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2018年1月18日 第67先進医療技術審査部会

(了)


第67回先進医療技術審査部会

(1) 日時:平成30年1月18日(木)16:00~17:40

(2) 場所:中央合同庁舎第5号館共用第6会議室(3階)

(3)出席者:
山口座長、一色座長代理、石川構成員、伊藤構成員、
掛江構成員、真田構成員、柴田構成員、関原構成員、
大門構成員、田島構成員、田代構成員、手良向構成員、
藤原構成員、山本構成員、高橋技術専門委員

  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 専門官
医薬・生活衛生局審査管理課 課長補佐

議 題
1.新規申請技術の評価結果について
2.総括報告書の評価について
3.試験実施計画の変更について
4.申請医療機関からの報告について
5.協力医療機関の追加について
6.先進医療会議の審査結果等について
7.その他

議事録
○山口座長 定刻となりましたので、第67回先進医療技術審査部会を始めさせていただきたいと思います。御多忙の折りお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日は、上村構成員、松山構成員、山中構成員より御欠席の連絡を頂いております。本日は17名の構成員のうち、14名の構成員にお集まりいただいていることから、本会議が成立していることを申し添えます。それでは、初めに、配布資料と本日の審査案件の確認を事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いいたします。傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願いいたします。配布資料につきまして確認させていただきます。議事次第、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。次に、新規申請技術の評価結果についての資料が、資料1-1から1-5。総括報告書の評価についての資料が、資料2-1から2-3及び資料2の参考資料。申請医療機関からの報告についての資料が資料3。試験実施計画の変更についての資料が、資料4-1から4-5。協力医療機関の追加についての資料が、資料5-1、5-2。平成29年度先進医療技術の実績報告等についての報告事項として資料6-1。先進医療技術の科学的評価についての報告事項として資料6-2。会議資料の最終ページは148ページとなります。本資料につきましては会議終了後、厚生労働省ホームページにて閲覧可能になりますことを申し添えさせていただきます。また、資料2の関連資料を先生方のお手元に配布させていただいております。本日の資料は以上でございます。乱丁、落丁等がございましたら、事務局までお知らせください。
 続きまして、利益相反の御確認です。申請医療機関との関係や、対象となる医薬品・医療機器及び再生医療等製品の企業等について、資料1-1、15ページに記載しております申請医療機関、医薬品・医療機器・再生医療等製品情報を御覧ください。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業につきまして、事務局から事前確認させていただいております。今回、整理番号83の技術につきまして、藤原構成員より御報告がございましたが、50万円以下でございましたので、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることができます。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がございましたら、この場で御報告をお願いいたします。該当なしということで承知いたしました。
 また、今回もタブレットを使用いたします。届出書類等につきましてはタブレットより閲覧をお願いいたします。なお、会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ、またはタブレット資料の何番の何ページと、あらかじめ御発言を頂けますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○山口座長 では、議事に入りたいと思います。新規申請技術の評価結果について、事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 御説明させていただきます。15ページの資料1-1を御覧ください。今回、先進医療Bとして新規に御評価を頂く技術は、整理番号83、直腸癌術後骨盤内再発に対する重粒子線治療です。申請医療機関は放射線医学総合研究所病院です。審査担当構成員は、主担当が伊藤構成員。副担当は田代構成員、大門構成員。技術専門委員として高橋(信)委員。以上となっております。
 39ページの資料1-5を御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より御説明いたします。まず、1.実施責任医師の要件です。診療科は放射線科あるいはその相当診療科。資格は、日本医学放射線学会放射線治療専門医が必要です。当該診療科の経験年数は10年以上必要です。当該技術の経験年数は2年以上、ただし、放射線治療(四門以上の照射、運動照射、原体照射または強度変調放射線治療による体外照射に限る)による療養について1年以上の経験を有する者については、1年以上とする。当該技術の経験症例数は不要です。ただし、重粒子線治療を主として実施する医師又は補助を行う医師として10例以上の症例を実施しており、そのうち重粒子線治療を主として実施する医師として5例以上の症例を実施していることとしています。
 続いて、2.医療機関の要件です。診療科は放射線科あるいはその相当診療科です。実施診療科の医師数は、放射線治療専従の常勤医師が2人以上配置されていること。うち1人以上は放射線治療専門医であること。他診療科の医師数に要件はありません。その他医療従事者の配置は、医学物理士1名及び診療放射線技師3名以上が必要です。また、1.病院内に日本放射線治療専門放射線技師認定機構の定める放射線治療専門放射線技師を含む専従の診療放射線技師が3人以上配置されていること。重粒子線治療室1室あたり2人以上の診療放射線技師が配置されていること。2.放射線治療に専従する常勤の医学物理士認定機構認定医学物理士が1人以上配置されていること。病床数に要件はありません。看護配置は、放射線治療に専従する看護師が配置されていること。がん放射線療法看護認定看護師またはがん看護専門看護師であることが望ましい。当直体制、緊急手術の実施体制、院内検査(24時間実施体制)は必要ありません。他の医療機関との連携体制は、自己の医療機関で対応困難な場合、診療協定を結んだ24時間診療可能な近隣の病院と連携する。医療機器の保守管理体制は必要です。倫理審査委員会による審査体制は、2か月1回以上に加え、要時開催されていること。医療安全管理委員会の設置は必要です。医療機関としての当該技術実施症例数は、重粒子線治療について10症例以上が必要です。
 その他の要件として、日本放射線腫瘍学会の指定(注)に準拠した複数の診療科(消化器がんを専門とする医師を含む)で構成されるキャンサーボードを設置すること。(注)として、キャンサーボードの目的、方針、業務、構成メンバー、開催日程、記録の作成、保管法などを指針もしくは規定として文書化していること。自施設でキャンサーボードの設置が困難な場合は、がん診療連携拠点病院等との連携にてその機能を果たすことができるように対応すること。また、病院間の連携が可能であることを文書にて示せること。なお、本試験の対象患者の選定においては外科、専らがんを診療する内科及び放射線治療の医師を含むキャンサーボードにおいて検討を行う体制が必要となっております。3.その他の要件はありません。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。これらの要件について何か御意見はありますか。ないようですので、様式9号については、このままお認めするということにいたします。次に、主担当の伊藤構成員より概要の説明と実施体制の評価について、御説明をお願いします。
○伊藤構成員 この試験は、遠隔転移がない直腸癌術後の骨盤内再発の方で、治癒切除の適応のない症例を対象として、重粒子線治療の有効性及び安全性を評価することを目的とした多施設共同非盲検単群試験です。炭素イオン線治療(重粒子線治療)というのは、世界でも日本が一番多いというか、日本で主にやられている治療で、申請施設の放医研で多く実施されて治療を、幾つかある国内の施設が共同して、今後始めていくということです。当然のこととして試験が実施できるのは重粒子線の施設でないとできません。御覧いただくと分かりますけど、巨大な施設ですので、そんなに多くの場所でできる状態ではないと思います。
 主要評価項目が3年の生存率で、副次評価項目はここに書かれているとおりで、32例、当初の申請時の症例数と最終的に違っていますが、32例ということで最終版の資料が修正されています。
 この治療法が有効かどうかの資料は、タブレットの論文1本だけです。世界でもこの論文しかない。この論文が正しいということを信じて評価して、他の評価者と議論させていただきました。技術そのものについての評価は、御専門である高橋先生にお願いをして見ていただき、倫理面は田代先生、プロトコールについては大門先生のほうで相当細かく見ていただいて、最終的な症例数の設定となったと思っています。申請者の資料を信じる限りは「適」とさせていただいています。逆な言い方をしますと、今後、多施設になったときに、同じ成績が再現されるかどうかを見るのが、この試験だと思っています。詳細については先生方から御意見を頂いた上で、まとめさせていただきたいと思います。
○山口座長 ありがとうございました。続いて、技術専門委員の高橋委員より、実施体制の評価について御説明をお願いします。
○高橋技術専門委員 先進医療Bの12ページを御覧いただきたいと思います。15番として技術的成熟度、16番として社会的妥当性、こういうものが示されています。今、伊藤先生がおっしゃったように論文としては1つしかないわけです。論文の所のp.4にCarbon-Ion Radiation Therapyと出ていますが、これしかないのです。多施設で追試をするというか、多施設で評価をするというのが、この先進医療の目的ではないかと思います。
 一部、先生方からいろいろ意見がございまして、この治療法の線量の問題とか、それが均てん化できるか、施設間において違いがあるのではないかという意見がございましたが、それにつきましてもきちっと回答を寄せられていますので、私はこれはきちっと遂行できる先進医療ではないかということで「適」といたしました。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。続いて、副担当の大門構成員より、試験実施計画等の御評価について御説明をお願いいたします。
○大門構成員 大門でございます。資料1-3の27ページから35ページをご覧ください。事前の照会事項としましては、要約しますと、ランダム化比較試験の実施可否を回答していただきたいということ、手術非適応に対象集団を絞っているということと整合するように閾値、期待値を見直していただく必要があるということ、統計解析の方法で明瞭でない所をご修正いただく必要があるということをお伝えしまして、それらを修正していただいております。
 結果としましては、18ページにございますように、全て「適」とさせていただいておりますが、少し気になっている点としましては、この試験はいわゆる手術非適応症例を対象に、多施設で単群で実施されるわけですが、先ほど伊藤構成員からもお話がありましたように、phase1/2として180例の同様の試験が、手術の非適応と適応の症例の両方ですでに実施されております。詳細を確認いたしましたが、ほぼ手術非適応症例を対象にされていたということを踏まえますと、今回の先進医療と同様の試験が、この申請医療機関の単施設で既に実施されているものといえます。したがいまして、この成績そのものが本当に信頼できるものなのかというところに加えて、ランダム化比較試験はできないというご回答を頂いたことを踏まえますと、本試験を行う意義あるいは目的というのは、単施設で実施された先行試験の成績が、この先進医療の枠組みで、多施設できちんと確認できるのかどうか、といったぐらいしかないだろうなと感じるところでございます。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。続いて、副担当の田代構成員より、倫理的観点からの御評価について御説明をお願いします。
○田代構成員 副担当の田代です。お手元の資料の24ページから照会事項がありますが、概要を簡単に説明いたします。手術困難例を対象とするという一方で、手術する場合のことがある程度説明されており、それが適切なのかということと、重粒子線治療のメリットを強く書いてある所を修正してほしいとお願いし、対応していただきました。
 その他、研究に伴って追加の検査があるのか聞いたところ、日常診療と同じであるということなので、ここについては対応なしでよいと判断しています。あと、研究費に関して、研究計画書と説明文書で記載がぶれていましたので、説明を求めて修正していただきました。最終的には「適」としています。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。それでは、主担当の伊藤構成員より事前のまとめと総合評価について御説明をお願いします。
○伊藤構成員 ありがとうございます。この放医研の臨床支援成績は、『International Journal of Radiation Oncology-Biology-Physics』の2016年に出ている成績です。この成績で得られている73.6GyE(グレイイクイバレント)という線量で、3年生存率が78%と大変高い成績がこの試験で得られるのかどうか。一般的に行われている治癒切除の適応のない直腸癌術後の骨盤内再発症例は、国外ではケモラジが行われていて、それの成績を下回らないということで今回の試験デザインの症例数が設定されています。これが、参加される施設でどんな形で実施されて、どんな結果かによって、今後この治療法が広がっていくかどうかの試金石になるだろうと思いますが、そういう目的であれば妥当な試験デザインではないかという評価をいたしました。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。それでは、御討議をお願いします。ございませんか。柴田先生、どうぞ。
○柴田構成員 柴田です。基本的な設定には異存ないのですが、これは試験の途中で無効中止を判断するための中間解析は行わない設定になっていると、試験実施計画書に書いてあります。その理由は、いろいろなバイアスがあるので、中間解析で途中でデータを見ないという趣旨のことが書いてあります。これは事務局の方に伺いたいのですが、そのような設定になっているということは、この先進医療Bが実施されている途中、例えば32例中の10例ぐらいの結果が出てきた段階で、それをまとめて公表したりすることはしないという前提で試験計画は立てられていると理解していますが、そのような理解でよろしいですね。つまり、将来、例えば2年後の診療報酬改定のときに、ここからデータをつまみ食いして出されることはなくて、この試験が終わった結果が出てくるまで、この試験のデータは出てこないと解釈しているのですが、そのような解釈は正しいですか。
○医政局研究開発振興課専門官 それは、そのとおりと認識しております。
○山口座長 真田先生、どうぞ。
○真田構成員 この試験の今の評価の所で、単施設で行われた良好な結果が多施設の研究でも再現できるかということが、1つのトピックになる試験だという御意見が複数あったかと思います。そうなりますと、この試験を実施して、最初は放医研さんだけが申請施設としてやられるわけで、最終的に協力医療機関が増えて症例数が増えていくかもしれませんが、実際的には協力医療機関からもある程度の数を入れてもらわないと、そういう命題を吟味することはできない訳ですが、そのところに関して何か取決めというか、建付けというか、そういうものはあるのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 既に協力医療機関として参加予定の施設は記入されていますが、プロトコール上、その施設ごとに症例数が割り振られているということではございません。
○真田構成員 先ほどのような命題を達成するために、幾ばくかの症例数が放医研さん以外から入ることが必要なのではないかと思うのですが、そのような取決めを事前にしておかなくても大丈夫ということだと理解していいですか。最初から強制的に割り振ることがいいかどうかは、ちょっと私も判断しかねるのですが、そういう議論が出たところで、一応、検討には値するのではないかと思ったということで発言しているところです。
○医政局研究開発振興課専門官 確かに主担当の伊藤先生も、そのような御懸念をお書きになっているかと思いますが、先生、割り振りに関してはいかがでしょうか。
○伊藤構成員 そういう懸念があると思ったので、コメントの所にそう書かせていただいています。今回、総括報告書が1本出ていますけれども、その試験でもひとつの施設が4割の症例を入れていますが、それに対して今までこの部会として懸念を明らかにしていないので、この段階でこの試験だけ、そういうことを言うのもどうかなと思いつつ、書かせていただきました。それは懸念として常にあるところだと思います。
 もう1つは、直腸癌の手術後の再発というケースですし、症例数としてそれほど多くはない可能性もあるので、今まで患者さんの照会するルートなどがある所が、当然、症例数が多くなる可能性はあるので、それを制限して患者さんに、遠くの施設まで行っていただくことになるのも、どうかなと思いましたから、それについては質問もしないままに、懸念として書かせていただきました。
○山口座長 先ほどの議論の中で、この研究の意義というのは多施設でも同様の結果が出るのではないかと。そういうところぐらいしか分からないと言っているのは我々であって、申請している施設は、そんなことよりも、この治療法が有効だということが目的になっていますから、ばらつこうが、ばらつくまいがいいと考えているのではないでしょうか。いかがですか。
○伊藤構成員 おっしゃるとおりで、今後は先進医療Bとして臨床試験成績が、公開されていくことが前提としての試験が初めて組まれたのです。今までは、20年同じ治療がされていて、去年、一昨年になって初めて臨床試験成績が公開されるような状況だったことから考えれば、大きな進歩だと一方では思っています。
○山口座長 ほかにございませんか。
○関原構成員 これまでの症例が38人の患者とあるのですが、これは照会先の病院というのはかなり多数に分かれているのですか、その38人というのは。例えばAとかBとか、要するに限られた病院からの案件が多いのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 こちらで持っている資料の中では、その情報は書かれていません。
○関原構成員 私は大腸癌の転移を何回もしていますが、骨盤の中に転移したら手術は結構面倒になるため、術者によってだいぶ成績も違うし、特に最近、腹腔鏡手術が中心で、手(メス)を使う手技のレベル・件数が全体的に落ちているため、ある施設では手術できるけど、うちではできないということはないのか?又、キャンサーボードを作ってやるとなっているけれども、現実としてこの38症例というのは、しっかりしたキャンサーボードができる病院から上がってきているのかちょっと気になったので、分かったら教えてほしいということです。
 それから、もう1つ、同意書には初めて経済効果を分析すると記述されています。この分析は相当長い間フォローしていくわけですが、フォローする費用項目中で△のものがありますね。任意でやったほうがいいけれども、やるかどうかは分からないのですが、そういうのも全部費用として含めて、これの経済計算をするということなのか。質問の意味は、同意書の19、14ページの診療費用の調査についてという所で、開始から観察期間終了までかかったのを全部足し上げるとなっています。一方、検査スケジュール等の中で、骨盤MRIの検査とか別途CTというのは必須でなく任意の検査としてあるわけですが、この説明は、こういうのも全部費用に含めて計算するということなのですか。
○山口座長 先進医療のコストのことですか。
○関原構成員 これは先進医療の話でなくて、経済計算ですから、いわゆる保険医療の有無も含めて全ての費用を積み上げることですね。
○医政局研究開発振興課専門官 これは要するに保険診療に最終的になるときのことを想定して、費用がどれくらいかかるのかというところを、前向きにデータを取っていきますということだと思います。ですので、そういった観点からは、研究のために必要とされた費用は除かれるかと思いますが、実質的に保険診療になるときにかかる費用に関しての検討に資するデータを取ろうということだと考えられます。
○関原構成員 そもそも圧倒的に大きい310万円というものの内訳は分からないわけですね。これはビジネスの視点から見たら、設備の値段は年々下がっていってはずですから。重粒子線設備も3施設で値段が全部違うわけです。当然、一人当たりのコストが違うわけで、この辺も含めて、本来は病院ごとに診療費用というのを計算すれば相当差が出てくると思うのですが、そういうことを念頭に置いた調査なのかどうか。そこが私は一番聞きたかったところなのですけれども。
○山口座長 恐らく申請の機関が、自分の所ではこうだということで、これぐらいでやれる施設は一緒に参加しろということではないかと思います。恐らく各施設別に出して、その平均を取ったわけではないと思います。
○関原構成員 だけど、この310万という先進医療の部分は、どこも一緒なのでしょう。
○山本構成員 違いますよね。原理的には違いがあると思います。
○医政局研究開発振興課専門官 基本的に大きくは変わらないですが、少し差が出ることはあり得ます。
○関原構成員 それ自体が、私はちょっと合理性を欠くと思いますね。
○山本構成員 先進医療、我々もうちの施設で出したことがありますけど、一応、先進医療の計算のところは各施設ごとに計算して出すのですが、人件費とか少しずつ計算の単価が違うので、ちょっとずつは変わると思います。今回、何を積み上げて314万になっているのか。今、私も見ているのですが、よく分からないです。重粒子線治療を314万と書いてあるだけなので、その中の内訳についてはよく分からないです。そこのところも値付けは施設ごとに違うと思いますので、施設が追加されたときにここが違ってくる可能性はあります。
○関原構成員 設備は、施設ごとの値段が倍ぐらい違うわけですから。
○山口座長 べらぼうに高い所が出てくる可能性はあるということですか。あるいは安い所とか。
○関原構成員 放医研が設備コストとして一番高いと思います。ただ、古いから償却が進んでいるでしょうけれども、そういうことを含んだ意味なのかどうかというのが。
○山本構成員 実際かかるのは機器の減価償却費と電気代、電気代がものすごく大きいと思いますけれども。
○関原構成員 新しいのは電気代でも、ものすごく効率がよくなっているはずです。
○山本構成員 あとは、人件費を付けているはずなのです。その間の技師さんなどが例えば1時間とか2時間働くところの人件費は、当然載っていると思います。あとは消耗品代。
○山口座長 私もちょっと誤解していて、みんな一緒の値段かと思っていましたけれども、今まで例えば陽子線などの治療は、施設によって値段が違うのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 基本的には、申請医療機関も協力医療機関もほぼ同じ設定にしていただいているところですので、そんなに大きく違うものはございません。
○山口座長 万が一、例えばある施設が突然べらぼうなことを言っても、それを駄目とは言えないということですか。例えば、うちは人件費がものすごく高いんだということで。
○医政局研究開発振興課専門官 今までそういう例はないのですが、もしそういうことが、協力医療機関の新たな追加で、例えば倍ということがあった場合には、それは個別に部会でご審議いただくことになると思います。
○関原構成員 そういうコストの差異が一番大きい問題だと思いますね。
○山口座長 まさか、そんなことをすることはないという前提でやっているわけですね。
○関原構成員 人件費とか何か諸経費でなく、初期投資の100億円か200億円かは、これは決定的な差異で、一人当たりの値段が異なります。別にそれは良い悪いでなく、患者に説明する中に費用対効果をやりますという同意書の中でこれが書いてありますし、今までなかったものですから、これは保険収載のほうでは当然検討されるのでしょうけれども、今回あえてここに書くとなると、施設によって本来、患者は値段が違うのではないかという話になるのではないかと思って、それで質問したわけです。
○山口座長 例えば厚生労働省のホームページなどに先進医療が紹介されていて、そこに値段が書いてあるわけです。それから大きく隔たっていたら、安い所へ行きなさいということでいいですか。
○医政局研究開発振興課専門官 そうですね。先進医療に認定されたどの医療機関においても等しく同じように医療が受けられることを目的の1つとしていますから、そういった観点からも、費用はそろえていただきたいというのが基本方針としてございます。
○山口座長 それは課題ですかね。今は決まっていないということのようですけれども、そういう理解でよろしいですか。
○保険局医療課専門官 基本的には研究開発振興課のほうから説明があったとおりで、これまでは同程度の費用で実施していただいていると承知しています。そこで圧倒的に異なる費用である場合には、事務局からもその理由について確認をさせていただきますし、また協力医療機関の追加については、Bの場合には技術審査部会のほうに御確認いただくことになっていますので、あまりにも費用が異なる場合には、当部会でも御審議を頂くような形になろうかと考えています。
○山口座長 今のところは指導しているということで、大きな問題はなさそうですということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。ほかにございませんか。
○藤原構成員 試験をやること自体は大丈夫だとは思いますが、この『International Journal of Radiation Oncology-Biology-Physics』、放射線治療域ではトップジャーナルで、今、ざっと見ましたけれども、この試験がやられたのは2001年で、インフォームド・コンセントは放医研の倫理審査委員会の規程に従って取ったとだけ書いてあり、倫理審査委員会の承認があったかどうかも何も書いてない。この論文に出ているデータ自体が本当に信用できるかというのは、担保しなくて大丈夫なのかなというのがあります。実際は後ろ向きにただ見ただけで症例を解析してたりとか、IRBなどを通さずにやっていたとか、IC文書も1枚紙だけで取って、10年ぐらいやっていますけど、この研究が存在したことは確かなのかというのは、事務局で確認しておいたほうがいいのではないですか。
○山口座長 そうですね。
○医政局研究開発振興課長 もちろん、そういう話は確認させていただきますが、基本的にこれまで、論文という形で参考文献として出されたものに関し、そもそもそういう研究があったのかということではなく、基本的に研究は正しくやっていただいた上で出されたものだと我々は受け取ってやっています。最初の存在から疑ってというところまでは、正直、基本的には正しくやられたものを出されていると信じてやっています。ただ、確認はさせていただきます。
○藤原構成員 2016年とか15年とか、最近の論文でIRB承認も何も書いていなくて、ヘルシンキ宣言とか、倫理審指針に沿ったICを取っているとか、何も書いてない論文というのは珍しいのでちょっと気になったのです。
○山口座長 確認はしておいてもらってもいいのではないでしょうか。それで駄目というわけでなくてですね。ほかにございませんか。あと1つ、患者さんへの説明も、治療法としては切除と化学療法と放射線治療と書いてあるのですが、あまり化学療法のことについて書いてないのです。私、消化器外科をやっている立場としては、結構、大腸癌は化学療法のウエイトがものすごく重くて、これは前治療とか後治療のことがあまり規定されていませんけれども、その有無や種類によって大きく性格が変わるような気がします。わずか32例だったら、その辺りはきちっと決めてやらないと、そのデータとは一体何なんだろうなという結果にならないか懸念されます。伊藤先生、いかがですか。
○伊藤構成員 この資料の22ページに書いてあるかと思いますが、ケモをやったのと、やらないのとで基本的に成績は変わりませんでしたという返事があったので、そのデータに基づき、化学療法の有無を規定しなくてもいいのではないかと、大門先生と相談して、この成績をもって規定しないと考えました。
○山口座長 ありがとうございます。ちょっと最近、いろいろな問題が出てきていますから、一生懸命やれば伸びますし、さっさと諦めたら駄目ですし、結構、恣意的なことが入る可能性があるのではないかと思って、ちょっと不安に思います。けれども、一応どんなことをやられたかということはレポートされるので、それを見てから判断するということでもいいかと思います。ほかにございませんか。
○伊藤構成員 もう1つ、放医研で実施されるのは短期間の治療だけで、そこから先のフォローに関して、多分、自施設でできるものではないという気もするので、自分たちが主治医をやるわけではないので、化学療法をするとか、しないとか、後治療をどうするのかということについて、介入するのは技術的にも難しいだろう考えて、そういう指摘はしませんでした。
○山口座長 ただ、この治療法が本当に有意義であることを示そうと思って、うちで重粒子線をやってもらおうと思ったら、この後はこういう治療をしてくださいということを条件にやるというのは本来のやり方ではないかと思います。あとは、あなたたち勝手に何でもやってくださいというのは、科学的には、そうですねとはちょっと言えない気がします。ただ、これだけで保険収載が決まるとは到底思えないので、その道筋の1つという理解でいいのではないかと思います。ほかに何か御意見はございませんか。それでは、いろいろ議論がございましたけれども、整理番号83については「適」ということにしたいと思います。続きまして、総括報告書の評価について、事務局より説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いいたします。41ページの資料2-1を御覧ください。今回、先進医療Bの総括報告書に関する評価を頂くのは、告示番号43、カペシタビン内服投与、シスプラチン静脈内投与及びドセタキセル腹腔内投与の併用療法です。申請医療機関は東京大学医学部附属病院です。審査担当構成員は、主担当が藤原構成員、副担当が手良向構成員です。本試験は、腹膜播種陽性の初発胃癌症例を対象とし、カペシタビン内服投与、シスプラチン静脈内投与、ドセタキセル腹腔内投与の併用療法の有効性と安全性を評価することを目的としております。登録症例数は50例の単群試験です。
 41ページの概要に記載がありますように、背景としてパクリタキセル腹腔内投与と、S-1内腹投与、パクリタキセル経静脈投与を併用する試験など、これまでに複数のレジメンの試験が行われております。それらをまとめた表を机上配布させていただきました。このように、どのレジメンが優れているのか検討することが必要である、ということだと存じます。
 本試験の有効性の評価結果は、42ページを御覧ください。本試験の主要評価項目である1年全生存割合は75%でした。詳細な評価につきましては、先生方からお願いしたいと存じます。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。では、本技術の評価について、主担当の藤原構成員より御説明をお願いします。
○藤原構成員 お手元の43ページからの評価を御覧ください。私と手良向先生で評価しております。デザインの辺りは手良向先生がいろいろコメントをしておりますので、私は総括的な所を述べさせていただきます。有効性は、単群試験の結果で、より有効だとかということは言えませんので、Cの同程度ぐらいしか考えられないなと思っております。安全性については、そんなに非常に極度に難しい手技ではありませんし、有害事象も通常の抗がん剤の治療と同程度で出ていますのであまり問題ないと考えます。技術的成熟度についても、そんなに難度が高いわけではありませんのでBとしております。総合的なコメントの所は、皆様方のお手元の机上配布資料で、これまでパクリタキセルやドセタキセルなど様々な抗がん剤の腹腔内投与、先進医療の中でしてきた一覧表が出ていまして、その中の1つでありますが、44ページの薬事承認申請の効率化に資するかどうかの所を見ていただければ分かりますが、平成27年の第25回の先進医療技術審査部会の資料1-7の指摘2というのが、今日の手元の参考資料2の52、53ページに書いてあります。そこでは、この申請者、この総括報告書を作られた方々が、以前行われた先進医療でパクリタキセル腹腔内投与、あるいは静注投与と、S1内服の併用の比較試験のときに、PMDAと何回か個別の面談や事前面談、いわゆる対面助言ではない、口頭だけで顔を合わせてやる話合いをやっているのですが、その中では薬事承認につながるかどうかの突っ込んだ議論は、全然されていません。その後、皆様方が御承知のように、患者申出療養でもパクリタキセルの腹腔内投与をやられていますが、相変わらずその状況は続いています。試験自体はきちっと終わられていますが、今後の薬事承認につながるかどうかは不透明なので、この結果をもっては、効率化に資することはないというふうに判定させていただいております。あとは、手良向先生に。
○山口座長 手良向先生、お願いします。
○手良向構成員 手良向です。有効性については、1年生存確率自体は統計学的には有意という結果ですが、ほかのS-1/パクリタキセルやS-1/オキサリプラチンの結果と比べてほぼ同じだということと、これもほかと同じですが、1年以降に生存確率が大きく低下しているということから、従来の医療技術と同程度と判断しました。
 安全性については、重篤な有害事象等は問題ないのですが、この試験は先ほど言った先進医療B1とB27に比べ、腹腔内投与に関連した有害事象が少し多く17%でして、理由をお聞きしましたが、あまり明確になっていないということです。それについては今後注意が必要だということで、これもあまり問題なしとしました。技術的成熟度はAといたしました。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。藤原先生、何か追加がありましたら。
○藤原構成員 ないです。
○山口座長 そうですか。では、ただいまの御説明について、何か御質問はありませんか。
○柴田構成員 先ほどの藤原先生のコメントを踏まえて、もう一度この参考資料2を確認しましたが、要は、この試験の結果は検証的な試験ではないので、次に検証的な試験が行われるべきところであるというのが、PMDAとの議論の中で議論されていることであって、基本的にはこの試験の結果は、phase3に行くかどうかを考える上でphase3に進んでも良いのではないかぐらいのものであって、この結果に基づいて治療が確立したと解釈するのは不可能であるという解釈で正しいということでしょうか。
○藤原構成員 はい。
○山口座長 ほかにございませんか。
(真田構成員一時退席)
○山口座長 それでは、告示番号43につきましては、ただいま御審議いただいた結果を取りまとめて、先進医療会議に御報告いたします。藤原先生のコメントを、必ず書くようにいたします。
 続きまして、申請医療機関からの報告について、事務局より御説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いいたします。57ページの資料3を御覧ください。告示番号44、周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法、申請医療機関は大阪大学医学部附属病院です。真田構成員におかれましては、ご自身がご所属の医療機関でございますので、御退席いただきました。ありがとうございます。
 昨年10月の先進医療技術審査部会において、告示番号44、周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法の試験計画変更が一昨年12月に行われていたものの、部会に届出されていなかったということが報告されました。これにつきまして、10月部会資料を58、59ページに再掲しております。このときの試験計画の変更内容は、試験期間の5か月間の延長でした。この報告遅延の報告を受け、59ページにありますように、先進医療の全例確認や原因究明、再発防止策の検討等を実施するよう、当該医療機関に求めておりました。今回それらを踏まえ、現在行われている全ての先進医療Bの点検結果や、原因究明結果及び再発防止策が報告されました。この回答と再発防止策の適否について、今回御審議をお願いいたします。
 内容を見ていきます。60ページから70ページまでありますので、順に概要を御説明いたします。まず、60ページの中段以降に、再発防止のための医療機関の体制製備の概要があります。まず1点は、全ての先進医療Bの実施につき、技術ごとに進捗状況管理報告者という責任者を配置し、申請医療機関としてのリアルタイムな進捗状況管理の責任を明確化しました。また、もう1点は、情報を一元的に集約・管理する上位組織として、新たに未来医療開発部内に先進医療支援室というものを設置しました。これらにより、責任体制を明確にし、全技術の一元的な実施管理体制をより強化したということです。
 これについては図がありますので、70ページを御覧ください。このように右に3つの先進医療Bが書いてありますが、この試験ごとに左の四角の枠の中に進捗状況管理報告者とありますが、それをそれぞれ設けて責任を持たせ、また、この未来医療開発部の中の一番左に支援室とありますが、この先進医療支援室を設置することで、管理体制を強化したということです。
 戻って61ページから概要を見ていきます。まず61ページの1.今回の事実関係の経緯についてですが、非常に長いので簡潔に御説明します。この告示番号44の試験は、大阪大学の呼吸器外科を臨床研究事務局としておりましたが、総括代表者が国立循環器病研究センターに異動となった際に、その後実質的に呼吸器外科と国立循環器病研究センターの2局体制で管理が行われていたというのが、一番の問題であったということです。
 続いて62ページの下に2として、今回の届出遅延にかかる原因について書かれています。63ページの1で、先ほど述べましたとおり、事務局体制が2か所に分散していたということがあります。2として、そのような2局体制であったにもかかわらず、どちらが担当するといった責任体制の欠陥と情報伝達体制の不備があったということです。そこで、これらを踏まえて、後ほど出てまいりますが、今後は本来あるべきような姿の呼吸器外科が全て一元管理する体制に、この試験自体の管理体制を改めるということです。
 続いて、64ページの3.弊院が実施中の他の全ての先進医療B技術における全例調査の結果についてです。まず、申請医療機関として実施中の試験が合計4件ありまして、この全例調査の結果、ほかの3件は問題ありませんでしたということです。この当該試験、告示番号44番の試験に関しては、65ページの中程に記載がありますが、協力医療機関である山形大学病院の研究分担者の追加及び削除について、倫理審査委員会への変更申請がなされていなかったことが発覚したということで、山形大学内の倫理審査委員会に早急に変更を行うよう依頼し、現在、御対応いただいているということです。続いて、協力医療機関として実施中の試験が合計11件あり、これらの全例調査の結果は特に問題はありませんでしたということです。
 66ページの4.今回の事態を踏まえた本先進医療技術及び弊院における再発防止策についてです。要点は、今までおおむね御説明させていただきましたとおりで、当該試験にかかる独自の再発防止策としては、事務局体制を一元化し、67ページに従来と今後の業務の流れがありますが、報告の手順を明確に定めることで、今後は全ての過程に研究事務局が一元的に責任を持つということです。また、医療機関としては、先ほどご説明しました通り70ページのように体制を強化するということです。
 以上の内容から、事務局としては適切に改善いただけたのではないかと思っております。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。では、この報告について何か御意見はありませんか。ちょっと長いので、すぐに御覧いただくのは大変だとは思いますが。
○藤原構成員 これ、当初から懸念されていたと言いますか、統括代表者を基礎の研究者の方がやっていて、しかも、このコンパウンドは発見した人がやっていること自体が問題で。その前に、私はCOIがちょっとあります。阪大の客員教授をやっておりますので、同じ施設と言われたらそうかもしれません。この問題は、統括代表者を阪大の呼吸器外科の教授に替えて、阪大の呼吸器外科がしっかりやっていらっしゃるので、そちらが統括するのが対応としては一番いいような気がしますが、今回は事務局を移すだけで、統括代表者は変わらないということですか。
○医政局研究開発振興課専門官 今回この内容が御承認されましたら、試験期間の延長とともに、そういった代表者の変更等も全て含めて試験計画を変更し直す予定と伺っています。
○山口座長 ありがとうございました。ほかにございませんか。やはり、事務局が2つに分かれたのが一番の原因だということで、非常に真摯に答えてもらっています。また、詳細な報告、それから全例調査もしていただいて、ほかにそのようなことがないということも確認していただいています。それと、この70ページのスキームは複雑ですが、今後は、かなりしっかり、ここに一本化してやりたいということのようです。何か御質問はありませんか。
○柴田構成員 この対応自体には、もう異存はないのですが、一般論として事務局の方にコメントさせていただきたいです。というのは、先進医療の場合には、研究者、診療を担当しておられるお医者さんだけではなく、研究を支援する部門、更に医事課など、いろいろな方が院内で連携しながら仕事をされるわけですが、先進医療を特定することが困難であるという現状があります。例えば、研究倫理審査委員会に提出される試験の名前と、告示に載っている先進医療名というのは必ずしも一致しないので、どれがどれかというのを確認するのは結構大変なのです。それで、告示番号に基づきいろいろな書類が作られますが、先ほどの総括報告書のときに出てきたように、告示番号は2年に1回変わります。先進医療というのは長きに渡って行われるので、それを事務部門の方がきちんと把握するのは結構難しいことになってしまいます。人事異動もあります。
 そういう意味で、きちんとしたアイデンティファイヤーが付けられるような形にしていただくことで、このようなものを病院内で一元的に管理する際においても、いろいろな職種の方が関わられる状況ですので、書類の取り違えであるとか案件の取りこぼしなどを避けるということに寄与するのではないかと思うところです。本日どうしてくださいということではありませんが、そこのところが管理しにくいことになっているせいで、管理コストが非常に高くなっているという状況はあると思います。それがミスを誘発するのであれば避けたほうがいいと思いますのでコメントをさせていただきました。
○山口座長 何かありますか。
○医政局研究開発振興課長 臨床研究法が施行されますと、基本的にはその番号が、それぞれ固有に付きます。ですので、基本的には大体それで全て通しができるとは思います。ただ、一部どうしても特定臨床研究に当てはまらないものが出てきますので、それだけちょっと配慮して、こちらのほうで検討させていただきたいと思います。
○山口座長 ありがとうございました。ほかにございませんか。それでは、こちらの回答及び再発防止策で進めていただくということにいたします。では、真田先生にお戻りいただきます。
(真田構成員着席)
○山口座長 真田先生、ありがとうございました。続いて、試験実施計画の変更について、事務局より説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いいたします。今回、試験実施計画の変更について5件の申請がありました。まず、71ページの資料4-1を御覧ください。こちらは静岡県立静岡がんセンターからの申請で、告示番号12番、ペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法です。本試験は、完全切除された非扁平上皮非小細胞肺癌を対象に、ペメトレキセドとシスプラチンの併用療法を、標準治療であるビノレルビンとシスプラチンの併用療法と比較することで、その有用性を検討することを目的としたランダム化比較試験です。
 72ページを御覧ください。予定症例数は800例ですが、目標に到達し、登録は既に終了しております。御審議いただく主な変更内容は2つでして、主要エンドポイントと副次エンドポイントの変更です。主要エンドポイントの全生存期間と副次エンドポイントの無病生存期間を逆に変更します。もう1つは、登録終了時点の中間解析を登録終了から1年目の時点に延期します。
 この変更の経緯です。72ページの下にありますが、近年は治療成績が改善し、5年生存割合が70%を超えるようになってきております。また、73ページですが、現在のペースですと、最終解析における予定イベント数の426件が観測される時期が、予定よりも大幅に遅れることが見込まれるようになりました。また、文献により、術後非小細胞肺癌においては無病生存期間が全生存期間の代替エンドポイントになり得るという報告もあります。そのような理由から、より早く臨床的な意義の判断ができると考えられる無病生存期間を主要評価項目としたいということです。ただし、全生存期間は真のエンドポイントであり、本試験の結論を決定する際には、十分に考慮するとのことです。
 2番の中間解析につきましては、登録終了時点で、死亡イベント数が75件にとどまり、最終解析における予定イベント数のまだ17%であるため、この解析も1年延期したいということです。以上、御審議をお願いいたします。
○山口座長 ありがとうございました。本変更内容について、御意見ありませんでしょうか。もう終了しているので、その後で変えるのは変かなと思ったのですが、今回この結果を全く見ておりませんし、それから当初の予想よりも、随分予後が良くなっており、このままいくと結果が分かるまでに非常に時間がかかり、成果が出るのが延びてしまうということです。柴田先生、何か御意見ありますか。
○柴田構成員 山口先生から御指摘いただいたところに尽きると思います。本来は変えないほうがベターではありますが、状況的にやむを得ないところがあるというのと、2013年にランセットオンコロジーの論文で、全生存期間の代理変数として無病生存期間、あるいは無再発生存期間が使えるというエビデンスもありますので、基本的にこの変更は受入れ可能ではないかなと考えます。
○山口座長 ありがとうございました。何か御意見はございませんか。よろしいでしょうか。それでは告示番号12の変更については、お認めすることにいたします。
 続きまして、次の試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 75ページ、資料4-2を御覧ください。東京大学医学部附属病院からの申請で、告示番号13番、ゾレドロン酸誘導γδT細胞を用いた免疫療法です。本試験は非小細胞肺がんに対するγδT細胞治療の無増悪生存期間を評価・検討することを目的とした単群試験です。予定症例数は85例で、今回の申請時点で登録は20例となっております。
 御審議いただく主な変更内容は77ページにございます。変更は、γδT細胞治療において予測される安全性情報(有害反応)の追記です。変更申請する理由の欄に経緯があります。1回及び2回目のγδT細胞投与後に、腫瘍の縮小とともに咳嗽や発熱等、肺炎様の症状が現われ、2回とも入院治療に至った症例が1例認められました。つまり腫瘍の著明な縮小を認めましたが、同時に強い免疫反応により肺炎(サイトカイン放出症候群)を引き起こした可能性が考えられました。そこで慎重に検討し、試験実施計画書と説明文書等の変更を行うこととなりました。具体的には肺炎(サイトカイン放出症候群)を引き起こす可能性があることを説明文書に明記しました。またγδT細胞投与後に発熱や咳嗽等の症状を認めた場合は、直ちに当該の試験担当医療機関への受診を促し、検査を実施することを試験実施計画書に書くこととしました。以上でございます。
○山口座長 安全性情報の追記ということですけれども、何か御質問、御意見はございませんか。では特にないようですので、告示番号13の変更についてもお認めすることといたします。続いて、次の試験実施計画の変更について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 79ページ、資料4-3です。国立長寿医療研究センターからの申請で、告示番号30番、FDGを用いたポジトロン断層撮影によるアルツハイマー病の診断です。本試験はアルツハイマー病と前頭側頭葉変性症の診断精度の向上を目的とし、FDG-PET検査の診断能が、既に保険収載されている検査である髄液中のリン酸化タウの測定の診断能よりも高いことを検証することを目的とした単群試験です。
 80ページです。予定症例数は190例で、今回の申請時点で登録は77例となっております。御審議いただく主な変更内容は、予定登録期間の9か月間の延長です。グラフを見ると、実績よりもやや楽観的に見える予測値がありますが、直近3か月を見ると、4例、4例、8例で平均5例以上で、今年は更に協力医療機関での登録の増加が見込まれており、月に6~10例の登録が予想され、9か月の延長で100%達成を目指したいということでございます。以上でございます。
○山口座長 本変更内容について何か御意見ありませんでしょうか。楽観的とありましたが、相当楽観的でして、ちょっとこのままで難しいのではないかと理解するほうがいいようです。あと、登録がゼロの所がまだ2施設あり、きちんと研究に参加した所には、もう少し何回も言わないと駄目ではないかと思います。決して珍しいものではないと思うので、やる気がないとしか言いようがないというところでしょうか。何か御意見ございますか。施設をきちんと増やしていただくということで可能性はあると思います。次にまた再延長がないように、是非お願いしたいものだと思います。特に御意見ございませんか。よろしいでしょうか。では、告示番号30の変更についてもお認めすることといたします。続いて、次の試験実施計画の変更について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 83ページ、資料4-4です。榊原記念病院からの申請で、告示番号47番、自己心膜及び弁形成リングを用いた僧帽弁置換術です。本試験は僧帽弁閉鎖不全症で手術適用があり、従来の僧帽弁形成困難あるいは不適の患者を対象として、自己心膜製ステントレス僧帽弁置換術を行い、その安全性と有効性を評価することを目的とした単群・オープン試験です。予定症例数は25例で、今回の申請時点で登録は4例です。御審議いただく主な内容は、施設間での手術手技の統一と手術手順ガイドの作成。また、術後管理を強化するため2か月後の観察を追加でございます。
 84ページ、変更申請する理由です。こちらは、重篤な有害事象の発生を受けて、このような変更をすることとなりました。経緯ですが、自己心膜製ステントレス僧帽弁置換術の術後入院中に高度僧帽弁逆流が発生し、この重篤な有害事象発生を受け、すぐに人工弁置換術による再手術が行われ、その後患者さんは退院されました。この原因等について独立モニタリング委員会で審議され、人工弁脚の乳頭筋への縫着の部分が外れたということが分かりました。そして研究の継続に当たり、プロトコールに大筋しか記載されていなかった手術方法について、詳細に追記すること、また術後の血圧管理について追記することが、独立モニタリング委員会より指示されたということです。この指示に対応するに当たり、別途手術写真付きの手術手順ガイドも作成されました。
 この変更内容が手術手技に関わる非常に専門的なものでしたので、事前に座長の山口先生と当該試験の申請時に御評価を頂いた一色先生に御意見を頂きました。その際の御指摘事項が85ページ以降にございます。手術手順ガイドについては、一色先生の御指摘を踏まえ記載の修正がなされております。また88ページからは、術後早期の負荷軽減の必要性についての申請者からの御説明がございます。またタブレット資料には、このプロトコール改定がどのような議論で決定されたかについての独立モニタリング委員会の審議内容などもございます。この計画変更について、御審議いただきたく存じます。説明は以上です。
○山口座長 一色先生、何かコメントございますか。
○一色座長代理 ただ今ご説明がありました計画変更の内容につきまして少し追加させていただきます。本研究では1年半の間に4例の手術が行われましたが、有害事象の症例は4例目に当たります。それまでの3例は研究統括医師が所属する榊原記念病院で行われていて、この4例目が初めて同病院以外で行われた症例でした。この有害事象の発生を受けて、独立モニタリング委員会で一時中断の命令が出されたことで、研究実施計画について詳細な検討がなされました。
 その結果、各施設間での手術手技の統一と手術手順ガイドの修正が求められ、それを受けてかなり詳細に加筆修正された手順書が出されました。手順書の記載については2年前の承認審査の時点で各施設への統一の確認を求めていたところですが、残念ながら危惧していた通りに施設間で手順に若干の差が生じた可能性は否めないとのことでした。再提出された手順書の内容を慎重に確認し、総論的な表記の部分などを細かく修正していただき、最終的には非常に分かりやすく、かつ詳細な手順書ができたと思われます。
 血圧については、最近は心臓の手術の早期の心臓リハビリテーションが予後を改善することから、術直後から積極的に動かすことが常識となっているのですが、この手術については、術後には安静を強化したいという旨の手順書の改定がなされましたので、その辺の考え方について確認をさせていただきました。申請者によれば、血圧上昇であるとか心拍数の上昇は、縫い付けた部位のテンションを上げ、これによって術後早期の離断の原因になり得るということから、少なくとも最初の3か月程度は安静期間を取り、できるだけ無理をしないというようにしたいという考えているとのことでした。この点につきましては説明としては納得できることと思っております。
 ということで、当方からの指摘事項には適正に対応していただきました。事故が起こった京都府立医大の倫理委員会におきましても手順書の改定をパスしており、それを受けて、今回この改定が提出されていると認識しておりますので、私としては承認としてよろしいのではないかと思います。以上でございます。
○山口座長 ありがとうございました。何か御意見ございませんか。最初のときに一色先生から、きちっとトレーニングというか、やり方についてきちんと一致しているかという御指摘がありましたが、やはり最初はなかなか一致できないので、講習会を何回か開いていくうちに一定のものができるのだという御回答で、その後の詰めが少し甘かったということです。今回きちっとまた最終的に決まったものでやり直すということと、あとは術後の管理ですね、血圧の管理について2点改正点が出されました。特にございませんか。きちっと対応していただけたと思います。これは非常に重篤な合併症でしょうか。
○一色座長代理 ええ、そうなのですけれども、そもそも従来法を含めて僧帽弁形成術自体が、一定の頻度で弁置換術をせざるを得ない症例があるものなので、4例という症例数の中での合併症としてはインパクトが大きいのですが、この症例があったから非常に大きな問題と判断するのは、難しいかなと思います。
○山口座長 起き得る合併症であるかと思います。特になければ、告示番号47の変更についてお認めすることにいたします。続いて、次の試験実施計画の変更について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 99ページ、資料4-5です。東京大学医学部附属病院からの申請で、告示番号54、FOLFIRINOX療法です。本試験は、切除不能又は術後再発胆道癌症例を対象として、FOLFIRINOX療法の有効性と安全性を評価することを目的とした単群試験です。100ページを御覧ください。予定症例数は35例です。今回の申請時点で登録は3例です。御審議いただく主な変更内容は、試験期間の1年間の延長です。変更申請する理由ですが、先進医療の試験実施体制の見直し等に伴って、症例登録不能期間が生じていたためです。今後は協力医療機関を増やし、今年の4月からは現在の1施設から5施設になる予定ということで、1年間の延長で目標達成できる見込みということです。以上です。
○山口座長 本変更内容について何か御意見ございませんか。
○藤原構成員 100ページの「当院における先進医療の試験実施体制の見直しに伴い、症例登録不能期間が生じ」とあって、1年も生じているのですが、そんなことというのはあるのですか。もう少し詳細の理由は分からないのですか。1年も症例登録ができないというのは異常だと思うのですが。
○山口座長 何か分かりますか。
○医政局研究開発振興課長 昨年、確か不適切な関係という報告が東大病院からあったかと思います。その後、東大病院で先進医療を実施するに当たっての体制を見直しますということで、検討していただき、そして報告していただいたケースがあったかと思います。ただ、1年ではなくて、それよりもう少し短かった気がしますけれども、その体制をもう一度見直して、先進医療を集中的に管理をしていく体制を取りますというようなお話がありましたので、その間できなかった期間があったとは思います。
○山本構成員 我々が思っているよりも、一旦、体制整備という問題で止まると、このぐらいは止まります。というのは、私は利害関係者だったので発言しませんでしたが、先ほどの阪大の件でも恐らく10か月ぐらいもう試験は止まっています。何かの試験から端を発して、その体制の不備が見つかったときに、端を発した試験が結局止まってしまって、その試験自体、体制整備ができるまではその端を発した試験は何もできなくなってしまうのです。その体制整備となると数か月かかりますので、その数か月の体制整備を待って、体制整備が終わった後に端を発した試験の、例えば本来プロトコール変更したら再開できるはずのものが、体制整備が先に立つので、その後プロトコール変更になるのです。プロトコール変更するためには、また倫理委員会の承認とここの承認が要るので、そこでまた2か月、3か月かかります。例えば半年で体制整備ができても、その後3か月ぐらいかかってやっとその端を発した試験は再開されるということになるのです。普通に半年、9か月、1年、今のやり方ではそういうようにならざるを得ないのです。確かに先進医療Bなので、申請期間の体制整備をしなければならないというのは、当然それはそうなのですけれども、それはそれとして各試験を迅速にやらせる、つまり結局、結果が出なければ試験をやっている意味がないというところがあるので、やはり体制整備と個々の試験の再開というものを、少しやはり分けて検討していく必要が今後あるのではないかなと私は思います。
○山口座長 貴重な意見をありがとうございました。
○藤原構成員 その辺を素直にここに書いておいてくれれば。後で記録で残るので、将来の人が見たときに訳が分からないので、書いておいていただければ助かるなと思います。
○山口座長 ほかにございませんか。先ほどの阪大の回答などを見ていても、相当時間がかかっているなという感じはしました。何回かに分けて逐次やっていかないと、すぐに決まるものでもありませんし、そもそも体制見直しって慣れるものでも何でもないし、あまりしょっちゅうやってスピーディにできるなんてことは自慢にもならないので、なかなか難しいのではないかなと思います。しっかりやってもらわないと駄目なことだと思います。よろしいでしょうか。それでは告示番号54の変更についてはお認めするということといたします。続いて、協力医療機関の追加について事務局よりお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 103ページ、資料5-1を御覧ください。大臣告示されている8つの技術について協力医療機関の追加がございました。105ページから114ページ、資料5-2です。こちらの内容について、事務局においていずれも先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件を満たしていることを確認いたしました。協力医療機関の追加として御了承いただきたく存じます。特に御意見がなければ、手続を進めさせていただきます。
○山口座長 では次に、先進医療技術の実績報告等について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 115ページ、資料6-1を御覧ください。先日1月11日の第61回先進医療会議において、平成29年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告がなされたので御報告いたします。お手元の資料を御覧ください。こちらの詳細は割愛させていただきますが、このように先進医療技術数や患者数、費用、過去5年間の実績や各技術ごとの実績も報告されました。こちらを御参照いただければと存じます。以上、御報告です。
○山口座長 次に、先進医療技術の科学的評価等についてです。事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 129ページ、資料6-2を御覧ください。こちらも平成30年度の診療報酬改定に向けて、同じく1月11日の第61回先進医療会議にて検討が行われましたので、御報告いたします。先進医療Bに関するもののみ御説明いたしますが、今回検討対象となったのは、この129ページにある告示番号35番の内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術、告示番号62番の切除支援のための気管支鏡下肺マーキング法の2件です。
 もう1件ありまして、146ページからを御覧ください。現在、先進医療Bでは表にございます対象疾患について、陽子線治療及び重粒子線治療が実施されております。148ページの1)の4を御覧ください。先進医療Bで実施されている疾患としては、限局性及び局所進行性前立腺がんについて、このように粒子線治療の有効性と安全性がIMRTと比較して上回ることは示されていないものの、同等性については示されており、前述のシステムレビューに基づいて一定の科学的根拠を有すると判断してはどうかと評価されております。こちらは報告事項です。以上です。
○山口座長 よろしいでしょうか、何かコメントなり御質問はございますか。それでは、報告を承ったとします。
 本日の議題は以上です。構成員の皆様、全体を通して御意見や御質問はございませんか。
○柴田構成員 先ほど先進医療の実施状況に関する御報告を頂きましたが、それについて「既に取下げになったけれども、まだ総括報告書が提出されていない医療技術」のリストは、やはり併せて提示しないといけないのではないかと思います。今回、パクリタキセルに関しては横並びで書いてあったので、総括報告書が出ていない案件も総括報告書を求めるルールになる以前の申請のものであったので、出ていなくても許容できるということがはっきり分かるようになっています。ですが、まずどれが報告されていないのかとか、そういうものが分からない状況だと、やりっ放しになってしまう危険性もあるので、そういうものは定期的に出していただくほうがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 承知いたしました。昨年に1度お出しさせていただいておりますので、また続報を出させていただきたいと思います。
○山口座長 よろしくお願いいたします。ほかにございませんか。
○石川構成員 133ページの「科学的根拠等に係る評価」ということで、B-35の内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術のことです。これは1月11日の先進医療会議では、ほとんど全ての構成員の先生から、いろいろな形で付加的な意見が述べられたと思います。
 ところが、これは事実確認をお願いしたいのですが、風のうわさによると医技評の所、中医協の所ではほとんど議論がなく承認されたということを聞くのです。きちんと先進医療会議でのいろいろな意見は反映されたのでしょうか。
○保険局医療課専門官 1月15日に開催された医療技術評価分科会に対して、先進医療会議からの資料を提出させていただき、その際に先進医療会議において先生方から頂いた御意見等はお伝えさせていただきました。
 具体的な意見としては、「十分な科学的根拠を有するという評価ではあったのですが、腹腔鏡下手術と比較して安全性について優れるという結果が得られたのみで、その他の有効性についての評価では、まだ優越性は示されていない」、「本試験ではHistorical Controlを比較対象とした試験デザインであること、症例数が多い限られた施設でのみ実施された結果であること等で、結果の解析には注意が必要ではないか」といった御意見も頂いております。
 また、「内視鏡手術用支援ロボットを用いると、初期投資費用、消耗品費用等は腹腔鏡下手術よりも多く必要であること」、「保険適用される医薬品医療機器については、安定供給がなされることが必要である。古い型の内視鏡手術用支援ロボットについては、消耗品の供給や保守点検サービスがなされなくなる可能性があることに留意する必要があるのではないか」といった御意見等を頂いておりました。
 それについては医療技術評価分科会の場で、当課の課長補佐より現在の日本国内での台数、安定供給義務等についても御報告させていただいたところです。
 医療技術評価分科会においては、当該医療技術については本年の診療報酬改定において対応すべき優先度が高い技術であるということを御評価いただき、昨日の中医協総会で、そのご評価についてはご承認いただいたところです。
 保険適用の確定、また具体的な診療報酬の設定等については、今後の中医協総会で議論されるものと理解しております。
○山口座長 今のが要点だったと思います。ほかにございませんか。
○関原構成員 話が戻るのですが、先ほどの重粒子線の費用のことで310万円とありました。資料をよく見たら、届出書に費用の内訳が全て書いてありますが、こういうのを付けると医療機関によって減価償却費や人件費が相当違うということがはっきりする。そうすると、いろいろな施設でやるときに原価が全部違うのになぜ値段が全部同じなのだというところの説明が難しくなるのかなと。つまり、放医研が10年前に入れた機械の値段をベースに計算をされたのが今の値段だということなので、それで大丈夫なのかなということを、同意書の中に「説明をする」という文言が入っているだけに気になりました。
○医政局研究開発振興課長 確かに御懸念の点はあるかと思いますが、最終的に保険に導入される際は、基本的には1つの値段になると思います。
○関原構成員 いや、保険の話ではなくて、先進医療として本人に求めるお金が、こういう理由ですという説明を。
○医政局研究開発振興課長 個人の費用負担の部分については、その内訳はどういうものかというのは、ある程度お尋ねする必要があると思っておりますので、それで資料が付いているものだと思います。
 それで、放医研で出されたものが最初の先進医療実施届出書となっておりまして、その後に協力機関が入ってきたときに、それと全く違う、10倍以上の値段のものも認めるかというと、それはどうなのかという話にはなると思いますが、そのような形で私どもは資料の用意もさせていただいていますし、内訳のお尋ねはさせていただいておりまして、今までも「これは自己負担はどうなのか」という御質問に対して、その内訳というものはお尋ねしてきたという経緯もあります。
○掛江構成員 私の理解が間違っていたら訂正していただきたいのですが、御質問されている点が、施設ごとに医療費のばらつきがあるのに、費用対効果をこの1つのプロトコールで評価しようとすることに御懸念をお持ちなのかなと思ったのですが。そうだとすれば、施設ごとに費用対効果の評価はできると思いますし、その結果、最終的に適切な費用対効果の価格帯を御検討いただけるのかなと、私はそのようにこのプロトコールを読ませていただきました。御懸念はその辺りではないのでしょうか。
○関原構成員 それは1つありますが、もう1つは、これをほかの施設で出すときに、コストは違うのに310数万円ということで提示するという御説明だったので、それは資料と言っていることが違うではないかということにならないかなということを懸念したわけです。
○山口座長 現実の問題としては、そんなに大きな差はないのですよね。
○関原構成員 いや、この計算式に当てはめれば、すごく違いが出るはずなのです。
○医政局研究開発振興課長 それは重粒子線に限らず、新しいものと古いものとか、値段の差がいろいろと出てくる部分はあると思いますが、この試験に参加すること自身に関しては、協力医療機関の判断になりますので。
○山本構成員 これは重粒子線装置だから、おっしゃっているように減価償却費を含めてものすごく動くのですが、こういう巨大な照射装置以外は、大体はもともと製品の定価があるので、そんなには動かないと思います。例えばカテーテルを買うにしても、da Vinciにしてもda Vinciの値段はほぼ決まっているので、施設によってものすごく値段の差があるということはないので、多分こういう完全オーダーメイドで、しかも数百億円かかるような機械についてのみ、こういう状況が起こるのだと思うのです。そこに、関原構成員がお気付きになられたのだと思うのです。
 ただ、減価償却費をただそのまま一症例に乗せるのではなくて、しかもこの症例だけしかこの施設でやるわけでもなくて、恐らくほかのがん種に対しても自己診療などでいろいろとやっているのだと思うので、各施設ごとに減価償却費を何人で割るかというように。
○関原構成員 結局、その何人がここに出ているように、放医研は歴史があり、立地も良いから年間8,000何百人となっているわけです。だから、設備が高くても、その部分の1人当たりは低くなるということなのだけれども、新しい施設にしたら設備費はもちろん安いけれども、患者が少なく、設備は放医研程回転しないからその分は高くなるということで、値段が相当違うと私は思うので、それを同じ試験を皆さんに提供するときに、大体同じ値段でやるということについての説明が付きにくいかなというのを。
○山本構成員 多分、同じ値段でやるという説明にはならないと思います。というのは、説明文書は各施設が作ってくるので、値段のところは各施設の値段に置き換えて書きます。この説明書でほかの施設にも説明するわけではないので、例えば500万円の所は500万円かかるといって説明文書に書くはずです。それはそうなのですが、試験に参加しようと思う患者が、この施設は幾ら、この施設は幾らという料金表の比較をできるかどうかというところについては、それをどこかでするのかという話にはなってくるかなと思います。
○関原構成員 先ほどの議論で、そんなに差ができないと理解したのです。山口座長もその質問をされて、要するにAでは500万円、Bでは300万円とならないだろうと。計算上はなりますから。
○山本構成員 なると思います。1,000万円と300万円にはならないと思いますよ。
○柴田構成員 1,000万円と300万円にはならないけれども、通常ほかの先進医療でも、多施設共同臨床試験でやっているものに関しては、当然施設によって少しずつずれているのです。少しずつずれているのですが先ほど山本構成員がおっしゃったように、IC文書にはその額が書かれます。それが普段は少しずつなのであまり問題になっていないけれども、今回は御指摘があったということですよね。
○山口座長 実態として今まで先進医療をやってきた中で、施設間でどのぐらいのばらつきがあるかというデータはあるのでしょうか。
○医政局研究開発振興課長 そのようなデータは取っていない状況ですし、実際問題いろいろなパターンがあります。同じような手技だったり、同じような機器を用いてということになりますので、ばらつきとしては、特に何倍ということはあまりないと認識しております。
○山本構成員 計算するところは最初に申請医療機関が切り出してきて、それでOKになったら、それでほかの施設も計算してもらっているので、普通の場合はほぼ定価のあるものばかりですから、変わるところは各施設の人件費のかけ方、あるいはMRIの1回分を研究費の中に入れるか入れないかぐらいのことしか変わらないので、大きく変わるということはないのです。
 ただ、今回については関原構成員のおっしゃるように、数百億円のものの減価償却費はどのぐらいかということですから、恐らく100万円単位で変わってくる可能性は十分にあるだろうと思うのですが、そこは受け付けている事務局で、ある程度すり合わせいただくようにしていただかないといけないのではないでしょうか。
○石川構成員 値段の違いがあるのであったら、これは国のやる仕事なので、きちんとそういう違いがあるということを明記なりしたほうがいいと思います。
○医政局研究開発振興課長 これは同意説明文書の所に対してはきちんと書かれておりますので、そういう意味では明記されております。
○石川構成員 施設によって違うということは明記されているのですか。
○保険局医療課専門官 先進医療会議に出す資料は費用を書かせていただいていますが、申請施設の典型的な症例に対して実施する費用をお示ししており、参考値であること、施設によって若干の誤差があることは明記してあります。
○山口座長 例えば症例数が少ない所は、症例数で割ってしまうとべらぼうな値段になってしまいますし、「うちはこれだけかかるのだ」と言われたら、ノーとは言えないですよね。これは保険でカバーされたりしているので、どれぐらいかかるか分からないというのは保険会社も困るのではないでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 現実問題として、これまでは各協力医療機関が新たに追加される際に、こういった高額な試験においても、先進医療に係る費用が申請医療機関と大きく変わることはほとんどありませんでした。今後とも均てん的なアクセスという意味でも、そのように促したいと思っております。
○山口座長 今、幾つか懸念が出たので、そこを明確に議論いただきたいと思います。
○医政局研究開発振興課長 ただ、懸念の方向性というのは、どの視点での方向性なのかを教えていただければと思います。医療機関ごとに差があることに対し、それが患者の視点から見たときに、そこをはっきり明示しろという話なのか、医療機関の積上げのところに関して、それぞれの機関の購入の年代等によって違うので、それをしっかりと入れた計算式として出せということなのか。私どもとしては、そこの部分については基本的にここは技術審査部会ということで、プロトコール等をしっかり審査していくという所ですので、自己負担分に関してある程度明示する必要があるということがありますから、そういう形で掲示させていただいておりますが、どういう視点で最終的に検討が求められているのかについて、正直に申しまして分かりませんでしたので、そこを教えていただければと思います。
○石川構成員 これは科学的なところを判断すると言っても医療としてやっているわけだから、公平性は一定は担保しなければいけないわけです。A施設でやったらこれだけ、B施設でやったらこれだけといって、普段はそんなに差がないのだけれども、大きな差があるものだけについては、きちんとそのことは明示するべきです。差がありますよ、これはどうしてもしようがないことですよだとか、それはそうやって納得してもらうしかないと思うのです。そのことを言いなさいということです。
○医政局研究開発振興課長 関原構成員の問題意識と違ったような気がしたのですが、そうであれば、しっかりとそういう形での違うものがあるのであれば、それはお出しするとか、追加医療機関のときの話に入れさせていただくという方向性で検討すればいいということでよろしいですか。
○山口座長 ちょっと、その実態が掴めていないですよね。例えば5%違うのか、10%違うのか、50%違うのか、それがどういう割合であるのかということはいかがでしょう。
○医政局研究開発振興課長 今までの全ての試験に関してでしょうか。
○山口座長 いや、この重粒子線です。そこが、これぐらいなら問題ないということが分かればいいわけですから。
○医政局研究開発振興課長 関原構成員の問題意識としてはいかがでしょうか。
○関原構成員 300何万円というのは、自己負担としては非常に大きいわけです。このような先進医療というのはそうないわけです。だから、そのときになぜ300何万円なのかを尋ねたら、書いてあるとおりの根拠だと説明できるわけです。ところが、Bという別の機関に行けば、同じように言われたら、違う説明をせざるを得ないということです。Bという所でも同じ値段でしたといったら、事実とは違うことを言わざるを得ないわけです。
○山本構成員 値段が違うということはもう仕方がないことなので、施設ごとにかかっている原価も違います。それを明示するとしたら、分かりやすいのは厚労省の先進医療Bの一覧を出して費用を書いている所に、費用の幅ぐらいを書いていただくような形にすると、このぐらい違うということは分かるかもしれません。普通のものはそこまでは言っていないと思いますし、書くほどの幅ではないと思うのですが、あまりに大きかったら、費用の幅を書いていただくのがいいのかもしれません。一般に明示しようと思うと、そういう手段になるのかなと思います。
○関原構成員 私がなぜ言うかというと、あえて同意書の中に診療費用の調査をすると書いて、医療費については、重粒子線の開始から最後まで明細を全部求めて調査する予定だと書いてあるものだから、そうすると先進医療部分についての値段が314万円か何かというのが、どういう理由かという内訳が患者も必要なのだろうし、そうすると施設ごとに違ってくるのではないかということを懸念したわけです。
 ところが、保険医療の部分だけが3年間で幾らかかるというのを含めて、この重粒子線を使った治療のトータルは幾らだということを保険医療の部分にするには分かるのだけれども、一番根っこになっている部分の明細が分からないというのだと、これを読んだ患者のほうは理解が難しい。
○山本構成員 医療経済の観点から言うと、幾つか値段が違う所がやったとして、ある程度コストとしてペイするのは、一体どのぐらいの値段なのかということを考えることになるのではないかと思うのです。
 ですから、例えば幾ら内容が良くても、患者数がそれほど集まらないセンターでこれをやる意味はないとか、そういうことも含めて、保険収載がいつになるか知りませんが、そのときには考えることになるのではないでしょうか。逆に言うと、初期費用はものすごくかかりますし、減価償却費がものすごくかかることは分かっているので、今回は積上げ式で、それぞれの施設がお金を決めますが、恐らく保険に入れるというときには、このぐらいの値段でなければペイしないということが出てくると思うので、そのときにはそれから考えると、症例数が幾ら以下だったら、そういう所に置く意味はないという経営的な考え方になっていくのではないかと思いました。
○関原構成員 もう既になっているのでもおかしくないのですが、現にできていますから。それはいいのですが、とにかく、少なくともここで患者に対して、300万円は自己負担だというからには、その内訳がなぜそんなにかかるのですかといったときに説明が求められるだろうから、そのときに非常に厄介な問題だと思ったものです。ここに「費用の調査をする」ということが書いていなければ分かからないのだけれども。
○山口座長 今までは、トップリーダーが申請してくるわけですよね。ですから、コストも比較的安くなっているのだけれども、今後、例えばそうではなくて大都市圏ではない所にこういうものを作ると、コストはべらぼうにかかります。そこが申請してきて、ほかの所もそれに倣えとやられると、これもまたまずいですよね。
○医政局研究開発振興課長 技術審査部会でまずいか、上の先進医療会議でまずいか、そこはどちらなのか分かりませんが。
○山口座長 もちろんここで決めるマターではないのだけれども、話題としてどうなのかということです。そういうことは今まで幸いにしてないから。せめて、今まではこういうことで大丈夫でしたとか、べらぼうな値段を付けてきた所はないということが分かればいいのではないかと思います。
○柴田構成員 実務上は、申請書を出す段階で研発課の方が算定式の立て方及び実際に出てきた額をチェックされていて、多施設共同試験で複数の施設から申請を出すときには、差があったら指摘をされているのです。実際に大きな差があったら、計算は間違っていないかとか、いろいろとチェックされているので、基本的に現状で行われているものに関するばらつきは、見ていただいて許容範囲であろうという中での話であったのだけれども、今回このようなものが出てくると、今後同じようなやり方で見ていくときに、次の2個目の医療機関が出てきたときに、多分そこの前さばきのところの申請書を受理するかどうかのチェックのところでの判断が、今までのルールあるいは今までの手続では吸収できない部分が出てくるであろうから、そこのところを検討するべきではないかというように先生方から御意見が出ているということだと思います。
○山口座長 そういうことです。
○医政局研究開発振興課専門官 ありがとうございます。医療課とともに検討させていただきます。
○山口座長 ほかにございませんか。
○藤原構成員 次回の先進医療会議で聞いてもいいのですが、先ほど石川構成員がおっしゃっていたことです。前回聞いた中で、da Vinciの製造業者はバージョンが変わると消耗品の供給をやめていたので、そういうことに対しては今後どうされるのかというのは、次回の先進医療会議でも企業の見解をお聞きしたいというのを医療課にお願いしたいと思います。
 もう一点は、126ページの告示番号69のヒトIL-11製剤を用いた心筋保護療法です。このIL-11が海外で承認されていたものが、ファイザーが試験薬を製造中止にしたし、アメリカ、カナダ、EU、オーストラリアのいずれもIL-11の販売をやめたのでどうしましょうかと、大阪市大の先生が研発課に相談に行ったところ、GMPレベルで国内で製造したものを臨床試験では使ってくださいとお答えされているところまでは、臨床試験の継続という意味では理解できるのですが、先進医療というのは出口が保険医療への導入なので、製造販売業者が試験薬を作っていない状況で、この試験を終わっても誰も製造販売承認を国内でできないので、そのときは困るだろうと思うので、一応市大には早く製造販売業者を決めてください、探してくださいというアドバイスをしてあげたほうがいいと思います。
○山口座長 今の2つの点についていかがですか。
○医政局研究開発振興課専門官 その点については相談を受けておりまして、頑張って探していただいているところではあるのですが、非常に難行しているということで、正直に申しまして手を尽くしたものの、とても申請者は困っていまして、このままでは立ち行かないので取下げもという希望も出ております。慎重にご検討いただいて、その結果をまた御報告させていただきたいと思います。
○保険局医療課専門官 先ほどの藤原構成員の1点目の御質問については、医療技術評価分科会ではお答えさせていただいたのですが、本日は正確な御回答ができませんので、次回の先進医療会議でお答えさせていただければと思います。
○山口座長 ほかにございませんか。貴重な御意見をありがとうございました。次回の日程を事務局からお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 次回は2月15日(木)の16時から18時を予定しております。場所については、別途御連絡させていただきます。また、本日の議事録については作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後に公開させていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。
○山口座長 それでは、第67回先進医療技術審査部会を終了いたします。どうもありがとうございました。

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