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2023年3月23日 第24回厚生科学審議会生活環境水道部会 議事録

医薬・生活衛生局水道課

○日時

令和5年3月23日(木)10:00~12:00

 

○場所

Zoomによるオンライン開催
 

○出席者

古米部会長 青木委員 浅見委員
安藤委員 五十嵐委員 石原委員
伊藤委員 大瀧委員 鍵委員
亀井委員 倉重委員 髙田委員
滝沢委員 二階堂委員 林委員
板東委員 藤野委員 堀口委員


○議題

(1)水道行政の移管について
(2)水道行政の最近の動向等について
(3)労働安全衛生法施行令等の改正に伴う建築物衛生法施行規則の改正について
(4)建築物衛生行政の最近の動向等について
(5)その他

○議事


○鈴木補佐 ただいまから、第24回「厚生科学審議会 生活環境水道部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 議事に先立ちまして、生活衛生・食品安全審議官、佐々木より御挨拶を申し上げます。
 
○佐々木審議官 本日は、御多用のところ、第24回「厚生科学審議会 生活環境水道部会」に参加いただきまして、ありがとうございます。
 生活衛生・食品安全審議官の佐々木です。
 本日の部会では、委員の皆様に4点、御報告をさせていただきます。
 (1)水道行政の移管について。
 (2)水道行政の最近の動向等について。
 (3)労働安全衛生法施行令等の改正に伴う建築物衛生法施行規則の改正について。
 (4)建築物衛生行政の最近の動向等について。
 1点目の水道行政の移管について、昨年9月2日の新型コロナウイルス感染症対策本部の決定を受け、本年3月7日に生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律案が閣議決定され、国会に提出されたところです。国土交通省が水道の整備や管理等を、環境省が水質基準の策定等をそれぞれ所管するという法律案でございます。
 2点目の水道行政の最近の動向等について、今年度、災害により発生した大規模な断水をはじめ、PFOS・PFOAに関する検討状況を含む水道水質管理、来年度予算案、経済安全保障、これは昨年5月に法律が制定されました。また、水管橋崩落事故を契機とした省令改正等について、御報告いたします。
 3点目の労働安全衛生法施行令等の改正に伴う建築物衛生法施行規則の改正についてですが、労働安全衛生法施行令の改正を受けた建築物衛生法施行規則の改正の報告をいたします。
 最後の4点目の建築物衛生行政の最近の動向等についてですが、空気環境の測定等におけるデジタル技術の活用の検討の状況を報告いたします。
 本日は、幅広い観点から御意見をいただきますようお願いいたします。
 以上です。
 
○鈴木補佐 それでは、前回の部会以降、新たに本部会の委員に御就任いただきました委員がいらっしゃいますので、御紹介をさせていただきます。
 公益社団法人日本水道協会理事長の青木委員。
 一般社団法人日本ビルヂング協会連合会常務理事の安藤委員。
 国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部部長の五十嵐委員。
 京都大学大学院教授の伊藤委員。
 公益社団法人全国ビルメンテナンス協会執行役員の倉重委員でございます。
 ありがとうございました。
 また、本日の委員の出席状況でございますが、脇田委員のみ欠席となっております。
 続きまして、本日の会議でございます。オンライン会議ということでございまして、発言される場合には挙手やチャット等でお知らせいただきましたら、部会長から指名をさせていただきます。
 資料の確認です。
 議題が四つございまして、それぞれの議題ごとに資料1から資料4まで、今、映っていると思いますけれども、資料の一覧のとおりでございます、
 また、資料1には、参考資料として法律案の新旧対照条文、資料2の参考資料として、参考資料2-1に水道法施行規則の一部改正省令の新旧、参考資料2-2として、先週リリースしました水道に関するパンフレット「今知りたい水道」を準備しております。
 もし過不足等ありましたら、チャット機能等でお知らせください。
 それでは、以降の議事進行は、古米部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○古米部会長 古米です。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですけれども、最初の議題に入らせていただきます。
 議題「(1)水道行政の移管について」、事務局から資料1を用いて御説明をお願いしたいと思います。
 
○名倉水道課課長 承知いたしました。
 それでは、資料1に基づきまして、御説明させていただきます。
 この法律案は、先ほど資料の御紹介があったように、法律案が参考資料1-1にございますけれども、二十数本の法律を束ねた形で変えていく案になっております。
 中身としまして、改正の趣旨に書いてございますけれども、厚生労働省で感染症対策に力を入れていくということで、他の省庁に移管することで機能強化が図られるような分野につきまして、移管による機能強化を図っていくものでございます。
 1ページ目に改正の概要ということで、1、2、3と書いてございます。
 一つ目で食品衛生基準行政の機能強化でございます。
 二つ目でこの部会に関連することでございますけれども、水道整備・管理行政の機能強化でございます。
 三つ目に所掌事務等の見直しで、関係省庁の設置法について改正をしていくということでございます。
 それぞれについて、この後、詳しく説明させていただきますけれども、施行期日は、来年の令和6年4月1日を予定しているということでございます。
 食品について、簡単ではございますけれども、2ページ目を御覧いただきますと、下半分のところに図が書いてございます。食品については、食品安全委員会というところがリスク評価をして、消費者庁が食品安全行政の総合調整をします。そしてリスク管理として、厚生労働省が食品衛生法等に基づいて、農水省が農薬取締法とか、飼料安全法に基づいて施策を行っていくということでございます。
 厚生労働省のところに書いてございますけれども、このうち食品衛生に関する規格・基準の策定について、消費者庁に移管をするということでございます。
 一方で、その下に書いてございます監視については、そのまま厚生労働省に残るということでございます。
 3ページ目の下の表を御覧いただきますと、左に食品衛生基準行政がございまして、右に食品衛生監視行政があるということでございます。この基準行政について、厚生労働省から内閣総理大臣、具体的には消費者庁に移管をします。
 あわせて、厚生労働省にございます審議会を消費者庁に設置しまして、右の監視行政も審議会について、厚生科学審議会に移していくということでございます。
 関係省庁として、今まで一つでやってきたところが二つに分かれることもございまして、その表の一番下に書いてございますけれども、相互に密接な連携をするような規定を入れているということでございます。
 4ページ目でございます。水道整備・管理行政の機能強化ということでございます。
 改正の背景のところの一つ目の四角を御覧いただきますと、近年、水道関係の経営環境の悪化ですとか、水道施設の老朽化、耐震化への対応、断水への迅速な対応が課題になっているということでございます。
 二つ目の四角のところでございますけれども、そういった社会資本整備は、災害対応に関する専門的な能力・知見を有する国土交通省に移管をして、層の厚い地方支分部局を活用しつつ、下水道等の他の社会資本と一体的な整備等を進めることによって、機能強化を図るものでございます。
 一方で、三つ目の四角でございますけれども、水質基準の策定等につきましては、専門的な能力・知見が環境省にあるということでございまして、環境省に移管することで水質、衛生面でも機能強化を図るということでございます。
 5ページでございますけれども、この関係を表したものが下の表でございまして、表の右側、水質または衛生に関する水道行政がございますけれども、水質基準の策定、水質検査の方法の策定等について、厚生労働大臣から環境大臣に移します。
 表の左側でございますけれども、例えばそれ以外の基盤強化のための基本方針の策定とか、水道事業の認可とか、改善の指示とか、立入検査については、厚生労働大臣から国土交通大臣に移しまして、地方整備局長とか、北海道開発局長への委任を可能とするということでございます。
 こちらもこれまで1省でやっていたものが2省に分かれるということがございますので、表の下のところでございますけれども、相互に密接な連携の確保に努めるということでございます。
 こうした点については、上半分の①の中で、今、①の(1)~(3)について御説明させていただきましたけれども、(4)のところでは、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、社会資本整備重点計画法の対象施設に水道を加えるということをこの法律案に含めておりまして、これにより災害のときの補助率等々については、ほかの公共土木施設並みになるということでございまして、これまで予算補助で対応していたものよりもより手厚い形になるところでございます。
 ②のところで、こうした所掌事務の関係につきまして、それぞれの設置法等について改正を行っていくということでございます。
 資料1について、以上でございます。
 
○古米部会長 御説明をどうもありがとうございました。
 それでは、御質問等がございましたら、委員からお願いしたいと思います。いかがでしょうか。青木委員、お願いいたします。
 
○青木委員 御説明ありがとうございます。
 まず今回の法律の改正で、従来、厚生労働省が所管をしていただいていた水道行政が二つの省に分かれるという御説明をいただきましたけれども、2省にまたがると、これまで1省で対応していただいていた水道行政の一体性とか、迅速性ということがどうしても損なわれかねないのではないかという危惧がございますので、今後の様々な規定整備や事務の流れなどを整理する上では、従来の一体性や迅速性を損なうことがないように十分に御配慮をお願いしたいと思っております。
 地方整備局、北海道開発局にも、役割分担について一部可能となるという御説明があったと思いますが、こちらにつきましても、水道事業者に過度な新しい負担がかかることがないよう、一体性や迅速性の点に十分に御配慮いただきまして、整備をお願いできればと思っております。
 最後に御説明をいただきましたが、水道施設が公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の対象に成るということで、こちらについては、従来、地震や洪水被害等の復旧に当たり、予算補助という形で対応していただいたところですが、災害の計画をつくったり、復旧計画を立てる上では、最初の段階から国からの手厚い補助があることとないことでは、復旧計画の立案からかなり違います。このため、、かねてより全国の水道事業者が強く要望させていただいていたところでございますが、今般、激甚法の対象に水道が明確に位置づけられたということで、本当に感謝をしたいと思います。ありがとうございます。
 また、水道の場合、主に被害を受けるところは地下に埋設されている水道管でございますので、復旧をする上では被害箇所の特定が不可欠になります。従来の予算補助においては、この漏水調査が必ずしも補助の対象となっていないケースがありましたので、漏水調査につきましても、併せて補助の対象にしていただくよう、今後の運用については、十分に御配慮いただくようお願いしたいと思います。
 以上でございます。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 続いて、二階堂委員、お願いいたします。
 
○二階堂委員 ありがとうございます。
 私からは、現場の声も含めてということで発言をさせていただきます。
 まず水道行政の移管について国交省、環境省ということでございますが、水道法、下水道法の目的であります公衆衛生の向上の増進については、当然期待をされると思っています。
 同時に先ほど青木委員からも御説明がございましたけれども、社会資本整備重点計画法、あるいは公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法などの対象になるということで、これは現場からも迅速な対応が期待されるという声が上がっております。
 ただし、私たちも危惧をしていることは、予算という視点で言えば、一体所管ということで、相当の予算が減額をされる、あるいは効率化されてしまうことがあってはならないと危惧しています。
 同時に後にそれぞれ説明があろうかと思いますけれども、和歌山市の水道管の崩落事故をはじめとした老朽化も問題になっておりまして、施設更新や人員や技術力、そうしたことも様々な原因として挙げられております。
 水道、下水道の一体所管で整備管理行政を機能強化するということであれば、現場でそれぞれの問題、あるいは失敗の検証、対策を見逃してはならないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 環境省の水質管理行政では水質規制や対策の強化、あるいは検査体制の充実を訴えてきておりますが、水道水質の保全が水環境、土壌保全や化学物質規制としてリンクして、水質管理行政の機能強化につながることも併せて期待をするということで意見を述べさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか、浅見委員、お願いいたします。
 
○浅見委員 ありがとうございます。
 今、御説明いただきましたことと、青木委員と二階堂委員から御指摘をいただきましたように、良い点も多くあるとは思うのですけれども、私どもの業務にも関係するのですが、衛生上の確保についての懸念を抱いております。うまく連携をして、国交省で立入検査ですとか、監視をしっかりと行っていただくことと、衛生性の担保という点では、環境省とよく連携をして、実施をしていただければと思います。
 特に水処理の性能的な基準をしっかりと守れるかどうか、浄水処理の設備をしっかりと確保できるかどうかというところですとか、水質基準を担保しているかどうかという検査の結果をなるべく早く集めて、何か異常があったときにはすぐに対応できるように、水質事故や水質異常の対応が速やかに図れるようにということを強くお願いしたいと思います。
 また、先ほどの水源の改善に関しましては、環境省に置かれるという基準の策定において、環境省とよく連携して、安全な水源の確保に一層努めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 ほかになければ、事務局より御回答いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ただいま3名から御質問、あるいは御意見がありましたので、事務局から御回答をお願いいたします。
 
○事務局 お答えいたします。
 法律案につきましてお示しをしておりますけれども、具体的な運用等々については、今、3省でかなり密接に調整をしながら検討をしているということでございますので、いただいた御意見を3省で展開しつつ、今後、具体的な運用、実際に予定どおりであれば、令和6年4月ということでございますけれども、その後の進め方についても、いただいた御意見に留意しつつ、進めていきたいと考えております。
 
○古米部会長 コメントをいただいた委員の方々、よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 ほかになければ、次の議題に移りたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題です。議題「(2)水道行政の最近の動向等について」ということで、事務局より資料2を用いて御説明をお願いしたいと思います。
 
○名倉水道課課長 それでは、資料2に基づきまして御説明させていただきます。
 2ページ目にお示ししたような順序で御説明させていただきます。
 3ページ目でございますけれども、災害の関係でございます。昨年の秋になりますけれども、9月の台風15号によって水道施設が大きな影響を受けたということでございまして、特に静岡市につきまして、そこに写真を載せておりますけれども、取水口の閉塞がございまして、これで6万軒ぐらいの家庭が断水することになったということでございます。水管橋が崩落したこともございまして、その他、停電等も含めて発生しての断水ということになっております。
 それ以外の市町でも被害が出ているということでございますけれども、それぞれ応急給水とか、閉塞物の除去、水管橋が崩落したということで、横にある道路橋に仮配管を設置したり、他省庁の御協力もございまして、工業用水を転用するといったことも含めて、ほかの事業体の方々、ほかの他省庁の方々を含めて御尽力いただいて、復旧に努めたということでございます。
 4ページ目でございます。今年の年明けでございますけれども、寒波がございまして、石川県等で1万4000戸の断水があったということでございます。
 寒波による断水につきましては、給水施設が凍結をすることによって、そこで破裂して漏水します。それで配水池の容量がなくなって、断水に至るということでございますので、それぞれの給水装置ですが、各家庭のものでございますので、今後、どういうような周知の仕方等々があり得るか等については、今回の原因等の分析も進めて、適切に対応していきたいと考えております。
 5ページから、水道水質管理のことでございます。
 6ページに水道水質基準等の体系について書いてございますけれども、水質基準、水質管理目標設定項目、要検討項目にのっとって進めているということでございます。
 7ページの農薬については、これとは違う体系で管理をしておりますけれども、今回、要検討農薬のイプロジオンについての目標値を変えることと、その他農薬のシフルトリンについても目標値を変えることを考えておりまして、4月1日に適用予定ということでございます。
 8ページでPFOS・PFOAに関する検討がございますけれども、今年の1月24日に水質基準逐次改正検討会がございまして、ここでPFOS・PFOAの取扱いについて検討をいただいたということでございます。引き続き毒性評価情報の収集、検出状況の把握を進めていき、WHO等による動向も踏まえて検討していくということでございます。
 PFASにつきましても、要検討項目に追加することも念頭に検出状況の把握等を進めていくということでございます。この関係は、様々な情報が新たに出てきておりますけれども、そういったものも含めて、今後、検討を行っていきたいと考えております。
 9ページでございます。世界的なサプライチェーンが影響を受けたということで、ヘリウムガスが供給不足になったことが昨年の春ぐらいからございまして、私どもでは、ヘリウムガスの使用の削減とか、キャリアガスの変更とか、検査方法の変更等について、早急に事務連絡を出すとともに、供給状況の調査とか、サプライチェーンへの相談とか、要望をしてきたところでございますけれども、今般、検査方法の告示の改正をするということで、ヘリウムガス以外のキャリアガスを用いた場合について、追加とか、見直しをすることを、明日の公布を予定しております。
 10ページから水道施設整備費に関する予算でございます。
 11ページに総括表を載せておりますけれども、私どもは施設整備費といったときには、この表の一番下にあるところの括弧書きのもの、前年度の補正を入れた形での額で説明をしております。
 分かりやすくしたものが12ページのグラフでございます。令和5年度の当初予算案、令和4年度の補正予算を含めて742億でございまして、これは事業体からの御要望にお応えできるような額になっているということでございます。
 制度的な中身については、13ページでございますけれども、制度改正もやっておりまして、一つ目では、管路の複線化ということでございまして、和歌山の水管橋が影響を受けて、川の北側に水が送れなくなったことがございましたけれども、仮にあそこが複線化されていれば、その影響がない、もしくは少なく済んだということでございまして、そういう複線化を新たに補助対象にしようと考えているところでございます。
 二つ目につきましては、高度浄水処理施設の整備でございますけれども、先ほどもございましたPFOS・PFOAの汚染に対応するために、粒状活性炭処理施設等の導入について補助対象をするということでございます。
 三つ目につきましては、先般の水道法の改正でも、広域連携と併せて官民連携を進めていくということでございますけれども、導入を支援するための調査の計画策定に要する費用について、定額補助を盛り込んでおります。
 四つ目でございますけれども、離島振興対策実施地域等において、上水道事業者が実施する施設の整備について、補助率を引き上げるといったことも盛り込んでいるということでございます。
 14ページ目以降で経済安全保障についてでございます。
 15ページ、法律につきまして、先ほど審議官の挨拶からもございましたように、昨年の5月に経済安全保障推進法というのが成立をいたしております。
 この法律は、何本かの要素からなっているのですけれども、私どもに特に関係が深いものは3番の基幹インフラ役務の安定的な供給の確保に関する制度ということでございます。
 制度の詳細について、16ページにお示ししておりますけれども、特定社会基盤事業者は水道の事業者でございますが、ここが重要設備などの導入とか、維持管理を委託しようとするときに事前に国に届出を行って、審査を受けるということでございます。事業所管大臣に届出をして、内閣総理大臣、関係行政機関と必要に応じて事業所管大臣が協議をして、必要に応じて勧告とか、命令をしていくということでございます。
 特定社会基盤事業者の対象事業が下に表で1番から14番まで示しておりますけれども、4番のところに水道が入っているということでございます。
 ただ、それなりに手間等々もかかるということで、かなり絞り込んだ事業について対象にすることを考えておりまして、水道分野については、給水人口100万人超の水道事業とか、1日最大給水量50万立米超の水道用水供給事業を対象にすることを想定しているということでございます。
 17ページにスケジュールが載っておりますけれども、現在、基本指針を決めていくような段階でございますが、この後、政令なり、省令なりの整備をいたしまして、令和6年の春頃に制度の運用開始をする予定でございます。
 18ページ以降で、水道の諸課題に係る有識者検討会をつくって、検討をしていただいております。
 19ページに趣旨とか、構成員を載せておりますけれども、この部会の委員ともかなり重複がございますが、この中で滝沢先生に座長をしていただいて、検討を行っているということでございます。
 20ページに開催の状況を書いておりますけれども、下より古いものから新しいものということでやっておりまして、本年度は5回の開催をしておりまして、5回目は昨日行ったところでございます。
 中で議論しているものについては、例えば21ページにございますように、和歌山で水管橋の崩落がございましたけれども、これについて厚労省の対応ということで左に設けておりますけれども、最近になっては、昨日の段階で公布までしたものとしましては、水道法の施行規則の改正とか、ガイドラインの改訂、検討報告書を作成するといったことをしております。
 より詳しくは、その下の22ページにございますけれども、維持管理の法律の水道法の22条の2で規定をしておりますが、具体的なものについては、施行規則の17条でお示しをしています。そこで書き切れない、もしくはもう少し情報を盛り込みたいといったことについて、ガイドラインと、今回については、報告書という形でお示ししていこうというものでございます。
 省令については、23ページを御覧いただきまして、参考資料でも具体的な新旧対照を載せておりますけれども、目視と同等の方法も採用できるようにするとか、あと、道路、河川、鉄道等を架空横断する管路等ですが、水管橋とか、添架管みたいなものも対象にしていくということでございまして、コンクリート構造物と同じようにおおむね5年に1回以上の頻度の点検を義務づけるようにしていて、また、記録についても残していくものでございます。
 24ページのところで、併せてガイドラインの改訂をやっているということでございます。
 より詳しくは25ページにガイドラインの記載の充実というところで、右側にどういう項目を盛り込んでいるかということを記載しております。
 26ページでは、この中でも必須事項とか、標準事項とか、推奨事項としまして、例えば推奨事項でも、ドローン等の新技術の活用についても記載をしているものでございます。
 27ページになりますけれども、併せて検討報告書をお示ししまして、様々な事例等々につきましても、情報を盛り込むことで事業体の方々により使いやすいものにしているということでございます。
 参考としまして28ページに、今、新技術についての話が出てまいりましたけれども、維持・修繕等々を実施していくのに新技術を積極的に活用していくことは、従来からも進めているということでございます。これについては、予算的にもモデル事業の推進の予算もつけまして、推進をしています。
 モデル事業については、29ページにございますけれども、交付率3分の1ということで、新規性のあるもの等について、予算も活用していただきながら、推進をしておるところでございます。
 30ページからでございますけれども、水道資機材の基準ということで、昨年に塗料メーカーで不適切な行為がございまして、それに対応するものでございます。
 塗料については、塗料メーカーが化学品のメーカー等から仕入れて、塗料をつくって、管材メーカーに渡して、そこで塗って、水道事業者や管工事業者が調達をするということでございますけれども、塗料について日本水道協会さんの品質認証で問題があったところでございます。水道法の省令への適合も確認できないということで、問題がかなり大きくなったところでございます。
 具体的には31ページでございますけれども、試験片をつくるに当たっての条件とか、原料について日本水道協会のJWWAの規格で規定されていない原料を使用していた問題があったということでございます。
 これにつきましても、昨日の検討会でも出させていただきましたけれども、32ページでございますが、資機材の試験片について、適切な原料及び方法で作製されることとか、供試資機材の作製方法を記録として保存することを告示の中に追加していくようなことを予定しております。
 原料についても、原料が把握されている資機材であるといったことを省令に追加していくことを考えているところでございまして、今後、具体的な追加の仕方などを検討しまして、対応をしていきたいと考えております。
 33ページでございますけれども、資格要件に関する見直しをやっております。規制改革推進会議のスタートアップ・イノベーションワーキング・グループで問題提起されたものでございますけれども、布設工事監督者と水道技術管理者についての規定でございます。
 34ページを御覧いただきますと、黒字の部分が現行の規定でございますけれども、学歴要件等に実務経験をかけ合わせるような形で資格要件を決めていたということで、これについて問題提起がされたところでございます。
 具体的には33ページに戻っていただきまして、実務経験年数について、ほかの分野の、工業用水道とか、下水道とか、道路とか、河川分野においての実務経験の算入も可能にしようとか、学歴・学科の要件につきまして、土木工学科以外は入れていなかったのですけれども、機械とか、電気工学についても入れていくとか、衛生工学とか、水道工学に関する規定の必要性等々について議論をしているとか、③のほかの国家資格の1級土木施工管理技士の資格についても追加するとか、④の小規模な事業者についての実務経験年数等々について、見直しを図っていきます。併せて水道技術管理者についても、小規模な事業者についての規定の見直しを図っていくということで、34ページにあるような赤い字で書いた規定に見直しをしていくことを昨日も議論をいただいたところでございます。今後、必要規定について検討を進めまして、適宜見直しを図っていきたいと考えております。
 35ページ以降で、水道の基盤強化ということについて載せております。
 36ページに広域連携の推進について、本年度を目標に水道広域化推進プランを策定していただくようにお願いをしておりますけれども、3月22日時点でございますが、こういう策定状況になっているということでございます。
 37ページに具体的な広域連携の実施例を載せておりますけれども、一番下に今度の4月から広島の広域連合企業団が事業を開始する予定になっております。
 38ページのところで、こちらは官民連携の推進の種類とか、分類とか、事例について載せております。大きなものとしましては、一番下に公共施設等運営権方式、コンセッション方式を宮城県が昨年の4月から事業を開始しているものでございます。
 39ページでございますけれども、適切な資産管理の推進ということで、順序としては台帳を整備して、維持・修繕を図って、計画的な更新を図って、必要に応じて料金を見直していくという順序で進めていただくところでございます。
 40ページには、台帳の作成について、昨年の10月1日から法律の改正が適用されたところでございます。
 41ページでございますけれども、法律の適用によって義務化されたのですが、現在、86%が作成をしていただいているのですけれども、逆に言うと、それ以外のところはまだ未作成ということでございますが、こちらからも通知等を発出して、急いでいただくように依頼をしているところでございます。
 42ページは、各県別に未策定のところについて、どれぐらいあるかということをお示ししたものでございます。
 43ページでは、適切な資産管理の一環としまして、更新費とか、修繕費の試算結果を載せておりまして、これまでがどうであったか、これからどうなっていくのかというものを載せております。これまで過去の平均で更新費、投資額、修繕費は1兆3000億円ぐらいであったものが、今後は1兆8000億円程度になっていくようなところでございます。
 44ページは、そこの試算の考え方を載せたものでございます。
 45ページに、こうした考えでやっていくと、水道料金がどれぐらいになっていくのかの試算もしております。下から3分の1ぐらいのところに、令和2年度と比べた値上げということで幾つかのパターンで2030年と2060年について載せておりますけれども、こうした施設整備を考えていくと、こういう金額にしていく必要があろうということでございます。
 46ページのところで、水道料金とか、経営の安定化については、供給規定のところでこういうふうに考えてくださいというようなことを載せているところでございます。
 具体の料金につきましては、47ページに料金の改定状況を載せておりますけれども、最近、料金等を改定していただいているということでございます。
 48ページでございますけれども、供給単価と給水原価を比べて、給水原価が供給単価を上回っています。いわゆる原価割れ状態のところを赤で囲っておりますが、事業体の規模別に、一番右のところでは、全体を併せてお示ししておりますけれども、現在、新型コロナウイルス感染症対応の料金の減免等も受けて、全体の50%ぐらいがいわゆる原価割れの状態になっているということでございます。
 こういった状況も受けまして、49ページでございますけれども、私ども国としても、国民の方々に水道事業に対する理解を進めていただこうということで、パンフレットもつくっているところでございます。参考資料にも載せておりますけれども、こういったことをお知らせすることによって、理解を深めていただきたいと考えているところでございます。
 資料2について、長くなりまして申し訳ございません。以上でございます。
 
○古米部会長 御説明をどうもありがとうございました。
 それでは、委員から御質問等がございましたら、挙手をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。青木委員、お願いいたします。
 
○青木委員 日本水道協会の青木でございます。
 御説明いただきました経済安全保障に関する点について、2点ほどお願いというか、御要望をさせていただきたいと思います。
 御説明いただいた中で、特定社会基盤事業者の指定基準として、水道事業体としては、給水人口100万人超、用水供給としては、一日最大給水量50万トン以上と説明をしていただいたわけなのですけれども、経済安全保障の考え方からいうと、妥当なレベルと思っております。
 ただ、こういう大規模な事業体の中でも、施設が大規模な施設だけではなくて、かなり小規模な施設も含めて管理されておられる実態がございますので、例えば水道事業体としての人口100万人以上である事業体が小規模な施設も含めて全て対象になると、業務上の負担がかなり大きくなる可能性が大でございます。このため、100万人以上、最大給水量が50万トン以上の用水供給につきましても、小規模な施設については適用除外となるような、実務上の業務の軽減につながるような御配慮をお願いしたいと思っております。これが1点目でございます。
 もう一つは、事前届出制度に関する考え方で、計画書の事前提出を求めるということで、30日以内の審査期間というお話がございましたけれども、設備の導入に当たりましては、一体的にいろいろな設備の更新とか、改良をあらかじめ計画しているケースがほとんどでございますので、施設整備全体の進捗への影響をできるだけ抑えるよう、審査期間の短縮については、改めて御配慮をいただければありがたいと思っております。
 以上でございます。
 
○古米部会長 続いて、二階堂委員、その後、伊藤委員の順番でお願いしたいと思います。
 二階堂委員、お願いいたします。
 
○二階堂委員 ありがとうございます。全水道の二階堂です。
 私からは、先ほどの資料で御説明をいただきました、資料2の8ページのPFOS・PFOAに関する検討に関連して意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 お示しされたPFOSの水質基準の逐次改正検討会での目標値の検討を行うことについては、大変歓迎をしていますし、13ページの補助金の取扱いについても、そのとおりだと思うのですが、ただ、PFOSをめぐって、昨今、それぞれの報道がございます。
 そのことに関連して、水道法では、第5条の2で水道基盤の強化をするための基本方針が定められ、そして、その中の水道施設の維持管理及び計画的な更新に関する事項があると思います。その2としまして、安全な水道の確保という項目がございますけれども、この中で国内外においてそれぞれ安全性が高く評価されていて、事故等による不足の水道原水の水質の変化、あるいは水質汚染が発生し、給水停止等の対応が求められる事案も存在しており、水道水の安全性を確保するための取組が重要であるとも示されております。
 そういう意味からすると、この間、様々な国民の不安、あるいは報道等もございますけれども、今回の目標値の検討からさらに規制の強化について、今後検討すべきだと考えておりますので、そのことを意見として申し上げさせていただきます。ありがとうございました。
 
○古米部会長 伊藤委員、お願いいたします。
 
○伊藤委員 私からは、6番の基盤強化に関連して、少し中長期的な観点から申し上げておこうと思います。
 都道府県の役割強化という方針の下、国としてもいろいろな取り組みを進めていただいているし、都道府県も頑張っていただいているわけですが、その進み具合を見ていますと、残念ながら間に合わないという印象も同時に持っているわけです。
 料金回収率を例にとります。ある県の中で、将来、10%を下回る事業体が出てくるという予測がある場合に、それに対して県として有効な手を打てない、あるいは県庁所在地が関与をためらってしまうことがあります。そういうことが、いま全国各地で起きているように思います。
 今回、広域化推進プランが出されてきます。それらも表面的にはきれいにできているように見えても、内実は違っている可能性があるので注意が必要と思います。要するに、現在の市町村経営原則がネックになって、都道府県がリーダーシップを発揮しようとしても、発揮しにくい状況があると思います。
 具体的な事例もあるのですが、すっ飛ばします。現在はもちろん、市町村経営原則ですけれども、これからのことを考えると、これを緩和して、言わば都道府県経営原則という方向へシフトしていくような考え方を、取りあえず持っておくのが良いのではないか。
 それは決して市町村か都道府県かという2択ではありません。必要なことは、都道府県が実質的にリーダーシップを発揮できるようにすることです。それによって、単独での事業経営が困難になる、あるいは立ち行かなくなるような事業体が出現するのを回避するのが目的なのです。
 すぐに変えるのは無理でしょうけれども、徐々にそういう方向へシフトさせていく必要があるのではないか。もし同意いただけるようであれば、その方向へ向けた施策を打ち出していただけるとありがたいと思います。御参考になさってください。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。大瀧委員、お願いいたします。
 
○大瀧委員 一橋大学の大瀧です。
 29ページにありますIoTのことでお願いがあります。「ビッグデータやAIの活用」があげられていますが、水道スマートメータからの使用量データを活用していこうというときに、個人情報保護の観点からクリアしなければならない点が多々あります。電力データの利活用においては、個人情報を匿名化して利活用していく仕組みを作る予定だと聞いています。
 水道についても、個人情報の取り扱いについての仕組みをつくっていかないと、IoTの活用がうまく進んでいかないと思いますので、そのような点についても、御検討をいただければと思います。よろしくお願いします。
 
○古米部会長 ありがとうございました。
 ほかになければ、事務局より御回答をいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 事務局、お願いいたします。
 
○事務局 まず経済安保についての御意見をいただきました。具体的な制度設計、省令で決めていくことになりますけれども、その辺りの進め方については、御相談させていただきながら、調整をしていきたいと考えております。
 PFOS・PFOAについても御意見をいただいております。今後、検討会で議論をしていくということでございまして、様々なデータが世界的にも出されておりますので、そういったものを参照しつつ、国内の様々な部署で検討されていることも踏まえて、検討を進めていきたいと考えております。
 水道法の自治体等の扱いについても御意見をいただいております。実態等がどうなっているのか、どうすればよりよい方向に行くかについて、今後も検討を進めていきたいと思っておりますので、こちらも今後引き続き御相談をさせていただければと考えております。
 IoT関係で個人情報の扱いについても御意見をいただいております。私どもは補助事業を通じていろいろな形で事業体に御検討をいただいておりますので、そういったところでどういったことがネックになっているかということについても、今後、フォローアップ等々をしながら、検討を進めたいと考えております。
 
○古米部会長 よろしいでしょうか。
 御発言の委員の方、追加があれば、お願いしたいと思います。よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題に入らせていただきます。次の議題は「(3)労働安全衛生法施行令等の改正に伴う建築物衛生法施行規則の改正について」です。
 資料3を用いて事務局から御説明をお願いしたいと思います。
 
○山口補佐 生活衛生課の山口でございます。よろしくお願いします。
 私から資料3につきまして御説明したいと思います。
 タイトルはこちらでございますが、資料が前後しますが、2ページ目を先に御覧いただければと思います。建築物衛生法の法律の概要でございます。この法律は、店舗や事務所であって、延床面積3,000平米以上の建物を特定建築物と定義し、それを環境衛生上に保つことをビルの所有者等に義務づけ、国家資格を持つ建築物環境衛生管理技術者にその監督をさせるという法律でございます。
 その維持・管理について専門的に行う事業者様、いわゆるビルメンテナンス業者といいますが、その事業者様の資質の向上を図るために、一定の人的要件と物的要件を満たした者を都道府県知事が登録するという制度がございます。この登録制度が1号から8号とあります。
 建築物衛生法の概要をご認識いただいた上で、1ページ目に戻っていただければと思います。今般の制度改正の報告の概要についてご説明します。
 改正の趣旨を御覧ください。防毒機能を有する電動ファン付呼吸用保護具についての構造規格を定め、かつ譲渡等の制限の対象が追加されたという労働安全衛生法関係の制度改正がされたものでございます。
 それを受けまして、建築物衛生法施行規則を改正させていただきまして、建築物ねずみ昆虫等防除業の登録基準も改正するものでございます。
 具体的な改正内容は資料の中央部分をご覧ください。施行規則の29条の物的要件の一つに防毒マスクを設けておりますが、そこに「又は防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具」としてプラスアルファで追加するといった改正でございます。
 公布は今月の3月下旬であり、施行は10月1日を予定しているものでございまして、こちらは労働安全衛生法令を施行に合わせたものとなっています。
 下は参考ではございますが、どんなものかという写真を載せております。通称G-PAPRといいますが、右下に写真を載せております。こういったマスクでございまして、真ん中の出っ張っているところがいわゆる吸収缶というものでして、ここで有毒ガスを吸収するという仕組みになっております。
 通常の防毒マスクと何が違うかといいますと、電動のファンが常時回っておりまして、それによってマスク内の気圧が陽圧になりますので、マスクの面体から漏れにくくなるという機能がありまして、通常の防毒マスクよりもより安全性が高いというものでございます。こういった改正をすることが今回の報告内容でございます。
 簡単ではございますが、私からの説明は以上でございます。
 
○古米部会長 御説明をありがとうございました。
 それでは、委員の方々から御質問がありましたら、お受けしたいと思います。いかがでしょうか。髙田委員、お願いいたします。
 
○髙田委員 髙田でございます。御説明いただきありがとうございます。
 今回義務づけられます防毒機能を有する電動ファン付呼吸用保護具でございますけれども、実際に使用される方が適切に使用できるように保守管理も含めまして、引き続き御指導いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
○古米部会長 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見はございますか。
 それでは、事務局、今、御指摘いただいたことをしっかりと実践していただくということだと思いますが、事務局から御発言があれば、お願いしたいと思います。
 
○事務局 髙田先生におかれましては、御意見をありがとうございました。引き続きの御指導をよろしくお願いします。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 ほかにございませんでしょうか。
 なければ、次に移りたいと思います。最後の議題「(4)建築物衛生行政の最近の動向等について」です。
 資料4を用いて事務局より御説明をお願いしたいと思います。
 
○山口補佐 引き続きまして、私から御説明をさせていただければと思います。
 建築物衛生法の最近の動向ということで、資料はコンパクトにまとめさせていただきました。
 皆様方もお聞き及びかもしれませんが、デジタル庁という組織が立ち上げられまして、デジタル庁を中心としまして、全省庁的に規制のデジタル化の推進が謳われているものでございます。デジタル技術に基づく今後の工程表が昨年の12月に決定・公表されております。
 建築物衛生行政については、法律自体は1本の法律でコンパクトな法律でございますけれども、中身は空気環境の測定でしたり、空気調和設備の定期点検、飲料水・雑用水の水質検査やネズミ等の防除のための生態調査といった各種の措置、規制が盛り込まれているものでございます。
 こちらの法律につきまして、デジタル技術を活用した規制の見直しとか、そういったこともぜひ検討をしていただきたいということをデジタル庁から御指導いただいているところでございます。
 どういったものかといいますと、ログが取れる自動の測定器とか、空気調和設備でいったら、汚れを自動検出するセンサーとか、そういったものを規制に入れることはできないかということでございます。
 さはさりながら、そういった機器がそもそもあるのかどうかというところから始まりまして、その精度管理はどうするのかとか、そういった課題もあると私どもは思っておりますし、既存の方法と自動測定の比較検証も必要であろうと私どもは考えております。
 そこで、令和4年度から令和5年度の2年間を使って、厚生労働科学研究で調査研究をして、科学的なエビデンスを積み上げたいと思っております。並行して、来年度の令和5年度から別途検討会を立ち上げさせていただきまして、実際にどういう形で精度管理も視野に入れた制度設計について検討させていただきまして、令和6年度末までに中間とりまとめを行い、最終取りまとめを令和7年6月までに行う予定を考えているところでございます。
 今回は、今後の方向性ということでの御報告でございますが、実際に取りまとまった後について、この部会で何らかの形でフィードバックして、御指導を賜りたいと考えているものでございます。
 2ページ目を御覧いただきますと、どういった研究なのかというもので、全体的な概要を書いています。今年と来年でのIoTを使った自動測定の技術の調査でしたり、自動測定と既存方法による測定の比較検証でしたり、あとは、BEMSというデータを建築物衛生に活用できないかといった調査をさせていただき、その上で既存方法と自動測定のメリット、デメリットの整理でしたり、自動測定が既存方法の測定等と同等以上の精度を確保するために、どういったセンサーの制度とか、較正の頻度、劣化の具合、測定の位置、測定の間隔やデータ処理など、そういったことを研究の中で整理していただいて、それを別途検討会の中で検討して、制度設計をしていくというプランといいますか、方向性を考えているものでございます。
 簡単ではありますが、私の説明については、以上でございます。よろしくお願いします。
 
○古米部会長 御説明をどうもありがとうございます。
 それでは、委員の方々から御質問をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。安藤委員、お願いいたします。
 
○安藤委員 安藤でございます。御説明ありがとうございます。
 今回のIoTを活用した測定方法、点検、検査に当たっての測定方法について、最新のいろいろな技術を取り入れていくことについては、大いに賛同いたしますし、成果も大変期待しておるところでございます。
 一方で、建築物衛生法に基づく点検なり、検査結果の報告の手続についても、ぜひデジタル化を大いに進めていただいて、事業者側の負担軽減にもつながると思いますので、その辺の検討についても、引き続きよろしくお願いいたします。
 あわせて、デジタル化による報告をすれば、データの活用も期待ができるわけでございまして、検査結果もビッグデータになってくると思いますが、そういったデータを活用した点検基準の合理化についても、将来的に見据えて、いろいろ取組をお願いしたいと思います。
 あと、先ほど最初の議題のときに御質問すべきことだったのかもしれませんけれども、今回、水道行政が国交省であるとか、あるいは環境省に移管されるということですが、建築物衛生法に関わる職務は、厚生労働省さんの所管で変わりがないという理解でよろしいでしょうか。水道環境については、水道法の基準を引用する形で基準がつくられておりますけれども、建築物衛生法に基づく水道基準については、基本的には厚生労働省さんが引き続き所管をされていくという理解でよろしいか、確認をさせてください。
 以上です。
 
○古米部会長 どうもありがとうございます。
 林委員、お願いいたします。
 
○林委員 ありがとうございます。北海道大学の林です。
 IoT導入に関連して、建築物衛生の直近と今後の課題について、発言したいと思います。
 皆様、御存じのとおり、コロナのパンデミックが始まった後、この3年間ですけれども、特定建築物、それ以外の建築物の空気環境調査が行われてきました。その中で空調換気設備、室内空気環境の課題が非常にたくさん出てきました。クラスターが発生したところで調査をすると、ほとんどの場合にその問題が出てくる状況でした。
 特に病院、高齢者施設、保育所などのハイリスク対象の建築物できちんとしてほしいわけですけれども、空調換気設備の維持管理ができてから、場合によっては30年、ほとんど行われていなかったことも散見される状況になっています。ですので、特定建築物に限っていると、相当に日本全体の空気環境リスクが放置されてしまうことになっていたということなのです。
 IoTの導入というのは、特定建築物に限らず、幅広く空気環境を改善することに役に立つはずだと思います。ですので、これまでの特定建築物の空気環境の基準自体もIoTを導入することを踏まえて、見直していくことも含めて、幅広く技術の導入、維持管理、自治体による指導の体制を急いで考えておかないと、次のパンデミックに間に合わなくなってしまうことになると思いますので、幅広く真剣に取り組んでいく必要があると思っています。
 以上です。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 ほかに御質問等がなければ、事務局より御回答をいただきたいと思いますが、よろしいですか。
 事務局、お願いいたします。
 
○山口補佐 生活衛生課の山口でございます。
 安藤先生の御意見、御質問についてお答えしたいと思います。先生のおっしゃるとおり、報告手続のデータの活用もできるということは、まさにおっしゃるとおりだと私どもも考えております。水道部会の先生方は、衛生環境を御専門とされている方も多いことも踏まえまして、建築物衛生法の中で一番大きなものは、定期検査測定ということで、ここを中心に御説明させていただきましたが、デジタル化が求められているところは、建築物衛生法全体の部分ですので、先生の御意見を踏まえまして、検討してまいりたいと思っております。
 もう一つの御質問でございますが、水道行政は移管という形でございますが、建築物衛生行政については、厚生労働省のまま引き続き残るところは先生の御指摘のとおりでございます。また、飲料水などについては、水道法の規定を引っ張っているものが建築物衛生法の特徴ではございますので、密に連携できるように努めたいと考えているところでございます。
 安藤先生の御指摘、御意見については、以上でございます。
 続きまして、林先生の御意見について、お答えしたいと思います。大きな課題といいますか、併せて大きな激励の言葉を頂戴したと認識させていただきました。先生からいただいた御意見を踏まえまして、今後、進めていきたいと思っております。いろいろな課題が出てくるかと思いますが、また御相談をさせていただければと思っております。よろしくお願いします。
 
○古米部会長 ありがとうございました。
 御質問、コメントいただいた委員の方々、よろしいでしょうか。鍵委員からお願いします。
 
○鍵委員 東京工業大学の鍵と申します。
 建築物衛生について、いつもありがとうございます。先ほどの資料3のところで、労働安全衛生法の改正に伴う建築物衛生法の改正をしていただいて、非常に迅速に作業をしていただいて、非常に感謝をさせていただきます。
 もう一つ、建築物衛生法が改正されても、ほかの法律がいまいち変わっていないところが結構ありまして、例えば安衛法の事務所則とか、あるいは建築基準法とか、いま一つ変わっていないところがありますので、ほかの法律も連携を取っていただいて、建築物衛生法が中心に動いているところに関しては、改正をしていただくような働きがけをしていただければと思っております。これからもよろしくお願いいたします。
 
○古米部会長 どうもありがとうございます。
 事務局、何かございますか。
 
○事務局 鍵先生からも激励の言葉を頂戴したと認識しております。この法律は、建築基準法や労働安全衛生法と近しい関係にもあると思っておりますので、引き続き関係部署と連携、相談しながら、進めていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。
 
○古米部会長 ほかにございますでしょうか。浅見委員、お願いいたします。
 
○浅見委員 ありがとうございます。
 分科会としましては、生活衛生適正化分科会に残るお話になるのかもしれないのですけれども、今般、旅館でのレジオネラの問題等もございまして、水質の監視ですとか、衛生上の問題が発生したときの連絡とか、そういうことが起こりそうなときの監視に関しましては、建築物と専用水道と旅館業の法律のはざまに入ってしまうようなものですとか、連携が難しいところがありまして、今回、省庁が移管しますと、何か起こったときにその辺の監視を保健所などのどういったルートで連絡をするのかというところが難しくなるのではないかと懸念をしております。そういった監視の情報について、省庁や保健所を介してどうやって連絡をするのかというところも、しっかりと見ていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 事務局、よろしいでしょうか。
 
○事務局 今の浅見先生の御意見を踏まえまして、組織が分かれてしまうところはありますが、組織が分かれたとしても、一緒に進めていく気持ちは変わりませんので、連携して進めたいと思います。よろしくお願いします。
 
○事務局 水道課でございます。
 水道課としましても、今回、移管になりますけれども、今まで行政をやってきておりますので、それがスムーズに引き継がれていくような形で調整を進めていきたいと考えております。御意見をありがとうございます。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本日予定しておりました議題が四つ終了いたしましたけれども、全体を通じて委員の方々から御発言があれば、お願いしたいと思います。亀井委員、お願いいたします。
 
○亀井委員 ありがとうございます。亀井でございます。
 水道行政および建築行政は、これから制度上の大きなパラダイムシフトとなることを理解いたしました。特に水道に関しては、国民の不安も大きい上に、国民への負担が今後一層大きくなっていくのではないかと拝察いたしております。なぜなら、日本全体で人口の高齢化とともに人口そのものが益々減少していくためです。
 さらに懸念されますのは、限界集落も増えてくると言われております中で、国民のニーズに応えられるような行政サービスができるかということです。きめ細かく縦割りにはなってしまわないように配慮するというお話でございました。サービス全体がこれまでと変わらず、あるいはこれまで以上に良いサービスがなされますように、引き続き御努力をしていただくようお願いしたいと思います。
 水は、人々が生活するに当たって極めて重要なインフラでございますし、水なくして生活が成り立ちません。国民全体の不安、負担ができるだけ大きくならない、安心感を与えられるような舵取りをしていただきたく思っております。どうもありがとうございました。

○古米部会長 藤野委員、お願いいたします。
 
○藤野委員 主婦連合会の藤野でございます。
 御説明等をありがとうございました。今、亀井委員がおっしゃってくださったように、水道の利用者は国民でございまして、今回の改正と移管等も国民に取ってよりよくなるのだと信じたいと思っております。
 今回の報告の中で水道管塗料の偽装の報告もございましたけれども、報道等では不安が大きくなるばかりで、一体それが大丈夫なのかということに対しての答えが見いだせないでおります。そういった意味で、最終的に国民に対してのちゃんとした説明等、不安を取り除くようなことをぜひとも国から行っていただけるよう、よろしくお願いいたします。
 市町村管轄ではなく、都道府県単位というお話もありましたけれども、料金等のことも広域で水道を運営していくお話もありますが、最終的には国民が、今後もしっかり水道が利用できるよう、安心・安全な水道が利用できるよう、国でもしっかりと見守っていただけるよう、くれぐれもよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
 
○古米部会長 ありがとうございました。
 ほかに全体を通じた御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、私から全体を通じて発言させていただきたいと思います。
 今回の移管の話でいいますと、水道が国土交通省で下水道と一体的に行政が進められ、全体として密接な連携をされるということですので、ぜひしっかりと進めていただきたいと思います。
今日出た議論の中で、先ほど伊藤委員が言われたように、小規模の事業体等の体力には限界があることから共同化あるいは広域化の推進が期待されていますが、そこを県がサポートするような考え方があります。また、デジタル化をしないといけないとか、あるいはドローンを使って点検をしないといけない、水道施設の台帳を電子化してつくらなければいけないなど、新しい技術がどんどん入っているときに、小規模の事業体ではデジタル化やIoTに対応できる人材がまだ十分に確保できていないのではと思っております。厚生労働省から国土交通省へ移管されたとしても、そういった人材をどう育成して、新しい技術を活用できるような体制をつくるかが重要だと思っております。
 そういう意味においても、途中で出てきた布設工事管理者であるとか、水道技術管理者など、そういった管理者の継続的な教育も大事です。しかし、それをサポートする人材育成のシステムに若干懸念がありますので、御検討いただきたいと思っています。
 追加で私から発言させていただきましたが、ほかになければ、事務局より御発言をお願いしたいと思います。
 
○事務局 水道課でございます。
 今いただいたものは、恐らくほとんど水道関係ということでございますので、私からお答えいたします。
 水道事業は、明治20年に近代水道が始まりまして、それから百数十年たって、今、非常に大きな転換期に入っているということでございます。人口については、2000年初頭にピークを迎えまして、これからほぼ100年たたないうちに半減のところに向かっていくということでございまして、限界集落も含めて様々な課題に直面しているところでございます。
 ちなみに、水道では、その前から節水が進んでおりまして、料金収入が減り始めていることもございまして、そういう意味でも大きな転換点に入っているところでございます。
 また、水質についても、いわゆる微生物的なものについては、塩素消毒などで対応してきたのですけれども、その他様々な原水に含まれ得るような化学物質等に対応してきたということでございます。
 これまでの対応については、しっかり継続をしていきながら、新たに生じている課題についても、しっかり対応していけるように、有識者の皆様の声をしっかり伺いながら、国民に正面から向き合って対応を進めたいと考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 
○古米部会長 どうもありがとうございました。
 亀井委員、藤野委員、よろしいでしょうか。
 ほかに全体を通じた御意見がなければ。特に挙手、御発言はなさそうです。
 以上、4件の議題の全体を通じた意見も出ましたので、進行を事務局にお返ししたいと思います。
 
○鈴木補佐 本日は、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。
 本日の部会の議事録につきましては、後日、委員の皆様に御確認をいただいた後、ホームページで公開をいたしますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、これをもちまして、本日の部会を閉会といたします。ありがとうございました。

(了)

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