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2018年3月9日 第5回科学的裏付けに基づく介護に係る検討会議事録

老健局老人保健課

○日時 平成30年3月9日(金)10:00~12:00

○場所 TKP東京駅八重洲カンファレンスセンター ホール7C
 


○議題 中間取りまとめ(案)について


○議事

○井口課長補佐 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第5回「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」を開会いたします。
皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
初めに、構成員の出席状況でございますけれども、本日は海老原構成員、近藤構成員、真田構成員、白石構成員、鈴木構成員、松田構成員から御欠席の連絡をいただいております。
また、本日よりオブザーバーとして、厚生労働省データヘルス改革推進本部、松本純夫顧問に出席いただいております。
それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、報道関係者の皆様、よろしくお願いいたします。
なお、検討会終了後、12時めどでこの会場において記者ブリーフィングの機会を設けておりますので、御希望の報道関係者の方は引き続きよろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○井口課長補佐 それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。
資料は、資料1が1枚紙でついておりまして、その後、別紙1としまして25ページの資料がついてございます。その後、別紙2として1枚紙、横の資料がついております。
次に、資料2として1枚紙、裏表の資料がございます。
資料3として横置きのポンチ絵がございます。
参考資料は、議題1に関係するものが参考資料1-1から1-4までございます。
そのほかに、机上に別紙1の別表1及び別表2をお配りしております。
また、資料番号は振っておりませんが、利光構成員から資料を御提出いただいております。
お手元に不足の資料がございましたら、事務局までお申しつけください。
それでは、議事に入らせていただきます。これから先は鳥羽座長に議事進行をお願い申し上げます。
○鳥羽座長 皆さん、おはようございます。年度末のお忙しいところありがとうございます。
この後、事務局から資料1に沿って説明がございますが、構成員の方におかれましては、必ずしも全部に出席されている方ではありませんので、簡単に私の頭の中できょうの議事内容を整理いたしますと、今まで介護のエビデンス分野について、特に重点領域を決めてやっていくということで、栄養、リハビリテーション、認知症、口腔機能、QOLといったことを、構成員の方から資料を出していただいて、どのような項目が重点かを議論してきたところであります。また、このような項目の中で、現在使用できる電子化されたデータといたしまして、リハビリテーションや介護系の電子カルテのデータといったものの内容、その項目、それらを踏まえまして今後どういう形で構成していったらいいかということを議論いただいたところであります。
本日は、このようなことを踏まえまして、事務局案といたしまして一定の項目案の原案を提示させていただくとともに、これらの案が多過ぎないか、あるいは足りない部分があるかといったことを時間をかけて議論していただいて、成案を得たいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、事務局のほうから資料1に沿って説明をお願いいたします。
○井口課長補佐 再び事務局でございます。
資料1をごらんください。資料1が「介護分野における今後のエビデンスの蓄積に向けて収集すべき情報について(議論のとりまとめ)(案)」でございます。
「1.はじめに」としまして、今まで科学的裏付けに基づく介護に係る検討会、特に第2回、第3回、第4回において、介護分野における今後のエビデンス蓄積のために介護現場等からどのような情報を収集すればいいのかというものについて、御検討いただいておりました。
介護領域には介護保険総合データベースでありますとか、VISITでありますとか、そういった既存のデータベースがございますけれども、それらで収集されていないものを補完的に収集することによって、介護領域におけるエビデンス構築により資すると考えられております。この既存のデータベースを補完するデータベースを「CHASE」と名づけまして、その具体的な内容を検討していただいてきたところでございます。この紙はその検討の経緯及び成果を取りまとめたものであるというこの紙の位置づけを1ポツで書いてございます。
2ポツにつきましてはこれまでの検討の経緯で、第2回、第3回、第4回の議題を列挙してございます。
3ポツといたしましてCHASEの仕様案について。今回議論の取りまとめとして初期の仕様案について取りまとめをいただくところでございますが、CHASEの仕様案に対する基本方針について、(1)として挙げております。この中でデータベースを用いた研究の利便性や正確性を考慮しますと、CHASEに求められる情報というのは必然的に幅広くなってまいります。一方で、介護現場の業務負担の軽減が喫緊の課題とされている現状に鑑みますと、データ収集の負担というのは極力少なくすることが求められております。
これらのことから、まず対象となる事業所の大部分で既に電子的に取得されている情報、また、一定程度の事業所で既に電子的に取得されており、その方法が簡便であって、ほかの事業所でも容易に導入を実施できると思われるものを格納することを原則とした初期仕様をまず策定しまして、その後、当該の初期仕様をバージョンアップしていくということにしてございます。
では、初期仕様の具体的な策定方法について、どういったデータソースを考えているのかというものを、おめくりいただきまして、(2)にお示ししております。全部で4つ、マル1からマル4のデータソースを挙げてございます。まず、マル1ですけれども、これまで第2回、第3回、第4回の開催において構成員の先生方から御提案いただいた項目がございました。これについて改めて研究利用の重要性というものをレーティングしていただいております。また、挙げていただいた項目について、別途事務局のほうで電子介護記録のベンダーにヒアリングを行いまして、そのヒアリングの結果を取りまとめております。この研究利用の重要性とデータ利用の可能性の2点をクロスしまして、一定の基準を超えたものを収集してはどうかと考えております。それがマル1でございます。
具体的に申し上げますと、参考資料1をごらんください。参考資料1が、今、マル1として申し上げました各項目について、どういった形で絞り込んでいったのかを示す資料でございます。1枚目「研究利用の重要性について」という部分でございますが、これまで構成員の先生方から合計で243項目を御提案いただいておりました。それについて、改めて御提案いただいた構成員の先生にお願いいたしまして、特に重要と考える項目を二重丸、重要と考える項目を丸、重要性が比較的それほど高くないと思われる項目を三角という形で再度評価していただきました。その結果、二重丸とされたものが40項目、丸とされたものが15項目ございました。
2ページ目でございます。一方で、構成員の先生方から御提示いただいた項目について、各電子介護記録のベンダーにヒアリングを行いました。その中でマル1、マル2、マル3として、1つ目は入力の可否、2つ目は入力の形式、3つ目は実際の入力状況の3点をヒアリングしております。マル1の入力の可否については、各ベンダーの製品の中で既に電子的に入力が可能な状態になっているものを丸、現在は入力できないけれども現行のシステムの中で入力対象に追加することが可能と想定されるものを三角、現在は入力できず、入力対象に追加することも困難とされるものをバツということでヒアリングを行っております。
また、入力形式について、もし入力されるとしたらどういった形式になるのかというものをヒアリングしております。大体5つぐらいの分類に分かれるかと思っております。1つ目が所定のコードを選択する方法、選択肢を入力するものでございます。2つ目が数値のみを入力する方法でございます。3つ目がフリーテキストを入力する方法。4つ目が画像データとして取り込む方法。5つ目がその他の方法ということで、ヒアリングを行っております。
また、実際の入力状況として、各ベンダーの製品をお使いのユーザーさんを見回したときに、おおむね90%以上で入力されている場合を1、50%以上90%未満で入力されているものを2、10%以上50%未満で入力されているものを3、10%未満または全く入力されていないものを4、記録状況が不明なものを5という形でベンダーさんにヒアリングを行っております。
3ページ目は、先ほどのマル1とマル2をクロスしたものでございます。既に入力可能と御回答いただいたベンダーの割合を0%、10%以上、50%以上、100%というものに分類しております。
また、入力形式は、所定のコードを選択するもの、もしくは数値のみを入力するもの。これは研究上扱いやすいと考えられますので、そういった御回答があったものが100%、50%以上、10%以上、0%というもので分類いたしまして、両方とも100%だったものを二重丸。星取表になりますが、どちらかが50%以上だったものを丸、そして三角とバツという形でつけてございます。
4ページ目に行っていただきまして、今のクロス表でつけたものをデータの利用可能性として見たときに、データの利用可能性が二重丸からバツまで4段階で評価される。一方、先ほど1ページ目でごらんいただきましたように、研究利用の重要性についても二重丸と丸とその他という形で分けたときに、さらに項目でクロスをかけますと、両方とも二重丸だったものが3項目、研究利用の重要性が二重丸で、データ利用の可能性が丸だったものが10項目、両方丸だったものが1項目という形で、こちらの星取表にあるような分布になりました。
今回初期仕様に含めたものでございますが、赤枠で囲みましたどちらとも丸以上の14項目については、今回初期仕様として含んでおります。
また、研究利用の重要性が丸以上で、データ利用の可能性が三角だったものについては、どういった形式で入力されているのかというものを参考にしながら、初期仕様に含めるか、含めないかというものを判断してございます。
その結果といたしまして、本体資料の別紙1をごらんください。一番右のカラムに「初期仕様に含める理由」と書いたものがございます。この中でマル1となっているものが、先ほど申し上げました各構成員の先生方から御提案いただいた項目について、研究利用の重要性とデータ利用の可能性というところから判断して、その理由で初期仕様に含めようとなったものについてはマル1という記載がございます。上から見ていきますと、「身長」と「体重」というところにはマル1と入っておりますので、これは各構成員の先生から御提案いただいた項目で研究利用の重要性、データ利用の可能性が比較的高いということで含まれたというものでございます。
なお、マル1のところに1-1-1でありますとか、1-1-3でありますとか、そういった番号が振ってございますが、これは参考資料1の5ページ以降に、今まで先生方から御提案いただいた項目についてそれぞれコードを振って記載しておりますけれども、どの御提案に基づくものなのかというものとひもづけしてございます。1-1-1に「身長」とございますので、1-1-1が別紙1のほうにも入っているということでございます。
本体資料の資料1の2ページにお戻りください。今、上から2行目の(2)のマル1の御説明が終わったところでございます。
次にマル2でございます。4つあるソースのうちの2番目でございます。こちらは、主に介護支援専門員の方によるアセスメントデータを、比較的電子的に入力されている場合が多いということで、どういった形で集めるかというものを書いてございます。アセスメントデータについては、アセスメントの方式が幾つか様式があるというところが一つ課題となってございました。今回につきましては、比較的シェアが高い方式によるものを収集するとともに、これまで改定検証研究において、異なるアセスメント方式によってとられたデータでも相互に比較できるように換算するという試みが行われておりますので、それらを相互に比較できるようにアセスメントデータを共通のフォーマットに変換したものも格納することといたしました。具体的な内容は別紙1の15ページにございます。15ページから20ページまでが初期仕様に含める理由としてマル2と入るものが続いてございます。
次に、4つあるデータソースのうち3番目でございます。マル3といたしまして、介護報酬の加算等の算定において様式が求められるという場合がございます。例えば栄養マネジメント加算でありますとか口腔機能維持加算というものについては様式が求められますが、その様式というのは、各介護記録ベンダーさんのところで電子化されている割合が高いというところに注目してございます。こちらは入力はされているのですが、実際にそれについて集めて分析するということは少なくとも全国レベルでは行われておりませんでしたので、それらのうち分析しやすいと思われる項目について収集することとしてございます。
再び別紙1の1ページをごらんください。こちらの「初期仕様に含める理由」のところにマル3と入った項目が多く並んでいるかと存じますけれども、マル3というものは、それぞれ栄養マネジメント加算の中でとられている項目ですので、栄養マネジメント加算でとっている項目と連動しているということになっております。
4つあるデータソース、最後の4番目でございます。利用者に対するサービスの提供内容のうち、リハビリテーション以外の内容については、訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について、通常老計10号と言われるものでございますが、これに身体介護、生活援助のコード分類に基づいて、訪問介護事業所における電子記録から収集することといたしております。つまり、訪問介護においてどういったことをされているのかというものがコード分類できるようになってございますので、それを収集してはどうかということでございます。
具体的な内容は、別紙1の24ページにございます。24ページの「健康チェック」から「買い物・薬の受け取り」までそれぞれ訪問介護で行われるものの分類が並んでございますが、これらのコードに基づいて電子的に収集されている事業所さんから収集してはどうかと考えてございます。
これらの4つのデータソースから項目を抽出いたしまして、(1)の方針に基づいて、(2)の方法によって策定したCHASEの初期仕様案というものが、今、先生方がごらんいただきました別紙1に示されたものでございます。
なお、データソース、マル1からマル4がございますが、それぞれ何項目あるのか。別紙1には全体で265項目並んでおりますけれども、マル1とついているものが何%なのか、マル2とついているものが何%なのかといったものについては、机上に配付してございます別紙1の別表1にそれぞれ記載してございます。
これによりまして、例えばマル1でもあり、マル3であると。先生方からも御提案いただきましたし、加算の様式にも入っているというものでダブルカウントされているものがございますので、これらを全部足すと100%にはならないのですが、合計で265項目となっております。
「4.今後の課題について」でございます。今回初期仕様案ということで、別紙1、案を取りまとめてございますけれども、現時点では収集が困難であるものの、将来的に収集が有意義である、研究上の重要性が高いものについて、検討会の構成員の先生から御提案いただいたデータ項目のうち、将来的に技術革新等によって収集が容易となれば収集すべきと思われる項目を別紙2に示してございます。
別紙1が25ページございますが、その次の別紙2、横置きの表でございます。「食事相談」から始まって「高度障害」まで続いている別紙2までが、現時点では収集が困難であるけれども、将来的には例えば技術革新であるとか、評価の高度化が行われるなどによってとれるようになってくれば研究上の重要性も高いと思われるものですので、今後、例えば仕様案の更新について検討していく際に候補になるものかと考えております。
最後に、これはこの後の議題3でも御議論いただきますけれども、CHASEを含めた介護分野のデータベースの活用に係る事項等、科学的裏付けに基づく介護を推進していく上で引き続き検討が必要な項目については、本検討会で来年度以降検討を行っていくものとしてございます。
説明が長くなりましたが、資料1及び別紙1については以上でございます。
○鳥羽座長 ありがとうございます。
個別の項目に対していろいろ御意見があると思うのですが、その前に、全般的に今までの議論の中で項目数とか項目の性質の分類などについて御意見ございますでしょうか。私のほうでは、このような項目の中に状態像のチェックの項目と介入という項目とフォローアップしてアウトカムの評価に生かす項目が分かれているのですが、それらがそういう目で十分分類されていませんので、そういう視点も加味してこの項目数とか初期の項目内容について御意見を御自由にいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
まず、なるべく現場の負担を重くしないために簡略化した項目、電子化されたということですが、それを目指していただいたというのですけれども、特にこの点から始めたらいいかなと思うのですが、いかがでしょうか。オブザーバーの方々は何か御意見ございますか。瀬戸オブザーバー、どうぞ。
○瀬戸オブザーバー 老施協の瀬戸です。
基本的にベンダーからとりやすいものというふうに出ていますが、多分特養などでは正式なデータはないですけれども、アセスメントはデータを入れていて、それからケアプランへの連動はしているのですが、そこから先のモニタリングと記録までを1つのソフトでやっているところが半分くらいしかないのではないかと思うのです。そういうところだと、結局、アセスメントは入るけれども、介入もアウトカムも入れられないというのが出てくるので、そういうところをどうするのかというのが、これを見たときに一番感じたところですが、それはいかがでしょうか。
○鳥羽座長 事務局、今後の日程も含めて、この分類と利用の方法、どうでしょうか。
○井口課長補佐 ありがとうございます。
まず、今回の仕様に関する基本方針についてで述べてございますように、基本的には各事業者で既に電子化されている情報というものを入れてございます。大部分で電子化されているということは、当然電子化されていない事業所もあるということですので、そこについて例えば無理に記入をお願いしたりということではなくて、まずは電子化されてはいるのだけれども収集できていないものを収集するというところからのスタートかなと思っております。
収集した上で、例えばそれを分析したときに、どうしてもその先でこういったデータが必要なのだけれども現時点ではとれていない、当然ながら電子化もされていないというものについては、この後で例えば研究上の重要性であるとか、入力の可能性であるとかいうことを踏まえて引き続き御議論いただくものかなと思っております。
○鳥羽座長 どうぞ。
○瀬戸オブザーバー では、そのときはもう一回それを入力してくれということで、現場に手間が出てくるという認識でよろしいのでしょうか。
○鳥羽座長 きょうの後半の議論だと思いましたけれども、結局、介護の科学化の中で一番大切なことは、御利用されている方が心と体の自立がよくなるかどうかという1点なわけです。その点でフォローアップ項目を、できればきょうの中で二重丸をしていただいて、非常に少数項目を絞っていただき、それは絶対にある一定の介入の後にチェックしなければいけないねというものを議論の中で決めていっていただきたいというのを最後に考えていたのですが、どうでしょうか。
○瀬戸オブザーバー それはよくわかります。目的は同じですので。ただ、全体で265項目は多いなというのはすごく印象的に思っております。
○鳥羽座長 ほかはどうでしょうか。秋下構成員、どうぞ。
○秋下構成員 今のお話ともちょっと関係あるのですけれども、そもそも、データは後ろ向きにとる、横断的にとる、前向きにとる、さらに期間はどのぐらいというイメージはどういうふうに捉えておけばよろしいのでしたか。
○井口課長補佐 これについては、後ろ向きにとるとなりますと、今まで入っていたもの、これまでのものをコンバートしていただくというものも発生いたしますので、基本的には前向きにとることを考えてございます。
また、別紙1の別表のほうでも書いてございますが、どちらかというとマル3と書かれたものが多くございます。これは加算の様式がソースになっているものでして、当然ながらその加算が設定されていない事業所についてはございませんし、その加算が算定されていないところについてもそのデータがございませんので、あくまでその加算を算定されて、その様式を書いて、そのデータがあるところから御記入いただくということを考えてございます。
○秋下構成員 わかりました。そうすると、次年度、新しい介護報酬のもとに動くデータをとっていくということになるわけですね。
○井口課長補佐 はい。
○秋下構成員 了解しました。
期間的には1年ぐらいとか。
○井口課長補佐 こちらは2020年から本格稼働ということをお話ししてございますが、2020年から前向きにずっと取り続けていくということでございます。
○秋下構成員 了解しました。
○鳥羽座長 どうぞ。
○利光構成員 先ほどの瀬戸オブザーバーのお考えというのは非常に危惧される事項です。介護現場における実際の栄養に関するデータの取得方法やその状況について、日本栄養士会にて、1月10日から19日までの10日間、急遽、全国調査をいただきました。栄養に関することだけですが、資料を見ていただければと思います。本調査は、ベンダーではなくて、栄養士のみが取得しているデータという前提でもありません。介護員さんの場合もございますし、看護師さんの場合もございます。リハの方の場合もございます。
記録場所の有無。記録場所があるかないかということを問1のところに示しております。次に問3の記録方法のところを見ていただければと思います。先ほどもお話にございましたように、記録はしているけれども、記録方法が、エクセルであったり、紙媒体というのは非常に多くございます。また、記録方法のソフト利用ですが、ベンダー調査の対象が、介護ソフトであるならば、私どものような栄養とか、リハがもしかしたらと思うところはございますが、もともと使用しているコンピュータシステムが異なります。このベンダー調査が何れのシステムを対象とした調査なのか。私自身が理解していないことから、失礼ながら申し上げるのですが、現調査結果からデータをとるというのは非常に難しいのではないかと感じます。データを取得することで、労作過剰にならないようにという前提であることから、最小限のデータでくみ上げ、科学的に評価することができるのかというふうに考えき、調査をさせていただきました次第です。参考まで資料を提出させていただきました。よろしくお願いします。
○鳥羽座長 いかがでしょうか。現状ではとても多くてできないという御意見です。
葛西さん、どうぞ。
○葛西参与 私も実態として、結論から言うと、多分ベンダーヒアリングをしていることも事実なのだと思うのですけれども、本当にとれているのかなと。ホームとか事業所の方、20軒ぐらいに直接聞いてみたのですが、記録とかモニタリングに関しては、システムとは全く別で、紙で書いているというのがほとんどでございました。
ただ、これは初期仕様に入れるときに、ベンダーヒアリングということがどれほど正しいかどうかというのは、一応私も厚労省におりますので、そういう意味では一度確認をする必要があるなと思っております。
それとは別に重要なのが、私とちょっと見解が違うなと思ったところが1個あって、一つは、前向きか後ろかに関して言うと、今回の情報を集めているのは後ろ向き部分がたくさん入っている。もともと議論の中で、医療の情報と介護の情報と健康の情報とかを連結していって要因を分析しましょうというのであれば、これは後ろ向きの話でしかないと思うのです。前向きにとっていくというのは、一番遠くに行けばサンプリングに近くなってくるし、直近で言えばそれによって推定される、予測される要因を確定するだけなのでというと、このあたりは後ろ向きにも前向きにも使えるようにシステムの仕様を本部としては拡充をしていくというか、例えば究極電カルであるとか、医療とか健康とか、ほかのシステムとの連結というのはばっさり捨ててしまうのはまずいかなと思っております。
あと、縦断研究をやるかどうかということに関して言うと、もちろん研究レベルなのか、例えば現場のデータ利用を還元するのかで全く場面が違いますので、これは分けて考えたほうがいいかなと。そういう意味でいうと、縦断研究に資するものまで行けるかどうかというのは、ちょっとわからないというか、少なくとも横断研究で1回だけとって終わりというのはないなと思っているのです。というところは厚労省の中でもちゃんと整理をしないとまずいなということは思っております。
○鳥羽座長 その辺は事務局、どうでしょうか。重要な。
○井口課長補佐 確認をさせていただきたいのですが、秋下先生がおっしゃった前向き、後ろ向きという部分なのですけれども、前向きというのは、例えば2020年からとるとすると、2020年、2021年、2022年ととっていって、例えば1990年代のものとか2000年代のデータとか、それを追っかけていくものではないという御指摘でよろしいでしょうか。
○秋下構成員 そういう意味です。いわゆるレジストリーでいろいろやられているような、今はやりの方式だろうと思います。今回はとられているものを抽出されたということで考えると、もちろんバツになっているもの、三角になっているものも多いのですが、今までたまっているものを使えばある程度のものが出てくるので、そこを全部捨ててしまうのは、今、葛西顧問の話にもあったのですけれども、もったいないなという気がします。喫緊の課題ですので、余り待たないで、持っているものはさっさと分析してもいいのではないかなと思いながら聞いていたので、それで先ほどのような質問をしたわけです。
○井口課長補佐 ありがとうございます。
2020年からの本格稼働のときに、基本的には発生したものを入れていっていただくという形のほうが、今回仕様を明らかにしまして、その後、例えばデータベースの構築であるとか、データの試行運用というフェーズを経ますので、そうしますと、ベンダーのほうの御対応もしやすいだろうと思いますので、まずとりやすいものとしては、その都度発生したものを入れていっていただくという形になるかと思います。
当然ながら過去のデータというものもとれればそれにこしたことはないものですので、ばっさりと捨てるということではございませんけれども、優先順位として高くなっているのは前向きの部分ということでございます。
○秋下構成員 今の話の中で、ミックスしたようなデータになるのかなと思うのですが、イベントが発生して、それはアウトカムであったりすると。その人の昔の情報とか、途中でどういう介入がされたかということを見ていくのか、あるいは今ある段階で全部ばーっと登録しておいて、その人たちのイベントを次々と見ていくのか。この2つ、両方あるかなと思うのですけれども、両方やられるのですか。
○鈴木老人保健課長 今回はまずデータベースで何をとって、どういう形式で何をとっていくのかという問題でこれまでお話をさせていただきました。では、その中のデータをどういうふうに充実させていくのかというお話になると思いますが、それについて、担当のほうからは、少なくとも今回仕様が決まって、項目が決まって、入力のやり方も決まってくる。そうすると、とっていくデータ、これから入力するデータについては、いわゆる横並びできちんと見られるようなデータになってくるだろう。ただ、これまでの前のデータについて、同じような様式で判断基準で入れていただいているものであれば、今回新しいデータベースの中に追加はできますが、そこが違ってくると、また一つの手間がかかってくるでしょうと。そうすると、今度は入力される方々の手間もかかってくるということがありますので、過去について、協力していただけるのであれば、それにこしたことはないと思いますけれども、では、積極的にそこを入力していただきたいということまで我々が言うのかというと、そこは少し慎重になるべきだなと思っている。そういったところで、前向きのところをきちんととっていきましょうねというのが今回の趣旨だと思っております。
○秋下構成員 わかりました。
そうすると、登録される時点のデータとしてはばーっと入れて、その人たちを追跡するデータはとられると。その人が既に持っている、もう入力されているものは使うと。こういう考え方でよろしいのですね。
○鈴木老人保健課長 ベンダーの中で持っているデータの様式が違ったり、場所が違ったりとかで、ここに入れてもらうためにはコンバートシステムみたいなものをつくらなければいけないと思うのですが、同じシステムを使って過去のデータも使えるのであれば、昔のデータをそのままコンバートしていただいても結構だと思っております。
そういった意味で、現在持っている段階と持っている人たちが今後どういうふうに使っていくのか、そういったところにもよってくると思っておりますので、今のところはどういうデータ、前向きだけしかとりませんよとか、後ろ向きも絶対とりますよということは言えないと思いますし、できれば医療課はとりたいという趣旨でございます。
○鳥羽座長 では、どうぞ。
○葛西参与 ちゃんと厚労省の人間らしく説明をしておくと、ここの会議体の質が、まず介護を中心としたデータの取得をすることが目的になっております。なので、介護のデータに関して後ろのデータまで入力をさせるかということに関して言うと、それは強制できないなと。これは私どもも全員一致しておりまして、その負担までは要求する予定はないです。
ただ、私が言った後ろ向きは、私はデータヘルス本部におりますので、そういう意味でいうと、医療であるとか介護であるとか、そのほか民間の方とか、いろんな方が持っているデータを、今、課長がおっしゃられたようにコンバートして連結させて、分析をするというシステムづくりは、ここの会議体とは別の組織体でやっておりまして、その点においては使えるようになるということでございます。
CHASEにおいて全部それが賄えるかというと、これは私も同じ意見で、ここで後ろ向きの解析までは全然できないものでございます。なので、そこの誤解がないようにしておきたいなということ。
ちょっと私が気になったのは、厚生労働省としては後ろ向きの研究には全くコミットしないのですかと思われてしまうとまずいなと思っただけでございまして、それはもうちょっと全体的な命題によってパターンが違うなと。例えば医療であるとか健康の視点としては介護というのもあるでしょうしとなると、部門横断的な、全体的な大型のプラットフォームであるような感じになるということだけ申し添えておきたいと思います。
○秋下構成員 承知しました。
○鳥羽座長 どうぞ。
○三上構成員 日本作業療法士協会の三上です。
今、先行でやられているVISITの解析がなかなかこの場に資料として共有されない。今、検討されているところだと思うのです。VISITを補うためのCHASEというところから始まっていると認識しておりますので、今、VISITで先行してやられているものがどういった解析がされているかというところがわからないと、なかなかCHASEのイメージがつきにくいのではないのかなと思っております。今後の検討会は事業所、対象者への還元を検討されているVISITのことも念頭に置いて、CHASEでどう補完するかということかなと思っておりました。
以上です。
○鳥羽座長 その辺、どうですか。
○井口課長補佐 ありがとうございます。
今回CHASEについては、先生御指摘のとおり、VISITと介護保険総合データベースを補完するものとして位置づけております。
今回のデータソースの中でも、介護保険総合データベースでとっております要介護認定データとレセプトデータ、それからVISITでとっておりますリハビリテーションマネジメント加算の様式1から6のデータソースはこの中に入ってございません。VISITの様式1から6について今どういう解析をしているかという部分ですが、VISITが今年度からデータをとり始めたものでございますので、それについては、データが今、集まってきているものを見て、一番最初事業者さんなり利用者さんなりへのフィードバックをどういった形でするのかということは検討してございますが、そこからの先の分析については、むしろCHASEでどんなものが集まるのかというのを見ながら、それを組み合わせてどういう研究ができるのかというものを今後議論していただくものと考えております。
○鳥羽座長 折茂オブザーバー、どうぞ。
○折茂オブザーバー 全老健の折茂です。
話の腰を折ってしまうかもしれないのですけれども、僕は毎回言っているのですが、例えば医療の世界のこういうデータ解析というのは、数値がよくなればいいわけですよ。医療というのは、数値がよくなれば、正常に近くなればいいというのが当たり前で、介護の世界というのはそんなに簡単ではないですね。
これは、聞いていると、エビデンスをつくる、データを集めると言うけれども、一番重要なのは自立支援に資するエビデンス構築ということになって、自立支援に資するというのは、データがよくなる、よくならないというのは余り関係なくてですね。関係ないということはないのですが、データも必要なのでしょうけれども、どんな自立なのかという自立の方向性ということが見えてこないと、介護のエビデンス構築というのは、医療の世界のDPCとはかなり異なってくるのではないかというのを常々思っているのですが、その辺はただ集めるだけのデータになってしまうともったいないなという気がします。
○鳥羽座長 それはアウトカムの項目をしっかり議論して、それに資する評価項目を厳選しろということでよろしいですか。
○折茂オブザーバー そうですね。アウトカムも、例えばさまざまなアウトカムが。医療は発症する前の状態になればいいわけですけれども、介護の世界のアウトカムというのは、別に歩けなくてもいいし、寝たきりでもいいですし、その中で自己実現というか、そこをどうするかという、大変難しいところで、これは田宮先生の満足度などにもちょっとつながってくるのではないかと思うのですけれども。
○鳥羽座長 どうぞ。
○藤井構成員 今までの議論でわからなくなっているので、2点確認と、1点質問させていただきたいことがあります。先ほど瀬戸オブザーバーあるいは利光構成員の不安というか、御心配というのは、私もそのとおりだと思うのですが、考え方とすると、現状ではそのデータそのものがきちんと入っているかどうか、すぐ電子化できるかどうか。さらに言うと、これは私の現場感なので本当かどうかわかりませんが、きちんとデータをとっておられるところも多いのですが、データそのものが甚だとり方とか頻度とかが怪しいところがないわけではない。そういう状況で今、仮にデータをとっても信用できないと思うのですが、こういうものをとりますよと。しかも、簡便な形でコンバートできたりしますということで、20年以降とりますということになれば、そこに向けて準備ができるので、今とったりとか、過去にさかのぼったデータというのは甚だ怪しいと思うのです。それが本当に信用できるかどうか、あるいはデータが十分補足できているとかから始まると思うのです。
ただ、20年に向けてそういうことを厚労省としてやっていかれると。しかも現場に手間はないということで、20年以降にでき上がることによって、介護・福祉の現場で言うと、そこに向けて現場も取り組みやすいという理解をしているのですが、したがって、後ろ向きという話は、介護のデータに関して言うと、やられるとしてもかなり限定的に考えられたほうがいいと思っているのですが、1点、それの確認です。
質問したいのは、2020年以降とられるということで、ずっととっていくということだと思うのですが、ずっととっていくデータをつなげられるというのは、ビッグデータの世界だからできるようになったことだと思うのですが、これは今後のことだと思うのですけれども、どれぐらいの頻度を想定されているかということをお聞きしたいというのが質問です。まず、それをよろしいですか。
○井口課長補佐 ありがとうございます。
1点目の後ろ向きでとった場合のデータの質の部分については、先ほど課長からも申し上げましたとおり、前向きのデータのところにプライオリティーを置いている理由の一つもそこにございます。
今後初期仕様が出てくることによって、では、そういったもののデータの入力の標準化、データの入力の質について上げていくことが望まれますし、それについて厚生労働省としても取り組んでいくというのは、先生御指摘のとおりでございます。
また、データをとる頻度の部分でございますけれども、先ほど座長からも少しいただきましたが、頻度を高くとって意味があるものと、それほど高くとっても意味がないものとございます。例えば頻度を高くとるべき項目というのは、さらにこの中から絞り込んでいただいて、それについてはこのぐらいというものを今後考えていく必要があるかなと思っております。ここにあるもの全てを例えば毎月とってくださいというものではございません。
○藤井構成員 わかりました。
確認ですけれども、今ほど折茂オブザーバーがおっしゃられたこと、それから座長がアウトカム等の整理がないという部分、私もそのとおりだと思うのですが、事務局の整理から言うと、(2)のマル2というものがケアマネジャーのアセスメントデータをコンバートしていくという方針かと思いますので、基本的にはこのアセスメントというのはかなり自立の状況をあらわしていると。ただし、折茂先生のおっしゃったような自己実現であるとか、田宮先生がこの間おっしゃった満足度というものをどのように計測していくかというのも、今、ほかのものに比べれば科学的に検討余地がある部分ですけれども、そういったものも考えていかないといけないという部分は残っているにせよ、一つはマル2が使えるのではないかということでよろしいか。まず確認をお願いします。
○井口課長補佐 御指摘のとおりです。
○藤井構成員 そのときに、今後前向きにデータをとっていくというところで、今のデータが大丈夫だろうかという私の心配から言いますと、施設の場合は、多職種で24時間見ておられて、多職種アセスメントというものをされている。したがって、そこのデータというのはかなり信頼性が高いものだということは前提として言えるのではないかと思うのですが、在宅の場合、月に1回だけ訪問されるケアマネジャーがどれだけ十分に連携されていて、ほかの密接にかかわっている事業者から情報を得ているかというのが、現状では残念ながら施設に比べると甚だ不十分ではないか。
したがって、在宅でのアセスメントというものをきちんと維持していくということは、精度にもかかわるといいましょうか、在宅におけるケアマネジメントにもかかわることだと思いますので、そこが担保されないと、在宅のデータは心配で使えないという部分があるのではないかと思います。つまり、今、事業所が入れられるデータというのは基本的に信頼が置けるのだという前提で話が進んでいると思うのですが、在宅と施設では信頼できるかどうかというのが、データをとる状況とか、あるいは多職種でチームでやるのが前提なのと、ケアマネジャーの場合は、今の場合は介護福祉士からケアマネジャーをとられる方がかなりの割合でございますから、その違いのあたりをどうされるかという質問について。
○井口課長補佐 ありがとうございます。
まさに先生御指摘のとおりで、なかなかお答えしづらいところがございますけれども、基本的にはデータはデータとして、御研究いただくときに、当然その精度について前提として置くものはありますし、それの解釈というものもございますので、例えば在宅の患者さんのアセスメントデータを使ってCHASEのデータを用いて研究をしていただくといったときに、そこのデータクオリティーについて一定の制限があるというところは前提として置いていただいた上での研究になるという御意見かなと思っております。
データを使う研究は多かれ少なかれそういったところがございますので、精度を上げていく努力というのはもちろん必要かと思いますが、今回在宅の部分のアセスメントが入っていることで、それを使ってデータのクオリティーをある程度一定の前提を置いた上での御研究というのもあり得るものかなとは思っております。
○藤井構成員 在宅の場合には既にあるVISITであるとか、あるいは訪問看護ステーションからの入力であるとか、そういったものとどう連携するかという視点も持っていただいたほうがいいかなと思います。
以上です。
○鳥羽座長 瀬戸オブザーバー。
○瀬戸オブザーバー 今、藤井先生とのやりとりの最初のほうで、項目によって頻度を変えていくというふうにお答えがありましたけれども、それは現場にとっては、「え、この項目は毎月とらなければいけないの」というふうになってくるので、ちゃんとしたタイミングと頻度を定期的にやっていただかないと、現場はかなり混乱するかなと思います。
○鳥羽座長 では、福井構成員、どうぞ。
○福井構成員 別紙1が2020年からとっていくという内容で、別紙2が今後とる方向で考えていくという御説明だったと思うのですが、今までの御議論を伺って、別紙1はテーブル名というところで、総合的なとるべき項目、総合タイトルがついているかと思うのですけれども、それを見ていくと、栄養、リハビリというのが身体機能で、認知症が認知機能となっていくのだろうと思うのですけれども、そうすると、それが各論と位置づいてくるのではないかと見ておりまして、先ほど来御議論されている自立支援とか自己実現、また別紙2の下から6個目の「本人の思い」というあたりが価値観などにつながっていくのかなと思うと、そこが俯瞰図というか、枠組みで、最終的に総合的に目指すところで、別紙1の各テーブル名というのが次の下位項目に当たるような位置づけになってという、合意ができる俯瞰図、枠組みというものを提示していただけるといいのかなと思いながら伺いました。
○鳥羽座長 まとめがちょっと不完全だというふうに確かに思いますが、今、福井構成員が整理されているように、総合機能評価の中でそのようなものはもう既に主要なもの5項目で大体まとめられるとは思うのです。留意すべきは、先ほどからの議論で、医療機関でやっている連携のための総合機能評価でもCGA7という、我々の開発した7項目で評価して、介護のほうにもお渡ししているわけですから、265項目が本当にエビデンスベースドで、これが有効性があるもので抽出されているかということについては、過去の研究を見てもとても多過ぎるのではないか、おなかがいっぱいになってできないのではないかというのが私の素直な感想です。本当は数十項目に絞り込まなければいけないと思っております。
その辺の提案について、どうでしょうか。265項目が電子化されているからといって、介護現場で2020年から入れることが可能ですか。
○瀬戸オブザーバー 僕は、先ほども265は多いと言いましたけれども、かなり厳しいと思います。
○鳥羽座長 フィージビリティーを考えないものは、このような委員会で議論しても実現しないのです。不評で撤回されるだけなので。私が責任をとればいいということで、簡単ですけれども、まずできるところからやって、徐々に項目をふやしていくというのが現実的であろうと思います。ただ、その場合には先生方に絶対にこれは必要だというものを厳選していただかなければいけない。チェック項目でも厳選する、アウトカムでも厳選して、2020年までに検証して減らすものは減らす、ふやすものはふやすということ。まだ2年もあるわけですから、その議論にぜひ移ってほしいと思う。どうぞ。
○利光構成員 藤井構成員がおっしゃられた内容に少し加味をさせていただくのですが、今回のデータは栄養アセスメント計画より抽出するという前提がございますが、介護保険の報酬を算定するにあたり、管理栄養士が施設に在籍しているという前提のアセスメント算出方法でございます。各論に入ってしまって申しわけないのですが、この項目は、実際に管理栄養士がいないところでは、これらの項目をすべて取るには難しいものがあります。
1つ例を出しますと、別紙1の一番下から2行目と3行目に「必要栄養量」という書き方があります。皆さんにとっては必要栄養量とその患者さんに提供されている食事栄養量はイコールという認識のもとに考えられると思うのですが、管理栄養士がいない施設では、必要な食事栄養量が提供されていないことがあります。つまり、必要栄養量に対する食事摂取率を見ても正確な栄養摂取量になりません。在宅で必要栄養量からパーセンテージで求めても、食事量自体が分からないのですから、その数字は何の意味もなさないものになるかと思います。
施設を対象にデータをとる調査をするということに関して問題があるという話ではございません。ただし、武田構成員がおっしゃられるように、居宅、在宅までつなげる想定の項目とするならば、これらの項目をそのままイコールに使用するというのは、データの正確性、信憑性にも影響を及ぼすものではないかと思います。
今回のデータの入力調査をさせていただいたのは、いかにデータ項目を少なくしてもそれを対応できるか。もう一つは、誰でもとれるという前提がございます。そのことも含めて御検討いただければと思いまして発言させていただきました。
以上です。
○鳥羽座長 いかがでしょうか。どうぞ。
○村松地域情報分析支援専門官 事務局でございます。
今、利光先生の御指摘いただいた事項は、必要栄養量というものに上の摂取量を掛け合わせてもきちんとした真の摂取量が出ないのではないかという御指摘でよろしいでしょうか。
○利光構成員 そうです。施設に管理栄養士がいますと、必要栄養量に対して、必ず提供するということをあわせた形での御提供になるのですが、実際に高齢者の場合ですと、食事がとりにくいから、私は残したらもったいないから少なくしてということが日常的にあります。また、介護員さんから、残すので半分量で提供してほしいということも、私が関係している施設は往々にしてございます。という現状からも、出されている必要量が1,000kcalなのに、500kcalしか提供されていない、その50%の摂取量ということになるわけです。ですから、必要栄養量を基準として摂取率を乗じて栄養摂取量を判断することになることから危惧をいたしております。
○村松地域情報分析支援専門官 ありがとうございます。
そうしますと、別紙2の今後の課題のほうに実際に提供された量というものを追加するというところでいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
○利光構成員 施設とかで提供しているものがわかるところはその方法がとれるかと思います。
もう一つは、そうではなくて、提供している量がわからないところは、また違う方法をとらなければならないのですが、ここでこの方法がという結論は控えさせていただきます。
○鳥羽座長 どうぞ。
○井口課長補佐 事務局のほうで265項目という御説明を唐突にお出ししてしまいましたので、少し補足説明させていただきますと、これは全ての事業所において265項目全部入れていただくことを想定しているものではございません。当然ながら、利光先生がおっしゃるとおり、管理栄養士さんがいらっしゃるところ、いらっしゃらないところ、それからそもそもお食事を出していらっしゃらないとか、栄養について把握しないのが普通の事業所などというのもございますので、そういったところについて全てこれを埋めていただくという趣旨ではございません。あくまで新たにできるデータベースの中でどういったデータを入れる箱を用意するのか。そこについて、こういういいデータを持っているのだけれども入れる場所がないということがないように設計したものが265項目でございます。
○鳥羽座長 項目数をあらかじめ多くしておいて、必須項目は後でもできるようにするという設計だそうです。それであれば非常にリーズナブルだと思うのですが、いかがでしょうか。どうぞ。
○鈴木老人保健課長 今、補佐が言ったとおりですが、今回はきちんと箱を用意しなければいけない。データベースを用意する。後で入力したいと思っても、その箱さえなければ入りませんので、まずそこをどうしましょうかという議論です。
それから、先生方が今おっしゃっているのは、では、実際入力するときに265やるのかという話ですが、それは1人に対して265全部とは思っていませんで、例えば今回の中では栄養マネジメント加算をとっている人であれば、その項目について管理栄養士さんがきちんと評価しているわけですから、そういうものは定期的に入れていただきましょう。栄養マネジメントをとっていないような通所ですとか訪問のところがあるのであれば、そこは入れませんねと。それだけの話なので、余り入力のことを考えて我々は考えているわけではなくて、後でも入力ができるように、いわゆる建物だけを考えたというのが265になっているというところで御理解していただければと思います。
○鳥羽座長 どうぞ。
○藤井構成員 議論が混乱するのが、マル1に関しては箱だけでなくて、重要度というものを勘案して35まで絞っていただいていて、ほかはそれがないといいますか、マル2は改定検証委員会のほうでずっとやっておられることで、私も入っていますので、ある程度重要なものが残ってきているという理解が、68はできるのですが、マル3、マル4に関しては、それは吟味していない。とりあえずこれは入れられるものであろうということになっていますし、特にマル4などは訪問介護以外は今後も入りようがないですし、本当に必要なのかどうなのかもクエスチョンなところもあると思うので、そういう意味では、35プラス68、100ぐらいの項目はほぼ必須にしてほしいのかなと。特に3に関しては吟味が必要なのかな、4はそもそも最初から訪問介護しか入れられないものかなと読んだのですけれども、そういう読み方で正しいのでしょうか。
○井口課長補佐 御指摘のとおりです。マル3は様式で求めておりますので、全く必要のないものを求めているとは事務局のほうから申し上げづらいところがございますけれども、マル3については、選択肢を選ぶものもしくは数値を選ぶもので様式に入っているものは全て入ってございます。
○鳥羽座長 ほかはいかがでしょうか。では、どうぞ。
○三上構成員 日本作業療法士協会の三上です。
別紙の2については、技術革新等を踏まえつつということが書いてあるのですが、別紙2の項目のほうが、今までの議論の中で言うと、例えば「交流、活動」であったり、「コミュニケーション」「本人の思い」だったり、ここを何とかデータをとるような仕組みを考えたほうがいいのではないかと思ってはいたのですけれども、別紙2も何とかとれる器、項目があったほうがいいのではないかと思って発言させていただきました。
以上です。
○鳥羽座長 ありがとうございます。
ほかに。葛西さん、どうぞ。
○葛西参与 くしくも似たような話でございまして、いろいろ聞いてきた過程の中、ずっと出ているのですけれども、これはちょっと民間風の発想ではあるのですが、先ほどアウトカムと言われていた部分です。アウトカムで何の研究、もしくは何のデータ利用を目的としてとっているのかが定まらないので、器が大きい、たくさん集めてくださいといっても、どういうふうによくなるのかわからぬと。科学的介護というのがどういう画期的なものになっていくのかというのが不透明というのはよくないなと思っておりますし、これを何とか早目に解決しないと誤解を招き続けるなとは思います。
もう一つが、アウトカムのときにちょっと似ているのが、データ利用で民間風と言ったのは、介護現場で我々が解決したい介護現場のニーズとかが抱き合わせで登録されないので、一方的にある種制度的にデータをとろうとしてしまうと、正しく入れなければいけないとか、追い込まれた感じになってしまう。でなくて、入力すると同時に、我々が解決したいニーズはこういうことですというところを同時に集めないと、これはフェアでないのではないかと思ったのです。
その中でいくと、自立ということの定義というのは、前にこの検討会でも出ていたと思うのですけれども、平成22年ぐらいのときは認知症が16%で、今はもう認知症が逆転しました、18%ですと。認知症と脳血管疾患が大体40%ぐらいで、これが自立の原因ですというのがよく言われるわけですが、その問題というのは医療的な視点で、逆に介護現場はそれをすっかり治そうとしているわけではなくて、それをいかにケアしようとしているか。
逆に言うと、私はキュアの部分も気になっているわけです。もしかすると、これから認知症も治せるという時代も来るかもしれない。データの研究の部分とデータの利用の部分で集める情報がちょっと違ってくるなというところで言うと、網羅性だけで言うと、今、言ったとおり、まさに自己実現とか評価というところが入っていないですから、網羅性ですとちょっと中途半端ですし、研究の場面で使うのか、データ利用で使うのかというと、データ利用のニーズのところを集める仕組みはどちらにしても必要ではないかなと相対的に思いました。
○鳥羽座長 どうぞ。
○田宮教授 今の御意見に近いのですけれども、整理の仕方として、まず何のためにこれをやって、それには何が必要か、そしてそれをどういう設定でやるのかという議論をしっかりして、アカデミックにはこういうデータベースがまず必要ということをやって、その次にフィージビリティーになっていくのかなと思うのですが、そこは現実には両方見ながら来ているのかなというところがあって、少し混在していて、整理が必要かなと思って伺っています。
これは科学的な介護、介護の質、どういう介護だったらこうなった。こうなったというのがどうなのかという議論がこれまで足りなかったということもあって、そこを整理したいのと、それであれば、アカデミックに今まで介護の質の論文とかが出ているので、ある程度これは議論されたのかもしれませんけれども、その場合は、サービスを提供する施設の要素というのも結構研究で出てきていますので参考になると思います。過去の文献というのは、ダイニングテーブルで御飯を食べているところは体重増加がいいとか、体重計があるところはいいとか、そういうレベルの話も出てきていますので、アカデミックにここまで入れようという議論をどこかでもうちょっと詰めて議論する必要はあるかと思います。そうすると、別紙2のことも非常に重要になってくるので、できればここまで入れたいよというところを決めて、その次に、それでフィージビリティーと見ていって、落としていくなり、どうしてもここは入れるなりというふうに少し意識して整理していく方向が必要かなと思いました。
○鳥羽座長 ありがとうございました。
別紙2が非常によく整理されているということで、ただ、別紙2の項目がアウトカムに全てなるのかというのは全部整理されていないのですが、ここの「研究利用の重要性」という言葉がよくないと思うのです。従来の研究から重要と考えられているものという意味と、今後の研究で証明されるべきものと。今後の研究で証明されるべきものは研究利用の重要性ですけれども、これだけ有識者の方がそろっていて、既存の研究についてのお話をいただいているので、従来の研究から特に重要と考えられる項目という意味もここに入っていると。それはよろしいのですね。
○井口課長補佐 そうですね。構成員の先生方に「研究利用の重要性」というところでつけていただいていますので、先生方がどう御解釈いただいたかということになりますが、座長おっしゃるとおり、過去の研究から見てこれは重要だというものもありますし、今、こういったものは余り研究が進んでいないのだけれども、介護というものの目的を考えたときに、これは非常に重要な価値を持つものであるという意味で二重丸をつけていただいているものも当然あるかと思います。
○鳥羽座長 そこは分けていかないといけないのかもしれませんね。どうぞ。
○福井構成員 資料1で先ほど三上構成員からVISITの中身が見えてこないという御発言があって、私の記憶だと、この検討会で今年度から通所訪問リハビリテーション100カ所程度のデータを集積していくというところを進められていると思うのですが、通所訪問リハ100カ所というところで、CHASEを考えるに当たりVISITが大事になるとなって、2020年始動となると、このVISITも少しほかの介護サービスでも例えば来年度やられていくというような計画があるのか、これで終わりなのかというのを教えていただければと。
○井口課長補佐 ありがとうございます。
VISITについてですけれども、リハビリテーションマネジメント加算の様式をもとにしてございますので、リハビリテーションマネジメント加算、今、設定されているのは、いわゆるリハビリテーションのサービスだけでございますので、そこから外に広げるということは、現時点では計画されておりません。ただ、100カ所の事業所の数というものについては今後拡大をしていくということを考えてございます。
○鳥羽座長 ほかにいかがでしょうか。
もう一つ抜け落ちた議論としては、有識者の先生方が来て重要な項目を出していただいたのですが、今回特に重要な栄養、リハビリテーション、認知症といったものを出していただいたのですが、介護の現場の領域としては重要な項目がもっとたくさんあるのです。今回4回しかやらなかったので、3つ、4つの項目しか出ていないのですが、これを皆さんにパブコメした場合に、いや、これも大切だというのはたくさん出てくると思うのですが、その総枠は幾つまで実際広げられるような仕組みになっているのですか。
○鈴木老人保健課長 いわゆる項目を幾つにするかというのは、まだシステム、箱物自体がつくられていないので、そういった意味では、極論から言うと、幾つでもできます。ただし、そのときに考えなければいけないのは、これまでの議論と一緒ですけれども、施設側、入力される方々の手間をどうするのかということと、そのデータのクオリティーを担保できるようなレベルで収集するのか、その2つをきちんと持っていないと、データベースたるものにはならないとなってくると思います。
ですので、今、別紙2のお話がずっとありましたが、少なくともこれまでお話しした別紙1については、その辺の入力の精度ですとか、入力の頻度ですとか、そういったものが現時点で入力するのに収集しやすいものということでまとめさせていただいていますが、別紙2につきましては、先生方おっしゃるとおり、研究の今後の重要性というのがありますけれども、これについては、今後どういう形でどういうふうに入力していただくのか、もしくはこれまでベンダーのほうでも入っていないようなものもありますので、そうすると、これをどういう判断、評価の軸を例えば何段階にするのかとか、そういったところをきちんと統一をさせていかないと、データベースの中に組み込むというのは非常に難しいので、それは来年度以降の課題だと思っています。
○鳥羽座長 ありがとうございます。
来年度以降の課題ということですが、別紙2で介護の現場で抜け落ちている重要な視点がないかどうかは今年度皆様方の目で見ていただいて、きょう最終的に確認しておきたいと思うのですが、どうでしょうか。どうぞ。
○八木構成員 今回収集できるものを集めて、それがすごく質の高いケアになるのかということだけとは限らないと思っております。実際別紙2にあります御本人さんの思いというところは、介護の現場では、例えばこちらの265項目のパソコンに興味がありますかとか、お茶、お花をしてみたいですとか、こういうことが本人の興味とか思いにつながるのではないかと思いがちではあるのですけれども、先ほど老健協のほうからも言われたように、依存しながら自立したい、ケアを受けながらでも自立したいということも。私たちがこれから自立支援ということを考えていく中で、勝手に自分でどうぞという自立支援とか、ADLが高くなったから自立しますというところではなくて、誰かに頼りながらでも、先ほど言ったように、寝たきりでもこういうことをしてみたいという思いを酌み取れるようなことをしていかないと、一歩間違えると非常に危険なデータセットになっていくのではないかなと危惧しております。
○鳥羽座長 状態像、適用のところの項目が軽いときの人と重い人が全部一緒に入っていることについて、どうやってとっていくかという課題というふうに受け取りました。
どうぞ。
○伊藤構成員 ずっとデータを入れる側の立場で考えようとしていて、そこから見たときに、今、八木先生がおっしゃっていたような、なかなか把握するのが難しいけれども、結構指標としては大事そうなことを一体どうやったら入力できるのだろうかということをすごく悩ましく思っていて、それは本当に技術的な解決を待たなければいけないのか、あるいは科学的介護の成果、エビデンスとして提案したいのだけれども、現場はそれをうまく表現できないということを拾って、いや、それは技術的にこうとれば指標化が可能ですよというのを重ねていかないと、ちょっとかみ合わないのではないかという気がします。ここの場で話し合われていることを現場の人に話しても、いまいちぴんとこないでしょうし、現場のリアリティーをこの場に持ってきても同様にぴんとこない。その間をつなぐような何かがないと、今後の質的な評価であるとか、本人の思いであるとか、そういったQOLの評価というものがなかなか科学的に解明されていかない、評価できないのかなということをまず1つ思いました。
そして、入力する側の活用を考えないと、非常に形式的に入力するようになるのではないかということも同時に懸念します。要求されるから、加算に必要だからちょっと数字を入れると。例えば食事量を書くといっても、50%か、60%摂取したのかといっても、目分量でやると思うのですよ。そうすると、面倒くさければ、きのうと同じだとか、確認しなかったから適当に書いてしまえということも起こり得るので、現場での実情に沿った入力のインターフェースとかとセットでないと正しいデータが集まらないのかなということをここまでお聞きしていて感じました。
以上です。
○鳥羽座長 いかがでしょうか。秋下構成員。
○秋下構成員 データを入れるのは大変だという話なのですが、別紙2にある項目というのは、評価方法自体がどうなのかという問題も結構あると思うのです。つまり、学術的には重要な項目なのだけれども、そもそも客観的にどう把握すべきなのか。睡眠時間といっても、寝た時間と起きた時間、例えば高齢者というのは早くにベッドに入っているけれども余り熟眠できていないということがあって、睡眠の質などはこれでは全く評価できないわけです。そういうところはほかの領域でもまだたくさんあって、定まっていないので、我々としてもどうしていいかわからない。これは今後の課題ではないかと思います。
入力の手間の話もありました。この検討会で今後検討していくべきことの中に、介護の質を高めるということが目的ではあると思いますし、その中には被介護者の思いということも入ってくると思いますが、もう一つは効率化ということではないかと思いますので、データの取得は効率的に行われないと、結局、このことによって、ただでさえ労務負担の大きな介護者のほうにさらに労務を強いるのかということになってしまいますので、今のところは最低限のものでとれているものをとっていくということでもいいと思います。
今後ICTとかAIとか、こういったものが入ってくるのだと思います。医療よりもむしろ介護現場に入ってくるのだと思いますので、そういうものを使って情報をとっていけるような、そこの余地をこの検討会の中に残しておいて、次につないでいく。考え方としてはそういうことで行ったらいいのかなというふうに、皆さんの意見をお聞きしていて思いましたが、いかがでしょうか。
○鳥羽座長 いかがでしょうか。どうぞ。
○田宮教授 今の御意見と本当に近くて、先ほどの私の発言の中でアカデミックなものをもっと考えてみたいに申し上げましたが、先生の中でもう既にかなり考えられて出されているということを新たに認識しました。理解が足らず済みませんでした。
なので、ここまで大きく出されて本当に網羅的なものができているので、今度は逆に最初のほうはフィージビリティースタディーをなるべくやって、現場でこれがどのぐらいできるのかというのもきちっと見ていく必要があるかなと思っています。
計画的にはパイロット的にやってみるというふうになっているのか。例えば今、ベンダーのヒアリングを聞いていても、結果の表に、今あるデータがあって、電算的になっているに○となっていても、それを実際どうコンバートしてこのデータにするのか。たとえば全部手入力でもう一回やらせるわけではないわけですよね。その辺とかを具体的に、現場がこれがどうやったらできるのかというのをパイロットで幾つかやってみて、それで現実的にどのぐらい絞るのがいいのかというのも両方感覚を持った上で2も入れていくとかの議論が必要かと思います。あと、おっしゃったように、将来的に、確かに睡眠などはモニターを見ていて、画面で動かない時間が何時間というのをITとかでできるようになっていくと思うので、そういうのをできれば入れていくとか、現実的なフィージビリティーと両方を意識して分けて具体的に進めていかれるのがいいかなと思いました。
○鳥羽座長 いかがでしょうか。どうぞ。
○折茂オブザーバー 重なるかもしれないのですけれども、データの入力というのは大変なのは大変なのですが、そのメリット感が現場になかなか伝わってこないのだと思うのです。例えばDPCだったらば、よその病院との治療効果を見て、競争になって治療の質を上げるというメリットがたくさんあるわけですが、これはデータを入力してどんなメリットがあるのですかというところをきちんと説明して、あ、そんなメリットがあるのだったらデータを入れましょうという話になってくるのだと思うのですけれども、そこの丁寧な説明がとても重要ではないかと思います。
○鳥羽座長 ありがとうございます。
少なくとも別紙2は、今回いただいた従来の研究から重要だと思われるようなリストですが、一部は今後の研究を待つところもあるといえ、8割以上の項目は、寝たきり予防や介護の中でこういうことは重要であるという、今までのエビデンス、旧来の厚生科学研究や諸外国の研究で集合されているものだと思います。これらのものは全て状態像悪化のものとして文献があるものがほとんどですので、少なくとも別紙2に関しては、我々がこの委員会で事務局と共同して、これらは最低限見ていかないと入所者あるいは家庭での介護者の介護の質を上げることにはならないよと。そういう簡単な冊子の説明をつくり、それを全介護従業者あるいは国民に向けて簡単に発信する必要があると思う。簡単な項目、別紙2が共有された上で、その細部はという話になっていくので、それは構成員の先生方もぜひ協力していただいて、今までこういうのを説明するいいのがあるよということであれば、それはつくっていく必要があると思うのですが、事務局、この点についてはどうですか。
○井口課長補佐 座長、確認でございますが、別紙2は、今まで挙がったものの中でベンダーヒアリング等からなかなかとれないものが出てきておりますので、どちらかというと歯抜けのものになっております。データの一まとまりのセットというよりも、歯抜けになっておりますので、座長御指摘の趣旨は、それというよりも、別紙2も別紙1も合わせて、もう少し絞り込んだような形のものということでよろしゅうございますか。
○鳥羽座長 いや、別紙2は、もちろんベンダーヒアリングもあるのですけれども、ベンダーヒアリングのもの自体が科学的に担保されたもので、それが有効であるかということは、まだ調査を待っているものもあるのでしょう。その項目設定は、科学的介護に資するものとしての研究が終了した上でベンダーの中の項目に落ちているのですか。
○鈴木老人保健課長 ベンダーヒアリングは、あくまでもシステム上の問題であって、研究の重要性の項目ですとかそういったものを加味していません。データベースがあって、それがきちんとデータベースとしてベンダーの中で入力できるのか、どういう形式でやっているのかというところだけを聞いています。
○鳥羽座長 ですから、リハビリの項目も栄養の項目も含めてざっくり大きく分けている。食事の中に栄養がもし入っているとするならば、栄養という項目でもいいのですけれども、そういう重要性の項目を説明する責任があるのではないか。今後項目を。そうでないと、協力が得られないのではないかという御発言が今あったので、確かにそれはそうですね。唐突にどういう項目がつけ加えられて、どういうベンダーのこういう項目を集めてでき上がったねというのではわかりにくいのではないかという意見だったのですが、事務局、それはどうですか。
○井口課長補佐 わかりました。そうしますと、別紙2にない、例えばベンダーでもう既に集めてあって、なおかつ重要な項目というものもございますので、それも含めて、こういったものは重要なのでということを御説明することによってデータを入力するメリットがわかってくる、そういったことでよろしいですか。
○鳥羽座長 そういうことです。すなわち、今までとられているものもカテゴリー化した、例えば下位項目ではなくて、例えばVISITの中の一番の目的が2項目に分類できるなら2項目、3項目に分類できるなら3項目にしてこの表に加えて、それで全体像を説明しないとわかりにくいですよということなのですね。言っている意味、わかりますか。
○井口課長補佐 恐らく初期仕様が決まった段階でデータセットができますので、それについて、先ほど先生方からも御指摘がありましたけれども、分類をした上で、体系立って御説明すると。そのときに体系の中で抜けているここのところについては、CHASEではなくてVISITのところでとれますとか、介護総合DBのこういったものが御参考になると思いますという形で項目を整理するということはできるかと思います。
○鳥羽座長 箱を整理する上で、委員の先生方もお気づきでしょうけれども、同じ項目で相当重複もあるのです。ですから、類型化するあるいはカテゴライズした形の全体像があって、それが現状マル1、マル4に分布しているというふうに一応整理はしていただいたのですが、1枚でわかって、介護の科学化のために今後何を調べていくかという整理の紙があり、その説明の紙が必要だというのは私も同意するのですが、皆さん、その点についてどうですか。どうぞ。
○折茂オブザーバー 例えばベンダーが集められているデータは単なるデータであって、そんなのはデータなのですよ。そんなのは集められるのです。ただ、介護の世界で難しかったのは、ベンダーがデータとして集められなかったということが介護のところでとても重要なので、ですから、そこのところをしっかり説明して、そうしたところのデータというか、別紙2のようなものがきちんと加味されないと、いい介護の評価としては分析もできないし、各施設がせっかく入力しても、単なるデータが返ってきただけだと何にもメリット感がない。
だから、ベンダーが数値化できていないから別紙2にしましたと。ここが一番重要になってくるのではないかなと。そういう意味で僕は発言させていただきました。
○鳥羽座長 どうぞ。
○藤井構成員 委員長がおっしゃったように、今回の整理というのは、そもそもの項目が出所が書かれているというか、こういう議論を経て得られた項目でございますという点では一度整理されたので、これは必要なことだと思うのですけれども、それぞれの項目がなぜ要るのか。もともとは委員長が冒頭におっしゃったように、状態像、介入、アウトカムという整理をしていたと思うのですが、あの整理があるかもしれませんし、なぜ必要なのかという整理を一旦やっていただくことになると思うのですが、そうすると、今、別紙2で問題になっていますマル1とかは、アカデミックに検証されたものを各委員が出された上で、重要度というものをチェックしてきたということなのですけれども、重要なのだけれども、指標の妥当性、信頼性というのはとても維持できないとか、例えば本人の思いなどというのは一番そうなのだろうと思いますが、それ以外にもいろいろあると思うのです。そういうもので今後研究してでも指標化したほうがいいのではないかという項目がありますと。それはそれで重要なのだけれども、指標の信頼性、妥当性というのはこれまでほとんどやられていないので、今回とるわけにはいかないでしょうという整理とか、データベースに格納するものにどのような考え方でイクスクルードしたのかというのも入れていただいたほうが一ついいのかなと。
そうすると、例えば先ほど来の議論で言いますと、IoTというものが進んだときに、例えば睡眠の何かというデータはすぐとれるでしょう、でも、今は無理ですというもので、睡眠のリズムとかそういったものは当然重要ですから、今は入らないけれども、IoTが進むとみたいな、しかし、今回イクスクルードしましたというような項目。
これは3番目ですけれども、後出しみたいになるのですが、そもそも福祉的な視点になりますけれども、コンファウンディング・ファクターなのか、プロモーターなのかわからないのですが、例えば御家族がいるかどうか、同居しているかどうか、御家族との関係がどうか、これらの要素によって、同じような介入をしたとしても、特に軽度者に関して言うと、例えば家族が何でもかんでもかわりにやってくださっているような場合であると、自立が高まらないということがあるのですけれども、今回例えば家族であるとか、性格といったような項目はとっていないわけです。私はとらなくてもいいと思っていたので何も言わなかったのですが、そういった項目が必要だよという方が出てくるのではないか。その場合、どういう論理で外したかというのが今後問われてくるのかなと。この中で議論している大前提がいろいろありまして、科学的でない指標はそもそも外してもしようがないのではないかという前提もあったと思います。
今、申し上げているのは、採用したものに関して、なぜ重要かという整理をいただくことと、採用しなかったもののうち、重要なのだけれどもこういう理由で採用できないのだという整理もしていただいたほうが、この中で理解できていたとして、これからいろんな方々に理解していただくためには重要かと思います。
○鳥羽座長 ほかにいかがでしょうか。
まず第一にきょう議論いただくのは、この原案の項目数、特に大きくここを減らせ、足せという議論はなかったので、細部について重複やその他のこともありますけれども、御意見をいただいて、とりあえず原案としてここがよろしければ、委員長一任としてよろしいでしょうか。
実はあるのです。MMSEは国際版権の問題があるので、長谷川式でなければだめですから、そういう個別項目については至急点検していただいて、専門領域ですぐ井口さんのほうにお寄せいただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○鳥羽座長 今、言ったCHASEを含めた初期データベースのあり方や説明については、きょういただいたことをしっかりと踏まえて、また対応させていただくということでよろしいでしょうか。
それでは、議題2の「介護領域にかかるデータベース構築の今後の方向性等について」、お願いいたします。
○井口課長補佐 再び事務局でございます。
資料2をごらんください。こちらは介護領域のデータベース、介護保険総合データベース、VISIT、そして今、議論いただきましたCHASEについて、これまで挙げられておりましたけれども、それぞれ現状と目指す姿、そして今後の取り組みというものを挙げてございます。
介護保険総合データベースについては、介護保険法の規定に基づいて、要介護認定情報やレセプトの情報を集めて個人情報を匿名化した上で、市町村から任意でデータ提出をしていただいているもので、平成25年から運用を開始してございます。平成29年の介護保険法の改正においてこのデータ提供というのは義務化されております。
介護保険総合データベースに保有する情報は、現行では行政のみが利用しておりまして、第三者提供を行った実績というのはございません。
また、介護保険総合データベースやNDBといった公的なデータベースが整備されて、情報が蓄積されておりますが、これらの連結はまだできておりません。そして、健康、医療、介護の各分野を通じた分析というのは困難であるという状況になってございます。
これについて、データベースをより有効活用するために、介護保険総合DBについては、NDBと同様に利用目的や公益性が高い場合には第三者への提供を可能とするという方向を目指してございます。また、VISIT及びCHASEと連結をして、個人の介護に関するさまざまな情報を用いて分析可能とし、科学的に自立支援等の効果が裏付けられたサービスを国民に提示できるようにしていきたいと思っております。各種データベースで保有する情報を連結いたしまして、個人の保健医療の履歴をビッグデータとして分析可能な環境を提供し、医療・介護の提供体制の研究等に活用するというものを目指しております。
今後の取り組みでございますが、国、保険者以外がデータベースを利用できる枠組み、第三者提供でございますけれども、介護保険部会でも指摘をいただいております。NDBの取り組みを参考に具体的な手続等を検討していくとしております。
また、VISITやCHASEとの連結については、医療領域のデータの連結と同様に、必要な制度的、技術的な対応を進めていくということでございます。
NDBとの連結についての見通しでございますが、30年度、31年度についてはサービス内容の具体化等に向けた検討を行いながら、並行して複数のデータベース化の連結、解析を行うシステムの構築を行ってまいります。そして、2020年度より各種データベースを連結、解析可能なシステムの本格稼働を目指しております。
おめくりいただきまして、VISITのデータでございますが、先ほども少し出ましたが、平成28年度からリハビリテーションマネジメントに係るデータを任意に収集しております。平成30年度の介護報酬改定におきまして、VISITへのデータ提出に係る評価というものが新設されて、加算上の評価がなされております。これについてもVISITにデータ提出をいただいた事業所に対して、全国から収集したデータに基づくフィードバックを行うということで、より効果的なリハビリテーションマネジメントを推進することを目指しております。
フィードバックの内容についてですけれども、老健事業の中で検討を行っておりまして、平成31年度中に実装を考えております。
今、御議論いただきましたCHASEでございますが、現状について再度申し上げませんが、客観的な情報が十分に収集できているとは言えないという問題意識のもとに、科学的分析に必要なデータを新たに収集するデータベースを構築することを目指しております。
今後の取り組みでございますけれども、30年度、今回座長一任をいただきましたが、中間取りまとめを行いまして、それを踏まえてデータベースの構築を平成30年度から開始いたします。31年度に試行運用を行いまして、平成32年度からの本格運用を目指しております。
以上、3つのデータベースについて、現状、目指すべき姿、今後の取り組みについて簡単に御報告を申し上げます。
○鳥羽座長 いかがでしょうか。
ざっとした工程表ですが、取りまとめの具体的な座長私案についての骨組みだけお話ししたいと思います。きょう議論いただいて、アセスメントと介入とアウトカムについては、それぞれこういうふうに役に立ちそうだというものをざっとエクセルでチェックいたしまして、皆さんに見ていただきたいと思います。
もう一つは、ここには在宅のごく軽いデイケア、通所、要介護2、3あるいは要介護4、5、全て入った満艦飾の評価になっていますが、それが軽いときに例えば趣味とか重要なものから、エンド・オブ・ライフケアのときにどういうものがというのをある程度ざっくりと分けて、軽いときと重いとき、これが役に立つよということも私の独断と偏見で分けて皆さんにお示ししたいと思います。
あとは、記憶にある限りで、これらは寝たきり予防、あるいは心の元気さに有効であろうということ、特にアカデミアの先生からのアンケートをもう一回参加している先生に思い出していただいて、それを集計した上で、根拠のあるもの、それから今後開発していくべきものに分けてある程度チェックもしておきたいと思います。それは構成員限りの資料になります。
もう一つは、秋下委員から出た今後のITやロボット、視覚という音声情報などで十分可能性のあるものについては、私は余り得意ではありませんので、葛西構成員の協力を得て、今後の技術革新につながるものについてのチェックもしていただき、内部構成員に限りこれをお配りして、それらを踏まえて最終的な説明資料、報告書にしていきたいと思うのですけれども、今言った取りまとめでよろしいでしょうか。秋下構成員。
○秋下構成員 基本的に異論はないですし、この前の議論なのでここに入れなくてもいいのかもしれませんが、ただ、これだけを読む人がいることを考えると、この作業を一体何のためにやっているのかということをきちんと書き込んでいただいたほうがよろしいのかなと。現場の方々がいらっしゃる中で失礼に聞こえるかもしれませんが、現状十分なエビデンスのない中で我々は介護をやっている、提供しているということで、それに係るエビデンス、科学的に検証されたものを今後しっかりと提供していく。先ほどちょっと言いましたけれども、その中には効率化ということもあると思いますので、そういう現状があって、未解明の部分を解明するためにこのデータベースが必要であるということ。鳥羽先生のことですからきちんと入れられると思いますが、一応議事録に残しておいていただくために発言させていただきました。
○鳥羽座長 あと、葛西構成員からありました医療と介護が分けられない、一体のものであるという概念の中でできる医療的なデータを利用することによって介護が科学化される部分が山ほどあるわけです。データの共通利用ということを含めた今後の介護の科学化だというのもスタートラインですから、そこは今回の介護データベースの原案をつくる中の前文、将来像には書くとしても、この枠組みづくりの中にはなかなか入れにくいのですが、その辺はどうしたらよろしいですか。
○葛西参与 今、省の事務方のほうから説明がありました、資料2の「目指すべき姿」のところに、健康、医療、介護のデータを連結するというものはつくる予定なのです。これはもう公になっている話ですし、公になってから1年以上たっていますので。そういったデータとの相互補完をして、ケア、キュア両面で、まさに自立の原因というのは、統計を見る限り、認知症であるとかリハビリというのがありますからというと、それは医療も介護分野も両方一丸となってやりますという話は入れても全然構わないと思うのです。
問題は、それをCHASEが担うと書くとちょっと誤解を招くというか、CHASEはあくまで介入を中心としたもので、データヘルス全体像を冒頭に入れていただくことは必要だと思いますし、それはもちろん事務方も皆さん、ちゃんと認識されていると思います。
今、備忘録的ではあるのですが、発言をしておきたいことがそれとは別に1点にあるのが、還元のところは何か入れておかないとまずいなと思ったのですね。還元というのは、先ほどDPCの還元の話をされていましたけれども、例えば、私は「ニーズの回収」と言ったりしていますが、介護現場の方々にとって何のメリットがあるのかというのは何らか補完して書かないと、一方的にデータを取得するというイメージが強くなってしまう。それはどこまで達成できるか、自分で自分につばを吐いているところがあるのですが、そういうコンテンツができるのか、実証事業ができるのか。お約束しているわけではないのですけれども、それはまた予算もかかるでしょうから。ただ、何らかの還元の仕組みを持たないとまずいであろうというような提言は入れておかないと、ちょっと。別にエクスキューズではないのですが、必要かなと思っています。
○鳥羽座長 その辺の話、事務局はいいですか。今の議論で特に大きな問題はないですか。
○井口課長補佐 特にございません。
○鳥羽座長 今回のCHASEの中にも「アルブミン」という項目が入っているのですね。これが例外的に1つだけ入っているのか、やはりどうしても外せないので入っているのか。定期的にとっていくとなると、医療行為の中なのでできないところもあるのではないかという細かい議論もあるのですが、介護の科学化の中でそういう必須項目は何とかして入れ込んでいきたい。初期のものも若干この中に入っていますので、全然ゼロというわけではないと。これもいいですね。
○井口課長補佐 はい。
○鳥羽座長 ほかにどうでしょうか。どうぞ。
○田宮教授 データの今後のお話を伺って、ちょっと確認なのですけれども、2020年までにはデータヘルスのほうでやっているいろんなデータを突合することが具体的に進んでいるという状況がある中で、このプリント、今の取り組みの2について、上記を補完する介入、状態像のデータというのがCHASEの位置づけと書いてあります。そうなりますと、全体が目指すべきゴールは、医療レセプト、介護レセプトとかがくっついた上で、足りない部分をCHASEがやるということをどの程度意識していいのかを確認させてください。今のアルブミンの話もそうですけれども、介護レセプトがくっつくと、いろんな介入の細かいことがもっとわかるわけですね。どのぐらいどのサービスを使ったとか。そうすることを含めて考えていいのか、とりあえずまだついていないので、そこも含めて考えるのか。今、大分含んでいる感じがするのですね。介護データとくっついたら要らないとか、認定調査とくっついたら要らないとか、その辺をどういうふうに考えていったらいいのかを教えていただけませんか。
○鳥羽座長 お願いいたします。
○鈴木老人保健課長 もともとは介護保険総合データベースにつきましては、今、認定のデータとレセのデータが出ていますが、認定のデータにつきましては、いわゆる認定調査のときのアセスメント票が出ておりまして、中で何をサービスされたとかというのは出ていません。レセプトのデータにつきましては、事業所のデータは出ますけれども、事業所の中で何が行われているかというデータはまるっきり入っていません。
ですので、今回事業所の中で何が行われているかというデータのために、一つはVISITの中で、リハビリテーション計画書の中でどういうリハがされているのか、どういう目的でされているのかということをリハ関係は調査します。もう一つ、リハだけではなくて、ケアの部分については今回CHASEのほうで把握するということになっていますので、基本的には今、話しました介護データベース、いわゆる認定のデータ、レセのデータ、VISIT、今回のCHASEというのはそれぞれ役割分担しておりますし、情報の細かさというところについても一定程度の峻別はさせていただいているというところになります。
最終的には今回VISIT、CHASEにつきましては、介護保険総合データベースのほうとリンクをさせるということになりますと、今度介護データベースのほうと医療データベースのほうがリンクをするということになれば、相対的にくっついてくるということになりますので、そういった中で大きなビッグデータができるということで今、考えております。
○鳥羽座長 ありがとうございました。
議題3、今後の課題は先ほどやっていただいたので、もういいのでしたか。
○井口課長補佐 一応、議題3として資料を御用意しておりますので、その御説明をこの後。
○鳥羽座長 では、お願いします。
○井口課長補佐 続きまして、資料3、横置きのポンチ絵でございます。4月以降、今回中間取りまとめをさせていただきましたCHASEの仕様について、例えばブラッシュアップであるとか、それについてフィードバックの方法であるとか、利用のものについての御議論はいただく前提で、ほかにどんな課題がまだ残っているのかというものを事務局のほうでブレーンストーミングしたものでございます。今回データベースの御議論を集中的にしていただきましたが、一方で、データベースができたことだけで科学的裏付けに基づく介護というものができていくというふうには考えてございません。第2回のときにもお示しいたしましたが、データベースを分析してわかるものはあくまで相関関係でございますので、それが例えば因果関係と言えるものなのかどうかといったものは、場合にはよっては実証研究が必要になってまいります。
また、得られてきた個々のエビデンスについて、まずはしっかり形にして共有していかないといけないと思っております。また、そうやって共有され、蓄積されたエビデンスについて、物によっては相反する結論のものもございますので、それらを踏まえて、まとめた形での総説が書かれることもあるでしょうし、ガイドライン化されることもあるだろうと思っております。そういった形でまとめられたものを介護の現場に周知、普及していくというものもございますし、それについてどう受けとめていただいて、どう実践していただくのかといった多段階のステップを踏むものだと考えております。
それぞれについてどういった資源が必要なのか、例えばどういった主体が行うのかとか、どういったインフラが必要なのかといった御議論はそれぞれあるかなと思っております。既存のインフラということもあるでしょうし、新たに用意しなければならないのかというものもあるかと存じます。
具体的な課題の例について幾つかお示ししております。例えばデータベースの分析といったときに、どういった研究者がされることを想定するのかとか、下から2番目で言いますと、介護現場でガイドライン化をしていくためには、当然ながらリサーチクエスチョンというものをつくらないといけませんので、それについてどういうふうにクエスチョンを立てて、ガイドライン化していく主体というのはどういったものなのかといった御議論もあるかと思っております。そういったものを含めて、4月以降御議論いただく機会を設けていきたいと考えてございます。
○鳥羽座長 ありがとうございました。
これに関して、アカデミアに投げられた課題ですが、武田先生、何か御意見ございますか。
○武田構成員 ありがとうございます。
非常にまとめられて、このとおりだと思います。特に意見はありません。
○鳥羽座長 秋下先生、お願いします。
○秋下構成員 このロードマップ、期間は入っていないのですけれども、これに期間が入るともっといいのでしょうけれども、流れとしては、こうあるべきという姿を示しているのかなと思います。
ありがとうございます。
○鳥羽座長 科学的介護の複数の学会でまとまって、このような形の検討会以外に議論を交わす場が、私が余り努力していないせいかしらないですが、よく知らないのですね。したがって、現存のアカデミアの、参加している先生方が委員会や学会の中で恒常的に議論していただくような場があれば、この検討会以外にもエビデンスや証拠を出し合ってということで、ガイドラインは相当先ですけれども、その辺が特に秋下先生や武田先生のような若手に求められている。きょう欠席している人たちにもお願いしたいと思うのですが、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○鳥羽座長 ありがとうございます。
それでは、大体時間になってきました。きょうは局長にも来ていただいております。最後に一言いただければと思います。
○濱谷老健局長 最後というか、まだ最後ではないのですが、建設的な御議論、ありがとうございました。きょう御議論いただいたことに尽きるのですけれども、科学的な重要性の見地と現場でのフィージビリティーということをあわせて考えて、当面の案として今回提示させていただきます。きょうの御議論を踏まえて座長と相談いたしまして、修正させていただきたいと思います。
見ていただいてわかりますとおり、二百何十項目とありますが、相当の項目が今、実際に加算をとるための要件となっている項目でありまして、その部分につきましては、電子化されているかどうかというところの部分はありますが、現場で入力されているはずのものなのです。VISITが先行してリハについてやっていますけれども、ほかの加算については、現場で入力しているにもかかわらず、国として収集していないという状況もあります。そういう意味では、介護DBも自動的に必ずやる項目について国で強制的に集めるという仕組みがありますけれども、ある面からすると、必ず現場で収集していただいた項目について、今回それを集めさせていただくという面があります。そうすると、具体的なものから言いますと、既にある加算については、そのデータを集めることによって、また入力の仕方とかも現場で考えていただけますし、そこで集めたマクロ解析を現場に返していただくと、自分の事業所の特徴とかデータのあり方とかも分析していただけるということが当面あると思います。
なおかつ、これはいつのどうとは申し上げられませんが、今、加算にいろんな要件がありますけれども、それについていろいろ分析した結果、これはこういう介入のほうがいいのだな、ここを重点的に評価しようと。具体的にそういうことも分析できますので、短期といたしましては、そういった各種加算の項目のあり方というのは割と短期に分析して、あり方を検討できるのではないか。
あと、ケアマネの話も出ました。天につばする話なので、今の現場がどうこうというところについてはコメントしづらいですが、そこで実際にやられているアセスメントについても変換して集中的に集めることによって、いろんなばらつきとかを我々も分析できると思います。そういう意味では、今、どうばらつきがあるかということもわかっていませんので、そういうことを分析する意味でも有用だと思っています。
これはかなり長いタームで、将来的にガイドラインができるなというイメージではなくて、短期的な報酬改定とかを含めて、できるものから実装、現場に反映させていくということを事務局としては考えていきたいと思っております。
○鳥羽座長 ありがとうございました。
まさに走りながら考えろ、コグニサイズをやれということですけれども。
では、最後、事務局、お願いいたします。
○井口課長補佐 御議論いただきまして、ありがとうございました。
中間取りまとめの案については、最初の案を作成して座長に御相談させていただきます。
本日はこれで検討会を閉会させていただきます。
どうもありがとうございました。

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