基準をさらに、きちっと明確化しましょうということ。仕切価修正的な、後から修正するようなアローアンスは、初めから仕切価へ反映しましょうということで取組んでおります。アローアンスについての内容の整理、きちんとした運用基準を明確化する、わかりやすくするということ。流通量の多い製品について、卸様のことを考えて、新バーコードについては表示を早期に推進するということを改めて徹底をしてございます。
薬価制度の抜本改革、今度の流通改善ガイドラインという大きな環境変化の中、製品価値に基づく適正な医薬品流通がさらに進むように、個社の判断に基づいて対応していると、我々としては認識をしてございます
今後の取り組みでございますけれども、基本としてはこのガイドライン、総合戦略、あるいは流改懇新提言に記載されている「単品単価交渉」あるいは「単品単価契約」をさらに推進していただく。それが個々の製品の価値に見合った価格を決定していくということを確信しておりますが、メーカー側も、我々も流通当事者であるということの認識をきちっと持って、卸売業の皆様とともに流通改善に向け連携強化をすべきということを徹底してございます。
その他でございますけれども、平成31年、来年の10月の消費税増税が行われる場合には、流通の混乱を最小限にするためにも、消費税増税時に薬価改定を実施するべきであると思ってございます。
以上でございます。
 
○三村座長
続きまして、日本製薬団体連合会から資料5の説明をお願いいたします。
 
○内海委員
日本ジェネリック協会の内海です。私から後発医薬品ワーキングの活動に関して、日薬連推薦委員側から御報告させていただきたいと思います。
平成29年度の流通改善の取り組み状況についてです。12月の区分別妥結率とその推移、また、昨年上期におけます単品単価の状況、価格水準の推移、売上構成比の推移を確認させていただいております。
後発医薬品シェア80%への取り組みに関しましては、卸連より要望として提示された後発医薬品の品目数や返品の考え方について協議をさせていただきました。また、在庫管理に関しましては、販売包装と元梱包装の規格数や現状のバーコードの印字についての意見交換を行わせていただいております。
次に仕切価設定等の状況についてです。経済課より提示された仕切価設定等の緊急調査結果を受けて、医薬品全体としての傾向を確認しています。今後はガイドライン遵守を目標に、当ワーキングチームにおいても活動していくことになると思われます。
「流通改善ガイドライン」のフォローアップについてです。4月1日の運用開始に合わせて設置された相談窓口の受付状況が、経済課より報告されております。当ワーキングにおきましては今後、急配の現状を把握するための実態調査を卸連のワーキング参加企業において実施することが合意されています。あわせて調査時期や調査要領の詳細は、追ってワーキングチームにて確認の上、実施するということで了承されています。
最後に今後の取り組みでございますけれども、後発医薬品数量シェア80%時代、いわゆる増大する物量に対応するために、流改懇新提言等で課題として抽出されております議題等を以降の会合でさらに深掘りし、ジェネリック医薬品の効率的な在庫管理・配送の推進と流通課題の解決のため検証、検討を継続していこうと考えております。
以上です。
 
○三村座長
続きまして、日本保険薬局協会から資料6の説明をお願いいたします。
 
○杉本委員
保険薬局協会の杉本です。
資料6の1.単品単価取引推進のための覚書締結状況ということで、平成24年度より川下ワーキングチームにて取り組みの推進を行っている、単品単価取引推進のための覚書の締結状況について下記のとおり調査を行い、その結果を報告いたします。
覚書というのは、取引当事者が締結する取引基本契約の円滑な実施のために取り交わされる詳細な取引条件に記載された書面ということで認識しております。平成29年度の覚書締結状況について、調査依頼薬局法人数60社、これはほとんど常務理事か理事クラスの調剤チェーン店を対象として行っております。それ以外のところでも対象の多い薬局数を持っている法人に関してもお願いしております。
その答えですけれども、60社全部回答していただいて、回答率は100%です。その60社の卸さんの取引社数が671社で、4月から9月までの覚書の妥結は661社であり、妥結率は98.5%です。4月から9月、上期の覚書の締結状況に関して言いますと、6月間の覚書の締結が294社、1年以上が114社ということになっております。したがって、平成29年の覚書締結状況は408社ありますので、覚書の締結状況について言うと60.8%となっております。
下は参考までに、同じように平成28年度の覚書の締結状況を見ております。同じように60社に依頼しまして、60社から回答を得ております。妥結率が4~9と10~3を入れて28年度については妥結率は100%になっております。覚書の締結状況について見ますと、平成28年度上期が61.7%、下期が58.6%ということになっております。
その次のページで平成27年度の覚書の締結状況、これも同じように60社やっておりまして、回答率が100%、妥結率は97%でした。覚書の締結状況を見ますと、平成27年度は64.4%ということになっております。
2.として日本保険薬局協会ブロック意見交換会実施について説明します。これはワーキングチームで話し合いがもたれた単品単価取引及び早期妥結の促進について、平成29年度保険薬局協会が実施した地区のブロック会議において、厚生労働省の医政局経済課流通指導官に参加をお願いいたしまして、単品単価取引早期妥結ということについて重要性を説明するとともに、意見交換を実施しました。実施している場所は全国で10カ所であります。参加人数は175名ということであります。平成30年度もこのようなことを開催したいと思っておりますので、経済課も含めてお願いできればと思っております。
以上です
 
○三村座長
ありがとうございました。
そのほかの団体から何か御意見等がございますでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、今、一連御説明いただきました内容につきまして、皆様から御意見、御質問等お願いいたします。
 
○長坂委員
メーカーの取り組みとしてお話をしたのですが、少しわかりにくいところもあったのかと思っております。どの部分を見ていただくとわかるかなと思うのですが、特に最終原価という言葉を今回、我々の中でも使っております。
もともと、厚労省の資料1の2ページ目を見ていただくと、前からこの最終原価という表現をしていただいておりました。ここについて明確に、早期に卸様に伝えるべきです。以前は薬価改定があればリベート、アローアンス、仕切価を早期にお伝えしましょうと言っていたのですが、今回は最終原価ということを言っております。
この点につきまして徹底をしておりますけれども、私が一部のメーカーあるいは一部の卸様から聞いておりますところでは、今回、メーカーとしては大きな薬価改定がございました。7,000億円近いという計算もありますし、非常に大きなものがございます。今後また、毎年の改定というようなこともある中で、この表を見ていただくとわかるのですけれども、これまでは薬価改定がございましても、率で言いますと結果的にメーカーが薬価ダウン分を全て吸収してきたというところがございます。もちろん卸様の努力もあって、経費を圧縮するということもされてはいるのですが、最終的な部分でいうと吸収してきたというのがあると思っています。私が聞くところ、製薬協としてはまとめておりませんがいずれ状況を集計した表が卸様から出てくるとは思っていますけれども、最終的な原価で言いますと、大きな影響を受けた今後のことを考えて、少し引き上げざるを得ないようになっているのではないかと私は思っております。
7,000億円がどういう数字かと言いますと、なかなかぴしっと当たる数字はないのですが、25年度の研究開発費のメーカーの集計がございまして、約1兆4,000億円強という数字がございます。7,000億円は実はそのままそれが当たるわけではないということではあるのですけれども、メーカーの状況からしますと、数量が変わらない、原価が変わらない中で薬価が下がると言うと、売り上げは減少しストレートに利益が落ちます。落ちてしまうという状態でございますので、そういう状況の中で言えば、最終原価的な部分をこれまでのようにはできていないのではないかと私は思ってございます。
流改懇という場でお話しすべきかとどうかと思ったのですが、その点は実際に交渉される卸様が一番感じられているところだと思っています。卸様が実際に交渉される病院様あるいは薬局様のほうの御理解もいただかなければいけないのではないかと思っているところでございます。
以上でございます。
 
○三村座長
ありがとうございます。それでは、どうぞ。
 
○小山委員
教えていただきたいのですが、時期的には最終原価はいつごろ出るのですか。
 
○長坂委員
仕切価、リベートというものは明確にすぐ提示をしていますし、アローアンスも提示をしていますが、アローアンスは結果に応じて支出しているものもございます。ただ、私の認識では、昨今では医薬品の情報提供をいただいたプロモーション的な活動に対して卸様にお支払いするのがアローアンスの主体なので、事前にある程度はわかる、計算ができるものと認識はしております。ただ、製薬協として実態を全部つかんでいるわけではないので、あれですが、通常はある程度わかると思います。また、製薬協としては各メーカーに対してそうするよう言っているところでございます。
 
○小山委員
購入する病院側とすると、契約する、交渉する回数を減らせとか、早くしろとかいろいろ言われているのですけれども、結局は最終の原価が出てこなかったりすると出ない気がするのです。もし、本当に流通改善するというのであれば、見る限りはメーカーから出てくる最初の仕切価が高いからこういうことになるので、これを下げれば全てのことが解決するような気がするのですが、そんな単純なものではないのでしょうか。いかがでしょうか。
 
○長坂委員
そうですね。メーカーの立場で言いますと、薬価改定があれば、3つのものをすぐに卸様にお伝えしなさいと言っています。3つそろわないと最終原価が見えないということになるので、早目にそれを、改定があればすぐに伝えなさいと言っているところです。ただ、実態を全部調査しているわけではないということもあります。
 
○三村座長
恐らく、今、おっしゃったところはメーカー側の視点とかメーカー側の利益とかコストとか構造上の話の部分と、取引交渉に臨むとき、何を基本的に最初に提示し、それがある意味でしっかりと納得いくものであるかどうかということを、おっしゃっているのだと思います。
そういう話からしますと、お互いの状況について、メーカーと卸の間でいろいろな形で情報交換をし、緊密な連絡を取り合っていくといいと思うのですけれども、仕切価、割戻し、アローアンスの設定については、最初からできるだけ透明で、合理的で納得できるようなものを提示していただく。そうでないと、卸さんも医療機関となかなか取引交渉できないと思うのです。一応、段々と状況が厳しくなっているということについての御説明として考えてよろしいのでしょうか。
 
○長坂委員
私はそういう説明をさせていただいた。ただ、私は製薬協としてまとめているわけではございません。一部、私が聞いている状況がそうだということでお話をしたということでございます。いずれ、流改懇にて実際に表として出てくるとは思っております。
 
○小山委員
医療機関とすれば9月までに妥結しないと減算されるわけですよね。そういうペナルティーを持ちながら卸と交渉していくわけですけれども、川上のほうは、特別いいと言うと語弊があるかもしれませんが、守られているような気がして、病院側は非常に大変だという思いをお伝えしたくて発言させていただきました。
 
○三村座長
そのほか、いかがでしょうか。どうぞ。
 
○森委員
資料1と資料3で質問と意見がありまして、資料3のほうからお願いをしたいと思います。先ほどお話があった、資料3の2ページ目の一番下の効率的な在庫の管理のところで、元梱包装単位、販売包装単位のバーコードの表示面の統一化。これは統一していただきたいというのはわかるのですけれども、下の規格の標準化がどういうものかわからないので教えていただきたいのが一点です。
4ページ目に、返品の取り扱いのポチの2つ目のところで、包装変更ですけれども、これは薬局も同様で、包装変更があるのであれば、早く教えていただきたいと思います。事前に患者さん用に案内文を作るなどの準備をしています。
もう一点が、メーカー都合による包装の変更はなるべく控えていただきたいと思います。包装を変更することによって現場、特に患者さんが大きく混乱をします。薬局で案内文をつけて今回から包装が変わりましたということで服薬指導させていただいていますが、後日、特に高齢な患者さんなどから薬が違うとか、わからなくなったとかいうことがよく寄せられます。また、しばらくの間、新旧の包装が2つ流通をすることによって、古い薬を出されたと薬局にくることもあります。古いわけではないのですが、新しい包装をもらった人が違う薬局に行って旧包装の薬をもらったときに、あそこの薬局で古い薬を出されたということもありますので、できるだけメーカー都合による包装変更はやめていただきたいと思います。

○三村座長
それでは、最初の質問で規格の標準化ということにつきまして、これは卸連のほうから。
 
○中原委員
卸連の中原でございます。
ここに書かれております元梱包装及び販売包装の規格の標準化というのは、今、はっきり言って100錠包装とか、同じ包装でも大きさがばらばらです。それをできるだけ統一できるような標準な規格をつくっていただけると、我々が倉庫とか物流センターで管理するのも非常にたやすくなるという意味合いで書かせていただいております。
 
○三村座長
返品につきまして、卸とか薬局の立場からの御質問であると思うのですけれども、メーカー側から何かこれについて意見がありますか。
 
○長坂委員
メーカー側の都合による包装変更という話でございますが、製薬協のほうでも、その調査もしてございますが、基本的に、メーカーが販売の都合などで変えているというのは非常に少ないと考えております。例えば、新バーコード表示に対して、表示を変えるために包装が変わるとか、そういうものについては、ぜひ御理解いただきたいなと。決して、メーカー側が勝手にというよりも、流通上、利便性が高いということで変える。あるいは患者さんにとって非常にプラスになることで変更するのが主体で、そうなる場合でも、どうしても両方製品は存在するのですけれども、いわゆる破棄とか経済性を考えていただいて、本当にメーカーの販売の都合というのであれば、当然その扱いは考えていると認識しています。
 
○三村座長
よろしくお願いいたします。どうぞ。
 
○折本委員
卸連合会の折本でございますが、メーカーが悪いという意味ではございませんが、流通上の包装変更、メーカー都合という言い方がいいのかどうか、中身が全く変わっていなくて、添付文書も変わっていなくて、外箱だけが変わるという実態が、私どもの集計ですと昔は月間で平均200件くらいだったのですが、現在500件を超える状態になっています。これが、新バーコードの問題、平成33年までということで大分拍車がかかっていることと、それ以外の問題もあろうかと思います。ただ、先ほど森先生の、患者に直接それらのもの多く行っているかというと、場合によってはあるかと思います。ただ、私どもの悩みは、それらが旧品扱いという形になります。新包装が発売されると、新と旧が混在してしまいますので、得意先に案内状が先に行ってしまっていると、新しいものを持ってこいということになりますから、旧品の返品が我々の廃棄につながっている。今回もそれが資源の無駄遣いという御指摘がありましたので、この点は実はメーカーによっても、返品として受け取っていただけるところもたくさんございます。ただ、メーカーの受け取りにはばらつきがありましたので、できればメーカーの都合による包装変更に伴う返品の受け取りを確実にしていただきたいということと同時に、御案内の時期をもう少し早めていただいて、得意先に周知徹底する時間を確保してほしいというのが我々のお願いです。
 
○三村委員
よろしゅうございますか。
 
○長坂委員
先ほど申し上げましたけれども、新バーコード表示について言えば、基本的には卸様の要請を受けて行っているということもあります。ただ、お話がありましたように、早目に通知をするとか、そういうことによって卸様の対応も円滑になるということもわかりますので、メーカーの中でも徹底したいと思っています。
 
○森委員
資料1の3ページ目なのですけれども、事務局に確認で、単品単価取引の推進の状況というのは、妥結をした中での状況がここに出ているという理解でよろしいでしょうか。
 
○金子流通指導官
ありがとうございます。事務局でございます。
妥結をした中での単品単価等のそれぞれの割合になっております。
 
○森委員
わかりました。前回の流改懇でも意見を申し上げたのですけれども、まだ29年度上期も全品総価(除外有)と一律値引きが一定率残っています。そもそもここでの流通を改善するという目的が、薬価調査の信頼性を確保しようという話だったと思います。そういう意味では総価取引はなるべく早く是正をしていただきたいという意見を申し上げたのですけれども、まだ残っています。ぜひ今後、単品単価取引をきちんと進めていただきたいと思います。
以上です。
 
○三村座長
ありがとうございました。そのほか、どうぞ。
 
○小山委員
先ほどのバーコード表示のところですけれども、完成年度が33年4月までということなのですが、いつまでもずっとバーコードでいくのですか。今、流通はどちらかというとICタグとかICチップの世界に入ってきているのですけれども、今の話を聞くと、そのたびに包装内容が変わるということになってくるとすると、33年度に完成ではなくて、今から、その次のことを考えていかないと、世の中がICチップになっているときに、医薬品だけがずっとバーコードというのも時代遅れな気がするのです。
 
○土屋委員
今の件も以前、日本病院薬剤師会と日薬連とで一緒になってICチップの利用について実証実験をいろいろやってみたのです。そのとき、まだコストも高くて、今はその10分の1くらいのコストになってきましたが、恐らくチップを使わなくてはいけない理由がまだ余りなくて、もう少し世の中が進んだほうがいいのかなと。先ほど、まさにございましたバーコードの表示の統一化といったことが出てくるだけでも随分違うということと、2ページのところに元梱と販売包装の規格の標準化とありますが、これのもとには内服剤で言えばPTP包装、いわゆる調剤包装単位の標準化を図ることが本当は必要だと思いまして、全く違う理由で現在PTPのサイズのデータベースというものをつくっております。そうすると、中身の大きさとPTPのサイズの関係とか、そういうデータが出せるように、これはAMEDの研究で今、実施しておりますので、その結果が出てくると、もっとPTPサイズを統一すれば自然とそれを入れる箱のサイズが統一できるというように、今、700ぐらいのサイズがあるみたいですので、そういうことを含めてデータ化ができるように進めております。そういったところが出てくると、エビデンスになってくるのかなという気がいたしますので、一応、状況提供までにと思います。
 
○三村委員
ありがとうございました。今、小川委員に対しての回答をいただいた感じだったのですが、よろしゅうございますか。
非常に重要な話でございますけれども、そういう意味で、厚労省のほうときちんと情報を共有していただければと思っております。
そのほかに、よろしゅうございますか。それでは、議題については質疑を終了したいと思います。
ただいまの議論を少し整理いたします。
議題1「平成29年度上期等の流通改善の取組状況について」ということで、ただいま厚労省のほうからも御説明ございましたように、一次売差マイナス解消につきましては、納入価の水準の下落もありますので、残念ながら進展していない状況でございます。
2番目の早期妥結の推進につきましては、平成26年度に未妥結減算制度が導入されて以降、9月末時点での妥結率は高い水準が維持されているということでございます。
3段目、単品単価取引の推進につきましては、これも御指摘がございましたけれども、残念ながらまだ、停滞している状況であります。
本年1月に医政局長、保険局長の連名通知として出されました、医療用医薬品の流通改善に向けての流通関係者が遵守すべきガイドライン。4月1日より適用されましたので、関係者が、このガイドラインに即した取り決めを進めていただくということが必要でございます。それに合わせて、一次売差マイナス、単品単価取引などの各課題につきまして、引き続き状況確認を行い、本懇談会へ御報告いただければと思います。
また、先ほど御説明ありましたように、覚書につきましては、残念ながらまだ60%ということで、基本的にこれの水準を高めていただきたいと思っております。
それから、今、包装変更等を含めた問題を絡めて返品の問題がございました。これにつきましては、エビデンスをベースにして、関係者の間できちんと話し合いと改善の取り組みをぜひ、お願いしたいと思います。
新バーコード表示の推進につきましては、販売包装単位及び元梱包装単位への変動情報のバーコード化については、原則として2020年度末までに必須化することを、平成28年の流改懇で合意し、同年8月に厚生労働省からバーコード表示の実施要領の改正通知が発出されているところであります。現状では、計画的に取り組んでいただいており、今のところ大きな問題は報告されておりませんが、新バーコード表示の取り組み状況については今後もフォローアップを行い、適宜、本懇談会へ御報告をいただければと思っております。
一応、全体の総括としておきましたが、ほかによろしゅうございましょうか。
それでは、議題2に移りたいと思います。「『医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン』の今後のフォローアップについて」ということです。事務局より資料7~9が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
事務局でございます。
資料7「『流通改善ガイドライン』の今後のフォローアップについて」をご覧ください。今後、国が主導し流通改善の取組を加速するため、医療用医薬品の流通改善に向けて、流通関係者が遵守すべきガイドラインを作成しまして、本年1月に医政局長及び保険局長の連名通知として発出、4月より適用したところでございます。
まず、流通改善ガイドラインで指摘されております、流通関係者の留意事項でございますが、課題の1つ「一次売差マイナスの解消」これに向けましては、メーカーと卸との関係において、川下取引の妥結価格(市場実勢価)の水準を踏まえた適切な一次仕切価の提示と、それに基づく適切な最終原価を設定すること。また、割戻しにつきましては、流通経費を考慮し、卸機能を適切に評価したものとすること。アローアンスのうち、仕切価を修正するようなものは仕切価への反映により整理を行うこと。契約によって、割戻し、アローアンスの運用基準を明確化することとされているところでございます。
次に、課題となっております「早期妥結と単品単価契約の推進、頻繁な価格交渉の改善」に関しましては、卸と医療機関、薬局との関係において、原則として全ての品目について単品単価契約とすることが望ましいが、少なくとも前年度よりその割合を高めること。価格交渉の段階から、個々の医薬品の価値を踏まえた交渉を進めること。さらに頻繁な価格交渉は卸の使命である安定供給に支障を来すとともに、購入側にとっても負担増となるため、期中で医薬品の価値に変動がある場合を除きまして、交渉回数を増やさず安定供給などの本来業務に注力できる年間契約等、より長期の契約を基本とすることが望ましいとされているところでございます。
その下、過大な値引き交渉につきましては、卸と医療機関、薬局との関係において、個々の医薬品の価値を無視した値引き交渉、医薬品の安定供給や卸の経営に影響を及ぼすような流通コストを全く考慮しない値引き交渉を慎むこと。また、このように医薬品の価値に基づく納入価の設定については、仕切価の設定によって影響を受けるものであることから、川上取引における仕切価交渉と一体となった価格交渉を進めることとしているところでございます。
さらに、その他「流通の効率化等」に関しましては、メーカーによる新バーコードの表示について、2021年4月出荷分からの表示の必須化に向けまして、可能な限り流通量の多い製品から表示を前倒しして進めることが望ましいこと。また、品質の確保された医薬品の安定供給等の観点から、返品条件を事前に当事者間で取り決め、契約を締結すること。頻回配送・緊急配送の回数やコスト負担等について、安定供給に支障を来す場合は当事者間で契約を締結すること等とされているところでございます。
これらの留意事項の遵守を求めていきます中で、「2.今後のフォローアップ」のとおり、この4月より厚生労働省のウエブサイトに設置しました相談窓口に寄せられた相談内容をガイドラインの事項ごとにまとめて公表をし、事案の見える化を通じてガイドラインの遵守を促していく。また、各課題についての状況確認、必要なデータの収集等も行いまして、本懇談会等に報告するとともに、継続したフォローアップを行っていきたいとしているところでございます。
続きまして、資料8をご覧いただきたいと思います。「『流通改善ガイドライン』に基づく相談窓口の設置について」でございます。相談窓口の設置、相談受付の状況、今後の運用についてということでの補足説明資料でございます。
相談窓口につきましては、ガイドラインに基づき流通当事者間で交渉が行き詰まり、改善の見込みがない場合の相談窓口としてガイドラインの適用と同時に、厚生労働省ウエブサイト内に設置をいたしました。相談受付等の流れのとおり、流通関係者からの相談内容につきましては、過大な値引き交渉にかかわるもの、頻繁な価格交渉に関するもの、仕切価交渉に関するもの、早期妥結と単品単価契約に関するもの等の別に、メールフォームで受け付ける体制としてございます。流通関係者から積極的に相談を寄せていただけるよう、運用をしてまいりたいと考えるところでございます。
なお、資料に記載してございませんけれども、昨日、5月29日までの間に15件の相談が寄せられております。今後、卸売業者と医療機関、薬局の価格交渉が本格化するに伴いまして、件数は増えてくるものと想定いたしているところでございます。
資料8の下のほうにございますとおり、寄せられました相談事例につきましては、今後、匿名化をしてまとめ、ガイドラインに即して厚生労働省のウエブサイトへの掲載、また、本懇談会への報告等により公表をし、まずは事案の見える化を通じて流通関係者に対しましてガイドラインの遵守を促していくということといたしております。
公表後に同様の事案を長期的、広範囲に繰り返す等、安定的な薬品流通に影響を及ぼすような事案につきましては、ヒアリング等も実施をすることといたしているところでございます。
引き続き、資料9をご覧いただければと思います。こちらは「平成30年度仕切価設定等に関する緊急調査結果」ということでございまして、一次売差マイナスの解消が課題となっている中でございますけれども、本年4月の薬価改定を受けまして、仕切価の水準がどのように変化をしたか、また、割戻し等の運用基準についてメーカーから卸業者に明確に提示がなされたか。厚生労働省としまして、今般、主なメーカーに限定してでございますけれども、緊急的な調査を行ったというものでございます。
見開いていただきまして、1ページ、2ページが平成30年度仕切価の設定状況ということでの集計の結果でございます。主な医療用医薬品メーカー19社を今般の調査の対象といたしまして、薬価を100とした場合の平成29年度及び平成30年度の製品カテゴリー別の仕切価率につきまして、個別品目の販売数量に応じた加重平均値として回答を得たところでございます。なお、30年度の仕切価率が29年度の仕切価率より変動があった場合、その要因が品目の変動によるもので、個別品目の仕切価率に変更がなかったというものにつきましては、変動なしと整理をさせていただいたところでございます。
この19社における状況でございますが、1ページ目の新薬創出等加算品、特許品につきまして、多くは30年度の仕切価率が前年度から変動なし、残る一部のメーカーにおいては、一部の品目について製品価値の勘案によりまして仕切価率の引き上げを実施している状況。
2ページのほうになりますが、長期収載品につきましては、半数超が変動なし、一部のメーカーにおいて一部品目の仕切価の引き上げを実施。一方で、一部メーカーにおいて、一部品目について薬価制度改革や市場実勢価等を踏まえ、仕切価の引き下げ、また割戻しの仕切価への反映によって、仕切価の引き下げを実施したという状況でございます。
その下、後発医薬品については、半数が変動なし。残る半数が一部不採算品等について仕切価の引き上げを行ったという状況でございます。その他、後発品のない先発品でございますが、多くは変動なし、残る一部のメーカーにおきまして、不採算品等の仕切価の引き上げが行われているという状況でございます。
以上が当該19社における状況でございました。
薬価制度の抜本改革など環境の変化もあって、いずれのカテゴリーでも製品によっては仕切価の見直し、引き上げが行われている状況がうかがえるところでございます。川下取引においては、より厳しい状況の中での交渉となっているものと想定されます。
課題となっております一次売差マイナスの是正に向けましては、卸売業者と医療機関・薬局において、特に個々の医薬品の価値に見合った価格交渉、納入価設定を行う、また、メーカーと卸売業者においては市場実勢価、納入価を踏まえた仕切価の設定、あるいは仕切価修正的なアローアンスの仕切価への反映など、ガイドラインの留意事項に即した各位の取り組みが不可欠でございます。このため、今後の対応でございますが、その仕切価、さらに割戻し、アローアンスの状況、また納入価の状況も合わせまして、より全体的な状況把握、確認を行い、おのおのの流通当事者の皆様へガイドラインに沿った取り組みを促してまいりたいと考えるところでございます。
3ページは同様の19社に対しまして割戻し・アローアンスについての運用基準を、卸売業者に対して明確に提示をされているかどうかの問いについての回答の集計でございます。いずれも、割戻し・アローアンスの運用基準を書面によって提示を行ったという回答を得たところでございます。
説明は以上でございます。
 
○三村座長
ありがとうございました。今の説明につきまして、皆様から御意見、御質問をお願いいたします。
 
○長坂委員
現在、相談窓口への相談件数15件と伺いますと、川上・川下取引件数が、膨大にある中で言うと非常に率が低いと思うのですが、その辺は、今ももちろん相談しやすいようになっているのかもしれませんが、もう少し幅広に相談できるような方法もあるのかなと思ったりもしますが、いかがでしょうか。多ければいいという話ではないのですけれども、全体件数からすると、おそらくいろいろと相談したい人たちもいるのかなと思っております。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
窓口への正式な相談事案の登録を前提に、事前の電話での照会も相当数お受けをしていますので、現状では15件でございますが、今後、さらに多数の相談登録があるのではないかと想定しているところでございます。
 
○三村座長
ほかによろしゅうございますでしょうか。
それでは、御質問等、特にないということでございますので、議題2につきましては質疑を終了したいと思います。
ただいまの議論の整理をいたします。
議題2「『医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン』の今後のフォローアップについて」ということでございますけれども、今後、このガイドラインで指摘されている流通改善課題と各流通関係者が留意する事項につきましては、継続したフォローアップを行っていくことが重要でございます。つきましては、関係者の皆様の御協力が必要となりますので、引き続き御協力をお願いいたします。
それでは、最後の議題「その他」に入ります。
本日の議題全体を通しまして、何か御意見等ございましたら、お願いしたいと思います。
 
○武田医政局長
御意見、御質問が出ないようなので、私が発言していいのかどうかわかりませんけれども、仕切価に関する緊急調査結果につきましては、流通改善ガイドライン、流通改善の考え方そのものは、そもそも、かつて値引き保証のような時代がありまして、それを透明な流通にしていくためには、ある程度、あらかじめ仕切価をメーカーが提示をして、それにのっとって卸が価格交渉するということが望ましい姿として考えられていたわけでありますし、ガイドラインの中でもなるべくリベートで定型的なものについては、仕切価に反映したほうがいいだろうということなのですけれども、この仕切価の緊急調査結果(暫定版)について、これがガイドラインに沿っているものと考えられるのかどうか。メーカー側の御見解を聞いておいたほうがいいのではないかという気がしますので、お願いしたいと思います。
 
○三村座長
では、お願いいたします。
 
○長坂委員
仕切価の数値だけを見ますと、沿っているのかと言われると、現状では沿っていないと言えなくもないと思いますが、大事なのは、製薬協の中でも今回初めて使っている最終原価でございます。その提示をいわゆるリベート、アローアンスまでを早期に伝えるべきであるということを言ってきているわけなのですが、それが厚労省資料の3ページ目です。あくまで、これは19社のことではあるのですけれども、書面できちんと割戻し、アローアンスは伝えているというところです。最終的なところはちゃんと提示されている。仕切価だけ見ますと、確かにまだ沿っていないということが言えるかもしれません。
 
○三村座長
はい、どうぞ。
 
○武田医政局長
次は卸の方になのですけれども、先ほど相談件数が少ないという話がございましたが、価格交渉がどこまで本格化しているのかということにもよるのではないかと思うのですが、その辺の御認識はどうですか。
 
○中原委員
卸連の中原でございます。価格交渉の状況でございますけれども、はっきりと申し上げて、今のところは停滞している、行われていないに近いのかなという感じがあります。
当社の妥結率でも4月の末で金額ベースで10%ぐらいしか決まっていない、非常に遅れているという感じでございます。例年ですと、まず官公立病院、そういうところからスタートして、そこが6月、7月ぐらいかなと。その後に、調剤薬局チェーンとかそういうところが始まるのかなというイメージでございますけれども、今のところは、はっきり申し上げれば、みんな様子見しているような状況でございます。
 
○武田医政局長
そういう実態もよく踏まえながら、我々もフォローアップをしていきたいと思いますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 
○三村座長
私から最後に一つ質問なのですけれども、先ほどの仕切価の19社調査とか、今後はさらに引き続きこのような形でお続けになるということなのでしょうか。
 
○本間首席流通指導官・流通指導室長
今般の調査は、メーカー数を限定して緊急的に行ったもので、これが全体的な傾向を示すものかどうか、断定的なことは言えませんが、ガイドライン上で明確にされている留意事項の遵守の状況をしっかり確認をしていく必要があろうかと思いますので、より全般的な状況把握を今後の調査によりまして、しっかりやっていきたいと思っているところでございます。
 
○三村座長
わかりました。中原委員、どうぞ。
 
○中原委員
私も今の点でひっかかっておりまして、ここに書いてある19社のデータでございますけれども、個人的な感覚でございますが、今回の仕切価対応を見ますと、中小のメーカーが非常に厳しい現状がございまして、その現状に伴って全体の仕切価等が厳しくなっております。後発品のメーカーでも、上位のメーカーはある程度の対応はできるかもしれませんけれども、中小のメーカーになると非常に厳しい対応をとられているところもあるので、もう少し枠は広げていただきたいという要望でございます。
 
○三村座長
では、その点はもう少し丁寧な調整をということでお願いいたします。
そのほか、よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ありがとうございました。本日の議題は全て終了とさせていただきます。
本日の議事録につきましては事務局で作成し、委員の皆様に適宜、御確認をいただくことにしたいと思います。
次回の予定等につきましては、事務局からお願いいたします。
 
○山田流通指導官
次回以降の開催につきましては、適宜、状況を見つつ、座長と調整をさせていただいた上で開催させていただきたいと存じます。
 
○三村座長
ありがとうございました。
それでは、以上とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
(了)
 
<照会先>
医政局経済課
山田、天野:03-5253-1111(内2536)

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