ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(生活環境水道部会)> 第20回厚生科学審議会生活環境水道部会 議事録(2019年3月13日)

 
 

2019年3月13日 第20回厚生科学審議会生活環境水道部会 議事録

医薬・生活衛生局水道課

○日時

平成31年3月13日(水)10:00~12:00

 

○場所

厚生労働省専用第22会議室

○出席者

秋葉委員 猪股委員 遠藤委員
大瀧委員 倉根委員 髙田委員
滝沢委員 二階堂委員 西尾委員
西村委員 林委員 藤井委員
古米部会長 堀口委員 吉田委員

○議題

(1)水質基準等の見直しについて
(2)水道法の改正と水道行政の最近の動向等について
(3)建築物衛生行政の最近の動向等について
(4)その他

○議事

 

 

○林水道課課長補佐
おはようございます。定刻となりましたので、只今から第20回厚生科学審議会生活環境水道部会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、御多忙の中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
まず、前回の部会以降、新たに本部会に御就任いただいている委員がいらっしゃいますので、御紹介させていただきます。
聖マリアンナ医科大学の髙田委員でございます。
 
○髙田委員
聖マリアンナ医科大学の髙田と申します。環境保健を専門としております。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○林水道課課長補佐
もう一名、一橋大学大学院の大瀧委員につきましても、今回から新たに御参加いただいておりますが、電車の遅れの関係で後ほど御到着される予定でございます。
本日の委員の出席状況でございますが、中野委員、藤野委員、細井委員が御欠席でございます。清古委員は少し遅れているようでございますけれども、委員19名中、過半数となる16名に御出席いただく予定でおりますので、本部会は成立しておりますことを御報告いたします。
次に、事務局の紹介をさせていただきます。
生活衛生・食品安全審議官の宮嵜でございます。
水道課長の是澤でございます。
水道計画指導室長の日置でございます。
水道水質管理官の柳田でございます。
水道課課長補佐、総括の黒木でございます。
水道課課長補佐の水野でございます。
生活衛生課課長補佐の米倉でございます。
私は水道課課長補佐の林です。
以上、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、審議会等のペーパーレス化の取組といたしまして、参考資料につきましては、タブレットを操作してご覧いただくことになりますので、操作で御不明な点がございましたら、随時事務局までお申しつけいただきますようお願いいたします。
タブレット以外のものでお手元に配付しているものを確認させていただきます。
お手元には、議事次第、座席表、委員名簿、資料1、資料2、資料3、そして、タブレットの操作説明書を配付しておりますので、不足等がございましたらお知らせ願います。
次に、部会長の選任について御報告いたします。
昨年2月に開催されました前回の部会後に、当時の大垣部会長が委員を御退任されまして、部会長が空席となっていたところでございますが、古米委員に新たに部会長に御就任いただいております。
部会長選任の経緯を簡単に御説明いたします。
先月から、本部会の下に設置されております専門委員会を約2年3カ月ぶりに再開しているところでございますけれども、専門委員会の委員の任期が切れておりました関係で、専門委員会の再開に当たりましては、部会の運営細則に基づき、専門委員会の構成員と委員長を改めて指名する必要がございました。その指名は部会長が行うこととされておりますので、まず、所定の手続に従いまして、部会長を選任させていただきました。
部会長の選任手続といたしましては、厚生科学審議会令第6条第3項に基づき、委員の互選により選任することとされております。互選の対象となる委員は臨時委員を除いた委員となりますので、本部会に所属する4名の委員の皆様に対しまして、新しい部会長としてどなたに御就任いただくのがよいのかをお尋ねし、書面で御回答いただきました。その結果を踏まえまして、古米委員に部会長をお引き受けいただいたものでございます。以上が部会長選任の経緯でございます。
傍聴の皆様にお願いでございますけれども、カメラ撮影はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入らせていただきますが、本日の議題は3つでございます。議題1といたしまして、水質基準等の見直しについて御審議いただき、議題2と議題3で、水道行政や建築物衛生行政の最近の動向等について御報告させていただきます。
これ以降の議事進行は古米部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○古米部会長
このたび部会長を仰せつかりました、東京大学の古米です。よろしくお願いいたします。
部会長になりましたので、厚生科学審議会令第6条第5項におきまして、部会長に事故がある時にはあらかじめ部会長が指名する者がその職務を代理するということで、部会長代理を指名しておく必要がございます。私が出席できない場合に職務を代行していただく委員としましては、引き続き藤井委員にお願いしたいと考えておりますけれども、藤井先生、よろしいでしょうか。
 
○藤井委員
わかりました。
 
○古米委員
どうもありがとうございます。
それでは、議題に入らせていただきます。
議題(1)「水質基準等の見直しについて」ということで、資料1を用いて事務局から御説明をお願いいたします。
 
○柳田水道水質管理官
それでは、資料1に基づきまして、水質基準等の見直しの案について御説明をさせていただきたいと思います。
まず、1ページ目でございます。
水質基準につきましては、平成15年の厚生科学審議会の答申におきまして、最新の科学的知見に従い、逐次改正方式により見直しを行うこととされております。このため、厚生労働省におきましては、水質基準逐次改正検討会を設置いたしまして検討を進めているところでございます。
ここで、毎年の説明になりますけれども、水質基準の体系図につきましては、真ん中のピラミッドをご覧いただければと思います。まず、水道法に基づく水質基準につきましては、具体的な基準を省令で規定しているところでございます。健康関連項目が31項目、生活上支障関連項目が20項目ございまして、水道事業者等に遵守義務や検査義務がございます。
その下が水質管理目標設定項目でございまして、水質基準に係る検査等に準じた検査を要請するというもので、健康関連13項目で農薬類1項目を含んでおります。下の注のところにございますけれども、農薬類につきましては検出指標値というものがありまして、各農薬の検出値を各農薬の目標値で割ったものをリストに載っている農薬について全て足し合わせて、それが1を超えないというふうにする総農薬方式により、水質管理目標設定項目に位置づけているところでございます。水質管理目標設定項目につきましては、その他に生活上支障関連として13項目がございます。
さらにその下には要検討項目といたしまして、毒性評価が定まらなかったり浄水中の存在量が不明であったりするものについて、全47項目について情報・知見を収集しており、これについては最新の知見により常に見直しを図っているところでございます。
2ページ目にまいります。
まず、「2.科学的知見等に基づく見直し」でございます。水質基準項目といたしまして、内閣府食品安全委員会による食品健康影響評価の結果が示されたものとして六価クロム化合物がございます。これについては、昨年9月の食品安全委員会の答申により、新しいTDIとして1.1μg/kg体重/日が示されたところでございます。
その下に、現行の水質基準の根拠と、その隣に食品安全委員会の評価内容を記載しているところでございます。
食品安全委員会の評価内容の詳細につきましては、参考資料1を改めてご覧になっていただければと思いますが、ここには概要が書かれているところでございます。六価クロムの発がんメカニズムの考察から、発がん影響と非発がん影響を分けずに評価を行い、そういった結果をもとにTDIが算出されたところでございます。
これにつきまして、昨年11月に開催されました水質基準逐次改正検討会におきまして、検討を踏まえた結果、現行の評価値である0.05mg/Lを0.02mg/Lに強化することが適当ではないかということを対応方針として考えてございます。どのような検討がなされたかが下に書かれているところでございます。
まず、水道水中におきましては、残留塩素の影響で水中のクロムがほぼ六価になるという仮定をしております。これも安全側の評価ということにしております。3ページにまいりますと、水道の割り当て率を考えたところでございます。これについては、飲料水以外からの摂取がないという確かなデータがある場合は、割り当て率をWHOやUSEPAで示されている上限80%と設定するところでございます。
ただ、食品安全委員会評価書では、食品中のクロムは三価の状態で存在するとされているのですけれども、飲料水以外からの六価クロムの摂取経路が確かにないとは言えないということで、80%から少し割り当て率を落として60%とするのが適当だろうと考えました。
このTDIと、1日2リットル摂取する、体重50kg、寄与率、つまり割り当て率を60%として算出される評価値は0.02mg/Lとなりました。これが現在の評価値である0.05mg/Lと異なるため、見直しが必要な項目であると考えたところでございます。
ちなみに、検出状況がどうなっているかというのが下に書かれておりますけれども、水道統計水質編のデータを確認したところ、新しい評価値が仮に0.02mg/Lになったとしても、その評価値の50%値である0.01mg/Lを超える地点はなく、実際には遵守可能であろうと考えているところでございます。
次が農薬類でございます。
農薬類についても、内閣府食品安全委員会におきまして、食品健康影響評価が行われております。いろいろ農薬について評価を行っておりますけれども、この中で、網かけの部分が現行評価値と異なる評価値が得られたというものでございます。4ページ目になりますけれども、対象農薬リスト掲載農薬類の中では、カルバリル、プロベナゾール、メタラキシル、その他農薬類といたしまして、MCPBとシペルメトリンの5つが現行の評価値と異なるということで、強化又は緩和するということを考えております。
ちなみに、この評価値につきましては、食品安全委員会が設定したTDIを用いまして、1日2リットル摂取、体重50kg、寄与率10%として評価値を算出しているところでございます。
次が「2-2.代謝物、分解性、検出状況に関する知見を踏まえた見直し」でございます。
まず、代謝物や分解性に関する知見につきましては、対象農薬リスト掲載農薬類であるオリサストロビンにつきましては、代謝物である(5Z)-オリサストロビンも合わせて測定して、原体の濃度と代謝物の濃度を原体に換算した濃度を合計して算出してはどうかということでございます。
また、除外農薬であるイプロジオンでございますけれども、代謝物のイプロジオン代謝物を測定して、原体の濃度と代謝物の濃度を原体に換算した濃度として合計して算出することが適当ではないかということでございます。現在は除外農薬ですけれども、分解物を含めた検出状況を把握するため、要検討農薬に移行した上で目標値を0.3mg/Lと設定してはどうかということでございます。
「(2)検出状況に関する知見を踏まえた見直し」でございます。対象農薬リスト掲載農薬類でありますエディフェンホス、エトリジアゾール、カルプロパミド、メチルダイムロンにつきましては、登録が失効した農薬でございまして、平成28年度までに原水中での検出実態もないことから、除外農薬に移行することを考えております。
また、厚生労働科学研究の成果におきまして、近年原水においてイプフェンカルバゾンという農薬の検出傾向が見られております。そのため、これを要検討農薬に追加して、継続して検出状況の知見を収集してはどうかということでございます。この目標値については、食品安全委員会によりADIが設定されておりますので、それをもとに評価値を0.002mg/Lと設定してはどうかということでございます。
以上を踏まえた科学的知見等に基づく見直しの案でございますけれども、まず、水質基準項目である六価クロム化合物につきましては、もしここで御了解をいただけましたら、食品安全基本法の規定に基づきまして、内閣府食品安全委員会の意見を聴くことといたします。その後、パブリックコメント等の手続を経まして、新基準を設定し、早ければ来年の4月1日から適用することとしてはどうかと考えております。
「(2)農薬類」ですが、農薬類については、前回の部会において、水質管理目標設定項目については可能な限り測定することが望ましいということで、科学的知見等に基づく見直し案が提案されれば、速やかに改正することが望ましいということで御了解をいただいたところでございますので、それについては、既にパブリックコメント手続を実施したところでございまして、先ほど申しましたとおり、対象農薬リスト掲載農薬類に係る新評価値の設定、対象農薬リスト掲載農薬類の代謝物の測定や原体への合算の追加、除外農薬への移行といった変更をしたいと考えているところでございます。
要検討農薬、その他農薬及び除外農薬につきましては、要検討農薬への追加、その他農薬に係る新評価値の設定、除外農薬の分解物の測定及び原体への合算の追加や、要検討農薬への移行といったことを適用したいと考えております。
ちなみに、農薬類の対象農薬リスト掲載農薬類のパブリックコメントにつきましては、この資料の16ページ以降に掲載しているところでございます。16ページには概要が載っております。
昨年の12月25日から今年の1月25日までの間、意見募集を行いまして、意見提出数が2件、意見総数は6件でございます。もう少し目標値を低くしてほしい、するべきではないかといった御意見等を幾つかいただきました。これに対する考え方といたしましては、この目標値は、内閣府食品安全委員会の食品健康影響等の評価の結果などを用いて、最新の科学的知見に基づいて設定しておりますので、この値自体は適当なものだろうと考えているところでございます。
戻っていただきまして、今度は6ページ目になります。「3.水質検査結果に基づく水質基準項目及び水質管理目標設定項目の分類見直し」でございます。
この分類見直しの検討方法については、以前この部会で了承されました「水質基準項目及び水質管理目標設定項目の分類に関する考え方」に従って検討を行っているところでございます。
まず、水質基準項目である場合、上の行につきましては、分類要件1がNOであった場合は、水質管理目標設定項目への検討を行うということで、分類要件1の要件が最近3ヶ年継続で評価値の10%超地点が1地点以上存在するというものでございまして、要は、10%超過地点がない場合には見直しを検討することになります。
もう一つが、見直し時点で水質管理目標設定項目である場合は、分類要件1、分類要件2がともにYESになった場合、水質基準項目への検討を図るというものでございまして、3ヶ年継続で評価値の10%超過地点が1地点以上存在し、かつ、要件2といたしまして、最近3ヶ年継続で50%超過地点が1地点以上存在するか、5カ年の間に評価値超過地点が1地点以上存在する場合、水質管理目標設定項目から水質基準項目への格上げを検討するということになっております。
もちろん、これは分類要件のみによって当てはめるものではりませんので、その検討の結果どうするかということを検討するものでございます。
「(2)集計及び検討結果」でございますが、集計の結果は8ページ目以降に掲載されているところでございます。
8ページ目を見ますと、一覧表になりますけれども、分類要件1でNOになったのが陰イオン界面活性剤でございまして、また、見直し時点で水質管理目標設定項目の中で、分類要件1、2をともに満たすものとしてニッケル及びその化合物が出てきました。農薬類については、特に水質管理目標設定項目の中から水質基準項目に上げるというような項目はございませんでした。
6ページ目に戻っていただきたいと思います。検討結果でございます。陰イオン界面活性剤については検討項目ということになりましたが、直近3ヶ年継続で10%超過地点はないのですが、平成24年度までは50%値超過地点が存在していたこと、28年度も10%値地点が存在していたこと、陰イオン界面活性剤の販売量も一定量あり、今後検出される可能性もあるだろうということで、検出実態の把握に努め、引き続き水質基準に据え置いて管理していくことが望ましいと考えているところでございます。
また、7ページのニッケル及びその化合物でございます。これも昨年度のこの部会で議論させていただいたところですが、給水栓においてかなり高い値が出ていることもありまして、検討したところでございます。その結果は①から③に書かれているとおりでございまして、引き続き水質管理目標設定項目として給水栓水での検出状況を注視していくことが適当であると結論づけたところでございます。
その経緯に加えまして、平成28年度の水道統計の結果、評価値50%を超える地点はなかったということでございますので、ニッケル及びその化合物につきましては、引き続き水質管理目標設定項目といたしまして、給水栓水での検出状況を注視していくということが適当であろうと考えているところでございます。
その結果、今回の分類見直し方針(案)でございますけれども、浄水中での検出状況による水質基準及び水質管理目標設定項目間での分類変更は行わないと考えているところでございます。
10ページ目以降にそれぞれの測定地点数と超過割合を示しておりますので、また後ほどご覧になっていただければと思います。
説明は以上でございます。
 
○古米部会長
御説明どうもありがとうございました。
それでは、只今御説明いただいた水質基準等の見直しについて、御質問、御意見をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
どうぞ。
 
○倉根委員
調査地点の数が書いてあるのですけれども、調査地点はどうやって選択、選考されているのですか。
 
○柳田水道水質管理官
例えば3ページ目の六価クロム化合物ですと、水道事業者が定期的に水質検査を行っておりますので、その値を集計しているというものでございます。
 
○古米部会長
他にいかがでしょうか。
私から1つ御質問させていただきたいと思います。「2-2 代謝物、分解性、検出状況に関する知見を踏まえた見直し」で、幾つかの農薬が除外農薬に移行するという御説明がありましたけれども、これは登録が失効した農薬であるということと、平成28年度までに検出されていないということで、実際上使われていないし検出もされていないということですが、それはある一定期間以上検出されていないというようなルールが何かあるのでしょうか。
 
○柳田水道水質管理官
基本的には原則3年以上ということになっております。この中には、3年ではなくてもっとそれ以上検出されていないというものも含まれているところでございます。
 
○古米部会長
まずは登録されていないことが重要で、それに加えて検出されていないということが判断基準というように理解すればよろしいですか。
 
○柳田水道水質管理官
そういうふうに考えております。
部会長がおっしゃったように、まず、登録が失効しているということが大前提でございます。
 
○古米部会長
どうもありがとうございます。他に何か。
どうぞ。
 
○西尾委員
今回の見直しに当たって、きちんとした根拠と測定結果、実態に基づいて、また、安全性の観点からむしろ厳しく設定されているというところは、市民に対しても大変安心感のある見直しではないかと思います。
その中で1つだけ、門外漢のところがあるので教えていただきたいのですけれども、4ページ目の表の中で、他の項目は基準が厳しくなるのに、メタラキシルだけが緩和するとあります。これは上位規定の内閣府食品安全委員会の基準に基づいてというご説明でしたが、市民が見たときに、基準が「厳しくなる」というのは受け入れやすいのですが、「緩和」と聞くと何となく不安感を抱きます。パブリックコメントの中にもそういう意見があったかと思います。この点について、安全性等の点から考えても「緩和」という形でよいという決定がなされたということについて、御確認させていただきたいと思います。
 
○柳田水道水質管理官
基本的には科学的知見に基づいて目標値を設定しているところでございますので、もちろん緩くし過ぎてそれが大量に出てくるというようなところであれば、また状況を考えることもあろうかと思いますけれども、このメタラキシルにつきましては、実際に検出状況を見てもそれほど出ているものでもなく、そうであれば、科学的知見に基づいた値を設定することが適当ではないかと考えたところでございます。
 
○西尾委員
ありがとうございます。
そういう御説明をいただければ安心しますので、どうもありがとうございました。
 
○古米部会長
他にいかがでしょうか。
どうぞ。
 
○堀口委員
陰イオン界面活性剤の件なのですけれども、私の理解しているところでは、検出される量が年々減ってきているということなのだと思いますが、これを拝見しますと、販売量は一定量あるということで、検出されることが減ってきていることは大変望ましいことだと思うのですけれども、なぜ販売量が一定量あるのに減ってきているのかということが素朴な疑問なのですが、もし何か理由がおわかりであれば教えていただきたいと思います。
 
○柳田水道水質管理官
詳細な分析をしているわけではないので、なかなかこうだとは言えないところもあるのですけれども、これは洗剤などで使われているということですので、例えば、今まで上流部で川に直接放流されていたものが、下水処理場などができて、処理されたものとして流れてくるということになれば、そういった原水中に含まれる量が減ってきて、浄水中からも検出されていないということがあり得るということは思いつくのですが、その他にもあるのかもしれないなとは思っております。
 
○堀口委員
どうもありがとうございました。
 
○古米部会長
他にいかがでしょうか。
どうぞ。
 
○西村委員
農薬についてなのですけれども、評価値が評価されたり、また新しく項目が入ってきたり、それを迅速に適用するというのは、私自身は賛成なのですけれども、1つお伺いしたいのは、評価をされた時や新しく入ってきた時に、検査方法が、事業体や検査機関で対応できるかどうかというその辺の情報を何かお持ちであれば教えていただきたいです。
 
○柳田水道水質管理官
検査方法については、別途、水道水質検査法検討会を開催しておりまして、その中で今回新たに追加されるなどする農薬類の検査方法を検討しているところでございます。
 
○西村委員
どうもありがとうございました。
 
○古米部会長
他にいかがでしょうか。
特にないようでございましたら、事務局においては、御説明いただいたとおり、今後、食品安全委員会への意見聴取及び六価クロム等についてはパブリックコメント等の必要な手続をお願いしたいと思います。
それでは、2番目の議題に移ります。「(2)水道法の改正と水道行政の最近の動向等について」ということで、資料2を用いて事務局から御説明をいただきたいと思います。
 
○林水道課課長補佐
お手元にお配りしている資料2をご覧いただきたいと思います。同じものをタブレットの中にも保存していますので、若干、文字が小さい箇所もありますので、必要に応じてタブレットも御活用いただければと思います。
まず、右下にスライド番号がございますけれども、3ページ目をご覧ください。
昨年2月に開催しました前回の部会でも経緯等を御説明させていただいたところですが、昨年2月の時点では水道法改正法案を国会に出したところ廃案になったというところまで御報告いたしました。その後、3月9日に再度国会に提出いたしまして、昨年の12月6日に衆議院本会議で可決・成立し、12月12日に水道法の一部を改正する法律が公布されたところでございます。
次に、4ページ目でございますが、「水道を取り巻く状況」ということで、法改正の背景となった現状と課題を書いてございますけれども、老朽化の進行、耐震化の遅れ、多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱、計画的な更新のための備えが不足ということで、これらの課題を解決するためには水道の基盤強化が必要ということでございます。併せて、所在確認のとれない指定給水装置工事事業者の排除、無届工事や不良工事の解消も課題となっているということでございます。
5ページをご覧いただきたいと思います。
水道法の一部を改正する法律の概要として、まず「改正の概要」の1ポツをご覧いただければと思いますが、②でございますけれども、今回、特に都道府県に対して水道の広域連携の旗振り役を務めていただくということで、責務といたしまして、都道府県は広域的な連携を推進するよう努めなければならないという規定を設けたところです。
それから、「2.広域連携の推進」でございますが、まず国が基本方針を定め、②ですが、都道府県がその基本方針に基づき水道基盤強化計画を定めることができる、③ですが、その基盤強化計画の検討の場ということで都道府県が協議会を設けることができるという規定を創設いたしました。
「3.適切な資産管理の推進」の①と②でございますが、水道事業者等は施設の維持修繕をすること、それから、水道施設の台帳を作成して保管しなければならないという義務規定を設けました。③と④ですが、水道事業者等は水道施設の計画的な更新、事業の収支見通しの作成、公表に努めなければならないという規定を設けております。
「4.官民連携の推進」でございますが、地方公共団体が水道事業者等としての位置づけを維持しつつ、水道施設に関する公共施設等運営権を設定できる仕組みを導入したということでございます。小さい※のところでございますけれども、施設の所有権を地方公共団体が所有したまま、その運営権を民間事業者に設定する方式というものでございます。
それから、「5.指定給水装置工事事業者制度の改善」ということで、5年の更新制を導入するというものです。
施行期日につきましては、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において定める日ということで、まだ決まっておりませんけれども、今年の12月11日までの日付で施行されるということになります。ただし、3の②の水道施設台帳の作成につきましては、さらに施行の日から3年を超えない範囲内までは適用しないということになっています。
6ページでございますが、今回の法律改正の国会の審議の中でも、公共施設等運営権、コンセッション方式と言いますけれども、この導入に対する懸念について国会でも多く質問が寄せられたところでございます。それらに対する考え方をここで参考に示させていただいておりますが、マルが3つございます。まず、このコンセッション方式につきましては、平成23年のPFI法の改正で既に導入が可能だったのですが、地方自治体が水道事業の認可を返上して、民間事業者が新たに認可を受けることが必要でした。このため、今回の水道法改正では、公の関与を強化しまして、自治体が水道事業者としての位置づけを維持しつつ、つまり、認可を返上しない形でコンセッション方式の導入を可能にしたというものでございます。
コンセッション方式はあくまでも選択肢の一つということで、地方自治体が議会の議決を経て、自治体の判断で導入を御検討いただくものという性格のものでございます。
下の方に「2.事前の対応」の2つ目のポツ、特に料金につきましては、コンセッション方式を導入することで水道料金が跳ね上がってしまうのではないかという御懸念がございました。それにつきましては、条例で料金の枠組み、すなわち上限を決めるということで、事業者はこの範囲内での料金設定しかできないということでございます。
それから、下のポツでございますけれども、コンセッション事業者が設備投資を怠らないでやるのか、水道水の水質が悪化するのではないか、災害時にしっかり事業者が対応してくれるのかといった御懸念もございました。それにつきましては、実施方針や民間事業者との契約の中でその内容を明確に定めるという仕組みになっております。
これらに加えまして、その下のポツでございますけれども、厚生労働大臣がその内容を確認した上で許可をするという形になってございます。
「3.事後の対応」についてですが、しっかりモニタリングを行い、早期に問題点を指摘・改善する、厚生労働大臣も直接、事業者への報告徴収・立入検査を行うという仕組みになってございます。
次に、7ページ、8ページ、9ページが、今回の法改正の中で出されました衆議院と参議院の附帯決議でございます。多岐にわたる内容の決議をいただいているところでございます。
それから、10ページの今後のスケジュールですが、今年の夏頃までに政令・省令・告示、ガイドラインといったものを全部定めて公表してまいりたいと考えております。特に黒い四角(■)の4つ目でございますが、国が水道の基盤を強化するための基本的な方針を定めることとされており、下に※1がありますけれども、この部会のもとに設置されている専門委員会において、基本方針の内容について審議を開始しているところでございます。
それから、ガイドラインについては、例えば都道府県が水道基盤強化計画を作成する際の参考になるガイドラインや、2つ目の四角(□)が、水道事業者等が水道施設の維持・修繕を行う際のガイドライン、それから、3つ目の四角(□)が、コンセッション方式を導入する際の許可申請等に係るガイドラインということで、こちらも※2ということで一番下に書いておりますが、検討会を設置しまして議論を開始しているところでございます。
11ページですが、基本方針の内容について御審議いただいている専門委員会の構成員はご覧のメンバーで、滝沢委員に委員長になっていただいているものでございます。スケジュールといたしましては、6月頃にパブリックコメントを実施した上で公表したいと考えております。
12ページでございますが、水道施設運営等事業の実施に関する検討会ということで、こちらもご覧の構成員で検討を始めておりまして、2月26日に第1回検討会を開催、夏頃までにパブコメを実施した上でガイドラインを作成したいと考えております。
続きまして、13ページ以降でございますが、「水道行政の最近の動向等」ということで、今回の法改正のもとになったバックデータや最近の動きをまとめております。
まず、14ページの左下のグラフをご覧いただきたいと思いますが、線グラフが水道の普及率でございまして右側の縦軸で読みます。水色の縦の棒が投資額の推移ということで左側の縦軸で読みます。高度成長期に急激に普及率が上昇しており、その際に投資した水道施設の更新時期が到来しているということでございます。
15ページをご覧いただきたいと思いますが、管路の経年化の現状ということで、左側の管路経年化率というグラフをご覧いただきたいと思います。式がございますけれども、管路の場合は法定耐用年数が40年でございますが、管路の総延長に対して40年を超えた管路の長さの割合を示したものでございます。直近となる平成28年度のデータですと、14.8%という割合になっており、経年的に上昇しているところでございます。右側のグラフが、管路の更新率です。これは、管路の総延長に対するその年度で更新された管路の延長の長さの割合です。直近で申しますと、平成28年度は0.75%ということでございます。上のポツの3つ目でございますけれども、今後20年間くらいを見た場合に、更新が必要な管路というものに着目いたしますと、大体153,700kmキロメートルくらいある予測され、これを今後20年間で均等に割ると年間1.14%ぐらいの更新率が必要になるという試算になります。ですので、今の更新率は0.75%でございますけれども、それを1.5倍ぐらいに引き上げていく必要があると考えております。
16ページが災害の関係でございます。表がございますが、特に昨年は地震、大雨といった大きな災害がございました。
そういった地震への対応、備えができているのかということでございますが、17ページでございますけれども、一番左の基幹管路の耐震適合率をご覧いただきますと、平成29年度は39.3%でございます。これも引き上げが必要だということでございます。
18ページですが、大阪府北部を震源とする地震について、少しデータを整理したものでございまして、管路の敷設年度別の長さの延長とそれに対する破損箇所数を示したもので、単位は1000キロメートル当たりの破損箇所数ということになります。一番左側の棒グラフの上の赤い線の近くに3.2とありますけれども、最も古い年度に敷設された管路については1000キロメートル当たり3.2カ所が破損したということで、これが新しいほど少ない。逆に言うと、古いほど破損している割合が増えているという傾向がデータからも出ているというものでございます。
19ページをご覧いただきたいと思います。こちらは昨年7月の西日本での豪雨による被災状況ということで、18道府県の広い範囲にわたり26万戸の断水が発生したということで、土砂災害や洪水等による被災が発生いたしました。
20ページが北海道の地震でございますけれども、特徴的なことといたしまして、停電が発生したということで、その停電による断水もあったということでございます。もちろん、地震ですので、管路が壊れるとか、写真にございますように厚真町の浄水場の配水施設の一部が土砂崩れで倒壊したというようなことも発生いたしました。
21ページですが、こういった管路の老朽化や水道施設の強靱化にはお金が必要だということで、どれくらい水道料金で必要な経費を回収できているのかというデータでございます。給水人口ごとに示しておりますけれども、一番右側の総計をご覧いただきたいと思いますが、供給単価を給水原価で割った値が100%を超えていれば水道料金で回収できていることになるのですが、それが100%に満たないものは原価割れをしているということになります。これは全体の33%ということでございます。
その下の22ページですが、水道施設が老朽化している中で、どういった更新計画を立てていけばよいのかということに関しては、水道施設のアセットマネジメントを行い、まず、自分の資産の状況を調べる必要がございますが、そのためには水道施設がしっかり台帳として整理されていることが必要です。左側の円グラフがその状況を示したものでございますけれども、「整理している」、「概ね整理している」という水道事業者が大体全体の6割くらいということで、逆に申しますと、残りの4割はまだ余り整理できていないという状況ということでございます。
23ページがアセットマネジメントの実施状況でございます。厚生労働省で手引きや簡易支援ツールなどを公表して取組を推進してきたところでございまして、直近の平成29年度ではアセットマネジメントの実施率が約76%まで上昇しております。ただ、引き続き実施率の引き上げと、実施していてもまだ精度の低いものをやっている水道事業者がおりますので、タイプ3・Cと言っているものが標準型と呼んでいるものでございますが、この3・C以上のものでやっていただく必要があるということで、高い精度のアセットマネジメントへの移行も必要になっているということでございます。
24ページでございますが、こうしたアセットマネジメントなどを行う担当の職員、専門知識を有する職員も減っており、右上のグラフですが、ピーク時と比べて3割減少しています。それから、水道事業の規模が小さいほど人数が少なく、1人や3人といった人数で運営されているというのが実態だということでございます。
そういった職員が少ない事業者は何をやっていけばいいのかということで、有効な方策の一つとして考えられるのが広域連携の推進でございます。
25ページに広域連携の形態をまとめておりますけれども、一番強い形のものが事業統合で、その下にいくほどだんだん緩やかな形のもので、例えば管理の一体化や施設の共同化といったものなど、様々なものが考えられるということでございます。
26ページです。オレンジ色の部分が今回の水道法改正で創設した規定を示したものでございます。中程に水道基盤強化計画が書かれていますが、これは都道府県が作成するものでございますけれども、計画を作成する際はいきなり精緻なもの、細かいものは作れませんので、グレーのところで水道広域化推進プランと書かれていますが、計画を作成するに当たっての基本構想のようなもの、基本的な考え方といったものを、まずは都道府県で検討していただきたいということで、今年の1月25日付の総務省との連名の通知で、都道府県にその作成を要請したところでございます。水道基盤強化計画の策定を見据えまして、広域化の推進方針や当面の具体的取組の内容、スケジュールといったものを記載していただくものでございます。
27ページでございます。官民連携につきましても、今後の有効な方策の一つになり得るということで、いろいろな種類があるということを書いてございます。一般的な業務委託から、一番下が今回の法改正で導入したコンセッション方式ということで、様々なものがあるということでございます。
28ページからが予算の関係でございますけれども、水道施設整備費の年度別推移ということで、一番右側の棒グラフをご覧いただきたいと思いますが、赤い文字で920億円と書かれており、これは平成31年度の予算案と30年度の補正予算額を合わせた数字でございます。大体10年くらい前に近い水準の額になってきているというものでございます。
非公共や公共という言葉がございますけれども、次のページのスライドをご覧いただきたいと思いますが、公共と呼んでいるものが水道施設整備費補助金ということで、簡易水道の施設整備費や水源開発といったものの補助金でございます。それから、非公共というものが生活基盤施設耐震化等交付金ということで、耐震化や広域化といったものに活用いただくものでございます。
最後のスライドでございますけれども、「水道施設の緊急点検を踏まえた災害対策」ということで、昨年、災害が多く発生したということもありまして、政府全体で重要インフラ施設の緊急点検というものを行いました。水道施設もその中の一つだったということでございます。全国の上水道事業等を対象にして、重要度の高い水道施設について、停電、土砂災害、浸水災害等への対応ができているのかを調べまして、今後集中的に3年間かけて対策に取り組んでいこうとしたところでございます。
事業概要でございますが、(1)が停電対策として自家発電設備を設置することや、(2)と(3)が、右側に絵がございますけれども、土砂流入防止壁や防水扉などの整備。それから、耐震化についても、(4)と(5)でございますけれども、引き続き推進していくと。特に(5)でございますけれども、耐震化のペースを1.5倍に引き上げまして、2022年度末までに耐震適合率を50%に引き上げるという目標を掲げているところでございます。
説明は以上でございます。
 
○古米部会長
御説明どうもありがとうございました。
それでは、御質問がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
どうぞ。
 
○髙田委員
コンセッション方式のことについて御質問させていただきます。6ページ目になりますけれども、事後の対応でモニタリングを実施すると書かれておりますけれども、具体的にどのようなモニタリングを想定されているのでしょうか。
 
○林水道課課長補佐
参考資料4の「水道法改正 よくあるご質問にお答えします」を開いていただければと思いますが、3ページの問6でございます。モニタリングの実施方法の例がございますけれども、日常のモニタリング、月次、四半期、年次、随時モニタリングという形があります。まず簡単なものからだと、日報に基づいて実施状況を確認するとか、月次、四半期ですと水質データ等により実施状況を確認。それから、年次ですと、年間の業務実施総括として総合的に評価。その他、抜き打ち検査というものでございます。
それから、次の4ページにも、財務状況の確認ということで、年度事業報告会ですとか四半期、月例といった形で財務状況の確認もしていくということでございます。
 
○髙田委員
では、こういったモニタリングをする実施体制というのも充実させていくということでよろしいのでしょうか。
 
○林水道課課長補佐
はい。モニタリング自体は地方自治体が行うことになりますけれども、モニタリングに当たっての考え方なども今、検討会で検討を進めているところでございます。
 
○髙田委員
ありがとうございます。
 
○古米部会長
他にいかがでしょうか。
どうぞ。
 
○二階堂委員
意見も含めてよろしいですか。
水道の基盤強化策ということで専門委員会が設置されていることについて、事前に御説明いただきました。その上で、冒頭でおっしゃったように、国会審議で大変多くの課題や重い内容があったと認識しています。したがって、ぜひそれらの審議の状況を重く受けとめていただいて、この水道施設運営等事業の実施に関する検討会において、しっかりとしたガイドラインの策定をお願いしたいと思っています。
その上でですが、3月11日で東日本大震災から8年が経過しました。厚生労働省でも平成25年3月に災害のまとめを出されていると思うのですけれども、その時にも、災害に関する自治体の関与が大変重く受けとめられて報告がされています。先ほどございました災害に対するコンセッション事業者の対応ですとか、あるいは、水道料金についても総括原価方式ということで、今は、市民、国民の皆さんにとって非常に透明性が高い料金設定をされていると認識しています。しかし、コンセッションということになれば、コンセッション事業者側の利益、あるいは役員報酬といったものを含めて、透明性のある、国民に理解の得られる料金体系などについても、ぜひこの検討会の中でしっかりと検討いただきたいと思っております。
災害の話をしたので、1点だけ御質問なのですけれども、これも国会審議の中であったと思うのですが、災害対応ということで、特にヨーロッパを中心にコンセッション事業者が具体的にどのような災害対応をなされているのかについて、もし情報があれば教えていただきたいのですが、よろしくお願いします。
 
○是澤水道課長
まず、二階堂委員からいろいろ御指摘いただいた件、特に国会審議でもいろいろ御指摘のありました災害に対する関与や水道料金の関係につきましては、検討会でもしっかり議論いただきまして、後々困ることのないような制度にしていきたいと考えています。
それから、御質問のありましたコンセッション事業者の海外で災害対応について、どのような実績、実例があるかということについては、現在、調査中でございます。幾つか情報をいただいているところでは、例えばフランスにおいて、洪水が発生して浄水場が冠水してしまったような場合に、人員を動員して早期に復旧することができたとか、あるいは、チリなどで地震が起こったときに、これも相当数、数百人というような規模の動員をかけて、早急に災害復旧に当たったというような実例があると聞いております。今、情報を収集中で、取りまとめをしておりますので、何かの機会に御説明できるようにしたいと考えております。
 
○二階堂委員
ありがとうございます。
これは御質問ではなく、今、お調べになっているということでございます。ぜひよろしくお願いしたいと思いますが、とりわけ災害については、これから南海トラフを含めて大規模災害の確率が上がっているということも言われております。したがいまして、イギリスの会計検査院がイギリスのコンセッションについて指摘をしたとおり、災害時においてはなかなか定量的に分析ができないというようなことが報道されておりましたけれども、そういった意味も含めて、しっかりハードルの高いガイドラインを設定いただくよう、改めてお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 
○古米部会長
どうもありがとうございました。
他に何か御質問等はございますでしょうか。
どうぞ。
 
○吉田委員
日本水道協会の吉田でございます。
只今、御説明いただいたパワーポイントの資料ですが、日本の水道は多くの課題を抱えているという御説明がございました。現在の日本の水道は世界的に見れば高い水準にある一方、老朽施設の更新や耐震化などの様々な事業を推進していかなければならないという状況を踏まえ、28ページのスライドのとおり、来年度予算額は今年度の補正予算額と合わせて約10年前のレベルまで確保していただいたということでございます。
ここでお願い事項なのですが、今回、緊急3カ年ということで、実態調査をしていただいて、特に優先的に取り組むものをピックアップして予算化をした結果、予算額が増加したということだと思います。しかしながら、例えば30ページのスライドにもありますように、現在の1.5倍のペースで管路更新を推進したとしても2022年で5割しか耐震化は完了しません。このため、耐震化をはじめ、やらなければいけない事業が3カ年で終わるものではありませんので、緊急3カ年終了後も、安定的な財政支援が望まれるだろうと思います。
これは単にお金の話だけではなくて、それを執行する地方自治体も然り、その工事等を請け負う民間企業も、短期的に集中しても人が確保できないということもございますので、ぜひ安定的な財政支援を行う中で日本の水道の強靱化を図っていただければと思います。
 
○古米部会長
よろしいでしょうか。
他に御質問はございませんでしょうか。
それでは、次の議題に移らせていただきます。「(3)建築物衛生行政の最近の動向等について」ということで、資料3を用いて御説明をいただきたいと思います。
 
○米倉生活衛生課課長補佐
建築物衛生行政の動向についてでございますけれども、これまでこの部会においてあまり御議論をいただいていないことから、法体系を含めて御説明させていただきたいと思います。
資料3の2ページをご覧ください。こちらは、建築物衛生法と言ったりビル管法と言ったりしますけれども、建築物における衛生的環境の確保に関する法律の概要を1枚でまとめたものになっております。
一番上の枠の中でございますけれども、目的に書いてありますように、この法律は、多数の者が使用し、又は利用する建築物の維持管理に関し、環境衛生上必要な事項等を定めるということになっていまして、多数の者が使用し利用する建築物、いわゆるビルの衛生管理を建物の所有者にしっかりやっていただくという法律になっております。
多数の者が使用し利用する建築物につきましては、この図の左下、特定建築物と書いてあるところでございますけれども、用途と規模でその対象を定めております。興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、旅館等という用途で使われる3000平米以上の建物や、小学校、中学校等の学校で8000平米以上のものについてしっかり管理をしていただくということになっています。
管理する内容につきましては、その枠の下に書いてございますように、建築物環境衛生管理基準ということで、空気環境の調整、飲料水の管理、雑用水の管理、排水の管理、清掃、ねずみ、昆虫等の防除をしていただくことになっています。
この特定建築物の維持管理の義務者としては、建物の所有者や維持管理権原者ですが、これらは、通常は同一である場合が多いわけですけれども、所有者等にその管理をやっていただくという枠組みになっております。
3ページの上の方ですけれども、建築物環境衛生管理基準の概要でございますが、環境衛生上良好な状態を目標としているものでございまして、基準に違反し、かつ、健康がそこなわれる事態等の環境衛生上著しく不適当な場合に、行政措置として改善命令や使用停止等の措置がとられるという枠組みになっております。
管理基準の項目につきましては、3ページの下の「空気環境の調整」でございますけれども、下の表にございますように、浮遊粉じんや一酸化炭素、二酸化炭素といった項目につきまして、管理基準に従った空気を供給していただくということが1つ目の内容となっております。
4ページにいきまして、その空気環境の状態については、測定してしっかり確認をしていただくということになっております。下の方の「空気調和設備の病原体汚染防止」でございますが、空調機で使われる冷却水や加湿装置で使われる水については病原体の汚染源になり得るということですので、それについてしっかり管理をしていただくということで、4項目の内容が定められているところでございます。
5ページの飲料水の管理でございますが、飲料水の管理については、建物内の給水に関する設備につきまして、赤字で書いてございますように、水道法に規定する水質基準に適合する水を供給するということになっております。水道事業者からの水を貯水槽などに入れた後、建物内の給水管を通って給水栓から出るという建物内の管理につきましては、水道事業者ではなくて建物の所有者等が管理することになっておりますので、建物に入った後も水道法に規定する水質基準を満たしていただくということが管理の内容となっております。必要な措置としましては、下の枠で書いてございますように、(1)の消毒をしていただくとか、(3)の水質検査をして水質基準を満たしていることを確認していただくとか、(4)の消毒の状況について遊離残留塩素の検査をして確認をしたり、貯水槽の清掃を年1回するといった管理をしていただくということになっております。5ページの下、6ページ、7ページの上の方でございますけれども、水質検査をして、水質基準を満たしていることを確認していただくことになっております。
その外でございますけれども、7ページの下の方に書いてございますように、排水の管理でございますが、汚水などが詰まって溢れると衛生上よくないということですので、排水の管理として6カ月以内ごとに1回清掃することとなっています。
清掃としまして、日常清掃、すなわち毎日の清掃をしていただくとともに、6カ月以内に1回大掃除をしていただいて、しっかり清掃して管理をしていただくこととなっています。
ねずみ等の防除でございますけれども、定期的に薬剤をまくとその薬剤による影響もございますので、(1)で書いてございますようにねずみ等の発生場所、生息場所、侵入経路等について6カ月以内ごとに1回統一的に調査を実施して、それでねずみ等が生息しているなど問題があるということであれば駆除していただくことになるのですけれども、(2)に書いてございますように、殺そ剤、殺虫剤を使用する場合につきましては、医薬品、医薬部外品といったしっかり管理されたものを使用していただくということになっているところでございます。
最後、最近の動向ということでございますけれども、8ページでございます。対象となる特定建築物の状況でございますけれども、管理対象の特定建建築物が増加している状況でございます。
それから、下の方の行政処分の状況でございますけれども、行政処分はほとんど出ておらず、人の健康をそこなうような状況まで建築物衛生が悪化しているような案件というのはほとんど見られていないという状況でございます。
私からの説明は以上でございます。
 
○古米部会長
どうも御説明ありがとうございました。
それでは、御質問があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
私からお聞きしたいと思います。先ほど御説明があったように、特定建築物が46,000件くらいあって、余り多くの処分が出ていないことは理解できました。水質関連で言うと、排水基準の場合には立入検査をやって、ちゃんと管理されているかどうかを調べるために、5年に1回くらいは行けるようなシステムで立入検査をやっています。この特定建築物に関しては、そうした立入検査あるいは点検結果の報告義務というように、実施義務はあるのでしょうけれども、報告義務みたいなものはあるのでしょうか。
 
○古米部会長
わかりました。ありがとうございました。
他に御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、議題(3)を終了させていただいて、最後の議題「(4)その他」ということでございますので、事務局から何かございますでしょうか。
 
○林水道課課長補佐
特にございません。
 
○古米部会長
それでは、全体を通じて委員の方から御意見がなければ、議事終了とさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
それでは、本日の議事は全て終了しましたので、事務局にお戻ししたいと思います。
 
○林水道課課長補佐
本日は貴重な御意見をいただきまして、どうもありがとうございました。
本日の部会の議事録につきましては、後日委員の皆様に御確認いただいた後、ホームページで公開いたしますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
それでは、これをもちまして閉会といたします。本日は誠にありがとうございました。

 

 

(了)

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