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2024年2月20日 第25回厚生科学審議会生活環境水道部会 議事録

健康・生活衛生局水道課

○日時

令和6年2月20日(火)15:30~17:30

 

○場所

ハイブリッド開催
 

○出席者

古米部会長 青木委員 浅見委員
安藤委員 伊藤委員 内山委員
大瀧委員 鍵委員 亀井委員
倉重委員 髙田委員 滝沢委員
林委員 阪東委員 藤野委員
古矢委員 堀口委員  


○議題

(1)水道の水質基準等の見直しについて
(2)水道行政の最近の動向等について
(3)建築物衛生行政の最近の動向等について
(4)その他
 

○議事


 
○草川課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第25回「厚生科学審議会生活環境水道部会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、御多忙の中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 議事に先立ちまして、鳥井大臣官房審議官より御挨拶を申し上げます。
 
○鳥井審議官 健康・生活衛生担当の大臣官房審議官の鳥井でございます。座って失礼させていただきます。
 開催に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。
 委員の皆様におかれましては、本日は御多忙のところ、お集まりいただき誠にありがとうございます。
 日頃より生活環境水道行政の推進に御理解、御支援を賜っておりますこと、この場を借りまして厚く御礼申し上げます。
 まず、議事に入ります前に、厚労省では昨年9月1日に組織再編を行いまして、これまで医薬・生活衛生局に置かれていた、生活衛生・食品・水道関係の課と事務は健康局に移管され、健康局が健康・生活衛生局となったところでございます。
 これに伴いまして、水道行政、建築物衛生行政は、健康・生活衛生局の所管ということになりました。
 一方、昨年成立した生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律に基づきまして、本年4月に、もう2か月を切っておりますけれども、水道整備・管理行政は、厚生労働省から国土交通省及び環境省に移管されることとなります。
 これに伴いまして、先日2月5日から行われました厚生科学審議会において、本部会は再編されることが決定されました。
 したがいまして、これに伴い、本部会もこのような形での開催は、本日で一区切りということになります。本日は、このことについても御報告をいたします。
 本日は、以上のほか、水道の水質基準等の見直し、水道行政の最近の動向等、それから建築物衛生行政の最近の動向等について議題といたしております。
 これまで同様、委員の皆様におかれましては、それぞれ御専門の見地から忌憚のない御意見を賜りますよう、何とぞよろしくお願いいたします。
 本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
 
○草川課長補佐 ありがとうございました。
 それでは、前回の部会以降、新たに本部会に御就任いただきました委員を御紹介いたします。
 まず、国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部部長の内山委員。
 全日本水道労働組合中央執行委員長の古矢委員でございます。
 本日の委員の出席状況でございますが、石原委員、脇田委員が御欠席でございます。
 古矢委員におかれては、次の用務のため16時45分目途で退席されるとお伺いしております。
 本日、浅見委員、伊藤委員、大瀧委員、亀井委員、倉重委員、滝沢委員、堀口委員におかれてはウェブにて御出席いただいております。
 円滑な進行のため、次の点をよろしくお願いいたします。
 発言される方以外はマイクをミュート設定にしてください。
 発言される場合は、挙手やチャット等でお知らせください。
 部会長から指名いたします。
 指名された方はミュート設定を解除して御発言ください。
 以上です。
 続いて資料の確認です。
 お手元のタブレットに資料1から資料4まで用意しております。そのほか、参考資料1と参考資料2となります。不足等ございましたら事務局までお知らせください。
 それでは、以降の議事進行は古米部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 
○古米部会長 それでは、早速ですけれども、議題に入らせていただきます。
 議題の(1)水道の水質基準等の改正方針案についてということで、事務局から資料1を用いて御説明をお願いしたいと思います。
 
○柳田管理官 水道水質管理官の柳田と申します。資料1について説明をさせていただきます。
 まず、資料1、水道の水質基準等の改正方針案ということでございまして、2点ございます。
 まず、1点目が「農薬類の目標値の見直しについて」ということでございます。まず、説明といたします背景説明といたしまして、資料1の参考1を御覧になっていただければと思います。
 趣旨でございますけれども、水質基準につきましては、平成15年の厚生科学審議会の答申の「水質基準の見直し等について」において、最新の科学的知見に従い、逐次改正方式により、見直しを行うこととされております。
 それで厚生労働省におきましては、水質基準逐次改正検討会を設置して検討を進めているところでございます。
 現在、農薬類につきましては、1ページ目の下のほうにある三角の真ん中の水質管理目標設定項目というところの農薬類という形で位置づけられているところでございます。
 2ページ目のほうになりますけれども、農薬類につきましては、水質基準に位置づけられている物質はなく、水質管理目標設定項目の1つとして農薬類が定められております。
 この評価方法は、それぞれの農薬について、検出値、これは濃度を目標値の濃度で割った値を計算して、それらを合算した値が1を超えないという総農薬方式を採用しております。
 それで、総農薬方針の対象となるのが、対象農薬リスト掲載農薬類ということで、115項目が定められているところでございます。
 2ページ目の下にありますとおり、食品健康影響評価を踏まえた評価値の見直しということで、内閣府の食品安全委員会において、食品健康影響評価の結果が示されております。
 それで、次のページの表2が、これまで水道部会で未検討のものということになります。
 これらのうち、ほとんどのものが、新しい評価値が現行の評価値と同じのわけですけれども、パラコートにつきましては、新しい評価値ということで、0.0045mg/kg体重/日という値が出てきて、現行のADIとは異なる値が出てきたということでございます。これを踏まえて見直しを行うというものでございます。
 この見直しにつきまして、目標値が現行の目標値0.005に対して、新しい目標値は、この新しいADIに、1日2リットル摂取、体重50kg、割り当てを10%として算出した0.01mg/Lということになりますが、これについてパブリックコメントを実施したところでございます。
 結果につきましては、4ページ以降に載っております。
 5ページ目に、主な御意見ということで、その考え方を示しております。
 やはり、今回、新しいADIが、これまでよりも大きな値になっているということで、目標値も緩和されるということになりましたので、反対の意見が幾つか出てきたところでございます。
 ただ、事務局といたしましては、今回の目標値の見直しにつきましては、内閣府食品安全委員会における最新の食品健康影響評価等に基づき、水道からの摂取量を考慮して実施するというものでございまして、健康影響、これは科学的知見に基づいて、客観的かつ中立公正に行われるものであるというものでございますので、新しいADIを用いて目標値を見直すことは妥当と考えているところでございます。
 ということで、すみません、資料1の1ページ目に戻っていただきますが、今申し上げましたとおり、パラコートにつきまして、新しい目標値0.01mg/Lと見直して、令和6年4月1日から適用したいと考えているところでございます。
 理由は、今申し上げたとおり、内閣府食品安全委員会により公表された食品健康影響評価の結果に基づき、水道水の目標値を計算したところ、現行の目標値と異なる結果が得られたためということでございます。
 次、もう一つの2番目が「鉛及びその化合物における滞留水法の省略について」ということで、これは、目標値とは異なるのですけれども、これにつきましては、資料1の参考2のほうを御覧になっていただければと思います。
 「はじめに」ということでございますが、まず、鉛及びその化合物の水質検査における採水方法につきましては、ここにある水道課長の通知がございます。「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等並びに水道水質管理における留意事項について」というのがございまして、その中で、水を毎分5リットルの流量で5分間流して捨てて、その後、管内で15分間滞留させて、先ほどと同じ流量で流しながら開栓直後から5リットル採取して、均一に混合してから必要量の検査用資料を採水容器に分取するという、これを滞留水法と呼んでおりますけれども、それにより採水して行うということで規定しているところでございます。
 これは、平成15年に水質基準の大きな見直しを行った際に、鉛については、当時の鉛管がかなりまだ残っておりましたので、鉛からの溶出ということも考慮して、このような形で滞留させてから測定するという方法を採用しているというものでございます。
 一方で、これができてから20年ぐらい経過しておりまして、かなり鉛管の更新も進んでいるところでございます。
 それで、令和4年度の厚労科学研究におきましては、浄水場の出口から採水地点までの流路に、鉛管が使用されていない地点が採水地点に選ばれているということが多いことや、全ての採水地点で一般的な重金属の採水とは別に、鉛や化合物の採水を行っているので、検査試料数が倍増するとか、いろいろ時間やコストが余計にかかるということもございます。
 やはりそれによって、作業者への負担や水質検査にかかる経費が増加しているといったことも示されたところでございます。
 この滞留水法は、鉛管や鉛及びその化合物が水道水に溶出することを想定して、通知に規定したものでございますので、浄水場の出口から採水地点までの流路に鉛管が使用されていないということが明らかな場合には、他の重金属と同様の採水方法でも問題は生じないものと考えているところでございます。
 このようなことから、滞留水法を省略するための条件を検討いたしまして整理いたしました。
 具体的な条件というのは、この2つの条件を満たす場合ということでございます。
 (1)といたしまして、採水地点と同一の浄水場の給水区域において鉛管の残存調査が行われた上で、浄水場出口から採水地点までの流路で鉛管が使用されていないことが明らかであること。
 次のページになりますけれども、季節変動を考慮して年4回、当該採水地点において、滞留水法により採水した上で水質検査を行い、その結果が過去3年間において全て不検出であること、という2つの条件を満たす場合には省略可能ではないかと考えているところでございます。
 また、資料1の本体のほうに戻っていただきますと、記載の2つの条件は、同じ内容でございます。
 これも可能であれば、令和6年の4月1日から適用したいと考えているところでございます。理由は申しましたとおりでございます。ここに記載のとおりでございますが、滞留水法、鉛管から鉛及びその化合物が水道水中に溶出するということを想定して規定したというものでございますので、出口から採水地点までの流路に鉛管が使用されていないことが明らかな場合には、省略可能であるということでございます。
 御審議いただきたいのは2点でございまして、もう一点、資料1の参考3ということで、食品安全委員会の有機フッ素化合物ワーキンググループが、2月に有機フッ素化合物PFASの評価書の案を取りまとめたところでございます。
 これにつきましては、現在、パブリックコメント中ということですので、情報の紹介にとどめておきますけれども、ここのページの右隅の237、本体でいうと235ページのほうになりますけれども、真ん中ぐらいのところに、以上のことから、食品健康影響の指標値は、TDIとしてPFOSは20ng/kg体重/日、PFOAは20ng/kg体重/日と設定することが妥当と判断したとなっております。
 現在、水道水中のPFOS、PFOAの暫定目標値が50ng/Lとなっているところでございますが、その際に用いたTDIと同じ数字ということが、結果的に今の評価書の案で出ているところでございます。
 これは、正式な形で評価書が取りまとまった段階で、また、水質基準逐次検討会において検討していくことになります。
 説明は以上でございます。
 
○古米部会長 御説明どうもありがとうございました。
 それでは、委員の方々から御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
 ウェブ参加の委員の方も適宜挙手をしていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
 髙田委員、どうぞ。
 
○髙田委員 髙田でございます。基本的なことを教えていただけますでしょうか。
 鉛のほうの問題ですけれども、鉛管の残存調査の方法と、その記録をどのように保存しているのかということについて、教えていただければと思います。
 
○柳田管理官 ありがとうございます。
 こういった管につきましては、水道事業者のほうで水道の台帳みたいなものを作成しておりまして、その中で、どんな管を使っているかを把握しているところが、一般的だと考えております。
 
○髙田委員 ありがとうございます。
 台帳だけではなくて、実際に使われているかどうかという調査も行われるという理解でよろしいのでしょうか。
 
○柳田管理官 すみません、実際の水道事業者の担当のほうに確認したいと思いますので、少々お待ちください。
 すみません、実際に確認しているというところもあると思いますけれども、基本的には、やはり台帳ベースで把握しているというところでございます。
 
○髙田委員 ありがとうございます。
 台帳をきちんと事業者のほうで保管をしており、それを見て判断をするということでよろしいでしょうか。
 
○柳田管理官 はい、そう考えております。
 
○髙田委員 ありがとうございます。
 
○古米部会長 ありがとうございました。
 挙手は浅見委員でしょうか、お願いします。
 
○浅見委員 すみません、御質問をいただきまして、ありがとうございました。
 ただいま、こちらのほうで、厚生労働科学研究で鉛の関係の情報収集も行っておりますので、若干補足をさせていただければと思います。
 先生御指摘のように、鉛の調査というのが台帳を基にしたものでございますのと、そういった調査が十分に行えていない場合もございまして、研究班のほうでも、今、どのようにすると予測ができるかというところも調査をしているところでございます。
 それからいきますと、全体の古い建築物に関しましては、特に立ち上がりの部分に鉛管を使っていた事例が多いのではないかということも分かってきておりまして、今後、そういった推測も行いながら、一層交換を進めてほしいというところをまとめていきたいと考えております。
 引き続き建築物に関係する部分でもございますので、先生方のほうでも御興味を続けて持っていただけると大変ありがたく存じます。よろしくお願いいたします。
 以上です。
 
○古米部会長 追加の御説明ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 ほかに、御質問、どうぞ。
 
○安藤委員 安藤です。
 この見直し案に何ら異論はないのですけれども、ちょっと教えていただきたいのが、内閣府の食品安全委員会の評価の結果が出て、それを踏まえて見直しを行うということで、それ自体、全く異論はないのですが、この内閣府の委員会の評価値自体が変わった理由というのですかね、当然いろいろな検討をされて、ページでいうと参考資料の3ページでしょうか、ADIが0.002から0.045に変わったということを踏まえてということなのでしょうけれども、この倍以上に数字が変わった理由、変えた理由というのですかね、これは、実際にどういった評価をしているかということについて教えていただければと思いまして、よろしくお願いします。
 
○柳田管理官 ありがとうございます。
 私も、すみません、そこまで詳細に分かっているわけではないのですけれども、食品安全委員会のほうでは、例えば、こういった基準をつくるところの要請を受けて、評価を行うということと、あとは自ら評価するということがございまして、そういった場合には、いろいろと最新の知見を集めて評価していくということになります。
 それで、前の評価と、新しい評価の詳細までは、すみません、今、把握はできていないのですけれども、基本的には、例えば最新の知見に基づいて評価を行うとなっておりますので、例えば新たに新しい知見が出てきて、そちらのほうがより確からしいということであれば、そちらの知見を採用するということもあって、評価値が変わったのではないかと理解しております。
 
○安藤委員 要は健康影響ですから、健康、人体の影響がある、ないという判断基準のもとで、いろいろな学術的な研究とか、そういった知見を踏まえて見直しを行ったと、そういうことで理解しておけばよろしいですか。
 
○柳田管理官 はい、そういうことだとお考えいただければと思います。
 
○安藤委員 はい、分かりました。ありがとうございます。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 堀口委員、どうぞ。
 
○堀口委員 よろしくお願いいたします。
 先ほどの鉛管のお話なのですけれども、現在、調査中と理解したのですけれども、現時点で、調査結果を何らかの形で公表されているとか、あるいは一般の国民が、その調査を何らかの形で手に入れて、知ることができるかどうかということをお聞きしたかったのですけれども、よろしくお願いいたします。
 
○古米部会長 事務局か、浅見委員が先ほど発言されていたので、浅見委員、御存じであれば、お願いできますでしょうか。
 
○浅見委員 ありがとうございます。
 事務局から後ほど補足をいただければと思うのですけれども、現在、公表されているものに関しましては、水道統計で鉛の管の残存状況というのを毎年公表されておりまして、現在200万件を少し切る程度の数値というのが出ております。調査が進んでいるところに関しましては、そのような集計がなされているのですけれども、まだ、小さな事業体さんですとか、調査が進み切れていないというか、把握が難しいところもございまして、そうしたところに関しましては、台帳が十分に確認ができていないとか、集計がまだ難しいところもありますので、調査が進めば、もう少し増える可能性もあるかと思います。
 一方で、建築年数が古いものに関しましては、使われていた場合が多いということもありますので、推測する方法について、少し議論を行っているという状況でございます。
 すみません、水道課さんのほうからの補足をお願いできればと思いますけれども、いかがでしょうか。
 
○柳田管理官 今、浅見先生からもございましたとおり、水道統計で鉛管の状況というのを把握しておりまして、今の手持ちでいきますと、令和2年度の水道統計によりますと、大体鉛管製の給水管の残存延長が約4,000kmということで、残存件数が約218万件というところでございます。
 
○古米部会長 堀口委員、いかがでしょうか。
 
○堀口委員 どうもありがとうございました。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、阪東委員、お願いします。
 
○阪東委員 保健医療科学院の阪東です。
 すみません、すごく素人な質問なのですけれども、鉛及びその化合物における滞留水法の省略についての部分なのですが、参考資料の「はじめに」のところで、なぜ見直しをしたいかという理由として、1つ浄水場出口から採水地点までの流路に鉛管が使用されていない地点が選ばれていると、それはよく分かったのですけれども、その次のところ、全ての採水地点で、一般的な採水とは別に採水しているので、検査試料数が倍増するとか、電気代が余計にかかるとか、時間がかかるとか、人件費が余計にかかると書いてあるのですけれども、この辺の部分は、滞留水法を行うことで全部解決されると見ていいのですか。
 
○柳田管理官 ありがとうございます。
 ここでのやり方でやりますと、ほかの金属と鉛を別々に採水して測定をするという形になりますので、要は2倍やるということになりますので、それが一緒にやれれば、重金属を併せて測定できますので1回で済むということになります。
 
○阪東委員 分かりました。ありがとうございます。
 
○古米部会長 ほかにいかがでしょうか。
 よろしいですか。特に挙手ございませんでしたので、それでは、先ほどの内容で通知されると理解いたしました。
 それでは、議題の(2)に移らせていただきます。
 議題の「(2)水道行政の最近の動向等について」ということで、資料2を用いて御説明をお願いしたいと思います。
 
○草川課長補佐 それでは、資料2「水道行政の最近の動向等について」を御説明いたします。
 御説明するテーマは「1.令和6年能登半島地震」「2.経済安全保障」「3.水道行政移管」「4.水道の基盤強化」の4つでございます。
 3ページ目、令和6年能登半島地震による水道の断水状況です。
 本年1月1日に発生した能登半島地震により、石川県、富山県、新潟県等の6県、38事業者で、浄水場や主要な送水管が破損等いたしまして、最大13.6万戸の断水が発生いたしました。
 2月19日現在、石川県の一部で断水が継続しており、断水戸数としては、現在、約2万4930戸です。
 4ページ目、応急給水ですけれども、日本水道協会等による水道事業体の相互応援スキームであるとか自衛隊、国土交通省地方整備局により実施されておりまして、2月19日現在で合計130台の給水車が石川県に派遣されております。
 5ページ目、石川県では、現在、おおむね浄水場までの復旧は完了し、基幹管路や配水管の復旧作業が本格化しております。断水は現時点で約8割解消済みでして、3月末までに9割強の解消を見込んでおります。
 6ページ目、水道施設災害復旧費補助金は、災害により被害を受けた水道施設の復旧にかかる費用を国が補助するものでございます。
 今回の能登半島地震においては、補助率等について、公共土木災害復旧事業費国庫負担法の対象事業と同程度まで嵩上げすること。
 また、補助対象に、最初の止水栓までの給水装置と漏水調査を対象にすることについて、財政支援の措置を拡充することとしております。
 7ページ目、参考といたしまして、近年の大規模な自然災害による水道の被害状況を御紹介しております。
 9ページ目、経済安全保障の関係でございます。
 経済安全保障推進法ですけれども、令和4年5月に成立しまして、水道は同法の基幹インフラと位置づけられております。
 これにより、我が国の外部から水道の安定的な提供を妨害する行為がなされることを未然に防止するため、一定の規模以上の水道事業者等が重要設備の導入、維持管理等の委託を行う際に、国が事前審査等を行うこととなります。
 10ページ目、昨年11月16日に給水人口が100万人を超える水道事業者、1日最大給水量が50万トンを超える水道用水供給事業者を特定社会基盤事業者として指定しております。
 11ページ目、特定重要設備については、様々なシステム構成がありまして、一律には申し上げられませんけれども、主に浄水場の中央監視制御システムを想定しております。
 12ページ目、重要維持管理等に該当する業務といたしましては、システムの監視制御機能に関わる健全性の確保に係る保守点検業務等を想定しております。
 13ページ目、本制度のスケジュールですけれども、昨年11月17日に改正省令が施行されまして、指定された特定社会基盤事業者を対象に、6か月の経過措置期間に入っております。本年5月17日から制度の運用が開始されます。
 続きまして、16ページ目を御覧ください。
 ここから水道行政移管についてです。昨年5月に成立しました生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律に基づきまして、本年4月1日から水道整備管理行政が国土交通省、環境省に移管されるということでございます。
 17ページ目、改正の内容ですけれども、水質基準の策定や水質検査法の策定については環境省、それ以外の事務については国交省に移管がなされるということ。また、国交、環境、2省の連携に関する規定が置かれているということでございます。
 19ページ目、水道関係予算の概要です。令和6年度予算については、移管後となりますので、国交省、環境省から要求がされております。
 20ページ目です。国交省の概算要求についてですけれども、従来の厚生労働省の生活基盤施設耐震化等交付金の大部分が防災・安全交付金に移行するということ。
 また、水道施設整備関係予算として、新たに上下水道一体効率化・基盤強化推進事業費を要求している等でございます。
 22ページ目からが令和6年度予算の新規事項でございます。
 上下水道一体効率化・基盤強化推進事業については、6つ項目がございますけれども、例えば、上下水道施設の再編計画の策定経費の補助であるとか、上下水道が連携して耐震化を推進するための計画策定経費の補助等でございます。
 23ページ目、取水施設について耐災害性強化するための補助メニューの新設を要求しております。
 25ページ目、下水道には、現在、B-DASHという革新的技術実証事業がございまして、その水道版を新たに創設するというものでございます。
 名称がA-JUMPということでございまして、テーマとしては、水道施設の改築更新の効率化であるとか、緊急時に利用可能な可搬型浄水施設の適用実証等を考えております。
 26ページ目、環境省の予算ですけれども、事業内容の1番にございますとおり、PFASの目標値を含む水道水質基準等の策定経費等でございます。
 28ページ目、令和5年度補正予算については、移管前でございますので、厚生労働省から要求をしております。
 こちらは、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の予算でございます。
 29ページ目が、安全・安心な水道の施設整備費でございます。
 30ページ目、ウォーターPPP導入推進に向けた支援メニューを新たに要求しております。
 31ページ目、このウォーターPPPですけれども、これは、従来のコンセッション方式というものに加えて、管路更新一体マネジメント方式を加えてウォーターPPPとして推進するというものでございます。
 33ページ目、水道整備・管理行政の移管後の体制についてです。
 現在、厚生労働省は健康・生活衛生局の中に水道課、水道計画指導室、水道水質管理室と1課2室体制ですけれども、このうち水質関係については、主に環境省の水・大気環境局環境管理課の下の新設される水道水質・衛生管理室に移管されるということ。
 また、それ以外については、国土交通省の水管理・国土保全局の下で、下水道部と一体になりまして、上下水道審議官グループとなるというところでございます。
 34ページ目、地方整備局において水道係を新設するとともに、下水道係と上下水道一体の体制を整備すること。
 また、国総研に水道研究室を新設することでございます。
 なお、国立保健医療科学院の水道関係の組織は、当面の間、引き続き科学院に存置されますけれども、速やかな移管に向けて取り組んでまいります。
 水道の基盤の強化についてです。
 37ページ目、水道広域化推進プランについては、都道府県に対して策定することを要請しておりまして、現在、沖縄県を除く46都道府県において策定済み、沖縄県においても本年度中に策定される予定でございます。
 水道基盤強化計画については、2県府において策定済みでして、10県において策定中でございます。
 38ページ目、策定された水道広域化推進プランをまとめますと、各都道府県が示した圏域としては全国で234圏域。そして個別圏域内の平均団体数は約7団体でございます。
 39ページ目、近年の広域連携の実施例ですが、新しいものとしては、令和5年4月に田川広域水道企業団が事業統合したということ。また、広島県水道広域連合企業団が経営の一体化をしたということがございます。
 41ページ目は、多様な官民連携の手法の取組状況について、整理してお示ししたものでございます。
 42ページ目、内閣府の資料ですけれども、PPP/PFI推進アクションプランの概要を示したものです。新たに水道を含む重点分野において、10年間で具体化を狙う事業件数の10年ターゲットが設定されました。
 ウォーターPPP等、多様な官民連携方式の導入により、案件形成の裾野拡大と加速化を推進するということでございます。
 43ページ目からが、アセットについてでございます。
 44ページ目、適切な資産管理の推進プロセスとしまして、施設の統廃合、広域連携等の検討に基づき、必要な投資需要を精査した上で、中長期的な資産管理に移行していく必要がございます。
 その手順としては、まず、水道施設の台帳の整備、水道施設の維持修繕、施設の計画的な更新、そして、ダウンサイジングや統廃合等を織り込むシナリオを策定し、資産を精緻化させていくということ。
 これを踏まえて必要な料金の見直しということ、こういったことを通じて、持続可能な水道事業を実現することが求められるということでございます。
 45ページ目、管路の経年化の現状と課題です。
 管路経年率は22.1%まで上昇し、また、管路更新率は0.64%まで低下したということで、管路更新は喫緊の課題でございます。
 46ページ、水道施設台帳の作成率は、全体の93%です。水道事業では約98%ですが、簡易水道では約89%にとどまっておりまして、未作成の事業者において水道施設台帳を早急に策定されるよう取り組んでまいります。
 47ページ、令和3年10月に和歌山市において水管橋の崩落事故がございまして、それを受けて、赤字で示す内容について、水道法施行規則を改正しております。これらの内容について、令和6年4月1日に施行されます。
 改正する内容としては、新技術を積極的に活用する観点から、目視による点検だけではなく、目視と同等以上の方法による点検も可能とするよう明確化したこと。
 もう一つが、水管橋等に対しても、コンクリート構造物と同様に、5年に1回以上の点検、点検修繕記録の保存等を義務化したことでございます。
 48ページ目、目視による点検の代替となり得る技術について、ドローンによる点検等、導入事例の一部を紹介するものでございます。
 49ページ目、全国の水道施設の更新費、修繕費の試算結果です。過去10年間の投資額の平均値は約1兆3000億円、これに対して将来30年間にわたって単純更新を行った場合の1つの試算結果としては、約1.8兆円と試算され、年間約5000億円の差があるということでございます。
 51ページ目、水道料金の改定状況ですけれども、近年わずかに水道料金の平均は上昇傾向にありまして、値下げする事業者数は減少傾向にあるということでございます。
 52ページ目、水道事業に対する理解向上というのも重要だと考えておりまして、広報にも力を入れていきたいと考えております。
 53ページ目、人口減少によりまして、極めて小規模な集落等において、水道施設の更新費用が相当程度かかる場合であって、車両等による水を運搬して供給する場合の衛生上の措置等の留意事項を昨年7月に取りまとめて公表したというものでございます。
 最後の54ページ、政府全体の取組といたしまして、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策に基づきまして、水道の耐災害性強化に取り組んでいるということでございます。
 説明は以上でございます。
 
○古米部会長 御説明どうもありがとうございました。
 それでは、委員の方々から御質問、御意見をお受けしたいと思います。いかがでしょうか。
 青木委員、どうぞ。
 
○青木委員 日本水道協会の青木でございます。御説明いろいろとありがとうございました。
 私から2点、お願いというか、意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、6ページで、今回の令和6年能登半島地震における補助金、補助制度についてということで御説明を賜りましたけれども、右側にあります漏水調査、こちらのほうを補助対象にしていただいたということはすごくありがたいことです。漏水調査をやらないと、管路の破損箇所が分からず、復旧するためには漏水調査が必須の作業になっております。
 ということで、今回、漏水調査を対象にしていただいたのは、本当にありがたいと思っております。
 ただ、漏水調査の補助率が、従前8割とか9割ぐらいまで嵩上げをしていただいた災害時のケースでも2分の1ということになってとどまっております。漏水調査は災害の破損箇所を見つけて復旧するためには必須の調査でございますので、できるだけ災害の復旧と同等な補助率の設定に極力いただけるよう、検討を重ねていただければありがたいと思っております。それが1つ目でございます。
 もう一つは、4月以降の国交省さんへの移管後の体制についてです。市町村経営がベースになっている水道事業でございますが、認可上の問題等については都道府県を通して厚労省さんのほうに協議をしたり相談をする、もしくは大臣認可の事業体の場合は、直接厚生労働省の本省の方とやり取りをされるという状況です。4月以降は国交省さんの下になると、より地域に近いところで地方整備局が窓口としておられますので、密着して地域の実情をより把握しやすくなるという点については、いい面もあるのかなと推測をしているところです。ただ、相談をした地方整備局と、また、本省のところで見解が違ったりとか、そういったことである問題が発生したときに、時間が必要以上に要したりとか、そういう懸念もありますので、こちらのほうについては、連携を十分に4月以降取っていただいて、水道事業体からの問い合わせ等について、必要以上の時間等がかかることがないように、対応をお願いできればと思っております。○古米部会長 ありがとうございました。
 それでは、引き続いて、伊藤委員から御質問、御意見をいただきたいと思います。どうぞ。
 
○伊藤委員 伊藤です。
 22ページに上下水道一体効率化というページがあります。こういう書かれ方をすると、やはり確認させていただきたい点が出てきます。ここで書かれている上水道というのは、水道法が適用される計画給水人口101人以上の事業を念頭にされていると思うのです。それはそれで結構ですが、一方では、飲料水供給施設など、水道法が適用されず枠外にある小さな水供給システムが全国にはたくさんある、そういったことも忘れないでいただきたいと思います。
 ですので、ここで上下水道一体化と書かれていることに沿って申し上げるなら、そういう小さな水供給システムについても、汚水処理との一体化というような、同じ方向を向いたコンセプトがありますでしょうかということを問いたくなるわけです。
 同様の意味ですけれども、26ページには、環境省関係のことが書かれています。ここに書かれているとおり、水源から蛇口までというコンセプトを所掌することになる。これまでの水質環境基準に加えて、水道水質基準を扱うことになりますが、ここでも、水道水質基準が適用されるのは、101人以上の水道法が適用される事業であるわけです。
 飲料水供給施設など法適用外のものは、これまで厚生労働省には、飲用井戸等衛生対策要領というものがありました。環境省としては、そういう小さな水供給システムの衛生管理というのも、水道水質基準は適用されないが扱っていくとは聞いてはおりますが、そこを今一度再確認させていただければと思います。
 さらにいえば、衛生面の所掌は環境省になりますが、小規模水供給システムをいかに支援し、整備していくかについては、国土交通省の仕事になるのだろうと認識しております。
 コメントをいただければ、ありがたいと思います。
 
○古米部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、事務局から御回答をお願いしたいと思います。
 
○草川課長補佐 御意見ありがとうございます。
 まず、青木委員からいただきました点、御意見ありがとうございました。財政支援については、要請としてお伺いをいたしました。
 移管に当たりまして、水道事業体の皆様に御不便等を生じさせないように、業務の円滑な移管に向けて、国土交通省、環境省と緊密に連携しながら取り組んでまいります。
 伊藤委員からの御指摘についても、ありがとうございました。
 水道法が適用されない小規模な水道についても重要な課題と捉えておりますので、引き続き、先生の御指導をいただきながら取り組んでまいります。
 御質問にありました、厚生労働省が発出しております飲用井戸等衛生対策要領については、水道法が適用されない小規模な水道についても対象としているものでございます。
 以上です。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、青木委員、伊藤委員、何か追加で御発言は、よろしいでしょうか。
 伊藤委員、よろしいでしょうか。
 
○伊藤委員 結構です。よろしくお願いします。
 
○古米部会長 それでは、ほかに御質問、御意見、どうぞ、お願いします。
 
○藤野委員 主婦連合会、藤野でございます。御説明ありがとうございました。
 水道行政の移管についてでございます。これまで1省でやってきたことを分割することになります。国土交通省への移管で、緊急時の対応とか復旧、老朽施設の改善等が進むことは大いに期待され、また、国の補助も増えるという話も聞いております。また、水源から蛇口までの一括管理、上下水道の一体による効率化、基盤強化という辺りも、いいことがあると感じてはおります。
 また、環境省へは水道水質管理が移管されるということで、水源から蛇口までの水質の一体的なリスク管理ができるということを資料等でも読み取りました。
 しかし、これまで国の中の複数の省庁で見てきたものを、効率化、単純化ということで運営が一元化されて国交省に移管されるということですが、それで本当にいいのだろうかという懸念がございます。よくなる方向に行ってほしい期待もございますし、そうなってもらわなければ困るのです。また、今、PFASの問題もございまして、水質管理は、体制の強化こそ求められるのですが、移管によって弱体化しないかというところも、心配でございます。水は、私たちの口に入るもので非常に大事なものですので、水質管理の体制が弱体化されては困るところです。
 つまりは、十分な予算や人材の確保がしっかりできるのかという点、経験ある厚労省の水道部局の方が、移管後も水道行政のことを、今まで培ってきたことをしっかり活かして関わっていけるのかという辺りが懸念でございます。
 また、今回の資料でも17ページ辺りにも水道整備・管理行政の円滑な実施ということで、それぞれの大臣が、それぞれの大臣や省庁に意見を求めることができるとか、連絡を取り合うと書いてありますが、そちらにお任せということにならないかという辺りも懸念がございます。
 こういった懸念は、国民の皆さんにあると思います。私たち国民にとっては大事なことですので、しっかりやっていくということをお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、御回答をお願いします。
 
○草川課長補佐 御意見ありがとうございます。
 今回の移管の効果といいますか、目的といたしまして、まず、国土交通省については、インフラ整備であるとか、管理、災害対応に関する知見、現場力、技術力、そういったものがございますので、今後、老朽化が進む水道施設について効果的なメンテナンス等が図られると考えております。
 また、環境省においては、水環境の保全に関する科学的な知見、専門的な能力がございますので、水道の水質基準策定等を担うことによりまして、水道の安全・安心をより高めるということが期待されるということでございます。
 先生から移管に伴う懸念があるということで、そういった御懸念が払拭されるように、我々しっかり業務の円滑な移管に取り組んでまいります。
 
○古米部会長 藤野委員、よろしいでしょうか。
 
○藤野委員 これまでの経験がしっかり生かされるように、特に人材が減らされたり、不足したりすることがないように、くれぐれもよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 
○古米部会長 それでは、亀井委員、どうぞ。
 
○亀井委員 ありがとうございます。亀井です。
 分かりやすい説明をしていただいてありがとうございます。
 包括的な視点から、3点、お伺いさせていただきたいと思います。
 1点目は、感染症対策でございます。水道水は、ライフラインとして不可欠なものでございます。知らない間に汚染されているということもございますし、やはり生活の上で感染症対策は、大変重要なことだと思います。改めて、この点についてどのようなスタンスで対応されていくおつもりなのかお伺いしたいと思います。
 、2点目は、国立保健医療科学院で行っている研究についてです。、水道に関しては、大変立派な研究をされていらっしゃると伺っております。
 先ほども保健医療科学院の研究に関しましては、引き続き、そこで担当していただくというご説明を拝聴しました。一方、配布資料によると、環境省では、保健医療科学院の担っている水道関係の研究・研修を引き継ぐとも書かれております。今後このことについて、具体的にどのような方向で対応すると考えておられるのでしょうか。今まで保健医療科学院がなされていらっしゃいました御研究の成果等も、うまくフィードバックしていただきたいと思いますし、また、今後もぜひ、保健医療科学院の研究を国の水道行政に生かしていただきたいと思っております。その辺りのご見解をお願いしたいと思います。
 3点目は、水道供給をされている弱小の企業体・事業体のことでございます。
 先ほどグラフで提示されましたが、給水収益はどんどん減少しております。また、水道施設の老朽化も進んでおりますし、さらには技術の継承の問題もあるかと思います。
 実際には限界集落等の地域や弱小の自治体などを支えていると思われます。このような水道事業体の脆弱性に対するマネジメントをどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
 
○古米部会長 ありがとうございました。
 ほかになければ、事務局から、お願いしたいと思います。
 
○草川課長補佐 御意見ありがとうございます。
 感染症対策については、これまで厚生労働省においても、しっかりと知見を蓄積してきたところでございますので、移管後もしっかりと引き継いでまいりたいと考えてございます。
 科学院における水道の研究につきましては、当面は科学院に存置するということでございます。先生方の知見というのは貴重でございますので、引き続き連携しながら取り組んでまいりたいと考えておりますし、速やかに研究機関の移管に取り組んでまいります。
 3つ目に御意見をいただきました、小規模な水道事業者の今後のマネジメントについてですけれども、平成30年に水道法の改正がなされまして、水道の基盤の強化を図ることとされたところでございます。
 その内容とは、まず、水道事業者が自ら適切に資産管理をしていただくということ、台帳の整備であるとか、将来の見通しに沿ってシナリオを策定して検討しておく、そういったことを、まずしっかり事業体には取り組んでいただきたいと考えております。自らそういったことをする体力もなく、難しい場合には広域連携ということもありますし、また、官民連携ということもあります。日本全体としての水道の基盤が強化されるように取り組んでまいります。
 以上です。
 
○古米部会長 亀井委員、いかがでしょうか、よろしいですか。
 
○亀井委員 はい、よく分かりました。どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 
○古米部会長 ほかに御質問、御意見がありましたら、鍵委員、どうぞ。
 
○鍵委員 鍵と申します。
 建築物衛生の面からも一言コメントといいますか、お願いなのですけれども、同じように水道行政を移管されたときに、やはり建築物衛生は、給水、あとは排水の管理というのは非常に重要でございますので、連携のほうを取っていただきたいこと。
 あとは、研究面に関しましても、科学院は、非常にいいところで研究されておりましたので、これも連携のほうを、また進めていただければと思っております。
 以上です。
 
○草川課長補佐 御意見ありがとうございます。
 生活衛生課、科学院の担当部署とも、引き続き連携して取り組んでまいりたいと考えております。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見がなければ、私から1つ。水道の基盤強化のところの①で、広域連携の推進ということで、水道の広域化推進プランであるとか水道基盤強化計画が記載されています。前者は都道府県に策定を要請されて、ほぼでき上がってきていると理解しました。
 そういう意味においては、中小の水道事業体を含めて、より効率的な水道事業を展開できるという枠組みができたと思います。しかし、この策定した計画を実践に移すというステップは、どのようなことを考えられているのか。特に、今後、国土交通省に事業の管理が移管されます。私はそこに大きく期待しているところがあるので、移管されることも含めて何か現段階でお考えがあれば、お話しいただければと思います。
 
○草川課長補佐 御意見ありがとうございます。
 広域連携については、関係者の間で、よく議論して前に進めていただくことが重要だと考えております。平成30年の水道法改正において、法第5条の4で、都道府県がその広域的な連携の推進について協議を行うために、広域的連携等推進協議会を設置することができるという規定を設けています。そういった取組を通じて、今後も広域連携に取り組んでまいります。
 以上です。
 
○古米部会長 どうもありがとうございます。
 私の知る限りでは、多くの水道事業体は市町村単位で実施されており、エキスパートはそちらにおられる一方で、県には若干人数的に少ないように、私は理解しています。今度、地方整備局のある国土交通省に移管されたときに、新しい枠組みで、きめ細やかな対応が県レベルでもできるという方向に行きやすいのかなと思います。ぜひ御検討いただければと思います。
 私からは以上です。ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題「(3)建築物衛生行政の最近の動向等について」ということで、資料3を用いて、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
 
○山口課長補佐 生活衛生課でございます。
 私のほうから、資料3の建築物衛生行政の最近の動向について御説明したいと思います。
 まず、報告事項の1つ目としましては、建築物衛生法令におけるデジタル技術の活用というところでございまして、こちらは、デジタル庁が主導となって進めていらっしゃるデジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン等々に基づきまして、代表的なアナログ規制項目、こちらは目視とか定期検査とかがありますが、こちらに関する規制の、いわゆる見直し、デジタル化が求められているところでございまして、我が建築物衛生法令にも取組が求められているところでございます。
 デジタル技術の活用ということで、今日御報告させていただきますのは、大きく3つございます。1つ目は、これは昨年度も御報告させていただいたかと思いますが、空気環境の測定等における定期検査・点検についてでございます。
 建築物衛生法は、法律は一本ではございますけれども、空気環境の測定や空調設備の定期点検、飲料水、雑用水の水質検査、ネズミ等の発生防止のための生育調査など、定期検査、点検に関しては数多く項目がございます。
 こちらについて、デジタル技術の活用といっても、自動測定のための技術や製品があるのか、技術等がある場合、較正や精度管理をどうするかといった課題がありますので、「デジタル技術を活用した建築物環境衛生管理の在り方に関する検討会」を設置しておりまして、現在、検討を行っているところでございます。
 こちらの開催実績は、昨年の8月8日から第1回を始めまして、これまで3回やっているものでございます。ちょうど来週が第4回目でございまして、今年度は、第5回の3月29日までやる予定でございます。
 こちらが、今の検討の状況でございます。
 2つ目としましては、登録較正機関における管理者の専任規定の廃止というところでございます。
 建築物衛生法令における空気環境の測定の中に、浮遊粉じんの測定に関する項目がございます。こちらの測定機器に関しましては、厚生労働大臣の登録を受けた登録較正機関が年1回以上の較正を行うということとになっております。
 この登録基準におきましては、較正の業務を行う部門に専任、つまり専ら任ずる管理者を置きなさいということがありますが、これを選んで任ずるという選任に改正したところでございます。
 こちらの公布・施行が令和5年の9月29日となっていまして、既に施行されているものでございます。
 3つ目としましては、目視規制と対面講習等のデジタル化についてです。
 建築物衛生法令には、立入検査でしたり、各種の講習に対面講習といった規定がございますが、こちらにつきまして、デジタル技術の活用が効果的かつ適切である場合には、例えば、オンライン会議システム等を活用したオンライン方式による手段が含まれるという通知を発出しております。
 こちらは、日付を書いておりませんが、令和5年の12月28日に発出しているものでございます。
 報告事項の2つ目は、事業の登録情報の集約・公表というところでございまして、建築物衛生法には、都道府県知事が一定の人的・物的要件を満たした営業所を登録することによって、その資質向上を図るという、そういった仕組みがございます。
 こちらは、都道府県知事の権限というところで、各都道府県知事がそれぞれ登録をして、その一覧をホームページ等で公表しているところがありまして、なかなかどこにあるのか分かりづらいという声もいただいているところでございましたので、こちらのほうは、日本建築衛生管理教育センターのホームページに集約・公表することで、皆様方の利便性を図るというところで進めているところでございます。
 以上、建築衛生行政の最近の動向等についてでございます。
 私の説明は以上です。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、委員の方々から御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 それでは、林委員、どうぞ。
 
○林委員 北海道大学の林です。御説明ありがとうございます。
 現状は、デジタル化を見据えて、規制の見直しをしていると、その検討をしているという御説明だったと思いますけれども、デジタル化は、それを活用すると、建築物衛生の向上自体を図れる可能性が、もちろんあると思います。それは、例えば、次のパンデミック対策としても有効になる可能性を秘めていると思います。
 その基礎となるのは、建築物衛生データ、例えば、行政報告例などもそうですけれども、効率的にデジタルを利用して収集して、できれば、利用者とか国民に開示するというか、提供すると。そういうことができると、こういう情報の使い方というのが、多分デジタルの本質だと思いますけれども、それで国民や利用者が、建築物衛生の状況を知ると、フィードバックされて、より向上が進むということになると思うのです。
 ですので、この見直しの先に、そういうより向上した建築物衛生につながることを、ぜひ目指していただきたいと思います。
 以上です。
 
○古米部会長 どうもありがとうございます。
 コメントということで、特段事務局から何かあれば。
 
○山口課長補佐 林先生、ありがとうございます。
 林先生の大所高所からの御発言というところで御理解させていただきました。かなり何ステップか先を見据えた御発言だと思っております。 
 まず、この検討会で目指すべきところにつきましては、まず、どういった技術、製品があるのかということがありますし、例えば、換気の1つの指標であるCO2センサーにつきましても、いろいろな製品がある中、その製品が示す数値は正しい値を示しているのかというところは、かなり建築物衛生を維持するために重要なのかなというところがあります。
 その使い方や精度管理をどうしていくかということも、この検討会で議論していこうと思っているところでございます。
 あと、データの管理についてどうするかというところでございまして、それは、なかなか将来を見据えたものなのかなというところですので、なかなか今すぐできない部分がありますが、将来的な課題として考えていきたいと思っております。
 以上です。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 鍵委員、どうぞ。
 
○鍵委員 鍵と申します。どうもありがとうございます。
 やはり、建築物衛生法の、例えば、空気環境の基準値、なかなか胸を張って、いい値ではないというのが、どうも日本の特定建築物の状況でございますので、デジタル化というのは、非常に1つのツールではあるのですけれども、それを用いて、ぜひとも基準値をなるべく守れるようなビルを、なるべくなら100%守っていただきたいというところで、うまくこれを使いながら、定期検査あるいは点検、それから対応、対策というのを打って出られるという形にできればいいなと思っておりますので、まずは、これを進めていただきながら、また、先を見据えたというところも1つ重要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
 
○山口課長補佐 御意見いただきまして、ありがとうございます。
 鍵先生の問題意識は、私も共有しておりますので、引き続き、御指導のほうをよろしくお願いします。
 
○古米部会長 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。
 
○内山委員 すみません、教えていただきたいのですが、海外では、このデジタル技術の活用というものは、何か具体的に建築物衛生法のほうで、何か活用されているというところがあるのでしょうか。
 
○山口課長補佐 海外に同じような法令があるのかどうかという御質問と、あとは、仮にあったとして、このデジタル技術というのを活用されているのかどうかという、その2つの御質問だと理解しましたが、よろしいでしょうか。
 
○内山委員 はい。
 
○山口課長補佐 
まず、海外について、私の知る限りですが、日本と同じような建築物衛生を主眼とした法律は無いのではないかと、そのように理解しております。
 デジタル技術については、海外の製品はあったりもするので、一定の範囲では使われているかもしれませんが、それが法定化されているかどうかにつきましても、ちょっと私の知識の範囲では、なかなかお答えするのが難しいです。もし、建築物衛生に深い知見をお持ちの鍵先生、林先生、何か御知見があれば、御指導いただければと思いますが、いかがでしょうか。
 
○鍵委員 鍵です。すみません、ありがとうございます。
 海外の法律という意味では、実はなくて、結構日本独自のということで、ですので、法律になってしまうと、どうしても基準値とか、そういうのがついてくるので、測定等が非常に面倒になるところが1つあるのかなと。
 あと、もう一点あるとすると、やはり建物の、例えば空調ですと、空調の制御にこういうデータというのは使われますので、そういう意味ではデジタルで、瞬時にそれをフィードバックするという使われ方はしていると思いますけれども、こういう法律とリンクさせてというのは、なかなか難しいところがあるのか、あまり法律自体が海外にはないというところが大きいのかなというところかと思います。
 私が分かっている範囲は以上です。
 
○古米部会長 林委員、いかがでしょうか。
 
○林委員 私も鍵先生と同じです。海外から、結構、先進国からも日本の建築物衛生法について問い合わせが来るというぐらいの状況ですので、日本独自の状況になっていると思います。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 私から、質問ではなくコメントです。この2つのデジタル技術を活用して、建築物の中の環境衛生に関するモニタリングできるわけですが、例えば、建築物空気環境測定業の専門の業者さんにしっかりと使っていただかないといけません。したがって、このような新しい知見をより多くの関係事業者というのか、業者の方々にうまくフィードバックというか、伝えることは、ぜひ進めていただくといいのかなと思います。
 
○山口課長補佐 ありがとうございます。
 この検討を進めていく過程でも、やはりデジタル技術というのはあるにしても、なかなかユーザー側が、その使い方をあまり御理解されていない方もいらっしゃるという声も聞いておりますので、先生の御指摘は重要なものだと思っております。ありがとうございました。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか、よろしいですか。
 特に挙手がないようですので、どうもありがとうございました。
 それでは、最後の議題「(4)その他」についてということで、資料の4を用いて御説明をお願いしたいと思います。
 
○名倉課長 では、資料4について説明させていただきます。
 令和5年の通常国会で成立しました「生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律」によりまして、令和6年4月1日から水道整備・管理行政が厚生労働省から国土交通省及び環境省に移管されることになります。
 水道整備・管理行政の移管を踏まえた厚生科学審議会の取扱いにつきましては、今年になりますけれども、2月5日の月曜日から2月13日の火曜日に、厚生科学審議会が持ち回りによって開催されまして、この生活環境水道部会の審議事項について、水道に関する重要事項というのを抜きまして「建築物衛生その他生活衛生に係る生活環境に関する重要事項を調査すること」としまして、名称を「生活環境部会(仮称)」とすることとされました。
 水道整備・管理行政につきましては、水質・衛生に関する事項については、中央環境審議会に移管をされまして、水質・衛生以外の事項については、社会資本整備審議会に移管される予定でございます。
 
○諏訪課長 生活衛生課長でございます。
 続きまして、次年度以降の生活環境部会の体制というところについても付言をさせていただきます。
 現在、主にする建築物衛生を御専門でお願いをしている委員の先生方におかれましては、引き続き、新しい部会のほうで建築物衛生その他の生活衛生に係る生活環境に関する事項について御審議をいただくということで、任期期間中は、新しい部会のほうに御在職いただきたく、お願いいたしたいと思ってございます。
 今後、新しい部会におきましては、当課、生活衛生課のほうで事務局を務めさせていただく予定でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 資料につきましては、以上でございます。
 
○古米部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、委員の方々から御質問をいただければと思います。いかがでしょうか。
 よろしいですか。
 水道事業等が環境省と国土交通省へ移管された後、この審議会の部会は、水道を抜いた新しい部会となるということだと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、今日予定した議題は、一通り終わりましたけれども、あと、全体を通じて何かお気づきの点があれば、御発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。ウェブ参加の方も、もしあれば、挙手をお願いします。
 浅見委員でしょうか、お願いいたします。
 
○浅見委員 ありがとうございます。
 今、部会の再編のお話もいただきございまして、ありがとうございました。
 今度、省庁が2つに分かれるということもございまして、ぜひ最後に建築のほうでもお話がありました、データの収集と公表を素早くデジタルを用いて推進するというところは、ぜひ2省でも連携して進めていただきたいと思います。
 今、水道協会様のほうで、かなり統計をいろいろ集めてくださっているのですけれども、公表するまでに時間が非常にかかるところがございますので、ぜひ、そこのスピードアップをしていただけるのと、登録とかを簡単に間違いなくしていただいて、公表して共有できるという形にしていただけると大変ありがたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 何か事務局、あるいは青木委員、何かあれば、よろしいでしょうか。
 ほかに御意見があればお受けしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、本日の議事を全て終了いたしましたので、事務局に進行をお返ししたいと思います。
 
○草川課長補佐 本日は、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 本日の部会の議事録につきましては、後日、委員の皆様に御確認をいただいた後、ホームページで公開いたしますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、これをもちまして閉会といたします。本日は誠にありがとうございました。

 
(了)

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